(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】医療システムで聴覚誘導を提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A61B18/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018209481
(22)【出願日】2018-11-07
【審査請求日】2021-10-27
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トアム・シェメシュ
(72)【発明者】
【氏名】モシェ・インゲル
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0293745(US,A1)
【文献】特表2014-507199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置中に聴覚誘導を提供するシステムの作動方法であって、
前記システムが、前記医療処置の少なくとも一部の間に、ユーザが選択した歌曲を
患者が洞調律であれば定常モードで再生を行い、不整脈であれば非定常モードで再生を行うことと、
前記システムが、楽器が前記歌曲を演奏する音の可聴特性を前記医療処置に割り当てることと、
前記システムが、前記医療処置中に、前記医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータに関するパラメータ情報を取得することと、
前記システムが、前記取得されたパラメータ情報を、各パラメータの所定の閾値と比較することと、
前記システムが、前記比較に従って、前記可聴特性を変更することと、
前記システムが、聴覚誘導を提供するために、変更された可聴特性の部分の音を再生することと、を含
み、
前記非定常モードは、前記歌曲の認識可能な偏差又は差異をもたらす少なくとも速さおよび周波数を含む要素の少なくともいずれかを変更して繰り返し再生を行うモードであり、前記定常モードは、前記要素を変更せずに繰り返し再生を行うモードである、システムの作動方法。
【請求項2】
前記システムの前記割り当てが、
前記可聴特性を前記医療処置に関連付けられたパラメータに割り当てることを更に含む、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項3】
前記システムが、基準パラメータ情報を取得することと、
前記基準パラメータ情報を用いて、前記所定の閾値を設定することと、を更に含む、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項4】
前記パラメータが、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、前記所定の閾値が、前記アブレーションターゲットの前記深さ及び前記幅の寸法ばらつきである、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項5】
前記パラメータが、アブレーションターゲットのターゲットマッピング情報であり、前記所定の閾値が、ターゲットマッピングデータベース内の前記アブレーションターゲットの有無である、請求項1に記載のシステムの作動方法。
【請求項6】
医療処置中に聴覚誘導を提供するためのシステムであって、
ユーザが選択した歌曲の少なくとも一部と前記医療処置との間の関係を少なくとも記憶するように構成された、マッピングデータベースと、
前記医療処置の少なくとも一部の間に、前記ユーザが選択した前記歌曲を
患者が洞調律であれば定常モードで再生を行い、不整脈であれば非定常モードで再生を行うように構成された、音声誘導信号ユニットであって、
前記音声誘導信号ユニットは、前記医療処置中に、前記医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータに関するパラメータ情報を取得するように構成され、
前記音声誘導信号ユニットは、前記取得されたパラメータ情報を、前記マッピングデータベース内に記憶された各パラメータの所定の閾値と比較するように構成され、
前記音声誘導信号ユニットは、前記比較に従って、
前記患者が前記洞調律であれば前記定常モードで再生を行い、前記不整脈であれば前記非定常モードで再生を行う、楽器が前記歌曲を演奏する音の可聴特性を変更するように構成されている、音声誘導信号ユニットと、
聴覚誘導を提供するために、変更された可聴特性の部分の音を再生するように構成された、音声装置と、を備え
、
前記非定常モードは、前記歌曲の認識可能な偏差又は差異をもたらす少なくとも速さおよび周波数を含む要素の少なくともいずれかを変更して繰り返し再生を行うモードであり、前記定常モードは、前記要素を変更せずに繰り返し再生を行うモードである、システム。
【請求項7】
前記可聴特性が、前記医療処置に関連付けられたパラメータにマッピングされるように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記マッピングデータベースが、基準パラメータ情報及び前記所定の閾値を記憶するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記パラメータが、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、前記所定の閾値が、前記アブレーションターゲットの前記深さ及び前記幅の寸法ばらつきである、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
聴覚誘導システム及び医療システムのための方法並びに手順が開示される。医療処置中に聴覚誘導を提供するための方法には、医療処置中に再生するための歌曲を選択することを含む。歌曲の少なくとも一部は、医療処置に割り当てられる。医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータに関するパラメータ情報が、医療処置中に取得される。取得されたパラメータ情報は、各パラメータの所定の閾値に対して比較される。パラメータ情報に関連付けられた歌曲の部分は、比較に従って変更され、医療処置中に聴覚誘導を提供するために、歌曲の変更された部分が再生される。
【図面の簡単な説明】
【0002】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて実例として示される下記の説明文より得ることができる。
【
図1】特定の実施形態に従う、医療システムの高度な概略的絵図である。
【
図2】特定の実施形態に従う、例示的な医療システムの詳細な概略図である。
【
図3】特定の実施形態に従う、
図2の例示的な医療システムに含まれ得る例示的なカテーテルの概略図である。
【
