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特許7427122超音波画像面に関する介入デバイス位置決め
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】超音波画像面に関する介入デバイス位置決め
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023041950
(22)【出願日】2023-03-16
(62)【分割の表示】P 2021506328の分割
【原出願日】2019-08-07
(65)【公開番号】P2023085343
(43)【公開日】2023-06-20
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】18198814.8
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/716,115
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】メイゲンズ ミシャ
(72)【発明者】
【氏名】スタペルツ ヘンドリク ルーロフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴクガーラー ムスタファ ハカン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ パス ステファン
(72)【発明者】
【氏名】コルツミット イェルーン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヒーシュ フランシスクス ヘンドリクス
(72)【発明者】
【氏名】ベルト ハルム ヤン ウィレム
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン アーミート クマー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイジャ クナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニョン フランソワ ガイ ジェラルド マリエ
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0041252(US,A1)
【文献】米国特許第6556957(US,B1)
【文献】米国特許第4401124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの位置を決定するシステムであって、前記介入デバイスの前記位置、前記超音波イメージングプローブと前記介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定され、
前記超音波イメージングプローブによって定義された前記画像面に対応する再構成された超音波画像を提供する、画像再構成ユニットと、
前記超音波イメージングプローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信された最大検出強度の超音波信号の飛行時間に基づいて、前記画像面に関して前記超音波トランスデューサの位置を算出し、
前記再構成された超音波画像において算出された前記位置を表示する
位置決定ユニットと
を備える、システムにおいて
前記位置決定ユニットは、さらに、以下の条件、すなわち、
算出された前記位置の変化のレートが、第1の所定のレートを超えることと、
前記超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値を超えることと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された前記位置の前記表示を抑制するよう構成されている、システム。
【請求項2】
前記位置決定ユニットは、さらに、以下の対応する条件、すなわち、
算出された前記位置の変化のレートが、第2の所定のレートよりも小さいことと、
前記超音波信号中の干渉信号が、第2の所定の値よりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが、所定の期間の間満たされるまで、算出された前記位置の前記表示を抑制し続ける、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の所定のレートが、前記第2の所定のレートに等しいか、又は前記第1の所定の値が、前記第2の所定の値に等しい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記位置決定ユニットは、前記超音波信号中の干渉信号が前記第1の所定の値を超えることに基づいて、算出された前記位置の前記表示を抑制し、前記画像再構成ユニットが、前記再構成された超音波画像を周期的に更新し、各再構成された超音波画像に対応する前記超音波信号が、対応するイメージングフレーム期間中に送信され、前記超音波イメージングプローブによって検出され、前記位置決定ユニットが、連続するイメージングフレーム期間の間に前記超音波信号中の前記干渉信号を決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置決定ユニットは、前記超音波信号中の干渉信号が前記第1の所定の値を超えることに基づいて、算出された前記位置の前記表示を抑制し、前記再構成された超音波画像が、前記再構成された超音波画像における深さ寸法に各々対応する複数の画像ラインを含み、前記再構成された超音波画像の各ラインに対応する前記超音波信号が、対応する画像ライン期間中に送信され、前記超音波イメージングプローブによって検出され、前記位置決定ユニットが、連続する画像ライン期間の間に前記超音波信号中の前記干渉信号を決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記再構成された超音波画像における算出された前記位置を表示することが、
前記最大検出強度を、前記最大検出強度を有する前記超音波信号の前記飛行時間において、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度の予想される変動を表すモデルと比較することによって、前記超音波トランスデューサと前記画像面との間の面外距離を算出することと、
前記再構成された超音波画像において前記面外距離を表示することと
を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記面外距離を表示することが、算出された横方向位置において第1のアイコンを提供することを有し、前記第1のアイコンが、前記面外距離に対応する半径をもつ円形ゾーンを示す、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記半径が、前記最大検出強度を、前記最大検出強度を有する前記超音波信号の前記飛行時間における、前記予想される面内最大検出強度にスケーリングすることに基づいて決定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
超音波トランスデューサが取り付けられた介入デバイスをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの位置を決定するシステムの作動方法であって、前記介入デバイスの前記位置、前記超音波イメージングプローブと前記介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定される、作動方法であり
前記システムは、画像再構成ユニットと位置決定ユニットとを含み、
前記方法は、
前記画像再構成ユニットが、前記超音波イメージングプローブによって定義された前記画像面に対応する再構成された超音波画像を生成するステップと、
前記位置決定ユニットが、前記超音波イメージングプローブと前記超音波トランスデューサとの間で送信された最大検出強度の超音波信号の飛行時間に基づいて、前記画像面に関して前記超音波トランスデューサの横方向位置を算出するステップと、
前記位置決定ユニットが、前記再構成された超音波画像における算出された前記横方向位置を表示するステップと、
を有し、さらに、
以下の条件、すなわち、
算出された前記横方向位置の変化のレートが、第1の所定のレートを超えることと、
前記超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値を超えることと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、前記位置決定ユニットが、算出された前記横方向位置の前記表示を抑制するステッ
を有することを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記位置決定ユニットが、前記最大検出強度を、前記最大検出強度を有する前記超音波信号の前記飛行時間において、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度の予想される変動を表すモデルと比較することによって、前記超音波トランスデューサと前記画像面との間の面外距離を算出するステップをさらに有し、
