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特許7427502電力システムの流路構成要素およびサンプパージキットを洗浄するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】電力システムの流路構成要素およびサンプパージキットを洗浄するための方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/00 20060101AFI20240129BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
F01D25/00 R
B08B7/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020059176
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2020180614
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】16/393293
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート・スコット・リベイユ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・アンソニー・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー・アンドリュー・オールズ
(72)【発明者】
【氏名】デボラ・バカン
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169698(JP,A)
【文献】特開平10-220251(JP,A)
【文献】特開2005-226464(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008011108(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0174869(US,A1)
【文献】特開2017-072134(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007027944(DE,A1)
【文献】特開2014-202207(JP,A)
【文献】特開2017-036725(JP,A)
【文献】特開2013-056316(JP,A)
【文献】特開2000-136702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
B08B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシステム(10)のセクションを洗浄する方法であって、
前記タービンシステム(10)の前記セクションのケーシング(20)を取り外すステップであって、前記ケーシング(20)は、
前記タービンシステム(10)のロータ(34)と、
前記タービンシステム(10)の前記セクションの複数の流路構成要素(42)であって、前記ロータ(34)または前記ケーシング(20)の一方に結合された複数の流路構成要素(42)と、
前記タービンシステム(10)の前記ロータ(34)と連通するサンプシステム(76)と、を少なくとも囲む、ステップと、
前記タービンシステム(10)の前記ロータ(34)と連通する前記サンプシステム(76)を加圧するステップと、
前記タービンシステム(10)の前記ロータ(34)に形成された複数の開口部(84)を封止するステップと、
前記ロータ(34)の表面および前記複数の流路構成要素(42)の表面に形成された炭化水素(82)を乾燥させるために、前記ロータ(34)および前記複数の流路構成要素(42)を蒸気(134)に曝すステップと、
前記ロータ(34)の前記表面および前記複数の流路構成要素(42)の前記表面に形成された乾燥炭化水素(82D)を除去するために、前記ロータ(34)および前記複数の流路構成要素(42)に固体二酸化炭素(CO)(142)を吹き付けるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記サンプシステム(76)を加圧するステップは、
サンプパージキット(100)を前記サンプシステム(76)のサンプベント導管(78)に流体結合するステップと、
前記蒸気(134)および前記固体二酸化炭素(CO)(142)が前記サンプシステム(76)に入ることを防止するために、前記サンプパージキット(100)により前記サンプシステム(76)を通して加圧ガスを供給するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプパージキット(100)によって供給される前記加圧ガスは、加圧空気または加圧窒素のうちの少なくとも一方を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプシステム(76)を通して前記加圧ガスを供給するステップは、
前記サンプシステム(76)に供給される窒素の量を調整するステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプシステム(76)を通して前記加圧ガスを供給するステップは、
破片が前記サンプシステム(76)に流入するのを防止するために前記加圧空気を濾過するステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプパージキット(100)を前記サンプシステム(76)に流体結合するステップは、
前記サンプパージキット(100)のガス供給ホース(120)を前記サンプシステム(76)の前記サンプベント導管(78)に解放可能に結合するステップ
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記タービンシステム(10)の前記ロータ(34)に形成された前記複数の開口部(84)を封止するステップは、
前記蒸気(134)、前記固体二酸化炭素(CO)(142)、および前記乾燥炭化水素(82D)が前記ロータ(34)に形成された複数の穴(86)を通過するのを防止するために、前記複数の穴(86)を塞ぐステップ、または
前記蒸気(134)、前記固体二酸化炭素(CO)(142)、および前記乾燥炭化水素(82D)が封止ギャップ(64)を通過するのを防止するために、前記ロータ(34)に形成された前記封止ギャップ(64)を覆うステップ、
の少なくとも一方をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気(134)、前記固体二酸化炭素(CO)(142)、および前記乾燥炭化水素(82D)が前記ロータ(34)の前記表面の部(152)に接触するのを防止するために、前記ロータ(34)の前記表面の前記一部(152)を覆うステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ロータ(34)の前記表面または前記複数の流路構成要素(42)の前記表面の少なくとも一方から、前に除去された乾燥炭化水素(82D)を取り除くステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ケーシング(20)の内面(57)と、前記ケーシング(20)の前記内面(57)に結合された別個の複数の流路構成要素(44)と、を露出させるように、前記取り外されたケーシング(20)を配置するステップと、
前記タービンシステム(10)の前記ケーシング(20)に形成された複数の開口部(84)を封止すステップと、
前記ケーシング(20)の前記内面(57)および前記別個の複数の流路構成要素(44)の表面に形成された前記炭化水素(82)を乾燥させるために、前記ケーシング(20)の前記内面(57)と前記別個の複数の流路構成要素(44)を前記蒸気(134)に曝すステップと、
前記ケーシング(20)の前記内面(57)および前記別個の複数の流路構成要素(44)の前記表面に形成された前記乾燥炭化水素(82D)を除去するために、前記ケーシング(20)の前記内面(57)と前記別個の複数の流路構成要素(44)に前記固体二酸化炭素(CO)(142)を吹き付けるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ロータ(34)および前記複数の流路構成要素(42)を前記蒸気(134)に曝す前に、前記ロータ(34)に形成されたスロット(51)を介して前記ロータ(34)に結合された前記複数の流路構成要素(42)のうちの少なくとも1つの流路構成要素を取り外すステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記タービンシステム(10)の前記ロータ(34)に形成された前記複数の開口部(84)を封止するステップは、
前記蒸気(134)、前記固体二酸化炭素(CO)(142)、および前記乾燥炭化水素(82D)が前記スロット(51)に入るのを防止するために、前記ロータ(34)に形成された前記スロット(51)を覆うステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の流路構成要素(42)のうちの取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の第1の部分(152)を保護するステップであって、取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の前記第1の部分(152)は、前記流路構成要素(42)を前記ロータ(34)に結合するために前記ロータ(34)に形成された前記スロット(51)によって受け入れられる、ステップと、
取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の第2の部分(156)の前記表面上に形成された前記炭化水素(82)を乾燥させるために、前記複数の流路構成要素(42)のうちの取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の前記第2の部分(156)を前記蒸気(134)に曝すステップと、
