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特許7427425プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20240129BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20240129BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20240129BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20240129BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/537
A63F13/56
A63F13/822
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019200852
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021074046
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-09-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年9月12日 東京ゲームショウにおいて、WEBサイト、発表会で発表のほか、同年9月12日~10月24日に掛け、WEBサイトで発表。詳細は、同年11月15日付けの新規性の喪失の例外証明書提出書に記載のとおり。
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高井 航
(72)【発明者】
【氏名】中川 みなみ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-057712(JP,A)
【文献】特開2019-42139(JP,A)
【文献】R.U.S.E. Review,GameSpot,2010年09月13日,URL: <https://www.gamespot.com/reviews/ruse-review/1900-6275794/>,[令和5年7月7日検索日]
【文献】R.U.S.E. (TM) gameplay HD,YouTube,2010年09月08日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=yhb8HZdx-WY>,[令和5年7月3日検索日]
【文献】TUTORIAL 1 | Interface and Gameplay Options - Steel Division 2 tutorial,YouTube,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=YjL2QJHfd_c>,[令和5年7月3日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ゲームの仮想平面の表示の拡大率が第1拡大率の場合、第1勢力の第1キャラクタを第1場所に表示させ、前記第1勢力の第2キャラクタを第2場所に表示させる第1表示処理と、
前記拡大率が前記第1拡大率よりも小さい第2拡大率の場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第1キャラクタを表示させる第2表示処理と、
を実行させ
前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタは異なる人物であり、
前記第1表示処理では、前記第1キャラクタのオブジェクトを前記第1場所に表示させ、前記第2キャラクタのオブジェクトを前記第2場所に表示させ、
前記第2表示処理では、前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力、及び前記第2キャラクタの能力と、前記第2拡大率とに応じ、前記第1キャラクタの能力及び前記第2キャラクタの能力が高い程大きくした大きさで、前記第1キャラクタのオブジェクトを表示させる、
プログラム。
【請求項2】
前記第1キャラクタのオブジェクトは、前記第1キャラクタの画像、アイコン、及び3Dモデルのいずれかであり、
前記第2キャラクタのオブジェクトは、前記第2キャラクタの画像、アイコン、及び3Dモデルのいずれかである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2表示処理では、前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力と、前記第2キャラクタの能力との合計に応じた情報を、前記第1キャラクタに対応付けて表示させる、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力には、前記ゲームにおいて前記第1キャラクタが率いる部隊の兵士数、及び前記ゲームにおける前記第1キャラクタ自身の能力の少なくとも一方が含まれる、
