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特許7427436ブラジャー用ブラカップおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ブラジャー用ブラカップおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/14 20060101AFI20240129BHJP
   A41C 3/10 20060101ALI20240129BHJP
   A41C 5/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A41C3/14 B
A41C3/10 B
A41C5/00 B
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019220585
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2020090770
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】201811490587.3
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510166308
【氏名又は名称】レジーナ ミラクル インターナショナル(グループ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンチアン リウ
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0034841(US,A1)
【文献】特開平5-295601(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1902637(EP,A2)
【文献】特開2016-211128(JP,A)
【文献】登録実用新案第3119827(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C1/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって着用されるべきブラジャーのブラカップ用アンダーワイヤであって、
実質的に円形または楕円形の断面の硬線と、
軟質の円筒状ケーシングであって、その内側に前記硬線を埋め込む、軟質の円筒状ケーシングと、
を含み、
前記軟質の円筒状ケーシングは、前記アンダーワイヤの一方または両方の端部領域において前記アンダーワイヤのねじれを可能にするように、前記硬線の周りを回転可能であり、およびそれによって前記使用者が前記ブラカップを前記使用者の乳房の形状に調節でき
前記アンダーワイヤは、前記アンダーワイヤを中央領域で保持し、一方または両方の端部領域が前記中央領域で画定された平面に関してある角度で配置されるように前記硬線の周りで前記一方または両方の端部領域を回転させることによって、前記端部領域でねじられるのに適合しており、
前記ケーシングと前記硬線との間の摩擦によって、ねじられた前記端部領域はねじられた構造に留まることが可能となることを特徴とするアンダーワイヤ。
【請求項2】
前記硬線は、金属材料製であることを特徴とする請求項1に記載のアンダーワイヤ。
【請求項3】
前記金属材料は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項2に記載のアンダーワイヤ。
【請求項4】
前記軟質の円筒状ケーシングは、熱可塑性材料製であることを特徴とする請求項1に記載のアンダーワイヤ。
【請求項5】
前記熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項4に記載のアンダーワイヤ。
【請求項6】
前記軟質の円筒状ケーシングの厚さは、前記軟質の円筒状ケーシングが前記アンダーワイヤの一方または両方の端部領域において最も厚くなるように、前記アンダーワイヤの長さに沿って変動することを特徴とする請求項1に記載のアンダーワイヤ。
【請求項7】
前記硬線は、前記軟質の円筒状ケーシングの中心軸に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載のアンダーワイヤ。
【請求項8】
前記軟質の円筒状ケーシングは、前記軟質の円筒状ケーシングに埋め込まれた前記硬線の端部を超えて延びることを特徴とする請求項1に記載のアンダーワイヤ。
【請求項9】
使用者によって着用されるべきブラジャーであって、
第1の層および第2の層を有する少なくとも1つのブラカップと、
前記少なくとも1つのブラカップの下側で前記第1の層と前記第2の層との間に挟まれるアンダーワイヤであって、
実質的に円形または楕円形の断面の硬線、および
軟質の円筒状ケーシングの内側に前記硬線を埋め込む前記軟質の円筒状ケーシング、
を含む、アンダーワイヤと、
を含み、前記軟質の円筒状ケーシングは、前記アンダーワイヤの一方または両方の端部領域において前記アンダーワイヤのねじれを可能にするように、前記硬線の周りを回転可能であり、およびそれによって前記使用者が少なくとも1つのブラカップを前記使用者の乳房の形状に調節でき
前記アンダーワイヤは、前記アンダーワイヤを中央領域で保持し、一方または両方の端部領域が前記中央領域で画定された平面に関してある角度で配置されるように前記硬線の周りで前記一方または両方の端部領域を回転させることによって、前記端部領域でねじられるのに適合しており、
