(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】把持装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/54 20060101AFI20240129BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61F2/54
B25J15/00 Z
(21)【出願番号】P 2020531524
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2018085659
(87)【国際公開番号】W WO2019134826
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】102018100173.8
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506153712
【氏名又は名称】オットー・ボック・ヘルスケア・プロダクツ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エダー、フロリアン
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-084926(JP,U)
【文献】特表2009-519797(JP,A)
【文献】米国特許第03694021(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/54
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシ(2)と、
前記シャーシ(2)に対して2つの異なる向きの旋回軸(31、32)まわりにそれぞれ旋回されるように前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられた少なくとも1つの第1の指要素(3)と、
少なくとも1つの駆動装置(4)と、
前記第1の指要素(3)に前記駆動装置(4)を連結する力伝達要素(5)と、
を有し、
前記力伝達要素(5)は、カルダン継手又はボールソケット継手によって前記第1の指要素(3)の第1の部位に旋回可能に
取り付けられ、前記シャーシ(2)に対して他の2つの異なる向きの旋回軸(591、592)まわりにそれぞれ旋回され、
前記第1の指要素(3)は、前記シャーシ(2)に対して
前記2つの異なる向きの旋回軸(31、32)まわりにそれぞれ旋回され、
前記力伝達要素(5)は、前記シャーシ(2)に対して更に他の2つの異なる向きの旋回軸(531、532)まわりにそれぞれ旋回され、
前記力伝達要素(5)の変位により前記2つの異なる向きの旋回軸(31、32)のうちの一方の旋回軸(31)まわりの前記第1の指要素(3)の動作が制御される、ことを特徴とする、把持装置。
【請求項2】
前記旋回軸(31、32)は、互いに対して垂直に方向付けられ、及び/又は互いに交差しないことを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記第1の指要素(3)は、一方の前記旋回軸(31)を中心に支持体(6)に旋回可能に取り付けられ、かつ前記支持体(6)は、他方の前記旋回軸(32)を中心に前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の把持装置。
【請求項4】
前記力伝達要素(5)は、前記第1の指要素(3)の第2の部位に固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の把持装置。
【請求項5】
前記力伝達要素(5)は、前記駆動装置(4)によって駆動される回転可能なアーム(8)上の軸受ピン(9)を中心に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の把持装置。
【請求項6】
前記力伝達要素(5)は、前記軸受ピン(9)の長手方向の延長線に垂直な軸(591)を中心に旋回可能に取り付けられることを特徴とする、請求項5に記載の把持装置。
【請求項7】
前記アーム(8)は軸受アーム(10)に旋回可能に取り付けられ、
前記軸受アーム(10)はフレーム(11)上の軸(101)まわりに旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の把持装置。
【請求項8】
前記アーム(8)は、前記シャーシ(2)に取り付けられた回転ディスク(40)によって駆動されることを特徴とする、請求項5又は7のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項9】
前記フレーム(11)は、前記シャーシ(2)の1つの平面に変位可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載の把持装置。
【請求項10】
前記第1の指要素(3)の旋回軸(31)は、前記軸受ピン(9)によって形成された軸(592)と交差することを特徴とする、請求項6に記載の把持装置。
【請求項11】