請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2表示処理では、前記第1場所と前記第2場所との距離が、前記第2拡大率に応じた閾値以下である場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第1キャラクタを表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2表示処理では、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第2キャラクタよりも前記ゲームにおける能力が高い前記第1キャラクタを表示させる、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記拡大率が前記第2拡大率である際に、前記ゲームの仮想平面の第3場所に前記第1キャラクタを移動させる操作がユーザにより行われた場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタを、前記第3場所に向けて移動させる処理を実行する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記移動させる処理では、前記第1キャラクタに応じた移動速度で前記第1キャラクタを移動させ、前記第2キャラクタに応じた移動速度で前記第2キャラクタを移動させ、
前記第1キャラクタが前記第3場所に先に到着している場合、前記第2キャラクタを前記第3場所に応じた場所に移動させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
情報処理装置が、
ゲームの仮想平面の表示の拡大率が第1拡大率の場合、第1勢力の第1キャラクタを第1場所に表示させ、前記第1勢力の第2キャラクタを第2場所に表示させる第1表示処理と、
前記拡大率が前記第1拡大率よりも小さい第2拡大率の場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第1キャラクタを表示させる第2表示処理と、
を実行し
前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタは異なる人物であり、
前記第1表示処理では、前記第1キャラクタのオブジェクトを前記第1場所に表示させ、前記第2キャラクタのオブジェクトを前記第2場所に表示させ、
前記第2表示処理では、前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力、及び前記第2キャラクタの能力と、前記第2拡大率とに応じ、前記第1キャラクタの能力及び前記第2キャラクタの能力が高い程大きくした大きさで、前記第1キャラクタのオブジェクトを表示させる、
情報処理方法。
【請求項10】
ゲームの仮想平面の表示の拡大率が第1拡大率の場合、第1勢力の第1キャラクタを第1場所に表示させ、前記第1勢力の第2キャラクタを第2場所に表示させる第1表示処理と、
前記拡大率が前記第1拡大率よりも小さい第2拡大率の場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第1キャラクタを表示させる第2表示処理と、
を実行し、
前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタは異なる人物であり、
前記第1表示処理では、前記第1キャラクタのオブジェクトを前記第1場所に表示させ、前記第2キャラクタのオブジェクトを前記第2場所に表示させ、
前記第2表示処理では、前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力、及び前記第2キャラクタの能力と、前記第2拡大率とに応じ、前記第1キャラクタの能力及び前記第2キャラクタの能力が高い程大きくした大きさで、前記第1キャラクタのオブジェクトを表示させる、
制御部を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータゲーム等において、ゲームの仮想平面(マップ、ステージ)にキャラクタ(軍勢、部隊)を表示させ、ユーザの操作に応答して、当該キャラクタを仮想平面上で移動させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-082747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ゲームの仮想平面の表示の拡大率を低下させて広範囲を表示させた場合、仮想平面上のキャラクタが密集して表示され、視認性が低下する場合がある。一側面では、ゲームの仮想平面上のキャラクタを適切に表示させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの案では、プログラムが、コンピュータに、ゲームの仮想平面の表示の拡大率が第1拡大率の場合、第1勢力の第1キャラクタを第1場所に表示させ、前記第1勢力の第2キャラクタを第2場所に表示させる第1表示処理と、前記拡大率が前記第1拡大率よりも小さい第2拡大率の場合、前記第1キャラクタ、及び前記第2キャラクタのうち、前記第1キャラクタを表示させる第2表示処理と、を実行させ、前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタは異なる人物であり、前記第1表示処理では、前記第1キャラクタのオブジェクトを前記第1場所に表示させ、前記第2キャラクタのオブジェクトを前記第2場所に表示させ、 前記第2表示処理では、前記ゲームにおける前記第1キャラクタの能力、及び前記第2キャラクタの能力と、前記第2拡大率とに応じ、前記第1キャラクタの能力及び前記第2キャラクタの能力が高い程大きくした大きさで、前記第1キャラクタのオブジェクトを表示させる