前記ケーシングと前記硬線との間の摩擦によって、ねじられた前記端部領域はねじられた構造に留まることが可能となることを特徴とするブラジャー。
【請求項10】
前記硬線は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含む金属材料製であることを特徴とする請求項に記載のブラジャー。
【請求項11】
前記軟質の円筒状ケーシングは、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含む熱可塑性材料製であることを特徴とする請求項に記載のブラジャー。
【請求項12】
前記軟質の円筒状ケーシングの厚さは、前記軟質の円筒状ケーシングが前記アンダーワイヤの一方または両方の端部領域において最も厚くなるように、前記アンダーワイヤの長さに沿って変動することを特徴とする請求項に記載のブラジャー。
【請求項13】
ブラジャーを製造する方法であって、
金属材料製のおよび実質的に円形または楕円形の断面の硬線を提供する工程と、
軟質の円筒状ケーシングの内側に前記硬線を埋め込む前記軟質の円筒状ケーシングを形成するように前記硬線の周りに熱可塑性材料の射出成形を実施して、請求項1に記載のアンダーワイヤを得る工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
第1の層および第2の層を設ける工程と、
前記得られたアンダーワイヤを前記第1の層と前記第2の層との間に配置する工程と、
前記アンダーワイヤが前記第1の層と前記第2の層との間に挟まれるように前記第1の層および前記第2の層を一緒にホットプレスする工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属材料は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記熱可塑性材料 は、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブラジャー用アンダーワイヤに関する。本開示は、また、アンダーワイヤを含むブラジャーに関する。アンダーワイヤがその中に埋め込まれたブラジャーを製造する方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
ブラジャーデザイナーらは、一般に、彼らのブラカップを、乳房(breast)を支持しおよび整形するためのアンダーワイヤ(金属またはプラスチック)を付けて製造してきた。遺憾ながら、これらのデバイスは、着用者がカップを調節することを可能にしない。先行技術におけるブラデザイナーらは、悪くはない(not bad)大量生産(massed production)においてブラを製造したが、しかしながら、女性は、自然の成長、妊娠、出産(childbirth)、授乳(nursing)、および/または老化に起因して、乳房の型または質感(texture)にばらつき(variances)を有する。彼らは、たいていの女性の乳房サイズに適合するように支持される対称的な(symmetrical)ブラカップを提供する。この型の輪郭(profiling)は、着用者に、ブラカップサイズ調節の自由を許さない。
【0003】
さらに、ブラジャー内のアンダーワイヤの機能は、支持を提供することである。従来のブラジャー用アンダーワイヤは、特許文献1に開示されるような、実質的に長方形の断面を有する実質的にU字形状の金属線(metallic wire)である。特許文献1に記載されるように、金属線アンダーワイヤは、布ソックス(fabric sock)内部に金属線を含むアンダーワイヤ組立品を形成するために、布ソックス内に挿入される。従来の金属アンダーワイヤに関して、典型的には、アンダーワイヤは、ソックスに固定されないが、代わりに、アンダーワイヤがソックス内部で少しだけ移動するのを可能にするようないくらかの「ワイヤの遊び(wire play)」がある。そのようなワイヤの遊びは、洗濯すると(upon washing)ソックスが縮みおよびそれによって金属線が布ソックスを突き通す原因となるのを回避するため、ならびに、また、金属線が布ソックスを突き通す原因となる摩擦(例えば、洗濯の間の)を回避するためである。しかしながら、そのような「ワイヤの遊び」は、ワイヤの移動がワイヤの「位置がずれる(dislocated)」原因となり、それによって支持を提供する観点および審美性の両方においてブラジャーの性能に影響を与える可能性がある、という不利点を有する。
【0004】
したがって、ブラジャー着用者にとっての快適さは、従来の金属アンダーワイヤを含むブラジャーの問題であり続けている。さらに、使用者がブラカップをその乳房の形状に調節することを可能にすることのできる当技術分野において知られている適当なおよび便利な手段はない。ブラジャーの着用者にとってより心地よくなるそのアンダーワイヤを含むブラジャーを可能にするアンダーワイヤを提供すること、およびさらにカスタムフィットを提供することとなるブラカップを設計することが、本開示の目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,179,150号明細書
