(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】耐薬品性密封構成要素を作製する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/106 20170101AFI20240126BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240126BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240126BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240126BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20240126BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y70/00
B33Y80/00
C08K3/013
C08L101/00
(21)【出願番号】P 2021546791
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 US2020017417
(87)【国際公開番号】W WO2020167622
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クチュコ, シンシア
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン, エリック エス.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】フアン, ジソン
(72)【発明者】
【氏名】マニオン, ショーン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ドボシュ, ケリアン エム.
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/005349(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/106752(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297272(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0048970(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0151833(US,A1)
【文献】国際公開第2019/217848(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐薬品性密封構成要素を作製する方法であって、
三次元印刷を使用して、共反応性シーラント組成物の連続層を所定の形状に堆積させるステップと、
前記堆積した共反応性シーラント組成物を硬化させて、耐薬品性密封構成要素を提供するステップと、を含み、ここで、
堆積させるステップおよび硬化させるステップが、連続的に堆積した層の隣接層を、化学的に結合および/または物理的に結合させるステップを含み、
堆積させるステップが、前記共反応性シーラント組成物をノズルを通して基材上に押し出すステップを含み、前記ノズルが、先端を備え、
前記基材と前記ノズル先端との間の距離が第1の層厚よりも大きいとき、堆積した層が、前記第1の層厚を特徴とし、
堆積させるステップが、前記第1の層厚よりも小さい前記基材からの距離に前記ノズル先端を配置するステップと、前記共反応性シーラント組成物を前記ノズルを通して押し出すステップと、をさらに含み、そして
前記ノズルを前記第1の層厚よりも小さい前記基材からの距離に配置するステップ、および前記共反応性シーラント組成物を前記ノズルを通して押し出すステップが、第2の層厚を有する堆積した層を形成し、前記第2の層厚が、前記第1の層厚よりも小さく、
ここで、
前記密封構成要素の表面の平均2Raうねりが、
平均うねり波長の10%未満であり、
前記平均2Raうねりおよび前記平均うねり波長が、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、そして
上面が、堆積中に前記ノズルに面する前記表面を指す、
方法。
【請求項2】
前記ノズル先端が、堆積した層を滑らかにするように構成された構成要素をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成要素が、前記密封構成要素の表面の平均2Raうねりを、平均うねり波長の10%未満まで低減するように構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
堆積中、前記共反応性シーラント組成物が、50℃未満の温度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
硬化させるステップが、前記堆積した前記共反応性シーラント組成物が30℃未満の温度で硬化することを可能にするステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記共反応性シーラント組成物が、10重量%~80重量%の充填材を含み、重量%が、前記共反応性
シーラント組成物の総重量に基づいている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記共反応性シーラント組成物が、3体積%~70体積%の充填材を含み、
体積%が、前記共反応性シーラント組成物の総体積に基づいている、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記密封構成要素の前記上面の前記平均2Raうねりが、200μm未満であり、
前記平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、
前記上面が、堆積中に前記ノズルに面する前記表面を指す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記密封構成要素が、1.3未満の比重を有する、請求項1および8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記密封構成要素が、測定の平面内方向とは独立して、+/-10%以内の変動で最大引張強度および破断伸び率を有する、請求項8~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月11日に出願された米国仮出願第62/803,769号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張し、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、耐薬品性密封構成要素、および三次元印刷を使用して耐薬品性密封構成要素を作製する方法に関する。耐薬品性密封構成要素は、ビークル用途に有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
耐薬品性密封構成要素を使用して、部品の対向する表面間の界面を提供する。部品の対向する表面は、複雑な形状を有する場合があり、非平面であり得る。密封構成要素は、液体および溶媒から界面を密封するために使用することができ、対向する表面間の非平面性に対応するために使用することができ、かつ/または使用中の対向する表面の相対位置における変化に適合することができる。密封構成要素は、典型的には、事前に製造される。複雑な形状を有する対向する表面を密封するために使用される密封構成要素は、製造のコストが高く困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、耐薬品性密封構成要素を作製する方法は、三次元印刷を使用して、共反応性組成物の連続層を所定の形状に堆積させるステップと、堆積した共反応性組成物を硬化させて、耐薬品性密封構成要素を提供するステップと、を含み、完全に硬化した密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
耐薬品性密封構成要素を作製する方法であって、
三次元印刷を使用して、共反応性組成物の連続層を所定の形状に堆積させるステップと、
前記堆積した共反応性組成物を硬化させて、耐薬品性密封構成要素を提供するステップであって、完全に硬化した前記密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、前記破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される、提供するステップと、を含む、方法。
(項目2)
前記密封構成要素が、ガスケット、シム、ワッシャ、グロメット、Oリング、スペーサ、シール、パッキング、クッション、嵌合材料、フランジ、またはブッシュを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
硬化させるステップが、前記密封構成要素の硬度を最大硬度の90%に到達させることを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
堆積させるステップおよび硬化させるステップが、連続的に堆積した前記層の隣接層を、化学的に結合および/または物理的に結合させることを含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
堆積させるステップが、押し出すことを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
堆積させるステップが、前記共反応性組成物をノズルを通して基材上に押し出すことを含み、前記ノズルが、先端を備え、
前記基材と前記ノズル先端との間の距離が第1の層厚よりも大きいとき、堆積した層が、前記第1の層厚を特徴とし、
堆積させるステップが、前記第1の層厚よりも小さい前記基材からの距離に前記ノズル先端を配置することと、前記共反応性組成物を前記ノズルを通して押し出すことと、をさらに含む、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記基材が、支持体または前に堆積した層を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ノズルを、前記第1の層厚よりも小さい前記基材からの距離に配置すること、および前記共反応性組成物を前記ノズルを通して押し出すことが、第2の層厚を有する堆積した層を形成し、前記第2の層厚が、前記第1の層厚よりも小さい、項目6または7に記載の方法。
(項目9)
前記ノズル先端が、堆積した層を滑らかにするように構成された構成成分をさらに含む、項目6~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記構成成分が、前記密封構成要素の表面の平均2Raうねりを、平均うねり波長の10%未満まで低減するように構成されている、項目9に記載の方法。
(項目11)
堆積中、前記共反応性組成物が、50℃未満の温度を有する、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
堆積させるステップが、基材上または前に堆積した層上に堆積させることを含む、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して前記共反応性組成物を堆積させることを含み、前記前に堆積した層が、完全に硬化している、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して前記共反応性組成物を堆積させることを含み、前記前に堆積した層が、部分的に硬化している、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して前記共反応性組成物を堆積させることを含み、前記前に堆積した層が、未硬化である、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
堆積させるステップが、傾斜した表面を堆積させることを含む、項目1~15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
硬化させるステップが、堆積した前記共反応性組成物が30℃未満の温度で硬化することを可能にすることを含む、項目1~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
硬化させるステップが、堆積した前記共反応性組成物を30℃を超える温度まで加熱することを含む、項目1~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
堆積後、前記密封構成要素の少なくとも一部分を加熱することをさらに含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記共反応性組成物が、硫黄含有プレポリマーを含む、項目1~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記硫黄含有プレポリマーが、10重量%~20重量%の硫黄含有量を有し、重量%が、前記プレポリマーの理論重量に基づいている、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記共反応性組成物が、40重量%~80重量%の前記硫黄含有プレポリマーを含む、項目20または21に記載の方法。
(項目23)
前記硫黄含有プレポリマーが、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、硫黄含有ポリホルマール、モノスルフィド、または前述のいずれかの組み合わせを含む、項目20~22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記共反応性組成物が、
ポリイソシアネートおよびポリアミン、
ポリイソシアネートおよびポリオール、
多官能性マイケル受容体および多官能性マイケル供与体、または
ポリチオールおよびポリアルケニル、ポリアルキニル、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、もしくは多官能性マイケル受容体、を含む、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記共反応性組成物が、10重量%~80重量%の充填材を含み、重量%が、前記共反応性組成物の総重量に基づいている、項目1~24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記共反応性組成物が、3体積%~70体積%の充填材を含み、
体積%が、前記共反応性組成物の総体積に基づいている、項目1~25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記共反応性組成物が、0.05重量%~12重量%の低密度充填材を含み、
前記低密度充填材が、1未満の比重を含み、
重量%が、前記共反応性組成物の総重量に基づいている、項目1~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記共反応性組成物が、化学線硬化性であり、
前記方法が、前記共反応性組成物を化学線に曝露することをさらに含む、項目1~27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記共反応性組成物が、化学線硬化性ではない、項目1~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
堆積中、前記共反応性組成物が、2rpmおよび25℃で25mmのパラレルプレート形状を有するAnton Paarのレオメーターを使用して決定されるときに、5E2cP~5E8cPの初期堆積粘度を有する、項目1~29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
堆積前に、第1の構成成分と第2の構成成分とを組み合わせ、混合して、前記共反応性組成物を形成することをさらに含む、項目1~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記第1の構成成分が、第1の反応性化合物を含み、
前記第2の構成成分が、第2の反応性化合物を含み、
前記第1の反応性化合物が、前記第2の反応性化合物に対して反応性である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記第1の構成成分および/または前記第2の構成成分が、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記第1の構成成分が、第1の反応性化合物および第2の反応性化合物を含み、前記第1の反応性化合物が、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤の存在下で前記第2の反応性化合物に対して反応性であり、
前記第2の構成成分が、前記触媒、前記硬化促進剤、および/または前記重合開始剤を含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
項目1~34のいずれか一項に記載の方法を使用して製造された、耐薬品性密封構成要素。
(項目36)
前記密封構成要素の表面の平均2Raうねりが、平均うねり波長の10%未満であり、
前記平均2Raうねりおよび前記平均うねり波長が、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、
上面が、堆積中に前記ノズルに面する表面を指す、項目35に記載の密封構成要素。
(項目37)
前記密封構成要素の前記上面の前記平均2Raうねりが、前記平均うねり波長の1%未満であり、
前記平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、
前記上面が、堆積中に前記ノズルに面する表面を指す、項目35または36に記載の密封構成要素。
(項目38)
前記密封構成要素の前記上面の前記平均2Raうねりが、200μm未満であり、
前記平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、
前記上面が、堆積中に前記ノズルに面する表面を指す、項目35~37のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目39)
前記密封構成要素の前記上面の前記平均2Raうねりが、50μm未満であり、
前記平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、
前記上面が、堆積中に前記ノズルに面する表面を指す、項目35~37のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目40)
前記密封構成要素が、第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面と、を備え、
前記第1の表面と前記第2の表面とが平行である、項目35~39のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目41)
前記密封構成要素が、第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面と、を備え、
前記第1の表面および前記第2の表面の少なくとも一部分が、非平行である、項目35~40のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目42)
前記密封構成要素の一部分が、先細り部を備える、項目35~41のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目43)
前記密封構成要素の厚さが、一定である、項目35~41のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目44)
前記密封構成要素の厚さが、可変である、項目35~41のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目45)
前記完全に硬化した密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、前記破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される、項目35~44のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目46)
前記密封構成要素が、前記ガスケットの公称面内に等方性物理的特性を有する、項目35~45のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目47)
前記密封構成要素が、前記密封構成要素の前記公称面内での等方性最大引張強度および破断点伸び率を有する、項目35~46のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目48)
前記最大引張強度および破断伸び率が、測定の平面内方向とは独立して、それぞれ平均最大引張強度および破断伸び率の+/-10%以内である、項目35~47のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目49)
前記密封構成要素が、1.3未満の比重を有する、項目35~48のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目50)
前記密封構成要素が、1未満の比重を有する、項目35~49のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目51)
前記密封構成要素が、EN ISO10563に従って決定されるときに、JRFタイプIII中に70℃で7日間浸漬した後、25体積%未満の膨潤を呈する、項目35~50のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目52)
