(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】モジュールからファンディスクを取り外すための工具
(51)【国際特許分類】
F01D 25/28 20060101AFI20240126BHJP
B64F 5/40 20170101ALI20240126BHJP
【FI】
F01D25/28 E
B64F5/40
(21)【出願番号】P 2021562819
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(86)【国際出願番号】 FR2020000142
(87)【国際公開番号】W WO2020217003
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルラール,シルバン・ピエール・テオドール
(72)【発明者】
【氏名】バルア,ティトゥ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ゲラール,エリク・セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ル・マネ,ヤニック・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】パグリアノ,フランソワ
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0151735(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/28
B64F 5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(2)およびステータ(3)を備えるターボ機械の長手軸線(X)を有するモジュール(1)からファンディスク(4)のみを取り外すための工具(22)であって、ロータ(2)は、軸線(X)を中心とし、各々がねじ(8)およびナット(9)を備えるボルト(7)の円形列を介して互いに固定された、ファンディスク(4)と、ドラム(5)と、環状封止部品(6)とを備え、各ねじ(8)はロータ(2)の内部に配置された保持部材(10)を貫通し、各保持部材(10)は、ねじ(8)の頭部(12)の周りに配置されたラグ(11)であって、頭部(12)に対して突出している少なくとも2つの対向するラグ(11)を有し、ステータ(3)は、軸線(X)を中心とし、ドラム(5)を取り囲み、ステータ(3)は、ファンディスク(4)の反対側に配置された圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)によって縦方向に区切られており、圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)は、フランジ(15)を有する外側シェル(14)を備え、垂直軸線(Z)を有する工具(22)は、
-地上支持手段(24)を備えるフレーム(23)と、
-軸線(Z)を中心とし、フレーム(23)に固定された環状プレート(25)であって、このプレート(25)は、ピン(27)の第1および第2の円形列(26a、26b)、ならびに規則的なピッチで軸線(Z)の周りに配置された2つの孔(28)を備え、2つの孔(28)の各々は第1および第2の列(26a、26b)の間に配置され、ピン(27)の各々は、保持部材(10)のラグ(11)を損傷しないようにねじ(8)の頭部(12)を支承するように構成されており、各孔(28)は、工具(22)に対してモジュール(1)の割り出しフィンガ29)を受容するように構成されている、環状プレート(25)と、
-軸線(Z)の周りに規則的に分布し、フレーム(23)に固定された少なくとも3つの支持体(30)であって、各支持体(30)は支承面(31)を備え、支承面(31)は、同一平面上にあり、モジュール(1)の圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)のフランジ(15)を支持するように構成されており、3つの支持体(30)は、垂直方向でプレート(25)の下に配置されている、少なくとも3つの支持体(30)と、
-フレーム(23)上に配置され、工具(22)に対してモジュール(1)を角度的に配向するように構成された第1の視覚マーカ(32)と、
を備える、工具(22)。
【請求項2】
工具(22)は、フレーム(23)上に配置された第2の視覚マーカ(40)であって、モジュール(1)が工具(22)に対して割り出されるモジュール(1)の垂直位置を決定するように構成された、第2の視覚マーカ(40)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の工具(22)。
【請求項3】
3つの支持体(30)の各々は、ドラム(5)に取り付けられた翼(20)の環状列の通過を許容するように構成された陥凹(39)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の工具(22)。
【請求項4】
