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特許7427565情報生成装置、車両制御システム、情報生成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】情報生成装置、車両制御システム、情報生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240129BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240129BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240129BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240129BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20240129BHJP
   E01C 23/01 20060101ALN20240129BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
G08G1/00 J
B60W50/14
B60W30/09
E01C23/01
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020152339
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046343
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 雄磨
(72)【発明者】
【氏名】関 晃仁
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175020(JP,A)
【文献】特開2014-106897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
E01C 23/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する異常情報取得部と、
前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成する通知情報生成部と、
前記通知情報を前記自車両に乗車しているユーザに提示する出力制御部と、
を備え
前記通知情報生成部は、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、前記1または複数のセンサの動作設定を表すセンシング設定情報を生成し、
前記出力制御部は、前記センシング設定情報を前記ユーザに提示する
情報生成装置。
【請求項2】
前記通知情報生成部は、
前記異常情報に基づき、前記道路上における前記自車両が走行する予定の走行路に前記異常が存在するか否かを判断し、
前記異常が存在する場合、前記異常情報および前記環境情報に基づき、前記自車両が他の走行路を走行することにより前記異常を回避することが可能かどうかを判断し、
前記自車両が他の走行路を走行することにより前記異常を回避することができない場合、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記自車両が前記異常の上を通過することが可能かどうかを判断する
請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項3】
前記通知情報生成部は、前記異常が存在し、且つ、前記自車両が他の走行路を走行することにより前記異常を回避することが可能である場合、前記異常を回避するために前記他の走行路へと前記自車両を移動する操舵動作を表す情報を、前記通知情報として生成する
請求項1または2に記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記通知情報生成部は、前記異常が存在し、前記自車両が他の走行路を走行することにより前記異常を回避することができず、且つ、前記自車両が前記異常の上を通過することが可能である場合、前記自車両が前記異常の上を通過するための走行動作を表す情報を、前記通知情報として生成する
請求項1から3の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記通知情報生成部は、前記異常が存在し、前記自車両が他の走行路を走行することにより前記異常を回避することができず、且つ、前記自車両が前記異常の上を通過することができない場合、前記自車両が前記異常の手前で停止するための停止動作を表す情報を、前記通知情報として生成する
請求項1から4の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記通知情報生成部は、前記異常が前記道路上の傷または欠陥であり、前記傷または欠陥の大きさが前記自車両のタイヤの大きさに基づき定まる値より小さく、且つ、前記自車両の速度が所定値より低い場合、前記自車両が前記異常の上を通過することが可能と判断する
請求項4または5に記載の情報生成装置。
【請求項7】
前記通知情報生成部は、前記異常が前記道路上に置かれた障害物である場合、前記障害物の種類に応じて、前記自車両が前記異常の上を通過することが可能か否かを判断する
請求項4から6の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項8】
前記異常情報取得部は、前記異常情報を、前記自車両の外部の情報提供サーバから取得し、
前記異常情報は、前記異常の形状を表す情報を含み、
前記通知情報生成部は、前記異常の形状に応じて、前記1または複数のセンサの動作を設定する
請求項1から7の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項9】
前記通知情報生成部は、前記自車両の周囲の気象情報に基づき、前記1または複数のセンサのうちの前記環境情報を生成するために用いるセンサ情報を出力するセンサを設定する
請求項1から8の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項10】
環境情報送信部を備え
前記環境情報送信部は、前記道路上における前記自車両が走行する予定の走行路に前記異常が存在する場合、前記環境情報のうち、前記1または複数のセンサにより検出された前記1または複数のセンサ情報に基づき生成された情報を、前記自車両の外部の情報提供サーバに送信し、
前記通知情報生成部は、前記環境情報送信部による情報の送信動作を設定し、前記環境情報送信部による情報の送信動作を表す送信設定情報を生成し、
前記出力制御部は、前記送信設定情報を前記ユーザに提示する
請求項1から9の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項11】
前記通知情報生成部は、前記自車両の走行動作に関する情報に基づき、前記環境情報送信部による情報の送信動作を設定する
請求項10に記載の情報生成装置。
【請求項12】
