(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】関係の発見
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240126BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20240126BHJP
【FI】
H04M1/00 U
G06F21/60 320
(21)【出願番号】P 2021563736
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2020062195
(87)【国際公開番号】W WO2020225148
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】サダチャラム、サラヴァナン
(72)【発明者】
【氏名】ビーデ、マニッシュ、アナンド
(72)【発明者】
【氏名】エカムバラム、ヴィジャイ
(72)【発明者】
【氏名】アナンタプール バチェ、ヴィジャイ、クマール
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-110701(JP,A)
【文献】特表2008-517402(JP,A)
【文献】特開2010-178263(JP,A)
【文献】特開2007-201791(JP,A)
【文献】特開2007-306460(JP,A)
【文献】特開2004-350044(JP,A)
【文献】特開2012-095270(JP,A)
【文献】特開2005-051475(JP,A)
【文献】特開2008-097485(JP,A)
【文献】特開2006-191385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0244800(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2016-0093878(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
G06F3/01
3/048-3/04895
12/14
21/10
21/60-21/88
G01S1/72-1/82
3/80-3/86
5/18-5/30
7/52-7/64
15/00-15/96
G09C1/00-5/00
H04B1/00
1/30
1/59
1/72
7/24-7/26
11/00-13/02
H04K1/00-3/00
H04L9/00-9/40
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモバイル機器において、第2のモバイル機器から、暗号化形態の第2のユーザの連絡先情報およびキー・インジケータをそれぞれ搬送する異なる周波数の一対の超音波信号を受信することと、
前記キー・インジケータに基づいて、前記第1のモバイル機器に電子的に格納された第1のユーザの連絡先リストから、連絡先番号を選択することと、
前記連絡先番号を復号キーとして用いることにより前記第2のユーザの連絡先情報を復号することに応答して、相互連絡先を識別することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のモバイル機器によって、暗号化形態の第1のユーザの連絡先情報を搬送する超音波信号をブロードキャストすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キー・インジケータが、0以上の整数であり、前記第2のユーザの連絡先情報を前記復号することが、
合計が前記0以上の整数に等しい一連の整数を前記連絡先番号が含むものと判定することによって、前記第1のユーザの連絡先リストから前記連絡先番号を選択することと、
前記第2のモバイル機器に電子的に格納された第2のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号を含む一連の整数に前記一連の整数が完全に一致することに応答して、前記第2のユーザの連絡先情報を復号することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のユーザの連絡先情報が、前記第2のモバイル機器のユーザの外見を表す識別情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
相互連絡先を前記識別することに応答して、前記第1のモバイル機器に対する前記第2のモバイル機器の位置を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のユーザの連絡先情報が、前記第1のモバイル機器のユーザと関係を持つ個人に対する前記第2のモバイル機器のユーザの関係を示す相互連絡先関係情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
相互連絡先を前記識別することに応答して、前記第1のモバイル機器のディスプレイにより描画され、前記第1のモバイル機器と前記第2のモバイル機器との間の空間的関係を示すマップを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
相互連絡先を前記識別することに応答して、生理学的に知覚可能な信号を前記第1のモバイル機器により放出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2のモバイル機器から、暗号化形態の第2のユーザの連絡先情報およびキー・インジケータをそれぞれ搬送する異なる周波数の一対の超音波信号を受信するように構成された第1のモバイル機器の送受信機と、
前記送受信機に動作可能に結合され、
前記キー・インジケータに基づいて、前記第1のモバイル機器に電子的に格納された第1のユーザの連絡先リストから、連絡先番号を選択することと、
前記連絡先番号を復号キーとして用いることにより前記第2のユーザの連絡先情報を復号することに応答して、相互連絡先を識別することと、
を含む実行可能動作を開始するようにプログラムされた少なくとも1つのプロセッサと、
を備えたシステム。
【請求項10】
前記送受信機が、暗号化形態の第1のユーザの連絡先情報を搬送する超音波信号をブロードキャストするように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記キー・インジケータが、0以上の整数であり、前記第2のユーザの連絡先情報を前記復号することが、
合計が前記0以上の整数に等しい一連の整数を前記連絡先番号が含むものと判定することによって、前記第1のユーザの連絡先リストから前記連絡先番号を選択することと、
