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特許7426992熱負荷予測方法、装置、読み取り可能な媒体及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】熱負荷予測方法、装置、読み取り可能な媒体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
G06F11/34 147
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021514404
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2019107928
(87)【国際公開番号】W WO2020063686
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】201811113972.6
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521101789
【氏名又は名称】新智数字科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ENNEW DIGITAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 105, 1/F, Building 1, 0388 Qiu, Huaxiang Road Economic and Technological Development Zone Langfang, Hebei 065001, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】劉 勝偉
(72)【発明者】
【氏名】黄 信
【審査官】渡辺 一帆
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106485348(CN,A)
【文献】特開2016-142555(JP,A)
【文献】特開平09-204218(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/178316(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するステップと、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測するステップと、
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップと、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が各前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するステップと、
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップと、
を含むことを特徴とする、コンピュータによって実行される熱負荷予測方法。
【請求項2】
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップは、
前記対象蒸気利用者が、各前記テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルを取得するステップと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差が、下記の式1により算出されるステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱負荷予測方法。
(ただし、Eiは、i番目のテスト時間帯に対応する相対予測誤差を表し、Fiは、i番目のテスト時間帯に対応する実際の熱負荷レベルを表し、fiは、i番目のテスト時間帯に対応する第1熱負荷レベルを表す。)
【請求項3】
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップは、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記テスト時間帯のそれぞれに対応する信頼可能予測状態を決定するステップと、
隣接する2つの前記テスト時間帯毎にそれぞれ対応する信頼可能予測状態に基づいて、各予測状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移回数を決定するステップと、
記予測状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移回数に基づいて、前記予測状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率を決定するステップと、
記予測状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率により、状態遷移確率行列が構成されるステップと、
現在の時間帯の各前記予測状態に対する初期確率行列を決定するステップと、
前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の熱負荷予測方法。
【請求項4】
前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップは、
各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率行列が、以下の式2により算出されるステップと、
X(n)=X(0)*P (2)
(ただし、X(n)は、現在の時間帯の締切時点を開始時点とするn番目の未来時間帯の、各前記予測状態に対する信頼確率行列を表し、X(0)は、現在の時間帯に対応する初期確率行列を表し、Pは前記状態遷移確率行列を表す)
前記未来時間帯毎に、前記未来時間帯に対応する信頼確率行列から、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の信頼確率を抽出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の熱負荷予測方法。
【請求項5】
前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップは、
各前記予測状態に対する前記未来時間帯の信頼確率から、最大信頼確率を決定するステップと、
前記最大信頼確率に対応する予測状態を対象予測状態として決定するステップと、
前記対象予測状態に対応する誤差閾値と、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱負荷予測方法。
【請求項6】
前記対象予測状態に対応する誤差閾値と、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップは、
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する上クリティカル値及び下クリティカル値が、下記の式3により算出されるステップと、
y=Y/(1+e) (3)
(ただし、yは、前記未来時間帯に対応する上クリティカル値又は下クリティカル値を表し、Yは、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルを表し、eは、前記対象予測状態に対応する誤差閾値の上極値又は下極値を表す。)
