(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】一次元位置インジケータ
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240126BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
(21)【出願番号】P 2023502779
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021068727
(87)【国際公開番号】W WO2022013022
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-11-22
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】タルゴルン エリス クラウド ヴァレンティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクス モニーク
(72)【発明者】
【氏名】ジャジャディニングラト トムク
(72)【発明者】
【氏名】リュート ニルス
(72)【発明者】
【氏名】クヌーステル ヤープ
(72)【発明者】
【氏名】リー ヘリン
(72)【発明者】
【氏名】ボスマン レイノウド
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-528168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0004488(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0208981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0205140(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、前記医療システムは、
マシン実行可能命令、所定の座標のうちの少なくとも1セット、及び位置特定アルゴリズムを記憶するメモリであって、前記位置特定アルゴリズムは、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを出力し、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットが解剖学的位置であり、前記オブジェクトが対象者である、当該メモリと、
カメラシステムと、
ディスプレイを備えるユーザインターフェイスと、
X線システム、デジタル蛍光透視装置、磁気共鳴画像法システム、診断用超音波システム、コンピュータ断層撮影システム、陽電子放射断層撮影システム、及び単一光子放射断層撮影システムのいずれか1つである医用画像システムであって、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々が、前記医用画像システムの撮像区域に対する前記対象者の身体部分の三次元での位置及び向きを定める、当該医用画像システムと、
前記医療システムを制御する計算システムであって、前記マシン実行可能命令の実行により、前記計算システムが前記カメラシステムから前記現画像を繰り返し受信するようになり、更に、前記マシン実行可能命令の実行により、前記計算システムが、前記現画像のために、
前記現画像の前記位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記現座標のセットを受信することと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットとその現座標のセットとの間の位置差を計算することと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記位置差をオブジェクト関数に入力することによって、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算することと、
前記ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対して、且つ各一次元値によって制御される、一次元位置インジケータを提供することと、
を実行するようになる、当該計算システムとを備える、医療システム。
【請求項2】
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記一
次元位置インジケータが、前記オブジェクトのアライメントに関するリアルタイムフィードバックを前記所定のオブジェクト座標のうちの少なくとも1セットに提供する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記マシン実行可能命令の実行により、更に、前記計算システムが、
画像プロトコルの選択を受信し、
前記画像プロトコルの選択でデータベースに照会することによって、前記対象者を位置決めするための一連の位置決め指示ステップを検索し、前記一連の位置決め指示ステップには、位置決め指示の所定のシーケンスが記述され、前記位置決め指示のシーケンスのうちの少なくとも1つが、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットを含み、
前記ユーザインターフェイスを使用して、前記位置決め指示の所定のシーケンスを提供し、
前記位置決め指示の所定のシーケンスを提供する間、対象者の動きを監視し、前記一次元位置インジケータが、前記位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つに対してリアルタイムで提供され、前記対象者の動作が、前記位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つを正常に完了できなかったことを記述した後に、リアルタイムで前記一次元位置インジケータを提供する、請求項1又は2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記マシン実行可能命令の実行により、更に、前記計算システムが、
前記現
座標のセットが所定の基準を満たす場合、前記位置決め指示の所定のシーケンスの各々の後の位置決めを示す成功インジケータを提供し、
前記現座標のセットがもはや前記所定の基準を満たさない場合、成功インジケータを取り消す、請求項3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記ユーザインターフェイスが、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つを触覚信号として提供する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェイスが、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つを音声信号として提供する、請求項1から
5のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項7】
前記音声信号が、振幅変化、ピッチ変化、音色変化、ステレオ音声位置の変化、及びそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項
6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェイスが、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つをディスプレイ上の視覚的位置インジケータとして提供し、前記視覚的位置インジケータが、所定の経路に沿ったオブジェクト位置、回転位置、オブジェクトサイズ、色変化、及びそれらの組み合わせのうちのいずれか1つである、請求項1から
7のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項9】
前記位置特定アルゴリズムが、
テンプレートベースのマッチングアルゴリズムと、
関節尤度最大化アルゴリズムを有する画像構造モデルと、
確率的ブースティングツリーアルゴリズムと、
訓練されたニューラルネットワークと
パラメータ化された変形可能モデルと、
のうちのいずれか1つを使用して前記現座標のセットを出力する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項10】
医療システムの作動方法であって、前記方法は、カメラシステムから現画像を繰り返し受信するステップを含み、更に、前記方法は、前記現画像のために、
前記現画像の位置特定アルゴリズムへの入力に応答して
、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対
する現座標のセットを受信するステップであって、前記位置特定アルゴリズムが、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記現座標のセットを出力する、前記現座標のセットを受信するステップと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットとその現座標のセットとの間の位置差を計算するステップと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記位置差をオブジェクト関数に入力することによって、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算するステップと、
ディスプレイを備えるユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対して、且つ各一次元値によって制御される、一次元位置インジケータを提供するステップと、
医用画像システムを備えた画像を取得するステップであって、前記医用画像システムが、X線システム、デジタル蛍光透視装置、磁気共鳴画像法システム、診断用超音波システム、コンピュータ断層撮影システム、陽電子放射断層撮影システム、及び単一光子放射断層撮影システムのいずれか1つであり、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々が、前記医用画像システムの撮像区域に対
する対象者の身体部分の三次元での位置及び向きを定める、当該画像を取得するステップと
を実行するステップを含む、方法。
【請求項11】
画像プロトコルの選択を受信するステップと、
前記画像プロトコルの選択でデータベースに照会することによって、前記対象者を位置決めするための一連の位置決め指示ステップを検索するステップであって、前記一連の位置決め指示ステップには、位置決め指示の所定のシーケンスが記述され、前記位置決め指示のシーケンスのうちの少なくとも1つが、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットを含む、一連の位置決め指示ステップを検索するステップと、
前記ユーザインターフェイスを使用して、前記位置決め指示の所定のシーケンスを提供するステップと、
前記位置決め指示の所定のシーケンスを提供する間、対象者の動作を監視するステップであって、前記一次元位置インジケータが、前記位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つに対してリアルタイムで提供され、前記対象者の動作が、前記位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つを正常に完了できなかったことを記述した後に、リアルタイムで前記一次元位置インジケータを提供する、対象者の動作を監視するステップとを更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記現座標のセットが所定の基準を満たす場合、前記位置決め指示の所定のシーケンスの各々の後の位置決めを示す成功インジケータを提供するステップと、