前記密封構成要素が、EN ISO10563に従って決定されるときに、3%のNaCl水溶液中に70℃で7日間浸漬した後、10体積%未満の膨潤を呈する、項目35~51のいずれか一項に記載の密封構成要素。
(項目53)
前記密封構成要素が、1Hzの周波数、20ミクロンの振幅、および-80℃~160℃の昇温でTA InstrumentsのQ800装置を使用して動的機械分析(DMA)によって決定される、-20C未満のガラス転移温度Tgを呈し、前記T
g
がtanδ曲線のピークとして特定される、項目35~52のいずれか一項に記載の密封構成要素。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0006】
【
図1A】本開示によって提供される密封構成要素の一例の断面図を示す。
【
図1B】本開示によって提供される密封構成要素の一例の上面図を示す。
【
図2A】堆積する層および隣接層についての三次元印刷ノズルの異なる位置の図を示す。
【
図2B】堆積する層および隣接層についての三次元印刷ノズルの異なる位置の図を示す。
【
図2C】堆積する層および隣接層についての三次元印刷ノズルの異なる位置の図を示す。
【
図3A】ノズルが押出材料の表面の上方1.7mmに配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図3Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図3Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図3Cは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図3Dは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、10.1μmであった。
【
図3B】ノズルが押出材料の表面の上方1.7mmに配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図3Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図3Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図3Cは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図3Dは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、10.1μmであった。
【
図3C】ノズルが押出材料の表面の上方1.7mmに配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図3Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図3Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図3Cは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図3Dは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、10.1μmであった。
【
図3D】ノズルが押出材料の表面の上方1.7mmに配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図3Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図3Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図3Cは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図3Dは、
図3Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、10.1μmであった。
【
図4A】ノズルが押出材料の表面に配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図4Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図4Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図4Cは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図4Dは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、2.7μmであった。
【
図4B】ノズルが押出材料の表面に配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図4Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図4Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図4Cは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図4Dは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、2.7μmであった。
【
図4C】ノズルが押出材料の表面に配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図4Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図4Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図4Cは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図4Dは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、2.7μmであった。
【
図4D】ノズルが押出材料の表面に配置された、三次元印刷された密封構成要素についての表面うねりプロファイルを示す。
図4Aは、密封構成要素の上面の写真であり、
図4Bは、密封構成要素の表面トポグラフィを視覚化するヒートマップであり、
図4Cは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示し、
図4Dは、
図4Aの実線によって示される表面に沿った密封構成要素表面の非正規化されたトポグラフィ表面プロファイルを示す。2Ra表面うねりは、2.7μmであった。
【
図5】引張試験に使用される三次元印刷された密封構成要素の上面の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
以下の詳細な説明の目的のために、本開示によって提供される実施形態は、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。さらに、任意の動作の実施例以外、または別様に示される場合、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数は、すべての例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、また、均等諭の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有意な桁の数を考慮して、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0008】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準変動から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0009】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1~列挙された最大値10(列挙された値を含む)、すなわち、1に等しいまたは1を超える最小値および10に等しいまたは10未満の最大値を有する、すべてのサブ範囲を含むことが意図される。
【0010】
プレポリマーの「主鎖」とは、反応性末端基間のセグメントを指す。プレポリマー主鎖は、典型的には、繰り返しサブユニットを含む。例えば、ポリチオールHS-[R]n-SHの主鎖は、-[R]n-である。
【0011】
「組成物」とは、指定された量の指定された構成成分を含む生成物、ならびに指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。
【0012】
「共反応性組成物」とは、50℃未満の温度で反応可能な2つまたは2つより多くの化合物を含む組成物を指す。2つまたは2つより多くの化合物間の反応は、共反応性組成物を化学線に曝露することによって開始することができる。
【0013】
「構成成分」とは、別の構成成分と組み合わされるとき、共反応性組成物を形成する組成物を指す。第1の構成成分は、第2の構成成分中の化合物と反応することが可能な化合物を含み得る。第1の構成成分は、光開始剤などの重合開始剤を含む第2の構成成分と組み合わせるまで反応性ではない共反応性化合物を含み得る。反応性化合物に加えて、構成成分は、1つまたは1つより多くの添加剤を含み得る。構成成分自体は、共反応性組成物を形成するために別の構成成分と組み合わされるまで反応性ではない。構成成分は、三次元印刷装置内の1つまたは1つより多くの追加の構成成分と組み合わせることができ、混合して、共反応性組成物を提供することができ、共反応性組成物は、密封構成要素などの物体を構築するために連続層に堆積され得る。
【0014】
「硬化時間」とは、共反応性組成物から調製された層が、共反応性構成成分が最初に組み合わされ、混合されて、共反応性組成物を形成したときから、25℃および50%RHの条件でショア30Aの硬度を呈するまでの持続時間を指す。化学線硬化性組成物については、硬化時間とは、組成物が最初に化学線に曝露されたときから、化学線硬化性組成物から調製された層が25℃および50%RHの条件でショア30Aの硬度を呈する時間までの持続時間を指す。
【0015】
「破壊エネルギー」は、ASTM D7313に従って決定される。
【0016】
「硬化した共反応性組成物」とは、最大硬度の90%を超える硬度を有する共反応性組成物を指す。
【0017】
「部分的に硬化した共反応性組成物とは、最大硬度の90%未満の硬度を有する共反応性組成物を指す。
【0018】
「硬度」は、特定の材料について適切に決定される。例えば、軟質エラストマーの硬度は、ショアAスケールに従って決定することができ、硬質エラストマーおよび他の熱硬度については、ショアDスケールに従って決定することができる。
【0019】
モノマーとは、例えば、1,000Da未満、800Da未満、600Da未満、500Da未満、400Da未満、または300Da未満の分子量を有する化合物を指す。モノマーは、例えば、100Da~1,000Da、100Da~800Da、100Da~600Da、150Da~550Da、または200Da~500Daの分子量を有し得る。モノマーは、100Daを超える、200Daを超える、300Daを超える、400Daを超える、500Daを超える、600Daを超える、または800Daを超える分子量を有し得る。プレポリマーの分子量は、化学構造に基づく。モノマーは、繰り返し単位を含有しても、含有しなくてもよい。モノマーは、2、3、4、5、6、または前述のいずれかの組み合わせの官能基を有し得る。モノマーは、例えば2~6、2~5、2~4、2~3、2.1~2.8、または2.2~2.6の平均反応性官能基を有し得る。
【0020】
「所定の形状」とは、本開示によって提供される耐薬品性密封構成要素などの部品の意図された形状を指す。所定の形状は、CAD/CAM方法を使用して設計することができ、三次元設計は、密封構成要素を製造するための三次元印刷システムを制御するために使用することができる。
【0021】
「プレポリマー」とは、ホモポリマーおよびコポリマーを指す。チオール末端プレポリマーについては、分子量は、ヨウ素滴定を使用した末端基分析によって決定されたときの数平均分子量「Mn」である。チオール末端ではないプレポリマー、数平均分子量は、ポリスチレン標準物質を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。プレポリマーは、別のプレポリマーであり得る硬化剤、または硬化ポリマーを形成するための架橋剤など、別の化合物と反応することが可能な反応性基を含む。プレポリマーは、互いに結合した複数の繰り返しサブユニットを含み、同じであっても異なっていてもよい。複数の繰り返しサブユニットは、プレポリマーの主鎖を作り出す。
【0022】
プレポリマーは、例えば、20,000Da未満、15,000Da未満、10,000Da未満、8,000Da未満、6,000Da未満、4,000Da未満、または2,000Da未満の数平均分子量を有し得る。プレポリマーは、例えば、2,000Daを超える、4,000Daを超える、6,000Daを超える、8,000Daを超える、10,000Daを超える、または15,000Daを超える数平均分子量を有し得る。プレポリマーは、例えば、1,000Da~20,000Da、2,000Da~10,000Da、3,000Da~9,000Da、4,000Da~8,000Da、または5,000Da~7,000Daの数平均分子量を有し得る。
【0023】
「シーラント」とは、硬化したとき、水分および/または温度などの大気条件のうちの少なくとも1つに耐性があり、水、溶媒、燃料、油圧作動液、ならびに他の液体およびガスなどの材料の透過を少なくとも部分的に遮断することができる能力を有する材料を指す。シーラントは、燃料および油圧流体への耐性などの耐薬品性を呈することができる。耐薬品性材料は、例えば、EN ISO10563に従って決定されるときに、化学物質中に70℃で7日間浸漬した後、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満の膨潤率を呈することができる。シーラントは、AMS 3265Bに従って決定されるときに、ジェット基準流体(Jet Reference Fluid:JRF)タイプI、Skydrol(登録商標)LD-4油圧流体、および/または3%のNaCl水溶液への耐性を呈することができる。
【0024】
ショアA硬度は、ASTM D2240に従って、タイプAデュロメータを使用して測定される。
【0025】
比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0026】
「表面うねり」は、プロフィロメータを使用して、または共焦点顕微鏡を使用して決定される。本明細書に報告される表面うねりは、広域のKeyence VR-3200 3D光学測定システムを使用して決定された。表面うねりは、Ra(直線の算術平均高さ)の表面への拡張である。表面うねりは、表面の算術平均と比較した各点の高さの差を表す。
【0027】
平行な印刷ラインおよびトポグラフィカルフィーチャなどのフィーチャの高さおよび平均高さなどの表面プロファイルは、プロフィロメータを使用して、またはKeyenceのVR-3200マクロスコープを使用して測定され得る。
【0028】
引張強度および伸びは、AMS3279に従って測定される。
【0029】
粘度は、25mmのプレート形状を有するAnton Paarのレオメーターを使用して、2rpmおよび25℃で測定される。
【0030】
ここで、本発明のある特定の化合物、組成物、装置、および方法について言及する。開示される化合物、組成物、装置、および方法は、特許請求の範囲を限定することを意図していない。それとは反対に、特許請求の範囲は、すべての代替形態、修正形態、および均等物を網羅することを意図している。
【0031】
本開示によって提供される耐薬品性密封構成要素を作製する方法は、三次元印刷を使用して、共反応性組成物の連続層を所定の形状に堆積させるステップと、堆積した共反応性組成物を硬化させて、耐薬品性密封構成要素を提供するステップと、を含み、完全に硬化した密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される。
【0032】
耐薬品性とは、材料を通した関連するガスおよび液体の拡散を最小限に抑え、使用条件下での材料の設計寿命中、関連するガスおよび液体への材料の曝露が材料の物理的特性をある特定の閾値を下回って低下させることがないような、密封構成要素などの材料の能力を指す。関連するガスおよび溶媒、使用条件、製品寿命、ならびに閾値の物理的特性は、特定の使用用途に依存し得る。関連する溶媒の例としては、高温ガス、高温水、塩水、塩噴霧液、洗浄溶媒、グリース、燃料、油圧流体、油、および潤滑剤が挙げられる。
【0033】
耐薬品性は、材料を特定の溶媒中に70Cの温度で7日間浸漬した後、膨潤率を測定することによって決定することができる。耐薬品性材料は、化学物質中に70℃で7日間浸漬した後、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満の膨潤率を呈することができ、膨潤率はEN ISO10563に従って決定される。
【0034】
他の耐薬品性試験は、用途に応じたものであり得る。例えば、ある特定の航空宇宙用シーラント用途については、ISO1817に従って、60℃で168時間、ジェット基準流体(JRFタイプ1)に曝露した後、提供された硬化組成物は、ISO37に従って決定された1.4MPaを超える引張強度、ISO37に従って決定された150%を超える引張伸び、およびISO868に従って決定されたショア30Aを超える硬度を呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。ISO11075タイプ1に従って、60℃で168時間、除氷流体に曝露した後、硬化組成物は、ISO37に従って決定された1MPaを超える引張強度、およびISO37に従って決定された150%を超える引張伸びを呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。70℃で1,000時間、リン酸エステル油圧流体(Skydrol(登録商標)LD-4)に曝露した後、硬化組成物は、ISO37に従って決定された1MPaを超える引張強度、ISO37に従って決定された150%を超える引張伸び、およびISO868に従って決定されたショア30Aを超える硬度を呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。
【0035】
密封構成要素は、液体および溶媒から界面を密封するために使用することができ、対向する表面間の非平面性に対応するために使用することができ、かつ/または使用中の対向する表面の相対位置の変化に適合することができる。密封構成要素の例としては、ガスケット、シム、ワッシャ、グロメット、Oリング、スペーサ、パッキング、クッション、嵌合材料、フランジ、またはブッシュが挙げられる。
【0036】
耐薬品性密封構成要素は、2つの対向する表面間の界面または接合部へのガスおよび溶媒の拡散を最小限に抑え、それによって界面を密封するために使用される材料または部品である。
【0037】
密封構成要素は、密封される部品の対向する表面を密封するのに適切な任意の好適な三次元形状を含む任意の好適な形状を有し得る。密封構成要素は、例えば、平面の対向する表面を有し得るか、密封構成要素が1つの平面を有し得、対向する表面が非平面であり得るか、または密封構成要素の両方の表面が非平面を有し得る。密封構成要素は、上面および対向する表面を有し得る。密封構成要素の一部分は、互いに対して平面であるか、または互いに対して非平面である対向する表面を有し得る。例えば、密封構成要素の上面および/または底面は、先細りであり得、密封構成要素の一部分は、くさび状であり得る。一例として、
図1Aは、上面101、底面102、くさび状部分103、および中央孔を含む密封構成要素の断面外形を示す。三次元印刷中、ノズルは、密封構成要素の上面101になるものに向かって方法付けされる。
図1Bは、くさび状部分103および中央孔104を含む、密封構成要素の上面101の上面図を示す。
【0038】
密封構成要素は、密封構成要素全体にわたって実質的に一定の断面厚さを有し得る。密封構成要素は、密封構成要素の異なる部分において可変の断面厚さを有し得る。例えば、密封構成要素のいくつかの断面部分は、密封構成要素の他の断面部分よりも厚いか、または薄くすることができる。
【0039】
本開示によって提供される三次元印刷方法を使用して製造される密封構成要素は、特定の用途に好適な任意の形状を有し得る。一般に、密封構成要素の表面は、密封構成要素で密封される部品の対向する表面に適合するような形状にすることができる。
【0040】
対向する部品の表面間の嵌合を容易にし、組み立て中、空隙の作成を最小限に抑えるために、密封構成要素の中心に向かう部分は、密封構成要素の外縁に向かう部分よりも厚くすることができる。この設計により、密封構成要素の中心に向かう表面は、最初に、対向する部品表面に接触し、密封構成要素および部品が組み立てられるときに、空気が密封構成要素の外縁に向かって変位する能力を促進する。
【0041】
共反応性組成物を使用した三次元印刷は、複雑な形状を有する密封構成要素を製造するために使用することができる。
【0042】
密封構成要素表面と密封される部品の表面との間に堅牢な周辺密封を提供するために、密封構成要素表面が滑らかであることが望ましい。例えば、密封構成要素表面は、200μm未満、100μm未満、50μm、40μm未満、30μm未満、20μm未満、10μm未満、または5μm未満の2Raうねりを有することが望ましい場合がある。密封構成要素は、例えば、5μmを超える、10μmを超える、20μmを超える、30μmを超える、40μmを超える、50μmを超える、または100μmを超える2Raうねりを有し得る表面を有し得る。密封構成要素は、例えば、10μm~200μm、または20μm~100μmの2Raうねりを有し得る表面を有し得る。別の測定基準として、密封構成要素の平均2Ra表面うねりは、平均うねり波長の5%未満または1%未満などの平均うねり波長の10%未満であり得る。平均うねり波長とは、隣接する三次元印刷ライン間の距離を指す。三次元印刷を使用して堅牢な周辺密封を提供するのに好適な滑らかな表面を有する密封構成要素を製造する方法が開示される。
