(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/90 20200101AFI20240126BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240126BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240126BHJP
【FI】
A24F40/90
A24F40/51
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022546142
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 KR2022005999
(87)【国際公開番号】W WO2022231293
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0056870
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-521455(JP,A)
【文献】特許第6706712(JP,B1)
【文献】特表2019-537420(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111920099(CN,A)
【文献】中国実用新案第210988232(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0081003(KR,A)
【文献】特表2020-524982(JP,A)
【文献】特表2019-525747(JP,A)
【文献】特表2015-534458(JP,A)
【文献】特開2017-148065(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303591(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成基質を加熱する加熱素子と、
前記加熱素子に電力を供給するバッテリと、
電力を生成するハーベスト素子と、
前記ハーベスト素子から生成された交流電力を第1直流電力に変換する整流回路と、
前記整流回路から出力された第1直流電力を所定レベルの第2直流電力に変換するDC変換回路と、
前記第2直流電力を臨時保存する電力保存素子と、
前記ハーベスト素子から生成された電力の変換を制御し、
前記電力保存素子に臨時保存された第2直流電力で前記バッテリを充電することを制御する制御部と、
を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記ハーベスト素子から生成された電力を変換する電力変換回路と、
前記電力変換回路と接続され、前記バッテリの充電を制御する充電制御回路と、をさらに含み、
前記制御部は、
前記ハーベスト素子から電力が生成された場合、前記充電制御回路に第1制御信号を印加し、
前記充電制御回路は、
前記印加された第1制御信号によって前記変換された電力を前記バッテリに伝達することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記整流回路は、
前記ハーベスト素子と並列連結された第1スイッチと、
前記第1スイッチと接続された4個のスイッチで構成された第1フルブリッジ回路と、
前記第1フルブリッジ回路と並列連結された第1キャパシタと、
前記第1フルブリッジ回路と前記第1キャパシタとの間に接続されたダイオードと、を含み、
前記制御部は、
前記ハーベスト素子で生成された電力を前記第1フルブリッジ回路に伝達するように制御する制御信号を出力することを特徴とする請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記DC変換回路は、
前記整流回路の出力端に接続されたDC-DCコンバータであり、前記第2直流電力の電圧は、5Vであることを特徴とする請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記整流回路は、
前記ハーベスト素子と接続された4個のダイオードで構成された第2フルブリッジ回路と、
前記第2フルブリッジ回路と並列連結された第2キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記DC変換回路は、
前記整流回路の出力端に接続された電圧レギュレータ回路であり、前記第2直流電力の電圧は、5Vであることを特徴とする請求項
5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記バッテリの充電を制御する充電制御回路をさらに含み、
前記制御部は、
前記バッテリの電圧が第1臨界電圧以下である場合、前記充電制御回路に第2制御信号を印加し、
前記充電制御回路は、
前記第2制御信号によって前記電力保存素子に臨時保存された第2直流電力を前記バッテリに供給することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
ユーザのパフを感知するパフセンサと、
シガレットの挿入を感知する感知センサと、をさらに含み、
前記パフセンサ及び前記感知センサそれぞれの電源供給端(VDD)と、前記電力変換回路の出力端が連結されたことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記エアロゾル生成装置の状態情報を出力するディスプレイと、
前記ディスプレイを駆動させる駆動回路と、をさらに含み、
前記駆動回路の電源供給端(VDD)と、前記電力変換回路の出力端が直接連結されたことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
複数のセンサと、
それぞれのセンサの電源供給端(VDD)と、前記電力変換回路の出力端との間にそれぞれ接続された複数のスイッチをさらに含み、
前記制御部は、
前記複数のセンサのうち、少なくとも1つのセンサに選択的に電力を供給するように前記複数のスイッチを制御する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
センサと、
ディスプレイと、
前記電力変換回路と前記充電制御回路との間に接続された第4スイッチと、