前記第2のモバイル機器に電子的に格納された第2のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号の一連の整数に前記一連の整数が完全に一致することに応答して、前記第2のユーザの連絡先情報を復号することと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のユーザの連絡先情報が、前記第2のモバイル機器のユーザの外見を表す識別情報を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記実行可能動作が、相互連絡先を前記識別することに応答して、前記第1のモバイル機器に対する前記第2のモバイル機器の位置を決定することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のユーザの連絡先情報が、前記第1のモバイル機器のユーザと関係を持つ個人に対する前記第2のモバイル機器のユーザの関係を示す相互連絡先関係情報を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記実行可能動作が、相互連絡先を前記識別することに応答して、前記第1のモバイル機器のディスプレイにより描画され、前記第1のモバイル機器と前記第2のモバイル機器との間の空間的関係を示すマップを生成することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記実行可能動作が、相互連絡先を前記識別することに応答して、生理学的に知覚可能な信号を前記第1のモバイル機器により放出することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
コンピュータ・プログラムであって、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるための、コンピュータ・プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータ・プログラムを記録した、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子通信の分野に関し、より詳細には、モバイル機器を用いた電子通信による相互関係の発見に関する。
【背景技術】
【0002】
通信サービスのプロバイダは、モバイル通信機器のユーザによる知人、同僚、友人、および家族との長距離通信を可能にする。現在、多くのビジネス交流および社会的交流は、このような通信ネットワークを介して行われる。ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、さらに広いグループの個人間の通信を可能にするため、他の相互関係を持たない個人が第三者を含む1つまたは複数の相互連絡先をさらに共有していることに気付き得る。
【発明の概要】
【0003】
方法は、第1のモバイル機器において、第2のモバイル機器から、暗号化形態の第2のユーザの連絡先情報およびキー・インジケータをそれぞれ搬送する異なる周波数の一対の超音波信号を受信することを含み得る。また、この方法は、キー・インジケータに基づいて、第1のモバイル機器に電子的に格納された第1のユーザの連絡先リストから、連絡先番号を選択することを含み得る。また、この方法は、連絡先番号を復号キーとして用いることにより第2のユーザの連絡先情報を復号することに応答して、相互連絡先を識別することを含み得る。
【0004】
システムは、第2のモバイル機器から、暗号化形態の第2のユーザの連絡先情報およびキー・インジケータをそれぞれ搬送する異なる周波数の一対の超音波信号を受信するように構成された第1のモバイル機器の送受信機を備え得る。また、このシステムは、送受信機に動作可能に結合され、実行可能動作を開始するようにプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを備え得る。実行可能動作は、キー・インジケータに基づいて、第1のモバイル機器に電子的に格納された第1のユーザの連絡先リストから、連絡先番号を選択することを含み得る。また、実行可能動作は、連絡先番号を復号キーとして用いることにより第2のユーザの連絡先情報を復号することに応答して、相互連絡先を識別することを含み得る。
【0005】
コンピュータ・プログラム製品は、プログラム・コードが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を備え、プログラム・コードは、動作を開始するために第1のモバイル機器のプロセッサによって実行可能である。動作は、第1のモバイル機器において、第2のモバイル機器から、暗号化形態の第2のユーザの連絡先情報およびキー・インジケータをそれぞれ搬送する異なる周波数の一対の超音波信号を受信することを含み得る。また、動作は、キー・インジケータに基づいて、第1のモバイル機器に電子的に格納された第1のユーザの連絡先リストから、連絡先番号を選択することを含み得る。また、動作は、連絡先番号を復号キーとして用いることにより第2のユーザの連絡先情報を復号することに応答して、相互連絡先を識別することを含み得る。
【0006】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムが動作し得る代表的なモバイル機器を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの特定の動作的特徴を示した図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの特定の動作的特徴を示した図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの特定の動作的特徴を示した図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの特定の動作的特徴を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの動作的特徴を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムの別の動作的特徴を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムのさらに別の動作的特徴を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、関係発見システムのさらに別の動作的特徴を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、関係発見方法のフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、関係発見データを暗号化および復号する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
