(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】フォーム状皮膚洗浄料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20240129BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240129BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240129BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240129BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240129BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/02
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/73
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020051163
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】稲田 康輝
(72)【発明者】
【氏名】守屋 友希
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-059720(JP,A)
【文献】特開2019-059721(JP,A)
【文献】特開2012-240985(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221420(WO,A1)
【文献】Bubble Rich Cleansing Face Wash, MINTEL GNPD [ONLINE], 2019.01,[検索日 2023.07.14],インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>(Database accession no.6239481)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/86
A61K 8/02
A61K 8/25
A61K 8/26
A61K 8/73
A61Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液と、液化ガスを含む噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料であって、前記原液が下記成分A~Cを含有し、
成分Aの含有量が0.3~10.0質量%であり、成分Bの含有量が0.05~1.5質量%であり、成分Cの含有量が0.03~0.4質量%である、フォーム状皮膚洗浄料;
成分A
:ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル
であり、HLBが4~10であるノニオン界面活性剤
成分B:粘土鉱物
成分C:
グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、およびキシロースからなる群より選択される単糖類の1種又は2種以上で構成されてなる多糖類および/または
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択されるノニオン性セルロース系増粘剤。
【請求項2】
前記原液が下記成分D~Hをさらに含み、
前記原液/前記噴射剤の比率が83/17~98/2である、請求項1に記載のフォーム状皮膚洗浄料;
成分D:炭素数12~22の高級脂肪酸および/またはその塩
成分E:HLBが11~17であるノニオン界面活性剤
成分F:水
成分G:多価アルコール
成分H:ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール、デシルテトラデカノール、およびベヘニルアルコールからなる群から選ばれる、高級アルコール。
【請求項3】
前記成分Dの含有量が、0.3~5.0質量%であり、前記成分Eの含有量が、1.0~10.0質量%であり、前記成分Gの含有量が、5.0~30.0質量%であり、前記成分Hの含有量が、0.05~1.0質量%である、請求項2に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーム状皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗顔料やハンドソープ等の皮膚洗浄料の中でも、使用時に簡便に泡立てることができるものとして、エアゾールタイプのフォーム状皮膚洗浄料が知られている(例えば、特許文献1~3)。これらのフォーム状皮膚洗浄料は、細かな泡が高密度に形成された、濃密でクリーミーな泡質を得ることがきる。
【0003】
これらのエアゾールタイプのフォーム状皮膚洗浄料は、原液と噴射剤としての液化ガスとがエアゾール容器に充填された形態である。それゆえ、使用前にエアゾール容器を振ることによって原液と液化ガスとを乳化させた後に、フォーム状皮膚洗浄料を吐出させる必要がある。
【0004】
特許文献4には、使用前にエアゾール容器を振らずに使えるフォーム状皮膚洗浄料が提案されている。
【0005】
また、特許文献5に記載の技術では、高級アルコールや脂肪酸を使用してフォーム状皮膚洗浄料を増粘させることで、原液とガスとの分離を抑制する取組も成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-240985号公報
【文献】特開2017-095392号公報
【文献】特開2019-059720号公報
【文献】特開2003-252725号公報
【文献】特開平9-143039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4に開示されたフォーム状皮膚洗浄料は、液化ガスの配合量を減らし、炭酸ガスの量を増やした組成とすることによって、使用前にエアゾール容器を振らずに使えるものとなっている。しかし、特許文献4に開示されたフォーム状皮膚洗浄料は、泡質に課題がある。
