(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】通信装置、その制御方法、およびそのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
H04M1/00 V
(21)【出願番号】P 2019120045
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】仲田 頌弘
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-060492(JP,A)
【文献】特開2019-101327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部スピーカと無線接続する無線通信手段と、
スピーカと、
前記スピーカから音を出力する出力機能を有する制御手段と、
前記無線通信手段によって外部スピーカと無線接続を確立できるか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記制御手段は、前記出力機能が無効にされた場合、外部スピーカと無線接続するための処理を開始するよう前記無線通信手段を制御し、
前記制御手段は前記出力機能が無効にされたことに応じて、前記無線通信手段を起動し、
前記制御手段は、前記出力機能が無効にされたことに応じて前記無線通信手段を起動した場合、前記判断手段が前記無線通信手段によって前記外部スピーカと無線接続を確立できないと判断したことに応じて前記無線通信手段を停止する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
さらにユーザの操作を受け付ける操作手段を有し、
前記制御手段は前記操作手段を介して前記出力機能が無効にするよう操作されたことに応じて前記無線通信手段を起動する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
さらにユーザの操作を受け付ける操作手段を有し、
前記制御手段は、前記出力機能が無効にする場合、前記判断手段が前記外部スピーカと無線接続を確立できるか否かを判断している間、前記スピーカから音の出力を開始させないよう前記操作手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記出力機能が無効にされたことに応じて前記無線通信手段を介して前記外部スピーカと無線接続を確立した場合、前記出力機能が有効にされたことに応じて無線接続を確立している前記外部スピーカとの接続を切断するよう前記無線通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記出力機能が無効にされたことに応じて前記無線通信手段を介して前記外部スピーカと無線接続を確立した場合、前記出力機能が有効にされたことに応じて前記無線通信手段を停止するよう制御する
ことを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
さらに記録手段を有し、
前記制御手段は、前記出力機能が無効にする場合、前記記録手段に識別情報が記録されている外部スピーカと無線接続するよう前記無線通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
さらに記録手段を有し、
前記制御手段は、前記出力機能が無効にされたことに応じて、前記記録手段に識別情報が記録されていない外部スピーカを検索するよう前記無線通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
さらに記録手段を有し、
前記制御手段は、前記通信装置の情報を音声ガイダンスによって報知するよう前記スピーカを制御する場合、前記記録手段に識別情報が記録されていない外部スピーカを検索するよう前記無線通信手段を制御し、
前記制御手段は、前記通信装置の情報を音声ガイダンスによって報知しないよう前記スピーカを制御する場合、前記記録手段に識別情報が記録されていない外部スピーカを検索しないよう前記無線通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
さらに外部スピーカが接続されたことを検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段によって外部スピーカを接続されたことが検出されている場合、前記出力機能が無効にされたことに応じて、外部スピーカとの無線接続を開始せず、
前記制御手段は、前記検出手段によって外部スピーカを接続されたことが検出されていない場合、前記出力機能が無効にされたことに応じて、外部スピーカとの無線接続を開始するよう前記無線通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御手段は、音の発生を抑制する動作状態に遷移する場合、外部スピーカと無線接続するための処理を開始するよう前記無線通信手段を制御することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記動作状態はサイレントモードであることを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
さらにメカニカルシャッターを有する撮像手段を有し、
前記出力機能が無効にされている場合、前記制御手段は前記メカニカルシャッターを利用せずに撮像するよう前記撮像手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記無線通信手段は、Bluetooth(登録商標)に準拠して無線接続することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
外部スピーカと無線接続する無線通信手段と、
スピーカと、を有する通信装置の制御方法であって、
前記スピーカから音を出力する出力機能を無効にする制御工程と、
前記無線通信手段によって外部スピーカと無線接続を確立できるか否かを判断する判断工程と、
前記制御工程において前記出力機能が無効にされた場合、前記無線通信手段が外部スピーカと無線接続するための処理を開始する工程と、
を有し、
前記制御工程で前記出力機能が無効にされたことに応じて、前記無線通信手段を起動し、
前記制御工程で前記出力機能が無効にされたことに応じて前記無線通信手段を起動した場合、前記判断工程で前記無線通信手段によって前記外部スピーカと無線接続を確立できないと判断したことに応じて前記無線通信手段を停止することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータを請求項1から13のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるための、コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスピーカを有する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラやスマートフォン等の通信装置はスピーカを内蔵し、操作音や警告音等の電子音をそのスピーカから出力することができる。しかし例えばユーザが博物館やコンサート等においてスマートフォンを使用する際、スマートフォンが内蔵のスピーカから電子音を出力すると、その電子音が周囲の人にとって騒音となる可能性がある。そのため、スマートフォンやデジタルカメラ等の通信装置には内蔵のスピーカから電子音を出力しないように動作するサイレントモード機能を有するものがある。
【0003】