たとえば天災または人災に起因し得る緊急時に、個人は、モバイル機器(たとえば、携帯電話)を使用して、緊急サービスのプロバイダに連絡するほか、家族および友人と通信することが多い。ただし、これらの通信モードは、このような緊急事態の結果として起こり得る通信ネットワークの障害のため、利用できない場合がある。モバイル機器は、そのユーザが依拠する通信ネットワークに著しい障害が発生した場合または動作不可能となった場合に、役に立たなくなる可能性がある。
【0009】
電話、メッセージ、インターネット、または他の通信形態による既知の個人との通信は、サービス・プロバイダ、家族、友人、または同僚のいずれを問わず、接続障害によって不可能となり得る。災害が発生すると、個人は、不慣れな環境(たとえば、鉄道駅、病院)に置かれる可能性がある。また、個人は、金銭的または他の支援を緊急に要する場合もある。個人は単純に、頼れる誰かが近くにいる安心感を求める場合もある。同じような状況の多くの個人が近くにいても、全員が見知らぬ人であるかもしれない。
【0010】
相互に近いすべての個人が見知らぬ人同士である可能性にも関わらず、これらの個人間には、発見されれば何らかの共通点が明らかとなる関係が隠れている場合もある。たとえば、ある個人の兄弟姉妹は、近くの別の個人の同僚かもしれないし、親しい友人かもしれない。ある個人の同僚は、別の個人の隣人かもしれない。その他、さまざまな相互関係が考えられる。共通点は、特に共通する緊急事態のストレスの下、災害または非常事態に直面している見知らぬ人同士の間に急速かつ持続的に形成され得る絆を醸成可能である。
【0011】
本明細書に開示のシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品は、モバイル機器の使用によって、近くの個人間の隠れた関係を発見可能にするとともに、ネットワーク接続がなくても相互の通信を可能にする。一実施形態において、このように可能となるモバイル機器は、それぞれが相互連絡先と関係を有するものと識別された個人間(たとえば、家族-同僚、共通の友人、隣人-同僚)で、電話連絡先リストおよび自己識別情報を送受信する。開示のシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品により可能となるモバイル機器は、ネットワーク・アクセス、ペアリング、または予備設定に依拠するのではなく、超音波信号を利用して、情報を送受信するとともに隠れた関係を発見する。また、開示のシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品は、モバイル機器に共通して格納されたデータを用いることにより、関係に関連する情報を暗号化および復号することができる。このように、相互連絡先情報の暗号化および復号は、暗号化機能の確立における機器ユーザ間の事前の相互作用なく可能となる。
【0012】
通信およびコンピュータ技術のほか、信号処理技術の集約により、関係発見システムは、これらの機能を組み合わせた任意のモバイル機器の一構成要素としての統合または構成が可能である。一実施形態において、関係発見システムは、スマートフォン等のモバイル通信機器のプロセッサ上で実行されるプロセッサ実行可能コードとして実装される。他の実施形態において、関係発見システムは、他の機器との通信用の通信回路または通信アダプタを含むラップトップ、タブレット等のコンピュータ機器のプロセッサ上で実行されるプロセッサ実行可能コードとして実装される。他の種々実施形態において、関係発見システムは、このような機器に組み込まれた電子回路または回路およびコードの組み合わせとして実装可能である。
【0013】
図1は、一実施形態に係る、関係発見システムを実装し得る機器の代表であるモバイル機器100を示している。図示のように、モバイル機器100は、プロセッサ102、メモリ104、およびプロセッサからメモリまでを含むさまざまな構成要素を電子的に結合するバス106を具備する。プロセッサ102は、プログラム命令(プロセッサ実行可能コード)の読み出しおよび実行を同時に行う2つ以上の独立した処理ユニット(コアと称する)を有するマルチコア・プロセッサ(たとえば、クワッド・コアおよびオクタ・コア)を含み得る。各コアは、並列処理用に具体的に設計され、汎用アプリケーションおよびデジタル信号処理等の専用アプリケーションを含むさまざまなアプリケーション・ドメインから引き出されたプログラムの複数の命令を別個に実行可能である。
【0014】
メモリ104は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)108またはキャッシュ・メモリ、あるいはその両方等(明確には図示せず)、揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を含み得る。ストレージ・システム110は、非リムーバブル不揮発性磁気媒体に対する読み書き用に設けることができる。メモリ104は、本明細書に開示の関係発見に関する種々実施形態の機能を実行するように構成された1つまたは複数のプログラム・モジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。バス106は、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺機器用バス、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート、ならびに多様なバス・アーキテクチャのいずれかを用いたプロセッサもしくはローカル・バス等、複数種類のバス構造のいずれかを含み得る。
【0015】
1つまたは複数のプログラム・モジュールを含むプログラム/ユーティリティ112は、メモリ104に格納可能であるとともに、オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データを含み得る。プログラム・モジュールは、本明細書に記載の関係発見に関する種々実施形態の機能または方法、あるいはその両方を実行可能である。
【0016】
プログラム・モジュールのうちの1つまたは複数は、隠れた関係を発見するシステムまたはその一部を実装するシステムを含んでいてもよい。プログラム/ユーティリティ112は、プロセッサ102により実行可能である。プログラム/ユーティリティ112ならびにモバイル機器100による使用、生成、または動作、あるいはその組み合わせが行われる任意のデータ項目は、プロセッサ102による実行の場合に機能を伝達する機能データ構造である。本明細書における定義の通り、「データ構造」は、物理メモリ内のデータのデータモデル構造化の物理的実装である。このため、データ構造は、メモリ中の特定の電気的または磁気的構造要素で形成される。データ構造は、プロセッサを用いて実行されるアプリケーション・プログラムが使用するメモリに格納されたデータに対して物理的構造化を行う。
