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特許7427063液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器
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  • 特許-液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
F24F6/00 F
F24F6/00 A
F24F6/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022178051
(22)【出願日】2022-11-07
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】202211122465.5
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】506036884
【氏名又は名称】プラマイゼロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 祥華
(72)【発明者】
【氏名】梁 光明
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 向文
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-128654(JP,A)
【文献】特開2001-65936(JP,A)
【文献】特開2017-6205(JP,A)
【文献】登録実用新案第3097941(JP,U)
【文献】特開平3-251601(JP,A)
【文献】特表2016-501665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造であって、
加湿器本体と、前記加湿器本体の頂部に取り付けられる上蓋と、前記上蓋と前記加湿器本体との間に位置する水漏防止構造と、を含み、
前記加湿器本体は、下から上へ水タンク、第1仕切板、及び蒸気ガイドカバーを順に含み、前記蒸気ガイドカバーには、第2吹出口第3吹出口が形成され、前記第1仕切板は、前記水タンクの頂部に設けられ、水タンクの外縁を密封するとともに水タンクと水漏防止構造とを仕切り、
前記水漏防止構造は、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第2吹出口及び第3吹出口にそれぞれ連通し、水流が前記第2吹出口又は前記第3吹出口から流出することを防止し、
前記加湿器本体が縦置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口及び前記第3吹出口から外へ排出され、前記加湿器本体が水平置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口又は前記第3吹出口から外へ排出される
ことを特徴とする液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造。
【請求項2】
前記水漏防止構造は、前記加湿器本体の右側に位置する第1水漏防止アセンブリと、前記加湿器本体の左側に位置する第2水漏防止アセンブリと、を含み、前記第1水漏防止アセンブリと、第2水漏防止アセンブリとは、対向して設けられ、
前記蒸気ガイドカバーは、左端に第2吹出口が形成され、右端に第3吹出口が形成され、前記第2吹出口と第3吹出口とは、対向して形成され、
前記第1水漏防止アセンブリは、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第2吹出口に連通し、前記第2水漏防止アセンブリは、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第3吹出口に連通する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造。
【請求項3】
前記第1水漏防止アセンブリは、第2密封カバーと、第1蒸気管路と、を含み、前記第2密封カバーは、前記加湿器本体の右端に位置し、底部が前記水タンクに連通し、前記第1蒸気管路は、入力端が前記第2密封カバーに固定接続され、出力端が前記加湿器本体の前端をバイパスして前記第2吹出口に連通し、
