(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】壁取付け形の家具を壁に固定するための取付具及び壁取付け形家具
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20240129BHJP
A47B 96/06 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B96/06 P
(21)【出願番号】P 2020567778
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2019064331
(87)【国際公開番号】W WO2019233943
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】202018103146.5
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クニッカー, ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】テンフンブルク, シュテッフェン
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06471311(US,B1)
【文献】仏国特許出願公開第02783142(FR,A1)
【文献】実開昭63-197427(JP,U)
【文献】特開平11-206474(JP,A)
【文献】実開平06-080710(JP,U)
【文献】特開2001-161467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00-55/06
A47B 51/00
A47B 96/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁取付け形のキャビネットである壁取付け形の家具(1)を壁に固定するための取付具(2)であって、
壁取付け形の家具(1)は、少なくとも1つのベース(12)を有する家具本体と、側壁(11)と後壁(13)を備え、
取付具(2)は、壁に固定される第1の取付け部品(3、8)と、壁取付け形の家具(1)に固定される第2の取付け部品(4)と、第1の取付け部品(3)と第2の取付け部品(4)とを相互接続する長さ調節可能な駆動ユニット(5)を備えた、取付具(2)において、
前記第1の取付け部品(3)と前記後壁(13)との間、又は第1の取付け部品(3)と壁取付け形の家具(1)の後方領域に向けて配置された壁取付け形の家具(1)の接触面との間に支持要素(7)が配置され、
前記支持要素(7)は、壁取付け形の家具(1)の後方領域に、
壁に直交する方向である支持方向(x)に沿って位置を調整可能に配置された、取付具(2)。
【請求項2】
前記支持要素(7)は、スライド要素又は転動要素として構成される、請求項1に記載の取付具(2)
【請求項3】
前記支持要素(7)は、第1の取付け部品(3)に固定される、請求項1又は2に記載の取付具(2)。
【請求項4】
前記第1の取付け部品(3)は、壁に固定される第1の側壁(35)と、第1の側壁に直交して延び前記支持要素(7)が配置される第2の側壁(32)とを有する、請求項3に記載の取付具(2)。
【請求項5】
前記支持要素(7)が取り付けられるスライドホルダ(33)が、第2の側壁(32)に取り付けられる、請求項4に記載の取付具(2)。
【請求項6】
前記支持要素(7)は、壁取付け形の家具の後方領域に向けて配置された壁取付け形の家具(1)の後壁(13)又は接触面に取り付けられる、請求項1又は2に記載の取付具(2)。
【請求項7】
前記支持要素(7)は、後壁(13)又は壁取付け形の家具の後方領域に向けて配置された接触面に取り付けられた保持要素(9)内に収納される、請求項6に記載の取付具(2)。
【請求項8】
前記保持要素(9)は、前記支持要素(7)を可変に位置決めするため調整ユニットを有する、請求項7に記載の取付具(2)。
【請求項9】
前記駆動ユニット(5)は、電気機械式リフティング柱として構成される、請求項1乃至8の何れかに記載の取付具(2)。
【請求項10】
前記駆動ユニット(5)が、エネルギ蓄積装置(51)と、ラッチ取付具(52)として構成されたラッチ又はロックユニットとを備える、請求項1乃至8の何れかに記載の取付具(2)。
【請求項11】