更新情報受信部をさらに備え、
前記通知情報生成部は、予め登録された判断モデルを用いて、前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記通知情報を生成し、
前記更新情報受信部は、前記判断モデルを更新するための更新情報を前記自車両の外部の情報提供サーバから受信し、
前記通知情報生成部は、前記更新情報を受信した場合、前記判断モデルを前記更新情報に基づき更新する
請求項1から11の何れか1項に記載の情報生成装置。
【請求項13】
自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する異常情報取得部と、
前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成する通知情報生成部と、
を備え、
前記通知情報生成部は、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、
前記異常情報取得部は、前記異常の形状を表す情報を含む前記異常情報を、前記自車両の外部の情報提供サーバから取得し、
前記通知情報生成部は、前記異常の形状に応じて、前記1または複数のセンサの動作を設定する
情報生成装置。
【請求項14】
前記異常が道路の穴、ひび割れまたは轍掘れである場合、前記異常の形状は、異常の大きさ、深さまたは高さである
請求項13に記載の情報生成装置。
【請求項15】
請求項1から14の何れか1項に記載の情報生成装置と、
前記通知情報に従って前記自車両の動作を制御する車両制御装置と、
を備える車両制御システム。
【請求項16】
情報処理装置により情報を生成するための情報生成方法であって、
前記情報処理装置が、自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成し、
前記情報処理装置が、前記通知情報を前記自車両に乗車しているユーザに提示し、
前記情報処理装置が、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、前記1または複数のセンサの動作設定を表すセンシング設定情報を生成し、
前記情報処理装置が、前記センシング設定情報を前記ユーザに提示する
情報生成方法。
【請求項17】
情報処理装置により情報を生成するための情報生成方法であって、
前記情報処理装置が、自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成し、
前記情報処理装置が、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、
前記情報処理装置が、前記異常の形状を表す情報を含む前記異常情報を、前記自車両の外部の情報提供サーバから取得し、
前記情報処理装置が、前記異常の形状に応じて、前記1または複数のセンサの動作を設定する
情報生成方法。
【請求項18】
前記異常が道路の穴、ひび割れまたは轍掘れである場合、前記異常の形状は、異常の大きさ、深さまたは高さである
請求項17に記載の情報生成方法。
【請求項19】
情報処理装置を情報生成装置として機能させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する異常情報取得部と、
前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成する通知情報生成部と、
前記通知情報を前記自車両に乗車しているユーザに提示する出力制御部と、
して機能させ
前記通知情報生成部は、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、前記1または複数のセンサの動作設定を表すセンシング設定情報を生成し、
前記出力制御部は、前記センシング設定情報を前記ユーザに提示する
プログラム。
【請求項20】
情報処理装置を情報生成装置として機能させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する異常情報取得部と、
前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成する通知情報生成部と、
して機能させ、
前記通知情報生成部は、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、
前記異常情報取得部は、前記異常の形状を表す情報を含む前記異常情報を、前記自車両の外部の情報提供サーバから取得し、
前記通知情報生成部は、前記異常の形状に応じて、前記1または複数のセンサの動作を設定する
プログラム。
【請求項21】
前記異常が道路の穴、ひび割れまたは轍掘れである場合、前記異常の形状は、異常の大きさ、深さまたは高さである
請求項20に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報生成装置、車両制御システム、情報生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
走行する車両に外部のデータベースから、道路の劣化および障害物といった道路上の異常の内容を表す異常情報を配信することにより、車両に道路上の異常を回避させる方法が知られている。例えば、従来、データベースの障害物の情報を分析し、自信度の低い分析結果を除き、自信度の高い分析結果をドライバに通知する技術が知られている。また、例えば、従来、障害物の高さおよび自車の速度などに応じて車両が障害物を通過可能であるか否かを判定し、通過可能な場合、車両に障害物を通過させ、通過不可能な場合は、車両に速度減速または進路変更をさせる技術が知られている。
【0003】
しかしながら、自信度の高い障害物の情報がドライバに通知されても障害物に対してどのように対処すべきかを表す情報は与えられなかった。また、与えられたとしても、適切な走行動作でない可能性があった場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6327283号公報
【文献】特開2017-182498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、道路上に異常が存在する場合、自車両が行う適切な動作を示す通知情報を生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報生成装置は、環境情報取得部と、異常情報取得部と、自車両情報取得部と、通知情報生成部と、出力制御部とを備える。前記環境情報取得部は、自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する。前記異常情報取得部は、前記自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する。前記自車両情報取得部は、前記自車両の走行動作に関する情報および前記自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する。前記通知情報生成部は、前記環境情報、前記異常情報および前記自車両情報に基づき、前記道路上の前記異常に対して前記自車両が行う動作を示す通知情報を生成する。前記出力制御部は、前記通知情報を前記自車両に乗車しているユーザに提示する。前記通知情報生成部は、前記環境情報を生成するためのセンサ情報を検出する、前記自車両の1または複数のセンサの動作を設定し、前記1または複数のセンサの動作設定を表すセンシング設定情報を生成する。前記出力制御部は、前記センシング設定情報を前記ユーザに提示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る車両を示す図。