前記第2水漏防止アセンブリは、第3密封カバーと、第2蒸気管路と、を含み、前記第3密封カバーは、前記加湿器本体の右端に位置し、底部が前記水タンクに連通し、前記第2蒸気管路は、入力端が前記第3密封カバーに固定接続され、出力端が前記加湿器本体の前端をバイパスして前記第3吹出口に連通する
ことを特徴とする請求項2に記載の液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造。
【請求項4】
請求項3に記載の液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造を用いる加湿器であって、
前記第1仕切板の中心が水タンクへ凹むことにより凹部が形成され、前記凹部の頂部には、第2仕切板が設けられ、前記第2仕切板と前記凹部とにより第1収納キャビティが形成され、前記凹部の底部には、蒸気が第1収納キャビティに入るための複数の貫通孔が形成され、前記第2仕切板と前記蒸気ガイドカバーの底部とにより第2収納キャビティが形成され、
前記加湿器本体には、制御アセンブリがさらに設けられ、前記制御アセンブリは、頂部が前記第2仕切板の頂部に位置し、底部が前記第2仕切板を貫通して前記第1収納キャビティに位置し、蒸気の流路が制御されるように前記第1収納キャビティと第2収納キャビティとの間の通路を密封又は連通させ、
前記蒸気ガイドカバーの中心には、第1吹出口が形成され、前記第1吹出口と前記第2収納キャビティとが連通し、前記蒸気が前記第1吹出口から排出され、
前記第2仕切板の頂部には、前記第1収納キャビティの圧力を調節するための弾性具が設けられる
ことを特徴とする加湿器。
【請求項5】
前記制御アセンブリは、鋼球と、ばねと、密封具と、押圧ロッドと、第1密封カバーと、を含み、前記第2仕切板には、摺動孔が形成され、密封部の頂部は、前記第1密封カバー内に位置し、前記密封部の頂部には、前記押圧ロッドが套接され、前記密封部の底部は、前記摺動孔を貫通し、前記摺動孔を密封するための密封部が設けられ、
前記密封具の外側には、ばねが套設され、前記ばねは、頂部が押圧ロッドに当接し、底部が前記密封部に当接し、
前記鋼球は、前記第1密封カバーの内壁と前記押圧ロッドとの間のキャビティ内を移動し、前記鋼球が前記押圧ロッドの中心まで移動するとき、前記密封部と前記摺動孔とが分離し、前記鋼球が前記押圧ロッドの外縁まで移動したとき、前記密封部が前記摺動孔を密封する
ことを特徴とする請求項4に記載の加湿器。
【請求項6】
前記加湿器本体の縦断面は、近似楕円形であることを特徴とする請求項4に記載の加湿器。
【請求項7】
前記第2仕切板には、収納孔と排気孔とが形成され、前記収納孔及び前記排気孔は、前記第2仕切板を鉛直に貫通し、
前記弾性具は、前記収納孔内に位置する鉛直部と、前記鉛直部の頂部に取り付けられ、前記排気孔の頂部を水平に覆う水平部と、を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿器技術領域に関し、特に液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、加湿器が作動しているとき、水タンク内の蒸気が吹出口から外部環境に排出され、空気の湿度が効果的に上昇し、空気の質が向上するため、人々は新鮮な空気を得ることができる。
しかしながら、加湿器を使用中に誤って倒してしまうと、一般的に加湿器には水漏れ構造が設けられているため、水タンク内の水や蒸気は、水漏れ構造により密封され、各部品の間にある隙間を流動し、地面に流出してしまい、人の使用に支障をきたす。
【0003】
また、転倒した加湿器の加熱が続き、加湿器内で蒸気が発生するため、加湿器の内部圧力が上昇し続ける。圧力が所定の圧力になると、加湿器の内部タンクとカバーがその圧力下で爆発してしまい、高温の水や水蒸気が飛散する恐れがあるため、とても危険である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器を提出することを目的としている。ここで、水漏防止アセンブリは、加湿器が転倒するときの水流の加湿器からの流出を防止するとともに圧力を解放することができるため、加湿器の安全性が向上し、容器が転倒状態で排気できないことによる容器内部の圧力の増大が解消され、よって、容器が爆発する問題が解決される。
【0005】
本発明のある態様によれば、
液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造であって、