【0043】
本開示によって提供される共反応性三次元印刷方法は、隣接層が高い機械的強度を有する耐薬品性密封構成要素を製造するために使用することができる。共反応性組成物の隣接層は、化学的に結合および/または物理的結合して、機械的に強力な層間界面を作成することができる。層間界面の強度は、ASTM D7313に従って、破壊エネルギーを測定することによって決定することができる。本開示によって提供される方法を使用して作製される耐薬品性密封構成要素は、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じである破壊エネルギーを有し得る。例えば、密封構成要素の破壊エネルギーおよび共反応性組成物の個々の硬化層の破壊エネルギーは、例えば、10%未満、5%未満、2%未満、またはより低い1%以内であり得る。
【0044】
三次元印刷されたシーラント構成成分の層間結合の完全性を見積もるために使用することができる別の測定基準は、印刷ラインの方向および印刷ラインに直交する方向における引張強度および伸び率などの物理的特性を比較することである。実施例2には、一例が記載されている。本開示によって提供される方法によって作製された耐薬品性密封構成要素は、印刷平面内、例えば、測定の平面内方向とは独立して、10%以内、5%以内、2%以内、または1%以内に等方性物理的特性を有し得る。例えば、最大引張強度および破断伸び率は、測定の平面内方向とは独立して、それぞれ、平均最大引張強度および破断伸び率の+/-10%以内、+/-5%以内、+/-2%以内、または+/-1%以内であり得る。
【0045】
本開示によって提供される三次元印刷方法は、三次元印刷装置のノズルを通して共反応性組成物を押し出すことと、共反応性組成物の連続層を堆積させて、密封構成要素を製造することと、を含む。
【0046】
共反応性組成物は、1液共反応性組成物または2液共反応性組成物であり得る。
【0047】
1液共反応性組成物については、共反応性組成物は、三次元印刷装置にポンプ送給することができ、堆積前、堆積中、および/または堆積後に、共反応性組成物をエネルギー源に曝露して、共反応性化合物間の化学反応を開始することができる。1液共反応性組成物の例は、UV硬化性組成物などの放射線硬化性組成物である。反応は、例えば、熱エネルギー、音響エネルギー、機械的エネルギーなどのエネルギーの付与、および/または化学線によって開始され得る。1液組成物は、塗布の直前および/または塗布中に活性化される潜伏性触媒を含み得る。潜伏性触媒の例としては、水分活性化触媒、コア/シェル封入剤、光開始触媒、光不安定性触媒、および他の潜伏性触媒が挙げられる。1液コーティングの例としては、UV照射を使用するなど、化学線によって硬化可能であるコーティングが挙げられる。
【0048】
2液共反応性組成物については、第1の構成成分および第2の構成成分は、三次元印刷装置にポンプ送給され、組み合わされ、混合されて、共反応性組成物を形成することができる。例えば、第1の構成成分は第1の反応性化合物を含むことができ、第2の構成成分は第2の反応性化合物を含むことができ、第1の化合物が、第2の化合物に対して反応性である。第1および第2の構成成分は、エネルギーに曝露することなく共反応することが可能な化合物を含み得る。例えば、第1の反応性構成成分は、第1の官能基を有する化合物を含むことができ、第2の反応性構成成分は、第2の官能基を有する化合物を含むことができ、第1および第2の官能基は、外部エネルギーに曝露することなく共反応することができる。例は、アミン触媒によるチオール/エン反応である。別の例として、第1の構成成分は、第1の反応性化合物および第2の反応性化合物を含むことができ、第1および第2の化合物が、例えば、触媒、硬化促進剤、またはフリーラジカル重合開始剤などの重合開始剤の存在下で反応性であり、第2の構成成分は、重合開始剤を含み得る。第1および第2の反応性化合物は、重合模倣物と組み合わされるときに反応して、共反応性組成物を形成することができるか、または第1および第2の反応性化合物は、重合が開始されると反応することができる。例えば、UV光重合開始剤は、修正組成物をUV照射に曝露することによって活性化され、それによってフリーラジカル触媒によるチオール/エン反応を開始することができる。
【0049】
共反応性組成物は、第1の共反応性化合物を含む第1の構成成分と、第2の反応性化合物を含む第2の構成成分とを組み合わせ、混合することによって調製することができ、第1の反応性化合物が、第2の反応性化合物に対して反応性である。第1の構成成分および/または第2の構成成分は、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含み得る。
【0050】
共反応性組成物は、第1の反応性化合物を含む第1の構成成分と、第2の反応性化合物との混合を組み合わせることによって調製することができ、第1の反応性化合物は、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤の存在下で第2の反応性化合物に対して反応性であり、第2の構成成分は、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含む。
【0051】
共反応性組成物は、モノマー、プレポリマー、および/または添加剤を含み得る。共反応性組成物は、任意の好適な硬化化学に基づくことができる。材料および硬化化学は、密封構成要素の所望の環境特性および物理的特性に基づいて選択され得る。
【0052】
共反応性組成物は、溶媒を実質的に含まなくてもよい。例えば、共反応性組成物は、5重量%未満の溶媒、2重量%未満、1重量%未満、または0.1重量%未満の溶媒を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0053】
共反応性組成物は、プレポリマー、またはプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0054】
共反応性組成物は、1つまたは1つより多くの第1の官能基を含む第1の化合物と、1つまたは1つより多くの第2の官能基を含む第2の化合物と、を含み得、1つまたは1つより多くの第1の官能基と1つまたは1つより多くの第2の官能基とが、共反応性である。1つまたは1つより多くの第1の官能基の各々は、同一であり得るか、あるいは第1の官能基の少なくともいくつかは、他の第1の官能基と異なり得る。1つまたは1つより多くの第2の官能基の各々は、同一であり得るか、あるいは第2の官能基の少なくともいくつかは、他の第2の官能基と異なり得る。
【0055】
特定の官能基および硬化化学は、所望の硬化速度を提供する、かつ/または所望の特性を耐薬品性密封構成要素の硬化層に付与するように選択することができる。
【0056】
有用な硬化化学の例としては、ヒドロキシル/イソシアネート、アミン/イソシアネート、エポキシ/エポキシ、およびマイケル受容体/マイケル供与体反応が挙げられる。
【0057】
したがって、第1の官能基は、イソシアネートを含み得、第2の官能基は、ヒドロキシル基、アミン基、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0058】
第1の官能基は、エポキシ基を含み得、第2の官能基は、エポキシ基を含み得る。
【0059】
第1の官能基は、マイケル受容体基を含み得、第2の官能基は、マイケル供与体基を含み得る。
【0060】
第1の官能基は、飽和官能基であり得、第2の官能基は、不飽和基であり得る。第1の官能基および第2の官能の各々は、飽和官能基を含み得る。第1の官能基および第2の官能の各々は、不飽和官能基を含み得る。飽和官能基とは、単結合を有する官能基を指す。飽和官能基の例としては、チオール、ヒドロキシル、第一級アミン、第二級アミン、およびエポキシ基が挙げられる。不飽和官能基とは、反応性二重結合を有する基を指す。不飽和官能基の例としては、アルケニル基、マイケル受容体基、イソシアネート基、非環式カーボネート基、アセトアセテート基、カルボン酸基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリレート基、およびマロネート基が挙げられる。
【0061】
第1の官能基は、カルボン酸基であり得、第2の官能基は、エポキシ基であり得る。
【0062】
第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、マレイン酸基、またはフマル酸基などのマイケル受容体基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基または第二級アミン基であり得る。
【0063】
第1の官能基は、イソシアネート基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基、第二級アミン基、ヒドロキシル基、またはチオール基であり得る。
【0064】
第1の官能基は、環状カーボネート基、アセトアセテート基、またはエポキシ基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基または第二級アミン基であり得る。
【0065】
第1の官能基は、チオール基であり得、第2の官能基は、アルケニル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリレート基であり得る。
【0066】
第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、シアノアクリレート、ビニルエーテル、ビニルピリジン、またはα、β不飽和カルボニル基などの、マイケル受容体基であり得、第2の官能基は、マロン酸基、アセチルアセトネート、ニトロアルカン、または他の活性アルケニル基であり得る。
【0067】
第1の官能基は、チオール基であり得、第2の官能基は、アルケニル基、エポキシ基、イソシアネート基、アルキニル基、またはマイケル受容体基であり得る。
【0068】
第1の官能基は、マイケル供与体基であり得、第2の官能基は、マイケル受容体基であり得る。
【0069】
第1の官能基および第2の官能基の両方は、チオール基であり得る。
【0070】
第1の官能基および第2の官能基の両方は、アルケニル基であり得る。
【0071】
第1の官能基および第2の官能基の両方は、(メタ)アクリレート基などのマイケル受容体基であり得る。
【0072】
官能基は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、20℃未満、または10℃未満の温度で共反応するように選択することができる。官能基は、例えば、5℃を超える、10℃を超える、20℃を超える、30℃を超える、または40℃を超える温度で共反応するように選択することができる。官能基は、例えば、5℃~50℃、10℃~40℃、15℃~35℃、または20℃~30℃の温度で共反応するように選択することができる。共反応性組成物は、室温で共反応および硬化する共反応性化合物を含み得、室温とは、20℃~25℃、20℃~22℃、または約20℃の温度を指す。
【0073】
これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度は、共反応性組成物中に適切な触媒または触媒の組み合わせを含むことによって変更することができる。これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度は、共反応性組成物の温度を上昇または降下させることによって変更することができる。例えば、共反応性組成物は、30℃未満の温度で硬化させることができるが、共反応性組成物を加熱することによって、反応速度を加速させることができ、これは、増大した印刷速度に適応するようなある特定の状況下で望ましい場合がある。共反応性構成成分および/または共反応性組成物の温度を上昇させることにより、粘度を調整して、共反応性構成成分の混合および/または共反応性組成物の堆積を促進する役割も果たすことができる。
【0074】
耐薬品性密封構成要素を形成するために、ある特定の層が他の層よりも速く硬化することが望ましい場合がある。例えば、外層は、耐薬品性密封構成要素が意図された形状を保持する能力を促進するために速く硬化し、内層は、時間の経過とともに接着および/または所望の物理的特性を発展させるためにゆっくり硬化することが望ましい場合がある。
【0075】
共反応性組成物は、熱硬化組成物であり、硬化するとき、熱硬化物を形成する。
【0076】
プレポリマーは、任意の好適な化学構造を有する主鎖を含み得る。
【0077】
プレポリマー主鎖は、引張強度、伸び率、耐熱性、耐薬品性、低温可撓性、硬度、および前述のいずれかの組み合わせの考慮事項に基づいて選択することができる。プレポリマーの選択はまた、コストの考慮事項に基づくことができる。
【0078】
共反応性組成物は、プレポリマー、またはプレポリマーの組み合わせを含み得る。プレポリマーは、例えば、引張強度、伸び率、加水分解安定性、圧縮、および/または耐薬品性、ならびに硬化した密封構成要素の他の特性に影響を与え得る。
【0079】
プレポリマーは、25℃の液体であり得、例えば、-20℃未満、-30℃未満、または-40℃未満のガラス転移温度Tgを有し得る。
【0080】
プレポリマーは、例えば、BrookfieldのCAP2000粘度計を使用して、6番スピンドルを有し、300rpmの速度、および25℃の温度で測定した、20ポアズ~500ポアズ(2Pa-sec~50Pa-sec)、20ポアズ~200ポアズ(2Pa-sec~20Pa-sec)、または40ポアズ~120ポアズ(4Pa-sec~12Pa-sec)の範囲内の粘度を呈し得る。
【0081】
プレポリマーは、例えば、12未満、10未満、8未満、6未満、または4未満の反応性官能基を有し得る。第1の化合物および第2の化合物の各々は、例えば、2~12、2~8、2~6、2~4、または2~3のそれぞれの反応性官能基を含み得る。第1の化合物および第2の化合物の各々は独立して、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の官能基を有し得る。
【0082】
プレポリマーは、プレポリマー主鎖内に異なる化学構造および特性を有するセグメントを含み得る。セグメントは、ランダムに、規則的な分布で、またはブロックで分布することができる。セグメントを使用して、プレポリマー主鎖にある特定の特性を付与することができる。例えば、セグメントは、ポリマー主鎖へのチオエーテル結合などの可撓性結合を含み得る。ペンデント基を有するセグメントは、プレポリマー主鎖に組み込まれ得る。
【0083】
例えば、プレポリマー主鎖は、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリイソシアネート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(p-フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンイミン、ポリフェニルスルホン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、ポリエチレン、シンジオタクチックまたはアイソタクチックポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアミド、エチル-酢酸ビニルホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、プロピレンのインパクトコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ブテンのホモポリマーおよびコポリマー、ヘキセンのホモポリマーおよびコポリマー、ならびに前述のいずれかの組み合わせを含み得る。
【0084】
他の好適なプレポリマー主鎖の例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、およびオレフィンコポリマーなど)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SEBS)、ブチルゴム、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーコポリマー(EPDM)、ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレンを含む)、ポリ(酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリ(ビニルアルコール)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(メチルメタクリレート)ならびに他のアクリレートポリマーおよびコポリマー(メチルメタクリレートポリマー、メタクリレートコポリマー、1つまたは1つより多くのアクリレート、メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどから誘導されたポリマーなどを含む)、オレフィンおよびスチレンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、スチレン/アクリロニトリルポリマー(SAN)、スチレン/マレイン酸無水物コポリマー、イソブチレン/マレイン酸無水物コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリ(アクリロニトリル)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリエステル、液体結晶性ポリマー(LCP)、ポリ(乳酸)、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、PPO-ポリアミド合金、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーおよびコポリマー、ポリエーテルイミド、フッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニリデン)、およびポリ(塩化ビニル)、ポリウレタン(熱可塑性および熱硬化性)、アラミド(Kevlar(登録商標)およびNomex(登録商標)など)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリシロキサン(ポリジメチレンシロキサン、ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサンコポリマー、ビニルジメチルシロキサン末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む)、エラストマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、アルキド、セルロースポリマー(エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、および酢酸酪酸セルロースなど)、例えばポリ(エチレンオキシド)(ポリ(エチレングリコール)としても知られている、ポリ(プロピレンオキシド)(ポリ(プロピレングリコール)としても知られている、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーなどのポリエーテルならびにグリコール、アクリルラテックスポリマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーおよびポリマー、ポリエステルジオールジアクリレートポリマー、ならびにUV硬化性樹脂が挙げられる。
【0085】
共反応性組成物は、エラストマー主鎖を含むプレポリマーを含み得る。
【0086】
「エラストマー」、「エラストマーの」、および同様の用語は、「ゴムのような」特性を有し、一般に低ヤング率および高引張ひずみを有する材料を指す。例えば、エラストマーは、約4MPa~約30MPaのヤング率/引張強度を有し得る。エラストマーは、約100%~約2,000%の引張ひずみ(破断点伸び)を有し得る。ヤング率/引張強度および引張ひずみは、ASTM D412.4893に従って決定することができる。エラストマーは、例えば、50kN/m~200kN/mの引裂強度を呈することができる。エラストマーの引裂強度は、ASTM D624に従って決定することができる。エラストマーのヤング率は、ASTM D412.4893に従って決定されるときに、0.5MPa~6MPaの範囲であり得る。
【0087】
エラストマー主鎖を有する好適なプレポリマーの例としては、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー、ニトリル、ポリチオールアミン、ポリシロキサン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレン、ネオプレン、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、シリコーン、スチレンブタジエン、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。エラストマーのプレポリマーは、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリヒドロジエチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、または前述のいずれかの組み合わせなどのポリシロキサンを含み得る。エラストマーのプレポリマーは、シラノール基などのアミンおよびイソシアネート基との低反応性を有する末端官能基を含み得る。
【0088】
高い耐溶媒性を呈するプレポリマーの例としては、フルオロポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、および本明細書に開示される他の耐薬品性プレポリマー、高い架橋密度を有する硬化ポリマーマトリックス、例えばポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、およびポリエチレンなどの耐薬品性有機充填材、または前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0089】
