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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】電圧変換回路、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240129BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
G05F1/56 310H
H02M3/155 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020000690
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021110999
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海村 静和
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0242448(US,A1)
【文献】特開2007-094970(JP,A)
【文献】特開2007-195310(JP,A)
【文献】特開2005-303280(JP,A)
【文献】特開2015-126257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路に電源を供給する電圧変換回路であって、
直流電源を電圧変換するDC-DCコンバータと、
降圧するとともに、リプル除去するLDOと、
ノイズを低減するローパスフィルタとを、直列に接続した電子回路と、
前記電子回路を実装する基板にて構成される電圧変換回路において、
前記ローパスフィルタは、前記電圧変換回路の動作ノイズとは異なる、前記基板内部で発生するクロストークノイズを低減するために、前記LDOのカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有する
ことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項2】
前記LDOのリプル除去特性を前記DC-DCコンバータの動作周波数に基づき設定することを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記ローパスフィルタのカットオフ周波数を前記DC-DCコンバータの動作周波数に基づき設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電圧変換回路。
【請求項4】
前記ローパスフィルタは、前記LDOで除去されなかった高周波ノイズを低減することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の電圧変換回路。
【請求項5】
前記ローパスフィルタは、LCフィルタであることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の電圧変換回路。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の電圧変換回路を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を構成する電子回路に直流電源を供給する電圧変換回路及びそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられているCPUやASICなどの電子回路は、近年半導体プロセスの微細化が進み、直流電源の動作電圧が低下してきている。動作電圧が低下したことにともない、動作電圧範囲が狭まり、電源電圧に求められる電圧精度が高くなっている。そこで、電子回路が要求する電圧精度を満たすために、DC-DCコンバータやLDOを電子回路の電源端子の近くに配置して電源を供給する構成としている。
一方、電源の電圧精度を妨げる要因として、電源回路動作時のリプルによるノイズが挙げられる。電源に対してノイズが重畳することにより、電子回路が要求する動作電圧範囲を電源が満たすことができない。電子回路の電源が動作電圧範囲を満たせない場合、正常に動作しない可能性がある。
電源電圧に重畳するノイズを低減するために外部端子から入力される電源に対してローパスフィルタ(LCフィルタ)を接続し、その後、LDOにより必要な電源電圧を生成する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-69678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、外部端子にローパスフィルタを接続する構成とすることで、外部からの電源電圧に重畳するノイズ成分を除去することができる。しかし、基板内部で発生するクロストークなどによる高周波ノイズが電源電圧に重畳した場合は、これを除去することができない。