【0008】
また、特許文献5に開示されたフォーム状皮膚洗浄料は、低温での原液の増粘により、(a)噴射が弱くなる、(b)発泡性が低下する、といった課題がある。
【0009】
本発明は、低温での安定性に優れ、低温環境で保管後も、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出できるフォーム状皮膚洗浄料を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、皮膚洗浄剤組成物に加えて、特定の界面活性剤を原液に所定量配合したフォーム状皮膚洗浄料が、低温での安定性に優れ、低温環境で保管後も、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出できるという新規知見を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成を含む。
【0011】
〔1〕原液と、液化ガスを含む噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料であって、前記原液が下記成分Aを含有し、
成分Aの含有量が0.3~10.0質量%である、フォーム状皮膚洗浄料;
成分A:HLBが4~10であるノニオン界面活性剤。
【0012】
〔2〕上記原液が下記成分BおよびCをさらに含み、成分Bの含有量が0.05~1.5質量%であり、成分Cの含有量が0.03~0.4質量%である、〔1〕のフォーム状皮膚洗浄料;
成分B:粘土鉱物
成分C:多糖類および/またはノニオン性セルロース系増粘剤。
【0013】
〔3〕上記原液が下記成分D~Hをさらに含み、前記原液/前記噴射剤の比率が83/17~97/3である、〔1〕または〔2〕のフォーム状皮膚洗浄料;
成分D:高級脂肪酸および/またはその塩
成分E:HLBが11~17であるノニオン界面活性剤
成分F:水
成分G:多価アルコール
成分H:高級アルコール。
【0014】
〔4〕上記成分Dの含有量が、0.3~5.0質量%であり、上記成分Eの含有量が、1.0~10.0質量%であり、上記成分Gの含有量が、5.0~30.0質量%であり、上記成分Hの含有量が、0.05~1.0質量%である、〔3〕のフォーム状皮膚洗浄料。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、低温での安定性に優れ、低温環境で保管後も、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
【0017】
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「X~Y」は、「X以上Y以下」を意図する。また、本明細書において特記しない限り、成分の含有量を表す質量%は、フォーム状皮膚洗浄料の原液全体の質量を100質量%とした値である。
【0018】
〔1.フォーム状皮膚洗浄料〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、原液と、液化ガスを含む噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料であって、前記原液が下記成分Aを含有し、成分Aの含有量が0.3~10.0質量%である;
成分A:HLBが4~10のノニオン界面活性剤。
【0019】
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、低温環境(例えば5℃)で保管後も、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出することができる。吐出前にフォーム状皮膚洗浄料を振ることなく泡質に優れた泡を吐出する上で、低温環境での保管は、常温環境での保管よりも厳しい条件となる。それゆえ、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、低温環境だけでなく常温環境で保管しても、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出することができることはいうまでもない。
【0020】
また、上記原液は、上記成分Aに加えて、以下成分BおよびCをさらに含んでいてもよい;
成分B:粘土鉱物
成分C:多糖類および/またはノニオン性セルロース系増粘剤。
【0021】
また、上記原液は、洗浄剤組成物として、以下成分D~Hをさらに含んでいてもよい。
【0022】
成分D:高級脂肪酸および/またはその塩
成分E:HLBが11~17であるノニオン界面活性剤
成分F:水
成分G:多価アルコール
成分H:高級アルコール。
【0023】
また、本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、上述した成分以外に、他の成分を含んでいてもよい。
【0024】
また、上記原液/上記噴射剤の比率は、83/17~98/2、好ましくは88/12~97/3である。起泡性、および低温での吐出安定性の観点から、上記比率は83/17以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の吐出状態および泡質の観点から、上記比率は97/3以下であればよい。
【0025】
また、成分A、成分B、成分C、成分D、成分E、成分F、成分G、成分H、および、その他の成分はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0026】
以下、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料に用いられる各成分の詳細を説明する。
【0027】
〔1-1.原液〕
〔成分A〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Aとして、HLBが4~10であるノニオン界面活性剤を含む。この成分Aは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、原液と液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)との相溶性を向上させる役割を有する。