加湿器本体と、前記加湿器本体の頂部に取り付けられる上蓋と、前記上蓋と前記加湿器本体との間に位置する水漏防止構造と、を含み、
前記加湿器本体は、下から上へ水タンク、第1仕切板、及び蒸気ガイドカバーを順に含み、前記蒸気ガイドカバーには、第2吹出口和第3吹出口が形成され、前記第1仕切板は、前記水タンクの頂部に設けられ、水タンクの外縁を密封するとともに水タンクと水漏防止構造とを仕切り、
前記水漏防止構造は、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第2吹出口及び第3吹出口にそれぞれ連通し、水流が前記第2吹出口又は前記第3吹出口から流出することを防止し、
前記加湿器本体が縦置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口及び前記第3吹出口から外へ排出され、前記加湿器本体が水平置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口又は前記第3吹出口から外へ排出される液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造が提出される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、
前記水漏防止構造は、前記加湿器本体の右側に位置する第1水漏防止アセンブリと、前記加湿器本体の左側に位置する第2水漏防止アセンブリと、を含み、前記第1水漏防止アセンブリと、第2水漏防止アセンブリとは、対向して設けられ、
前記蒸気ガイドカバーは、左端に第2吹出口が形成され、右端に第3吹出口が形成され、前記第2吹出口と第3吹出口とは、対向して形成され、
前記第1水漏防止アセンブリは、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第2吹出口に連通し、前記第2水漏防止アセンブリは、入力端が前記水タンクに連通し、出力端が前記第3吹出口に連通する。
【0007】
本発明の他の態様によれば、
前記第1水漏防止アセンブリは、第2密封カバーと、第1蒸気管路と、を含み、前記第2密封カバーは、前記加湿器本体の右端に位置し、底部が前記水タンクに連通し、前記第1蒸気管路は、入力端が前記第2密封カバーに固定接続され、出力端が前記加湿器本体の前端をバイパスして前記第2吹出口に連通し、
前記第2水漏防止アセンブリは、第3密封カバーと、第2蒸気管路と、を含み、前記第3密封カバーは、前記加湿器本体の右端に位置し、底部が前記水タンクに連通し、前記第2蒸気管路は、入力端が前記第3密封カバーに固定接続され、出力端が前記加湿器の前端をバイパスして前記第3吹出口に連通する。
【0008】
本発明の他の態様によれば、
前記液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造を用いる加湿器であって、
前記第1仕切板の中心が水タンクへ凹むことにより凹部が形成され、前記凹部の頂部には、第2仕切板が設けられ、前記第2仕切板と前記凹部とにより第1収納キャビティが形成され、前記凹部の底部には、蒸気が第1収納キャビティに入るための複数の貫通孔が形成され、前記第2仕切板と前記蒸気ガイドカバーの底部とにより第2収納キャビティが形成され、
前記加湿器本体には、制御アセンブリがさらに設けられ、前記制御アセンブリは、頂部が前記第2仕切板の頂部に位置し、底部が前記第2仕切板を貫通して前記第1収納キャビティに位置し、蒸気の流路が制御されるように前記第1収納キャビティと第2収納キャビティとの間の通路を密封又は連通させ、
前記蒸気ガイドカバーの中心には、第1吹出口が形成され、前記第1吹出口と前記第2収納キャビティとが連通し、前記蒸気が前記第1吹出口から排出され、
前記第2仕切板の頂部には、前記第1収納キャビティの圧力を調節するための弾性具が設けられる加湿器が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、
前記制御アセンブリは、鋼球と、ばねと、密封具と、押圧ロッドと、第1密封カバーと、を含み、前記第2仕切板には、摺動孔が形成され、前記密封部の頂部は、前記第1密封カバー内に位置し、前記密封部の頂部には、前記押圧ロッドが套接され、前記密封部の底部は、前記摺動孔を貫通し、前記摺動孔を密封するための密封部が設けられ、