低温可撓性を呈するプレポリマーの例としては、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、ある特定のエラストマー、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0090】
加水分解安定性を呈するプレポリマーの例としては、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、ある特定のエラストマー、および前述のいずれかの組み合わせ、ならびに高い架橋密度を有する組成物が挙げられる。
【0091】
高い耐温度性を呈するプレポリマーの例は、例えば、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、ある特定のエラストマー、および前述のいずれかの組み合わせなどのプレポリマー、ならびに高い架橋密度を有する組成物を含み得る。
【0092】
高引張性を呈するプレポリマーの例としては、シリコーンおよびポリブタジエン、高い架橋密度を有する組成物、無機充填材、ならびに前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0093】
プレポリマーは、硫黄含有プレポリマー、または硫黄含有ポリマーの組み合わせを含み得る。
【0094】
硫黄含有プレポリマーとは、1つまたは1つより多くのチオエーテル-Sn-基を有するプレポリマーを指し、式中、nは、例えば、プレポリマーの主鎖内で1~6であり得る。末端基としてもしくはプレポリマーのペンデント基としてチオールまたは他の硫黄含有基のみを含有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーによって包含されない。プレポリマー主鎖とは、繰り返しセグメントを有するプレポリマーの一部分を指す。したがって、HS-R-R(-CH2-SH)-[-R-(CH2)2-S(O)2-(CH2)-S(O)2]n-CH=CH2(式中、各Rが、硫黄原子を含有しない部分である)の構造を有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーによって包含されない。チオエーテル基などの構造HS-R-R(-CH2-SH)-[-R-(CH2)2-S(O)2-(CH2)-S(O)2]-CH=CH2(式中、少なくとも1つのRが、硫黄原子を含有する部分である)を有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーによって包含される。
【0095】
硫黄含有プレポリマーは、硬化したシーラントに耐薬品性を付与することができる。
【0096】
耐薬品性を呈するプレポリマー主鎖は、高い硫黄含有量を有し得る。例えば、硫黄含有プレポリマー主鎖は、10重量%を超える、12重量%を超える、15重量%を超える、18重量%を超える、20重量%を超える、または25重量%を超える硫黄含有量を有し得、重量%は、プレポリマー主鎖の総重量に基づく。耐薬品性プレポリマー主鎖は、硫黄含有量、例えば、10重量%~25重量%、12重量%~23重量%、13重量%~20重量%、または14重量%~18重量%を有し得、重量%は、プレポリマー主鎖の総重量に基づく。
【0097】
共反応性組成物は、例えば、40重量%~80重量%、40重量%~75重量%、45重量%~70重量%、または50重量%~70重量%の硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、40重量%を超える、50重量%を超える、60重量%を超える、70重量%を超える、80重量%を超える、または90重量%を超える硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、または40重量%未満の硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0098】
硫黄含有主鎖を有するプレポリマーの例としては、ポリチオエーテルプレポリマー、ポリスルフィドプレポリマー、硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、モノスルフィドプレポリマー、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0099】
プレポリマーは、ポリチオエーテルプレポリマー、またはポリチオエーテルプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0100】
ポリチオエーテルプレポリマーは、式(1)の構造を有する少なくとも1つの部分を含むポリチオエーテルプレポリマー、式(1a)のチオール末端ポリチオエーテルプレポリマー、式(1b)の末端修飾ポリチオエーテル、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、
-S-R1-[S-A-S-R1-]n-S- (1)
HS-R1-[S-A-S-R1-]n-SH (1a)
R3-S-R1-[S-A-S-R1-]n-S-R3 (1b)
式中、
nは、1~60の整数であり得、
各R1は独立して、C2~10アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル、C6~14アルカンシクロアルカンジイル、C5~8ヘテロシクロアルカンジイル、および-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-から選択することができ、式中、
pは、2~6の整数であり得、
qは、1~5の整数であり得、
rは、2~10の整数であり得、
各Rは独立して、水素およびメチルから選択することができ、
各Xは独立して、O、S、およびS-Sから選択することができ、
各Aは独立して、式(2)のポリビニルエーテルまたは式(3)のポリアルケニル多官能化剤から誘導される部分であり得、
CH2=CH-O-(R2-O)m-CH=CH2 (2)
B(-R4-CH=CH2)z (3)
式中、
mは、0~50の整数であり得、
各R2は独立して、C1~10アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル、C6~14アルカンシクロアルカンジイル、および-[(CHR)p-X-]q(CHR)rから選択することができ、式中、p、q、r、R、およびXは、R1について定義される通りであり、
各R3は独立して、末端反応性基を含む部分であり得、
Bは、z価のポリアルケニル多官能化剤B(-R4-CH=CH2)zのコアを表し、式中、
zは、3~6の整数であり得、
各R4は独立して、C1~10アルカンジイル、C1~10ヘテロアルカンジイル、置換C1~10アルカンジイル、および置換C1~10ヘテロアルカンジイルから選択され得る。
【0101】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、C2~10アルカンジイルであり得る。
【0102】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得る。
【0103】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、Xは、OおよびSから選択することができ、したがって、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-は、-[(CHR)p-O-]q(CHR)r-または-[(CHR)p-S-]q(CHR)r-であり得る。Pおよびrは、pおよびrが両方とも2であり得る場合など、等しくてもよい。
【0104】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、C2~6アルカンジイルおよび-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-から選択され得る。
【0105】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得、XはOであり得るか、またはXはSであり得る。
【0106】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、式中、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得、pは2であり得、rは2であり得、qは1であり得、XはSであり得るか;またはpは2であり得、qは、2であり得、rは2であり得、XはOであり得るか;またはpは2であり得、rは2であり得、qは1であり得、XはOであり得る。
【0107】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得、各Rは水素であり得るか、または少なくとも1つのRはメチルであり得る。
【0108】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-であり得、式中、各Xは独立して、OおよびSから選択することができる。
【0109】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-であり得、各XはOであり得るか、または各XはSであり得る。
【0110】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、R1は-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-であり得、式中、pは2であり得、XはOであり得、qは2であり得、rは2であり得、R2はエタンジイルであり得、mは2であり得、nは9であり得る。
【0111】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、各R1は、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン(DMDO;2,2-(エタン-1,2-ジイルビス(スルファニル))ビス(エタン-1-チオール))から誘導され得るか、または各R1は、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS;2,2’-チオビス(エタン-1-チオール))、およびこれらの組み合わせから誘導され得る。
【0112】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、各pは独立して、2、3、4、5、および6から選択することができる。各pは、同じであり得、2、3、4、5、または6であり得る。
【0113】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、各qは独立して、1、2、3、4、または5であり得る。各qは、同じであり得、1、2、3、4、または5であり得る。
【0114】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、各rは独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。各rは、同じであり得、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。
【0115】
式(1)の部分、ならびに式(1a)および(1b)のプレポリマーでは、各rは独立して、2~4、2~6、または2~8の整数であり得る。
【0116】
式(2)のジビニルエーテルでは、mは、0~40、0~20、0~10、1~50、1~40、1~20、1~10、2~50、2~40、2~20、または2~10などの0~50の整数であり得る。
【0117】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、C2~10n-アルカンジイル基、C3~6分枝鎖アルカンジイル基、および-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基から選択することができる。
【0118】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、メタンジイル、エタンジイル、n-プロパンジイル、またはn-ブタンジイルなどのC2~10n-アルカンジイル基であり得る。
【0119】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基を含み得、式中、各Xは、OまたはSであり得る。
【0120】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基を含み得る。
【0121】
式(2)のジビニルエーテルでは、各mは独立して、1~3の整数であり得る。各mは、同じであり得、1、2、または3であり得る。
【0122】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、C2~10n-アルカンジイル基、C3~6分枝鎖アルカンジイル基、および-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基から選択することができる。
【0123】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、C2~10n-アルカンジイル基であり得る。
【0124】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、式中、各Xは、OまたはSであり得る。
【0125】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、式中、各Xは、OまたはSであり得、各pは独立して2、3、4、5、および6であり得る。
【0126】
式(2)のジビニルエーテルでは、各pは、同じであり得、2、3、4、5、または6であり得る。
【0127】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、式中、各Xは、OまたはSであり得、各qは、独立して、1、2、3、4、または5であり得る。
【0128】
式(2)のジビニルエーテルでは、各qは、同じであり得、1、2、3、4、または5であり得る。
【0129】
式(2)のジビニルエーテルでは、各R2は独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、式中、各Xは、OまたはSであり得、各rは独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。
【0130】
式(2)のジビニルエーテルでは、各rは、同じであり得、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。式(2)のジビニルエーテルでは、各rは独立して、2~4、2~6、または2~8の整数であり得る。
【0131】
好適なジビニルエーテルの例としては、エチレングリコールジビニルエーテル(EG-DVE)、ブタンジオールジビニルエーテル(BD-DVE)、ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD-DVE)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG-DVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0132】
ジビニルエーテルは、硫黄含有ジビニルエーテルを含み得る。好適な硫黄含有ジビニルエーテルの例は、例えば、PCT公開第WO2018/085650号に開示されている。
【0133】
式(1)の部分では、各Aは独立して、ポリアルケニル多官能化剤から誘導され得る。ポリアルケニル多官能化剤は、式(3)の構造を有し得、式中、zは、3、4、5、または6であり得る。
【0134】
式(3)のポリアルケニル多官能化剤では、各R7は独立して、C1~10アルカンジイル、C1~10ヘテロアルカンジイル、置換C1~10アルカンジイル、または置換C1~10ヘテロアルカンジイルから選択することができる。1つまたは1つより多くの置換基は、例えば、-OH、=O、C1~4アルキル、およびC1~4アルコキシから選択することができる。1つまたは1つより多くのヘテロ原子は、例えばO、S、およびこれらの組み合わせから選択することができる。
【0135】
好適なポリアルケニル多官能化剤の例としては、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン)、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン)、1,3-ビス(2-メチルアリル)-6-メチレン-5-(2-オキソプロピル)-1,3,5-トリアジノン-2,4-ジオン、トリス(アリルオキシ)メタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1-(アリルオキシ)-2,2-ビス((アリルオキシ)メチル)ブタン、2-プロパ-2-エトキシ-1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)ベンゼン、1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)-1,3,5-トリアジナン-2,4-ジオン、および1,3,5-トリス(2-メチルアリル)-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、1,2,4-トリビニルシクロヘキサン、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ならびに前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0136】
式(1)の部分および式(1a)~(1b)のプレポリマーでは、ジビニルエーテルから誘導された部分とポリアルケニル多官能化剤から誘導された部分とのモル比は、例えば0.9モル%~0.999モル%、0.95モル%~0.99モル%、または0.96モル%~0.99モル%であり得る。
【0137】
式(1)の部分および式(1a)~(1b)のプレポリマーでは、各R1は、-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-であり得、各R2は、-(CH2)2-であり得、mは、1~4の整数であり得る。
【0138】
式(1)の部分および式(1a)~(1b)のプレポリマーでは、R2は、ジビニルエーテル このようなジエチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルシアヌレートなどのポリアルケニル多官能化剤、またはこれらの組み合わせから誘導され得る。
【0139】
式(1)の部分および式(1a)~(1b)のプレポリマーでは、各Aは独立して、式(2a)の部分および式(3a)の部分から選択することができ、
-(CH2)2-O-(R2-O)m-(CH2)2- (2a)
B{-R4-(CH2)2-}2{-R4-(CH2)2-S-[-R1-S-A-S-R1-]n-SH}z-2 (3a)
式中、m、R1、R2、R4、A、B、m、n、およびzは、式(1)、式(2)、または式(3)に定義される通りである。
【0140】
式(1)の部分および式(1a)~(1b)のプレポリマーでは、各R1は、-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-であり得、各R2は、-(CH2)2-であり得、mは、1~4の整数であり得、多官能化剤B(-R4-CH=CH2)zは、トリアリルシアヌレートを含み、式中、zは、3であり、各R4は、-O-CH2-CH=CH2である。
【0141】
硫黄含有ポリチオエーテルを合成する方法は、例えば、米国特許第6,172,179号に開示されている。
【0142】
チオール末端ポリチオエーテルプレポリマーの主鎖は、ポリチオエーテルプレポリマーを使用して調製されたシーラントおよびコーティングの接着性、引張強度、伸び、耐UV性、硬度、および/または可撓性などの特性を改善するように修飾することができる。例えば、接着促進基、抗酸化剤、金属配位子、および/またはウレタン結合は、ポリチオエーテルプレポリマーの主鎖に組み込んで、1つまたは1つより多くの性能属性を改善することができる。主鎖修飾ポリチオエーテルプレポリマーの例は、例えば、米国特許第8,138,273号(ウレタン含有)、米国特許第9,540,540号(スルホン含有)、米国特許第8,952,124号(ビス(スルホニル)アルカノール含有)、米国特許第9,382,642号(金属配位子含有)、米国出願公開第2017/0114208号(抗酸化剤含有)、PCT国際公開第WO2018/085650号(硫黄含有ジビニルエーテル)、およびPCT国際公開第WO2018/031532号(ウレタン含有)に開示されている。ポリチオエーテルプレポリマーとしては、米国出願公開第2017/0369737号および同第2016/0090507号に記載されているプレポリマーが挙げられる。
【0143】
好適なチオール末端ポリチオエーテルプレポリマーの例は、例えば、米国特許第6,172,179号に開示されている。チオール末端ポリチオエーテルプレポリマーは、Permapol(登録商標)P3.1E、Permapol(登録商標)P3.1E-2.8、Permapol(登録商標)L56086、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、これらの各々は、PPG Aerospaceから入手可能である。これらのPermapol(登録商標)製品は、式(2)、(2a)、および(2b)のチオール末端ポリチオエーテルプレポリマーによって包含される。チオール末端ポリチオエーテルとしては、米国特許第7,390,859号に記載のプレポリマー、および米国出願公開第2017/0369757号および同第2016/0090507号に記載のウレタン含有ポリチオールが挙げられる。
【0144】
硫黄含有プレポリマーは、ポリスルフィドプレポリマー、またはポリスルフィドプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0145】