前記再構成された超音波画像における算出された前記横方向位置を表示するステップが、前記位置決定ユニットが、前記再構成された超音波画像において前記面外距離を表示するステップをさらに有する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの位置を決定するコンピュータプログラムであって、前記介入デバイスの前記位置を、前記超音波イメージングプローブと前記介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定するシステムのプロセッサ上で実行されたとき、前記プロセッサに、請求項10又は11に記載の方法のステップを行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビームフォーミング超音波イメージングプローブの画像面に関して介入デバイスの位置を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
医療針、カテーテル、及び外科用器具など、介入デバイスは、しばしば、特に好ましくない入射角における、それらの反射率の鏡面性により、超音波画像において視覚化することが困難である。
【0003】
この点において、文献WO2018060499A1は、ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの介入デバイス特徴の位置を表示するためのシステムであって、介入デバイス特徴の位置が、超音波イメージングプローブと介入デバイス特徴から所定の距離離れて介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定される、システムについて説明している。アイコン提供ユニットが、所定の距離に対応する半径をもつ円形ゾーンを示す、第1のアイコンを提供する。第1のアイコンは、ビームフォーミング超音波イメージングシステムからの再構成された超音波画像を含む融合された画像において表示される。
【0004】
文献米国特許出願公開第2016/0324501(A1)号、WO2011138698A1、WO2015101949A1及びWO2016009350A1も、計器に搭載された超音波受信器で、超音波フィールドにおいて計器を追跡するためのシステムについて説明している。その後、超音波受信器の位置が、超音波フィールドに対応する超音波画像において表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのソリューションにもかかわらず、超音波イメージング面に関して介入デバイスの位置を決定するための技法の改善の余地が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ビームフォーミング超音波イメージングプローブの画像面に関する介入デバイスの位置決めを改善するために、ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの位置を決定することであって、介入デバイスの位置が、超音波イメージングプローブと介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定される、決定することを行うためのシステムが提供される。本システムは、画像再構成ユニットと位置決定ユニットとを備える。画像再構成ユニットは、超音波イメージングプローブによって定義された画像面に対応する再構成された超音波画像を提供する。位置決定ユニットは、超音波イメージングプローブと超音波トランスデューサとの間で送信された最大検出強度の超音波信号の飛行時間に基づいて、画像面に関して超音波トランスデューサの位置を算出し、再構成された超音波画像における算出された位置を表示する。その上、位置決定ユニットは、以下の条件、すなわち、
算出された位置の変化のレートが、第1の所定のレートを超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値を超えることと、
最大検出強度が、第1の所定のしきい値よりも小さいことと、
最大検出強度の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベルよりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された位置の表示を抑制する。
【0007】
本発明の発明者によって発見された問題は、位置決定ユニットによって決定された位置がエラーの影響を受けやすいことである。潜在的に不正確な位置の可能性が、上述のパラメータを監視することによって確実に決定され得る。上述の条件下で、算出された位置の表示を抑制することによって、潜在的に不正確な位置が表示されることは防がれる。
【0008】
一態様によれば、位置決定ユニットは、以下の対応する条件、すなわち、
算出された位置の変化のレートが、第2の所定のレートよりも小さいことと、
超音波信号中の干渉信号が、第2の所定の値よりも小さいことと、
最大検出強度が、第2の所定のしきい値を超えることと、
最大検出強度の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第2の所定のレベルを超えることと
のうちの少なくとも1つが、所定の期間の間満たされるまで、算出された位置の表示を抑制し続ける。
【0009】
第2の所定のレート、値、しきい値及びレベルは、対応する第1の所定のパラメータに等しいか、又はそれらとは異なる。対応する条件が所定の期間の間満たされるまで、算出された位置の表示を抑制し続けることによって、算出された位置は、時間とともに安定するまで、再び表示されないことが確実になるので、システムの信頼性がさらに改善される。異なるしきい値を随意に使用すると、意思決定にヒステリシスが追加される。そうすることにより、より信頼できるシステムが提供される。
【0010】
一態様によれば、算出された位置の表示を抑制するための条件は、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値を超えることに基づく。位置決定ユニットは、連続するイメージングフレーム期間の間に超音波信号中の干渉及び/又は雑音信号を測定する。連続するフレーム期間の間に「静穏」期間があり、その期間中に、ごく少ない超音波信号が超音波イメージングプローブによって送信されることが予想され、反射された超音波信号が検出されないことが予想される。結果として、この静穏期間は、システムによって検出された干渉及び/又は雑音のみが確実に測定され得る時間を表す。
【0011】
一態様によれば、算出された位置の表示を抑制するための条件は、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値を超えることに基づく。位置決定ユニットは、連続する画像ライン期間の間に超音波信号中の干渉及び/又は雑音信号を測定する。画像ラインは、一般に連続的に送信され、送信フェーズと受信フェーズとを含み、それらのフェーズ中に、超音波イメージングプローブは、超音波信号を送信し、その後、反射された超音波信号を受信する。1つのイメージングラインの受信フェーズの終了と、後続の画像ラインの送信フェーズとの間に、反射が予想されない「静穏」期間がある。結果として、この静穏期間は、システムによって検出された干渉及び/又は雑音のみが確実に測定され得る時間を表す。
【0012】
他の態様によれば、本システムとともに使用される方法及び対応するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0013】
本システムに関して説明される様々な態様は、さらなる有利な効果を提供するために、組み合わせられることに留意されたい。その上、本システムの態様は、本方法と互換的に使用され、その逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】面内介入デバイス11、及びシステム10の形態の本発明の一実施形態と組み合わせた、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14を示す図である。
図2】面外距離Dop離れて配設された介入デバイス11、及びシステム10の形態の本発明の一実施形態と組み合わせた、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14を示す図である。
図3】介入デバイスの算出された位置LAPTOFSmax,θIPAが表示される、再構成された超音波画像RUIを示す図である。
図4】再構成された超音波画像RUIに対する周期的更新の遷移、RUI’、RUI’’を示す図である。
図5】再構成された超音波画像RUIにおける飛行時間又は深さ寸法に各々対応する複数の画像ラインL1..nを含む再構成された超音波画像RUIを示す図である。
図6】飛行時間TOFに伴う面内最大検出強度ISmaxInplane(dB)の予想される変動を表すモデルMOを示す図である。
図7】面外距離Dopが、算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAにおいて、第1のアイコンCopによって表示される、再構成された超音波画像RUIの遷移を示す図である。
図8】システム10とともに使用するのに好適である介入デバイス11を示す図である。
図9】システム10とともに使用される方法の様々な方法のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の原理を示すために、医療針によって例示される介入デバイスの位置が、2D超音波イメージングプローブの線形アレイによって定義された画像面に関して示される、様々なシステムが説明される。その上、いくつかの例では、遠位端など、医療デバイスの特徴の位置も追跡される。
【0016】