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、使用者によって着用されるべきブラジャーのブラカップ用アンダーワイヤが提供される。アンダーワイヤは、実質的に円形または楕円形の断面の硬線を含む。アンダーワイヤは、また、その内側に硬線を埋め込む軟質の円筒状ケーシングを含み、軟質の円筒状ケーシングは、その一方または両方の端部領域でアンダーワイヤのねじれを可能にするように硬線の周りを回転可能であり、およびそれによって使用者がブラカップをその乳房形状に調節できるようにする。
【0007】
1つの実施形態において、硬線は、金属材料製である。
【0008】
1つの実施形態において、硬線の全長は、均一な円形断面のものである。別の実施形態において、硬線の全長は、均一な楕円形断面のものである。
【0009】
好ましくは、金属材料は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含む。
【0010】
1つの実施形態において、軟質の円筒状ケーシングは、熱可塑性材料製である。
【0011】
好ましくは、熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含む。
【0012】
1つの実施形態において、アンダーワイヤは、中央領域を保持しおよびその一方または両方の端部領域を回転させることによってねじられるのに適合される。
【0013】
1つの実施形態において、アンダーワイヤは、アンダーワイヤは中央領域において平面(plane)を画定しおよびアンダーワイヤの一方または両方の端部領域は画定される平面に関してある角度で配置されるように、その一方または両方の端部領域においてねじられるのに適合される。
【0014】
任意選択的に、軟質の円筒状ケーシングの厚さは、軟質の円筒状ケーシングがアンダーワイヤの一方または両方の端部領域において最も厚くなるように、アンダーワイヤの長さに沿って変動する。
【0015】
好ましくは、硬線は、軟質の円筒状ケーシングの中心軸に沿って延びている。
【0016】
好ましくは、軟質の円筒状ケーシングは、その中に埋め込まれた硬線の端部(ends)を超えて延びる。
【0017】
別の態様において、使用者によって着用されるべきブラジャーが提供される。ブラジャーは、第1の層および第2の層を有する少なくとも1つのブラカップを含む。ブラジャーは、また、少なくとも1つのブラカップの下側で第1の層と第2の層との間に挟まれるアンダーワイヤを含む。アンダーワイヤは、実質的に円形または楕円形の断面の硬線を含む。アンダーワイヤは、また、その内側に硬線を埋め込む軟質の円筒状ケーシングを含む。軟質の円筒状ケーシングは、その一方または両方の端部領域でアンダーワイヤのねじれを可能にするように硬線の周りを回転可能であり、およびそれによって、使用者が少なくとも1つのブラカップをその乳房形状に調節できるようにする。
【0018】
好ましくは、硬線は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含む金属材料製である。
【0019】
好ましくは、軟質の円筒状ケーシングは、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含む熱可塑性材料製である。
【0020】
1つの実施形態において、アンダーワイヤは、アンダーワイヤの中央領域を保持しおよびその一方または両方の端部領域を回転させることによってねじられるのに適合される。
【0021】
1つの実施形態において、アンダーワイヤは、アンダーワイヤは中央領域において平面を画定しおよびアンダーワイヤの一方または両方の端部領域は画定される平面に関してある角度で配置されるように、その一方または両方の端部領域においてねじられるのに適合される。
【0022】
好ましくは、軟質の円筒状ケーシングの厚さは、軟質の円筒状ケーシングがアンダーワイヤの一方または両方の端部領域において最も厚くなるように、アンダーワイヤの長さに沿って変動する。
【0023】
さらに別の態様において、ブラジャーを製造する方法が提供される。方法は、まず、金属材料製のおよび実質的に円形または楕円形の断面の硬線を提供する工程と、次いで、その内側に硬線を埋め込む軟質の円筒状ケーシングを形成するように硬線の周りに熱可塑性材料の射出成形を実施して、アンダーワイヤを得る工程と、を含む。
【0024】
方法は、また、第1の層および第2の層を設ける工程と、得られたアンダーワイヤを第1の層と第2の層との間に配置する工程と、アンダーワイヤが第1の層と第2の層との間に挟まれるように第1の層と第2の層とを一緒にホットプレスする工程と、を含む。
【0025】
好ましくは、金属材料は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含む。
【0026】
好ましくは、熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含む。
【0027】
上述の概要は、単に例示的であり、およびいかなる形であっても制限的であることは意図されない。上述された例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0028】
本開示の例の実施形態のより完全な理解のために、添付図面に関連して挙げられる以下の記載に対して参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを包含するブラジャーの図式的な透視図である。