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を、前記上クリティカル値及び前記下クリティカル値に基づいて決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の熱負荷予測方法。
【請求項7】
前記複数の予測状態は、具体的に、極度過大評価状態と、過大評価状態と、正常状態と、過小評価状態と、極度過小評価状態とを含み、
前記極度過大評価状態に対応する誤差閾値は具体的に10%超であり、前記過大評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に5%超10%以下であり、
前記正常状態に対応する誤差閾値は、具体的に-5%以上5%以下であり、
前記過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%以上-5%未満であり、
前記極度過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%未満である
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の熱負荷予測方法。
【請求項8】
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するための前処理モジュールと、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測し、前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するためのモデル呼出モジュールと、
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するための誤差処理モジュールと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するための状態確率決定モジュールと、
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するための熱負荷予測モジュールと、
を含むことを特徴とする熱負荷予測装置。
【請求項9】
実行命令を備え、電子機器のプロセッサが前記実行命令を実行する際に、前記電子機器が、請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行する
ことを特徴とする読み取り可能な媒体。
【請求項10】
プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリは、実行命令を記憶するためのものであり、前記プロセッサと前記メモリとは、前記バスを介して接続され、電子機器が稼働する場合に、前記プロセッサは、請求項1~のいずれか一項に記載の方法を前記プロセッサに実行させるように、前記メモリに記憶された前記実行命令を実行する
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気工学技術分野に関し、特に熱負荷予測方法、装置、読み取り可能な媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気装置の蒸気に対する効率的なスケジューリングを達成するために、一般的に、蒸気利用者が様々な未来の時間帯に蒸気を使用する際に対応する熱負荷を予測する必要がある。
【0003】
現在、一般的には、蒸気利用者が様々な未来の時間帯に蒸気機器の蒸気を使用する時にそれぞれ対応する熱負荷レベルを、自己回帰積分スライド平均モデル(Autoregressive Integrated Moving Average Model,ARIMAモデル)で予測する。
【0004】
ARIMAモデルは、蒸気利用者が様々な未来の時間帯に蒸気を使用する時に対応する熱負荷レベルのみを予測できる場合、つまり1つの具体的な値を予測するようになり、複数の連続する過去時間帯にわたって蒸気機器の蒸気を不規則的に使用した蒸気利用者にとって、その予測される1つ以上の熱負荷レベルと、当該蒸気利用者が対応する未来の時間帯に蒸気機器の蒸気を実際的に使用する際に対応する現在の熱負荷レベルとの間に、大きな差がある可能性があり、シングルポイント誤差が大きすぎる現象が発生してしまい、後工程で蒸気機器の蒸気を効率的にスケジューリングすることができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、フォローアッププロセスで、蒸気機器の蒸気をより効率的にスケジューリングするために、蒸気利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する熱負荷区間の予測を実現することができる熱負荷予測方法、装置、読取可能な媒体及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1形態で、本発明は、
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するステップと、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測するステップと、
【0007】
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップと、
【0008】
前記予測モデルを呼び出して、前記対象利用者が各前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するステップと、
【0009】
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップと、
を含む熱負荷予測方法を提供する。
【0010】
好ましくは、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップは、
前記対象蒸気利用者が、各前記テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルを取得するステップと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差が、下記の式1により算出されるステップと、
を含む。
(ただし、Eiは、i番目のテスト時間帯に対応する相対予測誤差を表し、Fiは、i番目のテスト時間帯に対応する実際の熱負荷レベルを表し、fiは、i番目のテスト時間帯に対応する第1熱負荷レベルを表す。)
【0011】
好ましくは、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップは、
【0012】
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記テスト時間帯のそれぞれに対応する信頼可能予測状態を決定するステップと、
隣接する2つの前記テスト時間帯毎にそれぞれ対応する信頼可能予測状態に基づいて、各予測状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移回数を決定するステップと、
【0013】
前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移回数に基づいて、前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率を決定するステップと、
前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率により、状態遷移確率行列が構成されるステップと、
