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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】清掃支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240129BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240129BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q10/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020070057
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021167988
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】海野 裕之
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/230532(WO,A1)
【文献】特開2019-160086(JP,A)
【文献】国際公開第2019/049381(WO,A1)
【文献】特開2020-032907(JP,A)
【文献】特開2020-013374(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163194(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/163186(WO,A1)
【文献】特開2019-152613(JP,A)
【文献】特開2020-9060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムであって、
前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、
ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、
駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、
当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを有し、
当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しており、前記汚れ検出手段が所定のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性が大きいことを前記解析した傾向が表している場合に前記清掃支援動作を行うことを特徴とする清掃支援システム。
【請求項2】
自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムであって、
前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、
天候の予報を表す予報情報を取得する予報情報取得手段と、
ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、
駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、
当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを有し、
当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しており、前記汚れ検出手段が所定のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、近日中に天候による自動車の汚れが発生しないことが前記予報情報に従って推定される場合に前記清掃支援動作を行うことを特徴とする清掃支援システム。
【請求項3】
自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムであって、
前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、
ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、
駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、
当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを有し、
当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しているときに、前記汚れ検出手段が所定のレベルである第1のレベルを超える汚れを検出している第1の場合と、前記汚れ検出手段が前記第1のレベルよりも汚れの程度が低い所定のレベルである第2のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性が大きいことを前記解析した傾向が表している第2の場合とに前記清掃支援動作を行うことを特徴とする清掃支援システム。
