(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】電池バランス回路及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240126BHJP
【FI】
H02J7/02 H
(21)【出願番号】P 2022084551
(22)【出願日】2022-05-24
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】202111579357.6
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521279527
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李聖華
(72)【発明者】
【氏名】王宏彰
(72)【発明者】
【氏名】艾祖華
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-032936(JP,A)
【文献】特開2010-063353(JP,A)
【文献】特開2013-066364(JP,A)
【文献】特開2014-108052(JP,A)
【文献】特開2017-063520(JP,A)
【文献】特表2013-514055(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105375539(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111976538(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113078714(CN,A)
【文献】台湾特許出願公開第201614926(TW,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0301222(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0152028(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0341785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0381925(US,A1)
【文献】国際公開第2021/068972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 58/22
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電源を受けて前記AC電源をDC電源に変換するAC-DCコンバータと、
電池リンクを形成するように直列に接続された複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの各々にそれぞれ対応して接続された複数のスイッチと、
入力側が各前記スイッチの入力側に並列に結合され、出力側が前記電池リンクに直列に接続された絶縁型DC-DCコンバータと、
前記AC-DCコンバータと、前記絶縁型DC-DCコンバータ及び前記複数のスイッチとの間に介在して結合されるラインスイッチと、
前記複数のスイッチ及び前記ラインスイッチを制御するための複数の制御信号を提供する制御ユニットと、を含む、
電池バランス回路。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御して、前記電池セルの電気エネルギーが前記絶縁型DC-DCコンバータを介して前記電池リンクに放出するように構成されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、前記ラインスイッチを導通制御するとともに、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御して、前記電池セルが前記AC電源から電気エネルギーを受けるように構成されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項4】
前記複数のスイッチは、電磁リレーであり、
各前記スイッチは、正極第1端子が前記DC電源の正極に接続され、負極第1端子が前記DC電源の負極に接続され、正極第2端子が前記電池セルの正極に対応して接続され、負極第2端子が前記電池セルの負極に接続されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項5】
前記複数のスイッチは、複数のスイッチユニットを含み、
前記複数の電池セルの正極は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、前記電池セルの前記正極に接続された前記スイッチユニットの他端が共通に接続されて前記DC電源の正極に接続され、
前記複数の電池セルの負極は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、前記電池セルの前記負極に接続された前記スイッチユニットの他端が共通に接続されて前記DC電源の負極に接続されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項6】
前記複数のスイッチは、複数のスイッチユニットとスイッチ群とを含み、
