(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器
(51)【国際特許分類】
F22B 37/20 20060101AFI20240129BHJP
F22B 1/18 20060101ALI20240129BHJP
F22D 1/10 20060101ALI20240129BHJP
F28F 9/26 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
F22B37/20 D
F22B1/18 K
F22D1/10
F28F9/26
(21)【出願番号】P 2023131708
(22)【出願日】2023-08-11
【審査請求日】2023-08-12
(31)【優先権主張番号】202310345540.2
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523137751
【氏名又は名称】内蒙古和林発電有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】張暁慧
(72)【発明者】
【氏名】李強
(72)【発明者】
【氏名】賀竜
(72)【発明者】
【氏名】鄭文涛
(72)【発明者】
【氏名】李栄軒
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-009765(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114992622(CN,A)
【文献】仏国特許発明第01389311(FR,A)
【文献】特開2007-298245(JP,A)
【文献】特開2002-115806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/00 - 37/78
F22B 1/00 - 3/08
F22D 1/00 - 11/06
F28F 9/00 - 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器であって、
熱伝導アセンブリ(100)、整流アセンブリ(200)及び接合アセンブリ(300)
を備え、
前記熱伝導アセンブリ(100)は、サイドプレート(101)、底板(102)、熱伝
導鋼管(103)及び熱伝導部材(104)を備え、前記底板(102)は、前記サイド
プレート(101)の底部に固定され、前記熱伝導鋼管(103)は、前記サイドプレー
ト(101)の内側に設置され、前記熱伝導部材(104)は、前記熱伝導鋼管(103
)の表面に設置され、前記熱伝導鋼管(103)の表面には、取り付け孔(S)が等間隔
に開設されており、
整流アセンブリ(200)は、前記取り付け孔(S)内に設置され、可動部材(201)
、連結部材(202)、調整部材(203)、導流部材(204)及び推進部材(205
)を備え、前記可動部材(201)は前記取り付け孔(S)内に設置され、前記連結部材
(202)は前記熱伝導部材(104)の内部に設置され、前記調整部材(203)は前
記熱伝導鋼管(103)の表面に設置され、前記導流部材(204)は、前記熱伝導鋼管
(103)の内壁の頂部と底部に回転可能に連結され、前記推進部材(205)は前記可
動部材(201)の底部に設置され、
接合アセンブリ(300)は、前記底板(102)上に設置され、位置決め部材(301
)、ストッパ(302)、駆動部材(303)及び締結部材(304)を備え、前記位置
決め部材(301)は、前記底板(102)の頂部に固定され、前記ストッパ(302)
は前記位置決め部材(301)の内部に設置され、前記駆動部材(303)は前記ストッ
パ(302)側に設置され、前記締結部材(304)は、前記サイドプレート(101)
の頂部に固定され
、
可動部材(201)は、熱伝導部材(104)を回転駆動することによって、排ガスの進
入方向の角度を調整し、
連結部材(202)は、熱伝導部材(104)を固定し、
熱伝導部材(104)の角度は、調整部材(203)と可動部材(201)とのマッチン
グにより調整され、
推進部材(205)は、導流部材(204)の角度を調整するために用いられ、
位置決め部材(301)は、サイドプレート(101)を底板(102)の頂部に取り付
けるように位置決めることができ、
駆動部材(303)を介してストッパ(302)を駆動して、サイドプレート(101)
を安定に取り付けるように位置を制限して固定し、
締結部材(304)を介して隣接する2つのサイドプレート(101)を締結する、
ことを特徴とする、高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器。
【請求項2】
前記位置決め部材(301)は、位置決め板(301a)及び位置決め枠(301b)を
備え、前記位置決め板(301a)は、前記底板(102)の頂部に固定され、前記サイ
ドプレート(101)の底部には、前記位置決め板(301a)とマッチングする位置決
め孔(H)が開設されており、前記位置決め枠(301b)は、前記底板(102)の頂
部に固定され、
前記サイドプレート(101)が一対の位置決め枠(301b)の間に位
置することを特徴とする、請求項1に記載の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭
器。
【請求項3】
前記ストッパ(302)は、可動ブロック(302a)、リセットばね(302b)及び
押え板(302c)を備え、前記位置決め板(301a)の内部の両側には、いずれも第
1のチャンバ(Y1)が開設されており、前記可動ブロック(302a)は、前記第1の
チャンバ(Y1)の内部で摺動し、前記位置決め孔(H)の内部には、前記可動ブロック