前記現座標のセットがもはや前記所定の基準を満たさない場合、成功インジケータを取り消すステップとを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
医療システムを制御する計算システムによって実行するためのマシン実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが、位置特定アルゴリズムを更に含み、前記位置特定アルゴリズムが、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して
、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを出力し、前記マシン実行可能命令の実行により、前記計算システムがカメラシステムから前記現画像を繰り返し受信し、更に、前記マシン実行可能命令の実行により、前記計算システムが、前記現画像のために、
前記現画像の前記位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記現座標のセットを受信することと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットとその現座標のセットとの間の位置差を計算することと、
前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する前記位置差をオブジェクト関数に入力することによって、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算することと、
ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対して、且つ各一次元値によって制御される、一次元位置インジケータを提供することと、
医用画像システムを備えた画像を取得するステップであって、前記医用画像システムが、X線システム、デジタル蛍光透視装置、磁気共鳴画像法システム、診断用超音波システム、コンピュータ断層撮影システム、陽電子放射断層撮影システム、及び単一光子放射断層撮影システムのいずれか1つであり、前記所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々が、前記医用画像システムの撮像区域に対
する対象者の身体部分の三次元での位置及び向きを定める、画像を取得するステップとを実行するようになる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断、特に医用画像診断のためのオブジェクトの位置決めに関する。
【背景技術】
【0002】
X線、蛍光透視法、磁気共鳴イメージング(MRI)、コンピュータ断層撮影法、陽電子放出断層撮影法、及び単一光子放出断層撮影法などの様々な医用画像モダリティは、対象者の解剖学的構造の詳細な視覚化を可能にする。これらの撮像モダリティの全ての共通の特徴は、それらがオブジェクトの適切な配置を必要とすることにある。オブジェクトは、例えば、超音波トランスデューサ又は撮像される対象者であってもよい。
【0003】
米国特許出願公開第20140004488(A1)号には、超音波トレーニングセッションのワークフローを管理するためのユニットと、超音波マシンを操作する施術者に超音波トレーニングセッションの指示を提供し、研修医からの入力を受信するためのユーザインターフェイスと、超音波マシンと通信するためのユニットと、超音波マシンからトレーニングセッション中に生成された1つ又は複数の超音波画像を収集するためのユニットと、超音波画像を画像処理するためのユニットと、超音波画像の品質を評価するためのユニットとを含む、施術者に超音波システムの使用法の訓練をするためのシステムが開示されている。超音波システムの使用における施術者の熟練度を監視するための方法であって、本方法は、超音波タスク定義を施術者に提供することと、超音波マシンから超音波タスクの遂行中に施術者によって生成された1つ又は複数の超音波画像を収集することと、超音波画像を画像処理することと、超音波画像の品質を評価することとを含む。関連する装置及び方法も記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、独立請求項において、医療システム、方法、及びコンピュータプログラムを提供する。従属請求項には、実施形態が与えられる。
【0005】
医用画像診断を行う際に困難なことは、機器及び/又は対象者の正確な配置が必要となる場合があることである。これは、通常、オペレータが広範な訓練を受け、練習する必要がある。実施形態によって、最小限のトレーニング量で、医用画像診断のためのオブジェクトの正確な配置を可能にする医療システムが提供されてもよい。
【0006】
これは、カメラシステムから現画像を繰り返し受信することによって達成してもよい。次いで、現画像は、オブジェクトの現座標を提供する位置特定アルゴリズムに入力される。次いで、現座標が所定の座標と比較され、その結果、位置差が計算される。位置差は座標の差分である。この位置差は、多次元座標であってもよい。次いで、位置差は、一次元値を出力するオブジェクト関数に入力される。次いで、一次元値は、一次元位置インジケータを制御するために使用される。
【0007】
次いで、一次元位置インジケータは、医療システムのオペレータ又は撮像されている対象者に提示されてもよい。オブジェクト又は対象者の複雑なアライメント又は位置は、一次元位置インジケータを制御する一次元値に削減される。対象者又はオペレータがより悪い位置に移動すると、一次元位置インジケータの値が変化する。オペレータ又は小さな動作を伴う対象者による実験によって、オブジェクト又は対象者をどのように動かすべきかすぐに明らかになる。
【0008】
オブジェクト関数は、多次元の位置差を一次元値に変えることができるいかなるタイプのオブジェクト関数であってもよい。オブジェクト関数は、数値的方法で使用される最適化問題によってオブジェクト関数を使用できるやり方と同様に、異なる形態をとってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は医療システムを提供する。医療システムは、マシン実行可能命令、所定の座標のうちの少なくとも1セット、及び位置特定アルゴリズムを記憶するメモリを備える。位置特定アルゴリズムは、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを出力するように構成される。位置特定アルゴリズムは、例えば、画像セグメンテーションアルゴリズムであってもよい。セグメンテーションアルゴリズム又は位置特定アルゴリズムを実施する様々なやり方が存在する。例えば、画像は、解剖アトラスに登録されてもよい。他の例では、位置特定アルゴリズムは、テンプレート又はモデルベースのマッチングシステムとし得る。更に他の例では、位置特定アルゴリズムを、例えば、訓練されたニューラルネットワークとして実施し得る。
【0010】
医療システムは、医療システムを制御するように構成された計算システムを更に備える。マシン実行可能命令の実行により、計算システムがカメラシステムから現画像を繰り返し受信するようになる。例えば、現画像は、ビデオストリーム又は現画像のシーケンスの形態で受信されてもよい。更に、マシン実行可能命令の実行により、計算システムに、現画像に対して以下のことを行わせる。それは、現画像の位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを受信することである。更に、マシン実行可能命令の実行により、計算システムに、現画像に対して以下のことを行わせる。それは、所定の座標のうちの少なくとも1セットとその現座標のセットとの間の位置差を計算することである。
【0011】
言い換えれば、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対して、計算される位置差が存在する。更に、現画像に対するマシン実行可能命令の実行により、計算システムが、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する位置差をオブジェクト関数に入力することによって、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算するようになる。数値的な最適化を実行する際には、通常、多くの値がオブジェクト関数に入力され、そして、このオブジェクト関数が最大化又は最小化される。数値的方法では、オブジェクト関数を使用して最適値を求める。この場合、オブジェクト関数は、オブジェクトを適切に位置決めする方法を対象者が理解するための容易な手段を提供するために使用される。更に、現画像に対するマシン実行可能命令の実行により、計算システムが、ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、一次元値の各々に対して一次元位置インジケータを提供し、各一次元値によって制御されるようになる。
【0012】
オブジェクトの適切な位置決めを示す複雑な図を表示する代わりに、一次元位置インジケータが使用される。高度な訓練を受けた人々か、又は非常に優れた空間的思考の感覚を有する人々は、複雑な図又は指示を見て、オブジェクトを適切に位置決めするためにオブジェクト又はそれ自体をどのように動かすかを理解することが可能であってもよい。しかしながら、多くの状況では、人々にこれを行うように訓練することは不可能である。位置決めが複雑な身体部分の動作を伴う場合、人々は、身体とともに空間的指示を再現するのに必要な身体認識をもたず、彼らが指示に従うことができなくなることがある。
【0013】
一次元位置インジケータは、オブジェクトが適切な位置を有する場合にフィードバックを提供する。オブジェクトを位置決めしようとする人は、一次元位置インジケータからの刺激をユーザインターフェイスから受信し、その一次元の変化から、オブジェクトが適切な位置に近づいたり、更に遠ざかったりしているかどうかを、いかなる訓練もなしに理解することができる。
【0014】
所定の座標のうちの少なくとも1セットは、いくつかの例において、所定の座標の単一のセットに過ぎなくてもよい。これは、例えば、剛体オブジェクトを位置決めする際に有用であってもよい。他の場合には、例えば、オブジェクトが対象者又は患者である場合など、座標は、弾性又は可動部分若しくは構成要素によって接続されてもよい。後述する1つの特定の例は、2つの肩関節の位置決めである。対象者は、これらを独立して移動させることができる。両方の適切な位置を提供するために、この場合、2つの一次元位置インジケータが設けられる。より複雑なオブジェクト及び位置決めのために、任意の数の一次元位置インジケータを設けることができる。
【0015】
カメラシステムは、異なる例において、異なる形態をとってもよい。例えば、それはステレオカメラとし得る。他の例では、複数のカメラであってもよい。これらは、例えば、三次元画像を生成するのに有用である場合がある。別の例では、カメラは、飛行時間型のカメラのような三次元カメラであってもよい。
【0016】
別の実施形態では、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一元位置インジケータは、オブジェクトのアライメントに関するリアルタイムフィードバックを所定のオブジェクト座標のうちの少なくとも1セットに提供するように適合される。先に述べたように、一次元位置インジケータを使用することで、最小限のトレーニング又はトレーニングなしにこれを達成する手段を提供してもよい。
【0017】
別の実施形態では、所定の座標のうちの少なくとも1セットは、所定の座標のうちの単一セットである。オブジェクトは超音波トランスデューサである。所定の座標のうちの単一セットは、対象者上の超音波トランスデューサの方向及び配置である。
【0018】
