(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ブザー制御装置、FAX通信装置、およびブザー制御方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
G10K15/04 304A
H04N1/00 350
H04N1/00 J
(21)【出願番号】P 2020094487
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 健
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-074283(JP,A)
【文献】実開昭60-116800(JP,U)
【文献】特開2000-347678(JP,A)
【文献】実開平02-049225(JP,U)
【文献】特開平08-081122(JP,A)
【文献】特開2018-107752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10K 9/12- 9/122
B60Q 5/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形波によってブザーを制御するブザー制御装置であって、
音声信号に基づきPWM波を発生させる信号発生手段と、
前記信号発生手段によって発生されたPWM波を矩形波に変換する信号処理手段と、を有し、
前記信号処理手段は、
前記PWM波のパルス幅を決定する決定手段と、
前記PWM波の、第1のサイクルのパルス幅から前記第1のサイクルの1サイクル前の第2のサイクルのパルス幅を減算して得られた第1の差分値と、前記第2のサイクルのパルス幅から前記第2のサイクルの1サイクル前のパルス幅を減算して得られた第2の差分値と、を比較する比較手段と、
前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合に、前記矩形波の状態を切り換えることで前記矩形波を出力する出力手段と、
を有することを特徴とするブザー制御装置。
【請求項2】
前記出力手段は、
前記第2の差分値の符号が正であり前記第1の差分値の符号が負に変わった場合、前記矩形波の状態をHighからLowに切り換えて前記矩形波を出力し、
前記第2の差分値の符号が負であり前記第1の差分値の符号が正に変わった場合、前記矩形波の状態をLowからHighに切り換えて前記矩形波を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のブザー制御装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合、前記第1のサイクルのPWM波のパルスが立ち下がるポイントで前記矩形波の状態を切り換える
ことを特徴とする請求項1または2に記載のブザー制御装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記第1の差分値の絶対値が第1の閾値以下の場合、前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合であっても、前記矩形波の状態を切り換えない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項5】
前記第1の閾値は変更可能である
ことを特徴とする請求項4に記載のブザー制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記第1のサイクルのパルス幅が第2の閾値以上である場合、前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合であっても、前記矩形波の状態を切り換えない
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項7】
前記第2の閾値は、変更可能であることを特徴とする請求項6に記載のブザー制御装置。
【請求項8】
前記出力手段は、
前記矩形波がHighの状態で、第3の閾値以上の期間、前記矩形波を出力した場合、前記矩形波の状態をLowに切り換える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項9】
前記第3の閾値は、変更可能であること特徴とする請求項8に記載のブザー制御装置。
【請求項10】
前記ブザーは圧電ブザーである
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項11】
前記信号処理手段は、
前記出力手段によって出力している前記矩形波の状態がHighであり、前記第2の差分値の符号が正であり前記第1の差分値の符号が負に変わった場合、
前記第1の差分値の符号が負に変わったことに応じて前記矩形波の状態をLowに切り換わることにより発生する前記矩形波のパルス幅を決定する第2決定手段と、
前記出力手段によって直前に出力した矩形波のパルス幅を保持する保持手段と、
前記第2決定手段が決定したパルス幅と、前記保持手段が保持しているパルス幅との差分を算出する算出手段と、をさらに有し、
前記出力手段は、
