(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】郊外都市部間カーシェアリング支援装置、及び郊外都市部間カーシェアリング支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20240129BHJP
【FI】
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2019140952
(22)【出願日】2019-07-31
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【氏名又は名称】須藤 章
(72)【発明者】
【氏名】天野 寿人
(72)【発明者】
【氏名】浦部 健作
(72)【発明者】
【氏名】西野 圭太
(72)【発明者】
【氏名】戸手 博之
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-071873(JP,A)
【文献】特開2019-121121(JP,A)
【文献】特開2012-043028(JP,A)
【文献】特開2018-041197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場から、前記車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場へと前記車両を移動させる郊外在住ユーザの利用予定情報を、郊外在住ユーザ端末から通信回線を介して受信する予定情報受信部と、
受信された前記郊外在住ユーザの前記利用予定情報に定義された内容の可否を判定する可否判定部と、
判定された可否判定結果を前記郊外在住ユーザ端末に通信回線を介して出力する可否判定情報出力部と、
入力された前記利用予定情報に基づいて、前記郊外在住ユーザによって前記都市部駐車場に移動させられる前記車両の前記都市部での利用可能時間帯を判定する都市部利用判定部と、
前記都市部で車両を使用する都市部ユーザの都市部ユーザ端末から通信回線を介して、前記都市部において車両の利用を希望する利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、前記車両利用の予約を希望する予約情報を受信する予約情報受信部と、
前記予約情報を登録する予約情報処理部と、
判定された利用可能時間帯の情報を基に、前記予約情報に定義された利用時間帯に前記都市部駐車場に停車する車両を特定する車両特定部と、
前記予約情報に定義された引き渡し場所に、特定された車両を前記都市部駐車場から移動させ、前記車両を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成し、作成された前記引き渡し代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力し、前記引き渡し代行募集回答情報を解析する代行募集情報処理部と、
前記予約情報に定義された利用時間帯に前記都市部駐車場に停車する前記車両が特定され、前記引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、前記都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を前記都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力するマッチング処理部と、
引き渡し実行完了情報を入力し、前記引き渡し実行完了情報に基づいて、前記運転代行者による前記車両の前記引き渡し場所への移動が実行されたこと及び前記都市部ユーザへの当該車両の引き渡しが実行されたことを判定する実行判定部と、
を備え
、
前記郊外在住ユーザは、前記郊外と前記都市部との間での通勤に前記車両を利用する通勤ユーザであることを特徴とする郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項2】
前記都市部は、限られた地域に人口が集中しているエリアを示し、
前記郊外は、前記都市部の周辺にある住宅エリアを示す、
ことを特徴とする請求項1記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項3】
前記都市部駐車場の場所、前記郊外駐車場の場所及び帰路利用時間を含む帰路予定情報作成部をさらに備え、
前記帰路利用時間は前記都市部ユーザの希望する前記利用時間帯と異なる時間帯である、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項4】
前記引き渡し実行完了情報として、前記都市部ユーザ端末から発信される当該車両を開錠するための開錠情報を用いることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項5】
前記運転代行者は、個人で車両の移動作業を受注する個人サービス事業者であることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項6】
前記都市部ユーザ端末から通信回線を介して利用終了時刻の変更を希望する変更情報を受信し、他の都市部ユーザ端末からの予約情報に基づいて、受信された変更情報に示された利用終了時刻の容認可否を判定する可否判定部をさらに備えたことを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項7】
前記予約情報には、さらに、車両の引き取り場所が定義され、
前記代行募集情報処理部は、さらに、前記予約情報に定義された引き取り場所で前記都市部ユーザが使用している車両を引き取り、前記都市部駐車場に移動させる引き取り運転代行者を募集する引き取り代行募集情報を作成し、作成された前記引き取り代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して前記引き取り代行募集情報に対する回答を示す引き取り代行募集回答情報を入力し、前記引き取り代行募集回答情報を解析し、
前記マッチング処理部は、前記引き取り代行募集回答情報に引き取り運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、前記都市部での車両引き取りのマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を前記都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力し、
実行判定部は、引き取り実行完了情報を入力し、前記引き取り実行完了情報に基づいて、前記都市部ユーザからの当該車両の引き取りが実行されたこと及び前記運転代行者による前記車両の前記都市部駐車場への移動が実行されたことを判定することを特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項8】
前記引き取り実行完了情報として、前記運転代行者が前記車両を施錠するための施錠情報を用いることを特徴とする請求項
7記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項9】
前記都市部には、前記都市部駐車場を含む複数の都市部駐車場が用意され、前記運転代行者が前記車両の引き渡しの場合に車両を移動させる都市部駐車場と、前記車両の引き取りの場合に車両を移動させる都市部駐車場とが異なることを特徴とする請求項1~
8のいずれかに記載の郊外都市部間カーシェアリング支援装置。
【請求項10】
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場から、前記車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場へと前記車両を移動させる郊外在住ユーザの利用予定情報を、郊外在住ユーザ端末から通信回線を介して受信する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、受信された前記郊外在住ユーザの前記利用予定情報に定義された内容の可否を判定する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、判定された可否判定結果を前記郊外在住ユーザ端末に通信回線を介して出力する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、入力された前記利用予定情報に基づいて、前記郊外在住ユーザによって前記都市部駐車場に移動させられる前記車両の前記都市部での利用可能時間帯を判定する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、前記都市部で車両を使用する都市部ユーザの都市部ユーザ端末から通信回線を介して、前記都市部において車両の利用を希望する利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、前記車両利用の予約を希望する予約情報を受信する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、前記予約情報を登録する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、判定された利用可能時間帯の情報を基に、前記予約情報に定義された利用時間帯に前記都市部駐車場に停車する車両を特定する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、前記予約情報に定義された引き渡し場所に、特定された車両を前記都市部駐車場から移動させ、前記車両を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成し、作成された前記引き渡し代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力し、前記引き渡し代行募集回答情報を解析する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、前記予約情報に定義された利用時間帯に前記都市部駐車場に停車する前記車両が特定され、前記引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、前記都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を前記都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、引き渡し実行完了情報を入力し、前記引き渡し実行完了情報に基づいて、前記運転代行者による前記車両の前記引き渡し場所への移動が実行されたこと及び前記都市部ユーザへの当該車両の引き渡しが実行されたことを判定し、出力する工程と、
を備え
、
