(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】デジタル回路試験及び分析モジュール、システム及びそれの方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20240126BHJP
G01R 31/3193 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240126BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G01R31/28 V
G01R31/3193
H01L27/04 T
(21)【出願番号】P 2021531182
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2019071023
(87)【国際公開番号】W WO2020030590
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521055677
【氏名又は名称】ヌマスカル エイエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パルフェール - ソリエール、ティボー
(72)【発明者】
【氏名】ルスタッド、エイナル
(72)【発明者】
【氏名】ペルスボルド、ステッフェン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-538628(JP,A)
【文献】米国特許第04051354(US,A)
【文献】特開2008-097131(JP,A)
【文献】特開2006-344223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28-31/3193
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テスト結果の強化された分析機能を提供すること、並びに、パフォーマンス監視、ステートフルデータの機能的変更の追跡、及びデジタル集積回路に組み込まれるように構成された複雑な回路内の回路動作を監視する機能を提供するデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)であって、
- 2
D×1ビット幅のメモリ・ロケーションを有するように構成されたメモリ(22)であって、Dはゼロより大きい整数で、DはDビット幅のデジタル刺激パターンを提供するデジタル信号線の数を示す、メモリ(22)と、
- 第1のデジタル信号入力バス(21a)、第2のデジタル信号入力バス(21b)、及び第3のデジタル信号入力バス(21c)を含む少なくとも3つのデジタル信号入力バスと、
を備え、
- 前記第1のデジタル信号入力バス及び第2のデジタル信号入力バスは、第1のマルチプレクサ(11)に電気的に接続され、第1の制御信号(19)は、前記第1のデジタル信号入力バス及び前記第2のデジタル信号入力バスのうちの1つを選択して、前記第1のマルチプレクサの出力に多重化され、前記第1のマルチプレクサからのデジタル信号出力は、前記メモリ(22)をアドレス指定するDビット幅のデジタル信号であり、
- 前記第3のデジタル信号入力バスは、第2の制御信号(30)によって制御される第2のマルチプレクサ(29)に接続され、前記第2のマルチプレクサ(29)の入力側に接続されるデジタル入力信号は、複数の他のデジタル回路試験および分析モジュールからの試験及び/又は分析ステータス信号であり、
- 2
D×1ビット幅のメモリ・ロケーションが、任意の時間に、前記少なくとも1つのデジタル信号入力バスに印加される任意のD個のデジタル信号レベルの組合せの試験及び/又は分析ステータスを示す1ビット値で事前更新される、デジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのデジタル信号入力バスが修飾子信号(20a、20b、20c、13a)に関連付けられた、請求項1に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの修飾子信号が、前記D個のデジタル信号レベルの対応する数値によってアドレス指定された前記メモリ(22)の1ビット・メモリ・ロケーションを修飾するように構成され、
前記少なくとも1つの修飾子信号によって修飾された前記メモリ(22)からの出力信号が前記D個の組み合わせられたデジタル信号レベルの前記試験及び/又は分析ステータス(23)である、請求項2に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項4】
前記メモリ(22)が、2
E×Fビット・メモリ・ワードのメモリであるように構成され、ここでE<D、F>1であり、F×Eビットの倍数が2
Dに等しい、請求項1に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのデジタル信号入力バスが第1のバス(13)と第2のバス(17)とに分割され、
前記第2のバス(17)が、前記第1のバス(13)によってアドレス指定された長さFの出力ワード(18)の1ビット・セルを選択する間、前記第1のバス(13)が前記メモリ(22)の2
Eメモリ・ワード(18)のうちの1つをアドレス指定している、請求項4に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項6】
前記メモリ(22)の出力ワード(18)がマルチプレクサ(15)に接続され、前記第2のバス(17)が、前記少なくとも1つのデジタル信号入力バスの数値に関連付けられた前記出力ワード(18)の1ビットを選択する前記マルチプレクサ(15)の制御信号である、請求項5に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項7】
前記3つのデジタル信号入力バスがマルチプレクサ(11)に接続され、第1の制御信号(19)が、前記マルチプレクサ(11)の出力に多重化される前記3つのデジタル入力信号バスのうちの1つを選択し、
前記マルチプレクサ(11)からのデジタル信号出力が前記メモリ(22)をアドレス指定する、請求項1に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項8】
前記マルチプレクサ(29)に接続された前記試験及び/又は分析ステータス信号(23)のうちの少なくとも1つは、前記マルチプレクサ(29)が位置する前記デジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)からのものである、請求項1に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【請求項9】
前記分析モジュール(10、10a)がASIC又はSOCチップ回路中に埋め込まれた、請求項1から8までのいずれか一項に記載のデジタル回路試験及び分析モジュール。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の少なくとも1つのデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)を備える、デジタル回路試験及び分析システム。
【請求項11】
複数のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)がカスケード結合において接続された、請求項10に記載のデジタル回路試験及び分析システム。
【請求項12】
デジタル回路におけるタイミング・イベントを分析する方法であって、前記方法は、
- カスケード結合で接続された複数のデジタル回路試験及び分析モジュールを提供することであって、
前記複数のモジュールのうちの第1のモジュールが、デジタル信号入力バス上で試験及び分析されるデジタル信号の選択されたグループを受信するように構成され、前記デジタル回路試験及び分析モジュールは、
i)D個のデジタル信号線を備える少なくとも1つのデジタル信号入力バスであって、Dはゼロより大きい整数であり、D個のデジタル信号線はDビット幅のデジタル刺激パターンを提供する、少なくとも1つのデジタル信号入力バスと、