なおサイレントモード機能が有効であっても、ヘッドホンが接続されている場合、スマートフォンはヘッドホンから電子音を出力することができる。ユーザはスマートフォンの電子音をヘッドホンから聞くことにより、周囲に迷惑をかけることなくその電子音を聞くことができる。近年は、特許文献1のように、スマートフォンとヘッドホンが無線接続することで、より取り回しのしやすい視聴環境が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サイレントモード機能が必要とされる状況では、周囲に迷惑をかけないためにユーザは一刻も早くスマートフォンをサイレントモード機能で動作させたいものと考えられる。その一方で、ユーザは電子シャッター音等の音を聞き続けたい状況も存在すると考えられる。このような場合、ユーザは先にスマートフォンをサイレントモードで動作させるよう操作して周囲へ音を出力しないように操作し、その後さらにスマートフォンの無線通信機能に関するメニューを操作してヘッドホンを無線接続することが想定される。すなわち、このような場合、スマートフォンをサイレントモードにするための操作と、ヘッドホンを無線接続するための操作のそれぞれが必要であった。
【0006】
そこで本発明は、ユーザの操作の手間を省くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信装置は、外部スピーカと無線接続する無線通信手段と、スピーカと、前記スピーカから音を出力する出力機能を有する制御手段と、前記無線通信手段によって外部スピーカと無線接続を確立できるか否かを判断する判断手段と、を有し、前記制御手段は、前記出力機能が無効にされた場合、外部スピーカと無線接続するための処理を開始するよう前記無線通信手段を制御し、前記制御手段は前記出力機能が無効にされたことに応じて、前記無線通信手段を起動し、前記制御手段は、前記出力機能が無効にされたことに応じて前記無線通信手段を起動した場合、前記判断手段が前記無線通信手段によって前記外部スピーカと無線接続を確立できないと判断したことに応じて前記無線通信手段を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの操作の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(A)第一の実施形態におけるデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。(B)第一の実施形態におけるデジタルカメラの正面の外観図の一例である。(C)第一の実施形態におけるデジタルカメラの背面の外観図の一例である。
【
図2】(A)第一の実施形態におけるデジタルカメラのシャッターモード、電子音の出力およびサイレントモードを設定するための画面表示の一例である。(B)第一の実施形態におけるデジタルカメラのシャッターモードを設定するための画面表示の一例である。(C)第一の実施形態における電子音の出力に関して設定するための画面表示の一例である。(D)第一の実施形態におけるデジタルカメラのサイレントモードを設定するための画面表示の一例である。
【
図3】(A)第一の実施形態における、外部スピーカを接続されていないデジタルカメラの設定画面の一例である。(B)外部スピーカを接続されているデジタルカメラの設定画面の一例である。
【
図4】第一の実施形態のデジタルカメラが無線ヘッドホンと無線接続する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第一の実施形態のデジタルカメラが無線ヘッドホンとの無線接続を切断する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第二の実施形態のデジタルカメラが無線ヘッドホンと無線接続する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】(A)第二の実施形態のデジタルカメラがペアリング済みでない無線ヘッドホンを検索した結果を表示する画面の一例である。(B)第二の実施形態のデジタルカメラがペアリング済みでない無線ヘッドホンと無線接続を確立するか否かをユーザに確認する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施形態を適宜組み合せることも可能である。
【0011】
[第一の実施形態]
<デジタルカメラ100の構成>
図1は本実施形態の通信装置の一例であるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。なお、ここでは通信装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが、通信装置はこれに限られない。例えば通信装置はスマートフォンや、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等である。このように本実施形態の通信装置は上述したデバイスのように、スピーカを内蔵し、ヘッドホン等の外部のスピーカと接続できる装置である。
【0012】
制御部101は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってデジタルカメラ100の各部を制御する。制御部101は後述する不揮発性メモリ103および記録媒体110に記録されている音声データを音声信号に変換し、スピーカ108、通信部111および接続部112を介して音声信号を出力することができる。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0013】
撮像部102は、例えば、光学レンズユニットと絞り・ズーム・フォーカスなど制御する光学系と、光学レンズユニットを経て導入された光(映像)を電気的な映像信号に変換するための撮像素子などで構成される。撮像素子は、一般的に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が用いられる。撮像部102は、制御部101に制御されることにより、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を、撮像素子により電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行いデジタルデータを画像データや動画データとして出力する。また、撮像部102は制御部101の制御により撮像素子の露光時間を自由に制御できるシャッターを有する。このシャッターは例えばフォーカルプレーンシャッターやレンズシャッター等である。本実施形態では、当該画像データを撮像し出力するための一連の処理を「撮影」という。本実施形態のデジタルカメラ100では、画像データおよび動画データは、DCF(Design rule for Camera File system)の規格に従って、後述する記録媒体110に記録される。
【0014】
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部101で実行される後述のプログラム等が格納される。また、不揮発性メモリ103には、音声データが記録されている。この音声データは例えば、被写体に合焦した場合に出力する合焦音、撮像した場合に出力する電子シャッター音、およびデジタルカメラ100を操作した場合に出力する操作音等の電子音のデータである。本実施形態において電子シャッター音は撮像部102のシャッターが開閉する音に似せた擬音である。ただし、この電子シャッター音は、ユーザが撮像したことを認識することができればよい。そのため、電子シャッター音はシャッターの実際の開閉音とは音色や長さ等が大きく異なっていてもよい。本実施形態では音声データはPCM形式、MP3形式等で記録される。
【0015】
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データおよび動画データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0016】