図2】車両制御システムの構成図。
図3】第1実施形態に係る情報生成装置の構成図。
図4】第1実施形態に係る情報生成装置の処理の流れを示すフローチャート。
図5】第2実施形態に係る情報生成装置の構成図。
図6】第2実施形態に係る情報生成装置の処理の流れを示すフローチャート。
図7】第3実施形態に係る情報生成装置の構成図。
図8】第3実施形態に係る情報生成装置の処理の流れを示すフローチャート。
図9】第4実施形態に係る情報生成装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る車両10を示す図である。車両10は、例えば自動車またはモータバイク等である。
【0010】
車両10は、車両制御システム12を搭載する。車両制御システム12は、例えば専用または汎用コンピュータを含む装置である。車両制御システム12は、情報処理機能が車両10に搭載されず、車両10とネットワークを介して接続されるクラウド等の装置に搭載されてもよい。
【0011】
図2は、第1実施形態に係る車両制御システム12の構成の一例を示す図である。車両制御システム12は、1または複数のセンサ22と、記憶装置23と、入力装置24と、表示装置25と、音声出力装置26と、通信装置27と、車両制御装置30と、情報処理装置40とを備える。
【0012】
1または複数のセンサ22は、車両10に設けられる。1または複数のセンサ22のうちの少なくとも一部は、自車両の周囲の環境の状況を表すセンサ情報を検出する。例えば、1または複数のセンサ22のうちの1つは、車両10における固定された位置から、車両10の周囲を撮像する撮像装置である。撮像装置は、例えば、単眼カメラである。撮像装置は、ステレオカメラであってもよいし、デプスカメラであってもよい。また、例えば、1または複数のセンサ22の一つは、例えば、車両10の周囲の物体との距離、大きさまたは相対速度を測定するミリ波レーダである。また、例えば、1または複数のセンサ22は、車両10の周囲の物体を音波によって探知するソナー、および、地磁気センサ等を含んでもよい。また、例えば、1または複数のセンサ22の一つは、例えば、衛星からの信号等に基づき車両10の位置を検出する位置センサである。
【0013】
また、1または複数のセンサ22のうちの少なくとも一部は、自車両の走行動作に関する情報を表すセンサ情報を検出する。例えば、1または複数のセンサ22は、車両10の速度を検出する速度センサ、車両10の角速度を検出する角速度センサ、および、車両10の並進方向の加速度を検出する加速度センサを含んでもよい。
【0014】
記憶装置23は、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブまたはフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等である。記憶装置23は、車両制御システム12により実行されるプログラムおよび車両制御システム12が用いるデータを記憶する。
【0015】
記憶装置23は、自車両の仕様に関する情報を記憶する。自車両の仕様に関する情報は、自車両のタイヤの半径または幅等のタイヤの大きさの情報、自車両の車体の重量および大きさ等である。
【0016】
入力装置24は、ユーザからの指示および情報入力を受け付ける。入力装置24は、例えば、操作パネル、マウスまたはトラックボール等のポインティングデバイス、または、キーボード等の入力デバイスである。
【0017】
表示装置25は、自車両に搭乗しているユーザに対して各種の情報を表示する。表示装置25は、例えば、液晶表示装置等の表示デバイスである。音声出力装置26は、自車両に搭乗しているユーザに対して各種の音声を出力する。音声出力装置26は、スピーカである。通信装置27は、無線通信により、自車両の外部の情報提供サーバ等と情報を送受信する。
【0018】
車両制御装置30は、車両10を移動させるための駆動機構を制御する。例えば、車両10が自動運転車両である場合には、情報処理装置40から得られる情報およびその他の情報に基づいて周辺の状況を判断して、アクセル量、ブレーキ量および操舵角等を制御する。
【0019】
情報処理装置40は、例えば、専用または汎用の1または複数のコンピュータである。情報処理装置40は、1または複数のセンサ22と、記憶装置23と、入力装置24と、表示装置25と、音声出力装置26と、通信装置27と、車両制御装置30とを管理および制御する。情報処理装置40は、メモリ41と、1または複数のハードウェアプロセッサ42とを有する。
【0020】
メモリ41は、例えば、ROM43(Read Only Memory)と、RAM44(Random Access Memory)とを含む。ROM43は、情報処理装置40の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を書き換え不可能に記憶する。RAM44は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体である。RAM44は、1または複数のハードウェアプロセッサ42の作業領域として機能する。
【0021】
1または複数のハードウェアプロセッサ42は、メモリ41(ROM43およびRAM44)にバスを介して接続される。1または複数のハードウェアプロセッサ42は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含んでもよいし、1または複数のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、1または複数のハードウェアプロセッサ42は、ニューラルネットワークを実現するための専用の処理回路を含む半導体装置等を含んでもよい。
【0022】
1または複数のハードウェアプロセッサ42は、RAM44を作業領域としてROM43または記憶装置23に予め記憶された各種プログラムとの協働により各種処理を実行することにより、情報生成装置50として機能する。情報生成装置50については、以下詳細に説明する。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る情報生成装置50の構成を示す図である。情報生成装置50は、環境情報取得部51と、異常情報取得部52と、自車両情報取得部53と、通知情報生成部54と、出力制御部55とを備える。
【0024】