【0017】
また、図示のように、モバイル機器100は、ユーザが当該モバイル機器と相互作用するスクリーンもしくはディスプレイ114ならびにキーボード116を具備する。あるいは、モバイル機器は、タッチしてコマンドを入力するタッチスクリーンまたはユーザが音声によってコマンドを入力するとともに出力を受け取れるようにする音声認識回路、あるいはその両方を具備し得る。任意選択として、モバイル機器100は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、一般的なワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、またはパブリック・ネットワーク(たとえば、インターネット)、あるいはその組み合わせ等、1つまたは複数のネットワークと通信するためのアダプタ118を具備し得る。
【0018】
また、図示のように、モバイル機器100は、それぞれが電子的に相互結合されるとともにプロセッサ102に結合された通信回路120、マイク122、およびスピーカ124を備えた送受信機を具備する。関係を発見するためのシステムは、プロセッサ102上で実行された場合に関係を発見するための動作を実行するとともに、通信回路120、マイク122、およびスピーカ124を備えた送受信機を制御するプロセッサ実行可能コード126として実装可能である。
【0019】
関係発見システムは、モバイル機器100との通信に用いられる1つまたは複数のネットワーク接続が利用不可能となる災害または緊急事態を除いて、動作不可能な状態を維持し得る。たとえば、セルラー・ネットワークの背景においては、何らかの緊急事態または災害によって、中継塔が故障する場合もあるし、基地局が使用不可能となる場合もある。一実施形態において、このシステムは、上述のモバイル機器100のコマンド機能を用いて音声またはタッチ、あるいはその両方により発行されるユーザ・コマンドに応答して、動作可能となる。ただし、別の実施形態において、このシステムは、ネットワークの可用性を周期的にサンプリングし、所定の時間にわたってネットワーク・アクセスが利用不可能になったことを検出した場合に、動作モード(本明細書においては、「発見モード」または「ヘルプ・モード」と表す)へと自動的に切り替わることによって、バックグラウンドで動作し続ける。
【0020】
動作時、発見モードの場合は、関係を発見するためのプロセッサ実行可能コード126によって、モバイル機器100がその送受信機を用いて断続的に、モバイル・ユーザの連絡先情報をブロードキャストする。一実施形態において、連絡先情報には、モバイル機器100のメモリ104に電子的に格納された連絡先リストから抜粋された電話番号および対応する名前を含む。連絡先情報は、ブロードキャストに先立って暗号化される。一実施形態において、連絡先情報は、ハッシュ暗号化テキスト・データを生成するハッシュ関数を用いて暗号化されたプレーン・テキスト(たとえば、格納された連絡先名および対応する電話番号)である。
【0021】
モバイル機器100は、超音波信号を送受信可能な超音波トランスデューサとして動作し得る。一実施形態において、モバイル機器100は、グラフェンベースの音響送信機/受信機を具備する。炭素同素体であるグラフェンは、広帯域超音波変換に適した機械的特性を有する。グラフェンベースの音響機器の生産には、低コストの製造方法を使用可能である。音響波の強度は距離とともに指数関数的に低下するが、十分な出力によって、50kHzの超音波信号であれば吸収までに約30メートル、80kHzの超音波信号であれば約20メートル伝搬可能と推定される。ただし、湿度および温度を考慮する必要がある。
【0022】
発見モードで動作する関係発見システムは、スピーカ124を通じてブロードキャストされる超音波信号において、暗号化された連絡先情報をモバイル機器100に搬送させる。これと同時に、関係発見システムは、マイク122によって、同じ関係発見システムを用いて第2のモバイル機器のユーザの暗号化連絡先情報をブロードキャストした当該第2のモバイル機器からの超音波信号をモバイル機器100に取り込ませる。
【0023】
モバイル機器100により超音波信号として送信される連絡先情報の各文字は、送受信機がスピーカ124により所定の継続時間にわたって送信する送信周波数範囲の中心に変換可能である。関係発見システムのプロセッサ実行可能コード126は、超音波信号の連続フーリエ変換の実行および周波数範囲のピークの探索をプロセッサ102に行わせることができる。有意な継続時間にわたるピークが見つかったら、受信機が周波数を対応する文字に変換可能である。
【0024】
モバイル機器100のメモリ104に電子的に格納された連絡先リストから抜粋された電話番号および対応する名前を連絡先情報が含む一実施形態において、各電話番号は、一連の整数を含む。ユーザのモバイル機器からは、連絡先リスト中のすべての電話番号および対応する名前、あるいは、ユーザが事前に選択した電話番号のみを送信可能である。
【0025】
図2は、第1のモバイル機器200Aと第2のモバイル機器200Bとの間の連絡先情報の代表的な交換を示している。図示のように、第1のモバイル機器200Aは、送受信機202A、プロセッサ204A、および連絡先リスト208Aを電子的に格納したメモリ206Aを備える。図示のように、第2のモバイル機器200Bは、送受信機202B、プロセッサ204B、および連絡先リスト208Bを電子的に格納したメモリ206Bを備える。第1のモバイル機器200Aおよび第2のモバイル機器200Bはそれぞれ、発見モードで動作する上述のような関係発見システムを含む。
【0026】
各モバイル機器200A、200Bは、それぞれ自体の内蔵する関係発見システムの実施態様を動作させる。第1のモバイル機器200Aおよび第2のモバイル機器200Bにおいて別個に実装された関係発見システムは両モバイル機器の協働を可能にするが、各機器において動作する関係発見システムは、他方のモバイル機器において動作する関係発見システムから独立して動作する。このため、第1のモバイル機器および第2のモバイル機器に関連して本明細書に記載の動作は、各モバイル機器の役割を逆転させた状態で実行可能である。
【0027】
図示のように、第1のモバイル機器200Aにおいて実装された関係発見システムは、当該機器の送受信機202Aによって、第2のモバイル機器200Bから搬送された一対の超音波信号を受信させる。第1の周波数で搬送された超音波信号の一方は、第2のモバイル機器200Bのユーザの連絡先リスト208Bから抜粋された暗号化連絡先情報210を送信する。第2の周波数で搬送された他方の超音波信号は、暗号化連絡先情報210に対応するキー・インジケータ212を送信する。
【0028】