操作部105は、デジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付けるためのユーザインタフェースである。操作部105は、例えばユーザがデジタルカメラ100の電源のオン/オフを指示するための電源スイッチや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタン等を含むことができる。また、表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含めることができる。なお、レリーズスイッチは、SW1およびSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がオンとなる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮像の準備動作を行うための準備指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がオンとなる。このようなユーザ操作により、撮像動作を行うための撮像指示を受け付ける。
【0017】
さらに操作部105はモード切替スイッチを有し、制御部101の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモードがある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード、サイレントモード等がある。モード切替スイッチより、ユーザは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチで撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。
【0018】
また、操作部105は後述するスピーカ108、通信部111、および接続部112から出力される音の音量等を調整するためのボタンを含む。このボタンを介してユーザ操作を受け付けることで、制御部101は音声信号の振幅等を調整する処理や、音声信号を出力するか否かを判断する処理を実行する。また通信部111を介した無線通信機能のオン/オフを指示するためのボタンも操作部105に含まれる。
【0019】
表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。表示部106は必ずしもデジタルカメラ100に内蔵されていなくてもよく、デジタルカメラ100に外部接続される構成であってもよい。デジタルカメラ100は内部または外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0020】
マイク107は、音や音声等の音波をデジタルカメラ100に入力するために用いられる。マイク107は音や音声を電気信号に変換してデジタルカメラ100に入力する。制御部101は入力された電気信号から音声データを生成する。例えば制御部101はこの音声データと撮像部102によって撮影した動画データとを同期させて記録することができる。また例えば、制御部101はこの音声データを撮像部102によって撮影した画像データに関連付けて記録することができる。なお、マイク107はデジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくともマイク107から電気信号を受け取るための手段を有していればよい。なおマイク107が電気信号に変換できる音波の周波数は、人間の可聴周波数に限らず、いわゆる超音波や超低周波等の可聴周波数ではない周波数も含まれてもよい。
【0021】
スピーカ108は、電子音を出力することができる電気音響変換器である。電子音は例えば、楽曲、警告音、合焦音、電子シャッター音、および操作音等である。本実施形態において、制御部101は不揮発性メモリ103に記録されている音声データを音声信号に変換し、その音声信号をスピーカ108によって出力することができる。このスピーカ108から電子音を出力する機能は出力機能の一例である。例えばユーザはスピーカ108から出力された音を聞くことで、被写体に合焦したことやデジタルカメラ100に発生しているエラー等に気付くことができる。
【0022】
電源部109は制御部101に制御されることでデジタルカメラ100の各要素に電力を供給することができる。電源部109は例えば、リチウムイオン電池やアルカリマンガン乾電池等の電源である。
【0023】
記録媒体110は例えば撮像部102から出力された画像データを記録することができる。記録媒体110は例えばSDカードやCFカードである。記録媒体110は、デジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
【0024】
通信部111は、外部機器と無線接続するためのインターフェースである。本実施形態のデジタルカメラ100は、通信部111を介して、外部機器とデータのやりとりを行うことができる。例えば、撮像部102で生成した画像データや不揮発性メモリ103に記録している音声データを、通信部111を介して外部機器に送信することができる。外部機器は、例えばスマートフォンやPC等の情報機器、イヤホンやヘッドホン等の外部スピーカ、およびストロボである。なお、本実施形態では、通信部111は外部機器とBluetooth(登録商標)の規格に従って通信するためのインターフェースを含む。以降、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠した通信のことをBluetooth通信という。制御部101は、通信部111を制御することで外部機器との無線通信を実現する。なお、通信方式はBluetoothに限定されるものではなく、例えばIEEE802.11の規格に従ったいわゆる無線LANおよび赤外線通信等の無線通信方式を含む。
【0025】
ここでBluetoothについて説明する。Bluetooth通信する2つの通信装置は、それぞれセントラルとペリフェラルの役割に分かれる。Bluetoothにおける通信装置の接続形態はマスタースレーブ方式のスター型ネットワークである。セントラルとして動作する通信装置(以下、セントラル装置という)がマスターとなり、ペリフェラルとして動作する通信装置(以下、ペリフェラル装置という)がスレーブとなる。セントラル装置は、ペリフェラル装置のネットワークへの参加の管理やペリフェラル装置との無線接続における各種パラメータの設定等をする。セントラル装置は複数のペリフェラル装置と同時接続できる。本実施形態では、デジタルカメラ100がセントラル装置となり、イヤホンやヘッドホン等の外部スピーカおよびストロボがペリフェラル装置となる。
【0026】
Bluetooth通信では、デジタルカメラ100はペリフェラル装置とペアリングする必要がある。ペアリングとは、セントラル装置およびペリフェラル装置がお互いの識別情報を互いに登録(所定の領域に記録)する処理である。本実施形態のデジタルカメラ100はペアリングしたペリフェラル装置の識別情報を不揮発性メモリ103に記録する。本実施形態では、デジタルカメラ100は例えばヘッドホンとお互いの識別情報を互いに登録した後、そのヘッドホンと無線接続を確立することでペアリングを完了したと判断する。また、デジタルカメラ100とペアリング済みのペリフェラル装置とが無線接続する場合、ユーザはペリフェラル装置をデジタルカメラ100から検索できる状態になるように操作してから、デジタルカメラ100にペリフェラル装置を検索させるよう操作する。そしてデジタルカメラ100がペリフェラル装置を検出した場合、デジタルカメラ100はペリフェラル装置との無線接続を確立することができる。
【0027】
接続部112は、外部機器と有線接続するためのインターフェースである。本実施形態のデジタルカメラ100は、接続部112を介して、外部機器とデータのやりとりを行うことができる。例えば、制御部101は撮像部102で生成した画像データや不揮発性メモリ103に記録している音声データを、接続部112を介して外部機器に送信することができる。また例えば、制御部101は接続部112を介してマイク等の外部機器から音声信号や音声データを受信することができる。接続部112は例えばフォンコネクタ(いわゆるマイク端子やヘッドホン端子等)およびUSB端子等で構成されている。デジタルカメラ100は接続部112を介してイヤホンやヘッドホン等の外部スピーカ、外部マイク、およびスマートフォンやPC等の情報機器と有線接続することができる。また、接続部112は外部機器が接続されたか否かを検出する検出部(不図示)を有する。制御部101はこの検出部を介して、外部機器が接続および切断されたこと、外部機器と接続中であること、および外部機器と接続していないこと等を検出できる。