ただし、本発明は、限定はしないが、カテーテル、ガイドワイヤ、プローブ、内視鏡、電極、ロボット、フィルタデバイス、バルーンデバイス、ステント、僧帽弁クリップ、左心耳閉鎖デバイス、大動脈弁、ペースメーカー、静脈ライン、ドレナージライン、外科用器具、組織封止デバイス、組織切断デバイス、又は埋込み可能なデバイスなど、他の介入デバイスにも適用できることを諒解されたい。そのような介入デバイスの追跡される特徴は、介入デバイスの遠位端、介入デバイスの生検サンプリング点、介入デバイスのカッティングエッジ、介入デバイス内のチャネルの開口、介入デバイスの(例えば、流れ、圧力、温度などを検知するための)センサー、介入デバイスに組み込まれた外科用器具(例えば、スクレーパー)、介入デバイスの薬物送達点、又は介入デバイスのエネルギー送達点を例示的に含む。
【0017】
さらに、2D超音波イメージングプローブの例示される線形アレイは、本発明が使用されるビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波トランシーバアレイの一例にすぎないことを諒解されたい。本発明は、関連する超音波トランシーバアレイが、3Dイメージングプローブ(又はバイプレーンビュー)、「TRUS」経直腸超音波検査プローブ、「IVUS」血管内超音波プローブ、「TEE」経食道プローブ、「TTE」経胸腔プローブ、「TNE」経鼻プローブ、「ICE」心臓内プローブの2Dアレイを例示的に含む、他のタイプのビームフォーミング超音波イメージングシステムにおいても適用できる。
【0018】
図1は、面内介入デバイス11、及びシステム10の形態の本発明の一実施形態と組み合わせた、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14を示す。図1では、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14は、画像再構成ユニットIRU、イメージングシステムプロセッサISP、イメージングシステムインターフェースISI及びディスプレイDISPと通信している、2D超音波イメージングプローブ13を備える。ユニットIRU、ISP、ISI及びDISPは、従来、2D超音波イメージングプローブ13とワイヤード通信しているコンソール中にある。例えば、光通信リンク、赤外線通信リンク、又はRF通信リンクを使用する、ワイヤレス通信が、ワイヤードリンクに取って代わることも企図される。例えば、Philips Lumify超音波イメージングシステムの場合のように、ユニットIRU、ISP、ISI及びDISPのうちのいくつかが、代わりに、2D超音波イメージングプローブ13内に組み込まれることも企図される。図1では、2D超音波イメージングプローブ13は、関心ボリュームVOIをインターセプトする超音波フィールド内で、超音波エネルギーを送信及び受信する、線形超音波トランシーバアレイ16を備える。超音波フィールドは、図1では扇形であり、画像面12を定義する複数の超音波ビームB1..kを含む。扇形ビームは、説明のために図1に示されているにすぎず、本発明は、特定の形状の超音波フィールドに限定されないことに留意されたい。ビームフォーミング超音波イメージングシステム14は、ビームB1..k中の超音波信号を生成及び検出するために、2D超音波イメージングプローブ13によって送信又は受信される信号の位相を増幅及び/又は調整するように構成された、図示されていない電子ドライバと受信器回路とをも備える。したがって、電子ドライバ及び受信器回路は、放出及び/又は受信される超音波ビーム方向を変えるために使用される。
【0019】
使用中、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14は、以下のようにして動作される。オペレータが、イメージングシステムインターフェースISIを介した超音波プロシージャを計画する。動作プロシージャが選択されると、イメージングシステムインターフェースISIは、2D超音波イメージングプローブ13によって送信及び検出される信号を生成及び解釈するアプリケーション固有プログラムを実行するように、イメージングシステムプロセッサISPをトリガする。ビームフォーミング超音波イメージングシステム14は、そのようなプログラムを記憶するための、図示されていないメモリをも備える。メモリは、例えば、超音波イメージングプローブ13によって送信及び/又は受信される超音波信号のシーケンスを制御するように構成された超音波ビーム制御ソフトウェアを記憶する。代替的にイメージングシステムプロセッサISPの一部を形成する画像再構成ユニットIRUが、超音波イメージングプローブ13から受信されたデータを、画像面12に対応する画像であって、したがって、関心ボリュームVOIをインターセプトする画像に再構成し、その後、ディスプレイDISP上にこの画像を表示する。関心ボリュームVOIを通る平面断面は、本明細書では関心領域ROIと呼ばれる。したがって、再構成された超音波画像RUIは、関心領域ROIを含む。再構成された画像は、例えば、場合によっては「2Dモード」画像として知られる超音波輝度モード「Bモード」画像、「Cモード」画像又はドップラーモード画像、或いは実際には任意の超音波平面画像である。
【0020】
また、図1には、介入デバイスの一例としての医療針11、及び、本発明の一実施形態、システム10が示され、システム10は、超音波イメージングプローブ13の画像面12に関して、介入デバイス11、すなわち医療針の位置を示すために使用される。この実施形態、システム10は、画像再構成ユニットIRUと位置決定ユニットPDUとを備える。これらのユニットは、相互接続矢印によって示されるように、互いと通信している。ユニットPDU、IRUのうちの1つ又は複数が、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14のメモリ又はプロセッサ内に、例えば、ユニットISPの機能をも提供するメモリ又はプロセッサ内に組み込まれることも企図される。追跡される医療針11は、介入デバイス11の遠位端11aから所定の距離L離れて位置決めされた超音波トランスデューサ15を備える。
【0021】
使用中、介入デバイス11の位置、又はより詳細にはそれに取り付けられた超音波トランスデューサ15の位置が、超音波トランシーバアレイ16と超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて、位置決定ユニットPDUによって、画像面12に関して算出される。
【0022】
一構成では、超音波トランスデューサ15は、ビームB1..kに対応する超音波信号を受信する検出器である。位置決定ユニットPDUは、超音波トランシーバアレイ16によって放出された超音波信号を、超音波トランスデューサ15によって検出された超音波信号と相関させること、すなわち比較することによって、画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の横方向位置LAPを特定する。より詳細には、この相関は、i)超音波トランスデューサ15によって検出された各ビームB1..kに対応する超音波信号の強度と、ii)各ビームB1..kの放出と超音波トランスデューサ15によるその検出との間の時間遅延、すなわち飛行時間とに基づいて、画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の最良適合位置を決定する。これは、以下のように示される。超音波トランスデューサ15が、画像面12の近傍にあるとき、ビームB1..kのうちの最も近いものからトランスデューサへの超音波信号は、相対的により大きい強度で検出されるが、より遠いビームは、相対的により小さい強度で検出される。一般に、最大検出強度で検出されたビームが、超音波検出器15に最も近いビームとして特定される。言い換えれば、最大検出強度ISmaxの超音波信号は、超音波トランシーバアレイ16と超音波トランスデューサ15との間の面内角度ΘIPAを特定する。(ビームB1..kからの)このビームの放出とその後続の検出との間の飛行時間は、超音波トランシーバアレイ16と超音波トランスデューサ15との間のレンジを示す。したがって、最大検出強度ISmaxで検出されたビーム中の超音波信号の時間遅延、すなわちTOFSmaxが、すべてのビームの超音波信号から選択された超音波信号である。飛行時間はレンジを示すので、極座標では、画像面12に関する超音波トランスデューサ15の横方向位置は、LAPTOFSmax,θIPAによって表される。所望される場合、レンジは、時間遅延に超音波伝搬の速度を乗算することによって決定される。
【0023】
別の構成では、超音波トランスデューサ15は、1つ又は複数の超音波パルスを放出するエミッタである。そのようなパルスは、例えば、超音波イメージングシステム14の通常のイメージングフレーム間でインターリーブされる追跡フレーム中に放出される。そのような追跡フレームでは、超音波トランシーバアレイ16は、画像面12の近傍から発信した超音波信号を受ける受信専用モードにおいて動作される。したがって、超音波トランシーバアレイ16は、一方向受信専用ビームフォーマとして構成される。位置決定ユニットPDUは、超音波トランスデューサ15によって放出された超音波信号と超音波トランシーバアレイ16によって検出された超音波信号とに基づいて、ビームB1..kのうちのどのビームから(1つ又は複数の)パルスが発信したかを特定する。上記の構成の場合のように、位置決定ユニットPDUは相関プロシージャを使用し、相関プロシージャは、最大強度で検出された超音波信号及びその飛行時間に基づいて、同様の様式で、最も近いビーム、及び、したがって超音波信号が放出されたポイント、すなわちその横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを特定する。したがって、超音波トランスデューサ15がエミッタであるとき、相関プロシージャ、すなわち比較プロシージャが、この場合も、各追跡フレームについて、画像面12に関して、その最良適合位置を決定するために使用される。