例えば、位置特定アルゴリズムは、対象者の位置を特定するためにも使用されてもよい。所定の座標のうちの少なくとも1セットは、対象者上の位置を基準としてもよい。次いで、一次元位置インジケータを使用して、超音波トランスデューサのオペレータを適切な位置に誘導してもよい。これは、診断用超音波システムを使用する際に最小限のトレーニングを受けた医師又は医療技術者によって使用可能なシステムを提供するためだけでなく、超音波トランスデューサのオペレータをトレーニングするためにも有用である場合がある。
【0019】
別の実施形態では、所定の座標のうちの少なくとも1セットは、解剖学的位置である。この場合、オブジェクトは対象者又は患者である。この実施形態は、患者又は対象の様々な部分が可変的であり、相対的に独立して動かされ得るので、特に有益である場合がある。複雑な医学的検査又は診断用医用画像処理を実行するために、多くの場合、対象者の身体の複数の部分又は部位を適切な位置に配置することが必要である。一次元位置インジケータは、対象者に表示されて、対象者が正確に自身の位置を定める手助けをする手段を提供できる。
【0020】
別の実施形態では、医療システムは、カメラシステム及びディスプレイを更に備える。
【0021】
別の実施形態では、医療システムは、医用画像システムを更に備える。所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々は、医用画像システムの撮像区域に対する対象者の身体部分の三次元での位置及び向きを定める。医用画像診断の区域は、対象者の身体を記述する医用画像データを取得してもよい空間領域であってもよい。これは、例えば、磁気共鳴画像システムの撮像区域内、又はデジタルX線若しくは蛍光透視システム用のX線ビームの経路内であってもよい。いくつかの例では、ディスプレイは、フィードバックを対象者に提供するように構成される。ディスプレイは、各一次元値に対する一次元位置インジケータを対象者にリアルタイムで提供するために使用されてもよい。
【0022】
別の実施形態では、医用画像システムは、磁気共鳴画像システムである。
【0023】
別の実施形態では、医用画像システムは、診断用超音波システムである。
【0024】
別の実施形態では、医用画像システムは、コンピュータ断層撮影システムである。
【0025】
別の実施形態では、医用画像システムは、陽電子放射断層撮影システムである。
【0026】
別の実施形態では、医用画像システムは、単一光子放射断層撮影システムである。
【0027】
別の実施形態では、マシン実行可能命令の実行には、更に、計算システムに、画像プロトコルの選択を受信させる。例えば、医師は、特定の診断用放射線処理が行われるよう命じてもよい。これは、例えば、対象者の特定の解剖学的領域に関する特定のタイプのX線又は磁気共鳴画像プロトコルであってもよい。画像プロトコルの選択は、特定の画像処理のために対象査者が置かれるべき位置決めを特定してもよい。
【0028】
マシン実行可能命令の実行により、更に、計算システムが、画像プロトコルの選択でデータベースに照会することによって、対象者を位置決めするための位置決め指示ステップのセットを検索するようになる。位置決め指示ステップのセットは、位置決め指示のシーケンスを記述する。位置決め指示のシーケンスのうちの少なくとも1つは、所定の座標のうちの少なくとも1セットを含む。このステップでは、位置決め指示ステップは、特定の医用画像プロトコルのための適切な位置決めに対象者を配置するために使用されてもよい一連のステップである。
【0029】
これらのステップのうちの少なくとも1つは、一次元位置インジケータを使用する。マシン実行可能命令の実行により、更に、計算システムが、ユーザインターフェイスを使用して、位置決め指示の所定のシーケンスを提供するようになる。多くの場合、ユーザインターフェイスは、その後、対象者に光学的に提示されるディスプレイを有することになる。しかしながら、他の変形例も存在する。例えば、ユーザインターフェイスは、視覚障害のある対象者に聴覚又は触覚に基づく指示を提供してもよい。これは、例えば、対象者が自分の身体をどのように位置決めするべきかの説明を含み、そして、対象者がフィードバックなしに彼女又は彼自身を位置決めすることが可能なように、一次元位置インジケータを使用してもよい。
【0030】
マシン実行可能命令の実行により、更に、計算システムが、位置決め指示の所定のシーケンスを表示する間に対象者の動作を監視するようになる。位置インジケータは、位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つに対してリアルタイムで提供される。この実施形態は、対象者が医用画像診断のための困難な又は複雑な姿勢に自身の位置を定めることを可能にする完全なシステムを提供する可能性があるので、有益である場合がある。上述したように、いくつかの実施形態は、また、視覚障害をもつ対象者にこれをも行うための手段も提供してもよい。
【0031】
別の実施形態では、マシン実行可能命令の実行は、対象者の動作が、位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つを正常に完了できなかったことを記述した後に、計算システムにリアルタイムで一次元位置インジケータを提供させるように構成される。位置決め指示の所定のシーケンスが提供されると、対象者の動作を監視して、対象者が彼女又は彼自身を適切に位置決めしているかどうかを確認してもよい。対象者が正しく位置決めされていない、又は所定の制限時間内に正しい位置又は姿勢に達しなかったことをシステムが検出した場合、システムは、次いで、対象者を支援するために1つ又は複数の一次元位置インジケータを自動的に表示してもよい。
【0032】
別の実施形態では、マシン実行可能命令の実行により、更に、計算システムが、現状態のセットが所定の基準を満たす場合、位置決め指示の所定のシーケンスの各々の後の位置決めを示す成功インジケータを提供するようになる。例えば、現座標が所定の距離内又は所定の座標からの位置差内にある場合、システムは、対象者を正確に位置決めされたものとして受け入れてもよい。成功インジケータは、例えば、特定の音又は可聴インジケータであってもよく、又は、対象者がこの特定の位置決めが達成されたことを知るようにディスプレイ上に表示されるオブジェクト又は記号であってもよい。マシン実行可能な命令の実行により、更に、現座標のセットがもはや所定の基準を満たさない場合、計算システムが成功インジケータを取り消すことになる。いくつかの放射線検査法に対する位置決めでは、対象者が医用画像処理に使用される最終的な姿勢に達するために、多くの異なる位置に連続して位置決めされる必要があってもよい。対象者が、先の移動で達した位置を維持することは困難である場合がある。成功インジケータは、新たな動作によって、対象者が、先の動きで起こった位置決めを不注意にも失敗したかどうかを示すために、フィードバックを対象者に提供するために使用されてもよい。
【0033】
別の実施形態では、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々は、対象者の身体部分の三次元位置及び向きを定める。上述したように、対象者の様々な身体部分は、弾性的に又は可変的に若しくは移動可能なやり方でつながれてもよい。良い例は、X線プレートの前に2つの肩を位置決めすることである。対象者は、各肩を相対的に独立して動かすことができる。この場合、各肩に1つずつ、2つの一次元位置インジケータが提供されることになる。
【0034】
別の実施形態では、ユーザインターフェイスは、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つを触覚信号として提供するように構成される。対象者に提供される刺激又はフィードバックのタイプは、異なる形態をとってもよい。例えば、それは、視覚的に提供されるか、音声情報を介して提供されるか、又は触覚信号としても提供されてもよい。複数の一次元位置インジケータがある場合、異なるタイプの刺激を混在させることができる。
【0035】
別の実施形態では、ユーザインターフェイスは、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つを音声信号として提供するように構成される。本実施形態は、視覚障害のある対象者に特に有益である場合がある。一次元位置インジケータは、様々な異なるやり方で提供されてもよい。例えば、個々の一次元位置インジケータは、トーンのピッチを変化させるために使用されてもよく、トーンの音色を変化させるために使用されてもよく、トーンの音量を変化させるために使用されてもよく、また、音のステレオ配置を修正するために使用されてもよい。音のステレオ配置は、例えば、対象者の左耳又は右耳に相対的な音量をパンニングすることによって変化してもよい。対象者は、また、様々な音響心理効果からの音の空間的位置のかなり高度に発達した感覚を有する。
【0036】
例えば、音又はトーンの相対的な音量を変化させることに加えて、対象者の心の中に非常に正確な空間的ステレオ画像を形成するためにもたらされる僅かな遅延が存在してもよい。これらの様々な音声信号を組み合わせて、2つ以上の一次元位置インジケータを対象者に伝達することもし得る。例えば、2つの一次元位置インジケータがある場合、一方は、トーンのピッチ又は音質を変化させるために使用され得て、他方は、心理音響効果又は相対的な音量を使用して、上記で説明されたように、音のステレオ配置を変化させ得る。これは、その上、視覚障害者であっても、最小限の補助で医用画像処置のために自分自身を非常に複雑な位置に位置決めする能力を有することを意味する。
【0037】
別の実施形態では、音声信号は、振幅の変化を含む。
【0038】
別の実施形態では、音声信号は、ピッチの変化を含む。
【0039】
別の実施形態では、音声信号は、音質の変化を含む。
【0040】
別の実施形態では、音声信号は、時折説明されるように、ステレオ音声の位置又はステレオ音声フィールド内の位置決めの変化を含む。
【0041】
別の実施形態では、ユーザインターフェイスは、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元位置インジケータのうちの少なくとも1つをディスプレイ上の視覚的位置インジケータとして提供するように構成される。これは、多くの一次元位置インジケータを表示するためにディスプレイを使用するので、有益である場合がある。また、ディスプレイは、対象者に追加のガイダンスを提供する成文化された指示又はグラフィックなどの他の情報を提供するために使用されてもよい。
【0042】
別の実施形態では、視覚的位置インジケータは、所定の経路に沿ったオブジェクト位置である。例えば、オブジェクトは、静止点から離れた経路に沿って移動できる。静止点に到達すると、次に、所定の座標及び現座標は、所定の量の範囲内で一致してもよい。
【0043】
別の実施形態では、視覚的位置インジケータは、ディスプレイ上の回転位置として提供される。所定の経路と同様に、特定の回転位置は、所定の量の範囲内で位置合わせされている所定の座標及び現座標に対応してもよい。
【0044】
別の実施形態では、視覚的位置インジケータは、オブジェクトのサイズとして提供される。例えば、オブジェクトのサイズは、増減させ得て、特定のサイズは、所定の量の範囲内で位置合わせされる所定の座標及び現座標に対応してもよい。
【0045】
別の実施形態では、視覚的位置インジケータは、表示されたオブジェクト又は領域の色の変化として提供される。例えば、色は、所定の量の範囲内で位置合わせされる所定の座標及び現座標のように、変更又はモーフィングされ得る。具体例としては、赤から緑へ色が変化し、適切な位置決めであることを示す。
【0046】
別の実施形態では、位置特定アルゴリズムは、テンプレートベースのマッチングアルゴリズムを使用して現在座標のセットを出力するように構成される。これは、モデルベースのマッチングアルゴリズムと呼ばれる場合もある。