【発明の効果】
【0006】
一側面によれば、ゲームの仮想平面上のキャラクタを適切に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図4A】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図4B】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図4C】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図5A】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図5B】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図5C】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図5D】実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。
図6】実施形態に係る武将の能力の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0009】
<ハードウェア構成>
図1は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置10は、ユーザにゲームを行わせることができる情報処理装置10であり、例えば、ゲーム専用機、スマートフォン、タブレット型端末、PC(Personal Computer)、オンラインゲーム用のサーバ、及びクラウドゲームサービス用のサーバ等の情報処理装置である。
【0010】
ゲーム専用機には、例えば、家庭用ゲーム専用機、ゲームセンター(アミューズメント施設)等に設置される業務用ゲーム専用機、携帯型ゲーム専用機、据え置き型ゲーム専用機等が含まれる。
【0011】
オンラインゲーム用のサーバには、例えば、端末のWebブラウザまたはアプリケーションにゲームの制御情報をリアルタイムで配信し、当該制御信号に基づくゲームの処理を端末に実行させるサーバが含まれる。クラウドゲームサービス用のサーバには、例えば、ゲームの表示画面のデータをストリーミングで端末に配信して表示させるサーバが含まれる。
【0012】
図1に示す情報処理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0013】
情報処理装置10での処理を実現するゲームプログラム(ゲームソフト)は、記録媒体101によって提供される。ゲームプログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、ゲームプログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、ゲームプログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたゲームプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0014】
メモリ装置103は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、またはSRAM(Static Random Access Memory)等のメモリであり、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107は、コントローラ等、キーボード及びマウス等、またはタッチパネル及びボタン等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0015】
なお、記録媒体101の一例としては、CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0016】
<機能構成>
次に、図2を参照し、情報処理装置10の機能構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置10の機能ブロック図である。
【0017】
情報処理装置10は、受付部11、制御部12、及び表示制御部13を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のCPU104等とが協働することにより実現される。
【0018】
