(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/32 20200101AFI20240129BHJP
D06F 34/08 20200101ALI20240129BHJP
D06F 34/28 20200101ALI20240129BHJP
D06F 33/56 20200101ALI20240129BHJP
D06F 33/36 20200101ALI20240129BHJP
D06F 33/52 20200101ALI20240129BHJP
D06F 101/02 20200101ALN20240129BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F34/08
D06F34/28
D06F33/56
D06F33/36
D06F33/52
D06F101:02
(21)【出願番号】P 2021043374
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 祐太朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼平
(72)【発明者】
【氏名】宗野 義徳
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-020388(JP,A)
【文献】特開平02-102694(JP,A)
【文献】特開2017-012208(JP,A)
【文献】特開平05-023473(JP,A)
【文献】特開平05-115657(JP,A)
【文献】特開平11-276766(JP,A)
【文献】特開2009-034407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00 - 33/76
D06F 34/00 - 34/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の複数の運転コースから1つの運転コースを選択可能な洗濯機であって、
洗濯機の表示パネルには、前記複数の運転コースの1つを選択する第1のボタンと、洗濯物をつけおき洗いするつけおき処理を選択する第2のボタンを備えており、
選択した運転コースについて、さらに前記第2のボタンを選択したときに洗濯の洗い工程内につけおき処理の工程が含まれ、かつ選択した運転コースについて、前記第2のボタンを選択する場合としない場合とで、当該運転コースの処理内容が相違する
とともに、
運転コースの前記処理内容には、洗濯機の洗濯開始から終了に至る工程の一部を省略することを含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機であって、
運転コースの前記処理内容には、運転する工程の内容、順番、実行時間、あるいは洗濯液の濃度、洗濯槽の回転数やパルセータの回転数の少なくとも1つの要因を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗濯機であって、
前記複数の運転コースは、少なくとも、つけおき洗いを含む標準コースと、つけおき洗いを含むおしゃれ着コースを有し、前記つけおき洗いを含む標準コースは、洗い工程内の前半でつけおき洗いを実行するコースであって、前記つけおき洗いを含むおしゃれ着コースは、洗い工程内の後半でつけおき洗いを実行するコースであることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機に係り、特につけおき洗いを行うに好適な洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機で、つけおき洗いを実施するためには、専用の「つけおきコース」を設定して洗濯する手段が一般的である。この「つけおきコース」は、標準コースの洗い時間を通常よりも長く設定したものであり、すすぎ工程や脱水工程は標準コースと同等の時間、回転数で制御されている。また、洗浄力を高めるためには、洗剤濃度の高い状態でのつけおき洗いが望ましく、洗い工程の規定水位よりも低い水位(高濃度)でつけおきが実施されている。
【0003】
つけおき処理に関して特許文献1には、操作パネルに「つけおき」ボタンを設け、より長いつけおき時間を確保することにより洗濯物の汚れが落ちやすくなるつけおきコースを設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1などの従来の方式では、普段の洗濯物をつけおき洗いすることは可能であるが、おしゃれ着や毛布などの洗濯物をつけおき洗いする場合には、洗い工程やすすぎ工程での衣類の傷みや、脱水工程での衣類の型くずれなどを抑えることができなかった。さらには、洗剤濃度の高い状態でのつけおきとなってしまい色落ちなどのリスクもあった。
【0006】
このことから本発明においては、洗濯物の種類を考慮し、洗浄力が低下せず、洗濯物が傷んだりしない、つけおき洗いを、簡易な操作で可能とする洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のことから本発明においては、「洗濯機の複数の運転コースから1つの運転コースを選択可能な洗濯機であって、洗濯機の表示パネルには、複数の運転コースの1つを選択する第1のボタンと、洗濯物をつけおき洗いするつけおき処理を選択する第2のボタンを備えており、選択した運転コースについて、さらに第2のボタンを選択したときに洗濯の洗い工程内につけおき処理の工程が含まれ、かつ選択した運転コースについて、第2のボタンを選択する場合としない場合とで、当該運転コースの処理内容が相違することを特徴とする洗濯機」としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、おしゃれ着や毛布をつけおき洗いする場合でも、洗濯物に合わせた洗濯動作を可能とし、洗い工程、すすぎ工程での衣類の傷みや、脱水工程での衣類の型くずれを抑制し、基準洗剤濃度でのつけおき洗いで、色落ちなどのリスク低減を実現することが可能となる。