前記力伝達要素(5)は、引張力及び圧縮力を伝達するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の把持装置。
【請求項12】
少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)は、前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられ、かつ休止位置から進んで、前記駆動装置(4)の回転方向に応じて、前記第1及び第2の指要素(3;321、322、323、324)が互いに対して異なる軌跡で移動するように前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、
請求項7に記載の把持装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)は、前記シャーシ(2)に取り付けられたブラケット(211)を介して、軸(2110)を中心に折り畳みできるように前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、請求項12に記載の把持装置。
【請求項14】
前記ブラケット(211)は、第1の力伝達装置(51)を介して、前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、請求項13に記載の把持装置。
【請求項15】
前記第1の力伝達装置(51)は、前記駆動装置(4)に連結された偏心して移動する軸受要素(290)に取り付けられていることを特徴とする、請求項14に記載の把持装置。
【請求項16】
前記ブラケット(211)は、第2の力伝達装置(52)を介して、前記少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)に連結されることを特徴とする、請求項13に記載の把持装置。
【請求項17】
前記ブラケット(211)は、弾性変形可能であるように設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の把持装置。
【請求項18】
前記フレーム(11)は、前記第2の指要素(321、322)に連結されていることを特徴とする、請求項12に記載の整形外科用把持装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、シャーシ、シャーシに旋回可能に取り付けられた少なくとも1つの第1の指要素、少なくとも1つの駆動装置、及び第1の指要素に駆動装置を連結する力伝達要素を有する把持装置に関する。把持装置は、特に整形外科用把持装置として構成され、義手又は義手の一部としての使用に適している。
【0002】
把持装置の目的は、物体を把持し、かつそれらを把持位置にしっかりと保持することである。様々な物体を最適に把持できるように、様々な把持装置が必要とされる。最も単純な把持装置は、2つの棒状の把持要素から構成され、当該把持要素は剛体旋回軸を中心に互いに対して変位可能であり、互いに向けて又は互いに離れて動作する。例えば、平らな物体は、そのような把持装置を使用して容易に把持できる。把持装置が多数の物体を把持し得ることを目的とするか、又は異なる形状の多数の物体を把持し得ることを目的とする場合、問題が生じる。このような問題は、特に、把持装置が手部義手における整形外科用把持装置として使用される場合に生じ、なぜならば、患者又は手部義手の使用者は、把持して保持する必要のある多数の異なる物体に日常的に直面するからである。加えて、手部義手では、機能だけでなく手の外観も模擬する必要がある。この目的のために、指要素は、シャーシ上に取り付けられる。
【0003】
US2004/00195638A1は、2本指のグリッパーを開示し、その中では、2つの把持装置は、開放位置から、把持装置が互いに直接的に対向して位置する閉鎖位置に移動できる。従って、把持装置の間に位置する物体を保持できる。グリップを解放するために、駆動装置の回転方向の反転を開始させることができる。
【0004】
WO03/017880A1は、各個別の義指がシャーシに取り付けられ、別個の駆動装置を有する、義手に関する。駆動装置は、それぞれの義指に配置される。このような義手では、例えばピンチグリップ又はラテラルグリップの様々なグリップ状態を実現できる。ここでの欠点は、各個別の指に必要な高度な制御、当該指に統合された駆動装置を備える複雑な技術、及び当該複雑な設計による故障しやすさの増加である。
【0005】
DE405871B1は、回転可能な指、及び回転可能な親指が配置されたシャーシ又は掌部を備えた人工手を記載している。掌部において、手の平面に垂直な軸を中心に回転可能な駆動ディスクは、ディスクを一方向に回転させると指が開き、反対方向に回転させると指を閉じるように、指及び親指への接続によって取り付けられている。ディスクの一方向の回転は、コードによって行われる。反対方向への戻り動作は、ディスクの内部にあるバネによって行われる。駆動装置ディスクの周囲には、歯止めと噛み合うロック歯が配置され、コードによるその回転で到達した位置に駆動ディスクを保持する。
【0006】
