(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】精巣副腎残存腫瘍および卵巣副腎残存腫瘍を処置するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20240129BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240129BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240129BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240129BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240129BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20240129BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20240129BHJP
A61K 31/565 20060101ALI20240129BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20240129BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240129BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P15/00
A61P35/00
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/426
A61K31/4245
A61K31/565
A61K31/573
A61K31/4985
A61K45/00
(21)【出願番号】P 2021509725
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 US2019029486
(87)【国際公開番号】W WO2019210266
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-26
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520420919
【氏名又は名称】スプルース バイオサイエンシーズ,インク.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ハワートン,アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ガーバー,ハル
【審査官】長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503030(JP,A)
【文献】特表2010-504344(JP,A)
【文献】Korean Journal of Pediatrics,54(3),2011年,137-140
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精巣副腎残存腫瘍(TART)または卵巣副腎残存腫瘍(OART)の処置または予防のための薬剤の製造における、副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF
1)アンタゴニスト化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用であって、ここで、前記処置または予防は、前記化合物を、それを必要とする被験体に投与することを含
み、
前記CRF
1
アンタゴニスト化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、以下式(I)に示す[化1]の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、
式中、
R
1
とR
2
は独立してエチルまたはn-プロピルであり、
R
3
は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、および、
R
4
は、水素、Br、R
a
R
b
N-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または以下[化2]の構造
【化2】
であり、
R
a
とR
b
は独立して、水素、C
1
-C
3
アルキル、H
2
NCH
2
CH
2
-、(CH
3
)
3
COC(O)NHCH
2
CH
2
-、またはCH
3
CH
2
CH
2
NHCH
2
CH
2
-である、使用。
【請求項2】
前記被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有している、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
腫瘍のサイズは縮小
される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
腫瘍の数は減少
される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項5】
腫瘍のサイズは縮小
され、かつ腫瘍の数は減少
される、請求項1-4
のいずれか1つに記載の使用。
【請求項6】
前記R
3
は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである、請求項1-5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項7】
前記R
3
は、Cl、Br、またはメチルである、請求項1-5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項8】
前記R
4
は、Br、R
a
R
b
N-、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または、以下[化3]の構造
【化3】
である、請求項1-5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項9】
前記R
4
は、モルホリン-4-イルまたは、以下[化4]の構造
【化4】
である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記R
4
は、水素、Br、R
a
R
b
N-であり、および、R
a
とR
b
は独立してC
1
-C
3
アルキルである、請求項1-5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項11】
前記化合物は、以下[化5]の化合物
【化5】
あるいはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1-5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項12】
前記化合物は、
以下[化6]の化合物
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1-
9のいずれか1つに記載の使用。
【請求項13】
前記化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が、約5mg/日~約1000mg/日の用量で投与される、請求項1-