ロータ(2)およびステータ(3)を備えるターボ機械の長手軸線(X)を有するモジュール(1)からファンディスク(4)のみを取り外す方法であって、ロータ(2)は、軸線(X)を中心とし、各々がねじ(8)およびナット(9)を備えるボルト(7)の円形列を介して互いに固定された、ファンディスク(4)と、ドラム(5)と、環状封止部品(6)とを備え、各ねじ(8)はロータ(2)の内部に配置された保持部材(10)を貫通し、各保持部材(10)は、ねじ(8)の頭部(12)の周りに配置されたラグ(11)であって、頭部(12)に対して突出している少なくとも2つの対向するラグ(11)を有し、ステータ(3)は、軸線(X)を中心とし、ドラム(5)を取り囲み、ステータ(3)は、ファンディスク(4)の反対側に配置された圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)によって縦方向に区切られており、圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)は、フランジ(15)を有する外側シェル(14)を備え、請求項1~3のいずれか一項に記載の工具(22)によって、方法は、経時的に、
a)ロータ(2)のレベルに2つの自由オリフィス(41)を有するように、以下で基準ボルトと呼ばれる2つの所定のボルト(7)を取り外すステップであって、基準ボルト間の角距離は、プレート(25)の2つの孔(28)の角距離に等しい、ステップと、
b)モジュール(1)の長手軸線(X)が実質的に垂直であり、工具(22)の垂直軸線(Z)と実質的に同軸であるように、垂直位置で工具(22)の上方にモジュール(1)を位置決めするステップであって、その後ファンディスク(4)は垂直方向でドラム(5)の上方になる、ステップと、
c)工具(22)に対してモジュール(1)を角度的に配向するように、自由オリフィス(41)のうちの1つを第1の視覚マーカ(32)に位置合わせするステップと、
d)モジュール(1)の外側から2つの割り出しフィンガ(29)を導入することによって、工具(22)に対してモジュール(1)を割り出すステップであって、各割り出しフィンガ(29)は、ロータ(2)の自由オリフィス(41)を貫通し、その後プレート(25)の孔(28)を貫通する、ステップと、
e)ねじ(8)の頭部(12)をプレート(25)のピン(27)に当接させるステップであって、その後ドラム(5)がプレート(25)を取り囲む、ステップと、
f)圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)のフランジ(15)を3つの支持体(30)の支承面(31)に当接させるステップと、
g)ボルト(7)から全てのナット(9)を取り外すステップと、
h)少なくとも1つの抜取器(42)を介してファンディスク(4)のみを制御された方法で抜き取るステップと、
i)ファンディスク(4)のみを取り外すステップと、
を備える、方法。
【請求項5】
ファンディスク(4)は、軸線(Z)の回りに規則的に分布した3つの抜取器(42)を介してステップh)中に抜き取られ、抜取は、各々が3つの抜取器(42)のうちの1つの近くに位置する3つのねじ(8)に予めねじ込まれた3つの抜取ナット(55)を徐々に緩めることによって、並びにファンディスク(4)とドラム(5)との間に抜取ナット(55)を有する3つのねじ(8)の周りにくさび(56)を徐々に挿入することによって制御され、抜取ナット(55)およびくさび(56)は非金属材料であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップh)は、
h1)ファンディスク(4)の対応するローブ(16)の上面(60)から距離(D)に各抜取ナット(55)を配置するサブステップであって、上面(60)は抜取ナット(55)の反対側に配置されている、サブステップと、
h2)各上面(60)が対応する抜取ナット(55)と接触するように3つの抜取器(42)を作動させるサブステップと、
h3)ファンディスク(4)とドラム(5)との間に抜取ナット(55)を有する各ねじ(8)の周りに全高(H)を有する1つ以上のくさび(56)を配置するサブステップであって、全高(H)は距離(D)に等しい、サブステップと、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップd)は、圧縮機ステータ翼アセンブリ(r4)のフランジ(15)が、垂直方向で工具(22)のフレーム(23)上に配置された第2の視覚マーカ(40)のレベルに配置されたときに実行されることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
モジュール(1)は、ステップa)~f)中に、モジュール(1)が配置および保持される第1のハンドリング治具(43)を介して保持され、第1のハンドリング治具(43)は、少なくとも1対の対向する第1のトラニオン(44、45)を備え、第1のトラニオン(44、45)の各々は、昇降システム(47)のブラケット(46)に連結されていることを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1のハンドリング治具(43)は、所定の範囲にわたってステータ(3)に対するロータ(2)の位置決めが縦方向に、またはその逆に調整されるように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ファンディスク(4)は、ステップg)~i)中に、ファンディスク(4)が配置および保持される第2のハンドリング治具(51)を介して保持され、第2のハンドリング治具(51)は、少なくとも1対の対向する第2のトラニオン(52)を備え、第2のトラニオン(52)の各々は、昇降システム(47)のブラケット(46)に連結されていることを特徴とする、請求項4~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、モジュールからファンディスクのみを取り外すための工具、および、このような工具によってモジュールからファンディスクのみを取り外す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボファンエンジンなどのターボ機械は、ガス流の方向で上流から下流に向かって、ファン、1つ以上の圧縮機段(低圧の後に高圧)、燃焼室、1つ以上のタービン段(高圧の後に低圧)および、排気ノズルを備える。
