(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】リチウム抽出用の粒子トラップを備えたイオン交換反応器
(51)【国際特許分類】
B01J 39/02 20060101AFI20240129BHJP
B01J 49/53 20170101ALI20240129BHJP
B01J 47/10 20170101ALI20240129BHJP
B01J 47/02 20170101ALI20240129BHJP
C22B 26/12 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
B01J39/02
B01J49/53
B01J47/10
B01J47/02
C22B26/12
(21)【出願番号】P 2020543519
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 US2019019780
(87)【国際公開番号】W WO2019168941
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-01-31
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520301331
【氏名又は名称】ライラック ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダッカー,デイビッド ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】グラント,アレクサンダー ジョン
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-167626(JP,A)
【文献】特開2014-055312(JP,A)
【文献】特開2006-159039(JP,A)
【文献】特表2009-507839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 39/00-49/90
C22B 1/00-61/00
C02F 1/42
C02F 1/58- 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であって、
a)タンク、
b)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子であって、
ここで、イオン交換粒子はイオン交換材料とコーティング材料を含む、イオン交換粒子、
c)1つ以上の粒子トラップ、および、
d)前記液体資源のpHを調節する設備、を含む、
イオン交換反応器。
【請求項2】
前記タンクは円錐形状を有し、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子を固定床に固定することを可能にし、前記液体は前記タンクから取り除かれ得る、請求項1に記載のイオン交換反応器。
【請求項3】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項1に記載のイオン交換反応器。
【請求項4】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの底部に位置する、請求項1~3のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項5】
前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを備える、請求項1~4のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項6】
前記1つ以上のメッシュは、200ミクロン未満または50ミクロン未満の孔隙を備える、請求項1~5のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項7】
前記1つ以上の粒子トラップは多層のメッシュを備える、請求項1~6のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項8】
前記1つ以上の粒子トラップは、(a)前記タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルター、または(b)前記タンクの外部の1つ以上のフィルターを備え、および、前記1つ以上のフィルターと前記タンクとの間で流体連通がなされる、請求項1~7のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項9】
前記1つ以上の粒子トラップは、(a)前記タンクの外部の1つ以上の遠心沈降装置であって、前記1つ以上の遠心沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる、遠心沈降装置、または(b)前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる、請求項1~8のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項10】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するための方法であって、
a.タンク、液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムイオンを吸収した後に酸溶液で処理するときにリチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子、1つ以上の粒子トラップ、および、前記液体資源のpHを調節する設備を含むイオン交換反応器を提供する工程であって、
ここで、イオン交換粒子はイオン交換材料とコーティング材料を含む、工程、
b.液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程、
c.前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程、および
d.前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程、を含む、
方法。
【請求項11】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体資源の前記pHの調節は、タンクで、または前記液体資源のタンクへの注入の前に生じる、請求項
10または11に記載の方法。
【請求項13】
イオン交換粒子は撹拌される、請求項
10~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
イオン交換粒子は、タンクの底部の近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される、請求項
10~13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であって、
a)タンク、
b)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出する、イオン交換粒子、
c)前記液体資源、前記リチウム溶出溶液、水、または前記酸溶液の流れが前記タンクに出入りするのを可能にしながら、前記イオン交換粒子を前記タンク内に保持するように構成されている、1つ以上の粒子トラップおよび
d)前記液体資源のpHを調節する設備、を含む、
イオン交換反応器。
【請求項16】
前記タンクは円錐形状を有し、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子を固定床に固定することを可能にし、その結果、前記液体は前記タンクより取り除かれ得る、請求項
15に記載のイオン交換反応器。
【請求項17】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項
15に記載のイオン交換反応器。
【請求項18】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの底部に位置する、請求項
15~17のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項19】
前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを備える、請求項
15~18のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項20】
前記1つ以上のメッシュは、200ミクロン未満の孔隙、あるいは50ミクロン未満の孔隙を備える、請求項
15~19のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項21】
前記1つ以上の粒子トラップは多層のメッシュを備える、請求項
15~20のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項22】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルターを含む、請求項
15~21のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項23】
前記1つ以上の粒子トラップは、a)前記タンクの内部の1つ以上の遠心沈降装置、あるいはb)前記タンクの内部の1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心装置、またはこれらの組み合わせを備える、請求項
15~22のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項24】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するための方法であって、
a.タンク、液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムイオンを吸収した後に酸溶液で処理するときにリチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子、1つ以上の粒子トラップ、および、前記液体資源のpHを調節する設備を含む、イオン交換反応器を提供する工程であって、ここで、前記1つ以上の粒子トラップは、前記液体資源、前記リチウム溶出液、水、または前記酸溶液の流れが前記タンクに出入りするのを可能にしながら、前記イオン交換粒子を前記タンク内に保持するように構成されている、工程
b.液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程、
c.前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程、および、
d.前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程、を含む、
方法。
【請求項25】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記液体資源の前記pHの調節はタンクで生じるか、または前記液体資源のタンクへの注入の前に生じる、請求項
24または25に記載の方法。
【請求項27】
イオン交換粒子は撹拌される、請求項
24~26のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
イオン交換粒子は、タンクの底部の近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される、請求項
24~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であって、
e)タンク、
f)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子であって、
ここで、イオン交換粒子は、マトリックスに埋め込まれた、イオン交換材料を含み、
ここで、マトリックスは、PVDF、ポリスチレ
ン、セラミックバインダー、シリカバインダー、あるいはそれらの組み合わせである、イオン交換粒子、
g)1つ以上の粒子トラップ、および、
h)前記液体資源のpHを調節する設備、を含む、
イオン交換反応器。
【請求項30】
前記タンクは円錐形状を有し、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子を固定床に固定することを可能にし、その結果、前記液体は前記タンクから取り除かれ得る、請求項
29に記載のイオン交換反応器。
【請求項31】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項
29に記載のイオン交換反応器。
【請求項32】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの底部に位置する、請求項
29~31のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項33】
前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを備える、請求項
29~32のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項34】
前記1つ以上のメッシュは、200ミクロン未満または50ミクロン未満の孔隙を備える、請求項
29~33のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項35】
前記1つ以上の粒子トラップは多層のメッシュを備える、請求項
29~34のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項36】
前記1つ以上の粒子トラップは、a)前記タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルター、またはb)前記タンクの外部の前記1つ以上のフィルターを含み、前記1つ以上のフィルターと前記タンクとの間で流体連通がなされる、請求項
29~35のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項37】
前記1つ以上の粒子トラップは、a)1つ以上の遠心沈降装置であって、前記タンクの外部にあり、タンクとの間で流体連通がなされる、1つ以上の遠心沈降装置、またはb)1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、またはこれらの組み合わせであって、前記タンクの外部にあり、タンクとの間で流体連通がなされる、1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、またはこれらの組み合わせ、請求項
29~36のいずれか1つに記載のイオン交換反応器。
【請求項38】
液体資源からリチウム溶出溶液を生成するための方法であって、
a.タンク、液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムイオンを吸収した後に酸溶液で処理するときにリチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子、1つ以上の粒子トラップ、および、前記液体資源のpHを調節する設備を含むイオン交換反応器を提供する工程であって、
ここで、イオン交換粒子は、マトリックスに埋め込まれた、イオン交換材料を含み、
ここで、マトリックスは、PVDF、ポリスチレ
ン、セラミックバインダー、シリカバインダー、あるいはそれらの組み合わせである、工程、
b.液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程、
c.前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程、および、
d.前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程、を含む、
方法。
【請求項39】
前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える、請求項
38に記載の方法。
【請求項40】
前記液体資源の前記pHの調節はタンクで生じる、または前記液体資源のタンクへの注入の前に生じる、請求項
38または39に記載の方法。
【請求項41】
イオン交換粒子は撹拌される、請求項
38~40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
イオン交換粒子は、タンクの底部の近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される、請求項
38~41のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は2018年2月28日に出願された米国仮特許出願第62/636,766号の利益を主張し、これはその全体を引用することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
リチウムは、高エネルギーの充電式電池や他のテクノロジーに必須の要素である。リチウムは、天然および合成のブライン、ならびに鉱物や再利用製品からの浸出液溶液を含む様々な液体溶液で見られ得る。
【発明の概要】
【0003】
リチウムは、無機のイオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを使用して、液体資源から抽出され得る。無機のイオン交換材料は水素イオンを放出しながら液体資源からリチウムイオンを吸収し、その後、水素イオンを吸収しつつ酸の中のリチウムイオンを溶出する。イオン交換プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつ濃縮されたリチウムイオン溶液を生成するために、繰り返され得る。濃縮されたリチウムイオン溶液はさらに、電池産業あるいは他の産業用の化学薬品へと処理され得る。
【0004】
イオン交換粒子はリチウム抽出用のイオン交換反応器に充填される。ブライン、水、および酸の交互の流れがイオン交換反応器を通って流れることで、ブラインからのイオン交換粒子へのリチウムの取り込み、イオン交換粒子からの残りのブラインの水洗洗浄、およびイオン交換粒子からのリチウムの酸溶出を可能にして、リチウム溶出溶液を形成する。ブラインのpHが熱力学的に好ましいリチウム取り込みと同時の水素排出を促すのに適切な範囲で維持されなければ、リチウム取り込み中の水素の放出は、ブラインを酸性化し、リチウムの取り込みを制限する。
【0005】
ブライン、水、および酸の流れがイオン交換反応器に出入りしている間に、イオン交換反応器中のイオン交換粒子を保持するために、1つ以上の粒子トラップがイオン交換反応器と共に使用される。これらの粒子トラップは、ろ過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、あるいはこれらの組み合わせの利用により、液体流から固体のイオン交換粒子を分離する。
