(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】心臓補助システム用ラインデバイスおよびラインデバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/878 20210101AFI20240129BHJP
A61M 60/13 20210101ALI20240129BHJP
A61M 60/17 20210101ALI20240129BHJP
A61M 60/531 20210101ALI20240129BHJP
A61M 60/538 20210101ALI20240129BHJP
A61M 60/857 20210101ALI20240129BHJP
A61M 60/865 20210101ALI20240129BHJP
【FI】
A61M60/878
A61M60/13
A61M60/17
A61M60/531
A61M60/538
A61M60/857
A61M60/865
(21)【出願番号】P 2020567933
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2019064775
(87)【国際公開番号】W WO2019234146
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】102018208911.6
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】シュルブッシュ, トーマス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼンメイ, ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】カッセル, ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ベヒレ, トビアス
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514529(JP,A)
【文献】特開2015-122448(JP,A)
【文献】特表2014-524274(JP,A)
【文献】特開平10-052489(JP,A)
【文献】特開昭64-68236(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0289376(US,A1)
【文献】国際公開第2017/021846(WO,A1)
【文献】国際公開第99/49912(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/878
A61M 60/857
A61M 60/865
A61M 60/531
A61M 60/538
A61M 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓補助システム用のコンジットであって、
シースを含むガイドカニューレと、
前記ガイドカニューレの前記シースに取り付けられている導電性素子と、を備え、
前記導電性素子は、複数の層と、少なくとも一つのセンサを直接に取り付け且つ/または接触させるように構成されているセンサ接触領域と、を含むコンジット。
【請求項2】
前記複数の層は、導電層を含み、前記導電層は、少なくとも部分的に金材料から作製される、請求項1に記載のコンジット。
【請求項3】
前記複数の層は、絶縁層を含み、前記絶縁層は、少なくとも部分的にポリイミド材料から作製される、請求項1に記載のコンジット。
【請求項4】
前記導電性素子は、遮蔽要素を含む、請求項1に記載のコンジット。
【請求項5】
前記遮蔽要素は、導電層を含む、請求項4に記載のコンジット。
【請求項6】
前記遮蔽要素は、前記導電層間のスルーコンタクトを含む、請求項5に記載のコンジット。
【請求項7】
前記導電性素子は、複数のラインを含み、前記複数のラインの少なくとも一つのラインは、前記複数の層の内部に配置され、且つ前記複数のラインの少なくとも一つのラインは、前記遮蔽要素の外部に配置される、請求項4に記載のコンジット。
【請求項8】
前記導電性素子は、
心臓病患者の血液の流量の測定を可能にするための、少なくとも一つの信号発生器を接触させるための信号発生器接触領域を含む、請求項1に記載のコンジット。
【請求項9】
前記センサ接触領域は、少なくとも二つのセンサを受信し且つ/または接触させるように構成され、前記センサ接触領域は、長方形の形状であり、少なくとも二つの縁部を含み、且つ前記センサ接触領域は、前記少なくとも二つの縁部で曲げられる、請求項1に記載のコンジット。
【請求項10】
前記信号発生器接触領域は、少なくとも二つの曲げられた接点を含む、請求項8に記載のコンジット。
【請求項11】
前記導電性素子は、接続点要素を含み、前記接続点要素は、前記接続点要素の外縁上に円周方向に配置されている複数の接続点を含む、請求項1に記載のコンジット。
【請求項12】
前記シースは、円筒形であり且つ螺旋構造を含み、前記ガイドカニューレの前記シースは、金属含有合金を含む、請求項1に記載のコンジット。
【請求項13】
前記導電性素子の前記複数の層の各層は、5μm~15μmの範囲の厚さを有し、且つ前記導電性素子は、蛇行様式で形成される、請求項1に記載のコンジット。
【請求項14】