取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の前記第2の部分(156)の前記表面上に形成された前記乾燥炭化水素(82D)を除去するために、取り外された前記少なくとも1つ流路構成要素(42)の前記第2の部分(156)に前記固体二酸化炭素(CO)(142)を吹き付けるステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ロータ(34)および前記複数の流路構成要素(42)に前記固体二酸化炭素(CO)(142)を吹き付ける前に、前記ロータ(34)の前記表面および前記複数の流路構成要素(42)の前記表面に形成された水を除去するために、前記ロータ(34)および前記複数の流路構成要素(42)を加圧空気(138)に曝すステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電力システムを洗浄するための方法に関し、より詳細には、電力システム内の流路構成要素を洗浄する方法、および同じもしくは関連する方法を実行する際に使用されるサンプパージキットに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムなどの従来のターボ機械は、発電機のための動力を生成する。一般に、ガスタービンシステムは、ガスタービンシステムのタービン構成要素に流体(例えば、高温ガス)を通すことによって動力を生成する。より具体的には、吸気が圧縮機に引き込まれて圧縮され得る。圧縮されると、吸気は燃料と混合されて燃焼生成物を形成し、燃焼生成物はガスタービンシステムの燃焼器によって反応してガスタービンシステムの動作流体(例えば、高温ガス)を形成することができる。次に流体は、動力を生成するために、タービン構成要素の複数の回転ブレードおよびロータまたはシャフトを回転させるために流体流路を通って流れることができる。流体は、複数の回転ブレードと、回転ブレードの間に配置された複数の固定ノズルまたはベーンと、を介してタービン構成要素を通して導かれ得る。複数の回転ブレードがガスタービンシステムのロータを回転させると、ロータに結合された発電機が、ロータの回転から電力を生成することができる。
【0003】
時間が経つにつれて、ガスタービンシステムの一部および/または構成要素が汚れたり、および/または構成要素内および構成要素上に汚染物質が形成されたりする可能性がある。例えば、ガスタービンシステム内で使用されるオイル、グリース、および/または他の潤滑材料は、システム内の所望の場所(例えば、ベアリングハウジング)から排出および/または放出され、システムの他の相互接続部分に集まる可能性がある。多くの場合、オイル、グリース、および/または潤滑材料は、ガスタービンシステムのロータ、ノズル、ならびに/あるいは圧縮機および/またはタービン部品のブレードに集まり、および/または堆積する可能性がある。それに加えてまたはその代わりに、圧縮機に到達する前に吸気からフィルタで除去されない可能性があるダスト、汚れ、および/または不要な空気微粒子もまた、圧縮機および/またはタービン部品のロータ、ノズル、および/またはブレード上に定着、収集、および/または蓄積する可能性がある。
【0004】
ガスタービンシステムの様々な部分および/または構成要素上の汚染物質の量が増加するにつれて、システムの動作効率が低下する。例えば、圧縮機のロータ、ノズル、および/またはブレードに汚染物質が蓄積するにつれて、吸気の質量流量が減少し、これにより、燃焼器に供給される前の吸気の全体的な圧縮と、システムによって生成される全体的な出力が減少する。減少した質量の空気の流れ、ひいては全体の出力を補償するために、燃焼ガスが確実に所望の温度、速度、および/または圧力でタービン部品に供給されるように、システムがより多くの燃料を必要とする。しかしながら、燃料消費の増加は、ガスタービンシステムの運転コストの増加をもたらす。
【0005】
ガスタービンシステムの様々な部分および/または構成要素上の汚染物質の蓄積を防止するために、ガスタービンシステムの各部分を従来の洗浄方法を使用して洗浄することができる。例えば、タービンシステムは、停止して、少なくとも部分的に分解し、水および/または洗浄剤を使用して洗浄することができる。しかしながら、水および/または洗浄剤を使用してガスタービンシステムの構成要素および/または各部分を洗浄しても、通常、すべての汚染物質が除去されるわけではない。さらに、水および/または洗浄剤を使用してシステムを洗浄すると、多くの場合、水に曝すべきではないシステムの部分(例えばロータ)が濡れてしまう。別の従来の洗浄プロセスでは、様々なオペレータがシステムを分解し、各構成要素を手で洗浄し水洗いする。手による洗浄プロセスでは、通常、ほぼすべての汚染物質が除去されるが、多くの場合、すべての構成要素を洗浄するのに複数のオペレータが1週間以上かかる。どちらの例でも、場合によってはかなりの期間、システムを完全に停止しなければならず、そのため洗浄プロセス中に発電が完全に失われる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様は、タービンシステムのセクションを洗浄する方法を提供する。本方法は、タービンシステムのセクションのケーシングを取り外すステップであって、ケーシングは、タービンシステムのロータと、タービンシステムのセクションの複数の流路構成要素であって、ロータまたはケーシングの一方に結合された複数の流路構成要素と、タービンシステムのロータと連通するサンプシステムと、を少なくとも囲む、ステップと、タービンシステムのロータと連通するサンプシステムを加圧するステップと、タービンシステムのロータに形成された複数の開口部を封止するステップと、ロータの表面および複数の流路構成要素の表面に形成された炭化水素を乾燥させるために、ロータおよび複数の流路構成要素を蒸気に曝すステップと、ロータの表面および複数の流路構成要素の表面に形成された乾燥炭化水素を除去するために、ロータおよび複数の流路構成要素に固体二酸化炭素(CO)を吹き付けるステップと、を含む。
【0007】
本開示の第2の態様は、タービンシステム用のサンプパージキットを提供する。サンプパージキットは、圧縮空気を受け入れる加圧空気導管と、加圧空気導管と流体連通する窒素レギュレータと、窒素レギュレータと流体連通するフィルタと、フィルタと流体連通する少なくとも1つの供給ホースと、少なくとも1つの供給ホースの端部に配置された結合構成要素と、を含み、結合構成要素は、少なくとも1つの供給ホースをタービンシステムのサンプシステムに流体結合するように構成される。
【0008】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明される問題および/または検討されていない他の問題を解決するように設計されている。
【0009】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの概略図である。
図2】本開示の実施形態による、図1に示すガスタービンシステムの圧縮機の一部の側断面図である。
図3】本開示の実施形態による、図1に示すガスタービンシステムの圧縮機の側面図である。
図4】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの一部および構成要素を洗浄するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図5】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの一部および構成要素を洗浄するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図6】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの一部および構成要素を洗浄するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図7】本開示の実施形態による、図4の洗浄プロセスを受けている図1に示すガスタービンシステムの圧縮機の一部の側断面図である。
図8】本開示の実施形態による、図1に示すガスタービンシステムの圧縮機および図4の洗浄プロセスを実行するためのサンプパージキットの側面図である。
図9】本開示の実施形態による、図4の洗浄プロセスを受けている、図5に示す圧縮機の一部の側断面図である。
図10】本開示の実施形態による、図4の洗浄プロセスを受けている、図5に示す圧縮機の一部の側断面図である。
図11】本開示の実施形態による、図4の洗浄プロセスを受けている、図5に示す圧縮機の一部の側断面図である。
図12】本開示の実施形態による、図4の洗浄プロセスを受けている、図5に示す圧縮機の一部の側断面図である。
図13】本開示の実施形態による、図5の洗浄プロセスを受けている図1に示すガスタービンシステムのケーシングの一部の斜視図である。
図14】本開示の実施形態による、図4および図6の洗浄プロセスを受けている図2に示す圧縮機のロータの一部の側断面図である。
図15】本開示の実施形態による、図6の洗浄プロセスを受けている図2に示す圧縮機の流路構成要素の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の図面は、原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、類似する符号は、図面間で類似する要素を表す。
【0012】
最初の問題として、本開示を明確に説明するために、本開示の範囲内の関連する機械構成要素を参照して説明する際に、特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その一般に認められている意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0013】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができ、このセクションの開始時にこれらの用語を定義することが有用であることがわかる。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後部またはタービン端部を指す。加えて、「先導する」および「後続する」という用語は、それぞれ、「前方」および「後方」という用語と同様の記述で使用され、および/または理解することができる。多くの場合、異なる半径方向、軸方向および/または円周方向の位置にある部品を説明することが必要になる。「A」軸線は、軸方向を表す。本明細書で使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、タービンシステム(特に、ロータセクション)の回転軸と実質的に平行な軸線Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指す。さらに本明細書で使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸線Aと実質的に垂直でありかつただ1つの場所において軸線Aと交差する方向「R」(図1および図2参照)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。最後に、「円周方向の」という用語は、軸線Aの周囲の移動または位置を指す(例えば、方向「C」)。