【0047】
別の実施形態では、位置特定アルゴリズムは、関節尤度最大化アルゴリズムを有する画像構造モデルを使用して現座標のセットを出力するように構成される。
【0048】
別の実施形態では、位置特定アルゴリズムは、訓練されたニューラルネットワークを使用して現座標のセットを出力するように構成される。
【0049】
別の実施形態では、位置特定アルゴリズムは、確率的ブースティングツリーアルゴリズムを使用して現座標のセットを出力するように構成される。
【0050】
別の実施形態では、位置特定アルゴリズムは、変形可能モデルを使用して現座標のセットを出力するように構成される。
【0051】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標の線形結合である。
【0052】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標の自乗平均(RMS)値である。
【0053】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標の絶対値の線形結合である。
【0054】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標の絶対値の線形結合である。
【0055】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標のノルムである。
【0056】
別の実施形態では、オブジェクト関数は、位置差を構成する座標のL2ノルムである。
【0057】
別の態様では、本発明は、医療システムを操作する方法を提供する。本方法は、カメラシステムから画像を繰り返し受信することを含む。本方法は、現画像の位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、現画像について、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを受信することを更に含む。位置特定アルゴリズムは、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを出力するように構成される。本方法は、現画像について、所定の座標のうちの少なくとも1セットと、現座標のそのセットとの間の位置差を計算することを更に含む。本方法は、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する位置差をオブジェクト関数に入力することによって、画像について、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算することを更に含む。本方法は、ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対する一次元位置インジケータを提供し、且つ各一次元値を制御することによって一次元位置インジケータを提供することを更に含む。本実施形態の利点は、先に述べられている。
【0058】
別の態様では、本発明は、医療システムを制御する計算システムによって実行するためのマシン実行可能命令を含むコンピュータプログラムを提供する。コンピュータプログラムは、位置特定アルゴリズム又は位置特定アルゴリズムのインプリメンテーションを更に含む。位置特定アルゴリズムは、オブジェクトを記述した現画像の受信に応答して、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを出力するように構成される。マシン実行可能命令の実行により、計算システムがカメラシステムから現画像を繰り返し受信する。
【0059】
更に、マシン実行可能命令の実行により、現画像の位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、現画像について、計算システムが所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを受信する。更に、マシン実行可能命令の実行により、現画像について、計算システムが、所定の座標のうちの少なくとも1セットと、その現座標のセットとの間の位置差を計算する。
【0060】
更に、マシン実行可能命令の実行により、計算システムが、現画像について、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する位置差を、オブジェクト関数に入力することによって、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算する。更に、マシン実行可能命令の実行により、計算システムが、ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対する一次元位置インジケータであり、且つ各一次元値によって制御される一次元位置インジケータを現画像に提供する。本実施形態の利点は、先に述べられている。
【0061】
本発明の上述した実施形態のうちの1つ又は複数は、組み合わされた実施形態が相互に排他的でない限り、組み合わさられてもよいことを理解されたい。
【0062】
当業者には明らかなように、本発明の態様は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。従って、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は、本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、若しくは「システム」と呼ばれる場合があるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとってもよい。更に、本発明の態様は、そこで実施されるコンピュータ実行可能コードを有する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体で実施されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0063】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体のいかなる組み合わせも利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサ又は計算システムによって実行可能な指示を記憶してもよい任意の有形記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読の非一時的記憶媒体と呼ばれる場合がある。コンピュータ可読記憶媒体は、有形のコンピュータ可読媒体と呼ばれる場合もある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、また、コンピューティングデバイスの計算システムによってアクセスされることが可能なデータを記憶することが可能であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及び計算システムのレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。光ディスクの例としては、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えば、CD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW、又はDVD-Rディスクが挙げられる。また、コンピュータ可読記憶媒体という用語は、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセスされることが可能な様々なタイプの記録媒体を指す。例えば、データは、モデムを通じて、インターネットを通じて、又はローカルエリアネットワークを通じて取り出されてもよい。コンピュータ可読媒体に実装されたコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、又は前述の任意の好適な組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。
【0064】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、又は搬送波の一部として、その中に実施されるコンピュータ実行可能コードを有する伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝搬信号は、電磁気、光学、又はそれらのいかなる好適な組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な形態のいずれかをとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、若しくは転送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0065】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、計算システムに直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読記憶媒体の更なる例である。コンピュータストレージは、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータストレージは、コンピュータメモリであってもよく、又は逆もまた同じであってもよい。
【0066】
本明細書で使用される「計算システム」は、プログラム、マシン実行可能命令、又はコンピュータ実行可能コードを実行できる電子構成要素を包含する。「計算システム」の例を含む計算システムへの言及は、場合によっては、2つ以上の計算システム又は処理コアを含むものとして解釈されるべきである。計算システムは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。計算システムは、また、単一のコンピュータシステム内の計算システム、又は複数のコンピュータシステム間で分散された計算システムの集合を指す場合がある。また、計算システムという用語は、場合によっては、各々がプロセッサ又は計算システムを備えるコンピューティングデバイスの集合又はネットワークを指すと解釈されるべきである。マシン実行可能コード又は命令は、同じコンピューティングデバイス内にあってもよく、又は複数のコンピューティングデバイス全体に分散されることさえあってもよい複数の計算システム又はプロセッサによって実行されてもよい。
【0067】
マシン実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードは、プロセッサ又は他の計算システムに本発明の態様を実行させる命令又はプログラムを備えてもよい。本発明の態様のための操作を行うためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++などのオブジェクト指向型プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語のいかなる組み合わせでも書かれ、マシン実行可能命令にコンパイルされてもよい。いくつかの場合では、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態又はプリコンパイルされた形態であってもよく、オンザフライでマシン実行可能命令を生成するインタプリタと連動して使用されてもよい。他の例では、マシン実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードは、プログラマブルロジックゲートアレイ用のプログラム形態であってもよい。
【0068】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含むいかなるタイプのネットワークをも通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)接続をすることになってもよい。
