(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】プリント基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20240129BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H05K1/14 C
(21)【出願番号】P 2019108495
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-04-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217021
【氏名又は名称】馬場 進吾
(72)【発明者】
【氏名】大西 陽一
(72)【発明者】
【氏名】石田 真澄
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220564(JP,A)
【文献】実開平05-059882(JP,U)
【文献】特開2002-203625(JP,A)
【文献】特開2003-069163(JP,A)
【文献】実開昭63-038368(JP,U)
【文献】実開昭60-068674(JP,U)
【文献】特開平04-187259(JP,A)
【文献】特開2001-196790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H05K 1/14
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の部品取り付けパッドを備える第1のプリント基板と、
前記第1のプリント基板の仮想領域内に積層され、複数の表面実装部品が実装される第2のプリント基板と、を備え、
前記第2のプリント基板には、前記一対の部品取り付けパッドと対向する位置に開口部がそれぞれ設けられ、
前記複数の表面実装部品は前記第2のプリント基板に直列に実装され、
直列に実装された前記複数の表面実装部品の内の両端に位置する2個の表面実装部品のそれぞれ一側の端子は、前記開口部を介して前記一対の部品取り付けパッドのそれぞれに接続される、プリント基板。
【請求項2】
前記第2のプリント基板は、前記第1のプリント基板より薄いフレキシブル基板である請求項
1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記第2のプリント基板の素材は、ポリイミドフィルムである請求項
2に記載のプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のプリント基板に積層される第2のプリント基板を備えるプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寸法の異なる表面実装型のチップ部品をプリント基板に実装することができるようにするために、特殊形状にしたはんだ付け用のランドを備えるプリント基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、一部の部品を他種類の部品に交換するために、交換用の部品を小基板に実装し、その小基板の外部端子を母基板の専用ランドにはんだ付けするプリント基板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-308503号公報
【文献】特開平8-78804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプリント基板では、プリント基板の設計時点において、実装可能性のある異なる寸法の表面実装型のチップ部品の専用ランドを用意する必要がある。従って、設計時点以降に新たに追加された寸法のチップ部品は、既設の専用ランドに実装することができない。
【0006】
また、特許文献2のプリント基板では、小基板の外形寸法が母基板の表面に形成された専用ランドの寸法よりも大きくなる場合がある。そのような場合には、小基板が母基板上に実装されている既存の部品と干渉することが考えられる。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、既存の部品と干渉することなく、既設のランドを利用しながら、この既設のランドに実装予定の表面実装部品とは異なる寸法の表面実装部品を複数実装可能とするプリント基板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプリント基板は、一対の部品取り付けパッドを備える第1のプリント基板と、第1のプリント基板の仮想領域内に積層され、複数の表面実装部品が実装される第2のプリント基板と、を備え、第2のプリント基板には、一対の部品取り付けパッドと対向する位置に開口部がそれぞれ設けられている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成された本発明のプリント基板によれば、既存の部品と干渉することなく、既設のランドを利用しながら、この既設のランドに実装予定の表面実装部品とは異なる寸法の表面実装部品を複数実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1によるプリント基板を示す平面図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿った矢視断面図である。
【
図3】
図1の第1のプリント基板を示す平面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿った矢視断面図である。
【
図5】
図1の第2のプリント基板を示す平面図である。
【
図6】
図5のVI-VI線に沿った矢視断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1によるプリント基板にチップ抵抗器を実装した状態を示す平面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線に沿った矢視断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1によるプリント基板の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
【0012】
実施の形態1.