ii)2
Dx1ビット幅のメモリ・ロケーションを有するように構成されたメモリと、
を含み、
Dビット幅のデジタル信号は、前記メモリの2
Dx1ビット幅のメモリ・ロケーションの数値読出しアドレスとして適用され、
2
Dx1ビット幅のメモリ・ロケーションは、少なくとも1つのデジタル入力信号バスに常に適用される任意のD個のデジタル信号レベルの組み合わせの試験及び/又は分析ステータスを示す1ビット値で事前に更新される、
提供することと、
- 前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュールのうちの第2のモジュールのデジタル入力バス(24、25)に接続されるように前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュールのうちの前記第1のモジュールの制御信号(28)によって制御可能なマルチプレクサ(26)からのデジタル信号出力バス(27)を構成することと、
- 信号の前記選択されたグループの信号レベルの第1のインスタンスを検出するように前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュールのうちの少なくとも前記第1のモジュールの前記メモリを構成することと、
- 信号の前記選択されたグループの信号レベルの第2のインスタンスを検出するように前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュールのうちの少なくとも前記第2のモジュールの前記メモリを構成することと、
- 前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュールのうちの少なくとも前記第1のモジュールと少なくとも前記第2のモジュールとからの前記試験及び/又は分析ステータス(23)をアグリゲートすることと
を含み、前記複数のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)の各々が試験及び分析対象の前記デジタル回路の試験及び分析サイクルにおける異なるタイミング・イベントに関連付けられた、方法。
【請求項13】
それぞれの前記試験及び/又は分析ステータス信号(23)のアグリゲーションが、前記試験及び分析サイクルにおける最後のタイミング・イベントに関連付けられた前記デジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)の前記インスタンスにおいて実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カスケード結合における前記デジタル回路試験及び分析モジュールの各インスタンスからのそれぞれの試験及び/又は分析ステータス信号が、前記試験及び分析サイクルにおける前記最後のタイミング・イベントに関連付けられた前記デジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)のデジタル信号入力バスに接続された、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
試験されるべき前記回路のそれぞれのタイミング・イベントが条件付きタイミング・イベント及び/又は無条件タイミング・イベントである、請求項12から14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
タイミング・イベントに関連付けられ
た修飾子信号が発行される時点が、前記タイミング・イベントのための公称時点に対して定義された量で増分又は減分される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル回路試験及び分析を行うデジタル・モジュール、システム及びそれの方法に関し、デジタル回路からのデジタル信号の選択され、順序付けされたグループがデジタル・メモリへのアドレス入力として使用され、メモリからの単一の出力信号がデジタル信号の選択されたグループの試験及び/又は分析のステータスを与える。
【背景技術】
【0002】
ナノメートル技術のような、新しい技術の最近の開発は、集積回路中の構成要素の形状を20nm又は一層小さい形状寸法にまで押し下げた。これにより、半導体産業は、集積回路のより高い性能及び容量を与えることが可能になった。同時に、複雑さが増加した集積回路の性能の試験及び検証の複雑さも増加している。いくつかの報告は、試験のコストが着実に増加しており、一般に製品原価の40%に達することを示している。複雑な集積回路をどのように試験するか、及び複雑な試験結果をどのように解釈するかは、要求が厳しく、しばしば、複雑なチップを試験するプロセスの時間がかかる部分である。
【0003】
製造コストと回路の複雑さとに鑑みた好ましいオプションは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuitチップ)又はシステム・オン・チップ(SOC: System On a Chip)集積回路を設計し、製造することである。ハードウェア記述言語は、設計者が、機能ブロックと、ブロック間の相互接続とを指定すること、並びに製造の前に新しい設計の挙動をシミュレートすることを助ける。ASIC及びSOC設計の特定の利益は、それぞれの論理関数を備える事前定義され、試験されたセルから利益を得ることができることである。
【0004】
ASIC及びSOC設計のために開発されたCAD(CAD:Compute-aided Design)ツールはデバイス製造業者からのセル・ライブラリ(たとえば、低レベル電子論理関数の集合)を備え得る。特定の回路を設計するとき、設計はセルを相互接続することから行われ、CADツールは、指定された回路を、たとえば、従来技術において知られているように、ベンダーによって定義された製造用マスクに変換する。また、OpenCores https://opencores.org/のような団体を通して、デバッグされたセルを共有するいくつかの例がある。
【0005】
近年、ASICを製造する一般的な方法は、構造化設計方法として示された方法である。構造化ASIC設計の基本的な前提は、セルベースASICと比較して、製造サイクル時間と設計サイクル時間の両方が低減されることである。この方法では、ベンダーからの事前定義された金属層(したがって製造時間が低減する)と、シリコン上にあるものの事前特徴付け(したがって設計サイクル時間が低減する)とがある。事前定義された下位層論理素子間のカスタム接続を作成するカスタム金属層を作成することによって、異なる設計及びカスタマイズが行われる。この方法の利益は、他の知られている方法とは対照的に、少数のチップ層のみがカスタム生成されればよいことである。
【0006】
しかしながら、構造化ASIC設計方法が、機能回路を達成する確率をおそらく高めるとしても、複雑さがそれ自体で設計における誤りの理由になり得る。ASIC又はSOC設計が予想されたとおりに機能しているかどうかを証明する前に、チップの物理バージョンをデバッグする必要が常にある。ある誤りは、チップの入出力ピン(ポート)上の信号を観測することによって極めて迅速に検出され得るが、他の誤りは、ASICのより長い使用時間の後にのみ明らかになり得る。また、設計の性能を査定することが必要である。しかしながら、なぜ回路が予想されるように機能していないのかを識別することは、ただ入力/出力信号を観測すること以上のことを必要とする。
【0007】
手法の実例は、ASIC又はSOC中にビルトイン・セルフテスト(BIST:Built-In Self-Test)回路を実装することである。
【0008】
別の手法は、境界走査(Boundary Scan)技法を実装することである。IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1149.1は、JTAG(Joint Test Action Group)と表記される走査基準を定義している。走査シフト・レジスタがチップ回路境界に組み込まれ、それにより、回路は、チップの内側への物理的アクセスを必要とすることなしに制御され、観測され得る。
【0009】