心臓補助システムであって、
センサヘッドユニットとエンドユニットとの間に配置されているコンジットと、
前記コンジットと前記センサヘッドユニットとの間に配置されている第1の接続要素と、
前記コンジットと前記エンドユニットとの間に配置されている第2の接続要素と、
前記コンジットと結合されている導電性素子であって、前記導電性素子は、複数の層と、少なくとも一つのセンサを直接に取り付け且つ/または接触させるように構成されているセンサ接触領域と、を含む導電性素子と、を備える心臓補助システム。
【請求項15】
前記コンジットは、螺旋構造を有するシースを含むガイドカニューレ
をさらに含み、
前記導電性素子は、前記ガイドカニューレの前記シースの前記螺旋構造と結合されてい
る請求項14に記載の心臓補助システム。
【請求項16】
心臓補助システム用のコンジットを製造するための方法であって、
シースを含むガイドカニューレを提供する工程と、
前記ガイドカニューレの前記シースの少なくとも一部の上に導電性素子を適用する工程であって、前記導電性素子が
、複数の層と、少なくとも一つのセンサを直接に取り付け且つ/または接触させるように構成されているセンサ接触領域
と、を含む、導電性素子を適用する工程と、を含む方法。
【請求項17】
前記シースは、円筒形であり且つ螺旋構造を含み、前記導電性素子は、前記シースの前記螺旋構造の少なくとも一部の上に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
心臓補助システム用のコンジットを製造するためのシステムであって、
コンピュータ可読命令を記憶する機械可読記憶装置と、
プロセッサであって、前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、
ガイドカニューレのシースの少なくとも一部の上に導電性素子を適用する工程であって、前記導電性素子が
、複数の層と、少なくとも一つのセンサを直接に取り付け且つ/または接触させるセンサ接触領域
と、を含む、導電性素子を適用する工程を遂行させるプロセッサと、を含むシステム。
【請求項19】
前記シースは、円筒形であり且つ螺旋構造を含み、前記導電性素子は、前記シースの前記螺旋構造の少なくとも一部の上に適用される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ記憶装置であって、
前記コンピュータ可読命令は、製造装置のプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、
ガイドカニューレのシースの少なくとも一部の上に導電性素子を適用する工程であって、前記導電性素子が
、複数の層と、少なくとも一つのセンサを接触させるセンサ接触領域
と、を含む、導電性素子を適用する工程を遂行させる、非一時的コンピュータ記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分(プリアンブル)に定義されるラインデバイスまたは方法に基づく。本発明の主題はまた、コンピュータプログラムである。
【背景技術】
【0002】
その間、材料科学の著しい進歩により、薄く、柔軟性があり、同時に複雑に構造化された導電体構造、例えば、Burkard et al.による、“Flex Technology for Foldable Medical Flip Chip Devices”,IMAPS Conf.on Device Packaging,Scottdale AZ,March 17-20,2008,により発表されたもの等、が可能となった。医療技術の分野では、このような導電体構造は、例えば、移植された眼圧センサまたは網膜インプラントの形態で使用される。
【0003】
前述に基づいて、本発明の目的は、心臓補助システムを目的とし、その一体化および機能性に関して簡略化および改善されたラインデバイスを提供すること、ならびにその製造のための有利な方法を提供することである。
【0004】
この背景に対して、本明細書に提示されるアプローチは、心臓補助システム用のラインデバイス、ラインデバイスを製造する方法、さらに、前述の方法を使用する装置、および最後に主要請求項による、対応するコンピュータプログラムを提供するために使用され得る。従属請求項に列記された手段によって、独立請求項に開示された、デバイスの有利なさらなる開発および改善が可能となる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に提示され、心臓補助システムを対象とするラインデバイスは、例えば、可撓性基材に基づく、高周波対応の導電性素子を記述する。前述の導電性素子は、センサキャリア、電気接続線、および接続要素の機能を単一のサブアセンブリに統合することができ、そのため、例えば、心臓補助システムのポンプ上に追加の接続点を設けることができる。結果として、製造工程を簡略化でき、心臓補助システムの信頼性を向上させることができる。
【0006】
心臓補助システム用のラインデバイスが提供され、ラインデバイスは、以下の特徴を含む。
少なくとも部分的に延長方向に沿って構造化されたガイドカニューレと、
ガイドカニューレ内、ガイドカニューレ上、またはガイドカニューレに配置された、多層構造を含む導電性素子とを含む。
【0007】