【0006】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:タンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備(provision)を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記タンクは円錐形状を有する。いくつかの実施形態において、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る。いくつかの実施形態において、前記液体資源の前記pHの調節はタンクで生じる。いくつかの実施形態において、前記液体資源の前記pHの調節は前記液体資源のタンクへの注入の前に生じる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの底部に位置する。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを備える。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約50ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約25ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約10ミクロン未満の孔隙を備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは多層のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記多層のメッシュは、ろ過のための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持のための少なくとも1つの粗いメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、構造支持体によって支持される1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のポリマーメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、金属ワイヤーメッシュを含む1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記イオン交換反応器は、前記イオン交換粒子を、洗浄用の1つ以上のカラムへと移動させるように構成される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換反応器は、イオン交換粒子を洗浄用の1つ以上のカラムに固定するように構成される。いくつかの実施形態において、前記カラムは前記タンクの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルターを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上のフィルターを備え、および前記1つ以上のフィルターと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上の重力沈降装置を備え、および前記1つ以上の重力沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの内部の1つ以上の重力沈降装置を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上の遠心沈降装置を備え、および前記1つ以上の遠心沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの内部の1つ以上の遠心沈降装置を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上のメッシュ、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上の沈殿タンク、1つ以上のメッシュ、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。
【0012】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子はミキサーによって撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子はプロペラによって撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクの底部の近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクからの溶液を、タンクの底部の近くのタンクへとポンプで送り戻すことにより流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクの底部の近くからタンク中の高いレベルまで、イオン交換粒子のスラリーをポンプで汲み上げることにより流動化される。
【0013】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに備え、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出液は保存され、新たにリチウム化される前記イオン交換粒子からリチウムをさらに溶出するために使用される。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに備え、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出液は追加の酸と混合され、および、前記イオン交換粒子からリチウムをさらに溶出するために使用される。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記イオン交換粒子はコーティング材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記コーティング材料はポリマーである。いくつかの実施形態において、前記コーティング材料の前記コーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロフルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0015】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換システムであり、上記イオン交換システムは:ネットワーク化された複数のタンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記イオン交換粒子は、前記ネットワーク化された複数のタンクの中で保持され、ブライン、洗浄溶液、および酸の流れが前記複数のタンクを通って交互に移動する。いくつかの実施形態において、前記イオン交換粒子は、ブライン、洗浄溶液、および酸の対向流に逆らって前記ネットワーク化された複数のタンクを通って移動する。いくつかの実施形態において、前記ネットワーク化された複数のタンクから選択されたタンクは、ブライン、洗浄溶液、あるいは酸のバッチのサイズであり、ここで、前記イオン交換粒子は前記ネットワーク化された複数のタンクを通って移動する。
【0017】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であり:タンク、液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムイオンを吸収した後に酸溶液で処理するときにリチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備を含むイオン交換反応器を提供する工程;液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程;前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程;および、前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記タンクは円錐形状を有する。いくつかの実施形態において、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る。いくつかの実施形態において、前記液体資源の前記pHの調節はタンクで生じる。いくつかの実施形態において、前記液体資源の前記pHの調節は前記液体資源のタンクへの注入の前に生じる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンク内部に1つ以上のフィルターを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの底部に位置する。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを備える。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約50ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約25ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約10ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは多層のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記多層のメッシュは、ろ過のための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持のための少なくとも1つの粗いメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、構造支持体によって支持される1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のポリマーメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、金属ワイヤーメッシュを含む1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記イオン交換反応器は、前記イオン交換粒子を、洗浄用の1つ以上のカラムへと移動させるように構成される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換反応器は、イオン交換粒子を洗浄用の1つ以上のカラムに固定するように構成される。いくつかの実施形態において、前記カラムは前記タンクの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルターを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上のフィルターを備え、および前記1つ以上のフィルターと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上の重力沈降装置を備え、および前記1つ以上の重力沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの内部の1つ以上の重力沈降装置を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部の1つ以上の遠心沈降装置を備え、および前記1つ以上の遠心沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの内部の1つ以上の遠心沈降装置を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上のメッシュ、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上の沈殿タンク、1つ以上のメッシュ、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせを備え、および前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはこれらの組み合わせと前記タンクとの間で流体連通がなされる。
【0022】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子はミキサーによって撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子はプロペラによって撹拌される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクの底部の近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクからの溶液を、タンクの底部の近くのタンクへとポンプで送り戻すことにより流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクの底部の近くからタンク中の高いレベルまで、イオン交換粒子のスラリーをポンプで汲み上げることにより流動化される。
【0023】
いくつかの実施形態において、上記方法は、1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに含み、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出液は保存され、新たにリチウム化される前記イオン交換粒子からリチウムをさらに溶出するために使用される。いくつかの実施形態において、上記方法は、1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに含み、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出液は追加の酸と混合され、および、前記イオン交換粒子からリチウムをさらに溶出するために使用される。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記イオン交換粒子はコーティング材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記コーティング材料はポリマーである。いくつかの実施形態において、前記コーティング材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロフルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0025】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、1つ以上のメッシュを含む1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備を備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約50ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約25ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約10ミクロン未満の孔隙を備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュをコーティングする前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0028】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、多層のメッシュを含む、1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備、を備える。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記多層のメッシュは、ろ過のための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持のための少なくとも1つの粗いメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、構造支持体によって支持される1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュをコーティングする前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0030】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であり:上記方法は、イオン交換反応器を提供する工程であって、上記イオン交換反応器が、(i)円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;(ii)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;(iii)前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、1つ以上のメッシュを含む、1つ以上の粒子トラップ;および、(iv)前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備を含む、工程;液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程;前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程;および、前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約50ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約25ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、約10ミクロン未満の孔隙を備える。
【0032】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュをコーティングする前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0033】
本明細書に記載された1つの態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であり:上記方法は、イオン交換反応器を提供する工程であって、上記イオン交換反応器が、(i)円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;(ii)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;(iii)前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、多層のメッシュを含む、1つ以上の粒子トラップ;および、(iv)前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備を含む、工程;液体資源を前記イオン交換反応器へ流す工程であって、それによって、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする、工程;前記リチウム溶出溶液を生成するために、酸溶液で前記イオン交換粒子を処理する工程;および、前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記多層のメッシュは、ろ過のための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持のための少なくとも1つの粗いメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の粒子トラップは、構造支持体によって支持される1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、前記金属ワイヤーメッシュをコーティングする前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0036】