受付部11は、ユーザから各種の操作等による入力を受け付ける。制御部12は、ゲームの各種の処理を実行する。表示制御部13は、制御部12からの指示に従い、情報処理装置10の画面、またはネットワーク等を介して通信できるように接続される端末(外部装置)の画面に、ゲームの表示画面を表示させる。
【0019】
<処理>
次に、図3から図6を参照して、情報処理装置10の処理について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。図4Aから図5Dは、実施形態に係る表示画面の一例について説明する図である。図6は、実施形態に係る武将の能力の一例について説明する図である。
【0020】
以下では、ゲームの仮想平面が正六角形の升目(区画、領域、HEX。以下で、「へックス」と称する。)で分割されている例について説明するが、ゲームの仮想平面を分割する升目の形状は、例えば、正三角形、正方形等の平面図形でもよい。また、以下では、各勢力が領土を拡大する戦争ゲームの例について説明するが、開示の技術は、例えば、ロールプレイングゲーム(RPG、Role-Playing Game)等、マップ上で複数のキャラクタを書く場所に表示する各種のゲームで使用できる。
【0021】
ステップS1において、受付部11は、所定の勢力(国、軍隊、軍団)に属する所定のキャラクタ(武将、部隊、軍勢)を、ゲームの仮想平面上の所定の場所のヘックスに移動(進軍)させる操作をユーザから受け付ける。図4Aの例では、受付部11は、表示画面401において、勢力Aに属する武将Aの部隊402を、現在位置するヘックス409から、ヘックス403、ヘックス404、及びヘックス405を順に経由して、ヘックス406に移動させる操作を受け付けている。なお、図4Aの例では、制御部12は、ヘックス409に、部隊402を率いる武将Aの顔の画像402A、部隊402の兵士の数402B、部隊402の3次元モデル402C、部隊402の陣形を示す凸型の図形402D、及び部隊402の士気を示すゲージ402Eを表示させている。兵士の数402B、及び部隊402の士気は、部隊402の戦闘での強さに関する値である。
【0022】
図4Aの例では、受付部11は、ヘックス403、ヘックス404、及びヘックス405の順にそれぞれを中継点とする操作を受け付けている。そして、受付部11は、ヘックス406が選択されるとメニュー407を表示させ、「進軍」ボタン407B、または「占領」ボタン407Cが押下されると、ヘックス406を部隊402の目的地として設定する。なお、「中継点」ボタン407Aが押下されると、受付部11は、ヘックス406も中継点として設定する。
【0023】
なお、境界線408は、勢力Aの領土の境界線であり、境界線408よりも部隊402の存在する側が、勢力Aの領土であることが示されている。また、図4Aの例では、各ヘックスの境界線は、ゲームの仮想3次元空間において、真上から投影されたように表示されている。
【0024】
続いて、制御部12は、当該所定のキャラクタを、ゲームの仮想平面上の所定の場所に移動させる(ステップS2)。図4Bの例では、制御部12は、部隊402を、現在位置するヘックス409から、ヘックス403、ヘックス404、及びヘックス405を順に経由して、ヘックス406に移動させる動画を表示させる。
【0025】
また、制御部12は、当該所定のキャラクタの移動した経路上の各ヘックスを含むヘックスを、当該所定のキャラクタに応じた表示態様で画面に表示させる。ここで、制御部12は、当該所定のキャラクタが移動する方向と垂直な方向に、所定数以内に隣接するヘックスも、当該表示態様で画面に表示させてもよい。制御部12は、当該所定のキャラクタの能力(兵力)、及び陣形に基づいて、当該所定数を決定してもよい。この場合、制御部12は、例えば、当該所定のキャラクタが率いる部隊の兵士数が多いほど、当該所定数の値を大きくしてもよい。
【0026】
また、制御部12は、例えば、陣形が当該垂直な方向に広いほど、当該所定数の値を大きくしてもよい。この場合、制御部12は、例えば、兵士を横一列に並べた横陣の場合に当該所定数の値が一番大きくなり、兵士を横一列に並べた長蛇の陣形の場合に当該所定数の値が一番小さくなるようにしてもよい。
【0027】
図4Bの例では、制御部12は、ヘックス409から、ヘックス403、ヘックス404、及びヘックス405を順に経由する経路上の各ヘックスと、部隊の経路上の移動方向と垂直な方向に1つ隣に接する、当該各ヘックスの左右のヘックスが勢力Aの領土としている。例えば、経路上のヘックス411と、ヘックス411に左右に隣接するヘックス412、及びヘックス413が、勢力Aの領土に変更されている。
【0028】
そして、制御部12は、境界線423の位置を変更することにより、勢力Aの領土に含まれることになった各ヘックスについて、境界線423の内側に含まれるような表示態様に変更している。
【0029】