ラインデバイスは、心臓補助システムの構成要素であり得、ラインデバイスは、高周波対応の導電性素子を、例えば、ラインデバイスのガイドカニューレ内に統合するために使用される。人工心臓またはVAD(補助人工心臓;ventricular assist device)とも呼ばれる心臓補助システムは、心臓のポンプ性能を向上させるためのポンプ装置を意味すると理解され得る。心臓補助システムは、例えば、カテーテルによって心室または大動脈に挿入され得る。特に、心臓補助システムは、例えば、経皮的補助システムとして設計され得るが、そうである必要はない、左心室補助システムであり得る。ガイドカニューレは、円筒形ハウジングであり得、これは例えば、金属含有合金および/または一定の外径を有し得るが、代替的にテーパ状を呈し得る。したがって、ガイドカニューレは、導電性素子、またはより具体的には、電気接続線を受けるために使用され得、また、例えば、心臓補助システムのラインデバイスで使用され得る。さらに、ガイドカニューレはまた、シース内に構造化された表面または構造を有することができ、これは、例えば、管から切り出された、編組として、および/もしくは螺旋状もしくは波状構造として、または鋸歯状構造として、またはジグザグ変形として形成され得る。導電性素子は、例えば、心臓補助システムのガイドカニューレ内に配置される電気接続線を意味し、前述の電気接続線は、例えば、心臓補助システムの遠位先端における圧力および/または温度センサなどのセンサシステムと、前述の心臓補助システムの近位端における電気接続ケーブルとの間の電気接続を形成するために使用されると理解され得る。多層構造は、導電性素子および/または電気接続ケーブルの多層構造構築物であり得、各個別の層は、例えば、導電および/または絶縁機能などの特定の機能を提供し得る。したがって、多層構造は、例えば、薄膜プロセスによって作製し得る。
【0008】
本明細書に提示され、心臓補助システム用のラインデバイスに意図されるアプローチの利点は、例えば、特に、薄膜プロセスを使用することによって、ラインデバイスの導電システムが実装され、この場合、薄膜プロセスは、標準的な電気接続ケーブルと比較して、適用されるコーティングの厚さの減少をもたらすことである。さらに、導電性素子はまた、例えば、単独で実装されてもよく、さらに、例えば、センサキャリア、電気接続線、および接続要素の機能を単一のサブアセンブリに組み合わせてもよく、この形態の実装が、可能性のある任意の故障点を低減する結果となり、さらに、適用されるコーティングの厚さのさらなる増加を表す不必要な接点が解消される。接点を回避するために、例えば、単一の(例えば、単体の)可撓性基材を、センサヘッドユニット内で、ガイドカニューレに沿った導電性素子のガイドとしてだけでなく、心臓補助システムのエンドユニット上のフィードスルー要素と電気的に接触させるためにも使用することが提案される。前述の可撓性基材、例えば、薄膜基材は、接着剤によって予め固定され、その後、損傷の可能性に対してラインデバイスを保護する保護ラッカー層でコーティングされ得る。
【0009】
一実施形態によれば、導電性素子は、導電性および/または絶縁材料から作製された複数の(例えば、同一平面)層を含み得、特に、導電層は、少なくとも部分的に金材料を含み、および/または絶縁層は、ポリイミド材料から少なくとも部分的に作製される。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、導電性素子を構築する目的のための異なる層の組み合わせが、例えば、新しいおよび/または改善された特性および導電性素子の適用分野を形成し得るという利点を提供する。したがって、導電性素子は、例えば、薄膜プロセスを使用して作製し得、この場合、薄膜プロセスによる導電性素子の実装は、適用されるコーティングの厚さの減少という利点を提供する。さらに、例えば、ウエハベースのリソグラフィプロセスによるこのような層の作製により、資源およびエネルギー両方の効率が良いラインデバイスの製造プロセスを達成することが可能になる。これらの層は、例えば、リソグラフィ(特に、フォトレジスト、露光、現像、ベース層スパッタリング、ガルバニック厚化(galvanically thickening)、フォトレジスト除去を適用することによる)によって作製される。
【0010】
ポリイミド材料は、電気工学において、例えば、その耐熱性、低アウトガス、放射線抵抗性、および薄茶色の半透明フィルムの形態の絶縁特性を考慮して使用される。同時に、最大230℃の高連続使用温度、および短時間では最大400℃が可能である。ポリイミド材料は、例えば、特に、薄膜プロセスにおいて、電線の特に薄い、かつ、それにもかかわらず、非常に安定なラッカー絶縁に使用し得る。例えば、ポリイミドに基づくガラスキャリア基材上のコンダクタの多層構造は、ポリイミドがスピンコーティングによって液体形態で適用され得るという点で特に有利である。接着剤の補助により積層されたポリイミド層(可撓性プリント回路カード産業で通例のように)とは対照的に、液体様式での絶縁層の生成は、金属導体を気密的に封入することを可能にし、そのため、水分が侵入せず、腐食の問題が低減される。医療技術の分野では、ポリイミドは生体適合性のため好ましい。金材料は、酸化物層を形成しないという利点を提供し、結果として、良好な電気的接触が常に保証される。特に、その優れた生体適合性が強調されるべきである。他の考えられる金属として、白金イリジウム、または原則的には、その高い導電性と低価格のため銅が挙げられる。