引用による組み込み
本明細書に記載されるすべての特許公開、特許、および特許出願は、あたかもそれぞれの特許公開、特許、および特許出願が参照により具体的かつ個別に組み込まれる程度には参照によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【
図1】円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの壁を通ってポートに取り付けられた1つ以上のフィルターとを含むイオン交換反応器を例証する。
【
図2】円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの内部の1つ以上のフィルターとを含むイオン交換反応器を例証する。
【
図3】円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの外部の1つ以上のフィルターとを含むイオン交換反応器を例証しており、1つ以上のフィルターとタンクとの間で流体連通がなされる。
【
図4】撹拌タンクと外部の円錐形状の沈殿タンクとを含むイオン交換反応器を例証しており、沈殿タンクとタンクとの間で流体連通がなされる。
【
図5】ネットワーク化された複数の撹拌タンクと、タンクの外部の1つ以上のフィルターとを含むイオン交換システムを例証する。
【
図6】1つの酸反応器にネットワーク化された複数のブライン反応器を含むネットワーク化された複数のタンクを含むイオン交換システムを例証する。
【
図7】イオン交換粒子がブライン、洗浄溶液、および酸の対向流に逆らって移動する、複数のタンクを含むイオン交換システムを例証しており、上記システムは連続的にあるいは半連続的に作動するように構成される。
【
図8】一連の段階式の溶出タンクに対する規定を伴うイオン交換反応器を例証しており、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出液は保存され、イオン交換粒子からリチウムをさらに溶出するために使用される。
【
図9A】部分的な円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの内部の1つ以上のフィルターとを含むイオン交換反応器を例証する。
【
図9B】
図9Aで例示されたイオン交換反応器を使用する、液体資源と酸との間での複数のサイクルにわたる液体資源からのリチウム回収を描く。
【
図10】薄い円筒形状のカラムで終わる部分的な円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの内部の1つ以上のフィルターを含むイオン交換反応器を例証する。
【
図11】薄い円筒形状のカラムで終わる部分的な円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの内部の1つ以上のフィルターと、タンクから液体をポンプで送り出し、薄い円筒形状のカラムの底部に戻すポンプ装置とを含むイオン交換反応器を例証する。
【
図12】円筒形状の部分的な円錐形状を有する撹拌タンクと、タンクの内部の1つ以上のフィルターと、タンクから液体をポンプで送り出し、薄い円筒形状のカラムの底部に戻すポンプ装置とを含むイオン交換反応器を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
「リチウム」、「リチウムイオン」、および「Li+」との用語は、本明細書で交換可能に使用され、それとは逆の特段の定めのない限り、これらの用語は同意語である。「水素」、「水素イオン」、「プロトン」、および「H+」との用語は、本明細書で交換可能に使用され、それとは逆の特段の定めのない限り、これらの用語は同意語である。「リチウム化された」、「リチウムに富む」、および「リチウム交換された」との用語は、本明細書で交換可能に使用され、それとは逆の特段の定めのない限り、これらの用語は同意語である。「プロトン化」、「水素に富む」、および「プロトン交換された」との用語は、本明細書で交換可能に使用され、それとは逆の特段の定めのない限り、これらの用語は同意語である。
【0039】
粒子トラップを備えたリチウムイオン交換反応器
本明細書に記載された本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するためのイオン交換反応器である。この反応器は、イオン交換粒子が、液体資源からリチウムを取り込み、液体資源からイオン交換粒子を分離させ、水溶液で粒子を洗浄し、水溶液からイオン交換粒子を分離させ、酸溶液を使用して粒子からリチウムを溶出させ、および酸溶液から粒子を分離させることができるように、イオン交換粒子に液体資源を接触させるように機能する。反応器は、リチウムの取り込み中にイオン交換材料によって放出されたプロトンを中和するために、液体資源のpHを測定および調節するための設備を含む。
【0040】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するためのイオン交換反応器であり、イオン交換反応器は:a)1つ以上のタンク;b)イオン交換粒子;c)1つ以上の粒子トラップ;および、d)液体資源のpHを調節する設備を含む。
【0041】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための方法であり、上記方法は:a)1つ以上の粒子トラップを含むイオン交換反応器を提供する工程;b)前記イオン交換反応器中にイオン交換粒子を提供する工程;c)前記イオン交換反応器中の前記イオン交換粒子を、前記液体資源に接触させる工程であって、ここで、前記イオン交換粒子からの水素イオンは、前記イオン交換ユニット中のリチウムに富むイオン交換粒子を生成するために、前記液体資源からのリチウムイオンと交換される、工程;d)前記1つ以上の粒子トラップを使用して、前記イオン交換反応器中で前記イオン交換粒子を保持しながら、前記イオン交換反応器から前記液体資源を取り除く工程;e)前記リチウムに富むイオン交換粒子を、水溶液で1回以上洗浄する工程;f)前記1つ以上の粒子トラップを使用して、前記イオン交換反応器中で前記イオン交換粒子を保持しながら、前記イオン交換反応器から前記水溶液を取り除く工程;g)前記リチウムに富むイオン交換粒子を酸溶液で処置する工程であって、ここで、前記リチウムに富むイオン交換粒子からの前記リチウムイオンは、リチウム溶出液を生成するために、前記酸溶液からの水素イオンと交換される、工程;および、h)前記1つ以上の粒子トラップを使用して、前記イオン交換反応器中で前記イオン交換粒子を保持しながら、前記イオン交換反応器から前記リチウム溶出液を取り除く工程、を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、酸溶液は、塩酸、硫酸、硝酸、他の酸、あるいはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、酸溶液は、約10N未満、約3N未満、約1N未満、約0.3N未満、約0.1N未満、約0.05Nを超える、約0.1Nを超える、約0.2Nを超える、約0.3Nを超える、約0.4Nを超える、約0.5Nを超える、約0.75Nを超える、約1Nを超える、約2Nを超える、約3Nを超える、約4Nを超える、約5Nを超える、約6Nを超える、約7Nを超える、約8Nを超える、約9Nを超える、約0.05N~約10N、約0.1N~約10N、約0.2N~約10N、約0.3N~約10N、約0.4N~約10N、約0.5N~約10N、約0.6N~約10N、約0.7N~約10N、約0.8N~約10N、約0.9N~約10N、約1N~約10N、約1N~約9N、約2N~約8N、または約3N~約7Nのプロトン濃度を有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、リチウム溶出溶液は、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、あるいは他のリチウム塩を含む。いくつかの実施形態において、リチウム溶出溶液は、リチウム金属、炭酸リチウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム一水和物、硝酸リチウム、リン酸リチウム、塩化リチウム、リチウム金属、有機金属リチウム、あるいは他のリチウム塩を生成するために処理される。
【0044】
成形タンク
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するためのイオン交換反応器であり、イオン交換反応器は:a)底部がより小さな断面積を有するタンク;b)タンクに充填されるイオン交換粒子;c)液体流がタンクから取り除かれている間、タンクにイオン交換粒子を含むための1つ以上の粒子トラップ;および、d)タンク中の液体資源のpH調節のための設備、を含む。
【0045】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であり、イオン交換反応器は:円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、1つ以上のメッシュを含む1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備、を備える。
【0046】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成するためのイオン交換反応器であり、イオン交換反応器は:円錐形状を有するタンクであって、前記円錐形状は、前記イオン交換粒子が固定床に固定されることを可能にし、前記液体は前記固定床の上から取り除かれ得る、タンク;前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、前記液体資源からリチウムを吸収した後に、酸溶液で処理されるときに前記リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子;前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、多層のメッシュを含む、1つ以上の粒子トラップ;および、前記液体資源のpHを調節する設備であって、前記液体資源の前記pHの前記調節は、タンク内で、あるいはタンクへの前記液体資源の注入の前に、生じるように構成される、設備、を備える。
【0047】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は、円錐形状を有するタンクを含む。いくつかの実施形態において、円錐形状は、液体がイオン交換粒子の固定床の上のタンクから取り除かれる間に、イオン交換粒子が円錐形状の底部に固定されることを可能にする。いくつかの実施形態において、粒子トラップはイオン交換粒子の固定された高さよりも上に位置する入口を有し得る。いくつかの実施形態において、タンクの形状は、イオン交換粒子の固定床よりも上から液体を取り除くことを可能にする。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子と水を含むスラリーをタンクから取り除くか、タンクに注入することができるように、ポートがタンクの底部、あるいはタンクの底部の近くに配置される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子と水を含むスラリーを脱水することができるように、フィルターがタンクの底部、あるいはタンクの底部の近くに配置される。いくつかの実施形態において、フィルターがタンクの底部、あるいはタンクの底部の近くに配置され、溶液がフィルターを通ってタンクに注入されることを可能にする。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は、底部の近くで円錐形あるいはピラミッド形であるタンクを含む。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は、底部の近くで円錐形あるいはピラミッド形状であり、頂部の近くで円筒形あるいは長方形であるタンクを含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、大量の液体資源および酸溶液がイオン交換反応器に充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器に充填された液体資源の量は、酸溶液の量よりも、約2倍を超えて、約5倍を超えて、約10倍を超えて、約20倍を超えて、約50倍を超えて、あるいは約100倍を超えて多い。いくつかの実施形態において、反応器タンクは、タンク中のイオン交換粒子の混合を促進するか、イオン交換粒子の沈殿を促進するか、イオン交換粒子の洗浄を促進するか、または、液体資源、酸溶液、あるいは洗浄溶液などの液体溶液からのイオン交換粒子の分離を促進するために、底部でより狭くなる円錐形状を有し得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は、イオン交換粒子を、液体資源、洗浄溶液、あるいは酸溶出溶液と混合するための混合装置を有し得る。いくつかの実施形態において、混合装置はオーバーヘッドミキサーである。いくつかの実施形態において、混合装置はタンク全体にわたってブラインを循環させるプロペラである。いくつかの実施形態において、混合装置はタンクの底部からイオン交換粒子のスラリーを上昇させるプロペラである。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は1つ以上の混合装置を有し得る。いくつかの実施形態において、混合装置はタンクに溶液を注入するポンプであり、それによって、イオン交換粒子の床を撹拌する。いくつかの実施形態において、混合装置はタンクに溶液を注入するポンプであり、それによって、溶液中でイオン交換粒子を流動化または懸濁化する。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、タンクの底部の近くからスラリーをポンプで汲み上げ、および、前記スラリーをタンクの高位レベルに注入することにより、溶液中で混合される。いくつかの実施形態において、流動化されたイオン交換材料は、ろ過することなく、それをポンプでタンクへ、および/またはタンクから送ることにより混合される。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器のタンクには、タンクの側部からイオン交換粒子を洗い流し、タンクの底部にそれらを移動させる1つ以上の噴霧器が取り付けられる。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器にはバッフルが備え付けられる。いくつかの他の実施形態において、1つ以上のタンクにはバッフルが備え付けられる。いくつかの実施形態において、ブライン、水、酸、あるいは他の溶液とのイオン交換粒子の混合を改善するために、1つ以上のタンクにはバッフルが備え付けられる。
【0050】
いくつかの実施形態において、イオン交換反応器のタンクは、長方形、円筒形、円錐形、球形、平行四辺形、菱面体、ピラミッド形、あるいはこれらの組み合わせである。
【0051】
いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約100ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約50ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約25ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、約10ミクロン未満の孔隙を備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、金属ワイヤーメッシュをコーティングするポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0052】
いくつかの実施形態において、多層のメッシュは、ろ過のための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持のための少なくとも1つの粗いメッシュを備える。いくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップは、構造支持体によって支持される1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは、1つ以上のポリマーメッシュである。いくつかの実施形態において、1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上のメッシュは金属ワイヤーメッシュを含む。いくつかの実施形態において、金属ワイヤーメッシュはポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態において、金属ワイヤーメッシュをコーティングするポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0053】
フィルター
いくつかの他の実施形態において、粒子トラップはフィルターである。いくつかの他の実施形態において、フィルターはケーキフィルターとして作動する。いくつかの実施形態において、フィルターはフィルターケーキの形成を制限するように作動する。いくつかの実施形態において、フィルターはせん断流で作動される。いくつかの実施形態において、フィルターは逆流洗浄で作動される。
【0054】