前記電力変換回路と前記センサとの間に接続された第5スイッチと、
前記電力変換回路と前記ディスプレイとの間に接続された第6スイッチと、をさらに含み、
前記制御部は、
前記バッテリ、前記センサ及び前記ディスプレイのうち、少なくとも1つに選択的に電力を供給するように前記第4ないし第6スイッチを制御する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記ハーベスト素子は、複数個であり、
第1ハーベスト素子と前記電力変換回路との間に接続された第7スイッチと、
第2ハーベスト素子と前記電力変換回路との間に接続された第8スイッチと、をさらに含み、
前記制御部は、
前記第1ハーベスト素子と前記第2ハーベスト素子のうち、少なくとも1つから生成された電力を前記電力変換回路に伝達するように前記第7ないし第8スイッチを制御する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記ハーベスト素子は、
圧電素子(Piezoelectic)、熱電素子(Thermoelectric)、光電素子(Photoelectic)、電磁気素子(Electyomagnetism)のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記ハーベスト素子は、
ユーザパフによって前記エアロゾル生成装置の内部に外部空気が導入される気流通路に配置された回転ファン(rotataion fan)であることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、ハーベスト素子を用いてバッテリ充電、電力供給を遂行することができるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
一般的なエアロゾル生成装置は、エアロゾル発生物品を加熱するヒータまたは蒸気化器を含む。バッテリに保存された電力を用いてヒータまたは蒸気化器に電力を提供するので、随時にバッテリの充電が要求される。しかし、エアロゾル生成装置の大きさは、携帯しやすく作製されるので、バッテリの容量に限界があり、主に野外で使用されるエアロゾル生成装置の特性上、バッテリの随時充電が不可能である。したがって、バッテリの放電によってエアロゾル生成装置が使用できない場合が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ハーベスト素子から生成された電力でもって、エアロゾル生成装置のバッテリを充電するか、エアロゾル生成装置の部品に供給することで、エネルギー効率が増加し、バッテリの充電時間を短縮することができるエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
本発明の技術的課題は、上述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成する加熱素子;前記加熱素子に電力を供給するバッテリ;エアロゾル生成装置の所定の位置に配置されたハーベスト素子;及び前記ハーベスト素子から生成された電力の変換を制御し、前記変換された電力を用いて前記バッテリへの充電を制御する制御部;を含む。
【発明の効果】
【0007】
実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置に配置されたハーベスト素子から生成された電力でエアロゾル生成装置のバッテリを充電するか、エアロゾル生成装置の部品に供給することで、エネルギー効率が増加し、バッテリの充電時間を短縮することができる。
【0008】
本発明の効果は、上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図6】
図5に図示された電力変換回路500の例示的なブロック図である。
【
図7】
図5に図示された電力変換回路500の他の例示的なブロック図である。
【
図8】
図5に図示された電力変換回路500のさらに他の例示的なブロック図である。
【
図9】
図7に図示されたDC-DCコンバータ710の例示的なブロック図である。
【
図10】
図8に図示されたDC電圧レギュレータ810の他の例示的なブロック図である。
【
図11】他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図12】さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図13】さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図14A】さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【
図14B】さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0011】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0012】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0015】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ200、制御部400及びヒータ100を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器11をさらに含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット20が挿入されうる。
【0016】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0017】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置10にヒータ100が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ100は省略されうる。
【0018】
図1には、バッテリ200、制御部400及びヒータ100が一列に配置されていると図示されている。また、
図2には、バッテリ200、制御部400、蒸気化器11及びヒータ100が一列に配置されていると図示されている。また、
図3には、蒸気化器11及びヒータ100が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、
