(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】感知されたパラメータに基づく任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの両方を有するステープル留め装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2020536076
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 US2018060974
(87)【国際公開番号】W WO2019133138
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-09
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・チェスター・オー・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/210038(WO,A1)
【文献】特開2014-171904(JP,A)
【文献】特表2009-539420(JP,A)
【文献】特開平5-337119(JP,A)
【文献】特表2005-523105(JP,A)
【文献】特開2006-334417(JP,A)
【文献】特表2014-512885(JP,A)
【文献】特表2014-512886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068― 17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留め器具であって、
クランプ段階の間、組織をクランプするように構成されたアンビルと、
発射段階の間、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、
前記アンビルに連結され、アンビル間隙を検出するように構成された位置センサと、
前記アンビルに連結され、組織圧縮力を検出するように構成されたセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記位置センサ及び前記センサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を決定することと、
前記アンビル間隙を既定の間隙と比較することと、
前記組織圧縮力を決定することと、
前記組織圧縮力を既定の組織圧縮力と比較することと、
前記アンビル間隙と前記既定の間隙との前記比較と、前記組織圧縮力と
前記既定の組織圧縮力との前記比較と、に基づいて、前記ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記クランプ段階の後、前記発射段階を開始する前に、待機期間を実行するように構成され、前記待機期間中に前記アンビル間隙が一定に保た
れ、
前記制御回路は、
(i)前記アンビル間隙が所定の最大アンビル間隙閾値より大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、強制的電子ロックアウトプロセスを実行すること、
(ii)前記組織圧縮力が理想組織圧縮力閾値を下回るとき、前記ステープラの動作を防止するために、無制限電子ロックアウトプロセスを実行すること、
(iii)前記組織圧縮力が前記理想組織圧縮力閾値と最大組織圧縮力閾値との間にあるとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限なしに任意の電子ロックアウトプロセスを実行すること、及び、
(iv)前記組織圧縮力が前記最大組織圧縮力閾値より大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限を有する任意の電子ロックアウトプロセスを実行すること、
のうち少なくとも1つを行うように構成されている、外科用ステープル留め器具。
【請求項2】
前記制御回路が、前記待機期間の終了時に、前記組織圧縮力を前記理想組織圧縮力閾値及び/又は前記最大組織圧縮力閾値と比較することによって、前記アンビル間隙の調整が必要であるかどうかを決定するように構成されている、請求項1に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項3】
外科用ステープル留め器具であって、
クランプ段階の間、組織をクランプするように構成されたアンビルと、
発射段階の間、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成された円形ステープラと、
前記外科用ステープル留め器具の状態を感知するための第1のセンサと、
前記外科用ステープル留め器具の二次的測定値を感知するための第2のセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、感知された前記状態及び前記二次的測定値に基づいて、前記ステープラの作動を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記クランプ段階の後、前記発射段階を開始する前に、待機期間を実行するように構成され、前記待機期間中にアンビル間隙が一定に保た
れ、
感知された前記状態は、アンビル間隙であり、前記二次的測定値は、組織圧縮力であり、
前記制御回路が、前記待機期間の終了時に、前記組織圧縮力を最小組織圧縮力閾値及び/又は最大組織圧縮力閾値と比較することによって、前記アンビル間隙の調整が必要であるかどうかを決定するように構成され、
前記アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、前記組織圧縮力が前記最大組織圧縮力閾値を上回るとき、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を増加させること、
前記円形ステープラを作動させる前に、既定の待機期間を増加させること、
前記円形ステープラが作動される速度を低下させること、又は
前記ステープラの作動を防止するために、前記電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている、外科用ステープル留め器具。
【請求項4】
前記電子ロックアウトプロセスは、機械的ロックアウトの動作を無効にする、請求項
3に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項5】
前記電子ロックアウトプロセスは、電子ロックアウトの動作を無効にする、請求項
3に記載の外科用ステープル留め器具。
【請求項6】
外科用ステープル留め器具であって、
クランプ段階の間、組織をクランプするように構成されたアンビルと、
発射段階の間、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成された円形ステープラと、
前記外科用ステープル留め器具の状態を感知するための第1のセンサと、
前記外科用ステープル留め器具の二次的測定値を感知するための第2のセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、感知された前記状態及び前記二次的測定値に基づいて、前記ステープラの作動を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記クランプ段階の後、前記発射段階を開始する前に、待機期間を実行するように構成され、前記待機期間中にアンビル間隙が一定に保たれ、
感知された前記状態は、アンビル間隙であり、前記二次的測定値は、組織圧縮力であり、
前記制御回路が、前記待機期間の終了時に、前記組織圧縮力を最小組織圧縮力閾値及び/又は最大組織圧縮力閾値と比較することによって、前記アンビル間隙の調整が必要であるかどうかを決定するように構成され、
前記アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、前記組織圧縮力が前記最小組織圧縮力閾値を下回るとき、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を減少させること、
慎重に進めること、又は
前記ステープラの作動を防止するために、前記電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている
、外科用ステープル留め器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「STAPLING DEVICE WITH BOTH COMPULSORY AND DISCRETIONARY LOCKOUTS BASED ON SENSED PARAMETERS」と題する2018年11月6日に出願の米国非仮特許出願第16/182,234号の利益を主張する。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「POWERED STAPLING DEVICE THAT IS CAPABLE OF ADJUSTING FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER OF THE DEVICE BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する2018年9月10日に出願の米国特許仮出願第62/729,185号に対する優先権を主張する。
【0003】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/659,900号、「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/692,748号、及び「SMART ENERGY DEVICES」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/692,768号に対する優先権を主張する。
【0004】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/692,747号に対する優先権を主張する。
【0005】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,887号、「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,882号、及び「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,877号に対する優先権を主張する。
【0006】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,417号、及び「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,415号に対する優先権を主張する。
【0007】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,340号、及び「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,339号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0008】
本開示は様々な外科システムに関する。外科処置は、典型的には、例えば、病院などの医療施設内の手術室又は部屋で実行される。滅菌野は、典型的には、患者の周囲に形成される。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。様々な外科用装置及びシステムが、外科処置の実行に利用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具を提供する。外科用ステープル留め器具は、組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、アンビルに連結され、アンビル間隙を検出するように構成された位置センサと、アンビルに連結され、組織圧縮力を検出するように構成されたセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに位置センサ及びセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、アンビル間隙を決定することと、アンビル間隙を既定の間隙と比較することと、組織圧縮力を決定することと、組織圧縮力を既定の組織圧縮力と比較することと、アンビル間隙と既定の間隙との比較と、組織圧縮力と既定の組織圧縮力との比較と、に基づいて、ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える。
【0010】
別の一態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具を提供する。外科用ステープル留め器具は、組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、外科用ステープル留め器具の第1のパラメータを感知するための第1のセンサと、外科用ステープル留め器具の第2のパラメータを感知するための第2のセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに第1のセンサ及び第2のセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、感知された第1のパラメータ及び感知された第2のパラメータに基づいて、ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える。
【0011】
更に別の一態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具を提供する。外科用ステープル留め器具は、組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成された円形ステープラと、外科用ステープル留め器具の状態を感知するための第1のセンサと、外科用ステープル留め器具の二次的測定値を感知するための第2のセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに第1のセンサ及び第2のセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、感知された状態及び二次的測定値に基づいて、ステープラの作動を防止するために、調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
機構、及び動作の方法の両方についての本明細書に記載された様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を行うために使用される外科システムである。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様による可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールの部分斜視図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ発生器モジュールの斜視図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
【
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
【
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
【
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムのクラウドコンポーネントに接続することができる、外科用ハブに連結された複数のスマート外科用器具を備えるクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムの機能モジュール構成である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システムの図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を示すタイムラインである。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの制御システムの論理図を示す。
【
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路を示す。
【
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路を示す。
【
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路を示す。
【
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。
【
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で説明される外科用ツールを動作させるように構成された外科用器具の概略図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具のブロック図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の概略図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、円形ステープル留め外科用器具の斜視図である。
【
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、
図24の器具のハンドルアセンブリ及びシャフトアセンブリの分解図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、
図24の器具のハンドルアセンブリの断面図である。
【
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、
図24のモータアセンブリ及びバッテリアセンブリの拡大部分断面図である。
【
図28A】本開示の少なくとも1つの態様による、第1のギアが第2のギアから係合解除されている、
図24の器具の動作モード選択アセンブリの側面立面図である。
【
図28B】本開示の少なくとも1つの態様による、第1のギアが第2のギアと係合している、
図28Aの動作モード選択アセンブリの側面立面図である。
【
図29A】本開示の少なくとも1つの態様による、開放位置にあるアンビルを示す、
図24の器具のステープル留めヘッドアセンブリの拡大縦断面図である。
【
図29B】本開示の少なくとも1つの態様による、閉鎖位置にあるアンビルを示す、
図29Aのステープル留めヘッドアセンブリの拡大縦断面図である。
【
図29C】本開示の少なくとも1つの態様による、発射位置にあるステープルドライバ及びブレードを示す、
図29Aのステープル留めヘッドアセンブリの拡大縦断面図である。
【
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルに接して形成されたステープルの拡大部分断面図である。
【
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のためのアンビル間隙及び組織圧縮力と時間を描く第1の対のグラフのグラフ表示である。
【
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留め器具の例示的な発射のためのアンビル間隙及び組織圧縮力と時間を描く第2の対のグラフのグラフ表示である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、有効な組織間隙、実際の間隙、通常の範囲の間隙、及び範囲外の間隙を示す、電動円形ステープル留め装置の概略図である。
【
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、閾値と比較された感知されたパラメータにかかわる任意のロックアウト又は強制的ロックアウトを提供するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、組織間隙の範囲及び結果として生じるステープルの形態を示す図である。
【
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、3つの閉鎖するための力(FTC)曲線と時間のグラフ表示である。
【
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、閉鎖するための力(FTC)曲線と時間の詳細なグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月6日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SURGICAL NETWORK,INSTRUMENT,AND CLOUD RESPONSES BASED ON VALIDATION OF RECEIVED DATASET AND AUTHENTICATION OF ITS SOURCE AND INTEGRITY」と題する米国特許出願第16/182,224号、
・「SURGICAL SYSTEM FOR PRESENTING INFORMATION INTERPRETED FROM EXTERNAL DATA」と題する米国特許出願第16/182,230号、
・「MODIFICATION OF SURGICAL SYSTEMS CONTROL PROGRAMS BASED ON MACHINE LEARNING」と題する米国特許出願第16/182,233号、
・「ADJUSTMENT OF DEVICE CONTROL PROGRAMS BASED ON STRATIFIED CONTEXTUAL DATA IN ADDITION TO THE DATA」と題する米国特許出願第16/182,239号、
・「SURGICAL HUB AND MODULAR DEVICE RESPONSE ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第16/182,243号、
・「DETECTION AND ESCALATION OF SECURITY RESPONSES OF SURGICAL INSTRUMENTS TO INCREASING SEVERITY THREATS」と題する米国特許出願第16/182,248号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEM」と題する米国特許出願第16/182,251号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN SURGICAL NETWORKS」と題する米国特許出願第16/182,260号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO-POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO A SURGICAL NETWORK」と題する米国特許出願第16/182,267号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING END EFFECTOR PARAMETER」と題する米国特許出願第16/182,249号、
・「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」と題する米国特許出願第16/182,246号、
・「ADJUSTMENT OF A SURGICAL DEVICE FUNCTION BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第16/182,256号、
・「REAL-TIME ANALYSIS OF COMPREHENSIVE COST OF ALL INSTRUMENTATION USED IN SURGERY UTILIZING DATA FLUIDITY TO TRACK INSTRUMENTS THROUGH STOCKING AND IN-HOUSE PROCESSES」と題する米国特許出願第16/182,242号、
・「USAGE AND TECHNIQUE ANALYSIS OF SURGEON/STAFF PERFORMANCE AGAINST A BASELINE TO OPTIMIZE DEVICE UTILIZATION AND PERFORMANCE FOR BOTH CURRENT AND FUTURE PROCEDURES」と題する米国特許出願第16/182,255号、
・「IMAGE CAPTURING OF THE AREAS OUTSIDE THE ABDOMEN TO IMPROVE PLACEMENT AND CONTROL OF A SURGICAL DEVICE IN USE」と題する米国特許出願第16/182,269号、
・「COMMUNICATION OF DATA WHERE A SURGICAL NETWORK IS USING CONTEXT OF THE DATA AND REQUIREMENTS OF A RECEIVING SYSTEM/USER TO INFLUENCE INCLUSION OR LINKAGE OF DATA AND METADATA TO ESTABLISH CONTINUITY」と題する米国特許出願第16/182,278号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許出願第16/182,290号、
・「CONTROL OF A SURGICAL SYSTEM THROUGH A SURGICAL BARRIER」と題する米国特許出願第16/182,232号、
・「SURGICAL NETWORK DETERMINATION OF PRIORITIZATION OF COMMUNICATION,INTERACTION,OR PROCESSING BASED ON SYSTEM OR DEVICE NEEDS」と題する米国特許出願第16/182,227号、
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する米国特許出願第16/182,231号、
・「ADJUSTMENT OF STAPLE HEIGHT OF AT LEAST ONE ROW OF STAPLES BASED ON THE SENSED TISSUE THICKNESS OR FORCE IN CLOSING」と題する米国特許出願第16/182,229号、
・「POWERED STAPLING DEVICE CONFIGURED TO ADJUST FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許出願第16/182,240号、
・「VARIATION OF RADIO FREQUENCY AND ULTRASONIC POWER LEVEL IN COOPERATION WITH VARYING CLAMP ARM PRESSURE TO ACHIEVE PREDEFINED HEAT FLUX OR POWER APPLIED TO TISSUE」と題する米国特許出願第16/182,235号、及び
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許出願第16/182,238号。
【0014】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年9月10日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「A CONTROL FOR A SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE THAT ADJUSTS ITS FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」と題する米国特許仮出願第62/729,183号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN A SURGICAL NETWORK BEFORE TRANSMISSION」と題する米国特許仮出願第62/729,177号、
・「INDIRECT COMMAND AND CONTROL OF A FIRST OPERATING ROOM SYSTEM THROUGH THE USE OF A SECOND OPERATING ROOM SYSTEM WITHIN A STERILE FIELD WHERE THE SECOND OPERATING ROOM SYSTEM HAS PRIMARY AND SECONDARY OPERATING MODES」と題する米国特許仮出願第62/729,176号、
・「POWERED STAPLING DEVICE THAT IS CAPABLE OF ADJUSTING FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER OF THE DEVICE BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許仮出願第62/729,185号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH A PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING AT LEAST ONE END EFFECTOR PARAMETER AND A MEANS FOR LIMITING THE ADJUSTMENT」と題する米国特許仮出願第62/729,184号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO THE HUB」と題する米国特許仮出願第62/729,182号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許仮出願第62/729,191号、
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/729,195号、及び
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/729,186号。
【0015】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月28日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,214号、
・「TEMPERATURE CONTROL OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,205号、