図2A】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤの図式的な図である。
図2B図2Aのアンダーワイヤの断面図である。
図3A】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、回転力(rotational forces)の対象とされるアンダーワイヤの図式的な図である。
図3B】本開示の1つの実施形態に従う、その第1の構造(configuration)から第2の構造への遷移を示す図3Aのアンダーワイヤの断面図である。
図3C】本開示の別の実施形態に従う、その第1の構造から第2の構造への遷移を示す図3Aのアンダーワイヤの断面図である。
図4A】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤの図式的な図である。
図4B】その第1の構造における、一方の端部領域のみを示す図4Aのアンダーワイヤの図式的な図である。
図4C】その第2の構造における、一方の端部領域のみを示す図4Aのアンダーワイヤの図式的な図である。
図5A】本開示の別の実施形態に従う、その第1の構造におけるブラジャー用のアンダーワイヤの図式的な図である。
図5B】その第2の構造における図5Aのアンダーワイヤの図式的な図である。
図6A】本開示のさらに別の実施形態に従う、アンダーワイヤの図式的な図である。
図6B】その第1の構造から第2の構造への遷移を示す図6Aのアンダーワイヤの断面図である。
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを形成するための金型を示す図である。
図8A】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを包含するブラジャーを形成する工程を示す図である。
図8B】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを包含するブラジャーを形成する工程を示す図である。
図8C】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを包含するブラジャーを形成する工程を示す図である。
図8D】本開示の1つまたは複数の実施形態に従う、アンダーワイヤを包含するブラジャーを形成する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の記載において、説明の目的のために、数々の具体的な詳細が本開示の徹底的な理解を提供するために示される。しかしながら、当業者にとって、本開示はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、明らかになるであろう。他の例において、装置(apparatuses)および方法は、本開示を不明瞭にすることを回避するために、ブロック図の形態のみに示される。
【0031】
この明細書において「1つの実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴(feature)、構造(structure)または特性(characteristic)が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。明細書の様々な場所における表現「1つの実施形態において(In one embodiment)」の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態に言及するものではなく、また、別個のまたは代替的な実施形態が相互に他の実施形態を除外するものでもない。さらに、本明細書における用語「(a)」および「(an)」は、量の制限を表示するものではなく、むしろ言及されるアイテムの少なくとも1つの存在を表示する。さらに、いくつかの実施形態によって示されるが他の実施形態では示されなくてもよい様々な特徴が記載される。同様に、いくつかの実施形態のための要件であるが他の実施形態の要件でなくてもよいさまざまな要件が記載される。
【0032】
実施形態は、本明細書において例示目的のために記載され、および多くの変形を対象とする。様々な省略および同等物の提出は、状況が提案しまたは得策にならしめてもよい際に考えられるが、本開示の精神または範囲を逸脱することなく適用または実施をカバーすることが意図されることは理解される。さらに、本明細書において採用される言葉遣い(phraseology)および技術用語(terminology)は、説明の目的のためであり、および制限するものとしてみなされるべきではないことは理解されるべきである。本記載の範囲において利用される任意の見出し(heading)は、単に便宜のためであり、および何ら法律的または制限的効果を有さない。
【0033】
本明細書において、ブラのまたはブラの部分の構成要素のパーツ(component parts)またはアイテムに関連して内部および外部または同様の技術用語への言及がなされた場合、それは、使用者すなわちブラの着用者の体との関連であるように理解されることが意図される(以下、2つの用語「使用者(user)」および「着用者(wearer)」は、何ら制限なく交換可能に使用されている)。例えば、「内部(interior)」または「内側(inner side)」または「内側領域(inner region)」は、アイテムが、着用者の体のより遠位であるブラのアイテムよりも着用者の体により近位であるブラの表側(face side)に、より近位であることを表示する相対的な用語である。「内側(Inner)」は、特に指定のない限り、「最も内側(inner most)」を意味するものではない。これは、「外側(outer)」または「外部(exterior)」のような用語に、同様に当てはまる。