壁取付け形のキャビネットである壁取付け形の家具ユニットであって、少なくとも1つのベース(12)を有する家具本体と、少なくとも1つの側壁(11)と後壁(13)を備え、
ベース(12)又は少なくとも1つの側壁(11)に、壁取付け形の家具ユニットを壁に固定するための取付具(2)が配備された、壁取付け形の家具ユニットにおいて、
少なくとも1つの取付具(2)は、請求項1乃至10の何れかに従って構成された、壁取付け形の家具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の壁取付け形の家具を壁に固定するための取付具及び壁取付け形家具に関する。
【背景技術】
【0002】
壁取付け形キャビネット又は壁ユニットのような壁取付け形の家具を壁に取り付けるためにも使用されるこのような取付具は、通常、家具側で家具の後部に固定され、フック又は吊り下げレールを使用して壁から取り外し可能である。
壁取付け形の家具の取付け高さを使用者に適した高さに可変的に調節できるようにするために、調節可能な取付具が例えばドイツ公開公報10 2016 122 044 A1から公知であり、これは、第1の取付け部品が壁に固定され、第2の取付け部品が壁取付け形の家具に固定され、該2つの取付け部品が長さ調節可能な駆動ユニットを介して互いに接続されている。
このような取付具は、実際にはそれ自体が実証されている。
【0003】
問題となることが見出された1つの問題は、壁取付け形の家具の高さ調整中に、壁取付け形の家具と壁との望ましくない接触が生じ、壁及び/又は壁取付け形の家具に損傷をもたらす可能性があることである。
本発明の目的は、壁及び/又は壁取付け形の家具への損傷を防止する壁取付け形の家具を固定するための取付具、並びに壁取付け形家具を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有する壁取付け形の家具を壁に固定するための取付具と、請求項12の特徴を有する壁取付け形家具によって解決される。
【0005】
本発明による壁取付け形の家具、特に壁取付け形のキャビネットを壁に固定するための取付具であって、
壁取付け形の家具は、少なくとも1つのベースを有する家具本体と、側壁と後壁を備え、
取付具は、壁に固定される第1の取付け部品と、壁取付け形の家具に固定される第2の取付け部品と、第1の取付け部品と第2の取付け部品とを相互接続する長さ調節可能な駆動ユニットを備えている。
【0006】
第1の取付け部品と後壁との間、又は第1の取付け部品と壁取付け形の家具の後方領域に向けて配置された壁取付け形の家具の接触面との間に支持要素が配置されている。
そのような支持要素を、壁取付け形の家具の後部と第1の取付け部品との間に配置することにより、壁取付け形の家具を垂直方向に移動させて壁取付け形の家具の高さを調整する際に、壁取付け形の家具の後部との接触を効果的に防止する。
【0007】
本発明の有利な実施形態の変形例は、従属項の主題事項である。
有利な実施形態の変形例によれば、支持要素は、スライド要素又は転動要素として、特に転動要素として構成される。
これにより、壁取付け形の家具の低摩擦移動が可能になり、その高さを調節することができる。
【0008】
他の有利な実施形態の変形例によれば、支持要素は、第1の取付け部品又は後壁に、壁に直交して支持方向に調整可能に配置されている。
支持要素の支持方向の調整が可能なため、高さ調整後の壁ユニットの傾き調整が可能である。
好ましい第1の実施形態の変形例に従って、支持要素は第1の取付け部品に取り付けられる。
【0009】
第1の取付け部品は、壁に固定される第1の側壁と、第1の側壁に直交して延び支持要素が配置される第2の側壁とを有するのが特に好ましい。
この第2の側壁上にて、支持要素が取り付けられるスライドホルダがスライド可能に取り付けられるのが好ましい。
これにより、支持方向に調整可能な支持要素の簡単な配置が可能になる。
【0010】
他の実施形態の変形例によれば、支持要素は、壁取付け形の家具の後壁に取り付けられ、従って第1の取付け部品に対向している。
支持要素は、後壁に取り付けられた保持要素内に収納されるのが好ましい。
この保持要素は、支持要素を支持方向に可変に位置決めするため調整ユニットを有するのが好ましい。
【0011】
他の好ましい実施形態の変形例によれば、駆動ユニットは電気機械式リフティング柱として構成され、該駆動ユニットを用いて壁取付け形の家具の高さが容易に調整され得る。
代替の実施形態に従って、エネルギ蓄積装置と、ラッチ取付具として構成されたラッチ又はロックユニットとを備える駆動ユニットを配備することも考えられる。