【0011】
一実施形態によれば、導電性素子は、特に遮蔽要素を含み、遮蔽要素は、導電層および/または個別の層の間のスルーコンタクト(through-contact)を使用して実装される。この場合、遮蔽は、例えば、金属層および導電性素子の個別の層の間の平坦なスルーコンタクトによって生成され得る。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、遮蔽が、ラインデバイスの高周波特性(例えば、インピーダンス制御に関する)の改善を提供し得るという利点を提供する。
【0012】
一実施形態によれば、導電性素子は、複数のラインを含み得、ラインの一部は、特に、層の内部に配置され、ラインの大部分は遮蔽要素の外部に配置される。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、例えば、金属材料を含み得る遮蔽要素が、導電素子内の導体トラックまたはラインの製造にも使用されるプロセスによって、導電性素子の接触領域内で非常に単純に形成され得るという利点を提供する。
【0013】
一実施形態によれば、導電性素子は、少なくとも一つのセンサを接触させるためのセンサ接触領域、および/または少なくとも一つの信号発生器を接触させるための信号発生器接触領域を含み得る。この場合、少なくとも一つのセンサは、例えば、心臓疾患を患う患者の血液の温度を測定する温度センサ、および/または心臓病患者の心室圧を検出するための(例えば、気圧)圧力センサであり得る。信号発生器は、例えば、心臓病患者の血液の流量の測定を可能にする超音波素子であり得る。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、導電性素子の一端のこうした実装を使用して、センサおよび超音波素子の両方との接触を可能にする利点を提供する。
【0014】
一実施形態によれば、センサ接触領域は、少なくとも二つのセンサを受信および/もしくは接触するように設計され得、ならびに/またはセンサ接触領域は、特に、長方形の様式で形成され得、センサ接触領域は、少なくとも二つの縁部を含み、センサ接触領域は、少なくとも二つの縁部で曲げられる。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、心臓補助システムのセンサヘッドユニットの溝の周りに巻き付けられ、それによって、こうして安定で永久的な保持を確保するために、センサ接触領域が二つの縁部で曲げられるという利点を提供する。この溝、またはより具体的には、センサ空洞は、血液および機械的損傷からセンサを保護する目的で、ポッティング化合物、例えば、固体および/またはゲル様シリコーンで(例えば、この溝にセンサを埋め込んだ後)充填され得る。特定の実施形態では、曲げられた縁部の間の直線領域は、曲げが曲げられた縁部の領域のみで可能であるように、補強要素によって強化され得る。
【0015】
一実施形態によれば、信号発生器接触領域は、少なくとも二つの曲げられた接点を含み得る。信号発生器接触領域は、例えば、円形プリント回路基板として設計され、この場合、少なくとも二つの曲げられた接点は、例えば、超音波素子などの少なくとも一つの信号発生器を受信および/または接触するように設計される。さらに、信号発生器接触領域はまた、縁部を含む。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、可能な限り最善の方法で、心臓補助システムの円筒形状にそれ自体を組み込むために、信号発生器接触領域もまた縁部で曲げることができるという利点を提供する。
【0016】
一実施形態によれば、導電性素子は、接続点要素を含むことができ、接続点要素は、特に、円形、六角形、正方形、三角形、略多角形、またはU字形状の様式の形状とされ、接続点要素は、接続要素の外部環境上に放射状ならびに/または円周方向に配置された、複数の丸い接続点および/もしくは接続点を含む。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、半円形状の接続点を、溶接、導電性接着剤接合またははんだ付けによって電気的に接触させるために、フィードスルー要素の同様に放射状および/または円周方向に配置された接触ピンの間の導電性素子の細いおよび/または可撓性の線上に折り畳むことができるという利点を提供する。半円形状の接続点を有する円としての接続点要素の形状は、便利な接触を可能にし、そのため、長さのわずかな調整でさえ、前述の形状の実現のために実施することができる。
【0017】
一実施形態によれば、ガイドカニューレの構造化されたシースは、特に、管から切り出された編組および/もしくは螺旋状/波状またはジグザグ構造として形成されてもよく、ガイドカニューレは金属含有合金を含む。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、導電性素子が、ガイドカニューレの編組および/または螺旋状の構造によって機械的に保護および/または支持されるという利点を提供する。ケーブル、またはより具体的には、導電素子が、他のいかなるデバイスなしに編組管に一体化されている場合、高曲げ荷重がケーブルに作用し、永久インプラントの計画対象期間の前に電気接続の破損につながり得る側面がある。したがって、支持構造または保護構造、例えば金属ストリップ上にケーブルを予め組み立て、後者を以下の編組に組み込むことが有利である。ガイドカニューレが管から切り出される場合、支持構造または保護構造の形状を切断プログラムに組み込むことができ、それにより別個の構成要素の必要がない。特に、ガイドカニューレの螺旋状ウェブ上の導電性素子のガイドは、長期間にわたる機械的曲げ荷重に対する非常に高度な保護を導電性素子に提供する。