図4】特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得る、特定の実施形態に従う、例示的な聴覚誘導方法のフロー図である。
【
図5】特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得る、特定の実施形態に従う、別の例示的な聴覚誘導方法のフロー図である。
【
図6】特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得る更に別の例示的な聴覚誘導方法の、並びに
図4及び
図5の方法と併せたフロー図である。
【
図7】特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得るマッピングするための例示的な聴覚誘導方法の、並びに
図4、
図5、及び
図6の方法と併せたフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本特許出願に参照により援用される文書には、本明細書において明示的又は非明示的になされた定義と矛盾した形で定義された用語が含まれる場合がある。何らかの対立が生じる場合、本明細書における定義が支配するとみなされるべきである。
【0004】
心臓アブレーションは、リズムの欠陥の一因となる心臓内の組織を破壊する損傷部位を作ることによって、不整脈として知られる心臓リズムの欠陥を補正するために使用され得る、電気生理学者によって実施される医療処置である。心臓アブレーションを使用して治療され得る例示的不整脈には、心臓の心房で生じる異常な心臓リズムである、心房細動(atrial fibrillation、AF)がある。心臓アブレーションの目標は、不整脈を取り除いて、患者の心臓を正常な心臓リズムに戻すこと、又は不整脈の頻度及び患者の症状の重篤度を低減させることである。
【0005】
心臓アブレーションは、鼠径部の小さい切開部及び血管を通して心臓に挿入されることができる、長い可撓性カテーテル(内視鏡)を用いることができ、心臓アブレーションを使用して、小さい傷又は損傷部位を生じさせるためのエネルギー(例えば、無線周波(radio frequency、RF)エネルギー又は超低温)を組織に適用して、心臓リズム障害の原因であり得る不完全な電気インパルスを遮断することができる。経壁損傷部位とも呼ばれるこれらの損傷部位は、心組織を貫通し、誤った電気信号が伝達されるのを防ぐ瘢痕組織である。あらゆる心臓アブレーション処置の目標は、合併症を最小限に抑えながら経壁損傷部位を作ることである。
【0006】
診断によって決定されるように、無線周波数(RF)エネルギーの正確な印加が指定された位置又は一連の位置に送達されるように、カテーテルの遠位端の適切な位置決めが非常に重要である。プローブの正確な位置決めはまた、処置を必要とする心臓の特定領域を決定するために、このような医療処置に先立って実施される診断及びマッピング処置でも重要である。しかしながら、現在の医療システムは、心臓アブレーション処置中の誘導のために、視覚的な様式しか提供しない。
【0007】
聴覚誘導システム及び医療システムのための方法及び処置が本明細書に開示される。聴覚誘導システムは、例えば、医療、診断又はマッピング処置中に、複数の動作パラメータに関する動作状態の操作者(複数可)に、非視覚的な指標を提供する。
【0008】
図1は、医療処置中に情報105を生成して表示し、かつ被験者内の様々なプローブの配置を制御するための音声誘導信号107(そのいくつかは情報105に基づく)を提供するために使用される例示的な医療システム100の高みからの図である。例示的なシステム100は、心臓カテーテルなどのプローブ110、コンソール120、及び付随するプローブ制御ユニット112を含む。本明細書に記載されるとおり、プローブ110は、例えば、患者102の心臓103内の電位をマッピングする、又はアブレーション処置を実施するなどの診断又は治療的処置に用いられることを理解されたい。あるいは、プローブ110は、心臓103、肺、又は他の体器官におけるその他の治療及び/又は診断目的、並びに耳鼻咽喉(ear, nose, and throat、ENT)処置のために、必要な変更を加えて使用してもよい。
【0009】
操作者130は、例えば、プローブ制御ユニット112を用いて、プローブ110の遠位端114が患者の心臓103の心腔に入るように、プローブ110を患者102の脈管系に挿入することができる。コンソール210は、磁気位置検知を用いて、心臓103内の遠位端114の位置座標を決定することができる。位置座標を決定するために、コンソール120内の駆動回路122は磁界発生器124を駆動して磁界を患者102の身体内に生成することができる。磁界発生器124は、患者103の外部の既知の位置で患者103の胴体の下に配置され得るコイルを含んでもよい。これらのコイルは、心臓103を含む所定の作業範囲に磁場を発生させることができる。
【0010】
プローブ110の遠位端114内にある位置センサ126は、これらの磁界に応答して電気信号を生成することができる。信号プロセッサ140が、位置座標及び配向座標の双方を含む遠位端部114の位置座標を決定するために、これらの信号を処理することができる。上記で説明された位置検知の既知の方法は、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)のCARTO(商標)マッピングシステムにより実現されており、本明細書で引用される特許及び特許出願で詳細に説明されている。
【0011】
位置センサ126は、遠位端114の位置座標を示す信号をコンソール120に送信するように構成されている。位置センサ126は、1つ又は2つ以上の小型コイルを備えてもよく、通常は、異なる軸に沿った向きに配置された複数のコイルを備えてもよい。あるいは、位置センサ126は、他の種類の磁気センサ、又はインピーダンス式位置センサ若しくは超音波位置センサなどの他の種類の位置検出器のいずれかを備えてもよい。
【0012】
プローブ110は、遠位端114内に収容された力センサ128も含むことができる。力センサ128は、遠位端114によって心臓103の心内膜組織に加えられた力を測定し、コンソール120に送られる信号を生成することができる。力センサ128は、遠位端114のバネによって接続された磁界送受信器を含むことができ、バネのたわみの測定値に基づいて力の指標を生成することができる。この種のプローブ及び力センサの更なる詳細は、米国特許出願公開第2009/0093806号及び同第2009/0138007号に記載されており、参照によってあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。あるいは、遠位端114は、例えば、光ファイバ又はインピーダンス測定を用いることのできる別の種類の力センサを含んでもよい。
【0013】