【0028】
なお、デジタルカメラ100がマイクやヘッドホン等の外部機器と接続する場合、制御部101は外部機器と接続を確立した後に、そのデバイスの種類を検出することができる。通信部111を介したBluetooth通信では、制御部101はService Discovery Protocol(SDP)を利用することで、外部機器が例えばヘッドホンやマイクとして動作できるか否かを検出することができる。また例えば、通信部111を介した無線LAN通信では、制御部101は外部機器のデバイスの種類を外部機器から受信することで、外部機器のデバイスの種類を検出することができる。
【0029】
また例えば接続部112がUSB端子の場合、制御部101は有線接続を確立した外部機器からデバイスディスクリプタを受信する。このデバイスディスクリプタを参照することで、制御部101は外部機器がヘッドホンか否かを検出できる。ただし、デジタルカメラ100と無線接続可能な外部機器をヘッドホン等の外部スピーカに限定している場合、制御部101は外部機器と無線接続を確立したことによってヘッドホンを検出したか否かを判断できる。また、外部スピーカ用の端子(フォンコネクタ)は、接続相手がスピーカであることが前提の端子である。そして外部マイク用の端子(フォンコネクタ)は、接続相手がマイクであることが前提の端子である。このような接続される機器が定められている端子に外部機器を有線接続された場合、制御部101は外部機器と有線接続を確立したことによってヘッドホンやマイク等を検出したか否かを判断できる。
【0030】
次に、デジタルカメラ100の外観について説明する。
図1(B)はデジタルカメラ100の正面の外観図、
図1(C)はデジタルカメラ100の背面の外観図の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aや再生ボタン105b、方向キー105c、タッチパネル105dは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた画像が表示される。
【0031】
また、デジタルカメラ100は電源オン状態およびスリープ状態の電力状態を有する。本実施形態ではスリープ状態は例えばデジタルカメラ100の撮像部102や表示部106等に電力を供給されていない状態である。このスリープ状態は少なくとも電源オン状態よりも省電力な状態である。デジタルカメラ100はユーザによって操作部105の電源スイッチがオフにされることでスリープ状態に遷移する。電源スイッチがオフにされることでスリープ状態に遷移した場合、デジタルカメラ100は電源スイッチをオンにされることでスリープ状態から電源オン状態へ復帰する。また、電源オン状態においてユーザに操作されないまま一定時間が経過すると、デジタルカメラ100は節電のため自動的にスリープ状態に遷移する。本実施形態ではこの動作を実行する機能をオートパワーオフ機能と呼ぶ。また本実施形態では、このオートパワーオフ機能によって遷移したスリープ状態をオートパワーオフ状態と呼ぶ。オートパワーオフ状態の場合、デジタルカメラ100はユーザにレリーズスイッチや再生ボタン等の操作部105の部材を操作されたことに応じてスリープ状態から電源オン状態へ復帰する。なお本実施形態では、電源スイッチがオフにされることでスリープ状態に遷移した場合、デジタルカメラ100はユーザにレリーズスイッチや再生ボタン等の操作部105の部材を操作されても電源オン状態に遷移しない。
【0032】
以上、デジタルカメラ100の構成の一例について説明した。
【0033】
<シャッターモードの説明>
ここで、デジタルカメラ100のシャッターモードを説明する。デジタルカメラ100は電子シャッターモードおよびメカニカルシャッターモードの2つのシャッターモードを持つ。
【0034】
メカニカルシャッターモードでは、制御部101は撮像部102に含まれるシャッターを開閉するよう制御することで撮像素子を露光し撮像する。メカニカルシャッターモードによる撮像では、撮像した画像データにいわゆるローリングシャッター歪みが発生しづらいことやノイズが少ないこと等の利点がある。
【0035】
電子シャッターモードでは、制御部101はシャッターを開閉させずに撮像する。電子シャッターモードにおける撮像では、シャッターは開いている状態である。制御部101は計時部(不図示)を参照することで撮像部102に含まれる撮像素子の露光時間を制御する。電子シャッターモードによる撮像では、メカニカルシャッターモードよりも速いシャッター速度にできることや撮像する際に振動が発生しにくいこと等の利点がある。
【0036】
電子シャッターモードによる撮像では、シャッターが開閉されないため、いわゆるシャッター音は発生しない。そこで電子シャッターモードによる撮像ではユーザに撮像したことを報知するために、制御部101は不揮発性メモリ103に記録されている電子シャッター音をスピーカ108や通信部111、接続部112を介して出力する。なお、メカニカルシャッターモードによる撮像では、シャッターが開閉されることによるシャッター音が発生する。
【0037】
<サイレントモードの説明>
ここでサイレントモードという本実施形態のデジタルカメラ100の動作状態について説明する。サイレントモードでは、デジタルカメラ100は音の発生を抑制するように動作する。このサイレントモードは、スポーツの試合会場や美術館等の静かにすることを求められる場において撮影する場合に好適な動作状態である。サイレントモードでは、デジタルカメラ100はスピーカ108から電子音を出力しない。ユーザは操作部105を介してデジタルカメラ100を操作することでサイレントモードのオンおよびオフができる。
【0038】
さらに本実施形態において、サイレントモードではデジタルカメラ100は電子シャッターモードで動作する。これは電子シャッターモードではシャッターは開閉されないため、デジタルカメラ100は音の発生しにくい撮影が可能であるからである。一方、メカニカルシャッターモードでは、撮影した際にシャッターの開閉音が発生するため、音が発生しないようにデジタルカメラ100が撮影することは難しい。ここで、サイレントモードにおける撮像では、制御部101はスピーカ108から電子シャッター音を出力しないよう制御する。他にも、サイレントモードでは、デジタルカメラ100はフラッシュプリ発光やAF補助光等の発光処理を実行しない。これはスポーツの試合会場や美術館等の静かにすることを求められる場において、例えば競技中のスポーツ選手や美術館の絵画等に対して、フラッシュ撮影(ストロボ撮影)を禁止されることがあるからである。
【0039】
ただし、サイレントモードにおいても、デジタルカメラ100は通信部111および接続部112を介してヘッドホン等へ電子音を出力することができる。これは、デジタルカメラ100がヘッドホン等へ電子音を出力しても、その電子音はデジタルカメラ100を利用するユーザだけに伝わると考えられるため、ヘッドホンから出力された電子音が騒音となる可能性は低いからである。
【0040】
なお、本実施形態のデジタルカメラ100は、操作部105をユーザによって操作されたことによりスピーカ108から出力される音の音量が0(出力しない)に設定変更されたと判断した場合、サイレントモードに遷移してもよい。これにより、ユーザはスピーカ108から出力される音量を変更することでデジタルカメラ100をサイレントモードで動作させることができる。
【0041】
<シャッターモード、電子音の出力およびサイレントモードの設定>
シャッターモード、電子音の出力およびサイレントモードを設定する方法の一例を説明する。
図2(A)~(D)はシャッターモード、電子音の出力およびサイレントモードを設定するためのデジタルカメラ100のメニュー画面の一例である。
図3(A)、(B)はデジタルカメラ100がサイレントモードに遷移した場合におけるデジタルカメラ100のメニュー画面の一例である。ユーザから操作部105を介してメニュー画面へ遷移するための操作を受け付けたことに応じて制御部101は例えば表示部106にメニュー画面を表示する。ユーザは操作部105を操作することによってそれぞれの設定を変更できる。本実施形態では制御部101は