12のいずれか1つに記載の使用。
【請求項14】
前記化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が、約10mg/日~約400mg/日の用量で投与される、請求項
13に記載の使用。
【請求項15】
前記化合物は経口投与される、請求項1-
14のいずれか1つに記載の使用。
【請求項16】
前記化合物はカプセル剤または錠剤として製剤化される、請求項1-
15のいずれか1つに記載の使用。
【請求項17】
追加の化学療法剤を投与する工程をさらに含む、請求項1-
16のいずれか1つに記載の使用。
【請求項18】
前記追加の化学療法剤は、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、ACAT1阻害剤、または抗アンドロゲンである、請求項
17に記載の使用。
【請求項19】
前記グルココルチコイドは、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、またはトリアムシノロンである、請求項
18に記載の使用。
【請求項20】
前記追加の化学療法剤は、第2のCRF
1アンタゴニストである、請求項
17に記載の使用。
【請求項21】
前記第2のCRF
1アンタゴニストは、
以下[化7]の化合物
【化7】
あるいはその薬学的に許容可能な塩である、請求項
20に記載の使用。
【請求項22】
前記第2のCRF
1アンタゴニストは、
以下[化8]の化合物
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項
21に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年4月27日に出願された米国仮特許出願第62/663,951号、および2019年3月23日に出願された米国仮特許出願第62/822,815号に基づく利益を主張するものであり、引用によってそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
副腎皮質刺激ホルモン産生細胞は、メラニン細胞刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、およびリポトロピンを生成する、下垂体前葉内の好塩基性細胞である。上記細胞は、ACTHおよびβ-リポトロピン(β-LPH)に切断されるプロオピオメラノコルチン(POMC)を産生する。これらの細胞は、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)に応答し、下垂体前葉内の細胞の約20%を占める。CRFは、副腎皮質刺激ホルモン放出因子ファミリーに属し、プロオピオメラノコルチン(POMC)の主要な生理学的調節因子である、放出ホルモンである。
【0003】
CRFは、視床下部室傍核内の小胞性神経内分泌細胞によって産生され、および、正中隆起で、これらのニューロン神経分泌末端から、視床下部-下垂体門脈系の一次毛細血管網の中へと放出される。門脈系は、CRFを下垂体の前葉へと運び、そこで、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞を刺激し、ACTHおよび他の生物活性物質を分泌する。次に、ACTHが、コルチゾール、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、およびDHEAの合成を刺激する。
【0004】
精巣副腎残存腫瘍(TART)および卵巣副腎残存腫瘍(OART)は、胚発生中に、これらの臓器内に間在する副腎組織に由来する精巣および卵巣のACTH応答性病変である。高いACTHに応答して、この組織の過形成が起こり、疼痛および不妊症を引き起こす可能性がある単一または複数の病変が生じる。CRF機能を調節する化合物およびダウンストリームプロセスの特定は、進行中の問題である。現在、TARTを制御するか、収縮させるか、または減少させる非ステロイド性の非外科的解決法はない。とりわけ、これらの問題の解決策、および当該技術分野における他の問題の解決策が本明細書に開示される。
【発明の概要】
【0005】
21-ヒドロキシラーゼ欠損症による先天性副腎過形成(CAH)は、コルチゾールの副腎の合成障害とその結果としての副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、17-ヒドロキシプロゲステロン(17OHP)、およびアンドロステンジオン(A4)などの副腎アンドロゲンの過剰生産によって特徴付けられる、深刻な遺伝性疾患である。CAHは、FDAに承認された治療がない難病である。アンドロゲン産生を抑制するために、患者はしばしば、グルココルチコイド(GC)の長期の超生理的な投与を処方されるが、それは副作用があり、大半の患者において17OHPおよびA4を抑制することができない。
【0006】
化合物1は、過剰なACTH、17OHP、およびA4を減少させて、CAHの臨床的ならびに生化学的な続発症を改善するための、強力で、選択的で、非ステロイド性の、経口の副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF1)受容体アンタゴニストであり得る。これは、高用量ステロイドを不必要にすることができる。
【0007】
本明細書で提供される1つの態様は、精巣副腎残存腫瘍(TART)または卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、あるいは防ぐ方法であり、上記方法は、被験体に副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストもしくはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有する。いくつかの実施形態では、腫瘍のサイズおよび/または数は、縮小するか、あるいは減少する。
【0009】
本明細書で提供される1つの態様は、精巣副腎残存腫瘍(TART)または卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、あるいは防ぐ方法であり、上記方法は、それを必要とする被験体に構造式(I):
【0010】
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含み:
式中:
R
1とR
2は独立してエチルあるいはn-プロピルであり;
R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、あるいはメトキシであり;および、
R
4は、水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0011】
【化2】
であり;
R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、あるいはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。
【0012】
いくつかの実施形態では、R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R3は、Cl、Br、またはメチルである。いくつかの実施形態では、R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、あるいは、
【0013】
【化3】
である。いくつかの実施形態では、R
4はモルホリン-4-イル、あるいは、
【0014】
【0015】