前記密封具の外側には、ばねが套設され、前記ばねは、頂部が押圧ロッドに当接し、底部が前記密封部に当接し、
前記鋼球は、前記第1密封カバーの内壁と前記押圧ロッドとの間のキャビティ内を移動し、前記鋼球が前記押圧ロッドの中心まで移動するとき、前記密封部と前記摺動孔とが分離し、前記鋼球が前記押圧ロッドの外縁まで移動したとき、前記密封部が前記摺動孔を密封する。
【0010】
本発明の他の態様によれば、前記加湿器本体の縦断面は、近似楕円形である。
【0011】
本発明の他の態様によれば、
前記第2仕切板には、収納孔と排気孔とが形成され、前記収納孔及び前記排気孔は、前記第2仕切板を鉛直に貫通し、
前記弾性具は、前記収納孔内に位置する鉛直部と、前記鉛直部の頂部に取り付けられ、前記排気孔の頂部を水平に覆う水平部と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
従来の技術と比べて、本発明の態様は、下記の有益な効果を奏する。
1、第1水漏防止アセンブリと第2水漏防止アセンブリは、加湿器本体の左右両側に設けられるため、第1水漏防止アセンブリと第2水漏防止アセンブリとにより連通構造が形成される。加湿器本体が転倒するとき、水タンクが水を加熱し続けるため水蒸気が発生し、水タンク内の圧力が増大する。第1水漏防止アセンブリと第2水漏防止アセンブリが水タンク内における大量の蒸気による圧力を加湿器の外側へ導出することができ、水タンク内部の圧力を減少し、加湿器が爆炸することを防止する。
2、加湿器本体が縦置きされる場合、制御アセンブリが前記第1収納キャビティと前記第2収納キャビティとの間の通路を連通させ、蒸気が直接第1仕切板の貫通孔から第1収納キャビティ内に排出され、その後制御アセンブリの作用下で第2収納キャビティ内に排出される。このとき、第2収納キャビティが第1吹出口に連通するため、蒸気が鉛直に上へ流れ、外側に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のある実施例に係る加湿器の概略図である。
図2】本発明のある実施例に係る加湿器本体の上面図である。
図3】本発明のある実施例に係る加湿器本体の断面図である。
図4図3におけるA部分の拡大図である。
図5】本発明のある実施例に係る弾性具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。下記の実施例は、本発明の技術的概念及び特徴を単に説明するための好適実施例である。その目的は、当業者が本発明の内容を理解して実施することができることにあり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0015】
本発明で言及される方向用語、例えば、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」など等が用いられる。これらの用語で示される方位は、図面で示される方位に基づき、本発明を分かりやすく説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。また、「第1」、「第2」で定義された事項は、一つ以上の特徴があることを明示的または暗黙的に説明するものであり、順序や重要度を説明するものではない。
【0016】
本発明の説明において、別途説明がない限り、「複数」は、二つ又は二つ以上である。
【0017】
本発明の説明において、別途説明又は規定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定接続でもよく、取り外し可能な接続でもよく、一体的な接続でもよい。また、機械接続でもよく、電気接続でもよく、通信接続でもよい。直接接続でもよく、中間媒体を介する間接接続でもよい。二つの素子の内部接続でもよく、二つの素子の相互作用関係でもよい。当業者は、具体的な状況に基づいて前述した用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0018】
図1図5を参照しながら、本発明の実施例に係る液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器を説明する。
【0019】
液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造は、加湿器本体1と、前記加湿器本体の頂部に取り付けられる上蓋2と、前記上蓋2と前記加湿器本体1との間に位置する水漏防止構造3と、を含み、前記加湿器本体1は、下から上へ水タンク11、第1仕切板12、及び蒸気ガイドカバー14を順に含み、前記蒸気ガイドカバー14には、第2吹出口142と第3吹出口143が形成される。