前記複数の電池セルのうちの最初の電池セルの正極は、前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記複数の電池セルのうちの最後の電池セルの負極は、前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記最初の電池セルと前記最後の電池セルとの間に介在する複数の前記電池セルの正極と負極との共通接続端は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記スイッチ群は、複数の切換スイッチユニットを含み、
前記複数のスイッチユニットの他端が前記複数の切換スイッチユニットに対応して接続されることにより、前記複数の電池セルの正極は、前記DC電源の正極に対応して接続され、前記複数の電池セルの負極は、前記DC電源の負極に対応して接続されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項7】
前記AC-DCコンバータは、AC-DC変換回路と、非絶縁型DC-DC変換回路とを含み、
前記非絶縁型DC-DC変換回路は、降圧変換回路であり、2つのスイッチとインダクタンスとを含む、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項8】
前記制御ユニットは、電池充電制御ユニットとコントローラとを含み、前記複数の電池セルの充電及び放電動作を制御するように構成されている、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項9】
前記複数のスイッチと前記複数の電池セルとの間に対応して介在して接続される複数の過電流保護素子をさらに含む、
請求項1に記載の電池バランス回路。
【請求項10】
電池バランス回路の動作方法であって、
前記電池バランス回路は、
電池リンクを形成するように直列に接続された複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの各々にそれぞれ対応して接続された複数のスイッチと、
DC電源と前記スイッチとの間に介在して結合されるラインスイッチと、を含み、
前記動作方法は、
前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御することと、
前記電池セルの電気エネルギーが前記電池リンクに放出することと、
前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、前記ラインスイッチを導通制御するとともに、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御することと、
前記電池セルが前記DC電源から電気エネルギーを受けることと、を含む、
電池バランス回路の動作方法。
【請求項11】
前記電池バランス回路は、入力側が各前記スイッチの第1側に並列に結合され、出力側が前記電池リンクに直列に接続された絶縁型DC-DCコンバータをさらに含み、
前記電池セルの電気エネルギーが前記絶縁型DC-DCコンバータを介して前記電池リンクに放出する、
請求項10に記載の電池バランス回路の動作方法。
【請求項12】
前記電池バランス回路は、AC電源を受けて前記AC電源を前記DC電源に変換するAC-DCコンバータをさらに含み、
前記ラインスイッチが前記AC-DCコンバータを介して前記AC電源に結合されている、
請求項10に記載の電池バランス回路の動作方法。
【請求項13】
前記複数のスイッチは、電磁リレーであり、
各前記スイッチは、正極第1端子が前記DC電源の正極に接続され、負極第1端子が前記DC電源の負極に接続され、正極第2端子が前記電池セルの正極に対応して接続され、負極第2端子が前記電池セルの負極に接続されている、
請求項10に記載の電池バランス回路の動作方法。
【請求項14】
前記複数のスイッチは、複数のスイッチユニットを含み、
前記複数の電池セルの正極は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、前記電池セルの前記正極に接続された前記スイッチユニットの他端が共通に接続されて前記DC電源の正極に接続され、
前記複数の電池セルの負極は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、前記電池セルの前記負極に接続された前記スイッチユニットの他端が共通に接続されて前記DC電源の負極に接続されている、
請求項10に記載の電池バランス回路の動作方法。
【請求項15】
前記複数のスイッチは、複数のスイッチユニットとスイッチ群とを含み、
前記複数の電池セルのうちの最初の電池セルの正極は、前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記複数の電池セルのうちの最後の電池セルの負極は、前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記最初の電池セルと前記最後の電池セルとの間に介在する複数の前記電池セルの正極と負極との共通接続端は、それぞれ前記複数のスイッチユニットのうちの1つの一端に接続され、
前記スイッチ群は、複数の切換スイッチユニットを含み、
前記複数のスイッチユニットの他端が前記複数の切換スイッチユニットに対応して接続されることにより、前記複数の電池セルの正極は、前記DC電源の正極に対応して接続され、前記複数の電池セルの負極は、前記DC電源の負極に対応して接続されている、
