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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20240129BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240129BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/81
A61Q5/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019187359
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021063027
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大石 祐作
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-089372(JP,A)
【文献】特開2015-209392(JP,A)
【文献】特開2019-064932(JP,A)
【文献】特開2003-277242(JP,A)
【文献】特開2014-125476(JP,A)
【文献】特開2017-193515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して1.5~3.0質量%、
(B)25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して0.8~2.0質量%、
(C)25℃での動粘度が10000000cSt以上のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して1.5~3.0質量%
含むことを特徴とする毛髪化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)は25℃での動粘度が5cSt以上1000cSt以下のジメチルポリシロキサンである請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)は25℃での動粘度が10000cSt以上100000cSt以下のジメチルポリシロキサンである請求項1または請求項2に記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
さらに、下記一般式(1)を有する成分(D)を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【化1】

(上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、n1は他の構成単位とのモル比を表す。)
【請求項5】
前記成分(D)がポリクオタニウム-107である、請求項4に記載の毛髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指通り良くしっとりまとまる仕上がりとべたつきのなさを両立する毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
女性のヘアスタイルの流行に伴ってカラーリングやパーマ処理を行う機会が多くなっている。その結果、ダメージケア市場が活況していることからもわかるように、消費者の毛髪ダメージへの意識が高まっており、ヘアトリートメントやヘアマスクなど、ダメージケアに特化した仕上がりを提供する製剤が市場に増加している。その一方で、近年はナチュラルなヘアスタイルがトレンドとなっており、毛髪へのダメージケアを十分に行いながらも、べたつきのない仕上がりが求められている。
【0003】
このような消費者のニーズに応えるために特許文献1では、2-[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル-2-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート50~95モル%と2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド5~50モル%との共重合体を所定の含有量で含むことにより、毛髪に滑り性、しっとり感、まとまりを付与する毛髪用化粧料が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、高分子量ジメチルポリシロキサン、シリコーン油、環状シリコーンおよび/または揮発性鎖状シリコーンを含有することにより、べとつきなく毛髪に光沢やなめらかさ、しなやかさを付与する毛髪処理組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-189678号公報
【文献】特開2004-161752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、毛髪に被膜が形成されすぎてしまうことでべたつきが残るという不満が生じるものであった。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明は、十分なしっとり感を得られないという不満を生じるものであった。
【0008】
そのため更に、べとつきのなさと指通り良くしっとりまとまる仕上がりを両立した製品の提案が求められていた。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、指通りよくしっとりまとまる仕上がりを与えつつべとつきがない毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、
(A)25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサン、
(B)25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサン、
(C)25℃での動粘度が1000000cSt以上のジメチルポリシロキサン
を所定の含有量で配合することで、本課題を解決する毛髪化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
第一の発明は、
(A)25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して1.0~3.0質量%、
(B)25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して0.8~2.0質量%、
(C)25℃での動粘度が1000000cSt以上のジメチルポリシロキサンを毛髪化粧料全体の質量に対して1.5~3.0質量%
含むことを特徴とする毛髪化粧料である。
【0012】
第二の発明は、成分(A)の25℃での動粘度が5cSt以上1000cSt以下である第一の発明に記載の毛髪化粧料である。
【0013】
第三の発明は、成分(B)の25℃での動粘度が10000cSt以上100000cSt以下である第一の発明、または第二の発明のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【0014】
第四の発明は、さらに、下記一般式(1)を有する成分(D)を含む第一乃至第三の発明のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
【化1】