いくつかの実施形態では、R4は、水素、Br、RaRbN-、およびRaであり、ならびに、Rbは独立してC1-C3アルキルである。いくつかの実施形態において、化合物は、
【0016】
【0017】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0018】
【0019】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0020】
【0021】
いくつかの実施形態では、被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有する。いくつかの実施形態では、腫瘍のサイズおよび/または数は、縮小するか、あるいは減少する。
【0022】
いくつかの実施形態では、約5mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。いくつかの実施形態では、約5mg~約25mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。いくつかの実施形態では、約10mg~約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。
【0023】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約5mg/日~約1000mg/日の用量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約5mg/日~約25mg/日の用量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg/日~約400mg/日の用量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg/日~約600mg/日の用量で被験体に投与される。
【0024】
いくつかの実施形態では、化合物を経口で投与される。いくつかの実施形態では、化合物はカプセル剤または錠剤として投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、摂食状態で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、絶食状態で投与される。
【0025】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1日1回投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約4時間未満前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約2時間未満前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約30分未満前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、夜に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、夜の午後10時頃に投与される。
【0026】
本明細書に記載される1つの態様は、精巣副腎残存腫瘍(TART)または卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、あるいは防ぐ方法であり、上記方法は、構造式(I)の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤:
【0027】
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与する工程を含み、
式中:
R
1とR
2は独立してエチルあるいはn-プロピルであり;
R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、あるいはメトキシであり;および、
R
4は、水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0028】
【化9】
であり;
R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、あるいはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。
【0029】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は以下の構造:
【0030】
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約25mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10mg~約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約100mg~約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約500mg、約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg/日~約1000mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg/日~約25mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10mg/日~約400mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約100mg/日~約600mg/日の用量で投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はカプセル剤または錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、摂食状態で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、絶食状態で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は少なくとも1日1回投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、就寝前に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、就寝の約4時間未満前に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、就寝の約2時間未満前に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、就寝の約30分未満前に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は夜に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は夜の午後10時頃に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記方法は、被験体に追加の化学療法剤を投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の化学療法剤は、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、ACAT1阻害剤、または抗アンドロゲンである。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、またはトリアムシノロンである。いくつかの実施形態において、ミネラルコルチコイドはフルドロコルチゾンである。