【0028】
成分AのHLBは、4~10、好ましくは7~9である。フォーム状皮膚洗浄料の泡質の観点から、当該HLBは、4以上であればよい。また、原液と液化ガスとの相溶性の観点から、当該HLBは、10以下であればよい。
【0029】
上記HLBが4~10であるノニオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられる。酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、安定性を高める観点から、2~100であることが好ましく、より好ましくは、4~90である。
【0030】
上記成分Aの具体例としては、例えば、オレイン酸ポリグリセリル-4、ステアリン酸ポリグリセリル-4、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-3グリセリル、イソステアリン酸PEG-6グリセリル、トリオレイン酸PEG-10グリセリル、トリオレイン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸ソルビタン、PEG-5水添ヒマシ油、PEG-10水添ヒマシ油、セテス-5、セテス-10などが挙げられる。好適な成分Aは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0031】
また、成分Aの含有量は、0.3~10.0質量%、好ましくは0.4~5.0質量%である。原液と液化ガスとの相溶性の観点から、上記含有量は、0.3質量%以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の泡質の観点から、上記含有量は、10.0質量%以下であればよい。
【0032】
〔成分B〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Bとして、粘土鉱物を含むことが好ましい。この成分Bは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、原液に対してチキソトロピー性を付与し、液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)と原液との分離を抑制する役割を有する。成分Bは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
【0033】
上記粘土鉱物は、天然の粘土鉱物であってもよく、天然の粘土鉱物を精製したものであってもよく、合成された粘土鉱物であってもよい。上記成分Aとしては、特に限定されないが、例えば、天然の粘土鉱物または天然の粘土鉱物を精製したものとしては、カオリン族粘土鉱物、アンティゴライト族粘土鉱物、パイロフィライト族粘土鉱物、雲母族粘土鉱物、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物、および緑泥石族粘土鉱物等が挙げられる。
【0034】
上記カオリン族粘土鉱物としては、カオリン、ナクライト、ディッカイトおよびハロサイト等が挙げられる。上記アンティゴライト族粘土鉱物としては、アンティゴライト、アメサイトおよびクロンステダイト等が挙げられる、上記パイロフィライト族粘土鉱物としては、パイロフィライトおよびタルク(滑石)等が挙げられる。上記雲母族粘土鉱物としては、イライト、海緑石、セラドナイト、セリサイト、マイカ(雲母)、白雲母、クロム白雲母および黒雲母等が挙げられる。上記スメクタイト族粘土鉱物としては、ベンナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、バイデライト、ノントナイト、サポナイトおよびヘクトライト等が挙げられる。上記バーミキュライト族粘土鉱物としては、バーミキュライト等が挙げられる。上記緑泥石族粘土鉱物としては、緑泥石(クロライト)等が挙げられる。
【0035】
また、合成された粘土鉱物としては、合成ケイ酸塩および合成ケイ酸塩の誘導体が挙げられる。上記合成ケイ酸塩及び合成ケイ酸塩の誘導体とは、天然由来のケイ酸マグネシウムやケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)などを主成分とするケイ酸塩鉱物(少なからず不純物が含まれる)ではなく、合成によって得られるケイ酸塩及びケイ酸塩の誘導体のことを言う。
【0036】
上記合成ケイ酸塩及び合成ケイ酸塩の誘導体としては、例えば、合成ケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)(INCI名「SODIUM MAGNESIUM SILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.3076)、フルオロケイ酸マグネシウム(INCI名「MAGNESIUM FLUOROSILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.1793)、フルオロケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)(INCI名「SODIUM MAGNESIUM FLUOROSILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.3076)、フルオロケイ酸(マグネシウム/カリウム)(INCI名「MAGNESIUM POTASSIUM FLUOROSILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.1799)、フルオロケイ酸(マグネシウム/ナトリウム)(INCI名「MAGNESIUM SODIUM FLUOROSILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第2巻,CTFA,2012年,p.1800)、合成ケイ酸アルミニウム(INCI名「ALUMINUM SILICATE」:International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第14版,第1巻,CTFA,2012年,p.156)等が挙げられる。