【請求項4】
請求項1記載の清掃支援システムであって、
天候の予報を表す予報情報を取得する予報情報取得手段を有し、
前記清掃支援動作実行手段は、前記推定される前記所定期間内の自動車の長時間の移動後まで、天候による自動車の汚れが発生しないことが前記予報情報に従って推定される場合にのみ前記清掃支援動作を行い、当該長時間の移動後までに天候による自動車の汚れが発生することが前記予報情報に従って推定される場合には前記清掃支援動作を行わないことを特徴とする清掃支援システム。
【請求項5】
請求項4記載の清掃支援システムであって、
前記清掃支援動作実行手段は、前記推定される前記所定期間内の自動車の長時間の移動後までの各期間において前記自動車が位置する地域を、前記解析した傾向に従って推定し、前記予報情報が表す、前記各期間の当該期間に前記自動車が位置すると推定した地域の天候の予報より、当該長時間の移動後までの天候による自動車の汚れの発生の有無を推定することを特徴とする清掃支援システム。
【請求項6】
請求項2記載の清掃支援システムであって、
前記清掃支援動作実行手段は、前記近日中に含まれる各期間において前記自動車が位置する地域を、前記解析した傾向に従って推定し、前記予報情報が表す、前記各期間の当該期間に前記自動車が位置すると推定した地域の天候の予報より、近日中の天候による自動車の汚れの発生の有無を推定することを特徴とする清掃支援システム。
【請求項7】
請求項1、3、4または5記載の清掃支援システムであって、
前記傾向解析手段は、曜日毎にユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析し、
前記所要時間内使用推定手段は、前記所要時間内に自動車が使用されるかどうかを前記解析した本日の曜日と同じ曜日の傾向に従って推定し、
前記清掃支援動作実行手段は、前記所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性を、前記解析した当該所定期間内に含まれる各日の曜日の傾向に従って算定することを特徴とする清掃支援システム。
【請求項8】
請求項2または6記載の清掃支援システムであって、
前記傾向解析手段は、曜日毎にユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析し、
前記所要時間内使用推定手段は、前記所要時間内に自動車が使用されるかどうかを前記解析した、現時点の曜日と同じ曜日の傾向に従って推定することを特徴とする清掃支援システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の清掃支援システムであって、
前記清掃支援動作は、前記提案動作を行うと共に、ユーザから前記清掃施設利用動作の実行の要否の指示を通信を介して受け付け、実行の指示を受け付けた場合に前記清掃施設利用動作を行う動作であることを特徴とする清掃支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の清掃を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の清掃を支援する技術としては、前回の車両の清掃時からの経過時間や走行距離や、自動車の汚れの程度等から清掃の必要性を判定し、清掃サービスを受けられる施設に自動的に車両を移動する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-529202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術によれば、車両が一定程度汚れたときに車両の清掃を行えることが期待できる。しかし、ユーザが車両を清掃しようと考える動機は様々であり、ユーザは、自動車の同程度の汚れに対して、車両を清掃したいと考えるときと考えないときがある。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの車両清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援する課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムに、前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを備えたものである。ここで、当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しており、前記汚れ検出手段が所定のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性が大きいことを前記解析した傾向が表している場合に前記清掃支援動作を行う。
【0007】
このような清掃支援システムによれば、ユーザの自動車の利用の履歴からユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析すると共に、当該傾向から、自動車の清掃サービスを受けるための動作である清掃施設利用動作を実行するに足る期間、自動車が使用されないことが予想される場合に、清掃支援動作が実行されるので、ユーザの自動車の使用を妨げないように清掃施設利用動作が行われるように支援することができる。
