(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ログ材のジョイント構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/70 20060101AFI20240129BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
E04B2/70
E04B1/58 550A
(21)【出願番号】P 2019177846
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】592190969
【氏名又は名称】株式会社アールシーコア
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100126147
【氏名又は名称】川上 成年
(72)【発明者】
【氏名】原田 喜秀
(72)【発明者】
【氏名】井谷 真由美
(72)【発明者】
【氏名】平 峻一郎
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-057852(JP,A)
【文献】特開2008-111238(JP,A)
【文献】特開2019-039210(JP,A)
【文献】特開2004-263508(JP,A)
【文献】米国特許第06094876(US,A)
【文献】実開平02-141007(JP,U)
【文献】登録実用新案第3018230(JP,U)
【文献】特開2003-129590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/70
E04B 1/58
E04B 2/02 - 2/54
E04C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向一端に、溝部を有する第1ログ材と、
水平方向一端に、前記溝部と嵌合可能な形状の突起部を有する第2ログ材と、を有し、
前記第1ログ材の溝部と前記第2ログ材の突起部とが嵌合して、前記第1ログ材と前記第2ログ材が水平方向に接合し、
前記第1ログ材と前記第2ログ材との間には、前記第1ログ材と前記第2ログ材のどちらか一方のみへの接着部を有する防水材が備わ
り、
前記第1ログ材及び前記第2ログ材は、上面に略台形断面の実部を有し、
前記第1ログ材の前記溝部の幅は、前記実部の最小幅部の幅より小さい、ログ材のジョイント構造。
【請求項2】
水平方向一端に、溝部を有する第1ログ材と、
水平方向一端に、前記溝部と嵌合可能な形状の突起部を有する第2ログ材と、を有し、
前記第1ログ材の溝部と前記第2ログ材の突起部とが嵌合して、前記第1ログ材と前記第2ログ材が水平方向に接合し、
前記第1ログ材と前記第2ログ材との間には、前記第1ログ材と前記第2ログ材のどちらか一方のみへの接着部を有する防水材が備わり、
前記第1ログ材及び前記第2ログ材は、上面に略台形断面の実部を有し、
前記第1ログ材の前記溝部の幅は、前記実部の最大幅部の幅より大きい、ログ材のジョイント構造。
【請求項3】
前記溝部と前記突起部の断面形状は、共に矩形であることを特徴とする請求項1
または2に記載のログ材のジョイント構造。
【請求項4】
前記溝部の底部と前記突起部の先端部との間には、組み立て誤差吸収のための隙間がある、請求項1
から3のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項5】
前記防水材は、前記第2ログ材の前記突起部の両側に備わる、請求項1から
4のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項6】
前記防水材は、前記第1ログ材の溝部と前記第2ログ材の突起部との間に、前記第1ログ材の上端の中心から下端の外部方向へ向けて斜めに伸長した、請求項1から
4のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項7】
前記溝部は前記第1ログ材の中心から外部方向にオフセットして備わり、
前記突起部は前記第2ログ材の中心から前記外部方向にオフセットして備わる、請求項1から
6のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項8】
前記第1ログ材の溝部と前記第2ログ材の突起部とを覆う位置に、防水シートが備わる、請求項1から
7のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項9】
前記防水材は、前記第2ログ材の前記突起部の両側面に備わる、請求項1から
8のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項10】
前記第1ログ材の溝部と前記第2ログ材の突起部とが遊動嵌合した、請求項1から
9のいずれかに記載のログ材のジョイント構造。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれかに記載のログ材のジョイント構造を有するログハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログ材のジョイント構造に関する。
【背景技術】
【0002】