【0034】
単語「層(layer)」への言及がある場合、それは、その一般的な定義を有してもよいが、それに限定されず、層は、1つのパネルから構成され得、または結合されるおよび各々異なる特徴(例えば、色、厚さ、材料、配向、サイズ)のものであってもよい2つまたはそれより多いパネルによって画定される領域を有していてもよいことが理解されたい。
【0035】
図面を参照して、図1は、本開示の実施形態に従うブラジャー100(単純に「ブラ100」と称されることもある)の図式的な図を示す。具体的には、図1は、ブラジャー100のブラカップ領域102を示す。示されるように、ブラカップ領域102は、概して、概して互いと同一でありおよび互いに隣接して位置決めされる2つのブラカップ(その両方は、共通する数表示104によって参照される)を画定する。中間のブリッジ領域106が、2つのブラカップ104間に延びていてもよい。好ましい形態において、ブラカップ領域102の材料構成要素(material components)のうちの少なくとも1つは、その中を通して連続的であり、および好ましくは、また、ブリッジ領域106にわたる(over)。しかしながら、代替的な形態において、ブラカップ104の各々は、別個に事前画定されていてもよく、および組み立てられるとブラカップ領域102を画定するように、ブリッジ領域106において一緒に固定されてもよい。いくつかの実施例において、ブラカップ領域102は、シームレスであってもよく、およびその少なくともいくつかは成形されおよび好ましくは少なくとも一部分においてラミネーションによって互いに係合される材料製であってもよい。ブラジャー100は、着用されたときに着用者の体に接触して(against)ブラジャー100を支持するための肩ひも108、胸バンド(chest bands)(不図示)、等のような要素をさらに含んでいてもよい。さらになお、図1に示されるように、ブラカップ104の各々は、また、概してその下側に位置するアンダーワイヤ110を含む。1つまたは複数の例において、アンダーワイヤ110は、概して、U字形状のワイヤであってもよい。各ブラカップ104におけるアンダーワイヤ110は、対応するブラカップ104の下側周辺を整形しおよび支持するのを助けてもよい。
【0036】
図2Aは、アンダーワイヤ110の図式的な図を示し、および図2Bは、図2Aの平面AA’の周りで切断されたアンダーワイヤ110の断面図を示す。本開示の実施形態に従って、図2Aに示されるように、アンダーワイヤ110は、ブラジャーのカップに従うように、実質的にU字形状である。いくつかの実施例において、図2Aによって見られるであろうように、ブラカップ104に従うように、形状は、完全なU字形状ではなく、例えば、アンダーワイヤ110の1つのアームまたは部分は、より急な勾配を有していてもよく、および他のアームまたは部分よりも短い。本実施形態において、アンダーワイヤ110は、硬線112、およびその内側に硬線112を埋め込む軟質の円筒状ケーシング114、を含む。好ましくは、硬線112は、軟質の円筒状ケーシング114の中心軸に沿って延びている。すなわち、硬線112は、軟質の円筒状ケーシング114の実質的に中央(図2Bにより明確に示されるように)内部に埋め込まれる。硬線112を覆う軟質の円筒状ケーシング114を有することにより、アンダーワイヤ110が、その内部でそれがブラカップ104内に固定される布ソックスを突き通す危険性または概してブラ100を突き通す危険性は、低減される。好ましくは、軟質の円筒状ケーシング114は、ブラ100が着用者によって着用されたときに着用者の体に快適な着心地を可能にするための、少なくとも1つの平面表面であって、着用者の体により近い表面を有する。
【0037】
実施形態において、硬線112は、金属材料製である。金属材料は、鋼、チタン合金、ニッケル-チタン合金、アルミニウム合金、亜鉛合金および銅合金のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。さらに、軟質の円筒状ケーシング114は、好ましくは、プラスチックまたは熱可塑性材料製である。熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリオキシメチレン(POM)、シリコーンおよびナイロンのうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。本明細書におけるプラスチック材料またはプラスチックへの言及は、熱可塑性材料を含むものとし、および本明細書におけるプラスチックケーシングへの言及は、任意の軟質ケーシングを含むものとする。いくつかの実施例において、軟質の円筒状ケーシング114のために使用されるプラスチック材料は、耐衝撃性共重合体であってもよい。耐衝撃性共重合体は、ポリプロピレンをエチレンポリピレンゴムと混合することによって製造されてもよい。また、プラスチックの硬度は、混合物に炭酸カルシウムを添加することによって調節され得る。いくつかの実施例において、熱可塑性エラストマーは、共重合ポリエステルエーテル、好ましくは、コポリブチレンテレフタレートポリエーテルのような、硬質および軟質セグメントを有するブロック共重合ポリエステルエーテルである。いくつかの実施形態において、ウェブ材料は、アンダーワイヤ110のプラスチックケーシング114内部に埋め込まれる。ウェブ材料は、アンダーワイヤ110の各端部から、その内部に金属硬線112が埋め込まれるプラスチックケーシング114の部分内へ、延びていてもよい。ウェブ材料は、アンダーワイヤ110の端部に強度を提供し、および硬線112の金属端部がプラスチックケーシング114を突き破る危険性を低減させる。