(302a)とマッチングする第2のチャンバ(Y2)が開設されており、前記リセット
ばね(302b)は、2つの前記可動ブロック(302a)の間に固定され、前記押え板
(302c)は、前記位置決め枠(301b)側で摺動し、前記可動ブロック(302a
)とマッチングすることを特徴とする、請求項2に記載の高速分解式発電所用エンジン・
ボイラー節炭器。
【請求項4】
前記駆動部材(303)は、取り付けフレーム(303a)、第1のねじロッド(303
b)及び第1のハンドル(303c)を備え、前記取り付けフレーム(303a)は、前
記位置決め枠(301b)側に固定され、前記第1のねじロッド(303b)は、前記取
り付けフレーム(303a)にねじ連結され、一端が前記押え板(302c)に回転可能
に連結され、前記第1のハンドル(303c)は、前記第1のねじロッド(303b)の
他端に固定されることを特徴とする、請求項3に記載の高速分解式発電所用エンジン・ボ
イラー節炭器。
【請求項5】
前記締結部材(304)は、固定フレーム(304a)、凸板(304b)、第2のねじ
ロッド(304c)及び押圧ブロック(304d)を備え、前記固定フレーム(304a
)は、前記サイドプレート(101)の頂部側に固定され、
前記凸板(304b)は、隣
接するサイドプレート(101)の頂部側に固定され、前記第2のねじロッド(304c
)は、前記固定フレーム(304a)側にねじ連結され、前記押圧ブロック(304d)
は、前記第2のねじロッド(304c)の一端に回転可能に連結され、前記凸板(304
b)側には、前記押圧ブロック(304d)とマッチングする円形槽(P)が開設されて
いることを特徴とする、請求項2、3及び4のいずれか1項に記載の高速分解式発電所用
エンジン・ボイラー節炭器。
【請求項6】
前記熱伝導部材(104)は、前記熱伝導鋼管(103)の頂部と底部に設置される主熱
伝導板(104a)と、前記熱伝導鋼管(103)の両側にいずれも複数組設置されるサ
イド熱伝導板(104b)とを備え、
前記可動部材(201)は、回転枠(201a)、シールリング(201b)及び熱伝導
シート(201c)を備え、前記回転枠(201a)は、前記取り付け孔(S)内に回転
可能に連結され、前記シールリング(201b)は前記取り付け孔(S)の内壁に固定さ
れ、前記回転枠(201a)の両側には、前記シールリング(201b)とマッチングす
る第1の押圧部(N1)及び第2の押圧部(N2)が設けられ、
前記熱伝導シート(20
1c)は、前記回転枠(201a)の底部に扇状に分布すると共に、前記熱伝導鋼管(1
03)の内部に位置することを特徴とする、請求項5に記載の高速分解式発電所用エンジ
ン・ボイラー節炭器。
【請求項7】
前記連結部材(202)は、位置決めブロック(202a)、可動ロッド(202b)
及びプラグ(202c)を備え、前記位置決めブロック(202a)は、前記回転枠(2
01a)の頂部の両側に固定され、前記主熱伝導板(104a)及び前記サイド熱伝導板
(104b)の内部には、いずれも移動槽(K)が開設されており、前記可動ロッド(2
02b)は、前記移動槽(K)の内部で摺動し、前記プラグ(202c)は、前記可動ロ
ッド(202b)の底部に固定され、前記位置決めブロック(202a)には、前記プラ
グ(202c)とマッチングするジャック(V)が開設されており、
前記連結部材(202)は、第2のハンドル(202d)及び第1のスプリング(20
2e)をさらに備え、前記第2のハンドル(202d)は、前記可動ロッド(202b)
の端部に固定され、前記第1のスプリング(202e)の両端は、前記移動槽(K)の内
壁及び前記第2のハンドル(202d)にそれぞれ固定されることを特徴とする、請求項
6に記載の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所用エンジン・ボイラー節炭器の技術分野に関し、特に高速分解式発電所
用エンジン・ボイラー節炭器に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所は火電所と略称され、可燃物(石炭など)を燃料として電気エネルギーを生
産する工場である。発電所用エンジン・ボイラーの内部には、省炭の効果に達するために
、いずれも節炭器が配備される。節炭器は、ボイラー尾部の煙道下部に取り付けて、排煙
された排ガスの余熱を回収するための装置である。また、ボイラー給水を蒸気パック圧力
下の飽和水の加熱面まで加熱し、それが高温の俳ガスから熱を吸収するため、排ガスの排
煙温度を下げ、エネルギーを節約し、効率を高めるため、節炭器と呼ばれている。従来技
術における節炭器の各パイプの両側にあるプレートは、一般的に溶接する方法で固定され
ており、取り外して洗浄することができないため、節炭器の洗浄効率を大幅に低下させる
。また、溶接する方法でリブをパイプに取り付けるため、長時間使用する過程で、より多
くの不純物がリブに残留し、熱交換効率に影響を与えるが、各リブの間隔が小さいため、
清掃に大きな不便をもたらした。また、リブは一般的に排ガスの流れ方向に対して垂直に
設置され、熱交換効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本部分の目的は、本発明の実施形態の一部の態様を概説し、一部の好ましい実施形態を簡
単に説明することである。この部分、明細書の要約及び発明の名称の目的を不明瞭にしな
いために、本部分及び本願の明細書の要約及び発明の名称において、いくつかの簡略化ま
たは省略がなされることがあり、このような簡略化または省略は、本発明の範囲を限定す
るために使用されることができない。
【0004】
本発明は、高速分解式発電所用エンジン・ボイラ節炭器において、上述及び/または従来