【0012】
これにより、壁取付け形の家具の簡単で機械的に操作できる高さ調整が可能になる。
本発明による壁取付け形の家具は、上記の少なくとも1つの取付具を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下では、本発明の例示的な実施形態が、添付の図面を使用してより詳細に説明される。
【
図1】2つの取付具が取り付けられた壁取付け形の家具の実施形態の変形例の斜視図である。
【
図2】
図1の壁取付け形の家具の側壁と該側壁に取り付けられた取付具の斜視図であり、駆動ユニットを省略している。
【
図3】スライドホルダが取り付けられた第1の取付け部品の一部の詳細な斜視図である。
【
図4】スライドホルダが異なる位置にある第1の取付け部品の側面図である。
【
図5】スライドホルダが異なる位置にある第1の取付け部品の側面図である。
【
図6】壁取付け形の家具に取り付けられた取付具の代替の実施形態の斜視図である。
【
図7】壁取付け形の家具の側壁と後壁に配置された、
図6に示す取付具の取付要素の詳細な斜視図である。
【
図8】
図7に対応する斜視図であり、代替で構成された駆動ユニットを備えている。
【
図9】
図7に対応する斜視図であり、代替で構成された駆動ユニットを備えている。
【
図10】
図6による実施形態の変形例の第1の取付け部品の正面図であり、壁保護要素が取り付けられている。
【
図11】
図10による第2の取付け部品上に第1の取付け部品を吊り下げた状態の詳細な部分的拡大図である。
【
図12】壁保護要素に対して位置し、壁取付け形の家具の後壁に取り付けられた支持要素の斜視図である。
【
図13】壁保護要素に対して位置し、壁取付け形の家具の後壁に取り付けられた支持要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の図面の記載では、上部、底部、左、右、前部、後部などの用語は、夫々の図面で選択された壁取付け形の家具、取付具、支持要素、取付け部品、駆動ユニットなどの例示的な表現および位置のみを指す。これらの用語は、限定的な方法で理解されるべきではなく、即ちこれらの参照は、異なる作業位置又は鏡面対称設計又は同様のものによって変化し得る。
【0015】
図1及び
図6にて、符号1は壁取付け形の家具の全体を指定する。壁取付け形の家具1は、特に、取付具2の助けを借りて壁に取り付けられる壁取付け形のキャビネットとして構成することができる。
壁取付け形の家具1は、少なくとも1つのベース12と、少なくとも1つの側壁11とを有する家具本体を有し、壁取付け形の家具1は、ここでは壁に取り付けられるキャビネットとして構成され、2つの側壁11と少なくとも1つの後壁13とを有する。
【0016】
図示の全ての例示的な実施形態において、取付具2は、壁に取り付けることができる第1の取付け部品3、8、壁取付け形の家具1に取り付けることができる第2の取付け部品4及び長さ調節可能な駆動ユニット5を有し、該駆動ユニット5によって、第1の取付け部品3、8及び第2の取付け部品4が相互接続され、壁取付け形の家具1を壁上の所望の垂直位置に調節することができる。
壁取付け形の家具1は、壁に取り付けられるキャビネット又は壁ユニットとして、特に生活又は調理領域のために構成することができる。また、このような壁取付け形の家具1を、生活、料理又は衛生の領域において、ベースキャビネットとして設計することも考えられる。
【0017】
壁取付け形の家具1の高さ位置決めを実行するときに壁取付け形の家具1の壁又は後側への損傷を回避するために、支持要素7が、第1の取付け部品3と壁取付け形の家具1の後壁13との間に配置される。
この支持要素7は、好ましくは転動要素、特にローラとして構成される。また、支持要素7をスライド要素や円筒状の転動要素等として構成することも考えられる。
【0018】
取付具2を使用して壁取付け形の家具1の高さを調整する場合、壁取付け形の家具1が支持要素7を使用して、できるだけ低い摩擦を以って変位することができることが重要である。
図1乃至
図5に基づいて、そのような取付具2の第1の実施形態の変形例は以下に説明されて、ここで、支持要素7は、第1の取付け部品3上に、壁に直交して支持方向xに調整可能に配置されている。
ここに示される実施形態の変形例における駆動ユニット5は、特に電気機械式リフティング柱として、リフティング柱駆動として構成される。
このような駆動ユニット5を別の方法で、例えば、一例として