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許出願第16/115,233号、
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許出願第16/115,208号、
・「CONTROLLING ACTIVATION OF AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO THE PRESENCE OF TISSUE」と題する米国特許出願第16/115,220号、
・「DETERMINING TISSUE COMPOSITION VIA AN ULTRASONIC SYSTEM」と題する米国特許出願第16/115,232号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC ELECTROMECHANICAL SYSTEM ACCORDING TO FREQUENCY SHIFT」と題する米国特許出願第16/115,239号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC END EFFECTOR」と題する米国特許出願第16/115,247号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第16/115,211号、
・「MECHANISMS FOR CONTROLLING DIFFERENT ELECTROMECHANICAL SYSTEMS OF AN ELECTROSURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第16/115,226号、
・「DETECTION OF END EFFECTOR IMMERSION IN LIQUID」と題する米国特許出願第16/115,240号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許出願第16/115,249号、
・「INCREASING RADIO FREQUENCY TO CREATE PAD-LESS MONOPOLAR LOOP」と題する米国特許出願第16/115,256号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許出願第16/115,223号、及び
・「ACTIVATION OF ENERGY DEVICES」と題する米国特許出願第16/115,238号。
【0016】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/721,995号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/721,998号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許仮出願第62/721,999号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許仮出願第62/721,994号、及び
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許仮出願第62/721,996号。
【0017】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月30日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/692,747号、
・「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する米国特許仮出願第62/692,748号、及び
・「SMART ENERGY DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/692,768号。
【0018】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,090号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国特許出願第16/024,057号、
・「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」と題する米国特許出願第16/024,067号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,075号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,083号、
・「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」と題する米国特許出願第16/024,094号、
・「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」と題する米国特許出願第16/024,138号、
・「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」と題する米国特許出願第16/024,150号、
・「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,160号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許出願第16/024,124号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」と題する米国特許出願第16/024,132号、
・「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,141号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第16/024,162号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,066号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,096号、
・「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」と題する米国特許出願第16/024,116号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,149号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAY」と題する米国特許出願第16/024,180号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,245号、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,258号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許出願第16/024,265号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許出願第16/024,273号。
【0019】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/691,228号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国仮特許出願第62/691,227号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許仮出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許仮出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許仮出願第62/691,251号。
【0020】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国特許仮出願第62/659,900号。
【0021】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月30日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/650,887号、
・「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/650,882号、及び
・「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する米国仮特許出願第62/650,877号。
【0022】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
【0023】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許仮出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許仮出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許仮出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許仮出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許仮出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許仮出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,323号。
【0024】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月8日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,417号、及び
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,415号。
【0025】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願番号米国特許仮出願第62/611,341号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号、及び
・「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号。
【0026】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0027】
外科用ハブ
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ又は2つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、記憶装置105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、
図1に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0028】
様々な態様では、
図1~
図7を参照して本明細書に記載されるようなインテリジェント器具112は、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装されてもよい。電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)などのインテリジェント器具112(例えば、デバイス1
a~1
n)は、
図8を参照して説明されるように、外科用データネットワーク201内で動作するように構成されている。
【0029】
図2は、外科手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科処置を実施するために使用される外科システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するように使用することができる。
【0030】
他の種類のロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号に記載されている。
【0031】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号に記載されている。
【0032】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと1つ又は2つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0034】
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと称されることもある可視スペクトルは、人間の目に可視である(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0035】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0036】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で取り込むことのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0038】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることが理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0039】
様々な態様では、可視化システム108は、
図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0040】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114の操作者に可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を利用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
【0041】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台の滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0042】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、情報フローの調整については、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号で更に説明されている。可視化タワー111で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科システム102と共に使用するのに好適である例示的な外科用器具の例は、例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号で説明されている。
【0043】
ここで
図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、
図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
【0044】
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0045】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又は3つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0046】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0047】
特定の外科処置は、1つ超のエネルギーの種類を組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギーの種類は、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギーの種類は、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は、組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は、封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が異なる発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0048】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを生成させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0049】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを生成するように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0050】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0051】
図3~
図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。
図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。
図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0052】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0053】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。
図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、
図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
【0054】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
【0055】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0056】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
【0057】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0058】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機能を含み得る。例えば、
図4に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0059】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、特定のモジュールを収容するように各々設計される。
【0060】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0061】
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。代替的に又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0062】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。
図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。代替的に、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0063】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。
図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0064】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはスキャンされたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0065】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましくない結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0066】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0067】
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0068】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0069】
図8は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えば記憶装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機能を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0070】
手術室に配置されたモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0071】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0072】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という用語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語は、そのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、記憶装置、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整するエンティティであり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及び記憶装置と通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0073】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0074】
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)は記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(
図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0075】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0076】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ又は3つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0077】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0078】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(long-term evolution、LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0079】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0080】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0081】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。
図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。
図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータ記憶装置に連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
【0082】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。
図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。
図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0083】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室をスキャンし、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室をスキャンする。
【0084】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、記憶装置248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Chearmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺装置相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association bus、PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造(複数可)のうちのいずれかであっってもよい。
【0085】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(single-cycle serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital comverter、ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0086】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0087】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM、EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate、DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM、SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0088】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体、例えばディスク記憶装置などを含む。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのような装置が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、記憶媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(compact disc ROM、CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(conpact disc recordable drive、CD-R Drive)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(compact disc rewritable drive、CD-RW Drive)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(digital versatile disc ROM drive、DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0089】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0090】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティング装置、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0091】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリ記憶装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0092】
様々な態様では、
図10のコンピュータシステム210、
図9~
図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction multiple data、MIMD)技術を用いる並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0093】
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0094】
様々な態様では、
図9及び
図10を参照して説明される装置/器具235は、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装されてもよい。したがって、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)は、モジュール式制御タワー236及び外科用ハブ206と連係するように構成されている。外科用ハブ206に接続されると、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)は、クラウド204、サーバ213、他のハブ接続器具、ハブディスプレイ215、若しくは可視化システム209、又はこれらの組み合わせと連係するように構成されている。更に、ハブ206に接続されると、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)は、ハブローカルコンピュータシステム210内で利用可能な処理回路を利用することができる。