【0018】
一実施形態によれば、導電性素子の各層は、5μm~15μmの範囲の厚さを有し得、および/または導電体は、蛇行形状で形成され得る。ポリイミド(PI)または金の各層は、例えば、約5~15μmの厚さであり得る。次に、導電性素子の総厚は、層数および個々の層厚の関数であり、この場合、層数もまた、既存の遮蔽、またはより具体的には、遮蔽層に依存する。例えば、3層システム(PI、金、PI)は、最大厚15μmを有し得る。例えば、遮蔽を有するこのようなシステムは、それぞれ最大10μm、すなわち、110μmの11層の最大厚を有し得る。本明細書に提示されるアプローチのこうした実施形態は、拡張または圧縮の場合、導電性素子の長さの調整は、蛇行形状で形成された導電性素子によって達成され得るという利点を提供する。
【0019】
さらに、本明細書に提示されるアプローチは、本明細書に提示される変形によるラインデバイスを有する心臓補助システムを提供し、ラインデバイスは、特に、センサヘッドユニットと心臓補助システムのエンドユニットとの間に配置され、一方の接続要素はそれぞれ、ラインデバイスとセンサヘッドユニットとの間に、および/またはラインデバイスとエンドユニットとの間に配置される。本明細書に提示されるアプローチの特定の利点はまた、こうした実施形態によって、簡単で費用効果の高い様式で実現され得る。
【0020】
最後に、ラインデバイスを製造する方法が提供され、方法は、
ガイドカニューレおよび導電性素子を提供する工程と、
ラインデバイスを製造するために、ガイドカニューレ内に導電性素子を配置する工程とを含む。
【0021】
心臓補助システム用のラインデバイスを作製するための方法は、例えば、制御装置において、例えば、ソフトウェアもしくはハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの混合形態で実装し得る。
【0022】
さらに、本明細書に提示されるアプローチはまた、本明細書に提示される方法の変形の工程を実行、トリガー、またはより具体的には、実装するように設計され、対応する装置において心臓補助システム用のラインデバイスを製造することが意図される装置を提供する。本発明に基づく問題はまた、装置の形態の本発明のこの代替的な変形によっても迅速かつ効率的に解決し得る。
【0023】
この目的のために、装置は、信号またはデータを処理するための少なくとも一つの演算器、信号またはデータを記憶するための少なくとも一つの記憶装置、センサまたはセンサからのセンサ信号を読み込むためもしくはアクチュエータへデータまたは制御信号を出力するためのアクチュエータに対する少なくとも一つのインターフェースおよび/または通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み込むまたは出力するための少なくとも一つの通信インターフェースを備え得る。演算器は、例えば、信号プロセッサ、マイクロコントローラなどであり得、記憶装置は、フラッシュメモリ、EEPROM、または磁気記憶装置であり得る。通信インターフェースは、無線および/または有線方式でデータを読み込みまたは出力するように設計され得、この場合、データを読み込みまたは出力できる通信インターフェースは、例えば、前述のデータを電気的にまたは光学的に、対応するデータ伝送回線から読み込みまたは対応するデータ伝送回線に出力し得る。
【0024】
本事例の装置は、センサ信号を処理し、その関数として制御信号および/またはデータ信号を出力する電気装置を意味すると理解され得る。デバイスは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで構成され得るインターフェースを含み得る。ハードウェアの設計の場合、インターフェースは、例えば、装置の幅広い機能を含む、いわゆるASICシステムの一部とし得る。しかし、インターフェースは別個の集積回路、または個別の構成要素から少なくとも部分的に構成されることができる。ソフトウェアにおける設計の場合、インターフェースは、例えば、マイクロコントローラ上に、他のソフトウェアモジュールに加えて存在するソフトウェアモジュールであり得る。
【0025】
有利にはまた、機械可読キャリアまたは、半導体メモリ、ハードディスクメモリもしくは光学メモリなどの記憶媒体上に記憶され得、特に、プログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置上で実行されたとき、上述の実施形態のいずれか一つによる方法の工程を実行、実装および/または制御するのに使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に提示されるアプローチの例示的実施形態は図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。図面は以下を示す。
【0027】
【
図1】
図1は、一例示的実施形態による一体化型ラインデバイスを備えた左心室補助システムの概略図である。