【0024】
別の構成では、超音波トランスデューサ15は、受信器及びエミッタの両方として働くか、又は受信器及びエミッタの両方を備えるように構成される。この構成では、超音波トランスデューサ15は、超音波トランシーバアレイ16から超音波信号を受信すると、1つ又は複数の超音波パルスを放出するようにトリガされ、これは、随意に、超音波イメージングシステム14の1つ又は複数のフレーム期間に等しい遅延の後に行われる。このようにして、イメージングモード中に超音波トランスデューサ15によって放出された(1つ又は複数の)パルスは、トリガリングビームB1..kに対応する、面内角度位置における、すなわち画像ラインにおける、再構成された超音波におけるエコーの形態で、超音波トランシーバアレイ16によって受信される。したがって、超音波トランスデューサ15は、再構成された画像において輝点として現れる。位置決定ユニットPDUは、その後、再構成された画像においてこの輝点を特定し、したがって、この場合も、画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを算出する。
【0025】
示されていないまた別の構成では、超音波イメージングプローブ13は、超音波イメージングプローブ13に取り付けられた少なくとも3つの超音波エミッタをさらに備える。少なくとも3つの超音波エミッタは、位置決定ユニットPDUと通信している。その上、位置決定ユニットPDUは、超音波イメージングプローブ13に取り付けられた少なくとも3つの超音波エミッタと超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて、画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の位置を算出するように構成される。この構成では、位置決定ユニットPDUは、各エミッタによって放出された超音波信号の飛行時間に基づいて、各エミッタと超音波トランスデューサ15との間のレンジを決定する。超音波トランスデューサ15の3次元位置は、その後、三角測量を使用して決定される。これは、少なくとも3つのエミッタが超音波イメージングプローブ13に取り付けられているので、超音波イメージングプローブ13に関して、又はより詳細には画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の位置を3次元で提供する。3次元位置は、その後、画像面12にマッピングされ、したがって、この場合も、LAPTOFSmax,θIPAによって表される。超音波エミッタは、電源がすぐに利用可能である近接した超音波イメージングプローブ13であるとき、広範囲にわたる正確な位置決めのために必要な、超音波エミッタへの高出力超音波信号の供給が、より簡単であるので、超音波エミッタはこの構成では好ましい。したがって、この配置は、介入デバイス11上に高出力エミッタを位置づけることとは対照的に好ましい。使用中、介入デバイス11の横方向位置、又はより詳細にはそれに取り付けられた超音波トランスデューサ15の横方向位置は、したがって、この場合も、少なくとも3つのエミッタと超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて、位置決定ユニットPDUによって、画像面12に関して算出される。
【0026】
要約すれば、超音波トランスデューサ15が画像面内にある、この面内配置では、図1に示されている位置決定ユニットPDUは、超音波イメージングプローブ13と超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて、画像面12に関して、超音波トランスデューサ15の横方向位置を算出するために、上記の構成のうちのいずれかにおいて使用される。介入デバイスの算出された位置LAPTOFSmax,θIPAが表示される、再構成された超音波画像RUIを示す図3を参照すると、位置の算出の後に、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAが、再構成された超音波画像RUIにおいて表示される。位置LAPは、例えば、例示的な円Cによって示されているように表示され、その中心が、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAに対応する。代替のアイコン、形状及び表示が同様に使用される。図3では円が表示されているが、同様に円形ゾーンを示す、完全な円以外の他のアイコンが、同様の様式で使用されてもよく、例えば、ドット又はダッシュの円形配置、半径方向ライン又は矢印の円形配置、円形ゾーンを表示する先端などを含む。図3中の例示された円では、円の外周は、位置LAPの不確かさの限度、又は例えば超音波トランスデューサ15から所定の距離離れて介入デバイス11上に配設される特徴の可能な位置の範囲を表示する。
【0027】
超音波トランスデューサ15が、画像面から離れて配設され、すなわち面外にあるとき、同じプロシージャが、超音波トランスデューサ15の横方向位置、すなわち画像面12上に投影された位置を決定するために使用される。最大検出強度を有する超音波信号の強度ISmax及び飛行時間TOFSmaxを使用する追加のプロシージャが、超音波トランスデューサ15の画像面12からの距離を推定するために随意に使用される。この点において、図2は、面外距離Dop離れて配設された介入デバイス11、及びシステム10の形態の本発明の一実施形態と組み合わせた、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14を示す。超音波イメージングプローブ13のビームB1.kが平面12内にあるものとして示されているが、この平面は有限の厚さを有し、低減された超音波信号が、一般に、小さい面外変位について検出可能である。これらの信号は、本発明では、超音波トランスデューサ15の面外距離Dopを推定するために使用される。
【0028】
面外距離Dopを決定するために、様々な技法が使用される。1つの技法は、画像面12に関する3次元位置を、予想される信号強度に関連付ける、トランスデューサ固有の3次元マップを使用することを伴う。上記で説明されたように、画像面12に関して超音波トランスデューサ15の横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを決定すると、面外距離は、その横方向位置において、検出強度ISmaxに対応する面外距離をモデルにおいて調べることによって決定される。
【0029】
次に、飛行時間TOFに伴う面内最大検出強度ISmaxInplane(dB)の予想される変動を表すモデルMOを示す図6を参照しながら、別の技法が説明される。図6を参照すると、実線の曲線によって表示されたモデルMOは、飛行時間TOF、すなわち組織への深さが増加するにつれて、検出された超音波信号の面内最大検出強度ISmaxInplaneが、最初は緩やかに減少し、次により急速に減少し、次に再びより緩やかに減少することを示す。モデルの形状は、超音波信号の減衰の影響を受け、組織又は対応する物質において取得される面内最大強度の理論計算又は経験的測定から決定される。モデルMOは、飛行時間にのみ依存し、面内角度θIPAに関して不変である。モデルMOは、最大検出強度ISmaxInplaneを面外距離の関数としてモデル化しないことに留意されたい。結果として、モデルMOは、限られた量の、すなわち1次元の、較正データのみを必要とする。上述の3次元モデルとは対照的に、使用中の面外距離は、1つの、すなわち飛行時間の、次元のみを探索する必要による低レイテンシを伴う、モデルMOで決定される。モデル化された面内最大検出強度ISmaxInplaneは、同じタイプの異なるビームフォーミング超音波イメージングプローブを確実に表すことがわかっており、これは、同じモデルが、同じタイプのビームフォーミング超音波イメージングプローブのために使用されることを意味する。
【0030】
図2及び図3を参照すると、使用中、面外距離Dopを算出することは、最大検出強度ISmaxをモデルMOと比較することを有する。面外距離Dopは、その後、再構成された超音波画像RUIにおいて表示される。面外距離は、例えば数値的に表示されるか、或いはDopに応じて変動するアイコンのサイズ又は色として表示される。図3を参照すると、一実装形態では、面外距離Dopは、面外距離Dopに応じて図3中の円Cの半径を変動させることによって表示される。最大検出強度ISmaxをモデルMOと比較することは、例えば、検出強度ISmaxと、算出された横方向位置LAPTOFSmaxに対応する飛行時間TOFSmaxにおける面内最大検出強度ISmaxInplaneとの間の差又は比を決定することを伴う。例示的な一実装形態では、超音波トランスデューサの算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAにおける最大検出強度ISmaxは、したがって、算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAに対応する飛行時間TOFSmaxにおける面内最大検出強度ISmaxInplaneにスケーリングされる。面外距離の定性的表示が、その後、再構成された超音波画像RUIにおいて表示される。例えば、
【数1】
に応じて変動するサイズを有するアイコンが表示され、ここで、k及びkは定数であり、kは0を含む。