請求項10に記載の電池バランス回路の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池バランス回路及びその動作方法に関し、特に能動型電池バランス回路及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー(高出力)、高電圧のエネルギー貯蔵システムの応用では、通常は単一の電池で動作するわけではないので、高エネルギー(高出力)、高電圧のエネルギー貯蔵に適用するために、複数の電池セル(battery cell)パッケージをモジュール化する。
図1は、従来技術の複数の電池セルを有する電池モジュールの概略斜視図である。同図に示すように、各電池モジュール100は18個の電池セル101-10Nを有し、2列に配置され、直列に接続されている。したがって、エネルギー貯蔵システムの応用においては、高エネルギー(高出力)、高電圧の電力供給に適用するために、複数群の電池モジュール100を並列に接続することができる。
【0003】
単一の電池セル101-10Nでは、この電池セル101-10Nが経年劣化すると、満充電が早くなり、放電が早くなる異常現象が発生する。
図1に示す単一の電池モジュール100は18個の電池セル101-10Nを有し、そのうちの1つが早めに劣化すると、この劣化の進んだ電池セルが充放電時に他の17個の電池セルに対して以下の影響を与える。充電時には、この劣化の進んだ電池セルの充電電圧の上昇が比較的に速いため、電池モジュール100全体としては正常な充電を継続している間に、この劣化の進んだ電池セルは、過充電状態になったり(他の電池セルがまだ満充電していない可能性がある)、破損したりすることがある。一方、放電時には、この劣化の進んだ電池セルの放電電圧が急速に低下するため、電池モジュール100全体としては正常な放電過程を継続している間に、この劣化の進んだ電池セルは、過放電状態になったり(他の電池セルが放電しきれていない可能性がある)、破損したりすることがある
(電池バランス回路の従来技術は、例えば、以下の特許文献に開示されている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第113078714号
【文献】中国特許出願公開第110752635号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、従来技術の問題やボトルネックを解決するための電池バランス回路及びその動作方法をどのように設計するかが、本願発明者によって検討された重要な課題である。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電池バランス回路及び電池バランス回路の動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電池バランス回路は、AC電源を受けて前記AC電源をDC電源に変換するAC-DCコンバータと、電池リンクを形成するように直列に結合された複数の電池セルと、前記複数の電池セルの各々にそれぞれ対応して接続された複数のスイッチと、入力側が各前記スイッチの入力側に並列に接続され、出力側が前記電池リンクに直列に結合された絶縁型DC-DCコンバータと、前記AC-DCコンバータと、前記絶縁型DC-DCコンバータ及び前記複数のスイッチとの間に介在して結合されるラインスイッチと、前記複数のスイッチ及び前記ラインスイッチを制御するための複数の制御信号を提供する制御ユニットと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る電池バランス回路の動作方法において、前記電池バランス回路は、電池リンクを形成するように直列に接続された複数の電池セルと、前記複数の電池セルの各々にそれぞれ対応して接続された複数のスイッチと、DC電源と前記スイッチとの間に介在して結合されるラインスイッチと、を含み、前記動作方法は、前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御することと、前記電池セルの電気エネルギーが前記電池リンクに放出することと、前記複数の電池セルのいずれかの電池セルの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、前記ラインスイッチを導通制御するとともに、前記電池セルに対応する前記スイッチを導通制御することと、前記電池セルが前記DC電源から電気エネルギーを受けることと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電池バランス回路及び電池バランス回路の動作方法によれば、エネルギーの放出や補充により、経年劣化が進んだ電池セルの電池電圧を調整し、即ち、電池セルが蓄電能力の低下によって充電過程に電圧の上昇が比較的に速い場合に、比較的に高い電圧の電池セルのエネルギーを電池リンクに伝送し、電池セルが蓄電能力の降下によって放電過程に電圧の降下が比較的に速い場合に、AC電源により比較的に低い電圧の電池セルにエネルギーを補充する。このようにして、電池モジュール全体で劣化が進んだ電池セルの正常な動作を維持し、エネルギー貯蔵システムの応用では、電池セルを頻繁に交換することなく、電池モジュールの動作を持続に維持することができる。経年劣化の激しい電池セルを毎年のメンテナンス期間で交換することができ、エネルギー貯蔵システムの経済効果を高めることができる。
【0010】