図2(A)に示すようにメニュー画面を表示する。項目200はシャッターモードを設定するための項目である。項目210はデジタルカメラ100がヘッドホンへ電子音を出力するか否かを設定するための項目である。項目220はデジタルカメラ100がサイレントモードで動作するか否かを設定するための項目である。本実施形態において、ある項目が選択された場合、制御部101は表示部106に他の項目を表示しないよう制御する。これによりユーザは選択された項目のオプションを選択しやすくなる。
【0042】
図2(A)において、ユーザが操作部105を介して項目200を選択した場合、
図2(B)に示すように制御部101はメカニカルシャッターモード、および電子シャッターモードのどちらか一方を選択するためのメニューを表示する。ユーザがオプション201を選択した場合、デジタルカメラ100はメカニカルシャッターモードによって撮影する設定に変更される。この場合、制御部101は電子音の設定に関わらず電子シャッター音をスピーカ108に出力しないよう制御する。これは、例えばユーザが撮影する際、撮像部102のシャッターの開閉音および電子シャッター音の両方が聞こえた場合、どちらの音のタイミングで撮影されたかがユーザにとって分からなくなる可能性があるからである。ユーザがオプション202を選択した場合、デジタルカメラ100は電子シャッターモードによって撮像する設定に変更される。この場合、サイレントモードでなければ制御部101は電子音をスピーカ108に出力するよう制御する。
【0043】
図2(A)において、ユーザが操作部105を介して項目210を選択した場合、
図2(C)に示すように制御部101は電子音を出力するか否かを選択するためのメニューを表示する。ユーザがオプション211(「オン」)を選択した場合、制御部101はサイレントモードでなければスピーカ108から電子音を出力するよう制御する。ユーザがオプション212(「シャッターのみ」)を選択した場合、制御部101はサイレントモードでなければ撮像の際にスピーカ108から電子シャッター音を出力するよう制御する。一方、制御部101はその他の電子音を出力しないよう制御する。ユーザがオプション213(「オフ」)を選択した場合、制御部101はスピーカ108および外部スピーカから電子音を出力しないよう制御する。このようにユーザは項目210のオプションを選択することで、デジタルカメラ100の電子音の出力機能を有効(オン)または無効(オフ)にすることができる。
【0044】
図2(A)において、ユーザが操作部105を介して項目220を選択した場合、
図2(D)に示すように制御部101はサイレントモードで動作するか否か(オンかオフか)を選択するためのメニューを表示する。ユーザがオプション221(「オン」)を選択した場合、デジタルカメラ100はサイレントモードで動作する。ユーザがオプション222(「オフ」)を選択した場合、デジタルカメラ100はサイレントモードを解除する。ユーザがオプション221(「オン」)を選択した場合、制御部101は電子シャッターモードで動作し、スピーカ108から電子音を出力しないよう制御する。例えば、サイレントモードがオンの場合、
図3(A)に示すように、制御部101は項目200および項目210を網掛けして表示し、シャッターモードおよび電子音に関する設定を変更できないように表示する。
【0045】
ここで、ヘッドホン等の外部スピーカが接続されている場合、デジタルカメラ100がサイレントモードで動作していても、制御部101は電子音をその外部スピーカに出力できる。本実施形態では、例えばサイレントモードであるデジタルカメラ100にヘッドホンが接続された場合、制御部101は自動的にヘッドホンへ電子音を出力するよう設定を変更する。この場合、例えば
図3(B)に示すように、
図3(A)に示す画面と異なり、制御部101は項目210を網掛けしないように表示する。ここでユーザ操作によって項目210の設定を変更された場合、制御部101はその設定に応じてヘッドホンへ電子音を出力するか否かを制御する。ただし、サイレントモードでは項目210の設定によらず、制御部101はスピーカ108から電子音を出力しない。したがって、同じ項目の設定であってもヘッドホンの接続の有無によって、制御部101の処理が自動的に切り替わる。
【0046】
このように、サイレントモードで動作するようユーザ操作を受け付けた場合、制御部101は自動的にデジタルカメラ100を電子シャッターモードで動作するよう制御し、電子音を出力しないよう制御する。しかしデジタルカメラ100にヘッドホンが接続されている場合は、制御部101は電子音をヘッドホンへ出力することができる。これにより、ユーザはデジタルカメラ100をサイレントモードで動作させながらも、電子音を聞くことが可能になる。特にデジタルカメラでは、周囲に音を出力しないサイレントモードでもヘッドホンから電子シャッター音を再生できるため、ユーザはデジタルカメラ100が撮影したタイミングを知ることができる。
【0047】
なお、本実施形態ではユーザ操作を受け付けないことを示すために、
図3(A)および
図3(B)では制御部101は当該項目を網掛けして表示したが、網掛け表示以外の表示方法を利用してもよい。例えば、制御部101はユーザ操作を受け付けない項目を表示しない。また例えば、制御部101はユーザ操作を受け付けない項目をユーザ操作によって選択された場合、「サイレントモードでは変更できません。」等の警告を表示する。また例えば、制御部101はユーザ操作を受け付けない項目をユーザ操作によって選択された場合でも、応答をユーザに返さないことで、選択された項目を変更できないことを報知する。
【0048】
<外部スピーカとの無線接続処理>
図4を用いて、デジタルカメラ100が外部スピーカと無線接続する処理の一例について説明する。以降、デジタルカメラ100に有線接続する外部スピーカを有線ヘッドホンと記載する。また、デジタルカメラ100に無線接続する外部スピーカを無線ヘッドホンと記載する。このデジタルカメラ100の処理は、不揮発性メモリ103に記録されたソフトウェアを作業用メモリ104に展開して制御部101が実行することで実現する。またこの処理は、デジタルカメラ100の電源スイッチがオンされたことをトリガに開始される。
【0049】
ステップS401において、制御部101はサイレントモードに遷移したか否かを判断する。例えばユーザが操作部105によって
図2(D)に示すオプション221を選択したか否かを制御部101は判断する。サイレントモードに遷移するまで、制御部101は本ステップの処理を繰り返し実行する。サイレントモードに遷移したと制御部101が判断した場合、処理はステップS402に進む。
【0050】
ステップS402において、制御部101は外部スピーカが接続されているか否かを判断する。例えば、制御部101は通信部111に無線ヘッドホンが接続されているか否か、および接続部112に有線ヘッドホンが接続されているか否かを判断する。有線ヘッドホンおよび無線ヘッドホンの少なくともどちらか一方が接続されている場合、制御部101は外部スピーカが接続されていると判断する。外部スピーカが接続されていると制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。外部スピーカが接続されていないと制御部101が判断した場合、処理はステップS403に進む。
【0051】
ステップS403において、制御部101は無線ヘッドホンとペアリング済みか否かを判断する。例えば制御部101は無線ヘッドホンの識別情報が不揮発性メモリ103に記録されているか否かを判断する。無線ヘッドホンとペアリング済みではないと制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。無線ヘッドホンとペアリング済みであると制御部101が判断した場合、処理はステップS404に進む。
【0052】
ステップS404において、制御部101は無線通信機能が有効か否かを判断する。例えば制御部101はBluetooth通信機能が有効か否かを判断する。無線通信機能が有効であると制御部101が判断した場合、処理はステップS406に進む。無線通信機能が有効ではない(無効である)と制御部101が判断した場合、処理はステップS405に進む。