一般的な試験方法は、試験対象のデバイスへの刺激信号を与えるテスト・パターン生成器を備える。事前に、それぞれのテスト・パターンに関連付けられた参照シグネチャ・パターンが生成される。刺激と予想される応答の両方は、従来技術において知られているように、たとえば、シミュレータを使用して見つけられ得る。参照シグネチャ・パターンは、それぞれのテスト・パターンに関連付けられた出力応答信号と比較される。比較は、回路が機能しているのか欠陥があるのかを識別することができる。さらに、テスト・パターンと対応する応答との特定の組合せは、チップのどの内部機能ブロックが故障しているかを識別し、さらには、機能ブロックのどの部分が故障しているかを識別し得る。これは、回路の再設計のための情報を与え得る。たとえばASICの複雑さが高い場合、膨大な数のテスト・パターンが必要とされる。これは、同じく、費用がかかる、大きいメモリ・ブロック(たとえばJTAG走査レジスタ)を使用すること、及びASIC又はSOCチップのさらなる機能を実装するために代わりに使用され得る、チップのより大きいエリアを使用することを暗示する。
【0010】
米国特許第6704889(B2)号は、たとえば、プログラマブル論理デバイス(PLD:Programmable Logic Device)回路中に埋め込まれた論理アナライザを開示している。論理アナライザは、論理信号をキャプチャし、記憶する。これらの信号は、コンピュータ上で閲覧するために伝達可能である。コンピュータ・システム上で動作する電子設計オートメーション(EDA:electronic design automation)ソフトウェア・ツールを使用して、技術者は、監視されるべきPLDの信号と、ブレークポイントと、記憶されるべきサンプルの総数と、ブレークポイントが出現した後にキャプチャされるべきサンプルの数と、システム・クロック信号とを指定する。EDAツールは、論理アナライザをPLDの電子設計中に自動的に挿入する。PLDとコンピュータとの間に接続されたインターフェースを使用して、EDAツールは、埋め込まれた論理アナライザに実行するように命令する。信号は、リング・バッファRAMメモリ中で動作している間に連続的に記憶される。ブレークポイントが出現すると、必要な場合、より多くのサンプルがキャプチャされる。JTAGポートは論理アナライザを制御する。
【0011】
多くのデータがキャプチャされ得るが、依然として、(ステートフル・データ(stateful data)を含む)それぞれの信号並びに信号のグループの識別された状態を復号し、分析する必要がある。これは困難で、時間がかかり得る。
【0012】
一般に、複雑なチップの内部機能をデバッグする必要の他に、動作しているチップの性能、すなわち、設計が特定の設計基準を満たしているかどうかを試験することが可能であることも必要である。また、誤りは、チップを長時間使用した後にのみ現れること、たとえば、チップのヒート・シンクに関する問題、又は論理回路の状態のまれに起こる組合せの特定の条件が、回路が次の予想される(設計された)状態に続くことを妨げるか又は止めることがあり得る。
【0013】
したがって、オンチップ試験論理の使用されるチップ面積と試験論理の複雑さとの間の最良のトレードオフである、構成可能な試験、すなわち、特定の及び一般的な試験及び/又はそれぞれの分析方式をカスタマイズすることを行うソリューションの必要がある。さらに、試験からの結果の向上した分析機能を与えること、並びに、パフォーマンス監視、ステートフル・データなどの機能的変化の追跡、たとえば複雑なASIC又はSOC回路の内側の回路挙動を監視する他の形態を与えることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明のさらなる目的は、従来技術の代替を提供することである。
【0016】
特に、デジタル回路の試験及び分析結果に関連付けられたダウンロード可能なビット・パターンを備える1ビット幅ワードをもつメモリを備えるデジタル回路試験及び分析モジュールであって、メモリが、デジタル回路の試験及び分析のための当該のデジタル信号の順序付けされたグループ化又はシーケンスによってアドレス指定可能である、デジタル回路試験及び分析モジュールを提供することが、本発明の目的として見られ得る。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、上記で説明した目的及びいくつかの他の目的は、デジタル回路試験及び分析モジュールによって監視されるデジタル信号レベルのグループのそれぞれの対応する数値に関連付けられたダウンロード可能な1ビット値をもつメモリを備えるデジタル回路試験及び分析モジュールを提供することによって、本発明の第1の態様において取得されるものである。
【0018】
本発明は、特に、排他的にではなく、
- D個のデジタル信号を備える少なくとも1つのデジタル信号入力バスと、
- 2D×1ビット・メモリ・ロケーションを有するように構成されたメモリと
を備えるデジタル回路試験及び分析モジュールであって、
- D個のデジタル信号がメモリのそれぞれの1ビット・メモリ・ロケーションの数値読出しアドレス(numerical read out address)として印加され、
- それぞれの1ビット・メモリ・ロケーションが、任意の時間に、少なくとも1つのデジタル入力信号バスに印加される任意のD個のデジタル信号レベルの組合せの試験及び/又は分析ステータスを示すビット値で事前更新される、デジタル回路試験及び分析モジュールを取得するために有利である。
【0019】
本発明は、特に、排他的にではなく、デジタル回路におけるタイミング・イベントを分析する方法であって、本方法は、試験され、分析されるべきチップの回路中に埋め込まれた、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュールの少なくとも1つのインスタンスを利用し、
- デジタル回路試験及び分析モジュールの少なくとも1つのインスタンスの1ビット・メモリのそれぞれの試験及び分析ステータス・ビットを構成するステップと、
- 試験及び分析モジュールの少なくとも1つのインスタンスの試験及び/又は分析ステータス信号を可能にする修飾子(qualifier)信号を構成するステップと
を含み、
修飾子信号の発行が、試験され、分析されるべき回路におけるタイミング・イベントに関連付けられる、方法を取得するために有利である。
【0020】
さらに、本発明は、複数の相互接続されたデジタル回路試験及び分析モジュールを備えるシステムを取得するために有利である。
【0021】
本発明のそれぞれの態様は、それぞれ、他の態様のいずれかと組み合わせられ得る。本発明のこれら及び他の態様は、本明細書で説明する実施例を参照すると明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】本発明の実施例の実例の詳細を示す図である。
【
図3A】本発明の実施例の実例のさらなる詳細を示す図である。
【
図3B】
図3Aの実施例の実例のさらなる態様を示す図である。
【
図4】本発明によるタイミング分析セットアップの実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、実施例の具体的な実例とともに開示されるが、いかなる形でも提示された実例に限定されるものとして解釈されるべきでない。添付の特許請求の範囲は本発明の保護の範囲を定義する。特許請求の範囲のコンテキストにおいて、「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」という用語は、他の可能な要素又はステップを除外しない。さらに、「一(a)」又は「一(an)」などの参照の言及は、複数を除外するものとして解釈されるべきでない。図中に示された要素に対する特許請求の範囲における参照符号の使用も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。さらに、異なる請求項において述べられた個々の特徴を組み合わせることは、場合によっては有利であり得、異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は、特徴の組合せが可能でなく、有利であることを除外しない。
【0024】