に存在する問題点に鑑みて提案される。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、従来技術における節炭器の各パイプの両側の
プレートが、一般的に溶接によって固定され、取り外して洗浄することができず、節炭器
の洗浄効率を大幅に低下させ、溶接する方法でリブをパイプ上に取り付け、長期間の使用
過程に多くの不純物がリブに残留し、熱交換効率に影響を与えるが、各リブの間隔が小さ
いため、清掃に大きな不便をもたらし、リブが一般的に排ガスの流れ方向に対して垂直に
設置されるために、熱交換効率が低いということである。
【0006】
上記お技術問題を解決するために、本発明は、熱伝導アセンブリ、整流アセンブリ及び接
合アセンブリを備える高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器を提供する。前記熱
伝導アセンブリは、サイドプレート、底板、熱伝導鋼管及び熱伝導部材を備える。前記底
板は、前記サイドプレートの底部に固定され、前記熱伝導鋼管は、前記サイドプレートの
内側に設置される。前記熱伝導部材は、前記熱伝導鋼管の表面に設置され、前記熱伝導鋼
管の表面には、均一に分布された取り付け孔が開設されている。整流アセンブリは、前記
取り付け孔内に設置され、可動部材、連結部材、調整部材、導流部材及び推進部材を備え
る。前記可動部材は前記取り付け孔内に設置され、前記連結部材は前記熱伝導部材の内部
に設置される。前記調整部材は前記熱伝導鋼管の表面に設置され、前記導流部材は、前記
熱伝導鋼管の内壁の頂部と底部に回転可能に連結され、前記推進部材は前記可動部材の底
部に設置される。また、接合アセンブリは、前記底板上に設置され、位置決め部材、スト
ッパ、駆動部材及び締結部材を備える。前記位置決め部材は、前記底板の頂部に固定され
、前記ストッパは前記位置決め部材の内部に設置される。前記駆動部材は前記ストッパ側
に設置され、前記締結部材は、前記サイドプレートの頂部に固定される。
【0007】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、前
記位置決め部材は、位置決め板と位置決め枠とを備える。前記位置決め板は、前記底板の
頂部に固定され、前記サイドプレートの底部には、前記位置決め板とマッチングする位置
決め孔が開設されている。前記位置決め枠は、前記底板の頂部に固定され、前記サイドプ
レートは、前記位置決め枠内に位置する。
【0008】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、前
記ストッパは、可動ブロック、リセットばね及び押え板を備える。前記位置決め板の内部
の両側には、いずれも第1のチャンバが開設されており、前記可動ブロックは、前記第1
のチャンバ内で摺動する。前記位置決め孔内には、前記可動ブロックとマッチングする第
2のチャンバが開設されており、前記リセットばねは、2つの前記可動ブロックの間に固
定される。前記押え板は、前記位置決め枠側で摺動し、前記可動ブロックとマッチングす
る。
【0009】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、前
記駆動部材は、取り付けフレーム、第1のねじロッド及び第1のハンドルを備える。前記
取り付けフレームは、前記位置決め枠側に固定され、前記第1のねじロッドは、前記取り
付けフレームにねじ連結され、一端が前記押え板に回転可能に連結され、前記第1のハン
ドルは、前記第1のねじロッドの他端に固定される。
【0010】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、こ
こで、前記締結部材は、固定フレーム、凸板、第2のねじロッド及び押圧ブロックを備え
る。前記固定フレームは、前記サイドプレートの頂部側に固定され、前記凸板は、前記サ
イドプレートの頂部の他方側に固定される。前記第2のねじロッドは、前記固定フレーム
側にねじ連結され、前記押圧ブロックは、前記第2のねじロッドの一端に回転可能に連結
され、前記凸板側には、前記押圧ブロックとマッチングする円形槽が開設されている。
【0011】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、前
記熱伝導部材は、主熱伝導板及びサイド熱伝導板を備える。前記主熱伝導板は、前記熱伝
導鋼管の頂部と底部に設置され、前記サイド熱伝導板は、前記熱伝導鋼管の両側にいずれ
も複数組設置される。
【0012】
前記可動部材は、回転枠、シールリング及び熱伝導シート備える。前記回転枠は、前記取
り付け孔内に回転可能に連結され、前記シールリングは前記取り付け孔の内壁に固定され
る。前記回転枠の両側には、前記シールリングとマッチングする第1の押圧部及び第2の
押圧部が設けられ、前記熱伝導シートは、前記回転枠の内側に固定されると共に、前記熱
伝導鋼管の内部に位置する。
【0013】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、
前記連結部材は、位置決めブロック、可動ロッド及びプラグを備える。前記位置決めブロ
ックは、前記回転枠の頂部の両側に固定され、前記主熱伝導板及び前記サイド熱伝導板の
内部には、いずれも移動槽が開設されており、前記可動ロッドは、前記移動槽で摺動する
。前記プラグは、前記可動ロッドの底部に固定され、前記位置決めブロックには、前記プ
ラグとマッチングするジャックが開設されている。
【0014】
前記連結部材は、第2のハンドル及び第1のスプリングをさらに備える。前記第2のハン
ドルは、前記可動ロッドの端部に固定され、前記第1のスプリングの両端は、前記移動槽
の内壁及び前記第2のハンドルにそれぞれ固定される。
【0015】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、