【0014】
上述のように、本開示は、概して電力システムを洗浄するための方法に関し、より詳細には、電力システム内の流路構成要素を洗浄する方法、および同じまたは関連する方法を実行する際に使用されるサンプパージキットに関する。
【0015】
これらおよび他の実施形態は、図1図15を参照して以下に説明される。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた詳細な説明は説明の目的のためのものに過ぎず、限定するものとして解釈すべきではないことを容易に理解するであろう。
【0016】
図1は、例示的なガスタービンシステム10の概略図を示す。ガスタービンシステム10は、圧縮機12と、圧縮機12のエンクロージャ、シェル、またはケーシング20に直接結合された入口ベーンまたはダクト18(以下、「入口ダクト18」)を含むことができる。圧縮機12は、入口ダクト18から圧縮機12に流れる空気22の入ってくる流れを圧縮する。具体的には、圧縮機12は、通常、翼形部(図2を参照)およびノズル(図2を参照)を含む複数のブレードを含み、これらは空気22が圧縮機12を通って流れるときに一緒に作動して空気22を圧縮する。圧縮機12は、圧縮空気24の流れを燃焼器26に供給する。燃焼器26は、圧縮空気24の流れを加圧された燃料28の流れと混合し、この混合物に点火して燃焼ガス30の流れを生成する。単一の燃焼器26のみが示されているが、ガスタービンシステム10は、任意の数の燃焼器26を含んでもよい。燃焼ガス30の流れは、次にタービン32に供給される。圧縮機12と同様に、タービン32はまた、通常、翼形部およびステータベーンを含む複数のタービンブレードを含む。燃焼ガス30の流れは、タービン32、より具体的にはタービン32の複数のタービンブレードを駆動し、機械的仕事を発生させる。タービン32で発生された機械的仕事は、タービン32を通って延在するロータ34を介して圧縮機12を駆動し、発電機などの外部負荷36を駆動するために使用することができる。
【0017】
ガスタービンシステム10はまた、排気フレーム38を含むことができる。図1に示すように、排気フレーム38は、ガスタービンシステム10のタービン32に隣接して配置することができる。より具体的には、排気フレーム38を、タービン32に隣接して配置することができ、タービン32の、および/または燃焼器26からタービン32に流れる燃焼ガス30の流れの実質的に下流に配置することができる。本明細書で説明するように、排気フレーム38の一部(例えば、外側ケーシング)は、タービン32のエンクロージャ、シェル、またはケーシング40に直接結合されてもよい。
【0018】
燃焼ガス30が流れてタービン32を駆動した後に、燃焼ガス30は、流れ方向(D)に排気フレーム38を通じて排気、流入および/または排出され得る。図1に示す非限定的な例では、燃焼ガス30は、流れ方向(D)に排気フレーム38を通って流れることができ、ガスタービンシステム10から(例えば、大気に)排出され得る。ガスタービンシステム10が複合サイクル発電プラント(例えば、ガスタービンシステムおよび蒸気タービンシステムを含む)の一部分である別の非限定的な例では、燃焼ガス30は排気フレーム38から排出され、流れ方向(D)で複合サイクル発電プラントの排熱回収ボイラに流入してもよい。
【0019】
図2を参照すると、圧縮機12の一部が示されている。具体的には、図2は、複数のブレード42と、圧縮機12のケーシング20内に配置されたノズル44とを含む圧縮機12の一部の側面図を示している。本明細書で説明するように、ブレード42の各段(例えば、第1段、第2段、第3段など)は、ロータ34に結合されてその周囲に円周方向に配置された複数のブレード42を含むことができ、燃焼ガス30によって駆動されてロータ34を回転させることができる。さらに、本明細書で説明するように、ノズル44の各段(例えば、第1段、第2段、第3段など)は、圧縮機12のケーシング20に結合および/またはその周囲に円周方向に配置することができる複数のノズルを含むことができる。図2に示すように、ノズル44の各段は、ガスタービンシステム10の圧縮機12のブレード42の対応する段の軸方向に隣接しておよび/または実質的に下流に配置することもできる。本明細書で説明するように、圧縮機12のブレード42およびノズル44は、動作中に圧縮機12内に配置および/または機能することに基づいて、本明細書ではまとめて「流路構成要素」と呼ぶことができる。明確にするために、タービン32のすべてのブレード42、ノズル44および/またはロータ34のすべてが示されているわけではないことが理解される。したがって、図に示すブレード42および/またはノズル44の数、および/またはブレード42および/またはノズル44の段数は、例示的なものである。
【0020】
圧縮機12の各ブレード42は、ロータ34から半径方向に延在し、圧縮機12を通って流れる空気22の流路(FP)内に配置された翼形部46を含むことができる。各翼形部46は、ロータ34に隣接して配置された根元部分48と、ロータ34および/または根元部分48の半径方向反対側に配置された先端部分50と、を含むことができる。根元部分48は、ロータ34に形成されたダブテールスロット51に結合されおよび/またはその中に受け入れられたダブテール52と、ダブテール52に隣接して配置され、圧縮機12を通って流れる空気22の少なくとも一部の流路(FP)を画定するプラットフォーム54と、を含むことができる。
【0021】
圧縮機12のノズル44は、ノズル44を圧縮機12のケーシング20の内面57に隣接および/または結合する外側部分56と、外側部分56の反対側に配置される内側プラットフォーム58と、を含む、および/またはそれらとして形成することができる。圧縮機12のノズル44はまた、外側部分56と内側プラットフォーム58との間に配置された翼形部60を含むことができる。ノズル44の外側部分56および内側プラットフォーム58は、ノズル44上を流れる空気22の流路(FP)を画定する、および/または封止を提供することができる。ノズル44は、外側部分56を介してケーシング20に直接結合することができる。非限定的な例では、外側部分56は、ノズル44がケーシング20の周りに円周方向に配置され、軸方向に隣接するタービンブレード42に配置され得るように、圧縮機12のケーシング20に結合および/または固定されてもよい。
【0022】
ブレード42のダブテール52を受け入れるように構成されたダブテールスロット51に加えて、ロータ34はまた、その上に形成された複数の穴、ギャップ、および/または封止を含むことができる。様々な穴、ギャップ、および/または封止をロータ34に形成して、動作中に圧縮機12内の圧力を緩和し、冷却流体がロータ34を通過して圧縮機12の構成要素を冷却できるようにすることができ、また、ロータ34の隣接する部分またはセクションの間に形成することなどができる。例えば、図2に示すように、圧縮機12のロータ34は、ブレード42およびノズル44の上流に形成された複数の加圧穴62を含み、圧縮されるようにブレード42を通して空気を流す前に、空気22の圧力を補助または調整することができる。さらに、ロータ34は、ロータ34の2つの別個の部分の間に形成された封止ギャップ64を含むことができる。動作中のロータ34の熱膨張を可能にするために、封止ギャップ64をロータ34に形成することができる。さらに、図2に示す非限定的な例では、ロータ34は、ブレード42および/またはノズル44に隣接して配置された複数のドレンまたはウィープホール66(以下、「ウィープホール66」)を含むことができる。ウィープホール66はまた、ロータ34を通る空気22の通過のためであってもよく、および/またはロータ34を支持するベアリングからオイルおよび/または潤滑流体が漏れているかどうかを判断するために使用されてもよい。
【0023】
3つの例(例えば、加圧穴62、封止ギャップ64、ウィープホール66)が設けられているが、圧縮機12のロータ34は、そこに形成される追加の穴、ギャップ、および/または封止を含んでもよいことが理解される。図示され、本明細書で説明される例は、単なる例示に過ぎない。このように、それぞれの穴、ギャップ、および/または封止を通して汚染物質(例えば、炭化水素、蒸気、固体二酸化炭素)が侵入および/または通過することを防止するために、洗浄プロセス中に覆う、塞ぐ、および/または封止できる穴、ギャップ、および/または封止の特定された例は、網羅的なものではない。
【0024】
図3を参照すると、ガスタービンシステム10用の圧縮機12の一部の側面図が示されている。非限定的な例では、圧縮機12のケーシング20は、互いに結合された上部68および下部70を含むことができる。すなわち、ロータ34および流路構成要素(例えば、ブレード42、ノズル44)を実質的に取り囲む圧縮機12のケーシング20は、一緒に解放可能に結合され得る2つの別個の半体として形成することができる。圧縮機12のケーシング20はまた、圧縮機12の前方フレーム72と後部または後方フレーム74との間に配置されてもよい。前方フレーム72および後方フレーム74は、圧縮機12を通って延在するケーシング20および/またはロータ34を実質的に支持することができる。さらに、前方フレーム72および/または後方フレーム74は、圧縮機12をガスタービンシステム10(例えば、入口ダクト18、タービン32)の別個の構成要素および/または部分に結合することができる。
【0025】