環境情報取得部51、異常情報取得部52、自車両情報取得部53、通知情報生成部54および出力制御部55は、所定のプログラムを実行した1または複数のハードウェアプロセッサ42により実現される。すなわち、所定のプログラムを実行することにより、1または複数のハードウェアプロセッサ42は、環境情報取得部51、異常情報取得部52、自車両情報取得部53、通知情報生成部54および出力制御部55として機能する。
【0025】
環境情報取得部51は、自車両の周囲の環境の状況を表す環境情報を取得する。環境情報は、例えば、1または複数のセンサ22により検出されたセンサ情報に基づき生成される。また、環境情報は、外部の情報提供サーバから通信装置27を介して取得した情報を含んでもよい。環境情報取得部51は、環境情報を定期的に取得し、取得した環境情報を通知情報生成部54に送る。
【0026】
例えば、環境情報は、撮像装置により自車両の周囲を撮像した撮像画像を含む。また、環境情報は、デプスカメラ等により自車両の周囲を撮像した三次元画像を含んでもよい。例えば、環境情報は、ミリ波レーザにより撮像した自車両の周囲の物体までの距離および形状を表す距離画像を含んでもよい。これら撮像画像、三次元画像および距離画像は、例えば自車両の進行方向の前方を撮像した画像であり、自車両が走行する予定の道路および自車両が走行する予定の道路上に存在する他車両または障害物等を含む。さらに、環境情報は、自車両の周囲の温度および湿度、または、自車両の周囲の気象を示す気象情報を含んでもよい。
【0027】
異常情報取得部52は、自車両の走行に影響を与える可能性のある道路上の異常を表す異常情報を取得する。異常情報取得部52は、道路上の1または複数の異常を表す異常情報を外部の情報提供サーバから通信装置27を介して取得する。例えば、情報提供サーバは、複数の車両10から取得した情報または道路の近傍に設置された測定装置から取得した情報を分析して、道路上に存在している異常を検出する。そして、情報提供サーバは、検出した異常を解析して、その異常に対して異常の位置および内容等を表す情報を生成する。情報提供サーバは、各地に存在している異常に関する情報を含む異常情報を複数の車両10に無線通信により提供する。
【0028】
また、異常情報取得部52は、情報提供サーバから取得した異常情報に、自車両に備えられる1または複数のセンサ22のセンサ情報を加えてもよい。異常情報取得部52は、異常情報を定期的に取得し、取得した異常情報を通知情報生成部54に送る。
【0029】
例えば、異常情報は、1または複数の異常のそれぞれについての、位置および内容を含む。異常の内容は、例えば、対応する異常が、道路の傷または欠陥であるか、道路に存在する障害物であるか等を表す情報である。また、異常の内容は、対応する異常が道路の傷または欠陥である場合には、さらに、穴であるのか、轍掘れであるのか、ひび割れであるのか等の詳細な種類を表す情報を含んでもよい。また、異常の内容は、対応する異常が道路の傷または欠陥である場合には、傷または欠陥の形状を表す情報を含んでもよい。この場合、傷または欠陥の形状は、傷または欠陥の幅、深さおよび高さ等で表されてもよい。
【0030】
また、異常の内容は、対応する異常が道路に存在する障害物である場合、障害物の詳細な種類および形状を表す情報を含んでもよい。障害物の詳細な種類は、例えば、物品名であってもよい。また、形状は、障害物の大きさを含んでもよい。また、異常の内容は、対応する異常が道路に存在する障害物である場合、タイヤまたは車体に接触した場合に、タイヤまたは車体に損傷を与える可能性のある形状または硬度であるか否かを示す情報を含んでもよい。
【0031】
自車両情報取得部53は、自車両の走行動作に関する情報および自車両の仕様に関する情報の少なくとも一方を含む自車両情報を取得する。自車両情報取得部53は、自車両情報を定期的に取得し、取得した自車両情報を通知情報生成部54に送る。
【0032】
自車両の走行動作に関する情報は、例えば、自車両の速度および角速度等の情報である。自車両の速度および角速度等の情報は、例えば、1または複数のセンサ22により検出されたセンサ情報に基づき生成される。自車両の仕様に関する情報は、例えば、自車両のタイヤの半径または幅等のタイヤの大きさの情報、自車両の車体の重量および大きさ等を含む。自車両情報取得部53は、記憶装置23から自車両の仕様に関する情報を読み出す。
【0033】
通知情報生成部54は、環境情報、異常情報および自車両情報に基づき、道路上の異常に対して自車両が行う動作を示す通知情報を生成する。例えば、通知情報生成部54は、定期的に通知情報を生成し、生成した通知情報を出力制御部55に送る。
【0034】
通知情報生成部54は、異常検出部61と、回避判断部62と、通過判断部63とを有する。
【0035】
異常検出部61は、異常情報取得部52から送られた異常情報に基づき、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在するか否かを判断する。
【0036】
回避判断部62は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在する場合、異常情報および環境情報に基づき、自車両が他の走行路を走行することにより異常を回避することが可能かどうかを判断する。回避判断部62は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在し、且つ、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することが可能である場合、異常を回避するために他の走行路へと自車両を移動する操舵動作を表す情報を、通知情報として生成する。そして、回避判断部62は、操舵動作を表す通知情報を出力制御部55に送る。
【0037】
通過判断部63は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在し、且つ、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することができない場合、異常情報および自車両情報に基づき、自車両がその異常の上を通過することが可能かどうかを判断する。通過判断部63は、自車両がその異常の上を通過することが可能である場合、自車両がその異常の上を通過するための走行動作を表す情報を、通知情報として生成する。そして、通過判断部63は、自車両が異常の上を通過するための走行動作を表す通知情報を出力制御部55に送る。
【0038】
通過判断部63は、自車両がその異常の上を通過することができない場合、自車両がその異常の手前で停止するための停止動作を表す情報を、通知情報として生成する。そして、通過判断部63は、自車両が異常の手前で停止するための停止動作を表す通知情報を出力制御部55に送る。
【0039】
出力制御部55は、通知情報生成部54により生成された通知情報を、自車両に乗車しているユーザに提示する。例えば、出力制御部55は、通知情報を表示装置25に表示させたり、音声出力装置26により音声で出力させたりする。なお、車両10が自動運転車両の場合、出力制御部55は、さらに、車両制御装置30に通知情報を出力する。
【0040】
図4は、第1実施形態に係る情報生成装置50の処理の流れを示すフローチャートである。通知情報生成部54および出力制御部55は、図4のフローチャートに示される処理を一定時間毎に実行する。