【0037】
いくつかの実施形態では、追加の化学療法剤は、他のCRF1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、
【0038】
【化11】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0039】
いくつかの実施形態において、CRF1アンタゴニストは、
【0040】
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記方法は、腫瘍の外科的切除と放射線治療、またはそれらの組み合わせから選択される追加の処置をさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、追加の治療は外科的切除であり、上記外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物、もしくはそれらの任意の組み合わせの投与前に、投与後に、および/または投与と同時に行われる。
【0043】
いくつかの実施形態では、外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与前に行われる。いくつかの実施形態では、外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与後に行われる。いくつかの実施形態では、外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与と同時に行われる。
【0044】
いくつかの実施形態では、追加の処置は放射線治療であり、上記放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物、もしくはそれらの任意の組み合わせの投与前、投与後、および/または投与と同時に行われる。いくつかの実施形態では、放射線治療は、構造式(I)のCRF1アンタゴニスト、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与前に行われる。
【0045】
いくつかの実施形態では、放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与後に行われる。いくつかの実施形態では、放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与と同時に行われる。
【0046】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明白となり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、説明されている。理解されるように、本開示は、他の実施形態および異なる実施形態においても可能であり、その様々な詳細は、そのすべてが本開示から逸脱することなく様々な明白な点で修正することができる。したがって、図面および説明は本来、例示的なものとしてみなされ、限定的なものであるとはみなされない。
【0047】
引用による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、または特許出願が引用によって組み込まれるよう具体的かつ個別に示されるかのように、同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる特許公開、特許、または特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾するという範囲で、本明細書は、そのような矛盾のある資料に取って代わる、および/または優先することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の新規な特徴は、とりわけ、添付の特許請求の範囲内に明記される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(”Figure”および”FIG.”)」と呼ばれる)とを引用することによって得られるであろう。
【0049】
【
図1】安全性、薬物動態学、および薬動力学を評価する個人内用量漸増の略図である(A)。CRF
1アンタゴニスト(化合物1)を有するCRF
1の阻害の略図である(B)。
【
図2】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)を各投与レベルで、1日1回、14日間投与した後の、CAHを有する患者の薬物動態学(用量に比例した、安全量での適切な曝露)のグラフ表示である。
【
図3】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)を各投与レベルで、1日1回、14日間投与した後の、CAHを有する患者の薬物動態学(用量に比例した、安全量での適切な曝露)のグラフ表示である。
【
図4】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)に対する患者レベルの応答(ACTHレベルの測定)のグラフ表示である。
【
図5】CRF
1アンタゴニストに対するサンプルレスポンダー(ACTHレベルの測定)の患者レベルの応答のグラフ表示である[被験体003001(A);被験体007002(B)]。
【
図6】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)に対する患者レベルの応答(17-OHPレベルの測定)のグラフ表示である。
【
図7】CRF
1アンタゴニストに対するサンプルレスポンダー(17-OHPレベルの測定)の患者レベルの応答のグラフ表示である[被験体003001(A);被験体007002(B)]。
【
図8】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)に対する患者レベルの応答(アンドロステンジオンレベルの測定)のグラフ表示である。
【
図9】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)に対するサンプルレスポンダー(アンドロステンジオンレベルの測定)の患者レベルの応答のグラフ表示である[被験体003001(A);被験体007002(B)]。
【
図10】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)(A)によるTARTの処置前の患者の画像と、CRF
1アンタゴニスト(化合物1)(B)での処置後6週間の患者の画像である。
【
図11】増加する化合物1の用量の経口投与の1時間後のラットの小脳膜に結合するCRF
1アンタゴニスト(化合物1);
125I-ソーバジンのインビトロでの結合アッセイ(A)、およびCRF
1アンタゴニスト;化合物1(経口、10mg/kg)による処置後のCRF誘導性活性のインビボでの阻害(B)のグラフ表示である。
【
図12】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)による処置後のACTHレベル(A)および17-OHPレベル(B)のグラフ表示である。
【
図13-1】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)による処置後のホルモン応答のグラフ表示である。
【
図13-2】CRF