図1ないし
図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置10の設計によって、バッテリ200、制御部400、ヒータ100及び蒸気化器11の配置は変更されうる。
【0019】
シガレット20がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、ヒータ100及び/または蒸気化器11を作動させ、シガレット20及び/または蒸気化器11からエアロゾルを発生させうる。ヒータ100及び/または蒸気化器11によって発生したエアロゾルは、シガレット20を通過してユーザに伝達される。
【0020】
必要によって、シガレット20がエアロゾル生成装置10に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置10は、ヒータ100を加熱することができる。
【0021】
バッテリ200は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ200は、ヒータ100または蒸気化器11が加熱されるように電力を供給し、制御部400の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ200は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0022】
制御部400は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部400は、バッテリ200、ヒータ100及び蒸気化器11だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部400は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かを判断しうる。
【0023】
制御部400は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0024】
ヒータ100は、バッテリ200から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ100は、シガレットの外部に位置しうる。したがって、加熱されたヒータ100は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0025】
ヒータ100は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ100には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ100が加熱されうる。しかし、ヒータは、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されうるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されていてもよい。
【0026】
一方、他の例として、ヒータ100は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ100には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含んでもよい。
【0027】
例えば、ヒータ100は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット20の内部または外部を加熱することができる。
【0028】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ100が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ100は、シガレット20の内部に挿入されるようにも配置され、シガレット20の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ100のうち、一部は、シガレット20の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット20の外部に配置されうる。また、ヒータ100の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0029】
蒸気化器11は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット20を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器11によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器11によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0030】
例えば、蒸気化器11は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置10に含まれうる。
【0031】
液体保存部は、液状組成物を保存する。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器11から/に脱/付着されるようにも作製され、蒸気化器11と一体に作製されうる。
【0032】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または、風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0033】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0034】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0035】
例えば、蒸気化器11は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それに限定されない。
【0036】
一方、エアロゾル生成装置10は、バッテリ200、制御部400、ヒータ100及び蒸気化器11以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット20が挿入された状態でも、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0037】