【
図2】
図2は、一例示的実施形態による左心室補助システムのセンサヘッドユニットの概略図である。
【
図3】
図3は、一例示的な実施形態による、導電性素子のセンサ接触領域および信号発生器接触領域の概略図である。
【
図4】
図4は、一例示的実施形態による左心室補助システムのセンサヘッドユニットの三次元図である。
【
図5】
図5は、一例示的実施形態による左心室補助システムのセンサヘッドユニットの概略図である。
【
図6a】
図6aは、一例示的実施形態によるラインデバイスのガイドカニューレの概略図である。
【
図6b】
図6bは、一例示的実施形態によるラインデバイスを備えた心臓補助システムの概略図である。
【
図7】
図7は、一例示的実施形態による、導電性素子の接続点要素の概略図である。
【
図8】
図8は、一例示的実施形態による、導電性素子の接触した接続点要素の概略図である。
【
図9】
図9は、一例示的実施形態による、導電性素子の概略断面図である。
【
図10】
図10は、一例示的実施形態によるラインデバイスを製造するための方法の一例示的実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の有利な例示的実施形態の以下の説明では、様々な図に示され、類似の様式で機能する要素に対して、同一または類似の参照番号が使用されるため、これらの要素についての反復した説明は割愛される。
【0029】
図1は、一例示的実施形態による一体化型ラインデバイス105を備えた左心室補助システム100の概略図を示す。心臓補助システム100は、実質的に一定の外径および、左心室または大動脈などの血管へのカテーテルによる配置を容易にするために、丸みを帯びたテーパ状の端部を有する円筒形状の細長い構造を含む。
【0030】
はじめに、心臓補助システム100(ここでは、例として、左心室への経皮的移植のための左心室補助システム100)は、ラインデバイス105を備え、この場合、ラインデバイス105は、センサヘッドユニット110とモータハウジング115、エンドユニット120と心臓補助システム100の接続ケーブル125との間に配置される。これに関して、ラインデバイスは、センサヘッドユニット110およびモータハウジング115、またはより具体的には、一つの接続要素130および135によってそれぞれ、エンドユニット120に接続され得る。接続要素130および135は、血液を受けるまたは排出するための開口部を含む。結合は、例えば、接着接合によってもたらされる。ラインデバイス105および接続要素130はまた、単一部品から構成され得る。つまり、一つの部品に製造し得ることを意味する。一実施形態におけるセンサヘッドユニット110および接続要素130はまた、一つの部品から、すなわち、一つの部品に作製され得る。
【0031】
心臓補助システム100のセンサヘッドユニット110は、例えば、圧力および/または温度を測定するために使用されるセンサアセンブリの形態のチップを含む。エンドユニット120は、例えば、心臓補助システム100の近位端を表し、心臓補助システム100のモータハウジング115と、心臓補助システム100を外部エネルギー源または外部評価もしくは制御装置に接続するための接続ケーブル125との間の遷移を形成する。
【0032】
ラインデバイス105は、少なくとも部分的に延長方向に沿って、構造、より具体的には、ここに構造化される表面を含む、ガイドカニューレ140を含む。例えば、ガイドカニューレ140は、螺旋状の表面構造を含む。導電性素子145は、ガイドカニューレ140内に配置され、この場合、前述の導電性素子145は、センサヘッドユニット110の心臓補助システム100の近位端の接続ケーブル125への電気的接続に使用される。
【0033】
一例示的実施形態によれば、導電性素子145は、その長さ調整を達成するために、メアンダを包含することができる。この場合、メアンダは、好ましくはモータハウジング115の領域内に配置される。
【0034】
図2は、一例示的実施形態による左心室補助システム100のセンサヘッドユニット110の概略図を示す。
【0035】
心臓補助システム100のセンサヘッドユニット110は、例えば、心臓疾患を患う患者の圧力および/または温度を測定するために使用されるセンサアセンブリの形態のチップを含む。この目的のために、一例示的実施形態によるセンサヘッドユニット110は、二つのセンサ205および信号発生器210を含む。二つのセンサ205は、例えば、圧力センサおよび/または温度センサであり得る。信号発生器210は、例えば、超音波素子であり得る。一実施形態によれば、両方のセンサ205は、センサ空洞215に配置され、センサ205を血液および/または機械的損傷から保護するためにポッティング化合物で充填される。したがって、このポッティング化合物は、例えば、固体および/またはゲル様シリコーンおよび/またはシリコーンオイルであり得る。
【0036】
この実施形態で説明されるセンサヘッドユニット110の概略図に示すように、センサヘッドユニット110は、接続要素130によってラインデバイス105に接続され、この場合、接続要素130は複数の入口ウィンドウ220を備え、それを通して心臓病患者の血液が心臓補助システムに入る。
【0037】
図3は、一例示的実施形態による、導電性素子のセンサ接触領域305および信号発生器接触領域310の概略図を示す。