【0095】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(data plus、DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(data minus、DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0096】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0097】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(serial interface engine、SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(non-return-to-zero invert、NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(packet ID、PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310は、クロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して、上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するために、サスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するように、インターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0098】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0099】
外科用ハブ及び/又は外科用ハブネットワークの構造及び機能に関する更なる詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国特許仮出願第62/659,900号において見出すことができる。
【0100】
クラウドシステムハードウェア及び機能モジュール
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成される。コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、クラウドベースの分析システムを含む。クラウドベースの分析システムは、外科用システムとして記載されているが、必ずしもそのように限定されるものではなく、クラウドベースの医療システムであってもよい。
図12に示すように、クラウドベースの分析システムは、(器具112と同じ又は同様であってもよい)複数の外科用器具7012と、(ハブ106と同じ又は類似であってもよい)複数の外科用ハブ7006と、(ネットワーク201と同じ又は同様のものであってもよい)外科用データネットワーク7001は、(クラウド204と同じ又は同様であってもよい)クラウド7004に外科用ハブ7006を結合する。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結される。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのクラウド7004に通信可能に連結される。クラウド7004は、様々な外科用システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモートの集中型源である。
図12に示すように、クラウド7004へのアクセスは、インターネット又は何らかの他の好適なコンピュータネットワークであってもよいネットワーク7001を介して達成される。クラウド7004に結合される外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科処置又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ7006とペアリングされている。
【0101】
加えて、外科用器具7012は、(送受信機もまた含んでもよい)対応する外科用ハブ7006へのデータ伝送、及び外科用ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術室などの、特定の位置を示してもよい。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを記憶してもよい。
図12に示すように、クラウド7004は、(
図1におけるリモートサーバ113及び/又は
図9におけるリモートサーバ213と同一又は同様であってもよい)中央サーバ7013、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース7007を含む。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアントモジュール7006による要求を監視し、リクエストを実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013のそれぞれは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶装置などの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリ装置7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備える。メモリ装置7010は、実行されると、プロセッサ7008が、以下で説明するクラウドベースのデータ分析、動作、提案、及び他の動作のために、データ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含んでもよい。更に、プロセッサ7008は、ハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと独立して、又はハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に常駐することができる集約された医療データデータベース2212を含む。
【0102】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約することができる。そのような集約されたデータは、クラウド7004の集約された医療データベース7011内に記憶されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利には、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、個別のハブ7006がそれ自体で達成できない機能をもたらしてもよい。この目的のために、
図12に示すように、クラウド7004及び外科用ハブ7006は、情報を送受信するように通信可能に連結される。I/Oインターフェース7007は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7007は、外科用ハブ7006と集約された医療データデータベース7012との間で情報を転送するように構成することができる。したがって、I/Oインターフェース7007は、クラウドベース分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にし得る。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信される場合がある。I/Oインターフェース7007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含んでもよい1つ又は2つ以上の高速データポートを含んでもよい。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科用ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、かつ供給するように構成されている。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブアプリケーションがハブアプリケーションによって作成された要求を管理して、集約された医療データデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷バランス調整を実行してもよい。データ分析モジュール7034を、
図13を参照してより詳細に説明する。
【0103】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用装置を使用して実行される医療動作及び処置の文脈において生じる様々な問題に対処するように設計されている。特に、外科用器具7012は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用装置であってもよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御してもよいように、タッチ制御されたユーザインターフェースを含んでもよい。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0104】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウドベース分析システムは、医療分野において具体的に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含む。
図13に示すように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、ハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して、外科用ハブ7006に関してアクセスされてもよいハブアプリケーション7014を介して支援されてもよい。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを定義する。加えて、API7016は、アプリケーション7014の動作のために、集計された医療データのデータベース7011内へのデータの格納及びここからの読み出しを管理する。キャッシュ7018はまた、データを(例えば、一時的に)記憶し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な検索のためにAPI7016に結合される。
図13のデータ分析モジュール7034は、資源最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラムの更新7026、患者転帰分析7028、提案7030、及びデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含む。他の好適なデータ分析モジュールはまた、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装される場合がある。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及び他のデータの分析に基づいて特定の提案に使用される。
【0105】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に一致していないペアリングされたデータセットへのデータの保存を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用される場合がある。特に、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などの二元分類を適用することを含み得る。より一般的には、バイナリ分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科処置)又は望ましくない事象(例えば、誤発射又は誤使用された外科用器具7012)のいずれかとして特徴付けられてもよい。集約された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに相当してもよい。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約メタデータ又は他の編成されたデータを生成することができる。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データデータベース7011に動作的に結合することができる。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成済みデータを集約された医療データデータベース2212に記憶してもよい。
【0106】
資源最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関する資源の最適な使用を決定するように構成することができる。例えば、資源最適化モジュール7020は、そのような器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設のグループに関する外科用ステープラ7012の最適な順序点を決定してもよい。資源最適化モジュール7020はまた、資源使用を改善することができるかどうかを判定するために、様々な医療施設の資源使用又は他の動作構成を評価する場合があるであろう。同様に、提案モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成済みデータを分析して提案を提供するように構成することができる。例えば、提案モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、期待される誤り率よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に提案することができる場合もある。加えて、提案モジュール7030及び/又は資源最適化モジュール7020は、製品再注文ポイントなどのより良好な供給チェーンパラメータを提案し、異なる外科用器具7012、その使用の、又は手術結果を改善する手順工程などの提案を提供することができる場合もある。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような提案を受信することができる。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関するより具体的な提案もまた提供することができる。ハブ7006及び/又は外科用器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は提案を表示するディスプレイスクリーンを有することができる場合もある。
【0107】
患者転帰分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者転帰分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。この接続では、提案モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用して提案することができる場合もある。例えば、推奨モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジをいつ使用すべきかに関する推奨を、外科用ハブ7006に送信することができる。したがって、クラウドベースの分析システムは、共通変数を制御している間に、生データの大規模な収集を分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中的提案を提供するように構成されてもよい。例えば、クラウドベースの分析システムは、医療行為の種類、患者の種類、患者の数、医療提供者/施設が、同様の種類の器具などを使用する医療提供者の間の地理的類似性を分析、評価、及び/又は集約することができる場合もあり、医療提供者/施設は、同様の種類の器具などを使用する。
【0108】
制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な外科用器具7012の提案を実施するように構成することができる場合もある。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果とリンクする相関関係を識別することができる場合もある。このような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信されるときに対処されてもよい。対応するハブ7006を介して送信される器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集され、かつ分析された集約された成績データを組み込んでもよい。加えて、患者転帰分析モジュール7028及び提案モジュール7030は、集約された成績データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる場合もある。
【0109】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理されてもよい。それぞれの外科用ハブ7006は、ユーザ名、パスワード、及び他の好適なセキュリティ資格情報などの関連する固有の資格情報を有することができる。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることができる場合もある。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、外科用ハブ7006は、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセスを付与されてもよい(例えば、特定の定義された種類の情報の送信又は受信を行ってもよい)。この目的のために、クラウド7004の集約された医療データデータベース7011は、提供された資格情報の精度を検証するための資格情報のデータベースを含んでもよい。異なる資格情報は、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてもよい。
【0110】
更に、セキュリティ目的のために、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止された装置の「ブラックリスト」を含んでもよい他の装置のデータベースを維持することができる場合もある。具体的には、ブラックリスト上に列挙された外科用ハブ7006は、クラウドと相互作用することを許可されなくてもよい一方で、ブラックリスト上に列挙された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さなくてもよく、かつ/又は対応するハブ7006とペアリングされたときに完全に機能することが防止されてもよい。追加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又は他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立ててもよい。このようにして、偽造医療用装置及びそのような装置の、クラウドベースの分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処することができる。
【0111】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表してもよい無線信号を送信してもよい。有線送受信機はまた、信号を送信するために使用してもよい。そのような認可資格情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリ装置に記憶することができる。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを判定することができる。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化することができる場合もある。適切な認可を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得して送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移してもよい。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示すことができる場合もある。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な外科用器具7012にのみ送信されるように、特定のクラスの外科用器具7012(例えば、電気外科用器具)に向けられた信号を送信することができる。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システムワイドソリューションを実装するために使用することができる場合もある。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造不良を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施してもよい。
【0112】
クラウドベースの分析システムは、(例えば、提案モジュール2030を介して)改善された実務及び提案の変更を判定するために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)を監視することを可能にしてもよい。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータを他の医療施設に関連付けられた他のデータと集約することができる。グループは、例えば、同様の操作行為又は地理的位置に基づいて定義することができる場合がある。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループの幅広い分析及び提案を提供してもよい。クラウドベースの分析システムはまた、強化された状況認識のために使用することができる場合がある。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置に対する)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する提案の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連するコスト及び有効性はまた、他の施設又は任意の他の同等の施設の対応するローカルゾーンと比較することもできる。
【0113】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療イベントの重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし、かつ分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、上記の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用してもよい。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データデータベース7011からの除外、又は他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応する)クラウド7004からの特定の応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。プッシュメッセージは、支持又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドが不規則性の原因を判定することができない状況で必要とされてもよい。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると判定されるとき、又はセキュリティが危殆化していたと見られる場合など、特定の重大な状況においてこのプッシュメッセージをトリガするようにプログラムされてもよい。
【0114】
様々な態様では、
図12及び
図13を参照して上述した(複数の)外科用器具7012は、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装されてもよい。したがって、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)は、クラウド7004と連係するように構成されているネットワーク2001及び外科用ハブ7006と連係するように構成されている。したがって、中央サーバ7013及びデータ分析モジュール7034によって提供される処理能力は、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)からの情報(例えば、データ及び制御)を処理するように構成されている。クラウド分析システムに関する更なる詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題す2018年4月19日出願のる米国特許仮出願第62/659,900号に見出すことができる。
【0115】
状況認識
感知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」装置は、感知されたデータを考慮することなく動作する「データ処理能力のない(dumb)」装置に改善を加えたものであり得るが、いくつかの感知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実行される外科処置のタイプ又は手術されている組織のタイプのコンテキストなしでは、不完全又は決定的ではない可能性がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術される組織のタイプ又は行われている処置のタイプを知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない感知データが与えられると、モジュール式装置を不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、特定の感知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための制御アルゴリズムの最適な方法は、手術されている特定の組織のタイプに従って変化する可能性がある。これは、異なる組織のタイプが異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗)を有し、これにより外科用器具によって取られた動作に対して異なって応答するという事実に起因する。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が感知された場合であっても、外科用器具が異なる動作を取ることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するために予想外に高い力を感知することに応答して外科用ステープル及び切断器具を制御する最適な方法は、組織のタイプが引き裂きの影響を受けやすいか、又はこれに耐性があるかによって異なる。肺組織などの引き裂きの影響を受けやすい組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプダウンさせる。胃組織などの引き裂きに耐性がある組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプアップさせる。肺組織がクランプされているのか、胃組織がクランプされているのかを知らなければ、制御アルゴリズムは、準最適な決定を行うことがある。
【0116】
1つの解決策は、様々なデータソースから受信したデータに基づいて行われる外科処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされるモジュール式装置を適宜制御するように構成されたシステムを含む、外科用ハブを利用する。換言すれば、外科用ハブは、受信したデータから外科処置に関する情報を推定し、次いで、外科処置の推定されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされるモジュール式装置を制御するように構成される。
図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式装置5102(患者及び/又はモジュール式装置自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含むことができる)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視装置5124(例えば、血圧(BP)モニタ及び心電図(EKG)モニタ)を含む。
【0117】
多くの点でハブ106と同様であり得る外科用ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の(複数の)組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成され得る。受信したデータから推定されるコンテキスト情報は、例えば、行われる外科処置のタイプ、外科医が行っている外科処置の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信したデータから外科処置に関連する情報を導出又は推定するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの能力は、「状況認識」と称され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、受信したデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0118】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信したデータからコンテキスト情報を導出するように構成され得る。一例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視装置5124、及び/又はモジュール式装置5102からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含む。換言すれば、機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練され得る。別の例示的な例では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特徴付けされたコンテキスト情報を、コンテキスト情報に対応する1つ又は2つ以上の入力(又は入力の範囲)と対応させて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ又は2つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式装置5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。1つの例示では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の特定の制御調整又は制御調整のセットに関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供されたときに1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の1つ又は2つ以上の制御調整を生成又は取得する、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含む。