前記郊外在住ユーザは、前記郊外と前記都市部との間での通勤に前記車両を利用する通勤ユーザであることを特徴とする郊外都市部間カーシェアリング支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デリバリー型カーシェアリング支援装置及びデリバリー型カーシェアリング支援方法に関し、例えば、複数のユーザによってカーシェアリングを行う場合の制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、特定の車両を複数の会員間で共有し、好きなときに借りることのできるカーシェアリングサービスという営業形態が実施されている。例えば、対象車両を管理・提供している会社に登録した複数の法人ユーザが必要な時に利用し、その費用を支払うといった営業形態が挙げられる。法人ユーザにとって、短時間の利用であればレンタカーを借りる場合より割安になり得るといったメリットがある。しかしながら、カーシェアリングは、対象車両を駐車する駐車場を決めて置き、複数のユーザが必要な時に利用し、利用後は借りた場所である駐車場に戻すといった手法が一般的である。そのため、利用者の利便性が悪いといった問題があった。よって、移動先で乗り捨てができるように、利用者の利便性の向上を図ることが望まれる。例えば、複数の駐車場を確保しておき、ユーザは、空いている駐車場を知らせてもらい、移動先での空いている駐車場に返却できるというサービスも検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、移動先付近に空いている駐車場がなければ、ユーザは返却した後の交通手段を用意しなければならず、依然として、利便性が悪い。よって、さらなる利便性の向上が求められる。
【0003】
一方、対象車両を管理・提供しているサービス会社にとっては、都市部でカーシェアリングサービスを実施する場合、車両の稼働率は比較的高くなり得るものの、駐車料金が非常に高くなってしまうといった問題がある。他方、郊外でカーシェアリングサービスを実施する場合、駐車料金は安く済むものの、車両の稼働率は非常に低下してしまう。そのため、稼働率を上げることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の一態様は、カーシェアリングサービスにおいて、利用者のさらなる利便性の向上を図ることが可能なカーシェアリング支援装置およびその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の郊外都市部間カーシェアリング支援装置は、
車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場から、車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場へと車両を移動させる郊外在住ユーザの利用予定情報を、郊外在住ユーザ端末から通信回線を介して受信する予定情報受信部と、
受信された前記郊外在住ユーザの前記利用予定情報に定義された内容の可否を判定する可否判定部と、
判定された可否判定結果を前記郊外在住ユーザ端末に通信回線を介して出力する可否判定情報出力部と、
入力された利用予定情報に基づいて、郊外在住ユーザによって都市部駐車場に移動させられる車両の都市部での利用可能時間帯を判定する都市部利用判定部と、
都市部で車両を使用する都市部ユーザの都市部ユーザ端末から通信回線を介して、都市部において車両の利用を希望する利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、車両利用の予約を希望する予約情報を受信する予約情報受信部と、
判定された利用可能時間帯の情報を基に、予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場に停車する車両を特定する車両特定部と、
予約情報に定義された引き渡し場所に、特定された車両を都市部駐車場から移動させ、車両を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成し、作成された引き渡し代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力し、引き渡し代行募集回答情報を解析する代行募集情報処理部と、
予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場に停車する車両が特定され、引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力するマッチング処理部と、
引き渡し実行完了情報を入力し、引き渡し実行完了情報に基づいて、運転代行者による車両の引き渡し場所への移動が実行されたこと及び都市部ユーザへの当該車両の引き渡しが実行されたことを判定する実行判定部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、引き渡し実行完了情報として、都市部ユーザが車両を開錠するための開錠情報を用いると好適である。
【0008】
また、郊外在住ユーザは、郊外と都市部との間での通勤に車両を利用する通勤ユーザであると好適である。
【0009】
また、運転代行者は、個人で車両の移動作業を受注する個人サービス事業者であると好適である。
【0010】
また、都市部ユーザ端末から通信回線を介して利用終了時刻の変更を希望する変更情報を受信し、他の都市部ユーザ端末からの予約情報に基づいて、受信された変更情報に示された利用終了時刻の容認可否を判定する可否判定部をさらに備えると好適である。
【0011】
また、予約情報には、さらに、車両の引き取り場所が定義され、
代行募集情報処理部は、さらに、予約情報に定義された引き取り場所で都市部ユーザが使用している車両を引き取り、都市部駐車場に移動させる引き取り運転代行者を募集する引き取り代行募集情報を作成し、作成された引き取り代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き取り代行募集情報に対する回答を示す引き取り代行募集回答情報を入力し、引き取り代行募集回答情報を解析し、
マッチング処理部は、引き取り代行募集回答情報に引き取り運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両引き取りのマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力し、
実行判定部は、引き取り実行完了情報を入力し、引き取り実行完了情報に基づいて、都市部ユーザからの当該車両の引き取りが実行されたこと及び運転代行者による車両の都市部駐車場への移動が実行されたことを判定すると好適である。
【0012】
また、引き取り実行完了情報として、運転代行者が車両を施錠するための施錠情報を用いると好適である。
【0013】
また、都市部には、都市部駐車場を含む複数の都市部駐車場が用意され、運転代行者が車両の引き渡しの場合に車両を移動させる都市部駐車場と、車両の引き取りの場合に車両を移動させる都市部駐車場とが異なると好適である。
【0014】
本発明の一態様の郊外都市部間カーシェアリング支援方法は、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場から、前記車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場へと車両を移動させる郊外在住ユーザの利用予定情報を、郊外在住ユーザ端末から通信回線を介して受信する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、受信された前記郊外在住ユーザの前記利用予定情報に定義された内容の可否を判定する工程と、
前記郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、判定された可否判定結果を前記郊外在住ユーザ端末に通信回線を介して出力する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、入力された利用予定情報に基づいて、郊外在住ユーザによって都市部駐車場に移動させられる車両の都市部での利用可能時間帯を判定する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、都市部で車両を使用する都市部ユーザの都市部ユーザ端末から通信回線を介して、都市部において車両の利用を希望する利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、車両利用の予約を希望する予約情報を受信する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、前記予約情報を登録する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、判定された利用可能時間帯の情報を基に、予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場に停車する車両を特定する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、予約情報に定義された引き渡し場所に、特定された車両を都市部駐車場から移動させ、車両を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成し、作成された引き渡し代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力し、引き渡し代行募集回答情報を解析する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場に停車する車両が特定され、引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定し、マッチング結果を都市部ユーザ端末に通信回線を介して出力する工程と、
郊外都市部間カーシェアリング支援装置を用いて、引き渡し実行完了情報を入力し、引き渡し実行完了情報に基づいて、運転代行者による車両の引き渡し場所への移動が実行されたこと及び都市部ユーザへの当該車両の引き渡しが実行されたことを判定し、出力する工程と、
を備え、
前記郊外在住ユーザは、前記郊外と前記都市部との間での通勤に前記車両を利用する通勤ユーザであることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様のデリバリー型カーシェアリング支援装置は、
車両の利用を希望するユーザの端末から車両の利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、車両利用の予約を希望する予約情報を受信する予約情報受信部と、
予約情報に定義された引き渡し場所に、車両を駐車する駐車場から車両を移動させ、車両を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成し、作成された引き渡し代行募集情報を出力すると共に、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力し、引き渡し代行募集回答情報を解析する代行募集情報処理部と、
予約情報に定義された利用時間帯に駐車場に停車する車両が特定され、引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定し、運転代行者端末に通信回線を介して、マッチング結果を出力するマッチング処理部と、
引き渡し実行完了情報を入力し、引き渡し実行完了情報に基づいて、運転代行者による車両の引き渡し場所への移動が実行されたことを判定する実行判定部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、カーシェアリングサービスにおいて、利用者のさらなる利便性の向上を図り、車両の稼働率の向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援システムの構成の一例を捕捉する図である。