本発明は、画像形成装置を構成する電子回路の電源回路であって、電源ラインに重畳する電源回路の動作ノイズと基板内部で発生するクロストークによる高周波ノイズを低減し、電子回路の電源に求められる電圧精度を満たすものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電子回路に電源を供給する電圧変換回路であって、直流電源を電圧変換するDC-DCコンバータと、降圧するとともに、リプル除去するLDOと、ノイズを低減するローパスフィルタとを、直列に接続した電子回路と、前記電子回路を実装する基板にて構成される電圧変換回路において、前記ローパスフィルタは、前記電圧変換回路の動作ノイズとは異なる、前記基板内部で発生するクロストークノイズを低減するために、前記LDOのカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電圧変換回路によれば、電源ラインに重畳する電源回路の動作ノイズと基板内部で発生するクロストークによる高周波ノイズを低減し、電子回路の電源に求められる電圧精度を満たすものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】画像形成装置の電圧変換回路構成を示す図である。
図5】電圧変換回路を構成するDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図6】電圧変換回路を構成するLDOの構成を示す図である。
図7】電圧変換回路を構成するLCフィルタの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、情報処理システムのシステム構成を示す図である。
なお、本発明について、以下では画像形成装置を例に説明するが、精度が要求される電子回路などを複数備え、それぞれに電力を供給するコピー機、ファクシミリや、複数の機能を有する複合機(MFP)等の情報処理装置であれば何であってもよい。
画像形成装置100は、画像の入出力や送受信と、それに関連する画像処理を行う。本発明は、画像形成装置100は、コントローラ101、ユーザインタフェースである操作部102、画像入力デバイスであるスキャナ103、及び画像出力デバイスであるプリンタ104を備える。
操作部102、スキャナ103、及びプリンタ104は、それぞれコントローラ101に接続され、コントローラ101が各部の動作を制御する。
コントローラ101は、LAN(Local Area Network)120に接続され、プリントサーバ110やクライアントPC111と通信を行う。ユーザは、クライアントPC111において、画像の印刷を行うべくプリントジョブを作成し、印刷処理を指示する。これにより、プリントジョブはプリントサーバ110、LAN120を介して画像形成装置100にもたらされる。
【0009】
次に、図2を参照してコントローラ101のハードウェア構成を説明する。
画像形成装置100は、装置全体を制御するコントローラ101を備える。
そのコントローラ101は、主制御を司るCPU201(Central Processing Unit)を備える。
CPU201は、システムバスを介して、ROM206(Read Only Memory)、RAM207(Random Access Memory)、及びHDD208(Hard Disk Drive)と接続される。さらに、CPU201は、ネットワークI/F205、操作部I/F202、及び画像処理部209と接続される。
ROM206は、ブートROMでありシステム起動に必要な起動プログラムを格納する。ここで、ROM206には、CPU201の起動プログラムが格納されている。
RAM207は、CPU201の主記憶部として作業領域を提供するための随時読み書き可能なメモリであり、内部処理する画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用される。
HDD208は、不揮発性メモリでありオペレーティングシステムやアプリケーションのプログラム、画像形成装置100の電源停止後にも保持が必要な設定値データやユーザデータ等を格納する。CPU201が、ROM206、HDD208等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することにより、画像形成装置100の機能が実現される。
【0010】
ネットワークI/F205は、LAN120と接続するためのインタフェースであり、LAN120を介して外部機器との間で画像データ、デバイス情報の入出力を行う。
操作部I/F202は、液晶タッチパネル等で構成する操作部102との間で入出力を行うためのインタフェースである。CPU201は、操作部I/F202を介して、操作部102に対して表示すべき画像データを出力する。また、操作部I/F202は、ユーザが操作部102を介して入力したデータをCPU201に伝送するために使用される。
画像処理部209は、スキャナ103、及びプリンタ104と接続する。画像処理部209は、スキャナ103から読み込んだ入力画像データに対して、補正、加工、編集等の画像処理を行う。また、画像処理部209は、プリンタ104へ出力するプリント出力画像データに対して、色変換、フィルタ処理、解像度変換等の処理を行う。
電源制御部220は、画像形成装置100の動作状態に応じて、各部の電源供給のオン/オフを切り替える。電源制御部220は、CPU201からシステムバスを介して制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、電源供給手段である電源装置221に対して制御信号を送信することで給電制御を行う。
電源装置221は、商用電源301(図3参照)から電源を受け、電源制御部220からの受信した制御信号に基づいて、画像形成装置100の各部に対して電源を供給する。電源装置221は、電源ケーブルにより商用電源301と接続されている限り常時通電され、電源供給が可能である。電源装置221は、画像形成装置100の各部に対しDC電源を供給するため、図3で示す第1電源部302及び、第2電源部306の電源回路を備えている。
【0011】