【0053】
ステップS405において、制御部101は無線通信機能を有効にする。例えば制御部101はBluetooth通信機能をオンにする。ここで通信部111は起動しているものとする。なお通信部111が起動していない場合、制御部101は通信部111を起動する。例えば通信部111に通電していない場合、制御部101は電源部109を制御することにより通信部111に通電する。この場合、制御部101は通信部111を起動した後にBluetooth通信機能をオンにする。
【0054】
ステップS406において、制御部101は通信部111を介して無線ヘッドホンを検索する。例えば、本ステップにおいて制御部101はBluetoothにおける照会処理を開始し、通信部111を介してIQパケットをブロードキャストする。
【0055】
ステップS407において、制御部101はペアリング済みの無線ヘッドホンを検出したか否かを判断する。例えば制御部101はステップS406において送信したIQパケットに対して、ペアリング済みの無線ヘッドホンからFHSパケットを受信したか否かを判断する。このFHSパケットには無線ヘッドホンの識別情報が含まれている。制御部101はFHSパケットに含まれる識別情報と不揮発性メモリに記録されている無線ヘッドホンの識別情報とを比較することで、FHSパケットを送信した外部機器がペアリング済みか否かを判断できる。また、ペアリング済みの無線ヘッドホンからFHSパケットを受信することで制御部101はステップS406において開始した照会処理を完了する。制御部101が無線ヘッドホンを検出した場合、処理はステップS408に進む。制御部101が無線ヘッドホンを検出してしない場合、処理はステップS409に進む。まず制御部101が無線ヘッドホンを検出した場合について説明する。
【0056】
ステップS408において、制御部101はステップS407において検出した無線ヘッドホンと無線接続を確立する。例えば制御部101は呼び出し処理を実行し、通信部111を介してペアリング済みの無線ヘッドホンと無線接続を確立する。無線ヘッドホンと無線接続を確立したことに応じて、制御部101は本シーケンスの処理を終了する。次にステップS407において制御部101が無線ヘッドホンを検出していない場合について説明する。
【0057】
ステップS409において、制御部101は無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する。例えば制御部101は照会処理を開始してから1分以上経過したか否かを判断する。無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過していないと制御部101が判断した場合、処理はステップS406に戻り、制御部101は無線ヘッドホンの検索を継続する。無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過したと制御部101が判断した場合、処理はステップS410に進む。
【0058】
ステップS410において、制御部101はサイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたか否かを判断する。例えば制御部101はステップS405の処理を実行したか否かを判断する。このステップS405の処理は上述のように例えば、制御部101がBluetooth通信機能をオンにする処理である。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしていないと制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたと制御部101が判断した場合、処理はステップS411に進む。
【0059】
ステップS411において、制御部101は無線通信機能を無効にする。例えば制御部101はBluetooth無線通信機能をオフにする。これにより、制御部101は無線ヘッドホンを利用しない場合における、無線通信機能を有効にし続けることによる消費電力が増大している時間を抑えることができる。
【0060】
以上、デジタルカメラ100が外部スピーカと無線接続する処理の一例について説明した。これにより、ユーザはデジタルカメラ100をサイレントモードに遷移させる操作を行うことで、デジタルカメラ100を無線ヘッドホンと無線接続させることができる。
【0061】
なお本実施形態のデジタルカメラ100はBluetoothの中でもBluetooth Classic(BTC)に分類される方式に準拠して無線ヘッドホンと無線接続した。他の無線接続方法として、デジタルカメラ100はまずBluetooth Low Energy(BLE)に準拠して無線ヘッドホンと無線接続した後、無線ヘッドホンとBTCによる無線接続に移行してもよい。この場合、
図4のステップS406において制御部101はアドバタイズパケットのスキャンを開始することで、無線ヘッドホンを検索する。そして
図4のステップS407において、制御部101は無線ヘッドホンからアドバタイズパケットを受信することで、無線ヘッドホンを検出したか否かを判断する。なお、BLEでは制御部101はIQパケットをブロードキャストしない。無線ヘッドホンを検出した場合、
図4のステップS408において制御部101はBLEによって無線ヘッドホンと無線接続を確立した後、BLEによる無線接続からBTCによる無線接続に切り替える。
【0062】
このBLEによる無線接続からBTCによる無線接続へ接続を切り替える手法をハンドオーバという。一般的にBTCによる通信と比べてBLEによる通信は通信装置が無線接続を確立するまでの平均時間が短いため、ハンドオーバを利用することでデジタルカメラ100は無線ヘッドホンとの無線接続を確立するまでの時間を短くすることができる。
【0063】
なお本実施形態のデジタルカメラ100は、上述したようにサイレントモードではフラッシュプリ発光やAF補助光等の発光処理を実行しない。そのため、通信部111を介してストロボと無線接続していた場合、サイレントモードに遷移したことに応じて制御部101はそのストロボとの無線接続を切断してもよい。この場合、サイレントモードをオフにしたことに応じて、制御部101はストロボと再度無線接続する。これにより、デジタルカメラ100はサイレントモードの状態において電力の消費を低減することができる。
【0064】
なお、本実施形態のデジタルカメラ100は、無線ヘッドホンとの無線接続を確立するための処理を実行している間、サイレントモードを解除できないようにユーザ操作を制限してもよい。
【0065】
<外部スピーカとの無線接続の切断処理>
図4を用いて、デジタルカメラ100が外部スピーカとの無線接続を切断する処理の一例について説明する。このデジタルカメラ100の処理は、不揮発性メモリ103に記録されたソフトウェアを作業用メモリ104に展開して制御部101が実行することで実現する。またこの処理は、デジタルカメラ100の電源スイッチがオンされたことをトリガに開始される。
【0066】
ステップS501において、制御部101はサイレントモードが解除されたか否かを判断する。例えばユーザが操作部105によって
図2(D)に示すオプション222を選択したか否かを制御部101は判断する。サイレントモードの状態では、制御部101は本ステップの処理を繰り返し実行する。サイレントモードが解除されたと制御部101が判断した場合、処理はステップS502に進む。
【0067】
ステップS502において、制御部101は無線ヘッドホンが接続されているか否かを判断する。無線ヘッドホンが接続されていると制御部101が判断した場合、処理はステップS503に進む。無線ヘッドホンが接続されていないと制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。なお、本ステップにおいて有線ヘッドホンが接続されているか否かについて制御部101は判断しない。
【0068】