現在の時間帯の各前記予測状態に対する初期確率行列を決定するステップと、
【0014】
前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップと、
を含む。
【0015】
好ましくは、
前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップは、
【0016】
各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率行列が、以下の式2により算出されるステップと、
X(n)=X(0)*P (2)
(ただし、X(n)は、現在の時間帯の締切時点を開始時点とするn番目の未来時間帯の、各前記予測状態に対する信頼確率行列を表し、X(0)は、現在の時間帯に対応する初期確率行列を表し、Pは前記状態遷移確率行列を表す)
前記未来時間帯毎に、前記未来時間帯に対応する信頼確率行列から、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の信頼確率を抽出するステップと、
を含む。
【0017】
好ましくは、
前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップは、
【0018】
各前記予測状態に対する前記未来時間帯の信頼確率から、最大信頼確率を決定するステップと、
前記最大信頼確率に対応する予測状態を対象予測状態として決定するステップと、
【0019】
前記対象予測状態に対応する誤差閾値と、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップと、
を含む。
【0020】
好ましくは、
前記対象予測状態に対応する誤差閾値と、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップは、
【0021】
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する上クリティカル値及びクリティカル値が、下記の式3により算出されるステップと、
y=Y/(1+e) (3)
(ただし、yは、前記未来時間帯に対応する上クリティカル値又は下クリティカル値を表し、Yは、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルを表し、eは、前記対象予測状態に対応する誤差閾値の上極値又は下極値を表す。)
【0022】
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を、前記上クリティカル値及び前記下クリティカル値に基づいて決定するステップと、
を含む。
【0023】
好ましくは、
前記複数の予測状態は、具体的に、極度過大評価状態と、過大評価状態と、正常状態と、過小評価状態と、極度過小評価状態とを含み、
前記極度過大評価状態に対応する誤差閾値は具体的に10%超であり、前記過大評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に5%超10%以下であり、
【0024】
前記正常状態に対応する誤差閾値は、具体的に-5%以上5%以下であり、
前記過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%以上-5%未満であり、
前記極度過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%未満である。
【0025】
第2形態で、本発明は、
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するための前処理モジュールと、
【0026】
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測し、前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が各前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するためのモデル呼出モジュールと、
【0027】
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するための誤差処理モジュールと、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するための状態確率決定モジュールと、
【0028】
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するための熱負荷予測モジュールと、
を含む熱負荷予測装置を提供する。
【0029】
第3形態で、本発明は、
実行命令を備え、電子機器のプロセッサが前記実行命令を実行する際に、前記電子機器が、第1形態におけるいずれか一項に記載の方法を実行する読み取り可能な媒体を提供する。
【0030】
第4形態で、本発明は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリは、実行命令を記憶するためのものであり、前記プロセッサと前記メモリとは、前記バスを介して接続され、前記電子機器が稼働する場合に、前記プロセッサは、第1形態におけるいずれか一項に記載の方法を前記プロセッサに実行させるように、前記メモリに記憶された前記実行命令を実行する電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、熱負荷予測方法、装置、読み取り可能な媒体及び電子機器を提供する。当該方法は、複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成し、予測モデルを呼び出して、対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測した後、各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定することができ、さらに、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差に基づいて状態遷移確率行列を形成するとともに、状態遷移確率行列に基づいて各予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定し、再び予測モデルを呼び出して、対象利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測した後、未来時間帯ごとに、未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各予測状態に対する未来時間帯の状態信頼確率と、各予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定することで、予測される第2熱負荷レベルの最適化を実現してシングルポイント誤差が過度に大きくなる現象の発生を回避し、以降のプロセスにおける蒸気機器の蒸気のより効率的なスケジューリングを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下、本発明の実施例または従来技術案をより明確に説明するために、実施例または従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明に記載のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得可能である。
【0033】