さらに、前方フレーム72および後方フレーム74は、圧縮機12の追加の構成要素および/またはシステムを収容することができる。例えば、図3に示すように、前方フレーム72および後方フレーム74はそれぞれ、圧縮機12のためのサンプシステム76の一部を収容および/または含むことができる。圧縮機12のサンプシステム76は、ロータ34と連通してもよく、および/またはロータ34と相互作用してもよい。より具体的には、サンプシステム76は、圧縮機12および/またはガスタービンシステム10の動作中にロータ34を支持および回転させることを可能にする様々なベアリング(図示せず)にオイルを提供することができる。サンプシステム76は、圧縮機12を通って延在するおよび/または圧縮機12から排出するサンプベント導管78、80を含むことができる。非限定的な例では、第1のサンプベント導管78が形成されてもよく、かつ/または前方フレーム72を通って延在してもよく、第2のサンプベント導管80が形成されてもよく、かつ/または圧縮機12の後方フレーム74を通って延在してもよい。サンプベント導管78、80は、ガスタービンシステム10の圧縮機12の動作中にサンプシステム76内の内部圧力(例えば、空気圧、流体圧力)を調整するようにサンプシステム76から空気を排出することができる。
【0026】
図4図6は、ガスタービンシステムの例示的な洗浄プロセスを示している。より具体的には、図4図6は、ガスタービンシステム内に含まれる圧縮機の様々な構成要素(例えば、流路構成要素42、44、ロータ34、ケーシング20)を洗浄する非限定的な例示的プロセスを示す流れ図を示す。場合によっては、図1図3および図7図14に関して本明細書で説明するようなプロセスを使用して圧縮機およびその様々な構成要素を洗浄することができる。他の非限定的な例では、プロセスは、ガスタービンシステム10の他の部分(例えば、タービン32)およびそこに含まれる様々な構成要素を洗浄するために使用されてもよいことが理解される。
【0027】
プロセスP1では、洗浄されるガスタービンシステムのセクションのケーシングを取り外すことができる。具体的には、ガスタービンシステムの複数の構成要素を囲むセクションのケーシングを取り外して、洗浄される構成要素を露出させることができる。非限定的な例では、ケーシングは、ガスタービンシステムのロータの少なくとも一部、ロータもしくはケーシングの一方に結合された複数の流路構成要素、およびロータと連通するサンプシステムを取り囲むことができる。ガスタービンシステムのセクションのケーシングは、複数の部品、セクション、および/または部分として形成されてもよい。例えば、ケーシングは、ガスタービンシステムの構成要素を実質的に包囲するように一緒に結合することができる上側部分および下側部分として形成されてもよい。
【0028】
プロセスP2では、本明細書で説明するように、ガスタービンシステムのロータと連通しているサンプシステムを加圧して、洗浄プロセス中に逆流すること、および/または望ましくない物質(例えば、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、乾燥炭化水素)に曝されることを防止することができる。サンプシステムは、サンプパージキットを使用して加圧することができる。より具体的には、サンプシステムを加圧するステップは、洗浄プロセス中に望ましくない物質がサンプシステムに入るのを防止するために、サンプパージキットをサンプシステムのサンプベント導管に流体結合し、サンプパージキットによりサンプシステムを通して加圧ガスを提供するステップを含むことができる。サンプパージキットをサンプシステムに流体結合するステップは、サンプパージキットのガス供給ホースをサンプシステムのサンプベント導管に解放可能に結合するステップを含むことができる。サンプパージキットによりサンプシステムに提供される加圧ガスは、加圧空気および/または加圧窒素を含むことができる。加圧ガスが空気の少なくとも一部を含む非限定的な例では、加圧空気を提供するステップは、破片または汚染物質(例えば、ごみ、ダストなど)がサンプシステムに流れ込むのを防止するために、空気を濾過するステップを含むことができる。さらに、加圧ガスが少なくとも窒素の一部を含む場合、加圧空気を提供するステップは、サンプパージキットを介してサンプシステムに提供される窒素の量を調整するステップを含むことができる。
【0029】
プロセスP3では、ガスタービンシステムのロータに形成された複数の開口部を封止、閉鎖、および/または覆うことができる。すなわち、ロータに形成された複数の穴、ギャップ、および/または封止を、本明細書で説明するように、洗浄プロセス中に望ましくない物質(例えば、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、乾燥炭化水素)がロータに進入および/またはロータを通過するのを防止するために、覆う、塞ぐ、および/または封止することができる。ロータに形成された複数の開口部を封止するステップは、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素が洗浄プロセス中に穴/封止ギャップを通過するのを防止するために、ロータに形成された穴を塞ぐステップ、および/またはロータに形成された封止ギャップを覆うステップを含むことができる。ロータに形成された様々な穴、ギャップ、および/または封止は、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素が洗浄プロセス中に穴/封止ギャップを通過するのを防止するために、任意の適切な構成要素および/または装置を使用して、覆う、塞ぐ、および/または封止することができる。例えば、穴は、正確なサイズのプラグを使用して封止、および/または充填することができ、一方、封止ギャップは、封止ギャップを包囲、および/または円周方向に配置することができる360°シール(例えば、フォームシールまたはリング)を使用して覆うおよび/または封止することができる。さらに、各プラグおよび/または封止は、洗浄プロセス中の移動および/または開封を防止するためにテープで覆うことができる。
【0030】
プロセスP4では、ガスタービンシステムのロータの一部を覆うことができる。より具体的には、ロータの露出面または外面の一部を覆う、および/または保護して、洗浄プロセス中に蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素がロータの覆われた部分に接触するのを防止することができる。ロータの一部を、蒸気および/または固体二酸化炭素(CO)に曝すことができない、または曝すべきではない箇所を覆うことが望ましい場合がある。例えば、ロータの覆われた部分は、固有の特徴を含んでもよく、あるいは、以前の動作中の摩耗および/または損傷を含んでもよい。プロセスP4は、オプションとして仮想線で示され、洗浄プロセス中に所望または必要に応じて実行されてもよい。
【0031】
プロセスP5では、ガスタービンシステムのロータおよび複数の流路構成要素を蒸気に曝すことができる。より具体的には、蒸気は、ガスタービンシステムのケーシングによって前に封入されていたおよび/または囲まれていたロータおよび複数の流路構成要素のすべての露出部分に適用することができる。蒸気を、ロータおよび複数の流路構成要素の露出面または外面に供給し、噴霧し、および/または接触させることができる。ロータおよび複数の流路構成要素の外面を曝す際に、外面上に形成、収集、および/または配置された炭化水素を乾燥させることができる。すなわち、ガスタービンシステムの運転中に、炭化水素(例えば、オイル、グリース、燃料、汚れ、ダスト、粒子の蓄積など)が、ロータおよび/または複数の流路構成要素(例えば、ブレード)の外面に蓄積および/または形成される可能性がある。ロータの表面に蓄積した炭化水素と複数の流路構成要素を直接蒸気に曝すことにより、本明細書で説明するように、洗浄プロセス中にこれらの炭化水素を除去するのを助けるために、炭化水素を実質的に乾燥させ、水分を除去し、かつ/または炭化水素を硬化させることができる。ロータおよび複数の流路構成要素は、蒸気を提供することができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステムを使用して蒸気に曝すことができる。例えば、高圧蒸気を提供するスプレーガンをオペレータが利用して、ロータおよび複数の流路構成要素を蒸気に曝すことができる。別の非限定的な例では、複数の自動スプレーバルブを露出したロータおよび流路構成要素に隣接して配置して、ガスタービンシステムの一部を高圧蒸気に提供および/または曝すことができる。
【0032】
プロセスP6では、ロータおよび複数の流路構成要素を加圧空気に曝して、ロータおよび/または複数の流路構成要素から水を除去することができる。すなわち、ロータおよび複数の流路構成要素を蒸気に曝した後に、水および/または凝縮物が、ロータおよび/または複数の流路構成要素の外面上に蓄積および/または形成することがある。ロータおよび流路構成要素に吹き付ける前に(例えば、プロセスP7)、ロータおよび複数の流路構成要素は、表面から水を除去するために加圧空気に曝されてもよい。プロセスP6は、オプションとして仮想線で示され、洗浄プロセス中に所望または必要に応じて実行または省略することができる。
【0033】
プロセスP7では、ロータおよび複数の流路構成要素が固体二酸化炭素(CO)により吹き付けられ、曝され、接触されてもよい。具体的には、それぞれの表面から乾燥炭化水素(例えば、プロセスP5)を緩める、除去する、および/または取り除くために、固体二酸化炭素(CO)を、ロータの外面および複数の流路構成要素の外面に吹き付け、および/または投射することができる。ロータの外面に形成された炭化水素と流路構成要素は、最初に蒸気を使用して乾燥されるため、固体二酸化炭素(CO)で表面を吹き付けるときに、炭化水素はより簡単に緩められ、除去され、および/または取り除かれる。結果として、ロータの表面および複数の流路構成要素は、本明細書で説明される洗浄プロセスを実行した後に、炭化水素を実質的に含まない可能性がある。これにより、ガスタービンシステムの運転効率および/または出力、ならびに/あるいはロータおよび/または複数の流路構成要素の運転寿命が改善される。ロータおよび複数の流路構成要素は、固体二酸化炭素(CO)を提供できる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステムを使用して、固体二酸化炭素(CO)を吹き付けられてもよい。例えば、固体二酸化炭素(CO)(例えば、ドライアイスペレット)を提供するスプレーガンは、ロータおよび複数の流路構成要素の外面に吹き付けるためにオペレータによって利用されてもよい。別の非限定的な例では、複数の自動スプレーバルブを露出したロータおよび流路構成要素に隣接して配置して、ガスタービンシステムの一部に固体二酸化炭素(CO)を提供および/または吹き付けることができる。
【0034】