図3を用いて、画像形成装置100の電源装置221の構成、及び各部への電力供給の詳細を説明する。
電源装置221は、主電源スイッチ303を備えている。主電源スイッチ303は例えばシーソースイッチである。ユーザにより主電源スイッチ303がオンされると、主電源スイッチ303が導通し、第1電源部302が生成する電源が、電源制御部220に供給される。
さらに、電圧監視部310が、第1電源部302が生成する直流電源の電圧が閾値を越えたことにより、電源が供給されたことを電源制御部220に通知する。電源制御部220は、電圧監視部310から第1電源部302の生成する直流電源の電圧が所定の電圧値を超えたことを受けて、電圧変換回路311、312、313、スイッチ317、318、319をオンする。ここで、電圧変換回路311、312、313は、後段に接続されるCPU201、ROM206、HDD208、画像処理部209の動作電圧に合わせて、電源の電圧を変換する。その後、CPU201がROM206に格納されている起動プログラムに従い起動処理を行うことで、画像形成装置100は、画像形成可能な状態へ遷移する。
【0012】
画像形成装置100は、スタンバイ状態と省電力状態を備える。
スタンバイ状態では、電源装置221は、コントローラ101、操作部102、スキャナ103及びプリンタ104の各部に電源供給を行う。また、CPU201は、スタンバイ状態へ移行時、又は、省電力状態へ移行時に、システムバスを介して制御信号を送信し、電源制御部220の内部にあるレジスタ値を書き換える。電源制御部220は書き換えられたレジスタ値に基づいて、スイッチ304、電圧変換回路311、312、313、スイッチ317、318、319のオン/オフを制御し、各部へ電源供給を行う。スタンバイ状態では、ユーザが画像形成装置100のスキャンやプリントなどの機能を使用することが可能である。
省電力状態では、電源装置221は、電源制御部220に電源供給を行う。また、CPU201は、コントローラ101の一部に対して電源供給を有効にし、かつ、操作部102、スキャナ103、プリンタ104の電源供給が無効となるように電源制御部220を制御する。電源制御部220は、省電力状態において電圧変換回路312、313、スイッチ317、318、319をオフし、電源供給を停止する。その後、電源制御部220は、スイッチ305をオフし、第2電源部306をオフすることで、第2電源部306の待機電力を削減する。省電力状態では、画像形成装置100は、ユーザによって操作部102のボタンの押下や、ネットワークからのデータ受信などを電源制御部220で検知してスタンバイ状態へと移行する。
【0013】
次に、画像形成装置100をオフする場合について説明する。
まず、ユーザにより主電源スイッチ303がオフ、遮断される。ここで、スタンバイ状態、省電力状態では、スイッチ304がオンしているため、即座にコントローラ101の電源がオフされることはない。その後、CPU201は、主電源スイッチ303がオフされたことを検知して、画像形成装置100をオフするための制御を行う。CPU201は、アプリケーションのプログラムの終了と、設定値データやユーザデータ等の保存を行う。その後、CPU201はコントローラ101と操作部102、スキャナ103、プリンタ104の電源供給が無効となるように電源制御部220を制御する。電源制御部220は、電源に接続されたスイッチ304、電圧変換回路311、312、313、スイッチ305、317、318、319をオフし、電源供給を停止する。
【0014】
図4を用いて、電圧変換回路構成の詳細について説明する。ここでは、画像処理部209に供給する電源を生成する電圧変換回路313を例に説明する。
電圧変換回路313は、第1電源部302から供給される電源401を、画像処理部209の動作電圧に変換し、同時に電源に重畳するノイズを低減して、画像処理部209の電圧精度要求を満たす電源404を生成する。電圧変換回路313は、DC-DCコンバータ410とLDO(Low Drop Out)420、LCフィルタ430を直列に接続した構成となっている。電源制御部220は、イネーブル信号405を制御して、DC-DCコンバータ410のオン/オフを切り替える。DC-DCコンバータ410は、イネーブル信号405のオンを受けて、電源401の電圧変換を開始する。
まず、電源401は、第1電源部302で生成された直流電源で、例えば12[V]の電圧値を持ち、DC-DCコンバータ410に供給される。一方、電源404は、画像処理部209の動作電圧で、例えば1.1[V]のように低い電圧である。ここで、DC-DCコンバータ410を用いずLDO420のみで電圧変換すると、LDO420の変換効率は入力電圧と出力電圧の比で決まるため、電源の変換効率が低く消費電力が増加する。そのため、DC-DCコンバータ410により、画像処理部209の動作電圧とLDO420の降圧(ドロップアウト電圧)分を足し合わせた電圧以上になるように電圧変換し、電源402を生成する。
【0015】
電源402は、DC-DCコンバータ410で電圧変換された電源で、例えば1.8[V]の電圧値を持ち、LDO420に供給される。
次に、LDO420では、DC-DCコンバータ410の動作時のノイズを低減し、画像処理部209の動作電圧に降圧(ドロップアウト)した電源403を生成する。ここで、LDO420は、リプル除去特性を持ち、電圧変換する際に電源に重畳するノイズを低減することが可能である。リプル除去特性は周波数特性があり、周波数が高くなるにつれてリプル除去特性が低下していく。そのため、電源402に重畳するDC-DCコンバータ410の動作ノイズを低減するため、DC-DCコンバータ410の動作周波数、例えば500[kHz]に合わせて、リプル除去特性が20[dB]以上の特性となるようにLDO420を構成する。これにより、電源402に重畳するDC-DCコンバータ410の動作ノイズを1/10以下に低減することができる。電源403は、LDO420で電圧変換された電源で、例えば1.1[V]の電圧値を持ち、LCフィルタ430に供給される。