【0119】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利益を提供する。1つの利益は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、これは、外科処置の過程中の処理精度及び/又はデータの使用を改善する。以前の例に戻るために、状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉じるために予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織のタイプに合わせて外科用器具のモータを正しくランプアップ又はランプダウンすることができる。
【0120】
別の実施例として、手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定のための外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼすことができる。状況認識外科用ハブ5104は、行われている外科処置が胸部処置であるのか又は腹部処置であるのかを推定することができ、これにより状況認識外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)又は胃であるのか(腹部手術の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0121】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔の種類は、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、手術部位が(外科処置が送気を利用していると判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。処置タイプが一般的に特定の体腔内で実行されるため、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。したがって、状況認識手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方のために一定量の煙排出を提供することができる。
【0122】
更に別の実施例として、行われている処置のタイプは、超音波外科用器具又は高周波(RF)電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。関節鏡処置は、例えば、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるため、より高いエネルギーレベルを必要とする。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の予想される組織プロファイルに従って、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、処置ベースでのみではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成され得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又はその後に行われるかを判定し、次いで発生器及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織タイプに適切な値にエネルギーレベルを設定することができる。
【0123】
更に別の例として、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から引き出す結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータが引き出されることができる。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式装置5102から受信したデータを、他のデータソース5126からの外科処置に関して構築したコンテキスト情報で増強することができる。例えば、状況認識外科用手術ハブ5104は、医療用撮像装置から受信したビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まっているかどうか)を判定するように構成され得る。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的でない可能性がある。したがって、1つの例示では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたBPモニタによって感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に連結された医療用撮像装置124(
図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶接の完全性についての判定を行うように更に構成され得る。換言すれば、外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用であり得る。
【0124】
別の利益としては、外科処置の過程中に医療従事者が外科用システム5100と相互作用するか又はこれを制御するために必要とされる回数を低減するために、行われている外科処置の特定の工程に従って、ペアリングされるモジュール式装置5102を積極的かつ自動的に制御することを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続の工程が器具の使用を必要とすると判定した場合に、RF電気外科用器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行する工程が完了するとすぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0125】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の現在又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なる視界又は拡大の度合いを必要とするかどうかを、外科医が見る必要があると予想される手術部位における特徴(複数可)に従って判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、(例えば、可視化システム108のために医療用撮像装置によって供給される)表示された視界を、それに応じて積極的に変化させることができ、ディスプレイが外科処置にわたって自動的に調整するようにする。
【0126】
更に別の例として、状況認識手術ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又はその後に実行されるか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置のその工程に必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、行われている外科処置の工程に基づいて、自動的にデータスクリーンを呼び出すように構成され得る。
【0127】
別の利益は、外科処置のセットアップ中又は外科処置の過程中にエラーをチェックすることを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術室が、行われる外科処置のために適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、行われている外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップニーズを取得し、次いで、現在の手術室のレイアウトを、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば、好適なスキャナによってスキャンされた処置のためのアイテムのリスト及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされる装置のリストを、所与の外科処置のためのアイテム及び/若しくは装置の推奨又は予想されるマニフェストと比較するように構成され得る。リスト間に任意の不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式装置5102、患者監視装置5124、及び/又は他の外科用アイテムが欠落していることを示す警告を提供するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式装置5102及び患者監視装置5124の相対距離又は位置を判定するように構成され得る。外科用ハブ5104は、装置の相対位置を、特定の外科処置のための推奨又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが推奨されるレイアウトから逸脱していることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0128】
別の例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は他の医療従事者)が誤りを犯しているか、又は別の方法で外科処置の過程中に期待される一連の行動から逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施される外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)機器使用の工程又は順序の対応するリストを取り出し、次いで、外科処置の過程中に行われている工程、又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの予想された工程又は機器と比較するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、外科処理における特定の工程で、予期せぬアクションが行われているか、又は予期せぬ装置が利用されていることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0129】
全体的に、外科用ハブ5104のための状況認識システムは、各外科処置の特定のコンテキストのために外科用器具(及び他のモジュール式装置5102)を調整し(例えば異なる組織タイプに適応させるなど)、手術処置中のアクションを検証することによって、外科処置の結果を改善する。状況認識システムはまた、処置の特定のコンテキストに従って、次の工程を自動的に示唆すること、データを提供すること、及び手術現場内のディスプレイ及び他のモジュール式装置5102を調整することによって、外科処置を実行する際の外科医の効率を改善する。
【0130】
一態様では、
図24~
図40を参照して以下に説明するように、モジュール式装置5102は、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装される。したがって、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装されるモジュール式装置5102は、データソース5126として動作し、データベース5122及び患者監視装置5124と相互作用するように構成されている。電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)として実装されるモジュール式装置5102は、外科用ハブ5104と相互作用して、外科用ハブ5104に情報(例えば、データ及び制御)を提供し、外科用ハブ5104から情報(例えば、データ及び制御)を受信するように更に構成されている。
【0131】
ここで
図15を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206(
図1~
図11)などのハブの状況認識を示すタイムライン5200が示されている。タイムライン5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。タイムライン5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
【0132】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を利用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
【0133】
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸部処置であることを判定する。
【0134】
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸部処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0135】
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0136】
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助機器は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に使用される医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
【0137】
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
【0138】
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0139】
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
【0140】
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(
図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び用いられている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために用いられ得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を利用し、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
【0141】
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、前に考察された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
【0142】
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
【0143】
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に利用され、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
【0144】
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にロボットツールを使用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を使用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
【0145】
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
【0146】
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
【0147】
様々な態様では、電動円形ステープル留め装置201800(
図24~
図30)及び202080(
図31~
図37)は、例えば、タイムライン5200によって示されるように、外科用ハブ106又は206(
図1~
図11)などのハブ環境において状況認識状態で動作するように構成されている。状況認識については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御され得る。
【0148】
外科用器具のハードウェア
図16は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は、制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、電動円形ステープル留め装置のナイフ要素、トロカール、又はアンビルを駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ462に提供される。追加のモータが、ナイフの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0149】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0150】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0151】
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電動モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(direct current、DC)モータであってもよい。一態様では、モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0152】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスをとる好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0153】
一態様では、モータ482は、モータ駆動器492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ482はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータ駆動器492は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistor、FET)を含むHブリッジ駆動器を備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0154】
モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transisitor、MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。駆動器492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
【0155】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はナイフを表し、これらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。したがって、本明細書で使用する場合、変位部材という用語は、電動円形ステープル留め装置のアンビル、駆動部材、発射部材、発射バー、ナイフ、若しくはトロカール、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を総称して指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー及びナイフに連結される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、ナイフの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向可動駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはナイフ、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結され得る。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0156】
電動モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、ナイフ、又はこれらの組み合わせを表す。
【0157】
位置センサ472と関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に連結されたセンサ素子の1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回又は2回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0158】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0159】
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
【0160】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder’s algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(coordinate rotation digital computer、CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface、SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0161】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数化)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
【0162】
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経た工程の数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
【0163】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にナイフに加えられる発射力を測定することができる。ナイフは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。ナイフはまた、ナイフを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含む。代替的に、モータ482による引き込み電流を測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482による引き込み電流に対応し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
【0164】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、把持動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮を示すことができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0165】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0166】
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、
図1~
図14に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。制御システム470は、モータ付円形ステープル留め器具201800(
図24~
図30)、202080(
図31~
図37)の態様を制御するために、モータ付円形ステープル留め器具201800、202080によって用いられてもよい。制御システム470の態様は、例えば、472、474、476、追跡システム480及び電流センサ478を用いて、コントローラ461にフィードバックを提供することによって、とりわけ、アンビルの位置、組織圧縮力を感知するために、モータ付円形ステープル留め器具201800、202080によって用いられてもよい。
【0167】
図17は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を含むことができる。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
【0168】
図18は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含み得る。
【0169】
図19は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、
図17のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば
図18の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
【0170】
図20は、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具600又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。一態様では、外科用器具600は、手持ち式外科用器具を表す。別の態様では、外科用器具600は、ロボット外科用器具を表す。他の態様では、外科用器具600は、手持ち式及びロボット式外科用器具の組み合わせを表す。様々な態様では、外科用ステープラ600は、線形ステープラ又は円形ステープラを表すことができる。
【0171】
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはナイフ要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の例では、モータ602によって生成される発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はナイフ要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。ナイフ要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させられ得る。
【0172】
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を取り込むことができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。円形ステープラの実装において、モータ603は、電動ステープル留め装置の円形ステープラ部分のトロカール部分に連結されてもよい。モータ603は、トロカールを前進及び後退させるために用いられ得る。
【0173】
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ又は2つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
【0174】
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ又は2つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。代替的に、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びナイフ要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
【0175】
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、外科用器具の複数のモータに対して個々に連結及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ又は2つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
【0176】
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、
図20に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
【0177】
モータ602、603、606a、606bの各々は、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
【0178】
様々な例では、
図20に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ又は2つ以上のHブリッジFETを備え得るモータ駆動器626を備えてもよい。モータ駆動器626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによる引き込み電流を判定することができる。
【0179】
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット624の1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
【0180】
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0181】
様々な例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されたモータを停止及び/又は使用不能にすることができる。「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合した他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブル素子である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
【0182】
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な機能の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0183】