本発明の態様は、高いチップ面積と電力効率とを与える高密度メモリを使用することである。本発明の実施例の実例のアーキテクチャは、1ビット幅のワードをもつメモリを備える。デジタル回路試験及び分析モジュール・アーキテクチャの少なくとも1つのインスタンスはASIC及び/又はSOCチップ回路に埋め込まれる。
【0025】
1ビット幅のメモリである、メモリ、たとえばスタティックRAMは、試験又は分析されるために選択されるチップ上の内部デジタル信号の組合せの総数に等しい、長さ、すなわち、1ビット・メモリ・ロケーションの数を有する。たとえば、内部チップ信号の16個のデジタル信号が、順序付けされた様式で一緒にグループ化され、試験され、分析される場合、1ビット幅のメモリ・ロケーションの64kが必要とされる。分析又は試験されているデジタル信号のグループ化又はシーケンスはメモリのアドレスとして使用される、すなわち、デジタル信号レベルのグループ化又はシーケンスの順序付けは、信号レベルの特定の組合せに関連付けられたメモリ・アドレスである2進数値に対応する。デジタル信号レベルの特定の組合せが有効である場合、すなわち、たとえば回路の特定の刺激に関連付けられた信号レベルの事前定義された組合せを実現する場合、監視されている信号によってアドレス指定された対応する1ビット・メモリ・ロケーションは、たとえば、論理1にプリセットされる。その場合、1ビット・メモリ・ロケーションは、グループ中の選択された信号の正しい信号レベル組合せが検出されたことを示す。異なる信号レベル組合せは、それらが有効なデジタル信号レベル組合せを表す場合は、たとえば論理1を、又は、それらが無効な(間違った)信号レベル組合せを表す場合は、たとえば論理「0」を備える、それぞれの異なる関連付けられた1ビット・メモリ・ロケーションをアドレス指定する。
【0026】
メモリのコンテンツは、試験が設計されるときに定義される、すなわち、チップ上の回路の刺激(テスト・パターン)の関連付け対監視されている信号の予想される信号レベルの組合せである。関連付けはまた、特定の刺激によるだけでなく、試験対象のチップ内の計算の結果として、又は人工知能ベースの結果(機械学習)の結果として現れる、信号のある組合せに依存して定義され得る。そのような関連付けは、従来技術において知られているようにコンピュータ・シミュレーションを介して見つけられ得る。メモリは、試験が開始される前に、それぞれのメモリ・ロケーション中の正しい1ビット値で初期化され、簡単で高速なメモリ・ルックアップ・プロセスが試験の応答と応答の妥当性との間の関連付けを見つける。
【0027】
ASIC回路が設計者によって開発されるとき、結果は、
図1に示されているようであり得る。第1の回路41は第2の回路42に信号を通信している。信号は両方向に送られ得る。
図1における例は、単方向デジタル信号バス45、及び第1の回路41と第2の回路42との間の単一の双方向デジタル信号線43を示す。設計段階中に、設計者は、製造されたASIC回路を試験し、分析するときにASICのどの内部信号が使用されるべきであるかを決定することができる。
図1の例では、デジタル信号バス45及び単一の双方向信号線43は、ASIC40の回路中に埋め込まれた本発明による試験及び分析モジュール10のインスタンスに接続される。
【0028】
ASIC40の入力インターフェース50は、たとえば接続49を介して外部コンピュータからのアクセスを与え、コンピュータは、刺激信号、テスト・パターンなどを生成すること、並びにステータス信号48と、試験及び/又は分析結果を示す信号の他の得られた状態とを読み出すことを含む、ASIC40のために設計された試験及び分析プログラムを実行するように構成される。出力インターフェース51は、試験及び分析プログラムを動作させる外部コンピュータ・システムに接続され得る。
【0029】
入力インターフェース50は、回路1及び回路2を刺激する、示されている刺激信号52、53のような入力刺激信号、第1の回路41とそれぞれの第2の回路42とに印加されるように設計されたクロック信号などを備え得る。
【0030】
また、試験及び分析モジュール10のインスタンスと外部コンピュータ・システムとの間の直接接続を行う入力インターフェース50からのデータと、コマンドと、デジタル信号バス44とがある。次いで、データ及び/又はコマンド(及び/又は制御信号)は、ASIC40中に埋め込まれた試験及び分析モジュール10のインスタンスに与えられ得る。
【0031】
試験及び分析モジュール10からの可能な出力信号のうちの1つは、
図1において、「はい」又は「いいえ」のいずれか(すなわち、試験又は分析が正又は負、真又は偽など)であることが示されている試験及び/又は分析ステータス信号48である。ASIC40内のそれぞれの回路からの「はい/いいえ」信号のようなステータス信号及び他の信号(たとえば信号46)も出力インターフェース51に接続され得る。外部コンピュータは、接続47を介して出力インターフェース51に接続され得る。
【0032】
本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール10の基本動作原理が
図2に開示されている。
【0033】
図2において、
図1中の信号43及び45は、たとえば、選択され、設計者によってそれぞれの入力ポートに、又は
図2中の試験及び分析モジュール10のインスタンスの少なくとも1つのデジタル入力信号バス21a、21b、21cに接続される。
【0034】
上述のように、テスト・パターン(刺激)及び応答信号は、たとえばデジタル・シミュレータを使用して見つけられる。選択された信号43、45は、特定のテスト・パターン(刺激)に対する有効な又は有効でない応答を表すいくつかの信号レベル組合せを有することが見つけられ得る。
【0035】
選択された信号及びそれらのそれぞれの信号レベルは、1ビット幅メモリへの対応するアドレス入力として使用され、選択されたデジタル信号の信号レベルの特定の組合せは、シミュレータが、試験及び分析対象のASIC回路に印加された刺激に対する有効な又は有効でない応答として識別した、特定のパターンを形成する。
【0036】
選択されたデジタル信号の特定の組合せが有効な信号レベル組合せを有する場合、選択されたデジタル信号によってアドレス指定された1ビット・メモリ・ロケーションは、たとえば、
図1に示された入力インターフェース50からの信号44を介して、試験及び分析が実行される前に論理「1」で初期化される。試験が実行されたとき、同じ信号レベル・パターンが現れる場合、1ビットのアドレス指定されたロケーションは論理「1」を備え、試験及び/又は分析の結果は、したがって、回路がおそらく正しく動作しているということである。
【0037】
他のメモリ・ロケーションは、試験及び/又は分析対象のデジタル回路のそれぞれのテスト・パターン又は刺激のシーケンスに応じて、論理「0」又は論理「1」になるように初期化され得る。回路が動作していると結論付けることが可能であるためには、いくつかの試験及び分析が実行されなければならない。異なる試験及び分析の間に、1ビット幅メモリのコンテンツは、実行されるべき特定の試験及び/又は分析と矛盾しないように、入力インターフェース50を介して試験及び分析プログラムを実行するコンピュータによって更新され得る。
【0038】
図2におけるデジタル回路試験及び分析モジュールの例は、マルチプレクサ11によって多重化される、第1のデジタル信号入力バス21aと、第2のデジタル信号入力バス21bと、第3のデジタル信号入力バス21cとの、少なくとも3つの異なるデジタル入力信号バス上のデジタル信号を受信する。マルチプレクサ11からの出力は、「SRAMマクロ・インデックス」と示された第1のバス13と、「ビット・インデックス」と示された第2のバス17との、2つの別個のデジタル信号バスに分割される。
【0039】
図2の例では、それぞれのデジタル入力信号バスは16ビット幅であり、試験及び分析モジュールのメモリは64k×1ビットであるべきである。第1の内部バス「SRAMマクロ・インデックス」13は11ビット幅であり、第2の内部バス「ビット・インデックス」17は5ビット幅である。第1の制御信号19は、3つのデジタル入力信号バスのうちのどの1つをマルチプレクサ11の出力に渡すかを選択する。マルチプレクサ11は出力をラッチしていることがあり、それにより、マルチプレクサの出力は、新しい第1の制御信号19が印加されるまで、すなわち、最初に削除され、次いで再び印加されるまで、安定したままである。