丸太組構法の建物(以下、ログハウスともいう)に使用するログ材の長手方向に継手を設ける場合には、ログ材にほぞを設けてログ材同士を嵌合し、金物で補強を行うか、蟻継手のような形状で接合部の密着性を上げることが一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】国土交通省国土技術政策総合研究所、独立行政法人建築研究所、日本建築行政会議、財団法人日本建築センター、ログハウス協会編集、「2003年版丸太組構法技術基準解説及び設計・計算例」第2版第4刷、工学図書株式会社、平成30年8月20日、P.35)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、継手の密着性を上げることで水密・気密性を確保しようとしていた。しかしながら、これにより、逃げが無く、施工性が悪くなる。施工性を良くするには密着性を下げることになるが、そうすると、水密・気密性が下がる。これらの相反する点を解決する必要がある。
【0005】
また、ログ材の接合に継手を設けた場合には、経年で木材にやせが生じて、ログ材の嵌合部に隙間が生じ、水密・気密性が劣化する場合がある。
【0006】
本発明は、これらのような従来の問題を解決するためになされたもので、水密・気密性の劣化を防止するとともに施工性を改善することが可能なログ材のジョイント構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水平方向一端に溝部を有する第1ログ材と、水平方向一端に、溝部と嵌合可能な形状の突起部を有する第2ログ材と、を有し、第1ログ材の溝部と第2ログ材の突起部とが嵌合して、第1ログ材と第2ログ材が水平方向に接合し、第1ログ材と第2ログ材との間には、第1ログ材と第2ログ材のどちらか一方のみへの接着部を有する防水材が備わり、第1ログ材及び第2ログ材は、上面に略台形断面の実部を有し、第1ログ材の溝部の幅は、実部の最小幅部の幅より小さい、ログ材のジョイント構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のログ材のジョイント構造によれば、多少の調整を可能とし、嵌合精度の許容性を高め、施工性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】他の実施形態のログ材のジョイント構造の図。
【
図3】他の実施形態のログ材のジョイント構造の図。
【
図4】他の実施形態のログ材のジョイント構造の図。
【
図5】他の実施形態のログ材のジョイント構造の図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施形態のログ材のジョイント構造の図である。
図1(a)は、ログ材のジョイント構造の分解平面図である。
図1(b)は、ログ材のジョイント構造の平面図である。
図1(c)は、ログ材のジョイント構造の分解正面図である。
図1(d)は、一方のログ材の右側面図である。
図1(e)は、他方のログ材の左側面図である。
図1(f)は、防水材の貼り方を説明するための図である。
【0011】
ログ材のジョイント構造1は、ログ材100とログ材200が接合して構成される。ログ材100は、上部に実部102と、下部に溝部103を有する。ログ材100は右端部に上下方向の矩形断面の溝部101を有する。
図1(a)に示すように、溝部101はログ材100のほぼ中心に備わる。
【0012】
ログ材200は、上部に実部204と、下部に溝部205を有する。なお、実部204と実部102とは断面形状が同一であり、溝部103と溝部205とは断面形状が同一である。ログ材200は左端部に上下方向の矩形断面の突起部201を有する。突起部201は、溝部101と嵌合可能な形状を有する。
図1(a)に示すように、突起部201はログ材200のほぼ中心に備わる。突起部201と溝部101との嵌合は、多少の調整を可能とするため、突起部と溝部と間にある程度の隙間がある嵌合(「すきまばめ」や「遊動嵌合」ともいう)とすることが好ましい。
【0013】
ログ材200は、実部204の両側に上下方向に防水材202、203を有する。
図1(b)に示すように、溝部101の底面と突起部201の先端面との間には、組み立て誤差吸収のための所定の隙間Aが存在する。なお、
図3から5に記載の実施形態でも、隙間Aを設けることが好ましい。防水材202、203は後述するDストリップであってよい。
【0014】
この実施形態のログ材のジョイント構造によれば、矩形突起と矩形溝との嵌合構造とすることより、多少の調整を可能とし、嵌合精度の許容性を高めることが可能となる。
【0015】
図2は、他の実施形態のログ材のジョイント構造の図である。
図2(a)は、ログ材のジョイント構造の分解平面図である。
図2(b)は、ログ材のジョイント構造の平面図である。
図2(c)は、ログ材のジョイント構造の分解正面図である。
図2(d)は、一方のログ材の右側面図である。
図2(e)は、他方のログ材の左側面図である。
図2(f)は、防水材の貼り方を説明するための図である。
【0016】
ログ材のジョイント構造2は、ログ材110とログ材210が接合して構成される。ログ材110は、上部に実部112と、下部に溝部113を有する。ログ材110は右端部に上下方向の矩形断面の溝部111を有する。
図2(b)に示すように、溝部111はログ材110の中心からA方向(ログハウスの室外方向である外部方向)にオフセットして備わる。