なお、制御部12は、ゲームの仮想平面上の都市等の拠点が位置するヘックスと、部隊402の位置するヘックスとの間に、勢力Aの領土のみを通る経路が存在する場合、当該経路により補給が可能な状態であるため、部隊402の兵士数、及び士気等の能力を維持させてもよい。また、制御部12は、他の勢力の部隊の進軍等により、進軍経路上のヘックスが当該他の勢力の領土となり、当該拠点と、部隊402の位置するヘックスとの間に、勢力Aの領土のみを通る経路が存在しなくなっている間、補給が不可能な状態であるため、部隊402の能力をゲームにおける時間の経過に伴って減少させてもよい。これにより、例えば、ユーザは、ユーザが操作する勢力の各部隊について、補給線を維持しながら敵の勢力の領土に侵攻する経路を考える必要が生じるため、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0030】
なお、制御部12は、勢力Aに属する部隊Aが位置するヘックスと、勢力Bに属する部隊Bが位置するヘックスとが隣接する場合、各部隊の能力、及び陣形等に基づいて、各部隊の兵士数等を減少させ、兵士数が0となった部隊を消滅させてもよい。
【0031】
続いて、受付部11は、ゲームの仮想平面の表示の拡大率を減少させる操作(縮小表示操作)をユーザから受け付ける(ステップS3)。続いて、制御部12は、各勢力について、ゲームの仮想平面の表示の拡大率に応じて、近隣の各部隊をまとめて表示させる(ステップS4)。ここで、制御部12は、同一勢力の各部隊が位置する各ヘックス間の距離(当該各ヘックス間に存在するヘックスの数)が、変更後の拡大率に応じた閾値以下である場合、当該各部隊をまとめた一の部隊を代表する武将等のキャラクタを表示させる。この場合、制御部12は、拡大率が小さい程、当該閾値を大きな値に決定してもよい。これにより、より広範囲のマップを表示させるほど、より離れた位置の各武将を、当該各武将を代表する一の武将にまとめて表示させることができる。
【0032】
続いて、ゲームを終了させるか否かを判定する(ステップS5)。ゲームを終了させない場合(ステップS5でNO)、ステップS1の処理に進む。一方、ゲームを終了させる場合(ステップS5でYES)、処理を終了する。
【0033】
≪各勢力の領土の境界の表示処理≫
制御部12は、ユーザの操作に応答して、ゲームの仮想平面(マップ)の拡大表示、及び縮小表示を行う。
【0034】
図4Cの例では、制御部12は、図4A及び図4Bと比較して、拡大率を小さくし(縮小率を大きくし)、より広範囲のゲームの仮想平面を表示画面441に表示させている。図4Cの例では、制御部12は、ゲームの仮想3次元空間において、勢力Aの領土422に含まれる各ヘックスを、所定の透過率の青色を重畳させて表示させている。また、制御部12は、ゲームの仮想3次元空間において、勢力Aの領土422の境界線423を示す所定の太さの青線を重畳させて表示させている。また、制御部12は、同様に、勢力Bの領土424に含まれる各ヘックスを、所定の透過率の緑色を重畳させて表示させている。また、制御部12は、勢力Bの領土424の境界線425を示す所定の太さの緑線を重畳させて表示させている。
【0035】
制御部12は、マップの拡大率が小さくなるほど、透過率が大きくなるように、色、及び模様等を各勢力の領土に含まれる各ヘックスに重畳させてもよい。これにより、例えば、ユーザは、拡大率を最小にしてマップ全体を表示させて場合には、ゲームの仮想3次元空間の地形等が見えなくなり色等により各勢力の勢力範囲を俯瞰でき、拡大率を最大にして個別の範囲を表示させて場合には、ゲームの仮想3次元空間の地形等がはっきりと見え、部隊を侵攻させる経路を判断し易くすることができる。
【0036】
≪各部隊をまとめる処理≫
次に、図3のステップS4の、各勢力について、ゲームの仮想平面の表示の拡大率に応じて、近隣の各部隊をまとめて表示させる処理について説明する。
【0037】
図4Bの表示画面421の例では、ゲームの仮想平面の表示の拡大率は第1拡大率であり、制御部12は、勢力Aの武将Aをヘックス406に表示させている。その後、ユーザの操作により、勢力Aに属する武将Bの部隊502がヘックス405に移動されると、制御部12は、図5Aの表示画面501のように、勢力Aの武将Bをヘックス405に表示させる。
【0038】
図5Aの例では、制御部12は、武将Aの部隊402と同様に、武将Bの部隊502にも、武将Bの顔の画像502A、部隊502の兵士の数502B、部隊502の3次元モデル502C、部隊502の陣形を示す図形502D、及び部隊502の士気を示すゲージ502Eを表示させている。
【0039】
図5Aの表示画面が表示されている際に、図3のステップS3の処理で、マップの縮小表示操作をユーザから受け付け、第1拡大率から、第1拡大率よりも小さい(縮小率が大きい)第2拡大率に変更されると、制御部12は、図5Bの表示画面521を表示させる。なお、図5Bの表示画面521が表示されている際に、マップの拡大表示操作をユーザから受け付け、第2拡大率から第1拡大率に変更されると、制御部12は、図5Aの表示画面501を表示させる。
【0040】
図5Bの表示画面521では、図5Aの表示画面501と比較して、より広範囲のマップが縮小されて表示されている。また、制御部12は、武将Aの部隊402と、武将Bの部隊502とが一つにまとめられた部隊550とし、武将Aと武将Bのうち、部隊550を代表する武将を決定する。図5Bの例では、制御部12は、部隊550を代表する武将として、武将Aを選択したため、武将Bの顔の画像502A等は表示させず、武将Aの部隊402が位置するヘックス406において、武将Aの顔の画像402A、及び部隊550の兵士の数522等を表示させている。図5Aの例では、制御部12は、部隊550の兵士の数522として、部隊402の兵士の数402Bと、部隊502の兵士の数502Bとの合計数を、武将Aの顔の画像402Aに対応付けて表示させている。