図8に示すように、ラッチ取付具52として構成されたラッチ又はロックユニットと組み合わせたエネルギ蓄積装置51の形態で構成することも考えられる。
【0019】
図2及び
図3に示すように、第1の取付け部品3は、壁に取り付けることができる第1の側壁35と、第1の側壁35に対してある角度で配置され、特に第1の側壁35に対して垂直に延在し、その上に支持要素7が配置される第2の側壁32とを有する。
支持要素7は、第2の側壁32に直接取り付けることができる。ここに示す実施形態の変形例では、支持要素7はスライドホルダ33に取り付けられており、ここで、スライドホルダ33は、第2の側壁32に摺動可能に固定されている。
【0020】
スライドホルダ33は、ここでは、第2の側壁32の水平方向に延びる部分に押し付けられる金属シートの形態で構成されている。スライドホルダ33は、固定要素34が挿入される水平方向に延びるスロット331を有し、固定要素34でスライドホルダ33を締め付けて固定できる。
ここで、固定要素34は、締め付けたときにスライドホルダ33を第2の側壁32に締結するねじの形態で構成されている。
支持要素7の正確な位置決めを容易にするために、目盛り332がスライドホルダ33に付けられる。
【0021】
ここに示す実施形態の変形例では、支持要素7は、スライドホルダ33にしっかりと取り付けられた支持ローラとして構成されている。支持ローラは、第1の側壁35に水平且つ平行に整列された軸を介して回転させることができ、これにより、壁取付け形の家具1が垂直に動かされたときに支持要素7が壁取付け形の家具1の後壁13に沿って転動することができる。
第1の側壁35は、第1の取付け部品3を壁(図示せず)に固定するための多数の孔及び/又は長穴を有する。
【0022】
また、第1の取付け部品3は、第1の側壁35に対して垂直に折り曲げられたベース31を有し、ここでは電気機械式リフティング柱として構成された駆動ユニット5はベース31上でセットアップされ、固定されることができ、溶接ラグ36によって第2の側壁32に追加的に支持される。
第1の取付け部品3はその上端において、ベース31に対して平行に整列されたガイド部37を有し、ガイド部37は駆動ユニット5の上端が通過する中央凹部を有する。
電気機械式リフティング柱として構成された駆動ユニット5の場合、、第2の取付け部品4には、外柱に対して移動可能な内柱が連結されており、第2の取付け部品は、好ましくは壁取付け形の家具1の天井に固定された水平に整列したプレートを有し、リフティング柱が延びることにより、それに応じて壁取付け形の家具1が上昇される。
【0023】
図2に示す実施形態の変形例にて、第2の取付け部品4は、側壁11に追加的に取り付けられ、この場合、吊下げ要素226を介して、側壁11に取り付けられた壁取付け形の家具1のカウンタプレート14に取り付けられる。カウンタプレート14は、側壁11を安定させ、壁取付け形の家具1の短くなった後壁13を固定する役割を果たす。
支持要素7の支持方向xにおける設定を図示するために、
図4及び
図5は、第1の取付け部品3の第2の側壁32上のスライドホルダ33の2つの異なる位置を示す。スライドホルダ33を
図4に示す位置から
図5に示す位置に移動させることにより、壁取付け形の家具1の傾き傾向を調整することができる。
【0024】
また、この支持要素7の調整可能性を使用して、異なる厚さ又は可変位置の壁取付け形の家具1の後壁に取付具2を適合させることも考えられる。
図6乃至
図14は、本発明による取付具2の更なる実施形態の変形例を説明するために使用される。
図1乃至
図5に記載した実施形態の変形例とは対照的に、
図6乃至
図14に示す実施形態の変形例では、支持要素7は、壁取付け形の家具1の後壁13、この場合は高さが大幅に短くなった後壁に取り付けられており、壁取付け形の家具1が垂直方向に移動するときに、第1の取付け部品8に接触する。
【0025】
図6に示す実施形態の変形例にて、駆動ユニット5は、
図1乃至
図5に示す変形例と同様に、電気機械式リフティング柱として構成される。
図2及び
図3に示す実施形態の変形例とは対照的に、第1の取付け部品3は、ここでは、壁に沿って駆動ユニット5を収容する駆動取付部82の側まで延びる壁保護要素81を備えるように構成される。
壁保護要素81は、駆動取付部82と一体に構成することができる。ここに示す実施形態の変形例では、壁保護要素81は、連結要素83を介して駆動取付部82に連結されている。
【0026】
支持要素7は、