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータの各々を制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
【0184】
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ又は2つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのナイフの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
【0185】
外科用器具600は、
図1~
図14に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。外科用器具600は、モータ付円形ステープル留め器具201800(
図24~
図30)、202080(
図31~
図37)であってもよい。
【0186】
図21は、本開示の一態様による、本明細書で説明される外科用ツールを動作させるように構成された外科用器具700の回路図である。外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラム又は構成されてもよい。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。一態様では、外科用器具700は、手持ち式外科用器具を表す。別の態様では、外科用器具700は、ロボット外科用器具を表す。他の態様では、外科用器具700は、手持ち式及びロボット式外科用器具の組み合わせを表す。様々な態様では、外科用ステープラ700は、線形ステープラ又は円形ステープラを表すことができる。
【0187】
一態様では、外科用器具700は、複数のモータ704a~704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びナイフ714(又は鋭い切刃を含む切断要素)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、並びに1つ又は2つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、ナイフ714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成されてもよい。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a~704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a~704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に動作させることができる。
【0188】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ又は2つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して位置センサ734によって判定されたナイフ714の位置をタイマー/カウンタ731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、ナイフ714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるナイフ714の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部事象を計数するか、又は外部事象の時間を測定するように構成されてよい。
【0189】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に加えられる閉鎖力を制御し得る。他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
【0190】
一態様では、制御回路710は、モータ設定値信号を生成し得る。モータ設定値信号は、様々なモータコントローラ708a~708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a~708eは、本明細書で説明するように、モータ704a~704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a~704eを駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a~704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a~704eの1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a~708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
【0191】
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a~704eの各々を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a~704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a~704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
【0192】
一態様では、モータ704a~704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a~704eは、それぞれの伝達装置706a~706eを介して、ナイフ714、アンビル716、シャフト740、関節運動742a、及び関節運動742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に連結されてもよい。伝達装置706a~706eは、モータ704a~704eを可動機械的要素に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、ナイフ714の位置を感知し得る。位置センサ734は、ナイフ714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ734は、ナイフ714が遠位方向及び近位方向に並進すると一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡してナイフ714の位置を判定してもよい。例えば、近接センサを含む、他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、ナイフ714の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ734は省略されてもよい。モータ704a~704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示された工程数及び方向を合計することによって、ナイフ714の位置を追跡することができる。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。モータ704a~704eの各々の出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a~744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
【0193】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のナイフ714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定値を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結される。トルクセンサ744aは、ナイフ714に連結された伝達装置706aに連結される。伝達装置706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向へのナイフ714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに連結されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、ナイフ714を発射又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったナイフ714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整ったら、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるナイフ714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
【0194】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716部分などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定点を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、アンビル716に連結された伝達装置706bに連結される。伝達装置706bは、開放位置及び閉位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに連結される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に適用される閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に位置決めされる。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応答して、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、クランプアーム716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
【0195】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定点を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達装置706cに連結される。伝達装置706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで及びそれを超えて制御するために回転要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達装置アセンブリに連結される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に加えられる回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
【0196】
円形ステープラの実装において、トロカールを前進又は後退させるために、伝達装置706c要素がトロカールに連結される。一態様では、シャフト740は、
図29A~
図29を参照して本明細書において以下でより詳細に説明されるように、トロカール201904及びトロカールアクチュエータ201906を備える閉鎖システムの一部である。したがって、制御回路710は、モータ制御回路708cを制御して、トロカールを前進又は後退させるようにモータ704cを制御する。トルクセンサ744cは、トロカールを前進及び後退させる際に用いられる伝達構成要素706cにモータ704cのシャフトによって印加されるトルクを測定するために備えられる。位置センサ734は、トロカール、アンビル716、若しくはナイフ714、又はこれらの任意の組み合わせの位置を追跡するための様々なセンサを含んでもよい。トロカール、アンビル716、若しくはナイフ714、又はこれらの任意の組み合わせの位置又は速度を含む様々なパラメータを測定するために、他のセンサ738を用いてもよい。トルクセンサ744c、位置センサ734及びセンサ738は、所望の方法で外科用器具700の動作を制御するための様々なプロセスへの入力部として制御回路710に連結される。
【0197】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ704dに駆動信号を提供するモータ制御部708dにモータ設定値を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達装置706dに連結される。伝達装置706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
【0198】
別の態様では、ロボット外科システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の別個のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bの各々は他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル連結部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
【0199】
一態様では、1つ又は2つ以上のモータ704a~704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電動モータ704a~704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ704a~704eの1つに反して作用する障害(drag)と称されることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0200】
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0201】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置付けられ、外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。センサ738は、分割された電極を使用して組織の位置を判定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に配置されてもよい。トルクセンサ744a~744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、並びに(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
【0202】
一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ738は、把持状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0203】
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ又は2つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(magneto-resistive、MR)装置、巨大磁気抵抗(giant magneto-resistive、GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
【0204】
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル716に対して及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル716に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0205】
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a~704eの各々による引き込み電流を測定することができる。ナイフ714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a~704eのうちの1つによる引き込み電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内のナイフ714を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(linear-quadratic、LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
【0206】
外科用器具700は、
図1~
図14に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。外科用器具700は、モータ付円形ステープル留め器具201800(
図24~
図30)、202080(
図31~
図37)であってもよい。
【0207】
図22は、本開示の一態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、ナイフ764などの変位部材又は他の好適な切断要素の遠位並進を制御するようにプログラムされている。外科用器具750は、アンビル766、ナイフ764(鋭い切刃を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備え得るエンドエフェクタ752を備える。
【0208】
ナイフ764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。ナイフ764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、ナイフ764の位置は、位置センサ784を使用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、ナイフ764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、ナイフ764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばナイフ764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたナイフ764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるナイフ764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部事象を計数するか、又は外部事象の時間を測定するように構成されてよい。
【0209】
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成してもよい。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0210】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してナイフ764に機械的に連結され得る。伝達装置756は、モータ754をナイフ764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。一態様では、伝達装置は、トロカールを前進又は後退させるために、円形ステープラのトロカールアクチュエータに連結される。位置センサ784は、ナイフ764、トロカール、若しくはアンビル766、又はこれらの組み合わせの位置を感知することができる。位置センサ784は、ナイフ764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ784は、ナイフ764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡して、ナイフ764の位置を判定してもよい。例えば、近接センサを含む、他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、ナイフ764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、ナイフ764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0211】
円形ステープラの実装において、伝達装置756要素は、トロカールを前進又は後退させるためにトロカールに連結されてもよく、ナイフ764を前進又は後退させるためにナイフ764に連結されてもよく、あるいはアンビル766を前進又は後退させるためにアンビル766に連結されてもよい。これらの機能は、好適なクラッチ機構を使用する単一のモータで実施されてもよく、あるいは、例えば、
図21を参照して示されるように、別個のモータを使用して実施されてもよい。一態様では、伝達装置756は、
図29A~
図29Cを参照して本明細書において以下により詳細に説明されるように、トロカール201904及びトロカールアクチュエータ201906を備える閉鎖システムの一部である。したがって、制御回路760は、モータ制御回路758を制御して、トロカールを前進又は後退させるようにモータ754を制御する。同様に、モータ754は、ナイフ764を前進又は後退させ、アンビル766を前進又は後退させるように構成され得る。トルクセンサは、トロカール、ナイフ764、若しくはアンビル766、又はこれらの組み合わせを前進及び後退させる際に用いられる伝達構成要素756にモータ754のシャフトによって印加されるトルクを測定するために提供され得る。位置センサ784は、トロカール、ナイフ764、若しくはアンビル766、又はこれらの任意の組み合わせの位置を追跡するための様々なセンサを含んでもよい。トロカール、ナイフ764、若しくはアンビル766、又はこれらの任意の組み合わせの位置又は速度を含む様々なパラメータを測定するために、他のセンサ788を用いてもよい。トルクセンサ、位置センサ784、及びセンサ788は、所望の方法で外科用器具750の動作を制御するための様々なプロセスへの入力部として、制御回路760に連結される。
【0212】
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置付けられ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。一態様では、センサ788は、円形ステープラのトロカールの位置を決定するように構成されてもよい。
【0213】
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0214】
センサ788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置し得る。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0215】
モータ754による引き込み電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。ナイフ764を前進させるのに必要な力は、モータ754による引き込み電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0216】
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内のナイフ764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
【0217】
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はナイフ764を駆動するように構成されている。別の例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば、変位部材及び関節運動駆動部を操作する電気モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ754に反して作用する障害と称されることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0218】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成される場合は、アンビル766の反対側に配置されたステープルカートリッジ768とを備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持してもよい。器具750を使用する準備が整った場合、臨床医は、例えば、器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供してもよい。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。変位部材が遠位方向に並進するにつれて、遠位端に配置された切断要素を有するナイフ764は、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断することができる。
【0219】
様々な実施例で、外科用器具750は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいて、例えば、ナイフ764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
【0220】
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
【0221】
外科用器具750は、
図1~
図14に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。外科用器具750は、モータ付円形ステープル留め器具201800(
図24~
図30)、202080(
図31~
図37)であってもよい。
【0222】
図23は、本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、ナイフ764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、ナイフ764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ768と、を備え得る、エンドエフェクタ792を備える。
【0223】
図21~
図23を参照して、様々な態様では、センサ738、788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738、788は、とりわけ、光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738、788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
【0224】
一態様では、位置センサ734、784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ734、784は、制御回路760と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0225】
一態様では、ナイフ714、764は、上に組織切断刃を動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装されてもよく、アンビル係合タブ又は特徴部、及び通路係合特徴部又は足部を更に含み得る。一態様では、ステープルカートリッジ718、768は、線形ステープルカートリッジ又は円形ステープルカートリッジであり得る標準的な(機械的)外科用締結具カートリッジとして実装され得る。一態様では、RFカートリッジ796(
図23)は、RFカートリッジとして実装され得る。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、2017年6月20日出願の共同所有の米国特許出願第15/628,175号、表題「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」に説明されている。
【0226】
トロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ734、784として表される位置センサにより、測定可能である。ナイフ714、764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、トロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766の位置は、位置センサ734、784を用いて、長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、トロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載されるような位置センサ734、784によって得ることができる。制御回路710、760は、本明細書に説明されるように、トロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路710、760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えば、トロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731、781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710、760に提供して、位置センサ734、784によって判定されるようなトロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766の位置をタイマー/カウンタ731、781の出力と相関させ、制御回路710、760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるトロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731、781は、経過時間を測定するか、外部事象を計数するか、又は外部事象の時間を測定するように構成されてよい。
【0227】
制御回路710、760は、モータ設定値信号772を生成してもよい。(複数のモータが使用される場合、モータ毎の)モータ設定値信号772は、モータコントローラ708a~e、758に提供され得る。モータコントローラ708a~e、758は、本明細書で説明するように、モータ704a~e、754にモータ駆動信号774を提供して、モータ704a~e、754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~e、754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a~e、754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ704a~e、754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ704a~e、754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a~e、758は省略されてもよく、制御回路710、760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0228】