プロセスP8では、前に除去された/緩んだ乾燥炭化水素を取り除くことができる。すなわち、ブラストプロセス中に1つの表面(例えば、流路構成要素の外面)から除去された乾燥炭化水素が、ガスタービンシステムの別の部分(例えば、ロータの外面)に落ち着くか、着地すると、これらの乾燥炭化水素は後でガスタービンシステムの表面および/または一部から取り除かれる。それに加えて、またはその代わりに、吹き付けプロセス(例えば、プロセスP7)の後に、乾燥炭化水素が無傷のままであるか、その表面に緩く固定されている場合、それらの緩んだ乾燥炭化水素は、その後に、ガスタービンシステムの表面および/または一部から除去される。乾燥炭化水素は元の表面から取り除かれ、別の表面に定着するため、および/または緩んだ乾燥炭化水素が表面に緩く固定されているため、適切なプロセス、システム、装置を使用して、乾燥炭化水素を簡単に除去することができる。例えば、吹き付けプロセスを実行した後に、真空を使用して、ロータおよび/または複数の流路構成要素の外面上に配置された残りの乾燥炭化水素を吸い上げることができる。それに加えて、またはその代わりに、ロータおよび/または複数の流路構成要素の外面に配置された残りの乾燥炭化水素をブローおよび/または除去するために、加圧空気が提供されてもよい。別の例では、オペレータは、ロータの外面および/または複数の流路構成要素から残りの乾燥炭化水素を手動でブラッシングしてもよい。
【0035】
図4に示すように、ガスタービンシステムの一部を洗浄する追加の方法は、プロセスP1~P8の実行に続いておよび/または並行して実行することができる。本明細書で説明するように、図4のプロセスP1~P8は、ロータおよびロータに結合された複数のブレード(例えば流路構成要素)を含むガスタービンシステムの一部、より具体的には圧縮機、を洗浄するために実行することができる。図5を参照すると、プロセスP9~P12は、除去されたケーシングおよびケーシングに結合および/または取り付けられた別個の流路構成要素(例えば、ノズル)などのガスタービンシステムの別個および/または追加の部分を洗浄するために実行されてもよい。
【0036】
プロセスP9は、図4および図5に示されており、プロセスP8の後に続くおよび/または実行されるか、あるいはプロセスP1の後に実行され、タンデムまたは同時に実行されてプロセスP2~P8を実行することができる。プロセスP9(図5)では、取り外されたケーシング(例えば、プロセスP1)は、ケーシングの内面、ならびにケーシングの内面に結合および/または取り付けられた別個の流路構成要素(例えば、ノズル)が露出するように配置することができる。ケーシングが2つの別個の半体として形成される非限定的な例では、ケーシングの各半体は、内面および内面に結合された流路構成要素の部分が露出され、見ることができ、および/または本明細書で説明される洗浄プロセスを実行するためにオペレータがアクセスすることができる。
【0037】
プロセスP3と同様に、プロセスP10では、ガスタービンシステムのケーシングに形成された複数の開口部を封止、閉鎖、および/または覆うことができる。ケーシングに形成された複数の穴、ギャップ、および/または封止を、本明細書で説明するように、洗浄プロセス中に望ましくない物質(例えば、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、乾燥炭化水素)がケーシングに進入および/またはケーシングを通過するのを防止するために、覆う、塞ぐ、および/または封止することができる。ケーシングに形成された複数の開口部を封止するステップは、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素が洗浄プロセス中に穴を通過するおよび/または封止ギャップに接触するのを防止するために、ケーシングに形成された穴を塞ぐステップ、および/またはケーシングに形成されたギャップを覆うステップを含むことができる。プロセスP3に関して本明細書で同様に説明されているように、ケーシングに形成された様々な穴、ギャップ、および/または封止は、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素が洗浄プロセス中に穴/封止ギャップを通過するのを防止するために、任意の適切な構成要素および/または装置を使用して、覆う、塞ぐ、および/または封止することができる(例えば、プラグ、360°封止、テープなど)。
【0038】
プロセスP11では、ガスタービンシステムのケーシングおよび複数の別個の流路構成要素を蒸気に曝すことができる。より具体的には、蒸気は、ケーシングの露出した内面と、ケーシングの内面に結合された複数の別個の流路構成要素と、に適用することができる。プロセスP5に関して本明細書で同様に説明されるように、蒸気をケーシングの露出面もしくは内面および複数の別個の流路構成要素の外面に提供し、噴霧し、および/または接触させて、ケーシングおよび流路構成要素のそれぞれの表面上に形成、収集、および/または配置された炭化水素を乾燥、水分除去、および/または硬化させることができる。ケーシングおよび複数の別個の流路構成要素(例えば、ノズル)は、蒸気を提供することができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステム(例えば、スプレーガン、自動スプレーバルブ)を使用して蒸気に曝すことができる。
【0039】
プロセスP12では、ケーシングおよび複数の別個の流路構成要素は、固体二酸化炭素(CO)によって吹き付けられ、露出され、接触されてもよい。具体的には、ケーシングの内面および複数の別個の流路構成要素(例えば、ノズル)の外面に固体二酸化炭素(CO)を吹き付け、および/または投射して、プロセスP7に関して本明細書で同様に説明したように、それぞれの表面から乾燥炭化水素(例えば、プロセスP11)を緩め、除去し、および/または取り除くことができる。ケーシングと複数の別個の流路構成要素は、固体二酸化炭素(CO)を提供できる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステム(例えば、スプレーガン、自動スプレーバルブなど)を使用して、固体二酸化炭素(CO)を吹き付けられてもよい。
【0040】
プロセスP9~P12のみを含むように示されているが、図5に示すケーシングおよび別個の流路構成要素を洗浄するプロセスは、プロセスP1~P8で実行されるものと同様の追加のプロセスを含むことができることが理解される。例えば、ケーシングおよび別個の流路構成要素を蒸気に曝す(例えば、プロセスP11)前に、ケーシングの一部を覆うことができる(例えば、プロセスP4)。それに加えて、またはその代わりに、ケーシングおよび別個の流路構成要素を蒸気に曝した後(例えば、プロセスP11)に、内部ケーシングおよび別個の流路構成要素は、蒸気によって形成された水および/または凝縮物を除去するために、加圧空気に曝されてもよい(例えば、プロセスP6)。最後に、ケーシングおよび別個の流路構成要素に固体二酸化炭素を吹き付けた後(例えば、プロセスP12)に、除去され/緩められた乾燥炭化水素をケーシングおよび/または複数の別個の流路構成要素から取り除くことができる(例えば、プロセスP8)。
【0041】
他の非限定的な例では、ケーシングを取り外した後(例えば、プロセスP1)に、洗浄プロセスを受けているガスタービンシステムの一部を取り除いてもよい。図6に目を向けると、プロセスP13~P16は、図4に関連して本明細書に示して説明した洗浄プロセスを受けているガスタービンシステムの一部(例えば、圧縮機)から除去され得る一部または構成要素(例えば、ブレード)を洗浄するために実行することができる。
【0042】
プロセスP13では、少なくとも1つの流路構成要素(例えば、ブレード)をロータから取り外すことができる。すなわち、ケーシングを取り外してロータおよび複数の流路構成要素(例えば、プロセスP1)を露出させた後に、ロータに形成されたダブテールスロットを介してロータに結合された流路構成要素を取り外すことが望ましい場合がある。簡単に図4に戻ると、ガスタービンシステムのロータに形成された開口部を封止する前、およびロータおよび複数の(残りの)流路構成要素を蒸気に曝す前に、流路構成要素を取り外すことができる。流路構成要素は、検査目的でロータから取り外して、構成要素の所望の清浄度を確保し、および/またはロータに追加のスペースを提供して、本明細書で説明する洗浄プロセス中に残りのすべての流路構成要素および/またはロータの一部にアクセスすることができる。ロータから流路構成要素を取り外した結果として、ロータに形成された開口部を封止する(例えば、プロセスP3)および/またはロータの一部を覆う(例えば、プロセスP4)ステップは、取り外された流路構成要素を受け入れるためにロータに形成されたダブテールスロットを覆い、封止し、および/またはブロックするステップも含むことができる。ダブテールスロットを覆うと、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および乾燥炭化水素が、洗浄プロセス中にダブテールスロットに入るのを防止することができる。
【0043】
プロセスP14では、取り外された流路構成要素の第1の部分を保護することができる。より具体的には、流路構成要素をロータに結合するためにロータに形成されたダブテールスロットによって受け入れる、取り外された流路構成要素の第1の部分を覆う、包む、保護する、および/またはシールドすることができる。取り外された流路構成要素がブレードである非限定的な例では、第1の部分は、ブレードのプラットフォームに隣接して形成されたダブテールを含むことができる。第1の部分は、第1の部分が蒸気に曝され(例えば、プロセスP15)、洗浄プロセス中に固体二酸化炭素(CO)によって吹き付けられるのを防止することができる任意の適切な構成要素および/または特徴によって保護するおよび/または覆うことができる。例えば、第1の部分は、保護フィルムまたはコーティングで包まれてもよく、あるいは、取り外された流路構成要素の第1の部分を受け入れるように構成された保護カバーで囲まれてもよい。
【0044】
プロセスP15では、取り外された流路構成要素の第2の部分を蒸気に曝すことができる。より具体的には、取り外された流路構成要素の第2の部分の露出した外面に蒸気を適用することができる。プロセスP5に関して本明細書で同様に説明したように、蒸気を、取り外された流路構成要素の外面に提供し、噴霧し、および/または接触さて、流路構成要素の第2の部分に形成、収集、および/または配置された炭化水素を乾燥し、水分除去し、および/または硬化することができる。取り外された流路構成要素がブレードである非限定的な例では、第2の部分は、プラットフォームおよびブレードの翼形部を含むことができる。取り外された流路構成要素(例えば、ブレード)の第2の部分は、蒸気を提供することができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステム(例えば、スプレーガン、自動スプレーバルブ)を使用して蒸気に曝すことができる。