【0069】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/若しくはブロック図の各ブロック又は一部のブロックは、適用可能な場合、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実施できることを理解されたい。更に、相互に排他的ではない場合、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わせられてもよいことを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置の計算システムに提供されて、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置の計算システムを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックに指定された機能/動作を実施するための手段を作成するような、マシンを生成してもよい。
【0070】
これらのマシン実行可能命令又はコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック若しくは複数のブロックにて指定される機能/行為を実施する指示を含む製造物品を生成するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスに特定のやり方で機能するように指示できるコンピュータ可読媒体に記憶されるようにしてもよい。
【0071】
また、マシン実行可能命令又はコンピュータプログラム命令を、一連の操作ステップに、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行させるために、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック若しくは複数のブロックで指定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するようなコンピュータ実行プロセスを生成することもあってよい。
【0072】
本明細書で使用される「ユーザインターフェイス」は、ユーザ又はオペレータが、コンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にするインターフェイスである。「ユーザインターフェイス」は、「ヒューマンインターフェイスデバイス」と呼ばれる場合もある。ユーザインターフェイスは、情報又はデータをオペレータに提供し、及び/又は情報又はデータをオペレータから受信してもよい。ユーザインターフェイスは、オペレータからの入力をコンピュータが受信することを可能にしてもよく、コンピュータからユーザに出力を提供してもよい。言い換えれば、ユーザインターフェイスによって、オペレータがコンピュータを制御又は操作するのを可能にしてもよく、インターフェイスによって、コンピュータがオペレータの制御又は操作の効果を示すのを可能にしてもよい。ディスプレイ又はグラフィカルユーザーインターフェイス上のデータ又は情報の表示は、情報をオペレータに提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ペダル、ワイヤードグローブ、リモートコントロール、及び加速度計を通じてのデータの受信は、オペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインターフェイス構成要素のすべての例である。また、ユーザインターフェイスは、ユーザ又はオペレータに音声又は触覚情報も提供してもよい。
【0073】
本明細書で使用される「ハードウェアインターフェイス」は、コンピュータシステムの計算システムが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置と対話し、及び/又はそれを制御することを可能にするインターフェイスを包含する。ハードウェアインターフェイスは、計算システムが、制御信号又は命令を外部コンピューティングデバイス及び/又は装置に送信することを可能にしてもよい。また、ハードウェアインターフェイスは、計算システムが、外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することも可能にしてもよい。ハードウェアインターフェイスの例としては、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、Bluetooth接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット接続、制御電圧インターフェイス、MIDIインターフェイス、アナログ入力インターフェイス、及びデジタル入力インターフェイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するように適合された出力デバイス又はユーザインターフェイスを包含する。ディスプレイは、視覚データ、音声データ、及び/又は触覚データを出力してもよい。ディスプレイの例としては、コンピュータモニタ、テレビスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクターディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
医用画像データは、本明細書では、対象者を描写した断層撮影医用画像システムによって行われる記録された測定値として定められる。医用画像データは、医用画像に再構成されてもよい。医用画像idは、本明細書では、医用画像データ内に含まれる解剖学的データの再構成された二次元又は三次元の視覚化したものとして定められる。この視覚化は、コンピュータを使って実行できる。
【0076】
以下では、本発明の好ましい実施形態が、単なる例として、その図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図2】
図1の医療システムを使用する方法を例示するフローチャートを示す図である。
【
図3】医療システムの更なる例を例示する図である。
【
図4】医療システムの更なる例を例示する図である。
【
図5】
図1、
図4又は
図5の医療システムを使用する方法を例示するフローチャートを示す図である。
【
図6】複数の一次元位置インジケータを備えたディスプレイ表示を示す図である。
【
図7】複数の一次元位置インジケータを備えた更なるディスプレイ表示を示す図である。
【
図8】複数の一次元位置インジケータを備えた更なるディスプレイ表示を示す図である。
【
図9】一次元位置インジケータを備えたディスプレイ表示を示す図である。
【
図10】ステレオ音場を使用して提供される複数の一次元位置インジケータを例示する図である。
【
図11】X線検査のための所望の対象者の位置の描写を示す図である。
【
図12】一連の連続した位置決めステップを表す3つの画像を示す図である。
【
図13】成功インジケータの使用を例示する図である。
【
図14】対象者の2つの肩を位置決めするための
図6から
図8の一次元位置インジケータの使用法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
これらの図における同様の番号を付された要素は、同等の要素であるか、又は同じ機能を実行する。前述の要素は、機能が同等である場合、必ずしも後の図で論じられるとは限らない。
【0079】
図1は、医療システム100の一例を例示する。
図1の医療システム100は、コンピュータシステム102を含むものとして示される。コンピュータシステム102は、特定の位置にある1つ又は複数のコンピュータシステムを表してもよく、又は、例えば、インターネット全体、又はウェブサービスとして分散されてもよい。コンピュータシステム102は、計算システム104を備えるものとして示されている。計算システム104は、例えば、1つ又は複数の異なる位置に配置された1つ又は複数の処理コアであってもよい。計算システム104は、任意のハードウェアインターフェイス106に接続されているものとして示される。ハードウェアインターフェイス106は、例えば、医療システム100の他の構成要素が存在する場合、それらを制御するために使用されてもよい。計算システム104は、任意のユーザインターフェイス108を備えるものとして更に示される。ユーザインターフェイス108は、例えば、オペレータ又は対象者に光学的、音声的又は触覚的フィードバックを提供するのに有用である場合がある。計算システム104は、メモリ110に接続しているものとして更に示される。メモリ110は、いかなるメモリの組み合わせ又は計算システム104にアクセス可能なメモリを表すことが意図されている。これには、ハードドライブ、SSD、又は、それどころか光メディア上若しくはネットワーク全体の外部メモリのようなものなどが含まれてもよい。
【0080】
メモリ110は、マシン実行可能命令120を含むものとして示される。マシン実行可能命令120は、計算システム104が、医療システム100の他の構成要素を制御するだけでなく、様々なデータ処理及び画像処理タスクを提供することを可能にしてもよい。メモリ110は、位置特定アルゴリズム122を含むものとして更に示される。位置特定アルゴリズム122は、現画像126を受信し、現座標128のうちの少なくとも1セットを出力するように構成される。メモリ110は、所定の座標124のうちの少なくとも1セットを含むものとして更に示される。メモリ110は、現画像126を含むものとして示される。メモリ110は、現画像126を位置特定アルゴリズム122に入力することによって受信された、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを含むものとして更に示される。
【0081】
メモリは、更に、所定の座標124のうちの少なくとも1セットの各々に対する位置差130を含むものとして示される。これは、所定の座標124のうちの少なくとも1セットの各々と、それに対応する現座標128のセットとの間の座標の差を計算することによって計算される。メモリ110は、オブジェクト関数132を含むものとして更に示される。オブジェクト関数132は、位置差130を入力とし、そして、一次元値134を出力する。オブジェクト関数132は、異なる例では異なる形態をとることができるが、例えば、単に座標間の差の平均二乗であることもあり得て、他の例では、様々な座標は、特定の座標がオブジェクトの位置決めにおいてより重要である場合があるように、異なる重み付け関数を有してもよい。
【0082】
メモリ110は、一次元値134のコピーを含むものとして更に示される。その上、一次元値134は、一次元位置インジケータ136を制御するために使用される。一次元位置インジケータ136は、例えば、ユーザインターフェイス108を使用してレンダリング又は提供されてもよく、又は、これらを提供するために異なるコンピュータ又は計算システムに提供されてもよい。
【0083】
図2は、
図1の医療システム100を操作する方法を例示するフローチャートを示す。まず、ステップ200では、現画像126がカメラシステムから受信される。次に、ステップ202では、現座標のセット128が、現画像126を位置特定アルゴリズム122に入力することによって受信される。次に、ステップ204では、現座標のセット128と所定の座標のセット124との間の位置差130が計算される。
【0084】
次いで、本方法は、任意の決定ボックス206へ進む。ボックス206では、「オブジェクトは適所にあるか?」という質問がなされる。例えば、所定の基準を使用して、位置差130が、オブジェクトが正しく位置決めされたことを示すのに十分に小さいかどうかを決定し得る。ボックス206における質問に対する回答がはいである場合、本方法は任意でステップ208に進み、本方法を終了することになる。ボックス206における質問に対する回答がいいえである場合、これは、オブジェクトが正しく位置決めされていないことを意味し、本方法はステップ210に進む。ステップ210において、一次元値134は、位置差130をオブジェクト関数132に入力することによって計算される。