【0038】
ブラジャー100に金属硬線112およびプラスチックケーシング114を有するアンダーワイヤ110を設けることによって、アンダーワイヤ110は、剛性の支持を中央領域110aに、およびより可撓性の支持をその端部領域110bおよび110cに提供する。端部領域110bおよび110cにおいて、プラスチックケーシング114の相対的に軟質のプラスチック材料は、プラスチック材料の金属よりも大きい可撓性に起因して、ブラジャー100の着用者に快適さを提供する。相対的に可撓性のプラスチックの端部領域110bおよび110cは、また、ブラジャー100が着用されたときに、アンダーワイヤ110が着用者の体の形状に、より厳密に従うことができるようにする。これは、概して、金属線はある程度可撓性ではあるが、それはブラジャーが着用されたときに着用者の形状にそれほど厳密には従わない、従来の金属アンダーワイヤとは対照的であり、これは、審美性および快適さの観点の両方から、望ましくない。
【0039】
さらになお、実施形態において、軟質の円筒状ケーシング114は、その中に埋め込まれた硬線112の端部を超えて延びる。1つの例において、アンダーワイヤ110のプラスチックケーシング114は、アンダーワイヤ110の1つの端部において金属硬線112を超えて延びる。別の実施例において、プラスチックケーシング114は、アンダーワイヤ110の両方の端部において金属硬線112を超えて延びていてもよい。プラスチックケーシング114は、アンダーワイヤ110の1つの端部において、より大幅に、金属線112を超えて延びていてもよい。アンダーワイヤ110の端部(一方または両方)において金属線112を超えて延びるプラスチックケーシング114の長さは、アンダーワイヤ110の全長のおよそ5パーセントから25パーセントの間、好ましくは10パーセントから15パーセントの間であってもよい。アンダーワイヤ110の端部領域110bおよび110cにおける形成されたプラスチックのみの部分は、金属線112を含む領域よりも可撓性であり、およびこのようにして、本開示のアンダーワイヤ110を含むブラジャー100の着用者に快適さを提供する。換言すると、アンダーワイヤ110の端部領域110bおよび110cは、好ましくは、アンダーワイヤ110の中央領域110aよりも可撓性であり、アンダーワイヤ110は着用者の胸の形状により厳密に従うので、アンダーワイヤ110を含むブラジャー100の着用者に、増大された快適さを提供する。
【0040】
実施形態によると、硬線112は、実質的に円形または楕円形の断面を有する。硬線112のそのような断面形状は、軟質の円筒状ケーシング114が硬線112の周りを回転可能とされることを可能にする。図3Aは、端部領域110cにおいて回転力(符合「X」によって指定される)の対象とされるアンダーワイヤ110を示す。図3Bは、平面BB’において切断された図3Aのアンダーワイヤ110の断面図(円形の断面を持つ硬線112を有するとき)を示し、および回転力Xに起因する端部領域110cにおけるアンダーワイヤ110の構造の変化または遷移を描く。図3Bから見られるかもしれないように、アンダーワイヤ110(端部領域110cにおける)は、第1の構造(符合「Y」によって参照される)から第2の構造(符合「Z」によって参照される)に変形してもよい。同様に、図3Cは、平面BB’において切断された図3Aのアンダーワイヤ110の断面図(楕円形の断面を持つ硬線112を有するとき)を示し、および回転力Xに起因する端部領域110cにおけるアンダーワイヤ110の構造の変化を描く。図3Cから見られるかもしれないように、アンダーワイヤ110(端部領域110cにおける)は、第1の構造(符合「Y」によって参照される)から第2の構造(符合「Z」によって参照される)に変形してもよい。また、回転力は、端部領域110bにおいて印加されて、端部領域110bにおいてアンダーワイヤ110の構造に変化または遷移を引き起こしてもよいことは理解されよう。回転力は、また、両方の端部領域110bおよび110cにおいて印加されて、両方の端部領域110bおよび110cにおいてアンダーワイヤ110の構造に変化または遷移を引き起こしてもよい。
【0041】