【0008】
また、このような清掃支援システムによれば、自動車が汚れており、前記傾向から、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用されることが予想されるときに清掃支援動作が実行される。ここで、自動車のユーザは、自動車を長時間の移動に使用するとき、すなわち、遠出するときには、自動車をきれいな状態で使用したいと思うことが多い。
【0009】
したがって、本清掃支援システムによれば、ユーザの自動車清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援することができる。
なお、このような清掃支援システムに、天候の予報を表す予報情報を取得する予報情報取得手段を設け、前記清掃支援動作実行手段において、前記推定される前記所定期間内の自動車の長時間の移動後まで、天候による自動車の汚れが発生しないことが前記予報情報に従って推定される場合にのみ前記清掃支援動作を行い、当該長時間の移動後までに天候による自動車の汚れが発生することが前記予報情報に従って推定される場合には前記清掃支援動作を行わないようにしてもよい。
【0010】
また、この場合には、前記清掃支援動作実行手段において、前記推定される前記所定期間内の自動車の長時間の移動後までの各期間において前記自動車が位置する地域を、前記解析した傾向に従って推定し、前記予報情報が表す、前記各期間の当該期間に前記自動車が位置すると推定した地域の天候の予報より、当該長時間の移動後までの天候による自動車の汚れの発生の有無を推定してもよい。
【0011】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムに、前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、
当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを備えたものである。ここで、当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しているときに、前記汚れ検出手段が所定のレベルである第1のレベルを超える汚れを検出している第1の場合と、前記汚れ検出手段が前記第1のレベルよりも汚れの程度が低い所定のレベルである第2のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性が大きいことを前記解析した傾向が表している第2の場合とに前記清掃支援動作を行う。
【0012】
このような清掃支援システムによれば、ユーザの自動車の利用の履歴からユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析すると共に、当該傾向から、自動車の清掃サービスを受けるための動作である清掃施設利用動作を実行するに足る期間、自動車が使用されないことが予想される場合に、清掃支援動作が実行されるので、ユーザの自動車の使用を妨げないように清掃施設利用動作が行われるように支援することができる。
【0013】
また、このような清掃支援システムによれば、通常は、第1のレベルよりも自動車が汚れているときに清掃支援動作を行うが、前記傾向から、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用されることが予想されるときには、第1のレベルまで自動車が汚れていなくても、第1のレベルより低い第2のレベルを超えて自動車が汚れていれば清掃支援動作が実行される。
【0014】
ここで、自動車のユーザは、自動車を長時間の移動に使用するとき、すなわち、遠出するときには、自動車がそれほど汚れていなくても自動車をきれいに清掃して使用したいと思うことが多い。したがって、本清掃支援システムによれば、ユーザの自動車清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援することができる。
【0015】
なお、以上の各清掃支援システムは、前記傾向解析手段において、曜日毎にユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析し、前記所要時間内使用推定手段において、前記所要時間内に自動車が使用されるかどうかを前記解析した本日の曜日と同じ曜日の傾向に従って推定し、前記清掃支援動作実行手段において、前記所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用される蓋然性を、前記解析した当該所定期間内に含まれる各日の曜日の傾向に従って算定するように構成してもよい。