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1によるプリント基板を示す平面図、
図2は
図1のII-II線に沿った矢視断面図である。プリント基板1は、第1のプリント基板10と、第1のプリント基板10の上側に積層された第2のプリント基板20を備えている。図は分かり易く説明するために、複数の表面実装部品が実装されるプリント基板の一部として、1つの表面実装部品が実装される部品取り付けパッドに限定して示している。本実施の形態では、部品取り付けパッドとして、ランドが使われている。
【0013】
第1のプリント基板10について、
図3及び
図4で詳細に説明する。
図3は、
図1の第1のプリント基板を示す平面図、
図4は
図3のIV-IV線に沿った矢視断面図である。第1のプリント基板10は、平板状である。第1のプリント基板10の基材の材質は、プリント基板として一般的に使用されている材質であればよい。
【0014】
第1のプリント基板10は、設計、製作済みの基板である。すなわち、第1のプリント基板10は、既存品である。第1のプリント基板10の一側の表面には、プリント基板の長手方向(
図3の紙面に対して左右方向)に間隔を空けて対向配置された一対のはんだ付け用のランド11及びランド12が設けられている。各ランド11,12は、矩形である。各ランド11,12からは、他の部品に接続する細長形状の配線パターン14が設けられている。
【0015】
ランド11及びランド12間に点線で示されているのは、これら既設のランド11,12に実装されて使用される表面実装部品である。この例では、表面実装部品として、例えば、1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ抵抗器13が示されている。
【0016】
チップ抵抗器13を点線で示したのは、本実施の形態では、第1のプリント基板10には、チップ抵抗器13が実装されることがなく、第1のプリント基板10にチップ抵抗器13が実装され得る仮想領域(一点鎖線で表示)15の範囲を規定するためだからである。仮想領域とは、第1のプリント基板10の既設のランド11,12に実装され得るチップ抵抗器13を取り囲む領域で、他の既存の表面実装部品と干渉することがない領域である。
【0017】
仮想領域15は、チップ抵抗器13を取り囲むような長方形状をしている。仮想領域15の長手方向の長さは、一対のランド11,12の外向きの端部間、すなわち、配線パターン14側の端部間の長さと同じ、あるいはほぼ同じである。仮想領域15の幅方向の長さは、既設のランド11,12に実装され得るチップ抵抗器13の幅と同じ、あるいはほぼ同じである。
【0018】
仮想領域15の大きさは、第1のプリント基板10の上側に第2のプリント基板20を積層させた場合に、他の既存の表面実装部品と干渉することがないように規定したものである。従って、本実施の形態では、仮想領域15の形状は、長方形状にしたが、これに限定されるものではない。仮想領域の形状は、矩形、円、楕円など、他の既存の表面実装部品と干渉することがなければ、どのような形状でもよい。
【0019】
上述した1608サイズのチップ抵抗器13が市場から供給を受けられる間は、このチップ抵抗器13を第1のプリント基板10に実装して使用することができる。しかしながら、チップ抵抗器を製造するメーカーが部品の小型化を促進したことにより、1608サイズのチップ抵抗器13の供給が困難になってきている。
【0020】
第1のプリント基板10が大量生産用途であれば、パターン設計変更により1608サイズより小型のチップ抵抗器が実装できるプリント基板に作り変えるのが一般的である。しかしながら、少量且つ多品種生産用途、あるいは第1のプリント基板10の在庫が多い場合には、この第1のプリント基板の継続を希望するユーザーが多い。
【0021】
そこで本実施の形態では、1608サイズのチップ抵抗器13の在庫が無くなっても、この第1のプリント基板10を継続して使用できるよう、第2のプリント基板20を用意した。第2のプリント基板20について、
図5及び
図6で詳細に説明する。
図5は、
図1の第2のプリント基板を示す平面図、
図6は
図5のVI-VI線に沿った矢視断面図である。
【0022】
第2のプリント基板20は、第1のプリント基板10より薄いフレキシブル基板である。第2のプリント基板20は、長方形状をしている。第2のプリント基板20の大きさは、仮想領域15と同一、あるいはほぼ同一である。第2のプリント基板の材質は、例えば材質ポリイミドである。
【0023】
第2のプリント基板20には、第1のプリント基板10の上側に積層した時に、ランド11と対応する位置に開口部21が、ランド12と対応する位置に開口部22がそれぞれ設けられている。各開口部21,22は、長方形状である。
【0024】
第2のプリント基板20の一側の表面には、2個の表面実装部品の片側の端子がはんだ付けできる2個のランド24及びランド25が設けられている。第2のプリント基板20には、ランド24とランド25との間を接続する配線パターン26が設けられている。
【0025】
本実施の形態では、表面実装部品として、例えば、0603サイズ(0.6mm×0.3mm)のチップ抵抗器23が使われている。チップ抵抗器23は、第1のプリント基板10に実装され得るチップ抵抗器13とは異なる寸法の部品である。