【0038】
一例示的実施形態によれば、導電性素子は、例えば、その端部の少なくとも一端上に構造を備え、前述の構造は、少なくとも一つのセンサを直接取り付け、および/もしくは接触させるためのセンサ接触領域305として、ならびに/または導電性接着接合、はんだ付けおよび/もしくは接合によって少なくとも一つの信号発生器を接触させるための信号発生器接触領域310として機能する。この場合、センサ接触領域305および信号発生器接触領域310は、例えば、心臓病患者の圧力および/または温度を測定するために使用される、センサヘッドユニット110上に配置される。センサ接触領域305は、例えば、少なくとも二つのセンサを受容および/または接触するために、長方形プリント回路基板として設計される。さらに、センサ接触領域は、二つの縁部315および320を含み、この場合、センサ接触領域305は、センサヘッドユニット310の溝325の周りに巻き付けられるために、これら二つの縁部315および320で曲げられ得る。信号発生器接触領域310は、例えば、超音波素子などの少なくとも一つの信号発生器を受容および/または接触するために、例えば、円形プリント回路基板として設計される。この目的のために、一例示的実施形態による信号発生器接触領域310は、超音波素子に接触するために、二つの曲げられた接点330を含む。さらに、信号発生器接触領域310はまた、可能な限り最善の方法で、心臓補助システムの円筒形状にそれ自体を組み込むために、曲げることができる縁部335を含む。
【0039】
図4は、一例示的実施形態による、左心室補助システムのセンサヘッドユニット110の三次元図を示す。センサヘッドユニット110は、例えば、キノコ形状の様式で形成されるセンサヘッド405、さらに、その上にセンサ205が取り付けられるセンサ接触領域305、および最後に、心臓病患者の血液がそれを通って心臓補助システムに入る複数の入口ウィンドウ220を備える接続要素130を含む。さらに、接続要素130をセンサヘッドユニット110にプレスフィットするために使用される連結領域410が提供される。入口ウィンドウ220は、三つのウェブ610によって画定され、そのうちの二つは
図4の右側に見える。圧力損失の可能性を最小化するために、入口ウィンドウは、薄いウェブ610が領域130内にとどまるように、可能な限り大きく設計される。この実施形態で説明されるセンサヘッドユニット110の概略図に示すように、センサヘッドユニット110は、接続要素130によってラインデバイス105に液密な様式で接続される。
【0040】
図5は、一例示的実施形態による、左心室補助システムのセンサヘッドユニット110の概略図を示す。一例示的実施形態によれば、センサヘッドユニット110は、例えば、キノコ形状の様式で形成されるセンサヘッド405、さらに、少なくとも一つのセンサがその上に取り付けられ、および/または接触されるセンサ接触領域305、ならびにさらに、その上で少なくとも一つの信号発生器が接触する信号発生器接触領域310を含む。導電性素子のセンサ接触領域305および/または信号発生器接触領域のセンサヘッドユニット110への嵌合が、この実施形態で説明されるセンサヘッドユニット110の概略図に示され、この場合、センサ接触領域305は、センサヘッドユニット110の溝325の周りに巻き付けられるために、その少なくとも二つの縁部で曲げられる。さらに、信号発生器接触領域310はまた、可能な限り最善の方法で、心臓補助システムの円筒形状にそれ自体を組み込むために、その端部で曲げられる。
【0041】
図6aは、一例示的実施形態による、ラインデバイスのガイドカニューレ140の概略図を示す。
【0042】
一例示的実施形態によれば、入口カニューレ140は、導電性素子を案内するための連続的な構造化された表面605を有する、可撓性の円筒形供給管の一種として形成される。この場合、可撓性ガイドカニューレ140は、例えば、管から切り出され、かつ一定の外径を備える構造として設計され、この場合、切断パターンは、導電性素子を支持および保護するための連続的螺旋605を含む。さらに、ガイドカニューレは、例えば、連結領域410および複数のウェブ610からなる一体化された接続要素130を遷移領域として含み、ガイドカニューレ140は接続要素130に一体的に接続される。これに関して、接続要素130は、例えば、金属合金と同じ材料で作製される。連結領域410とガイドカニューレとの間の接続要素130の領域は、入口ウィンドウを形成し、入口ウィンドウは、(導電性素子145を案内することができる)薄いウェブ610によって互いに分離され、それを通して心臓病患者の血液が心臓補助システムに入る。
【0043】
ガイドカニューレ140の代替的な例示的実施形態では、後者は、導電性素子を保護する目的で、例えば、導電性素子の支持体として、平坦なストリップが埋め込まれる編組として形成される。平坦なストリップはまた、金属合金、例えば、ニッケル-チタン合金を含み得る。
【0044】
図6bは、ラインデバイス105を備えた心臓補助システム100の概略図を示す。センサヘッド110およびガイドカニューレ140は、例えば、ニチノール材料で作製され、接続要素130およびラインデバイス105を備えることを、この実施形態でも見ることができる。接続要素130の領域の前部で、血液は、ウェブ610の間を流れ、患者に挿入された状態で心臓補助システム100内に入る。例えば、製造上の理由から、接続要素135は、ここで個々の部品として設計される。モータハウジング115およびエンドユニット120(例えば、