前記調整部材は、調整ロッド、ストッパ枠及びバンプを備える。前記調整ロッドは、前記
回転枠内で摺動し、前記ストッパ枠は、前記回転枠側に固定されると共に、前記調整ロッ
ドの両側に位置する。前記バンプは、前記調整ロッドの両側に固定され、前記ストッパ枠
内で摺動する。
【0016】
前記調整部材は、第3のねじロッド、ねじスリーブ及び連結枠をさらに備える。前記第3
のねじロッドは、前記サイドプレートの内側に固定され、前記ねじスリーブは、前記第3
のねじロッドの表面にねじ連結される。前記連結枠は、前記ねじスリーブの端部に回転可
能に連結され、前記調整ロッドの端部で摺動する。
【0017】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、前
記導流部材は、ヒンジホルダ及び導流板を備える。前記ヒンジホルダは、前記熱伝導鋼管
の内頂壁と内底壁に固定され、前記導流板は、前記ヒンジホルダを介して前記熱伝導鋼管
にヒンジ連結される。
【0018】
本発明に前記の高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の好ましい態様として、こ
こで、前記推進部材は、前記導流板と前記回転枠と間に位置する移動板と、前記回転枠の
内側に固定される押しロッドとを備える。前記移動板には、前記押しロッドとマッチング
する押槽が開設されている。
【0019】
前記推進部材は、取り付けブロック、固定枠及びスライドロッドをさらに備える。前記取
り付けブロックは、前記熱伝導鋼管の内壁に固定されると共に、前記移動板の両側に位置
する。前記固定枠は、前記移動板の両側に固定され、前記スライドロッド前記取り付けブ
ロック内に固定され、前記固定枠内で摺動する。
【効果】
【0020】
本発明は、次のような有益効果を奏する。
本発明は、熱伝導アセンブリと整流アセンブリを設置することにより、リブの角度など
の調整を容易にし、熱交換効率を高めると共に、接合アセンブリを設置することにより、
節炭器全体の着脱をより便利にし、その洗浄効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態の説明
において使用する必要のある添付図面について簡単に説明する。以下の説明における添付
図面は、本発明の一部の実施形態にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに
、これらの添付図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【
図1】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の全体構造を示す図である。
【
図2】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の熱伝導アセンブリの構造を示す図である。
【
図3】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の
図2におけるA部分の拡大図である。
【
図4】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の位置決め部材の構造を示す図である。
【
図5】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の締結部材の断面図である。
【
図6】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の熱伝導鋼管の断面図である。
【
図7】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の
図6におけるB部分の拡大図である。
【
図8】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の
図6におけるC部分の拡大図である。
【
図9】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の調整部材の側面図である。
【
図10】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の整流アセンブリの断面図である。
【
図11】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の
図10におけるD部分の拡大図である。
【
図12】高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の
図10におけるE部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の上述の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解しやすくするために、明細
書の添付図面と組合わせて、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0023】
以下の説明では、本発明を充分に理解することを容易にするために、多くの具体的な詳
細を説明するが、本発明は、本明細書に記載されていない他の方法で実施することもでき
、当業者は本発明の内容に反しない範囲で同様の拡張を行うことが可能である。したがっ
て、本発明は、以下に開示される具体的な実施形態によって限定されることはない。
【0024】
次に、本明細書において「一実施形態」または「実施形態」とは、本発明の少なくとも1
つの実施形態に含まれ得る特定の特徴、構造または特性を意味する。本明細書の各所に現
れる「一実施形態において」という言葉は、すべてが同じ実施形態を指すわけではなく、
他の実施形態と相互に排他的な個別の実施形態または選択的な実施形態でもない。