EP1971297B1は、シャーシを備える義手について記載しており、複数の義指が、当該シャーシ上に関節で繋げられるか又は弾性的に取り付けられ、少なくとも1つのシャーシに対する旋回軸を中心に、駆動装置によって、互いに向けて移動可能である。一般的な駆動装置の力伝達装置は、休止位置から進み、かつ駆動装置の回転方向に応じて、少なくとも2本の義指が異なる角度で移動するように、連結要素を介して義指に連結される。力伝達装置は、それらの駆動側軸受が、異なる死点位置を有するように、シャーシに対して同じ方向に調整され、連結要素に連結される。
【0007】
本発明が取り組む問題は、簡単な方法で、可能な限り最小限の作動力で、異なる把持位置に到達できる把持装置を入手可能にすることである。
【0008】
本発明によれば、この問題は、主請求項の特徴を有する把持装置によって解決される。本発明の有利な実施形態及び発展は、従属請求項、説明及び図面に開示される。
【0009】
把持装置は、シャーシ、シャーシに旋回可能に取り付けられた少なくとも1つの第1の指要素、少なくとも1つの駆動装置、及び第1の指要素に駆動装置を連結する力伝達要素を有し、力伝達要素は、2つの向きの異なる旋回軸を中心にシャーシに対して第1の指要素を旋回させるように構成されている。指要素が2つの向きの異なる旋回軸を中心に取り付けられていることと、第1の指要素が2つの旋回軸を中心に力伝達要素によって旋回されることにより、1つの力伝達装置だけで、駆動装置を介して、第1の指要素を別の位置に移動させることができ、この位置を広い範囲で固定できる。力伝達要素が第1の指要素の異なる連結点に配置されているために、2つの旋回軸を中心とする異なる回転動作の組み合わせによって、異なる方向付けと位置を実現でき、その結果、特定の使用目的、及び幅広い変形態様の適用可能性を実現できる。
【0010】
2つの向きの異なる旋回軸を中心にシャーシに対して指要素を旋回させる1つの駆動装置に加えて、追加の駆動装置を提供することが可能であり、それは指要素内に配置できる。例えば、1つの指骨は、駆動装置を受け入れるか、又は駆動装置からなり、それにより補助駆動装置として機能するか、又は当該指骨の位置を調整するための位置決め補助として機能する。
【0011】
第1の指要素が旋回できる旋回軸は、互いに対して垂直に方向付けられ得、当該指の動作の単純化した構成は、それによって駆動装置に従って達成できる。2つの軸が互いに交差する場合、一方の軸の動作は、他方の軸の動作に影響を与えることはできない。軸が互いに交差しない場合、一方の軸を中心とする回転は、別の動作を開始するために利用できる。
【0012】
第1の指要素は、旋回軸の一つを中心に支持体上に旋回可能に取り付けることができ、その場合、支持体は他方の旋回軸を中心にシャーシに旋回可能に取り付けられる。従って、支持体は、シャーシと把持しようとする物体と最終的に接触する指要素との間の第1の接合を構成する。ほぼ任意の所望方法で支持体を設計し得ること、及び一方の旋回軸の位置及び向きを自由に選択し得ることのために、支持要素は、一方の旋回軸のほぼ自由な位置を可能にする。他方の旋回軸は、支持体をシャーシに固定するために使用され、その結果、当該旋回軸はその配置に関していくらかの制限を受ける。支持体は、シャーシと指要素の間の中間部品として、設計の可能性、及び旋回軸の互いに対する方向付けを高める。
【0013】
本発明の変形例では、力伝達要素は、第1の指に固定されるよう構成される。固定は、力伝達要素を指要素に直接的に固定することを意味し得る。更なる力伝達要素を挿入することなく、駆動装置と指要素との間の直接的な連結を達成することが可能である。力伝達要素は、支持体に連結されず、代わりに、シャーシ上の支持体によって形成される旋回軸が、第1の指要素上の力伝達要素の固定点と一致しないように、指要素に直接的に連結される。特に、力伝達要素が第1の指要素に旋回可能に取り付けられる場合、力伝達要素が指要素に取り付けられる旋回軸は、支持要素がシャーシに取り付けられる旋回軸と一致する。このようにして、第1指要素の力伝達要素の支持点とシャーシの旋回軸の間の距離を変更でき、その結果、駆動装置を介して伝達できる力又はモーメントは変化可能である。同様に、異なる移動比率を設定でき、その結果、把持装置は特定の使用目的に適合可能である。
【0014】
更なる実施形態では、力伝達要素は、カルダン継手によって第1の指要素に取り付けられ、その場合、1つの旋回軸を中心とする回転の自由度が阻害され、その結果、指要素は旋回軸の一つを中心に回転可能となる。回転の自由度を阻害することにより、指要素の旋回軸の一つを中心にトルクを付与できる。支持体上に取り付けられた指要素を備えた把持装置の実施形態では、支持体旋回軸を中心とする自由度は、好ましくは阻害される。従って、支持体上に形成された旋回軸、いわゆる支持体旋回軸を中心とする第1の指要素の動作は、力伝達要素の動作によって予め決定され、実行される。
【0015】
代替の実施形態では、力伝達要素は、ボールソケット継手によって第1の指要素に接合され、第1の指要素の動作は、カルダン軸受と同様に、力伝達要素によって制御又は予め決定される。駆動装置は、駆動装置の動作の主平面内での力伝達要素の角度設定を変更し、それは駆動装置の旋回軸に実質的に垂直に延びる。力伝達要素は、主平面内で旋回し、回転運動による角度設定の変更によって指要素の動作を制御する。第1の指要素は、ボールソケット継手により、自由に回転させることができる。