プローブ110は、遠位端114に連結され、かつインピーダンス式位置検出器として機能するように構成された電極130を含んでもよい。更に又はあるいは、電極130は、特定の生理学的性質、例えば、複数の位置のうちの1つ又は2つ以上における心組織の局所表面電位を測定するように構成されてもよい。電極130は、心臓103の心内膜組織をアブレーションするために高周波(RF)エネルギーを印加するように構成されてもよい。
【0014】
例示的な医療システム100は、磁気式センサを用いて遠位端114の位置を測定するように構成され得るが、その他の位置追跡技術(例えば、インピーダンス式センサ)を用いてもよい。磁気位置追跡技術は、例えば米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、及び同第6,177,792号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。インピーダンス式位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0015】
信号プロセッサ140は、プローブ110から信号を受信し、かつコンソール120の他の構成要素を制御するのに好適なフロントエンド回路及びインターフェース回路を有する、汎用コンピュータに含まれ得る。信号プロセッサ140は、本明細書に記載される機能を実行するように、ソフトウェアを使用してプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子的形態でコンソール120にダウンロードするか、又は光学式、磁気式、若しくは電子式記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供することができる。あるいは、信号プロセッサ140の機能のうちの一部又は全部が、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実施されてもよい。
【0016】
図1の実施例では、コンソール120はまた、ケーブル150によって外部センサ152に接続され得る。外部センサ152は、例えば、接着剤パッチを使用して患者の皮膚に取り付けることができる体表面電極及び/又は位置センサを含み得る。体表面電極は、心組織の分極及び脱分極によって生成される電気インパルスを検出することができる。位置センサは、高度なカテーテル位置及び/又は磁気位置センサを使用して、使用中にプローブ110の位置を特定することができる。
図1に示されてはいないが、外部センサ152は、患者102が着用するように構成されたベストに組み込まれていてもよい。外部センサ152は、患者103の呼吸周期の識別及び追跡を補助することができる。外部センサ152は、ケーブル150を介してコンソール120に情報を送信することができる。
【0017】
更に又はあるいは、プローブ110及び外部センサ152は、無線インターフェースを介して、コンソール120と、及び相互で、通信することができる。例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,266,551号は、とりわけ、信号処理装置及び/又は計算装置に物理的に接続されていない無線カテーテルについて記載している。もっと正確に言えば、送受信器はカテーテルの近位端に取り付けられている。送受信機は、赤外線(infrared、IR)送信、無線周波数(RF)送信、無線送信、Bluetooth(登録商標)送信、音響送信、又はその他の送信などの無線通信方法を使用して信号処理装置及び/又はコンピュータ装置と通信する。
【0018】
プローブ110は、コンソール120内の対応する入出力(input/output、I/O)インターフェース160と通信可能な無線デジタルインターフェースを備えることができる。無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160は、IR、RF、Bluetooth、IEEE 802.11ファミリー規格の1つ、又はHiperLAN規格などの当該技術分野で既知の任意の好適な無線通信規格に従って動作し得る。外部センサ152は、可撓性基板上に集積された1つ又は2つ以上の無線センサノードを含んでもよい。1つ又は2つ以上の無線センサノードは、ローカルデジタル信号処理を可能にする無線送受信ユニット(WTRU)と、無線リンクと、小型の再充電式電池などの電源とを含み得る。
【0019】
無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160は、コンソール120がプローブ110及び外部センサ152と相互作用することを可能にし得る。信号プロセッサ140は、外部センサ152から受信した電気インパルスと、無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース160並びに医療システム100の他の構成要素を介してプローブ110から受信した信号とに基づいて、ディスプレイ170上に示すことができる情報105、及び/又はスピーカ175上に出力することができる音声誘導信号を生成することができる。
【0020】
一例では、信号プロセッサ140はまた、スピーカ175、ヘッドフォン、ワイヤレスヘッドフォン、及び/又は他の類似装置などの音声装置を介して提供され得る情報105に基づいて、音声誘導信号107を提供することもできる。一般に、音声誘導信号107は、操作者が選択した歌曲であり、異なる音楽要素が、処置の異なるパラメータ又は処置自体の異なる部分と対にされる。選択された歌曲又は歌曲自体の音楽要素は、情報105とパラメータの所定の閾値との間の差異に応じて、異なる手法で再生されるか、又は何らかの手法で変更されたりすることができる。これについては、以下で更に詳細に説明される。
【0021】
別の例では、音声誘導信号107には、どれくらい切除すべきかを操作者が判断するのを支援するために使用することができる音響効果を含むことができる。速さ、音量、及び周波数などのこれらの音響効果をアブレーションターゲットの幅と深さにマッピングすることで、操作者が経壁損傷部位を確実に達成できるようになる。この音響効果は、操作者が縁部から中央に移動し、別の縁部に戻るにつれて変化する。これについては、以降で更に詳細に説明される。
【0022】
別の例では、音声誘導信号107は、マッピングプロセス中に使用することができる。例えば、操作者がアブレーションターゲットをマッピングすると、音響効果がマッピングデータに追加される。これにより、操作者は、領域が既にマッピングされているとき、次の部位に移動する時期をよりよく理解することができる。
【0023】
診断治療中、信号プロセッサ140は、情報105を提示し、音声誘導信号107を流すことができ、及び/又は情報105若しくは音声誘導信号107を表すデータをメモリ180に記憶することができる。メモリ180としては、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリが挙げられ得る。