本発明の目的を達成するためになされた本発明の技術、手段、及び効果をより良く理解するために、本発明の目的及び特徴は、本発明の詳細な説明及び添付図面を参照することによってより良く理解されると考えられるが、添付図面は、参照及び説明のみを提供するものであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来技術の複数の電池セルを有する電池モジュールの概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第1実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図3】本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第2実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図4】本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第3実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図5】本発明に係る電池バランス回路の好ましい実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図6】本発明に係る電池バランス回路の好ましい実施形態を示す詳細な回路ブロック図である。
【
図7】本発明に係る電池バランス回路の動作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の技術内容及び詳細な説明について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0013】
本発明に係る電池バランス回路及びその動作方法の技術的特徴を詳細に説明する前に、受動型電池バランス技術と能動型電池バランス技術について少し説明する。受動型電池バランス技術とは、エネルギー消費素子により比較的に高い電圧の電池セルのエネルギーを消費する技術であり、一般的な方法は、各電池セルはそれぞれスイッチ回路を介して抵抗素子を並列接続し、スイッチの導通及び並列接続された抵抗素子を制御することにより、比較的に高い電圧の電池セルのエネルギーを消費し、電池セルの電圧を低下させ、各電池セル間の電圧バランスを達成することである。
【0014】
能動型電池バランス技術に比べて、能動型電池バランス技術とは、電池間のエネルギーを再配分する技術であり、例えば、エネルギー貯蔵素子(インダクタンスやコンデンサなど)を用いて、まず比較的に高い電圧の電池セルのエネルギーを一時的に貯蔵し、その後、一時的に貯蔵したエネルギーを比較的に低い電圧の電池セルに放出して、各電池セルの電圧バランスの効果を達成する。
【0015】
従来の能動型電池バランス技術と比較して、本発明は、能動型電池バランスの効果を実現するための異なる技術手段を提案している。
【0016】
図2は、本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第1実施形態を示す回路ブロック図である。
図2に示すように、電池バランス回路は、複数(m個)の電池セルCell1~Cellmを有し、これらの電池セルCell1~Cellmが直列に接続されて電池リンクL
CELLを形成している。本実施形態の配置構造において、電池セルCell1~Cellmの正、負極(端子)は、それぞれスイッチユニットに接続されている、即ち、電池セルCell1の正、負極は、スイッチユニットS
1A、S
1Bにそれぞれ接続され、電池セルCell2の正、負極は、スイッチユニットS
2A、S
2Bにそれぞれ接続されることなどが続く。そのため、スイッチユニットの数量は電池セルの数量の2倍である。したがって、電池セルCell1~Cellmの数量を18とすると、スイッチユニットの数は36となる。
図2に示すように、電池セルCell1~Cellmは、スイッチユニットS
1a~S
mBを介して充放電回路200に接続されている。ここで、電池セルCell1~Cellmの正極は、それぞれスイッチユニットS
1a~S
mAを介して充放電回路200の正極給電端子又は正極受電端子に接続されている。同様に、電池セルCell1~Cellmの負極は、それぞれスイッチユニットS
1B~S
mBを介して充放電回路200の負極給電端子又は負極受電端子に接続されている。
【0017】
ちなみに、
図2に示す充放電回路200は、これらの電池セルCell1~Cellm(の少なくとも一方)の電圧が低すぎる場合に充電を行うか、電圧が高すぎる場合に放電を行う必要がある場合に、協働する充電回路と放電回路を模式的に示したものに過ぎない。即ち、充放電回路200は、充電と放電の両方の機能を有する回路であってもよく、又は、充放電回路200は、充電と放電の両方の機能を有する2群の回路であってもよく、本発明はこれらに限定されない。
【0018】
図3は、本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第2実施形態を示す回路ブロック図である。
図3に示すように、電池バランス回路は、複数(m個)の電池セルCell1~Cellmを有し、これらの電池セルCell1~Cellmは直列に接続されて電池リンクL
CELLを形成している。本実施形態の配置構造において、最初の電池セルCell1の正極はスイッチユニットS
1に接続され、最後の電池セルCellmの負極はスイッチユニットS
m+1に接続され、最初の電池セルと最後の電池セルとの間に介在する電池セルCell2-Cellm-1の正極と負極との共通接続端はスイッチユニットS
2~S