【0040】
図2におけるメモリ22の例は2k×32ビット幅メモリである。マルチプレクサ11からの第1の内部バス13の11ビットは、2kメモリをアドレス指定するために使用される。アドレスが印加されたとき、2kメモリの関連付けられた32ビット・ワード18はメモリ22の出力上に見える。メモリ読出し回路14は、第1の内部バス13「SRAMマクロ・インデックス」信号を受信し、32ビットの関連付けられたデータ・ワード18を出力する。メモリ22の出力は、第2の内部バス17「ビット・インデックス」によって制御されるマルチプレクサ15に接続される。マルチプレクサ15は、選択されたデータ・ワード18の32ビットの中から、マルチプレクサ11の出力から発生し、制御信号19によって選択されたデジタル入力信号のステータスを識別している、1ビットを、第2の内部バス17上のコンテンツを介して選択する。
【0041】
それぞれのデジタル信号入力バス上のデジタル信号は、所与の時間に、分析されるべきパターンを形成し得るが、パターンは、この時点において分析されるべきものであるか、又はまったく分析されるべきものでないパターンでないことがある。したがって、各それぞれのデジタル信号入力バスは、デジタル信号入力バス21aのためのそれぞれの修飾子信号20aと、デジタル信号入力バス21bのための修飾子信号20bと、デジタル信号入力バス21cのための修飾子信号20cとに関連付けられる。第1の制御信号19とともにそれぞれのバスを選択するとき、関連付けられた修飾子信号20a、又は20b、又は20cは、関連付けられた信号入力バス上のデータが分析されるべきであることを示す修飾子信号である、共通の修飾子信号13aとしてマルチプレクサ11に通される。修飾子信号13aは、マルチプレクサ15の出力、すなわち、メモリ22からの1ビット・ステータス・ビットに接続された論理ANDゲート16に渡される。修飾子信号13aが論理真(すなわち1)になるように設定された場合、デジタル回路試験及び分析モジュール10は、これが分析されるべきパターンであることが分かる。ANDゲート16からの出力23は、試験及び/又はステータス信号と示された出力信号、すなわち、第1のバス13と第2のバス17との上の信号レベルの組合せによってアドレス指定された1ビット・メモリ・ロケーションに記憶された値に応じた真又は偽のステータス信号、すなわち、試験され、分析されるべき信号を与える。
【0042】
本発明の実施例の実例によれば、デジタル回路試験及び分析モジュール(10)は、
- D個のデータ信号を備える少なくとも1つのデジタル信号入力バスと、
- 2D×1ビット・メモリ・ロケーションを有するように構成されたメモリ(22)と
を備え、
- D個のデジタル信号がメモリ(22)のそれぞれの1ビット・メモリ・ロケーションの対応する数値読出しアドレスとして印加され、
- それぞれの1ビット・メモリ・ロケーションが、任意の時間に、少なくとも1つのデジタル入力信号バスに印加されるD個のデジタル信号レベルの任意の組合せのステータスを示すビット値で事前に初期化され得る。
【0043】
デジタル回路試験及び分析モジュール10のそれぞれの制御信号はユーザ制御可能であり得る。マルチプレクサ11の第1の制御信号19はユーザ制御可能であり得る。それぞれの修飾子信号20a、20b、20cはユーザ制御可能であり得る。たとえば、これらの信号は、たとえば、
図1に示されているように、入力信号インターフェース50を介してASIC回路外でアクセス可能であり得る。
【0044】
デジタル回路試験及び分析モジュール10の複数のインスタンスは同じASIC又はSOCチップ中に実装され得るので、ユーザ・インターフェース・モジュールは、デジタル回路試験及び分析モジュール10とは別個にASIC又はSOCチップ上に実装され得る。ユーザ・インターフェース・モジュール中の入力レジスタは、特定の試験及び分析が必要とする限り、又は、値が、たとえばユーザ対話又は試験対象の回路からのフィードバックによって変更されるまでか、又は、たとえば、ユーザ・インターフェース・モジュールにインターフェースされた動作している試験及び分析プログラムによって、それぞれの値を保持することができる。ユーザ・インターフェース・モジュールはまた、試験及び/又は分析中に、当該の他の可能な信号に加えて、たとえば、チップ回路中に埋め込まれた特定のデジタル回路試験及び分析モジュールから試験及び/又はステータス信号を受信する、出力レジスタを備え得る。そのような信号は、たとえば、
図1に示された出力インターフェース51を介してアクセス可能であり得る。
【0045】
試験及び分析プログラムを実行するコンピュータはASIC又はSOCチップのユーザ・インターフェース・モジュールに接続され得る。ユーザ・インターフェース・モジュールのいくつかの特定の設計は従来技術において見出される。それは、原則として、ユーザ制御可能なパラメータを保持するレジスタのセット、及び試験及び分析対象のチップから試験結果などを受信することが可能なレジスタのセットである。コンピュータ中で動作するプログラムは、試験及び分析によって必要とされる特定のパターンでメモリ22を初期化することができる。メモリ22の従来技術の「読取り及び書込み」電子回路は
図2には示されていない。さらに、ASICチップ上の他の外部電気接点ピン(又はポート)は、それぞれの試験又は分析の結果を読み出すために使用され得る。したがって、
図3Aの実施例の実例において試験及び/又は分析ステータス信号23を監視するとき、試験及び分析プログラムは、1つのメモリ読出しサイクル中の単一のコンパクト・メモリからのそれぞれの64kの異なる入力信号組合せからの試験及び分析の結果を記録することができる。
【0046】
それぞれの異なるデジタル入力信号バスは異なる試験又は分析を必要とし得る。したがって、特定のデジタル信号入力バス21a、21b、21cが選択されたとき、メモリ22の特定のコンテンツがダウンロードされ得る。また、同じ特定のデジタル入力信号バスの試験及び分析中にメモリ22のコンテンツを変更することが可能である。これは、試験及び分析プログラムの制御下で、及び/又は試験及び分析プログラムとのユーザ対話を介して行われ得る。
【0047】
図2において、複数の信号遅延ユニット12は、入力から出力までデジタル回路試験及び分析モジュール10を通るすべての信号の同じ伝搬時間を与えている。たとえば、修飾子信号13aがANDゲート16中のメモリ22からの出力ビットと比較されるとき、それぞれの信号は、AND機能がアクティブである時間に相関させられ(重複してい)なければならない(すなわち、出力信号23は試験及び分析の結果又は答えとして解釈される)。出力信号は試験及び/又は分析ステータス信号23として示されている。
【0048】
図3Aは、
図2に示されたデジタル回路試験及び分析モジュール10の実例のアーキテクチャへの可能な機能拡張のさらなる実例を示す。
図3Aのデジタル回路試験及び分析モジュール10aのデジタル入力信号バスは、第3のデジタル信号入力バス31に加えて、第1のデジタル信号入力バス24と第2のデジタル信号入力バス25とを備える。第3のデジタル信号入力バス31は、たとえば、他のデジタル回路試験及び分析モジュール10、10aからの試験及び/又は分析ステータス信号23に接続可能であり得る。たとえば、接続された試験及び/又は分析ステータス信号のうちの1つはデジタル回路試験及び分析モジュール自体からのものであり得る。すべての3つのデジタル入力信号バス24、25、31は、第1の制御信号19によって制御されるマルチプレクサ11に接続される。
【0049】
第3のデジタル信号入力バス31はまた、第2の制御信号30によってユーザ制御可能なマルチプレクサ29に接続される。マルチプレクサ29は、それ自体に加えて複数のデジタル回路試験及び分析モジュールからのステータス信号(たとえば試験及び/又は分析ステータス信号)及び他の信号を受信することができる、すなわち、試験及び/又は分析ステータス信号23はマルチプレクサ29の入力に接続され得る。それぞれのデジタル回路試験及び分析モジュール10、10aからの試験及び/又は分析ステータス信号23は常に論理1であるとは限らない。デジタル回路試験及び分析モジュールのグループからの試験及び/又は分析ステータス信号23のそれぞれの組合せを識別することによって、たとえば、それぞれのデジタル信号のステートフル・データが時間とともにどのように変化するか、及びこれらの変化が正しいかどうか、すなわち、変化が許容され、予想されるかどうかを追跡することが可能である。