【0031】
別の例示的な実装形態では、図3を参照すると、アイコンの色が、飛行時間TOFSmaxにおけるISmaxInplaneに対する最大検出強度ISmaxの値に基づいて変化するように構成される。
【0032】
しかしながら、本発明の発明者によって発見された問題は、そのように決定された位置がエラーの影響を受けやすいことである。決定された位置は、例えば、高レベルの雑音又は干渉の存在によって影響を受ける。決定された位置は、最大検出強度ISmax、その信号対雑音比、又はその信号対干渉比が低いとき、同様に影響を受ける。正しくなく決定された位置の可能性の別のインジケータは、決定された位置の高い変化のレートである。そのようなエラーを軽減するために、本発明では、位置決定ユニットPDUは、以下の条件、すなわち、
算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの動きのレートが、第1の所定のレートRMax1を超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値IntThreshold1を超えることと、
最大検出強度ISmaxが、第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1よりも小さいことと、
最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベルSNRISmaxThreshold1を超えることと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制する。
【0033】
したがって、例示的な図3を参照すると、上述の条件のうちの1つが満たされた場合、位置決定ユニットPDUは、円Cを表示することを中止する。
【0034】
要約すれば、図1図2図3及び図6を参照すると、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14の超音波イメージングプローブ13によって定義された画像面12に関して介入デバイス11の位置を決定することであって、介入デバイス11の位置を、超音波イメージングプローブ13と介入デバイス11に取り付けられた超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて決定するためのシステム10は、
超音波イメージングプローブ13によって定義された画像面12に対応する再構成された超音波画像RUIを提供する、画像再構成ユニットIRUと、
超音波イメージングプローブ13と超音波トランスデューサ15との間で送信された最大検出強度ISmaxの超音波信号の飛行時間TOFSmaxに基づいて、画像面12に関して超音波トランスデューサ15の位置LAPTOFSmax,θIPAを算出することと、
再構成された超音波画像RUIにおける算出された位置LAPTOFSmax,θIPAを表示することと、
以下の条件、すなわち、
算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの変化のレートが、第1の所定のレートRMax1を超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値IntThreshold1を超えることと、
最大検出強度ISmaxが、第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1よりも小さいことと、
最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベルSNRISmaxThreshold1よりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制することと
を行う、位置決定ユニットPDUと
を備える。
【0035】
算出された位置の表示をそのように抑制することによって、潜在的に不正確な位置が表示されることは防がれる。
【0036】
上述の条件、すなわち、算出された位置の変化のレート、超音波信号中の干渉信号、最大検出強度ISmax、最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比は、ハードウェア制御のプロセッサ又はソフトウェア制御のプロセッサ、或いはハードウェア制御のプロセッサとソフトウェア制御のプロセッサとの組合せによって測定される。条件をテストした結果を判定及び実施する位置決定ユニットは、好ましくは、ソフトウェア制御のプロセッサによって実施される。
【0037】
算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの変化のレートを決定することに関して、位置LAPTOFSmax,θIPAを計算する位置決定ユニットPDUは、好適な座標空間において、位置の変化のレートを決定する。変化のレートは、例えば、面内角度θIPAの角度変化のレート、及び/又は最大検出超音波信号TOFSmaxの飛行時間の変化のレートを含む。代替的に、算出された位置の極座標は、変化のレートを決定するためにデカルト座標空間に変換される。第1の所定のレートRMax1は、ユーザが画像面12内で介入デバイスを動かすことを予想される、可能性のあるレートに基づいて設定される。一例として、オペレータが、例えば100フレーム毎秒で、1つの画像フレーム内で、10センチメートルに対応する飛行時間において、例えば45度だけ介入デバイス11を動かすことは可能性が低いと見なされる。そのようなしきい値は、第1の所定のレートRMax1を設定するために使用される。位置決定ユニットが、このレートを超える位置の変化のレートを表示するとき、位置の表示、例えば、図3中の再構成された超音波画像RUI中の円Cの提供は抑止される。
【0038】
超音波信号中の干渉信号に関して、測定技法は、超音波トランスデューサ15が検出器の送信機であるかどうかに依存する。超音波トランスデューサ15が検出器であるとき、例えば、検出器によって生成された電気信号中の干渉及び/又は雑音の2乗平均rms値を決定するために、電気回路が使用され、或いは代替的に、これらの電気信号をサンプリングし、したがってこの値を決定するために、アナログデジタル変換器が使用される。所定の帯域幅内の雑音及び/又は干渉を測定するために、並びに/或いは同時発生の(concurrent)超音波信号から雑音及び/又は干渉を分離するために、様々なハードウェア又はソフトウェアフィルタが使用される。超音波トランスデューサ15が送信機であり、検出された超音波信号中の干渉信号を決定することが望まれるとき、これは、超音波イメージングプローブ13によって検出された信号を分析することによって実行される。プロセッサで実施される位置決定ユニットPDUは、等価なソフトウェア方法を使用して、超音波イメージングプローブ13によって検出されたデジタル化された信号からの雑音及び/又は干渉を決定する。所定の値IntThreshold1は、例えば、一般的な測定又は予想される信号レベルに基づいて、設定される。
【0039】
超音波イメージングプローブ13と超音波トランスデューサ15との間で送信された最大検出強度ISmaxの超音波信号の値は、位置LAPTOFSmax,θIPAを算出する際にこの値が使用されるので、位置決定ユニットPDUを提供するプロセッサ内で本質的に利用可能である。したがって、値ISmaxを第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1と比較することが簡単になる。第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1は、例えば、一般的な測定又は予想される信号レベルに基づいて、設定される。
【0040】
最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比、及びその対応する第1の所定のレベルSNRISmaxThreshold1は、最大検出強度ISmaxと、検出された超音波信号中の雑音及び/又は干渉信号とに関して説明された上述の技法の組合せを使用して、決定及び設定される。
【0041】
いくつかの例示的な実装形態では、位置決定ユニットPDUは、以下の対応する条件、すなわち、
算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの変化のレートが、第2の所定のレートRMax2よりも小さいことと、
超音波信号中の干渉信号が、第2の所定の値IntThreshold2よりも小さいことと、
最大検出強度ISmaxが、第2の所定のしきい値ISmaxThreshold2を超えることと、
最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比が、第2の所定のレベルSNRISmaxThreshold2を超えることと
のうちの少なくとも1つが、所定の期間の間満たされるまで、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制し続ける。
【0042】
対応する条件が所定の期間の間満たされるまで、算出された位置の表示を抑制し続けることによって、算出された位置は、時間とともに安定するまで、再び表示されないことが確実になるので、システムの信頼性がさらに改善される。
【0043】
所定の期間は、例えば、秒又は1秒の何分の1の単位で、或いは整数個のフレーム又は画像ラインの単位で測定される。後者によるフレームレートとの同期は、あまり複雑でない実装形態という利点を有する。
【0044】