ポリスルフィドプレポリマーとは、プレポリマー主鎖内に1つまたは1つより多くのポリスルフィド結合、すなわち-Sx-結合(式中、xは、2~4である)を含有するプレポリマーを指す。ポリスルフィドプレポリマーは、2つまたは2つより多くの硫黄-硫黄結合を有し得る。好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーは、例えばAkzoNobelおよびToray Industries,Inc.から、それぞれThioplast(登録商標)およびThiokol-LP(登録商標)の商標名で市販されている。
【0146】
好適なポリスルフィドプレポリマーの例は、例えば、米国特許第4,623,711号、同第6,172,179号、同第6,509,418号、同第7,009,032号、および同第7,879,955号に開示されている。
【0147】
好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例としては、AkzoNobelから市販されている、Thioplast(登録商標)G1、Thioplast(登録商標)G4、Thioplast(登録商標)G10、Thioplast(登録商標)G12、Thioplast(登録商標)G21、Thioplast(登録商標)G22、Thioplast(登録商標)G44、Thioplast(登録商標)G122、およびThioplast(登録商標)G131などのThioplast(登録商標)Gポリスルフィドが挙げられる。Thioplast(登録商標)G樹脂は、二官能性チオール末端ポリスルフィドプレポリマーが式(4)の構造を有し、三官能性チオール末端ポリスルフィドポリマーが式(5)の構造を有し得る、二官能性分子と三官能性分子とのブレンドである液体チオール末端ポリスルフィドプレポリマーであり、
HS-(-R5-S-S-)d-R5-SH (4)
HS-(-R5-S-S-)a-CH2-CH{-CH2-(-S-S-R5-)b-SH}{-(-S-S-R5-)c-SH} (5)
式中、各R5は、-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-およびd=a+b+cであり、式中、dの値は、ポリスルフィドプレポリマーの合成中に使用される三官能性架橋剤(1,2,3-トリクロロプロパン;TCP)の量に依存して7~38であり得る。Thioplast(登録商標)Gポリスルフィドは、1,000Da未満~6,500Daの数平均分子量、1%~5.5%を超えるSH含有量、および0%~2.0%の架橋密度を有し得る。
【0148】
ポリスルフィドプレポリマーは、式(4a)の構造を有する末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、式(5a)の構造を有する末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、またはこれらの組み合わせをさらに含み得、
R3-S-(-R5-S-S-)d-R-S-R3 (4a)
R3-S-(-R5-S-S-)a-CH2-CH{-CH2-(-S-S-R5-)b-S-}{-(-S-S-R5-)c-S-R3} (5a)
式中、d、a、b、c、およびR5は、式(4)および式(5)について定義される通りであり、R3は、末端反応性基を含む部分である。
【0149】
好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例としてはまた、Thiokol(登録商標)LP2、Thiokol(登録商標)LP3、Thiokol(登録商標)LP12、Thiokol(登録商標)LP23、Thiokol(登録商標)LP33、およびThiokol(登録商標)LP55などのToray Industries,Inc.から入手可能なThiokol(登録商標)LPポリスルフィドも挙げられる。Thiokol(登録商標)LPポリスルフィドは、1,000Da~7,500Daの数平均分子量、0.8%~7.7%の-SH含有量、および0%~2%の架橋密度を有する。Thiokol(商標)LPポリスルフィドプレポリマーは、式(6)の構造を有し、末端修飾ポリスルフィドプレポリマーは、式(6a)の構造を有し得、
HS-[(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-S-]e-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-SH (6)
R3-S-[(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-S-]e-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-R3 (6a)
式中、eは、1,000Da~7,500Daの数平均分子量、例えば8~80の整数などであるようにすることができ、各R3は、末端反応性官能基を含む部分である。
【0150】
チオール末端硫黄含有プレポリマーは、Thiokol-LP(登録商標)ポリスルフィド、Thioplast(登録商標)Gポリスルフィド、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0151】
式(6a)および(6b)のチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例は、例えば、米国出願公開第2016/0152775号、米国特許第9,079,833号、および米国特許第9,663,619号に開示されている。
【0152】
ポリスルフィドプレポリマーは、式(7)の部分を含むポリスルフィドプレポリマー、式(7a)のチオール末端ポリスルフィドプレポリマー、式(7b)の末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、
-(R6-O-CH2-O-R6-Sm-)n-1-R6-O-CH2-O-R6- (7)
HS-(R6-O-CH2-O-R6-Sm-)n-1-R6-O-CH2-O-R6-SH
(7a)
R3-S-(R6-O-CH2-O-R6-Sm-)n-1-R6-O-CH2-O-R-S-R3 (7b)
式中、R6は、C2~4アルカンジイルであり、mは、1~8の整数であり、nは、2~370の整数であり、各R3は独立して、末端反応性官能基を含む部分である。
【0153】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、mは、例えば、1.05~2、または1.1~1.8などの1を超える平均値を有し得る。
【0154】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、mは、例えば、1~6の整数および1~4の整数、または1、2、3、4、5、6、7、もしくは8の整数であり得る。
【0155】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、nは、例えば、2~200の整数または2~100の整数であり得る。
【0156】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、各Rは独立して、エタンジイル、1,3-プロパンジイル、1,1-プロパンジイル、1,2-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,1-ブタンジイル、1,2-ブタンジイル、および1,3-ブタンジイルから選択することができる。
【0157】
式(7)のポリスルフィドプレポリマーおよび式(7a)~(7b)のポリスルフィドプレポリマーは、例えば、JP62-53354に開示されている。
【0158】
硫黄含有プレポリマーは、硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、または硫黄含有ポリホルマールプレポリマーの組み合わせを含み得る。シーラント用途に有用な硫黄含有ポリホルマールプレポリマーは、例えば、米国特許第8,729,216号および米国特許第8,541,513号に開示されている。
【0159】
硫黄含有ポリホルマールプレポリマーは、式(8)の部分、式(8a)のチオール末端硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(8b)の末端修飾硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(8c)のチオール末端硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(8d)の末端修飾硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、
-R8-(S)v-R8-[O-C(R2)2-O-R8-(S)v-R1-]n- (8)
R10-R8-(S)v-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-R10(8a)
R3-R8-(S)v-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-R3
(8b)
{R10-R8-(S)v-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-O-C(R9)2-O-}mZ (8c)
{R3-R8-(S)v-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-O-C(R9)2-O-}mZ (8d)
式中、hは、1~50の整数であり得、各vは独立して、1および2から選択することができ、各R8は、C2~6アルカンジイルであり得、各R9は独立して、水素、C1~6アルキル、C7~12フェニルアルキル、置換C7~12フェニルアルキル、C6~12シクロアルキルアルキル、置換C6~12シクロアルキルアルキル、C3~12シクロアルキル、置換C3~12シクロアルキル、C6~12アリール、および置換C6~12アリールから選択することができ、各R10は、末端チオール基を含む部分であり、各R3は独立して、チオール基以外の末端反応性官能基を含む部分であり、Zは、m価の親ポリオールZ(OH)mのコアから誘導され得る。
【0160】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8d)では、各R1は独立して、C2~6アルカンジイル、C2~4アルカンジイル、C2~3アルカンジイル、およびエタン-1,2-ジイルから選択することができる。
【0161】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8d)では、各R1は、エタン-1,2-ジイルであり得る。
【0162】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8d)では、各R2は独立して、水素、C1~6アルキル、C1~4アルキル、C1~3アルキル、およびC1~2アルキルから選択することができる。式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)では、各R2は、水素、メチル、およびエチルから選択することができる。
【0163】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8d)では、各R1は同じであり、エタン-1,2-ジイルおよびプロパン-1,3-ジイルなどのC2~3アルカンジイルから選択することができ、各R2は同じであり、水素、およびメチル、エチル、またはプロピルなどのC1~3アルキルから選択することができる。式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(11a)では、各R1は、エタン-1,2-ジイルであり得る。
【0164】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(11a)~(8d)では、各R2は、水素であり得る。式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)では、各R1は、エタン-1,2-ジイルであり得、各R2は、水素であり得る。
【0165】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8b)では、nは、1~50から選択される整数、2~40の整数、4~30個の整数、またはnは、7~30の整数であり得る。
【0166】
式(8)の硫黄含有ポリホルマール部分およびプレポリマー式(8a)~(8b)では、各pは、同じであり、1であり得、各pは、同じであり、2であり得る。
【0167】
硫黄含有プレポリマーは、モノスルフィドプレポリマー、またはモノスルフィドプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0168】
モノスルフィドプレポリマーは、式(9)の部分、式(9a)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(9b)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(9c)の末端修飾モノスルフィドプレポリマー、式(9d)の末端修飾モノスルフィドプレポリマー、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、
-S-R13-[-S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-(9)
HS-R13-[-S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-SH(9a)
{HS-R13-[-S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-V’-}zB(9b)
R3-S-R13-[-S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-R3
(9c)
{R3-S-R13-[-S-(R11-X)u-(R12-X)q-R13-]x-S-V’-}zB (9d)
式中、
各R11は独立して、C2~6アルカンジイルなどのC2~10アルカンジイル、C3~6分枝鎖アルカンジイルなどのC2~10分枝鎖アルカンジイル、または例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3~6分枝鎖アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル、C6~10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6~14アルキルシクロアルキアンジイル(alkylcycloalkyanediyl)、およびC8~10アルキルアレンジイルから選択することができ、
各R12は独立して、水素、C1~6n-アルカンジイルなどのC1~10n-アルカンジイル、例えばメチル基またはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3~6分枝鎖アルカンジイルなどのC2~10分枝鎖アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル、C6~10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6~14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8~10アルキルアレンジイルから選択することができ、
各R13は独立して、水素、C1~6n-アルカンジイルなどのC1~10n-アルカンジイル、例えばメチル基またはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3~6分枝鎖アルカンジイルなどのC2~10分枝鎖アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル基、C6~10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6~14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8~10アルキルアレンジイルから選択することができ、
各Xは独立して、OおよびSから選択することができ、
wは、1~5の整数であり得、
uは、0~5の整数であり得、
xは、2~60、3~60、または25~35などの1~60の整数であり得、
各R3は独立して、反応性官能基から選択され、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは、3~6の整数であり得、
各Vは、チオール基と反応性の末端基を含む部分であり得、
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導され得る。
【0169】
式(10)の部分または式(9b)~(9c)のプレポリマーを含む、チオール末端モノスルフィドを合成する方法は、例えば、米国特許第7,875,666号に開示されている。
【0170】
モノスルフィドプレポリマーは、式(10)の部分、式(10a)の部分を含むチオール末端モノスルフィドプレポリマーを含み、式(10b)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(10c)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(10d)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、または前述のいずれかの組み合わせを含み得、
-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S- (10)
H-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-SH (10a)
R3-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-R3(10b)
{H-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-V’-}zB(10c)
{R3-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-V’-}zB(10d)
式中、
各R14は独立して、C2~6アルカンジイルなどのC2~10アルカンジイル、C3~6分枝鎖アルカンジイルなどのC3~10分枝鎖アルカンジイル、または例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3~6分枝鎖アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル、C6~10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6~14アルキルシクロアルキアンジイル(alkylcycloalkyanediyl)、およびC8~10アルキルアレンジイルから選択することができ、
各R15は独立して、水素、C1~6n-アルカンジイルなどのC1~10n-アルカンジイル、例えばメチル基またはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3~6分枝鎖アルカンジイルなどのC3~10分枝鎖アルカンジイル、C6~8シクロアルカンジイル基、C6~10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6~14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8~10アルキルアレンジイルから選択することができ、
各Xは独立して、OおよびSから選択することができ、
wは、1~5の整数であり得、
uは、1~5の整数であり得、
xは、2~60、3~60、または25~35などの1~60の整数であり得、
各R6は、末端官能基を含む部分であり、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは、3~6の整数であり得、
各Vは、チオール基と反応性の末端基を含む部分であり得、
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導され得る。
【0171】
式(10)~(10d)のモノスルフィドを合成する方法は、例えば、米国特許第8,466,220号に開示されている。
【0172】
耐薬品性プレポリマーの他の例としては、ポリテトラフルオレチレン(polytetrafluorethylene)、ポリビニリデンジフルオリド、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシ、エチレンクロロトリフルオレチレン(ethylene chlorotrifluorethylene)、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンポリマーポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン、フッ素化エチレン-プロピレン、ポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、または前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0173】
共反応性組成物は、プレポリマー主鎖内に10重量%未満の硫黄原子を含有するプレポリマー(重量%は、プレポリマー主鎖の総分子量に基づく)、および/または硬化した共反応性組成物が許容可能な耐薬品性を呈することを条件に、主鎖内に硫黄原子を含有しないプレポリマーを含み得る。
【0174】