【0045】
プロセスP16では、取り外された流路構成要素の第2の部分は、固体二酸化炭素(CO)により吹き付けられ、曝され、接触してもよい。具体的には、プロセスP7に関して本明細書で同様に説明したように、取り外された流路構成要素(例えば、ブレード)の第2の部分の外面に固体二酸化炭素(CO)を吹き付け、および/または投射して、表面から乾燥炭化水素を緩める、除去する、および/または取り除く(例えば、プロセスP15)ことができる。取り外された流路構成要素の第2の部分は、固体二酸化炭素(CO)を提供できる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステム(例えば、スプレーガン、自動スプレーバルブなど)を使用して、固体二酸化炭素(CO)を吹き付けられてもよい。
【0046】
プロセスP3~P16のみを含むように示されているが、図6に示す取り外された流路構成要素を洗浄するプロセスは、プロセスP1~P8で実行されるものと同様の追加のプロセスを含むことができることが理解される。例えば、取り外された流路構成要素の第2の部分を蒸気に曝した後(例えば、プロセスP15)に、取り外された流路構成要素を加圧空気に曝して(例えば、プロセスP6)、蒸気によって形成された水および/または凝縮物を除去することができる。それに加えてまたはその代わりに、取り外された流路構成要素の第2の部分に固体二酸化炭素を吹き付けた後(例えば、プロセスP16)に、除去され/緩められた乾燥炭化水素を、取り外された流路構成要素から取り除くことができる(例えば、プロセスP8)。
【0047】
図7図12は、図4に関して本明細書で説明したプロセス(例えば、P1~P8)と同様の洗浄プロセスを受けているガスタービンシステム10(図1を参照)の圧縮機12の一部を示す。同様の符号および/または名称を付した構成要素は、実質的に同様に機能できることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0048】
図7の非限定的な例では、圧縮機12は、ケーシング20が取り外された状態で示されている(図2を参照)。より具体的には、ケーシング20(例えば、上部68、下部70)、およびケーシング20の内面57に結合および/または取り付けられた複数のノズル44は、圧縮機12の前方フレーム72および/または後部または後方フレーム74から取り外しおよび/または結合解除することができる。その結果、ロータ34の一部および複数のブレード42(例えば、流路構成要素)を露出させ、および/または覆われないようにすることができる。図7に示すケーシング20の取り外しは、図4に示すプロセスP1に対応することができる。
【0049】
さらに、図7に示すように、複数の流路構成要素および/またはロータは、その上に形成された炭化水素82を含むことができる。より具体的には、炭化水素82(例えば、オイル、グリース、汚れ、ダスト、粒子の蓄積など)が、ロータ34および複数のブレード42の外面上に形成、収集、および/または蓄積され得る。非限定的な例では、炭化水素82は、ブレード42の翼形部46(例えば、流路構成要素)の外面または露出面、ならびにブレード42および/または隣接するノズル44の間に形成および/または配置されたロータ34の外面または露出面(図2参照)に形成され得る。本明細書で説明するように、炭化水素82は、ガスタービンシステム10の動作中に、ロータ34の外面および/または流路構成要素(例えば、ブレード42、ノズル44-図13)上に収集、蓄積、および/または形成され得る。
【0050】
図8は、ロータ34およびロータ34に結合された複数のブレード42を露出させるためにケーシング20が取り外された圧縮機12の側面図を示す。さらに、図8は、サンプシステム76を加圧するように構成され、ガスタービンシステム10のロータ34と連通するサンプパージキット100を示す。すなわち、本明細書で説明するように、サンプパージキット100は、サンプシステム76を加圧し、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および乾燥炭化水素82Dがサンプシステム76に望ましくない形で入るのを防止するための加圧ガスを提供するために、洗浄プロセスで使用することができる。非限定的な例では、サンプパージキット100は、加圧プロセス(例えば、プロセスP2)を支援するために、圧縮および/または加圧空気を受け取って供給する加圧空気導管102を含むことができる。加圧空気は、加圧空気導管102と流体連通する空気源104によって供給することができる。
【0051】
サンプパージキット100はまた、加圧空気導管102と流体連通する窒素レギュレータ106を含むことができる。窒素レギュレータ106は、加圧空気導管102から加圧空気を受け取り、該当する場合、サンプシステム76に加圧空気(および窒素混合物)を供給する前に、加圧空気と混合され得る窒素の量を調整することができる。図8に示す非限定的な例では、窒素源108は、窒素レギュレータ106と流体連通して、サンプパージキット100、特に窒素レギュレータ106に窒素を供給することができる。
【0052】
図8に示すように、サンプパージキット100はまた、フィルタ110および圧力ゲージ112を含むことができる。フィルタ110は窒素レギュレータ106に流体結合することができ、圧力ゲージ112はフィルタ110に流体結合することができる。フィルタ110は、加圧空気導管102によって供給される加圧空気から汚染物質(例えば、ダスト、汚れ)、ならびに/あるいは窒素レギュレータ106によって供給および/または調整された窒素中に見られる汚染物質を濾過および/または除去するために、窒素レギュレータ106および加圧空気導管102の下流に配置することができる。フィルタ110と流体連通し、下流に配置された圧力ゲージ112は、加圧プロセス(例えば、プロセスP2)を実行するときにサンプシステム76に供給される加圧空気(および窒素混合物)の圧力および/または流量を調整および/または調節することができる。すなわち、圧力ゲージ112は、サンプシステム76の流体(例えば、空気、潤滑油)の逆流を防ぐために、ならびに洗浄プロセス中に、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および乾燥炭化水素82Dがサンプシステム76に望ましくない形で入るのを防ぐのを助けるために、加圧空気(および窒素混合物)の圧力および/または流量を調整することができる。
【0053】
サンプパージキット100はまた、圧力ゲージ112と少なくとも1つの供給ホース120と流体連通し、かつそれらの間に配置された接続装置118を含むことができる。すなわち、接続装置118は、少なくとも1つの供給ホース120と圧力ゲージ112との間に配置することができ、少なくとも1つの供給ホース120を圧力ゲージ112と流体結合することができるので、供給ホース120が圧力ゲージ112、およびサンプパージキット100の残りの上流部分(例えば、フィルタ110、窒素レギュレータ106など)と流体連通する。接続装置118は、任意の適切な迅速な接続装置として形成され得る。したがって、接続装置118は、洗浄プロセスを実行するオペレータが、サンプパージキット100の上流部分(例えば、フィルタ110、窒素レギュレータ106など)を供給ホース120に容易に接続/非接続することを可能にすることができる。これにより、接続装置118を供給ホース120に結合する前に本明細書で説明するように、オペレータが供給ホース120をサンプシステム76に接続または結合することができ、および/またはオペレータが、サンプパージキット100の上流部分を、圧縮機12(例えば、ケーシング20、図13)の別個の部分を洗浄するために使用される別個の供給ホースに移動させることができる。
【0054】
サンプパージキット100の供給ホース120は、サンプシステム76に結合および/または流体連通して、洗浄プロセス中に加圧空気(および窒素混合物)を供給することができる。結果として、サンプパージキット100に含まれる供給ホース120の数は、洗浄プロセス中にサンプパージキット100をサンプシステム76に流体結合してシステムを加圧するための接続点の数に、少なくとも部分的に依存してもよい。図8に示す非限定的な例では、供給ホース120は、サンプシステム76のサンプベント導管78、80と流体連通および/または結合され、サンプパージキット100は、第1の供給ホース120Aおよび第2の供給ホース120Bを含むことができる。第1の供給ホース120Aは、サンプシステム76のフィルタ110および第1のサンプベント導管78と流体連通することができ、第2の供給ホース120Bは、サンプシステム76のフィルタ110および第2のサンプベント導管80と流体連通することができる。さらに、サンプパージキット100が2つの供給ホース120A、120Bを含む非限定的な例では、サンプパージキット100は、スプリッタセクションまたはパイプ122(以下、「スプリッタパイプ122」)も含むことができる。スプリッタパイプ122は、第1の供給ホース120A、第2の供給ホース120B、および接続装置118と流体連通して、供給ホース120A、120Bをサンプパージキット100の上流部分(例えば、フィルタ110、窒素レギュレータ106など)に流体結合することができる。スプリッタパイプ122は、本明細書で説明される加圧プロセス中に、第1の供給ホース120Aと第2の供給ホース120Bとの間に加圧空気(および窒素混合物)を供給および/または分配することもできる。
【0055】
非限定的な例では、供給ホース120A、120Bは、結合構成要素124を介してサンプシステム76と結合および/または流体連通することができる。より具体的には、サンプパージキット100は、各供給ホース120A、120Bの端部に形成および/または配置されて、供給ホース120A、120Bをサンプシステム76のそれぞれのサンプベント導管78、80に流体結合する結合構成要素124を含むことができる。図8に示すように、結合構成要素124は、サンプシステム76のそれぞれのサンプベント導管78、80に解放可能に結合することができる。結合構成要素124は、供給ホース120A、120Bをサンプシステム76に固定して流体結合することができる任意の適切な装置または構成要素であってもよい。例えば、図8に示すように、結合構成要素124は、それぞれの供給ホース120A、120Bの端部に結合および/または固定され得るアダプタプレート126A、126Bを含むことができる。各アダプタプレート126A、126Bは、サンプパージキット100の供給ホース120A、120Bをサンプシステム76に流体結合するために、供給ホース120A、120Bをサンプシステム76の対応するサンプベント導管78、80に解放可能に結合することができる。流体結合されると、サンプパージキット100は、洗浄プロセス中に逆流および/または望ましくない物質(例えば、蒸気、固体二酸化炭素(CO)、乾燥炭化水素)への曝露を防止するためにサンプシステム76に加圧空気(および窒素混合物)を供給してサンプシステム76を加圧することができる。