【0026】
図7は、
図1に示す第1のプリント基板10の上側に第2のプリント基板20が積層されて形成されたプリント基板1に、2個の0603サイズのチップ抵抗器23が実装された状態を示す平面図である。
図8は、
図7のVIII-VIII線に沿った矢視断面図である。
図9は、
図8のA部を拡大した断面図である。
【0027】
第2のプリント基板20は、第1のプリント基板10の上側に積層されている。第2のプリント基板20は、第1のプリント基板10に接着剤27により固定されている。接着剤27は、第1のプリント基板10のランド11とランド12との間に設けられている。
【0028】
2個のチップ抵抗器23は、それぞれ第2のプリント基板20上に接着剤28により固定されている。接着剤28は、ランド24と開口部21との間、ランド25と開口部22との間にそれぞれ設けられている。
【0029】
2個のチップ抵抗器23の内の
図9の紙面左側のチップ抵抗器23は、はんだ29a及びはんだ29bにより、第1のプリント基板10のランド11と、第2のプリント基板20のランド24とにはんだ付けされている。
【0030】
2個のチップ抵抗器23の内の
図9の紙面右側のチップ抵抗器23は、はんだ29a及びはんだ29bにより、第1のプリント基板10のランド12と、第2のプリント基板20のランド25とにはんだ付けされている。
【0031】
2個のチップ抵抗器23は、第2のプリント基板20上に直列に実装されている。2個のチップ抵抗器23は、それぞれ直列に実装されたチップ抵抗器の両端に位置している。左側のチップ抵抗器23の一側の端子、すなわち、開口部21に面している端子は、開口部21を介してランド11にはんだ付けされている。右側のチップ抵抗器23の一側の端子、すなわち、開口部22に面している端子は、開口部22を介してランド12にはんだ付けされている。
【0032】
一方、左側のチップ抵抗器23の他側の端子は、ランド24にはんだ付けされている。右側のチップ抵抗器23の他側の端子は、ランド25にはんだ付けされている。このようにチップ抵抗器23をはんだ付けすることで、第2のプリント基板20を介して異なる寸法のチップ抵抗器を複数個、既存のランド11,12に実装することができる。
【0033】
次に、プリント基板1の製作方法について説明する。第1のプリント基板10は、既存品である。第2のプリント基板20は、周知の技術により作成される。例えば、ポリイミドフィルムのベース材に、ランド24、ランド25、及び配線パターン26となる銅箔が接着される。さらに、ベース材のポリイミドフィルムの上に、ポリイミドフィルム、感光性のカバーフィルム等が接着されて第2のプリント基板20が製作される。
【0034】
ここで、第2のプリント基板20は、複数個をまとめてシート状に製作されたものを、一個ずつにカットして使用される。また、プリント基板のベース材としてポリイミドフィルムを使用することで、第2のプリント基板20を薄型にすることができる。すなわち、第2のプリント基板20は、第1のプリント基板10より薄いフレキシブル基板である。
【0035】
第1のプリント基板10に、第2のプリント基板20を積層する工程は、第1のプリント基板10に表面実装部品を実装する工程と同様にして行われる。具体的には、まず、第1のプリント基板10のランド11とランド12との中間部に、接着剤27をディスペンサ(図示しない)により塗布する。
【0036】
その後、吸着マウンタ(図示しない)により第2のプリント基板20を吸着して、接着剤27が塗布された第1のプリント基板10上に第2のプリント基板20を搭載する。第2のプリント基板20を搭載する際の位置合わせ等は、通常の表面実装部品を実装する際の位置合わせと同等に行われる。
【0037】
すなわち、第2のプリント基板20は、第1のプリント基板10の仮想領域15内に積層される。そのため、チップ抵抗器13を2個の異なる寸法のチップ抵抗器23に変更するにあたり、余分な領域を必要としない。また、薄型の第2のプリント基板20は、チップ抵抗器を実装しない状態で第1のプリント基板10に接着することができるため、チップ抵抗器のはんだ付け工程に影響を与えることがない。
【0038】
このような手順で製作されたプリント基板1に対して、次にチップ抵抗器23を実装するまでの工程について説明する。最初に、第1のプリント基板10のランド11,12と、第2のプリント基板20のランド24,25とにクリームはんだを塗布する。これには、一般的なメタルマスク(図示しない)を使用して行われる。
【0039】
次に、第2のプリント基板20の開口部21及びランド24の中間部と、開口部22及びランド25の中間部とに、接着剤28をディスペンサにより塗布する。その後、吸着マウンタにてチップ抵抗器23を吸着して、接着剤28が塗布された第2のプリント基板20上にチップ抵抗器23を搭載する。最後にプリント基板1をリフロー炉(図示せず)内へ通過させて、プリント基板1への2個のチップ抵抗器23の固定が完了する。
【0040】
このようにして、第2のプリント基板20を新規に製作するとともに、プリント基板1用のメタルマスクを製作するだけで、後の製作工程は、元々第1のプリント基板10を製作していたラインをほぼそのまま使用することができる。また、プリント基板1用のメタルマスクは、第1のプリント基板10のメタルマスクのデータを一部修正するのみで製作することができる。従って、プリント基板1を安価に製作することができる。