ステップS503において、制御部101はサイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたか否かを判断する。例えば制御部101は
図4のステップS405の処理を実行したか否かを判断する。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたと判断した場合、処理はステップS504に進む。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしていない場合、本シーケンスの処理は終了する。ただし、本実施形態では
図4のステップS405の処理を実行した後に、電源スイッチがオフにされた場合、
図4のステップS405の処理を実行したというフラグは削除される。このフラグは、
図4のステップS405の処理を制御部101が実行したことに応じて、作業用メモリ104に記録される。すなわち、デジタルカメラ100が電源オン状態に遷移してから本ステップの処理を実行する前に
図4のステップS405の処理を実行していない場合、制御部101はサイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしていないと判断する。
【0069】
ステップS504において、制御部101は無線ヘッドホンとの無線接続を切断する。本ステップの処理はサイレントモードに遷移したことに応じて無線ヘッドホンを接続した場合に実行される処理である。この場合、サイレントモードを解除した後、ユーザは無線ヘッドホンの無線接続の切断操作をせずにデジタルカメラ100によって撮影することが可能になる。特にデジタルカメラのような撮像装置を利用する場合、周囲の電波状況に起因して通信遅延の生じやすい無線ヘッドホンでは電子シャッター音の再生に遅延が生じ、ユーザは撮像したタイミングを正確に知ることができないおそれがある。一方で、有線ヘッドホンや内蔵スピーカによる電子音の再生には周囲の電波状況に起因した遅延は生じづらい。そのため、本実施形態のデジタルカメラ100はサイレントモードに遷移したことに応じて無線ヘッドホンを接続した場合、サイレントモードが解除されたことに応じて無線ヘッドホンとの無線接続を切断する。そして無線ヘッドホンとの無線接続を切断した後、制御部101はスピーカ108から電子音を出力するよう制御する。なお、本ステップの後、デジタルカメラ100に有線ヘッドホンが接続された場合、制御部101はスピーカ108ではなく接続された有線ヘッドホンから電子音を出力するよう制御する。
【0070】
ステップS505において、制御部101は無線通信機能を無効にする。例えば制御部101はBluetooth通信機能をオフにする。ここで無線接続している外部機器がない場合、制御部101は電源部109を制御することにより通信部111への通電を停止する。
【0071】
以上、デジタルカメラ100が外部スピーカとの無線接続を切断する処理の一例について説明した。これにより、ユーザはデジタルカメラ100のサイレントモードを解除する操作を行うことで、デジタルカメラ100に無線接続している無線ヘッドホンの無線接続を切断することができる。特にデジタルカメラ100のような撮像装置では、サイレントモードで動作していない場合、無線ヘッドホンよりも内部スピーカから電子音を出力した方がよい。なぜならデジタルカメラは通信遅延等の理由により無線ヘッドホンよりもスピーカ108の方が電子シャッター音を撮像したタイミングに正確に出力しやすいからである。
【0072】
なお、本実施形態のデジタルカメラ100は、
図4において説明した無線ヘッドホンとの無線接続を確立するための処理を実行している間にサイレントモードを解除できないようにしてもよい。これによりデジタルカメラ100と無線ヘッドホンとの接続処理が中断されたことに起因するエラーが発生することを防ぐことができる。
【0073】
[第二の実施形態]
第一の実施形態では、サイレントモードに遷移したことに応じてデジタルカメラ100がペアリング済みの無線ヘッドホンと無線接続する方法の一例について説明した。第二の実施形態ではデジタルカメラ100が無線ヘッドホンとペアリング済みでない場合でもサイレントモードに遷移したことに応じて無線ヘッドホンと無線接続する方法の一例について説明する。なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100および外部機器は第一の実施形態と同様である。
【0074】
デジタルカメラ100がサイレントモードに遷移したことに応じて、ペアリング済みではない無線ヘッドホンと無線接続する場合には、例えばデジタルカメラ100が音声ガイダンスによってデジタルカメラ100の情報をユーザに報知する場合がある。この音声ガイダンスでは、デジタルカメラ100はデジタルカメラ100の情報として例えば操作方法、撮影に関するパラメータ、およびデジタルカメラ100の動作状態等を報知する音声データをスピーカ108等から出力する。音声ガイダンスにおいて出力される音声は、単なる効果音やビープ音等の音声ではなく、ユーザに報知する内容を音声言語によって説明する音声である。本実施形態ではデジタルカメラ100は音声データを不揮発性メモリ103に記録している。以降、音声ガイダンスによってデジタルカメラ100の情報をユーザに報知する機能を音声ガイドモードという。音声ガイドモードを利用している場合、ユーザはサイレントモードでデジタルカメラ100を利用している間も例えばデジタルカメラ100の操作方法のガイダンスを音声によって聞くことを望むと考えられる。そのため音声ガイドモードがオンである場合、ペアリング済みの無線ヘッドホンが登録されていなくとも本実施形態のデジタルカメラ100はサイレントモードに遷移したことに応じて無線ヘッドホンとの無線接続処理を開始する。
【0075】
図6を用いて、本実施形態におけるデジタルカメラ100が外部スピーカと無線接続する処理の一例について説明する。このデジタルカメラ100の処理は、不揮発性メモリ103に記録されたソフトウェアを作業用メモリ104に展開して制御部101が実行することで実現する。またこの処理は、デジタルカメラ100の電源スイッチがオンされたことをトリガに開始される。
【0076】
ステップS601において、制御部101はサイレントモードに遷移したか否かを判断する。例えばユーザが操作部105によって
図2(D)に示すオプション221を選択したか否かを制御部101は判断する。サイレントモードに遷移するまで、制御部101は本ステップの処理を繰り返し実行する。サイレントモードに遷移したと制御部101が判断した場合、処理はステップS602に進む。ステップS601の処理は
図4のステップS401の処理と同様である。
【0077】
ステップS602において、制御部101は外部スピーカが接続されているか否かを判断する。例えば、制御部101は通信部111に無線ヘッドホンが接続されているか否か、および接続部112に有線ヘッドホンが接続されているか否かを判断する。有線ヘッドホンおよび無線ヘッドホンの少なくともどちらか一方が接続されている場合、制御部101は外部スピーカが接続されていると判断する。外部スピーカが接続されていると制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。外部スピーカが接続されていないと制御部101が判断した場合、処理はステップS603に進む。ステップS602の処理は
図4のステップS402の処理と同様である。
【0078】
ステップS603において、制御部101は音声ガイドモードがオンかオフかを判断する。音声ガイドモードがオフであると判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。音声ガイドモードがオンであると制御部101が判断した場合、処理はステップS604に進む。
【0079】
ステップS604において、制御部101は無線通信機能が有効か否かを判断する。例えば制御部101はBluetooth通信機能が有効か否かを判断する。無線通信機能が有効であると制御部101が判断した場合、処理はステップS606に進む。無線通信機能が有効ではない(無効である)と制御部101が判断した場合、処理はステップS605に進む。ステップS604の処理は