モータ704a~e、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源。モータ704a~e、754は、伝達装置706a~e、756を介して、トロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766に機械的に連結されてもよい。伝達装置706a~e、756は、モータ704a~e、754をトロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734、784は、トロカール、ナイフ714、764又はアンビル716、766の位置を感知することができる。位置センサ734、784は、トロカール、ナイフ764又はアンビル716、766の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ734、784は、トロカール、ナイフ764又はアンビル716、766が遠位方向及び近位方向に並進すると一連のパルスを制御回路710、760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710、760は、パルスを追跡して、トロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766の位置を決定することができる。例えば、近接センサを含む、他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、トロカール、ナイフ764、又はアンビル716、766の移動を示す他の信号を提供してもよい。また、一部の実施例では、位置センサ734、784は省略されてもよい。モータ704a~e、754がステップモータである場合、制御回路710、760は、モータ704a~e、754が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、トロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766の位置を追跡することができる。位置センサ734、784は、エンドエフェクタ702、752、792内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0229】
制御回路710、760は、1つ又は2つ以上のセンサ738、788と通信することができる。センサ738、788は、エンドエフェクタ702、752、792上に位置付けられ、外科用器具700、750、790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ738、788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702、752、792の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ738、788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
【0230】
1つ又は2つ以上のセンサ738、788は、クランプ留め状態の間のアンビル716、766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738、788は、アンビル716、766とステープルカートリッジ718、768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738、788は、アンビル716、766とステープルカートリッジ718、768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0231】
センサ738、788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル716、766上に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738、788は、閉鎖管によってアンビル716、766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716、766との間の相互作用点に位置し得る。アンビル716、766に対して及ぼされる力は、アンビル716、766とステープルカートリッジ738、768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738、788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル716、766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738、788は、制御回路710、760のプロセッサ部分によって、クランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716、766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0232】
モータ704a~e、754による引き込み電流を測定するために、電流センサ736、786を用いることができる。トロカール、ナイフ714、764、又はアンビル716、766を前進させるのに必要な力は、モータ704a~e、754による引き込み電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710、760に提供される。
【0233】
図23を参照して、RFエネルギー源794は、エンドエフェクタ792に連結され、RFカートリッジ796が、ステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792にロードされるときに、RFカートリッジ796に適用される。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
【0234】
外科用器具790は、
図1~
図14に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。外科用器具790は、モータ付円形ステープル留め器具201800(
図24~
図30)、202080(
図31~
図37)であってもよい。
【0235】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
【0236】
モータ付円形ステープル留め外科用器具
場合によっては、円形ステープル留め器具のモータ制御を提供することが望ましい場合がある。以下の例は、単一のモータを使用して、単一の回転駆動装置を介して組織のクランプ及び切断/ステープル留めの両方を制御することができる円形ステープル留め器具の単に例示的な変形例を含む。
図24は、例示的なモータ付円形ステープル留め器具(201800)を示す。この例の器具201800は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802と、アンビル201804と、シャフトアセンブリ201806と、ハンドルアセンブリ201808と、回転ノブ201812と、を備える。ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、アンビル201804と選択的に連結する。ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、アンビル201804のステープルポケットとステープル形成ポケットとの間の組織をクランプするように動作可能である。ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802とアンビル201804との間に捕捉された組織を切るように動作可能な円筒形ナイフを備える。ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802とアンビル201804との間に捕捉された組織を通じてステープルを駆動する。ステープル留め器具201800を使用して、患者の胃腸管又は他の場所の中に固定吻合(例えば、端々吻合)を生成することができる。外側管状部材201810は、アクチュエータハンドルアセンブリ201808に連結されている。外側管状部材201810は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802とハンドルアセンブリ201808との間にメカニカルグラウンドを提供する。
【0237】
ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、シャフトアセンブリ201806を介して伝達される単一の回転入力に応答して、組織をクランプし、組織を切り、組織をステープル留めするように動作可能である。したがって、ステープル留めヘッドアセンブリ201802が並進クラッチ機構を備えてもよいが、シャフトアセンブリ201806を通って線形に並進する作動入力は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に必要とされない。単に例として、ステープル留めヘッドアセンブリ201802の少なくとも一部は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、2012年12月17日出願の「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Modular End Effector」と題する米国特許出願第13/716,318号、2014年6月19日出願の米国特許公開第2014/0166728号の教示の少なくとも一部に従って構成されてもよい。ステープル留めヘッドアセンブリ201802の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0238】
シャフトアセンブリ201806は、ハンドルアセンブリ201808をステープル留めヘッドアセンブリ201802と連結させる。シャフトアセンブリ201806は、
図25に示される単一の作動機構である回転ドライバアクチュエータ201814を備える。ドライバアクチュエータ201814は、組織をクランプし、組織を切り、組織をステープル留めするために、ステープル留めヘッドアセンブリ201802を駆動するように動作可能である。したがって、回転ドライバアクチュエータ201814は、組織クランピングモードと組織切断/ステープル留めモードとの間でシフトするように長手方向に並進することができるが、シャフトアセンブリ201806を通る線形の作動は不要である。例えば、ドライバアクチュエータ201814は、第1の長手方向位置から並進することができ、ドライバアクチュエータ201814の回転により、ステープル留めヘッドアセンブリ201802において第2の長手方向位置に対する組織のクランプが行われ、ドライバアクチュエータ210814の回転により、ステープル留めヘッドアセンブリ201802において組織の切断及びステープル留めが行われる。シャフトアセンブリ201806のいくつかの変形例は、1つ又は2つ以上の可撓性部分を含んでもよい。可撓性部分を有して構成され、シャフトアセンブリ201806に組み込まれ得るシャフトアセンブリの例は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Lockable Flexible Shaft」と題する2012年12月17日に出願の米国特許出願第13/716,323号及び2014年6月19日出願の米国特許公開第2014/0166718号に開示されている。あるいは、シャフトアセンブリ201806は、シャフトアセンブリ201806の長さに沿って剛性であってもよく、あるいはいくつかの他の様式で構成された1つ又は2つ以上の可撓性部分を有してもよい。
【0239】
ハンドルアセンブリ201808が、
図25~
図27に示されている。ハンドルアセンブリ201808は、ハンドルハウジング201816と、モータハウジング201818と、モータ201820と、電池201822と、回転ノブ201812と、発射リング201826と、を備える。モータハウジング201818は、ハンドルハウジング201816内に位置付けられている。ハンドルハウジング201816は、
図26に示されるようにモータハウジング201818を支持するためにハンドルハウジング201816内に内側に延在するリブ(201827、201828、201830、201832)を備える。電池201822は、モータハウジング201818内のモータ201820に近位に位置付けられている。電池201822は、交換、廃棄、又は再充電されるように、モータハウジング201818から取り外されてもよい。
図27で最も良く分かるように、電池201822は、電池201822から遠位に延在する電気接点201834、201836を含む。モータ201820は、モータ201820から近位に延在する電気接点201838、201840を含む。電池の電気接点201836及びモータの電気接点201840は、導電性金属バンド201842を介して連結される。ねじ201844は、バンド201842をモータハウジング201818に連結して、モータハウジング201818に対するバンド201842の位置を固定する。したがって、バンド201842は、電池の電気接点201836及びモータの電気接点201840を常に連結するように構成されている。
【0240】
図27に示すように、バッテリ電気接点201846は、導電性金属バンド201848に連結されている。金属バンド201848は、導電性ねじ201854を介してモータハウジング201818に固定される。モータの電気接点201838は、導電性金属バンド201852に連結される。金属バンド201852は、導電性ねじ201850を介してモータハウジング201818に固定される。モータハウジング201818は、電気絶縁材料(例えば、プラスチック)から形成され、モータハウジング201818の周りに巻き付けられた環状接点201856、201858を含む。ねじ201850、201854はそれぞれ、それぞれの環状接点201856、201858と連結されて、電池の電気接点201834及びモータの電気接点201838を環状接点201856、201858にそれぞれ電気的に連結する。
【0241】
別の導電性金属バンド201860が、ハンドルハウジング201816に固定される。金属バンド201860の両端は、それぞれのばね接点201862、201864を形成する。モータハウジング201818は、ハンドルハウジング201816に対して近位にかつ/又は遠位に並進して、ばね接点201862、201864を環状接点201856、201858と選択的に連結及び/又は分離する。具体的には、モータハウジング201818が遠位位置にあるとき、ばね接点201862は、環状接点201856と係合し、ばね接点201864は、環状接点201858と係合して、電池201822をモータ201820と連結させ、モータ201820に電力を供給する。ばね接点201862、201864は、同じ導電性金属バンド201860の一部であり、接点201836、201840がバンド201866を介して既に連結されているため、ばね接点201862、201864と環状接点201856、201858との間の係合は、電池201822とモータ201820との間に回路を完成させることを理解されたい。この位置付けは、ステープル留めヘッドアセンブリ201802のモータ作動を提供するために使用される。モータハウジング201818が近位位置にあるとき、ばね接点201862、201864は、電池201822がモータ201820から分離され、モータ201820が電力を受けないように、環状接点201856、201858から分離される。この位置付けは、ステープル留めヘッドアセンブリ201802の手動作動を提供するために使用される。環状接点201856、201858の環状形状により、ハンドルハウジング201816内のモータハウジング201818の角度位置にかかわらず、ばね接点201862、201864と環状接点201856、201858との間の適正な接触が可能になる。いくつかの変形例では、モータハウジング201818が遠位位置であった後に、電池201822とモータ201820との間の連結を完了するためにユーザが外部スイッチを作動させることができるように、バンド201860は、外部スイッチと連結されている破断部を含んでもよい。
【0242】
モータハウジング201818の近位端は、
図25に示されるように、回転ノブ201812に固着して固定される。一態様では、回転ノブ201812は、回転ノブ201812を回転させるようにモータに連結されてもよい。回転ノブ201812は、ハンドルハウジング201816から近位方向に突出し、回転ノブ201812から遠位に延在するスプライン201868を備える。ハンドルハウジング201816は、スプライン201868に選択的に係合するための対応する歯201870を備える。回転ノブ201812は、ハンドルハウジング201816内でモータハウジング201818を並進させるように引っ張られ、かつ/又は押される。回転ノブ201812が近位位置にあるとき、回転ノブ201812及びモータハウジング201818がハンドルハウジング201816に対して自由に回転するように、スプライン201868はハンドルハウジング201816から係合解除される。この位置付けは、ステープル留めヘッドアセンブリ201802の手動作動を提供するために使用される。回転ノブ201812が遠位位置にあるとき、スプライン201868は、ハンドルハウジング201816内の対応する歯201870と係合して、回転ノブ201812及びモータハウジング201818をハンドルハウジング201816に対して回転させないように係止する。したがって、スプライン201868及び歯201870は、ハンドルハウジング201816に対するモータハウジング201818のメカニカルグラウンドを提供する。この位置付けは、以下でより詳細に説明するように、ステープル留めヘッドアセンブリ201802のモータ作動を提供するために使用される。回転ノブ201812は、ハンドルハウジング201816内の弾性部材201872によって遠位位置に付勢される。具体的には、弾性部材201872は、ハンドルハウジング201816のリブ201828から、モータハウジング201818の遠位端に一体的に固定された第1のギア201874まで遠位に延在する。回転ノブ201812が近位位置にあるとき、弾性部材201872は、第1のギア201874とリブ201828との間を圧縮して、ハンドルハウジング201816を遠位位置に弾性的に付勢する。
【0243】
動作モード選択アセンブリは、ハンドルハウジング201816内のモータハウジング201818の遠位に位置付けられる。
図28A及び
図28Bに示されるように、動作モード選択アセンブリは、第1のギア201874及び第2のギア201878を備え、第1のギア201874は、第2のギア201878の周りに同軸上及び摺動可能に配設されている。第1のギア201874は、第1のギア201874の内側開口部の周りに位置合わせされた正方形の歯を含む。正方形の歯は、円周方向に離間した凹部の配列を画定する。第2のギア201878は、
図28A及び
図28Bに示されるように、シャフト201880、スプライン201876及び環状フランジ201882を備える。シャフト201880は、遠位に向けられた開口部を有する。遠位に向けられた開口部は六角形であり、六角形であるドライバアクチュエータ201814の近位端201896を受容する(
図25)。シャフト201880はまた、モータ201820から遠位に延在する駆動シャフト201886を補完し、受容するための半円形である近位に向けられた開口部(図示せず)を有する。第2のギア201878をシャフト201896、201886と連結させるように、シャフト201896、201886の他の好適な形状及び構成が使用されてもよい。
【0244】
図28Aに示すように、第2のギア201878のスプライン201876は、シャフト201880の近位端上に位置付けられ、遠位方向に延在する。スプライン201876は、スプライン201876が歯の間に画定された凹部内に嵌合するように構成されるように、第1のギア201874の歯に対応する。一対の環状フランジ201882は、シャフト201880の遠位端に位置付けられ、ハンドルハウジング201816の内向きに延在する環状リブ201884と係合するように外方に向かって延在し、それによって、ハンドルハウジング201816内の第2のギア201878の長手方向位置を固定する。環状リブ201884は、ハンドルハウジング2001816内の第2のギア201878の長手方向位置を固定するが、それにもかかわらず、第2のギア201878がハンドルハウジング201816に対して回転することを可能にする。第2のギア201878を長手方向に固定するための他の好適な係合機構は、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかであろう。
【0245】
図28A及び
図28Bに示されるように、第1のギア201874は第2のギア201878の周りに位置付けられている。第1のギア201874は、モータハウジング201818の遠位端に固定的に連結されており、第1のギア201874は、モータハウジング201818と一体的に並進及び回転する。モータハウジング201818が近位位置にあるとき、
図28Bに示されるように、モータ201820及び第1のギア201874もまた近位位置にある。この位置では、モータ201820の駆動シャフト201886は、第2のギア201878から係合解除され、第1のギア201874の歯は第2のギア201878のスプラインと係合する。したがって、回転ノブ201812が回転すると、モータハウジング201818及び第1のギア201874もまた回転する。この位置付けにより、ステープル留めヘッドアセンブリ201802の手動作動がもたらされる。スプライン201876と係合された第1のギア2018784の歯により、回転ノブ201812は、モータハウジング201818に対して第2のギア201878を回転させる。
図28Aに示されるように、モータハウジング201818が遠位位置にあるとき、モータ201820及び第1のギア291874はまた、遠位位置にある。モータ201820は、シャフト201886、201880を介して第2のギア201878と係合される。第1のギア201874は、第2のギア201878のシャフト201880上を摺動してスプライン201876を係合解除する。したがって、モータ201820の駆動シャフト201886の回転により、第2のギア201878が回転する。これにより、ステープル留めヘッドアセンブリ201802のモータ作動が提供される。換言すれば、
図28Aに示すように、ノブ201812及びモータハウジング201818が遠位位置にあるとき、モータ201820は、第2のギア201878を回転させる。ノブ201812及びモータハウジング201818が
図28Bに示すように近位位置にあるとき、ノブ201812は、第2のギア201878を回転させる。
【0246】
図25及び
図26に戻って参照すると、第2のギア201878の遠位端はドライバアクチュエータ201814に連結され、第2のギア201878の回転がドライバアクチュエータ201814を回転させる。したがって、第2のギア201878が回転されると、ドライバアクチュエータ201814は回転し、アンビル201804とステープル留めヘッドアセンブリ201802との間の間隙距離dを調整する。ハンドルハウジング201816は、発射リング201826及び連結部材201890を更に備える。連結部材201890は、
図25に示すように、ドライバアクチュエータ201814の凹部201892の周りに固定される。したがって、連結部材201890はドライバアクチュエータ201814と並進するが、ドライバアクチュエータ201814は、連結部材201890内で自由に回転する。連結部材201890は、連結部材201890を発射リング201826に接続する外側に延在する突出部を備える。連結部材201890の突出部は、
図25に示すように、ハウジングアセンブリ201816のスロット201894を通って延在する。スロット201894は、ハンドルアセンブリ201816の一部の周りに円周方向に延在する。発射リング201826はハンドルハウジング201816の周りに巻き付けられ、ハンドルハウジング201816に対して回転可能かつ並進可能であり、スロット201894を通って連結部材201890の突出部を手動で駆動する。
【0247】
発射リング201826が遠位位置にあるとき、連結部材201890の突出部は、ハンドルハウジング201816のスロット201894内に位置付けられる。連結部材201890がスロット201894内に位置付けられると、連結部材201890は、ドライバアクチュエータ201814を、アンビル201804とステープル留めヘッドアセンブリ201802との間の間隙距離dを調節するように動作可能なステープル留めヘッドアセンブリ201802内の特徴部と連結させる。例えば、連結部材201890がスロット201894内で時計回りに回転する場合、間隙距離dは減少して、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対してアンビル201804を閉鎖させる。連結部材201890がスロット201894内で反時計回りに回転すると、間隙距離dは増加して、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対してアンビル201804を開放させる。弾性部材201888は、連結部材201890を遠位に付勢するように、連結部材201890の近位に位置付けられている(
図25)。次いで、発射リング201826の連結部材201890は、スロットを通って近位方向に並進され得る。発射リング201826が近位位置にあるとき、連結部材201890の突出部は、スロット内に位置付けられる。連結部材201890がスロット内に位置付けられるとき、連結部材201890は、ドライバアクチュエータ201814の回転に応答してナイフ及びステープルを駆動するステープル留めヘッドアセンブリ201802内の機構とドライバアクチュエータ201814を連結させる。例えば、連結部材201890がスロット内で時計回りに回転する場合、ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、ナイフ及びステープルを駆動する。スロットの構成は、連結部材201890が反時計回りに回転することを防止する。他の好適な連結部材201890の回転構成が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0248】
図26に示すように、スイッチ201898は、ハンドルハウジング201816内に位置付けられて、連結部材201890と位置合わせされる。モータ動作モードが選択されると、スイッチ201898は、スイッチ201898が押し下げられたときに、モータ201820と電池201822を電気的に連結するように構成され、スイッチ201898は、スイッチ201898が押し下げられていないときに、モータ201820と電池201822を電気的に分離するように構成されている。連結部材201890は、連結部材201890が回転すると、スイッチ201898と係合し、これを押圧するように構成されている。
【0249】
次に、
図29A~
図29Cを参照して、本例において、器具201800は、閉鎖システム及び発射システムを備える。閉鎖システムは、トロカール201904、トロカールアクチュエータ201906、及び回転ノブ201812を備える(
図24)。前述したように、回転ノブ201812は、回転ノブ201812を時計回り又は反時計回り方向に回転させるためにモータに連結されてもよい。アンビル201804は、トロカール201904の遠位端に連結されてもよい。回転ノブ201812は、トロカール201904をステープル留めヘッドアセンブリ201802に対して長手方向に並進させ、これにより、アンビル201804がトロカール201904に連結されたときに、アンビル201804を並進させてアンビル201804とステープル留めヘッドアセンブリ201804との間で組織をクランプするように動作可能である。発射システムは、トリガ、トリガ作動アセンブリ、ドライバアクチュエータ201908、及びステープルドライバ201910を備える。ステープルドライバ201910は、ステープルドライバ201910が長手方向に作動したときに、組織を切るように構成されたナイフ201912などの切断要素を備える。それに加えて、ステープルドライバ201910を長手方向で作動させると、ステープルドライバ201910がステープル201902も遠位側に駆動するように、ステープル201902は、ステープルドライバ201910の複数のステープル駆動部材201914の遠位側に位置付けられる。それ故、ステープルドライバ201910がドライバアクチュエータ201908を介して作動すると、ナイフ201912部材201914は、組織201916を実質的に同時に切ると共に、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対して遠位側に、組織内へとステープル201902を駆動する。次に、閉鎖システム及び発射システムの構成要素と機能性について、より詳細に説明する。
【0250】
図29A~
図29Cに示したように、アンビル201804は、表面を提供するように器具201800に選択的に連結可能であり、該表面に対して、ステープル201902を曲げて、ステープル留めヘッドアセンブリ201802とアンビル201804との間に収容された物質をステープル留めすることができる。本実施例のアンビル201804は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対して遠位側に延びるトロカール又は先のとがったロッド201904に選択的に連結可能である。
図29A~
図29Cを参照すると、アンビル201804は、アンビル201904の近位シャフト201918をトロカール201904の遠位先端部の連結部を介して、選択的に連結可能である。アンビル201804は、概ね円形のアンビルヘッド201920、及びアンビルヘッド201920から近位方向に延びる近位シャフト201918を備える。図示されている例では、近位シャフト201918は、アンビル201804をトロカール201904に対して選択的に連結するための、弾性的に付勢された保持クリップ201924を有する管状部材201922を備えるが、これは単に任意選択のものであり、同様にアンビル201804をトロカール201904に対して連結するための、他の保持機構を使用してもよいことを理解すべきである。例えば、アンビル201804をトロカール201904に連結するために、Cクリップ、クランプ、糸、ピン、接着剤などを用いてよい。それに加えて、アンビル201804は、トロカール201904に選択的に連結可能であるように説明しているものの、変形例によっては、近位シャフト201918は、一旦アンビル201804を装着するとアンビル201804をトロカール201904から取り外せないように、一方向の連結機構を備えていてもよい。例として、一方向の機構として、かえし(barb)、一方向スナップ、コレット、カラー、タブ、バンドなどが挙げられる。当然ながら、アンビル201804をトロカール201904に連結するための更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、トロカール201904は、代わりに中空シャフトであってもよく、近位シャフト201918はこの中空シャフトに挿入可能なとがったロッドを備えていてもよい。