【0050】
マルチプレクサ29は、たとえば、すべての入力信号のうちの異なるサブグループを選択するように構成され得る。たとえば、マルチプレクサ29は、16個のデジタル信号入力を受信するように構成され得、たとえば、それぞれ4つの信号からなるグループ、たとえば、それぞれ16個の信号の4つのサブグループのうちの1つを選択する。マルチプレクサ29からの出力はマルチプレクサ11のラッチされた出力であり得る。
【0051】
図3Aにおいて実施例の実例に示された3つのデジタル入力信号バスは、マルチプレクサ26の出力に現れる3つのバスのうちの1つを、すなわち、出力デジタル信号バス27上のチップから選択する、第2のユーザ制御可能な制御信号28によって制御されるマルチプレクサ26に接続される。この可能性は、異なるカスケード接続において複数のデジタル回路試験及び分析モジュール10、10aを接続するために使用され得る。マルチプレクサ26の出力27は、マルチプレクサ11及びマルチプレクサ29の場合と同じように、ラッチされた出力であり得る。また、制御信号28は、従来技術において知られているように、トライステート論理モジュールにおける出力を設定することができることができる。
【0052】
カスケード結合の実例は、たとえば、デジタル信号入力バスが16個の信号の幅に限定され、より多くのデジタル信号が調査される必要があるときに可能である。たとえば、第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10aは16個の信号の第1のグループに接続されるが、16個の信号の第2のグループは第2のデジタル回路試験及び分析モジュール10aに接続される。第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10aからの試験及び/又はステータス信号23と、第2のデジタル回路試験及び分析モジュール10aからの試験及び/又は分析ステータス信号23とは、試験及び/又は分析信号23の両方又はただ1つが試験及び/又は分析の真又は偽の結果を示すかどうかを評価する試験及び分析プログラムによって読み出され得る。
【0053】
別の可能性は、第2のデジタル回路試験及び分析モジュール10aからの試験及び/又はステータス信号23を第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10aの第3のデジタル信号入力バス31の入力に接続することである。第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10aの第3のデジタル信号バス31の別の入力は、それ自体(すなわち、第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10a)からの試験及び/又は分析信号23に接続され得る。次いで、メモリ22のコンテンツは、変更され得、試験及び/又は分析ステータス信号23のそれぞれの信号レベルを試験するように適応される。
【0054】
上記の例において、マルチプレクサ29からの出力が2ビット幅のみである場合、マルチプレクサ11は、依然として、16個のデジタル信号入力を受信するように構成され得る。2つの試験及び/又は分析ステータス信号23は、たとえば、デジタル信号入力バス31の2つの最下位ビットに接続され得る。内部デジタル信号バス31aは、選択されたときにデジタル信号入力バス31の2つの最下位ビットを備えるが、マルチプレクサ11の入力における他の14個のビットは、たとえば、接地され得る。
【0055】
通常の状況では、デジタル信号入力バス31は、たとえば、32ビット幅である。デジタル回路試験及び分析モジュール10aの32個のインスタンスが実装された場合、32個のデジタル回路試験及び分析モジュールのカスケード結合は、32個の連続サイクルの内側の信号のシーケンスの検出を可能にする。
【0056】
デジタル信号入力バス24(並びにデジタル信号入力バス25)は、上記で説明したように、第2のユーザ制御可能な制御信号28によって選択され得る。第1のデジタル回路試験及び分析モジュール10aの出力デジタル信号バス27は、次いで、第2のデジタル回路試験及び分析モジュール10aのデジタル信号入力バス24(又はデジタル信号入力バス25)に接続され得る。
【0057】
そのような構成では、デジタル信号入力バス上の同じデジタル信号コンテンツが試験される。しかしながら、たとえば、デジタル信号入力バス24上のそれぞれのデジタル信号の信号レベルの時間経過に伴う展開は、各それぞれのデジタル回路試験及び分析モジュール10a中のそれぞれの修飾子信号を制御することによって監視され得る。
【0058】
時間経過に伴う信号の展開はASIC又はSOCに搭載のシステム・クロックによって制御され得る。しかしながら、試験するとき、試験及び分析プログラムはチップのユーザ・インターフェース・モジュール50(
図1参照)中のクロック入力へのアクセスを有し、それによってチップに搭載のハードワイヤード・クロックをバイパス(オーバーライド)し得る。ASIC及びSOCシステムは、複数のクロック位相を備える時間サイクルで動作し得る。時間経過に伴う信号レベルの展開があるとき、信号レベルの変化は、しばしば、それぞれの時間サイクルの特定のクロック位相と相関させられる。試験及び分析プログラムは、デジタル信号の変化が起こり得る対応するクロック位相を確立するために、修飾子信号を使用することができる。それぞれのデジタル回路試験及び分析モジュール10aのメモリ22を正しいパターンで初期化することによって、複数のデジタル回路試験及び分析モジュール10aは、試験又は分析されているチップの複数の連続するクロックと相関させられた信号レベル展開(又はステートフル・データ)を試験することができる。
【0059】
本発明の実施例のさらなる実例によれば、デジタル試験及び分析システムは少なくとも1つのデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)を備える。
【0060】
また、カスケード結合において接続された複数のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)を有することは本発明の範囲内である。
【0061】
また、それぞれの修飾子信号を試験対象のチップ上の物理クロック位相と相関させることは本発明の範囲内である。たとえば、それぞれのクロック位相は、試験及び分析プログラムがユーザ・インターフェースにおいて正しく計時された修飾子信号を設定することを可能にする、試験及び分析プログラムによって、試験対象のチップから読み出され得る(
図1中の出力インターフェース51参照)。
【0062】
図3Bは、本発明による、複数のデジタル回路試験及び分析モジュール10aのカスケード結合の実例を示す。デジタル回路試験及び分析モジュール10、10aの実施例の実例のアーキテクチャのフレキシビリティは、カスケードにおいて接続されているそれぞれのデジタル回路試験及び分析モジュール間の複数の異なる相互接続方式を可能にする。
【0063】
図4は、本発明による試験及び分析モジュールの4つのインスタンスT0 64、T1 65、T2 66、T3 67のカスケード結合の実例を示す。
【0064】
試験状況は例として与えられている。インスタンスT3への入力57は16ビット幅デジタル信号入力バス(たとえば、16個の選択された内部ASIC信号の順序付けされたグループ化又はシーケンス)である。
【0065】
そのような試験では、すべての16個のデジタル信号レベルが、定義されたレベル、すなわち「0」又は「1」である必要はない。それは、デジタル信号のうちのほんのいくつかが、ある信号レベル組合せを有するために試験される状況であり得る。
【0066】