支持方向xにて壁保護要素81に対向して、壁取付け形の家具1の後壁13に取り付けられる。あるいは、支持要素7は、リテーナを介してベース又は側壁の1つに固定され、壁ユニットの後方領域と整列させることもできる。
ここに示されている実施形態の変形例では、支持要素7は、
図14に詳細に示されている保持要素9に含まれている。
保持要素9は、支持要素7の支持方向xへの可変位置決めも可能にするので、支持要素7を保持要素9に収容することが有利である。
【0027】
図14に示すように、保持要素9は、本質的に、支持要素ホルダ92が支持方向xに変位可能に収容されるベース本体91からなる。
ベース本体91内の支持要素ホルダ92の調整は、ベース本体91のねじ座93内の調整ねじ94によって行われ、この調整ねじは、支持要素ホルダ92のナットホルダ96内に支持方向xに強固に保持されているナット95に係合するので、調整ねじ94を回すことによって、ベース本体91に対する支持要素ホルダ92の変位が達成される。
【0028】
支持要素7は、支持要素ホルダ92内に収容され、ここでは、回転軸97がローラとして構成された支持要素7の回転可能な取付けのために、支持要素ホルダ92内に固定される。
壁取付け形の家具1を壁に掛けた後でも支持要素7を支持方向xに調整できるように、壁取付け形の家具1の前側から後壁13の孔15に調整ねじ94用のツールホルダを挿入することができる。
【0029】
図7に、リフティング柱として構成された駆動ユニット5を収容するための第1の取付け部品8の構成を示す。
この図から分かるように、第1の取付け部品8は、壁取付け形の家具1の側壁11に取り付けられた第2の取付け部品4の側壁41にリニアガイド21を介して結合されている。
また、リニアガイド21は、第1の取付け部品8が第2の取付け部品4に対して垂直方向zに互いに変位可能に形成されるように位置合わせされている。
【0030】
更に、吊下げ要素22が側壁11に取り付けられ、この吊下げ要素は、第2の取付け部品4に引っ掛けることができるフックを備える。吊下げ要素22は、壁取付け形の家具1を第2の取付け部品4に固定する役割を果たし、吊下げ要素22が事前に取り付けられた状態で壁取付け形の家具1は、第2の取付け部品4に掛けられ、次いで、吊下げ要素22に収容された調節ユニットの助けを借りて調節される。
図8は、第1の取付け部品8の代替的な実施形態の変形例を示し、ここではベース87を有していない、何故ならこの場合、駆動ユニット5がラッチ取付具52が結合されたエネルギ蓄積装置51として構成され、ラッチ取付具52が、壁取付け形の家具1の側壁11に平行に整列され、リニアガイド21を介して第2の取付け部品4に結合された第2の側壁86に取り付けられているからである。
【0031】
図9は、このような第1の取付け部品3の別の代替実施形態を示し、
図6に示された変形と比較して開口しているスピンドル駆動変形例が駆動ユニット5として含まれている。
本実施形態の変形例では、第2の取付け部品4は、駆動結合板42を有し、該駆動結合板42は駆動ユニット5の上端で駆動ユニット5に結合されている。
第1の取付け部品8の第2の側壁86も、ここではリニアガイドを介して第2の取付け部品4に結合されている。
【0032】
このために、第1の取付け部品8の第2の側壁86及び第2の取付け部品4の側壁41には、
図10及び
図11にも示すように、長手方向の溝43、87が設けられ、該溝にて側壁41、86に反対方向に固定されたスライドブロック16が案内される。
図12及び
図13は、壁取付け形の家具1の垂直方向の位置に応じて、第1の取付け部品の壁保護要素81の異なる垂直方向の位置に静止する、保持要素9に収容された支持要素7の位置を、個々の図として再度示す。
【符号の説明】
【0033】
1 壁取付け形の家具
11 側壁
12 ベース
13 後壁
14 カウンタプレート
15 孔
16 スライドブロック
2 取付具
21 リニアガイド
22 吊下げ要素
3 第1の取付け部品
31 ベース
32 第2の側壁
33 スライドホルダ
331 スロット
332 目盛り
34 固定要素
35 第1の側壁
36 溶接ラグ
37 ガイド部
4 第2の取付け部品
41 側壁
42 駆動結合板
43 ガイド溝
5 駆動ユニット
51 エネルギ蓄積装置
52 ラッチ取付具
7 支持要素
8 第1の取付け部品
81 壁保護要素
82 駆動取付部
83 連結要素
85 第1の側壁
86 第2の側壁
87 ガイド溝
9 保持要素
91 ベース本体
92 支持要素ホルダ
93 ねじ座
94 調整ねじ
95 ナット
96 ナットホルダ
97 軸
X 支持方向
Z 垂直方向