【0251】
本例のアンビルヘッド201920は、アンビルヘッド201920の近位面201940に形成された複数のステープル形成ポケット201936を備える。したがって、
図29Cに示したように、アンビル201804が閉鎖位置にあり、ステープル201902がステープル留めヘッドアセンブリ201802からステープル形成ポケット201936の中へと駆動されたとき、ステープル201902の脚部201938が曲げられて、完成したステープルが形成される。
【0252】
別個の構成部品としてのアンビル201804の場合は、アンビル201804は、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に連結される前に、組織201916の一部分に挿入され、固定されてよいことを理解すべきである。例示的なものにすぎないが、器具201800が、組織201916の第2の管状部分の中に挿入され、固定された状態で、アンビル201804が、組織201916の第1の管状部分の中に挿入され、固定されてもよい。例えば、組織201916の第1の管状部分は、アンビル201804の一部分に対して、又はアンビル201804の一部分の周囲に縫合されてもよく、組織201916の第2の管状部分は、トロカール201904に対して、又はトロカール201904の周囲に縫合されてもよい。
【0253】
図29Aに示したように、その後、アンビル201804は、トロカール201904に連結される。本例のトロカール201904は、最遠位の作動位置に示されている。このようにトロカール201904が伸長した位置にくることで、アンビル201804を取り付ける前に組織201916が連結され得る面積をより広く与えることができる。それに加えて、トロカール20190400が伸長した位置にくることで、アンビル201804のトロカール201904に対する装着をより容易にすることもできる。トロカール201904は、先細りの遠位先端部を更に備える。このような先端部は、組織に穿刺し、かつ/又はアンビル201804のトロカール201904への挿入を補助できるが、先細りの遠位先端部は単に任意選択のものである。例えば、他の変形例では、トロカール201904は、鈍先端部を有していてもよい。それに加えて、又はその代わりに、トロカール201904は、アンビル201804をトロカール201904の方へ引き付けることができる磁性部分(図示せず)を備えていてもよい。当然ながら、アンビル201804及びトロカール201904に対する更に他の構成及び配置が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0254】
アンビル201804がトロカール201904に連結されると、アンビル201804の近位面とステープル留めヘッドアセンブリ201802の遠位面との間の距離が、間隙距離dを定義する。本発明の例のトロカール201904は、以下でより詳細に説明されるように、アクチュエータハンドルアセンブリ201808(
図24)の近位端に位置する調整ノブ201812(
図24)を介して、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対して、長手方向に移動可能である。結果的に、アンビル201804がトロカール201904に連結されると、ステープル留めヘッドアセンブリ201802に対してアンビル201804を作動させることにより、調節ノブ201812の回転によって間隙距離dが拡大又は縮小する。例えば、
図29A及び
図29Bに連続的に示したように、アンビル201804は、初めの開放位置から閉鎖位置へアクチュエータハンドルアセンブリ201808に対して近位側に作動していることが示されていて、これによって間隙距離d及び組織201916の接合されるべき2つの部分間の距離が短くなる。一旦間隙距離dが所定の範囲以内になれば、
図29Cに示したように、ステープル留めヘッドアセンブリ201802が発射され、アンビル201804とステープル留めヘッドアセンブリ201802との間の組織201916をステープル留めして切ることができる。ステープル留めヘッドアセンブリ201802は、以下により詳細に説明するように、アクチュエータハンドルアセンブリ201808のトリガによって、組織201916をステープル留めし、切るように動作可能である。
【0255】
図29A~
図29Cを再度参照すると、ステープル留めされる組織201916の一部分の中にアンビルヘッド201920が位置するように、ユーザは、組織201916の一部分を管状部材201944の周囲に縫合する。組織201916がアンビル201804に装着されると、ユーザがアンビル201804をトロカール201904に連結できるように、保持クリップ201924及び管状部材201922の一部分が組織201916から外へ突出する。組織201916がトロカール201904及び/又はステープル留めヘッドアセンブリ201802の別の部分に連結された状態で、ユーザは、アンビル201804をトロカール201904に取り付け、アンビル201804をステープル留めヘッドアセンブリ201802に向かって近位に作動させて、間隙距離dを低減させる。器具201800が動作範囲内に入ると、ユーザは次に、組織201916の端部を共にステープル留めし、それによって、組織201916の実質的に連続した管状部分を形成する。
【0256】
本発明の例のステープル留めヘッドアセンブリ201802は、シャフトアセンブリ201806の遠位端に連結され、摺動可能なステープルドライバ201910と、ステープルポケット201928内に包含される複数のステープル201902とを収容する管状ケーシング201926を備える。本実施例のシャフトアセンブリ201806は、外側管状部材201942及びドライバアクチュエータ201908を備える。ステープル201902及びステープルポケット201928は、管状ケーシング201926の周囲に円形配列で設けられている。本実施例では、ステープル201902及びステープルポケット201928は、ステープル201902とステープルポケット201928とからなる一対の同心環状列として設けられている。ステープルドライバ201910は、アクチュエータハンドルアセンブリ201808の回転に反応して、管状ケーシング201926内で長手方向に作動するように動作可能である(
図24)。
図29A~
図29Cに示したように、ステープルドライバ201910は、トロカール開口部201930と、中央凹部201932と、中央凹部201932の周囲に円周に沿って配設されると共に、シャフトアセンブリ201806に対して遠位側に延びる複数の部材201914とを有するフレア状の円筒状部材を備える。各部材201914は、ステープルポケット201928内の複数のステープル201902のうち、対応するステープル201902と接触し、係合するように構成されている。したがって、ステープルドライバ201910がアクチュエータハンドルアセンブリ201808に対して遠位側に作動するとき、各部材201914は、管状ケーシング201926の遠位端に形成されるステープル孔201934を通して、対応するステープル201902をそのステープルポケット201928から打ち込む。それぞれの部材201914はステープルドライバ201910から延びているため、複数のステープル201902は、実質的に同時にステープル留めヘッドアセンブリ201802から駆動される。アンビル201804が閉鎖位置にあるとき、ステープル201902は、ステープル形成ポケット201936の中へと駆動されて、ステープル201902の脚部201938を曲げ、それによって、アンビル201804とステープル留めヘッドアセンブリ201808との間に位置する物質をステープル留めする。
図30は、例として、部材201914によってアンビル201804のステープル形成ポケット201928内に駆動されて、脚部201938を曲げるステープル201902を示している。
【0257】
図24~
図31を参照して本明細書に記載されるモータ付円形ステープル留め器具201800、202080は、
図16~
図23に関連して説明される制御回路のいずれかを使用して制御されてもよい。例えば、
図16を参照して説明される制御システム470。更に、モータ付円形ステープル留め器具201800は、
図1~
図15に関連して説明されるように、ハブ及びクラウド環境で用いられてもよい。
【0258】
円形ステープラ制御アルゴリズム
様々な態様において、本開示は、ロックアウトタイプ及びロックアウト条件に基づく様々な反応及び動作条件に基づいてロックアウトを行うように、円形ステープラ制御アルゴリズムが設定されている電動ステープル留め装置を提供する。一態様では、ステープル留め装置の制御アルゴリズムは、電動ステープラが動作するための限界条件及び必要条件に基づいて、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトを開始するように構成することができる。別の態様では、強制的電子ロックアウトの反応は、状況が解決されるまで装置機能を禁止することである。
【0259】
動作条件に基づくロックアウト
一態様では、ステープル留め装置の制御アルゴリズムは、電動ステープラが動作するための限界条件及び必要条件に基づいて、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトを開始するように構成することができる。一態様では、ステープル留め装置の制御アルゴリズムは、システム内の感知されたパラメータに基づいて、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの両方を実施するように構成され得る。任意のロックアウトは、順次処理の自動実行を休止させるが、例えば、ユーザ入力によって無効にされてもよい。強制的ロックアウトは、次の順次工程を防止し、ユーザに動作の工程を途中でやめさせ、例えば、ロックアウトを誘発したロックアウト条件を解消させる。一態様では、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの両方は、上限閾値及び下限閾値の両方を有することができる。したがって、電動ステープル留め装置は、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの組み合わせを含むことができる。
【0260】
一態様では、電動円形ステープル留め装置は、システムの作動を防止するか、又は感知された状態及び二次的測定値に基づいて機能を調節することができる調節可能な電子ロックアウトを備えることができる。一態様では、二次的測定値としては、例えば、故障の重篤度、ユーザ入力、又は既定の比較ルックアップテーブルが挙げられると考えられる。
【0261】
ロックアウトタイプ及びロックアウト条件に基づく様々な反応
強制的電子ロックアウトの反応は、状況が解決されるまで装置機能を禁止することである。逆に、任意のロックアウトへの反応は、よりわずかであり得る。例えば、任意のロックアウトは、警告指示、続行することにユーザの同意を要求するアラート、作動の速度若しくは力の変更又は待機時間の変更、又は状況が解決若しくは安定化されるまで行われる特定の機能の禁止を含むと考えられる。動作中、円形ステープラに対する必須条件としては、例えば、アンビルがクランプ前に完全に着座しているか、又は発射前にカートリッジにステープルが装填されることを挙げることができる。円形ステープラの実行可能な条件としては、例えば、所与の組織厚又は最小組織圧縮に関して許容可能なステープルの高さ以内であることを挙げることができる。更に、様々な条件は、同じパラメータ、例えば、電池パック内の電力レベルの任意のレベルの閾値及び強制的レベルの閾値の両方を有すると考えられる。
【0262】
一態様では、ステープル留め器具は、ロックアウトタイプに基づいて器具の機能を防止又は調節するための様々な制御機構を実装するように構成され得る。一態様では、強制的ロックアウトは、単に電子的インターロック、機械的インターロック、又はこれらの2つの組み合わせであると考えられる。2つのロックアウトを有する様々な態様では、ロックアウトは、冗長であるか、又はデバイスの設定に基づいて任意選択的に使用されると考えられる。一態様では、任意のロックアウトは、感知されたパラメータに基づいて調節可能であり得るように、電子ロックアウトとすることができる。例えば、任意のロックアウトは、電子的に無効化される機械的インターロックであると考えられ、あるいは単なる電子ロックアウトであると考えられる。
【0263】
図31は、本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留め器具の例示的な発射のためのアンビル間隙及び組織圧縮力Fと時間を描く第1の対のグラフ202000、202020のグラフ表示である。組織圧縮力Fはまた、閉鎖するための力(FTC)として表現され得る。上のグラフ202000は、アンビル間隙δが垂直軸に沿って示され、時間が水平軸に沿って示され、下のグラフ202020において示されるような、3つの別個の組織圧縮力において、経時的なアンビル間隙の閉鎖を表す3つの別個のアンビル間隙曲線202002、202004、202006を示す。アンビル間隙曲線202002、202004、202006は、アンビル間隙δの(複数の)調節が制御アルゴリズムによって行われるまで、可変剛性の組織、一定の厚さの組織、及び一定のアンビル間隙δに関する時間tの関数としての電動円形ステープル留め装置202080(
図33)のアンビル閉鎖を表す。
図1~
図23を参照して本明細書に記載される制御回路のいずれかによって実施される制御アルゴリズムは、1つ又は2つ以上の様々な閾値と比較される感知された組織圧縮力Fに従ってアンビル間隙を調節するように構成され得る。
【0264】
次に、
図33を簡単に参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、有効な組織間隙δ
y、実際の間隙δ
actual、通常の範囲の間隙δ
2、及び範囲外の間隙δ
3を示す、電動円形ステープル留め装置202080の概略図が示されている。電動円形ステープル留め装置202080は、円形ステープラ202082及びアンビル202084を備え、アンビル202084は、アンビル201084とステープラ202082との間に組織をクランプするために開放位置から閉鎖位置へと後退する。アンビル202084が組織上で完全にクランプされると、アンビル202084とステープラ202082との間に画定された間隙δが存在することとなる。円形ステープラ202082が発射される(例えば、作動される)場合、ステープルの形成は、組織の間隙δに依拠する。
図33に示すように、通常の範囲の間隙δ
2に関して、ステープル202088は良好に形成される。間隙δが小さすぎると、ステープル202086が過度に緊密に形成され、間隙δが大きすぎると、ステープル202090が過度に緩く形成される。
【0265】
次に、
図31に戻り、上のグラフ202000及び下のグラフ202020並びに
図33を参照して、アンビル201084は、アンビル201084が時間t
1において初期組織接触点202008に到達する前に、時間t
0において、最大アンビル間隙δ
maxを超えてあらかじめ開放される。図示のように、一定の組織厚に起因して、t
1は、可変組織剛性を有する組織に関する共通の組織接触点である。時間t
1において、アンビル間隙δは、依然として、上側発射ロックアウト閾値202012を規定する最大アンビル間隙δ
maxと下側発射ロックアウト閾値202014を規定する最小アンビル間隙δ
min202014との間に示される理想発射ゾーン202016の外側にある。アンビル201084が閉鎖し続けるにつれて、時間t
1における初期組織接触点202008から組織圧縮力Fは増加し始める。組織圧縮力Fは、剛性の観点から組織の生物力学的特性の関数として変化することとなる。下のグラフ202020に示されるように、通常剛性の組織は、第1の組織圧縮力曲線202022によって表され、高剛性の組織は、第2の組織圧縮力曲線202024によって表され、低剛性の組織は、第3の組織圧縮力曲線202026によって表される。
【0266】
アンビル201084が最大アンビル間隙δmaxと最小アンビル間隙δminとの間で閉鎖し続けるにつれて、アンビル間隙δは、時間t2において一定のアンビル間隙202018の点に到達する。下のグラフ202020に示すように、時間t2において、第1の組織圧縮力曲線202022によって表される通常剛性の組織に関する組織圧縮力Fは、上側警告閾値202032を規定する最大圧縮力Fmaxと下側警告閾値202034を規定する最小圧縮力Fminとの間に規定される理想発射ゾーン202036の範囲内にある。時間t2において、第2の組織圧縮力曲線202024によって表される高剛性の組織に関する組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202036の外側の上側警告閾値202032を上回る。また、第3の組織圧縮力曲線202026によって表される低剛性の組織に対する組織圧縮力は、理想発射ゾーン202036の外側の下側警告閾値202034未満である。
【0267】
時間t2から時間t3まで、アンビル201084は、3つのアンビル間隙曲線202002、202004、202006によって上のグラフ202000に示されるように、一定の間隙δに維持される。この一定の間隙δの期間により組織クリープが可能になり、下のグラフ202020に示されるように、3つの組織圧縮力曲線202022、202024、202026によって示されるように、この組織クリープの間に平均組織圧縮力Fがゆっくりと低下する。組織クリープは、組織が把持され、平均組織圧縮力Fが所定の閾値に達し、ステープル及びナイフが配備される発射段階を開始する前に、アンビル201084及びステープラ202082が所定の時間にわたって組織を間に保持するように、アンビル201084の閉鎖運動に至った後に訪れる段階である。組織クリープの段階の間、平均組織圧縮力Fは、t2~t3の期間にわたって低下する。組織は、固体材料及び液状材料から構成されていることを部分的に理由として、圧縮時に伸びる傾向がある。この特性を考慮した1つの方法が「組織クリープ」である。組織を圧縮すると、ある特定量の組織クリープが生じ得る。したがって、組織が圧縮されると、組織クリープを達成する特定の状況下での適切な時間により、恩恵が生じ得る。1つの恩恵は、適切なステープル形成であり得る。これは、一貫したステープル線に寄与することができる。したがって、発射よりも前に組織クリープをイネーブルするために、特定の時間を与えることができる。
【0268】
ここで
図23もまた参照すると、アンビル間隙δが一定に維持されて組織クリープを可能にする期間の後、時間t
3において、ステープルを配備する前に、点202010において、制御回路760は、ステープルカートリッジ764に対するアンビル766(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)の可能な調節が必要であるかどうかを判定する。したがって、制御回路760は、組織圧縮力Fが、理想発射ゾーン202036の間にあるか、最大圧縮力F
max閾値202032を上回るか、又は最小圧縮力F
min閾値202034を下回るかを判定し、アンビル間隙δに任意の必要な調節を行う。組織圧縮力Fが理想発射ゾーン202036の間にある場合、制御回路760は、ステープルカートリッジ768内のステープルを配備し、ナイフ764を配備する。
【0269】
組織圧縮力Fが最大圧縮力F
max閾値202032を上回る場合、制御回路760は、圧縮力が過度に緊密であるという警告を登録し、アンビル間隙δを調節するか、発射前の待機時間を増加させるか、発射速度を下げるか、若しくは発射ロックアウトを可能にするか、又はこれらの任意の組み合わせを行うように構成されている。制御回路760は、アンビル766を遠位に、例えば、ステープルカートリッジ768(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)から離れる方向へ前進させることによって、時間t
3を超えたアンビル間隙曲線2002004のセグメントによって示されるように、アンビル間隙δを増加させることによって、アンビル間隙δを調節することができる。時間t
3を超えた組織圧縮力曲線202024のセグメントによって示されるように、制御回路760がアンビル間隙δを増加させた後、組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202036へと減少する。
【0270】
組織圧縮力Fが最小圧縮力F
min閾値202034を下回る場合、制御回路760は、圧縮力が緩くなり過ぎているという警告を登録し、アンビル間隙δを調節するか、慎重に進めるか、若しくは発射ロックアウトを可能にするか、又はこれらの任意の組み合わせを行うように構成されている。制御回路760は、アンビル766を近位に、例えば、ステープルカートリッジ768(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)に向かって後退させて、時間t
3を超えたアンビル間隙曲線2002006のセグメントによって示されるように、アンビル間隙δを減少させることによって、アンビル間隙δを調節するように構成されている。時間t
3を超えた組織圧縮力曲線202026のセグメントによって示されるように、アンビル間隙δを減少させた後、組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202036へと増加する。
【0271】
ここで
図32に進むと、本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留め器具の例示的な発射のためのアンビル間隙及び組織圧縮力Fと時間を示す第2の対のグラフ202040、202060のグラフ表示が示されている。上のグラフ202040は、3つの別個の組織厚における、経時的なアンビル間隙の閉鎖を表す3つの別個のアンビル間隙曲線202042、202046、202046を示し、アンビル間隙δは垂直軸に沿って示され、時間は水平軸に沿って示されている。アンビル間隙曲線202042、202044、202046は、アンビル間隙δの(複数の)調節が制御アルゴリズムによって行われるまで、可変厚さの組織、一定の剛性の組織、及び一定のアンビル間隙δに関する時間tの関数としての電動円形ステープル留め装置202080(
図33)のアンビル閉鎖を表す。
図1~
図23参照して本明細書に記載される制御回路のいずれかによって実施される制御アルゴリズムは、1つ又は2つ以上の様々な閾値と比較される感知された組織圧縮力Fに従ってアンビル間隙を調節するように構成され得る。
【0272】
ここで、上のグラフ202040及び下のグラフ202060並びに
図33を参照すると、厚さが大きい組織に関する組織圧縮力曲線202064が増加し始める時間t
1において、アンビル201084が厚さが大きい組織に関する第1の組織接触点202048に到達する前に、アンビル201084は、時間t
0において、最初に最大アンビル間隙δ
maxを超えて開放される。時間t
1において、アンビル間隙δは、依然として、上側発射ロックアウト閾値202052を規定する最大アンビル間隙δmaxと下側発射ロックアウト閾値202054を規定する最小アンビル間隙δminとの間に示される理想発射ゾーン202056の外側にある。図示のように、一定の組織剛性及び可変的な組織厚により、アンビル201084は、異なる時間に組織に接触する。例えば、時間t
1は、組織厚が大きい組織に関する第1の組織接触点202048であり、時間t
2は、通常の厚さの組織に関する第2の組織接触点であり、時間t
3は、厚さが小さい組織に関する第3の組織接触点202058である。
【0273】
第1の組織圧縮力曲線202062は、通常の厚さの組織に関する圧縮力を表し、通常の厚さの組織が最初にアンビル201804と接触した時間t2で増加し始める。第2の組織圧縮力曲線202064は、厚さが大きい組織を表し、厚さが大きい組織が最初にアンビル201804と接触した時間t1で増加し始める。第3の組織圧縮力曲線202066は、厚さが小さい組織を表し、厚さが小さい組織が最初にアンビル201804と接触した時間t3で増加し始める。時間t2及びt3における第2及び第3の組織接触点において、厚さが通常及び小さい組織に関して、アンビル間隙δは、理想発射ゾーン202056、202076の範囲内にある。組織圧縮力Fは、組織厚の生体力学的特性の関数として変化することとなる。下のグラフ202040に示されるように、通常の厚さの組織は、第1の組織圧縮力曲線202042によって表され、厚さが大きい組織は、第2の組織圧縮力曲線202044によって表され、低剛性の組織は、第3の組織圧縮力曲線202066によって表される。アンビル201084が閉鎖し続けるにつれて、時間t1、t2、t3における初期組織接触点から、各曲線202062、202064、2020066の組織圧縮力は、アンビル間隙が所定の値に達し、ステープラ202082が発射する準備が整うまで、t4~t5の間に一定のままである時間t4まで増加し始める。
【0274】
アンビル201084が最大アンビル間隙δmaxと最小アンビル間隙δminとの間で閉鎖し続けると、アンビル間隙δは、時間t4において一定のアンビル間隙の点に到達する。下のグラフ202060に示すように、時間t4において、第1の組織圧縮力曲線202062によって表される通常の厚さの組織に関する組織圧縮力Fは、上側警告閾値202072を規定する最大圧縮力Fmaxと、下側警告閾値202074を規定する最小圧縮力Fminとの間に規定される理想発射ゾーン202076の範囲内にある。時間t4において、第2の組織圧縮力曲線202064によって表される厚さが大きい組織に関する組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202076外で上側警告閾値202072を上回り、第3の組織圧縮力曲線202066によって表される厚さが小さい組織に関する組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202076外で下側警告閾値202074未満である。
【0275】
時間t4から時間t5まで、アンビル201084は、3つのアンビル間隙曲線202042、202044、202046によって上のグラフ202040に示されるように、一定の間隙δに維持される。この一定の間隙δの期間により組織クリープが可能になり、下のグラフ202060に示されるように、3つの組織圧縮力曲線202062、202064、202066によって示されるように、この組織クリープの間に平均組織圧縮力Fがゆっくりと低下する。組織クリープは、組織が把持され、ステープル及びナイフが配備される発射段階を開始する前に、アンビル201084及びステープラ202082が、所定の時間にわたって組織を間に保持するように平均組織圧縮力Fが所定の閾値及びアンビル201084の閉鎖運動に達した後に入る段階である。組織クリープの段階の間、平均組織圧縮力Fは、t2~t3の期間にわたって低下する。組織は、固体材料及び液状材料から構成されていることを部分的に理由として、圧縮時に伸びる傾向がある。この特性を考慮した1つの方法が「組織クリープ」である。組織を圧縮する時、ある特定量の組織クリープが生じ得る。したがって、組織が圧縮されると、組織クリープを達成する特定の状況下での適切な時間により、恩恵が生じ得る。1つの恩恵は、適切なステープル形成であり得る。これは、一貫したステープル線に寄与することができる。したがって、発射よりも前に組織クリープをイネーブルするために、特定の時間を与えることができる。
【0276】
ここで
図23もまた参照すると、アンビル間隙δが一定に維持されて組織クリープを可能にする期間の後、時間t5において、ステープルを配備する前に、点202050において、制御回路760は、ステープルカートリッジ764に対するアンビル766(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)の可能な調節が必要であるかどうかを判定する。したがって、制御回路760は、組織圧縮力Fが、理想発射ゾーン202076の間にあるか、最大圧縮力F
max閾値202072を上回るか、又は最小圧縮力F
min閾値202074を下回るかを判定し、アンビル間隙δに任意の必要な調節を行う。組織圧縮力Fが理想発射ゾーン202076の間にある場合、制御回路760は、ステープルカートリッジ768内のステープルを配備し、ナイフ764を配備する。
【0277】
組織圧縮力Fが最大圧縮力F
max閾値202072を上回る場合、制御回路760は、圧縮力が過度に緊密であるという警告を登録し、アンビル間隙δを調節するか、発射前の待機時間を増加させるか、発射速度を下げるか、若しくは発射ロックアウトを可能にするか、又はこれらの任意の組み合わせを行うように構成されている。制御回路760は、アンビル766を遠位に、例えば、ステープルカートリッジ768(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)から離れる方向に前進させて、時間t
5を超えたアンビル間隙曲線2002044のセグメントによって示されるように、アンビル間隙δを増加させることによって、アンビル間隙δを調節することができる。制御回路760がアンビル間隙δを増加させた後、時間t
5を超えた組織圧縮力曲線202064のセグメントによって示されるように、組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202076へと減少する。
【0278】
組織圧縮力Fが最小圧縮力F
min閾値202074を下回る場合、制御回路760は、圧縮力が過度に緩くなるという警告を登録するように構成され、アンビル間隙δを調節するか、慎重に進めるか、若しくは発射ロックアウトを可能にするか、又はこれらの任意の組み合わせを行うことができる。制御回路760は、アンビル766を近位に、例えば、ステープルカートリッジ768(
図33のアンビル201804及びステープラ202084)に向かって後退させて、時間t
5を超えたアンビル間隙曲線202046のセグメントによって示されるように、アンビル間隙δを減少させることによって、アンビル間隙を調節するように構成されている。アンビル間隙δを減少させた後、時間t
5を超えた組織圧縮力曲線202066のセグメントによって示されるように、組織圧縮力Fは、理想発射ゾーン202076へと増加する。