図4の実例では、16個の信号の入力信号組合せがT3 67の入力57に印加される。入力信号は、16進数表記で、Fx0xから、次いでx000A0010007、次いでFx0x及び次いでBBD3へ、時間におけるシーケンスを通る。「x」は、この位置上の値が任意の値であり得ることを暗示する「ドント・ケア(don’t care)」を示す。
【0067】
信号組合せのそのようなシーケンスの試験を実行するとき、T0 64のメモリは、0Fx0xを検出するように構成され得、T1 65は、xA17を検出するように構成され得、T2 66は、Fx0xを検出するように構成され得、T3 67は、BBD3を検出するように構成され得る。それぞれの試験及び分析モジュールの構成は、それぞれのテスト・パターンをそれぞれのモジュールのメモリ22中にダウンロードすることを暗示する。
【0068】
これは、T0は、16進数Fx0xを形成する信号レベルによって与えられるアドレス上に論理「1」を有するべきであることを暗示する。数の中に2つの「ドント・ケア」があるので、各「x」のすべての組合せにわたり、互いに組み合わせられたすべてのメモリ・ロケーションは論理「1」で初期化されるべきであり、すなわち256個のメモリ・ロケーションになる。
【0069】
T1は、0A17からFA17までのすべてのアドレス上の論理「1」で初期化されるべきである。
【0070】
T2は、T0が初期化されるのと同じように初期化されるべきである。
【0071】
T3は、アドレスBBD3、すなわちただ1つのアドレス上の論理「1」で初期化されるべきである。
【0072】
T3 67の入力57は、たとえば、
図3Aに示された実例におけるように編成され得る。ここで、入力25は、ユーザ制御可能な制御信号28によって制御されるマルチプレクサ26に接続される。
図4中の実例では、入力57は、対応する
図3Aの入力25に接続されるが、T3の入力のカスケーディングは、対応するマルチプレクサ出力27から次の試験及び分析モジュールの次の入力25への接続である。
図4において、接続56はT3をT2に接続し、接続55はT2をT1に接続し、接続54はT1をT0に接続する。
【0073】
信号レベルの変化するシーケンスに関連付けられたタイミングは、試験分析モジュールT0、T1、T2及びT3のそれぞれのインスタンス上に異なる制御信号を印加することによって制御され得る。たとえば、
図2の修飾子信号13a。それぞれの修飾子信号は、
図1に示された入力インターフェース50を介して試験及び分析プログラムを実行するコンピュータによってアクセス可能であり得る。
【0074】
デジタル試験及び分析モジュールT0、T1、T2及びT3の各それぞれのインスタンスからのそれぞれの試験及び/又は分析ステータス信号23は、結果アグリゲーション回路Agg(Agg:Aggregation)61に接続される。試験及び分析に応じて、Agg回路は、たとえば、4ポートANDゲートであり得、これは、すべての4つの入力が論理「1」である場合、出力信号60も論理「1」であり、すなわち、試験及び分析が問題ないことを暗示する。
【0075】
他の試験結果も予見され得る。したがって、
図3Aに関して説明したように、たとえば、デジタル信号入力線31を使用することが好ましい。このようにして、デジタル試験及び分析モジュールのインスタンスのメモリは、試験及び/又は分析される回路のデジタル信号線の異なるシーケンスの試験、検証及び分析を可能にする、異なるパターンで初期化され得る。
【0076】
タイミング・シーケンスは異なるタイミング状況に関係し得る。たとえば、試験及び分析対象のASICは、動作のサイクルを定義するクロックとともに動作する。別の可能性は、ASICの回路が状態機械として実装されることである。状態機械の変化は、他の条件に応じて起こり得、それの本質において非同期イベントである。別の可能性は、ASICのサイクルが、それぞれのサイクル内のタイミング・イベントに関連付けられたクロック・パルス(たとえばt0、t1、t2、t3)を備えることである。すべてのこの実例において、本発明による試験及び分析モジュールのそれぞれのインスタンスのそれぞれの修飾子信号を制御することが可能である。
【0077】
図3Aを参照すると、たとえば、制御信号28とのカスケード結合において使用されるマルチプレクサ22からの出力を制御することによって、上記で説明した試験シーケンスを制御することも可能である。たとえば、マルチプレクサ29に接続された入力線31は接地され得る。マルチプレクサ29からの出力はマルチプレクサ26の入力のうちの1つに接続され、制御信号28がデフォルトでこの入力を選択しているとき、カスケード出力は「0」を備える。次いで、試験及び分析モジュールのメモリのアドレスがアドレス「0」において論理「0」に設定された場合、試験は有効ではない。試験が実行される場合、制御信号は、2つの他のデジタル信号入力バス24及び25のうちの1つを選択するように構成される。
【0078】
また、カスケード結合における第1の試験及び分析モジュールの制御信号28を、第1の試験及び分析モジュールからの出力27を受信するカスケード結合における次の試験及び分析モジュールの修飾子信号13aと組み合わせることが可能である。
【0079】
このようにして、簡単なタイミング基準と複雑な又は条件付きタイミング基準の両方が構成され得る。
【0080】
上記で説明したタイミング分析の実例は、検出された誤った信号レベル組合せが設計における純粋な論理エラーの結果でない状況を備え得る。障害は、設計における予見されなかったデジタル信号遅延信号によるものであり得る。たとえば、T3及びT2に関連付けられたタイミング・イベント間の検出は、T3とT2との間のタイミング差が十分に長い場合、論理的に正しいものであり得る。たとえば、信号変化の頻度が高い場合、クロス・トークにより、論理的(設計誤り)に根差さない誤った信号レベルが生じ得る。他の原因は、たとえば、不適当な信号線終端によるものであり得る。
【0081】
したがって、修飾子信号が発行されるべきである時点への漸進的変更を使用することは本発明の範囲内である。たとえば、信号レベルの誤った解釈を克服するために、正しい論理試験が低いクロック周波数において実行され得る。そのような試験が成功したとき、クロック周波数が、たとえば、T3とT2との間に印加され得、間違った信号レベル組合せが検出された場合、T3とT2との間のタイミングは、定義されたΔt増分で増加し得る。T3に関連付けられた修飾子信号のための公称時点がtiである場合、T2のための修飾子信号を発行する時点はti+Δtである。試験の結果が正しいことが識別されたとき、設計者は、問題の信号線の物理的品質についての知識を有し、問題を補正するために必要な再設計を行い得る。時々、2つの連続するタイミング・イベント間の時間差を減少させることも重要であり得る。したがって、たとえば、T3のための公称時点がtiである場合、ti-ΔtがT2のための時点になる。
【0082】
増分又は減分は、試験又は分析結果が識別されるまで繰り返し実行され得る。
【0083】
本発明の方法によれば、タイミング分析構成は、ASIC40の回路において、試験及び分析モジュールの少なくとも第2のインスタンスとのカスケーディング構成において試験及び分析モジュールの少なくとも第1のインスタンスを構成することによって達成され得、それぞれのタイミング条件は、条件付きタイミング・イベント並びに無条件タイミング・イベントに応じてそれぞれの制御信号を発行することによって試験及び分析モジュールのそれぞれのインスタンスのそれぞれの制御信号を制御する、接続されたコンピュータ・システム中で動作する試験及び分析プログラムによって制御可能である。
【0084】
上記試験構成の実例は、ただ、本発明のデジタル回路試験及び分析モジュール10、10aのいくつかの簡単な基本的な可能性として与えられる。本発明の実施例のアーキテクチャのフレキシビリティは、デジタル回路試験及び分析モジュールを他の試験構成の一部として構成されないように制限しない。
【0085】
さらに、デジタル回路試験及び分析モジュールが少なくとも1つのデジタル信号入力バスを有することは本発明の範囲内である。さらに、デジタル信号入力バスが少なくとも1つの信号を備えることは本発明の範囲内である。また、制御信号が少なくとも1つの信号線を備えることは本発明の範囲内である。
【0086】
本発明の実施例の実例によれば、デジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、