【0016】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動運転を行う自動車に搭載される清掃支援システムに、前記自動車の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、天候の予報を表す予報情報を取得する予報情報取得手段と、ユーザの自動車の利用の履歴を蓄積し、蓄積した履歴から、ユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析する傾向解析手段と、駐車中に、自動車の清掃サービスを提供する特定の施設である清掃施設に移動し清掃サービスを受けて現在位置に戻るまでに要すると推定される時間である所要時間内に、自動車が使用されるかどうかを前記解析した傾向に従って推定する所要時間内使用推定手段と、当該自動車による、当該自動車を自動運転で前記清掃施設へ移動して清掃サービスを受け、その後に、現在の駐車位置に自動運転で移動する動作である清掃施設利用動作の実行を通信を介してユーザに提案する提案動作と、前記清掃施設利用動作とのうちの少なくとも一方を清掃支援動作として行う清掃支援動作実行手段とを備えたものである。ここで、当該清掃支援動作実行手段は、前記所要時間内使用推定手段が、前記所要時間内に自動車が使用されないと推定しており、前記汚れ検出手段が所定のレベルを超える汚れを検出しており、かつ、近日中に天候による自動車の汚れが発生しないことが前記予報情報に従って推定される場合に前記清掃支援動作を行う。
【0017】
このような清掃支援システムによれば、ユーザの自動車の利用の履歴からユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析すると共に、当該傾向から、自動車の清掃サービスを受けるための動作である清掃施設利用動作を実行するに足る期間、自動車が使用されないことが予想される場合に、清掃支援動作が実行されるので、ユーザの自動車の使用を妨げないように清掃施設利用動作が行われるように支援することができる。
【0018】
また、このような清掃支援システムによれば、自動車が汚れていても、近日中に天候による自動車の汚れが発生する場合には、清掃支援動作を行わない。
ここで、自動車のユーザは、近日中の天候不良が予報されており、自動車を清掃しても直ぐに汚れてしまうと考えられる場合には、自動車が汚れていても自動車の清掃は行わずに、天候が回復してから清掃を行いたいと思うことが多い。
【0019】
したがって、本清掃支援システムによれば、ユーザの自動車清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援することができる。
ここで、この清掃支援システムは、前記清掃支援動作実行手段において、前記近日中に含まれる各期間において前記自動車が位置する地域を、前記解析した傾向に従って推定し、前記予報情報が表す、前記各期間の当該期間に前記自動車が位置すると推定した地域の天候の予報より、近日中の天候による自動車の汚れの発生の有無を推定するように構成してもよい。
【0020】
また、この清掃支援システムは、前記傾向解析手段において、曜日毎にユーザが自動車を用いて行う移動の時間的な傾向を解析し、前記所要時間内使用推定手段において、前記所要時間内に自動車が使用されるかどうかを前記解析した本日の曜日と同じ曜日の傾向に従って推定するように構成してもよい。
【0021】
また以上の各清掃支援システムにおいて、前記清掃支援動作は、前記提案動作を行うと共に、ユーザから前記清掃施設利用動作の実行の要否の指示を通信を介して受け付け、実行の指示を受け付けた場合に前記清掃施設利用動作を行う動作としてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、ユーザの車両清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る行動履歴データと行動傾向データを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る清掃支援処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係る表示例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る清掃支援処理の処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システム1は、自動車後方を撮影する後方カメラ101、レーダ装置等の自動車の周囲の状況を検出する外部センサ102、自動車前方を撮影する前方カメラ103、自動車室内を撮影する車内カメラ104、自動車室内の浮遊粒子を検出する埃センサ105、衛星測位を行うGNSS受信機106、自動車のトランスミッションやエンジンやパーキングブレーキの状態や各ドアのロック状態や開閉状態や自動車の速度や角加速度等の自動車の各種状態を検出する状態センサ107を備えている。
【0025】
また、車載システム1は、電子ミラーシステム111、ナビゲーションシステム112、自動運転システム113、自動車状態管理システム114、DMS115(ドライバーモニタリングシステム115)、外部情報取得システム116、デジタルキーシステム117、行動管理システム118、清掃支援装置119を備えている。
【0026】
また、車載システム1は、移動通信を行う移動通信装置121、Bluetooth(登録商標)やNFCなどの近距離無線通信を行う近距離無線通信装置122、表示装置123、入力装置124、記憶装置125を備えている。
【0027】
電子ミラーシステム111は、フロントウインドシールドの上部に配置したディスプレイを備えており、後方カメラ101で撮影した自動車後方の映像をディスプレイに表示する。
【0028】