1アンタゴニスト(化合物1)による処置後のホルモン応答のグラフ表示である。
【
図14】概念実証および午後10時に漸増QD投与を示す。
【
図15】コホートAおよびコホートBにおける参加者で見られたアンドロステンジオンの変化のグラフ表示である。
【
図16】コホートAおよびコホートBにおける参加者で見られた17-ヒドロキシプロゲステロンの変化のグラフ表示である。
【
図17】コホートAおよびコホートBにおける参加者で見られた副腎皮質刺激ホルモンの変化のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の様々な実施形態が本明細書中で示され、かつ説明されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者には明らかであろう。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0051】
I.定義
本明細書で使用される略語は、化学分野および生物学分野内でのその従来の意味を有している。本明細書に記載される化学構造および式は、化学分野で既知の化学結合価の標準規則に従って構築される。
【0052】
置換基がその従来の化学式によって特定され、左から右に書かれる場合に、これらは、右から左に構造を書くことに起因する化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、-CH2O-は-OCH2-に等しい。
【0053】
用語「アルキル」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に明記されない限り、直鎖(すなわち、非分岐)の炭素鎖または分枝した炭素鎖(あるいは炭素)、もしくはそれらの組み合わせを意味しており、これは、完全飽和、一不飽和、ならびに多価不飽和であり得、かつ、指定された炭素原子の数を有する一価、二価、ならびに多価のラジカルを含み得る(すなわち、C1-C10は、1~10の炭素を意味する)。アルキルは非環化鎖(uncyclized chain)である。飽和炭化水素ラジカルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、(シクロヘキシル)メチル、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの同族体と異性体などの基が挙げられる。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、限定されないが、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-ならびに3-プロピニル、3-ブチニル、およびより高度の同族体と異性体が挙げられる。アルコキシは、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残部に結合されるアルキルである。
【0054】
用語「アルキレン」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、他に明記されない限り、限定されないが-CH2CH2CH2CH2-によって例示されるような、アルキルに由来する二価のラジカルを意味する。典型的に、アルキル(またはアルキレン)基は、1~24の炭素原子を有しており、その基は、本明細書において好ましい、10以下の炭素原子を有している。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、通常、8以下の炭素原子を有する短い鎖のアルキル基またはアルキレン基である。用語「アルケニレン」は、それ自体で、または別の置換基の一部して、他に明記されない限り、アルケン由来の二価のラジカルを意味する。
【0055】
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体で、または別の置換基と組み合わせて、他に明記されない限り、安定した直鎖あるいは分枝鎖、あるいはそれらの組み合わせを意味しており、これは、少なくとも1つの炭素原子と、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、P、Si、ならびにS)とを含み、ここで、窒素原子と硫黄原子は随意に酸化され、窒素ヘテロ原子は随意に四級化され得る。ヘテロ原子(例えば、N、S、Si、あるいはp)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置、または、アルキル基が分子の残部に結合する位置にあってもよい。ヘテロアルキルは非環化鎖である。例としては、限定されないが、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、-O-CH3、-O-CH2-CH3、および-CNが挙げられる。最大2または3のヘテロ原子は、例えば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH3)3のように連続してもよい。ヘテロアルキル部分は、1つのヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。ヘテロアルキル部分は、2つの随意に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。ヘテロアルキル部分は、3つの随意に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。ヘテロアルキル部分は、4つの随意に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。ヘテロアルキル部分は、5つの随意に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。ヘテロアルキル部分は、最大8つの随意に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含み得る。
【0056】
同様に、用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、他に明記されない限り、限定されないが-CH2-CH2-S-CH2-CH2-、および-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-によって例示されるような、ヘテロアルキルに由来する二価のラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子はまた、鎖末端(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキルエンジアミノなど)の何れかまたは両方を占めることができる。またさらに、アルキレンおよびヘテロアルキレンの連結基の場合、連結基の配向は、連結基の式が書かれる方向によって示唆されるものではない。例えば、式-C(O)2R’-は、-C(O)2R’-と-R’C(O)2-の両方を表す。上述のように、本明細書で使用されるようなヘテロアルキル基は、-C(O)R’、-C(O)NR’、-NR’R’’、-OR’、-SR’、および/または-SO2R’などのヘテロ原子を介して分子の残部に結合する基を含む。「ヘテロアルキル」が記載され、その後、-NR’R’’などの特定のヘテロアルキル基が記載される場合、用語「ヘテロアルキル」および「-NR’R’’」は冗長でなく、または相互に排他的でないことが理解される。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明確性を加えるために記載される。したがって、用語「ヘテロアルキル」は、-NR’R’’などの特定のヘテロアルキル基を除くものとして本明細書で解釈されるべきでない。