【
図3】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリングサービスの内容の一例を説明するための図である。
【
図4】実施の形態1におけるサービスサーバ装置の内部構成の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の一部を示すフローチャート図である。
【
図6】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
【
図7】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
【
図8】実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援システムの構成の一例を示す図である。
図2は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援システムの構成の一例を補足する図である。
図1及び
図2において、デリバリー型カーシェアリング支援システム200は、サービスサーバ装置100、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)、運転代行者端末104、都市部ユーザ端末106、及びカーシェアリングサービスの対象となる車両110の車載器112を備えている。デリバリー型カーシェアリング支援システム200は、
図2に示すように、その他に、休日ユーザが所持する休日ユーザ端末108、及び車両の動力源(例えば、ガソリン、軽油、天然ガス、水素、電力等)の供給を受けると共に、車両の修理等のメンテナンスを実施可能なサービスステーション(SS)に配置されたサービスステーション端末109等を備えていても構わない。サービスサーバ装置100、通勤ユーザ端末102、運転代行者端末104、都市部ユーザ端末106、及び車載器112(さらに、休日ユーザ端末108、及びサービスステーション端末109)は、通信回線(例えば、インターネット)を介して、通信可能に接続される。通勤ユーザ端末102、運転代行者端末104、及び都市部ユーザ端末106(さらに、休日ユーザ端末108、及びサービスステーション端末109)は、移動体通信端末であっても良く、かかる場合、図示しない基地局との無線通信或いは衛星通信を介してインターネット等の通信回線に接続される。また、車載器112は、移動体通信端末であり、図示しない基地局との無線通信或いは衛星通信を介してインターネット等の通信回線に接続される。また、車載器112には、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)機能が搭載され、車両110の位置を測位する。以下、実施の形態1において、都市部とは、商業、流通などの発達の結果、限られた地域に人口が集中しているエリアを示し、例えば、車両を使用する通勤ユーザが当該車両を駐車するエリアである。また、実施の形態1において、郊外とは、都市部の周辺にある住宅地区を示し、例えば、車両を使用する通勤ユーザが住居として居住するエリアである。
【0019】
通勤ユーザ端末102は、郊外に在住する郊外在住ユーザが所持する通信端末である。郊外在住ユーザは、夜間、車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場P’(P1’、P2’)から、日中、車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場Pへと車両110を移動させる。郊外在住ユーザは、例えば、郊外と都市部との間での通勤に車両110を利用する通勤ユーザである。通勤ユーザは、少なくとも1人でいれば良い。好ましくは、複数の通勤ユーザが利用すると好適である。
図1の例では、2人の通勤ユーザが示されている。例えば、1人目の通勤ユーザは、夜間、車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場P1’から、日中、車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場P1へと1台目の車両110を移動させる。2人目の通勤ユーザは、夜間、車両を駐車する郊外に位置する郊外駐車場P2’から、日中、車両を駐車する都市部に位置する都市部駐車場P2へと2台目の車両110を移動させる。かかる場合、複数の通勤ユーザ端末102a,102bがサーバ装置100と通信することになる。また、複数の都市部駐車場P1,P2は、同じ駐車場内の駐車スペース番号が異なる関係であっても構わない。
【0020】
都市部ユーザ端末106は、都市部で車両110を使用する都市部ユーザが所持する通信端末である。都市部ユーザとして、例えば、都市部に事業所(オフィス)を構えて事業を展開する法人或いは法人の職員等が挙げられる。都市部ユーザは、少なくとも1人でいれば良い。好ましくは、複数の都市部ユーザが利用すると好適である。
図1の例では、2人(2社)の都市部ユーザ(1)(2)が示されている。かかる場合、複数の都市部ユーザ端末106a,106bがサーバ装置100と通信することになる。
【0021】
運転代行者端末104は、都市部において、車両を移動する運転代行か可能の者が所持する通信端末である。例えば、個人で車両の移動作業を受注する個人サービス事業者である運転代行者が所持する通信端末である。運転代行者には、都市部に住宅103がある個人サービス事業者が含まれる。運転代行者には、一般のドライバーが副業として個人サービス事業者を営む場合が含まれる。例えば、フリーランサー(FL)と呼ばれる人が含まれる。或いは、運転代行者には、平日の日中に都市部にいる車両の運転が可能な一般人が含まれても構わない。
【0022】
サービスサーバ装置100は、デリバリー型カーシェアリングサービスを支援するデリバリー型カーシェアリング支援装置の一例である。サービスサーバ装置100は、例えば、デリバリー型カーシェアリングサービスを運営するサービス運営機関(例えば、サービス運営会社)に配置される。サービスサーバ装置100は、都市部に配置されていても良いし、郊外に配置されていても良い。或いは、全く別の国或いは地域に配置されていても構わない。
【0023】
カーシェアリングサービスに使用する車両110は、例えば、通勤ユーザと同数の数が用意されると好適である。サービス運営機関は、通勤ユーザが所望する郊外にある郊外駐車場P’と都市部における通勤ユーザが通勤に利用可能な位置にある都市部駐車場Pとを用意する。複数の車両110が利用される場合、例えば、車両110の数と少なくとも同数の複数の郊外駐車場P’と車両110の数と少なくとも同数の複数の都市部駐車場Pとが用意される。
【0024】
ここで、上述したように、従来のカーシェアリングは、対象車両を駐車する駐車場を決めて置き、複数のユーザが必要な時に利用し、利用後は借りた場所である駐車場に戻すといった手法が一般的である。そのため、利用者の利便性が悪いといった問題があった。そこで、実施の形態1では、稼働率を上げる構成を説明する。
【0025】
図3は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリングサービスの内容の一例を説明するための図である。
図3において、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリングサービスでは、夜間、郊外駐車場P’に車両110を駐車する。そして、朝の通勤時間帯(出勤)は通勤ユーザによって車両110が利用され、通勤ユーザによって車両110が都市部駐車場Pに運ばれる。そして、日中は、都市部駐車場Pをベースに車両110が利用される。日中は、都市部ユーザから利用予約を募り、車両110が利用される。その際、都市部に居る運転代行者によって、都市部ユーザが求める場所に車両110を搬送して都市部ユーザに車両110を引き渡す。運転代行者は、サーバ装置100からの連絡を受けて、例えば、自転車で都市部駐車場Pまで移動し、自転車を車両110のトランクに収納した状態で車両100を運転して、都市部ユーザが求める場所まで車両110を搬送(デリバリー)する。そして、都市部ユーザに車両110を引き渡した後は、トランクに収納されていた自転車で退去する。そして、都市部ユーザは、届いた車両110を運転して、所望の場所へと移動する。移動後は、都市部に居る運転代行者によって、都市部ユーザが求める場所で車両110が引き取られる。運転代行者は、サーバ装置100からの連絡を受けて、例えば、自転車で引き取り場所まで移動し、都市部ユーザから車両110を引き取った後は、自転車を車両110のトランクに収納した状態で車両100を運転して、サーバ装置100から指定された都市部駐車場Pまで車両110を搬送する。同日内に他の都市部ユーザからの求めがあれば、車両110が空いていれば、同様に、利用可能である。そして、夕方の通勤時間帯(退勤:帰路)は通勤ユーザによって車両110が利用され、通勤ユーザによって車両110が都市部駐車場Pから郊外駐車場P’に運ばれる。そして、夜間は、郊外駐車場P’に車両110を駐車する。
【0026】
このように、都市部駐車場Pを日中だけ賃借することにより、終日借りる従来の駐車場賃貸の賃貸料金に比べて、都市部駐車場Pの有効利用ができる。また、都市部ユーザが求める場所に車両110をデリバリーすることから、利用者の利便性の向上を図ることができる。さらに、都市部ユーザが所望する場所で車両110を乗り捨てることができることから、さらなる利用者の利便性の向上を図ることができる。その結果、車両110の稼働率の向上につなげることができる。また、運転代行者の拘束時間は、車両110の代行運転期間と引き渡し或いは/及び引き取りの作業時間とに限定できる。その結果、人手を少なくし、稼働率を上げることができる。これにより、カーシェアリングサービスの収益向上を図ることができる。
【0027】
その他、休日は、車両110の稼働率が低下するものの、
図3に示すように、郊外駐車場P’での貸し出し及び返却による休日ユーザによる利用を促すことで、稼働していない無駄な時間を低減しても好適である。
【0028】
実施の形態1では、デリバリー型カーシェアリング支援システム200を用いて、かかるデリバリー型カーシェアリングサービスを支援する。以下、デリバリー型カーシェアリング支援システム200の各構成の具体的な動作を説明する。
【0029】
図4は、実施の形態1におけるサービスサーバ装置の内部構成の一例を示す図である。