mに接続され、4つのスイッチユニット(詳細は後述)から構成されたスイッチ群Saにより、電池セルCell1~Cellmの充放電動作を実現する。そのため、スイッチユニットの総数量は電池セル数に5を加えた数量である。したがって、電池セルCell1~Cellmの数を18とすると、スイッチユニットの数は23となる。
【0019】
図4は、本発明に係る電池バランス回路のスイッチユニットの第3実施形態を示す回路ブロック図である。
図2及び
図3の実施形態に比べて、
図4に示すスイッチユニットは、リレーRL1~RL6(6個の電池セルを有する電池リンクL
CELLを例に挙げている)によって実現されている。言い換えると、リレーRL1~RL6を励磁制御することにより、スイッチを導通又は非導通にして電池セルCell1~Cell6の充放電動作の経路を提供する。
【0020】
具体的には、
図4に示す実施形態を例にとると、本発明に係る電池バランス回路は、主としてAC-DCコンバータ300と、複数の電池セルCell1~Cell6と、複数のスイッチユニットRL1~RL6と、絶縁型DC-DCコンバータ400と、ラインスイッチS
Cと、制御ユニット500とを含む。AC-DCコンバータ300は、AC電源V
ACを受けてAC電源V
ACをDC電源に変換する。複数の電池セルCell1~Cell6は、直列に接続されて電池リンクL
CELLを形成する。各スイッチユニットRL1~RL6は、各電池セルCell1~Cell6に対応して接続されている。
図4に示す実施形態では、各スイッチユニットRL1~RL6は電磁リレー(relay)であり、電磁効果の原理を利用してコイルを励磁させ、接点の状態を変化させてスイッチを導通又は非導通にする。また、スイッチユニットRL1~RL6の数量は電池セルCell1~Cell6と同じで、即ち第1電池セルCell1は第1スイッチユニットRL1に接続され、第2電池セルCell2は第2スイッチユニットRL2に接続されることなどが続く。
【0021】
絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側は、各スイッチユニットRL1~RL6の第1側に並列に接続されている。
図4に示すように、絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側は正極と負極とを有し、正極がAC-DCコンバータ300によって変換されたDC電源の正極に接続され、負極がAC-DCコンバータ300によって変換されたDC電源の負極に接続されている。各電磁リレーは第1側と第2側とを有し、第1側及び第2側はそれぞれ正極と負極とを有している。第1側の正極は、DC電源の正極と、絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側の正極とに接続され、第1側の負極は、DC電源の負極と、絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側の負極に接続され、第2側は、それぞれ対応する電池セルの正極と負極とに接続されている。言い換えると、全ての電磁リレーの第1側の正極は一緒に結合されて、DC電源の正極と絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側の正極と共通に結合され、電磁リレーの第1側の負極は一緒に結合されて、DC電源の負極と絶縁型DC-DCコンバータ400の入力側の負極とに共通に結合されている。
【0022】
また、絶縁型DC-DCコンバータ400の出力側は、電池リンクL
CELLに直列に結合されている。
図4に示すように、絶縁型DC-DCコンバータ400の出力側は正極と負極とを有している。正極が電池リンクL
CELLの正極端子(即ち第1電池セルCell1の正極)に結合され、負極が電池リンクL
CELLの負極端子(即ち第6電池セルCell6の負極)に結合されることにより、絶縁型DC-DCコンバータ400の出力側は、電池リンクL
CELLに直列に結合されている。
【0023】
ラインスイッチSCは、AC-DCコンバータ300と絶縁型DC-DCコンバータ400との間に介在して結合されるとともに、AC-DCコンバータ300とスイッチユニットRL1~RL6との間に介在している。ここで、ラインスイッチSCは、電磁リレースイッチ又はトランジスタスイッチ(例えばMOSFET)であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0024】
本発明に係る電池バランス回路は、これらの電池セルCell1~Cell6の充電過程において、全ての電池セルCell1~Cell6が正常な状態であれば、満充電時に全ての電池セルCell1~Cell6の電池電圧が高くなりすぎることはない。一方、これらの電池セルCell1~Cell6の放電過程において、全ての電池セルCell1~Cell6が正常な状態であれば、放電完了時に全ての電池セルCell1~Cell6の電池電圧が低くなりすぎることはない。
【0025】
本発明に係る電池バランス回路は、これらの電池セルCell1~Cell6の充電過程において、いずれかの電池セルCell1~Cell6の電池電圧が高すぎると、この(電圧が高すぎる)電池セルの電気エネルギーを電池リンクLCELLに放出させて、電池セルの電池電圧を下げて過充電状態にならないようにする。一方、これらの電池セルCell1~Cell6の放電過程において、いずれかの電池セルCell1~Cell6の電池電圧が低すぎると、AC電源VACによりこの(電圧が低すぎる)電池セルに電気エネルギーを供給して、電池セルの電池電圧を上げて過放電状態にならないようにする。
【0026】
具体的には、