【0016】
力伝達要素は、駆動装置によって駆動される回転可能な軸受ピン上に取り付けることができる。軸受ピンは、円形ディスク上で回転できるか、駆動装置によって駆動されるアームに取り付けることができる。力伝達要素は、フレーム、引張力と圧縮力を伝達する支持体、又は別の実質的に剛性の構造等の剛性構造部品として好ましく構成され、軸受ピンを中心に旋回可能に取り付けられる場合、軸受点での力伝達要素は、円形の動作又は円弧の形状の動作を行うか、円の軌道又は円弧の形状をした軌道で移動する。この動作は、好ましくは1つの平面内で行われ、1つの平面内での円形の動作の水平及び垂直動作成分は、2つの旋回軸を中心とする指要素の組み合わせたシフトを達成するのに役立つ。
【0017】
力伝達要素は、軸受ピンの長手方向延長線に垂直な軸を中心に旋回可能に取り付けることができ、力伝達要素のカルダン軸受又は近似カルダン軸受が軸受ピンの軸受点にもたらされる。このようにして、動作の妨害を防ぐことができる。
【0018】
軸受ピンがアームに配置される場合、後者は、軸を中心に旋回可能な軸受アームのフレームに取り付けることができ、回転運動が重ね合わされ、力伝達要素の向きを異なる方法で変更できるという効果があり、結果として、2つの旋回軸を中心とする指要素の旋回を互いに調和させることができる。
【0019】
アームは、シャーシに取り付けられた回転ディスク上で駆動でき、その結果、回転運動によって駆動が容易に行える。
【0020】
フレームは、軸受アームがそれに取り付けられ、アームと軸受ピンもそれに取り付けられており、シャーシの1つの平面内で変位可能に取り付けることができる。フレームの1つの平面内での変位により、第1の指要素に連結された更なる指要素を駆動することができる。変位可能性は、スロット付きガイドにより影響されることができ、フレームの複雑な移動動作、従ってシャーシに対する更なる指要素の独立する動作も可能である。
【0021】
第1の指要素の旋回軸は、この軸を中心とする回転がこの1つの旋回軸に対する第1の指要素の向きに影響を与えないように、軸受ピンによって形成される軸と交差できる。
【0022】
引張力を伝達し、圧縮力を伝達するように構成された力伝達要素の実施形態では、第1の指要素の動きを全ての方向に正確に制御できるため、ばね要素なく、駆動装置と指要素との間の直接的な連結が可能である。原則として、力伝達鎖内に弾性構成要素を提供できる。これらの主目的は、指要素をその開始位置に戻すことではなく、機構を保護するか、又は外力の影響下で指要素の弾力的な移動動作を実現することであり、これは特に整形外科用把持装置の場合において、使用者に便利である。第1の指要素が対象物に当たる場合、弾性緩衝要素の挿入することで、駆動装置、モーター、及び適当な場合前腕基部の軸受内へ直接的に力が入ること減らすことができる。
【0023】
本発明の発展形態では、少なくとも1つの第2の指要素がシャーシに旋回可能に取り付けられ、そして休止位置から進み、かつ回転方向に依存して第1及び第2の指要素が駆動すると、互いに対して異なる軌道上を移動するように駆動装置に連結される。駆動装置の回転方向により軌道が異なることにより、例えば、ラテラルグリップとピンチグリップ等、異なるグリップ位置を採用でき、当該第1の指要素は、更なる駆動装置を有することなく、いくつかの旋回軸を中心に回転できる。駆動装置の回転方向を選択するだけで、例えば筋電図インパルス等の単一の切り替え動作で、それぞれ必要なグリップを選択し、相互に関連する指要素を割り当てることができる。
【0024】
少なくとも1つの第2の指要素は、軸を中心に折り畳み可能なように、シャーシに取り付けられたブラケットを介して駆動装置に連結できる。ブラケットは、力伝達装置のほぼ全ての所望の配置を可能にでき、ブラケットはそれで駆動装置に接続できる。このようにして、駆動装置とブラケットとの間の第1の力伝達装置の異なる配置によって、旋回角度及び力伝達比を変更し得るように、設定を特に容易に採用できる。第1の力伝達装置は、駆動装置をブラケットに接続するもので、駆動装置が作動すると、ブラケットが第1の指要素と共に、軸を中心に一方向又は他方に旋回又は移動できるように、駆動装置に連結された偏心して移動される軸受要素に取り付けられることができる。
【0025】
ブラケットは、第2の力伝達装置を介して、少なくとも1つの第2の指要素に連結することができる。ブラケット上の第2の力伝達装置の位置に応じてシャーシに対してブラケットの同じ旋回角度で、異なる調整角度を達成できるように、第2の力伝達装置は、シャーシに対して相対的に異なる場所でブラケットに固定できる。このようにして、第2の指要素の相対的な動作、及び第1の指要素に対する第2の指要素の動作は、変更でき、特定の把持状態又は特定の使用目的に適合され得る。第1の力伝達装置及び第2の力伝達装置は、引張力を伝達し、かつ圧縮力を伝達するように構成できる。このようにして、再設定要素を必要とせず、代わりに駆動装置の回転方向を変更することにより、拘束した動作が実現される。
【0026】