【0020】
前記第1仕切板12は、前記水タンク11の頂部に設けられ、水タンク11の外縁を密封するとともに水タンク11と水漏防止構造3とを仕切り、前記水漏防止構造3は、入力端が前記水タンク11に連通し、出力端が前記第2吹出口142及び第3吹出口143にそれぞれ連通し、水流が前記第2吹出口142又は前記第3吹出口143から流出することを防止し、前記加湿器本体1が縦置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口142及び前記第3吹出口143から外へ排出される。前記加湿器本体1が水平置きされる場合、蒸気が前記第2吹出口142又は前記第3吹出口143から外へ排出される。
【0021】
本発明に係る液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造において、第1仕切板12は、水タンク11の外縁を密封することができるため、加湿器本体1から水タンク11の外縁を経て流出する水流が減少する。また、加湿器が縦置きされる場合、水タンク11内に大量な蒸気が発生し、蒸気が第1仕切板12を経て蒸気ガイドカバー14の第2吹出口142と第3吹出口143から上蓋2へ排出される。
【0022】
加湿器が転倒し、水平置きされる場合、蒸気が水漏防止構造3の作用下で第2吹出口142又は第3吹出口143を経て上蓋2へ排出され、加湿器本体1が正常に排気できるようになり、周囲の空気の質が改善される。ここで、水漏防止構造3は、水流が第2吹出口142又は第3吹出口143から外部へ流出することを防止するため、加湿器本体1が傾斜しても水漏れしない効果が図れ、圧力がリリーフされる。これにより、容器が転倒状態で排気できないため内部の圧力の増加し、容器が爆発する問題が解決される。
【0023】
前記水漏防止構造3は、前記加湿器本体1の右側に位置する第1水漏防止アセンブリ31と、前記加湿器本体1の左側に位置する第2水漏防止アセンブリ32と、を含み、前記第1水漏防止アセンブリ31と、第2水漏防止アセンブリ32とは、対向して設けられる。
【0024】
前記蒸気ガイドカバー14は、左端に第2吹出口142が形成され、右端に第3吹出口143が形成され、前記第2吹出口142と第3吹出口143とは、対向して形成され、前記第1水漏防止アセンブリ31は、入力端が前記水タンク11に連通し、出力端が前記第2吹出口142に連通し、前記第2水漏防止アセンブリ32は、入力端が前記水タンク11に連通し、出力端が前記第3吹出口143に連通する。
【0025】
第1水漏防止アセンブリ31と第2水漏防止アセンブリ32は、加湿器本体1の左右両側に設けられるため、第1水漏防止アセンブリ31と第2水漏防止アセンブリ32とにより連通構造が形成される。加湿器本体1が転倒するとき、水タンク11が水を加熱し続けるため水蒸気が発生し、水タンク11内の圧力が増大する。第1水漏防止アセンブリ31と第2水漏防止アセンブリ32が水タンク11内における大量の蒸気による圧力を加湿器の外側へ導出することができ、水タンク11内部の圧力を減少し、加湿器が爆炸することを防止する。
【0026】
加湿器本体1が水平置きされ、加湿器本体1の右側が水平面に当接するとき、蒸気が第2水漏防止アセンブリ32において流動して第3吹出口143から排出される。お湯が第1水漏防止アセンブリ31において流動し、第1水漏防止アセンブリ31が加湿器の左端の第2吹出口142に連通するため、お湯の水位が第2吹出口142より高くなることが困難であり、お湯が流出しにくく、加湿器本体1が転倒しても水漏れしない効果が図れる。
【0027】
前記第1水漏防止アセンブリ31は、第2密封カバー311と、第1蒸気管路312と、を含み、前記第2密封カバー311は、前記加湿器本体1の右端に位置し、底部が前記水タンク11に連通し、前記第1蒸気管路312は、入力端が前記第2密封カバー311に固定接続され、出力端が前記加湿器本体1の前端をバイパスして前記第2吹出口142に連通する。
【0028】
前記第2水漏防止アセンブリ32は、第3密封カバー321と、第2蒸気管路322と、を含み、前記第3密封カバー321は、前記加湿器本体1の右端に位置し、底部が前記水タンク11に連通し、前記第2蒸気管路322は、入力端が前記第3密封カバー321に固定接続され、出力端が前記加湿器の前端をバイパスして前記第3吹出口143に連通する。