(上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、n1は他の構成単位とのモル比を表す。)
【0015】
第五の発明は、成分(D)がポリクオタニウム-107である第四の発明に記載の毛髪化粧料である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記成分(A)、(B)および(C)を所定の含有量で含むことにより、毛髪の乾燥時に指通り良くしっとりまとまる仕上がりを与えつつべとつきがない毛髪化粧料を提供することができる。好ましくは、さらに上記式(1)を有する成分(D)を含むことで、より指通りの良い仕上がりとなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
<毛髪化粧料>
本発明の毛髪化粧料は、(A)25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサン、(B)25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサン、(C)25℃での動粘度が1000000cSt以上のジメチルポリシロキサンを所定の含有量で配合することで、本課題を解決する毛髪化粧料を提供するものである。
【0019】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等に用いることが出来る。また、本発明の毛髪化粧料は、常法により製造することができる。
【0020】
以下、本発明の毛髪化粧料における各成分について詳細に説明する。
【0021】
<成分(A) 25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサン>
本発明の毛髪化粧料で用いられる成分(A)は常温・常圧で実質的に揮発性を示さない範囲の低粘度のシリコーン油である。成分(A)は、B型粘度計で25℃での動粘度が5cSt以上10000cSt未満のジメチルポリシロキサンであり、より好ましくは、動粘度が5以上1000cSt以下のジメチルポリシロキサンである。本発明において成分(A)は、毛髪の乾燥時の指通りの良い仕上がりに寄与する成分として用いられる。また、成分(A)は市販のものを用いてもよい。
【0022】
成分(A)の配合量は、本発明の毛髪化粧料全体の質量に対して1.0~3.0質量%であり、2.0~3.0質量%であることが好ましい。1.0質量%未満であると毛髪が絡まりやすく指通りが悪くなり、3.0質量%より多いとべたつきが生じる。
【0023】
<成分(B) 25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサン>
成分(B)は、B型粘度計で25℃での動粘度が10000cSt以上1000000cSt未満のジメチルポリシロキサンであり、より好ましくは、動粘度が10000cSt以上100000cSt以下のジメチルポリシロキサンである。本発明において成分(B)は、毛髪の乾燥時の指通り良くまとまる仕上がりに寄与する成分として用いられる。また、成分(B)は市販のものを用いてもよい。
【0024】
成分(B)の配合量は、本発明の毛髪化粧料全体の質量に対して0.8~2.0質量%であり、1.0~1.7質量%であることが好ましい。0.8質量%未満であると指通りとまとまり感が不十分であり、2.0質量%より多いとべたつきが生じる。
【0025】
<成分(C) 25℃での動粘度が1000000cSt以上の高重合ジメチルポリシロキサン>
成分(C)は、B型粘度計で25℃での動粘度が1000000cSt以上の高重合ジメチルポリシロキサンである。本発明において成分(C)は毛髪の乾燥時のしっとりまとまる仕上がりに寄与する成分として用いられる。また、成分(C)は市販のものを用いてもよい。
【0026】
成分(C)の配合量は、本発明の毛髪化粧料全体の質量に対して1.5~3.0質量%であり、1.5~2.5質量%であることが好ましい。1.5質量%未満であるとしっとりまとまる仕上がりが不十分となり、3.0質量%より多いとべたつきが生じる。
【0027】
したがって、本発明の毛髪化粧料は、上記特定の成分(A)、成分(B)および成分(C)を上記特定の配合量で組み合わせることにより、べたつかずに指通り良くしっとりまと
まる仕上がりが実現される。
【0028】
<成分(D) 一般式(1)のホスホリルコリン基を有する重合体>
また、本発明の毛髪化粧料においては上記成分(A)~(C)に加え、さらに成分(D)を含有することにより、毛髪の乾燥時によりつる感を与え、指通りをより良好にすることが出来る。
【0029】
本発明の毛髪化粧料に使用する成分(D)ホスホリルコリン基を含有する重合体は、下記一般式(1)で表されるホスホリルコリン基を含有する重合体である。このホスホリルコリン基としては、2‐メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリンであることが好ましい。このホスホリルコリン基を含有する重合体は、必要に応じて2種以上のホスホリルコリン基が組み合わされて含有するものでも良い。
【化2】

(上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、n1は他の構成単位とのモル比を表す。)
【0030】
また、上記ホスホリルコリン基を含有する重合体には、下記一般式(2)で表されるカチオン性基や、下記一般式(3)で表される疎水性基を含有することが好ましい。
【化3】