本発明の発展形態では、ブラケットは、弾性変形可能であるように設計され、その結果、指要素は外力、すなわち指要素からシャーシに伝達される力に対して弾力性になっている。同様に、弾性変形性によって、調整角度及び各軌道に変化を起こすことが可能である。
【0027】
第2指要素をブラケットを介して駆動することの代替として、シャーシに対するフレームのシフトでは、第2の力伝達装置を介してそれぞれ連結される第2の指要素に伝達されるフレームを第2の力伝達装置の連結要素として使用できる。
【0028】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、第1の位置にある開いた把持装置の平面図を示す。
【
図2】
図2は、ラテラルグリップにおける把持装置の側面図を示す。
【
図3】
図3は、部分的に閉じた位置にある
図1による図を示す。
【
図4】
図4は、ピンチグリップの閉じた位置にある
図3による図を示す。
【
図9】
図9は、第2の指要素の駆動の変形例の底面図を示す。
【
図10】
図10は、第2の指要素の駆動の変形例の平面図を示す。
【0030】
図1は、シャーシ2を備える義手の形態の把持装置1の底面図を示し、シャーシには、シャーシ2を近位人工器官要素、例えば前腕シャフトに機械的に接続するためにダブテール凹部が形成されている。第1の指要素3は、親指として構成され、シャーシ2に旋回可能に取り付けられる。更に、4つの第2の指要素321、322、331、332は、シャーシ2に旋回可能に取り付けられる。2つの第2の指要素321,322は、人差し指及び中指として構成され、それぞれの旋回軸3210、3220を介してシャーシ2に取り付けられる。第2の指要素331、332は、薬指及び小指として構成され、同様にそれぞれの旋回軸3310、3320(図示せず)を介してシャーシ2に旋回可能に取り付けられる。更に、電動式駆動装置は、シャーシ2に固定され、手の甲に対応する把持装置1の背面又は側面に配置される。力伝達要素5は、後に説明する駆動装置によって駆動され、力伝達要素5が力伝達要素5の移動の際、指要素3がシャーシ2に対して、従って、他の指要素321、322、331、332に対してもシフトされるように第1の指要素3に連結される。シャーシ2は、指要素が固定され、駆動装置及び他の構成要素が取り付けられるフレームを形成する。シャーシは、掌の形状を実質的に模擬して、主平面を有し、主平面は掌の表面に実質的に対応し、図面では、図の平面に平行に向いている。
【0031】
力伝達要素5は、剛性構造部品として構成され、H型である。駆動装置側では、力伝達要素5は、回転ディスク40の偏心点を構成する軸受ピン9上の2つの軸591、592を中心に取り付けられている。軸受アーム10は、変位可能にシャーシ2上に取り付けられたフレーム11上の軸101を中心に旋回可能に固定されている。軸受アーム10は、回転ディスク40に固定され、軸81を中心に旋回可能に取り付けられている。追加の軸受ピンは、回転ディスク40上に更なる偏心点を形成し、軸80を中心に形成されている。フレーム11及び回転ディスク40、軸受アーム10及びアーム8は、互いに実質的に平行、かつシャーシ2の主平面に平行に配置される。旋回アーム10の軸101は、アームの旋回軸81に平行及び軸592に平行に延び、軸592は、ピン9の長手方向延長線により形成され、力伝達要素5がそれを中心に回転可能に取り付けられている。力伝達要素5の軸受は、スリーブを介して行われ、ピンはその上で軸受ピン9の長手方向延長線によって形成される軸592に対して実質的に垂直に向いた第2の軸591を形成して配置される。2つの軸591、592は、互いに交差する。第2の軸591は、アーム8、軸受アーム10、又は回転ディスク40が配置される平面に実質的に平行に延びる。
【0032】
駆動装置側の反対側にある力伝達要素5の端部は、第1の軸531を中心に第1の指要素3に旋回可能に取り付けられ、第1の軸は、軸受ピン9上の第2の軸591に実質的に平行に向いている。第1の指要素3は、支持体6を介して、シャーシ上に取り付けられている。支持体6は、旋回軸32を中心に旋回可能にシャーシ2に取り付けられ、シャーシ2から離れる方向に向いた端部で第2の旋回軸31を形成し、従って第1の指要素3は、支持体6によって形成される2つの旋回軸31、32を中心にシャーシ2に対して移動できる。シャーシ側旋回軸32は、第1の指要素3がフレーム11又は回転ディスク40が配置される平面の方向に旋回されるように、外側に旋回又は拡張できる。義手としての把持装置の実施形態では、この平面は掌の表面に対応している。第1の指要素3は、他方の方向に旋回又は屈曲すると、シャーシ側旋回軸32を中心に、反対側の第2の指要素331、322の方向に、すなわち
図1の図面の平面に対して実質的に垂直に移動する。
【0033】
図示される例示的な実施形態では、指側旋回軸31は、シャーシ側旋回軸32と交差せず、シャーシ側旋回軸32に対して垂直に向いた平面内を延びる。それによって、指要素3は、指側旋回軸31を中心に旋回でき、旋回動作は、人差し指321の方向に、又は後者から離れる方向に行われる。剛性の力伝達要素5の場合に確実に可能にするために、力伝達要素5は、第1の軸を中心にだけでなく、第2の軸532を中心にも旋回可能であるように指要素3に取り付けられ、従って、カルダン軸受では回転自由度の阻害が招かれ、力伝達要素5が駆動装置によって動作する場合、指側旋回軸31を中心に指要素を旋回する力を伝達するためである。