提案される設計(前の段落において)は、その一方または両方の端部領域110bおよび110cにおけるアンダーワイヤ110のねじれを可能にし、およびそれによって使用者がブラカップ104をその乳房形状に調節できるようにする。本実施形態において、アンダーワイヤ110は、その中央領域110aを保持し、および次いでその端部領域110bおよび110cの一方または両方を回転させることによって(必要に応じて)、ねじられるのに適合される。再び、図4Aは、本開示の、中央領域110aならびに2つの端部領域110bおよび110cを備え、ならびに硬線112および軟質の円筒状ケーシング114を有する、アンダーワイヤ110の図式的な図を示す。図4Bは、その第1の構造「Y」における、端部領域110bという、一方の端部領域のみを示すアンダーワイヤ110の図式的な図を示す。図4Cは、示される端部領域110bの回転がそこであった、その第2の構造「Z」における、同じ端部領域110bである一方の端部領域のみを示すアンダーワイヤ110の図式的な図を示す。第2の構造「Z」において、すなわち、アンダーワイヤ110の1つの端部領域110bを時計回りにまたは反時計回りにある程度まで回すかまたは回転させた後(after turning or rotating)、アンダーワイヤ110は、端部領域110bがアンダーワイヤ110の中央領域110a(これは回転されない)と比べてある程度まで回転させられた状態で、「ねじられた(twisted)」構造(図4Cに示される構造「Z」のような)に留まる。図4Cにおける端部領域110bのような回転させられた端部領域(一方または両方)は、アンダーワイヤ110の回転またはねじれのない図4Bにおける端部領域110bと比べられた際に、アンダーワイヤ110を着用者の胸の形状をより良く調節できるようにする。同一のことが端部領域110cに対して当てはまってもよい。アンダーワイヤ110は中央領域110aにおいて平面を画定し、およびアンダーワイヤ110の一方または両方の端部領域110bおよび110cは画定される平面に関してある角度で配置されるように、アンダーワイヤ110は、その一方または両方の端部領域110bおよび110cにおいてねじられるのに適合されることが理解され得る。
【0042】
図5Aおよび図5Bは、ブラ100用の両方のブラカップ104に及ぶW字形状をしていてもよい、アンダーワイヤ110のための設計を示す。示されるように、アンダーワイヤ110は、1つの連続的な軟質の円筒状ケーシング114、および軟質の円筒状ケーシング114に埋め込まれる各ブラカップ104に対応する2つの硬線112を含む。図5Aは、その第1の構造におけるアンダーワイヤ110を示す。図5Bは、回転力またはねじれ力(rotational or twisting forces)の対象とされたときの、その第2の構造におけるアンダーワイヤ110を示す。アンダーワイヤ110の端部領域110bおよび110cのねじれにより、アンダーワイヤ110の全長は低減される(またはアンダーワイヤ110は持ち上げられる)可能性があり、これは、アンダーワイヤ110がより大きい曲率(curvature)を持つブラカップ104にとって望ましくない曲線を形成する原因となる可能性があり、これは、次に、相対的により小さい胸またはより平坦な下側胸形状(underside breast shape)を持つ着用者にとって適当である可能性があることが、見られるかもしれない。このようにして、着用者は、アンダーワイヤ110をねじるためまたはねじれをほどくためにアンダーワイヤ110の端部領域110bおよび110cを回転させることによって、ブラカップ104を着用者の胸の形状に調節することができる。
【0043】
図6Aは、軟質の円筒状ケーシング114の異なる形状を持つアンダーワイヤ110の図式的な図を示し、および図6Bは、図6Aのアンダーワイヤ110の断面図を示し、本開示の交互に起きる実施形態による、回転力の対象とされたときのその第1の構造から第2の構造への遷移を示す。いくつかの実施形態において、軟質の円筒状ケーシング114の厚さは、軟質の円筒状ケーシング114がアンダーワイヤ110の一方または両方の端部領域110bおよび110cにおいて最も厚くなるように、アンダーワイヤ110の長さに沿って変動する。金属線112の端部領域110bおよび110cにおいて増大された厚さは、金属線112がプラスチックケーシング114を突き破る危険性を低減させるのに役立ち得る。
【0044】
本開示のブラジャー100のために、前述の実施形態のうちの任意のアンダーワイヤ110およびアンダーワイヤ110を含むための布ソックスを含むアンダーワイヤ組立品が提供され得る。アンダーワイヤ110は、布ソックスに固定されていてもよく、およびこの固定は、アンダーワイヤ110はプラスチックケーシング114を有するので、閂止め(bar tacking)または同様のものによって成し遂げられてもよい。アンダーワイヤ110はワイヤの遊びなしに布ソックスに固定され得るので、アンダーワイヤ110が布ソックスを突き通す危険性は低減され、したがって、従来の金属アンダーワイヤに伴う問題は解決する。いくつかの実施例において、アンダーワイヤ110は、端部領域(一方または両方)110bおよび110cにおいて先細にされていてもよく、これは、アンダーワイヤ110をその先細にされた端部において閂止めのような縫合手段(stitching means)によって布ソックスに固定するのを容易にする。本明細書において、アンダーワイヤ組立品は、本開示の実施形態のとおり(as per embodiments)ブラジャー100を形成するために、ブラカップ104に縫い付けられてもよい。
【0045】
本開示のアンダーワイヤ110は、好ましくは、射出成形によって製造される。実施形態において、金属線112は、金型内部の所定位置に保持され、および、次いで、金属線112を取り囲むプラスチックケーシング114を含むアンダーワイヤ110を形成するために、プラスチック材料が、金型内に射出される。本開示のアンダーワイヤ110を形成するための金型700の実施例は、図7に示される。示されるように、金型700は、一緒に合わせられたときに、プラスチックケーシング114を形成するために熱可塑性材料がその中に射出される空洞706を形成する2つの半金型(mold halves)702、704を含む。特に、アンダーワイヤ110を得るための工程は、金属材料製のおよび実質的に円形または楕円形の断面の硬線(硬線112、など)を提供する工程と、その内側に硬線を埋め込む軟質の円筒状ケーシング(軟質の円筒状ケーシング114のような)を形成するように、硬線の周りにおいて熱可塑性材料の射出成形を実施する工程と、を含む。