前記第2決定手段によって決定されたパルス幅が前記保持手段によって保持されているパルス幅より短く、かつ、前記差分の絶対値が第4の閾値以下である場合、前記保持手段が保持しているパルス幅となるタイミングで前記矩形波の状態をHighからLowに切り換える
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項12】
前記第4の閾値は変更可能であることを特徴とする請求項11に記載のブザー制御装置。
【請求項13】
操作音を発生するラインと、電話回線の音声信号を発生するラインとの切換を行う切換手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のブザー制御装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のブザー制御装置の各手段を有することを特徴とするFAX通信装置。
【請求項15】
矩形波によってブザーを制御するブザー制御方法であって、
音声信号に基づきPWM波を発生させる信号発生ステップと、
前記PWM波のパルス幅を決定する決定ステップと、
前記PWM波の、第1のサイクルのパルス幅から前記第1のサイクルの1サイクル前の第2のサイクルのパルス幅を減算して得られた第1の差分値と、前記第2のサイクルのパルス幅から前記第2のサイクルの1サイクル前のパルス幅を減算して得られた第2の差分値と、を比較する比較ステップと、
前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合に、前記矩形波の状態を切り換えることで前記矩形波を出力する出力ステップと、
を含むことを特徴とするブザー制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブザー制御装置、FAX通信装置、およびブザー制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FAX通信装置のようなブザーが設けられている装置では、通信音のボリュームと周波数成分とは1つの信号で表現される。この信号はパルスワイドモジュレーション波(以下、PWM波と記す)になる。
【0003】
特許文献1には、ローパスフィルタ、DC成分をカットするフィルタ、およびアンプを使用して、PWM波に基づき通報音を出力する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置には、フィルタ、アンプが必要となり回路が複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のブザー制御装置は、矩形波によってブザーを制御するブザー制御装置であって、音声信号に基づきPWM波を発生させる信号発生手段と、前記信号発生手段によって発生されたPWM波を矩形波に変換する信号処理手段と、を有し、前記信号処理手段は、前記PWM波のパルス幅を決定する決定手段と、前記PWM波の、第1のサイクルのパルス幅から前記第1のサイクルの1サイクル前の第2のサイクルのパルス幅を減算して得られた第1の差分値と、前記第2のサイクルのパルス幅から前記第2のサイクルの1サイクル前のパルス幅を減算して得られた第2の差分値と、を比較する比較手段と、前記第1の差分値の符号が前記第2の差分値の符号から変わった場合に、前記矩形波の状態を切り換えることで前記矩形波を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、ブザーを制御する装置の回路が複雑になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】FAX機能付き画像形成装置の構成を示すブロック図。
【
図2】比較例の画像形成装置におけるブザーの駆動を説明するための図。
【
図3】画像形成装置におけるブザーの駆動を説明するための図。
【
図7】PWM波から矩形波を出力するための処理を示すフローチャート。
【
図9】PWM波から矩形波を出力するための処理を示すフローチャート。
【
図11】PWM波から矩形波を出力するための処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の技術を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また以下の実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本開示の技術の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
<第1の実施形態>
以下、FAX機能付き画像形成装置を例に実施形態について説明する。なお、画像形成装置に限らずブザーを有する他の装置にも本実施形態の方法は適応可能である。
【0011】
[画像形成装置の構成について]
図1は、本実施形態のFAX機能付きの画像形成装置101の構成を説明するための図である。つまり、画像形成装置101はFAX通信装置としても機能する。画像形成装置101を構成する各部は、電源ラインと信号ラインで接続されている。
【0012】