図4に示すように、電池セルCell1~Cell6の充電過程において、制御ユニット500は、電池セルCell1~Cell6のいずれかの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、制御ユニット500によって提供されたスイッチ制御信号SRL1~SRL6により、電圧が高すぎる電池セルに対応するスイッチユニットRL1~RL6を導通制御して、電圧が高すぎる電池セルCell1~Cell6の電気エネルギーを、絶縁型DC-DCコンバータ400を介して電池リンクL
CELLに放出させる。例えば、電池リンクL
CELLの電池セルCell1~Cell6の充電過程中において、制御ユニット500は、第1電池セルCell1の電池電圧が高すぎる(即ち、高しきい電圧より高い)ことを検出した場合、第1スイッチ制御信号SRL1により第1スイッチユニットRL1を導通制御して、第1電池セルCell1の電気エネルギーを第1スイッチユニットRL1及び絶縁型DC-DCコンバータ400を介して電池リンクL
CELLに放出させる。第1電池セルCell1の電池電圧を下げて過充電状態にならないようにする以外に、第1電池セルCell1の電気エネルギーを無駄にしないように電池リンクL
CELLの充電用電気エネルギーとしてもよい。同様に、他の電池セルの動作原理については前述と同様であり、ここでは省略する。
【0027】
電池セルCell1~Cell6の放電過程において、制御ユニット500は、電池セルCell1~Cell6のいずれかの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、制御ユニット500によって提供されたスイッチ制御信号SCCにより、ラインスイッチSCを導通制御するとともに、提供されたスイッチ制御信号SRL1~SRL6により、電圧が低すぎる電池セルCell1~Cell6に対応するスイッチユニットRL1~RL6を導通制御して、電圧が低すぎる電池セルがAC電源VACから電気エネルギーを受けるようにする。ここで、低しきい電圧は、上記高しきい電圧よりも小さい。例えば、電池リンクLCELLの電池セルCell1~Cell6の放電過程において、制御ユニット500は、第1電池セルCell1の電池電圧が低すぎる(即ち、低しきい電圧より低い)ことを検出した場合、スイッチ制御信号SCCにより、ラインスイッチSCを導通制御するとともに、第1スイッチ制御信号SRL1により、第1スイッチユニットRL1を導通制御して、AC電源VACをラインスイッチSC及び第1スイッチユニットRL1を介して第1電池セルCell1に電気エネルギーを供給させて、第1電池セルCell1の電池電圧を上げて過放電状態にならないようにする。同様に、他の電池セルの動作原理については前述と同様であり、ここでは省略する。
【0028】
このようにして、電池バランス回路によれば、エネルギーの放出や補充により、経年劣化が進んだ電池セルの電池電圧を調整し、即ち、電池セルが蓄電能力の低下によって充電過程に電圧の上昇が比較的に速い場合に、比較的に高い電圧の電池セルのエネルギーを電池リンクLCELLに伝送し、電池セルが蓄電能力の降下によって放電過程に電圧の降下が比較的に速い場合に、AC電源により比較的に低い電圧の電池セルにエネルギーを補充する。このようにして、劣化が進んだ電池セルの電圧を他の電池セルの電圧とほぼ同じに維持することができ、電池モジュール全体の正常な動作を確保することができる。その結果、エネルギー貯蔵システムの応用では、電池セルを頻繁に交換することなく、電池モジュールの動作を持続に維持することができる。経年劣化の激しい電池セルを毎年のメンテナンス期間で交換することができ、エネルギー貯蔵システムの経済効果を高めることができる。
【0029】
また、
図4を併せて参照すると、本発明の実施形態では、電池バランス回路は、電池セルCell1~Cell6に対応する過電流保護素子、例えばヒューズF1~F7をさらに含んでもよいが、これに限定されない。これにより、これらの電池セルCell1~Cell6が充放電過程に過電流異常が発生した場合には、対応するヒューズF1~F7により過電流保護を行うことができ、これらの電池セルCell1~Cell6を保護することができる。
【0030】
図5は、本発明に係る電池バランス回路の好ましい実施形態を示す回路ブロック図である。
図5は、
図3(即ち、スイッチユニットの第2実施形態)に合わせる実施形態である。6個の電池セルを有する電池リンクL
CELLを例に挙げて説明すると、電池バランス回路は、主としてAC-DCコンバータ300と、絶縁型DC-DCコンバータ400と、制御ユニット500と、電池リンクL
CELLを形成するように直列に接続された複数(6個)の電池セルCell1~Cell6と、複数(7個)のスイッチユニットS
1~S
7と、切換スイッチユニットSa1、Sa2、Sb1、Sb2を備えるスイッチ群Saとを含む。ここで、制御ユニット500は、スイッチユニットS
1~S
7をそれぞれ制御するためのスイッチ制御信号S1c~S7cと、切換スイッチユニットSa1、Sa2、Sb1、Sb2をそれぞれ制御するための切換スイッチ制御信号Sa1c~Sb2cと、ラインスイッチS
Cを制御するためのスイッチ制御信号S
CCとを提供する。本実施形態では、スイッチユニットS
1~S
7の配置(接続関係)により、電池セルが多い電池モジュールに対して、スイッチユニットの数量を大幅に低減することができる(上記
図3についての説明のように)。それで、切換スイッチユニットSa1、Sa2、Sb1、Sb2の導通又は非導通を組み合わせることで、電池セルCell1~Cell6の充放電動作の経路を提供することができる。