【0025】
(実施例1)
図1、
図2、
図6及び
図10を参照すると、本発明の第1の実施形態で、この実施例で
は、高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器を提供する。高速分解式発電所用エン
ジン・ボイラー節炭器は、熱伝導アセンブリ100、整流アセンブリ200及び接合アセ
ンブリ300を備える。熱伝導アセンブリ100は、節炭器鋼管にリブを取り付けてるた
めに用いられ、その着脱効率を向上させる。また、整流アセンブリ200を介して、この
リブのオフセット角度を調整することによって、排ガスとの接触時間を改善し、接合アセ
ンブリ300を設置することによって、この装置の着脱効率をより高め、さらにその清掃
効率を向上させる。
【0026】
具体的に、熱伝導アセンブリ100は、サイドプレート101、底板102、熱伝導鋼管
103及び熱伝導部材104を備える。底板102は、サイドプレート101の底部に固
定され、熱伝導鋼管103は、サイドプレート101の内側に設置される。熱伝導部材1
04は、熱伝導鋼管103の表面に設置され、熱伝導鋼管103の表面には、均一に分布
された取り付け孔Sが開設されている。
【0027】
サイドプレート101は矩形状であり、各組に2個ずつ4組設置されており、隣接する各
2つのサイドプレート101の間はねじ等で固定される。底板102は、4つのサイドプ
レート101のそれぞれの底部に固定される。熱伝導鋼管103は、各組の2つのサイド
プレート101の間に設置され、各組の間には、上から下に等間隔で4本ずつ設けられて
いる。熱伝導鋼管103の表面には、その内部の水と高温の排ガスとの間の熱交換効率を
向上させるために用いられる熱伝導部材104が設けられる。
【0028】
整流アセンブリ200は、取り付け孔S内に設置され、可動部材201、連結部材202
、調整部材203、導流部材204及び推進部材205を備える。可動部材201は取り
付け孔S内に設置され、連結部材202は熱伝導部材104の内部に設置される。調整部
材203は熱伝導鋼管103の表面に設置され、導流部材204は、熱伝導鋼管103の
内壁の頂部と底部に回転可能に連結され、推進部材205は可動部材201の底部に設置
される。
【0029】
可動部材201は、熱伝導部材104を回転駆動することによって、排ガスの進入方向と
の角度を調整し、排ガスとの接触時間を改善することができる。連結部材202は、熱伝
導部材104を固定し、その着脱効率を高め、表面に付着した不純物が多い場合、取り出
して洗浄することを便利にする。熱伝導部材104の角度は、調整部材203と可動部材
201とのマッチングにより調整される。導流部材204は、熱伝導鋼管103の内部水
の流動効率を調整することによって、高温の排ガスとの接触時間を長くし、熱交換効率を
より向上させる。推進部材205は、導流部材204の角度を調整するために用いられ、
この角度は、可動部材201の回転振幅に応じて調整され、調整の利便性を大幅に改善す
る。
【0030】
接合アセンブリ300は、底板102上に設置され、位置決め部材301、ストッパ30
2、駆動部材303及び締結部材304を備える。位置決め部材301は、底板102の
頂部に固定され、ストッパ302は位置決め部材301の内部に設置される。駆動部材3
03はストッパ302側に設置され、締結部材304は、サイドプレート101の頂部に
固定される。
【0031】
位置決め部材301は、サイドプレート101を底板102の頂部により正確に取り付け
るように位置決めることができ、その後、駆動部材303を介してストッパ302を駆動
して、サイドプレート101をより便利で安定に取り付けるように位置制限して固定する
。また、締結部材304を介して隣接する2つのサイドプレート101を締結し、それを
より安定に取り付けることができる。
【0032】
(実施例2)
図1~
図5を参照すると、この実施例は、先の実施例に基づく本発明の第2の実施例であ
る。
具体的には、位置決め部材301は、位置決め板301aと位置決め枠301bとを備え
る。位置決め板301aは、底板102の頂部に固定され、サイドプレート101の底部
には、位置決め板301aとマッチングする位置決め孔Hが開設されている。位置決め枠
301bは、底板102の頂部に固定され、サイドプレート101は、位置決め枠301
b内に位置する。
【0033】
位置決め板301aは矩形状であり、底板102の頂部に等間隔で複数個設けられており
、位置決め板301aの数は、位置決め枠301bの数と同じである。また、位置決め板
301aは、位置決め枠301bの内部の中央に位置し、取り付ける際、サイドプレート
101の底部を位置決め枠301b内に挿着させる。また、位置決め板301aは、サイ
ドプレート101の位置を決めてより正確に取り付けるように、位置決め孔Hに対応して
挿着される。
【0034】
ストッパ302は、可動ブロック302a、リセットばね302b及び押え板302cを
備える。位置決め板301aの内部の両側には、いずれも第1のチャンバY1が開設され
ており、可動ブロック302aは、第1のチャンバY1内で摺動する。前記位置決め孔H
内には、可動ブロック302aとマッチングする第2のチャンバY2が開設されており、
リセットばね302bは、2つの可動ブロック302aの間に固定される。押え板302
cは、位置決め枠301b側で摺動し、可動ブロック302aとマッチングする。
【0035】
可動ブロック302aは、1組に2個ずつ、第1チャンバY1の内部に対称して設けられ
、その一端には、可動ブロック302aが第1チャンバY1から離脱しないように矩形ブ
ロックが設けられており、他端は、側面から第1チャンバY1の外側に延びている。リセ