いくつかの実施形態において、フィルターはポリマー、多孔性ポリマー、ポリマーメッシュ、あるいはポリマー複合体を含む。いくつかの実施形態において、フィルターは織布ポリマー(a woven polymer)あるいはポリマー布(a polymer fabric)を含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、ポリエチレン、ナイロン、あるいは別のポリマー材料で構成される。いくつかの実施形態において、フィルターはセラミック、金属、あるいは合金原料を含む。いくつかの実施形態において、フィルターはポリマー、ポリアリールエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ポリマーでコーティングされた鋼あるいは他の金属のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ポリマーでコーティングされた304ステンレス鋼のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、鋼メッシュ上のコーティングは、エポキシ、シリコーン、クロロポリマー、フルオロポリマー(a fluor-polymer)、クロロ-フルオロ-ポリマー、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、ポリエチレン、熱硬化エポキシ、大気乾燥エポキシ、フェノール酸エポキシ、フェノール酸ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、セラミック-エポキシ複合コーティング、エチレンクロロトリフルオロエチレン、これらの他のポリマーの組み合わせ、あるいはこれらのコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、メッシュは、エポキシ、シリコーン、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、ポリエチレン、熱硬化エポキシ、大気乾燥エポキシ、フェノール酸エポキシ、フェノール酸ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、セラミック-エポキシ複合コーティング、エチレンクロロトリフルオロエチレン、これらの他のポリマーの組み合わせ、あるいはこれらのコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、フィルターはポリエーテルエーテルケトンを含むメッシュを含む。いくつかの実施形態において、メッシュは、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約25ミクロン未満、約10ミクロン未満、約2ミクロン未満、約200ミクロンより大きな、あるいは約400ミクロンより大きな孔径を有する。いくつかの実施形態において、メッシュは織布ポリマーあるいはポリマー布である。いくつかの実施形態において、フィルターは、平織り、綾織り、平畳織り、綾畳織り、あるいはこれらの組み合わせである、織りを備えたメッシュである。いくつかの実施形態において、フィルターはステンレス鋼メッシュを含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ニッケル、ニッケル合金、オキシド、あるいは別の耐酸性材料などの材料で耐酸性を改善するためにコーティングされたステンレス鋼メッシュを含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリピロリジン、ポリフラン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリピペラジン-アミド、ポリベンズイミダゾリン、ポリオキサジアゾール、アセチル化セルロース、セルロース、スルホン化、カルボキシル化、リン酸化、あるいはこれらの組み合わせの代替的な機能化を備えたポリマー、他のポリマー層、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フィルターはさらに、布、ポリマー、複合体、または金属支持物を含む。いくつかの実施形態において、フィルターは、耐薬品性を染色するオキシド、エポキシ、ポリマー材料、あるいはこれらの組み合わせでコーティングされた金属材料を含む。
【0055】
フィルターのいくつかの実施形態において、フィルターは材料のモノフィラメント鎖あるいはマルチフィラメント鎖から織られる。いくつかの実施形態において、フィルター布は、平四角、平綾、平畳、綾畳、逆畳、二重畳、ベータメッシュ畳(betamesh dutch)、あるいはバスケット織り、あるいはこれらの組み合わせである。
【0056】
イオン交換反応器のいくつかの実施形態において、フィルターはタンクの内部、タンクの外部(タンクの外側)に位置するか、あるいは、タンクの壁を通って1つ以上のポートに取り付けられる。いくつかの実施形態において、フィルターは、平面フィルター、チューブ状フィルター、中空線維チューブフィルター、カートリッジフィルター、シャイブラー(Scheibler)フィルター、Vallexフィルター、スイートランドフィルター、水平のリーフフィルター、遠心排出フィルター、圧縮フィルター、ヌッチェフィルター、あるいはキャンドルフィルターである。いくつかの実施形態において、イオン交換反応器は、約1よりも多い、約5よりも多い、約20よりも多い、あるいは約100よりも多いフィルターを有し得る。いくつかの実施形態において、回転ファンプレスは液体溶液とイオン交換粒子とを含むスラリーから液体溶液を分離するために使用される。
【0057】
いくつかの実施形態において、フィルターはタンク内にある。いくつかの実施形態において、フィルターは様々な高さでタンクに取り付けられる。いくつかの実施形態において、フィルターはタンク壁のポートあるいはフランジに取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つ以上のフィルターは、1つ以上のタンクの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つ以上のフィルターは、1つ以上のタンクの底部に取り付けられる1つ以上のカラムの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態において、フィルターは、タンク壁とほぼ同じ高さにある。複数のフィルターを伴ういくつかの実施形態において、タンクの頂部の近くのフィルターが使用される一方で、イオン交換粒子は重力下でタンクの底部に載せられる。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子が実質的に載せられた後、タンクの底部の近くのフィルターは使用される。いくつかの実施形態において、フィルターは垂直にあるいは水平に配される。いくつかの実施形態において、フィルターは、容積の内部で、あるいはタンクの側部に沿ってアレイを形成する。いくつかの実施形態において、複数のフィルターは直列または並列に使用される。いくつかの実施形態において、複数のフィルターは、孔径を変動させて直列に使用される。いくつかの実施形態において、フィルターは大きなメッシュ上に取り付けられた小さなメッシュを含み、小さなメッシュはイオン交換粒子を塞ぎ、大きなメッシュは小さなメッシュを支持する強さを与える。
【0058】
いくつかの実施形態において、液体資源、酸溶液、あるいは洗浄溶液は、フィルターを通ってタンクから取り除かれる。いくつかの実施形態において、酸溶液は、タンクの底部の近くのフィルターを通ってタンクから取り除かれる。いくつかの実施形態において、液体資源は、タンクの頂部、中間部、および底部の近くのフィルターを通ってタンクから取り除かれる。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は、タンクの頂部、中間部、および底部の近くのフィルターを通ってタンクから取り除かれる。
【0059】
いくつかの実施形態において、故障したフィルター、あるいは、元々の仕様の許容範囲内ではもはや作動しないフィルターは、イオン交換反応器の作動中に、あるいはイオン交換反応器の作動停止時に交換される。いくつかの実施形態において、複数のキャンドルフィルターはタンクに挿入され、およびフィルターが動作しないとき、フィルターを介するポンプでの汲み上げは停止する一方で、他のフィルターを介するポンプでの汲み上げは維持される。いくつかの実施形態において、フィルターに接続されたチューブまたはパイプ中のイオン交換粒子の存在は、フィルターの故障を検知するために使用される。いくつかの実施形態において、1つ以上の圧力センサーは、フィルター、粒子トラップ、固-液分離装置、あるいはこれら組み合わせの故障を検知するために使用される。
【0060】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、フィルターを備えた区画に入れられ、フィルターは区画への液体溶液の浸透を可能にする。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は回転区画に入れられる。いくつかの実施形態において、区画は、バッフルのついた固定具、あるいは、区画を通るよう液体溶液をガイドするように設計された他の固定具を有し得る。いくつかの他の実施形態において、反応器は回転床反応器である。
【0061】
いくつかの実施形態において、フィルターは、ベルトフィルター、プレートおよびフレームフィルタープレス、フィルター-要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定床あるいは移動床を備える遠心フィルター、金属スクリーン、穿孔バスケット遠心分離機、3点遠心分離機、ピーラー型遠心分離機、あるいはプッシャー遠心分離機である。いくつかの実施形態において、フィルターはスクロールまたは振動デバイスを使用することがある。いくつかの実施形態において、フィルターは水平または垂直であるか、あるいはサイフォンを使用することがある。
【0062】
いくつかの実施形態において、フィルターケーキは、重力、遠心力、電界、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、カラス流量ろ過を使用することによって、あるいはフィルターの表面全体で懸濁液をポンプで汲み上げることによって、防がれ、制限され、あるいは、取り除かれる。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子および液体のスラリーは、ケーキの成長を制限するためにフィルターに対して接線方向に移動する。いくつかの実施形態において、重力、磁気、遠心分離による沈降、あるいは固-液分離の他の手段は、ケーキの形成を防ぐために、ろ過の前、最中、あるいは後に使用される。
【0063】
いくつかの実施形態において、フィルターは、スクリーン、金属スクリーン、シーブ、シーブベンド(a sieve bend)、ベントシーブ(a bent sieve)、高周波電磁スクリーン、共振スクリーン、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、深床フィルタ( deep bed filter)は、イオン交換粒子が地面に再注入される前に、液体資源流からイオン交換粒子を取り除くために使用される。
【0065】
他の粒子トラップ
いくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップは固-液分離装置である。
【0066】
イオン交換反応器のいくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップはタンクに外部に位置する外部の粒子トラップである。いくつかの実施形態において、希薄なスラリーがタンクから取り除かれ、外部の粒子トラップに移され、および濃縮されたスラリーと、懸濁固形物が少ないかまったくない溶液とに分離される。いくつかの実施形態において、濃縮されたスラリーは、タンクに戻されるか、あるいは異なるタンクに移される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子はブラインタンクから別のブラインタンクに移され、酸タンクから別の酸タンクに移され、洗浄タンクから別の洗浄タンクに移され、ブラインタンクから洗浄タンクに移され、洗浄タンクから酸タンクに移され、酸タンクから洗浄タンクに移され、あるいは酸タンクからブラインタンクに移される。
【0067】
いくつかの実施形態において、粒子トラップは重力沈降を使用し得る。いくつかの実施形態において、粒子トラップは沈殿タンク、沈降濃縮装置、浄化器、重力沈降濃縮装置を含み得る。いくつかの実施形態において、粒子トラップは、バッチモード、半バッチモード、半連続モード、あるいは連続モードで作動する。いくつかの実施形態において、粒子トラップはスラリーが中央の入口を通って入る円形の洗面器型沈降濃縮装置を含み、スラリーは1つ以上のかき寄せ要素を備えた沈降濃縮装置へ分散し、かき寄せ要素は回転し、粒子が沈降濃縮装置の底部を通って出ることができる領域へとイオン交換粒子を集中させる。
【0068】
いくつかの実施形態において、粒子トラップは、深い円錐、深い円錐タンク、深い円錐圧力タンク、あるいはスラリーが重量によって圧縮されるタンクを含む。いくつかの実施形態において、粒子トラップは、一連の沈降濃縮装置が中心軸とかき寄せ要素に垂直に配向されたトレー型沈降濃縮装置を含む。いくつかの実施形態において、粒子トラップは、滑らかで、水平で、粗く、あるいは波状であり得るプレートあるいはチューブを備えたラメラ型沈降濃縮装置を含む。いくつかの実施形態において、粒子トラップは、粒子を移動させるためにパドルおよび/またはチェーン機構を随意に備える、1つの端部で供給され、かつ対向端部で溢れ出る、長方形の洗面器であり得る重力浄化器を含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、粒子トラップは遠心分離による沈降を使用する。いくつかの実施形態において、粒子トラップは、チューブ状遠心分離機、マルチチャンバー遠心分離機、円錐形のバスケット遠心分離機、スクロール型遠心分離機、沈殿式遠心分離機、あるいはディスク遠心分離機を含み得る。いくつかの実施形態において、粒子は、遠心分離機から連続的にあるいは断続的に放出される。いくつかの実施形態において、粒子トラップは液体サイクロンである。いくつかの実施形態において、粒子トラップは直列または並列の液体サイクロンあるいは遠心分離機のアレイである。いくつかの実施形態において、水溜め(sumps)はイオン交換粒子を再度スラリー化にするために使用される。いくつかの実施形態において、液体サイクロンは複数の供給地点を有し得る。いくつかの実施形態において、液体サイクロンは上下逆さまで使用される。いくつかの実施形態において、液体は、カットの切れ味を改善するために、液体サイクロンの円錐の頂端の近くで注入される。いくつかの実施形態において、堰は粒子トラップの中心で回転し、スラリー化されたイオン交換粒子の供給量が粒子トラップの中央付近に入り、イオン交換粒子は「ティーカップ効果」によって粒子トラップの底部と中心で捕捉される。
【0070】
いくつかの実施形態において、粒子トラップは磁気分離を使用し得る。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は磁石である。いくつかの実施形態において、SiO2でコーティングされた磁鉄鉱、あるいは他のコーティングされたまたはコーティングされていない磁性材料などの耐酸性磁気粒子は、磁気分離を可能にするためにイオン交換粒子の表面に取り付けられる。
【0071】
いくつかの実施形態において、粒子トラップは、同じまたは異なる機構を備えた粒子トラップの集合である。いくつかの実施形態において、重力、磁気、遠心力、あるいはこれらの組み合わせに基づく粒子トラップは、イオン交換反応器のタンクの内部あるいは外部に位置する。
【0072】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、イオン交換粒子と洗浄溶液の対向流を使用して洗浄される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、イオン交換粒子および液体の対向流を使用して、ブラインまたは酸液体で処理される。いくつかの実施形態において、固体の対向流洗浄は、一連の粒子トラップあるいはセパレータを使用して行われる。いくつかの実施形態において、さらなる粒子トラップあるいはセパレータは、粒子の喪失を制限するために、対向流回路の液体流れの末端に配される。いくつかの実施形態において、対向流洗浄は新しい水の使用を最小限に抑えるために使用される。
【0073】
段階的な流れ
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための段階式のイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:a)粒子トラップと関連付けられたイオン交換粒子を含むタンクと;b)脱リチウム化の様々な段階でブラインを含む1つ以上のタンクと;c)リチウム化の様々な段階で酸を含む1つ以上のタンクと、を備える。
【0074】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための段階式のイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:a)粒子トラップと関連付けられたイオン交換粒子を含むタンクと;b)脱リチウム化の様々な段階でブラインを含む1つ以上のタンクと、を備える。
【0075】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための段階式のイオン交換反応器であり、上記イオン交換反応器は:a)粒子トラップと関連付けられたイオン交換粒子を含むタンクと;b)リチウム化の様々な段階で酸を含む1つ以上のタンクと、を備える。
【0076】
いくつかの実施形態では、段階式のイオン交換反応器は、ブラインからのリチウム回収を最大化するために、部分的に脱リチウム化されるブラインと接触している水素で飽和されているイオン交換粒子と接触する。いくつかの実施形態では、段階式のイオン交換反応器は、リチウムイオンへの酸中のプロトンの変換を最大化するために、部分的にリチウム化される酸に接触しているリチウムで飽和されるイオン交換粒子と接触する。
【0077】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子をリチウムで十分に飽和させ、その粒子によってリチウム取り込みを最大化するために、段階式のイオン交換反応器は、新しいブラインと接触しているリチウムでほとんど飽和されるイオン交換粒子と接触する。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子をプロトンで十分に飽和させ、その粒子からのリチウム溶出を最大化するために、段階式の交換反応器は、新しい酸と接触しているプロトンでほとんど飽和されるイオン交換粒子と接触する。
【0078】
交換ネットワーク
いくつかの実施形態では、複数のイオン交換反応器が結合されて、ブライン回路、洗浄回路、あるいは酸回路を備える交換ネットワークを形成する。ブライン回路のいくつかの実施形態では、ブラインは、ブライン回路の第1の反応器を通って流れ、その後、ブライン回路の次の反応器などに流れ、それにより、ブラインが1つ以上の反応器を通って流れる際に、リチウムがブラインから除去される。酸回路のいくつかの実施形態では、酸は、酸回路の第1の反応器を通って流れ、その後、酸回路の次のリアクターなどに流れ、それにより、リチウムが酸を有するカラムから溶出され、リチウム溶出液を生成する。水洗洗浄回路のいくつかの実施形態では、水は、水洗洗浄回路の第1の反応器を通って流れ、その後、随意に、水洗洗浄回路の次の反応器などに流れ、それにより、残留ブラインあるいは他の不純物が洗い流される。いくつかの実施形態では、回路の個々の反応器内でイオン交換粒子を保持するために、粒子トラップが使用される。いくつかの実施形態では、ブライン回路、洗浄回路、および/または酸回路内の一連の反応器を通って、向流方向にイオン交換粒子を移動させるか、あるいは、異なる回路間でイオン交換粒子を移動させるために、粒子トラップが使用される。
【0079】
交換ネットワークのいくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、ブライン回路、水洗洗浄回路、および酸回路の間で交換される。いくつかの実施形態では、ブライン回路の第1の反応器は、リチウムが充填され、その後、水洗洗浄回路に交換されて残留ブラインを除去する。いくつかの実施形態では、水洗洗浄回路の第1の反応器は、残留ブラインを除去するめに洗浄され、その後、酸回路に交換され、そこでリチウムが酸で溶出されてリチウム溶出液を形成する。いくつかの実施形態では、酸回路の第1の反応器は酸で溶出され、その後、ブライン回路に交換されて、ブラインからリチウムを吸収する。いくつかの実施形態では、ブライン回路および酸回路の両方の後に反応器を洗浄するために、2つの水洗洗浄回路が使用される。反応器交換システムのいくつかの実施形態では、ブライン回路の後にカラムを洗浄するために1つの水洗洗浄回路のみが使用されるが、余分な酸は、塩基で中和されるか、あるいは、ブライン回路の反応器から洗い流される。