【0056】
図9を参照すると、圧縮機12のロータ34に形成された複数の開口部は、封止する、閉鎖する、および/または覆うことができる。より具体的には、ロータ34に形成された加圧穴62、封止ギャップ64、およびウィープホール66は、封止する、閉鎖する、および/または覆うことができる。図9に示す非限定的な例では、加圧穴62をプラグ128を使用して封止する、埋める、および/または塞ぐことができ、ウィープホール66をプラグ130を使用して封止する、埋める、および/または塞ぐことができる。プラグ128、130は、プラグが封止または埋めるように構成された、それぞれの穴(例えば、加圧穴62、ウィープホール66)のサイズに特有のおよび/または対応する異なるサイズで形成される、および/または含むことができる。さらに、非限定的な例に示すように、ロータ34に形成された封止ギャップ64は、360°封止132を使用して、封止する、閉鎖する、および/または覆うことができる。封止132は、封止ギャップ64の周りを円周方向に包むように構成することができ、封止ギャップ64を実質的に覆う、囲む、および/または巻き込むことができる。ロータ34にプラグ128、130と封止132を含めたり設置したりすると、洗浄プロセス中に蒸気、固体二酸化炭素(CO)、および/または乾燥炭化水素が穴62、66および封止ギャップ64を通過するのを防止することができる。図9に示すロータ34に形成された開口部(例えば、穴62、66および封止ギャップ64)の封止は、図4に示すプロセスP3に対応する。
【0057】
さらに、図9に示すように、ロータ34の開口部を封止した後に、蒸気134を圧縮機12に適用することができる。より具体的には、圧縮機12のロータ34および流路構成要素/ブレード42の露出面または外面を蒸気134に曝すことができる。その結果、ロータ34およびブレード42の露出面上に形成、収集、および/または蓄積された炭化水素82もまた、蒸気134に曝すことができる。炭化水素82を蒸気134に曝すと、炭化水素82の乾燥、水分の除去、および/または硬化(図10、乾燥炭化水素82Dを参照)が生じ得る。本明細書で説明されるように、炭化水素82を乾燥させることにより、圧縮機12からの炭化水素82の除去および/または圧縮機12の洗浄を助けることができる。蒸気134は、洗浄プロセス中に圧縮機12の一部を蒸気に曝すことができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステムを使用して圧縮機12に供給することができる。例えば、図9に示すように、蒸気134は、洗浄プロセスを実行するオペレータによって制御または使用され得る蒸気発生システム(図示せず)のスプレーガン136によって供給することができる。図9に示すように、ロータ34およびブレード42を蒸気に曝すことは、図4のプロセスP5に対応する。
【0058】
図10に目を向けると、ロータ34およびブレード42の外面を蒸気134(図9参照)に曝した後に、表面上に形成された炭化水素82を乾燥させて、乾燥炭化水素82Dを形成することができる。乾燥炭化水素82Dは、実質的にすべての水分を除去することができ、したがって、実質的に固化および/または硬化することができる。
【0059】
さらに、図10に示すように、乾燥炭化水素82Dを含むロータ34およびブレード42を加圧空気138に曝すことができる。具体的には、ロータ34およびブレード42の外面を加圧空気138に曝して、ロータ34およびブレード42を蒸気134に曝すことで形成および/または蓄積し得る水および/または凝縮物を除去することができる(図9参照)。加圧空気138は、洗浄プロセス中に加圧空気を供給することができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステムを使用して、圧縮機12に供給することができる。例えば、図10に示すように、加圧空気138は、加圧空気源(図示せず)に流体結合された空気噴霧器140によって供給することができる。空気噴霧器140は、洗浄プロセスを実行するオペレータによって制御または使用することができる。空気噴霧器140および加圧空気源は、サンプパージキット100(図8を参照)の加圧空気導管102および空気源104とは別個のものでもよいことが理解される。図10に示すように、ロータ34およびブレード42を加圧空気138に曝すことは、図4のプロセスP6に対応する。
【0060】
図11に示すように、乾燥炭化水素82Dを含むロータ34およびブレード42に、固体二酸化炭素(CO)142を吹き付けることができる。具体的には、ロータ34およびブレード42の外面は、乾燥炭化水素82Dとともに、固体二酸化炭素(CO)142を吹き付けられ、および/または接触されてもよい。ロータ34およびブレード42の外面に吹き付けられたおよび/または投射された固体二酸化炭素(CO)142は、圧縮機12のロータ34および/またはブレード42から乾燥炭化水素82Dを緩め、除去し、および/または取り除くことができる(図12参照)。固体二酸化炭素(CO)142は、洗浄プロセス中に固体二酸化炭素(CO)を圧縮機12に投影、提供、および/または供給することができる任意の適切な装置、構成要素、および/またはシステムを使用して圧縮機12に供給することができる。例えば、図11に示すように、固体二酸化炭素(CO)142は、固体二酸化炭素(CO)(例えば、ドライアイスペレット)供給源(図示せず)に流体結合された噴霧器144によって供給することができる。本明細書で説明される他の構成要素と同様に、噴霧器144は、洗浄プロセスを実施するオペレータによって固体二酸化炭素(CO)142をロータ34およびブレード42に吹き付けるように制御または使用することができる。図11に示すように、ロータ34およびブレード42に固体二酸化炭素(CO)142を吹き付けることは、図4のプロセスP7に対応する。
【0061】
図12は、固体二酸化炭素(CO)142をそれぞれ吹き付けた後の圧縮機12のロータ34およびブレード42を示す。図12に示すように、ほぼすべての乾燥炭化水素82Dが、ロータ34および/またはブレード42から除去される。すなわち、圧縮機12のすべてのブレード42は、本明細書で説明される洗浄プロセス(例えば、プロセスP1~P7)を実行した結果として、乾燥炭化水素82Dを実質的に含まなくなり得る。しかしながら、いくらかの乾燥炭化水素82Dが圧縮機12内に残る可能性がある。図12に示す乾燥炭化水素82Dは、ロータ34から前に除去された緩い炭化水素82、および/またはロータ34の別個の部分に定着および/または着地したブレード42であり得る。その結果、プラグ128、130および封止132を取り外し、ノズル44を含むケーシング20を再び取り付ける前に、残りの除去された乾燥炭化水素82Dを圧縮機12のロータ34から取り除くことができる。図12に示す非限定的な例では、図10に関して本明細書で前述した加圧空気138を再び使用して、吹き付けプロセス(例えば、プロセスP7)を実行した後に、圧縮機12内またはその上に残る可能性がある、除去された乾燥炭化水素82Dを吹き飛ばす、および/または取り除くことができる。空気噴霧器140を介して供給される加圧空気138は、乾燥炭化水素82Dを除去するためにオペレータによって制御または使用することができる。別の非限定的な例(図示せず)では、乾燥炭化水素82Dは、真空を使用して除去することができ、または圧縮機12から手動でブラッシングすることができる。図12に示すように、除去された乾燥炭化水素82Dを取り除くことは、図4のプロセスP8に対応する。
【0062】
図13は、圧縮機12のためのケーシング20の下部70を示す。図5に関して本明細書で説明するように、ケーシング20およびそれに結合された様々な流路構成要素(例えば、ノズル44)もまた、洗浄プロセスを受けることができる。すなわち、図5を参照すると、ケーシング20が圧縮機12から取り外されると、ケーシング20の下部70は、ケーシング20の内面57ならびにケーシング20の内面57から結合、固定、および/または延在する複数のノズル44を露出するように配置することができる(例えばプロセスP9)。続いて、ケーシング20内に形成され、かつ/またはそれを貫通して延在する開口部84を封止することができる(例えば、プロセスP10)。図13に示すように、ケーシング20の下部70は、ロータ34に形成された加圧穴62と実質的に同様の複数の加圧穴86を含むことができる(図7参照)。ケーシング20に形成された加圧穴86を封止するステップは、プラグ146を使用して、穴86を封止する、覆う、および/または閉鎖するステップを含むことができる。プラグ146は、プラグ146が封止または充填するように構成されている特定のおよび/または加圧穴86のサイズに対応するサイズまたは寸法を形成および/または含むことができる。
【0063】
開口部(例えば、加圧穴86)がケーシング20内に封止されると、ケーシング20およびノズル44は、本明細書で説明される同様の洗浄プロセスを受けることができる。すなわち、ノズル44の内面57および外面もしくは露出面は、蒸気134(図9を参照)に曝されてもよく、その後に、固体二酸化炭素(CO)142(図11を参照)を吹き付けられて、ケーシング20および/またはノズル44上に形成、蓄積、および/または収集された炭化水素82を乾燥および除去することができる。ケーシング20の下部70およびノズル44を蒸気134に曝すことは、図5のプロセスP11に対応し、固体二酸化炭素(CO)142をケーシング20の下部70およびノズル44に吹き付けることは、図5のプロセスP12に対応する。
【0064】