図4において、サービスサーバ装置100内には、通信制御回路50、メモリ51、通勤予定(変更)情報受信部52、可否判定部54、可否判定情報出力部55、トラッキング情報受信部56、位置判定部57、都市部利用判定部61、予約情報処理部62、車両/駐車場特定部63、代行募集情報処理部64、マッチング処理部88、実行判定部71、開錠/施錠情報受信部72、コマンド処理部73、開錠/施錠コマンド出力部74、帰路予定情報作成部86、帰路予定情報出力部87、及び磁気ディスク装置等の記憶装置80、82,84が配置される。予約情報処理部62は、予約(変更)情報受信部58、可否判定部59、可否判定情報出力部60、及び予約リスト作成部81を有している。代行募集情報処理部64は、代行募集情報作成部65、代行募集情報出力部66、代行募集回答受信部67、及び代行募集回答解析部82を有している。マッチング処理部88は、マッチング部68、マッチング結果情報作成部69、及びマッチング結果情報出力部83を有している。通勤予定(変更)情報受信部52、可否判定部54、可否判定情報出力部55、トラッキング情報受信部56、位置判定部57、都市部利用判定部61、予約情報処理部62(予約(変更)情報受信部58、可否判定部59、可否判定情報出力部60、及び予約リスト作成部81)、車両/駐車場特定部63、代行募集情報処理部64(代行募集情報作成部65、代行募集情報出力部66、代行募集回答受信部67、及び代行募集回答解析部82)、マッチング処理部88(マッチング部68、マッチング結果情報作成部69、及びマッチング結果情報出力部83)、実行判定部71、開錠/施錠情報受信部72、コマンド処理部73、開錠/施錠コマンド出力部74、帰路予定情報作成部86、及び帰路予定情報出力部87といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。通勤予定(変更)情報受信部52、可否判定部54、可否判定情報出力部55、トラッキング情報受信部56、位置判定部57、都市部利用判定部61、予約情報処理部62(予約(変更)情報受信部58、可否判定部59、可否判定情報出力部60、及び予約リスト作成部81)、車両/駐車場特定部63、代行募集情報処理部64(代行募集情報作成部65、代行募集情報出力部66、代行募集回答受信部67、及び代行募集回答解析部82)、マッチング処理部88(マッチング部68、マッチング結果情報作成部69、及びマッチング結果情報出力部83)、実行判定部71、開錠/施錠情報受信部72、コマンド処理部73、開錠/施錠コマンド出力部74、帰路予定情報作成部86、及び帰路予定情報出力部87内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ51に記憶される。
【0030】
図5は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の一部を示すフローチャート図である。
図5では、デリバリー型カーシェアリング支援方法(デリバリー型カーシェアリング制御方法)の各工程のうち、朝の通勤時間帯における工程について説明する。以降の工程は後述する。
【0031】
まず、予め、少なくとも1人の通勤ユーザとデリバリー型カーシェアリングサービスを運営するサービス運営機関との間で通勤時間帯における車両110の利用について契約しておく。また、記憶装置82には、カーシェアリングサービスに使用する少なくとも1台の車両のナンバー、及び車種等の車両情報が検索可能に格納された車両情報データベース(DB)が記憶される。また、記憶装置84には、カーシェアリングサービスに使用する車両を駐車する都市部の少なくとも1個所の都市部駐車場Pと、郊外の少なくとも1個所の郊外駐車場P’と、の位置及び駐車番号等の駐車場情報が検索可能に格納された駐車場情報データベース(DB)が記憶される。また、記憶装置80には、少なくとも1人の通勤ユーザと契約した通勤情報が定義された通勤情報リストが登録/格納される。また、平日の都市部での車両110の利用について予約がある場合、平日予約リストが記憶装置80に記憶される。その他、休日ユーザによる休日の車両110の利用について予約がある場合、休日予約の内容が定義された休日予約リストが記憶される。また、夜間、車両110は、郊外駐車場P’に駐車されている。
【0032】
図5において、通勤予定情報出力工程として、当日、通勤ユーザの通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)は、通勤ユーザの本日の通勤予定情報(利用予定情報)を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。日によっては、都合により出社時刻が変わる可能性もある。そこで、例えば、毎日、当日の通勤予定情報を通勤ユーザ端末102から出力する。通勤予定情報には、例えば、通勤ユーザのユーザID、カーシェアリングの対象となる車両110の車両番号、利用時間、郊外駐車場の場所、及び都市部駐車場の場所が挙げられる。例えば、利用時間として、7:00~8:00、郊外駐車場の場所としてP1’、都市部駐車場の場所としてP1が定義される。具体的には、通勤ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリ(アプリケーションソフトウェア)を自身の通勤ユーザ端末102にダウンロード及びインストールしておき、アプリに表示される自身の通勤情報で定義された車両110の利用時間、郊外駐車場の場所、及び都市部駐車場の場所等に変更が無ければ、確定枠「OK」をクリックする。もしも、例えば、利用時間に変更があれば、通勤情報で定義された車両110の利用時間を変更して「OK」をクリックする。例えば、利用時間として、7:00~8:30に変更して確定する。これにより、アプリ上で確定した当日の通勤予定情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。或いは、通勤ユーザ端末102を使って、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトにアクセスして、同様の操作を行っても構わない。
【0033】
図5において、通勤予定情報受信工程として、サービスサーバ装置100内の通勤予定(変更)情報受信部52(予定情報受信部)は、夜間、車両110を駐車する郊外に位置する郊外駐車場P’から、日中、車両110を駐車する都市部に位置する都市部駐車場Pへと車両110を移動させる通勤ユーザ(郊外在住ユーザ)の通勤予定情報(利用予定情報)を、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)から通信回線を介して受信する。具体的には、通勤予定(変更)情報受信部52は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102からの通勤予定情報を受信する。
【0034】
可否判定工程として、可否判定部54は、受信された当日の通勤予定情報に定義された内容の可否を判定する。具体的には、可否判定部54は、受信された当日の通勤予定情報に定義された車両110の利用時間、及び都市部駐車場の場所が、記憶装置80に格納された通勤情報リストに登録された当該通勤ユーザの情報と一致しているかどうかを判定する。一致していれば、予定内容可として判定し、当日の通勤予定情報として記憶装置80に記憶する。例えば、通勤予定情報1として記憶装置80に記憶する。一方、利用時間の終期である都市部駐車場への到着時刻が8:00から8:30に変更されていた場合、可否判定部54は、記憶装置80に格納された平日予約リストを参照して、予約時間に影響を与えないかどうかを判定し、予約時間に影響を与える場合、予定内容不可として判定する。予約時間に影響を与えないかどうかは、予約開始時刻と都市部駐車場から車両110を移動して引き渡し場所での引き渡しが可能なデリバリー時間を考慮して判定される。都市部駐車場への到着時刻が8:30であれば、例えば、予約開始時刻が9:00であり、デリバリー時間が20分であれば、予定内容可として判定される。一方、例えば、予約開始時刻が8:50であり、デリバリー時間が30分であれば、予定内容不可として判定される。
【0035】
可否判定情報出力工程として、可否判定情報出力部55は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102に、可否判定情報を出力する。可否判定結果が可であった場合、可であることを示すコメント等の情報が出力される。他方、可否判定結果が否であった場合、否であること、及び通勤情報リストに登録された当該通勤ユーザの元々の利用時間に間に合うように、通勤ユーザに促すコメントが出力される。
【0036】
開錠情報出力工程として、当日、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)は、車両110のドアを開錠する開錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、通勤ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「開錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した開錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0037】
開錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102からの開錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、通勤ユーザ端末102の通勤ユーザが利用する車両110の開錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に開錠コマンドを出力する。車載器112は、開錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠する。
【0038】
そして、通勤ユーザは、開錠された車両110に乗り込み、エンジンをかけ、車両110の利用を開始する。ここでは、通勤ユーザは、通勤手段として、郊外駐車場P’から、都市部駐車場Pへと車両110を移動させる。例えば、車両110内でエンジンスタートボタンを押すことでエンジンがかかるようにしておけばよい。また、停める場合には、ストップボタンを押すことでエンジンが停止するようにしておけばよい。
【0039】
トラッキング工程として、車両110のエンジンがかかっている間、車載器112に搭載されたGPS装置により車両110の位置は測位され、車載器112は、トラッキング情報として、車両110の位置情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。サービスサーバ装置100内では、トラッキング情報受信部56が、通信制御回路50及び通信回線を介して、車載器112からのトラッキング情報を受信し、位置判定部57は、受信されたトラッキング情報を使って、車両110の現在の位置を判定する。
【0040】
通勤ユーザは運転開始後、到着前の段階で何らかの原因、或いは自主的に、通勤予定情報の内容を変更したい場合、通勤予定変更情報出力工程として、通勤ユーザ端末102または車載器112は、変更された通勤予定情報(利用予定情報)を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力しても良い。かかる場合、通勤予定変更情報受信工程として、サービスサーバ装置100内の通勤予定(変更)情報受信部52は、変更された通勤予定情報を、通勤ユーザ端末102または車載器112から通信回線を介して受信する。そして、可否判定工程として、可否判定部54は、変更された通勤予定情報に定義された内容の可否を判定する。そして、可否判定情報出力工程として、可否判定情報出力部55は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102または車載器112に、可否判定情報を出力する。
【0041】