【0080】
交換ネットワークのいくつかの実施形態では、ブライン回路の第1の反応器が交換され、水洗洗浄回路の最後の反応器になる。いくつかの実施形態では、水洗洗浄回路の第1の反応器が交換されて、酸回路中の最後の反応器になる。いくつかの実施形態では、酸回路の第1の反応器が交換されて、ブライン回路の最後の反応器あるいは酸の除去ための水洗洗浄回路の最後の反応器になる。
【0081】
他の態様
いくつかの実施形態では、反応器を通るブラインの流れは、バッチ、半バッチ、半連続的、あるいは連続の作動モードで作動する。いくつかの実施形態では、反応器を通る洗浄溶液の流れは、バッチ、半連続的、あるいは連続の作動モードで作動する。いくつかの実施形態では、反応器を通る酸溶液の流れは、バッチ、半連続的、あるいは連続の作動モードで作動する。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、複数の反応器間を移動する。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、複数の反応器間で、ブライン、洗浄溶液、および酸の流れと反対方向に移動する。
【0082】
いくつかの実施形態では、水、ブライン、酸、スラリー、あるいは他の溶液を移動させるために、空気ポンプ、水ポンプ、あるいは真空ポンプが使用される。いくつかの実施形態では、水、ブライン、酸、スラリー、あるいは他の溶液を移動させるために、真空系統が使用される。いくつかの実施形態では、水、ブライン、酸、スラリー、あるいは他の溶液を移動させるために、1つ以上のタンク、カラム、あるいは他の管が加圧される。いくつかの実施形態では、フィルター、粒子トラップ、あるいは他の固液分離装置を通って、水、ブライン、酸、あるいは他の溶液を移動させるために、1つ以上のタンク、カラム、あるいは他の管が加圧される。いくつかの実施形態では、反応器の内部にイオン交換材料を残しつつ、反応器から流体を吸引するために、イオン交換材料/流体懸濁液と接触しているフィルターに真空が適用される。いくつかの実施形態では、真空弁は、フィルターが逆洗浄される時に閉じられるライン内のフィルターからおよそ6インチに設置される。いくつかの実施形態では、真空弁は、フィルターが逆洗浄される時に閉じられるライン内のフィルターからおよそ4インチに設置される。いくつかの実施形態では、真空弁は、フィルターが逆洗浄される時に閉じられるライン内のフィルターからおよそ8インチに設置される。いくつかの実施形態では、逆洗浄の場合、圧縮空気がフィルターを通してポンプで送られ、フィルターの反対側のケーキを崩壊する。いくつかの実施形態では、懸濁液からの流体のろ過を再開するために、真空弁が再び開かれて、フィルターを真空に再曝露する。いくつかの実施形態では、一連の真空弁は、真空/排水ラインからの真空の損失を最小限に抑えるために使用される。
【0083】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子から、残留ブライン、残留酸、あるいは他の不純物を取り除くために、洗浄溶液が使用される。いくつかの実施形態では、洗浄溶液は、水、pH調整された水、水溶液、あるいは非水溶液である。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクから除去され、カラムに充填され、そこで洗浄される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクから除去され、カラムに充填され、そこで洗浄されて残留ブラインが除去される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクから除去され、カラムに充填され、そこで洗浄されて残留酸が除去される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、充填床、固定床、流動床、あるいはそれらの組み合わせを形成する。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクとカラムとの間で移動する。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換粒子が流動化されるタンクと、イオン交換粒子が充填床あるいは固定床を形成するカラムとの間を移動する。いくつかの実施形態では、1つ以上カラムが、1つ以上のタンクに直接結合される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子がタンクからカラム内へと固定することができるように、1つ以上カラムが1つ以上のタンクの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子がタンクからカラム内へと固定することができるように、1つ以上カラムが1つ以上の円錐形底部のタンクの底部において取り付けられる。いくつかの実施形態では、重力下で、あるいは溶液の流れにより、イオン交換粒子がタンクからカラム内へと固定され得るように、1つ以上カラムが1つ以上のタンクの底部において取り付けられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、EDTA、ジナトリウムEDTA、あるいは他のスケール防止剤(anti-scalants)を含む洗浄溶液は、イオン交換反応器からCaSO4、MgSO4、SrSO4、BaSO4、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、硫酸塩スケール、炭酸塩スケール、または他のスケールを除去するために使用される。いくつかの実施形態では、スケール防止剤洗浄は、各ブライン、水、あるいは酸処理の前または後に行なわれる。いくつかの実施形態では、スケール防止剤洗浄は、約10未満、約50未満、あるいは約200未満である、イオン交換サイクルの数の後に行なわれる。
【0085】
いくつかの実施形態では、これらのイオン交換粒子のパフォーマンスが、リチウム取り込み量、リチウム選択性、リチウム取り込み速度論、化学的安定性、あるいは機械的安定性の点において低下した後、イオン交換粒子は上記反応器から取り替えられる。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、作動の中断を最小限に抑えて、イオン交換反応器のネットワーク内の1つ以上のイオン交換反応器と取り替えられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、塩基は、液体資源からのリチウム取り込み前に、取り込み中に、あるいは取り込み後にイオン交換反応器に加えられる。いくつかの実施形態では、塩基は、溶液として、水溶液として、スラリーの成分として、あるいは個体として加えられる。塩基は、イオン交換材料によるプロトン放出を中和し、約5-7、約3-8、あるいは約1-9の範囲に液体資源のpHを維持するのに役立つ。
【0087】
いくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、プランジャー、ピストン、あるいは液体溶液をフィルターに押し流しながら、フィルター上にイオン交換粒子を圧縮する、他の機械デバイスを有する。いくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、より高い速度で流体をフィルターに押し流すために加圧される。いくつかの実施形態では、より高いろ過速度を促進するために、フィルターの流出側で真空が使用される。
【0088】
いくつかの実施形態では、液体資源、洗浄溶液、あるいは酸溶液の流れは、イオン交換反応器を通って再循環される。いくつかの実施形態では、上記反応器の底部からのブラインの再循環は、イオン交換粒子の流動床を作るのに、あるいは部分的に流動床を作るのに役立つ。いくつかの実施形態では、タンクの底部からイオン交換粒子を流動化あるいは懸濁するために、酸、ブライン、水、あるいは他の溶液の流れが、タンクの底部に注入される。いくつかの実施形態では、酸、ブライン、水、あるいは他の溶液の流れは、タンクの底部に注入され、タンクの頂部で除去される。いくつかの実施形態では、酸、ブライン、水、あるいは他の溶液の流れは、上記反応器のネットワークの一部として移動し、および、タンクの底部からイオン交換粒子を流動化あるいは懸濁するためにタンクの底部に注入される。いくつかの実施形態では、酸、ブライン、水、あるいは他の溶液の流れは、連続的に作動された反応器あるいは半連続的に作動された反応器のネットワークの一部として移動し、および、反応器の底部からのイオン交換粒子を流動化あるいは懸濁するためにタンクの底部に注入される。
【0089】
いくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、タンクの内表面からイオン交換粒子を洗い流し、かつイオン交換粒子をタンクの底部に移動させるための噴霧システムを備える。
【0090】
いくつかの実施形態では、リチウムは、一度に加えられる酸を使用して、イオン交換粒子から溶出され、同じあるいは異なる濃度の様々なアリコートにおいて滴定される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子からのリチウム溶出は、pH測定および酸性の滴定を使用して、モニタリングあるいは制御される。いくつかの実施形態では、酸は、水およびイオン交換粒子を含むスラリーに加えられ、スラリーに加えられた酸の濃度は、酸が加えられた後のスラリーの最終的な酸の濃度よりも高い。
【0091】
いくつかの実施形態では、ブライン、酸、あるいは水溶液のpH変動は、リチウム取り込み、リチウム溶出、または洗浄工程のタイミングを決定するためにモニタリングされる。
【0092】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換反応器中のタンクまたはカラムの頂部あるいは底部で加えられるか、もしくは除去される。いくつかの実施形態では、ブライン、水、あるいは酸溶液は、イオン交換反応器中のタンクまたはカラムの頂部あるいは底部で加えられるか、もしくは除去される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換反応器中のタンクまたはカラムの頂部に加えられ、底部に固定され得る。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換反応器中のタンクまたはカラムの頂部に加えられ、ブラインがタンクまたはカラムを通って上方へ移動する際に、底部に固定され得る。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換反応器中のタンクまたはカラムの頂部に加えられ、および、カラムの底部に加えられ、かつカラムの頂部から除去されるブライン、水、あるいは酸溶液の上昇流によって制御される速度で底部に固定され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、タンクは、ポリマー、金属、セラミック、合金、ステンレス鋼、プラスチックライニング合金、酸化物ライニング合金、ファイバーグラス、複合材料、あるいはそれらの組み合わせである材料で構成される。いくつかの実施形態では、タンクは、PVDF、PE、PP、PVC、PTFE、他の耐酸材料、あるいはそれらの組み合わせで構成される。
【0094】
いくつかの実施形態では、リチウム取り込みおよびイオン交換粒子によるプロトン放出により、ブライン資源がイオン交換粒子と接触すると、ブライン資源のpHが低下する。いくつかの実施形態では、約5-7、約4-8、あるいは約1-9の範囲でpHを制御するために、塩基が液体資源に加えられる。いくつかの実施形態では、塩基は、個体として、スラリーとして、液体溶液として、あるいは水溶液として加えられる。いくつかの実施形態では、塩基は、CaO、Ca(OH)2、Mg(OH)2、NaOH、KOH、Sr(OH)2、Ba(OH)2、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0095】
イオン交換反応器または反応器システムのいくつかの実施形態では、沈降または分離を支援するために凝集剤が使用される。
【0096】
イオン交換粒子
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、コーティングされた、あるいはコーティングされていないイオン交換粒子である。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、以下のリストから選択されるイオン交換材料を含む:LiFePO4、LiMnPO4、Li2MO3(M=Ti、Mn、Sn)、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、LiMn2O4、Li1.6Mn1.6O4、LiMO2(M=Al、Cu、Ti)、Li4TiO4、Li7Ti11O24、Li3VO4、Li2Si3O7、Li2CuP2O7、Al(OH)3、LiCl.xAl(OH)3.yH2O、SnO2.xSb2O5.yH2O、TiO2.xSb2O5.yH2O、それらの固溶体、およびそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、イオン交換材料は、LiFePO4、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、それらの固溶体、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、Nb2O5、Ta2O5、MoO2、TiO2、ZrO2、SnO2、SiO2、Li2O、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MoO3、LiNbO3、LiTaO3、Li2SiO3、Li2Si2O5、Li2MnO3、ZrSiO4、AlPO4、LaPO4、ZrP2O7、MoP2O7、Mo2P3O12、BaSO4、AlF3、SiC、TiC、ZrC、Si3N4、ZrN、BN、カーボン、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン、ハードカーボン、ダイヤモンドライクカーボン 、それらの固溶体、あるいはそれらの組み合わせを含むコーティングを有する。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、TiO2、ZrO2、SiO2、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MnO3、ZrSiO4、LiNbO3、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、多孔性、非多孔性、あるいは複合体である。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、マトリックスに埋め込まれる、コーティングされた、あるいはコーティングされていないイオン交換材料で構成される。いくつかの実施形態では、マトリックスは、PVDF、ポリスチレン、他の耐酸性ポリマー、セラミックバインダー、シリカバインダー、あるいはそれらの組み合わせである。
【0099】
さらなる態様では、コーティング材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、コポリマー(ブロックコポリマー)、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理された架橋ポリマー、溶液処理ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドの種類、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルフホン、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ(4‐ビニルピリジン-コ-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフロオルエチレンポリマー(ETFE)、ポリ塩化ビニル(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、ペルフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフッ化物(FKM)、ペルフロロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロスルホン酸(Nafion)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ塩化ビニル(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発砲ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-コ-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発砲ポリスチレン(EPS)、硫化ポリフェニレン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、コーティングされた粒子は、LiFePO4、Li2SnO3、Li2MnO3、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li4Mn5O12、Li1.6Mn1.6O4、それらの固溶体、あるいはそれらの組み合わせからなる群から選択されるイオン交換材料と、TiO2、ZrO2、SiO2、Li2TiO3、Li2ZrO3、Li2MnO3、ZrSiO4、LiNbO3、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-コ-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発砲ポリスチレン(EPS)、硫化ポリフェニレン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含むコーティング材料とを含む。
【0101】
さらなる態様では、コーティングは、乾燥混合(dry mixing)、溶媒中の混合、エマルジョン、押出し、ある溶媒を泡立てて他の溶媒にすること、鋳造、加熱、蒸発、真空蒸着、噴霧乾燥、蒸気蒸着、化学蒸着、マイクロ波、水熱合成、重合、共重合、架橋結合、照射、触媒作用、発泡、他の蒸着方法、あるいはそれらの組み合わせによって、イオン交換粒子上に堆積する。さらなる態様では、コーティングは、n-メチル-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、他の溶媒、あるいはそれらの組み合わせを含む溶媒を使用して堆積する。
【0102】
液体資源