図4のステップS404の処理と同様である。
【0080】
ステップS605において、制御部101は無線通信機能を有効にする。例えば制御部101はBluetooth通信機能をオンにする。ここで通信部111が起動していない場合、制御部101は通信部111を起動する。例えば通信部111に通電していない場合、制御部101は電源部109を制御することにより通信部111に通電する。ステップS605の処理は
図4のステップS405の処理と同様である。
【0081】
ステップS606において、制御部101は通信部111を介して無線ヘッドホンを検索する。例えば、本ステップにおいて制御部101はBluetoothにおける照会処理を開始し、通信部111を介してIQパケットをブロードキャストする。ステップS606の処理は
図4のステップS406の処理と同様である。
【0082】
ステップS607において、制御部101はペアリング済みの無線ヘッドホンを検出したか否かを判断する。例えば制御部101はステップS606において送信したIQパケットに対して、ペアリング済みの無線ヘッドホンからFHSパケットを受信したか否かを判断する。このFHSパケットには無線ヘッドホンの識別情報が含まれている。制御部101はFHSパケットに含まれる識別情報と不揮発性メモリに記録されている無線ヘッドホンの識別情報とを比較することで、FHSパケットを送信した外部機器がペアリング済みか否かを判断できる。また、ペアリング済みの無線ヘッドホンからFHSパケットを受信することで制御部101はステップS606において開始した照会処理を完了する。なお、本ステップにおいて制御部101はペアリング済みではない無線ヘッドホンを検出したと判断した場合、制御部101は少なくともその無線ヘッドホンの識別情報を作業用メモリ104に記録する。制御部101がペアリング済みの無線ヘッドホンを検出した場合、処理はステップS608に進む。制御部101がペアリング済みの無線ヘッドホンを検出してしない場合、処理はステップS609に進む。まず制御部101がペアリング済みの無線ヘッドホンを検出した場合について説明する。
【0083】
ステップS608において、制御部101はステップS607において検出したペアリング済みの無線ヘッドホンと無線接続を確立する。例えば制御部101は呼び出し処理を実行し、通信部111を介してペアリング済みの無線ヘッドホンと無線接続を確立する。ペアリング済みの無線ヘッドホンと無線接続を確立したことに応じて、制御部101は本シーケンスの処理を終了する。ステップS608の処理は
図4のステップS408の処理と同様である。次にステップS607において制御部101が無線ヘッドホンを検出していない場合について説明する。
【0084】
ステップS609において、制御部101は無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する。例えば制御部101は照会処理を開始してから1分以上経過したか否かを判断する。無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過していないと制御部101が判断した場合、処理はステップS606に戻り、制御部101は無線ヘッドホンの検索を継続する。無線ヘッドホンの検索を開始してから所定時間が経過したと制御部101が判断した場合、処理はステップS610に進む。ステップS609の処理は
図4のステップS409の処理と同様である。
【0085】
ステップS610において、制御部101は無線ヘッドホンを検出したか否かを判断する。例えば制御部101は作業用メモリ104にペアリング済みではない無線ヘッドホンの識別情報が記録されているか否かを判断する。なお、ペアリング済みのヘッドホンを検出していた場合、ステップS607の処理からステップS608の処理へ遷移するため、本ステップにおいて検出する無線ヘッドホンはペアリング済みではない。制御部101が無線ヘッドホンを検出したと判断した場合、処理はステップS611に進む。制御部101が無線ヘッドホンを検出していないと判断した場合、処理はステップS614に進む。まず、制御部101が無線ヘッドホンを検出したと判断した場合について説明する。
【0086】
ステップS611において、制御部101は検出したヘッドホンの一覧を表示部106に表示する。例えば
図7(A)に示すように、制御部101は無線ヘッドホンの識別情報に含まれる無線ヘッドホンのIDを表示部106に表示する。
【0087】
ステップS612において、制御部101は無線ヘッドホンが選択されたか否かを判断する。ユーザは例えば、操作部105に含まれる方向キー105cおよびタッチパネル105d等を利用して、デジタルカメラ100と接続する無線ヘッドホンを選択する。例えばユーザによって「WL_Headphone001」が選択された場合、制御部101は
図7(B)に示すように確認画面を表示する。
図7(B)の「はい」をユーザが例えばタッチパネル105dを介して選択した場合、制御部101は無線ヘッドホンが選択されたと判断する。
図7(B)の「いいえ」をユーザが例えばタッチパネル105dを介して選択した場合、制御部101は再度、
図7(A)の画面を表示し、デジタルカメラ100に接続する無線ヘッドホンをユーザが選択するまで待機する。ここで、
図7(A)の「接続しない」をユーザが選択した場合、制御部101は無線ヘッドホンが選択されなかったと判断する。無線ヘッドホンが選択されたと制御部101が判断した場合、処理はステップS613に進む。無線ヘッドホンが選択されなかったと制御部101が判断した場合、処理はステップS614に進む。先に無線ヘッドホンが選択されたと制御部101が判断した場合について説明する。
【0088】
ステップS613において、制御部101はユーザに選択された無線ヘッドホンとペアリングを実行する。制御部101はこの無線ヘッドホンとのペアリングが完了したことに応じて、本シーケンスの処理を終了する。次に制御部101が無線ヘッドホンを検出していないと判断した場合、および無線ヘッドホンが選択されなかったと判断した場合について説明する。
【0089】
ステップS614において、制御部101はサイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたか否かを判断する。例えば制御部101はステップS605の処理を実行したか否かを判断する。このステップS605の処理は上述のように例えば、制御部101がBluetooth通信機能をオンにする処理である。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしていないと制御部101が判断した場合、本シーケンスの処理は終了する。サイレントモードに遷移したことに応じて無線通信機能を有効にしたと制御部101が判断した場合、処理はステップS614に進む。ステップS614の処理は
図4のステップS410の処理と同様である。
【0090】
ステップS615において、制御部101は無線通信機能を無効にする。例えば制御部101はBluetooth無線通信機能をオフにする。これにより、制御部101は無線ヘッドホンを利用しない場合における、無線通信機能を有効にし続けることによる消費電力が増大している時間を抑えることができる。ステップS615の処理は
図4のステップS411の処理と同様である。
【0091】
以上、本実施形態におけるデジタルカメラ100が外部スピーカと無線接続する処理の一例について説明した。これにより、ユーザはデジタルカメラ100をサイレントモードに遷移させる操作を行うことで、無線ヘッドホンをデジタルカメラ100に無線接続させることができる。
【0092】
なお、外部スピーカとの無線接続の切断処理は第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0093】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0094】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。