【0024】
プローブ制御ユニット112は、1つ又は2つ以上の入力装置185を使用して選択可能な情報105又は音声誘導信号107に基づいて、プローブ110を操作するために操作者130によって操作されるように構成することができる。あるいは、医療システム100は、操作者130が情報105又は音声誘導信号107に基づいてプローブ110を操作するためにプローブ制御ユニット112を操作している間に、コンソール120を操作する第2の操作者を含むことができる。第2の操作者に情報105又は音声誘導信号107が与えられてもよい。プローブ110の遠位端114を移動させて位置決めするためのプローブ制御装置112の構造及び使用の技法は、上記で引用したCARTO(商標)マッピングシステムで採用されるものなどの現況技術の範囲内である。例えば、参照によってあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第6,690,963号を更に参照されたい。
【0025】
図2は、聴覚誘導のためのシステム及び方法を組み込んだ例示的な医療システム200のより詳細な概略図である。例示の目的のためであり得る医療システム200、心臓マッピング及びアブレーションシステムは、限定するものではないが、次の構成要素:コンソールシステム201、心臓外センサ214、基準装置群215、エネルギー源219、及び/又はカテーテル(複数可)220のいずれかを含んでもよい。
【0026】
コンソールシステム201は、限定するものではないが、次の構成要素:処理装置(複数可)202(プロセッサ(複数可))、ローカル記憶装置208、視覚表示装置216、音声装置217、及び/又は操作者インターフェース(複数可)218のいずれかを含んでもよい。音声装置217は、スピーカ、ヘッドフォン、又はワイヤレスヘッドフォンであってもよいが、これに限定されるものではなく、医療システム200の1人又は2人以上の操作者に提供することができる。医療システム200の特定の要素は、視覚化、音声誘導信号伝達、診断、及びアブレーション治療を実施するために使用される情報を収集するために、患者205の上に、中に、及び/又は近接して直接使用されてもよい。この情報は、処理、視覚化、音声誘導信号伝達、並びに操作者による制御及び指示のために、コンソールシステム201に提供され得、その一部を以下で説明する。
【0027】
操作者インターフェース(複数可)218は、医療システム200と相互作用し、それを制御するために、1人又は2人以上の操作者によって使用され得る。操作者インターフェース(複数可)218には、限定するものではないが、次の装置:キーボード、タッチセンサー式表示部、及び/又はマウスを含むことができる。操作者インターフェース(複数可)218により、操作者は視覚情報にアクセスしてそれを操作することができ、かつ操作者に、視野を変更する、音声装置217からの音声を増減させる、個々の患者に対する治療戦略の経過を追うために損傷部位を区別及び/又は分類する機能を提供することができる。医療システム200の操作者としては、限定されるものではないが、例えば、カテーテルを制御し、診断を収集して解釈し、アブレーション処置を実施し得る医師(例えば、電気生理学者)と、処置中に医師のアシスタントとして働く、臨床アプリケーションスペシャリスト(Clinical Application Specialist、CAS)と、が挙げられ得る。
【0028】
基準装置群215(例えば、位置特定パッドと呼び得る)は、患者205の下方に置かれる、コンピュータ制御の(例えば、処理装置(複数可)202によって制御される)磁石からなる環を含み得る。磁石は、周辺空間の磁場に対する原点基準点として使用され得る、既知かつ固定の強度及び位置の値を有し得、心臓の正確な3D画像を作製するのに使用される処理装置(複数可)202に基準情報を提供し得る。
【0029】
心臓外センサ(複数可)214は、例えば、患者205の皮膚上の電極であり得る。心臓外センサ(複数可)214は、心臓の電気生理学的パターンに因る皮膚上の電気的変化の検出を介して心臓の電気活動を検出し、不整脈の診断及び治療行動方針の決定に使用されるよう、電気活動に関する情報を処理装置(複数可)202に提供することができる。心臓外センサ(複数可)214によって検出された心臓外信号は、処理された形態で、例えばグラフィカルユーザーインターフェース(graphical user interface、GUI)の視覚表示装置216上に表示することができ、かつ音声装置217を介して操作者に音声誘導信号を生成するために使用され得る。
【0030】
治療及び診断の目的で、患者205に対して1つ又は2つ以上の装置が使用され得る。例示的な医療システム200では、これらの目的のためにカテーテル(複数可)220が図示及び記載されている。しかしながら、他の装置を診断及び/又は治療的処置に用いてもよい。
【0031】
1つ又は2つ以上のカテーテル220は、医師により、患者205の脈管系を通して患者205の心臓に経皮的に挿入され得る。カテーテル(複数可)220は、診断用マッピングのための情報を収集する及び/又は治療処置を施す(例えば、アブレーションを実施する)目的で、位置センサ、電気センサ、圧力センサ、画像センサ、及び/又は温度センサなどの様々なセンサを装備していてもよい。異なる種類のカテーテル(複数可)220を使用することができ、種類としては、限定するものではないが、以下の例示の種類が挙げられる:固定カテーテル、偏向可能なカテーテル、双方向カテーテル、単方向カテーテル、三尖弁マッピング用カテーテル、ハロー型の先端を有するカテーテル、バスケットカテーテル、及び/又はラッソ型カテーテル。カテーテル220(複数可)が目的の場所(例えば、経路に沿った1つ又は2つ以上の場所)で、例えばRFエネルギーを印加することによって、アブレーションを実施するのに使用される場合、カテーテル(複数可)220は、処理装置202(複数可)によって命令され得るように、エネルギー源219からRFエネルギーを受信し得る。一例では、カテーテル(複数可)220は、エネルギー源219から直接RFエネルギーを要求し得る。
【0032】
図3に1つの例示的なカテーテル220がより詳細に示されており、図には、カテーテル220に含まれ得る要素の全てではないが一部が示されている。カテーテル220は、限定するものではないが、次の構成要素である電極(複数可)222、温度センサ(複数可)223、非接触型電極224、画像センサ(複数可)225、位置決めセンサ(複数可)226、遠位先端部228、遠位端230、ハンドル232、及び/又はケーブル240のうちの任意の1つ又は2つ以上を含むことができる。
図3のカテーテル220の概略図は、カテーテル220の考えられ得る構成要素の高度な表現であり、カテーテル220内の構成要素の位置及び構成は、図示とは異なるものであってもよい。