いくつかの実施形態では、液体資源は以下のリストから選択される:天然のブライン、溶解された塩原、地熱ブライン、海水、濃縮された海水、脱塩流出液、濃縮されたブライン、処理されたブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、再利用製品からの浸出液、回収材料からの浸出液、あるいはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、液体資源は以下のリストから選択される:天然のブライン、溶解された塩原、濃縮されたブライン、処理されたブライン、合成ブライン、地熱ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出からの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、再利用製品からの浸出液、回収材料からの浸出液、あるいはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、液体資源は、浮遊物質、炭化水素、有機分子、あるいは他の化学種またはイオン種を除去するために、イオン交換反応器に入れる前に、随意にあらかじめ処理される。いくつかの実施形態では、液体資源は、その資源から前処理することなくイオン交換反応器に随意に供給される。いくつかの実施形態では、リチウムが液体資源から取り除かれた後、液体資源は、リザーバ、塩水湖、塩原、海盆、あるいは他の地質学上の沈殿物に注入される。いくつかの実施形態では、他の種は、リチウム回収の前あるいは後に、液体資源から回収される。いくつかの実施形態では、液体資源のpHは、リチウム回収の前あるいは後に調節される。
【0103】
溶出液処理
いくつかの実施形態では、イオン交換反応器から生成されるリチウム溶出溶液は、以下のリストから選択されるリチウム化学物質へとさらに処理される:硫酸リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、リン酸リチウム、水酸化リチウム、リチウム金属、リチウム金属酸化物、リチウム金属リン酸塩、硫化リチウム、あるいはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、イオン交換反応器から生成されるリチウム溶出溶液は、固体、水性、液体、スラリー形態、水和物、無水物であるリチウム化学物質へさらに処理される。
【0104】
いくつかの実施形態では、イオン交換反応器から生成されるリチウム溶出溶液は、酸回収、酸リサイクル(acid recycling)、酸再生、蒸留、逆浸透、蒸発、精製、化学沈澱、膜電解、あるいはそれらの組み合わせを使用して、さらに処理される。
【0105】
方法
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であって、上記方法は:イオン交換反応器、タンク、前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、液体資源からリチウムイオンを吸収した後に酸溶液で処理される時に、リチウム溶出溶液を溶出するイオン交換粒子、1つ以上の粒子トラップ、および前記液体資源のpHを調節するための設備を提供する工程と;液体資源を前記イオン交換反応器に流し、それにより、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする工程と;前記リチウム溶出溶液を生成するために、前記イオン交換粒子を酸溶液で処理する工程と;前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程と、を含む。
【0106】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であって、上記方法は:(i)円錐形状のタンクであって、ここで、前記円錐形状は、固定床の上から液体を除去することができるように、イオン交換粒子が前記固定床に固定することを可能にする、円錐形状のタンクと;(ii)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、および、前記液体資源からリチウムを吸収した後に酸溶液で処理される時に、前記リチウム溶出溶液を溶出する、イオン交換粒子と;(iii)前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、ここで、前記1つ以上の粒子トラップは1つ以上のメッシュを含む、1つ以上の粒子トラップと;(iv)前記液体資源のpHを調節するための設備であって、ここで、前記液体資源の前記pHの前記調整がタンク内で起こるか、あるいは、前記液体資源のタンクへの注入前に起こるように構成される、設備と;を含むイオン交換反応器を提供する工程と、液体資源を前記イオン交換反応器に流し、それにより、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする工程と;リチウム溶出溶液を生成するために、前記イオン交換粒子を酸溶液で処理する工程と;前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程と、を含む。
【0107】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウム溶出溶液を生成する方法であって、上記方法は:(i)円錐形状のタンクであって、ここで、前記円錐形状は、固定床から液体を除去することができるように、イオン交換粒子が固定床に固定することを可能にする、円錐形状のタンクと;(ii)前記液体資源からリチウムを選択的に吸収し、および、前記液体資源からリチウムを吸収した後に酸溶液で処理される時に、前記リチウム溶出溶液を溶出する、イオン交換粒子と;(iii)前記タンクの底部に位置する1つ以上の粒子トラップであって、ここで、前記1つ以上の粒子トラップは多層メッシュを含む、1つ以上の粒子トラップと;(iv)前記液体資源のpHを調節するための設備であって、ここで、前記液体資源の前記pHの前記調整がタンク内で起こるか、あるいは、前記液体資源のタンクへの注入前に起こるように構成される、設備と;を含むイオン交換反応器を提供する工程と:液体資源を前記イオン交換反応器に流し、それにより、前記イオン交換粒子が前記液体資源からリチウムを選択的に吸収することを可能にする工程と;リチウム溶出溶液を生成するために、前記イオン交換粒子を酸溶液で処理する工程と;前記リチウム溶出溶液を収集するために、前記リチウム溶出溶液を前記1つ以上の粒子トラップに通す工程と、を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、タンクは円錐形状を有する。いくつかの実施形態では、タンクは部分的な円錐形状を有する。いくつかの実施形態では、円錐形状は、固定床の上から液体を除去することができるように、イオン交換粒子が固定床に固定することを可能にする。いくつかの実施形態では、部分的な円錐形状は、固定床の上から液体を除去することができるように、イオン交換粒子が固定床に固定することを可能にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、液体資源のpHの調節がタンク内で起こる。いくつかの実施形態では、液体資源のpHの調節が、タンクへの注入前に起こる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、タンクの内部の1つ以上のフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、1つのフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、1つのフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、2つのフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、3つのフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、4つのフィルターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、5つのフィルターを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、タンクの底部に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、タンクの底部の近くに位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、タンクの底部の上に位置する。
【0111】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、1つのメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、2つのメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、3つのメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、4つのメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、5つのメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップのすべてのメッシュは、同一である。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップのメッシュの少なくとも1つは、1つ以上の粒子トラップの残りのメッシュと同一ではない。
【0112】
いくつかの実施形態では、1つ以上のメッシュは、約200ミクロン未満、約175ミクロン未満、約150ミクロン未満、約100ミクロン未満、約75ミクロン未満、約50ミクロン未満、約25ミクロン未満、約10ミクロン未満、約1ミクロンを超える、約5ミクロンを超える、約10ミクロンを超える、約20ミクロンを超える、約30ミクロンを超える、約40ミクロンを超える、約50ミクロンを超える、約60ミクロンを超える、約70ミクロンを超える、約80ミクロンを超える、約90ミクロンを超える、約100ミクロンを超える、約125ミクロンを超える、約150ミクロンを超える、約175ミクロンを超える、約1ミクロン~約200ミクロン、約5ミクロン~約175ミクロン、約10ミクロン~約150ミクロン、約10ミクロン~約100ミクロン、約10ミクロン~約90ミクロン、約10ミクロン~約80ミクロン、約10ミクロン~約70ミクロン、約10ミクロン~約60ミクロン、あるいは約10ミクロン~約50ミクロンの孔隙を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、多層のメッシュを含む。いくつかの実施形態では、多層のメッシュは、ろ過ための少なくとも1つの微細なメッシュと、構造支持ための少なくとも1つのより粗いメッシュとを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップが、構造支持により支持された1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップは、1つ以上のポリマーメッシュを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーメッシュは、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0114】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップが、金属ワイヤーメッシュを含む1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態では、金属ワイヤーメッシュは、ポリマーでコーティングされる。いくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、洗浄のために前記イオン交換粒子を1つ以上のカラムに移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、イオン交換反応器は、洗浄のために、イオン交換粒子が1つ以上のカラムに固定することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、カラムは前記タンクの底部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの壁を介して1つ以上のポートに取り付けられた1つ以上のフィルターを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のフィルターを含み、および前記1つ以上のフィルターと前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の重力沈降デバイスを含み、前記1つ以上の重力沈降デバイスと前記タンクとの間で流体連通がなされる。
【0116】
いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクに内部にある1つ以上の重力沈降デバイスを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の遠心沈降装置を含み、前記1つ以上の遠心沈降装置と前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの内部にある1つ以上の遠心沈降装置を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせを含み、および、前記1つ以上の沈殿タンク、遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせと、前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせを含み、および、前記1つ以上のメッシュ、遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせと、前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上の沈殿タンク、1つ以上のメッシュ、あるいはそれらの組み合わせを含み、および、前記1つ以上の沈殿タンク、メッシュ、あるいはそれらの組み合わせと、前記タンクとの間で流体連通がなされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子トラップは、前記タンクの外部にある1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、1つ以上の遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせを含み、および、前記1つ以上のメッシュ、1つ以上の沈殿タンク、遠心分離装置、あるいはそれらの組み合わせと、前記タンクとの間で流体連通がなされる。
【0117】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は撹拌される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子はミキサーによって撹拌される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子はプロペラによって撹拌される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクの底部近くのタンクに溶液をポンプで送り込むことにより流動化される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、タンクから、タンクの底部近くのタンクへと溶液をポンプで送り戻すことより流動化される。いくつかの実施形態では、イオン交換粒子は、イオン交換粒子のスラリーを、タンクの底部近くからタンクにおけるより高いレベルへとポンプで送ることにより流動化される。
【0118】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに含み、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出溶液は保存され、新たにリチウム化される前記イオン交換粒子からリチウムを溶出するためにさらに使用される。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の段階式の溶出タンクをさらに含み、ここで、プロトンとリチウムイオンの混合物を含む中間の溶出溶液は、追加の酸と混合され、前記イオン交換粒子からリチウムを溶出するのに使用される。
【0119】
いくつかの実施形態では、イオン交換粒子はコーティング材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、コーティング材料はポリマーである。いくつかの実施形態では、コーティング材料のコーティングは、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【実施例】
【0120】
実施例1:円錐形底部および取り付けられたフィルターを備えるイオン交換反応器
【0121】
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、50,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、3,000mg/LのMg、および500ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料は、Li4Mn5O12であり、コーティング材料はZrO2である。上記粒子は、96重量%の活性材料および4重量%のコーティング材料で構成される。上記粒子は、30ミクロンの平均径を有し、コーティング厚さはおよそ100nmである。固相法(solid state method)によりLi4Mn5O12を最初に合成することによって粒子を作り、その後、前駆体としてZr(IV)プロポキシドを使用して、コーティング材料をLi4Mn5O12の表面に堆積させる。
【0122】
イオン交換粒子を、
図1に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、円錐タンク(101)と、タンク壁の開口にあるフランジ上で取り付けられたPEEK 12umのメッシュ(102)であって、上記メッシュが、PVC管に取り付けられたタンク壁とメッシュがほぼ同じ高さになることで、イオン交換粒子がタンク内部で保持される間に流体がメッシュを通ってタンクに流れ込み、かつ流れ出ることを可能にするメッシュと、オーバーヘッド撹拌機(103)と、pH制御装置(104)と、水を噴霧し、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すように配置された1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システム(図示せず)とを含む。
【0123】
粒子は水性スラリーにおいてタンクに充填される。1.5N H2SO4酸を、PEEKメッシュを介してタンクにポンプで送り込み、規定度0.75NのH2SO4を有するスラリーを作成する。酸をイオン交換粒子と撹拌し、溶液中にLi2SO4を生成した。酸の処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料は、水素に富む組成であるプロトン化状態に変換される。ZrO2コーティングは、水素およびリチウムそれぞれからの、および水素およびリチウムそれぞれへの活性材料の拡散を可能にするが、活性材料からのマンガンおよび酸素の溶解を制限する防護壁をもたらす。40分後、溶出組成物を測定する元素分析のために、PEEKメッシュを介して溶出溶液をタンクから収集する。