ットばね302bは、2つの可動ブロック302aに内側へ移動する力を加えるために用
いられ、初期状態では、2つの可動ブロック302aがサイドプレート101の組み立て
を妨げないように、第1チャンバY1内に位置する。押え板302cは矩形状であり、可
動ブロック302aに近い側がテーパ状であり、位置決め枠301b側に貫通孔で開設さ
れている。この貫通孔の内で摺動する押え板302cは、可動ブロック302aの方向に
向けて移動すると、2つの可動ブロック302aを同時に外側に押し出して、第2チャン
バY2に挿着させることができる。即ち、サイドプレート101が位置決め枠301b内
から上方に離脱できないように固定することができる。
【0036】
駆動部材303は、取り付けフレーム303a、第1のねじロッド303b及び第1のハ
ンドル303cを備える。取り付けフレーム303aは、位置決め枠301b側に固定さ
れ、第1のねじロッド303bは、取り付けフレーム303aにねじ連結され、一端が押
え板302cに回転可能に連結される。第1のハンドル303cは、第1のねじロッド3
03bの他端に固定される。
【0037】
取り付け枠303aはU字状であり、位置決め枠301bの貫通孔の外側に固定され、第
1のねじロッド303bの端部は軸受けにより押え板302cに連結される。サイドプレ
ート101を取り付ける必要がある場合、第1のハンドル303cを介して第1のねじロ
ッド303bを回転させ、押し板302cは、第1のねじロッド303bを介して可動ブ
ロック302aの方向に移動する。
【0038】
締結部材304は、固定フレーム304a、凸板304b、第2のねじロッド304c及
び押圧ブロック304dを備える。固定フレーム304aは、サイドプレート101の頂
部側に固定され、凸板304bは、サイドプレート101の頂部の他方側に固定される。
第2のねじロッド304cは、固定フレーム304a側にねじ連結され、押圧ブロック3
04dは、第2のねじロッド304cの一端に回転可能に連結される。凸板304b側に
は、押圧ブロック304dとマッチングする円形槽Pが開設されている。
【0039】
固定枠304aはU字状であり、その他方側が隣接するサイドプレート101の上方に
位置し、固定枠304aの内側には凸板304bが位置し、第2のねじロッド304cと
押圧ブロック304dとの間は軸受けによって連結される。円形槽Pの大きさは押圧ブロ
ック304dに合致し、複数のサイドプレート101が全て底板102に取り付けられた
後、第2のねじロッド304cを手動で回転させ、第2のねじロッド304cを介して押
圧ブロック304dを円形槽P内に移動させ、凸板304bを押圧することによって、隣
接する2つのサイドプレート101を内側に押圧してより密着させ、隣接するサイドプレ
ート101の間を密閉処理し、排ガスの漏れを防止する。
【0040】
(実施例3)
図6~
図12を参照すると、この実施例は、前の2つの実施例に基づく本発明の第3の実
施例である。
具体的には、熱伝導部材104は、主熱伝導板104a及びサイド熱伝導板104bを備
える。主熱伝導板104aは、熱伝導鋼管103の頂部と底部に設置され、サイド熱伝導
板104bは、熱伝導鋼管103の両側にいずれも複数組設置される。
【0041】
主熱伝導板104aは、矩形の熱伝導鋼管103の頂部と底部に設置された波形である。
初期状態では、主熱伝導板104aは、排ガスの流れ方向と平行であり、排ガスの流れ方
向と一定の角度まで回転されると、波形の槽が排ガスをガイドする役割を果たし、排ガス
の一部を主熱伝導板104aに沿って弧状に上昇させる。また、排ガスと伝熱鋼管103
及び主熱伝導板104aとの接触時間より長くし、熱交換効果をより向上させる。サイド
熱伝導板104aは矩形であり、これも一定の角度で回転することができ、それによって
、排ガスの下降流路に一定の影響を与え、その熱交換効率をさらに高める。2つの主熱伝
導板104aと2つのサイド熱伝導板104bは矩形を形成し、両方とも複数設けられ、
導熱鋼管103上に等間隔で分布される。
【0042】
可動部材201は、回転枠201a、シールリング201b及び熱伝導シート201cを
備える。回転枠201aは、取り付け孔S内に回転可能に連結され、シールリング201
bは取り付け孔Sの内壁に固定される。回転枠201aの両側には、シールリング201
bとマッチングする第1の押圧部N1及び第2の押圧部N2が設けられ、熱伝導シート2
01cは、回転枠201aの内側に固定されると共に、熱伝導鋼管103の内部に位置す
る。
【0043】
回転枠201aは、軸受けを介して各取り付け孔S内に回転可能に連結され、その頂部
には、内部に主熱伝導板104aとサイド熱伝導板104bが位置する矩形の凹槽が設け
られ、その下部は、熱伝導鋼管103の内部に位置して水と接触し、高温排ガスの熱を水
中に導入することに用いられる。シールリング201bは、高温高圧に耐える材料を採用
して製造され、2つ設けられている。これは従来技術で、熱伝導鋼管103の内部の水漏
れを防止するために用いられる。熱伝導シート201cは、回転枠201aの底部に扇状
に分布して、水との接触面積を大きくして、より迅速な熱伝導可能にするために複数設け
られている。
【0044】
第1の押圧部N1及び第2の押圧部N2は、いずれもU字状の凹槽であり、両者の一部が
熱伝導鋼管103の外部に位置し、一部が熱伝導鋼管103の内部に位置する。2つのシ
ールリング201bは、それぞれ2つの押圧部内に位置し、回転枠201aが左右に回転
すると、第1の押圧部N1及び第2の押圧部N2を介して2つのシールリング201bの
頂部と底部をそれぞれ押圧して変形させ、シールリング201bのシール効果をさらに高
め、回転枠201aを回転させる際、シールリング201bのシール効果が低下すること
を回避する。
【0045】