【0033】
カテーテル220の遠位端230は、心組織の電気特性を測定するのに使用され得る電極(複数可)222を、遠位先端部228に含み得る。電極(複数可)222は、電気信号を診断目的で心臓に伝送することにも使用され得る。電極(複数可)222は、所望されるアブレーションの位置で心組織に直接エネルギー(例えば、RFエネルギー)を印加することによって、欠陥のある心組織に対するアブレーションも実施し得る。
【0034】
カテーテル220の遠位端230は、遠位端230と接触する心組織の温度を測定し、かつ/又は遠位端230自体の温度を測定するための温度センサ(複数可)223を含んでもよい。例えば、温度測定用の熱電対又はサーミスタを、温度センサ(複数可)223としての機能を果たすように、遠位端230に沿った任意の場所に配置することができる。
【0035】
遠位端230は、列状に配置される非接触電極224を含み得るが、非接触電極は、患者205の心室の壁から遠電界の電気信号を同時に受信し、測定するのに使用され得る。電極(複数可)222及び非接触電極224は、心臓の電気特性に関する情報を、処理のために処理装置(複数可)202に提供する。
【0036】
カテーテル(複数可)220は、電荷結合素子(charge coupled device、CCD)画像センサなどの1つ又は2つ以上の画像センサ(複数可)225、及び/又は体腔に挿入された際に内視鏡画像をキャプチャするためのカメラを装備し得る。画像センサ(複数可)225は、遠位端230に位置決めされ得る。
【0037】
遠位端230は、カテーテル220の遠位先端部228に位置決めセンサ(複数可)226(場所センサとも呼ばれる)を含み得、このセンサは、身体内のカテーテル220の位置及び向き(及び/又は距離)を決定するのに使用される信号を生成し得る。一例では、遠位先端部228の位置決め情報を容易に正確にするため、位置決めセンサ(複数可)226、電極(複数可)222、及び遠位先端部228の相対的な位置及び向きは固定され、既知のものとなる。例えば、位置決めセンサ(複数可)226の位置は、心臓の外部の既知の位置に対する相対的位置に、部分的に基づいて(例えば、心臓外センサ214に基づいて)決定され得る。カテーテル220の位置情報が患者205の解剖学的構造に関連しているため、位置決めセンサ(複数可)226の使用により、周辺空間の磁場内の位置精度の改善がもたらされ得、患者の動きにも適応可能な位置情報が提供され得る。
【0038】
カテーテル220のハンドル232は、医師によって操作されることができ、医師が遠位先端部228を所望の方向へと効果的に誘導するのを可能にする制御装置234を含み得る。
【0039】
電極222、224、及びセンサ223、225、226は、位置情報、電気情報、画像情報、及び/又は温度情報などの情報をコンソールシステム201に提供するために、ハンドル232及びケーブル240を通過し得るワイヤを介して、処理装置(複数可)202に接続されてもよく、心臓内のカテーテル220をリアルタイムで操作し、その機能を表示するために使用され得、音声誘導信号を操作者に提供することができる。
【0040】
図2を参照すると、コンソールシステム201内に、処理装置(複数可)202(例えば、プロセッサ(複数可))は、例えば、コンピュータ内に収容され得る1つ又は2つ以上の信号処理回路を含み得る。処理装置(複数可)202は、医療システム200の機能を実行するため、ハードウェアに実装され、かつ/又はソフトウェア内にプログラミングされ得る。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態で処理装置(複数可)202にダウンロードされてもよく、かつ/又は磁気若しくは光学媒体若しくは他の不揮発性メモリなどの有形媒体で提供されてもよい。例えば、処理装置(複数可)202にソフトウェアモジュールをダウンロードし、インストールすることによって、医療システム200の音声誘導システムに拡張を行うことができる。一例では、処理装置(複数可)202は、汎用コンピュータを含み得る。
【0041】
処理装置(複数可)202は、センサ223、225、及び226、並びに電極222及び224によって生成された信号を含む、カテーテル220からの(情報又はデータを伝達する)信号を受信、増幅、フィルタリング、及び/又はデジタル化することができる。信号は処理装置(複数可)202によって受信され、処理装置(複数可)は受信した信号を用いて、カテーテル220の位置及び向き、カテーテル220の温度、並びに心腔内組織の電気特性及び/又は温度などのデータを計算する。一例では、既に増幅、フィルタリング、及び/又はデジタル化された信号を処理装置(複数可)202が受信するように、適切な回路機構がカテーテル220自体に関連付けられ得る。
【0042】
処理装置(複数可)202は、また、情報又は命令を含む信号を生成し、医療システム200内の他の要素にそれらの信号を送信するのに使用され得る。例えば、処理装置(複数可)202は、音声誘導信号を生成し、音声装置217に送信してもよい。別の例では、処理装置(複数可)202は、ローカル記憶装置208へ/から情報を送信/受信し得る。別の例では、処理装置(複数可)202は、カテーテル(複数可)220に信号を送信して、エネルギー源219によって提供されるRFエネルギーをアブレーションターゲットに印加し得る。
【0043】
上で説明したように、処理装置(複数可)202は、処理装置(複数可)202内で別個のユニットとして(例えば、説明上又は物理的に)表現され得る、特定の機能を実装し得る。例えば、処理装置(複数可)202は、カテーテル220内のセンサからの信号を受信するように構成され得るデコーダユニット204(例えば、ハードウェアに処理回路として及び/又はソフトウェアにソフトウェアモジュールとして実装される)を含むことができ、かつ信号を使用して、遠位先端部228に関する位置、向き、距離、温度及び/又は心電図(electrocardiogram、ECG)の値を算出することができる。
【0044】
別の例では、処理装置(複数可)202は、医療システム200内の他の装置に命令を送信するためのコントローラユニット207を含み得る。例えば、コントローラユニット207は、アブレーション用のRFエネルギーをカテーテル(複数可)220に提供するよう、エネルギー源219に命令を送信し得、RFエネルギーをアブレーションターゲット(例えば、経路に沿った1つ又は2つ以上の場所)に印加するよう、カテーテル(複数可)220に命令を送信し得る。
【0045】