【0124】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインは、PEEKメッシュを通ってタンクにポンプに送り込まれる。粒子は、プロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持する。4時間後、使用済みブラインを、PEEKメッシュを介してタンクから除去する。その後、噴霧システムによってイオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を水で3回洗浄し、PEEKメッシュを介してその水をタンクから排出し、タンクの底部にイオン交換粒子の水性スラリーを残す。
【0125】
その後、以前に記載さるような溶液においてリチウムを生成するために、リチウム化された材料を酸で再び処理する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLi2SO4溶液を生成する。酸における活性材料の溶解および分解は、防護壁を提供するコーティングにより制限されている。撹拌に続く酸溶液の元素分析により、活性材料の溶解を測定する。25回のイオン交換サイクル後、イオン交換材料のリチウム取り込み能力の測定可能な損失はなく、ブライン溶液からのリチウム回収率は、各サイクルでおよそ65%である。
【0126】
実施例2:円錐底部および内部フィルターを備えたイオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、50,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、3,000mg/LのMg、および500ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料はLi4Mn5O12であり、コーティング材料はSiO2である。上記粒子は、94重量%の活性材料および6重量%のコーティング材料で構成される。上記粒子は、30ミクロンの平均径を有し、コーティング厚さはおよそ400nmである。固相法によりLi4Mn5O12を最初に合成することによって粒子を作り、その後、前駆体としてオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を使用して、コーティング材料をLi4Mn5O12の表面に堆積させる。
【0127】
イオン交換粒子を、
図2に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、円錐タンク(201)と、イオン交換粒子がタンク内部で保持される間に流体がメッシュを通ってタンクに流れ込み、かつ流れ出ることを可能にするための、PVC管に取り付けられたPEEK 12um メッシュ(202)を含む2つのキャンドルフィルターと、オーバーヘッド撹拌機(203)と、pH制御装置(204)と、ならびに水を噴霧し、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すように配置された1つ以上のノズルを備えた頂部にある噴霧システム(図示せず)とを含む。
【0128】
粒子は水性のスラリーにおいてタンクに充填される。1.5N HCl酸を、PEEKメッシュを介してタンクにポンプで送り込み、規定度0.75NのHClを有するスラリーを作成する。酸をイオン交換粒子と撹拌し、溶液中にLiClを生成した。酸の処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料は、水素に富む組成であるプロトン化状態に変換される。SiO2コーティングは、水素およびリチウムそれぞれからの、および水素およびリチウムそれぞれへの活性材料の拡散を可能にするが、活性材料からのマンガンおよび酸素の溶解を制限する防護壁をもたらす。40分後、溶出組成物を測定する元素分析のために、PEEKメッシュを介して溶出溶液をタンクから収集する。
【0129】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインはタンクの頂部の開口を通ってタンクにポンプで送り込まれる。粒子は、プロトン化された状態からリチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを7で維持する。6時間後、使用済みブラインを、PEEKメッシュを介してタンクから除去する。その後、噴霧システムによってイオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を水で3回洗浄し、PEEKメッシュを介してその水をタンクから排出し、タンクの底部にイオン交換粒子の水性スラリーを残す。
【0130】
その後、以前に記載さるような溶液においてリチウムを生成するために、リチウム化された材料を酸で再び処理する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLiCl溶液を生成する。酸における活性材料の溶解および分解は、防護壁を提供するコーティングにより制限されている。
【0131】
実施例3:円錐底部および外部フィルターを備えたイオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、70,000mg/LのNa、1,000mg/LのCa、5,000mg/LのMg、および200ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料は、Li4Mn5O12であり、コーティング材料はZrO2である。上記粒子は、96重量%の活性材料および4重量%のコーティングで構成される。上記粒子は、30ミクロンの平均径を有し、コーティング厚さはおよそ100nmである。固相法によりLi4Mn5O12を最初に合成することによって粒子を作り、その後、前駆体としてZr(IV)-プロポキシドを使用して、コーティング材料をLi4Mn5O12の表面に堆積させる。
【0132】
イオン交換粒子を、
図3に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、円錐タンク(301)、タンクから希薄なスラリーをとり入れる入口と、タンクへと濃縮スラリーを戻す1つの出口と、システムから流体を除去する他の出口とを備えた外部の沈殿タンク(302)、オーバーヘッド撹拌機(303)、pH制御装置(304)、ならびに水を噴霧し、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すように配置された1つ以上のノズルを備えた頂部にある噴霧システム(図示せず)を含む。
【0133】
粒子は水性のスラリーにおいてタンクに充填される。1.5N H2SO4酸をタンクにポンプで送り込み、規定度0.75NのH2SO4を有するスラリーを作成する。酸をイオン交換粒子と撹拌し、溶液中にLi2SO4を生成した。酸の処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料は、水素に富む組成であるプロトン化状態に変換される。ZrO2コーティングは、水素およびリチウムそれぞれからの、および水素およびリチウムそれぞれへの活性材料の拡散を可能にするが、活性材料からのマンガンおよび酸素の溶解を制限する防護壁をもたらす。40分後、溶出組成物を測定する元素分析のために、沈殿タンクを介して溶出溶液をタンクから収集する。
【0134】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。粒子は、プロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持する。4時間後、使用済みブラインを、沈殿タンクを介してタンクから除去する。その後、噴霧システムによってイオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を、水で3回洗浄し、沈殿タンクを介してその水をタンクから排出し、タンクの底部にイオン交換粒子の濃縮された水性スラリーを残す。
【0135】
その後、以前に記載さるような溶液においてリチウムを生成するために、リチウム化された材料を酸で再び処理する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLi2SO4溶液を生成する。
【0136】
実施例4:外部沈殿タンクを備えたイオン交換反応器
リチウムは、イオン交換粒子を使用してブラインから抽出される。ブラインは、70,000mg/LのNa、1,000mg/LのCa、5,000mg/LのMg、および200ppmのLiを含む水溶液である。イオン交換粒子は、Li4Mn5O12であるイオン交換材料で構成される。粒子は、30ミクロンの平均径を有する。Li4Mn5O12は固相法により合成される。
【0137】
イオン交換粒子を、
図4に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、円筒タンク(401)、タンクから希薄なスラリーをとり入れる入口と、タンクへと濃縮スラリーを戻す1つの出口と、システムから流体を除去する他の出口とを備えた外部の沈殿タンク(402)、オーバーヘッド撹拌機(403)、pH制御装置(404)、ならびに水を噴霧し、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すように配置された1つ以上のノズルを備えた頂部にある噴霧システム(図示せず)を含む。
【0138】
粒子は水性のスラリーにおいてタンクに充填される。1.5N H2SO4酸をタンクにポンプで送り込み、規定度0.75NのH2SO4を有するスラリーを作成する。酸をイオン交換粒子と撹拌し、溶液中にLi2SO4を生成した。酸の処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料は、水素に富む組成であるプロトン化状態に変換される。40分後、溶出組成物を測定する元素分析のために、沈殿タンクを介して溶出溶液をタンクから収集する。
【0139】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。粒子は、プロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持する。4時間後、使用済みブラインを、沈殿タンクを介してタンクから除去する。その後、噴霧システムによってイオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を、水で3回洗浄し、沈殿タンクを介してその水をタンクから排出し、タンクの底部にイオン交換粒子の濃縮された水性スラリーを残す。
【0140】
その後、以前に記載さるような溶液においてリチウムを生成するために、リチウム化された材料を酸で再び処理する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLi2SO4溶液を生成する。
【0141】
実施例5:外部フィルターを備えたイオン交換システム
リチウムは、イオン交換粒子を使用してブラインから抽出される。ブラインは、70,000mg/LのNa、1,000mg/LのCa、5,000mg/LのMg、および200ppmのLiを含む水溶液である。イオン交換粒子は、Li4Mn5O12であるイオン交換材料で構成される。粒子は、30ミクロンの平均径を有する。Li4Mn5O12は固相法により合成される。
【0142】
イオン交換粒子を、
図5に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、ブライン混合および水洗洗浄のためのより大きな円筒ブラインタンク(501)と、酸混合のためのより小さな円筒の酸タンク(502)と、酸タンクから液体を除去するための沈殿タンク(503)と、ブラインタンクから液体を除去するための沈殿タンク(504)と、酸溶出前に、より濃縮されたスラリーを形成するために水を除去しながら、酸タンクとブラインタンクとの間でイオン交換粒子を移動させるための沈殿タンク(505)とを含む。各タンクは、水を噴霧して、タンクの側部からタンクの底部までイオン交換粒子を洗い流すように配置される1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部で、オーバーヘッド撹拌機、pH制御装置(図示せず)、および噴霧システム(図示せず)に取り付けられる。
【0143】
粒子を、水性のスラリーにおいて酸タンクに充填する。1.5N HCl4酸をタンクにポンプで送り込み、規定度0.75NのHClを有するスラリーを作成する。酸をイオン交換粒子と撹拌し、溶液中にLiClを生成した。酸の処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料は、水素に富む組成であるプロトン化状態に変換される。30分後、酸性溶出液およびイオン交換粒子のスラリーを、外部の沈殿タンク(503)を使用して、濃縮スラリーならびに溶出溶液へと分離する。洗浄のために、濃縮スラリーを酸タンクに再注入する。その後、外部の沈殿タンク(503)を使用して、スラリーを水で洗浄して、その水の大部分を除去する。その後、残留酸を含むいくらかの水を除去しながら、外部の沈殿タンク(505)を使用してスラリーをブラインタンクに移す。
【0144】
ブラインタンクにおいて、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、上記粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。粒子は、プロトン化された状態からリチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。Ca(OH)2の水性スラリーをタンクに加えて、ブラインのpHを7で維持する。6時間後に、イオン交換粒子をブラインタンクに戻しながら、使用済みのブラインを、沈殿タンク(504)を介してタンクから除去する。その後、噴霧システムにより、イオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を水で3回洗浄し、ブラインタンクに接続された外部の沈殿タンク(504)を使用して水を除去し、タンクの底部にイオン交換粒子の水性スラリーを残す。その後、余分な水を除去して、酸タンクに充填されているスラリーの濃縮を増加させながら、外部の沈殿タンク(505)を介してスラリーを酸タンクに移す。
【0145】
その後、以前に記載さるような溶液においてリチウムを生成するために、リチウム化された材料を酸で再び処理する。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLiCl溶液を生成する。
【0146】
実施例6:1つの酸反応器を共有する複数のブライン反応器を備えたイオン交換システム
イオン交換粒子を使用して、リチウムをブラインから抽出する。ブラインは、60,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、5,000mg/LのMg、および120ppmのLiを含む水溶液である。イオン交換粒子は、Li4Mn5O12であるイオン交換材料で構成される。粒子は、40ミクロンの平均径を有する。Li4Mn5O12は固相法により合成される。
【0147】
イオン交換粒子を、
図6に示されるイオン交換システムに充填する。イオン交換システムは、内部キャンドルフィルター、オーバーヘッド撹拌機、ならびにpH制御装置を組み込むより大きな円錐タンクを備えた、ブライン混合および水洗洗浄のための4つのブライン反応器(601、602、603、604)と;内部キャンドルフィルターおよびオーバーヘッド撹拌機を組み込むより小さな円錐タンクを備えた、酸溶出ための1つの酸反応器(605)とを含む。各タンクは、タンクから溶解可能な種を除去しながら、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すための洗浄溶液を噴霧するように配置された1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部で、噴霧システムに取り付けられる。
【0148】
ブラインタンクにおいて、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、上記粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。粒子は、プロトン化された状態からリチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。Ca(OH)2の水性スラリーをタンクに加えて、ブラインのpHを6.5で維持する。ブラインからのリチウム取り込みを反応器間で時間的にずらし、各ブライン反応器は、次の反応器のおよそ2時間後にリチウム取り込みを開始する。各ブライン反応器がブライン中のイオン交換粒子を8時間撹拌した後、キャンドルフィルターを介して枯渇したブラインを除去する。その後、イオン交換粒子を水で5回洗浄し、キャンドルフィルターを介してその水を除去する。その後、水とイオン交換の粒子の残りのスラリーを、酸反応器に移す。
【0149】
粒子を水性のスラリー中の酸タンクに充填する。1.5N HCl酸をポンプでタンクに送り込み、規定度0.75NのHClでスラリーを作成する。溶出中に、追加の1.5N HCl酸溶液をタンクに加えて、イオン交換粒子からのさらなるリチウム溶出を促す。酸をイオン交換粒子と撹拌し、LiCl溶出溶液を生成する。酸処理中、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Mn5O12活性材料を、水素に豊む組成であるプロトン化状態に変換する。45分後、キャンドルフィルターを介して酸溶出液を除去し、バッテリーグレード炭酸リチウムを形成するために溶出液処理装置に送る。残る酸性のスラリーを、水で一回洗浄し、キャンドルフィルターを介してその水を除去する。その後、スラリーをブラインタンクに移す。スラリーをブラインタンクに移し戻した後、次のブライン反応器を洗浄し、上記次のブライン反応器からのスラリーを、溶出のために酸反応器に移す。
【0150】
実施例7:複数の反応器を備えた連続的なイオン交換システム
イオン交換粒子を使用して、リチウムをブラインから抽出する。ブラインを、70,000mg/LのNa、30,000mg/LのCa、4,000mg/LのMg、および80ppmのLiを含む水溶液である。イオン交換粒子は、Li4Mn5O12であるイオン交換材料で構成される。粒子は、30ミクロンの平均径を有する。Li4Mn5O12は固相法により合成される。
【0151】
イオン交換粒子を
図7に示されるイオン交換システムに充填する。イオン交換システムは、より大きな円錐タンク、外部の沈殿タンク、オーバーヘッド撹拌機、およびpH制御装置を組み込む、ブライン混合と水洗洗浄ための4つのブライン反応器(701、702、703、704)を備えるブライン回路;水洗洗浄回路;より小さな円錐タンク、外部の沈殿タンク、およびオーバーヘッド撹拌機を組み込む、酸溶出ための2つの酸反応器(705、706)を備える酸回路、を含む。各タンクは、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すための水性の洗浄溶液を噴霧するように配置された1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部で、噴霧システムに取り付けられる。
【0152】