一実施形態によれば、連絡先情報には、第2のモバイル機器200Bのメモリ206Bに電子的に格納された連絡先名および連絡先電話番号を含み得る。発見モードで動作する関係発見システムとともに動作する第2のモバイル機器200Bによって、連絡先リスト208Bの連絡先名および対応する連絡先電話番号の全部またはユーザが選択した特定の一部のみを自動的にブロードキャスト可能である。連絡先リストの複数のエンティティがブロードキャストされる場合、これらのエンティティは、ランダムを含む任意の順序でブロードキャスト可能である。ただし、各エンティティは、一対の超音波信号として搬送される(暗号化形態の連絡先情報がある周波数で搬送され、キー・インジケータが異なる周波数で搬送される)。第1のモバイル機器200Aにより受信された場合に、キー・インジケータが暗号化連絡先情報に対応するように、一対の超音波信号は同じ順序で送信される(第2のモバイル機器200Bによって、2対以上の超音波信号が送信される場合)。
【0029】
追加で
図3A、
図3B、および
図3Cを参照して、これらの図は、第1のモバイル機器200Aにおいて動作する関係発見システムおよび第2のモバイル機器200Bにおいて動作する関係発見システムの動作的特徴を示している。これらのシステムは、各モバイル機器上で相互に独立して協働する。
【0030】
図3Aは、一実施形態に係る、連絡先名および対応する連絡先電話番号を含む連絡先情報300を示している。第2のモバイル機器200B(ブロードキャスト側モバイル機器の役割)において動作する関係発見システムは、連絡先電話番号を暗号化キー302として含む一連の整数を用いて連絡先情報300を暗号化する。暗号化キー302を用いて連絡先情報を暗号化し、これを暗号化データ304としてブロードキャストする。暗号化キー302は、連絡先電話番号を含む一連の整数である。関係発見システムは、306において、連絡先電話番号を含む同じ一連の整数を足し合わせて、合計306(整数すなわち0以上の整数)を生成する。この合計306がキー・インジケータ308として用いられる。
【0031】
図3Bは、第1のモバイル機器200A(受信側モバイル機器の役割)において動作する関係発見システムが実行する動作を示している。上述の異なる周波数の一対の超音波信号の受信に応答して、関係発見システムは、キー・インジケータを搬送する信号に対して指定された周波数でキー・インジケータ308を識別する。関係発見システムは、連絡先リスト208Aに電子的に格納された連絡先リストを検索して、連絡先リスト中の任意の電話番号を含む一連の整数の合計が、キー・インジケータ308を表す0以上の整数に等しいかを判定する。関係発見システムが310において、連絡先リスト208A中の電話番号を含む整数の合計が、キー・インジケータ308を表す0以上の整数に等しいと判定した場合は、312において、当該電話番号にフラグが立てられる(たとえば、「真」)。
【0032】
関係発見システムは、314において、メモリ206Aに電子的に格納された連絡先リスト208Aを検索する。316において、連絡先リスト208A中のある電話番号にフラグ「真」が立てられていることが識別された場合は、318において、当該電話番号を含む一連の整数を使用することにより、暗号化データ304の復号を試みる。320において、連絡先リスト208Aに格納された連絡先電話番号の一連の整数が、(連絡先情報に含まれ、第2のモバイル機器200Bにより送信された連絡先情報の暗号化に使用された)連絡先リスト208Bから抜粋された連絡先電話番号の一連の整数に完全に一致する場合は、復号が成功となる。そうでなければ、復号は失敗に終わる。320において、復号に成功した場合は、322において、第1のモバイル機器200Aのユーザおよび第2のモバイル機器200Bのユーザの両者の相互連絡先が識別される。
【0033】
図3Cは、310において、合計がキー・インジケータ308を表す0以上の整数に等しい一連の整数を含む連絡先リスト208A中の少なくとも1つの電話番号が存在しないものとシステムが判定した場合の関係発見システムの応答を示している。存在しない場合、システムは、324において、付加的な信号対(ある周波数の暗号化連絡先情報および異なる周波数の対応するキー・インジケータ)が受信されているかを判定し、受信されている場合は、プロセスが当該信号対に関して繰り返しとなる。受信されていない場合は、プロセスが終了となる。同様に、320において、フラグ「真」が立てられた連絡先リスト208A中の電話番号のうち、連絡先リスト208Bから抜粋された(ひいては、暗号化連絡先情報を復号した)連絡先電話番号の一連の整数に完全に一致する一連の整数を含むものがない場合、システムは、324において、付加的な信号対が受信されているかを判定し、受信されている場合は、プロセスが当該信号対に関して繰り返しとなる。受信されていない場合は、プロセスが終了となる。322において相互連絡先が識別された場合、システムは、324へと進んで、付加的な信号対が受信されているかを判定する。受信されている場合は、プロセスが当該信号対に関して繰り返しとなる。受信されていない場合は、プロセスが終了となる。
【0034】
上述の通り、第2のモバイル機器200Bによりブロードキャストされた連絡先情報は、電話番号の一連の整数を暗号化キーとして使用することにより暗号化可能である。第1のモバイル機器200Aの連絡先リスト208Aに保存された電話番号(第2のモバイル機器200Bから別個に受信された対応するキー・インジケータ308(整数または0以上の整数:integer or whole number)に基づいて選択)が同じ一連の整数を含む場合は、当該一連の整数が対称キーとして動作することにより、受信した連絡先情報を復号する。このように、受信側モバイル機器での復号に成功するには、(1)数字の合計が受信したキー・インジケータに等しく、(2)受信した連絡先情報の暗号化に用いられた一連の整数に完全に一致する一連の整数を含む受信側モバイル機器に格納された電話番号が必要となる。以上から、一実施形態において、関係発見システムは、2つの別個のモバイル機器に電子的に格納された共通の電話番号を対称暗号化キーとして使用する。
【0035】
図4は、それぞれのモバイル機器400A、400B、400C、400D、400Eが上述のような関係発見システムを実行する5人のユーザ間の関係の発見(または、関係の欠如)を示している。図示のように、ユーザAの連絡先リスト402Aには、ユーザFの連絡先リスト402Fに存在する連絡先(兄弟)と同じ連絡先(同僚)を含む。このように識別された相互連絡先は、ユーザAおよびユーザFの両者が共有する関係を明らかにする。同じく図示のように、ユーザDの連絡先リスト402Dには、ユーザEの連絡先リスト402Eに存在する連絡先(兄弟)と同じ連絡先(隣人)を含む。ユーザBおよびユーザCは、その他のユーザと一切の相互連絡先を共有していない。
【0036】
別の実施形態に係る、関係発見システムの別の態様を