例えば、低硫黄含有量または硫黄含有量を有しないプレポリマー主鎖は、ポリホルマール、ポリイソシアネート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(p-フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンイミン、ポリフェニルスルホン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、ポリエチレン、シンジオタクチックまたはアイソタクチックポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアミド、エチル-酢酸ビニルホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、プロピレンのインパクトコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ブテンのホモポリマーおよびコポリマー、ヘキセンのホモポリマーおよびコポリマー、ならびに前述のいずれかの組み合わせを含み得る。
【0175】
低硫黄含有量または硫黄含有量を有しない他の好適なプレポリマー主鎖の例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、およびオレフィンコポリマーなど)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SEBS)、ブチルゴム、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーコポリマー(EPDM)、ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレンを含む)、ポリ(酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリ(ビニルアルコール)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(メチルメタクリレート)ならびに他のアクリレートポリマーおよびコポリマー(メチルメタクリレートポリマー、メタクリレートコポリマー、1つまたは1つより多くのアクリレート、メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどから誘導されたポリマーなどを含む)、オレフィンおよびスチレンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、スチレン/アクリロニトリルポリマー(SAN)、スチレン/マレイン酸無水物コポリマー、イソブチレン/マレイン酸無水物コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリ(アクリロニトリル)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリエステル、液体結晶性ポリマー(LCP)、ポリ(乳酸)、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、PPO-ポリアミド合金、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーおよびコポリマー、ポリエーテルイミド、フッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニリデン)、およびポリ(塩化ビニル)、ポリウレタン(熱可塑性および熱硬化性)、アラミド(Kevlar(登録商標)およびNomex(登録商標)など)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリシロキサン(ポリジメチレンシロキサン、ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサンコポリマー、ビニルジメチルシロキサン末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む)、エラストマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、アルキド、セルロースポリマー(エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、および酢酸酪酸セルロースなど)、例えばポリ(エチレンオキシド)(ポリ(エチレングリコール)としても知られている、ポリ(プロピレンオキシド)(ポリ(プロピレングリコール)としても知られている、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーなどのポリエーテルならびにグリコール、アクリルラテックスポリマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーおよびポリマー、ポリエステルジオールジアクリレートポリマー、ならびにUV硬化性樹脂が挙げられる。
【0176】
エラストマー主鎖、および低硫黄含有量を有するまたは硫黄含有量を有しないプレポリマーも使用することができる。エラストマー主鎖を有する好適なプレポリマーの例としては、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー、ニトリル、ポリチオールアミン、ポリシロキサン、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0177】
密封構成要素は、航空宇宙用シーラントを使用して三次元印刷によって製造することができる。好適な航空宇宙用シーラントの例は、PPG Industries Inc.から入手可能である。好適なシーラントとしては、PR-1440、PR-1429、PR-1770などの2液二酸化マンガン硬化ポリスルフィドシーラント、PR-1422などの2液重クロム酸塩硬化ポリスルフィドシーラント、およびPR-2001などの2液エポキシ硬化ポリチオエーテルシーラントが挙げられる。これらのシーラントは、2rpmで7番パドルを備えたBrookfieldのレオメーターを使用して、25℃で10,000ポアズ~15,000ポアズの初期粘度、0.10インチ~0.15インチの初期スランプおよび0.10インチ~0.20インチの50分でのスランプ、25℃で8時間未満の不粘着時間、ならびに12時間~48時間のショア35A硬度に対する硬化時間を有する。
【0178】
共反応性組成物は、例えば、触媒、光開始剤などの開始剤、接着促進剤、反応性希釈剤、可塑剤、充填材、着色剤、調光剤(photochromic agents)、レオロジー改質剤、硬化活性剤および促進剤、腐食防止剤、難燃剤、または前述のいずれかの組み合わせなどの1つまたは1つより多くの添加剤を含み得る。
【0179】
共反応性組成物は、充填材、または充填材の組み合わせを含み得る。充填材は、例えば、共反応性組成物の粘度を調整するため、硬化した密封構成要素の物理的特性を確立するため、硬化した密封構成要素の密度を確立するため、ならびに/または硬化した密封構成要素の電気的および/もしくは熱的特性を確立するために共反応性組成物中に含まれ得る。
【0180】
充填材は、例えば、無機充填材、有機充填材、低密度充填材、導電性充填材、熱伝導性充填材、または前述のいずれかの組み合わせを含み得る。
【0181】
好適な無機充填材の例としては、シリカ、沈殿シリカ、処理シリカ、ヒュームドシリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、沈殿炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水和アルミナ(水酸化アルミニウム)、タルク、雲母、二酸化チタン、アルミニウムシリケート、炭酸塩、チョーク、シリケート、ガラス、金属酸化物、グラファイト、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0182】
好適な有機充填材の例としては、熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはこれらの組み合わせが挙げられる。好適な熱可塑性物質および熱硬化性物質の例としては、エポキシ、エポキシ-アミド、ETFEコポリマー、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、TFE、ポリアミド、ポリイミド、エチレンプロピレン、ペルフルオロ炭化水素、フルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、メラミン、ポリエステル、フェノール系(phenolics)、エピクロロヒドリン、フッ素化炭化水素、多環式系(polycyclics)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリスルフィド、ポリウレタン、イソブチレンイソプレン、シリコーン、スチレンブタジエン、液晶ポリマー、または前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0183】
好適な低密度充填材の例としては、熱膨張熱可塑性マイクロカプセル、およびメラミンまたは尿素/ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂の外部コーティングを含む熱膨張マイクロカプセルが挙げられる。低密度充填材は、例えば、0.5未満、0.3未満、または0.1未満の比重を有し得る。
【0184】
共反応性組成物は、低密度マイクロカプセルを含み得る。低密度マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルを含み得る。
【0185】
熱膨張性マイクロカプセルとは、所定の温度で膨張する揮発性材料を含む中空シェルを指す。熱膨張性熱可塑性マイクロカプセルは、5μm~70μm、場合によっては10μm~24μm、または10μm~17μmの平均初期粒径を有し得る。「平均初期粒径」という用語は、任意の膨張前のマイクロカプセルの平均粒径(粒径分布の数値加重平均)を指す。粒径分布は、Fischer Sub-Sieve Sizerを使用して、または光学検査によって決定することができる。
【0186】
熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成するのに好適な材料の例としては、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、および酢酸ビニルのプレポリマー、これらのモノマーのコポリマー、ならびにプレポリマーとコポリマーとの組み合わせが挙げられる。架橋剤は、熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成する材料と共に含まれ得る。
【0187】
好適な熱可塑性マイクロカプセルの例としては、AkzoNobelから入手可能なExpancel(商標)DEマイクロスフェアなどのExpancel(商標)マイクロカプセルが挙げられる。好適なExpancel(商標)DEマイクロスフェアの例としては、Expancel(商標)920DE40およびExpancel(商標)920DE80が挙げられる。好適な低密度マイクロカプセルは、Kureha Corporationからも入手可能である。
【0188】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、0.01~0.09、0.04~0.09の範囲内、0.04~0.08の範囲内、0.01~0.07の範囲内、0.02~0.06の範囲内、0.03~0.05の範囲内、0.05~0.09、0.06~0.09の範囲内、または0.07~0.09の範囲内の比重を特徴とすることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、0.1未満、0.09未満、0.08未満、0.07未満、0.06未満、0.05未満、0.04未満、0.03未満、または0.02未満の比重を特徴とすることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0189】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、1μm~100μmの平均粒子径を特徴とすることができ、実質的に球形状を有し得る。低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、例えば、ASTM D6913に従って決定されるときに、10μm~100μm、10μm~60μm、10μm~40μm、または10μm~30μmの平均粒子径を特徴とすることができる。
【0190】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、メラミン樹脂などのアミノプラスト樹脂のコーティングを有する膨張熱可塑性マイクロカプセルまたはマイクロバルーンを含み得る。アミノプラスト樹脂コーティング粒子は、例えば、米国特許第8,993,691号に記載されている。そのようなマイクロカプセルは、熱可塑性シェルに囲まれた発泡剤を含む熱可塑性マイクロカプセルを加熱することによって形成することができる。コーティングされていない低密度マイクロカプセルを、尿素/ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂と反応させて、粒子の外面上に熱硬化性樹脂のコーティングを提供することができる。
【0191】
アミノプラスト樹脂のコーティングにより、アミノプラストコーティングされたマイクロカプセルは、例えば、0.02~0.08の範囲内、0.02~0.07の範囲内、0.02~0.06の範囲内、0.03~0.07の範囲内、0.03~0.065の範囲内、0.04~0.065の範囲内、0.045~0.06の範囲内、または0.05~0.06の範囲内の比重を特徴とすることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0192】
共反応性組成物は、微粒子化酸化ポリエチレンホモポリマーを含み得る。有機充填材としては、酸化ポリエチレン粉末などのポリエチレンが挙げられ得る。好適なポリエチレンは、例えば、商標名ACumist(登録商標)にてHoneywell International,Inc.から、商標名Eltrex(登録商標)にてINEOSから、および商標名Mipelon(登録商標)にてMitsui Chemicals America,Inc.から入手可能である。
【0193】
好適な導電性充填材の例としては、金属、金属合金、導電性酸化物、半導体、炭素、炭素繊維、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0194】
導電性充填材の他の例としては、純銀などの導電性貴金属系充填材;銀めっきされた金などの貴金属めっきされた貴金属;銀めっきされたクーパー(cooper)、ニッケル、またはアルミニウムなどの貴金属めっきされた非貴金属、例えば、銀めっきされたアルミニウム銅粒子またはプラチナめっきされた銅粒子;銀めっきされたガラスマイクロスフェア、貴金属めっきされたアルミニウム、もしくは貴金属めっきされたプラスチックマイクロスフェアなどの貴金属めっきされたガラス、プラスチック、またはセラミック;貴金属めっきされた雲母;および他のそのような貴金属導電性充填材が挙げられる。非貴金属系材料も使用することができ、例えば、銅コーティングされた鉄粒子またはニッケルめっきされた銅粒子などの非貴金属めっきされた非貴金属;非貴金属、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト;非貴金属めっきされた非金属、例えばニッケルめっきされたグラファイト、ならびにカーボンブラックおよびグラファイトなどの非金属材料が挙げられる。導電性充填材の組み合わせおよび導電性充填材の形状を使用して、所望の伝導度、EMI/RFI遮蔽効果、硬度、および特定の用途に好適な他の特性を達成することができる。
【0195】
カーボンナノチューブなどの導電性非金属充填材、グラファイト化炭素繊維などの炭素繊維、および導電性カーボンブラックもまた、グラフェンと組み合わせて共反応性組成物に使用することができる。
【0196】
共反応性組成物は、熱伝導性充填材、または熱伝導性充填材の組み合わせを含み得る。
【0197】
熱伝導性充填材としては、例えば、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ヒ化ホウ素、例えばダイヤモンド、グラファイト、カーボンブラック、炭素繊維、グラフェン、およびグラフェン炭素粒子などの炭素化合物、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化銅、酸化スズなどの金属酸化物、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、炭化ケイ素などの炭化物、めのうおよび金剛砂などの鉱物、セラミックマイクロスフェアなどのセラミック、ムライト、シリカ、炭化ケイ素、カルボニル鉄、セリウム(III)モリブデート、銅、亜鉛、または前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0198】
共反応性組成物は、例えば、1重量%~90重量%の充填材、1重量%~60重量%、1重量%~40重量%、1重量%~20重量%、1重量%~10重量%、または1重量%~5重量%の充填材を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、1重量%を超える充填材、5重量%を超える、10重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、40重量%を超える、50重量%を超える充填材、または60重量%を超える充填材を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、90重量%未満、70重量%未満、50重量%未満、30重量%未満、10重量%未満の充填材、または5重量%未満を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0199】
共反応性組成物は、例えば、1体積%~90体積%の充填材、1体積%~60体積%、1体積%~40体積%、1体積%~20体積%、1体積%~10体積%、または1体積%~5体積%の充填材を含み得、体積%は、共反応性組成物の総体積に基づく。共反応性組成物は、1体積%を超える充填材、5体積%を超える、10体積%を超える、20体積%を超える、30体積%を超える、40体積%を超える、50体積%を超える充填材、または60体積%を超える充填材を含み得、体積%は、共反応性組成物の総体積に基づく。共反応性組成物は、90体積%未満、70体積%未満、50体積%未満、30体積%未満、10体積%未満の充填材、または5体積%未満を含み得、体積%は、共反応性組成物の総体積に基づく。
【0200】
密封構成要素を製造するために使用される共反応性組成物を形成する材料は、所望の化学的特性、所望の物理的特性を提供し、三次元印刷を促進するために選択することができる。
【0201】
共反応性組成物は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、または20℃未満の温度で反応可能であり得る。第1および第2の官能基は、例えば10℃~50℃、15℃~40℃、または20C~30℃の温度で反応可能であり得る。第1および第2の官能基は、例えば10℃を超える、20℃を超える、30℃を超える、または40℃を超える温度で反応可能であり得る。
【0202】
共反応性組成物は、堆積したときに、例えば1E2ポアズ~1E7ポアズ、5E2ポアズ~5E6ポアズ、1E3ポアズ~1E5ポアズ、または5E3ポアズ~5E4ポアズの初期粘度を有し得、粘度は、2rpmおよび25℃で7番パドルを取り付けたBrookfieldのレオメーターを使用して決定される。共反応性組成物は、例えば、1E2ポアズを超える、5E2ポアズを超える、1E3ポアズを超える、5E3ポアズを超える、1E4ポアズを超える、1E5ポアズを超える、または1E6ポアズを超える初期粘度を有し得る。共反応性組成物は、例えば、1E7ポアズ未満、1E6ポアズ未満、1E5ポアズ未満、1E4ポアズ未満、または1E3ポアズ未満の初期粘度を有し得る。
【0203】
密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、23C/50%RHで、12時間未満、8時間未満、4時間未満、1時間未満、30分未満、10分未満、または1未満のゲル化時間を有し得る。密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、23C/50%RHで、10秒~12時間、1分~8時間、30分~4時間、または1時間~3時間のゲル化時間を有し得る。密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、10秒を超える、1分を超える、30分を超える、1時間を超える、4時間を超える、または8時間を超えるゲル化時間を有し得る。ゲル化時間とは、例えば、共反応性構成成分の混合またはUV照射などのエネルギーへの曝露のいずれかによって、共反応性組成物の硬化が開始される時点から、共反応性組成物がもはや手で撹拌できなくなる時点までの持続時間を指す。
【0204】
密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、24時間未満、10時間未満、1時間未満、30分未満、10分未満、または5分未満の不粘着を有し得る。密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、10秒を超える、1分を超える、1時間を超える、6時間を超える、または12時間を超える不粘着時間を有し得る。密封構成要素を製造するための共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、30秒~24時間、1分~12時間、1時間~10時間、または2時間~8時間の不粘着を有し得る。「不粘着時間」とは、例えば、共反応性構成成分の混合またはUV照射などのエネルギーへの曝露のいずれかによって、共反応性組成物の硬化が開始された時点から、共反応性組成物から調製された層がもはや不粘着ではない時点までの持続時間を指し、不粘着は、ポリエチレンシートを手圧で層の表面に適用し、シーラントがポリエチレンシートの表面に接着するかどうかを観察することによって決定され、ポリエチレンシートが層から容易に分離する場合、層は不粘着であるとみなされる。
【0205】