図1ないし
図3には図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ200の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10が結合された状態でヒータ100が加熱されうる。
【0038】
シガレット20は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット20は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット20の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれうる。例えば、顆粒状またはカプセル状に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0039】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に第1部分の一部のみ挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0040】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部椀は、シガレット20の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット20の内部に流入されうる。
【0041】
以下、
図4を参照して、シガレット20の一例について説明する。
【0042】
【0043】
図4を参照すれば、シガレット20は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。
図1ないし
図3を参照して、上述した第1部分は、タバコロッド21を含み、第2部分は、フィルタロッド22を含む。
【0044】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントであると図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド22には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0045】
シガレット20は、少なくとも1枚のラッパ24によって包装されうる。ラッパ24には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット20は、1枚のラッパ24によって包装されうる。他の例として、シガレット20は、2以上のラッパ24によって重畳して包装されうる。例えば、第1ラッパによってタバコロッド21が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド22が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド21及びフィルタロッド22が結合され、第3ラッパによってシガレット20全体が再包装されうる。もし、タバコロッド21またはフィルタロッド22それぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット20全体が他のラッパによって再包装されうる。
【0046】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることで添加することができる。
【0047】
タバコロッド21は、多様にも作製されうる。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)状に作製され、ストランド(strand)状にも作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによって作製されうる。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミ箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド21は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0048】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0049】
フィルタロッド22は、香味が発生するように作製されうる。一例として、フィルタロッド22に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド22の内部に挿入されうる。
【0050】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれる。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を遂行し、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル23は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0051】
もし、フィルタロッド22にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却する機能を遂行可能であれば、制限なしに該当しうる。
【0052】
一方、
図4には図示されていないが、一実施例によるシガレット20は、前端フィルタをさらに含んでもよい。前端フィルタは、タバコロッド21において、フィルタロッド22に反対となる一側に位置する。前端フィルタは、タバコロッド21の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド21から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1ないし
図3の10)に流れて行くことを防止することができる。
【0053】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置10のブロック図である。
【0054】
図5を参照すれば、