【0009】
また本発明の実施例によれば、「洗濯機に水を溜めて衣類を浸す手動設定の手間」を自動化し、「洗濯機以外の場所に水を溜めて衣類を浸す際の粉末剤を溶かす手間」を廃止する、などの効果が得られる。さらには、つけおきの時間を選択できるようにすることで、使用者の用途に合わせて使い分けすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の前提とする一般的な洗濯機の構造を示す縦断面を示す図。
【
図2】本発明の前提とする一般的な洗濯機の機能構成例を示す図。
【
図3】本発明の実施例に係る表示パネル16の表示内容を一覧形式にして示した図。
【
図4】標準コースC1について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示した図。
【
図5】おしゃれ着コースC5について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示した図。
【
図6】デリケートコースC4について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示した図。
【
図7】全体工程をつけおき洗いの設定に応じて可変に設定できることを示す図。
【
図8】マイクロコンピュータ37内の演算部における演算処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,本発明の実施例について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【実施例1】
【0012】
まず
図1と
図2により、本発明の前提とする一般的な洗濯機の構成例について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る洗濯機の構造を示す縦断面図であり、
図2は、本発明の実施例に係る洗濯機の機能構成例を示す図である。
【0014】
洗濯機の筐体である外枠1内には、洗濯水を溜める外槽2が外枠1の上端四隅部から垂下させた4本の吊り部材(図示せず)で防振支持され、外枠1内の中心部に縦向きに配置されている。外槽2内に配置される洗濯槽3は、ステンレス鋼板を用いて、軸方向に長い有底円筒形状に形成されている。洗濯槽3の周壁には、通水あるいは通風のための貫通穴7が形成される。
【0015】
洗濯槽3内の内底面部の中央には、洗濯物を撹拌して洗い運転、すすぎ運転、乾燥運転などを行う回転翼6が回転自在に設けられている。回転翼6は、駆動装置8によって回転駆動され、正回転/逆回転を繰り返して洗い運転、すすぎ運転、乾燥運転などを行う。脱水運転時には、洗濯槽3と回転翼6は一体的に高速回転し、洗濯物に含まれる水分が脱水される。
【0016】
駆動部である駆動装置8は、可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機、インバータ駆動電動機などを使用した駆動電動機と電磁操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、駆動電動機と電磁操作クラッチ機構を制御することによって、洗濯槽3を静止させた状態で回転翼6を繰り返し正逆(往復)回転させる撹拌駆動モードと、洗濯槽3と回転翼6を一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードとを選択的に実行する駆動機能を有する。
【0017】
図1は、上記洗濯機としての機能のほかに、乾燥機としての機能を併せ持つ洗濯乾燥機としての構成例を示している。洗濯乾燥機とする場合には、さらに外枠1内の後側部には、排気接続部24により外槽2と接続された循環接続部である循環ダクト18が設置されており、循環ダクト18の風路内には、乾燥工程において洗濯物から蒸発した水分を含む温風を、冷却水で冷却して除湿するための水冷除湿板20が設置され、循環している温風に含まれる糸くずなどを除去する乾燥フィルタ(図示せず)が着脱可能に設置され、白抜き矢印で示すように、外槽2から排気接続部24を通り、循環ダクト18の下から上方向に向かう温風の流れを形成する送風供給部である送風機19と冷却されて除湿した後の循環温風を加熱するための加熱部であるヒータ17が設けられている。
【0018】
ヒータ17により加熱された空気は送風ダクト26を通り洗濯槽3内に温風を供給する。循環ダクト18と送風機19間の風路内に循環空気の湿度を検出する湿度検出部である温湿度センサ28が設置されている。
【0019】
送風ダクト26内には、加熱した温風の温度を検出する温風温度検出部である温風温度センサ21が設置されており、ヒータ17の加熱を制御するために利用する。
【0020】
循環ダクト18には洗濯槽3から排出され循環ダクト18内を循環する温風の温度を検出する循環温度検出部である循環温度センサ22を設置し、排気接続部24には冷却水の流れる位置に水温検出部である水温センサ23を設置し、冷却して凝縮回収された結露水を含む冷却水の温度を検出する。