【0034】
アーム8が回転ディスク40の回転軸401を中心に反時計回りに回転し、かつ軸受アーム10が軸101を中心に時計回りに旋回する場合、力伝達要素5は、右に移動する。軸591が軸受ピン9を中心に時計回りに旋回し、かつ第1の指要素3が掌側表面、又は反対側の、義手の場合小指に対応する第2の指要素332の方向にシャーシ側旋回軸32を中心に移動する。軸591をシャーシ側旋回軸32の方向、すなわち左に逆方向に移動及びシフトすると、シャーシ側旋回軸32を中心とする旋回が引き起こされ、従って、把持装置1の開放又は外側への移動が引き起こされる。同時に、指側旋回軸31に対する軸受ピン9の向きの変化により、指側旋回軸31を中心とする指要素3の旋回運動が行われる。第1の指要素3は指側旋回軸31と平行又は同軸に延びるのではなく、そこから突出しているので、すなわち第1の指要素の長手方向の延長線は旋回軸31と一致しないので、従って、シャーシ2に対する第1の指要素3の向きは変化し、更に、他の第2の指要素321、322、331、332に対する距離及び角度も変化する。
図1でおおよそ到達する最大開放又は伸張の位置から進み、それぞれの指要素3、321、322、331、332の異なる軌道及び動作のパターンは、駆動装置の回転方向及びアーム8又は軸受アーム10の旋回に関連する軸受ピン9の旋回運動に応じて得られる。
【0035】
図2は、近位取付け点の方向からの、すなわち把持装置1を更なる構成要素、例えば前腕シャフトに固定するためのダブテールガイドの領域における側面図を示す。駆動装置4は、電気モーターの形態にあり、力伝達要素5から離れた方向を向くシャーシ2側で見ることができる。駆動装置4によって、場合により歯車を介在させて、回転ディスク40、従って軸受アーム10及びアーム8及びフレーム11は、シャーシの内側で移動する。
図2は、平行平面での回転ディスク8及び軸受アーム10を備えるフレーム11の配置を示し、この上にはアーム8が配置されている。軸591は、フレーム11の平面に実質的に平行に延び、一方第2の軸592は、この平面に対して垂直に向けられ、軸受ピン9の長手方向の延長線に対応している。シャーシ側旋回軸32は、フレーム11の平面に実質的に平行に同様に延び、その結果、支持体6は、2つの旋回軸32、31が互いに垂直に方向付けられ、互いに距離を置いて、フレーム11の平面に平行な平面、又はシャーシ側旋回軸32を中心にそれに垂直に旋回することができる。指要素3は、更に、指側旋回軸31を中心に旋回できる。
図2は、第1の軸531の向きもまた示し、この例示的な実施形態では、軸受ピン9に垂直な2つのピンを通して、軸591に平行に延びている。カルダン軸受を作るために、軸531は、第2軸532を中心に旋回可能な軸受本体を介してカルダニックに取り付けられている。
図2は、例えば紙などの平らな要素を掴むために必要とされる、第1の指要素3が最も近い第2の指要素321に対して横方向に配置されるラテラルグリップの把持装置の位置を示している。指要素3、321のそのような位置は、
図1による開いた伸張位置から進んで、第2の指要素321、322が、フレーム11によって形成される平面又は主平面から上方に、追加的に前方に、すなわち指側旋回軸を中心に旋回する第1の指要素3よりも迅速に旋回するように、駆動装置が動作するときに到達する。
【0036】
図3は、第1の指要素3、321、322、331、332の位置を示し、そこでは軸受ピン9は、
図1による開始位置から時計回りに旋回されている。アーム8の回転軸は、同様に、回転ディスク40を中心に時計回りに移動している。軸受アーム10は、回転軸81の移動によって、下方に移動される。このようにして、フレーム11は、時計回りに旋回し、従って軸101を中心に下方に移動される。このようにして、第2の指要素321、322、331、332は、指要素3、321、322、331、332が屈曲したとき、把持装置が次第に閉じられるように、それぞれの旋回軸を中心に旋回される。第1の指要素3は、指側旋回軸31を中心に反時計回りに回転しており、一方、同時に、軸531が反時計回りに回転されており、軸受ピン9の更なる移動において第1の指要素3が2つの第2の指要素331、332と一緒になるように、他の第2の指要素321、322、331、332の方向にシャーシ側旋回軸32を中心にする旋回が行われている。この更なる移動と結合位置は、
図4に示される。
【0037】
フレーム11は更に下方に移動し、軸受アーム10は、アーム8と同様に、軸受ピン9は、更に移動経路に沿って右に移動するように、軸101を中心に更に時計回りに回転する。指要素3、321の遠位端は、接触する。軸受ピン9の更なる移動は、指要素3、321の互いに対する押圧力の増加をもたらすだろう。
図4に示す位置はいわゆるピンチグリップであり、ここで、湾曲した指要素3、321、322の先端は互いに支え合う。
【0038】
対照的に、