図1ないし3に図示されたエアロゾル生成装置10の構成要素であるヒータ100、バッテリ200、制御部400を含み、エネルギーハーベスティングのためのハーベスト素子510と電力変換回路500、バッテリ200の充電を制御する充電制御回路210を含む。また、センサ110とディスプレイ120とを含む。ここで、
図1ないし3を参照して説明した構成要素についての説明は省略し、エネルギーハーベスティング構成と、エアロゾル生成装置10の構成との結合と、多様な実施例に基づいて説明する。
【0055】
エネルギーハーベスティングは、機器周辺の環境エネルギー、太陽と風のような自然エネルギーを集めて使用した技術であって、捨てられるか、活用されていない資源からエネルギーを収獲(Harvesting)または利用可能なものを探してエネルギーを再生産することを意味し、マイクロワット(μW)ないしミリワット(mW)程度の範囲を有する。
【0056】
エネルギーハーベスティングは、エネルギーを得るために使用する方式によって多様に分けられる。自然からエネルギーが得られる方式には、太陽光からエネルギーを得るソーラーセル方式、熱から電気エネルギーを得る熱電素子方式、振動から電気エネルギーを得る圧電素子方式、そして電磁波からエネルギーを得るRF方式などがある。
【0057】
ハーベスト素子510は、エアロゾル生成装置10の多様な位置で発生するエネルギー源から電力を収集する。実施例において、ハーベスト素子510は、圧電素子(Piezoelectic)、熱電素子(Thermoelectric)、光電素子(Photoelectic)、電磁気素子(Electyomagnetism)、ファン(fan)タイプの素子でもある。例えば、エアロゾル生成装置10のヒータ100周囲に配置された熱電素子であるか、RFを受信するアンテナ(図示せず)周囲に配置された電磁気素子であるか、ユーザのパフによって装置10の内部に外部空気が導入される気流通路に配置されたファンタイプの素子でもある。また、実施例において、ハーベスト素子510は、複数個であり、エアロゾル生成装置10の適切な位置に配置されうる。
【0058】
電力変換回路500は、ハーベスト素子510で生成された電力を変換する。ハーベスト素子510で生成された電力は、エアロゾル生成装置10に直ぐ適用することができない。したがって、電力変換回路500は、ハーベスト素子510から生成された電力を装置10のバッテリ200、センサ110またはディスプレイ120に供給可能な電力に変換する。電力変換回路500は、AC電力をDC電力に整流する整流回路、整流されたDC電力を装置に適したDC電圧サイズを有するDC電力に変換するDC変換回路、DC電力を臨時保存する電力保存素子を含んでもよい。電力変換回路の具体的な構成は、
図6を参照して後述する。
【0059】
制御部400は、電力変換回路500を制御し、ハーベスト素子510の出力電力が最大になるように制御する。一般的に、ハーベスト素子510のエネルギー源、素子の材料、デザインなどによってハーベスト素子510の出力電圧が異なる。例えば、熱電素子の場合、温度差を電位差に変換するゼーベック効果(Seebeck Effect)に基づいて温度差が大きいほど、さらに多くのエネルギーを発生させ、電力密度は、約50~500mW/cm3であり、効率は、0.1~10%である。圧電素子の場合、振動または動きによって正電荷、負電荷が分けられる誘電分極現象を用いたものであって、圧力を加えれば、表面の電荷密度が変わって電気が流れつつエネルギーを発生させ、電力密度は、約0.001~90mW/cm3であり、効率は、25~60%である。
【0060】
実施例において、制御部400は、ハーベスト素子510の種類と、エアロゾル生成装置10の動作状態、例えば、装置10の動作周期、ヒータのヒーティングサイクル(PWMデューティー比)、または加熱プロファイル、パフセンサ(または、圧力センサ)で感知したユーザパフ、パフ周期またはパフ強度などに基づいて電力変換回路500にスイッチング制御信号を出力し、ハーベスト素子510の出力電力が最大となるように制御する。
【0061】
充電制御回路210は、電力変換回路500から出力された直流電力をバッテリ200に伝達する。充電制御回路210は、電力変換回路500から出力された直流電力を装置100のバッテリ200の充電規格(充電電流、充電電圧)に合うように定電流(Constant Current)または定電圧(Constant Voltage)方式で充電を制御する。
【0062】
制御部400は、充電制御回路210を制御し、ハーベスト素子510から生成された電力をバッテリ200に供給してヒータ100を動作させうる。例えば、制御部400は、装置10の動作が終了した場合、非活性化モードである場合(すなわち、バッテリ200が放電していない場合)、またはハーベスト素子510に電力を最大限生成することができる装置10条件である場合、ハーベスト素子510で生成された電力をバッテリに充電させうる。したがって、1回充電によるバッテリ200の使用時間、例えば、1回充電時に喫煙可能なシガレット個数を、例えば、20個から21個以上に増加させうる。
【0063】
また、制御部400は、バッテリ200の電圧をモニタリングし、バッテリ200が過放電された場合、充電制御回路210を制御してハーベスト素子510から生成された電力でバッテリ200を充電することができる。例えば、シガレットを装置10に挿入すれば、装置10は、シガレットを加熱するためのバッテリ残量を計算し、ユーザがシガレット1個を吸い込むのに十分なバッテリ残量(例えば、14回のパフまたは3分前後)が足りない場合、装置10は動作しなくなり、ユーザは、喫煙希望時に喫煙できなくなり、装置10を充電器に連結させねばならない不便さがあった。その場合、装置10を動作させたとき、制御部400は、バッテリ200の残量がシガレット1個を吸い込むのに十分ではない場合、充電制御回路210を制御し、電力変換回路500に臨時保存された、または変換された直流電力をバッテリ200に充電させうる。したがって、ユーザが使用しようとするとき、装置10を一定時間または一定場所で使用することができない不便さを減らしうる。
【0064】