別の例では、処理装置(複数可)202は、音声誘導信号ユニット206(例えば、処理回路としてハードウェア内に、及び/又はソフトウェアモジュールとしてソフトウェア内に実装される)を含むことができる。音声誘導信号ユニット206は、医師などの操作者からの選択された歌曲を受信するための操作者インターフェース218と、処置及び/又はパラメータマッピング情報とに接続されてもよい。例えば、歌曲はローカル記憶装置208から記憶され、選択されてもよい。他のメモリデバイスを利用してもよい。処置及び/又はパラメータマッピング情報は、マッピングデータベース210、ローカル記憶装置208、又は他の適切なメモリデバイスに記憶されてもよい。音声誘導信号ユニット206は、音声誘導信号を出力するための音声装置217に接続されてもよい。
【0046】
一般に、音声誘導信号ユニット206は、限定するものではないが、位置、電気、圧力、及び/又は温度センサを含む、本明細書に記載のセンサからパラメータ情報を収集するように構成することができる。マッピングデータベース210は、操作者が選択した歌曲と異なるパラメータとの間の関係を記憶するように構成されてもよい。音声誘導信号ユニット206は、パラメータ情報を各パラメータの所定の閾値と比較し、マッピングデータベース210を使用して、比較に従って医師の選択した歌曲を変更し、音声装置217を介して音声誘導信号を出力するように構成することができる。変更された歌曲は、医師が視覚表示装置216を見る必要なくリアルタイムで処置性能を決定することができる、異なる様相を表現する。
【0047】
音声誘導信号ユニット206はまた、アブレーションターゲットの深さ及び幅に関連して、本明細書に記載のセンサからパラメータ情報を収集するように構成されてもよい。マッピングデータベース210は、音響効果と、アブレーションターゲットの深さ及び幅との間の関係を記憶するように構成されてもよい。音声誘導信号ユニット206は、パラメータ情報をアブレーションターゲットの深さ及び幅と比較し、それに応じて音響効果を変更し、音声装置217を介して音声誘導信号を出力するように構成することができる。例えば、この音響効果は、操作者が縁部から中央に移動し、別の縁部に戻るにつれて変化する。
【0048】
音声誘導信号ユニット206はまた、マッピングプロセス中に使用されてもよい。例えば、操作者がアブレーションターゲットをマッピングすると、音響効果がマッピングデータに追加され、例えばマッピングデータベース210又はローカル記憶装置208に記憶される。音声誘導信号ユニット206は、カテーテル又はプローブの位置などのパラメータ情報を、既にマッピングされたアブレーションターゲットと比較し、音声装置217を介して音響効果を出力して操作者に警告するように構成することができる。これにより、操作者は、領域が既にマッピングされているとき、次の部位に移動する時期をよりよく理解することができる。
【0049】
処理ユニット204、206、及び207は、例であり、処理装置(複数可)202に実装され得る、可能な機能の全てを含んでいるわけではない。他の機能及び/又は処理ユニットが処理装置(複数可)202に含まれ得るが、図示されていない。
【0050】
上述のように、音声装置217は、音声誘導信号ユニット206によって提供される音声誘導信号を再生するために使用されてもよい。音声装置217には、これに限定するものではないが、コンソール201のスピーカ、医師のヘッドセット、及び二次操作者のヘッドセットが含まれ得る。
【0051】
視覚表示装置216は、処理装置(複数可)202で実行された情報処理に基づいて、心臓の2D及び/又は3D視覚的表現及び/又はマップを表示し、心臓内のカテーテル220の正確な場所及び向きを示すために使用され得る。例えば、マップは、解剖学的マップ、心臓電気活動マップ、心臓電気伝播マップ、心臓電位マップ、インピーダンスマップ、心腔幾何学、及びECG断片化マップとして表示され得る。心臓を表現したもの/マップ及びカテーテル(複数可)に加えて、視野にある物体、及び/又はマッピング、診断、及び治療処置に関連する情報(例えば、ラベル、診断など)も、視覚表示装置216に表示され得る。
【0052】
図4は、特定の実施形態に従う、
図1及び/又は
図2の例示的な医療システムで使用され得る、特定の実施形態に従う、例示的な聴覚誘導方法のフロー
図400である。操作者、例えば医師は、医療処置又は診断処置(総称して医療処置)中に再生され得る歌曲を選択する(405)。歌曲は、ローカル記憶装置208などの様々なメモリ又は記憶装置に記憶されてもよい。一例では、医師は、歌曲からの様々な楽器及び/又は音を医療処置に関連付けられた様々なパラメータに割り当てる(410)。パラメータには、限定するものではないが、位置、電気、圧力、及び/又は温度を含むことができる。マッピング情報は、例えばマッピングデータベース210内の表に記憶されてもよく、又は他の様々な関係構造あるいはメモリデバイスに記憶されてもよい。
【0053】
パラメータ情報は、医療処置中に取得される(415)。パラメータ情報は、各パラメータの所定の閾値に対して比較される(420)。所定の閾値は、例えばマッピングデータベース210内の表に記憶されてもよく、ローカル記憶装置208又は他の様々な構造あるいはメモリデバイスに記憶されてもよい。一例では、実際の医療処置の前に基準パラメータ情報を取得し、基準パラメータ情報(412)に対する各パラメータの最大値及び最小値を設定することによって、所定の閾値を設定することができる。比較に従って適切な場合、歌曲からマッピングされた楽器及び/又は音は、変更される(425)。変更には、限定するものではないが、歌曲の認識可能な偏差又は差異をもたらす、速さ、周波数、及びその他の類似の要素の変更が含まれ得る。次いで、変更された歌曲は、例えば、音声装置217又はスピーカ175を用いて出力される(430)。
【0054】
図5は、
図1及び/又は
図2の例示的な医療システムで使用され得る特定の実施形態に従う、例示的な聴覚誘導方法の、並びに特定の実施形態に従う、
図4の方法と併せたフロー
図500である。操作者、例えば医師は、医療処置又は診断処置(総称して医療処置)中に再生され得る歌曲を選択する(505)。歌曲は、ローカル記憶装置208などの様々なメモリ又は記憶装置に記憶されてもよい。一例では、医師は、選択された歌曲の通常の又は定常な再生を処置の特定の部分に割り当てる又はマッピングする(510)。例えば、歌曲は患者が洞調律であれば定常モードで、不整脈であれば非定常モードで再生される。マッピング情報は、例えばマッピングデータベース210内の表に記憶されてもよく、又は他の様々な関係構造あるいはメモリデバイスに記憶されてもよい。
【0055】
選択された処置の部分を示すパラメータ情報は、医療処置中に得られる。(515)。パラメータ情報は、各パラメータの所定の閾値に対して比較される(520)。所定の閾値は、例えばマッピングデータベース210内の表に記憶されてもよく、ローカル記憶装置208又は他の様々な構造あるいはメモリデバイスに記憶されてもよい。一例では、実際の医療処置の前に基準パラメータ情報を取得し、選択された処置の部分の基準に基づいて、各パラメータの最大値及び最小値を設定することによって、所定の閾値を設定することができる(512)。この歌曲は、適切な場合、比較に従って変更される(525)。変更には、限定するものではないが、歌曲の認識可能な偏差又は差異をもたらす、すなわち調和しなくなるような速さ、周波数、及びその他の類似の要素を変更することを含んでもよい。次いで、変更された歌曲は、例えば、音声装置217又はスピーカ175を用いて出力される(530)。