図5は、軸受ピン9が反時計回りに最大限で回転される別の終了位置を示す。いわゆるラテラルグリップは、第1の指要素3の横方向に第2の指要素321を配置させる。第2の指要素321、322、331、332が第1の指要素3と接触する前に、シャーシ2の主平面から閉位置まで更に旋回されるように、フレーム11は、
図4と比較して更に下方に移動される。
【0039】
図4によるピンチグリップは、
図6の側面図に示される。全ての指要素3、321、322、331、332は、フレーム11の平面又は主表面又は掌側表面から、屈曲位置まで最大限に上向きに旋回されている。
【0040】
図7は、実線で示される
図1による位置、及び破線で示される
図5による位置の把持装置の概略図を示す。ここでは、軸受、駆動装置、及び第2の指要素の配置は示していない。力伝達要素5は、把持装置の最大開放位置から進んで、軸受ピン9が、円形経路上で上方に右に向かって移動するように、円形経路に沿って反時計回りに旋回される。第1の指要素3は、右向きの移動部分によって、シャーシ側旋回軸32を中心に旋回して、閉じる動作を行う。下向きの移動部分により、指側旋回軸31を中心にする旋回が生じ、その結果、第1の指要素3が内転し、すなわち、第2の指要素がシャーシ2及び第2の指要素に向けて引っ張られる。ここで、破線で示される終了位置は、
図5に示されているラテラルグリップの位置に対応している。駆動装置4によって反対方向、すなわち時計回りに旋回すると、軸受ピン9は上向き及び右向きに移動し、その結果、シャーシ側旋回軸32を中心とする閉じ動作に加えて、指側旋回軸31を中心とする外転動作があり、
図4に示すようなピンチグリップがそれぞれの終了位置で得られる。
【0041】
図8は、シャーシ2に対する第1の指要素3の動作を示す側面図である。
図7による開始位置から進行する旋回運動では、シャーシ2に対する第1の指要素3の屈曲がシャーシ側旋回軸32から離れる移動成分素によって達成され、一方、反対側の動作では伸長が行われ、すなわち力伝達要素5の一部上で、シャーシ2に対する第1の指要素3の間の角度が拡大される。屈曲位置は破線で示され、伸張位置は実線で示される。力伝達要素5の指側の第1の軸531は、力伝達要素5が軸受ピン9に旋回可能に取り付けられている第2の軸591の上にある。主平面での軸591の変位によって、軸531の変位、従って支持体6及びその上に配置された指要素3の旋回は、シャーシ側旋回軸32を中心に可能である。
【0042】
図9は、概略図であり、シャーシ2に対するフレーム11の移動による第2の指要素321、322、331、332の動作を示す。フレーム11は、駆動装置によって、湾曲したスロットガイド111中で移動し、シャーシのピン22はその中で案内される。更に、旋回アーム21はシャーシ2上に取り付けられ、把持装置の固定点の領域でフレーム11と共に旋回可能に取り付けられる。実線で示された開始位置から進んで、フレーム11が駆動装置4によって下向きに移動されると、フレーム11はスロットガイド111に沿って、旋回アーム21を中心に破線で示された位置まで移動する。フレーム11は、第2の力伝達要素51を介して第2の指要素321、322、331、332に連結されているので、第2の指要素321、322、331、332は、それぞれの旋回軸3210、3220、3310、3320を中心に旋回する。
【0043】
第2の指要素を駆動する別の方法を、
図10に示す。ブラケット211は、フレーム11に代えて、旋回軸2110を中心に旋回可能にシャーシ2に取り付けられる。ブラケット211は、第2の指要素321、322、331、332の図示する伸張位置から、軸2110を中心とする屈曲位置まで移動できる。そのとき、第2の指要素321、322、331、332は、閉位置に配置され、かつブラケット211は、破線で示される旋回軸3210、3220、3310、3320から離れるように旋回する。ブラケット211のこの旋回運動を実行するために、ブラケット211は、第1の力伝達装置51を介して駆動装置4に接続されている。第1の力伝達装置51は、駆動装置4に連結される軸受要素290又はピンに偏心的に取り付けられている。図示される例示的実施形態において、力伝達装置51は、軸受要素290を中心に配置されるループとして構成される。第1の力伝達装置51は、軸2110に最も近接した位置から、軸2110から最大距離にある位置への回転時に、軸受要素290に沿ってスライドする。軸受要素290により実行される円運動において、力伝達装置の2つの部分の間で長さ補償が生じるように、力伝達装置51は、旋回可能に、かつ適切な場合、変位可能にブラケット211に取り付けることができる。ブラケット211は、弾性材料、例えば弾性合成材料から作成できる。
【0044】