施錠情報出力工程として、当日の目的地となる都市部駐車場Pに到着すると、通勤ユーザがエンジンを停止して、車両110から降りた段階で、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)は、車両110のドアを施錠する施錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、通勤ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「施錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した施錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0042】
施錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102からの施錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、通勤ユーザ端末102の通勤ユーザが利用する車両110の施錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に施錠コマンドを出力する。車載器112は、施錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを施錠する。そして、通勤ユーザは、自身の職場へと出勤することになる。
【0043】
以上により、平日の例えば朝方に車両110が郊外駐車場P’から都市部駐車場Pへと移動され、平日の日中は、都市部で車両110が利用可能となる。
【0044】
図6は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
図6では、デリバリー型カーシェアリング支援方法の各工程のうち、日中の時間帯における工程の一部について説明する。以降の工程は後述する。
【0045】
予約情報受信工程として、予約(変更)情報受信部58は、都市部で車両110を使用する都市部ユーザの都市部ユーザ端末106から通信回線を介して、都市部において車両110の利用を希望する利用時間帯と車両の引き渡し場所とが定義された、車両利用の予約を希望する予約情報を受信する。都市部ユーザ端末106から発信される予約情報の受信時期は、日中とは限らず、その他の時間帯でも構わない。また、当日に限らず、予約時より前であれば良い。例えば、予約は、1週間前から1時間前まで受け付ける。予約情報として、例えば、都市部ユーザの氏名、連絡先、利用したい日、利用時間帯、車両の引き渡し場所、及び車両の引き取り場所が定義される。都市部ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリ(アプリケーションソフトウェア)を自身の都市部ユーザ端末106にダウンロード及びインストールしておき、アプリに表示される都市部ユーザの氏名(或いは/及び識別ID)、連絡先、利用したい日、利用時間帯、車両の引き渡し場所、及び車両の引き取り場所の各項目を入力する。そして、内容に間違いが無ければ、確定枠「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した予約情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。或いは、都市部ユーザ端末106を使って、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトにアクセスして、同様の操作を行っても構わない。
【0046】
仮予約可否判定工程として、可否判定部59は、受信された予約情報に定義された内容の可否を判定する。具体的には、可否判定部59は、記憶装置80に格納される平日予約リストを参照して、受信された予約情報に定義された利用したい日、利用時間帯、車両の引き渡し場所、及び車両の引き取り場所に見合う車両110が確保できるかどうかを判定する。車両の引き渡し場所によっては、都市部駐車場Pから対象車両110を移動させるデリバリー時間が長くかかる場合もあり得る。同様に、引き取り場所によっては、都市部駐車場Pに対象車両110を移動させる回収時間が長くかかる場合もあり得る。そのため、可否判定部59は、かかる移動時間も勘案して可否を判定すると好適である。例えば、平日予約リストに9:00~10:00の仮予約と、12:00から14:00までの仮予約とが既に存在する場合、予約情報に定義された利用時間帯が09:30~13:00であれば、利用時間帯が重なってしまうので否と判定される。また、予約情報に定義された利用時間帯が10:00~12:00であれば、デリバリー時間が確保できないので否と判定される。また、予約情報に定義された利用時間帯が10:30~11:30であり、デリバリー時間及び回収時間が確保できれば可と判定される。
【0047】
可否判定情報出力工程として、可否判定情報出力部60は、通信制御回路50及び通信回線を介して、都市部ユーザ端末106に、可否判定情報を出力する。可否判定結果が可であった場合、可であることを示すコメント等の情報が出力される。他方、可否判定結果が否であった場合、否であること、及び利用可能な時間帯枠を表示して、都市部ユーザに利用時間の変更を促すコメントが出力される。
【0048】
予約リスト作成工程として、予約情報処理部62は予約情報を登録する。具体的には、以下のように動作する。予約リスト作成部81は、仮予約可と判定された場合、当該予約情報に定義された内容を当日の平日予約リストに追加登録して記憶装置80に記憶する。予約リストには、例えば、利用日、利用時間帯、都市部ユーザの氏名、連絡先、車両の引き渡し場所、車両の引き取り場所、車両ナンバー、引き渡し用の都市駐車場の識別子、引き渡し用の運転代行者名(或いは識別ID)、引き取り用の都市駐車場の識別子、引き取り用の運転代行者名(或いは識別ID)、引き渡しマッチング可否、引き渡し実行有無、引き取りマッチング可否、及び引き取り実行有無が定義される。予約情報を登録する時点では、利用日、利用時間帯、都市部ユーザの氏名、連絡先、車両の引き渡し場所、及び車両の引き取り場所以外の情報は、まだ確定していないでの空欄或いは未確定を示す識別子が定義されればよい。予約リストには、その他、記憶装置80に格納された通勤情報リストに登録された当該通勤ユーザの出勤時利用の利用終了時刻、出勤時利用の車両ナンバー、出勤時利用の都市部駐車場、退勤時利用の利用開始時刻、退勤時利用の車両ナンバー、及び退勤時利用の都市部駐車場が定義される。但し、当該通勤ユーザの出勤時利用の利用終了時刻、出勤時利用の車両ナンバー、出勤時利用の都市部駐車場、退勤時利用の利用開始時刻、退勤時利用の車両ナンバー、及び退勤時利用の都市部駐車場の各情報は、当日の状況に応じて変更され得る。
【0049】
都市部利用判定工程として、都市部利用判定部61は、入力された当日の通勤予定情報(利用予定情報)に基づいて、郊外在住ユーザによって都市部駐車場Pに移動させられる車両110の都市部での利用可能時間帯を判定する。具体的には、都市部利用判定部61は、記憶装置80に格納された通勤情報リスト、及び通勤予定情報を参照して、郊外在住ユーザによって都市部駐車場Pに移動させられる車両110の都市部での利用可能時間帯を判定する。例えば、通勤情報リストには、利用時間の終期である都市部駐車場への到着時刻が8:00と定義されているものの、当日の通勤予定情報1には、通勤情報リストの時刻よりも遅い8:30と定義されていた場合、当日の車両110の都市部での利用可能開始時刻は、8:30と判定される。また、当日の通勤予定情報1に、通勤情報リストの時刻よりも早い7:30と定義されていた場合、当日の車両110の都市部での利用可能開始時刻は、7:30と判定される。判定結果は、予約リスト作成部81に出力され、予約リスト作成部81は、平日予約リストの情報を書き換える。
【0050】
車両特定工程として、車両/駐車場特定部63(車両特定部)は、判定された利用可能時間帯の情報を基に、予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場Pに停車する車両110(車両ナンバーを含む)を特定する。また、車両/駐車場特定部63(車両特定部)は、判定された利用可能時間帯の情報を基に、予約情報に定義された利用時間帯に利用可能な車両110が停車する都市部駐車場Pの位置(或いは識別子)を特定する。特定結果は、予約リスト作成部81に出力され、予約リスト作成部81は、平日予約リストの情報を書き換える。
【0051】
代行募集情報作成工程として、代行募集情報作成部65は、予約情報に定義された引き渡し場所に、特定された車両110を都市部駐車場Pから移動させ、車両110を引き渡す引き渡し運転代行者を募集する引き渡し代行募集情報を作成する。引き渡し代行募集情報には、代行日、代行作業時間帯、都市部駐車場Pの位置、引き渡し場所、及び報酬額が定義され、運転代行してくれる方を募集する旨、及び自転車、徒歩、若しくは公共交通機関で対象車両まで移動する必要がある旨等のコメントが定義される。代行作業時間帯の開始時刻として、当日の対象車両110の都市部での利用可能開始時刻が用いられると好適である。代行作業時間帯の終了時刻として、当日の引き渡し時刻が用いられると好適である。
【0052】
引き渡し代行募集情報出力工程として、代行募集情報出力部66は、作成された引き渡し代行募集情報を出力する。具体的には、代行募集情報出力部66は、通信制御回路50及び通信回線を介して、引き渡し代行募集情報を出力する。例えば、少なくとも1人の運転代行者が予め登録されている場合には、登録された運転代行者の運転代行者端末104に出力される。運転代行者は、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリ(アプリケーションソフトウェア)を自身の運転代行者端末104にダウンロード及びインストールしておき、アプリに引き渡し代行募集情報の内容が表示される。或いは、アプリがインストールされた運転代行者端末104に引き渡し代行募集情報がメールされるようにしても好適である。或いは、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトに引き渡し代行募集情報の内容が表示される。運転代行者を登録制にしない場合、広く、一般人の中から引き渡しの運転代行が募集されると好適である。引き渡し代行募集情報の出力は、当日の代行作業時間帯の開始時刻の数10分前、或いは1~3時間程度前に実施されると好適である。あまり前の時点で募集すると、実施段階になって何らかの理由で実施されない場合が生じ得る。よって、できるだけ、当日の代行作業時間帯の開始時刻に近い段階で募集した方が確実に実施されるので好適である。
【0053】