【0003】
このようなターボ機械は、互いに関して実装された複数のモジュールのアセンブリに対応する。保守作業中に、ターボ機械を再び稼働させるのに必要な様々な保守作業(摩耗部品の交換、欠陥部品の交換/修理など)を受けるために、様々なモジュールが取り外されて異なるステーションに輸送される。
【0004】
以下では、下記で「モジュール」と呼ばれる「低圧圧縮機モジュール」に焦点を当てる。
【0005】
このようなモジュールは、長手軸線Xに沿って画定され、互いに独立したロータおよびステータを備える。
【0006】
ロータは、特に、ファンディスクと、ドラムと、環状封止部品とを備え、これらは軸線Xを中心とし、各々がねじおよびナットを備えるボルトの円形列によって互いに固定される。各ねじはまた、ロータの内部に配置された保持部材を貫通する。各保持部材は、ねじの頭部の周りに配置され、そこから突出している少なくとも2つの対向するラグを有し、この保持部材は、それ自体がロータの外側に位置している関連するナットが取り外されたときに対応するねじの頭部を所定位置に保持することを可能にする。ロータはまた、ドラムに取り付けられ、互いに前後に配置された翼のいくつかの環状列も備え、翼の各列は、より一般的には羽根車と呼ばれる。
【0007】
ステータは、軸線Xを中心とし、ドラムを取り囲む。ステータは、羽根車の間に介在するいくつかの圧縮機ステータ翼環状アセンブリを備える。圧縮機ステータ翼の第1のアセンブリは、段No.1を形成するようにファンに関連付けられ、以降は後続の段を形成するように羽根車に各々関連付けられている。各圧縮機ステータ翼アセンブリは、翼の環状列によって互いに接続された内側シェルおよび外側シェルを備える。全ての圧縮機ステータ翼アセンブリの外側シェルは、一緒にフランジが付けられている。
【0008】
既存の工具は、決められた方法に従ってモジュール全体を取り外すことを可能にし、これにより、ファンディスクは、最後に取り外されるモジュールの要素の1つとなる。言い換えると、ファンディスクの取り外しは、モジュールの完全な取り外しがなければ行われることができない。
【0009】
ファンディスクのみに対する保守作業の需要が増加しており、これらの保守作業は、ファンディスクの取り外しのみを必要とする。
【0010】
既存の工具は、ファンディスクのみを取り外す必要がある場合には適切ではないことが理解される。実際、上述のように、このような作業では、オペレータは、生産性を犠牲にして、モジュールの完全な取り外しに進む義務がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、一方では、モジュールからファンディスクのみを取り外すための工具を、他方では、このような工具によってモジュールからファンディスクのみを取り外す方法を提案し、こうして生産性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、ロータおよびステータを備えるターボ機械の長手軸線Xを有するモジュールからファンディスクのみを取り外すための工具であって、ロータは、軸線Xを中心とし、各々がねじおよびナットを備えるボルトの円形列を介して互いに固定された、ファンディスクと、ドラムと、環状封止部品とを備え、各ねじはロータの内部に配置された保持部材を貫通し、各保持部材は、ねじの頭部の周りに配置されたラグであって、頭部に対して突出している少なくとも2つの対向するラグを有し、ステータは、軸線Xを中心とし、ドラムを取り囲み、ステータは、ファンディスクの反対側に配置された圧縮機ステータ翼アセンブリによって縦方向に区切られており、圧縮機ステータ翼アセンブリは、フランジを有する外側シェルを備え、垂直軸線Zを有する工具は、
-地上支持手段を備えるフレームと、
-軸線Zを中心とし、フレームに固定された環状プレートであって、このプレートは、ピンの第1および第2の円形列、ならびに規則的なピッチで軸線Zの周りに配置された2つの孔を備え、2つの孔の各々は第1および第2の列の間に配置され、ピンの各々は、保持部材のラグを損傷しないようにねじの頭部を支承するように構成されており、各孔は、工具に対してモジュールの割り出しフィンガを受容するように構成されている、環状プレートと、
-軸線Zの周りに規則的に分布し、フレームに固定された少なくとも3つの支持体であって、各支持体は支承面を備え、支承面は、同一平面上にあり、モジュールの圧縮機ステータ翼アセンブリのフランジを支持するように構成されており、3つの支持体は、垂直方向でプレートの下に配置されている、少なくとも3つの支持体と、
-フレーム上に配置され、工具に対してモジュールを角度的に配向するように構成された第1の視覚マーカと、
を備える、工具を提案する。
【0013】
このような工具は、モジュールの残部を組み立てられたままにしながら、ファンディスクのみの取り外しを可能にする。したがって、ファンディスクのみに関与する保守作業中に、このような工具は、生産性の大幅な向上を可能にする。
【0014】
加えて、このような工具は、モジュールの他の構成要素、特に保持部材およびねじを損傷することなく、ファンディスクのみの取り外しを可能にする。
【0015】
このような工具はまた、組み立てられたモジュールの残部に修理済みファンディスクを再取り付けするために(または新しいファンディスクを取り付けるために)使用されることも可能である。
【0016】