【0041】
まず、S111において、通知情報生成部54は、最新の環境情報、最新の異常情報および最新の自車両情報を取得する。
【0042】
続いて、S112において、通知情報生成部54は、取得した異常情報に基づき、自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在しているか否かを判断する。例えば、通知情報生成部54は、異常情報に含まれる1または複数の異常のそれぞれの位置を取得し、自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在するか否かを判断する。
【0043】
自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在していない場合(S112のNo)、通知情報生成部54は、情報を生成せずに本フローを終了する。自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在している場合(S112のYes)、通知情報生成部54は、処理をS113に進める。
【0044】
S113において、通知情報生成部54は、異常情報および環境情報に基づき、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することが可能かどうかを判断する。例えば、通知情報生成部54は、他の走行路へと自車両を移動する操舵動作をすることにより、その異常を安全に回避することが可能かどうかを判断する。
【0045】
より具体的には、通知情報生成部54は、異常が存在する道路上における異常が存在する走行路に並んでいる異なる走行路にも、異常が存在するか否かを判断する。例えば、通知情報生成部54は、道路上における全ての走行路に亘って異常が存在しているか否かを判断する。通知情報生成部54は、異常が存在する走行路とは異なる走行路にも異常が存在する場合には、異常を安全に回避することができないと判断する。通知情報生成部54は、異常が存在する走行路とは異なる走行路には異常が存在しない場合、異常を安全に回避することができると判断する。
【0046】
自車両が他の走行路を走行することにより異常を回避することが可能である場合(S113のYes)、通知情報生成部54は、処理をS114に進める。自車両が他の走行路を走行することにより異常を回避することができない場合(S113のNo)、通知情報生成部54は、処理をS115に進める。
【0047】
S114において、通知情報生成部54は、異常を回避するために、異常が存在していない他の走行路へと自車両を移動する操舵動作を表す情報を、通知情報として生成する。例えば、通知情報生成部54は、異常が存在していない他の走行路が、異常が存在している走行路の右側であれば、右側の走行路へと移動する操舵動作を表す通知情報を生成する。また、例えば、通知情報生成部54は、異常が存在していない他の走行路が、異常が存在している走行路の左側であれば、左側の走行路へと移動する操舵動作を表す通知情報を生成する。
【0048】
S115において、通知情報生成部54は、異常情報および自車両情報に基づき、自車両が異常の上を通過することが可能かどうかを判断する。例えば、通知情報生成部54は、異常情報に示された異常の内容、自車両情報に示された自車両の速度等の走行動作に関する情報、および、自車両情報に示された自車両のタイヤの大きさ等の自車両の仕様に関する情報に基づき、自車両が異常の上を安全に通過することが可能かどうかを判断する。
【0049】
より具体的には、通知情報生成部54は、異常が道路上の傷または欠陥であり、傷または欠陥の大きさが自車両のタイヤの大きさに基づき定まる値よりも小さく、且つ、自車両の速度が所定値より低い場合、自車両が異常の上を通過することが可能と判断する。
【0050】
例えば、通知情報生成部54は、傷または欠陥の幅が、自車両のタイヤの幅の所定割合以下である場合には、自車両が異常の上を通過することが可能と判断する。また、例えば、通知情報生成部54は、傷または欠陥の深さまたは高さが、自車両のタイヤの半径の所定割合以下である場合には、自車両が異常の上を通過することが可能と判断する。
【0051】
また、通知情報生成部54は、傷または欠陥の幅が自車両のタイヤの幅の所定割合以下であり、傷または欠陥の深さまたは高さが自車両のタイヤの半径の所定割合以下であっても、自車両の速度が所定速度以上である場合には、自車両が異常の上を通過することができないと判断する。
【0052】
さらに、通知情報生成部54は、環境情報に含まれる自車両の周囲の気象情報に基づき、自車両が異常の上を通過することが可能と判断する基準を変更してもよい。例えば、通知情報生成部54は、自車両の周囲が雨の場合、傷または欠陥の幅、深さまたは高さが所定値以下であっても、例えば傷または欠陥に水が溜りハイドロプレーニング現象によるスリップ等が発生する可能性があるので、自車両が異常の上を通過することができないと判断してもよい。
【0053】
また、通知情報生成部54は、異常が道路上に置かれた障害物である場合、自車両が異常の上を通過することができないと判断してもよい。また、通知情報生成部54は、異常が道路上に置かれた障害物である場合、障害物の種類に応じて、自車両が異常の上を通過することができるか否かを判断してもよい。例えば、通知情報生成部54は、障害物が、硬い物または鋭利な物でありタイヤまたは車体に損傷を与える可能性が高い場合は、自車両が異常の上を通過することができないと判断する。また、例えば、通知情報生成部54は、障害物が、柔らかい物等のタイヤまたは車体に損傷を与える可能性が低い場合は、自車両が異常の上を通過することができると判断する。
【0054】
自車両が異常の上を通過することが可能である場合(S115のYes)、通知情報生成部54は、処理をS116に進める。自車両が異常の上を通過することができない場合(S115のNo)、通知情報生成部54は、処理をS117に進める。
【0055】
S116において、通知情報生成部54は、自車両が異常の上を通過するための走行動作を表す情報を、通知情報として生成する。例えば、通知情報生成部54は、自車両が異常の上を通過するために、異常情報に示された異常の位置において速度を所定値以下とする情報を、通知情報として生成する。
【0056】
S117において、通知情報生成部54は、自車両が異常の手前で停止するための停止動作を表す情報を、通知情報として生成する。例えば、通知情報生成部54は、自車両が異常の手前で停止するために、異常情報に示された異常の位置の手前において停止する情報を、通知情報として生成する。
【0057】
S114、S116またはS117の何れかが終了すると、通知情報生成部54は、処理をS118に進める。
【0058】
S118において、出力制御部55は、通知情報生成部54により生成された通知情報を、自車両に乗車しているユーザに提示する。例えば、出力制御部55は、通知情報を表示装置25に表示させる。表示装置25は、例えば、ドライバの運転操作を支援するナビゲーション画像に、通知情報を表示させる。また、出力制御部55は、通知情報を音声出力装置26により音声で出力させてもよい。このように、出力制御部55は、車両10が非自動運転車両の場合、道路上における自車両が走行する予定の走行路に存在する異常に対して、どのような回避操作をすればよいか、ドライバに対して知らせることができる。