連結部材202は、位置決めブロック202a、可動ロッド202b及びプラグ202c
を備える。位置決めブロック202aは、回転枠201aの頂部の両側に固定され、主熱
伝導板104a及びサイド熱伝導板104bの内部には、いずれも移動槽Kが開設されて
いる。可動ロッド202bは、移動槽K内で摺動し、プラグ202cは、可動ロッド20
2bの底部に固定され、位置決めブロック202aには、プラグ202cとマッチングす
るジャックVが開設されている。
【0046】
位置決めブロック202aは、回転枠201aの頂部にある凹槽内の底壁の両側に位置し
、主熱伝導板104a及びサイド熱伝導板104b両方の内側には、移動槽Kに連通され
る位置決めスロットが設けられる。位置決めブロック202aが位置決めスロット内に挿
着されると、移動ロッド202bは、2つのプラグ202cをジャックV内に対応して挿
着するよう駆動し、熱伝導板を固定して位置制限する。ここで、プラグ202cは、L字
形で、可動ロッド202bの左右移動により移動することができる。
【0047】
連結部材202は、第2のハンドル202d及び第1のスプリング202eをさらに備え
、第2のハンドル202dは、可動ロッド202bの端部に固定され、第1のスプリング
202eの両端は、移動槽Kの内壁及び第2のハンドル202dにそれぞれ固定される。
【0048】
第2のハンドル202dは円形であり、その外側に凸状の枠が設けれており、熱伝導板
を取り外す必要がある場合、外部工具を介して第2のハンドル202dと可動ロッド20
2bを外側に引っ張り、プラグ202cをジャックVから離脱させ、この時、主熱伝導板
を取り外すことができる。また、主熱伝導板104aの幅はサイド熱伝導板104bより
も広く、すなわち両側のサイド熱伝導板104bが頂部と底部の2つの主熱伝導板104
aの間に挟まれ、第1のスプリング202eは、可動ロッド202bに移動槽Kの内側へ
向かって力を加え、それにより、プラグ202cをより安定にジャックVに挿着させるこ
とができる。
【0049】
調整部材203は、調整ロッド203a、ストッパ枠203b及びバンプ203cを備え
る。調整ロッド203aは、回転枠201a内で摺動し、ストッパ枠203bは、回転枠
201a側に固定されると共に、調整ロッド203aの両側に位置する。バンプ203c
は、調整ロッド203aの両側に固定され、ストッパ枠203bの内部で摺動する。
【0050】
調整ロッド203aは、熱伝導鋼管103の周囲に配された矩形であり、その長さは熱
伝導鋼管103に近い長さである。回転枠201a、主熱伝導板104a及びサイド熱板
104bには、いずれも内部に調整ロッド203aが位置する槽が設けられている。スト
ッパ枠203bはU字形であり、調整ロッド203aが左右に移動すると、ストッパ枠2
03bの内部でバンプ203cを摺動させることにより、調整ロッド203aを位置制限
し、回転枠201aを回転可能にすると共に、ずれなどの発生を回避する。
【0051】
調整部材203は、第3のねじロッド203d、ねじスリーブ203e及び連結枠20
3fをさらに備える。第3のねじロッド203dは、サイドプレート101の内側に固定
され、ねじスリーブ203eは、第3のねじロッド203dの表面にねじ連結される。連
結枠203fは、ねじスリーブ203eの端部に回転可能に連結され、調整ロッド203
aの端部で摺動する。
【0052】
回転枠201aの角度を調整する必要がある場合、ねじスリーブ203eを手動で回転
させ、第3のねじロッド203d上で回転させ左右に移動することにより、連結枠203
fが移動するように駆動する。調整ロッド203aの頂部には、内部に連結枠203fが
位置する貫通孔が開設されている。また、連結枠203fは、軸受けを介してねじスリー
ブ203eに連結されているため、ねじスリーブ203eが回転する際、連結枠203f
を介して調整ロッド203aを押したり引いたりすることができる。
【0053】
導流部材204は、ヒンジホルダ204aと導流板204bとを備える。ヒンジホルダ
204aは、熱伝導鋼管103の内頂壁と内底壁に固定され、導流板204bは、ヒンジ
ホルダ204aを介して熱伝導鋼管103にヒンジ連結される。
【0054】
導流板204bは傾斜状であり、熱伝導鋼管103内部の水に対して阻害作用を起こし
、その流速を低下させることによって、熱伝導板との接触時間を増加し、熱伝導効率を向
上させる。ヒンジホルダ204aを設置することにより、導流板204bの回転がより便
利になり、導流板204bが回転する位置に、図示していないねじりばねが設けられてい
る。このねじりばねは、熱伝導鋼管103の内壁に向かって回転する力を導流板204b
に加え、その弾力は大きくて、収納状態で水流の衝撃により回転することを避ける。初期
状態では、導流板204bはわずかな遮蔽作用しか発揮できない。ヒンジホルダ204a
の内側には、導流板204bの傾斜角度が大きすぎて、水の流れに影響を与えることを防
止するための有限の傾斜板が固定されている。
【0055】
推進部材205は、導流板204bと回転枠201aとの間に位置する移動板205a
と、回転枠201aの内側に固定された押しロッド205bとを備える。移動板205a
には、押しロッド205bとマッチングする押槽Uが開設されている。
【0056】
移動板205aは矩形であり、導流板204bの外側の中央位置に設置され、上下に移
動する過程で導流板204bを小さい幅で回転させることができる。よって、水の流れを
遮断し、水と高温排ガスとの熱交換効率を向上させる役割を果たす。
【0057】
押しロッド205bはT字形であり、押槽Uの底部はV字形であり、両側は傾斜状であ
り、中部はV字中心部に位置し、初期状態において、押しロッド205bは垂直状である