本発明による工具は、単独でまたは互いに組み合わせて、以下の特徴および/またはステップのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0017】
-第1の視覚マーカは垂直線であり、
-工具は、フレーム上に配置された第2の視覚マーカであって、モジュールが工具に対して割り出されるモジュールの垂直位置を決定するように構成された、第2の視覚マーカを備え、
-第2の視覚マーカは水平線であり、
-3つの支持体の各々は、ドラムに取り付けられた翼の環状列の通過を許容するように構成された陥凹を備える。
【0018】
本発明はまた、ロータおよびステータを備えるターボ機械の長手軸線Xを有するモジュールからファンディスクのみを取り外す方法であって、ロータは、軸線Xを中心とし、各々がねじおよびナットを備えるボルトの円形列を介して互いに固定された、ファンディスクと、ドラムと、環状封止部品とを備え、各ねじはロータの内部に配置された保持部材を貫通し、各保持部材は、ねじの頭部の周りに配置されたラグであって、頭部に対して突出している少なくとも2つの対向するラグを有し、ステータは、軸線Xを中心とし、ドラムを取り囲み、ステータは、ファンディスクの反対側に配置された圧縮機ステータ翼アセンブリによって縦方向に区切られており、圧縮機ステータ翼アセンブリは、フランジを有する外側シェルを備え、前述のような工具によって、方法は、経時的に、
a)ロータのレベルに2つの自由オリフィスを有するように、以下で基準ボルトと呼ばれる2つの所定のボルトを取り外すステップであって、基準ボルト間の角距離は、プレートの2つの孔の間の角距離に等しい、ステップと、
b)モジュールの長手軸線Xが実質的に垂直であり、工具の垂直軸線Zと実質的に同軸であるように、垂直位置で工具の上方にモジュールを位置決めするステップであって、その後ファンディスクは垂直方向でドラムの上方になる、ステップと、
c)工具に対してモジュールを角度的に配向するように、自由オリフィスのうちの1つを第1の視覚マーカに位置合わせするステップと、
d)モジュールの外側から2つの割り出しフィンガを導入することによって、工具に対してモジュールを割り出すステップであって、各割り出しフィンガは、ロータの自由オリフィスを貫通し、その後プレートの孔を貫通する、ステップと、
e)ねじの頭部をプレートのピンに当接させるステップであって、その後ドラムがプレートを取り囲む、ステップと、
f)圧縮機ステータ翼アセンブリのフランジを3つの支持体の支承面に当接させるステップと、
g)ボルトから全てのナットを取り外すステップと、
h)少なくとも1つの抜取器を介してファンディスクのみを制御された方法で抜き取るステップと、
i)ファンディスクのみを取り外すステップと、
を備える方法にも関する。
【0019】
このような方法は、モジュールの残部を組み立てられたままにしながら、工具によって、ファンディスクのみの取り外しを可能にする。したがって、ファンディスクのみに関与する保守作業中に、このような方法の実施は、生産性の大幅な向上を可能にする。
【0020】
加えて、このような方法は、モジュールの他の構成要素、特に保持部材およびねじを損傷することなく、ファンディスクのみの取り外しを可能にする。
【0021】
本発明による方法は、単独でまたは互いに組み合わせて、以下の特徴および/またはステップのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0022】
-ファンディスクは、軸線Zの周りに規則的に分布した3つの抜取器を介してステップh)中に抜き取られ、抜き取りは、各々が3つの抜取器のうちの1つの近くに位置する3つのねじに予めねじ込まれた3つの抜取ナットを徐々に緩めることによって、並びにファンディスクとドラムとの間に抜取ナットを有する3つのねじの周りにくさびを徐々に挿入することによって制御され、抜取ナットおよびくさびは非金属材料であり、
-ステップh)は、
h1)ファンディスクの対応するローブの上面から距離Dに各抜取ナットを配置するサブステップであって、上面は抜取ナットの反対側に配置されている、サブステップと、
h2)各上面が対応する抜取ナットと接触するように3つの抜取器を作動させるサブステップと、
h3)ファンディスクとドラムとの間に抜取ナットを有する各ねじの周りに全高Hを有する1つ以上のくさびを配置するサブステップであって、全高Hは距離Dに等しい、サブステップと、
を備え、
-ステップd)は、圧縮機ステータ翼アセンブリのフランジが、垂直方向で工具のフレーム上に配置された第2の視覚マーカのレベルに配置されたときに実行され、
-モジュールは、ステップa)~f)中に、モジュールが配置および保持される第1のハンドリング治具を介して保持され、第1のハンドリング治具は、少なくとも1対の対向する第1のトラニオンを備え、第1のトラニオンの各々は、昇降システムのブラケットに連結されており、
-第1のハンドリング治具は、所定の範囲にわたってステータに対するロータの位置決めが縦方向に、またはその逆に調整されるように構成されており、
-ファンディスクは、ステップg)からi)中に、ファンディスクが配置および保持される第2のハンドリング治具を介して保持され、第2のハンドリング治具は、少なくとも1対の対向する第2のトラニオンを備え、第2のトラニオンの各々は、昇降システムのブラケットに連結されている。
【0023】
非限定的な例として、および以下の添付図面を参照して行われる以下の説明から、本発明がより良く理解され、本発明の他の詳細、特徴、および利点がより明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第2の状態E2のモジュールを示す破断斜視図である。