【0085】
ステップ210が実行された後、本方法はステップ212に進む。ステップ212では、一次元位置インジケータ136が提供される。一次元値134は、一次元位置インジケータ136を制御するために使用される。前述のように、様々な一次元位置インジケータは、触覚信号、視覚信号、又は音声信号の組み合わせを使用して提供し得る。ステップ212の後、本方法はステップ200に戻る。この例では、本方法は閉制御ループを提供する。
【0086】
図3は、医療システム300の更なる例を例示する。医療機器300は、診断用超音波システム302を更に備えることを除いて、
図1での医療機器100と同様である。診断用超音波システム302は、現画像を取得するためのカメラシステム304を備えるものとして更に示される。診断用超音波システム302は、超音波トランスデューサ306及びディスプレイ308を備えるものとして更に示される。
図1に例示されるようなコンピュータシステム102は、また、診断用超音波システム302に組み込まれるものとしても示される。対象者支持体312上には、横になっている対象者310が存在する。超音波トランスデューサ306は、検査を実行するために、対象者310に手動で移動してもよい。カメラシステム304は、現画像を繰り返し取得する。位置特定アルゴリズムは、例えば、対象者310の解剖学的構造に対する超音波トランスデューサ306の位置を特定することが可能であってもよい。
【0087】
ディスプレイ308上には、単一の一次元位置インジケータ314として示される。超音波トランスデューサ306は、対象者310に対して、回転、圧力、及び角度の観点から位置合わせされてもよい。しかしながら、この例では、単一の一次元位置インジケータ314のみが存在する。オブジェクト関数132は、ディスプレイ308上に表示されるオブジェクト318と、トランスデューサが位置合わせしたときのオブジェクトの位置320との間の一次元変位316にアライメントを低減するために使用される。超音波トランスデューサ306は、位置合わせが不十分であるほど、一次元変位316は減少する。単一の一次元位置インジケータ314を見ることによって、オペレータは最終的に、検査を実行するために、超音波トランスデューサ306を正しい位置に正確に位置決めできる。これは、最小限のトレーニング量でもって人々が診断用超音波システム302を正しく操作することを可能にしてもよい。
【0088】
例は、また、位置決め超音波トランスデューサにも使用されてもよい。超音波は、押しボタン式の技術ではない。それは、良好な超音波画像を取得するために、専門オペレータ(正しい操作技術を取得し、良好な心臓検査を行うためには最大2年の時間を要することがある)を必要とし、所与の画像の繰り返し精度及び再現性がその複雑さによって制限されることを意味する。複雑さは、超音波検査者が、リアルタイムの超音波ストリームからの複数の画像を頭の中で統合して患者の解剖学的構造を再構成しながら、正確なプローブの向きで目的の位置に到達するために、患者の身体上でプローブを移動させることを必要とする位置特定ステップに起因して生じる。
【0089】
超音波検査の主な目的は、患者内部の関心領域の正確な写真を手に入れることである。このためには、プローブを用いた微細な動きが、内臓の正しい表示を得るために必要とされる。そのような動きとしては、以下のものが挙げられる。
- プローブで皮膚に微細な圧力をかけること。
- X°まで回転させること。
- プローブをロールすること。
【0090】
得られる画質は、プローブの位置及び向き、並びに、例えば対象者の位置及び呼吸位相を含む、外部的な対象者に依存する要因に対して大きく影響される。従って、超音波検査の全体的な質は、検査を行う超音波検査者の専門知識及び経験に大いに依存する。経験の少ない超音波検査者が、対象者の身体上でプローブを動かして、所望の画面を手に入れるのに、しばらく時間がかかることがあってもよい。超音波検査者への依存は、正確な定量的超音波診断を確立するための主な変動要員の1つである。この依存は、経過観察の超音波検査(最初の検査後に実行される検査)の再現性に特に不利益であり、比較を困難にする。
【0091】
例としては、超音波プローブ又はトランスデューサの誘導を提供してもよく、従って、経験の少ないユーザが高品質且つ手早い超音波検査を実行するのを可能にできる。これは、例えば、救急医療、及び一般的な非局所医療において混乱を招くことがある。
【0092】
図4は、医療システム400の更なる例を例示する。医療システム400は、
図1及び
図3に例示される医療システム100及び300と同様である。この場合、医療システム400は、デジタルX線システム402を備えるものとして示される。The digital X-ray system 402 is an example of a medical imaging system.デジタルX線システム402は、例えば、デジタル蛍光透視システム、磁気共鳴画像法システム、コンピュータ断層撮影システム、陽電子放射断層撮影システム、又は単一光子放射断層撮影システムと置き換え得る。
【0093】
デジタルX線システム402は、X線発生器404及びX線検出器406を備える。点線408は、X線の経路を示す。対象者310は、X線検出器406とX線発生装置404との間に立っているように示される。対象者310は、検査のために彼女又は彼自身を適切に位置決めしようとしている。カメラシステム304は、再び視認できるように示される。
【0094】
この例では、1つ又は複数の一次元位置インジケータを提供するために使用されてもよい3つの異なるタイプのユーザインターフェイスの例が3つある。対象者310に視覚的フィードバックを提供するためのディスプレイ308がある。対象者310は、1つ又は複数の一次元位置インジケータとして使用されてもよい対象者310に音声信号を提供できるヘッドホン416を装着しているものとしても示される。ヘッドホン416は、対象者に音声信号を提供し得るユーザインターフェイスの1つのタイプの例であることが意図されている。スピーカのような他のタイプのオーディオトランスデューサを、ヘッドホン416の代わりにし得る。ヘッドホン416の使用は、対象者が音声信号を知覚する方法に、対象者の頭部の位置が影響しないという利点を有する。外部スピーカを用いると、対象者の音声信号の知覚は、対象者が動くにつれて変化し得る。
【0095】
対象者310は、触覚フィードバックシステム418を装着しているものとしても示される。触覚フィードバックシステム418は、例えば、一次元値の関数として異なる振幅で振動してもよい。
【0096】
様々な対象者が異なる障害をもつ場合がある。例えば、対象者310が見るのに苦労する場合、ヘッドホン416及び或いは触覚フィードバックシステム418を使用してもよい。しかしながら、対象者310が難聴である場合、ディスプレイ308又は触覚フィードバックシステム418の使用がより適切である場合がある。従って、ユーザインターフェイスの構成は非常に柔軟であり、個々の対象者310のニーズに合わせて構成することができる。
【0097】
メモリ110は、追加の画像プロトコルの選択410を任意に含むものとして示される。メモリ110は、任意のデータベース412を含むものとして更に示される。データベース412は、画像プロトコルの選択410を使用して参照され、位置決め指示ステップ414のセットを取り出してもよい。位置決め指示ステップ414のセットは、例えば、ディスプレイ308、ヘッドホン416、及び/又は触覚フィードバックシステム418を使用して指示を出すために使用されてもよい。
【0098】
図5は、本方法の更なる例を例示するフローチャートを示す。本方法は、ステップ500から開始する。ステップ500では、画像プロトコルの選択410が受信される。次に、ステップ502では、画像プロトコルの選択410を使用して、データベース412に照会する。この照会に応答して、データベースは位置決め指示ステップ414のセットを取り出して、提供する。位置決め指示ステップ414のセットには、位置決め指示の所定のシーケンスが記述されている。これらの所定の位置決め指示は、例えば、ディスプレイ308、ヘッドホン416、又は触覚フィードバックシステム418を使用して提供されてもよい。
【0099】
位置決め指示ステップ414のシーケンスのうちの少なくとも1つは、所定の座標124のうちの少なくとも1セットを含む。次に、ステップ504では、ユーザインターフェイス108、308、416、418を使用して、位置決め指示の所定のシーケンスが提供される。最後に、ステップ506では、対象者310の動作が、位置決め指示の所定のシーケンスを提供する間、監視される。一次元位置インジケータは、位置決め指示の所定のシーケンスのうちの少なくとも1つに対してリアルタイムで提供又は修正される。
【0100】
1つは、例えば、
図5の上記フローチャートで説明したような特徴を利用しない場合、対象者に位置決めガイダンスを提供するときには、指示は、- 例えば、(i)壁スタンドの中央を背に立つ、-(ii)手を背中の後ろに置くといった簡単な動きに対してのみ上手く機能するが、- 例えば、(iii)肩を壁スタンドに対してカールさせるといった、変わった体位を必要とするより複雑な動きには失敗する場合がある。
【0101】
例えば、患者を胸部X線のための適切な位置に誘導することは、以下のような肩/脊椎の位置決めについてのみ多くの自由度があるので、非常に複雑である。
- 肩の水平レベル(左右が同じ高さ)、即ちx軸に沿ったアライメント。
- 肩の前方回転(左右が可能な限り検出プレートに近い)、即ちz軸に沿ったアライメント。
- 脊椎垂直アラインメント、即ちy軸に沿ったアライメント。
【0102】
目視で患者を3つの自由度で誘導するのは、非常に困難である。第1に、視覚化は3Dで行われることになり、これは、そのような表現をナビゲートするために使用されない患者の大多数にとって認知的に複雑である。第2に、これらの別々の3本の軸に沿って患者を誘導することは、患者がこれらの軸に沿った彼らの身体の動きを別々に頭の中で切り離すための空間表現に関して十分な身体認識を有することを意味する。最後に、動きを3つのステップに分解する際に、患者が次のステップで行う調整により、前のステップで得られた要件が再び破られる可能性が高くなる。例えば、脊椎のアライメントは、肩の僅かな後方への移動を生じる可能性が高くなり、それによって、前のステップで得られた前方回転の要件を破る。
【0103】
従って、いくつかの例は、いくつかの自由度が組み合わせて視覚化(2D→1D)したような一次元位置インジケータを提供してもよく、直感的に従い、段階を追ってというよりはむしろ同時に体位のアライメントを提供する視覚的フィードバックを患者に与える。単一の一次元位置インジケータへの複数の次数の組み合わせは、いくつかの異なるやり方で実施してもよい。一例では、多次元の動き(二次元又は2Dの動きなど)が同時に組み合わされる。
【0104】
他の例では、一次元位置インジケータは、追加の自由度の効果を連続して追加するように構成される。例えば、複雑な動作は、対象者が複数の方向への動き、延伸、ねじれ、及び/又は身体部分を回転させることを使用して身体部分を位置決めすることを必要としてもよい。対象者が中間の位置又は姿勢に達すると、オブジェクト関数は、追加の制約を表す追加の項を含むように変更される。
【0105】
複数の一次元位置インジケータの使用は、異なる方法で実施されてもよい。例えば、複数の一次元位置インジケータが提供されてもよい。一例では、複数の一次元位置インジケータを使用して、複数の位置決め動作に関するフィードバックを同時に提供する。例えば、対象者は、自立性を大いに保って彼女又は彼の肩を動かしてもよい。一次元位置インジケータは、各肩部に対して提供されてもよい。これは、多くの異なる身体部分の位置決めにも当てはまる。