共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、2分未満、5分未満、30分未満、1時間未満、5時間未満、10時間未満、または20時間未満のショア10A硬度までの時間を有し得る。共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、30秒を超える、1分を超える、1時間を超える、5時間を超える、または10時間を超えるショア10A硬度までの時間を有し得る。共反応性組成物は、例えば、23℃/50%RHで、30秒~20時間、分~12時間、または1時間~10時間のショア10A硬度までの時間を有し得る。
【0206】
共反応性組成物は、23℃/50%RHで、1日~7日のショア30A硬度までの時間などの硬化時間を有し得る。
【0207】
密封構成要素は、三次元印刷を使用して共反応性組成物の連続層を堆積させるステップによって製造することができる。連続層は、前に堆積した層の隣、前に堆積した層の上などの前に堆積した層に隣接して、または前に堆積した層の側面などの前に堆積した層に対して、堆積され得る。連続層は、1つまたは1つより多くの前に堆積した層に隣接して堆積され得る。
【0208】
密封構成要素の製造中、共反応性組成物の量は、一定であり得るか、または可変であり得る。例えば、共反応性組成物の量は、部品の厚さを変更するように、および/または高い耐性のフィーチャを形成するように調整することができる。
【0209】
共反応性組成物は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、または15℃未満の温度で堆積させることができる。共反応性組成物は、例えば、10℃~50℃、15℃~40℃、または20℃~30℃の温度で堆積させることができる。堆積温度とは、共反応性組成物がノズルから離れた直後の、および/または共反応性組成物が基材上に堆積しているときの、三次元印刷装置のノズル内の共反応性組成物の温度を指す。
【0210】
共反応性組成物は、共反応性組成物の支持体または前に堆積した層を含む基材上に堆積され得る。共反応性組成物、共反応性組成物を含むそのような1つまたは1つより多くの連続層は、密封される表面上に直接堆積され得る。
【0211】
共反応性組成物の連続層が堆積される速度および順序は、堆積した共反応性組成物の隣接層が相互作用して、隣接層間に強力な界面を形成する能力を促進するように選択することができ、これは、本明細書に記載されるように、例えば、隣接層の構成物間の化学結合および/または絡み合いを含み得る。共反応性組成物の隣接層は、化学的に結合して、層間に機械的に強力な界面を形成することができる。隣接層は、隣接層間の強力な界面から物理的に相互作用することができる。例えば、一方または両方の隣接層の構成物は、他の層に拡散して、機械的に強力な界面を形成することができる。
【0212】
例えば、後に塗布された共反応性組成物の層は、前に塗布された共反応性組成物のゲル化時間のゲル化時間の前に、前に塗布された層上に塗布することができる。例えば、後に塗布された共反応性組成物の層は、前に塗布された共反応性組成物の表面が完全に反応する前に、前に塗布された層上に塗布することができる。後に塗布された層はまた、部分的に硬化した層または完全に硬化した前に堆積した層に塗布することができる。
【0213】
共反応性組成物を使用した三次元印刷は、複雑な形状を有し、他のプロセスを使用して形成された密封構成要素と少なくとも同等の物理的特性を有する高精度密封構成要素を製造する能力を促進する。共反応性三次元印刷は、広範囲の反応性材料および硬化化学物質を使用するための能力を提供する。低粘度o反応性モノマーおよびプレポリマーは、熱可塑性三次元印刷などの他の三次元印刷方法には到達することができない、より高い充填材含有量を使用するための能力を促進することができる。三次元印刷を使用した密封構成要素の三次元印刷は、多種多様な部品を生成するために所望に応じて変更することができる汎用性の高いプロセッサ制御機器を使用して行うことができる。さらに、共反応性組成物の低温処理および硬化は、低い機械的応力を有する密封構成要素を提供することができる。共反応性三次元印刷は、射出成形および圧縮成形などの他の方法において、必要なときに高価な工具および機器に投資する必要なしに、カスタマイズされた密封構成要素および/または低生産量の密封構成要素を製造する能力を促進する。
【0214】
対向する表面を密封するために、密封構成要素の表面は、表面との嵌合を促進し、密封構成要素表面と密封される部品の嵌合表面との間のポケットの作成を回避するために、滑らかであることが望ましい場合がある。ガスもしくは溶媒を含有し得る、または使用中にガスもしくは溶媒を充填および保持し得るポケットは、使用中の密封構成要素の密封の完全性を損なう場合がある。したがって、三次元印刷を使用して製造された密封構成要素については、密封構成要素表面が滑らかであることが望ましい。ある特定の三次元印刷方法は、印刷ラインを生成する場合があり、これは、対向する部品の滑らかな表面を密封するなど、ある特定の密封用途に望ましくない場合がある粗い表面を作成することがよく知られている。
【0215】
三次元印刷を使用した滑らかな密封構成要素表面の製造を促進するために、押出ノズルの先端は、最初に堆積した共反応性組成物の表面の近くに配置することができる。例えば、ノズルの先端は、最初に堆積した表面の上方2mmから最初に堆積した表面の下方2mmまで、例えば表面の上方1.5mmから下方1.5mmまで、上方1mmから下方1mmまで、または最初に堆積した表面の上方0.5mmから下方0.5mmまでに配置することができる。ノズルの先端は、例えば、最初に堆積した表面と同じレベルから表面の下方2mmまで、表面と同じレベルから表面の下方1.5mmまで、表面と同じレベルから下方1mmまで、または最初に堆積した表面と同じレベルから最初に堆積した表面の下方0.5mmまでに配置することができる。
【0216】
共反応性組成物の最初に堆積した表面に対するノズルの空間関係を
図2A~2Cに示す。
図2Aは、共反応性組成物の層の上方に配置された三次元印刷ノズルを示す。
図2Aは、第1の高さhを有する前に堆積した層201を示し、第1の高さhは、堆積した層の基材202または底部から前に堆積した層203の最高地点までの距離である。層204は、ノズル205から堆積されるプロセスにある。層204は、前に堆積した層201と同じ高さhを有する。ノズル205の先端206は、層204の基材または底部208からの高さHにある層204の上部207の上方に配置される。
【0217】
図2Bでは、基材の上方のノズルの高さH’は、
図2Aに示す自由に堆積した層204の高さh未満である。
図2Bに示されるように、自由に堆積した層の高さhの下方のノズルの高さを低下させると、ノズル先端206が層堆積に沿って横移動し、堆積した層の展延をもたらす。堆積される共反応性組成物は、隣接層間の間隙に広がる。
図2Bに示すように、これにより、印刷ラインの高さ、または低いトポグラフィカルフィーチャと高いトポグラフィカルフィーチャとの差が低減する表面プロファイルが得られる。
【0218】
図2Cは、ノズル先端206が、ノズル先端が堆積した層の表面を滑らかにする能力を促進するブレードなどの要素209を含むように修正された例を示す。
図2Cに示すように、この要素は、第2の層が堆積されている間に、第1の層および第2の層の両方が同時に滑らかになるように、前に堆積した層の少なくとも一部分を覆って延在するように構成されたディスクの形態である。
【0219】
これらの実施例は、様々な機構およびフィーチャが、共反応性三次元印刷を使用して、密封構成要素などの部品の表面を滑らかにするために使用することができることを実証する。
【0220】
したがって、本開示によって提供される方法は、共反応性組成物をノズルを通して基材上に押し出すことを含み得、ノズルが、先端を備え、基材とノズル先端との間の距離が第1の層厚よりも大きいとき、堆積した層が、第1の層厚を特徴とし、堆積させるステップが、第1の層厚よりも小さい基材からの距離にノズル先端を配置することと、共反応性組成物をノズルを通して押し出すことと、をさらに含む。堆積中、ノズルの先端は、堆積されている層に接触することができ、印刷中、堆積されている層に沿って横移動することができる。その結果、ノズルの先端が堆積した層の上方に配置される自由に堆積された印刷層の高さ未満である高さを有し、したがって、印刷中に層に接触しない印刷層となる。
【0221】
印刷ノズルの先端は、例えば、自由に堆積した層の高さの下方1mm未満、下方2mm未満、下方3mm未満、または自由に堆積した層の高さの下方5mm未満に配置することができる。印刷ノズルの先端は、自由に堆積した層の高さの下方0.1mm超、0.2mm超、0.5mm超、1mm超、2mm超、または自由に堆積した層の高さの下方4mm超に配置することができる。堆積した層の表面に対するノズルの好適な位置は、堆積した層の寸法、堆積されている共反応性組成物の粘度、および/または印刷速度に依存し得る。
【0222】
共反応性組成物の最初に堆積した表面の下方に押出ノズルを配置することにより、表面うねりを低減し、さらなる処理を伴わずに密封構成要素用途に好適である三次元印刷表面を提供することができる。例えば、密封構成要素表面は、好適な滑らかさを取得するために密封構成要素表面を研磨またはコーティングする必要がないほど十分に滑らかである。
【0223】
共反応性組成物の連続層を堆積させて、密封構成要素を形成した後、堆積した共反応性組成物を硬化させることができる。
【0224】
堆積した共反応性組成物は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、または15℃未満の温度で硬化され得る。共反応性組成物は、例えば、10℃~50℃、15℃~40℃、または20℃~30℃の温度で硬化され得る。共反応性組成物は、例えば22℃~25℃の温度で硬化され得る。
【0225】
硬化条件は、隣接層が強力な界面を形成することを可能にする、および/または密封構成要素の表面上の共反応性組成物が平坦化することを促進するように選択することができる。
【0226】
隣接層が相互作用する能力をさらに促進するために、および/または密封構成要素表面が平坦化することを可能にするために、堆積した共反応性組成物は、連続的にまたは一時的に加熱することができる。加熱は、隣接層間の共反応物質の反応速度もしくは絡み合い速度を増加させることができ、かつ/または密封構成要素表面上の共反応性組成物の粘度を低下させることができる。しかしながら、加熱は、表面を滑らかにするために、および/または強力な層間界面を作成するために必要ではない。
【0227】
硬化中、密封構成要素の上面の一部分を加熱することができるか、または上面全体を加熱することができる。
【0228】
本開示によって提供される密封構成要素は、任意の好適な基材上に共反応性組成物を堆積させることによって形成することができる。密封構成要素が形成および硬化された後、密封構成要素は、基材から除去することができる。
【0229】
共反応性組成物は、例えば、金属またはプラスチック基材上に堆積され得る。剥離コーティングは、共反応性組成物を堆積させる前に基材に塗布されて、硬化した密封構成要素を基材から除去することを促進することができる。
【0230】
共反応性組成物は、剥離フィルム上に堆積されて、密封構成要素を形成することができる。剥離フィルムは、密封構成要素の担体として働くことができ、密封構成要素は、使用時に剥離フィルムから除去することができる。
【0231】
密封構成要素は、密封構成要素によって密封される表面上に直接共反応性組成物を堆積させることによって、所定の位置に形成され得る。
【0232】
基材は実質的に平面を有し得るか、または非平面を有し得る。
【0233】
非平面の底面を有する密封構成要素は、共反応性組成物を非平面の基材上に堆積させるステップによって形成することができる。基材は、角度のある表面、挿入物、窪み、湾曲した表面、または任意の他の形状の表面を有し得る。堆積した共反応性組成物は、基材の形状に適合し得る。基材は、密封構成要素で密封される表面のうちの1つと同じ形状を有し得るか、または基材は、密封構成要素で密封される表面のうちの1つと同様の形状を有し得る。
【0234】
共反応性組成物が堆積される基材の表面は滑らかであり得る。例えば、基材表面は、200μm未満、100μm未満、50μm未満、10μm未満、5μm未満、1μm未満、または0.1μm未満の2Ra表面うねりを有し得る。例えば、基材表面は、0.01μm~200μm、0.1μm~100μm、0.2μm~50μm、または1μm~20μmの2Ra表面うねりを有し得る。
【0235】
共反応性組成物は、50℃未満または30℃未満の温度で基材上に堆積するため、基材は高温に耐える必要はない。
【0236】
金属基材などの基材を加熱または冷却して、層間結合、堆積した共反応性組成物の硬化速度の制御、および/または堆積した共反応性組成物の粘度の制御を促進することができる。
【0237】
密封構成要素は、三次元印刷を使用して密封される表面上に共反応性組成物を直接堆積させることによって製造することができる。直接堆積を使用して、共反応性三次元印刷装置のノズルは、充填し複雑な形状に適合するための堆積した共反応性組成物の能力を促進するために、密封される部品のプロファイルと一致する関節をなし得る。共反応性組成物はまた、空気の閉じ込めおよび硬化材料と密封される部品の表面との間のポケットの生成を回避するか、または最小限に抑えることが可能になるような様態で堆積され得る。密封される表面上に直接堆積させるための共反応性組成物は、密封構成要素が表面に結合および/または接着する能力を促進する構成物を含み得る。
【0238】
密封構成要素は、特定の使用用途に好適な特性を有し得る。関連する特性としては、耐薬品性、低温可撓性、加水分解安定性、耐高温性、引張強度、引張ひずみ、伸び率、圧縮永久歪み、基材接着性、不粘着時間、ショア10A硬度までの時間、導電性、静電気散逸、熱伝導性、低密度、耐食性、表面硬度、耐火性、耐UV性、絶縁破壊強度、および前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0239】
航空宇宙用途の重要な特性については、燃料、油圧流体、油、グリース、潤滑剤および溶媒への耐性などの耐薬品性、低温可撓性、耐高温性、電荷を散逸するための能力、ならびに絶縁破壊強度が挙げられる。
【0240】
例えば、ISO1817に従って、60℃で168時間、ジェット基準流体(JRFタイプ1)に曝露した後、提供された硬化組成物は、ISO37に従って決定された1.4MPaを超える引張強度、ISO37に従って決定された150%を超える引張伸び、およびISO868に従って決定されたショア30Aを超える硬度を呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。ISO11075タイプ1に従って、60℃で168時間、除氷流体に曝露した後、硬化組成物は、ISO37に従って決定された1MPaを超える引張強度、およびISO37に従って決定された150%を超える引張伸びを呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。70℃で1,000時間、リン酸エステル油圧流体(Skydrol(登録商標)LD-4)に曝露した後、硬化組成物は、ISO37に従って決定された1MPaを超える引張強度、ISO37に従って決定された150%を超える引張伸び、およびISO868に従って決定されたショア30Aを超える硬度を呈することができ、これらの試験は、23℃の温度および55%RHの湿度で実施される。耐薬品性組成物は、化学物質中に70℃で7日間浸漬した後、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満の膨潤率を呈することができ、膨潤率はEN ISO10563に従って決定される。
【0241】
密封構成要素は、例えば、ショア20Aを超える、ショア30Aを超える、ショア40Aを超える、ショア50Aを超える、またはショア60Aを超える硬度を呈することができ、硬度は、ISO868に従って、23℃/55%RHで決定される。
【0242】
密封構成要素は、AMS3279,§3.3.17.1、試験手順AS5127/1,§7.7に記載の手順に従って測定したとき、少なくとも200%の引張伸びおよび少なくとも200psiの引張強度を呈することができる。
【0243】
SAE AS5127/1パラグラフ7.8に記載の手順に従って測定されるとき、密封構成要素は、少なくとも220psi(1.52MPa)、少なくとも250psi(1.72MPa)、および場合により、少なくとも400psi(2.76MPa)などの200psi(1.38MPa)を超える重ね剪断強度を呈することができる。
【0244】
本開示によって提供される共反応性組成物から調製された密封構成要素は、AMS3277に記述される航空宇宙用シーラントについての要件を満たすか、または上回ることができる。
【0245】
密封構成要素は、ビークルおよび航空宇宙用シーラント用途に使用するための許容可能な特性を呈することができる。一般に、航空および航空宇宙用途に使用されるシーラントは、以下の特性:7日間のJRFタイプI中への浸漬後、およびAMS3265B試験仕様に従って3%NaClの溶液中への浸漬後の、乾燥条件下で決定された航空宇宙材料仕様(Aerospace Material Specification:AMS)3265B基材上での20ポンド/リニアインチ(pli)を超える剥離強度;300ポンド/平方インチ(psi)~400psi(2.75MPa)の引張強度;50ポンド/リニアインチ(pli)(8.75N/mm)を超える引裂強度;250%~300%の伸び;および40デュロメータAを超える硬度を呈することが望ましい。航空および航空宇宙用途に適切なこれらおよび他の硬化シーラント特性は、AMS3265Bに開示されている。硬化したとき、航空および航空機用途で使用される本開示の組成物は、60℃(140°F)で1週間の浸漬およびジェット基準流体(JRF)タイプ1中の周囲圧力後、25%以下の体積膨張率を呈することも望ましい。他の特性、範囲、および/または閾値は、他のシーラント用途に適切であり得る。
【0246】
密封構成要素は、例えば1.3未満、1.2未満、1.1未満、1.0未満、0.9未満、0.8未満、または0.7未満の比重を有し得る。
【0247】
密封構成要素は、1Hzの周波数、20ミクロンの振幅、および-80℃~160℃の昇温を有するTA InstrumentsのQ800装置を使用して動的機械分析(DMA)によって決定された、例えば、-20℃未満、-40℃未満、-50℃未満、または-60℃未満のガラス転移温度Tgを呈し、Tgは、tanδ曲線のピークとして特定される。
【0248】
本開示によって提供される方法を使用して製造された密封構成要素は、隣接する表面を密封するために使用することができる。
【0249】
密封構成要素は、自動車ビークルまたは航空宇宙ビークルなどのビークル上の隣接表面を密封するために使用することができる。
【0250】
ビークルとしては、例えば、モータビークル、自動車、トラック、バス、バン、オートバイ、スクーター、レクリエーション用モータビークル、レールビークル列車、トラム、自転車、航空宇宙ビークル、飛行機、ロケット、宇宙船、ジェット機、ヘリコプター、ジープを含む軍用ビークル、輸送機、戦闘支援ビークル、人員輸送車、歩兵戦闘ビークル、地雷防護ビークル、軽装甲ビークル、軽実用ビークル、軍用トラック、船を含む船舶、ボート、およびレクリエーション用船舶が挙げられる。ビークルという用語はその最も広い意味で使用され、あらゆる種類の航空機、宇宙船、船舶、および地上ビークルが挙げられる。例えば、ビークルとしては、自家用航空機、ならびに小型、中型、または大型商用旅客、貨物、および軍用航空機を含む飛行機などの航空機、自家用、商用、および軍用ヘリコプターを含むヘリコプター、ロケットおよび他の宇宙船を含む航空宇宙ビークルを挙げることができる。ビークルとしては、例えば、トレーラー、車、トラック、バス、バン、建設ビークル、ゴルフカート、オートバイ、自転車、列車、および鉄道車などの地上ビークルを挙げることができる。ビークルとしてはまた、例えば、船、ボート、およびホバークラフトなどの船舶も挙げることができる。
【0251】
密封構成要素は、航空宇宙ビークルの部品上の隣接表面を密封するために使用することができる。航空宇宙ビークルの例としては、F/A-18ジェット、またはF/A-18E Super HornetおよびF/A-18Fなどの関連する航空機、(Boeing Commercial Airplanes製の)Boeing 787 Dreamliner、737、747、717ジェット旅客機、関連する航空機における、(NAVAIRおよびSikorsky製の)V-22Osprey、VH-92、S-92、および関連する航空機における、(Gulfstream製の)G650、G600、G550、G500、G450、および関連する航空機において、(Airbus製の)A350、A320、A330、および関連する航空機におけるものが挙げられる。密封構成要素は、任意の好適な商用、軍用、または一般航空機、例えば、Canadair Regional Jet(CRJ)および関連する航空機などのBombardier Inc.および/またはBombardier Aerospaceによって生産されるもの、F-22 Raptor、F-35 Lightning、および関連する航空機などのLockheed Martinによって生産されるもの、B-2 Spiritおよび関連する航空機などのNorthrop Grummanによって生産されるもの、Pilatus Aircraft Ltd.によって生産されるもの、Eclipse Aviation Corporationによって生産されるもの、またはEclipse Aerospace(Kestrel Aircraft)によって生産されるものなどに使用され得る。
【0252】
本開示によって提供される方法を使用して製造された密封構成要素での密封を含む自動車ビークルおよび航空宇宙ビークルなどのビークルはまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0253】
本発明の態様
本発明は、以下の態様によってさらに定義される。
【0254】
態様1.耐薬品性密封構成要素を作製する方法であって、三次元印刷を使用して、共反応性組成物の連続層を所定の形状に堆積させるステップと、堆積した共反応性組成物を硬化させて、耐薬品性密封構成要素を提供するステップであって、完全に硬化した密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される、提供するステップと、を含む、方法。