【0021】
温湿度センサ28は、循環空気の湿度を検出する部分と温度を検出する部分で構成されており、検出した値から相対湿度を算出する。温湿度センサ28の温度を検出する部分は、循環ダクト18内を循環する温風の温度を検出しているため、循環温度センサ22の代わりとして利用することも可能である。
【0022】
洗濯運転時は、水温センサ23により、洗濯水、または、すすぎ水の水温を検出し、検出した水温により洗い工程や、すすぎ工程の制御内容を変更することに利用することも可能である。
【0023】
洗濯機における洗い運転、すすぎ運転、乾燥運転などの処理手順は、制御部9により調節されており、制御部9は、マイクロコンピュータ37を中心に構成される。
【0024】
図2に例示するマイクロコンピュータ37は、表示パネル16と、給水ユニット11と、排水弁14を制御する機能を有する。またマイクロコンピュータ37は、モータ駆動回路31を介して駆動装置8のモータ32を駆動制御し、クラッチ駆動回路33を介してクラッチ機構34を切り替え、ヒータスイッチ35のON/OFFを制御することによりヒータ17の通電を制御し、強/弱/オフを制御し、ファン駆動回路36を介して送風機19を制御する機能を有する。
【0025】
図3は、本発明の実施例に係る表示パネル16の表示内容を一覧形式にして示した図である。
図3には、表示パネル16上に配置された各種選択ボタンPBと、選択ボタンを選択した時の表示内容DPが対応付けして記述されている。例えば洗いボタンを選択した時には表示内容DPとして、3分、5分、8分、12分、20分の時間が選択可能となるように表示される。
【0026】
図3に例示する表示パネル16において、本発明では、つけおき処理に関して、つけおきプラスボタンPB0,並びにこれを選択した時のつけおきプラス表示DP0を表示パネル16に設けている点に特徴を有する。つまり、つけおき洗いを実現する手段を「つけおきコース」として洗濯機に搭載するのではなく、各種運転コースに設定可能なつけおき機能(「つけおき+」ボタンPB0)として洗濯機の表示パネル16に搭載する。
【0027】
また
図3に例示する表示パネル16において、本発明では、「つけおき+」ボタンPB0が選択され、かつ運転コースが選択されたときに、その運転コースでの処理内容が選択した時としない時で相違する内容とされる。ここで運転コースとは、洗濯ボタンPB1を用いて選択する標準コースC1,おいそぎコースC2,手作りコースC3,デリケートコースC4であり、洗濯乾燥ボタンPB2を用いて選択するおしゃれ着コースC5,毛布コースC6,低温乾燥コースC7,ダニ対策コースC8である。
【0028】
これにより、予め、標準コースC1,おいそぎコースC2,手作りコースC3,デリケートコースC4などの各種運転コースの洗い工程内の最適な位置に「つけおき洗い」が含まれたコースを記憶(テーブル)しておき、「つけおき+」ボタンを押下した場合、洗浄力が低下したり、衣類が傷んだりしない最適なタイミングでつけおき洗いを行うことが出来る。
【0029】
より具体的には、「つけおき+」ボタンPB0を押下した場合、その後に選択する運転コースが、標準コースC1と、他のコース(おいそぎコースC2,手作りコースC3,デリケートコースC4など)とで、つけおき洗いのタイミングが異なる洗い工程を備える。
【0030】
以下、「つけおき+」ボタンPB0を使用しない場合と、使用した場合の工程の相違について具体事例をもって説明する。まず
図4は、標準コースC1について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示したものである。
【0031】
図4の上部には「つけおき+」ボタンPB0を使用しない場合の工程と時間を例示しており、中段と下段には「つけおき+」ボタンPB0を使用する場合の工程と時間をパターンA, パターンBとして例示している。上段の「つけおき+」ボタンPB0を使用しない例では、給水⇒洗い0(高濃度)⇒給水⇒洗い1(基準濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T1で完了されている手順とされている。
【0032】
これに対し、中段、下段の「つけおき+」ボタンPB0使用事例では洗い工程内の最適な位置に「つけおき洗い」が含まれている。具体的に述べると、中段のパターンAの例では、標準コースでのつけおき洗いについて、給水⇒洗い1(高濃度)⇒つけおき(高濃度)⇒給水⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒洗い4(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T2で完了されている手順とされる。標準コースでのつけおき洗いのパターンAによれば、高濃度の状態でつけおきすることで、より洗浄力を高めることができる。
【0033】
下段のパターンBの例では、標準コースC1でのつけおき洗いについて、給水⇒洗い1(高濃度)⇒給水⇒つけおき(基準濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒洗い4(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T3で完了されている手順とされる。標準コースでのつけおき洗いのパターンBによれば、洗い工程の前につけおきすることで、のちの洗い工程で、衣類から浮かした汚れを取り除くことができる。