図14は、圧縮機12のロータ34の一部の拡大側面図を示す。図14に示す非限定的な例では、ブレード42は、ロータ34から取り外す、および/または連結解除することができる。すなわち、ダブテールスロット51を露出させたまま、圧縮機12の少なくとも1つのブレード42をロータ34から取り外し、および/またはロータ34から連結解除することができる。本明細書で説明されるように、ブレード42は、ブレード42の所望の清浄度を確保するために、検査の目的で、ロータ34から連結解除および/または取り外すことができ、かつ/あるいは洗浄プロセス中にロータ34上に追加の空間を提供して、残りのすべての流路構成要素(例えば、除去されていないブレード42)および/またはロータ34の一部にアクセスすることができる。ロータ34のダブテールスロット51が蒸気134(図9を参照)、固体二酸化炭素(CO)142(図11を参照)、および/または炭化水素82(図7を参照)に曝されることは望ましくないため、ダブテールスロット51は、図4に関して本明細書で説明されるプロセスP5~P8を実行する前に覆うことができる。すなわち、露出したダブテールスロット51は、ロータを蒸気134に露出する前に、覆われ、封止され、閉鎖され、および/または充填されてもよい。図14に示すように、ダブテールスロット51は、カバー148を使用して、覆う、封止する、および/または充填することができる。単一のブレード42が取り除かれる場合、カバー148は、ロータ34に形成された単一のダブテールスロット51を覆う、封止する、および/または保護するようなサイズにすることができる。ブレード42のステージ全体がロータ34から取り外される別の非限定的な例では、カバー148は、ブレード42の取り外されたステージを受け入れるように構成される、ロータ34に形成される各ダブテールスロット51を覆う、封止する、および/または保護するサイズに形成することができる。この非限定的な例では、カバー148は、図7に関して本明細書で説明した360°封止132と同様に、露出したダブテールスロット51の周囲に円周方向に配置することができる。図14に示すように、ダブテールスロット51をカバー148で覆うことは、図4のプロセスP3および/またはP4に対応する。
【0065】
また、図14に示すように、圧縮機12の洗浄プロセスを実行するときに、追加の構成要素および/または特徴を利用することができる。例えば、テープ150を、ウィープホール66内に配置されたプラグ130の上に形成および/または接着してもよい。テープ150は、ロータ34およびプラグ130に結合および/または固定されて、本明細書で説明される洗浄プロセスを実行するときにプラグ130をウィープホール66内に固定するのを助けることができる。さらに、図14に示すように、別個の360°封止132は、ロータ34の別個の部分上に配置し、および/またはそれを覆うことができる。すなわち、封止ギャップ64(図7を参照)を覆う封止132に加えて、別個の封止132は、ロータ34上に形成された部分または特徴88を実質的に覆う、および/またはその上に配置することができる。封止132は、ロータ34の部分または特徴88の上に形成され、および/またはそれを覆って、覆われた部分または特徴88が蒸気134および/または固体二酸化炭素(CO)142に曝されるのを防止することができる。図14に示すように、ロータ34のカバー部分または特徴88は、図4のプロセスP4に対応する。
【0066】
図15は、圧縮機12のためのブレード42の側面図を示す。図15に示すブレード42は、図14に関して本明細書に示され説明されるように、ロータ34から取り外されたものと同じであってもよい。図6に関して本明細書で説明するように、圧縮機12のロータ34から取り外されたブレード42もまた、洗浄プロセスを受けることができる。すなわち、図6を参照すると、ブレード42は、ロータ34から取り外され(例えば、プロセスP13)、その後に部分的に保護することができる(例えば、プロセスP14)。すなわち、根元部分48のダブテール52を含むブレード42の第1の部分152は、実質的に覆われ、巻き付けられ、保護され、および/またはシールドされてもよい。ブレード42の第1の部分152(例えば、ダブテール52)は、洗浄プロセス中にダブテール52が蒸気134(例えば、プロセスP15)に曝され、かつ、固体二酸化炭素(CO)142を吹き付けられるのを防止することができる、任意の適切な構成要素および/または特徴によって保護する、および/または覆うことができる。例えば、図15に示すように、ブレード42の第1の部分152および/またはダブテール52は、保護フィルムまたはコーティング154で包まれてもよい。保護フィルムまたはコーティング154は、第1の部分152に衝撃および/または影響を与えることなく、蒸気134に曝され、および/または固体二酸化炭素(CO)142によって吹き付けられてもよい。別の非限定的な例(図示せず)では、ブレード42の第1の部分152および/またはダブテール52は、洗浄プロセス中にブレード42の第1の部分152を受け入れて保護するように構成された保護カバーに封入されてもよい。図15に示すように、ブレード42の第1の部分152を保護することは、図6のプロセスP14に対応する。
【0067】
ブレード42の第1の部分152を保護した後に、ブレード42の第2の露出部分156は、本明細書で説明される洗浄プロセスを受けることができる。すなわち、ブレード42の翼形部46およびプラットフォーム54を含む第2の部分156は、蒸気134(図9を参照)に曝され、その後に、固体二酸化炭素(CO)142(図11を参照)を吹き付けられて、ブレード42上に形成、蓄積、および/または収集された炭化水素82を乾燥および除去することができる。ブレード42の第2の部分156を蒸気134に曝すことは、図6のプロセスP15に対応し、ブレードの第2の部分156に固体二酸化炭素(CO)142を吹き付けることは、図6のプロセスP16に対応する。
【0068】
本明細書ではガスタービンシステムの圧縮機の洗浄に関して示し説明しているが、洗浄プロセスは、ガスタービンシステムの別個の部分を洗浄するために使用できることが理解される。例えば、図4図6に関して本明細書で説明されるプロセスP1~P16は、タービンセクションおよびその中に含まれる様々な構成要素(例えば、ロータ、流路構成要素)で実行され、その中に形成された炭化水素を洗浄および/または除去することができる。
【0069】
本開示の技術的効果は、ガスタービンシステムの部分および/または構成要素から炭化水素を洗浄および/または除去して、システムの動作効率を回復するのに適したプロセスを提供することを含む。さらに、ガスタービンシステムの必要な停止時間を短縮するために、洗浄プロセスは最小限のオペレータ(例えば、2人)で、洗浄時間(例えば、48時間)を短縮して実行することができる。
【0070】
上記の図面は、本開示のいくつかの実施形態による関連する処理のいくつかを示している。これに関連して、図面の流れ図の各図またはブロックは、記載した方法の実施形態に関連するプロセスを表している。いくつかの代替的な実施態様では、図またはブロックで説明した動作は、図面で示した順序から外れて生じてもよいし、あるいは、例えば、関連する動作に応じて、実際には実質的に同時に、または逆の順序で実行されてもよいことにも留意されたい。また、当業者であれば、プロセスを説明する付加的なブロックを追加することができることを認識するであろう。
【0071】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の」または「任意選択で」は、後で述べられる事象または状況が、起こる場合も起こらない場合もあることを意味し、この記述は、その事象が起こる事例と、起こらない事例とを含むことを意味する。
【0072】
明細書および特許請求の範囲の全体を通してここで使用する場合、近似を表す言葉は、関係する基本的な機能に変化をもたらすことなく、許容される形で変更できる任意の量の表現を修飾するために適用され得る。したがって、「およそ」、「約」および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための計測器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両方の値に適用され、値を測定する計測器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0073】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を遂行するための、一切の構造、材料または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの変更および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の応用を最良に説明し、想定される特定の用途に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0074】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機
18 入口ダクト
20 ケーシング
22 空気
24 圧縮空気
26 燃焼器
28 燃料
30 燃焼ガス
32 タービン
34 ロータ
36 外部負荷
38 排気フレーム
40 ケーシング
42 ブレード、流路構成要素
44 ノズル、流路構成要素
46 翼形部
48 根元部分
50 先端部分
51 ダブテールスロット
52 ダブテール
54 プラットフォーム
56 外側部分
57 内面
58 内側プラットフォーム
60 翼形部
62 加圧穴
64 封止ギャップ
66 ウィープホール
68 上部
70 下部
72 前方フレーム
74 後方フレーム
76 サンプシステム
78 第1のサンプベント導管
80 第2のサンプベント導管
82 炭化水素
82D 乾燥炭化水素
84 開口部
86 加圧穴
88 特徴
100 サンプパージキット
102 加圧空気導管
104 空気源
106 窒素レギュレータ
108 窒素源
110 フィルタ
112 圧力ゲージ
118 接続装置
120 供給ホース
120A 第1の供給ホース
120B 第2の供給ホース
122 スプリッタパイプ
124 結合構成要素
126A アダプタプレート
126B アダプタプレート
128 プラグ
130 プラグ
132 360°封止
134 蒸気
136 スプレーガン
138 加圧空気
140 空気噴霧器
142 固体二酸化炭素(CO
144 噴霧器
146 プラグ
148 カバー
150 テープ
152 第1の部分
154 コーティング
156 第2の露出部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15