。回転枠201aは、回転する際に押しロッド205bを回転させ、その底部は押溝Uの
内部で移動し、かつ移動板205aを下方に押し、移動板205aを介して導流板204
bを回転させる。
【0058】
推進部材205は、取り付けブロック205c、固定枠205d及びスライドロッド2
05eをさらに備える。取り付けブロック205cは、熱伝導鋼管103の内壁に固定さ
れると共に、移動板205aの両側に位置する。固定枠205dは、移動板205aの両
側に固定され、スライドロッド205eは、取り付けブロック205cの内部に固定され
、固定枠205d内で摺動する。
【0059】
取り付けブロック205cはL字形であり、固定枠205dは内部が中空形状である。
取り付けブロック205cには、固定枠205dと同じ幅を有する槽が開設されており、
スライドロッド205eは、この槽内に固定されて固定枠205dの内部で摺動する。よ
って、移動板205aを位置制限し、それが上下に移動する際に、両側の2つの固定枠2
05dと取り付けブロック205cにより制限され、上下に移動する過程でずれが発生し
ないようにする。
【0060】
使用するときに、取り付ける際、主熱伝導板104aとサイド熱伝導板104bを回転
枠201aの頂部にある凹槽に挿着し、第1のスプリング202eを介して可動ロッド2
02bに移動槽Kの内部へ向けて力を加えることにより、プラグ202cをより安定して
ジャックV内に挿着させ、熱伝導板を固定して位置制限することができる。複数の主熱伝
導板104aとサイド熱伝導板104bをそれぞれ取り付けた後、4つのサイドプレート
101をねじ等で固定することで、この装置の取り付けを完了することができる。取り外
しが必要な場合は、外部工具により第2のハンドル202dと可動ロッド202bを外側
に引っ張ることで、プラグ202cをジャックV内から離脱させ、この時に、熱伝導板を
取り外すことができる。よって、各々の熱伝導板を単独に洗浄、修理または交換すること
ができ、操作の利便性を大幅に向上させる。
【0061】
高温排ガスの熱伝導効率を調整する必要がある場合、各ねじスリーブ203eが第3ね
じロッド203dで回転して左右に移動するように手動で回転させることによって、連結
枠203fを駆動して移動させ、連結フレーム203fによって調整ロッド203aが左
右に移動する。また、調整ロッド203aを左右に移動することによって回転枠201a
を回転させ、回転枠201a上の主熱伝導板104aとサイド熱伝導板104bがそれに
追従して回転する。よって、排ガスの導入方向と一定の傾斜角度を持つようになり、排ガ
スの一部が熱伝導板の作用により熱伝導鋼管103の上方で循環状に流れ、排ガスとの接
触時間を長くする。同時に、回転する過程において、回転枠201aは押しロッド205
bの回転を駆動し、その底部が押槽Uの内部で移動し、移動板205aを下方に押す。移
動板205aが導流板204bの回転を駆動することにより、熱伝導鋼管103との間の
角度が大きくなり、水の流れに対する障害が大きくなり、水の流速を低下させ、熱交換に
十分な時間を確保でき、熱交換効率を大幅に向上させる。また、回転枠201aの回転の
振幅が大きいほど、熱交換効率が高くなる。当業者は、高温の排ガス中の熱の浪費を避け
るために、実際のニーズに応じて回動枠201aの回転角度を調整することができる。
【0062】
各熱伝導鋼管103を取り付けた後、位置決め板301aが位置決め孔H内に対応して
挿入されるように、各組のサイドプレート101を底板102に対応して取り付ける。次
に、第1のハンドル303cにより第1のねじロッド303bを回転させる。第1のねじ
ロッド303bにより押え板302cを可動ブロック302aの方向に移動させる。2つ
の可動ブロック302aが同時に外側に移動して、第2のチャンバY2の内部に挿入され
るように押すことによって、サイドプレート101が位置決め枠301bの内部から上方
に離脱せず、サイドプレート101を固定することができる。また、第2のねじロッド3
04cを手動により回転させ、第2のねじロッド304cを介して押圧ブロック304d
を駆動して円形槽Pに移動させ、凸板304bを押圧することにより、隣接する2つのサ
イドプレート101を内側に押圧してより密着させ、隣接するサイドプレート101の間
をシール処理し、排ガスの漏れを防止する。
【0063】
なお、上述の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用されるもの
であり、これを限定するものではないことに留意すべきである。本発明は、好ましい実施
形態を参照して詳細に説明したが、本発明の技術的解決策の精神及び範囲から逸脱するこ
となく、本発明の技術的解決策に対して修正または同等に置換することができることは、
当業者であれば理解でき、それはすべて、本発明の特許請求の範囲に含まれるはずである
。
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、高速分解式発電所用エンジン・ボイラー節炭器の清掃性を向上させることにより、熱交換効率の向上を図る。
【解決手段】本発明の節炭器の底板は、サイドプレートの底部に固定され、熱伝導鋼管は、前記サイドプレートの内側に設置される。熱伝導部材は、前記熱伝導鋼管の表面に設置され、前記熱伝導鋼管の表面には、均一に分布された取り付け孔が開設されている。整流アセンブリは、取り付け孔内に設置され、可動部材、連結部材、調整部材、導流部材及び推進部材を備える。可動部材は前記取り付け孔内に設置され、前記連結部材は前記熱伝導部材の内部に設置される。熱伝導アセンブリ及び整流アセンブリを設置することによって、リブの角度などを容易に調整し、熱交換効率を高めると共に、接合アセンブリを設置することによって、節炭器全体の着脱をより便利にし、その洗浄効率を向上させる。
【選択図】
図2