【0106】
他の例では、複数の一次元位置インジケータは、連続して提供されてもよい。対象者の一部が適切に位置決めされると、追加の一次元位置インジケータが提供されてもよい。
【0107】
これらの例のいくつかでは、最初に段階を追って指示が提供される。患者又は対象者が正しい位置に達することができない場合、対象者が正しい位置又は姿勢を達するのを支援するために、一次元位置インジケータが提供されてもよい。
【0108】
例として、以下の1つ又は複数の要素が含まれてもよい。
1. 患者の自然な姿勢から到達するための一連の動き(位置決め指示ステップ414のセット)を必要とする目標の姿勢(所望の対象者の姿勢1100)。
2. 患者にとって区別できない一連の動きの中での動きの識別。区別できないとは、患者が、その動きのうちの1つに対する単純な指示では、他の動きのうちの1つを同時に実行することなく、それを実行することができないことを意味する。この識別は、例えば、患者のグループに関するガイダンスコンセプトを事前テストすることによって実現することができる。
3. 2つ(又はそれ以上)の区別できない動きが正確に実行された場合にのみ、区別できない動き関する指示の共同表現、即ち指示(視覚的、聴覚的、触覚的な指示)における1つの目標に達する。
【0109】
図6は、いくつかの異なる一次元位置インジケータ600、602、608を含むディスプレイの例を例示する。第1の位置インジケータは、位置合わせされた位置に示される第1の回転する一次元位置インジケータ500である。また、ディスプレイ308は、2つの別々の変位する一次元位置インジケータ602、608を示す。
【0110】
アライメント位置606からのオブジェクト602の変位を示す第1の変位する一次元位置インジケータ602がある。第1の変位する一次元位置インジケータ602は、変位する一次元アライメント位置606から離れた第1の変位604であることが分かる。アライメント位置606から離れた第2の変位610である第2の変位する一次元位置インジケータ608もある。ディスプレイ308は、対象者が複数の身体部分を位置決めしようとするときに特に有用である場合がある。例えば、第1の変位する一次元位置インジケータ602は、第1の肩の位置を示し得る。第2の変位する一次元位置インジケータ608は、第2の肩を表し得る。両肩部が適切に位置合わせされると、それらは、位置合わせされた位置606で重なり合う。各肩が更に悪く位置合わせされると、第1の変位604及び第2の変位610は増加する。
【0111】
図6の例は、アルコール水準器又は気泡水準器に似ている。本方法では、潜在的に、
- 正しい姿勢/位置を実演する。
- 正しい姿勢/位置に対して、現在の姿勢/位置に関するフィードバックを提供する。つまり、動きが姿勢を近づけているか、正しい姿勢から更に遠ざけているかを各動きについて示す直接のフィードバックループがある。
【0112】
図7は、
図6の一次元位置インジケータの更なる表示を示す。この例では、第1の変位する一次元位置インジケータ602及び第2の変位する一次元位置インジケータ608の両方がアライメント位置606に示される。しかしながら、第1の回転する一次元位置インジケータ600は、角度700だけ回転されている。角度700の値は、一次元値によって決定されてもよい。
図6及び
図7は、3つの別々の一次元位置インジケータ600、608、602を、どのように同じディスプレイ308上に示すことができるかを例示する。角度700は、例えば、彼女又は彼の脊椎のアライメントについてのフィードバックをユーザに提供する際に有用であり得る。
【0113】
図8は、
図6及び
図7のディスプレイ308が第4の一次元位置インジケータ800を追加するためにどのように修正される場合があるかを示す。この例では、第2の回転する一次元位置インジケータ800を表す線800がある。このインジケータ800は、アライメント位置804から角度802で回転する。
図8は、対象者に提供される情報量を増加させる場合の1つのやり方を例示する。
【0114】
脊椎のアライメントは、直線的な軸合わせを表現したものであり、
図7及び
図8に例示される回転する一次元インジケータの例を使用して、様々なやり方で表すことができる。
【0115】
図6~
図8は、三次元での身体の動きでガイダンスを提供するために、アルコール水準器の視覚化がどのように使用されるかを以下に示す。
1. 肩の水平アライメント、即ちx軸に沿ったアライメント。
2. 肩の前方回転、即ちz軸に沿ったアライメント。
3. 脊椎の垂直アライメント、即ちy軸に沿ったアライメント。
x-y平面の表現では、以下のものを通じて、二次元でのフィードバックを提供する。
- バーの中心の左又は右に向かう黒い点の動き。
- 垂直軸上のレベルバーのチルト(700)。
【0116】
肩の動き(水平アライメント及び前方回転)は、一次元に組み合わされ、肩のアライメントのずれを示す中心の左又は右に対する黒い点、又は脊椎のアライメントのずれを示すチルトしたバーのいずれも備えた非常に単純なフィードバックの視覚化を残す。
【0117】
肩を動かすことを通じて、患者は中心に向かって又はそこから離れて移動する点を見ることになり、それによって、肩の前後又は水平方向の動きをどのように区別するかの知識に頼る必要なく、肩の正しい位置を見つけることができる。
【0118】
身体の一部のみ(例えば、1つの肩、1つの膝)を必要とする他の動きの場合、アルコール水準器は、1つの黒い点のみを有する。
この表現では、システムが回転の程度を前方及び水平方向に測定し、それをバーの長さにマッピングして、黒い点がバーの中心に対してどこにあるべきかを決定することができる。脊椎の場合、システムは最も遠い点が脊椎に投影される直線からどれだけ遠くにあるかを測定し、そして、それをバーの回転の程度にマッピングすることができる。
【0119】
アルコール水準器以外での視覚化を実施することができる。一例として、胸部X線の位置決めには、
- 各肩は、そのサイズが適切な位置決めに依存する形状によって表され、理想的な位置に近づくほど、形状は小さくなり、
- 振動などの触覚フィードバックは、肩が目標位置に到達するにつれて減衰し、
- 光信号は、肩が目標位置に到達するにつれて赤から緑に変わり、
- 音は、肩が目標位置に到達するにつれて、高いピッチの高周波音から調和のとれた低音のベルまで鳴る、
などの場合がある。
【0120】
走査目的のための身体の位置決めにおける他の実施形態は、3つの自由度を有する場合の姿勢を含む。特に、対象者が身体的訓練を受けていない場合には、達成することが困難な姿勢がある。例としては、
- 通常、脊椎及び脚の動きにもなるような、腰回りを回転させる必要がある姿勢、
- 腕を側面又は前面に向けて出すが、肩を下げて、背中をまっすぐにする必要がある姿勢、
- 脚を動かさない足関節の動き、がある。足首は完全に回転させることができるので、以下のことは、正確な正しい位置を見つけることが困難なことがある。
- 腕を動かすことなく手関節を動かすこと。
- 例えば、手を正しい位置に安定して保持しながら、手がリラックスした位置に保持される場合に、他の指によって覆われる位置にある指のX線を撮影するために、指を特定の位置に置くこと。
【0121】
別の実施形態では、本発明は、患者が理学療法士によって誘導されないときに、自宅で理学療法の運動を実行するのを助けることができる。
運動には、以下の2つのタイプある。
- 例えば、ストレッチや筋肉のトレーニングなど、特定の姿勢を保持すること。
- 特定の動きを繰り返すこと。
【0122】
どちらの場合も、本発明は、運動を実行する際に患者を支援することができる。
特定の姿勢を保持する場合には、視覚化により、患者が依然として正しい位置を保持しているかどうかに関する連続的なフィードバックが提供されることができる。例えば、プランクポジションを保持することは、以下のことが重要である。
- 肩が前後に動くことができるように、肩の下に手を置くこと。
- 背中をまっすぐにすること。
- 背中及び脚が直線になるように、腰回りを下ろすこと。
【0123】
特定の動きを繰り返す場合には、視覚化により、動きが必ず可能な限り効果的であるようにするために、動きの末端/エンドポイントに関するフィードバックが提供されることができる。
【0124】
例えば、足首のリハビリテーション運動には、横になって、膝をまっすぐに保ちながら、足首を曲げることが含まれる。この動きは、不快に感じるまで行うべきである。しかしながら、不快感として説明されることは、個人間で大きく異なりことがある。本発明を使用すると、理学療法士は、患者の不快感のレベルを少し過ぎたところで患者を押してもよく、又は患者が独力で行うより少し強く患者を拘束してもよいといったことを患者と一緒に目標を設定することができる。正しい屈曲の度合いは、視覚化における黒い点が正確に中央にある場所に設定されることができる。このように、患者が自宅にいるとき、彼/彼女は、動きをいつ停止し、ニュートラルの位置にいつ戻るべきかを彼/彼女に知らせるために、視覚的フィードバックを得ることができ、同時に、彼/彼女が必ず動きに合わせた正しい姿勢を保つようにする。
【0125】
今日、多くの仕事において、正しい姿勢を保つことに大きな問題がある。会社員は一日中椅子に座り、背中、首、及び肩の病気を発症し、重いものを持ち上げする必要のある引っ越し業者、建設労働者、及び他の仕事は、背中の問題を発症する場合がある。
【0126】
日中は、姿勢から注意が逸れてしまうので、正しい姿勢を保つことは困難である。ここに提示された単純な視覚化は、姿勢に注意を集中し直すためのトリガーとしての役割を果たすことができる。
【0127】
その上、正しい姿勢をとるのを確認することが非常に難しいこともある。多くの人々にとって、彼らの姿勢を正すには、以下を含む複数の自由度が必要とされる。
- 脚は、膝が90度の角度に曲げられるか、又は両脚をまっすぐ立たせる。
- 腰回りは、立っているときだけでなく、座っているときにも前方に回転する。
- 背中は、背中の上部だけでなく背中の下部もまっすぐにする。
- 肩は、下にして後方によじらせて肩をおく。
- 首は、通常、頭を後方に動かし、顎を下に動かす必要がある。
【0128】
姿勢を修正するとき、通常、人は、これらの動きのうちの1つに集中することになり、例えば、背中の下部をまっすぐにするが、他の動きが考慮されない場合、これは身体の異なる部分に病状が移動することにつながる場合がある。
【0129】
図9は、サイズベースの一次元位置インジケータ900を示すディスプレイ308の更なる例を示す。一次元位置インジケータ902のサイズは、一次元値の値によって変化することができる。一次元位置インジケータ900は位置が位置合わせされていることを示すとき、破線の円によって示されるアライメントサイズ902を有してもよい。前述の例は、視覚的フィードバックのために一次元位置インジケータをどのように構成し得るかを例示している。
【0130】
図10は、音響ユーザインターフェイス1000の一例を例示する。ヘッドホン416を装着している対象者310がいる。異なる音をそれぞれの耳に提供することによって、ステレオ音響画像1002が構築されてもよい。このステレオ音響画像1002は、対象体からの距離1004及び左右の位置1006を有してもよい。距離1004及び位置1006は、2つの異なる一次元位置インジケータを提供する。これは、とりわけ、例えば、2つの異なる身体部分を位置合わせする手段を視覚的な障害をもつ者に提供してもよい。ステレオ音響画像1002の正確な位置は、異なるやり方で制御してもよい。
【0131】
例えば、振幅を変化させることにより、対象者310に近づくように、それを見えるようにしてもよい。左右間の音量バランスを変更することも、左右の位置1006を調整するために使用してもよい。しかしながら、これをより良く制御するために、様々な音響心理モデルを使用してもよい。例えば、ステレオ音響画像1002をより良くするために、左右の耳に提供される音の間に僅かな遅延が導入されてもよい。