【0037】
上記合成ケイ酸塩および合成ケイ酸塩の誘導体の市販品としては、例えば、ロックウッド社製、商品名「ラポナイトXLG」及び商品名「ラポナイトXL21」等が挙げられる。
【0038】
本発明において、原液と液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)との相溶性の観点から、上記成分Bは、フルオロケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、およびベントナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の粘土鉱物であることが好ましい。
【0039】
上記成分Bの含有量は、好ましくは0.05~1.5質量%、より好ましくは0.08~1.0質量%、さらに好ましくは0.2~0.5質量%である。液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)と原液との分離抑制の観点から、上記含有量は、0.05質量%以上が好ましい。また、フォーム状皮膚洗浄料の低温保管状態での原液の粘度上昇を抑制する観点から、上記含有量は、1.5質量%以下が好ましい。
【0040】
〔成分C〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Cとして、多糖類および/またはノニオン性セルロース系増粘剤を含むことが好ましい。この成分Cは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)と原液との分離を抑制する役割を有する。成分Cは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
【0041】
上記多糖類は、具体的には、多糖類系増粘剤である。成分Cの多糖類は、特に限定されないが、ノニオン性多糖類であることが好ましい。ノニオン性多糖類は、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースなどの単糖類の1種又は2種以上で構成されてなる多糖類である。具体的なノニオン性多糖類としては、例えば、デキストラン、プルラン、アラビノガラクタン、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、タマリンド種子ガム、キサンタンガムなどが挙げられる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な多糖類としては、製剤安定性の観点から、キサンタンガムを用いることが好ましい。
【0042】
また、ノニオン性セルロース系増粘剤は、特に限定されないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
【0043】
上記成分Cの含有量は、好ましくは0.03~0.4質量%、より好ましくは0.05~0.25質量%、さらに好ましくは0.07~0.15質量%である。液化ガス(例えば液化石油ガス:LPG)と原液との分離抑制の観点から、上記含有量は、0.03質量%以上が好ましい。また、フォーム状皮膚洗浄料の低温保管状態での原液の粘度上昇を抑制する観点から、上記含有量は、0.4質量%以下が好ましい。
【0044】
〔成分D〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Dとして、高級脂肪酸および/またはその塩、すなわち、即ち、高級脂肪酸および高級脂肪酸塩のうちのいずれか一方または両方を含むことが好ましい。この成分Dは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、洗浄成分として作用しフォーム状皮膚洗浄料の洗浄力を高めるとともに、フォーム状皮膚洗浄料の起泡性及び泡もちの向上に効果的である。さらに、泡密度の高い濃密な泡を形成することに効果的である。上記成分Dは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0045】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の炭素数12~22の高級脂肪酸;オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂等が挙げられる。中でも、フォーム状皮膚洗浄料の洗浄力、起泡性、泡もちの観点から、炭素数12~22の高級脂肪酸塩が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸がより好ましい。
【0046】
上記高級脂肪酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0047】
上記高級脂肪酸塩は、予め塩に調製された高級脂肪酸塩が配合されていてもよいし、高級脂肪酸と塩基とが原液中で塩を形成していてもよい。
【0048】
上記成分Dの含有量は、高級脂肪酸の量として、好ましくは0.3~5.0質量%、より好ましくは0.5~3.0質量%である。起泡性、洗浄性の観点から、上記含有量は0.3質量%以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の低温保管状態での原液の粘度上昇を抑制する観点から、上記含有量は5.0質量%以下であればよい。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Dの含有量(高級脂肪酸として換算した場合の含有量)の合計量である。
【0049】
〔成分E〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Eとして、HLBが11~17であるノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。この成分Eは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、洗浄成分として作用しフォーム状皮膚洗浄料の洗浄力を高めるとともに、フォーム状皮膚洗浄料の起泡性及び泡もちの向上に効果的である。さらに、泡密度の高い濃密な泡を形成することに効果的である。上記成分Eは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0050】