引き渡し代行募集回答情報受信工程として、代行募集回答受信部67は、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末104から通信回線を介して引き渡し代行募集情報に対する回答を示す引き渡し代行募集回答情報を入力(受信)する。具体的には、代行募集回答受信部67は、通信回線及び通信制御回路50を介して、引き渡し代行募集回答情報を受信する。運転代行者は、運転代行者端末104にインストールされた、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリに表示された引き渡し代行募集情報の項目をクリックし、内容を確認後、受諾する場合には、「受諾する」をクリックする。そして、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)及び通信アドレス(電話番号或いは/及びメールアドレス等)を入力し、確定枠「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した引き渡し代行募集回答情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。或いは、アプリから転代行者端末104にメールされた引き渡し代行募集情報に対して、受諾する旨、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)及び通信アドレスを記載して、返信するようにしても好適である。或いは、運転代行者端末104を使って、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトにアクセスして、同様の操作を行っても構わない。その他、報酬の支払い方を選択する項目がアプリ(或いはサイト)内に用意されていると好適である。例えば、現金書留、振込、或いは換金可能若しくは何か(物、或いはサービス)を購入時に支払可能なポイント加算(登録)等が選択されると好適である。
【0054】
代行募集回答解析工程として、代行募集回答解析部82は、引き渡し代行募集回答情報を解析する。例えば、受諾有無、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)、及び運転代行者端末104の電話番号或いは/及びメールアドレス等の情報が解析される。解析結果は、マッチング処理部88に出力される。
【0055】
マッチング処理工程として、マッチング処理部88は、都市部での車両利用に対して都市部ユーザと運転代行者と車両110とをマッチングする。具体的には、以下のように動作する。マッチング部68は、予約情報に定義された利用時間帯に都市部駐車場Pに停車する車両110が特定され、引き渡し代行募集回答情報に引き渡し運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両利用のマッチングが成立したものと判定する。一方、当日の代行作業時間帯の開始時刻までに受諾する旨の回答が無い場合には、マッチング不成立と判定する。
【0056】
マッチング結果情報作成工程として、マッチング結果情報作成部69は、マッチング結果として、マッチング成立の場合、都市部ユーザ向けに、都市部ユーザ名、引き渡しマッチング可否、利用日、利用時間帯、車両の引き渡し時刻、車両の引き渡し場所、車両ナンバー、及び引き渡し用の運転代行者名(或いは識別ID)が定義された都市部ユーザ向け引渡情報を作成する。同様に、運転代行者向けに、引き渡し用の運転代行者名(或いは識別ID)、引き渡しマッチング可否、代行日、代行作業時間帯、都市部駐車場Pの位置、車両ナンバー、引き渡し場所、都市部ユーザ名、及び報酬額が定義された運転代行者向け引渡情報を作成する。マッチング結果情報作成部69は、マッチング結果として、マッチング不成立の場合、都市部ユーザ向けに、都市部ユーザ名、引き渡しマッチング可否が定義された都市部ユーザ向け引取情報を作成する。
【0057】
マッチング結果情報出力工程として、マッチング結果情報出力部83は、通信制御回路50及び通信回線を介して、マッチング結果として、都市部ユーザ向け引渡情報を当該予約情報に対応する都市部ユーザ端末106に出力する。同様に、マッチング結果情報出力部83は、通信制御回路50及び通信回線を介して、マッチング結果として運転代行者向け引渡情報を運転代行者端末104に出力する。マッチング不成立の場合、都市部ユーザによる仮予約は解除される。
【0058】
運転代行者は、運転代行者端末104にて運転代行者向け引渡情報を受信した後、代行作業時間帯内に、指定された都市部駐車場Pに自転車、徒歩、若しくは公共交通機関で赴く。
【0059】
開錠情報出力工程として、都市部駐車場Pに到着すると、運転代行者端末104は、車両110のドアを開錠する開錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、運転代行者は、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「開錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した開錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0060】
開錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、運転代行者端末104からの開錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、運転代行者が運転代行する車両110の開錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に開錠コマンドを出力する。車載器112は、開錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠する。
【0061】
そして、運転代行者は、自転車で赴いた場合には、車両110のトランクに自転車を積んで、開錠された車両110に乗り込み、エンジンをかけ、車両110の運転代行を開始する。ここでは、運転代行者は、都市部駐車場Pから引渡時刻までに引き渡し場所まで、対象車両110を移動させる。例えば、車両110内でエンジンスタートボタンを押すことでエンジンがかかるようにしておけばよい。また、停める場合には、ストップボタンを押すことでエンジンが停止するようにしておけばよい。
【0062】
運転代行者は、対象車両110を代行運転して、目的地となる引き渡し場所に到着すると、エンジンを停止し、車両110から降り、トランクから自転車を取り出す。
【0063】
施錠情報出力工程として、運転代行者端末104は、車両110のドアを施錠する施錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、運転代行者は、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「施錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した施錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0064】
施錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、運転代行者端末104からの施錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、車両110の施錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に施錠コマンドを出力する。車載器112は、施錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを施錠する。
【0065】
そして、運転代行者は、対象車両110を対象となる都市部ユーザに引き渡す。車両110が引き渡された都市部ユーザは、次に以下の動作を行う。
【0066】
開錠情報出力工程として、都市部ユーザ端末106は、車両110のドアを開錠する開錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、都市部ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「開錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した開錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0067】
開錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、都市部ユーザ端末106からの開錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、対象車両110の開錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、対象車両110の車載器112に開錠コマンドを出力する。車載器112は、開錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠する。そして、都市部ユーザは、対象車両110の利用を開始する。また、都市部ユーザ端末106からの開錠情報は、実行判定部71に出力される。
【0068】
実行判定工程として、実行判定部71は、引き渡し実行完了情報を入力し、引き渡し実行完了情報に基づいて、運転代行者による対象車両110の引き渡し場所への移動が実行されたこと及び都市部ユーザへの当該車両110の引き渡しが実行されたことを判定する。具体的には、例えば、引き渡し実行完了情報として、都市部ユーザが車両を開錠するための開錠情報を用いる。言い換えれば、都市部ユーザ端末106からの開錠情報を受信した場合に、実行判定部71は、運転代行者による対象車両110の引き渡し場所への移動が実行されたこと及び都市部ユーザへの当該車両110の引き渡しが実行されたことを判定する。そして、引き渡し実行判定結果は、予約リスト作成部81に出力され、予約リスト作成部81は、平日予約リストの情報を書き換える。言い換えれば、平日予約リストの引き渡し実行有無の項目が、例えば、「有」或いは「完」と書き換えられる。
【0069】
上述した例では、引き渡し場所において、運転代行者が一旦施錠し、その後、改めて都市部ユーザが開錠するという動作を行っているがこれに限るものではない。引き渡し場所において、運転代行者は、エンジンをかけたまま、或いは、エンジンを停止するもドアを施錠しないまま、都市部ユーザに車両110を引き渡しても構わない。かかる場合、このままでは、サービスサーバ装置100にて引き渡しの実行有無が判断できない。その場合、運転代行者端末104或いは/及び都市部ユーザ端末106から、引き渡し実行が完了したことを示す引き渡し実行完了報告をサービスサーバ装置100に出力すればよい。実行判定部71は、引き渡し実行完了報告を受信することで、引き渡しが実行されたことを判定することができる。
【0070】
図7は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
図7では、デリバリー型カーシェアリング支援方法の各工程のうち、日中の時間帯における工程の残部について説明する。以降の工程は後述する。
【0071】
トラッキング工程として、都市部ユーザによる車両110の利用中において、車両110のエンジンがかかっている間、車載器112に搭載されたGPS装置により車両110の位置は測位され、車載器112は、トラッキング情報として、車両110の位置情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。サービスサーバ装置100内では、トラッキング情報受信部56が、通信制御回路50及び通信回線を介して、車載器112からのトラッキング情報を受信し、位置判定部57は、受信されたトラッキング情報を使って、車両110の現在の位置を判定する。
【0072】