- D個のデジタル信号を備える少なくとも1つのデジタル信号入力バスと、
- 2D×1ビット・メモリ・ロケーションを有するように構成されたメモリ(22)と
を備え得、
- D個のデジタル信号がメモリ(22)のそれぞれの1ビット・メモリ・ロケーションの数値読出しアドレスとして印加され、
- それぞれの1ビット・メモリ・ロケーションが、任意の時間に、少なくとも1つのデジタル入力信号バスに印加される任意のD個のデジタル信号レベルの組合せの試験及び/又は分析ステータスを示すビット値を用いて事前更新される。
【0087】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、少なくとも1つのデジタル信号入力バスが修飾子信号(20a、20b、20c、13a)に関連付けられ得る。
【0088】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、少なくとも1つの修飾子信号が、D個のデジタル信号レベルの対応する数値によってアドレス指定されたメモリ(22)の1ビット・メモリ・ロケーションを修飾するように構成され得、
少なくとも1つの修飾子信号によって修飾されたメモリ(22)からの出力信号がD個の組み合わせられたデジタル信号レベルの試験及び/又は分析ステータス(23)である。
【0089】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、メモリ(22)が、2E×Fビット・メモリ・ワードのメモリであるように構成され、ここでE<D、F>1であり、F×Eビットの倍数は2Dに等しい。
【0090】
さらに、少なくとも1つのデジタル信号入力バスが第1のバス(13)と第2のバス(17)とに分割され、
第2のバス(17)が、第1のバス(13)によってアドレス指定された長さFの出力ワード(18)の1ビット・セルを選択する間、第1のバス(13)がメモリ(22)の2Eメモリ・ワード(18)のうちの1つをアドレス指定している、
本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)。
【0091】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、メモリ(22)の出力ワード(18)がマルチプレクサ(15)に接続され得、第2のバス(17)が、少なくとも1つのデジタル信号入力バスの数値に関連付けられた出力ワード(18)の1ビットを選択するマルチプレクサ(15)の制御信号である。
【0092】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、第1のデジタル信号入力バス(21a)と、第2のデジタル信号入力バス(20b)と、第3のデジタル信号入力バス(20c)との、少なくとも3つのデジタル信号入力バスを備え得、
3つのデジタル信号バスがマルチプレクサ(11)に接続され、第1の制御信号(19)が、マルチプレクサの出力に多重化された3つのデジタル入力信号バスのうちの1つを選択し、
マルチプレクサからのデジタル信号出力がメモリ(22)をアドレス指定する。
【0093】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュールは、第3のデジタル信号入力バスが、第2の制御信号(30)によって制御されるマルチプレクサ(29)に接続され、マルチプレクサ(29)の入力側に接続されたデジタル入力信号が複数の他のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)からの試験及び/又は分析ステータス信号(23)である。
【0094】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)は、マルチプレクサ(29)に接続された試験及び/又は分析ステータス信号(23)のうちの少なくとも1つが、マルチプレクサ(29)が位置するデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)からのものであり得る。
【0095】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュールは、分析モジュール(10、10a)がASIC又はSOCチップ回路中に埋め込まれる。
【0096】
本発明の実施例の実例によれば、デジタル回路試験及び分析システムは、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)の少なくとも1つのインスタンスを備え得る。
【0097】
さらに、本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュールは、複数のデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)がカスケード結合において接続され得る。
【0098】
本発明の実施例の実例によれば、デジタル回路におけるタイミング・イベントを分析する方法は、試験され、分析されるべきチップの回路中に埋め込まれた本発明によるデジタル回路試験及び分析モジュール(10、10a)の少なくとも1つのインスタンスを利用し、本方法は、
- デジタル回路試験及び分析モジュール(10、0a)の少なくとも1つのインスタンスの1ビット・メモリのそれぞれの試験及び分析ステータス・ビットを構成するステップと、
- 試験及び分析モジュールの少なくとも1つのインスタンスの試験及び/又は分析ステータス(23)を可能にする修飾子信号を構成するステップと
を含み得、修飾子信号の発行が、試験され、分析されるべき回路におけるタイミング・イベントに関連付けられる。
【0099】
さらに、本発明による本方法は、複数のデジタル回路試験及び分析モジュールがカスケード結合において接続され、複数のモジュールのうちの第1のモジュールは、デジタル信号入力バス(24、25)上で試験され、分析されるべきデジタル信号の選択されたグループを受信するように構成され、
- 複数の試験及び分析モジュールのうちの第2のモジュールのデジタル入力バス(24、25)に接続されように複数の試験及び分析モジュールのうちの第1のモジュールの制御信号(28)によって制御可能なマルチプレクサ(26)からのデジタル信号出力バス(27)を構成することと、
- 信号の選択されたグループの信号レベルの第1のインスタンスを検出するように複数のデジタル試験及び分析モジュールのうちの少なくとも第1のモジュールのメモリを構成することと、
- 信号の選択されたグループの信号レベルの第2のインスタンスを検出するように複数のデジタル試験及び分析モジュールのうちの少なくとも第2のモジュールのメモリを構成することと、
- 複数の試験及び分析モジュールのうちの少なくとも第1のモジュールと少なくとも第2のモジュールとからの試験及び/又は分析ステータス(23)をアグリゲートすることとを含み、試験及び分析モジュール(10、10a)の各々が試験及び分析対象のデジタル回路の試験及び分析サイクルにおける異なるタイミング・イベントに関連付けられる。
【0100】
さらに、本発明による本方法は、それぞれの試験及び/又は分析ステータス信号(23)のアグリゲーションが、試験及び分析サイクルにおける最後のタイミング・イベントに関連付けられたデジタル試験及び分析モジュール(10、10a)のインスタンスにおいて実行され得る。
【0101】
さらに、本発明による本方法は、カスケード結合におけるデジタル試験及び分析モジュールの各インスタンスからのそれぞれの試験及び/又は分析ステータス信号が、試験及び分析サイクルにおける最後のタイミング・イベントに関連付けられたデジタル試験及び分析モジュール(10、10a)のデジタル信号入力バスに接続される。
【0102】
さらに、本発明による本方法は、試験されるべき回路のそれぞれのタイミング・イベントが条件付きタイミング・イベント及び/又は無条件タイミング・イベントである。
【0103】
さらに、本発明による本方法は、タイミング・イベントに関連付けられた修飾子信号が発行される時点が、タイミング・イベントのための公称時点に対して定義された量で増分又は減分される。