ナビゲーションシステム112は、GNSS受信機106が衛星測位した位置や、状態センサ107で検出した自動車の速度や角加速度や、記憶装置125に記憶されている地図データを用いて自動車の現在位置を算出すると共に、設定された目的地までのルートを設定する。
【0029】
自動運転システム113は、前方カメラ103で撮影した自動車前方の映像や外部センサ102で検出した自動車の周囲の状況に応じて自動車を制御しながら、ナビゲーションシステム112の設定したルートに従って目的地まで自動車を自動走行させる。
【0030】
自動車状態管理システム114は、状態センサ107で検出した自動車のトランスミッションやエンジンやパーキングブレーキの状態や各ドアのロック状態や開閉状態や車速の状態を管理すると共に、これらの状態に基づいて、自動車の走行中、駐車中、停車中の状態を管理する。
【0031】
DMS115は、車内カメラ104で撮影した映像からドライバの姿勢や位置や視線を検出する。
外部情報取得システム116は、移動通信装置121を介して外部の情報サーバ2から各地天気予報などの各種情報を取得する。また、外部情報取得システム116は、移動通信装置121や近距離無線通信装置122を介して、自動車のユーザのモバイル端末から、当該ユーザがモバイル端末に登録した当該ユーザのスケジュール情報を取得し、当該ユーザのスケジュールとして管理する処理なども行う。
【0032】
デジタルキーシステム117は、移動通信装置121を介して外部のデジタルキー管理システム3から設定された情報に従って、近距離無線通信装置122を介してモバイル端末4と通信し、モバイル端末4のデジタルキーによる自動車の施錠/解錠を処理する。
【0033】
行動管理システム118は、ユーザの自動車を利用する行動の履歴を蓄積し、蓄積したユーザの履歴からユーザの自動車を利用する行動の傾向を解析する。
すなわち、行動管理システム118は、記憶装置125に、図2aに行動履歴データを記憶する。
図示するように、行動履歴データには、自動車の各回の利用にそれぞれ対応するエントリ(図の行)を有し、各エントリには、自動車の利用を開始した日時を表す車両利用開始日時、自動車の利用を終了した日時を表す車両利用終了日時、自動車の利用を開始した地点を表す車両利用開始地点、自動車の利用を終了した地点を表す車両利用終了地点が登録される。
【0034】
行動管理システム118は、自動車の利用の開始を検出したときに、行動履歴データに新たなエントリを作成し、作成したエントリに、車両利用開始日時、車両利用開始地点を登録し、自動車の利用の終了を検出したならば、直前の車両利用開始時に作成したエントリに、車両利用終了日時、車両利用終了地点を登録する。
【0035】
ここで、行動管理システム118は、自動車の利用の開始を、たとえば、自動車状態管理システム114が管理している自動車の状態が、自動車の駐車中における自動車のドアのロックの解除、エンジンの始動、自動車の走行と進んだときに認識する。また、行動管理システム118は、自動車の利用の開始直前の自動車が駐車中であったときに、ナビゲーションシステム112が算出していた現在位置を、自動車利用開始地点として用いる。
【0036】
また、行動管理システム118は、自動車の利用の終了を、自動車状態管理システム114が管理している自動車の状態が、自動車の走行、自動車の停止、エンジンの停止、自動車のドアのロックの施錠と進んだときに認識する。また、行動管理システム118は、自動車の利用の終了後の自動車が駐車中であるときに、ナビゲーションシステム112が算出する現在位置を、自動車利用終了地点として用いる。
【0037】
次に、行動管理システム118は、定期的もしくは行動履歴データの新たなエントリの登録が完了する度に、行動履歴データから、自動車の利用行動の傾向を統計的に解析し、解析結果を行動傾向データとして記憶装置125に記憶する。
【0038】
行動管理システム118は、行動履歴データに統計的な解析では、特定の曜日の特定の時間帯に、大きな頻度で行われる、すなわち、行われる傾向が大きい特定の自動車の利用行動を算定する。
【0039】
そして、図2bに示すように、当該曜日の当該時間帯に当該利用行動が行われる傾向が大きいことが算定された、曜日、時間帯、利用行動の組み合わせ毎のエントリを、行動傾向データの各エントリ(図の各行)に登録する。また、利用行動としては、特定地点から特定地点への移動、特定地点での駐車を登録する。なお、ここでは、行動履歴データの各エントリのそれぞれを、特定地点から特定地点への移動として、自動車の利用行動(移動)の傾向を解析するのではなく、行動履歴データの複数のエントリが、ある地点からある地点に向かって移動するように連続的に発生している場合には、当該複数のエントリを、特定地点から特定地点への一つの移動として自動車の利用行動(移動)の傾向を解析する。
【0040】
図1に戻り清掃支援装置119は、自動車の駐車中に自動車の清掃の支援のために行う清掃支援処理を行う。
図3に、この清掃支援処理の手順を示す。
図示するように、清掃支援装置119は、清掃支援処理において、現在、現在清掃サービスを利用可能であるかどうかを調べる(ステップ300)。
ここで、ステップ300では、洗車場などの自動車清掃サービスを提供する施設のうちの特定の施設を利用施設として、今から利用施設に向かって当該利用施設の営業時間内に自動車の清掃サービスを受けられる場合に、現在、清掃サービスを利用可能であると判定する。ここで、利用施設は、自動車清掃サービスを提供する施設のうちの現在位置に最寄りの施設としてもよいし、予め設定しておいた特定の施設としてもよい。