図5に示す。本実施形態によれば、モバイル機器500A上で実行される関係発見システムは、モバイル機器の超音波信号伝達コンポーネントを使用して、近くに存在するとともに関係発見システムを実行している他のモバイル機器500B、500C、500D、500E、500Fに対応する位置情報を決定する。位置情報には、たとえば各モバイル機器500B~500Fのモバイル機器500Aからの距離および各モバイル機器500B~500Fのモバイル機器500Aに対する角度を含み得る。たとえばモバイル機器と併せた複数の音波トランスデューサ/増幅器ユニットの使用、または、モバイル機器に組み込まれ、機器のディスプレイに動作可能に結合された複数の音波トランスデューサ/増幅器ユニットの使用によって、音波源検出に関する既知の技術の使用により位置情報を決定可能である。
【0037】
一実施形態において、発見モードで動作するモバイル機器は、受動音響位置検出によって、同じく発見モードで動作する別のモバイル機器により検出可能な音波を放出する。相互連絡先の確立に応答して、各モバイル機器の関係発見システムは、(モバイル機器に組み込まれるか、または、モバイル機器に動作可能に結合された別個のユニットとしての)2つ以上の音波トランスデューサを用いて他方のモバイル機器の方向を決定することにより、放出された音波を検出可能である。関係発見システムは、たとえばステアード応答パワー位相変換(SRP-PHAT:Steered-Response Power Phase Transform)アルゴリズム等の音源位置特定アルゴリズムを用いて、受信音波から導出されたデータを処理可能である。SRP-PHATアルゴリズムは、雑音のある残響環境において、特に堅牢な機能を実証している。
【0038】
さらに別の実施形態に係る、関係発見システムのさらに別の態様を
図6に示す。関係発見システムを実行する別のモバイル機器から受信した情報の関係発見システムによる復号に成功すると、任意選択としてユーザ・インターフェースが生成され得る。図示のように、ユーザ・インターフェース600が生成されて、受信側モバイル機器604のディスプレイ602上に現れる。ユーザ・インターフェース600は、モバイル機器604のユーザとの相互連絡先を有する他の関係発見ユーザの空間的配向を記号で示し得る。図示のように、近くのユーザ機器が円により示される。正方形は、モバイル機器604を示す。一実施形態において、各記号は、相互連絡先の関係の評価強度(たとえば、円の相対的なサイズ)を示すことができ、この背景において、「強度」は、階層的関係(たとえば、家族は友人よりもランクが高く、友人は同僚または隣人よりもランクが高い)または数的関係(たとえば、任意対の個人に対して識別される相互連絡先の数)、あるいはその両方として規定される。
【0039】
また、連絡先情報には任意選択として、情報を搬送するユーザの身体的特徴を含み得る。たとえば、ユーザは、その近くの別の個人により隠れた関係が発見された場合かつその際に、より容易に認識され得るように、当該ユーザが現在着用している衣類または手にしている物品、あるいはその両方で表すことができる。別の実施形態において、ユーザは、当該ユーザのモバイル機器に格納され、発見モードで動作する場合の関係発見システムにより送信される自己識別写真を含み得る。
【0040】
図7は、前述の2つの特徴(マップ生成および自己識別情報)を含む関係発見システムの別の実施形態を示している。図示のように、ユーザ・インターフェース700が生成されて、受信側モバイル機器704のディスプレイ702上に現れる。ユーザ・インターフェース700は、モバイル機器704のユーザとの相互連絡先を有する関係発見システムが搭載された他の機器の空間的配向を表示する。各空間的位置には、モバイル機器704のユーザと共通の連絡先を共有するものとして関係発見システムにより識別された個人の対応する特徴または写真、あるいはその両方が重ね合わされている。
【0041】
図8は、一実施形態に係る、関係発見方法800のフローチャートである。方法800は、
図1~
図7を参照して説明したシステムと同一または同様の関係発見システムを実行するモバイル機器(第1のモバイル機器とする)により実行可能である。この方法は、802において開始となり、第1のモバイル機器が別のモバイル機器(第2のモバイル機器とする)から一対の超音波信号を受信可能である。超音波信号は、暗号化形態の連絡先情報をある周波数で搬送し、暗号化情報に対応するキー・インジケータを異なる周波数で搬送する。連絡先情報は、第2のモバイル機器のユーザ(第2のユーザとする)について、第2のモバイル機器に電子的に格納された連絡先情報から抜粋される。804においては、第1のモバイル機器のユーザ(第1のユーザとする)について、第1のモバイル機器に電子的に格納された連絡先リストから連絡先番号を選択する。連絡先番号は、キー・インジケータに基づいて、第1のユーザの連絡先リストから選択される。
【0042】
第1のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号は、第2のユーザの連絡先リストから抜粋された暗号化連絡先情報の復号を試みる復号キーとして使用される。復号に成功の場合は、806において、第1のモバイル機器が相互連絡先を識別する。相互連絡先は、第1のモバイル機器のユーザ(第1のユーザ)および第2のモバイル機器のユーザ(第2のユーザ)が共有するものである。一方、復号に失敗の場合は、相互連絡先が識別されない。任意選択として、第1のモバイル機器は、808において、第2のモバイル機器または近くの別のモバイル機器のいずれに関わらず、受信した任意付加的な連絡先情報によってプロセスを繰り返すことができる。また、任意選択として、第1のモバイル機器は、一方がある周波数で暗号化連絡先情報を搬送し、他方が異なる周波数で対応するキー・インジケータを搬送する一対の超音波信号をブロードキャスト可能である。
【0043】
図9は、関係を発見するための方法の一実施形態に係る、暗号化連絡先情報を復号する方法900のフローチャートである。方法900についても、
図1~
図7を参照して説明したシステムと同一または同様の関係発見システムを実行するモバイル機器により実行可能である。方法900は、902において開始となり、第1のモバイル機器(第1のモバイル機器とする)が別のモバイル機器(第2のモバイル機器とする)から一対の超音波信号を受信可能である。ある周波数の一方の超音波信号が暗号化連絡先情報を搬送し、異なる周波数の他方の超音波信号が対応するキー・インジケータを搬送する。連絡先情報は、暗号化形態ではあるが、第2の機器のユーザ(第2のユーザとする)について、第2のモバイル機器に電子的に格納された連絡先名および対応する連絡先電話番号を含む。対応するキー・インジケータは、整数または0以上の整数である。
【0044】