その上、位置の表示の抑制を続ける対応するレート、値、しきい値及びレベルは、抑制をトリガするものとは異なることがあるが、いくつかの実装形態では、第1の所定のレートRMax1は、第2の所定のレートRMax2に等しく、いくつかの実装形態では、第1の所定の値IntThreshold1は、第2の所定の値IntThreshold2に等しく、いくつかの実装形態では、第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1は、第2の所定のしきい値ISmaxThreshold2に等しく、いくつかの実装形態では、第1の所定のレベルSNRISmaxThreshold1は、第2の所定のレベルSNRISmaxThreshold2に等しい。同じ対応するレート、値、しきい値及びレベルを使用すると、あまり複雑でない実装形態が容易になる。異なるしきい値を使用すると、意思決定にヒステリシスが追加される。そうすることにより、より信頼できるシステムが提供される。
【0045】
再構成された超音波画像RUIに対する周期的更新の遷移、RUI’、RUI’’を示す図4を参照すると、いくつかの例示的な実装形態では、位置決定ユニットPDUは、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値IntThreshold1を超えることに基づいて、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制するように構成される。干渉信号の大きさは、上記で説明されたように決定される。その上、そのような実装形態では、画像再構成ユニットIRUは、再構成された超音波画像RUIを周期的に更新するように構成され、各再構成された超音波画像RUIに対応する超音波信号が、対応するイメージングフレーム期間T中に送信され、超音波イメージングプローブ13によって検出される。位置決定ユニットPDUは、連続するイメージングフレーム期間の間に超音波信号中の干渉信号を決定するように構成される。
【0046】
図4B及び図4C全体を通して、更新された再構成された超音波画像RUI’及びRUI’’は、水平方向に図の右側への、位置を表示する円Cの経過を表示する。図4Dは、ビームフォーミング超音波イメージングプローブ13からの対応するイメージング信号を示し、これらのイメージング信号は、各々期間Tを有する、連続するフレームF、F’及びF’’内で送信及び検出される。連続するフレーム期間の間に、図4D中の垂直矢印によって示された「静穏」期間があり、その期間中に、ごく少ない超音波信号が超音波イメージングプローブによって送信され、反射された超音波信号が検出されないことが予想される。結果として、この静穏期間は、システムによって検出された干渉及び/又は雑音のみが確実に測定され得る時間を表す。干渉及び/又は雑音は、例示的に、あらゆるフレームの間で、連続する、Nが整数であるNフレームごとの、フレームの間で、又は連続する、ランダムな数のフレームの後の、フレームの間で測定される。
【0047】
再構成された超音波画像RUIにおける飛行時間又は深さ寸法に各々対応する複数の画像ラインL1..nを含む再構成された超音波画像RUIを示す図5を参照すると、いくつかの例示的な実装形態では、位置決定ユニットPDUは、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値IntThreshold1を超えることに基づいて、算出された位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制するように構成される。そのような実装形態では、再構成された超音波画像RUIは、再構成された超音波画像における深さ寸法に各々対応する複数の画像ラインL1..nを含み、再構成された超音波画像RUIの各ラインに対応する超音波信号が、対応する画像ライン期間T中に送信され、超音波イメージングプローブ13によって検出される。位置決定ユニットPDUは、連続する画像ライン期間の間に超音波信号中の干渉信号を決定するように構成される。
【0048】
画像ラインに対応する超音波信号は、一般に、図5に示されている連続する様式で送信され、画像ライン期間T内に送信フェーズと受信フェーズとを含み、それらのフェーズ中に、超音波イメージングプローブは、超音波信号を送信し、その後、反射された超音波信号を受信する。1つのイメージングラインの受信フェーズの終了と、後続の画像ラインの送信フェーズとの間に、図5B中の垂直矢印によって示され、反射が予想されない「静穏」期間がある。結果として、この静穏期間は、システムによって検出された干渉及び/又は雑音のみが確実に測定され得る時間を表す。干渉及び/又は雑音は、例示的に、あらゆるラインの間で、連続する、Mが整数であるMラインごとの後の、ラインの間で、連続する、ランダムな数のラインの後の、ラインの間で、或いは連続する画像フレーム又はN個ごとの画像フレーム中の同じ2つのラインの間で測定される。
【0049】
飛行時間TOFに伴う面内最大検出強度ISmaxInplane(dB)の予想される変動を表すモデルMOを示す図6を参照すると、いくつかの例示的な実装形態では、再構成された超音波画像RUIにおける算出された位置LAPTOFSmax,θIPAを表示することは、
最大検出強度ISmaxを、最大検出強度ISmaxを有する超音波信号の飛行時間TOFSmaxにおいて、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度ISmaxInplaneの予想される変動を表すモデルMOと比較することによって、超音波トランスデューサ15と画像面12との間の面外距離Dopを算出することと、
再構成された超音波画像RUIにおいて面外距離Dopを表示することと
をも有する。
【0050】
上述のように、面外距離Dopの表示は、そのような比較を通して取得される。最大検出強度ISmaxをモデルMOと比較することは、例えば、検出強度ISmaxと、面内最大検出強度ISmaxInplaneとの間の差又は比を決定することを伴う。超音波トランスデューサの算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAにおける最大検出強度ISmaxは、したがって、面内最大検出強度ISmaxInplaneにスケーリングされる。モデルMOを使用することによって、面外距離Dopの定性的表示が、低い算出労力で取得される。その上、潜在的に不正確な位置を算出する問題は、超音波イメージングプローブからの検出された超音波信号が低い、大きい面外距離において、特に深刻である。したがって、ここでは面内最大強度値の比率として例示的に表される示されている最大検出強度ISmaxThreshold1など、上述の条件下で、表示された位置を抑制することは、介入デバイスが慣例的に面外位置に配設される実装形態において、特に有益である。
【0051】
面外距離Dopが、算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAにおいて、第1のアイコンCopによって表示される、再構成された超音波画像RUIの遷移を示す図7を参照すると、これらの例示的な実装形態では、面外距離Dopを表示することは、算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAにおいて第1のアイコンCopを提供することを有し、第1のアイコンCopは、面外距離Dopに対応する半径をもつ円形ゾーンを示す。図7では、再構成された超音波画像RUI、RUI’及びRUI’’における介入デバイス11の横方向位置は、画像面12に関して不変のままであり、その面外距離Dopは、図7B中の位置LAP’及び図7C中の位置LAP’’において低減される。結果として、円Cop’及びCop’’の対応する半径が低減される。随意に、第1のアイコンCopの半径は、最大検出強度ISmaxを、最大検出強度ISmaxを有する超音波信号の飛行時間TOFSmaxにおける、予想される面内最大検出強度ISmaxInplaneにスケーリングすることによって決定される。
【0052】
図8は、システム10とともに使用するのに好適である介入デバイス11を示す。超音波トランスデューサ15は、介入デバイス11の特徴、例えば遠位端11aから、所定の距離L離れて取り付けられる。超音波トランスデューサ15は、接着剤を使用することを含む、様々な手段によって介入デバイス11に取り付けられる。超音波トランスデューサ11から位置決定ユニットPDUに電気信号を搬送する電気導体も示されているが、上述のように、トランスデューサ信号を位置決定ユニットPDUと通信するためにワイヤレスリンクを代替的に使用することが企図される。
【0053】
特に図1図2及び図8を参照しながら上記で説明された超音波トランスデューサ15は、様々な圧電材料によって提供される。硬質圧電材料及び軟質圧電材料の両方が好適である。容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ、すなわちCMUTデバイスなど、マイクロマシン電気機械構造、すなわちMEMSデバイスも好適である。超音波トランスデューサが検出器であるとき、好ましくは、それは、機械的特性及び製造プロセスが医療針などの曲面への取付けに向いている、場合によってはPVDFとして知られる、ポリフッ化ビニリデンから形成される。代替材料は、ポリフッ化ビニリデントリフルオロエチレンなどのPVDFコポリマー、P(VDF-TrFE-CTFE)などのPVDFターポリマーを含む。好ましくは、超音波トランスデューサは、介入デバイスの軸の周りの約360度の回転の検知を行うために、介入デバイスの軸の周りに巻きつけられるが、これは常にそうである必要はない。
【0054】