【0041】
営業時間内に自動車の清掃サービスを受けられるかどうかは、今から利用施設に向かって出発した場合の利用施設への到着時刻が利用施設の営業時間内であり、かつ、利用施設への到着時刻に利用施設での清掃に要する時間を加えた時刻が利用施設の営業時間内であるときに、営業時間内に自動車の清掃サービスを受けられると判定する。
【0042】
なお、今から利用施設に向かって出発した場合の利用施設への到着時刻は、ナビゲーションシステム112に現在位置から利用施設までの所要走行時間を算出させることにより求める。また、利用施設における清掃に要する時間は、清掃の一般的な要作業時間を用いる。ただし、移動通信装置121を介して利用施設のサイトから利用施設の混雑具合の情報を取得し、取得した混雑具合の情報を考慮して利用施設における清掃に要する時間を算出して用いるようにしてもよい。
【0043】
そして、清掃サービスを利用可能であれば(ステップ300)、現在から所定時間内に自動車の使用予定が無いかどうかを調べる(ステップ302)。所定時間は、利用施設へ移動して自動車の清掃を行って現在位置に戻ってくるまでに要すると推定される所要時間に所定のマージンを加えた時間とする。
【0044】
ここで、この所要時間は、現在位置から利用施設までの所要走行時間と、上述した利用施設での清掃に要する時間と、利用施設から現在位置までの所要走行時間よりなり、各所要走行時間は、ナビゲーションシステム112に算出させることにより求める。
【0045】
また、所定時間内に自動車の使用予定があるかどうかは、外部情報取得システム116が管理しているユーザのスケジュールに所定時間内の自動車を利用することが推定される予定(たとえば、外出)が登録されておらず、かつ、行動傾向データに、利用行動として移動が登録されているエントリであって、現在から所定時間経過するまでの期間と少なくとも一部が重複する期間を表す曜日と時間帯とが登録されたエントリが存在しない場合にのみ、所定時間内に自動車の使用予定がないとすることにより判定する。
【0046】
または、所定時間内に自動車の使用予定があるかどうかは、外部情報取得システム116が管理しているユーザのスケジュールに所定時間内に自動車を利用することが推定される予定(たとえば、外出)が登録されておらず、かつ、行動傾向データに、利用行動として駐車が登録されているエントリであって、現在から所定時間経過するまでの期間を含む期間を表す曜日と時間が登録されたエントリが存在している場合にのみ、所定時間内に自動車の使用予定がないとすることにより判定する。
【0047】
そして、現在から所定時間内に自動車の使用予定があれば(ステップ302)、ステップ300からの処理に戻る。
一方、現在から所定時間内に自動車の使用予定が無ければ(ステップ302)、車両の汚れの程度を検出する(ステップ304)。
汚れの程度は、前方カメラ103や後方カメラ101で撮影した映像中の自動車のボディの汚れ、埃センサ105で検出した浮遊粒子の程度、車内カメラ104で撮影した車内の映像、前方カメラ103後方カメラ101の映像に表れる汚れ、外部センサ102の感度の低下などの状態を解析して算出する。より具体的には、前回の清掃完了時に、これらの状態を記憶しておき、記憶しておいた状態を現在の状態と比較することにより自動車の汚れの程度を算出する。ただし、自動車のボディやウインドウや車内の汚れを検出する専用のセンサを設け、これらのセンサを用いて、自動車の汚れの程度を算出するようにしてもよい。
【0048】
そして、車両の汚れの程度が所定のしきい値Th1を超えているかどうかを調べ(ステップ306)、超えていれば、数日(たとえば、1日)中に自動車の汚れをまねく降雨や降雪や黄砂や花粉飛散などの天候に自動車が遭遇するかどうかを判定する(ステップ308)。すなわち、ステップ308では、外部情報取得システム116が管理しているユーザのスケジュールから推定される今後数日中の自動車の利用行動や、行動傾向データが示す今後数日中に含まれる曜日に行う傾向の大きい自動車の利用行動を行ったときに各時点において自動車が位置する地点の、当該時点の当該地点の天気予報が降雨や降雪や黄砂や花粉飛散等の自動車の汚れを招く天気の予報であった場合に、数日中に自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇すると判定する。
【0049】
そして、数日中に自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇する場合には(ステップ308)、ステップ300からの処理に戻り、遭遇しない場合には(ステップ308)、ステップ316に進む。
【0050】
一方、ステップ306で、車両の汚れの程度がしきい値Th1を超えていないと判定された場合には、所定期間内(たとえば、2日以内)に、長時間(たとえば、3時間以上)の自動車の使用予定があるかどうかを調べる(ステップ310)。
【0051】