【0031】
具体的には、
図5に示すように、電池セルCell1~Cell6の充電過程において、制御ユニット500は、電池セルCell1~Cell6のいずれかの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、制御ユニット500によって提供されたスイッチ制御信号S1c~S7cにより、電圧が高すぎる電池セルに対応するスイッチユニットS
1~S
7を導通制御して、電圧が高すぎる電池セルCell1~Cell6の電気エネルギーを、絶縁型DC-DCコンバータ400を介して電池リンクL
CELLに放出させる。例えば、電池リンクL
CELLの電池セルCell1~Cell6の充電過程中において、制御ユニット500は、第1電池セルCell1の電池電圧が高すぎる(即ち、高しきい電圧より高い)ことを検出した場合、第1切換スイッチ制御信号Sa1cにより第1切換スイッチユニットSa1を導通制御し、第2切換スイッチ制御信号Sa2cにより第2切換スイッチユニットSa2を導通制御し、第1スイッチ制御信号S1cにより第1スイッチユニットS
1を導通制御し、及び第2スイッチ制御信号S2cにより第2スイッチユニットS2を導通制御して、第1電池セルCell1の電気エネルギーを第1スイッチユニットS
1、第2スイッチユニットS2、第1切換スイッチユニットSa1、第2切換スイッチユニットSa2、及び絶縁型DC-DCコンバータ400を介して電池リンクL
CELLに放出させる。第1電池セルCell1の電池電圧を下げて過充電状態にならないようにする以外に、第1電池セルCell1の電気エネルギーを電池リンクL
CELLの充電用電気エネルギーとしてもよい。
【0032】
同様に、電池リンクLCELLの電池セルCell1~Cell6の充電過程中において、制御ユニット500は、第2電池セルCell2の電池電圧が高すぎることを検出した場合、第3切換スイッチ制御信号Sb1cにより第3切換スイッチユニットSb1を導通制御し、第4切換スイッチ制御信号Sb2cにより第4切換スイッチユニットSb2を導通制御し、第2スイッチ制御信号S2cにより第2スイッチユニットS2を導通制御し、及び第3スイッチ制御信号S3cにより第3スイッチユニットS3を導通制御して、第2電池セルCell2の電気エネルギーを第2スイッチユニットS2、第3スイッチユニットS3、第3切換スイッチユニットSb1、第4切換スイッチユニットSb2、及び絶縁型DC-DCコンバータ400を介して電池リンクLCELLに放出させる。第2電池セルCell2の電池電圧を下げて過充電状態にならないようにする以外に、第2電池セルCell2の電気エネルギーを電池リンクLCELLの充電用電気エネルギーとしてもよい。
【0033】
電池セルCell1~Cell6の放電過程において、制御ユニット500は、電池セルCell1~Cell6のいずれかの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、制御ユニット500によって提供されたスイッチ制御信号SCCにより、ラインスイッチSCを導通制御するとともに、提供されたスイッチ制御信号S1c~S7cにより、電圧が低すぎる電池セルCell1~Cell6に対応するスイッチユニットS1~S7を導通制御し、電圧が低すぎる電池セルがAC電源VACから電気エネルギーを受けるようにする。例えば、電池リンクLCELLの電池セルCell1~Cell6の放電過程において、制御ユニット500は、第1電池セルCell1の電池電圧が低すぎる(即ち、低しきい電圧より低い)ことを検出した場合、スイッチ制御信号SCCによりラインスイッチSCを導通制御し、第1切換スイッチ制御信号Sa1cにより第1切換スイッチユニットSa1を導通制御し、第2切換スイッチ制御信号Sa2cにより第2切換スイッチユニットSa2を導通制御し、第1スイッチ制御信号S1cにより第1スイッチユニットS1を導通制御し、及び第2スイッチ制御信号S2cにより第2スイッチユニットS2を導通制御して、AC電源VACをラインスイッチSC、第1切換スイッチユニットSa1、第2切換スイッチユニットSa2、第1スイッチユニットS1、第2スイッチユニットS2を介して第1電池セルCell1に電気エネルギーを供給させて、第1電池セルCell1の電池電圧を上げて過放電状態にならないようにする。
【0034】
同様に、電池リンクLCELLの電池セルCell1~Cell6の放電過程において、制御ユニット500は、第2電池セルCell2の電池電圧が低すぎることを検出した場合、スイッチ制御信号SCCによりラインスイッチSCを導通制御し、第3切換スイッチ制御信号Sb1cにより第3切換スイッチユニットSb1を導通制御し、第4切換スイッチ制御信号Sb2cにより第4切換スイッチユニットSb2を導通制御し、第2スイッチ制御信号S2cにより第2スイッチユニットS2を導通制御し、及び第3スイッチ制御信号S3cにより第3スイッチユニットS3を導通制御して、AC電源VACをラインスイッチSC、第3切換スイッチユニットSb1、第4切換スイッチユニットSb2、第2スイッチユニットS2、第3スイッチユニットS3を介して第2電池セルCell2に電気エネルギーを供給させて、第2電池セルCell2の電池電圧を上げて過放電状態にならないようにする。
【0035】
説明をまとめると、
図5に示す電池バランス回路のスイッチ群Sa(切換スイッチユニットSa1、Sa2、Sb1、Sb2を含む)及びスイッチユニットS
1~S