図1】本発明の一実施例によって提供される熱負荷予測方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施例によって提供される他方の熱負荷予測方法のフローチャートである。
図3】本発明の一実施例によって提供される熱負荷予測装置の概略構成図である。
図4】本発明の一実施例によって提供される電子機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、本発明の技術案を、具体的な実施例及び対応する図面に合わせて明確かつ完全的に説明する。もちろん、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例により、当業者が創造的な労働を行わないうえで取得した他の全ての実施例は、本発明の範囲に属する。
【0035】
図1に示すように、本発明の実施例は、
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するステップ101と、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測するステップ102と、
【0036】
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップ103と、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップ104と、
【0037】
前記予測モデルを呼び出して、前記対象利用者が各前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するステップ105と、
【0038】
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップ106と、
を含む熱負荷予測方法を提供する。
【0039】
図1に示す実施例のように、当該方法は、複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成し、予測モデルを呼び出して、対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測した後、各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定することができ、さらに、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差に基づいて状態遷移確率行列を形成するとともに、状態遷移確率行列に基づいて各予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定し、再び予測モデルを呼び出して、対象利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測した後、未来時間帯ごとに、未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各予測状態に対する未来時間帯の状態信頼確率と、各予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定することで、予測される第2熱負荷レベルの最適化を実現してシングルポイント誤差が過度に大きくなる現象の発生を回避し、以降のプロセスにおける蒸気機器の蒸気のより効率的なスケジューリングを容易にすることができる。
【0040】
予測モデルとしては、具体的に、自己回帰積分スライド平均モデル(Auto Regressive Integrated Moving Average Model,ARIMAモデル)やGBRT(Gradient Boost Regression Tree,プログレッシブ勾配回帰木)予測モデルであってもよい。ARIMAモデルまたはGBRT予測モデルを形成するには、いずれも対象蒸気利用者が複数の連続する履歴時間帯において蒸気機器の蒸気を使用するときにそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルに基づく必要がある。
【0041】
なお、本発明の各実施例のいずれかの箇所に記載の「履歴時間帯」、「テスト時間帯」、「未来時間帯」の時間長さは同じであり、具体的には、1時間であってもよい。もちろん、特定の業務シーンでは、時間帯の長さを他の値に設定することもできる。
【0042】
本発明の好ましい一実施例において、前記複数の予測状態は、具体的に、極度過大評価状態と、過大評価状態と、正常状態と、過小評価状態と、極度過小評価状態とを含み、
前記極度過大評価状態に対応する誤差閾値は具体的に10%超であり、;前記過大評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に5%超10%以下であり、
前記正常状態に対応する誤差閾値は、具体的に-5%以上5%以下であり、
前記過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%以上-5%未満であり、
前記極度過小評価状態に対応する誤差閾値は、具体的に-10%未満である。
【0043】
本実施例で設定される複数の予測状態は、利用者によって実際の業務シーンの異なる需要に合わせて増加または減少されることができ、各予測状態について、それぞれ異なる誤差閾値を配置し、有限回数のテストを経て検証を行うと、各予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値が前記実施例で説明された閾値である場合に、対象蒸気利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルが、本発明の実施形態によって提供される技術案で予測され得る対応の熱負荷区間に位置するように確保することができ、すなわち本発明の実施例が提供する技術案は、対象蒸気利用者が各未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する熱負荷レベルの予測をより正確に実現することができるように確保する。
【0044】
説明の便宜上、本発明の以降の各実施例ではS1のみで極度の過大評価状態を表し、S2で過大評価状態を表し、S3で正常状態を表し、S4で過小評価状態を表し、S5で極度の過小評価状態を表す。
【0045】
本発明の好ましい一実施例において、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するステップは、
前記対象蒸気利用者が、各前記テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルを取得するステップと、
【0046】
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差が、下記の式1により算出されるステップと、
を含む。
(ただし、Eiは、i番目のテスト時間帯に対応する相対予測誤差を表し、Fiは、i番目のテスト時間帯に対応する実際の熱負荷レベルを表し、fiは、i番目のテスト時間帯に対応する第1熱負荷レベルを表す。)
【0047】
本実施例では、対象蒸気利用者が各テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測モデルにより予測し、対象蒸気利用者が各テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルを取得した後、さらに、各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベル及び実際の熱負荷レベルを式1により処理し、得られた各相対予測誤差は、対応のテスト時間帯に対応して予測された第1熱負荷レベルと実際の熱負荷レベルとの間の予測状態を評価するために利用可能で、対応のテスト時間帯に対応する第1熱負荷レベルの誤差の大きさを測定することを実現する。