【0059】
また、車両10が自動運転車両の場合、出力制御部55は、自車両に乗車しているユーザに対して通知情報を提示するとともに、車両制御装置30に通知情報を出力する。車両制御装置30は、通知情報に示された動作に従って車両10を制御する。これにより、出力制御部55は、車両10が自動運転車両の場合、道路上における自車両が走行する予定の走行路に存在する異常に対して、どのような回避操作をすればよいか、車両制御装置30に対して知らせることができる。さらに、出力制御部55は、車両10が自動運転車両の場合、道路上における自車両が走行する予定の走行路に存在する異常に対して、どのような回避動作をするか、搭乗しているユーザに対して知らせることができる。
【0060】
通知情報生成部54および出力制御部55は、S118の処理を終えると本フローを終了する。
【0061】
上述のように、本実施形態に係る情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在する場合、環境情報、異常情報および自車両情報に基づき、自車両が行う適切な動作を示す通知情報を生成することができる。これにより、ドライバまたは車両制御装置30は、道路上における異常に対して自車両を適切に走行させることができる。
【0062】
例えば、情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在し、且つ、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することが可能である場合、異常を回避するために他の走行路へと自車両を移動する操舵動作を表す通知情報を生成することができる。これにより、このような場合において、ドライバまたは車両制御装置30は、異常を回避するために他の走行路へと自車両を移動するように自車両を走行させることができる。
【0063】
また、例えば、情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在し、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することができず、且つ、自車両がその異常の上を通過することが可能である場合、自車両がその異常の上を通過するための走行動作を表す通知情報を生成することができる。これにより、このような場合において、ドライバまたは車両制御装置30は、自車両がその異常の上を通過するように自車両を走行させることができる。
【0064】
また、例えば、情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在し、自車両が他の走行路を走行することによりその異常を回避することができず、且つ、自車両がその異常の上を通過することができない場合、自車両がその異常の手前で停止するための停止動作を表す通知情報を生成することができる。これにより、このような場合において、ドライバまたは車両制御装置30は、自車両がその異常の手前で停止するように自車両を走行させることができる。
【0065】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る車両10は、第1実施形態と略同一の機能および構成を有する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付けて、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0066】
図5は、第2実施形態に係る情報生成装置50の構成を示す図である。第1実施形態に係る通知情報生成部54は、センシング設定部71をさらに有する。
【0067】
センシング設定部71は、自車両が走行する予定の道路の走行路の異常の形状に基づき、1または複数のセンサ22の動作を設定する。そして、通知情報生成部54は、動作を設定したセンサ22についての動作設定を表すセンシング設定情報を生成する。例えば、通知情報生成部54は、異常の形状に基づき、1または複数のセンサ22のうちの撮像装置により撮像される画像の解像度を設定してもよい。
【0068】
さらに、センシング設定部71は、自車両の周囲の気象情報に基づき、1または複数のセンサ22のうちの環境情報を生成するために用いるセンサ情報を出力するセンサ22を設定してもよい。例えば、センシング設定部71は、自車両の周囲が晴れている場合、環境情報に含める自車両が走行する道路上の状況を表す画像を、1または複数のセンサ22のうちの撮像装置により撮像された画像に設定する。また、例えば、通知情報生成部54は、自車両の周囲が雨である場合、環境情報に含める自車両が走行する道路上の状況を表す画像を、1または複数のセンサ22のうちのミリ波レーザにより生成された距離画像に設定する。
【0069】
第2実施形態において、出力制御部55は、通知情報生成部54により生成されたセンシング設定情報を、自車両に乗車しているユーザに、さらに提示する。例えば、出力制御部55は、センシング設定情報を表示装置25に表示させる。また、出力制御部55は、センシング設定情報を音声出力装置26により音声で出力させてもよい。
【0070】
図6は、第2実施形態に係る情報生成装置50の処理の流れを示すフローチャートである。第2実施形態に係る通知情報生成部54および出力制御部55は、図4に示した処理と並行して、図6のフローチャートに示される処理を一定時間毎に実行する。
【0071】
まず、S121において、通知情報生成部54は、最新の異常情報を取得する。続いて、S122において、通知情報生成部54は、取得した異常情報に基づき、自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在しているか否かを判断する。自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在していない場合(S122のNo)、通知情報生成部54は、情報を生成せずに本フローを終了する。自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在している場合(S122のYes)、通知情報生成部54は、処理をS123に進める。
【0072】
なお、S121およびS122の処理は、図4に示したS111およびS112の処理に含まれる。従って、通知情報生成部54は、S121およびS122の処理を、S111およびS112の処理と共通に実行してもよい。
【0073】
S123において、通知情報生成部54は、取得した異常情報から、自車両が走行する予定の道路の走行路の異常について、形状を取得する。異常の形状は、例えば、異常が道路の穴、ひび割れまたは轍掘れである場合、穴の大きさおよび深さ等である。または、異常の形状は、異常が道路の上に突出している場合には、高さであってもよい。
【0074】