【化4】

(上記式(2)及び(3)中、R2及びR5は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R6は炭素数12~24の一価の炭化水素基を表し、mは1~3の整数を表し、n2及びn3は他の構成単位とのモル比を表す。)
【0031】
上記ホスホリルコリン基を含有する重合体は、様々な方法で作成することができる。例えば、一般式(1)で表される単量体を初めとする組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスでの置換または雰囲気においてラジカル重合、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法により行うことができる。精製等の観点から好ましくは溶液重合が挙げられる。ホスホリルコリン基を含有する重合体の精製は、再沈殿法、透析法、限外濾過法など一般的な精製方法により行うことができる。また、これらを含有する重合体が市販されており、それらを用いても良い。特に一般式(1)、(2)及び(3)の単量体を含む組成物が、ポリクオタニウム-107として販売されており、これを用いることが好ましい。
【0032】
<その他の成分>
本発明の毛髪化粧料は上記の成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常毛髪化粧料に一般的に配合される他の成分を目的に応じて配合することができる。
【0033】
そのような成分としては、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤;カチオン化セルロース、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)等の高分子化合物;ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸;セバシン酸ジエチル、ネオペンタン酸イソデシル、白色ワセリン等の油剤;低重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等25℃10000cSt未満のシリコーン類(上記成分(A)~(C)に係るシリコーンを除く);ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ成分;エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;乳酸、クエン酸等の有機酸;その他紫外線吸収剤、防腐剤、糖類、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤、水等が挙げられる。
【実施例
【0034】
次に本発明の毛髪化粧料について実施例および比較例を例示することにより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。まず、各実施例および比較例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0035】
(1)乾燥時の毛髪の指通り
<試験・評価法>
表1および2の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた。
【0036】
上記処理後の毛髪の指通り(毛髪に指を通したときの摩擦感)について、10名の訓練された専門パネルが下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪の指通りを判定した。
【0037】
<評価基準>
5点:毛髪に指を通したとき、摩擦なく指が滑る
4点:毛髪に指を通したとき、やや重さを感じる
3点:毛髪に指を通したとき、一部引っ掛かりを感じる
2点:毛髪に指を通したとき、髪全体に引っ掛かりを感じる
1点:毛髪に指を通したとき、指が滑らない
【0038】
<スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0039】
(2)乾燥時の毛髪のしっとり感
<試験・評価法>
表1および2の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた。
【0040】
上記処理後の毛髪のしっとり感(毛髪を摘んだときの水を含んだような冷たい感覚)について、10名の訓練された専門パネルが下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪のしっとり感を判定した。
【0041】
<評価基準>
5点:毛髪を摘んだ時に冷たく、非常に強いしっとり感を感じる
4点:毛髪を摘んだ時に冷たく、強いしっとり感を感じる
3点:毛髪を摘んだ時に冷たいが、しっとり感がやや弱い
2点:毛髪を摘んだ時に冷たさをほとんど感じず、しっとり感をほとんど感じない
1点:毛髪を摘んだ時に冷たさを感じず、しっとり感を全く感じない
【0042】
<スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0043】
(3)乾燥時の毛髪のまとまり感
<試験・評価法>
表1および2の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた。
【0044】
上記処理後の毛髪のまとまり感について、10名の訓練された専門パネルが下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪のまとまり感を判定した。
【0045】
<評価基準>
5点:毛髪がまとまっている
4点:毛髪がやや散らかるが、すぐに手櫛でまとまらせることができる
3点:毛髪が散らかるが、すぐに手櫛でまとまらせることができる
2点:毛髪が散らかり、手櫛でもなかなかまとまらせることができない
1点:激しく毛髪が散らかり、手櫛でもなかなかまとまらせることができない
【0046】
<スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0047】
(4)乾燥時の毛髪のべたつきのなさ
<試験・評価法>
表1および2の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた。
【0048】
上記処理後の毛髪のべたつきのなさ(水分感と油分感のバランスが取れている感覚)について、10名の訓練された専門パネルが下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪のべたつきのなさを判定した。
【0049】
<評価基準>
5点:べたつきが全く無く、水分感と油分感のバランスが取れている
4点:べたつきは無いが、やや水分感と油分感のバランスが崩れている
3点:べたつきは無いが、水分感と油分感のバランスが崩れている
2点:ややべたつき、水分感と油分感のバランスが崩れている
1点:かなりべたつき、著しく水分感と油分感のバランスが崩れている
【0050】
<スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0051】
実施例1~25及び比較例1~6(ヘアリンス)
表1および2に記載の配合組成によるヘアリンスを調整し、乾燥後の毛髪の仕上がりのしっとり感、仕上がりのまとまり、仕上がりの指通り、仕上がりのべたつきのなさについて調べ、その結果も表1に示した。
【0052】

【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表1および2から明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~25のヘアリンスは、比較例1~6の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0055】
以下、本発明の毛髪化粧料のその他の処方例を実施例26~31として挙げる。なお、実施例26~31の毛髪化粧料についても、上記の使用後の乾燥時の毛髪の仕上がりのしっとり感、仕上がりのまとまり、仕上がりの指通り、仕上がりのべたつきの無さの各項目を検討したところ、いずれの実施例においても優れた特性を有しており良好であった。
【0056】
【表3】
【0057】
(製法)(1)~(4)、(6)~(16)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(22)に(20)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(5)、(17)~(19)、(21)を添加し、室温まで冷却して、ヘアコンディショナーを調製した。
【0058】
【表4】
【0059】
(製法)(1)~(10)、(13)~(17)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(24)に(22)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(11)、(12)、(18)~(21)、(23)を添加し、室温まで冷却して、ヘアコンディショナーを調製した。
【0060】
【表5】
【0061】
(製法)(1)~(12)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(22)に(20)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(13)~(19)、(21)を添加し、室温まで冷却して、ヘアトリートメントを調製した。
【0062】
【表6】
【0063】
(製法)(1)~(11)、(20)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(26)に(21)、(22)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(12)~(19)、(23)~(25)を添加し、室温まで冷却して、ヘアトリートメントを調製した。
【0064】
【表7】
【0065】
(製法)(1)~(10)、(12)~(20)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(24)に(22)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(11)、(21)、(23)を添加し、室温まで冷却して、ヘアパックを調製した。
【0066】
【表8】
【0067】
(製法)(1)~(10)、(13)、(14)、(19)、(20)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(31)に(24)~(27)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(11)、(12)、(15)~(18)、(21)~(23)、(28)~(30)を添加し、室温まで冷却して、ヘアパックを調製した。