成分Eとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル 、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂 肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等が挙げられる。
【0051】
より具体的には、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4~10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル(ミリスチン酸ポリグリセリル-10)、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル(セテス-20)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0052】
上記成分Eの含有量は、好ましくは1.0~10.0質量%、より好ましくは3.0~8.0質量%である。起泡性および洗浄性の観点から、上記含有量は1.0質量%以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の洗い流し易さの観点から、上記含有量は10.0質量%以下であればよい。
【0053】
〔成分F〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Fとして、水を含むことが好ましい。成分Fは、特に限定されないが、精製水が好ましい。成分Fの水の含有量は、成分F以外の成分の含有量に応じて適宜設定得るが、好ましくは65.0~85.0質量%であり、より好ましくは70.0~80.0質量%である。
【0054】
〔成分G〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Gとして、多価アルコールを含むことが好ましい。成分Gの多価アルコールは、泡もちに効果的である。また、高級脂肪酸塩等の結晶の析出を抑制する効果もある。さらに、泡質を滑らかにし、クリーミーな泡とする効果もある。上記成分Gは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0055】
上記成分Gとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、1,3-ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0056】
上記成分Gの含有量は、適宜設定可能であるが、好ましくは5.0~30.0質量%、より好ましくは10.0~25.0質量%である。固形成分の析出抑制効果の観点から、上記含有量は、5.0質量%以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の洗い流し易さの観点から、上記含有量は、25.0質量%以下であればよい。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Gの含有量の合計量である。
【0057】
多価アルコールは、固形成分の析出抑制効果をより一層向上させ、さらに泡密度の高い濃密な泡を形成する観点から、ポリエチレングリコールを含有していることが好ましい。
【0058】
上記ポリエチレングリコールの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは50~10000、より好ましくは100~5000である。
【0059】
上記ポリエチレングリコールの含有量は、泡もち、泡密度及び結晶の析出抑制効果を高める観点から、好ましくは0.1~10.0質量%、より好ましくは0.5~8.0質量%である。
【0060】
〔成分H〕
本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料は、成分Hとして、高級アルコールを含むことが好ましい。この成分Hは、本発明に係るフォーム状皮膚洗浄料において、泡質を向上するという役割を有する。成分Hは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
【0061】
成分Hの高級アルコールは、特に限定されないが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール、デシルテトラデカノール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0062】
上記成分Hの含有量は、適宜設定可能であるが、好ましくは0.05~1.0質量%、より好ましくは0.1~0.8質量%である。乳化安定性および起泡性の観点から、上記含有量は、0.05質量%以上であればよい。また、フォーム状皮膚洗浄料の低温保管状態での原液の粘度上昇を抑制する観点から、上記含有量は、1.0質量%以下であればよい。
【0063】
〔その他の成分〕
上記原液は、特に限定されないが、上記成分A~H以外の成分(その他の成分)を含んでもよい。例えば、香料;シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコン等のシリコーン油;フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等の防腐剤;メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファー、ペパーミント油等の冷感剤;グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエ等の植物抽出エキス;殺菌剤;トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;メトキシケイヒ酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤;エデト酸塩等のキレート剤;アルブチン、アスコルビン酸等の美白剤;シリカ、タルク、ナイロンパウダー等の粉体などを含んでもよい。