電源ラインは2系統ある。一方の1系統は、電源部102から、DC-DCコンバータ103およびモータ駆動部110へ電源が送られる。DC-DCコンバータ103では電圧が変換されて、各部へ電源が送られる。モータ駆動部110はモータ駆動時にモータ111へ電源を供給する。他方の1系統では、電源部102からヘッド駆動部113へ電源が供給され、記録ヘッド114の駆動用に電源が使用される。
【0013】
制御部104にはCPU105が内蔵されており、制御部104は信号ラインの制御を行う。CPU105は動作シーケンスに応じて演算処理を行い、電源部102とDC-DCコンバータ103との出力電圧モードを切り換える制御を行う。なお、本実施形態の制御部104には、信号処理部306および切換部309(
図3参照)が含まれているが
図1では省略している。
【0014】
RAM106は必要データを一時的に保持している。ROM107は必要なデータを格納している。センサ読取部108は、動作シーケンスに応じてセンサ109で検知された結果を制御部104に伝達する。モータ駆動部110は、動作シーケンスに応じてモータ111を駆動させる。画像処理部112は、画像データを動作シーケンスに応じた印刷データに変換する。その印刷データは制御部104を経由してヘッド駆動部113に送られる。ヘッド駆動部113は、印刷モードに応じて記録ヘッド114を駆動し印刷動作を行う。
【0015】
FAX部115は、DAA(Data Access Arrangement)121およびモデム122(
図1では不図示、
図2および
図3で図示)を有し、電話回線の情報および送受信画像の情報の通信を制御部104と行う。操作部116は、ユーザの操作に基づく情報を制御部104へ送る。ブザー118は、ユーザの操作状況、電話回線の通信状況をユーザへ周知するために鳴動する。トランジスタ117は、トランジスタ117に入力された制御信号に応じてブザー118の駆動を行う。
【0016】
[比較例のブザーの駆動について]
図2は、比較例のFAX機能付き画像形成装置201におけるブザーの駆動時の各部の機能を説明するためのブロック図である。
図2では、画像形成装置201を構成する各部のうちブザーの駆動時に機能する部分のみを示している。なお、本実施形態の画像形成装置101と同一の機能を有する構成する部分については
図1と同一の符号を付している。
【0017】
FAX通信時、電話回線120から音声信号である正弦波が画像形成装置201へ送られる。送られた音声信号の電圧が過大である可能性があるため、FAX部115内にある耐圧の高いDAA121が受け取り、DAA121が受け取った音声信号の情報はFAX部115内のモデム122へ送られる。そして、モデム122内の信号発生部123で音声信号はPWM波に変換される。ここまでの構成は、本実施形態の画像形成装置101と同一である。
【0018】
PWM波は、比較例の画像形成装置201では、ローパスフィルタ(以下、LPFという)206によって正弦波へ戻される。アンプ(以下、AMPという)207は、LPF206によって戻された正弦波を増幅して矩形波を生成する。その矩形波に応じてトランジスタ117がブザー118のON/OFFを制御し、ブザー118が所定の周波数で鳴動することでユーザへの通知が行われる。
【0019】
また、操作音を発生させるために、ユーザによる操作部116の操作に応じてCPU105が矩形波を発生させる。AMP207では正弦波を増幅して矩形波を生成し、その矩形波に応じてトランジスタ117がブザー118のON/OFFを制御し、ブザー118が所定の周波数で鳴動して操作音を発生させる。
【0020】
このように比較例の画像形成装置201ではPWM波が正弦波に変換されてから矩形波へ変換される。この比較例の方法では、LPF206によって戻された正弦波は微小信号である。よって、正弦波の周波数とPWM波の基準クロックの周波数とが互いに近い値である場合、LPF206によって戻された正弦波にPWM波の基準クロックがノイズ(雑音)として残ってしまう。また、LPF206によって戻された正弦波は微小信号になるため、増幅回路が必要になる。ノイズを含んだ微小信号の増幅には、コンパレータを使った単純な回路では実現できず、AMP207を用いた増幅回路で矩形波に変換される。このため比較例の画像形成装置201では、フィルタ、増幅回路が用いられているため、素子数が多く回路が煩雑になる。
【0021】
[本実施形態のブザーの駆動について]
図3は、本実施形態の画像形成装置101におけるブザーの駆動時の各部の機能を説明するためのブロック図である。
図3では、画像形成装置101を構成する各部102~118のうちブザーの駆動時に機能する部分のみを示している。
【0022】
FAX部115の動作は
図2の比較例と同じである。本実施形態の画像形成装置101では、FAX部115内の信号発生部123で発生させたPWM波は、制御部104内の信号処理部306で受け取られる。信号処理部306は、PWM波のパルス幅の増減の変化を読み取るための第1カウンタ307を有する。さらに信号処理部306は、出力する矩形波のパルス幅をカウントするための第2カウンタ308を有する。信号処理部306は、第1カウンタ307および第2カウンタ308を用いて正弦波の周波数に応じた矩形波を生成してトランジスタ117に出力する。トランジスタ117からブザー118への矩形波の流れは比較例と同様である。RAM102は、PWM波のパルス幅と矩形波のパルス幅を保持する場合に用いられる。