ブラインタンクにおいて、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、上記粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。粒子は、プロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換される。Ca(OH)2の水性スラリーをタンクに加えて、ブラインのpHを6.5で維持する。イオン交換粒子が向流方向に流れるとともに、ブラインは一連の4つのブライン反応器を通って連続的に流れる。イオン交換粒子は水性のスラリー中を移動する。ブラインとイオン交換粒子を外部の沈殿タンクを使用して分離する。システムを通るブラインとイオン交換粒子の適切な相対速度は、反応器にブラインまたはイオン交換粒子を再注入することによって維持され、これらは、必要に応じて反応器から除去される。イオン交換粒子がブライン回路の端部に達すると、イオン交換粒子を水洗洗浄回路へと移し、そこで残留ブラインを粒子から除去する。フィルターを介して洗浄した後に、余分な水を除去して、濃縮スラリーを形成し、それを酸回路に移す。
【0153】
その後、粒子を酸回路に移す。粒子は酸回路を通って移動し、酸溶液は回路のもう1つの端部で酸回路に入り、酸回路を通って向流方向に移動する。酸溶出液からイオン交換粒子を分離するために、外部の沈殿タンクを使用する。1.5N HCl酸がタンクにポンプで送り込まれ、そこで、酸溶液が酸回路に入り、規定度0.75NのHClを有するスラリーを作る。イオン交換粒子は、リチウムを酸溶液へと放出して、酸溶出溶液を形成する。酸溶出溶液は次の酸反応器に移され、そこで、酸溶出溶液がさらに溶出溶液に変換される。溶出溶液を酸回路から除去し、膜電解によってバッテリーグレード水酸化リチウムを形成するために処理する。酸回路を出たイオン交換粒子を洗浄回路において洗浄し、ブライン回路の開始点へと戻す。
【0154】
実施例8:段階的な溶出を伴うイオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、70,000mg/LのNa、12,000mg/LのCa、3,000mg/LのMg、および200ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料はLi4Mn5O12であり、コーティング材料はSiO2である。上記粒子は、94重量%の活性材料および6重量%コーティング材料で構成される。上記粒子は30ミクロンの平均径を有し、コーティング厚さはおよそ400nmである。固相法により最初にLi4Mn5O12を合成することにより上記粒子を作り、その後、TEOSを前駆体として使用して、Li4Mn5O12の表面上にコーティング材料を堆積させる。
【0155】
イオン交換粒子を、
図8に示されるイオン交換システムに充填する。イオン交換システムは、イオン交換粒子がタンク内部で保持される間に流体がメッシュを通ってタンクに流れ込み、かつ流れ出ることを可能にするためのPVC管に取り付けられたPEEK 12umを備えた一連の内部キャンドルフィルターと、pH制御装置と、イオン交換粒子をタンクの側部からタンクの底部まで洗い流すための水を噴霧するための複数のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システムとを備える、イオン交換反応器(801);酸供給タンク(802);ならびに、段階式の溶出液タンク(803)を備える。
【0156】
反応器は実施例2に記載されるオペレーターであるが、溶出中に、リチウムで飽和されるイオン交換粒子を、リチウムイオンとプロトンのおよそ50/50の混合物である酸溶出溶液で最初に溶出し、それにより、酸溶出溶液を、90%のリチウムイオンおよび10%のみのプロトンを備えた溶出溶液に変換し、リチウムイオンへのプロトンの変換を最大化する。溶出溶液をタンクから除去し、バッテリーグレード水酸化リチウムへとさらに処理する。その後、新しい酸をタンクに流し、リチウムイオンとプロトンのおよそ50/50の混合物である酸溶出溶液に変換し、その後、この酸溶出溶液を、次の溶出工程まで保管するために段階式の溶出液タンクへと流す。イオン交換粒子を水で洗浄し、6.5に制御されたpHを有するブラインで処理し、再び水で洗浄し、その後、上述のように溶出へと戻す。
【0157】
実施例9:イオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、リチウムをブラインから抽出した。ブラインは、100,000mg/LのNa、および300ppmのLiを含む水溶液であった。上記粒子は、85重量%の活性材料および15重量%のコーティング材料で構成された。上記粒子は、40ミクロンの平均径を有していた。
【0158】
イオン交換粒子を、
図9Aにおいて示されるイオン交換反応器に充填した。イオン交換反応器は、円錐形底部のタンク(901)と、上記タンクの円錐形底部の底に取り付けられたポリエーテルエーテルケトンの12ミクロンの孔径メッシュ(902)であって、上記メッシュは、イオン交換粒子が上記タンク内部で保持される間に、流体が上記メッシュを介して円錐形底部のタンクにポンプで送り込まれ、かつ送り出されることを可能にするメッシュと、pH制御装置(904)と、オーバーヘッド撹拌機(903)と、ポリエーテルエーテルケトンの35ミクロン孔径のメッシュを含む内部フィルタ(905)と、水を噴霧して、タンクの側部からタンクの底部までイオン交換粒子を洗い流すように配置される1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システム(図示せず)とを備える。
【0159】
粒子を乾燥材料としてタンクに充填した。2.0 N HCl酸をタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌して、LiCl溶出溶液を生成した。酸処理中に、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出した。活性材料を、水素に富む組成であるプロトン化された状態に変換した。コーティングは、活性材料を保護する防護壁を提供しながら、活性材料への、および活性材料からの水素とリチウムのそれぞれの拡散を可能にした。40分後、溶出溶液をタンクからメッシュを介して収集し、脱水し、炭酸ナトリウム沈殿および樹脂イオン交換ビーズを用いて精製して、微量のmg/Caを除去し、摂氏90度での炭酸ナトリウム溶液の添加により炭酸リチウムへと処理した。
【0160】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子はリチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインをタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌し、粒子をプロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態に変換する。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持した。4時間後、使用済みのブラインを、メッシュを介してタンクから除去する。その後、イオン交換粒子を噴霧システムにより水で洗浄した。粒子を水で3回洗浄し、メッシュを介してその水をタンクから排出し、少ない水分含有量で、タンクの底部にイオン交換粒子の湿った床(moist bed)を残す。
【0161】
その後、リチウム化された材料を酸で再び処理して、上述のように、溶液中にリチウムを得た。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、LiCl溶液を得た。イオン交換粒子の分解は、防護壁を提供するコーティングにより制限された。
図9Bは、ブラインと酸との間の複数のサイクルにわたる、ブラインからのリチウム回収率(ブライン中の総リチウムの割合としての、LiCl溶液中で得られたリチウムの量)を示す。
【0162】
実施例10:コラムが取り付けられたイオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、100,000mg/LのNa、200ppmのLi、およびCa、Mg、ならびにBを含む他の種を含有する塩化物水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料はLi2MnO3であり、コーティング材料は二酸化チタンである。上記粒子は、95重量%の活性材料および5重量%のコーティング材料で構成される。上記粒子は、200ミクロンの平均径を有する。固相法により最初にLi2MnO3を合成することによって粒子を作り、その後、コーティング材料を、Tiプロポキシド前駆体からLi2MnO3材料の表面上に堆積させる。
【0163】
イオン交換粒子を、
図10に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、より細長い円筒カラムが底部に接続され、取り付けられた円錐形底部のタンク(1001)と、上記カラムの底部に取り付けられたポリプロピレン100umのメッシュ(1002)であって、上記メッシュは、イオン交換粒子が上記タンク内部で保持されている間に、流体が上記メッシュを介して上記タンクにポンプで送り込まれ、かつ送り出されることを可能にするメッシュと、オーバーヘッド撹拌機(1003)と、pH制御装置(1004)と、ポリプロピレンの100ミクロンの孔径メッシュを含む内部フィルタ(1005)と、水を噴霧して、タンクの側部からタンクの底部までイオン交換粒子を洗い流すように配置される1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システム(図示せず)とを備える。
【0164】
粒子を乾燥材料としてタンクに充填する。1.5 N硫酸をタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌し、硫酸リチウムの溶出溶液を得た。酸処理中に、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。コーティングは、活性材料を保護する防護壁を提供しながら、活性材料への、および活性材料からの水素とリチウムのそれぞれの拡散を可能にする。40分後、溶出溶液を、メッシュを介してタンクから収集し、脱水し、炭酸ナトリウム沈殿および樹脂イオン交換ビーズを用いて精製して、微量のmg/Caを除去し、摂氏90度での炭酸ナトリウム溶液の添加により炭酸リチウムへと処理した。
【0165】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子は、リチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインをタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌し、および、粒子をプロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態に変換する。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持する。4時間後、メッシュを介して使用済みのブラインをタンクから除去する。イオン交換粒子は、カラム中に固定床を形成する。カラムを通って流れる水でイオン交換粒子を連続的に洗浄し、イオン交換粒子から残留ブラインを効率的に除去する。洗浄後、残留洗浄水を、カラムの底部からメッシュを介して排出し、ブラインのエントレインメントと水のエントレインメントを最小に抑えて、カラムの底部にイオン交換粒子の湿った床を残す。
【0166】
その後、リチウム化された材料を酸で再び処理して、上述されるように溶液中にリチウムを得た。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、硫酸リチウム溶液を得た。防護壁を提供するコーティングにより、イオン交換粒子の分解が制限される。
【0167】
実施例11:カラムおよび流動化ポンプが取り付けられたイオン交換反応器
イオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、60,000mg/LのCa、100ppmのLi、およびNa、Mg、ならびにBを含む他の種を含有する塩化物水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、活発なイオン交換材料およびポリマーコーティングで構成される。粒子は、30ミクロンの平均径を有する。
【0168】
イオン交換粒子を、
図11に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、より細長い円筒カラムが底部に接続され、取り付けられた円錐形底部のタンク(1001)と、上記カラムの底部に取り付けられた5ミクロンの孔径を有するポリマーでコーティングされたステンレスメッシュ(1102)であって、上記メッシュは、イオン交換粒子が上記タンク内部で保持されている間に、流体が上記メッシュを介して上記タンクにポンプで送り込まれ、かつ送り出されることを可能にするメッシュと、オーバーヘッド撹拌機(1103)と、pH制御装置(1104)と、液体をタンクからポンプで汲み上げてカラムの底部へと戻すポンプ装置(1105)であって、ここで、ポンプ装置の入口と出口は、5ミクロンの孔径を有するポリマーでコーティングされたステンレスメッシュで覆われているポンプ装置と、5ミクロンの孔径を有するポリマーでコーティングされたステンレスメッシュを含む内部フィルタ(1106)と、水を噴霧して、タンクの側部からタンクの底部までイオン交換粒子を洗い流すように配置される1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システム(図示せず)とを備える。
【0169】
粒子を乾燥材料としてタンクに充填する。1.0 Nの塩酸をタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌し、塩化リチウム溶出溶液を得た。酸処理中に、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。10分後、メッシュを介して溶出溶液をタンクから収集し、脱水し、炭酸ナトリウム沈殿および樹脂イオン交換ビーズを用いて精製して、微量のmg/Caを除去し、摂氏90度での炭酸ナトリウム溶液の添加により炭酸リチウムへと処理した。
【0170】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子は、リチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインをタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子とともに撹拌する。タンクを撹拌している間、ポンプ装置を用いてブラインをタンクから汲み出し、カラムの底部に注入し、カラム内で固定するあらゆる粒子を流動化し、タンクにおいて撹拌しているブライン中の粒子を懸濁する。粒子をプロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態へと変換する。ブラインのpHを6で維持するために、Ca(OH)2の水のスラリーをタンクに加える。3時間後、使用済みのブラインを、メッシュを介してタンクから除去する。イオン交換粒子は、カラム中に固定床を形成する。カラムを通って流れる水でイオン交換粒子を連続的に洗浄し、イオン交換粒子から残留ブラインを効率的に除去する。洗浄後、残留洗浄水を、メッシュを介してカラムの底部から排出し、ブラインのエントレインメントと水のエントレインメントを最小に抑えて、カラムの底部にイオン交換粒子の湿った床を残す。
【0171】
その後、リチウム化された材料を酸で再び処理して、上述されるように溶液中にリチウムを得た。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、塩化リチウム溶液を得た。防護壁を提供するコーティングにより、イオン交換粒子の分解が制限される。
【0172】
実施例12:流動化ポンプを備えたイオン交換反応器
コーティングされたイオン交換粒子を使用して、ブラインからリチウムを抽出する。ブラインは、100,000mg/LのNaおよび500ppmのLiを含む水溶液である。コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成される。イオン交換材料はLi4Ti5O12であり、コーティング材料はTiO2である。上記粒子は、90重量%の活性材料および10重量%のコーティング材料で構成される。上記粒子は、80ミクロンの平均径を有する。Li4Ti5O12を最初に合成することによって粒子を作り、その後、コーティング材料をLi4Ti5O12材料の表面上に堆積させる。
【0173】
イオン交換粒子を、
図12に示されるイオン交換反応器に充填する。イオン交換反応器は、円錐形底部のタンク(1201)と、上記タンクの円錐形底部の底に取り付けられたポリエーテルエーテルケトンの35ミクロンの孔径メッシュ(1202)であって、上記メッシュは、イオン交換粒子が円錐形底部のタンク内部で保持されている間に、流体が上記メッシュを介して上記タンクにポンプで送り込まれ、かつ送り出されることを可能にするメッシュと、オーバーヘッド撹拌機(1203)と、pH制御装置(1204)と、ポリエーテルエーテルケトンの35ミクロン孔径メッシュを備える内部フィルタ(1206)と、上記タンクから液体をポンプで汲み上げて上記タンクの底部に戻すポンプ装置(1205)であって、ここで、ポンプ装置の入口と出口がポリエーテルエーテルケトンの35ミクロンの孔径メッシュで覆われているポンプ装置と、水を噴霧して、タンクの側部からタンクの底部までイオン交換粒子を洗い流すように配置される1つ以上のノズルを備えたタンクの頂部にある噴霧システム(図示せず)とを備える。
【0174】
粒子を乾燥材料としてタンクに充填する。1.5 N HCl酸をポンプでタンクに送り込み、イオン交換粒子と撹拌して、LiCl溶出溶液を得た。酸処理中に、粒子は水素を吸収し、リチウムを放出する。Li4Ti5O12活性材料を、水素に富む組成であるプロトン化された状態に変換する。コーティングは、活性材料を保護する防護壁を提供しながら、活性材料への、および活性材料からの水素とリチウムのそれぞれの拡散を可能にする。15分後、メッシュを介して溶出溶液をタンクから収集し、脱水し、炭酸ナトリウム沈殿および樹脂イオン交換ビーズを用いて浄化し、微量のmg/Caを除去して、摂氏90度での炭酸ナトリウム溶液の添加により、炭酸リチウムへと処理した。
【0175】
酸における処理後、プロトン化された粒子をブラインで処理し、ここで、粒子は、リチウムを吸収し、水素を放出する。ブラインをタンクにポンプで送り込み、イオン交換粒子と撹拌し、および、粒子をプロトン化された状態から、リチウムに富む組成であるリチウム化された状態に変換する。NaOHの水溶液をタンクに加えて、ブラインのpHを6で維持する。4時間後、メッシュを介して使用済みのブラインをタンクから除去する。その後、噴霧システムにより、イオン交換粒子を水で洗浄する。粒子を水で3回洗浄し、メッシュを介してその水をタンクから排出して、少ない水分含有量で、タンクの底部にイオン交換粒子の湿った床を残す。
【0176】
その後、リチウム化された材料を酸で再び処理して、上述されるように溶液中にリチウムを得た。プロトン化とリチウム化のサイクルを繰り返して、ブラインからリチウムを抽出し、かつLiCl溶液を生成する。防護壁を提供するコーティングにより、イオン交換粒子の分解が制限される。本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明を実施する際に随意に利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法および構造は、それにより包含されることが意図されている。