【0064】
上記殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、トリクロサン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びサリチル酸等が挙げられる。なかでも、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸がより好ましく、サリチル酸がさらに好ましい。上記殺菌剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0065】
〔1-2.噴射剤〕
本発明のフォーム状皮膚洗浄料の噴射剤は、起泡性の観点、原液と噴射剤との相溶性の観点から、液化ガスを含有する。液化ガスとしては、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)、ジメチルエーテル(DME:Dimethyl ether)、イソペンタン、フルオロカーボン等の液化ガスなどが挙げられる。液化ガスは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なお、上記噴射剤は、液化ガスに加え、空気、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素等の圧縮ガスを併用してもよい。
【0066】
上記噴射剤100質量%中の、液化ガスの含有量は、好ましくは98.0質量%以上、より好ましくは99.0質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
【0067】
また、本発明のフォーム状皮膚洗浄料の噴射剤は、エアゾール容器の内圧の調整が容易である観点、原液と噴射剤との相溶性の観点、泡質の観点から、液化石油ガスを含有していることが好ましい。
【0068】
上記噴射剤100質量%中の、液化石油ガスの含有量は、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは70.0質量%以上、さらに好ましくは90.0質量%以上、最も好ましくは99.0質量%以上である。
【0069】
〔2.フォーム状皮膚洗浄料の製造方法および用途〕
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、既知の方法により製造することができる。例えば、原液をエアゾール容器に充填し、エアゾール用バルブにより容器をクリンチした後、規定量の噴射剤をステムから容器内へ充填し、噴射ボタンを装着する、という製造方法を例示することができる。なお、エアゾール容器としては、公知慣用の容器が挙げられ、特に限定されない。
【0070】
原液と噴射剤との混合比(質量比、組成物/噴射剤)は、適宜設定可能であるが、好ましくは83/17~98/2、より好ましくは88/12~97/3である。起泡性の観点、および低温での吐出安定性の観点から、上記混合比は、83/17以上であればよい。また、吐出状態および泡質の観点から、上記混合比は、98/2以下であればよい。
【0071】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、顔等の皮膚を洗浄するために用いられる皮膚洗浄料である。本発明のフォーム状皮膚洗浄料としては、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープや頭皮の洗浄料等が挙げられる。本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、洗浄後の肌のつっぱり感を抑制し、キメの細かいしっかりとした濃密な泡を形成するものであるので、特に洗顔料等、デリケートな部位の洗浄料に適している。
【実施例】
【0072】
本発明の一実施例について、以下に説明する。
【0073】
〔1.実施例1~16および比較例1~6〕
表1および表2に示すように各成分を配合することにより、実施例1~16および比較例1~6の原液を調製した。そして、表1および表2に示した原液比率および噴射剤比率にて、原液と噴射剤とを配合してエアゾール容器に充填することにより、フォーム状皮膚洗浄料を得た。なお、エアゾール容器本体の材質としては、透明なガラス製のエアゾール容器と、アルミ製のエアゾール容器を用いた。
【0074】
なお、噴射剤として、液化石油ガス(LPG)を使用した。そして、エアゾール容器内のガス圧が0.39MPaとなるように、液化石油ガスをエアゾール容器内へ充填した。
【0075】
〔2.各成分の詳細〕
表1および表2中、各成分の詳細は以下の通りである。
【0076】
<成分A>
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB:8):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX GWIS-320」、
セテス-5(HLB:9.4):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX 105」、
PEG-10水添ヒマシ油(HLB:7):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX HC-10」、
トリオレイン酸PEG-10グリセリル(HLB:5):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX GWO-310」、
<成分Aに相当しないノニオン界面活性剤>
イソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB:16):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX GWIS-160」、