【0046】
図8Aから図8Dは、本開示のアンダーワイヤ110を備えるブラジャー100を形成する工程を示す。図8Aおよび図8Cは、アンダーワイヤ110を備えるブラジャー100を形成するための工程を実施するための、および第1の金型802および第2の金型804を含む、モールディング配置800を示す。ブラジャー100を形成するために適当な材料の第1の層806は、第1の金型802と第2の金型804との間に配置される。いくつかの実施例において、前記第1の層806は、布層(fabric layer)および発泡層(foam layer)のような多数の層を含んでいてもよい。第1の層806は、第1の成形された層806(図8Bに示されるような)を形成するために、第1の金型802と第2の金型804との間でプレスされる(pressed)。その後、第1の(成形された)層806および第2の層808は、金型802および804間に配置され、およびアンダーワイヤ110(上で得られたような)は、第1の層806と第2の層808との間に配置される。その後、第1の層806および第2の層808は、シート810(図8Dに示されるような)を形成するために、金型802および804を用いて、アンダーワイヤ110が第1の層806と第2の層808との間に挟まれるように、一緒にホットプレスされる(hot-pressed)。シート810は、次いで、本開示のアンダーワイヤ110を包含するブラジャー100またはブラカップ領域102(図1に示されるような)を形成するために、トリムされてもよい(必要に応じて)。
【0047】
典型的には、射出成形の加工または硬線の周りにプラスチックケーシングを形成する任意の他の加工の間に熱が加えられてもよく、および熱は、プラスチックケーシングをワイヤと融合(fuse)させ(ワイヤがプラスチックケーシングに類似する何らかの材料製である場合)、それによってワイヤの周りにおけるケーシングの回転を防止する可能性があることは理解されよう。しかしながら、本実施形態において、適当な金属材料および熱可塑性材料の使用は、そのような融合が起こらないことを保証し得、およびしたがって、金属線112およびプラスチックケーシング114の使用は、それらは「融合(fuse)」せずおよび形成後の相対的な回転が可能であるので、本開示のこのアンダーワイヤ110のための適当な選択であり得る。プラスチックケーシング114と金属線112との間の摩擦は、形成(射出成形のような)後に相対的な回転が可能であり、およびアンダーワイヤ110がその第2の(ねじられた)構造上に遷移させられると、アンダーワイヤ110は、その構造に留まってもよいように、考えられてもよい。
【0048】
本アンダーワイヤ110は、従来のアンダーワイヤとは、硬(または金属製)ワイヤ112が円形または楕円形の断面を有する点で異なる。円形または楕円形の断面は、プラスチックケーシング114を、(手動で)硬線112の周りを回転可能となることができるようにする。中央領域110aにおいてアンダーワイヤ110を保持し、およびアンダーワイヤ110の一方または両方の端部領域(一方または両方)110bおよび110cを(硬線112の周りで)回転させることによって、アンダーワイヤ110は、その端部領域(一方または両方)110bおよび/または110cで「ねじられる(twisted)」ようになる。このねじれは、アンダーワイヤ110のいずれかの端部または両方の端部において手動で作られ得、およびそれは、アンダーワイヤ110を、ねじれが無かった場合よりもよく、体の形状に適合できるようにする。金属線112とプラスチックケーシング114との間の摩擦は、ねじられた端部領域(一方または両方)110bおよび/または110cをねじられた構造に留まることができるようにする。埋め込まれた金属線を備えない従来のプラスチックアンダーワイヤ単独は、プラスチックは概してその元々のねじられていない形状にゆっくりと戻り得るので、概して、ねじられた構造に留まらないであろうことは理解されよう。本アンダーワイヤ110を備えるブラ100の着用者は、このようにして、手によって、アンダーワイヤ110を(一方の端部または両方の端部を回すことによって)、それが彼女の体の形状にもっともよく適合するまで、調節してもよく、およびこれがなされると、アンダーワイヤ110の形状は、第2の(ねじられた)構造に留まることとなる。
【0049】
本開示の具体的な実施形態の前述の記載は、例示および説明の目的のために提示されてきた。それらは、網羅的であることまたは本開示を開示される正確な形態に限定することが意図されるものではなく、および上記教示に照らして、明らかに多くの修正および変形が可能である。例示的な実施形態は、本開示の原理およびその実際的な適用を最もよく説明し、それによって、当業者が、本開示および様々な実施形態を、考えられる特定の使用に適当であるような様々な修正を伴って、最もよく利用することができるようにするために、選択されおよび記載された。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D