【
図2】第1の状態E1のモジュールを示す軸線方向の半断面図である。
【
図3】
図2の詳細図であり、特にボルトを介したファンディスク、ドラム、および環状封止部品のアセンブリを示す図である。
【
図4】
図1~
図3に示されるモジュールのファンディスクを取り外すための工具の斜視図である。
【
図6】
図4および
図5に示される工具によって
図1~
図3に示されるモジュールからファンディスクを取り外す方法の一部として水平位置に配置されたモジュールの斜視図である。
【
図7】2つの自由オリフィスが利用可能なように2つの基準ボルトを取り外すステップを示す斜視図である。
【
図9】自由オリフィスのうちの1つを工具の第1の視覚マーカに位置合わせするステップを示す斜視図である。
【
図10】工具に対してモジュールを割り出すステップを示す斜視図である。
【
図11】工具のプレートのピンにねじ頭部を当接させることからなるステップを示す半軸線断面図である。
【
図12】支持体の支承面に対してモジュールの圧縮機ステータ翼アセンブリのフランジを当接させるステップを示す斜視図である。
【
図13】ファンディスクを制御された方法で取り出すステップを示す斜視図である。
【
図15】ねじに抜取ナットを配置するサブステップを示す斜視図である。
【
図16】抜取器を作動させるサブステップを示す斜視図である。
【
図17】1つ以上のくさびを介在させるサブステップを示す斜視図である。
【
図18】ファンディスクのみを取り外すステップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1および
図2は、長手軸線Xに沿って画定され、互いに独立したロータ2およびステータ3を備えるターボ機械のモジュール1(低圧圧縮機モジュール)を示し、言い換えると、ロータ2およびステータ3は、たとえば、軸受を介して互いに対して案内されない。モジュール1の長手軸線Xは、モジュール1がターボ機械内の所定位置にあるとき、ターボ機械の長手軸線と一致する。
【0026】
本出願では、モジュール1の様々な構成要素に関連付けられた「内側」および「外側」という用語は、長手軸線Xに対して定義される。
【0027】
より具体的には、ロータ2は、軸線Xを中心とし、ボルト7の円形列によって互いに固定された、ファンディスク4と、ドラム5と、環状封止部品6とを備え、ボルト7は、各々がねじ8およびナット9を備える。各ねじ8は、ロータ2の内部に配置された保持部材10を貫通する。各保持部材10は、ねじ8の頭部12の周りに配置され、頭部12から突出している少なくとも2つの対向するラグ11を有する。
【0028】
ステータ3は、軸線Xを中心とし、ドラム5を取り囲む。ステータ3は、ファンディスク4の反対側に配置された圧縮機ステータ翼アセンブリr4によって長手方向に区切られており、圧縮機ステータ翼アセンブリr4は、フランジ15を有する外側シェル14を備える。
【0029】
図、特に
図1から
図3に示される実施形態によれば、ファンディスク4は、ドラム5の上流に配置され、各々がファン翼(モジュール1には含まれず)を受容するように意図される複数のセルを備える。ファンディスク4は、その下流端のレベルで軸線Xの周りに均等に分布した複数のローブ16を有し、これらのローブ16はフランジを形成する。ファンディスク4は、
図2に部分的に示されている。各ねじ8の頭部12は、ロータ2の内側に配置されている。各ボルト7のナット9は、ロータ2の外側に配置されている。各ねじ8は、頭部12から対応するナット9まで対応する保持部材10に形成された貫通孔を通り、封止部品6に形成された貫通孔を通り、ドラム5のフランジに形成された貫通孔を通り、ファンディスク4のローブ16に形成された貫通孔を通って連続的に通過する。ねじ8は、正方形の頭部12を有する。
【0030】
図3に示されるように、各保持部材10は、対応するねじ8の頭部12と封止部品6との間に長手方向に設けられている。各保持部材10は、対応するねじ8の頭部12を取り囲む、対になって互いに対向する4つのラグ11を備え、ラグ11は頭部12から突出している。保持部材10およびねじ8の頭部12は、封止部品6の共通の円形溝17内に配置されている。保持部材10は、関連するナット9(ロータ2の外側に位置する)が取り外されたときに、対応するねじ8の頭部12(ロータ2の内側に位置する)を所定位置に保持することを可能にする。
【0031】
封止部品6はまた、その内側端のレベルでファンディスク4の突起18に圧入され、その外側端のレベルでドラム5の突起19に係止される。
【0032】
図2に示されるように、ロータ2はまた、ドラム5に取り付けられ、互いに前後に配置された翼20の4つの環状列も備え、翼20の各列は、より一般的には「羽根車」と呼ばれる。4つの羽根車は、上流から下流に向かって、羽根車R2(羽根車No.2)から羽根車R5(羽根車No.5)としてそれぞれ付番され、羽根車R1(羽根車No.1)はファンと見なされる。
【0033】
図、特に
図2に示される実施形態によれば、ステータ3は、羽根車の間に介在する5つの圧縮機ステータ翼環状アセンブリを備える。5つの圧縮機ステータ翼アセンブリは、上流から下流に向かって、圧縮機ステータ翼アセンブリr1(圧縮機ステータ翼アセンブリNo.1)から圧縮機ステータ翼アセンブリr5(圧縮機ステータ翼アセンブリNo.5)として付番される。圧縮機ステータ翼r1の第1のアセンブリは、段No.1を形成するようにファンに関連付けられ、以降のものは後続の段(段No.2~段No.5)を形成するように羽根車(羽根車R2~R5)に各々関連付けられている。各圧縮機ステータ翼アセンブリr1~r5は、翼21の環状列によって互いに接続された内側シェル13および外側シェル14を備える。翼21は、たとえば、機械的に溶接されたアセンブリを形成するように、内側および外側シェル13、14に溶接されている。全ての圧縮機ステータ翼アセンブリr1~r5の外側シェル14は、一緒にフランジが付けられている。