センサ110は、ユーザのパフを感知するパフセンサ、シガレットの挿入を感知する感知センサ(例えば、インダクティブセンサ)、動きを感知する傾斜センサ、ジャアイロセンサ、温度センサ、湿度センサなどを含む。センサ110は、複数個でもあり、各センサ110を制御するセンサ制御部(図示せず)をさらに含んでもよい。制御部400は、センサ110を制御し、センサ110からセンシングされたセンサ信号を受信し、装置10の関連動作を制御する。実施例において、センサ110の電源供給端(VDD)は、電力変換回路の出力端と接続され、センサ110の駆動に必要な電力を供給する。制御部400は、センサ110のセンシング周期またはセンシング条件に基づいて、ハーベスト素子510の出力電力を最大化するように電力変換回路500を制御することができる。例えば、温度センサで感知されたヒータ100の温度に基づいて温度差による熱電素子の生産電力を最大に制御するか、圧力センサで感知したユーザパフに基づいてファン素子の生産電力を最大に制御する。また、制御部400は、センサ110の動作周期または電源供給の要否によってハーベスト素子510で生成された電力をセンサ110またはバッテリ200を含む他の部品に伝達することができる。
【0065】
ディスプレイ120は、装置10の状態情報を出力する。ディスプレイ120は、LCD、LEDまたはOLEDパネルでもあり、ディスプレイ駆動回路(図示せず)をさらに含む。ディスプレイ120またはディスプレイ駆動回路(図示せず)の電源供給端VDDは、電力変換回路500の出力端と接続され、制御部400の制御によってディスプレイ120の駆動に必要な電力を供給する。
【0066】
図6は、
図5に図示された電力変換回路500の例示的なブロック図である。
【0067】
図6を参照すれば、電力変換回路500は、整流回路600、DC変換回路610及び電力保存素子620を含む。
【0068】
整流回路600は、ハーベスト素子510から生成された交流電力を第1直流電力に変換する。整流回路600は、ハーベスト素子510から生成された交流を直流に変換する機能を遂行する。整流回路600は、半波整流または全波整流回路であり、整流回路600は、4個のスイッチで構成されたフルブリッジ回路、4個のダイオードで構成されたフルブリッジ回路、2個のダイオードと2個のスイッチで構成されたフルブリッジ回路でもあるが、その形態に限定されるものではない。
【0069】
DC変換回路610は、整流回路600から出力された第1直流電力を所定サイズの第2直流電力に変換する。DC変換回路610は、DC-DCコンバータ、電圧レギュレータ回路を含む。DC変換回路610は、装置10のバッテリ充電電圧(例えば、5V)、センサVDD電圧(例えば、1.7~3.6V)、ディスプレイVDD電圧(例えば、3.3V)に変換する。
【0070】
電力保存素子620は、第2直流電力を臨時保存する。電力保存素子620は、リチウムイオンバッテリ(LiB)、充電式薄膜固体バッテリ(SSB)キャパシタまたはスーパーキャパシタのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それに制限されず、電力を保存可能であれば、多様に採択されうる。実施例において、ハーベスト素子510で生成された電力を整流及びDC変換して直ぐバッテリ200、センサ110またはディスプレイ120に供給するか、電力保存素子620に保存しておき、制御部400の制御によって必要な場合にバッテリ200、センサ110またはディスプレイ120に供給することもできる。
図7は、
図5に図示された電力変換回路の他の例示的なブロック図である。
【0071】
図7を参照すれば、ハーベスト素子510と接続された電力変換回路700が図示されている。電力変換回路700は、4個のスイッチQ
1ないしQ
4で構成されたフルブリッジ回路と、ダイオードDとキャパシタC
1、ハーベスト素子510とフルブリッジ回路との間に接続されたスイッチQsを含む整流回路700、DC-DCコンバータ710を含む。
【0072】
制御部400は、スイッチQsを制御してハーベスト素子510からの出力が最大になるように制御する。制御部400は、ハーベスト素子510が生成する交流電力の電流方向が変わる時点(zero crossing point)にスイッチQsをターンオンさせ、ハーベスト素子510の出力両端を短絡させる。それにより、ハーベスト素子510の内部キャパシタ(図示せず)に充電された電荷を瞬間的に整流回路700のフルブリッジ回路の入力側に放電させうる。したがって、ハーベスト素子510が生成した電力を内部キャパシタに保存していて放電するのに必要なエネルギー消耗(損失)を減らし、整流回路700の出力電力を高めることができる。制御部400は、内部キャパシタに充電された電力がいずれも整流回路700に伝達された場合、再びスイッチQsをターンオフさせてハーベスト素子510で生成された電力を内部キャパシタに保存させる。次いで、再びハーベスト素子510で生成された電力の電流方向が変わる時点にスイッチQsをターンオンさせる。
【0073】
実施例において、制御部400は、装置10の動作、例えば、ヒータ加熱による温度変化、パフによる圧力変化、パフによる外気量変化などに基づいてハーベスト素子510それぞれの電力生産特性(交流電力の電流方向が変わる時点)を判断し、ハーベスト素子510で生成された電力が整流回路700に最大限伝達されるようにゼロクロッシングスイッチング制御を遂行することができる。
【0074】
ハーベスト素子510で生成された交流電力を4個のスイッチQ1ないしQ4で構成されたフルブリッジ回路に入力されて交流を直流に整流する。それぞれのスイッチは、ゲート電極G、ドレイン電極D、ソース電極SからなるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、以下、MOSFETと称する)素子でもある。スイッチとして、N型トランジスタ(NMOS)を利用する場合、当該スイッチは、ハイレベル(high level)を有するゲート電圧によってターンオンされ、ローレベル(low level)を有するゲート電圧によってターンオフされる。スイッチとして、P型トランジスタ(PMOS)を利用する場合、スイッチはハイレベルを有するゲート電圧によってターンオフされ、ローレベルを有するゲート電圧によってターンオンされる。
【0075】
フルブリッジ回路で整流された電力は、キャパシタC1を通じてさらに平滑化される。キャパシタC1は、フルブリッジ回路の出力電圧中に含まれた脈流分を減少(リップル除去)させるための低域フィルタとして使用される。
【0076】