7の制御原則は、AC-DCコンバータ300が変換して出力するDC電源の正、負極性が、電池電圧が高すぎる(又は低すぎる)電池セルCell1~Cell6の正、負極性と一致することにより、エネルギーの放出や補充により、経年劣化が進んだ電池セルの電池電圧を調整することができる。
【0036】
同様に、
図2に示すスイッチユニットの第1実施形態は
図5の構造にも適用でき、そのスイッチユニットの制御原則は
図5と類似するため、詳細な制御と動作の説明についてここでは省略する。
【0037】
図6は、本発明に係る電池バランス回路の好ましい実施形態を示す詳細な回路ブロック図である。
図6は、AC-DCコンバータ300が、AC-DC変換回路301と、非絶縁型DC-DC変換回路(例えば、スイッチS1、スイッチS2、インダクタンスL1、キャパシタンスC1、及び抵抗R1を含む降圧変換回路)とをさらに含むことを示している。制御ユニット500は、電池セルCell1~Cell6の充電及び放電動作を制御するための、電池充電制御ユニット501と、コントローラ502とを含む。また、電池バランス回路は、コントローラエリアネットワークCAN(コントローラエリアネットワーク集積回路CAN ICとコントローラエリアネットワークバスとを備える)をさらに含む。これにより、制御ユニット500によって全体回路を検出し制御して結果を、コントローラエリアネットワークCANを介して外部に伝送し、遠隔操作者は、監視や状況把握することができ、システムに異常が発生した場合にリアルタイムにメンテナンスを行うことができ、システムの正常動作を維持する。
【0038】
図7は、本発明に係る電池バランス回路の動作方法のフローチャートである。電池バランス回路は、電池リンクを形成するように直列に接続された複数の電池セルと、各電池セルにそれぞれ対応して接続された複数のスイッチと、DC電源とこれらのスイッチとの間に介在して結合されるラインスイッチと、を含む。電池バランス回路の具体的な構成は、上記説明を参照することができるので、ここでは省略する。本発明に係る電池バランス回路の動作方法は次の通りである。
【0039】
複数の電池セルは、充電動作(S11)と放電動作(S21)とが可能である。これらの電池セルの充電過程において(S11)、複数の電池セルのいずれかの電池電圧が高しきい電圧より高いことを検出した場合、この電池セルに対応するスイッチを導通制御する(S12)。さらに、この電池セルの電気エネルギーが電池リンクに放出する(S13)。この電池セルの放電過程において(S21)、複数の電池セルのいずれかの電池電圧が低しきい電圧より低いことを検出した場合、ラインスイッチを導通制御するとともに、この電池セルに対応するスイッチを導通制御する(S22)。さらに、この電池セルがAC電源から電気エネルギーを受ける(S23)。
【0040】
以上をまとめると、本発明の特徴と利点は次の通りである。
(1)本発明に係る電池バランス回路によれば、エネルギーの放出や補充により、経年劣化が進んだ電池セルの電池電圧を調整し、即ち、電池セルの電圧が高すぎると、エネルギーを電池リンクLCELLに伝送し、電池セルの電圧が低すぎると、AC電源により補充する。このようにして、劣化が進んだ電池セルの電圧を他の電池セルの電圧とほぼ同じに維持することができ、電池モジュール全体の正常な動作を確保することができる。その結果、エネルギー貯蔵システムの応用では、電池セルを頻繁に交換することなく、電池モジュールの動作を持続に維持することができる。経年劣化の激しい電池セルを毎年のメンテナンス期間で交換することができ、エネルギー貯蔵システムの経済効果を高めることができる。
(2)特定の電池モジュールが固体スイッチを介して電池バランス回路に結合されるように選択された場合、この構造で接続する方式では、スイッチは2極単投スイッチ(従来の電磁弁スイッチ)の代わりに固体スイッチを用いることができるので、電池バランス回路におけるスイッチの寿命を増加させ、電池モジュール間の電圧差をより最適化することができる。
(3)電池リンクの充電では、最高電圧の電池セルを選択して、その電気エネルギーを回収して電池リンクにフィードバックし、電池リンクの充電時間を延長する。
(4)電池リンクの放電では、最低電圧の電池セルを選択してAC電源で充電し、電池リンクの放電時間を延長する。
【0041】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に基づくものであり、本発明の特許請求の範囲に合致する精神とその類似の変形例は、本発明の範囲に含まれるべきであり、当業者であれば、本発明の技術的範囲内において、容易に思いつくことができ、また、その変形例や修正例も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
100 電池モジュール
101-10N 電池セル
200 充放電回路
300 AC-DCコンバータ
301 AC-DC変換回路
400 絶縁型DC-DCコンバータ
500 制御ユニット
501 電池充電制御ユニット
502 コントローラ
Cell1~Cellm 電池セル
Cell1~Cell6 電池セル
F1~F7 ヒューズ
LCELL 電池リンク
RL1~RL6 スイッチユニット
S1A~SmB スイッチユニット
S1~Sm+1 スイッチユニット
Sa スイッチ群
SC ラインスイッチ
SRL1~SRL6 スイッチ制御信号
SCC スイッチ制御信号
S1~S7 スイッチユニット
S1c~S7c スイッチ制御信号
Sa1、Sa2、Sb1、Sb2 切換スイッチユニット
Sa1c~Sb2c 切換スイッチ制御信号
VAC AC電源