【0034】
慣例により、本出願では、「上流」および「下流」という用語は、モジュール1内のガスの流れの方向に関して定義され、ガスは異なる段を連続的に通過する。
【0035】
図2は、保守作業を受けるために受容されるときのような、モジュール1に対応する第1の状態E1のモジュール1を示す。
【0036】
図1は、圧縮機ステータ翼の第5のアセンブリr5が取り外された第2の状態E2のモジュール1を示し、圧縮機ステータ翼の第4のアセンブリr4の外側シェル14は自由フランジ15を有している。第2の状態E2は、ファンディスク4のみの取り外しのためのモジュール1の状態に対応する。
【0037】
第3の状態E3のモジュール1は、ファンディスク4が取り外された第2の状態E2のモジュール1に対応する。
【0038】
工具22によって第2の状態E2のモジュール1からファンディスク4のみが取り外される。
【0039】
本発明によれば、工具22は、垂直軸線Zに沿って画定され、
-地上支持手段24を備えるフレーム23と、
-軸線Zを中心とし、フレーム23に固定された環状プレート25であって、このプレート25は、ピン27の第1および第2の円形列26a、26b、ならびに規則的なピッチで軸線Zの周りに配置された2つの孔28を備え、2つの孔28の各々は第1および第2の列26a、26bの間に配置され、ピン27の各々は、保持部材10のラグ11を損傷しないようにねじ8の頭部12を支承するように構成されており、各孔28は、工具22に対してモジュール1の割り出しフィンガ29を受容するように構成されている、環状プレート25と、
-軸線Zの周りに規則的に分布し、フレーム23に固定された少なくとも3つの支持体30であって、各支持体30は支承面31を備え、支承面31は同一平面上にあり、モジュール1の圧縮機ステータ翼アセンブリr4のフランジ15を支持するように構成されており、3つの支持体30は、垂直方向でプレート25の下に配置されている、少なくとも3つの支持体30と、
-フレーム23上に配置され、工具22に対してモジュール1を角度的に配向するように構成された第1の視覚マーカ32と、
を備える。
【0040】
本出願では、工具22の様々な構成要素に関連付けられた「下部」および「上部」という用語は、垂直軸線Zに対して定義される。さらに、本出願では、工具22の様々な構成要素に関連付けられた「内側」および「外側」という用語は、垂直軸線Zに対して定義される。
【0041】
図、特に
図4および
図5に示される実施形態によれば、フレーム23は、支持体30が載置されるプラットフォーム33と、プレート25が載置されるバレル34とを備える。プラットフォーム33は平面状で、軸線Zに直交し、実質的に三角形であり、各支持体30は、プラットフォーム33の突出した角度部分のレベルで配置されている。バレル34は、軸線Zを中心とし、プラットフォーム33から隆起している。地上支持手段24は、ここでは軸線Zの周りに均等に分布した3つの足部を備える。
【0042】
プレート25は、2つのリム36によって区切られた環状の上面35を備え、リム36は、修理済みファンディスク(または新しいファンディスク)が第3の状態E3のモジュール1に圧入されたときに封止部品6の端部を保持するように構成されている。第1および第2の列26a、26bのピン27は、上面35に配置されている。第1および第2の列26a、26bは、同じ数のピン27(この場合は10本のピン)を有し、軸線Zに対して対称である。したがって、孔28もまた、軸線Zに対して対称である。ピン27、ならびに2つの孔28は、軸線Zから等距離に配置されている。孔28は、上面35のレベルで開口している盲孔である。2つの孔28の間の角距離は、180度である。割り出しフィンガ29は、孔28の場所を示すために
図5に示されている。プレート25は、修理済みファンディスク(または新しいファンディスク)が圧入されたときにプレート25を熱から保護するために、その内面のレベルに熱遮蔽37を備える。実際、圧入を実行するために、封止部品6は所定の温度まで加熱される。
【0043】
支承面31は、軸線Zに直交する共通平面にある。各支承面31は、対応する支持体30の上端に位置している。各支承面31は、環状扇形の形状であり、端部38によって外側が区切られている。3つの支持体30は、モジュール1が工具22上に配置されたときにフランジ15の手前で頭部12が支持されるように、ピン27に対して配置される。各支持体30は、垂直軸線Zの側に配向され、モジュール1が工具22上に配置されたときに圧縮機ステータ翼の第5のアセンブリR5の通過を許容するように構成された、陥凹39を備える。支持体30は、軸線Zに直交する方向でプラットフォーム33に対して調整可能であってもよい。
【0044】
第1の視覚マーカ32は、バレル34の外周およびプレート25の外周に配置された垂直線32の形態であり、前記垂直線32は、工具22に対してモジュール1を角度的に配向するように構成されている。この第1の視覚マーカ32は、1つ以上の自己接着性ストリップの付着によって得られてもよい。
【0045】
工具22は、バレル34の外周に配置された水平線40の形態の第2の視覚マーカ40を備え、前記水平線40は、モジュール1が工具22に対して割り出されるモジュール1の垂直位置を決定するように構成されている。ここで、水平線は、垂直線と交差する。第1の視覚マーカ32と同様に、この第2の視覚マーカ40は、1つ以上の自己接着性ストリップの付着によって得られてもよい。