ダイオードDは、フルブリッジ回路を通じて整流され、キャパシタC1を通じて平滑化された電力がDC-DCコンバータ710にいずれも伝達されるようにする機能を遂行する。
【0077】
DC-DCコンバータ710は、整流回路700から出力された直流電力を所定レベルの直流電力に調節する。DC-DCコンバータ710は、装置10に適したDC電圧に昇圧または変換する。例えば、バッテリ充電電圧、例えば、5V、センサVDD電圧、例えば、1.7~3.6V、ディスプレイVDD電圧、例えば、3.3Vに変換する。
【0078】
図9は、
図7に図示されたDC-DCコンバータ710の例示的なブロック図である。
【0079】
図9を参照すれば、DC-DCコンバータ910は、同期式DC-DCブーストコンバータであり、入力電圧Vinの範囲は、2.3V~6.0Vであり、出力電圧Voutは、5.0Vである。入力電圧Vinは、整流回路700の出力端子に接続され、出力電圧Voutは、
図5に図示された充電制御回路210、または
図6に図示された電力保存回路620、またはセンサ110、またはディスプレイ120の電源供給端子VDDに接続される。
【0080】
実施例において、整流回路700から出力された直流電力がDC-DCコンバータ910を通じて所定レベル、例えば、5Vの電圧を有する直流電力に変換され、装置10のバッテリまたは他の部品で使用されうる。5V電圧の直流電力に変換されると説明したが、それに限定されず、
図9に図示された抵抗、キャパシタ、インダクタの値と配置を調整して多様な入力電圧範囲ないし出力電圧範囲を有するように設計可能であるということは言うまでもない。
【0081】
DC-DCコンバータ910のメインチップ900の入力端に接続された抵抗RILIMを通じてプログラム可能な入力電流制限機能を遂行することができる。例えば、全体温度範囲において、500mAで±20%電流正確度を有し、100mA~1500mA範囲でプログラム可能である。
【0082】
図8は、
図5に図示された電力変換回路500のさらに他の例示的なブロック図である。
【0083】
図8を参照すれば、ハーベスト素子510と接続された電力変換回路800が図示されている。電力変換回路800は、4個のダイオードD1ないしD4で構成されたフルブリッジ回路と、キャパシタC
2を含む整流回路800、電圧レギュレータ回路810を含む。
【0084】
ハーベスト素子510で生成された交流電力が、4個のダイオードD1ないしD4で構成されたフルブリッジ回路に入力され、交流が直流に整流される。フルブリッジ回路で整流された直流電力は、キャパシタC2を通じて再び平滑化される。キャパシタC2は、フルブリッジ回路の出力電圧中に含まれた脈流分を減少(リップル除去)させるための低域フィルタとして使用される。
【0085】
電圧レギュレータ回路810は、整流回路800から出力された直流電力を所定サイズの直流電力に変換する。電圧レギュレータ回路810は、装置10で必要なDC電圧サイズに昇圧または変換する。例えば、バッテリ充電電圧、例えば、5V、センサVDD電圧、例えば、1.7~3.6V、ディスプレイVDD電圧、例えば、3.3Vに変換する。
【0086】
図10は、
図8に図示された電圧レギュレータ回路810の他の例示的なブロック図である。
【0087】
図10を参照すれば、LDO(Low Dropout)レギュレータ1010が図示されており、LDOレギュレータは、一般に入力電圧が出力電圧と非常に近い場合に使用可能である。レギュレータ101の入力側Vinは、整流回路800の出力側と接続され、出力側Voutは、
図5に図示された充電制御回路210、または
図6に図示された電力保存回路620、またはセンサ110またはディスプレイ120の電源供給側(VDD)に接続される。
【0088】
LDO電圧レギュレータ1010の入力側電圧は、6Vであり、出力側電圧は、5Vである。したがって、整流回路800の出力電圧が6Vであり、バッテリの充電電圧である5Vに変換するように回路設計されたが、それに限定されず、多様な大きさの入力電圧範囲と、多様な大きさの出力電圧範囲に設計可能であるということは言うまでもない。
【0089】
図11は、他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0090】
図11を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、複数のセンサ111ないし113を含む。複数のセンサ111ないし113は、ユーザパフを感知する圧力センサまたはパフセンサ、シガレット挿入を感知する感知センサ、例えば、インダクティブセンサ、キャパシタセンサ、近接センサ、IRセンサであるか、ヒータの温度を感知する温度センサ、傾斜センサまたはジャアイロセンサなどでもある。
【0091】
電力変換回路500の出力端とそれぞれのセンサ111ないし113の電源供給端が接続される。また、電力変換回路500とセンサ1 111との間に第1スイッチS1、電力変換回路500とセンサ2 112との間に第2スイッチS2、電力変換回路500とセンサ3 113との間に第3スイッチS3が追加される。制御部400は、第1ないし第3スイッチS1ないしS3をスイッチング制御し、選択的にハーベスト素子510で生成された電力をセンサ111ないし113に伝達することができる。
【0092】
実施例において、制御部400は、電力変換回路500のDC変換回路610に変換されたDC電力量または電力保存素子620に保存されたDC電力量、及びセンサ111ないし113のうち、優先順位などを考慮して、センサ111ないし113に選択的に電力を伝達することができる。
【0093】
図12は、さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0094】
図12を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、充電制御回路210、バッテリ200及びヒータと、センサ110、ディスプレイ120を含む。
【0095】
電力変換回路500の出力端と充電制御回路210、センサ110及びディスプレイ120がそれぞれ接続される。電力変換回路500の出力端と充電制御回路210との間に備えられた第4スイッチS4、電力変換回路500の出力端とセンサ110との間に備えられた第5スイッチS5、電力変換回路500の出力端とディスプレイ120との間に備えられた第6スイッチS6を含む。