図11は、ブラケット211による第2の指要素の動作を示す側面図である。開始位置では、第2の指要素が伸張し、すなわちシャーシ2の主平面と力伝達装置51に向く第2の指要素の側面との間の角度αは、最大である。破線で示される図では、夾角度αは最小であり、すなわち第2の指要素はシャーシ2の主平面に対してほぼ垂直である。軸受要素290は、ブラケット211の軸2110から最大距離にあり、その結果、軸受要素290の移動及びブラケット211の旋回、並びにブラケット211をそれぞれの第2の指要素に連結する第2の力伝達装置の関連した旋回によって、それぞれの第2の指要素は、シャーシ上のそれぞれの旋回軸を中心に旋回するようにする。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] シャーシ(2)、前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられた少なくとも1つの第1の指要素(3)、少なくとも1つの駆動装置(4)、及び前記第1指要素(3)に前記駆動装置(4)を連結する力伝達要素(5) を有し、前記力伝達要素(5)は、2つの向きの異なる旋回軸(31、32)を中心に前記シャーシ(2)に対して前記第1の指要素(3)を旋回させることを特徴とする、把持装置。
[2] 前記旋回軸(31、32)は、互いに対して垂直に方向付けられ、及び/又は互いに交差しないことを特徴とする[1]に記載の把持装置。
[3] 前記第1の指要素(3)は、一方の前記旋回軸(31)を中心に支持体(6)に旋回可能に取り付けられ、かつ前記支持体(6)は、他方の前記旋回軸(32)を中心に前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の把持装置。
[4] 前記力伝達要素(5)は、前記第1の指要素(3)に固定されていることを特徴とする、[3]に記載の把持装置。
[5] 前記力伝達要素(5)は、前記第1の指要素(3)に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、[4]に記載の把持装置。
[6] 前記力伝達要素(5)は、カルダン継手又はボールソケット継手によって前記第1の指要素(3)に取り付けられ、かつ一方の前記旋回軸(31)を中心とする前記第1の指要素(3)の動作は、前記力伝達要素(5)によって制御されることを特徴とする、[5]に記載の把持装置。
[7] 前記力伝達要素(5)は、前記駆動装置(4)によって駆動される回転可能なアーム(8)上の軸受ピン(9)を中心に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一に記載の把持装置。
[8] 前記力伝達要素(5)は、前記軸受ピン(9)の長手方向の延長線に垂直な軸(591)を中心に旋回可能に取り付けられることを特徴とする、[7]に記載の把持装置。
[9] 前記アーム(8)は、軸(101)を中心に旋回可能な軸受アーム(10)上のフレーム(11)に取り付けられていることを特徴とする、[7]に記載の把持装置。
[10] 前記アーム(8)は、前記シャーシ(2)に取り付けられた回転ディスク(40)によって駆動されることを特徴とする、[1]又は[9]に記載の把持装置。
[11] 前記フレーム(11)は、前記シャーシ(2)の1つの平面に変位可能に取り付けられていることを特徴とする、[9]又は[10]に記載の把持装置。
[12] 前記第1の指要素(3)の旋回軸(31)は、前記軸受ピン(9)によって形成された前記軸(592)と交差することを特徴とする、[7]~[11]のいずれか一に記載の把持装置。
[13] 前記力伝達要素(5)は、引張力及び圧縮力を伝達するように構成されていることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一に記載の把持装置。
[14] 少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)は、前記シャーシ(2)に旋回可能に取り付けられ、かつ休止位置から進んで、前記駆動装置(4)の回転方向に応じて、前記第1及び第2の指要素(3;321、322、323、324)が互いに対して異なる軌跡で移動するように前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、[1]~[13]のいずれか一に記載の把持装置。
[15] 少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)は、前記シャーシ(2)に取り付けられたブラケット(211)を介して、軸(2110)を中心に折りたため得るように前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、[14]に記載の把持装置。
[16] 前記ブラケット(211)は、第1の力伝達装置(51)を介して、前記駆動装置(4)に連結されていることを特徴とする、[15]に記載の把持装置。
[17] 前記第1の力伝達装置(51)は、前記駆動装置(4)に連結された偏心して移動する軸受要素(290)に取り付けられていることを特徴とする、[16]に記載の把持装置。
[18] 前記ブラケット(211)は、第2の力伝達装置(52)を介して、前記少なくとも1つの第2の指要素(321、322、323、324)に連結されることを特徴とする、[15]~[17]のいずれか一に記載の把持装置。
[19] 前記ブラケット(211)は、弾性変形可能であるように設計されていることを特徴とする、請求項[15]~[18]のいずれか一に記載の把持装置。
[20] 前記フレーム(11)は、前記第2の指要素(321、322)に連結されていることを特徴とする、[9]、[10]又は[11]と併せた[14]に記載の整形外科用把持装置。