都市部ユーザは車両110の利用開始後、引き取り場所到着前の段階で何らかの原因、或いは自主的に、予約情報の内容を変更したい場合、予約変更情報出力工程として、都市部ユーザ端末106は、変更された予約情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力しても良い。或いは、変更が無くても、いわゆる帰るコールとして、都市部ユーザ端末106は、引き取り場所への到着時刻を含む予約情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力すると好適である。かかる場合、予約変更情報受信工程として、サービスサーバ装置100内の予約(変更)情報受信部58は、都市部ユーザ端末106から通信回線を介して変更された予約情報、例えば、利用終了時刻の変更を希望する変更情報を受信する。例えば、利用終了時刻、及び/或いは引き取り場所の変更等が挙げられる。可否判定工程として、可否判定部59は、他の都市部ユーザ端末106からの予約情報に基づいて、受信された変更情報に示された内容、例えば、利用終了時刻、の容認可否を判定する。具体的には、可否判定部59は、平日予約リストを参照して、当初の引き取り後の予定(例えば他の都市部ユーザ端末106からの予約)に影響が無いかどうかを判定する。影響がある場合、変更否と判定される。影響がない場合、変更可と判定される。そして、可否判定情報出力工程として、可否判定情報出力部60は、通信制御回路50及び通信回線を介して、予約変更情報を発信した都市部ユーザ端末106に、可否判定情報を出力する。可否判定結果が可であった場合、可であることを示すコメント等の情報が出力される。他方、可否判定結果が否であった場合、否であること、及び当初の予約情報の内容を守るように、都市部ユーザに促すコメントが出力される。また、可否判定結果が可であった場合、変更内容が予約リスト作成部81に出力され、予約リスト作成部81は、平日予約リストの情報を書き換える。
【0073】
代行募集情報作成工程として、代行募集情報作成部65は、予約情報に定義された引き取り場所で都市部ユーザが使用している車両110を引き取り、都市部駐車場Pに移動させる引き取り運転代行者を募集する引き取り代行募集情報を作成する。引き取り代行募集情報には、代行日、代行作業時間帯、都市部駐車場Pの位置、引き取り場所、及び報酬額が定義され、運転代行してくれる方を募集する旨、及び自転車、徒歩、若しくは公共交通機関で対象車両まで移動する必要がある旨等のコメントが定義される。代行作業時間帯の開始時刻として、当日の対象車両110の利用時間の最終時刻(引き取り時刻)が用いられると好適である。或いは、GPS機能によるトラッキングにより測位された現在の対象車両110の位置から引き取り場所までにかかる時間を現在の時刻に加算した時刻を用いても良い。或いは、測位された対象車両110の位置を考慮した時刻が、対象車両110の利用時間の最終時刻よりも早い場合には、対象車両110の利用時間の最終時刻とし、遅い場合には測位された対象車両110の位置を考慮した時刻を用いるとさらに好適である。例えば、渋滞等で遅くなることもあり得る。その場合には、GPS機能で測位した情報が役に立つ。代行作業時間帯の終了時刻として、次の利用予定開始時刻からデリバリー時間を差し引いた時刻が用いられると好適である。
また、複数の都市部駐車場が用意される場合、運転代行者が車両の引き渡しの場合に車両110を移動させる都市部駐車場P1と、車両110の引き取りの場合に車両110を移動させる都市部駐車場P2とが異なる場合もあり得る。例えば、次の予約の引き渡し場所によっては、都市部駐車場を変更した方が引き渡し場所に近くなる場合もあり得る。かかる場合、現在の引き取り時における都市部駐車場を変更すると好適である。
【0074】
引き取り代行募集情報出力工程として、代行募集情報出力部66は、作成された引き取り代行募集情報を出力する。具体的には、代行募集情報出力部66は、通信制御回路50及び通信回線を介して、引き取り代行募集情報を出力する。例えば、少なくとも1人の運転代行者が予め登録されている場合には、登録された運転代行者の運転代行者端末104に出力される。運転代行者は、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリ(アプリケーションソフトウェア)を自身の運転代行者端末104にダウンロード及びインストールしておき、アプリに引き取り代行募集情報の内容が表示される。或いは、アプリがインストールされた運転代行者端末104に引き取り代行募集情報がメールされるようにしても好適である。或いは、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトに引き取り代行募集情報の内容が表示される。運転代行者を登録制にしない場合、広く、一般人の中から引き取りの運転代行が募集されると好適である。引き取り代行募集情報の出力は、当日の代行作業時間帯の開始時刻の数10分前、或いは1~3時間程度前に実施されると好適である。あまり前の時点で募集すると、実施段階になって何らかの理由で実施されない場合が生じ得る。よって、できるだけ、当日の代行作業時間帯の開始時刻に近い段階で募集した方が確実に実施されるので好適である。
【0075】
引き取り代行募集回答情報受信工程として、代行募集回答受信部67は、運転代行を行う運転代行者の運転代行者端末104から通信回線を介して引き取り代行募集情報に対する回答を示す引き取り代行募集回答情報を入力(受信)する。具体的には、代行募集回答受信部67は、通信回線及び通信制御回路50を介して、引き取り代行募集回答情報を受信する。運転代行者は、運転代行者端末104にインストールされた、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリに表示された引き取り代行募集情報の項目をクリックし、内容を確認後、受諾する場合には、「受諾する」をクリックする。そして、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)及び通信アドレス(電話番号或いは/及びメールアドレス等)を入力し、確定枠「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した引き取り代行募集回答情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。或いは、アプリから転代行者端末104にメールされた引き取り代行募集情報に対して、受諾する旨、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)及び通信アドレスを記載して、返信するようにしても好適である。或いは、運転代行者端末104を使って、インターネットを介してアクセス可能な、サービス運営機関が立ち上げたサイトにアクセスして、同様の操作を行っても構わない。その他、報酬の支払い方を選択する項目がアプリ(或いはサイト)内に用意されていると好適である。例えば、現金書留、振込、或いは換金可能若しくは何か(物、或いはサービス)を購入時に支払可能なポイント加算(登録)等が選択されると好適である。
【0076】
代行募集回答解析工程として、代行募集回答解析部82は、引き取り代行募集回答情報を解析する。例えば、受諾有無、運転代行者自身の氏名(或いは識別ID)、及び運転代行者端末104の電話番号或いは/及びメールアドレス等の情報が解析される。解析結果は、マッチング処理部88に出力される。
【0077】
マッチング処理工程として、マッチング処理部88は、都市部での車両利用に対して都市部ユーザと運転代行者と車両110とをマッチングする。具体的には、以下のように動作する。マッチング部68は、引き取り代行募集回答情報に引き取り運転代行を受諾することを示す情報が定義されていた場合に、都市部での車両引き取りのマッチングが成立したものと判定する。一方、当日の代行作業時間帯の開始時刻までに受諾する旨の回答が無い場合には、マッチング不成立と判定する。
【0078】
マッチング結果情報作成工程として、マッチング結果情報作成部69は、マッチング結果として、マッチング成立の場合、都市部ユーザ向けに、都市部ユーザ名、引き取りマッチング可否、利用日、利用時間帯、車両の引き取り時刻、車両の引き取り場所、車両ナンバー、及び引き取り用の運転代行者名(或いは識別ID)が定義された都市部ユーザ向け引取情報を作成する。同様に、運転代行者向けに、引き取り用の運転代行者名(或いは識別ID)、引き取りマッチング可否、代行日、代行作業時間帯、都市部駐車場Pの位置、車両ナンバー、引き取り場所、都市部ユーザ名、及び報酬額が定義された運転代行者向け引取情報を作成する。マッチング結果情報作成部69は、マッチング結果として、マッチング不成立の場合、都市部ユーザ向けに、都市部ユーザ名、引き取りマッチング可否、及び引き取り場所の近くの指定駐車場の場所が定義された都市部ユーザ向け引取情報を作成する。予め用意された複数の都市部駐車場Pの中から引き取り場所に最も近くの空いている駐車場を選択する。
【0079】
マッチング結果情報出力工程として、マッチング結果情報出力部83は、通信制御回路50及び通信回線を介して、マッチング結果として、都市部ユーザ向け引取情報を当該予約情報に対応する都市部ユーザ端末106に出力する。同様に、マッチング結果情報出力部83は、通信制御回路50及び通信回線を介して、マッチング結果として運転代行者向け引取情報を運転代行者端末104に出力する。
【0080】
運転代行者は、運転代行者端末104にて運転代行者向け引取情報を受信した後、代行作業時間帯内に、指定された引き取り場所に自転車、徒歩、若しくは公共交通機関で赴く。そして、都市部ユーザが、引き取り場所に到着すると、運転代行者は、都市部ユーザから対象車両110を引き取る。そして、運転代行者は、トランクに自転車を積んで、指定された都市部駐車場へと車両110を移動させる。
【0081】
なお、引き取りマッチングが不成立の場合、都市部ユーザには、引取情報に定義された駐車場まで車両110を移動してもらうことになる。そして、かかる駐車場で車両110を乗り捨てることができる。
【0082】
運転代行者は、対象車両110を代行運転して、目的地となる指定された都市部駐車場Pに到着すると、エンジンを停止し、車両110から降り、トランクから自転車を取り出す。
【0083】
施錠情報出力工程として、運転代行者端末104は、車両110のドアを施錠する施錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、運転代行者は、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「施錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した施錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0084】
施錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、運転代行者端末104からの施錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、車両110の施錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に施錠コマンドを出力する。車載器112は、施錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを施錠する。また、運転代行者端末104からの開錠情報は、実行判定部71に出力される。