【0048】
本発明の好ましい一実施例において、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するステップは、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記テスト時間帯のそれぞれに対応する信頼可能予測状態を決定するステップと、
隣接する2つの前記テスト時間帯毎にそれぞれ対応する信頼可能予測状態に基づいて、各予測状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移回数を決定するステップと、
前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移回数に基づいて、前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率を決定するステップと、
【0049】
前記状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率により、状態遷移確率行列が構成されるステップと、
現在の時間帯の各前記予測状態に対する初期確率行列を決定するステップと、
前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップと、
を含む。
【0050】
例えば、上記式1により、i番目のテスト時間帯に対応する相対予測誤差Eiは6%であると算出されると、上記実施例で前記予測状態S1、S2、S3、S4、S5にそれぞれ対応する誤差閾値によれば、過大評価状態S2に対応する誤差閾値内に6%が位置していると判定されることができ、よって、過大評価状態S2をi番目のテスト時間帯に対応する信頼可能予測状態として決定することができる。
【0051】
本実施例において、予測状態遷移タイプとは、具体的に、設定された複数の予測状態のうち、一方の予測状態が現在の予測状態または他の予測状態へ遷移することを指し、具体的には、上記実施例で述べた5つの予測状態S1、S2、S3、S4、S5を例として、S1に対して、S1からS1への遷移、S1からS2への遷移、S1からSへの変換、S1からS4への遷移、及びS4からS5への遷移の5つの遷移状況が対応され、類似な原理ににより、S2、S3、S4、S5にもそれぞれ5種類の遷移状況が対応され、遷移状況のそれぞれは、1つの予測状態遷移タイプであり、ここでは、25種の予測状態遷移タイプを有してもよい。
【0052】
本実施例では、n個の連続するテスト時間帯を例とすると、i-1番目のテスト時間帯に対応する信頼可能予測状態がS1であり、i番目のテスト時間帯に対応する信頼可能予測状態がS2であると、S1からS2へ遷移する予測状態遷移タイプに対応する状態遷移回数に1を加算し、隣接する2つのテスト時間帯毎にいずれも上記処理を行った後、各予測状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移回数を取得することができ、さらに、1つの状態遷移タイプについて、テスト時間帯の総数nに対するその対応する状態遷移回数の比は、その状態遷移タイプに対応する状態遷移確率Pとなる。
【0053】
具体的には、各状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移確率の、形成される状態遷移確率行列における位置は、以下の表1を参照することができる。
【0054】
表1
【0055】
なお、表1において状態遷移確率PS1-S2は、具体的に状態遷移タイプ「S1からS2への遷移」に対応する状態遷移確率を表し、当業者は、表1に記載された各状態遷移確率を類似なルールに従って理解可能である。
【0056】
なお、表1における各状態遷移確率の対応する行列位置は、その状態遷移確率が状態遷移確率行列中に位置する1つの要素である場合に、状態遷移確率におけるその要素の対応する行列位置である。
【0057】
本実施例では、各予測状態に対する現在の時間帯の初期確率行列を決定する場合に、現在の時間帯に対応する信頼可能予測状態を類似な方法で決定することができ、初期確率行列は5つの要素を有し、5つの要素が順に予測状態S1、S2、S3、S4、S5の初期確率であり、かつ現在の時間帯に対応する信頼可能予測状態の初期確率のみが1であり、その他の予測状態の初期確率がすべて0である。
【0058】
本実施例では、初期確率行列および状態遷移確率行列に基づいて、各予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定する場合に、1つの未来時間帯について、この未来時間帯は、現在の予測状態に対する信頼確率が高いほど、形成された予測モデルを呼び出して、当該対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する第2熱負荷レベルを予測する場合に、予測される第2熱負荷レベルに対応する予測状態が現在の予測状態である可能性が高いと表明され、以降の過程において各予測状態に対する当該未来時間帯の信頼確率に基づき、予測モデルにより予測され得る当該未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルを最適化することに寄与し、対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間をより正確に決定することが実現される。
【0059】
具体的には、本発明の一実施例において、前記初期確率行列及び前記状態遷移確率行列に基づいて、各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率を決定するステップは、
各前記予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率行列が、以下の式2により算出されるステップと、
X(n)=X(0)*P (2)
(ただし、X(n)は、現在の時間帯の締切時点を開始時点とするn番目の未来時間帯の、各前記予測状態に対する信頼確率行列を表し、X(0)は、現在の時間帯に対応する初期確率行列を表し、Pは前記状態遷移確率行列を表す)
前記未来時間帯毎に、前記未来時間帯に対応する信頼確率行列から、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の信頼確率を抽出するステップと、
を含む。
【0060】
上記式2により得られたn番目の時間帯に対応する信頼確率行列において、前記実施例で述べた複数の予測状態には、具体的にS1、S2、S3、S4、S5が含まれる場合を例に挙げると、この信頼確率行列は、予測状態S1、S2、S3、S4、S5に対するn番目の未来時間帯の信頼確率の順に5つの要素を含むことができる。
【0061】
本発明の好ましい一実施例において、前記対象予測状態に対応する誤差閾値と、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するステップは、
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する上クリティカル値及びクリティカル値が、下記の式3により算出されるステップと、
y=Y/(1+e) (3)
(ただし、yは、前記未来時間帯に対応する上クリティカル値又は下クリティカル値を表し、Yは、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルを表し、eは、前記対象予測状態に対応する誤差閾値の上極値又は下極値を表す。)