トリオレイン酸PEG-5グリセリル(HLB:3):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX GWO-305」、
PEG-30水添ヒマシ油(HLB:11):日本エマルジョン社製、製品名「EMALEX HC-30」。
【0077】
<成分B>
フルオロケイ酸(Na/Mg):Rockwood Additives Limited社製、製品名「Laponite XL21」、
ベントナイト:日本有機粘土社製、製品名「ベンゲル」。
【0078】
<成分C>
キサンタンガム:DSP五協フード&ケミカル社製、製品名「エコーガム T」、
ヒドロキシエチルセルロース:ダイセル化学工業社製、製品名「HECダイセル SE900」。
【0079】
<成分D>
ラウリン酸:Emery Oleochemicals社製、製品名「EDENOR C12-99 (C)」、
ミリスチン酸:Emery Oleochemicals社製、製品名「EDENOR C14-99(C)」、
パルミチン酸:Emery Oleochemicals社製、製品名「EDENOR C16-98 MY」、
トリエタノールアミン:ジャパンケムテック社製、製品名「TEA-99」。
【0080】
<成分E>
ミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB:14.9):青木油脂工業社製、製品名「グリーフ 10MM」、
セテス-20(HLB:15.5):青木油脂工業社製、製品名「ブラウノン CH-320L」。
【0081】
<成分G>
濃グリセリン:阪本薬品工業社製、製品名「化粧用濃グリセリン」、
DPG:オクサリスケミカルズ社製、製品名「ジプロピレングリコールS」、
PEG-32、PEG-6:青木油脂工業社製、製品名「ブラウノン PEG-1500」。
【0082】
<成分H>
セタノール:花王社製、製品名「カルコール 6870」。
【0083】
<その他の成分>
フェノキシエタノール:四日市合成社製、製品名「フェノキシエタノール-S」。
【0084】
〔3.評価〕
実施例1~16および比較例1~10のフォーム状皮膚洗浄料を低温(5℃)で8週間保管した。そして、保管後のフォーム状皮膚洗浄料に対して、以下の評価を行った。なお、評価試験直前にエアゾール容器を振らずに以下の評価を行った。
【0085】
<3-1.低温での安定性>
透明のガラス製のエアゾール容器を用いて評価した。保管後のフォーム状皮膚洗浄料における内容物の分離状態を目視で観察することにより低温での安定性を評価した。
【0086】
(評価基準)
◎:内容物の外観が均一な状態である場合、低温での安定性を「◎」と評価した。
○:内容物の上端と下端とで若干の相違があるが、分離していない場合、低温での安定性を「○」と評価した。
×:噴射剤の層と原液の層とが分離している場合、低温での安定性を「×」と評価した。
【0087】
<3-2.低温での粘性>
透明のガラス製のエアゾール容器を用いて評価した。保管後のフォーム状皮膚洗浄料を傾けた際の内容物の流動性を目視で観察することにより低温での粘性を評価した。
【0088】
(評価基準)
◎:フォーム状皮膚洗浄料を傾けるのに合わせて内容物が流動する場合、低温での粘性を「◎」と評価した。
○:◎より粘性があるが、フォーム状皮膚洗浄料を傾けた後、5秒未満で内容物の流動が完了する場合、低温での粘性を「○」と評価した。
×:フォーム状皮膚洗浄料を傾けても流動しない場合、または、フォーム状皮膚洗浄料を傾けた後、内容物の流動が完了するまでに5秒以上要する場合、低温での粘性を「×」と評価した。
【0089】
<3-3.低温での噴射状態>
アルミ製のエアゾール容器を用いて評価した。保管後のフォーム状皮膚洗浄料を、手の平に2秒間吐出させた際の吐出状態と発泡状態とを目視で観察することにより低温での噴射状態を評価した。
【0090】
(評価基準)
◎:スムーズに泡状で吐出される場合、低温での噴射状態を「◎」と評価した。
○:スムーズに吐出されるが完全に発泡するまでに3秒未満要する場合、低温での噴射状態を「○」と評価した。
×:吐出がスムーズでない場合、または、スムーズに吐出されるが完全に発泡するまでに3秒以上要する場合、低温での噴射状態を「×」と評価した。
【0091】
<3-4.低温での泡質>
アルミ製のエアゾール容器を用いて評価した。保管後のフォーム状皮膚洗浄料を、手の平に2秒間吐出させた際の泡質を目視で観察することにより低温での泡質を評価した。
【0092】
(評価基準)
◎:きめ細かい均一な泡である場合、低温での泡質を「◎」と評価した。
○:きめ細かい泡であるが、一部粗い箇所がある場合、低温での泡質を「○」と評価した。
×:粗い泡である場合、および/または消泡する場合、低温での泡質を「×」と評価した。
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
〔4.試験結果〕
表1~表3から、「低温での安定性」、「低温での粘性」、「低温での噴射状態」、および「低温での泡質」の何れについても、参考例1~6、および実施例7~16のフォーム状皮膚洗浄料は、比較例1~6のフォーム状皮膚洗浄料よりも優れていることが明らかになった。したがって、参考例1~6、および実施例7~16のフォーム状皮膚洗浄料は、低温での安定性に優れ、低温環境で保管後も、吐出前に振ることなく、泡質に優れた泡を吐出することができる。
【0097】
〔処方例1〕
(原液)
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル 0.5質量%
フルオロケイ酸(Na/Mg) 0.3質量%
キサンタンガム 0.1質量%
ミリスチン酸ポリグリセリル-10 3.0質量%
セテス-20 1.5質量%
濃グリセリン 10.0質量%
DPG 5.0質量%
PEG-32、PEG-6 5.0質量%
ココイルグルタミン酸Na 2.5質量%
フェノキシエタノール 0.1質量%
メントール 0.05質量%
香料 0.05質量%
水 残部
合計 100.0質量%
(噴射剤)
LPG 100.0質量%
原液:噴射剤=96:4(質量比)。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、顔、手、身体、頭皮や毛髪用の洗浄料等に使用することができる。