【0023】
切換部309は、電話回線の通信音と操作音の切り換えを行い、鳴らすべき音への切り換を都度行っている。操作音を発生するラインと電話回線の音声信号を発生するラインとの切換を行う切換部309を備えることで、1つのブザーで操作音と電話回線の音声信号に基づく音とを発生することができ回路が複雑になることを軽減できる。
【0024】
図4は、音声信号ラインにおける信号の波形を説明するため図である。
図4(a)は電話回線120から出力される音声信号である正弦波を示す図である。
図4(b)は信号発生部123から出力される信号であるPWM波を示す図である。
図4(c)は本実施形態の信号処理部306から出力される信号である矩形波を示す図である。
図4の波形より、
図4(c)の矩形波の周波数が、
図4(a)の正弦波の周波数と同じであることがわかる。尚、電話回線120の実際の出力信号はDCバイアスされた信号になる。
【0025】
図5は、本実施形態における信号処理部306による矩形波の生成について説明するための図である。
図5の上のグラフは信号発生部123から出力される信号であるPWM波を示す図であり、
図5の下のグラフはPWM波に基づき信号処理部306から出力される信号である矩形波を示す図である。本実施形態では、信号処理部306はPWM波のパルス幅と、1サイクル前のパルス幅とを取得して、取得したパルス幅の差分値を算出し、その差分値に基づき矩形波を生成して出力する。信号処理部306によるPWM波のパルス幅の算出は、第1カウンタ307がPWM波の状態がHighである時間(パルス幅)をカウントした結果得られるカウント値に基づき行われる。
【0026】
信号処理部306による矩形波の生成について
図5を用いて説明する。まず、第1カウンタ307がカウントしたPWM波のパルス幅がパルス幅b0である場合、パルス幅b0とパルス幅b0のパルスの1サイクル前のパルスのパルス幅a0とが比較される。そして、パルス幅b0からパルス幅a0を減算して差分値b0-a0が算出される。
図5では差分値b0-a0の符号が+(プラス)であり、PWM波のパルス幅は1サイクル前のパルスよりも増加している。この場合は、信号処理部306は矩形波の状態はHighで出力する。次のサイクルのパルス幅c0においても、1サイクル前のパルスとの差分値c0-b0の符号が+であるため、矩形波の状態はHighのまま出力される。
【0027】
第1カウンタ307がカウントしたPWM波のパルスがパルス幅e0である場合、パルス幅e0から1サイクル前のパルスのパルス幅d0を減算して差分値e0-d0が算出される。
図5に示すように、差分値の符号が-(マイナス)であり、PWM波のパルス幅は1サイクル前のパルスよりも減少している。差分値の符号がプラスからマイナスに反転した場合、PWM波が切り換わったため、信号処理部306は、矩形波の状態をHighからLowへ切り換えて矩形波を出力する。次のサイクルのパルス幅f0においても、1サイクル前のパルス幅と差分値f0-e0の符号も同様に-(マイナス)であるため、矩形波の状態はLowのまま出力される。
【0028】
なお、上記の説明では、矩形波の状態をHighからLowへ切り換えて出力する条件はPWM波のパルス幅の差分値がプラスからマイナスに変わったタイミングである。また、矩形波の状態をLowからHighへ切り換えて出力する条件はPWM波のパルス幅の差分値がマイナスからプラスに変わったタイミングであるものとして説明したが、この条件は入れ替え可能である。つまり、矩形波の状態をHighからLowへ切り換えて出力する条件はPWM波のパルス幅の差分値がマイナスからプラスに変わったタイミングでもよい。その場合、矩形波の状態をLowからHighへ切り換えて出力する条件はPWM波のパルス幅の差分値がプラスからマイナスに変わったタイミングになる。
【0029】
PWM波のパルス幅の差分値の符号を検出することにより、差分値の符号が反転した場合の第1カウンタ307のカウント対象であったPWM波のパルスの立ち下がるポイントで、矩形波の状態を切り換えることができる。このため、比較例のようにフィルタと増幅回路といった部品が不要になり、ASIC内のIC機能で回路構成が可能になる。このため回路が簡素化できる。
【0030】
なお、差分値の絶対値が閾値未満であるような差分値が微小と判断できる場合、その差分値は矩形波の状態を切り換えるためには用いられないように差分値を無効としてもよい。例えば、閾値iを設定し、閾値i未満の差分値を無効にすることで、無音や微小な音量の音声信号に入力時のノイズが重畳してしまった場合であっても、意図しない音声を発生させることを抑制することができる。
【0031】
図5では、差分値d0-c0および差分値j0-i0の絶対値は閾値i未満であるため、それぞれの差分値は無効として、矩形波の出力処理が行われている例を示している。差分値が無効である場合は、信号処理部306は、矩形波の状態を切り換えないで、そのまま前の状態で矩形波を出力する。
【0032】