【0041】
図5Aの例では、制御部12は、武将Aの能力、及び武将Bの能力と、第2拡大率とに応じた大きさで、武将Aの顔の画像402Aを表示させている。これにより、例えば、縮小表示により広範囲のマップを表示させた場合、まとめられた後の部隊が強力な程、当該部隊を代表する武将が大きく表示されるため、各勢力の各部隊の兵力等の概要をユーザに俯瞰して視認させることができる。
【0042】
この場合、制御部12は、例えば、一つにまとめられた各部隊の能力の合計値が高い程、一つにまとめられた各部隊を代表する武将の画像、アイコン、及び3Dモデル等のオブジェクトの大きさを大きくしてもよい。そして、制御部12は、オブジェクトの大きさを、第2拡大率の値を乗算した大きさに変更してもよい。この場合、例えば、能力に応じたオブジェクトの大きさの幅が20ピクセルであり、第2拡大率が最大値の50%である場合、当該オブジェクトの幅を10(=20×0.5)ピクセルで表示させてもよい。
【0043】
制御部12は、武将Aの能力として、武将Aが率いる部隊の能力を用いてもよい。この場合、武将Aの能力には、例えば、武将Aが率いる部隊402の兵士数、及び士気等の値が含まれてもよい。
【0044】
また、制御部12は、武将Aの能力として、武将A自身の能力を用いてもよい。この場合、武将Aの能力には、例えば、ゲームにおける武将Aの戦闘の強さに関する能力、及びゲームにおける武将Aの支配地を発展させる能力等が含まれてもよい。図6の例では、武将自身の能力には、指揮できる最大兵士数、統率力、武力、知力、政治力、及び魅力等が含まれている。
【0045】
また、制御部12は、武将Aと武将Bのうち、ゲームにおける能力が高い方を表示させてもよい。図6の例では、制御部12は、各武将に、ユーザにより指定された官職を設定する。図6の例では、官職(位)が高い順に、ゲームにおける能力が高く設定される。
【0046】
また、制御部12は、各武将の能力として、ユーザにより設定された官職に応じた能力のみならず、各武将のレベル、及び個体差等に応じた能力も用いてもよい。
【0047】
なお、図5Bの表示画面521において、一つにまとめた部隊550がカーソル等で指定され、所定のボタン等が押下される操作がユーザにより行われた場合、制御部12は、図5Cのウィンドウ531を表示画面521に表示させる。図5Cの例では、制御部12は、一つにまとめられた部隊502の兵士の数522、部隊502を代表する武将Aの顔の画像402A、部隊502に含まれる武将Bの顔の画像502A等を表示させている。
【0048】
図5Cのウィンドウ531において、武将Bの顔の画像502A等がカーソル等で指定され、所定のボタン等が押下される操作がユーザにより行われた場合、制御部12は、図5Dのウィンドウ541を表示画面521に表示させる。図5Dの例では、制御部12は、ウィンドウ541において、武将Bの部隊502に関する情報が表示させている。また、制御部12は、ウィンドウ541の領域502Fにおいて、各武将のレベル、及び個体差等に応じた能力を表示させている。これにより、マップが縮小表示されている際に、一つにまとめた部隊に含まれる各武将に関する詳細な情報を、ユーザに確認させることができる。
【0049】
≪まとめられた部隊の移動≫
図5Bの表示画面521において、一つにまとめた部隊550を、ヘックス406から他のヘックスに移動させる操作がユーザにより行われた場合、制御部12は、武将Aの部隊402と、武将Bの部隊502とを、それぞれ当該他のヘックスに向けて移動させる。この場合、制御部12は、武将Aの部隊402を、部隊402の陣形、部隊402の兵力、及び武将Aの能力等に応じた速度で当該他のヘックスに向けて移動させる。また、制御部12は、武将Bの部隊502も、同様に、武将Bの部隊502に応じた速度で当該他のヘックスに向けて移動させる。
【0050】
そして、武将Aの部隊402が当該他のヘックスに先に到着している場合、武将Bの部隊502を当該他のヘックスに応じた場所に移動させる。この場合、制御部12は、例えば、武将Bの部隊502の移動経路における当該他のヘックスよりも一つ手前のヘックスの位置に、武将Bの部隊502を移動させて止まらせるようにしてもよい。
【0051】
これにより、武将の数が多いために各部隊に対する移動操作が煩雑となる場合、ユーザは、マップの縮小表示により一つにまとめられた複数の部隊に対する同様の位置に移動させる操作を一度の操作で行うことができる。
【0052】
<変形例>
情報処理装置10の各機能部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 情報処理装置
11 受付部
12 制御部
13 表示制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6