【0132】
ステレオ音響画像1002を提供することは、音声ベースで一次元位置インジケータを提供することができる唯一のやり方ではない。ピッチ、音色、音量、及び他の特性も、一次元値の関数として変化させてもよい。
【0133】
多くの医学的検査のために、患者は、特定の位置及び特定の姿勢を取らなければならない。例えば、MR走査の場合、患者は、彼女の頭の上に彼女の手を置くことを必要とする場合がある。膝の検査の場合、患者は膝を曲げる必要がある場合がある。胸部X線の場合、患者は自身の手を背中に乗せ、肩甲骨を前方にカールさせる必要がある。現在、患者に何をすべきかを説明し、患者を正しい位置及び姿勢に優しく押し込む場合がある経験豊富な技術者がいる。
【0134】
しかしながら、保険医療コストの高騰や、専門スタッフの少ない非局地的な医療センタに画像診断を導入する傾向があるため、患者が正しい姿勢を取るのを助けるための知識、技能、経験が不足している場合がある、訓練を受けていないスタッフを利用することへの後押しがある。しかしながら、正しい姿勢を取ることは、良好な画質と、再撮影の回数を制限するために重要である。フィリップスには、医用画像診断が自律的に行われる将来に備え、検査(自律撮像)中に生身の看護師又は技術者がいない、いくつかの研究プロジェクトがある。
【0135】
一般に、技術者の存在下でさえ、検査をより速く行うことが望まれる。これは、特に、肺関連の疾患の急増による需要の増加を見る胸部X線撮像に当てはまる。中国では、1日に1台の装置で最大600回の胸部X線検査が実行されている。このように、患者の位置決めをより速くするための任意の手段が歓迎される。
【0136】
従って、患者に姿勢を指示し、正しい位置決めをより速く、より正確に、より安定させるシステムが有益である。そのような指示は、視覚的(例えば、2D映像、3D映像、動画映像、ビデオ)及び/又は聴覚的(例えば、口語的又は抽象的に、車を駐車するときの音声警告に匹敵する)であることができる。
【0137】
ガイダンスコンセプトの一例として、3Dアニメーションの短いループに基づく胸部X線のためのシステムが実装されてもよい。そのようなループでは、アニメーション化された人間のキャラクタ(例えば、アバター又は「バーチャルツイン」)は、聞き取れる指示とともに、患者の現在の姿勢から必要な姿勢に動かすために必要とされる動きを示す。身体部分及びその動きは、様々な視覚的手段(例えば、矢印、色、及び照明)を通して強調されてもよい。必要とされる全体的な姿勢の変化は管理可能で理解可能な副次的な動きに分けられる(例えば、正面の胸部X線が、(i)壁スタンドの中央に対して立つ、(ii)背中の後ろに手を置く、(iii)肩を壁スタンドに対して肩をカールさせることに分けられる)。これらの副次的な動きの各々は、ループする3Dアニメーションを通して説明される。ループは、患者がコンピュータビジョン(例えば、深度カメラ)を使用することによって検出される正しい姿勢を取るまで再生する。
【0138】
図11は、例えば、撮像プロトコル選択410が行われたときに、対象者に表示されてもよい所望の対象者の位置1100を示す。
【0139】
図12は、位置決め指示ステップ414のセットを例示する。位置決め指示ステップ414のセットは、機械命令1200、1202、及び1204を含むものとして示される。この例では、位置1100を達するための複雑な動きが理解可能なチャンクに細分化されてもよい。これらの画像1200、1201、1202の各々は、アニメーションループであってもよい。これは、実際のビデオを使用して、又はアニメーションによって行われてもよい。例えば、アニメーション化された3Dキャラクタは、対象者の実際の位置にリアルタイムで適応させ得る。画像1200、1201、及び1202は、例えば、
図6、
図7、及び
図8に表示されるような位置インジケータに加えて表示されてもよい。
【0140】
図11及び
図12は、複雑な動きがどのようにして理解可能なチャンクに「細分化」される場合があるかを例示する。これら3つの画像の各々は、実際にはアニメーションループである。これは実在のビデオであるが、我々は、動きをリアルタイムで適応できる3Dアニメーション化されたキャラクタである人を想像する。
【0141】
対象者が彼女又は彼自身を位置決めしているとき、対象者は、既に位置決めされた身体部分の位置を維持することが困難である場合がある。
図13は、ディスプレイ308に追加されてもよい追加ディスプレイを示し、これは、多くの成功インジケータ1300及び位置ずれインジケータ1302を伴う対象者の理想化されたものを示す。対象者が位置決め命令1200、1202、又は1204のうちの1つを正常に完了すると、成功インジケータ1300が表示されてもよい。カメラが対象体を常に監視しているので、身体の一部又は複数の部分が位置ずれした場合、位置ずれインジケータ1302を提供するか、又は成功インジケータ1300を除くことによって、これを対象体に指示してもよい。
【0142】
図13に例示されるディスプレイは、
図6~
図9に示されるような一次元位置インジケータで拡張されてもよい。一例では、位置ずれインジケータ1302が
図9に例示されるように、改善された位置決めを示すために、それらのサイズが変更されている。位置ずれインジケータ1302は増加したサイズで開始し、次いで、現座標が所定の座標と位置合わせされると縮小し得る。続いて、現座標が所定の座標と位置合わせされると、位置ずれインジケータは成功インジケータ130に変化する。
【0143】
図14では、ディスプレイ308の3つの異なる表示がある。第1の表示1400は、対象者310が適切に位置合わせされた両肩を有する第1のディスプレイ表示を示す。第2のディスプレイ308は、一方の肩が位置ずれした第2の表示1402を示す。1404とラベル付けされたディスプレイ308の第3の表示があり、これは位置ずれした2つの肩を示す。第1のカラム1406は、
図4に例示されるように、X線検出器406の前の対象者310の背面図を示す。カラム1408は、同じX線検出器406の前の対象者310の上面図を示す。第1の表示1400では、両肩が適切に位置合わせされ、ディスプレイ308が、両肩の位置が合わさっていることを示す。
【0144】
ディスプレイ308の第2の表示1402は、左肩1410が位置ずれしていることを示す。実際には、ディスプレイ1402をもたらし得る2つの可能性がある。肩1410は、2つの上部画像に例示されるように低すぎるか、又はX線検出器406からの間違った距離にあり得る。これらの2つの可能性の両方とも、第2の表示1402の左側に例示されている。
【0145】
ディスプレイ308の第3の表示1404は、両肩が位置ずれしていることを示す。様々な異なる可能性が、同じ表示になることがあり得る。上では、左肩は低すぎ、右肩はX線検出器406からの間違った距離にある。別の可能性が下部分に例示され、そこでは、両肩1410がX線検出器406からの間違った距離にある。対象者がディスプレイ1402又は1404を見ると、その者は、異なる位置に肩を徐々に動かし、肩が特定の方向に動かされると、インジケータ602又は608が位置合わせされた位置606に近づくことに気付く。それ故、対象者310は、最小限の訓練で、又は訓練なしで、彼女又は彼自身を位置決めすることができる。
【0146】
本発明は図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明されているが、そのような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。
【0147】
開示された実施形態に対する他の変形例は、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、実行することができる。特許請求の範囲では、単語「含む」は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは他のハードウェアとともに、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布されてもよいが、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介して、他の形態でも配布されてもよい。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0148】
100 医療システム
102 コンピュータシステム
104 計算システム
106 ハードウェアインターフェイス
108 ユーザインターフェイス
110 メモリ
120 マシン実行可能命令
122 位置特定アルゴリズム
124 所定の座標のうちの少なくとも1セット
126 現画像
128 所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセット
130 位置差
132 オブジェクト関数
134 一次元値
136 一次元位置インジケータ
200 カメラシステムから現画像を繰り返し受信する
202 現画像の位置特定アルゴリズムへの入力に応答して、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する現座標のセットを受信する
204 所定の座標のうちの少なくとも1セットとその現座標のセットとの間の位置差を計算する
206 所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する位置差をオブジェクト関数に入力することによって、所定の座標のうちの少なくとも1セットの各々に対する一次元値を計算する
208 ユーザインターフェイスを使用して、リアルタイムで、各一次元値の各々に対して、且つ各一次元値によって制御される、一次元位置インジケータを提供する
300 医療機器
302 診断用超音波システム
304 カメラシステム
306 超音波トランスデューサ
308 ディスプレイ
310 対象者
312 対象者支持体
314 一次元位置インジケータ
316 一次元変位
318 オブジェクト
320 トランスデューサを位置合わせしたときのオブジェクトの位置
400 医療システム
402 デジタルX腺システム
404 X線発生装置
406 X線検出器
408 X線経路
410 画像プロトコルの選択
412 データベース
414 位置決め指示ステップの格好
416 ヘッドホン
418 触覚フィードバックシステム
500 画像プロトコルの選択を受信する
502 画像プロトコルの選択でデータベースに照会することによって、対象者を位置決めするための一連の位置決め指示ステップを検索する
504 ユーザインターフェイスを使用して、位置決め指示の所定のシーケンスを提供する
506 位置決め指示の所定のシーケンスを提供する間、対象者の動作を監視する
600 第1の回転する一次元位置インジケータ
602 第1の変位する一次元位置インジケータ
604 第1の変位
606 アライメント位置
608 第2の変位する一次元位置インジケータ
610 第2の変位
700 角度
800 第2の回転する一次元位置インジケータ
802 角度
804 アライメント位置
900 一次元位置インジケータのサイズ
902 アライメントサイズ
1000 音響ユーザインターフェイス
1002 ステレオ音響画像
1004 対象者の一次元位置インジケータからの距離
1006 一次元位置インジケータの左/右の位置
1100 所望の対象者の位置
1200 位置決め指示
1202 位置決め指示
1204 位置決め指示
1300 成功インジケータ
1302 位置ずれインジケータ
1400 第1のディスプレイ表示(位置合わせされた対象者)
1402 第2のディスプレイ表示(片方の肩が位置ずれしている)
1404 第3のディスプレイ表示(両方の肩が位置ずれしている)
1406 対象者の背面図
1408 対象者の上面図
1410 位置ずれした肩