904においては、モバイル機器のユーザ(第1のユーザとする)について、第1のモバイル機器に電子的に格納された連絡先リストから連絡先番号を選択する。連絡先番号は、合計がキー・インジケータを表す0以上の整数(または、整数)に等しい一連の整数を当該連絡先番号が含むものと判定することにより選択される。合計が0以上の整数に等しくない場合は、908において、復号が失敗となる。ただし、910において、同じく合計がキー・インジケータを表す0以上の整数(または、整数)に等しい一連の整数を含む連絡先リストに別の連絡先番号が存在する場合は、904で開始となるプロセスを繰り返すことができる。存在しない場合は、910でプロセスが終了となる。
【0045】
904において、連絡先番号は、合計がキー・インジケータを表す0以上の整数(または、整数)に等しい一連の整数を含む場合、暗号化連絡先情報の復号の試みに使用される。連絡先情報は、第2のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号、具体的には、他の連絡先情報と併せて搬送された連絡先番号(暗号化形態ではある)を暗号化キーとして使用することにより暗号化される。第1のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号の一連の整数が、第2のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号を含む一連の整数に完全に一致する場合は、906において、復号が成功となる。このように、第2のユーザの連絡先情報は、選択された連絡先番号の一連の整数が、第2のモバイル機器に電子的に格納された第2のユーザの連絡先リストから選択された連絡先番号を含む一連の整数に完全に一致することに応答して復号される。そうでなければ、908において、復号は失敗に終わる。合計がキー・インジケータを表す0以上の整数(または、整数)に等しい一連の整数を含む第1のユーザの連絡先リストに別の連絡先番号が存在する場合(この場合は、904で開始となるプロセスを繰り返すことができる)以外は、910でプロセスが終了となる。
【0046】
一実施形態において、第1のモバイル機器で受信され、復号に成功した場合の第2のユーザの連絡先情報には、第2のモバイル機器のユーザの外見を表す識別情報を含み得る。別の実施形態において、連絡先情報には、第1のモバイル機器のユーザと関係を持つ個人に対する第2のモバイル機器のユーザの関係を示す相互連絡先関係情報を含み得る。
【0047】
さらに別の実施形態において、この関係発見方法は、相互連絡先を識別することに応答して、第1のモバイル機器に対する第2のモバイル機器の位置を決定することをさらに含み得る。さらに別の実施形態によれば、この方法は、相互連絡先を識別することに応答して、第1のモバイル機器のディスプレイにより描画され、第1のモバイル機器と第2のモバイル機器との間の空間的関係を示すマップを生成することをさらに含み得る。別の実施形態において、この方法は、相互連絡先を識別することに応答して、生理学的に知覚可能な(たとえば、視覚または聴覚)信号を第1のモバイル機器により放出することをさらに含み得る。
【0048】
種々実施形態は、考え得る任意の技術的詳細統合レベルにおけるコンピュータ・プログラム製品として実装可能である。コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ・ハードウェアによる実行によって本明細書に記載のような動作を開始可能なコンピュータ可読プログラム・コードが格納された(1つまたは複数の)コンピュータ可読記憶媒体を具備し得る。
【0049】
コンピュータ可読記憶媒体としては、命令実行デバイスが使用する命令を保持および格納し得る有形デバイスが可能である。コンピュータ可読記憶媒体としては、たとえば電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、またはこれらの任意好適な組み合わせが可能であるが、これらに限定されない。また、コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的な一覧には、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、消去・プログラム可能リードオンリー・メモリ(EPROMもしくはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、携帯型コンパクト・ディスク・リードオンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードもしくは命令が記録された溝中の隆起構造等の機械的符号化デバイス、ならびにこれらの任意好適な組み合わせを含み得る。本明細書において、コンピュータ可読記憶媒体は、電波等の自由伝搬電磁波、導波路等の送信媒体を伝搬する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを通じて送信される電気信号等、本質的に一時的な信号としては解釈されないものとする。
【0050】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピュータ/処理機器にダウンロードすることも可能であるし、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、または無線ネットワーク、あるいはその組み合わせを介して外部コンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードすることも可能である。ネットワークには、送信銅ケーブル、送信光ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組み合わせを含み得る。各コンピュータ/処理機器のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、当該コンピュータ可読プログラム命令を転送して、各コンピュータ/処理機器内のコンピュータ可読記憶媒体に格納する。
【0051】