所定期間内に長時間の自動車の使用予定があるかどうかは、外部情報取得システム116が管理しているユーザのスケジュールに所定期間内に長時間自動車を利用することが推定される予定(たとえば、自宅から遠方への外出)が登録されている第1の場合と、行動傾向データに、利用行動として移動が登録されたエントリであって、現在から所定期間が経過するまでの期間に含まれる曜日と時間帯が登録され、登録されている時間帯の時間長が長時間であるエントリである長時間使用エントリが存在する第2の場合にのみ、所定期間内に長時間の自動車の使用予定があるとすることにより判定する。
【0052】
なお、第1の場合には、ユーザのスケジュールから推定される予定に従った日と時間帯の自動車の使用が、予定されている長時間の自動車の使用となり、第2の場合には、次回に到来する長時間使用エントリに登録されている曜日の、長時間使用エントリに登録されている時間帯の自動車の使用が、予定されている長時間の自動車の使用となる。
【0053】
そして、所定期間内に長時間の自動車の使用予定がなければ(ステップ310)、ステップ300からの処理に戻る。
一方、所定期間内に長時間の自動車の使用予定がある場合には(ステップ310)、車両の汚れの程度が所定のしきい値Th2を超えているかどうかを調べる(ステップ312)。
【0054】
ここで、しきい値Th2は、しきい値Th1よりも低い汚れの程度を表すものとする。したがって、自動車がしきい値Th1を超えるほど汚れていなくても、ステップ312でしきい値Th2を超えることがある。
【0055】
そして、車両の汚れの程度が所定のしきい値Th2を超えていなければ(ステップ312)、ステップ300からの処理に戻る。
一方、車両の汚れの程度が所定のしきい値Th2を超えている場合には(ステップ312)、予定されている長時間の自動車の使用後までに、上述のような自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇するかどうかを判定する(ステップ314)。すなわち、ステップ312では、外部情報取得システム116が管理しているユーザのスケジュールから推定される、予定されている長時間の自動車の使用後までの利用行動や、行動傾向データが示す予定されている長時間の自動車の使用後までの期間に含まれる曜日に行う傾向の大きい自動車の利用行動を行ったときに各時点において自動車が位置する地点の、当該時点の当該地点の天気予報が降雨や降雪や黄砂や花粉量大等の自動車の汚れを招く天気の予報であった場合に、予定されている長時間の自動車の使用後までに自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇すると判定する。
【0056】
そして、予定されている長時間の自動車の使用後までに自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇する場合には(ステップ314)、ステップ300からの処理に戻り、遭遇しない場合には(ステップ314)、ステップ316に進む。
【0057】
次に、このようにしてステップ308、または、ステップ314からステップ316に進んだならば、移動通信装置121を介して自動車のユーザのモバイル端末4と通信を行って、当該ユーザに清掃の要否を問い合わせる。
【0058】
ここで、この問い合わせは、たとえば、清掃支援装置119が、モバイル端末4に、図4aに示すような自動車が汚れている旨の通知と自動車の清掃の提案とを表すメッセージを表示させて、はい/いいえボタンの操作によるユーザの清掃の要否の指示を受け付けさせると共に、モバイル端末4から受け付けた清掃の要否の指示を受け取ることにより行う。
【0059】
図3に戻り、ステップ316で行った問い合わせの応答として、清掃不要を受け取ったならば(ステップ318)、繰り返し問い合わせを行わないように所定時間T待って(ステップ320)、ステップ300からの処理に戻る。
【0060】
一方、ステップ316で行った問い合わせの応答として、清掃要を受け取った場合には(ステップ322)、移動通信装置121を介して自動車のユーザのモバイル端末4と通信を行って、当該ユーザに利用施設へのデジタルキーの発行を要求する(ステップ324)。
【0061】
このデジタルキーの発行の要求は、たとえば、清掃支援装置119が、モバイル端末4に、図4bに示すような利用施設に清掃に向かう旨の通知と、デジタルキーの利用施設への発行を依頼するメッセージを表示させることにより行う。
【0062】
ここで、図5に示すように、たとえば、自宅でデジタルキーの利用施設への発行を依頼された自動車のユーザAは、利用施設である洗車場の清掃サービス提供者Bのモバイル端末4と通信を行うなどして、清掃サービス提供者Bのモバイル端末4の認証情報を取得し、デジタルキー管理システム3に取得した認証情報のモバイル端末4への自動車に対する所要の権限の付与を依頼する。権限の付与を依頼されたデジタルキー管理システム3は、ブロックチェーンの技術を用いてセキュリティを保持した形態で、権限の付与を依頼された認証情報のモバイル端末4に対する権限を表す権限情報を自動車のデジタルキーシステム117に移動通信を介して送信し、自動車のデジタルキーシステム117は受信した権限情報を記憶する。
【0063】
図3に戻り、清掃支援装置119は、次に、ナビゲーションシステム112と自動運転システム113に、自動車の利用施設までの自動運転と利用施設での駐車を行わせる(ステップ326)。