【0085】
なお、引き取りマッチングが不成立の場合、施錠情報は、都市部ユーザ端末106から通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。そして、開錠/施錠情報受信部72が施錠情報を受信し、コマンド処理部73が車両110の施錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に施錠コマンドを出力する。車載器112は、施錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを施錠する。
【0086】
実行判定工程として、実行判定部71は、引き取り実行完了情報を入力し、引き取り実行完了情報に基づいて、都市部ユーザからの当該車両110の引き取りが実行されたこと及び運転代行者による車両110の都市部駐車場への移動が実行されたことを判定する。具体的には、例えば、引き取り実行完了情報として、運転代行者が車両110を施錠するための施錠情報を用いる。言い換えれば、運転代行者端末104からの施錠情報を受信した場合に、実行判定部71は、都市部ユーザからの当該車両110の引き取りが実行されたこと及び運転代行者による車両110の都市部駐車場への移動が実行されたことを判定する。そして、引き取り実行判定結果は、予約リスト作成部81に出力され、予約リスト作成部81は、平日予約リストの情報を書き換える。言い換えれば、平日予約リストの引き取り実行有無の項目が、例えば、「有」或いは「完」と書き換えられる。
【0087】
ここで、運転代行者は、都市部ユーザから対象車両110を引き取る際に、対象車両110に傷等が無いか確認すると好適である。傷等があれば、都市部ユーザから対象車両110を引き取った後に、まずは、サービスステーションに立ち寄り、修理する。その上で、都市部駐車場に戻すと好適である。また、運転代行者は、都市部ユーザから対象車両110を引き取る際に、対象車両110の動力源(例えば、ガソリン等)が不足していないかどうかを確認すると好適である。動力源(例えば、ガソリン等)が不足している場合、都市部ユーザから対象車両110を引き取った後に、まずは、サービスステーションに立ち寄り、動力源を補充する。その上で、都市部駐車場に戻すと好適である。
【0088】
図8は、実施の形態1におけるデリバリー型カーシェアリング支援方法の要部工程の一例の他の一部を示すフローチャート図である。
図8では、デリバリー型カーシェアリング支援方法の各工程のうち、夕方の通勤時間帯における工程について説明する。
【0089】
図8において、帰路予定情報作成工程として、帰路予定情報作成部86は、通勤ユーザの本日の帰路の通勤予定情報(帰路予定情報)を作成する。帰路予定情報には、例えば、通勤ユーザのユーザID、カーシェアリングの対象となる車両110の車両番号、利用時間、郊外駐車場の場所、及び都市部駐車場の場所が挙げられる。日によっては、日中の都市部ユーザによる利用内容の予期しない変更により都市部駐車場への返却時刻が遅れる場合があり得る。また、日中の都市部ユーザによる利用内容の予期しない変更により返却される都市部駐車場が異なる場合があり得る。そのため、当日の利用開始時刻、及び都市部駐車場の場所について、最新の情報が定義された帰路予定情報を作成する。
【0090】
帰路予定情報出力工程として、帰路予定情報出力部87は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102に、当日の帰路予定情報を出力する。
【0091】
通勤ユーザは、通勤ユーザ端末102に受信した帰路予定情報を参照し、指定された都市駐車場に赴く。
【0092】
開錠情報出力工程として、当日、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)は、車両110のドアを開錠する開錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、通勤ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「開錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した開錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0093】
開錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102からの開錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、通勤ユーザ端末102の通勤ユーザが利用する車両110の開錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に開錠コマンドを出力する。車載器112は、開錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠する。
【0094】
そして、通勤ユーザは、開錠された車両110に乗り込み、エンジンをかけ、車両110の利用を開始する。ここでは、通勤ユーザは、通勤手段として、都市部駐車場Pから、郊外駐車場P’へと車両110を移動させる。例えば、車両110内でエンジンスタートボタンを押すことでエンジンがかかるようにしておけばよい。また、停める場合には、ストップボタンを押すことでエンジンが停止するようにしておけばよい。
【0095】
トラッキング工程として、車両110のエンジンがかかっている間、車載器112に搭載されたGPS装置により車両110の位置は測位され、車載器112は、トラッキング情報として、車両110の位置情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。サービスサーバ装置100内では、トラッキング情報受信部56が、通信制御回路50及び通信回線を介して、車載器112からのトラッキング情報を受信し、位置判定部57は、受信されたトラッキング情報を使って、車両110の現在の位置を判定する。
【0096】
施錠情報出力工程として、当日の目的地となる郊外駐車場P’に到着すると、通勤ユーザがエンジンを停止して、車両110から降りた段階で、通勤ユーザ端末102(郊外在住ユーザ端末)は、車両110のドアを施錠する施錠情報を、通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力する。具体的には、通勤ユーザは、例えば、サービス運営機関から供給されるアプリの画面から「施錠する」を選択し、「OK」をクリックする。これにより、アプリ上で確定した施錠情報が通信回線を介してサービスサーバ装置100に出力される。
【0097】
施錠工程として、開錠/施錠情報受信部72は、通信制御回路50及び通信回線を介して、通勤ユーザ端末102からの施錠情報を受信する。次に、コマンド処理部73は、通勤ユーザ端末102の通勤ユーザが利用する車両110の施錠コマンドを作成する。そして、開錠/施錠コマンド出力部74は、通信制御回路50及び通信回線を介して、車両110の車載器112に施錠コマンドを出力する。車載器112は、施錠コマンドを受信し、車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを施錠する。そして、通勤ユーザは、自身の職場へと出勤することになる。
【0098】
以上により、平日の例えば夕方に車両110が都市部駐車場Pから郊外駐車場P’へと移動され、夜間は、郊外駐車場P’に車両110が駐車することになる。
【0099】
その他、休日は、通勤ユーザの通勤も無ければ、日中の都市部ユーザによる商用利用も考えにくい。そこで、休日は、休日ユーザの利用の予約を受け付ける。かかる場合、予約(変更)情報受信部58は、休日ユーザの休日ユーザ端末108から予約情報を受信する。そして、予約リスト作成部81は、休日予約リストに登録する。休日ユーザは、夜間駐車している郊外駐車場P’から出発し、同じ郊外駐車場P’に返却するため、運転代行は必要ない。よって、マッチング処理も不要となる。
【0100】
サービスサーバ装置100では、運転代行者が、車両110の引き取り後にサービスステーションに車両110の修理若しくは給油に立ち寄る場合、運転代行者端末104からその旨の連絡を受け、サービスステーション端末109に車両110の修理若しくは給油を行う情報を出力すると好適である。これにより、サービスステーションでは、車両110の修理若しくは給油の準備ができ、短時間で作業を実行することができる。その結果、日中における次の予約への影響を低減できる。
【0101】
以上のように、実施の形態1によれば、カーシェアリングサービスにおいて、利用者のさらなる利便性の向上を図ることができる。また、カーシェアリングサービスにおいて、さらに稼働率を上げることができる。
【0102】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、上述した例では、通勤ユーザ端末102、運転代行者端末104、或いは都市部ユーザ端末106からの開錠情報(或いは施錠情報)に基づいてサービスサーバ装置100から開錠コマンド(或いは施錠コマンド)を車載器112に出力し、車載器112が車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠(或いは施錠)する場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、通勤ユーザ端末102、運転代行者端末104、或いは都市部ユーザ端末106がアプリを使って車両110の図示しない制御回路を操作して車両110のドアを開錠(或いは施錠)し、その結果を車載器112がサービスサーバ装置100に出力するようにしても好適である。
【0103】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0104】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのデリバリー型カーシェアリング支援装置及びデリバリー型カーシェアリング支援方法は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0105】
50 通信制御回路
51 メモリ
52 通勤予定(変更)情報受信部
54 可否判定部
55 可否判定情報出力部
56 トラッキング情報受信部
57 位置判定部
61 都市部利用判定部
62 予約情報処理部
58 予約(変更)情報受信部
59 可否判定部
60 可否判定情報出力部
81 予約リスト作成部
63 車両/駐車場特定部
64 代行募集情報処理部
65 代行募集情報作成部
66 代行募集情報出力部
67 代行募集回答受信部
82 代行募集回答解析部
88 マッチング処理部
68 マッチング部
69 マッチング結果情報作成部
83 マッチング結果情報出力部
71 実行判定部
72 開錠/施錠情報受信部
73 コマンド処理部
74 開錠/施錠コマンド出力部
86 帰路予定情報作成部
87 帰路予定情報出力部
100 サービスサーバ装置
102 通勤ユーザ端末
104 運転代行者端末
106 都市部ユーザ端末
108 休日ユーザ端末
109 サービスステーション端末
110 車両
112 車載器
200 デリバリー型カーシェアリング支援システム