図9は、システム10とともに使用される方法の様々な方法のステップを示す。図9を参照すると、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14の超音波イメージングプローブ13によって定義された画像面12に関して介入デバイス11の位置を決定することであって、介入デバイス11の位置が、超音波イメージングプローブ13と介入デバイス11に取り付けられた超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて決定される、決定することを行う方法は、
超音波イメージングプローブ13によって定義された画像面12に対応する再構成された超音波画像RUIを生成するステップGENRUIと、
超音波イメージングプローブ13と超音波トランスデューサ15との間で送信された最大検出強度ISmaxの超音波信号の飛行時間TOFSmaxに基づいて、画像面12に関して超音波トランスデューサ15の横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを算出するステップCLPと、
再構成された超音波画像RUIにおける算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを表示するステップINDCLPと、
以下の条件、すなわち、
算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAの変化のレートが、第1の所定のレートRMax1を超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値IntThreshold1を超えることと、
最大検出強度ISmaxが、第1の所定のしきい値ISmaxThreshold1よりも小さいことと、
最大検出強度ISmaxの信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベルSNRISmaxThreshold1よりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAの表示を抑制するステップSUPと
を有する。
【0055】
本方法は、
最大検出強度ISmaxを、最大検出強度ISmaxを有する超音波信号の飛行時間TOFSmaxにおいて、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度ISmaxInplaneの予想される変動を表すモデルMOと比較することによって、超音波トランスデューサ15と画像面12との間の面外距離Dopを算出するステップ
を随意に有する。
【0056】
再構成された超音波画像RUIにおける算出された横方向位置LAPTOFSmax,θIPAを表示するステップINDCLPは、
再構成された超音波画像RUIにおいて面外距離Dopを表示するステップ
を随意に有する。
【0057】
本方法の他の実装形態が、本システムの実装形態に関して説明される1つ又は複数の態様をさらに組み込むことに留意されたい。
【0058】
本明細書で説明される他の方法のステップを随意に有する、図9に示されている方法のステップは、プロセッサによって実行可能である命令として、コンピュータプログラム製品に記憶される。コンピュータプログラム製品は、専用ハードウェア、又は適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することが可能なハードウェアによって提供される。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。その上、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきでなく、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ「DSP」ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読取り専用メモリ「ROM」、ランダムアクセスメモリ「RAM」、不揮発性記憶装置などを暗黙的に含むことができる。さらに、本発明の実施形態は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって、又はそれに関して使用するためのプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本明細書では、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって、又はそれに関して使用するためのプログラムを含むか、記憶するか、通信するか、伝搬するか又はトランスポートする任意の装置であり得る。媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外又は半導体システム、又は装置又はデバイス、或いは伝搬媒体であり得る。コンピュータ可読媒体の例としては、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ「RAM」、読取り専用メモリ「ROM」、剛性磁気ディスク、及び光ディスクがある。光ディスクの現在の例としては、コンパクトディスク読取り専用メモリ「CD-ROM」、コンパクトディスク読取り/書込み「CD-R/W」、Blu-Ray(商標)及びDVDがある。
【0059】
この点において、システム10とともに使用するための、コンピュータプログラム製品も提供される。コンピュータプログラム製品は、ビームフォーミング超音波イメージングシステム14の超音波イメージングプローブ13によって定義された画像面12に関して介入デバイス11の位置を決定することであって、介入デバイス11の位置が、超音波イメージングプローブ13と介入デバイス11に取り付けられた超音波トランスデューサ15との間で送信された超音波信号に基づいて決定される、決定することを行うためのシステム10のプロセッサ上で実行されたとき、プロセッサに、上述の方法のステップを行わせる命令を備える。
【0060】
本開示は、以下の列挙された例によって例示される。
例1. ビームフォーミング超音波イメージングシステム(14)の超音波イメージングプローブ(13)によって定義された画像面(12)に関して介入デバイス(11)の位置を決定することであって、介入デバイス(11)の位置を、超音波イメージングプローブ(13)と介入デバイス(11)に取り付けられた超音波トランスデューサ(15)との間で送信された超音波信号に基づいて決定するためのシステム(10)において、システム(10)が、
超音波イメージングプローブ(13)によって定義された画像面(12)に対応する再構成された超音波画像(RUI)を提供するように構成された画像再構成ユニット(IRU)と、
超音波イメージングプローブ(13)と超音波トランスデューサ(15)との間で送信された最大検出強度(ISmax)の超音波信号の飛行時間(TOFSmax)に基づいて、画像面(12)に関して超音波トランスデューサ(15)の位置(LAPTOFSmax,θIPA)を算出することと、
再構成された超音波画像(RUI)における算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)を表示することと
を行うように構成された位置決定ユニット(PDU)と
を備え、
位置決定ユニット(PDU)は、さらに、以下の条件、すなわち、
算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の変化のレートが、第1の所定のレート(RMax1)を超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値(IntThreshold1)を超えることと、
最大検出強度(ISmax)が、第1の所定のしきい値(ISmaxThreshold1)よりも小さいことと、
最大検出強度(ISmax)の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベル(SNRISmaxThreshold1)よりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の表示を抑制するように構成された、
システム(10)。
【0061】
例2. 位置決定ユニット(PDU)は、さらに、以下の対応する条件、すなわち、
算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の変化のレートが、第2の所定のレート(RMax2)よりも小さいことと、
超音波信号中の干渉信号が、第2の所定の値(IntThreshold2)よりも小さいことと、
最大検出強度(ISmax)が、第2の所定のしきい値(ISmaxThreshold2)を超えることと、
最大検出強度(ISmax)の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第2の所定のレベル(SNRISmaxThreshold2)を超えることと
のうちの少なくとも1つが、所定の期間の間満たされるまで、算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の表示を抑制し続けるように構成された、例1に記載のシステム(10)。
【0062】
例3. 第1の所定のレート(RMax1)が、第2の所定のレート(RMax2)に等しいか、又は第1の所定の値(IntThreshold1)が、第2の所定の値(IntThreshold2)に等しいか、又は第1の所定のしきい値(ISmaxThreshold1)が、第2の所定のしきい値(ISmaxThreshold2)に等しいか、又は第1の所定のレベル(SNRISmaxThreshold1)が、第2の所定のレベル(SNRISmaxThreshold2)に等しい、例2に記載のシステム(10)。