【0064】
利用施設の清掃サービス提供者Bは、駐車した自動車のロックをデジタルキーを用いて解錠する。
すなわち、図5に示すように、利用施設の清掃サービス提供者Bが自身のモバイル端末4を自動車に近づけると、車載システム1のデジタルキーシステム117は、近距離無線通信装置122を介して清掃サービス提供者Bのモバイル端末4から当該モバイル端末4の認証情報の署名情報を取得し、デジタルキー管理システム3から受信し記憶してある権限情報を用いて取得した署名情報のモバイル端末4の権限を認証し、認証が成功したならば自動車のロックを解錠する。
【0065】
そして、清掃サービス提供者Bは自動車のロックを解除したならば、清掃に必要な自動車の操作を行いながら、自動車外廻りの洗浄、車内の掃除などの自動車の清掃を行い、清掃が完了したならば、自身のモバイル端末4を用いて自動車のロックを施錠する。
【0066】
図3に戻り、自動車外廻りの洗浄、車内の掃除などの自動車の清掃が完了したならば(ステップ328)、ナビゲーションシステム112と自動運転システム113に、利用施設に向かう前の元の駐車位置までの自動運転と駐車を行わせる(ステップ330)。
【0067】
なお、清掃の完了は、清掃サービス提供者から清掃完了操作を入力装置124で受け付けること等により識別する。
そして、ステップ300からの処理に戻る。
以上、駐車支援装置が行う駐車支援処理について説明した。
なお、以上の駐車支援処理は、ステップ308で、自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇すると判定された場合や、ステップ314で、自動車の汚れをまねく天候に自動車が遭遇すると判定された場合に、たとえば、図4cに示すような、自動車が汚れているが、また直ぐに汚れてしまう天候が予測されることのメッセージを含む清掃の要否の問い合わせを、モバイル端末4を介して自動車のユーザに行い、清掃要を応答された場合に、ステップ324以降の処理を行って清掃を行い、清掃不要を応答された場合に、繰り返し問い合わせを行わないように所定時間T待って、ステップ300に戻るものとしてもよい。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態において駐車支援装置は、自動車の清掃が行われている期間中、後方カメラ101や前方カメラ103や車内カメラ104で映像の撮影と記憶装置125への記憶を行ってユーザが後に清掃のようすを確認できるようにしたり、自動車の清掃が行われている期間中、後方カメラ101や前方カメラ103や車内カメラ104で撮影した映像をユーザのモバイル端末4に中継することにより、ユーザがリアルタイムに清掃のようすを確認できるようにしてもよい。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザの自動車の利用の履歴からユーザが自動車の利用行動の傾向を解析すると共に、当該傾向から、自動車の清掃サービスを受けるに足る期間、自動車が使用されないことが予想される場合に、利用施設で清掃サービスを受けるための動作を行うので、ユーザの自動車の使用を妨げず自動車の清掃を行うことを支援できる。
【0070】
また、本実施形態では、通常は、しきい値Th1よりも自動車が汚れているときに利用施設で清掃サービスを受けるための動作を行うが、解析した傾向から、所定期間内に自動車が所定の時間長さ以上の長時間の移動に使用されることが予想されるときには、しきい値Th1まで自動車が汚れていなくても、しきい値Th1より低いしきい値Th2を超えて自動車が汚れていれば利用施設で清掃サービスを受けるための動作を行う。ここで、自動車のユーザは、自動車を長時間の移動に使用するとき、すなわち、遠出するときには、自動車がそれほど汚れていなくても自動車をきれいに清掃して使用したいと思うことが多い。したがって、本実施形態によれば、ユーザの自動車清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援することができる。
【0071】
また、本実施形態では、自動車が汚れていても、近日中に天候による自動車の汚れが発生する場合には、利用施設で清掃サービスを受けるための動作を行わない。ここで、自動車のユーザは、近日中の天候不良が予報されており、自動車を清掃しても直ぐに汚れてしまうと考えられる場合には、自動車が汚れていても自動車の清掃は行わずに、天候が回復してから清掃を行いたいと思うことが多い。したがって、本実施形態によれば、ユーザの自動車清掃の動機に整合するタイミングで自動車の清掃を行うことを支援できる。
【符号の説明】
【0072】
1…車載システム、2…情報サーバ、3…デジタルキー管理システム、4…モバイル端末、101…後方カメラ、102…外部センサ、103…前方カメラ、104…車内カメラ、105…埃センサ、106…GNSS受信機、107…状態センサ、111…電子ミラーシステム、112…ナビゲーションシステム、113…自動運転システム、114…自動車状態管理システム、115…DMS、116…外部情報取得システム、117…デジタルキーシステム、118…行動管理システム、119…清掃支援装置、121…移動通信装置、122…近距離無線通信装置、123…表示装置、124…入力装置、125…記憶装置。
図1
図2
図3
図4
図5