【0255】
態様2.密封構成要素が、ガスケット、シム、ワッシャ、グロメット、Oリング、スペーサ、シール、パッキング、クッション、嵌合材料、フランジ、またはブッシュを含む、態様2に記載の方法。
【0256】
態様3.硬化させるステップが、密封構成要素の硬度を最大硬度の90%に到達させることを含む、態様1または2に記載の方法。
【0257】
態様4.堆積させるステップおよび硬化させるステップが、連続的に堆積した層の隣接層を、化学的に結合および/または物理的に結合させることを含む、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
態様5.堆積させるステップが、押し出すことを含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
態様6.堆積させるステップが、共反応性組成物をノズルを通して基材上に押し出すことを含み、ノズルが、先端を備え、基材とノズル先端との間の距離が第1の層厚よりも大きいとき、堆積した層が、第1の層厚を特徴とし、堆積させるステップが、第1の層厚よりも小さい基材からの距離にノズル先端を配置することと、共反応性組成物をノズルを通して押し出すことと、をさらに含む、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
態様7.基材が、支持体または前に堆積した層を含む、態様6に記載の方法。
【0261】
態様8.ノズルを、第1の層厚よりも小さい基材からの距離に配置すること、および共反応性組成物をノズルを通して押し出すことが、第2の層厚を有する堆積した層を形成し、第2の層厚が、第1の層厚よりも小さい、態様6または7に記載の方法。
【0262】
態様9.ノズル先端が、堆積した層を滑らかにするように構成された構成成分をさらに含む、態様6~8のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
態様10.構成成分が、密封構成要素の表面の平均2Raうねりを、平均うねり波長の10%未満まで低減するように構成されている、態様9に記載の方法。
【0264】
態様11.堆積中、共反応性組成物が、50℃未満の温度を有する、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
態様12.堆積させるステップが、基材上または前に堆積した層上に堆積させることを含む、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
態様13.堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して共反応性組成物を堆積させることを含み、前に堆積した層が、完全に硬化している、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
態様14.堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して共反応性組成物を堆積させることを含み、前に堆積した層が、部分的に硬化している、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
態様15.堆積させるステップが、前に堆積した層に隣接して共反応性組成物を堆積させることを含み、前に堆積した層が、未硬化である、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
態様16.堆積させるステップが、傾斜した表面を堆積させることを含む、態様1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
態様17.硬化させるステップが、堆積した共反応性組成物が30℃未満の温度で硬化することを可能にすることを含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
態様18.硬化させるステップが、堆積した共反応性組成物を30℃を超える温度まで加熱することを含む、態様1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
態様19.堆積後、密封構成要素の少なくとも一部分を加熱することをさらに含む、態様1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
態様20.共反応性組成物が、硫黄含有プレポリマーを含む、態様1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
態様21.硫黄含有プレポリマーが、10重量%~20重量%の硫黄含有量を有し、重量%が、プレポリマーの理論重量に基づいている、態様20に記載の方法。
【0275】
態様22.共反応性組成物が、40重量%~80重量%の硫黄含有プレポリマーを含む、態様20または21に記載の方法。
【0276】
態様23.硫黄含有プレポリマーが、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、硫黄含有ポリホルマール、モノスルフィド、または前述のいずれかの組み合わせを含む、態様20~22のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
態様24.共反応性組成物が、ポリイソシアネートおよびポリアミン、ポリイソシアネートおよびポリオール、多官能性マイケル受容体および多官能性マイケル供与体、またはポリチオールおよびポリアルケニル、ポリアルキニル、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、もしくは多官能性マイケル受容体、を含む、態様1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
態様25.共反応性組成物が、10重量%~80重量%の充填材を含み、重量%が、共反応性組成物の総重量に基づいている、態様1~24のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
態様26.共反応性組成物が、3体積%~70体積%の充填材を含み、体積%が、共反応性組成物の総体積に基づいている、態様1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
態様27.共反応性組成物が、0.05重量%~12重量%の低密度充填材を含み、低密度充填材が、1未満の比重を含み、重量%が、共反応性組成物の総重量に基づいている、態様1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
態様28.共反応性組成物が、化学線硬化性であり、方法が、共反応性組成物を化学線に曝露することをさらに含む、態様1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
態様29.共反応性組成物が、化学線硬化性ではない、態様1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
態様30.堆積中、共反応性組成物が、2rpmおよび25℃で25mmのパラレルプレート形状を有するAnton Paarのレオメーターを使用して決定されるときに、5E2cP~5E8cPの初期堆積粘度を有する、態様1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
態様31.堆積前に、第1の構成成分と第2の構成成分とを組み合わせ、混合して、共反応性組成物を形成することをさらに含む、態様1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
態様32.第1の構成成分が、第1の反応性化合物を含み、第2の構成成分が、第2の反応性化合物を含み、第1の反応性化合物が、第2の反応性化合物に対して反応性である、態様31に記載の方法。
【0286】
態様33.第1の構成成分および/または第2の構成成分が、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含む、態様32に記載の方法。
【0287】
態様34.第1の構成成分が、第1の反応性化合物および第2の反応性化合物を含み、第1の反応性化合物が、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤の存在下で第2の反応性化合物に対して反応性であり、第2の構成成分が、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含む、態様31に記載の方法。
【0288】
態様35.態様1~34のいずれか1つに記載の方法を使用して製造された、耐薬品性密封構成要素。
【0289】
態様36.密封構成要素の表面の平均2Raうねりが、平均うねり波長の10%未満であり、平均2Raうねりおよび平均うねり波長が、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、上面が、堆積中にノズルに面する表面を指す、態様35に記載の密封構成要素。
【0290】
態様37.密封構成要素の上面の平均2Raうねりが、平均うねり波長の1%未満であり、平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、上面が、堆積中にノズルに面する表面を指す、態様35または36に記載の密封構成要素。
【0291】
態様38.密封構成要素の上面の平均2Raうねりが、200μm未満であり、平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、上面が、堆積中にノズルに面する表面を指す、態様35~37のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0292】
態様39.密封構成要素の上面の平均2Raうねりが、50μm未満であり、平均2Raうねりが、光学プロフィロメトリーを使用して決定され、上面が、堆積中にノズルに面する表面を指す、態様35~37のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0293】
態様40.密封構成要素が、第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を備え、第1の表面と第2の表面とが平行である、態様35~39のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0294】
態様41.密封構成要素が、第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を備え、第1の表面と第2の表面の少なくとも一部分とが、非平行である、態様35~40のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0295】
態様42.密封構成要素の一部分が、先細り部を備える、態様35~41のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0296】
態様43.密封構成要素の厚さが、一定である、態様35~41のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0297】
態様44.密封構成要素の厚さが、可変である、態様35~41のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0298】
態様45.完全に硬化した密封構成要素の破壊エネルギーが、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同じであり、破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って決定される、態様35~44のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0299】
態様46.密封構成要素が、ガスケットの公称面内に等方性物理的特性を有する、態様35~45のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0300】
態様47.密封構成要素が、密封構成要素の公称面内での等方性最大引張強度および破断点伸び率を有する、態様35~46のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0301】
態様48.最大引張強度および破断伸び率が、測定の平面内方向とは独立して、それぞれ平均最大引張強度および破断伸び率の+/-10%以内である、態様35~47のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0302】
態様49.密封構成要素が、1.3未満の比重を有する、態様35~48のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0303】
態様50.密封構成要素が、1未満の比重を有する、態様35~49のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0304】
態様51.密封構成要素が、EN ISO10563に従って決定されるときに、JRFタイプIII中に70℃で7日間浸漬した後、25体積%未満の膨潤を呈する、態様35~50のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0305】
態様52.密封構成要素が、EN ISO10563に従って決定されるときに、3%のNaCl水溶液中に70℃で7日間浸漬した後、10体積%未満の膨潤を呈する、態様35~51のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【0306】
態様53.密封構成要素が、1Hzの周波数、20ミクロンの振幅、および-80℃~160℃の昇温でTA InstrumentsのQ800装置を使用して動的機械分析(DMA)によって決定される、-20C未満のガラス転移温度Tgを呈し、Tgがtanδ曲線のピークとして特定される、態様35~52のいずれか1つに記載の密封構成要素。
【実施例】
【0307】
本開示によって提供される実施形態は、密封構成要素および三次元印刷を使用して密封構成要素を作製する方法について記載する以下の実施例を参照することによって、さらに例示される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0308】
実施例1
三次元印刷の密封構成要素
PR1440B-2燃料タンクシーラントを、Lulzbot Taz6ガントリーに実装されたViscoTec Duoのデュアル押出機からなる特注の三次元印刷機を使用して、8×11×0.25立方インチのシートに印刷した。
【0309】
PR1440Bは、AMS-S-8802クラスB仕様試験方法に従って決定されるときに、10,000ポアズ(1,000Pa-s)の粘度、50分間で0.2インチ(5.1mm)の最大スランプ、25C/50%RHで8時間未満の不粘着時間、25C/50%RHで16時間のショア35Aへの硬化時間を有する。
【0310】
PR-1440B-2は、PPG Aerospaceから入手可能な2液クラスB二酸化マンガン硬化ポリスルフィド航空宇宙シーラントである。二酸化マンガン促進剤またはポリスルフィドのいずれかを含有するPR1440のAおよびBパックを、各々、32オンスのNordson Optimum(登録商標)カートリッジに投入し、各々、約80psi~100psiの窒素圧力を使用してデュアル押出機に供給した。
【0311】
1,728mm/分の一定の印刷ヘッド速度、2.65mL/分の一定の流速、および押出材料が10:1のB:A(質量)からなるように較正されたB:Aの構成成分体積流量比で、静的混合ノズルを通してPR1440を押し出すことによって、シートを印刷した。2枚のシートを印刷した。第1のシートを印刷するために、ノズルを印刷表面の上方1.7mmに配置し、第2のシートについては、ノズル先端が印刷ヘッドが移動するときに押出成形体をスキミングおよび圧縮するように、ノズルを堆積した押出成形体の初期表面よりも0.3mm低く配置した。三次元印刷したシートを23℃/50%RHで7日間硬化させ、KeyenceのVR-3400光学測定システムを使用してシートの表面トポグラフィを評価した。硬化したシーラントシートは、ショア40Aの硬度を有した。
【0312】
各シートの表面トポグラフィを、2Raが正規化された表面の上方および下方の平均フィーチャ寸法の2倍である2Ra表面うねりの点で評価した。印刷面の上方1.7mmのノズルで印刷したシートの2Ra表面うねりは10.1ミクロンであり(
図4A~4D)、堆積されている層の表面をスキミングするようにノズルが配置されたシートについての2Ra表面うねりは2.7ミクロンであった(
図4A~4D)。
【0313】
図3A~3Dおよび
図4A~4Dは、三次元印刷を使用して作製された密封構成要素の表面プロファイルを示す。
図3Aおよび
図4Aは、印刷面の光学画像を示す。
図3Bおよび
図4Bは、それぞれの表面のヒートマップを示す。
図3Cおよび
図4Cは、それぞれ、
図3Aおよび
図4Aの実線で標示された表面の一部分にわたる正規化された表面に対する表面うねりプロファイルを示す。2Ra表面うねりプロファイルを、平面に正規化することによって長い範囲の弓状変形または歪みが考慮される、正規化された表面に対して測定した。
図3Dおよび
図4Dは、表面うねりおよびより長い範囲のフィーチャの両方を含む総表面プロファイルを示す。総表面プロファイルを、それぞれ、
図3Aおよび
図4Bの光学画像に重ね合わせる。
【0314】
1時間を超えるゲル化時間、25C/50%RHで8時間未満の不粘着時間、および25C/50%RHで16時間の硬化時間(ショア35Aの硬度)を有する共反応性組成物を三次元印刷することにより、印刷中に印刷ノズルが堆積材料を通って横移動したときの2Ra表面うねりが低減した。例えば、第1のシートと第2のシートとを比較し、ノズルを印刷材料と接触させることにより、2Ra表面うねりが3.74倍低減した。
【0315】
図3A~3Dおよび
図4A~4Dに表す光学画像によって示すように、ノズルを印刷材料と接触させることにより、視覚的により滑らかな3D印刷表面がもたらされる。ピーク間距離(すなわち、印刷ラインの波長)を、各プロファイルにおける5つのピーク間の測定値の平均として定義し、
図3A~
図3Dおよび
図4A~
図4Dに示す印刷プロファイルにおける印刷ラインの幅を比較するために使用した。ノズルが印刷面(
図3A~
図3D)の上方1.7mmに配置されたとき、平均ピーク間距離は1.715mmであり、ノズルが堆積表面(
図4A~
図4D)の0.3mm内に配置されたとき、ピーク間距離は0.909mmであった。したがって、ノズルを印刷面の上方1.7mmに配置されたときの2Ra表面うねりは印刷ライン波長の0.5%であり、印刷中に印刷面をスキミングするようにノズルを配置したとき、0.3%の印刷ライン波長まで低減した。
【0316】
したがって、印刷面上方のノズルの高さを調整することにより、堆積した押出成形体の寸法に対して、印刷ラインの振幅が小さくなり得る。
【0317】
実施例2
三次元印刷した密封構成要素の機械的特性
Lulzbot Taz6のガントリーに実装したViscoTec Duoのデュアル押出機からなる特注の3D印刷機を使用して、20.32cm×27.94cmの寸法の2つの矩形密封構成要素を印刷した。PR-1440B-2燃料タンクシーラントのAおよびBパックを、別の32オンスのNordson Optimum(登録商標)カートリッジに投入し、各々、80psi~100psiの窒素圧力を使用してデュアル押出機の中に供給した。
【0318】
密封構成要素1を1.90mmの厚さを有する単層として印刷し、密封構成要素2を4つの連続して重なる層として3D印刷し、総厚6.45mmを生成した(表1)。密封構成要素を3D印刷し、全層の充填パターン(infill pattern)は、矩形形状の最長寸法(27.94cm)の方向にすべての最長の印刷ラインを有する同一の直線的パターンである(
図5)。両方の密封構成要素についての印刷ラインの平均波長(印刷ライン間の平均ピーク間距離)は、光学プロフィロメトリーによって測定したとき、約0.99mmであった。
【0319】
密封構成要素の3D印刷に使用した設定およびパラメータは、以下の通りであった。PR1440のAおよびBパックを、各々、別個の32オンスのNordson Optimum(登録商標)カートリッジに投入し、約80psi~100psiの窒素圧力を使用してデュアル押出機内に個別にポンプ送給した。1,728mm/分の一定の印刷ヘッド速度、2.65mL/分の一定の流速、および押出材料が10:1のB:A(質量)からなるように較正されたB:Aの構成成分体積流量比で、(ViscoTec Duoの押出機ヘッドにノズルを取り付けるための専用の継手を使用して)MCH-05-24T静的混合ノズルを通してPR1440を押し出すことによって、シートを印刷した。各密封構成要素を、25℃/50%RHで7日間硬化させた。
【0320】
図6に示す寸法を有するドッグボーンを、専用の切断ダイおよびCarverの圧縮機を使用して、矩形密封構成要素から切り出した。各試料について、5つのドッグボーン試験片を印刷ラインに平行な方向に切り出し、5つのドッグボーン試験片を印刷ラインと直交する方向に切断した(
図5を参照)。ドッグボーンを、50mm/分の引っ張り速度で、Model3345 INSTRONで試験した。
【表1】
【0321】
密封構成要素の機械的特性は、引っ張る方向に関係なく同様である。2つの異なるタイプのノズルで印刷した密封構成要素は、平行方向および直交方向において同様の引張特性を呈する。したがって、三次元印刷した密封構成要素の機械的特性は、密封構成要素の平面内で等方性である。
【0322】
最後に、本明細書に開示される実施形態を実施する代替の方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、これら全範囲およびその等価物に権利がある。