尚、閾値iは変更することが可能である。閾値を調整する機能を備えることで、ノイズの音声信号への影響度合いに応じたブザー駆動の制御を行うことができる。
【0033】
図6は、信号発生部123の出力信号であるPWM波と、PWM波に基づく信号処理部306の出力信号である矩形波を示す図である。
図6(b)におけるPWM波は、本来であれば
図6(a)に示すPWM波と同一の波形で出力されるべきものであるとする。しかし、
図6(b)のPWM波におけるパルス幅f´0は、
図6(a)のパルス幅f0のおよびパルス幅g0の2つのパルスである本来の波形が、過大なパルスノイズの影響で1つのパルスに変化してしまったパルス幅を示している。
【0034】
パルス幅が1つ前のサイクルのパルス幅に比べて減少している状態が続いている途中に、パルス幅f´0のようなノイズによる大きなパルス幅のパルスが現れることがある。この場合、本来はそのままパルス幅の減少が続いて差分値の符号がマイナスとなる場合であっても、パルス幅f´0が大きいため差分値の符号がプラスに反転してしまう。このように
図6(b)のPWM波に基づき、差分値の符号が反転するポイントで矩形波の状態を切り換える処理を行うと、
図6(c)に示すように、出力される矩形波は点線で示すような意図しないパルスが発生してしまう。
【0035】
このため、例えば、閾値jを設け、PWM波のパルス幅がその閾値以上である場合、そのパルスの発生のポイントでは矩形波の状態の切り換えが行われないように処理されてもよい。このように閾値jを設けることで、ノイズによりパルス幅が大きくなったことによる矩形波への影響を抑制することができる。つまり閾値jを設けることで
図6(c)の点線で示すような意図しないパルスが発生を抑制することができる。
【0036】
この場合、閾値jはPWM波の基準クロックの周期より大きく設定することが好ましい。尚、閾値jは変更可能である。閾値jを調整する機能を備えることで、製品形態によるパルスノイズ波形や発生度合いに応じたブザー駆動の制御を行うことができる。
【0037】
[フローチャート]
図7は本実施形態の画像形成装置101におけるPWM波から矩形波への変換する処理を説明するためのフローチャートである。フローチャートにおけるステップの一部または全部の機能は画像形成装置101のASIC、FPGA、または電子回路等のハードウェアで実現される。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
【0038】
S701において信号処理部306の機能がONにされる。信号処理部306は、ONになった後に信号処理部の機能をOFFする指示を取得したか監視しており、S702において信号処理部306はその指示を取得したか判定する。信号処理部306の機能をOFFする指示は例えばCPU105から出力される。
【0039】
信号処理部の機能をOFFにする指示が無ければ(S702がNO)、S703~S708において信号処理部306に入力されたPMW波の1サイクルのパルス幅が決定される。
S703~S708はループ処理であり、PMW波のパルスが発生する毎に行われてパルス幅が決定される。
【0040】
まず、S703において信号処理部306は入力されたPWM波の立ち上がりを検出したか判定する。PWM波の立ち上がりを検出したら(S703がYES)、S704において第1カウンタ307はカウントを開始し、PWM波の状態がHighの時間のカウントが開始される。S705において信号処理部306は、PWM波の立ち下がりを検出したか判定する。立ち下がりを検出したら(S705がYES)、S706において第1カウンタ307はカウントを停止する。S707において信号処理部306は、第1カウンタ307のカウント値から、PWM波のパルス幅を決定し、決定したパルス幅を記憶させる。S708において信号処理部306は第1カウンタ307のカウント値をクリアする。
【0041】
S709において信号処理部306は、決定したPWM波のパルス幅が閾値j以上かを判定する。閾値j以上の場合(S709がYES)は、今回のパルスは、矩形波の出力をHighからLowまたはLowからHighに切り換えるかを判定するための対象パルスではないためS702へ戻る。
【0042】
決定したPWM波のパルス幅が閾値j未満の場合(S709がNO)、S710において信号処理部306は、今回のループ処理におけるS707において決定したパルス幅から、1サイクル前のPWM波のパルス幅を減算して差分値を算出する。なお、1サイクル前のパルス幅がない場合、S702に戻り次のサイクルのパルス幅が決定される。
【0043】
S711において差分値の絶対値が閾値i以下か判定される。差分値の絶対値が閾値i以下の場合(S711がYES)、今回のループ処理におけるS707でパルス幅が決定されたパルスは矩形波の状態を切り換えるかを判定するための対象パルスではないため、S702へ戻る。
【0044】
差分値の絶対値が閾値iを超える場合(S711がNO)、S712において信号処理部306は差分値のプラスマイナスの符号が、1サイクル前のPWM波のパルスにおいて算出された差分値の符号から反転しているかを判定する。差分値の符号が反転していない場合(S712がNO)、今回のパルスは矩形波の状態を切り換えるための対象パルスではないため、S702へ戻る。