【0096】
制御部400は、第4ないし第6スイッチS4ないしS6をスイッチング制御し、ハーベスト素子510で生成された電力をバッテリ200、センサ110またはディスプレイ120に選択的に伝達することができる。
【0097】
実施例において、制御部400は、電力変換回路500のDC変換回路610において変換されたDC電力量または電力保存素子620に保存されたDC電力量、またはバッテリ200の充電量を考慮して、バッテリ200に伝達するか、センサ110またはディスプレイ120に選択的に電力を伝達することができる。例えば、バッテリ200の充電量が臨界値以上である場合、第4スイッチをターンオフさせ、第5スイッチS5をターンオンさせてセンサ110に電力を供給することができる。また、装置10の電源オフ状態において、センサ110の電源供給が不要な場合、第6スイッチS6をターンオンさせてディスプレイ120に電力を供給し、ディスプレイ120のオールウェイズ・オン・ディスプレイ(Always On Display)機能を具現することもできる。ここで、オールウェイズ・オン・ディスプレイ機能は、画面常時オン機能であって、パワーオフまたはスリープモードで画面の限定された部分または領域に必要な表示(例えば、時間表示、バッテリ残量表示など)を遂行することを意味する。
【0098】
図13は、さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0099】
図13を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、複数のハーベスト素子511ないし513を含み、それぞれのハーベスト素子の出力端と電力変換回路500が連結される。複数のハーベスト素子は、圧電素子(Piezoelectic)、熱電素子(Thermoelectric)、光電素子(Photoelectic)、電磁気素子(Electyomagnetism)、または、回転ファンタイプ素子でもある。
【0100】
第7スイッチS7は、第1ハーベスト素子511と電力変換回路500との間に接続され、第8スイッチS8は、第2ハーベスト素子512と電力変換回路500との間に接続され、第9スイッチS9は、第Nハーベスト素子513と電力変換回路500との間に接続される。
【0101】
制御部400は、第7ないし第9スイッチS7ないしS9をスイッチング制御して、選択的に複数のハーベスト素子511ないし513から電力を生成して、電力変換回路500に伝達することができる。
【0102】
制御部400は、装置10の現在動作状態、例えば、ヒータ加熱、中断、ユーザパフなどを判断して、ハーベスト素子511ないし513のうち、1つ以上を選択的に動作させうる。例えば、ヒータ加熱中である場合、第7スイッチS7をターンオンさせてハーベスト素子511から生成された電力を電力変換回路500に伝達する。この際、電力変換回路500をスイッチング制御して、ハーベスト素子511内での損失を最小化することで、電力変換回路500で最大の出力電力が得られるようにする。
【0103】
また、制御部400は、複数のハーベスト素子511及び512から生成された電力を電力変換回路500に伝達し、この際、第7スイッチS7及び第8スイッチS8のスイッチングタイミングで順次にそれぞれの電力を電力変換回路500に伝達するか、同時にターンオンさせ、それぞれの生成された電力が合算されて電力変換回路500に伝達されうる。また、それぞれのハーベスト素子511ないし513と接続されたそれぞれの電力変換回路を通じて生成された電力を変換することもできる。
【0104】
図14A及び
図14Bは、さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0105】
図14Aを参照すれば、エアロゾル生成装置10は、カートリッジ1400、制御部400及びバッテリ200を含む。ここで、カートリッジ1400は、制御部400及びバッテリ200を含む本体に着脱可能であり、本体に結合された場合、接触端子1410及び1420を通じて本体のバッテリ400から電力を供給され、制御部400の制御信号を受信することができる。カートリッジ140は、コイルヒータまたは超音波霧化器を含み、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができる。液状組成物が加熱されて生成されたエアロゾルは、ユーザに吸入されうる。
【0106】
図14Bを参照すれば、
図14AのA領域を拡大した図面である。気流通路1460は、エアロゾル生成装置10の外部から内部に気流が流入される通路である。気流は、ユーザの吸入によって気流通路1460に流入される。気流は、気流通路1460を通過してカートリッジ1400のコイルヒータまたは蒸気化器によって生成されたエアロゾルと共にユーザに伝達されうる。
【0107】
気流通路1460は、
図14Aに図示されたカートリッジ1400と本体との結合部位の間隙を通じて流入されていると図示されているが、気流通路200の配置は、それに制限されない。
【0108】
回転ファン1450は、気流によって回転されて電力を生産することができる。回転ファン1450は、気流によって回転され、回転エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。回転ファン1450は、気流通路1460の内部に配置されて内部を流動する気流を用いて回転によって電力を生産することができる。回転ファン1450は、圧力センサ1430と隣接して配置され、圧力センサ1430の反応(ユーザパフ感知)を誘導する前に配置されうる。
【0109】
回転ファン1450は、制御部400とリード線1440を通じて電気的に連結されて生成された電力を制御部400に伝達することができる。
【0110】
エアロゾル生成装置10または制御部400は、
図5ないし
図13を参照して説明した電力変換回路及び他の構成要素をさらに含んでもよい。制御部400は、回転ファン1450と電気的に連結されて生成された電力を直流電力に整流させ、整流された直流電力を所定サイズの直流電力に変換してバッテリまたは他の部品の直流電源に供給することができる。
【0111】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれていると解釈されねばならない。