【0041】
以上の説明では、第2のプリント基板20に2個のチップ抵抗器23が実装される例について説明した。しかしながら、第2のプリント基板20に実装されるチップ抵抗器の数は、これに限定されるものではない。
【0042】
図10は、本発明の実施の形態1によるプリント基板の変形例を示す平面図である。図に示すような第2のプリント基板30を第1のプリント基板10に積層することもできる。この第2のプリント基板30は、第1のプリント基板10上に、例えば2012サイズ(2.0mm×1.25mm)のチップ抵抗器が実装されるランド11,12に対応して使用される。
【0043】
すなわち、仮想領域の広さ、第2のプリント基板に実装するチップ抵抗器の大きさ等に応じて、第2のプリント基板に3個以上のチップ抵抗器を実装することができる。この変形例では、第2のプリント基板30に3個のチップ抵抗器を実装することができる。
【0044】
第2のプリント基板30は、第1のプリント基板10より薄い長方形状のフレキシブル基板である。薄型のフレキシブル基板の材質は、例えば材質ポリイミドである。第2のプリント基板30には、第1のプリント基板10の上側に積層した時に、2012サイズのチップ抵抗器のランド11,12と対応する位置に開口部31,32がそれぞれ設けられている。
【0045】
第2のプリント基板30の一側の表面には、例えば3個の0603サイズ(0.6mm×0.3mm)のチップ抵抗器23の端子がはんだ付けできる4個のランド34,35,36,37が設けられている。さらに、第2のプリント基板30には、ランド34とランド35とを接続する配線パターン38、及びランド36とランド37とを接続する配線パターン39が設けられている。
【0046】
ここで、3個のチップ抵抗器23はそれぞれ、開口部31とランド34との間、ランド35とランド36との間、ランド37と開口部32との間に搭載される。3個のチップ抵抗器23は、第2のプリント基板30上に直列に実装される。3個のチップ抵抗器の内の開口部31とランド34との間に実装されるチップ抵抗器23と、ランド37と開口部32との間に実装されるチップ抵抗器23とは、それぞれ直列に実装されたチップ抵抗器の両端に位置している。
【0047】
開口部31とランド34との間に実装されるチップ抵抗器23の一側の端子、すなわち、開口部31に面している端子は、開口部31を介してランド11にはんだ付けされる。ランド37と開口部32との間に実装されるチップ抵抗器23の一側の端子、すなわち、開口部32に面している端子は、開口部32を介してランド12にはんだ付けされる。
【0048】
このように複数個のチップ抵抗器を直列に実装し、複数個のチップ抵抗器の内の両端に位置する2個のチップ抵抗器のそれぞれ一側の端子を、開口部31,32を介してランド11,12にはんだ付けすることで、第2のプリント基板30を介して異なる寸法のチップ抵抗器を複数個、既存のランド11,12に実装することができる。
【0049】
プリント基板1の製作方法、及びチップ抵抗器23の実装方法は、上述したとおりである。第2のプリント基板は、3個のチップ抵抗器を実装できる例を示したが、必要に応じて4個以上のチップ抵抗器を実装することもできる。
【0050】
以上のように、本実施の形態によるプリント基板は、一対の部品取り付けパッドを備える第1のプリント基板と、第1のプリント基板の仮想領域内に積層され、複数の表面実装部品が実装される第2のプリント基板とを備えている。そして、第2のプリント基板には、一対の部品取り付けパッドと対向する位置に開口部がそれぞれ設けられている。
【0051】
このため、既設のランドを利用しながら、置換前の表面実装部品が実装され得る仮想領域に、置換前の表面実装部品とは異なる寸法の表面実装部品を複数個実装することができる。異なる寸法の表面実装部品は、仮想範囲内に実装されるため、他の既存の表面実装部品と干渉することがない。
【0052】
第2のプリント基板は、第1のプリント基板より薄いフレキシブル基板である。また、第2のプリント基板の素材は、ポリイミドフィルムである。このため、第2のプリント基板を第1のプリント基板に積層する際に、通常の表面実装部品を実装する際の位置合わせ等と同等に行なうことができる。また、薄型の第2のプリント基板は、表面実装部品を実装しない状態で第1のプリント基板に搭載することができるため、表面実装部品のはんだ付け工程に影響を与えることがない。
【0053】
複数の表面実装部品は、第2のプリント基板に直列に実装される。そして、直列に実装された複数の表面実装部品の内の両端に位置する2個の表面実装部品のそれぞれ一側の端子は、開口部を介して一対の部品取り付けパッドのそれぞれに接続される。このため、第2のプリント基板を介して異なる寸法のチップ抵抗器を複数個、既存のランドに実装することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 プリント基板、10 第1のプリント基板、11,12 ランド、13 チップ抵抗器、14 配線パターン、15 仮想領域、20 第2のプリント基板、21,22 開口部、23 チップ抵抗器、24,25 ランド、26 配線パターン、27,28 接着剤、29a,29b はんだ、30 第2のプリント基板、31,32 開口部、34,35,36,37 ランド、38,39 配線パターン。