LCフィルタ430では、電源403に重畳するクロストークなどによる高周波ノイズを低減し、電源404として画像処理部209に供給する。ここで、クロストークによる高周波ノイズは、DC-DCコンバータ410の動作周波数よりも更に高い周波数である。LCフィルタ430は減衰特性を持ち、カットオフ周波数以上の周波数のノイズを低減するローパスフィルタである。ここで、LCフィルタ430の減衰特性をLDO420のリプル除去特性の周波数に合わせて設定することで、低周波から高周波までのノイズを低減することができる。例えば、DC-DCコンバータ410の動作周波数の500[kHz]に基づいて、減衰特性が30[dB]以下となるようにLCフィルタ430のカットオフ周波数を設定してローパスフィルタを構成する。これにより、電源403に重畳する高周波ノイズを1/30以下に低減することができる。電圧変換回路313により、低周波から高周波までのノイズを低減した電源404を生成することで、画像処理部209の動作電圧の精度要求を満たすことが可能である。
【0016】
図5を用いて、DC-DCコンバータ410の構成について説明する。DC-DCコンバータ410は、電源401の電圧を変換し、電源402を生成する。
駆動回路411は、制御回路418からPWM制御信号を受けて、FET412,413の動作を制御する。また、イネーブル信号405によりDC-DCコンバータ410のオン/オフを切り替える。
FET412,413は、駆動回路411により動作し、入力側の電源401をパルス信号に変換する。その後、FET412,413から出力されたパルス信号は、インダクタ414とコンデンサ415で構成されるLCフィルタで平滑され、電源402を生成する。
フィードバック抵抗416,417は、出力側の電源402の電圧値を分圧して制御回路418に入力する。
制御回路418は、フィードバック抵抗416,417から入力された電圧値から、FET412、413の動作を制御するPWM制御信号を生成する。出力側の電源402の電圧が低下した場合は、制御回路418がパルス信号の幅を広げるようにPWM制御信号を出力し、一方、電源402の電圧が上昇した場合は、制御回路418がパルス信号の幅を狭めるようにPWM制御信号を出力する。これにより、DC-DCコンバータ410の出力側の電源402が一定になるように制御する。
【0017】
図6を用いて、LDO420の構成について説明する。
LDO420は、電源402の電圧値を、画像処理部209の動作電圧に変換した電源403を生成する。
FET421は、入力側の電源402と出力側の電源403の間に接続され、誤差増幅器422の出力により制御され、電源403の電圧値が一定になるように動作する。
誤差増幅器422は、基準電圧源425と出力側の電源403をフィードバック抵抗423、424で分圧した電圧値との比較を行い、比較した結果から電源電圧を一定に保つようにFET421を制御する。
フィードバック抵抗423、424は、出力側の電源403の電圧値を分圧して誤差増幅器422に入力する。
基準電圧源425は、常に一定の電圧値を出力し、誤差増幅器422の比較対象に対して基準となる電圧源である。これは、定電圧素子、例えばツェナーダイオード等を用いた周知の回路で構成してもよい。
LDO420の動作は、まず、出力側の電源403の電圧が低下した場合は、誤差増幅器422がFET421のオン抵抗が小さくなるように制御し、FET421の電圧降下が小さくなることで電源403の電圧を上昇させる。一方、電源403の電圧が上昇した場合は、誤差増幅器422がFET421のオン抵抗が大きくなるように制御し、FET421の電圧降下が大きくなることで電源403の電圧を低下させる。これにより、LDO420の出力側の電源403が一定になるように制御する。
【0018】
図7を用いて、LCフィルタ430の構成について説明する。LCフィルタ430はインダクタ431とコンデンサ432を組み合わせて、電源403のノイズを低減させる回路を構成する。そのため、高周波の信号をカットするローパスフィルタを構成するように、電源403、404の間にインダクタ431を直列接続し、電源404とGNDの間にコンデンサ432を接続する。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、DC-DCコンバータ410の動作周波数及びLDOのリプル除去特性に基づいて設定される。これにより、高周波ノイズを低減する効果を得られる。
以上のように、画像形成装置100を構成する電子回路の電源を生成する電源回路において、電源電圧に重畳するDC-DCコンバータのノイズを主としてLDOによりと、クロストークによる高周波ノイズをLCフィルタにより低減することができる。これにより、電子回路に供給する電源の電圧精度要求を満たす電源電圧を生成することが可能となる。
【符号の説明】
【0019】
100 画像形成装置
201 CPU
209 画像処理部
410 DC-DCコンバータ
420 LDO
430 LCフィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7