【0056】
図6は、特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得る更に別の例示的な聴覚誘導方法の、並びに
図4及び/又は
図5の方法と併せたフロー
図600である。例えば、アブレーションターゲットの深さ及び幅を示すパラメータ情報は、医療処置中に得られる(605)。パラメータ情報は、各パラメータの所定の閾値に対して比較される(610)。所定の閾値は、例えばマッピングデータベース210内の表に記憶されてもよく、ローカル記憶装置208又は他の様々な構造あるいはメモリデバイスに記憶されてもよい。一例では、実際の医療処置の前にアブレーションターゲットの深さ及び幅を取得し、各パラメータについて縁部を中心値又は類似の寸法変化に設定することによって、所定の閾値を設定することができる(607)。この音響効果は、適切な場合、比較に従って変更される(615)。変更には、限定するものではないが、音響効果、例えば、速くから遅く、又は音の欠如における認識可能な偏差又は差異をもたらす速さ、周波数、及びその他の類似の要素を変更することを含んでもよい。次いで、変更された歌曲は、例えば、音声装置217又はスピーカ175を用いて出力される(620)。
【0057】
図7は、特定の実施形態に従う、
図1及び
図2の例示的な医療システムで使用され得るマッピングするための例示的な聴覚誘導方法の、並びに
図4、
図5、及び/又は
図6の方法と併せたフロー
図700である。操作者は、アブレーションターゲットのためのターゲットマッピング情報を取得する(705)。ターゲットマッピング情報は、マッピングデータベース712に対して比較される(710)。アブレーションターゲットが既にマッピングされているか否かを判定する(715)。はいの場合、アブレーションターゲットが既にマッピングされていることを操作者に示すために音響効果が生成される(720)。次に、任意の追加のアブレーションターゲットがあるか否かの判定が行われる(730)。はいの場合、操作者は、別のアブレーションターゲットのためのターゲットマッピング情報を取得する(705)。更なるターゲットがない場合、方法は完了する(735)。次いで、ターゲットマッピング情報がマッピングデータベース712にない場合、ターゲットマッピング情報はマッピングデータベース712に記憶される(725)。次に、任意の追加のアブレーションターゲットがあるか否かの判定が行われる(730)。はいの場合、操作者は、別のアブレーションターゲットのためのターゲットマッピング情報を取得する(705)。更なるターゲットがない場合、方法は完了する(735)。
【0058】
一般に、医療処置中に聴覚誘導を提供するための方法には、医療処置中に再生するための歌曲を選択し、その歌曲の少なくとも一部を医療処置に割り当てることを含む。パラメータ情報は、医療処置中の医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータについて取得され、各パラメータの所定の閾値と比較される。歌曲の少なくとも一部は比較に従って変更され、聴覚誘導を提供するために再生される。ある実施形態では、割り当てには、歌曲からの楽器を医療処置に関連付けられたパラメータに割り当てることを含む。ある実施形態では、この比較に従って楽器の可聴特性が変更される。ある実施形態では、割り当てには、歌曲からの音を医療処置に関連付けられたパラメータに割り当てることを含む。ある実施形態では、この比較に従って音の可聴特性が変更される。ある実施形態では、本方法は、基準パラメータ情報を取得することと、基準パラメータ情報を用いて所定の閾値を設定することとを更に含む。ある実施形態では、割り当てには、歌曲の再生モードを医療処置の少なくとも一部に割り当てることを含む。ある実施形態では、比較に従って歌曲の再生モードが変更される。ある実施形態では、医療処置の異なる部分に異なる再生モードが関連付けられている。ある実施形態では、パラメータは、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、所定の閾値は、アブレーションターゲットの深さ及び幅の寸法ばらつきである。ある実施形態では、パラメータは、アブレーションターゲットのターゲットマッピング情報であり、所定の閾値は、ターゲットマッピングデータベース内のアブレーションターゲットの有無である。
【0059】
一般に、医療処置中に聴覚誘導を提供するためのシステムには、ユーザが選択した歌曲の少なくとも一部と医療処置との間の関係を少なくとも記憶するように構成されたマッピングデータベースと、医療処置中に、医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータのパラメータ情報を取得するように構成された音声誘導信号ユニットとを含む。音声誘導信号ユニットは、取得されたパラメータ情報を、マッピングデータベースに記憶された各パラメータの所定の閾値と比較するように構成され、この比較に従って歌曲の少なくとも一部を変更するように構成されている。音声装置は、歌曲の変更された部分を再生して聴覚誘導を提供するように構成されている。ある実施形態では、ユーザが選択した歌曲からの楽器は医療処置に関連付けられたパラメータにマッピングされる。ある実施形態では、音声誘導信号ユニットは、比較に従って楽器の可聴特性を変更するように構成されている。ある実施形態では、ユーザが選択した歌曲からの音は医療処置に関連付けられたパラメータにマッピングされる。ある実施形態では、音声誘導信号ユニットは、比較に従って音の可聴特性を変更するように構成されている。ある実施形態では、マッピングデータベースは、基準パラメータ情報及び所定の閾値を記憶するように構成されている。ある実施形態では、ユーザが選択した歌曲の再生は医療処置の少なくとも一部にマッピングされる。ある実施形態では、音声誘導信号ユニットは、比較に従って歌曲の再生を変更するように構成されている。ある実施形態では、パラメータは、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、所定の閾値は、アブレーションターゲットの深さ及び幅の寸法ばらつきである。
【0060】
本明細書の説明は、心臓系向けの心臓マッピング及びアブレーション処置に関してのものであるが、当業者であれば、本開示が、呼吸器/肺系統、呼吸器系及び肺系統、消化器系、神経血管系、並びに/又は循環系を含むがこれらに限定されない身体の任意の体腔又は系において用いることのできるシステム及び処置に適用可能であることを理解するであろう。