【0046】
有利には、プレート25および支持体30は、モジュール1を損傷しないように、非金属材料で作られている。プレート25および支持体30は、たとえばテフロン(R)で作られている。
【0047】
工具22による第2の状態E2のモジュール1からのファンディスク4のみの取り外しは、経時的に、
a)ロータ2のレベルに2つの自由オリフィス41を有するように、以下で基準ボルトと呼ばれる2本の所定のボルト7を取り外すステップであって、基準ボルト間の角距離は、プレート25の2つの孔28の間の角距離に等しい、ステップ(
図6から
図8)と、
b)モジュール1の長手軸線Xが実質的に垂直であり、工具22の垂直軸線Zと実質的に同軸であるように、垂直位置で工具22の上方にモジュール1を配置するステップであって、その後ファンディスク4は垂直方向でドラム5の上方になる、ステップと、
c)工具22対してモジュール1を角度的に配向するように、自由オリフィス41のうちの1つを第1の視覚マーカ32に位置合わせするステップ(
図9)と、
d)モジュール1の外側から2つの割り出しフィンガ29を導入することによって、工具22に対してモジュール1を割り出すステップであって、各割り出しフィンガ29は、ロータ2の自由オリフィス41を貫通し、その後プレート25の孔28を貫通する、ステップ(
図10)と、
e)ねじ8の頭部12をプレート25のピン27に当接させるステップであって、その後ドラム5がプレート25を取り囲む、ステップ(
図11)と、
f)圧縮機ステータ翼アセンブリr4のフランジ15を支持体30の支承面31に当接させるステップ(
図12)と、
g)ボルト7から全てのナット9を取り外すステップと、
h)少なくとも1つの抜取器42を介してファンディスク4のみを制御された方法で抜き取るステップ(
図13から
図17)と、
i)ファンディスク4のみを取り外すステップ(
図18)と、
を備える方法に従って実行される。
【0048】
上述のように、方法は、第2の状態E2のモジュール1、言い換えると圧縮機ステータ翼の第5のアセンブリr5が取り外されたモジュール1で実施される。
【0049】
モジュール1は、ステップa)~f)中に、モジュール1が配置および保持される第1のハンドリング治具43を介して保持され、第1のハンドリング治具43は、少なくとも1対の対向する第1のトラニオン44、45を備え、第1のトラニオン44、45の各々は、昇降システム47のブラケット46に連結されている。
【0050】
図、特に
図6から
図12に示される実施形態によれば、第1のハンドリング治具43は、モジュール1のロータ2に固定されるように構成された第1の部分48と、モジュール1のステータ3に固定されるように構成された第2の部分49とを備える。第1のハンドリング治具43は、所定の範囲にわたって第2の部分49(ステータ3)に対する第1の部分48(ロータ2)の位置決めを長手方向に、またはその逆に調整するように構成された調整手段を備える。上述のように、ロータ2およびステータ3は互いに独立している。この長手方向の調整は、特に、モジュール1が工具22上に配置されたときにフランジ15の手前でねじ8の頭部12が支持されることを保証するために使用される。第1のハンドリング治具43は、1対の中央トラニオン44および1対のエンドトラニオン45を備える。トラニオン44、45の対の各々は、独立した昇降システム47に固定されるように構成されている。各昇降システム47は、たとえば、昇降装置(ウィンチなど)(図示せず)、スプレッダ50、および2つのブラケット46を備える。
【0051】
有利には、
図6~
図8に示されるように、ステップa)中に、モジュール1は、モジュール1の長手軸線Xが、工具22が載置される地面と実質的に平行になるように、水平位置にある。第1のハンドリング治具43は、中央トラニオン44を介して第1の昇降システム47に接続され、エンドトラニオン45を介して第2の昇降システム47に接続されている。
【0052】
図6~
図8に示されるように、ステップa)中に、オペレータは、時計の文字盤に例えると3時と9時に配置されたボルト7を取り外す。したがって、3時と9時に配置されたボルト7は、基準ボルトと見なされる。2つの基準ボルト間の角距離は、プレート25の2つの孔28の間の角距離、すなわち180度に等しい。ステップa)の終わりには、自由オリフィス41は3時と9時にある。
【0053】
図9~
図12に示されるように、ステップb)からf)中に、モジュール1は、ファンディスク4がドラム5の上方にある垂直位置にある。第1のハンドリング治具43は、エンドトラニオン45を介して単一の昇降システム47に接続されている。
【0054】
図9に示されるように、ステップc)中に、オペレータは、自由オリフィス41のうちの1つ(ナットの不在により識別可能)を垂直線(第1の視覚マーカ32)に位置合わせするように第1のハンドリング治具43を制御する。このステップc)は、2つの自由オリフィス41をプレート25の2つの孔28に位置合わせすることを可能にする。
【0055】
図10に示されるように、ステップd)は、圧縮機ステータ翼アセンブリr4の自由フランジ15が垂直方向で水平線(第2の視覚マーカ40)のレベルにあるときに実行される。次いで、オペレータは、2つの割り出しフィンガ29をモジュール1の外側から連続的に挿入する。各割り出しフィンガ29は、ロータ2の自由オリフィス41およびプレート25の孔28を貫通する。
【0056】