【0029】
加湿器本体1が水平置きされ、加湿器本体1の右側が水平面に当接するとき、お湯が水タンク11から第2密封カバー311内まで流動し、第1蒸気管路312において流動する。水タンク11におけるお湯の水位が第2吹出口142より高くなることが困難であるため、お湯が第2吹出口142から流出しにくく、水漏れしない効果が図れる。
【0030】
このとき、蒸気は、水タンク11から第3密封カバー321へ排出され、第2蒸気管路322において流動する。第3吹出口143が加湿器本体1の右端に位置するため、蒸気が第3吹出口143から順調に排出される。これにより、加湿器本体1が転倒しても、蒸気外部へ排出され、周囲の湿度が高くなる。
【0031】
液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造を用いる加湿器において、前記第1仕切板12の中心が水タンク11へ凹むことにより凹部121が形成され、前記凹部121の頂部には、第2仕切板122が設けられ、前記第2仕切板122と前記凹部121とにより第1収納キャビティ123が形成され、前記凹部121の底部には、蒸気が第1収納キャビティ123に入るための複数の貫通孔が形成され、前記第2仕切板122と前記蒸気ガイドカバー14の底部とにより第2収納キャビティ124が形成される。
【0032】
前記加湿器本体1には、制御アセンブリ13がさらに設けられ、前記制御アセンブリ13は、頂部が前記第2仕切板122の頂部に位置し、底部が前記第2仕切板122を貫通して前記第1収納キャビティ123に位置し、蒸気の流路が制御されるように前記第1収納キャビティ123と第2収納キャビティ124との間の通路を密封又は連通させる。これにより、蒸気の流動経路が制御される。
【0033】
前記蒸気ガイドカバー14の中心には、第1吹出口141が形成され、前記第1吹出口141と前記第2収納キャビティ124とが連通し、前記蒸気が前記第1吹出口141から排出され、前記第2仕切板122の頂部には、前記第1収納キャビティ123の圧力を調節するための弾性具15が設けられる。
【0034】
加湿器本体1が縦置きされる場合、制御アセンブリ13が前記第1収納キャビティ123と前記第2収納キャビティ124との間の通路を連通させ、蒸気が直接第1仕切板12の貫通孔から第1収納キャビティ123内に排出され、その後制御アセンブリ13の作用下で第2収納キャビティ124内に排出される。このとき、第2収納キャビティ124が第1吹出口141に連通するため、蒸気が鉛直に上へ流れ、外側に排出される。
【0035】
また、弾性具15は、加湿器本体1内部の圧力が大きすぎにならないように第1収納キャビティ123の圧力を調節することにより、爆発が防止される。
【0036】
前記制御アセンブリ13は、鋼球131と、ばね132と、密封具133と、押圧ロッド134と、第1密封カバー135と、を含み、前記第2仕切板122には、摺動孔1220が形成され、前記密封具133の頂部は、前記第1密封カバー135内に位置し、前記密封具133の頂部には、前記押圧ロッド134が套接され、前記密封具133の底部は、前記摺動孔1220を貫通し、前記摺動孔1220を密封するための密封部1331が設けられる。
【0037】
前記密封具133の外側には、ばね132が套設され、前記ばね132は、頂部が押圧ロッド134に当接し、底部が前記密封部1331に当接する。
【0038】
前記鋼球131は、前記第1密封カバー135の内壁と前記押圧ロッド134との間のキャビティ内を移動し、前記鋼球131が前記押圧ロッド134の中心まで移動するとき、前記密封部1331と前記摺動孔1220とが分離し、前記鋼球131が前記押圧ロッド134の外縁まで移動したとき、前記密封部1331が前記摺動孔1220を密封する。加湿器本体1が縦置きされたととき、鋼球131は、押圧ロッド134の頂部に位置するとともに押圧ロッド134を下へ押し、密封部1331を摺動孔1220から遠ざける。これにより、蒸気が水タンク11から第1収納キャビティ123内まで流動し、摺動孔1220、第2収納キャビティ124、第1吹出口141を順に経て、加湿器本体1から排出される。
【0039】