【0063】
例4. 位置決定ユニット(PDU)は、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値(IntThreshold1)を超えることに基づいて、算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の表示を抑制するように構成され、画像再構成ユニット(IRU)が、再構成された超音波画像(RUI)を周期的に更新するように構成され、各再構成された超音波画像(RUI)に対応する超音波信号が、対応するイメージングフレーム期間(T)中に送信され、超音波イメージングプローブ(13)によって検出され、位置決定ユニット(PDU)が、連続するイメージングフレーム期間の間に超音波信号中の干渉信号を決定するように構成された、例1から3のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0064】
例5. 位置決定ユニット(PDU)は、超音波信号中の干渉信号が第1の所定の値(IntThreshold1)を超えることに基づいて、算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)の表示を抑制するように構成され、再構成された超音波画像(RUI)が、再構成された超音波画像における深さ寸法に各々対応する複数の画像ライン(L1..n)を含み、再構成された超音波画像(RUI)の各ラインに対応する超音波信号が、対応する画像ライン期間(T)中に送信され、超音波イメージングプローブ(13)によって検出され、位置決定ユニット(PDU)が、連続する画像ライン期間の間に超音波信号中の干渉信号を決定するように構成された、例1から3のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0065】
例6. 再構成された超音波画像(RUI)における算出された位置(LAPTOFSmax,θIPA)を表示することが、
最大検出強度(ISmax)を、最大検出強度(ISmax)を有する超音波信号の飛行時間(TOFSmax)において、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度(ISmaxInplane)の予想される変動を表すモデル(MO)と比較することによって、超音波トランスデューサ(15)と画像面(12)との間の面外距離(Dop)を算出することと、
再構成された超音波画像(RUI)において面外距離(Dop)を表示することと
を有する、例1から5のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0066】
例7. 面外距離(Dop)を表示することが、算出された横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)において第1のアイコン(Cop)を提供することを有し、第1のアイコン(Cop)が、面外距離(Dop)に対応する半径をもつ円形ゾーンを示す、例6に記載のシステム(10)。
【0067】
例8. 半径が、最大検出強度(ISmax)を、最大検出強度(ISmax)を有する超音波信号の飛行時間(TOFSmax)における、予想される面内最大検出強度(ISmaxInplane)にスケーリングすることに基づいて決定される、例7に記載のシステム(10)。
【0068】
例9. 超音波トランスデューサ(15)が取り付けられた介入デバイス(11)をさらに備える、例1から8のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0069】
例10. ビームフォーミング超音波イメージングシステム(14)の超音波イメージングプローブ(13)によって定義された画像面(12)に関して介入デバイス(11)の位置を決定することであって、介入デバイス(11)の位置を、超音波イメージングプローブ(13)と介入デバイス(11)に取り付けられた超音波トランスデューサ(15)との間で送信された超音波信号に基づいて決定するための方法において、本方法は、
超音波イメージングプローブ(13)によって定義された画像面(12)に対応する再構成された超音波画像(RUI)を生成するステップ(GENRUI)と、
超音波イメージングプローブ(13)と超音波トランスデューサ(15)との間で送信された最大検出強度(ISmax)の超音波信号の飛行時間(TOFSmax)に基づいて、画像面(12)に関して超音波トランスデューサ(15)の横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)を算出するステップ(CLP)と、
再構成された超音波画像(RUI)における算出された横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)を表示するステップ(INDCLP)と、
以下の条件、すなわち、
算出された横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)の変化のレートが、第1の所定のレート(RMax1)を超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値(IntThreshold1)を超えることと、
最大検出強度(ISmax)が、第1の所定のしきい値(ISmaxThreshold1)よりも小さいことと、
最大検出強度(ISmax)の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベル(SNRISmaxThreshold1)よりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)の表示を抑制するステップ(SUP)と
を有する、方法。
【0070】
例11.
最大検出強度(ISmax)を、最大検出強度(ISmax)を有する超音波信号の飛行時間(TOFSmax)において、当該飛行時間に伴う面内最大検出強度(ISmaxInplane)の予想される変動を表すモデル(MO)と比較することによって、超音波トランスデューサ(15)と画像面(12)との間の面外距離(Dop)を算出するステップ
をさらに有し、
再構成された超音波画像(RUI)における算出された横方向位置(LAPTOFSmax,θIPA)を表示するステップ(INDCLP)が、
再構成された超音波画像(RUI)において面外距離(Dop)を表示するステップ
をさらに有する、
例10に記載の方法。
【0071】
例12. ビームフォーミング超音波イメージングシステム(14)の超音波イメージングプローブ(13)によって定義された画像面(12)に関して介入デバイス(11)の位置を決定することであって、介入デバイス(11)の位置を、超音波イメージングプローブ(13)と介入デバイス(11)に取り付けられた超音波トランスデューサ(15)との間で送信された超音波信号に基づいて決定するためのシステム(10)のプロセッサ上で実行されたとき、プロセッサに、例11に記載の方法のステップを行わせる命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【0072】
要約すれば、ビームフォーミング超音波イメージングシステムの超音波イメージングプローブによって定義された画像面に関して介入デバイスの位置を決定することであって、介入デバイスの位置を、超音波イメージングプローブと介入デバイスに取り付けられた超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて決定するためのシステムが説明された。本システムは、画像再構成ユニットと位置決定ユニットとを備える。画像再構成ユニットは、超音波イメージングプローブによって定義された画像面に対応する再構成された超音波画像を提供する。位置決定ユニットは、超音波イメージングプローブと超音波トランスデューサとの間で送信された最大検出強度の超音波信号の飛行時間に基づいて、画像面に関して超音波トランスデューサの位置を算出する。位置決定ユニットはまた、再構成された超音波画像における算出された位置を表示する。その上、位置決定ユニットは、以下の条件、すなわち、
算出された位置の変化のレートが、第1の所定のレートを超えることと、
超音波信号中の干渉信号が、第1の所定の値を超えることと、
最大検出強度が、第1の所定のしきい値よりも小さいことと、
最大検出強度の信号対雑音比又は信号対干渉比が、第1の所定のレベルよりも小さいことと
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、算出された位置の表示を抑制する。
【0073】
本発明は、医療針に関して図面及び上記の説明において、詳細に示され、説明されてきたが、そのような例示及び説明は、図例的又は例示的と見なされるべきであり、限定的でない。特許請求の範囲中のいかなる参照符号も、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。その上、本明細書で示される様々な例、実装形態及び実施形態は、ビームフォーミング超音波イメージングシステムの画像面に関して介入デバイスの位置を決定するための様々なシステム及び方法を提供するために、組み合わせられ得ることを理解されたい。
図1
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