前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を、前記上クリティカル値及び前記下クリティカル値に基づいて決定するステップと、
を含む。
【0062】
本実施例では、ある現在の予測状態に対する1つの未来時間帯の信頼確率が高いほど、その対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する第2熱負荷レベルを予測モデルを呼び出して予測する場合に、予測される第2熱負荷レベルに対応する予測状態は、現在の予測状態である可能性が高いと表明されるので、最大信頼確率に対応する予測状態を対象状態とした後、この対象予測状態に対応する誤差閾値に基づいて、予測される第2熱負荷量レベルが前記数式3により最適化されると、対象蒸気利用者が当該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間をより正確に決定することが実現される。
【0063】
例えば、前記予測状態S1、S2、S3、S4、S5に対するj番目の未来時間帯の各状態信頼確率のうち、予測状態S2に対応する信頼確率が最も高いと判定されると、j番目の未来時間帯において利用者が蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する第2熱負荷レベルを予測モデルにより予測する場合に、予測される第2熱負荷レベルは、過大評価状態に対応する可能性が高いと表明される。具体的には、前述した実施例において予測状態S2に対応する誤差閾値を参照すると、5%超10%以下であり、すなわち、過大評価状態S2に対応する上極値(最大値または最大値が近づく限界値)は10%であり、下極値(最小値または最小値が近づく限界値)は5%であり、予測モデルにより予測されるj番目の未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルがY(予測されるY値について過大評価される確率は極めて高い)であるとすると、上記式3により、i番目の未来時間帯に対する上クリティカル値が0.95Y、下クリティカル値が0.91Yであると算出される。さらにi番目の未来時間帯において利用者が蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間は0.91Y~0.95Yとなると決められる。
【0064】
前述の例に基づいて、以降の過程で蒸気に対しスケジューリングを行う場合に、予測モデルによって予測された第2熱負荷レベルYに基づいて、i番目の未来時間帯において対象蒸気利用者に対して蒸気スケジューリングを行うと、対象蒸気利用者側に需給差が過大となるおそれがあり、逆に、熱負荷区間である0.91Y~0.95Yに基づいてi番目の未来時間帯において対象蒸気利用者に対して蒸気スケジュールを行う場合には、対象蒸気利用者の最低熱負荷需要を表すのがたぶん0.91Yであり、最高熱負荷需要を表すのがたぶん0.95Yであり、熱負荷需要の中央値が0.9Yとなり、この際、実際の業務シーンに合わせて、対象蒸気利用者の最低熱負荷需要、最高熱負荷需要、または熱負荷需要の中間値で対象蒸気利用者に対し蒸気スケジュールを行うことができる。本発明の実施例が提供する技術案によれば、予測モデルによって未来時間帯において利用者が蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷レベルが直接的に予測されることによるシングルポイント誤差が大きすぎる現象を解消することができ、以降のプロセスおいて蒸気機器の蒸気のより効率的なスケジューリングを容易にすることができる。
【0065】
図2を参照すると、本発明の実施例は、他の熱負荷予測方法を提供し、具体的に、以下の各ステップを含む。
【0066】
ステップ201では、複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者が複数の連続する履歴時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する履歴熱負荷レベルに基づいて、予測モデルを形成する。
【0067】
ステップ202では、予測モデルを呼び出して、対象蒸気利用者が複数の連続するテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測する。
【0068】
ステップ203では、対象蒸気利用者が各テスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する実際の熱負荷レベルを取得する。
【0069】
ステップ204では、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を算出する。
【0070】
ステップ204は、具体的に本発明の任意の実施例によって提供される式1と組み合わせて実施されてもよい。
【0071】
ステップ205では、各テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差と、各予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、テスト時間帯のそれぞれに対応する信頼可能予測状態を決定する。
【0072】
ステップ206では、隣接する2つのテスト時間帯毎にそれぞれ対応する信頼可能予測状態に基づいて、各予測状態遷移タイプにそれぞれ対応する状態遷移回数を決定する。
【0073】
ステップ207では、状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移回数に基づいて、状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率を決定する。
【0074】
ステップ208では、状態遷移タイプ毎にそれぞれ対応する状態遷移確率により、状態遷移確率行列が構成される。
【0075】
ステップ209では、現在の時間帯の各予測状態に対する初期確率行列を決定する。
【0076】
ステップ210では、各予測状態に対する各未来時間帯の信頼確率行列を算出する。
【0077】
ステップ210は、具体的に本発明の任意の実施例によって提供される式2と組み合わせて実施されてもよい。
【0078】
ステップ211では、未来時間帯毎に、未来時間帯に対応する信頼確率行列から、各予測状態に対する未来時間帯の信頼確率を抽出する。
【0079】
説明の便宜上、以降の各ステップは、1つのみの未来時間帯に対して対応に処理することで、対象蒸気利用者が該未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定する。
【0080】
ステップ212では、各予測状態に対する未来時間帯の信頼確率から、最大信頼確率を決定し、最大信頼確率に対応する予測状態を対象予測状態として決定する。
【0081】
ステップ213では、対象予測状態に対応する誤差閾値と、未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルとに基づいて、対象蒸気利用者が未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定する。
【0082】
ここで、対象蒸気利用者が未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定することは、具体的に、前述の実施例のいずれか一項によって提供される式3に組み合わせて実現されてもよい。