図11に示されるように、ステップe)中に、モジュール1は、ねじ8の頭部12をプレート25のピン27に当接させるように降下させられる。第1のハンドリング治具43が取り外されたときのロータ2の予期しない動きを回避するために、最初にロータ2(ねじ8の頭部12)に当接し、次いでステータ3(圧縮機ステータ翼アセンブリr4のフランジ15)に当接することが不可欠である。このステップe)中に、ステータ3に対してロータ2を縦方向に変位させるため、またはその逆を行うために、第1のハンドリング治具43の調整手段を使用することが可能である。
【0057】
図12に示されるように、ステップd)中に、圧縮機ステータ翼アセンブリr4のフランジ15は、支持体30の支承面31上に載置される。陥凹39は、第5の羽根車R5の通過を許容する。このステップd)中に、支持体30は、プラットフォーム33に対して調整されることが可能である。
【0058】
方法は、ステップf)とg)中に、モジュール1から第1のハンドリング治具43を取り外すステップf1)を備える。
【0059】
ファンディスク4は、ステップg)~i)中に、ファンディスク4が配置および保持される第2のハンドリング治具51を介して保持され、第2のハンドリング治具51は、少なくとも1対の対向する第2のトラニオン52を備え、第2のトラニオン52の各々は、昇降システム47のブラケット46に連結されている。
【0060】
図、特に
図13~
図18に示される実施形態によれば、第2のハンドリング治具51は、ファンディスク4に固定されるように構成された第1の昇降要素53および第2の昇降要素54を備える。第1および第2の昇降要素53、54は、軸線Xに対して対称に配置されている。昇降要素53、54の各々はトラニオン52を備え、トラニオン52は、昇降システム47に取り付けられるように構成されている。昇降システム47は、たとえば、昇降装置(ウィンチなど)(図示せず)、スプレッダ50、および2つのブラケット46を備える。
【0061】
図13~
図17に示されるように、ファンディスク4は、軸線Zの回りに規則的に分布した3つの抜取器42を介してステップh)中に抜き取られる。抜取は、各々が3つの抜取器42のうちの1つの近くに位置する3つのねじ8に予めねじ込まれた3つの抜取ナット55を徐々に緩めることによって、並びにファンディスク4とドラム5との間に抜取ナット55を有する3つのねじ8の周りにくさび56を徐々に挿入することによって制御され、抜取ナット55およびくさび56は非金属材料で作られている。
【0062】
図13および
図14に示されるように、各抜取器42は、互いにヒンジ結合された第1のアーム57および第2のアーム58を備え、第1のアーム57はファンディスク4上に支承され、第2のアーム58は環状封止部品6上に支承されている。各抜取器42は、第1および第2のアーム57、58に対して関節接合された油圧アクチュエータ59を備え、この油圧アクチュエータ59は、第1および第2のアーム57、58を互いに離れるように移動させ、これによって圧入されている封止部品6からファンディスク4のみを垂直に取り外すように構成されている。
【0063】
くさび56は、抜取器42のレベルで油圧の低下中にファンディスク4が傾斜するのを防止することができる。
【0064】
有利には、抜取ナット55およびくさび56は、ねじ8を損傷しないように、非金属材料で作られている。抜取ナット55およびくさび56は、たとえばテフロン(R)で作られている。
【0065】
図15~
図17に示されるように、ステップh)は、経時的に、
h1)ファンディスク4の対応するローブ16の上面60から距離Dに各抜取ナット55を配置するサブステップであって、上面60は抜取ナット55の反対側に配置されている、サブステップ(
図15)と、
h2)各上面60が対応する抜取ナット55と接触するように3つの抜取器42を作動させる、サブステップ(
図16)と、
h3)ファンディスク4とドラム5との間に抜取ナット55を有する各ねじ8の周りに全高Hを有する1つ以上のくさび56を配置するサブステップであって、全高Hは距離Dに等しい、サブステップ(
図17)と、
を備える。
【0066】
サブステップh1)からh3)は、ファンディスク4がドラム5から可能な限り情報に持ち上げられるように繰り返される。たとえば、ナット9は、取り外しを開始するために距離D=6mmに設定され、次いでナット9は、4サイクル後にファンディスク4がドラム5から15mm離れるように、ステップh1)からh3)を繰り返すたびに3mmずつ緩められる。
【0067】
ファンディスク4のこのような取り外しは、垂直方向の取り外しを可能にし、ファンディスク4のローブ16内で実現されるねじ8と孔との間の接触を防止する。
【0068】
図13から
図18に示されるように、ステップh)およびi)中に、ねじ8は依然として所定の位置にある(2つの基準ねじを除く)。
【0069】
ステップa)~i)の終わりに、モジュール1は、その第3の状態E3にある。修理済みファンディスクの(または新しいファンディスクの)再取り付け(または配置)は、上述の方法の後、すなわち第3の状態E3にあり、工具22上に配置されたため、モジュール1に対して直接実行される。ファンディスク4を取り外し、これを再び取り付けるために、同じ工具22を使用することができる。再取り付け中に、修理済みファンディスクに関連付けられたマーク(たとえば切り欠き)をモジュール1の他の構成要素上のマークに位置合わせすることによって修理済みファンディスクを正確に配向するために、注意が払われなければならない。修理済みファンディスクが再取り付けされると、モジュール1の封止部品6は、修理済みファンディスクがモジュール1の封止部品6に圧入されることを可能にするように加熱される。