【0061】
本明細書に記載の実施形態及び処置は、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装され得る。アブレーションを実行するためのコンピュータシステムは、本明細書に記載の処置を含む、付加的な機能を導入するソフトウェアモジュールを実行することができ得る。本明細書に記載の処置は、高度な音声誘導信号伝達と、心臓リズム障害を診断し、治療する臨床医の能力を強化するための診断能力を有効にし得る。本明細書に開示される処置は、心臓系のアブレーション処置に関して述べられているが、本明細書に開示されるシステム及び処置は、身体の他の部分における治療及び診断手順にも同様に使用され得る。
【0062】
特徴及び要素が特定の組み合わせで上に記載されるが、当業者であれば、特徴又は要素の各々を単独で又は他の特徴及び要素と組み合わせて使用できることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載される方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行に対して、コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装されてもよい。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気媒体、例えば内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク、磁気光学媒体、並びに光学媒体、例えば、CD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置中に聴覚誘導を提供するための方法であって、
前記医療処置中に再生するための歌曲を選択することと、
前記歌曲の少なくとも一部を前記医療処置に割り当てることと、
前記医療処置中に、前記医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータに関するパラメータ情報を取得することと、
前記取得されたパラメータ情報を、各パラメータの所定の閾値と比較することと、
前記比較に従って、前記歌曲の前記少なくとも一部を変更することと、
聴覚誘導を提供するために、前記歌曲の前記変更された部分を再生することと、を含む、方法。
(2) 前記割り当てが、
前記歌曲からの楽器を前記医療処置に関連付けられたパラメータに割り当てることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 楽器の可聴特性が、前記比較に従って変更される、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記割り当てが、
前記歌曲からの音を前記医療処置に関連付けられたパラメータに割り当てることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 音の可聴特性が、前記比較に従って変更される、実施態様4に記載の方法。
【0064】
(6) 基準パラメータ情報を取得することと、
前記基準パラメータ情報を用いて、所定の閾値を設定することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記割り当てが、
前記歌曲の再生モードを前記医療処置の少なくとも一部に割り当てることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記歌曲の前記再生モードが、前記比較に従って変更される、実施態様7に記載の方法。
(9) 異なる再生モードが、前記医療処置の異なる部分に関連付けられている、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記パラメータが、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、前記所定の閾値が、前記アブレーションターゲットの前記深さ及び前記幅の寸法ばらつきである、実施態様1に記載の方法。
【0065】
(11) 前記パラメータが、アブレーションターゲットのターゲットマッピング情報であり、前記所定の閾値が、ターゲットマッピングデータベース内の前記アブレーションターゲットの有無である、実施態様1に記載の方法。
(12) 医療処置中に聴覚誘導を提供するためのシステムであって、
ユーザが選択した歌曲の少なくとも一部と前記医療処置との間の関係を少なくとも記憶するように構成された、マッピングデータベースと、
前記医療処置中に、前記医療処置に関連付けられた少なくとも1つのパラメータに関するパラメータ情報を取得するように構成された、音声誘導信号ユニットであって、
前記音声誘導信号ユニットは、前記取得されたパラメータ情報を、前記マッピングデータベース内に記憶された各パラメータの所定の閾値と比較するように構成され、
前記音声誘導信号ユニットは、前記比較に従って、前記歌曲の前記少なくとも一部を変更するように構成されている、音声誘導信号ユニットと、
聴覚誘導を提供するために、前記歌曲の前記変更された部分を再生するように構成された、音声装置と、を備える、システム。
(13) 前記ユーザが選択した歌曲からの楽器が、前記医療処置に関連付けられたパラメータにマッピングされる、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記音声誘導信号ユニットが、前記比較に従って、楽器の可聴特性を変更するように構成されている、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記ユーザが選択した歌曲からの音が、前記医療処置に関連付けられたパラメータにマッピングされる、実施態様12に記載のシステム。
【0066】
(16) 前記音声誘導信号ユニットが、前記比較に従って、音の可聴特性を変更するように構成されている、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記マッピングデータベースが、基準パラメータ情報及び所定の閾値を記憶するように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(18) 前記ユーザが選択した歌曲の再生が、前記医療処置の少なくとも一部にマッピングされる、実施態様12に記載のシステム。
(19) 前記音声誘導信号ユニットが、前記比較に従って、前記歌曲の前記再生を変更するように構成されている、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記パラメータが、アブレーションターゲットの深さ及び幅であり、前記所定の閾値が、前記アブレーションターゲットの前記深さ及び前記幅の寸法ばらつきである、実施態様12に記載のシステム。