【0083】
本発明の方法例と同じ思想に基づいて、図3に示すように、本発明の実施例は、
複数の予測状態と、複数の予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とを設定し、対象蒸気利用者に対応する予測モデルを形成するための前処理モジュール301と、
前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が複数のテスト時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルを予測し、前記予測モデルを呼び出して、前記対象蒸気利用者が各前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際にそれぞれ対応する第2熱負荷レベルを予測するためのモデル呼出モジュール302と、
各テスト時間帯にそれぞれ対応する第1熱負荷レベルに基づいて、各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差を決定するための誤差処理モジュール303と、
各前記テスト時間帯にそれぞれ対応する相対予測誤差及び各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値に基づいて状態遷移確率行列を形成し、前記状態遷移確率行列に基づいて各前記予測状態に対する各未来時間帯の状態信頼確率を決定するための状態確率決定モジュール304と、
前記未来時間帯ごとに、前記未来時間帯に対応する第2熱負荷レベルと、各前記予測状態に対する前記未来時間帯の状態信頼確率と、各前記予測状態にそれぞれ対応する誤差閾値とに基づいて、前記対象蒸気利用者が前記未来時間帯において蒸気機器の蒸気を使用する際に対応する熱負荷区間を決定するための熱負荷予測モジュール305と、
を含む熱負荷予測装置をさらに提供する。
【0084】
図4は、本発明の一実施例による電子機器の概略構成図である。ハードウェアレベルでは、この電子機器はプロセッサを含み、必要に応じて内部バス、ネットワークインターフェース、メモリをさらに含む。その中、メモリは、高速ランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory;RAM)などのメモリを含んでいてもよいし、少なくとも1つのディスクメモリなどの不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでいてもよい。もちろん、この電子機器は、他の業務に必要なハードウェアを含むこともできる。
【0085】
プロセッサ、ネットワークインタフェース、およびメモリは、内部バスを介して相互に接続可能で、I当該内部バスは、ISA(Industry Standard Architecture)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、またはEISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等に分けられることができる。図示の便宜上、図4では、1つの双方向矢印のみで示すが、1本のバスまたは1つのタイプのバスのみが表されるわけではない。
【0086】
メモリは、プログラム格納/命令実行用のものである。具体的には、プログラムは、コンピュータ操作命令を含むプログラムコードを含んでもよい。メモリは、メモリおよび不揮発性メモリを含み、命令およびデータをプロセッサに提供してもよい。
【0087】
1つの実現可能な実施形態では、プロセッサは、論理レベルで熱負荷予測装置を形成するように、不揮発性メモリから対応するコンピュータプログラムを読み出してメモリに実行させてもよいし、他の装置から対応するコンピュータプログラムを取得してもよい。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行し、実行されたプログラムにより本発明のいずれかの実施例に提供される熱負荷予測方法を実現する。
【0088】
上述実施例に提供される熱負荷予測装置が実行する方法は、プロセッサに適用されてもよいし、プロセッサによって実現されてもよい。プロセッサは、信号の処理能力を有する集積回路チップであってもよい。実現中において、上述方法の各ステップは、プロセッサにおけるハードウェアの集積論理回路またはソフトウェア形式の命令によって達成されてもよい。上述プロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor,NP)などを含む汎用プロセッサであってもよいし、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本発明の実施例に開示される各方法、ステップ、および論理ブロック図は、実現または実行されることができる。汎用プロセッサとしては、マイクロプロセッサであってもよく、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
【0089】
本発明の実施例に開示される方法のステップに合わせると、ハードウェアデコードプロセッサの実行完了、またはデコードプロセッサ内のハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせによる実行完了として直接的に具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ、または電気的に書き換え可能なプログラマブルメモリ、レジスタなどの当分野で成熟した記憶媒体に位置してもよい。当該記憶媒体はメモリに位置し、プロセッサはメモリ内の情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上述の方法のステップを完了する。
【0090】
本発明の実施例では、さらに、命令を含む1つ以上のプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提案される。この命令は、複数のアプリケーションを含む電子機器によって実行される場合に、当該電子機器に、本発明のいずれかの実施例で提供される熱負荷予測方法を実行させることができ、具体的に図1及び/又は図2に示す方法を実行するために用いられる。
【0091】
上述実施例で説明されたシステム、装置、モジュールまたはユニットは、具体的に、コンピュータチップまたはエンティティによって実現されてもよく、またはある機能を有する製品によって実現されてもよい。典型的な実現装置の一種は、コンピュータである。具体的には、コンピュータは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、携帯電話、カメラ電話、スマートフォン、携帯情報端末、メディアプレーヤ、ナビゲーション機器、電子メールデバイス、ゲームコンソール、タブレット、ウェアラブルデバイス、またはこれらのデバイスのいずれかの組み合わせであってもよい。
【0092】
説明の便宜上、上記の装置は、機能別に様なユニットまたはモジュールに分けて記載されている。もちろん、本発明を実施する際に、各ユニットまたはモジュールの機能を、同一または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現することができる。
【0093】