【0017】
ログ材210は、上部に実部212と、下部に溝部213を有する。なお、実部112と実部212とは断面形状が同一であり、溝部113と溝部213とは断面形状が同一である。ログ材210は左端部に上下方向の矩形断面の突起部211を有する。突起部211は、溝部111と嵌合可能な形状を有する。
図2(b)に示すように、突起部211はログ材210の中心からA方向(外部方向)にオフセットして備わる。突起部211と溝部111との嵌合は、多少の調整を可能とするため、及び、防水材Bが収容可能なように、突起部と溝部と間にある程度の隙間がある嵌合(「すきまばめ」や「遊動嵌合」ともいう)とすることが好ましい。
【0018】
図2(b)に示すように、溝部111の底面と突起部211の先端面との間には所定の隙間Cが存在する。
図2(f)に示すように、溝部111の底面と突起部211の先端面の間の隙間Cには、防水材Bが備わる。また、この隙間Cは、組み立て誤差吸収のため機能も有する。防水材Bは、後述するDストリップであってよい。防水材Bはログ材の中心からA方向(外部方向)に傾斜して伸長して備わる。これにより、ジョイント構造部内の水の外部への排出が促進される。
【0019】
この実施形態のログ材のジョイント構造によれば、矩形突起と矩形溝とがログ材の中心から外部方向にオフセットして備わることから、ログ材内部方向(室内方向)への水の侵入を低減できる。
【0020】
図3は、他の実施形態のログ材のジョイント構造の図である。
図3(a)は、ログ材のジョイント構造の分解平面図である。
図3(b)は、ログ材のジョイント構造の平面図である。
図3(c)は、ログ材のジョイント構造の分解正面図である。
図3(d)は、一方のログ材の右側面図である。
図3(e)は、他方のログ材の左側面図である。
図3(f)は、防水材の貼り方を説明するための図である。
【0021】
ログ材のジョイント構造3は、ログ材120とログ材220が接合して構成される。ログ材120は、上部に実部122と、下部に溝部123を有する。ログ材120は右端部に上下方向の矩形断面の溝部121を有する。
図3(a)に示すように、溝部121はログ材120のほぼ中心に備わる。
【0022】
ログ材220は、上部に実部224と、下部に溝部225を有する。なお、実部122と実部224とは断面形状が同一であり、溝部123と溝部225とは断面形状が同一である。ログ材220は左端部に上下方向の矩形断面の突起部221を有する。突起部221は、防水材222,223を両側面に備えた状態で、溝部121と、嵌合可能な形状を有する。
図3(a)に示すように、突起部221はログ材220のほぼ中心に備わる。突起部221と溝部121との嵌合は、多少の調整を可能とするため、及び、防水材222、223が収容可能なように、突起部と溝部と間にある程度の隙間がある嵌合(「すきまばめ」や「遊動嵌合」ともいう)とすることが好ましい。
【0023】
突起部221及び溝部121の幅は、実部122及び実部224の最小幅部の幅より小さい。
【0024】
図3(a)に示すように、突起部221の両側面には、防水材222、223が備わる。防水材222,223は例えば、Dストリップ(D型ウェザーストリップ、D型シールストリップ)である。Dストリップ(防水材222、223)は、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等のゴム発泡体で形成されている。
図3(a)の一部拡大図に示すように、防水材222、223は、曲面222a、223a(不図示)と平面222b、223b(不図示)を有する、断面が中空D型のシール材である。押出成形により、曲面222a、223aは、摩擦抵抗の低い滑面となる。平面222b、223bは、突起部221の側面への取付け部(接着部)となる。
【0025】
防水材222、223は、曲面222a、223aが、摩擦抵抗の低い滑面であるため、ログ材120、220の嵌合作業中にログ材220の突起部221がログ材120の嵌合部121に引っ掛かって防水材222、223が剥がれないようにすることができる。さらに、防水材222、223は、中空形状を有して柔軟性が高いため、ログ材220の突起部221の側面とログ材120の溝部121の側面との間の隙間形状に追従することができる。これらにより、施工性が向上する。
【0026】
図3(b)に示すように、ジョイント構造3は、突起部221及び溝部121を覆う位置に、防水シート301を有する。防水シート301は、例えば、ブチルテープや板状ブチル粘土である。
【0027】
このように、防水材222,223と防水材301とを配置することにより、
図3(f)に示すように、水は、防水材222,223により、ジョイント構造3内部への侵入が阻止されるとともに、下方へ流れ(図のB)、防水シート301により、外部へ排出される(図のC)。
【0028】
さらに、突起部221及び溝部121の幅は、実部122及び実部224の幅より小さい。これにより、水が逆流する(図のCの反対方向)には、実部122、224を登る必要があることから、この実部の高低差により、水が阻止され、水が内部に浸入することもない。
【0029】