【0045】
差分値の符号が反転している場合(S712がYES)は、S713において信号処理部306は差分値の符号が負(マイナス)から正(プラス)への反転であるかを判定する。尚、矩形波の極性を逆にしたい場合は、本ステップでは正から負への反転であるかが判定される。
【0046】
差分値の符号が負から正への反転である場合(S713がYES)、S714において信号処理部306は、矩形波の状態をLowからHighへ切り換えて矩形波を出力する。そしてS715において矩形波の状態がHighの時間をカウントするので、第2カウンタ308がカウントを開始し、S702へ戻る。
【0047】
差分値の符号が負から正への反転ではない場合(S713がNO)、差分値の符号の変化は正から負への反転になるので、矩形波の状態はHighからLowへ切り換えられる。このため、まず、S716において第2カウンタ308はカウントを停止して、矩形波のHighの状態のカウントを停止する。S717において信号処理部306は第2カウンタ308のカウント値から、出力するべき矩形波のパルス幅を決定する。S718において信号処理部306は、S717で決定したパルス幅となるタイミングで、矩形波の状態をHighからLowへ切り換える。そして、S719において信号処理部306は、第2カウンタ308のカウント値をクリアしてS702に戻る。
【0048】
一方、信号処理部の機能をOFFにする指示がある場合(S702がYES)、S720において信号処理部306は、第1カウンタ307および第2カウンタ308のカウント値をクリアする。そしてS721において信号処理部306は矩形波の状態をLowにして、S722において信号処理部306の機能がOFFにされる。
【0049】
なお、上記のフローチャートでは、第2カウンタ308のカウント値のタイミングによって矩形波の状態はHighからLowへ切り換えるものとして説明した。他にも、差分値の符号がプラスからマイナスになったと判定されたタイミングで、矩形波の状態がHighからLowへ切り換えられて出力されてもよい。この場合、S715、S716、S717、S719はスキップして、S718では信号処理部306は、矩形波の状態をHighからLowへ切り換えて矩形波を出力してもよい。
【0050】
以上説明したように本実施形態では、信号処理部がPWM波のパルス幅の増加の状態から減少の状態への反転のポイント、または減少の状態から増加の状態への反転のポイントを検出することによって矩形波を発生させる。このため本実施形態によれば、音声信号から矩形波への変換過程で、正弦波への波形変換が不要になる。このため、LPF、DCカット等のフィルタ、増幅回路としてのAMP等の部品を不要とするこができ、回路を簡素化できる。
【0051】
<第2の実施形態>
第1の実施形態の方法では、ユーザが画像形成装置のFAX機能をOFF-HOOKにした状態にして電話回線のケーブルを外した場合、ブザー118にDC電圧が印加され続けてしまうことがある。ブザー118にDC電圧が印加され続けると、銀マイグレーションによりブザー118が破壊されてしまう虞がある。このため、本実施形態では、矩形波がHighで出力される状態が続いた場合に、Lowに状態を切り換える方法を説明する。本実施形態は、第1の実施形態からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については第1の実施形態と同じ構成および処理である。
【0052】
図8は、音声信号ラインにおける波形を説明するため図である。
図8(a)は電話回線120から出力される音声信号である正弦波を示す図である。
図8(b)は信号発生部123から出力される信号であるPWM波を示す図である。
図8(c)は信号処理部306から出力される信号である矩形波を示す図である。
【0053】
図8(a)では、電話回線120から出力されていた音声信号が途中から停止して無信号になった状態を表している。音声信号が無信号になると、
図8(b)に示すように、無信号に対応するPWM波は、パルス幅の増減の無いほぼDuty50%の信号として出力される。
【0054】
つまり、PWM波がDuty50%になると、パルス幅と1サイクル前のパルス幅との差分値は0となる。閾値iを設定している場合は、差分値は閾値以下となり無効として処理される。このため、信号処理部306は、PWM波がDuty50%の信号になる直前に出力した矩形波の状態を継続して出力することになる。
【0055】
例えば、PWM波がDuty50%の信号になる直前に、信号処理部306によって生成された矩形波の状態がHighであった場合、PWM波がDuty50%の信号になった後は、矩形波をHighの状態で出力され続けてしまう。この場合、電話回線120から次の音声信号が発生されるまでの間、ブザー118にDC電圧が印加され続けてしまう。特に、ブザー118が圧電ブザーである場合、圧電ブザーの特性上、DC電圧が印加され続けると銀マイグレーションを起こし、ブザー118が壊れてしまう虞がある。
【0056】
このため、本実施形態の信号処理部306は、DC電圧がブザー118に印加され続ける状態を回避するための機能を有する。本実施形態では、第2カウンタ308が、出力される矩形波がHighの状態である時間をカウントし、矩形波がHigh状態である期間が閾値kに達した場合、信号処理部306は矩形波の状態をLowに切り換える。