【0279】
図31及び
図32を参照すると、一態様では、アンビル間隙δは、例えば、
図20を参照して説明されるように、閉鎖モータ603からの読み取り値に基づいて、コントローラ620によって決定され得る。一態様では、アンビル間隙δは、例えば、
図21を参照して説明されるように、アンビル716に連結された位置センサ734からの読み取り値に基づいて、制御回路710によって決定されてもよい。一態様では、アンビル間隙δは、例えば、
図22及び
図23を参照して説明されるように、アンビル766に連結された位置センサ784からの読み取り値に基づいて、制御回路760によって決定されてもよい。
【0280】
図31及び
図32を参照すると、一態様では、組織圧縮力Fは、
図20を参照して説明されるように、閉鎖モータ603からの読み取り値に基づいて、コントローラ620によって決定されてもよい。例えば、組織圧縮力Fは、モータの引き込み電流に基づいて決定されてもよく、アンビルを閉鎖している間のより高い引き込み電流は、より高い組織圧縮力に関連する。一態様では、組織圧縮力Fは、例えば、
図21を参照して説明されるように、アンビル716又はステープルカートリッジ718に連結されたひずみゲージなどのセンサ738からの読み取り値に基づいて、制御回路710によって決定され得る。一態様では、組織圧縮力Fは、
図22及び
図23を参照して説明されるように、アンビル766に連結されたひずみゲージなどのセンサ788からの読み取り値に基づいて、制御回路760によって決定されてもよい。
【0281】
図34は、本開示の少なくとも1つの態様による、閾値と比較された感知されたパラメータにかかわる任意のロックアウト又は強制的ロックアウトを提供するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス202100の論理フロー図である。
図34に示すように、1つ又は2つ以上の閾値に対する測定されたアンビル間隙と、1つ又は2つ以上の閾値に対する測定された(別様にFTCと称される)組織圧縮力Fとの比較に従って、制御アルゴリズムは、器具に無制限に発射させ(例えば、作動させ)るか、任意のロックアウトを実施させ(例えば、ユーザに警告を提供させ)るか、又は器具の強制的ロックアウトを実施させることができる。
【0282】
したがって、
図22、
図33及び
図34を参照して、プロセス202100は、
図22~
図32を参照して説明される。制御回路760は、
図23のアンビル766が
図33のアンビル202084として示され、
図22におけるステープルカートリッジ768が
図33のステープラ202082として示されているプロセス202100を実行するアルゴリズムを実装する。電動円形ステープル留め装置202080の構成及び動作に関する更なる詳細は、
図24~
図30を参照して本明細書に記載される。プロセス202100に戻り、制御回路760は、
図31及び
図32に関連して説明されるように、アンビル766に連結された位置センサ784からの読み取り値に基づいてアンビル間隙δを決定する。アンビル間隙δがδ
3>δ
Maxであるとき、アンビル間隙は範囲外であり、制御回路760は、強制的ロックアウトを用いる(202104)。アンビル間隙δがδ
Max>δ
2>δ
Minであるとき、アンビル間隙δは範囲内であり、制御回路760は、
図36を参照して説明されるように、組織圧縮力F(FTC)を決定する(202106)。上述のように、組織圧縮力は、アンビル766又はステープルカートリッジ768に連結されたひずみゲージセンサ788からの読み取り値に基づいて、制御回路760によって決定されてもよい。あるいは、組織圧縮力は、モータ754による引き込み電流に基づいて決定されてもよい。
【0283】
ここで
図34及び
図36を参照すると、FTCが理想FTC閾値未満であるとき(X
1<理想FTC)、すなわち、
図36のゾーンAにあるとき、制御回路760は、無制限電子ロックアウトを実行する(202108)。FTCが最大FTC閾値と理想FTC閾値との間にあるとき(最大>X
2>理想)、すなわち、
図36のゾーンBにあるとき、制御回路760は、制限なしに任意の電子ロックアウトを実行する(202110)。一態様では、この条件下で、制御回路760は、メッセージ又はアラート(聴覚、視覚、触覚など)の形態の警告を発行する。FTCが最大FTC閾値より大きい場合(X
3>限界)、すなわち、
図36のゾーンCにあるとき、制御回路は、制限を有する任意の電子ロックアウトを実行する(202112)。この条件下で、制御回路760は、メッセージ又はアラート(聴覚、視覚、触覚など)の形態の警告を発行し、発射前に待機期間を適用する。様々な態様では、電動円形ステープル留め装置202080は、202082ステープラの作動を防止するか、又は感知された条件及び二次的測定値に基づいて、電動円形ステープル留め装置202080の機能を調節することができる、本明細書に記載されるような調節可能な電子ロックアウトを含む。
【0284】
一態様では、プロセス202100として本明細書に記載される電動円形ステープル留め装置202080の制御アルゴリズムは、電動円形ステープル留め装置202080が動作するための限界条件及び必要条件に基づいて、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトを開始するように構成することができる。一態様では、電動円形ステープル留め装置202080のためのプロセス202100は、システム内の感知されたパラメータに基づいて、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの両方を実施するように構成することができる。任意のロックアウトは、順次処理の自動実行を休止させるが、例えば、ユーザ入力によって無効にされてもよい。強制的ロックアウトは、次の順次工程を防止し、ユーザに動作の工程を途中でやめさせ、例えば、ロックアウトを誘発したロックアウト条件を解消させる。一態様では、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの両方は、上限閾値及び下限閾値の両方を有することができる。したがって、電動円形ステープル留め装置202080は、任意のロックアウト及び強制的ロックアウトの組み合わせを含むことができる。
【0285】
一態様では、プロセス202100として本明細書に記載される電動円形ステープル留め装置202080の制御アルゴリズムは、システムの作動を防止するか、又は感知された条件及び二次的測定値に基づいてその機能を調節することができる電子ロックアウトを調節するように構成され得る。感知された条件は、FTC、アンビル変位、間隙δ、ステープルの形成であってもよく、二次的測定値としては、例えば、故障の重篤度、ユーザ入力、又は所定の比較ルックアップテーブルを挙げることができる。
【0286】
一態様では、強制的電子ロックアウトの反応は、状況が解消されるまで、電動円形ステープル留め装置202080の機能を禁止することである。逆に、任意のロックアウトへの反応は、よりわずかであり得る。例えば、任意のロックアウトは、警告指示、続行するためのユーザの同意を要求するアラート、作動の速度若しくは力の変更又は待機時間の変更、又は状況が解決若しくは安定化されるまで行われる特定の機能の禁止を含むと考えられる。動作中、電動円形ステープル留め装置202080に関する必須条件として、例えば、クランプ前に完全に着座したアンビル202084を有することか、又は発射前にステープラカートリッジにステープルが装填されていることを挙げることができる。電動円形ステープル留め装置202080の実行可能な条件としては、例えば、所与の組織厚又は最小組織圧縮に関して許容可能なステープルの高さ以内であることを挙げることができる。更に、様々な条件は、同じパラメータ、例えば、電池パック内の電力レベルの任意のレベルの閾値及び強制的レベルの閾値の両方を有すると考えられる。
【0287】
一態様では、電動円形ステープル留め装置202080は、ロックアウトタイプに基づいて、電動円形ステープル留め装置202080の機能を防止又は調節するための様々な制御機構を実装するように構成することができる。一態様では、強制的ロックアウトは、単に、電子的、機械的インターロック、又はこれらの2つの組み合わせであると考えられる。2つのロックアウトを有する様々な態様では、ロックアウトは、冗長であるか、又はデバイスの設定に基づいて任意選択的に使用されると考えられる。一態様では、任意のロックアウトは、感知されたパラメータに基づいて調節可能であり得るように、電子ロックアウトであってもよい。例えば、任意のロックアウトは、電子的に無効化される機械的インターロックであると考えられ、又は単なる電子ロックアウトであると考えられる。
【0288】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル間隙の範囲及び対応するステープルの形成を示す図である。アンビル間隙202120が上限202126と下限202128との間にあるとき、ステープル形成は適切であり、組織厚の所与の範囲又は最小組織圧縮力に関して許容可能な範囲のステープルの高さ以内である。アンビル間隙202122が上限202126よりも大きいとき、ステープル形成は緩くなる。アンビル間隙202124が下限202128未満である場合、ステープル形成は緊密となる。
【0289】
図36は、本開示の少なくとも1つの態様による、3つの閉鎖するための力(FTC)曲線202152、202154、202156と時間のグラフ表示202150である。FTC曲線202152、202154、202156は、クランプ、待機、及び発射の3つの段階に分割される。キャンプ段階は共通の開始点を有し、これは、
図31に詳細に記載されるように、組織が共通の厚さ及び可変の組織剛性を有することを意味する。クランプ段階の終了時に、組織クリープを考慮して、発射段階を開始する前に待機期間が存在する。
【0290】
第1のFTC曲線202152は、低い組織剛性を有する組織に対応する。クランプ段階の間に、FTC曲線202152は、ゾーンAの理想FTC閾値202158未満にピークがある組織圧縮力の上昇を示す。クランプ段階の終了時に、電動円形ステープル留め装置202080(
図33)は、組織クリープを考慮して、発射段階を開始する前に、ユーザ制御期間202162待機する。
【0291】
第2のFTC曲線202154は、正常な組織剛性を有する組織に対応する。クランプ段階の間に、FTC曲線202154は、理想FTC閾値202158と、ゾーンBの最大FTC閾値202160との間にピークがある組織圧縮力の上昇を示す。クランプ段階の終了時に、電動円形ステープル留め装置202080(
図33)は、組織クリープを考慮して、発射段階を開始する前にユーザ制御期間202164待機する。
【0292】
第3のFTC曲線202154は、高い組織剛性を有する組織に対応する。クランプ段階の間、FTC曲線202156は、ゾーンCにおいて最大FTC閾値202160を上回るピークがある組織圧縮力の上昇を示す。クランプ段階の終了時に、電動円形ステープル留め装置202080(
図33)は、組織クリープを考慮して、発射段階を開始する前に待機期間202166を制御する。
【0293】
図37は、本開示の少なくとも1つの態様による、FTC曲線202172と時間の詳細なグラフ表示202170である。図示のように、FTC曲線202172は、クランプ段階、待機段階、及び発射段階の3つの段階に分割される。クランプ段階の間、FTC曲線202172は、クランプ段階のセグメント202174によって示されるように、組織圧縮力を呈し、増加する。クランプ段階の後、発射段階を開始する前に待機期間202176が存在する。待機期間202176は、理想圧縮力閾値及び最大圧縮力閾値に対する組織圧縮力の値に応じて制御されるユーザか、又はデバイスかいずれか一方であり得る。発射段階の間、組織圧縮力は、FTC曲線のセグメント202178によって示されるように増加し、その後、低下する。
【0294】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1.組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、アンビルに連結され、アンビル間隙を検出するように構成された位置センサと、アンビルに連結され、組織圧縮力を検出するように構成されたセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに位置センサ及びセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、アンビル間隙を決定することと、アンビル間隙を既定の間隙と比較することと、組織圧縮力を決定することと、組織圧縮力を既定の組織圧縮力と比較することと、アンビル間隙と既定の間隙との比較と、組織圧縮力と既定の組織圧縮力との比較と、に基づいて、ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
【0295】
実施例2.制御回路は、アンビル間隙が所定の最大アンビル間隙閾値より大きいとき、ステープラの動作を防止するために、強制的電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例1に記載の外科用ステープル留め器具。
【0296】
実施例3.制御回路は、組織圧縮力が理想組織圧縮力閾値を下回るとき、ステープラの動作を防止するために、無制限電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例1又は2に記載の外科用ステープル留め器具。
【0297】
実施例4.制御回路は、組織圧縮力が理想組織圧縮力閾値と最大組織圧縮力閾値との間にあるとき、ステープラの動作を防止するために、制限なしに任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用ステープル留め器具。
【0298】
実施例5.制御回路は、組織圧縮力が最大組織圧縮力閾値より大きいとき、ステープラの動作を防止するために、制限を有する任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用ステープル留め器具。
【0299】
実施例6.制御回路は、ステープラの動作を可能にする前に既定の待機期間を実行するように構成されている、実施例5に記載の外科用ステープル留め器具。
【0300】
実施例7.組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、外科用ステープル留め器具の第1のパラメータを感知するための第1のセンサと、外科用ステープル留め器具の第2のパラメータを感知するための第2のセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに第1のセンサ及び第2のセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、感知された第1のパラメータ及び感知された第2のパラメータに基づいて、ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
【0301】
実施例8.制御回路は、感知された第1のパラメータが第1のパラメータに対する所定の最大閾値よりも大きいとき、ステープラの動作を防止するために、強制的電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例7に記載の外科用ステープル留め器具。
【0302】
実施例9.制御回路は、感知された第2のパラメータが第2のパラメータに対する理想閾値を下回るとき、ステープラの動作を防止するために、無制限電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例7又は8に記載の外科用ステープル留め器具。
【0303】
実施例10.制御回路は、感知された第2のパラメータが第2のパラメータに対する理想閾値と第2のパラメータに対する最大閾値との間にあるとき、ステープラの動作を防止するために、制限なしに任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例7~9のいずれか1つに記載の外科用ステープル留め器具。
【0304】
実施例11.制御回路は、感知された第2のパラメータが第2のパラメータに対する最大閾値よりも大きいとき、ステープラの動作を防止するために、制限を有する任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施例7~10のいずれか1つに記載の外科用ステープル留め器具。
【0305】
実施例12.制御回路は、ステープラの動作を可能にする前に、既定の待機期間を実行するように構成されている、実施例11に記載の外科用ステープル留め器具。
【0306】
実施例13.組織をクランプするように構成されたアンビルと、組織を通じて外科用ステープルを駆動し、アンビルに接して形成するように構成された円形ステープラと、外科用ステープル留め器具の状態を感知するための第1のセンサと、外科用ステープル留め器具の二次的測定値を感知するための第2のセンサと、アンビルに連結されたモータであって、モータは、アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、モータ並びに第1のセンサ及び第2のセンサに連結された制御回路であって、制御回路は、感知された状態及び二次的測定値に基づいて、ステープラの作動を防止するために、調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
【0307】
実施例14.調節可能な電子ロックアウトプロセスは、機械的ロックアウトの動作を無効にする、実施例13に記載の外科用ステープル留め器具。
【0308】
実施例15.調節可能な電子ロックアウトプロセスは、電子ロックアウトの動作を無効にする、実施例13又は14に記載の外科用ステープル留め器具。
【0309】
実施例16.感知された状態は、アンビル間隙であり、二次的測定値は、組織圧縮力である、実施例13~15のいずれか1つに記載の外科用ステープル留め器具。
【0310】
実施例17.アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、組織圧縮力が最大組織圧縮力閾値を上回るとき、制御回路は、アンビル間隙を増加させること、円形ステープラを作動させる前に、既定の待機期間を増加させること、円形ステープラが作動される速度を低下させること、又は、ステープラの作動を防止するために、前記調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている、実施例16に記載の外科用ステープル留め器具。
【0311】
実施例18.アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、組織圧縮力が最小組織圧縮力閾値を下回るとき、制御回路は、アンビル間隙を減少させること、慎重に進めること、又は、ステープラの作動を防止するために、調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている、実施例16に記載の外科用ステープル留め器具。
【0312】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」の範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0313】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を介して装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の例証的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず適用されることが当業者には理解されるであろう。
【0314】
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他の記憶装置などのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読記憶装置に限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
【0315】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(integrated circuit、IC)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、並びに及び/又は通信装置(例えば、モデム、通信スイッチ、若しくは光-電気機器)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0316】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0317】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0318】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理的量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理的量と関連付けられ得、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0319】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0320】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」、「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作及び変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0321】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0322】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0323】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む特許請求の範囲に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0324】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0325】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0326】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機能、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」という句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0327】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0328】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0329】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープル留め器具であって、
組織をクランプするように構成されたアンビルと、
組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、
前記アンビルに連結され、アンビル間隙を検出するように構成された位置センサと、
前記アンビルに連結され、組織圧縮力を検出するように構成されたセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記位置センサ及び前記センサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を決定することと、
前記アンビル間隙を既定の間隙と比較することと、
前記組織圧縮力を決定することと、
前記組織圧縮力を既定の組織圧縮力と比較することと、
前記アンビル間隙と前記既定の間隙との前記比較と、前記組織圧縮力と既定の組織圧縮力との前記比較と、に基づいて、前記ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
(2) 前記制御回路は、前記アンビル間隙が所定の最大アンビル間隙閾値より大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、強制的電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープル留め器具。
(3) 前記制御回路は、前記組織圧縮力が理想組織圧縮力閾値を下回るとき、前記ステープラの動作を防止するために、無制限電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープル留め器具。
(4) 前記制御回路は、前記組織圧縮力が理想組織圧縮力閾値と最大組織圧縮力閾値との間にあるとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限なしに任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープル留め器具。
(5) 前記制御回路は、前記組織圧縮力が最大組織圧縮力閾値より大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限を有する任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープル留め器具。
【0330】
(6) 前記制御回路は、前記ステープラの動作を可能にする前に、既定の待機期間を実行するように構成されている、実施態様5に記載の外科用ステープル留め器具。
(7) 外科用ステープル留め器具であって、
組織をクランプするように構成されたアンビルと、
組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成されたステープラと、
前記外科用ステープル留め器具の第1のパラメータを感知するための第1のセンサと、
前記外科用ステープル留め器具の第2のパラメータを感知するための第2のセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、感知された前記第1のパラメータ及び感知された前記第2のパラメータに基づいて、前記ステープラの動作を防止するために、電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
(8) 前記制御回路は、前記感知された第1のパラメータが前記第1のパラメータに対する所定の最大閾値よりも大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、強制的電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープル留め器具。
(9) 前記制御回路は、前記感知された第2のパラメータが前記第2のパラメータに対する理想閾値を下回るとき、前記ステープラの動作を防止するために、無制限電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープル留め器具。
(10) 前記制御回路は、前記感知された第2のパラメータが前記第2のパラメータに対する理想閾値と前記第2のパラメータに対する最大閾値との間にあるとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限なしに任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープル留め器具。
【0331】
(11) 前記制御回路は、前記感知された第2のパラメータが前記第2のパラメータに対する最大閾値よりも大きいとき、前記ステープラの動作を防止するために、制限を有する任意の電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープル留め器具。
(12) 前記制御回路は、前記ステープラの動作を可能にする前に、既定の待機期間を実行するように構成されている、実施態様11に記載の外科用ステープル留め器具。
(13) 外科用ステープル留め器具であって、
組織をクランプするように構成されたアンビルと、
組織を通じて外科用ステープルを駆動し、前記アンビルに接して形成するように構成された円形ステープラと、
前記外科用ステープル留め器具の状態を感知するための第1のセンサと、
前記外科用ステープル留め器具の二次的測定値を感知するための第2のセンサと、
前記アンビルに連結されたモータであって、前記モータは、前記アンビルを第1の位置及び第2の位置から移動させるように構成されている、モータと、
前記モータ並びに前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに連結された制御回路であって、前記制御回路は、感知された前記状態及び前記二次的測定値に基づいて、前記ステープラの作動を防止するために、調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行するように構成されている、制御回路と、を備える、外科用ステープル留め器具。
(14) 前記調節可能な電子ロックアウトプロセスは、機械的ロックアウトの動作を無効にする、実施態様13に記載の外科用ステープル留め器具。
(15) 前記調節可能な電子ロックアウトプロセスは、電子ロックアウトの動作を無効にする、実施態様13に記載の外科用ステープル留め器具。
【0332】
(16) 前記感知された状態は、アンビル間隙であり、前記二次的測定値は、組織圧縮力である、実施態様13に記載の外科用ステープル留め器具。
(17) 前記アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、前記組織圧縮力が最大組織圧縮力閾値を上回るとき、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を増加させること、
前記円形ステープラを作動させる前に、既定の待機期間を増加させること、
前記円形ステープラが作動される速度を低下させること、又は
前記ステープラの作動を防止するために、前記調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている、実施態様16に記載の外科用ステープル留め器具。
(18) 前記アンビル間隙が最小アンビル間隙閾値と最大アンビル間隙閾値との間にあり、前記組織圧縮力が最小組織圧縮力閾値を下回るとき、前記制御回路は、
前記アンビル間隙を減少させること、
慎重に進めること、又は
前記ステープラの作動を防止するために、前記調節可能な電子ロックアウトプロセスを実行すること、を行うように構成されている、実施態様16に記載の外科用ステープル留め器具。