本明細書に記載の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令としては、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の設定データ、あるいはSmalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語ならびにCプログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語等の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソース・コードまたはオブジェクト・コードが可能である。コンピュータ可読プログラム命令は、独立型ソフトウェア・パッケージとして全部または一部をユーザのコンピュータ上で実行することも可能であるし、一部をユーザのコンピュータ上、一部をリモート・コンピュータ上で実行することも可能であるし、全部をリモート・コンピュータまたはサーバ上で実行することも可能である。後者のシナリオでは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)等、任意の種類のネットワークを通じてリモート・コンピュータをユーザのコンピュータに接続することも可能であるし、(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを用いることによりインターネットを通じて)外部コンピュータに接続することも可能である。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の動作を実行するため、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をカスタマイズすることにより、たとえばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路がコンピュータ可読プログラム命令を実行可能である。
【0052】
本明細書においては、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して、特定の実施形態を説明している。なお、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロックならびにフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令により実装可能であることが明らかで、その旨了解されるものとする。
【0053】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ等のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介した実行によって、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定の機能/動作を実装する手段を生成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを構成可能である。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が格納されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定の機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、または他の機器、あるいはその組み合わせに対して特定の様態で機能するように指示し得る当該コンピュータ可読記憶媒体に格納可能である。
【0054】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他の機器上での実行によって、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定の機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他の機器へのロードによって、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能装置、または他の機器上で実行させることにより、コンピュータ実装プロセスを構成可能である。
【0055】
図中のフローチャートおよびブロック図は、種々実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の考え得る実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示している。この点、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実装する1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または一部を表し得る。特定の他の実施態様において、ブロックに記載の機能は、図面に記載の順序から外れて発生し得る。たとえば、連続して示す2つのブロックは実際のところ、関与する機能に応じて、実質的に同時に実行することも可能であるし、場合により逆の順序で実行することも可能である。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロックならびにブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、特定の機能または動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムにより実装することも可能であるし、専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行することも可能である。
【0056】
図1~
図9は、上記実施形態の詳述を可能にする概念図である。特に、図面および上記例は、本開示の範囲を単一の実施形態に限定するものではない。これは、上記または図示の要素の一部または全部の入れ替えによって、他の実施形態も可能となるためである。さらに、既知の構成要素を用いて特定の要素の一部または全部を実装可能な場合は、このような既知の構成要素のうち、本開示の理解に必要な部分のみを説明しており、このような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明については、上記実施形態が不明瞭とならないように省略している。本明細書においては、別段の明確な記述のない限り、ある実施形態が単一の構成要素を示すことで、それが必ずしも、他の実施形態が複数の同じ構成要素を含むことにはならず、その逆もまた同様である。さらに、本出願人は、本明細書または特許請求の範囲の如何なる用語についても、その旨の明瞭な記載のない限り、非一般的または特別な意味で解釈する意図はない。さらに、本開示は、本明細書において例示として参照する既知の構成要素の現在および将来の既知の同等物を網羅する。
【0057】
以上、例示を目的として種々実施形態の説明を提示したが、これらは、何ら網羅的であることも、開示の実施形態への限定であることも意図したものではない。当業者には、上記実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの改良および変形が明らかとなるであろう。本明細書に使用の専門用語は、実施形態の原理、実際の適用、もしくは市場に見られる技術の技術的改良の最良の説明のため、または、本明細書に開示の実施形態の当業他者による理解を可能にするために選定している。