続いて、S124において、通知情報生成部54は、異常の形状に基づき、1または複数のセンサ22の動作を設定する。例えば、通知情報生成部54は、異常が道路の穴、ひび割れまたは轍掘れである場合、異常の大きさ、深さまたは高さに応じて、1または複数のセンサ22のうちの一つである撮像装置により撮像される画像の解像度を変更する。より具体的には、通知情報生成部54は、異常の大きさ、深さまたは高さが所定値より大きい場合、撮像装置により撮像される画像の解像度を第1解像度に設定し、異常の大きさ、深さまたは高さが所定値以下である場合、画像の解像度を、第1解像度より高い第2解像度に設定する。また、通知情報生成部54は、異常の大きさ、深さまたは高さが小さい程、画像の解像度を高くするように、画像の解像度を段階的に設定してもよい。
【0075】
続いて、S125において、通知情報生成部54は、S124において動作を設定したセンサ22についての動作設定を表すセンシング設定情報を生成する。例えば、通知情報生成部54は、撮像装置により撮像される画像の解像度を変更した場合、設定後の画像の解像度を表すセンシング設定情報を生成する。そして、通知情報生成部54は、生成したセンシング設定情報を出力制御部55に送る。
【0076】
続いて、S126において、出力制御部55は、通知情報生成部54により生成されたセンシング設定情報を、自車両に乗車しているユーザに提示する。例えば、出力制御部55は、センシング設定情報を表示装置25に表示させる。また、出力制御部55は、センシング設定情報を音声出力装置26により音声で出力させてもよい。
【0077】
通知情報生成部54および出力制御部55は、S126の処理を終えると本フローを終了する。
【0078】
なお、S123において、通知情報生成部54は、異常の形状の取得に代えて、または、異常の形状の取得に加えて、自車両の周囲の気象情報を取得してもよい。この場合、S124において、通知情報生成部54は、自車両の周囲の気象情報に基づき、1または複数のセンサ22のうちの環境情報を生成するために用いるセンサ22を切り替えてもよい。
【0079】
例えば、通知情報生成部54は、自車両の周囲が晴れている場合、環境情報に含める自車両が走行する道路上の状況を表す画像を、1または複数のセンサ22のうちの撮像装置により撮像された画像に設定する。また、例えば、通知情報生成部54は、自車両の周囲が雨である場合、環境情報に含める自車両が走行する道路上の状況を表す画像を、1または複数のセンサ22のうちのミリ波レーザにより検出された距離画像に設定する。ミリ波レーザにより生成された距離画像は、撮像装置により撮像された画像よりも、雨に対してロバストに周囲の物体を検出することが可能である。従って、通知情報生成部54は、自車両の周囲が雨である場合、自車両が走行する道路上の状況を確実に認識できる環境情報を生成することができる。
【0080】
上述のように、本実施形態に係る情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在する場合、異常情報または環境情報に基づき、環境情報を生成するためのセンサ情報を生成する1または複数のセンサ22の動作を設定することができる。これにより、本実施形態に係る情報生成装置50は、異常の形状または自車両の周囲の気象が変化する場合であっても、道路上における異常を精度良く解析することができるセンサ情報を環境情報に含めることができる。
【0081】
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る車両10は、第2実施形態と略同一の機能および構成を有する。第3実施形態の説明において、第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付けて、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0082】
図7は、第3実施形態に係る情報生成装置50の構成を示す図である。第3実施形態に係る情報生成装置50は、環境情報送信部81をさらに有する。
【0083】
環境情報送信部81は、環境情報取得部51から環境情報を取得する。環境情報送信部81は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在する場合、環境情報のうち自車両により生成された情報を、自車両の外部の情報提供サーバに無線通信により送信する。自車両により生成された情報は、自車両に設けられた1または複数のセンサ22により検出された1または複数のセンサ情報に基づき生成された情報である。
【0084】
例えば、環境情報送信部81は、環境情報のうち、自車両に設けられた撮像装置により撮像された、自車両が走行する走行路の状態を表す撮像画像を情報提供サーバに送信する。また、例えば、環境情報送信部81は、環境情報のうち、ミリ波レーダにより検出された距離画像に基づき生成された、自車両の周囲の物体の形状および大きさを表す情報を情報提供サーバに送信してもよい。これにより、情報提供サーバは、車両10から送信された情報に基づき、道路上に存在する異常の種類および大きさ等を解析することができる。
【0085】
また、第3実施形態において、通知情報生成部54は、送信設定部82をさらに有する。送信設定部82は、環境情報送信部81による情報の送信動作を設定する。送信設定部82は、自車両の走行動作に関する情報に基づき、環境情報送信部81による情報の送信動作を設定する。例えば、通知情報生成部54は、環境情報送信部81による情報の送信間隔を設定する。そして、環境情報送信部81は、送信設定部82により設定された時間毎に情報提供サーバに情報を送信する。
【0086】
さらに、送信設定部82は、環境情報送信部81による情報の送信動作を表す送信設定情報を生成する。第3実施形態において、出力制御部55は、送信設定情報をユーザに提示する。例えば、出力制御部55は、送信設定情報を表示装置25に表示させる。また、出力制御部55は、送信設定情報を音声出力装置26により音声で出力させてもよい。
【0087】
図8は、第3実施形態に係る情報生成装置50の処理の流れを示すフローチャートである。第3実施形態に係る通知情報生成部54および出力制御部55は、図4および図6に示した処理と並行して、図8のフローチャートに示される処理を一定時間毎に実行する。
【0088】
まず、S131において、通知情報生成部54は、最新の異常情報および最新の自車両情報を取得する。続いて、S132において、通知情報生成部54は、取得した異常情報に基づき、自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在しているか否かを判断する。自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在していない場合(S132のNo)、通知情報生成部54は、情報を生成せずに本フローを終了する。自車両が走行する予定の道路の走行路に異常が存在している場合(S132のYes)、通知情報生成部54は、処理をS133に進める。
【0089】