当業者にとって理解する必要があるものとして、本発明の実施例は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得る。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施例の形式を採用することができる。そして、本発明は、コンピューターで使用可能なプログラムコードが含まれるコンピューターで使用可能な1つ以上のストレージメディア(限定するものではないが、磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなど)上に実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用することができる。
【0094】
本発明は、本発明の実施例による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図におけるそれぞれのフロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートにおける1つ以上のプロセス及び/又はブロック図における1つ以上のブロックに指定される機能を実現するための装置を生じるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成してもよい。
【0095】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方法で動作させるように案内可能なコンピュータ読み取り可能なメモリに格納されることによって、当該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令が、命令装置を含む製造品を生成するようにし、当該命令装置は、フローチャートの1つ以上のフローおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実現してもよい。
【0096】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされることによって、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上に一連の操作ステップが実行され、コンピュータによって実現される処理を生成してもよく、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上に実行される命令は、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0097】
典型的な配置では、コンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサ(CPU)、入出力インターフェース、ネットワークインターフェース、およびメモリを含む。
【0098】
メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体のうちの非永続的なメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は不揮発性メモリなどの形態、例えばリードオンリーメモリ(ROM)又はフラッシュメモリ(flash RAM)を含むことができる。メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体の例である。
【0099】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、永続的および非永続的な媒体、リムーバブルおよび非リムーバブルの媒体を含み、任意の方法または技術によって情報記憶を実現することができる。情報は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムのモジュール、または他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体としては、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、その他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリや他のメモリ技術、CD-ROM、DVDや他の光ストレージ、磁気カートリッジ、磁気テープストレージや他の磁気記憶装置または他の非伝送媒体を含むが、これらに限られなく、コンピューティングデバイスのアクセス可能な情報を記憶するために用いられる。本明細書で定義されるように、コンピュータ読み取り可能な媒体は、変調されたデータ信号および搬送波などの一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含まない。
【0100】
なお、「含む」、「含まれる」、またはその任意の他の変形例は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。これによって、一連の要素を含むプロセス、方法、商品又は機器は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むことになり、あるいは、そのようなプロセス、方法、商品または装置の固有する要素も含む。これ以上の制限なしの場合、「1つ.....を含む」という文言によって定義される要素は、その要素を含むプロセス、方法、商品または装置内に他の同じ要素が存在することを排除するものではない。
【0101】
当業者にとって理解する必要があるものとして、本発明の実施例は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得る。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施例の形式を採用することができる。そして、本発明は、コンピューターで使用可能なプログラムコードが含まれるコンピューターで使用可能な1つ以上のストレージメディア(限定するものではないが、磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなど)上に実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用することができる。
【0102】
本発明は、コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令、例えばプログラムモジュールの一般的な文脈で説明されることができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、または特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。本発明は、通信ネットワークを介して接続される遠隔処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施されることもできる。分散コンピューティング環境で、プログラムモジュールは、記憶装置を含むローカルおよびリモートコンピュータ記憶媒体内に位置してもよい。
【0103】
本発明の各実施例は、いずれも漸進的に説明するものであり、互いに同一の部分を参照すればよく、それぞれの実施例について他の実施例との相違点を中心に説明する。特に、システムの実施例については、方法実施例と実質的に類似するので、説明は簡単であり、関連する点は方法実施例の一部の説明を参照すればよい。
【0104】
以上は本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、当業者にとって様々な変更及び変更が可能である。本発明の精神及び原理の範囲内で行われるあらゆる変更、均等物、改良等は、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4