【0057】
閾値kは音声信号の最高の周期以上の値にすることが好ましい。また、閾値kは変更可能にしてもよい。閾値kを調整する機能を備えることで、信号処理部306はブザー118のDC電圧の耐性に適応して矩形波を出力する処理を行うことができる。
【0058】
図9は本実施形態のPWM波から矩形波への変換する処理を説明するためのフローチャートである。S901~S902の処理はS701~S702と、S904~S920の処理はS703~719と、それぞれ同一であるため説明を省略する。
【0059】
例えば、S915で信号処理部306が矩形波の状態をHighに切り換えた後、S916では第2カウンタが矩形波の状態がHighである時間のカウントを開始して、S902に戻る。そして、S902で信号処理部の機能をOFFする指示が取得されなければS903に進む。
【0060】
S903において信号処理部306は、矩形波の状態がHighである時間をカウントした第2カウンタ308の現在のカウント値が閾値k以上かを判定する。つまり、S903以降のステップが終了してS902に戻った後、S902で信号処理部の機能をOFFする指示を取得したと判定されなければ、都度、S903で第2カウンタ308のカウント値が閾値k以上かが判定される。
【0061】
矩形波の状態がHighの期間が閾値k以上の場合(S903がYES)、矩形波が状態がHighで出力されている時間が長いことになるため、S921において信号処理部306は矩形波の出力をLowに切り換える。そしてS922において第2カウンタ308のカウント値がクリアされてS902へ戻る。
【0062】
差分値の符号を比較した結果、S919で信号処理部306が矩形波の状態をLowに切り換えた場合は、次のS920で第2カウンタ308のカウント値をクリアしてS902へ戻る。このためS902に遷移した後のS903では、第2カウンタ308のカウント値が閾値k以上と判定されることはない。
【0063】
矩形波のHigh状態の期間が閾値k未満の場合(S903がNO)は、S904に進む。以降は前述したとおり、
図7のフローチャートのステップと同様である。なお、S923~S925はS720~S722と同一であるため説明は省略する。
【0064】
以上説明したように本実施形態によれば、ブザー118にDC電圧が印加され続けてしまうことを抑制することができる。
【0065】
<第3の実施形態>
同一周波数の音声信号が入力された場合にその音声信号に基づき信号発生部によって出力されたPWM波のばらつきが大きいと、ジッターが発生してしまい不快な音声がユーザへ聞こえてしまうことがある。同一周波数の音声信号が入力された場合、一定の周波数でブザーが鳴動することが望まれる。そこで本実施形態では、信号処理部で発生させた矩形波のパルス幅を保持し、その保持した矩形波のパルス幅を次に発生させるパルスに使用する方法を説明する。本実施形態は、第1の実施形態からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については第1の実施形態と同じ構成および処理である。
【0066】
図10は、音声信号ラインにおける波形を説明するため図である。
図10(a)は電話回線120から出力される音声信号である正弦波を示す図である。
図10(b)は信号発生部123から出力されるPWM波を示す図である。
【0067】
同一周波数の音声信号が入力された場合、信号発生部123が出力するPWM波のばらつきが大きいと、ジッターが発生してしまい、不快な音声がユーザへ聞こえてしまう。同一周波数の音声信号が入力された場合は、ブザーは一定の周波数で鳴動することが望まれる。
【0068】
図10(c)は、第1の実施形態で説明した、PWM波のパルス幅の差分値に基づき、信号処理部306が出力する場合の矩形波を示す図である。本実施形態では信号処理部306が出力した矩形波のパルス幅a2を、RAM106等の記憶部に保持しておく。そして、矩形波の次のパルスの出力時では、PWM波のパルス幅の差分値の符号の反転するポイントで矩形波の状態を切り換える方法(第1の実施形態の方法)で生成されるパルスのパルス幅b2と、保持したパルス幅a2と、が比較される。パルス幅b2がパルス幅a2より長い場合は、出力している矩形波のパルスをパルス幅a2とすることができないので、出力中のパルスはパルス幅b2で矩形波を出力する。そして、パルス幅b2が新たに保持される。
【0069】
さらに次の矩形波のパルスの出力時において、第1の実施形態の方法で生成される場合の矩形波のパルス幅c2は、保持されたパルス幅b2と比較される。パルス幅c2がパルス幅b2より短い場合、パルス幅c2とパルス幅b2との差分が微小であるかが判定される。パルス幅c2とパルス幅b2との差分の絶対値が閾値m以下であり微小である場合は、出力中の矩形波のパルスが保持しているパルス幅b2の長さとなるように、Lowに切り換えるポイントを後にずらして矩形波を出力する。パルス幅c2は保持されない。
【0070】