なお、S131およびS132の処理は、図4に示したS111およびS112の処理に含まれる。従って、通知情報生成部54は、S131およびS132の処理を、S111およびS112の処理と共通に実行してもよい。
【0090】
S133において、通知情報生成部54は、自車両情報に含まれる、自車両の走行動作に関する情報を取得する。例えば、通知情報生成部54は、自車両の速度または角速度を、自車両の走行動作に関する情報として取得する。
【0091】
続いて、S134において、通知情報生成部54は、自車両の走行動作に関する情報に基づき、環境情報送信部81による情報の送信動作を設定する。例えば、通知情報生成部54は、環境情報送信部81による情報の送信間隔を設定する。
【0092】
例えば、通知情報生成部54は、自車両の速度または角速度が所定値以下である場合には、情報の送信間隔を第1間隔とし、自車両の速度または角速度が所定値より大きい場合には、情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔とする。また、例えば、通知情報生成部54は、自車両の速度または角速度が大きい程、情報の送信間隔を短くするように、情報の送信間隔を段階的に設定してもよい。
【0093】
続いて、S135において、通知情報生成部54は、環境情報送信部81による情報の送信設定を表す送信設定情報を生成する。例えば、通知情報生成部54は、情報の送信間隔を表す送信設定情報を生成する。そして、通知情報生成部54は、生成した送信設定情報を出力制御部55に送る。
【0094】
続いて、S136において、出力制御部55は、通知情報生成部54により生成された送信設定情報を、自車両に乗車しているユーザに提示する。例えば、出力制御部55は、送信設定情報を表示装置25に表示させる。また、出力制御部55は、送信設定情報を音声出力装置26により音声で出力させてもよい。
【0095】
通知情報生成部54および出力制御部55は、S136の処理を終えると本フローを終了する。
【0096】
上述のように、本実施形態に係る情報生成装置50は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在する場合、異常情報または環境情報に基づき、環境情報を生成するためのセンサ情報を生成する1または複数のセンサ22の動作を設定することができる。これにより、本実施形態に係る情報生成装置50は、異常の形状または自車両の周囲の気象が変化する場合であっても、道路上における異常を精度良く解析することができるセンサ情報を環境情報に含めることができる。
【0097】
なお、第3実施形態において追加された環境情報送信部81および送信設定部82は、第1実施形態に係る情報生成装置50に組み込まれてもよい。
【0098】
(第4実施形態)
つぎに、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る車両10は、第3実施形態と略同一の機能および構成を有する。第4実施形態の説明において、第3実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付けて、相違点を除き詳細な説明を省略する。
【0099】
図9は、第4実施形態に係る情報生成装置50の構成を示す図である。第4実施形態に係る情報生成装置50は、更新情報受信部91をさらに有する。
【0100】
通知情報生成部54は、予め登録された判断モデルを用いて、各種の判断処理を実行する。例えば、通知情報生成部54は、道路上における自車両が走行する予定の走行路に異常が存在するか否かの判断処理を、判断モデルを用いて実行する。また、通知情報生成部54は、異常が存在する場合、異常情報および環境情報に基づき、自車両が他の走行路を走行することにより異常を回避することが可能かどうかの判断処理を、判断モデルを用いて実行する。また、通知情報生成部54は、自車両が他の走行路を走行することにより異常を回避することができない場合、異常情報および自車両情報に基づき、自車両が異常の上を通過することが可能かどうかの判断処理を、判断モデルを用いて実行する。
【0101】
さらに、通知情報生成部54は、通知情報の生成処理も判断モデルを用いて実行する。例えば、通知情報生成部54は、異常を回避するために他の走行路へと自車両を移動する操舵動作を表す通知情報の生成処理を、判断モデルを用いて実行する。また、通知情報生成部54は、自車両が異常の上を通過するための走行動作を表す通知情報を、判断モデルを用いて実行する。また、通知情報生成部54は、自車両が異常の手前で停止するための停止動作を表す通知情報を判断モデルを用いて実行する。
【0102】
更新情報受信部91は、判断モデルを更新するための更新情報を自車両の外部の情報提供サーバから無線通信により受信する。例えば、更新情報受信部91は、更新情報がアップデートされたことを通知された場合、外部の情報提供サーバから新しい更新情報を受信する。更新情報受信部91は、新しい更新情報を、異常情報を送信するサーバから受信してもよいし、異常情報を送信するサーバとは異なるサーバから受信してもよい。そして、通知情報生成部54は、新しい更新情報を受信した場合、内部に登録された判断モデルを更新情報に基づき更新する。これにより、通知情報生成部54は、従前に想定していなかった異常に対しても、適切な動作を示す通知情報を生成することができる。
【0103】
また、更新情報受信部91は、通知情報に加えて、1または複数のセンサ22の動作を設定のためのモデル、および、自車両の外部の情報提供サーバへと環境情報の送信動作を設定するモデルを、更新情報に応じて更新してもよい。
【0104】
上述のように、本実施形態に係る情報生成装置50は、道路の異常情報に対して自車両がとるべき動作の判断基準および生成する情報を逐次更新することができる。これにより、情報生成装置50は、自車両の状況に対してより適応した情報を出力することができる。従って、情報生成装置50は、障害物などの異常に対して不要な接触をすることなく安全に回避したり、必要な環境情報を取得したり、外部サーバに有用な情報を提供したりすることが可能となる。
【0105】
なお、第4実施形態において追加された更新情報受信部91は、第1実施形態および第2実施形態に係る情報生成装置50に組み込まれてもよい。
【0106】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら新規な実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
10 車両
12 車両制御システム
22 センサ
23 記憶装置
24 入力装置
25 表示装置
26 音声出力装置
27 通信装置
30 車両制御装置
40 情報処理装置
41 メモリ
42 ハードウェアプロセッサ
43 ROM
44 RAM
50 情報生成装置
51 環境情報取得部
52 異常情報取得部
53 自車両情報取得部
54 通知情報生成部
55 出力制御部
61 異常検出部
62 回避判断部
63 通過判断部
71 センシング設定部
81 環境情報送信部
82 送信設定部
91 更新情報受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9