この実施形態のログ材のジョイント構造によれば、突起部及び溝部を覆う位置に、防水シートを有することから、ログ材1段ずつ縁を切り、下へ流れる水の流量を制限することができ、また、上下のログ材の隙間をブチル粘土等の防水シートで埋めることで、水が四方に拡散することを防止できる。
【0030】
図4は、他の実施形態のログ材のジョイント構造の図である。
図4(a)は、ログ材のジョイント構造の分解平面図である。
図4(b)は、ログ材のジョイント構造の平面図である。
図4(c)は、ログ材のジョイント構造の分解正面図である。
図4(d)は、一方のログ材の右側面図である。
図4(e)は、他方のログ材の左側面図である。
図4(f)は、防水材の貼り方を説明するための図である。
【0031】
ログ材のジョイント構造4は、ログ材130とログ材230が接合して構成される。ログ材130は、上部に実部132と、下部に溝部133を有する。ログ材130は右端部に上下方向の矩形断面の溝部131を有する。
図4(a)に示すように、溝部131はログ材130のほぼ中心に備わる。
【0032】
ログ材230は、上部に実部234と、下部に溝部235を有する。なお、実部132と実部234とは断面形状が同一であり、溝部133と溝部235とは断面形状が同一である。ログ材230は左端部に上下方向の矩形断面の突起部231を有する。突起部231は、防水材232,233を両側面に備えた状態で、溝部131と嵌合可能な形状を有する。
図4(a)に示すように、突起部231はログ材230のほぼ中心に備わる。突起部231と溝部131との嵌合は、多少の調整を可能とするため、及び、防水材232、233が収容可能なように、突起部と溝部と間にある程度の隙間がある嵌合(「すきまばめ」や「遊動嵌合」ともいう)とすることが好ましい。
【0033】
突起部231及び溝部131の幅は、実部132及び実部234の最大幅部の幅より大きい。
【0034】
図4(a)に示すように、突起部231の両側面には、防水材232、233が備わる。防水材232,233は例えば、上述したDストリップである。
図4(b)に示すように、ジョイント構造4は、突起部231及び溝部131を覆う位置に、防水シート302を有する。防水シート302は、例えば、ブチルテープやブチル粘土である。
【0035】
このように、防水材232,233と防水材302とを配置することにより、
図4(f)に示すように、水は、防水材232,233により、ジョイント構造4内部への侵入が阻止されるとともに、下方へ流れ(図のB)、防水シート302により、外部へ排出される(図のC)。
【0036】
図5は、他の実施形態のログ材のジョイント構造の図である。
図5(a)は、ログ材のジョイント構造の分解平面図である。
図5(b)は、ログ材のジョイント構造の平面図である。
図5(c)は、ログ材のジョイント構造の分解正面図である。
図5(d)は、一方のログ材の右側面図である。
図5(e)は、他方のログ材の左側面図である。
図5(f)は、防水材の貼り方を説明するための図である。
【0037】
ログ材のジョイント構造5は、ログ材140とログ材240が接合して構成される。ログ材140は、上部に実部142と、下部に溝部143を有する。ログ材140は右端部に上下方向の矩形断面の溝部141を有する。
図5(a)に示すように、溝部141はログ材140のほぼ中心に備わる。
【0038】
ログ材240は、上部に実部244と、下部に溝部245を有する。なお、実部142と実部244とは断面形状が同一であり、溝部143と溝部245とは断面形状が同一である。ログ材240は左端部に上下方向の矩形断面の突起部241を有する。突起部241は、防水材242,243を両側面に備えた状態で、溝部141と嵌合可能な形状を有する。
図5(a)に示すように、突起部241はログ材240のほぼ中心に備わる。突起部241と溝部141との嵌合は、多少の調整を可能とするため、及び、防水材242,243が収容可能なように、突起部と溝部と間にある程度の隙間がある嵌合(「すきまばめ」や「遊動嵌合」ともいう)とすることが好ましい。
【0039】
突起部241及び溝部141の幅は、実部142及び実部244の最小幅部の幅とほぼ同一である。
【0040】
図5(a)に示すように、突起部241の両側面には、防水材242、243が備わる。防水材242,243は例えば、上述したDストリップである。
図5(b)に示すように、ジョイント構造5は、突起部241及び溝部141を覆う位置に、防水シート303を有する。防水シート303は、例えば、ブチルテープやブチル粘土である。
【0041】
このように、防水材242,243と防水材303とを配置することにより、
図5(f)に示すように、水は、防水材242,243により、ジョイント構造5内部への侵入が阻止されるとともに、下方へ流れ(図のB)、防水シート303により、外部へ排出される(図のC)。
【0042】
以上説明したように、実施形態のログ材のジョイント構造によれば、矩形突起と矩形溝との嵌合構造とすることより、多少の調整を可能とし、嵌合精度の許容性を高めることが可能となる。これにより、施工性が向上する。また、ログ材間には防水材が備わるため、経年で木材にやせが生じた場合でも、ログ材の嵌合部に隙間が生じず、水密・気密性を維持できる。
【0043】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
100、200:ログ材、101:溝部、201:突起部、202・203:防水材