さらに次の矩形波のパルスの出力時において、第1の実施形態の方法で生成される場合の矩形波のパルス幅d2は、保持しているパルス幅b2と比較される。パルス幅d2はパルス幅b2より短いが、パルス幅d2とパルス幅b2との差分の絶対値が閾値m超えているものとする。この場合、出力中の矩形波のパルスは、パルス幅d2で出力する。そして、パルス幅d2は保持される。
【0071】
矩形波のパルスがパルス幅d2となるように出力されたとき、
図10(a)に示すように電話回線から出力された音声信号の正弦波の周波数が変化している。このように、パルス幅d2とパルス幅b2との差分の絶対値が閾値mを超えている場合は、第1の実施形態で説明した方法によって矩形波を出力することで、音声信号の周波数が変化した場合は、矩形波のパルス幅も変更させて出力することができる。閾値mは音声信号の周期-周期間の最小値未満に設定することが好ましい。
【0072】
図10(d)は本実施形態の信号処理部306によって出力される矩形波である。
図10(c)で示す第1の実施形態の方法によって出力される矩形波に比べて、
図10(d)ではパルス幅b2のパルスが続けて出力されている。このため、一定の周波数でブザーを鳴動させることができる。
【0073】
なお、閾値mは変更可能にしてもよい。閾値mを調整する機能を備えることで、信号処理部306は、信号発生部によって出力されるPWM波のばらつきの度合いに応じて、
矩形波を出力する処理を行うことができる。
【0074】
図11は本実施形態のPWM波から矩形波への変換する処理を説明するためのフローチャートである。なお
図11のフローチャートでは、第2の実施形態で説明した機能を含めて説明する。S1101~S1118の処理はS901~S918と、S1126~S1130の処理はS921~S925と、それぞれ同一であるため説明を省略する。
【0075】
図9と同様に、S1115で信号処理部306によって矩形波の状態がHighに切り換えた場合、S1116では第2カウンタ308が、矩形波がHighで出力されている状態、つまり出力している矩形波のパルス幅のカウントを開始してS1102に戻る。
【0076】
そして、S1102に戻って以降、PWM波のパルス幅の差分値の符号が正から負へ反転した場合(S1114がNO)、S1117で第2カウンタ308はカウントを停止する。そして、S1118において第2カウンタ308のカウント値から、第1の実施形態の方法により出力する場合の矩形波のパルス幅が決定される。ここまでは上述の実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態ではHighの状態で出力した前回の矩形波のパルス幅が保持されている。よって、S1119において信号処理部306は、S1118で決定した矩形波のパルス幅が保持している矩形波より短いか、つまり保持している矩形波の方が長いかを判定する。
【0078】
保持している矩形波のパルス幅が長い場合(S1119がYES)、S1120に進む。S1120において信号処理部306は、保持している矩形波のパルス幅とS1118で決定した矩形波のパルス幅との差分を算出し、S1121において差分の絶対値が閾値m以下であるか判定される。
【0079】
閾値m以下であれば(S1121がYES)、保持しているパルス幅はS1118で決定したパルス幅とほぼ同じ値であると考えられる。このためS1123において信号処理部306は、現在出力している矩形波のパルスが保持しているパルス幅となるポイントで矩形波の状態をHighからLowへ切り換えてS1125に進む。
【0080】
一方、保持している矩形波の方が短い場合(S1119がNO)、保持しているパルス幅とS1118で決定したパルス幅とがほぼ同じ値であっても、時間的に出力している矩形波のパルス幅を保持しているパルス幅にすることができない。このためS1122に進む。差分が閾値mを超える場合(S1121がNO)もS1122に進む。
【0081】
S1122において信号処理部306は、出力している矩形波がS1118で決定したパルス幅となるポイントで、矩形波の状態をHighからLowへ切り換える。そしてS1124に進む。S1124では今回のS1118で決定した矩形波のパルス幅を保持する。つまり、今回出力した矩形波のパルス幅が保持される。前のパルス幅を保持していた場合は、保持している値を更新する。そしてS1125に進む。S1125では第2カウンタ308のカウント値がクリアされてS1102へ戻る。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、PWM波の微小なばらつきによって矩形波のパルスが変化することを抑制することができる。このため、ジッターによる耳障りな音の発生を抑制することができ、ブザーの音質が悪化するのを抑制することができる。
【0083】
<その他の実施形態>
上述の実施形態では、信号処理部を有する制御部とブザーとが同一の装置内にあるもとして説明したが、制御部は発生させた矩形波によって、別の装置のブザーを制御してもよい。つまり、本実施形態が実施される装置としては、FAX通信装置や車両接近通知装置などに含まれるブザーによる報知を制御するブザー制御装置が含まれる。
【符号の説明】
【0084】
101 画像形成装置
123 信号発生部
306 信号処理部