【0034】
図5は、おしゃれ着コースC5について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示したものである。
図5の上部には「つけおき+」ボタンPB0を使用しない場合の工程と時間を例示しており、下段には「つけおき+」ボタンPB0を使用する場合の工程と時間を例示している。上段の例では、給水⇒洗い1(基準濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T1で完了されている手順が、下段の「つけおき+」ボタンPB0使用事例では洗い工程内の最適な位置に「つけおき洗い」が含まれている。
【0035】
下段の例では、給水⇒洗い1(高濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒つけおき(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T2で完了されている手順とされる。この場合には、洗いの後半につけおき工程を設けることで、セーターなどの含水しづらい衣類を洗濯液に浸した状態でつけおきすることができる。
【0036】
図6は、デリケートコースC4について、「つけおき+」ボタンPB0の使用前後の処理内容の相違を例示したものである。
図6の上部には「つけおき+」ボタンPB0を使用しない場合の工程と時間を例示しており、下段には「つけおき+」ボタンPB0を使用する場合の工程と時間を例示している。
【0037】
上段の例では、給水⇒洗い1(基準濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T1で完了されている手順が、下段の使用事例では洗い工程内の最適な位置に「つけおき洗い」が含まれている。
【0038】
下段の例では、給水⇒洗い1(基準濃度)⇒つけおき(基準濃度)⇒洗い2(基準濃度)⇒洗い3(基準濃度)⇒排水の順に処理進行して時間T2で完了されている手順とされる。この場合には、高濃度ではなく、洗いの前半(基準濃度)でつけおきすることで、衣類の色落ちや傷みを抑えて洗浄効果を高めることができる。
【0039】
このように本発明の実施例1によれば、標準コースを含む複数の運転コースに対してつけおき洗いが設定され、適切なタイミング、処理内容でつけおき洗いが実行可能とされる。
【実施例2】
【0040】
実施例1では洗濯機の構成と「つけおき+」ボタンPB0を使用したときの運転コースごとのつけおき処理について説明した。これに対し実施例2では、つけおき処理を実現する手法、手段について説明する。
【0041】
この実現のために
図2のマイクロコンピュータ37は、プログラムや各種データを蓄積しておくROM,プログラムに従い演算処理を実行する演算部、演算したデータなどを一時記憶しておくRAMなどを含んで構成されており、このうちROM内には、各種運転コースごとの処理手順の行程の情報を保有している。
【0042】
この工程には各種運転コースごとに複数種類のものがあり、その一つは「つけおき+」ボタンPB0を使用しない時の工程パターン(
図4,5,6の上段の運転パターン)であり、その他方は「つけおき+」ボタンPB0を使用しない時の工程パターン(
図4,5,6の中段、あるいは下段の運転パターン)である。ただし、
図4,5,6では説明の都合上、一連の洗い、すすぎ、乾燥処理のうち、つけおき処理が関与する洗い工程のみを示しているが、ROM内には、全行程についての工程パターンが保有されている。
【0043】
つけおき処理時の工程パターンは、予め設定されているのがよいが、これを作成するにあたり調整可能な要因は、
図4,5,6の例で明らかなように、工程の内容、順番、実行時間であり、あるいは洗濯液の濃度(
図4中段の高濃度)であり、さらには洗濯槽の回転数やパルセータの回転数なども適宜可変に設定が可能である。例えばおしゃれ着洗いでのつけおき処理を行うときに、洗い処理後のすすぎや最終脱水処理に関して、回転数や時間による変更、調整を考慮するのがよい。
【0044】
またこの工程パターンは、給水から洗い、すすぎ、最終脱水に至る全工程に関して、その一部を省略するようなものであってもよい。
図7は全体工程をつけおき洗いの設定に応じて可変に設定できることを示す事例であり、給水から洗い、すすぎ、最終脱水に至る全工程について、実線の部分をつけおきをしない場合を想定して準備しているとしたときに、つけおきの工程では点線のようにその一部を実行しないものとすることも可能である。
【0045】
なお、マイクロコンピュータ37内の演算部では、ROMからプログラムを読みだして演算処理を実行するが、この時の手順としては、
図8に示すようにまず処理ステップS1において「つけおき+」ボタンPB0が選択されているか否かを判断する。選択されてない場合には、処理ステップS3において運転コースが選択されたことを確認し、処理ステップS5において当該運転コースの「つけおき+」ボタンPB0を使用しない時の工程パターン(
図4,5,6の上段の運転パターン)を入手し、実運転に入る。
【0046】
また処理ステップS1において「つけおき+」ボタンPB0が選択されている場合には、処理ステップS2において運転コースが選択されたことを確認し、処理ステップS6において当該運転コースの「つけおき+」ボタンPB0を使用する時の工程パターン(
図4,5,6の中下段の運転パターン)を入手し、実運転に入る。
【符号の説明】
【0047】
16:表示パネル
PB:各種選択ボタン
DP:表示内容