図6bに示されておらず、患者の身体を通してケーブルを接触させることを意図した接触ピンを含むことができる)は、互いに気密に溶接されるか、またはより具体的には、モータハウジング115の後部で液密な様式で互いに接続される。導電性素子145は、デバイスの外部上、または、より具体的には、入口ケージのウェブ610上のセンサヘッド110の先端からのガイドカニューレ140、または、より具体的には、接続要素130およびリスケージへのガイドカニューレ140の一部としての螺旋、または、より具体的には、さらなる接続要素135に、ウェブ610に対応する別のウェブ620上に、そしてモータを通して、またはより具体的には、モータハウジング115を、導電性素子145が次いでライン125と電気的に接触し得る、エンドユニット120まで、案内される。
【0045】
図7は、一例示的実施形態による、導電性素子145の接続点要素705の概略図を示す。
【0046】
一例示的実施形態によれば、導電性素子145は、その端部のうちの一方の上に接続点要素705を含む。この場合、接続点要素705は、一例として、円形状で形成される。しかし、代替的な例示的実施形態では、これはO字形状またはU字形状、六角形、正方形、三角形、または略多角形状の様式で形成され得る。さらに、一例示的実施形態によれば、接続点要素705は、接続点要素705の外部環境上に放射状および/または円周方向に配置された複数の接続点710を含む。この場合、接続点710は、円または半円となるように設計され、導電性素子145の複数の薄い、可撓性のライン715が、溶接、導電性接着接合および/またははんだ付けによってそこに電気的に接触するために、フィードスルー要素(図示せず)の同様に放射状に配置された接触ピンの間に折り畳まれ得る。
【0047】
図8は、心臓補助システムの近位端120における、一例示的実施形態による、導電性素子145の接続点要素705の概略図を示す。一例示的実施形態によれば、図示される接続点要素705は、導電性素子145の完全に接触した接続点である。この図では、導電性素子145の多層構造がはっきりと見える。接続点要素705は、接続点要素705の外部環境上に放射状および/または円周方向に配置された複数の半円形接続点710を含む。この場合、各接続点710は、支持システムの近位端120で、フィードスルー要素(図示せず)のそれぞれ一つの接触ピン805に接続され、この場合、フィードスルー要素は、例えば、電気モータ115の電源ラインを供給ケーブル125に接続するために使用される導電素子でもある。この場合、導電性素子145を、最初に、エンドユニット120の金属ピンに接触させることにより、接続ケーブル125および導電性素子の可撓性コンダクタの共通接続要素として堅牢な機械的結合が可能となる。導電性素子への接続ケーブルのコンダクタの直接接続は、機械的に推奨されない。
【0048】
図9は、一例示的実施形態による、導電性素子145の概略断面図を示す。
【0049】
一例示的実施形態によれば、導電性素子145は、導電性および/または絶縁材料からなる複数の同一平面層905を含む。この場合、導電層は、一例として、少なくとも部分的に金材料を含み、絶縁層は、少なくとも部分的にポリイミド材料から成る。さらに、導電性素子145はまた、遮蔽要素910を含み、これは、例えば、導電層を使用して実装され、金材料に基づく。遮蔽要素910は、例えば、470μmの幅および10μmの厚さを有する。この実施形態に示される遮蔽要素910の例示的実施形態の代替として、遮蔽要素910はまた、個別の層の間のスルーコンタクトを使用して実装され得る。この場合、遮蔽要素910は、特に高周波での電気接続要素のラインへの電界および/または磁気結合の発生を防止するため、または逆に、電気接続要素からの電磁放射を低減するために、電気接続要素の個々のコンダクタまたはコンダクタ対を遮蔽するために使用される。さらに、遮蔽を使用して、電気接続要素の特定の電磁波抵抗を調整し、高周波対応の理由から環境の影響を低減し得る。
【0050】
さらに、導電性素子145は、複数のライン715を含み、この場合、前述のライン715は層内に配置され、例えば、410μmの幅および10μmの厚さを有する。したがって、一例示的実施形態によれば、導電性素子145は、遮蔽要素910の外部に配置された四本のデジタルライン915、さらに遮蔽要素910の内部に配置された二本の超音波ライン920を備える。
【0051】
図10は、一例示的実施形態によるラインデバイスを製造するための方法1000の一例示的実施形態のフローチャートを示す。一例示的実施形態によれば、方法1000は、ラインデバイスを製造するための装置1010上で実施および/またはトリガーされる。
【0052】
工程1020では、ガイドカニューレおよび導電性素子が提供される。方法1000の工程1030では、ラインデバイスを製造するために、導電性素子がガイドカニューレ内に配置される。
【0053】
例示的実施形態が第一の特徴と第二の特徴の間の「および/または」の接続詞を含む場合、このような接続詞は、その例示的実施形態が、一実施形態による、第一の特徴および第二の特徴の両方を含み、別の実施形態による、第一の特徴のみ、または第二の特徴のみのいずれかを含むことを意味すると理解されるべきである。