加湿器本体1が水平置きされる場合、鋼球131が第1密封カバー135内で移動して第1密封カバー135の側壁に位置し、押圧ロッド134への押しが解除されるため、密封部1331がばね132作用下で下へ移動し、密封部1331と摺動孔1220とが当接するようになり、密封部1331が摺動孔1220を密封する。これにより、蒸気が摺動孔1220から第2収納キャビティ124内まで排出できなくなる。
【0040】
なお、本発明に係る密封具133は、蒸気弁である。
【0041】
また、前記加湿器本体1の縦断面は、近似楕円形である。ここで、本発明において、加湿器本体1の縦断面は、近似楕円形とされる。図1に示すように、加湿器本体1の左右両側の曲率が小さく、前後両端の曲率が大きいため、加湿器本体1の左右両側が地面にスムーズに地面に接触することができる。これにより、加湿器本体1が転倒するリスクが低減する。
【0042】
また、前記第2仕切板122には、収納孔1221と排気孔1222とが形成され、前記収納孔1221及び前記排気孔1222は、前記第2仕切板122を鉛直に貫通し、前記弾性具15は、前記収納孔1221内に位置する鉛直部151と、前記鉛直部151の頂部に取り付けられ、前記排気孔1222の頂部を水平に覆う水平部152と、を含む。
【0043】
なお、弾性具15の鉛直部151は、鉛直に収納孔1221内に位置し、水平部152の底面は、第2仕切板122の頂面に当接する。このとき、第1収納キャビティ内の蒸気が多く圧力が大きい場合、蒸気が排気孔1222内まで流動し、水平部152を押し上げて第2収納キャビティ124内まで流動する。これにより、第1収納キャビティ123内の圧力が平衡され、加湿器本体1の爆発リスクが低減する。
【0044】
ここで、第2収納キャビティ124内の蒸気と水流が弾性具15を介して第1収納キャビティ123内へ流動しにくいため、蒸気逆流による水タンク11の汚染の問題が解決される。
【0045】
本発明の実施例に係る転倒しても水漏れしない機能を有する加湿器の他の部品及び操作方法は当業者にとって自明なものであるため、ここで省略する。
【0046】
本明細書の記述において、「実施例」、「例示」等の用語は、実施形態または実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語に対する概略的な説明は、必ずしも同じ実施形態または例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料または特性は、任意の1つまたは複数の実施形態または実施例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、当業者は、本発明の原理から逸脱しない限り、若干の改良及び修正を加えることができる。これらの改良及び修正も本発明の保護の範囲と見なされる。
【符号の説明】
【0048】
1、加湿器本体
11、水タンク
12、第1仕切板
121、凹部
122、第2仕切板
1220、摺動孔
1221、収納孔
1222、排気孔
123、第1収納キャビティ
124、第2収納キャビティ
13、制御アセンブリ
131、鋼球
132、ばね
133、密封具
1331、密封部
134、押圧ロッド
135、第1密封カバー
14、蒸気ガイドカバー
141、第1吹出口
142、第2吹出口
143、第3吹出口
15、弾性具
151、鉛直部
152、水平部
2、上蓋
3、水漏防止構造
31、第1水漏防止アセンブリ
311、第2密封カバー
312、第1蒸気管路
32、第2水漏防止アセンブリ
321、第3密封カバー
322、第2蒸気管路
【要約】      (修正有)
【課題】加湿器本体が転倒した場合においても、圧力を加湿器の外側へ導出することができ、加湿器の安全性が向上するとともに、容器内部の圧力増大による加湿器の爆炸を防止できる水漏防止アセンブリ及びそれを使用する加湿器を提供する。
【解決手段】本発明に係る液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造は、加湿器本体と、上蓋と、水漏防止構造と、を含み、加湿器本体は、下から上へ水タンク、第1仕切板、及び蒸気ガイドカバー14を順に含み、蒸気ガイドカバーには、第2吹出口142と第3吹出口143が形成され、第1仕切板は、水タンクの頂部に設けられ、水漏防止構造は、入力端が水タンクに連通し、出力端が第2吹出口及び第3吹出口にそれぞれ連通し、蒸気が第2吹出口及び第3吹出口から外へ排出される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5