【0057】
用語「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」は、それら自体で、または他の用語と組み合わせて、他に明記されない限り、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環式バージョンを意味する。シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは芳香族ではない。加えて、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、複素環が分子の残部に結合する位置を占めることができる。シクロアルキルの例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、限定されないが、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどが挙げられる。「シクロアルキレン」および「ヘテロシクロアルキレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、それぞれシクロアルキルならびにヘテロシクロアルキルに由来する二価のラジカルを意味する。「シクロアルキル」はまた、二環式および多環式の炭化水素環、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどを指すことを意味する。
【0058】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、それら自体で、または別の置換基の一部として、他に明記されない限り、フッ素、塩素、臭素、あるいはヨウ素の原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことが意図されている。例えば、用語「ハロ(C1-C4)アルキル」としては、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどが挙げられる。
【0059】
用語「アシル」は、他に明記されない限り、-C(O)Rであり、ここで、Rは、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、あるいは置換または非置換のヘテロアリールである。
【0060】
用語「アリール」は、他に明記されない限り、多価不飽和、芳香族、炭化水素の置換基を意味し、これは、共に縮合される(すなわち、縮合環アリール)または共有結合される、1つの環または複数の環(好ましくは、1~3の環)であり得る。縮合環アリールは、共に縮合される複数の環を指し、ここで、縮合環の少なくとも1つはアリール基である。用語「ヘテロアリール」は、N、O、またはSなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含有するアリール基(あるいは環)を指し、ここで、窒素原子ならびに硫黄原子は随意に酸化され、窒素原子は随意に四級化される。したがって、用語「ヘテロアリール」は、縮合環ヘテロアリール基(すなわち、共に縮合された複数の環であり、ここで、縮合環の少なくとも1つは芳香族複素環である)を含む。5,6-縮合環ヘテロアリーレンは、共に縮合された2つの環を指し、ここで、一方の環は5員を有し、他方の環は6員を有しており、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。同様に、6,6-縮合環ヘテロアリーレンは、共に縮合された2つの環を指し、ここで、一方の環は6員を有し、他方の環は6員を有しており、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。および、6,5-縮合環ヘテロアリーレンは、共に縮合された2つの環を指し、ここで、一方の環は6員を有し、他方の環は5員を有しており、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残部に結合され得る。アリール基およびヘテロアリール基の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラジニル、プリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾイル(benzoxazoyl)ベンズイミダゾリル、ベンゾフラン、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチオフェニル、イソキノリル、キノキサリニル、キノリル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、および6-キノリルを含む。上述のアリールおよびヘテロアリールの環系の各々の置換基は、下記の許容可能な置換基の群から選択される。「アリーレン」および「ヘテロアリーレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、それぞれアリールならびにヘテロアリールに由来する二価のラジカルを意味する。ヘテロアリール基のための置換基は、環ヘテロ原子窒素に結合された-O-であり得る。
【0061】
スピロ環は、隣接する環が1つの原子を介して結合する2以上の環である。スピロ環内の個々の環は、同一であっても、異なるものであってもよい。スピロ環中の個々の環は置換されても、置換されなくてもよく、かつ、1セットのスピロ環内の他の個々の環とは異なる置換基を有し得る。スピロ環内の個々の環のための可能な置換基は、スピロ環の一部ではない場合に、同じ環のための可能な置換基である(例えば、シクロアルキル環またはヘテロシクロアルキルの環のための置換基)。スピロ環は、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のシクロアルキレン、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、あるいは置換または非置換のヘテロシクロアルキレンであり、スピロ環基内の個々の環は、1つのタイプの全ての環を含む(例えば、全ての環が置換ヘテロシクロアルキレンであり、各環が同じまたは異なる置換ヘテロシクロアルキレンであり得る)、直前のリスト内のいずれかであり得る。スピロ環系に言及する場合、複素環式スピロ環は、少なくとも1つの環が複素環であり、各環が異なる環である、スピロ環を意味する。スピロ環系に言及する場合、置換スピロ環は、少なくとも1つの環が置換され、各環が随意に異なり得るものを意味する。
【0062】
以下の記号
【0063】
【化13】
は、分子または化学式の残部への化学部分の結合の場所を示す。
【0064】
用語「オキソ」は、本明細書で使用されるように、炭素原子に二重結合する酸素を意味する。
【0065】
アリーレン部分としての用語「アルキルアリーレン」は、アルキレン部分(本明細書ではアルキレンリンカーとも呼ばれる)に共有結合される。実施形態において、アルキルアリーレン基は以下の式を有する:
【0066】
【0067】
アルキルアリーレン部分は、ハロゲン、オキソ、-N3、-CF3、-CCl3、-CBr3、-CI3、-CN、-CHO、-OH、-NH2、-COOH、-CONH2、-NO2、-SH、-SO2CH3-SO3H、-OSO3H、-SO2NH2、-NHNH2、-ONH2、-NHC(O)NHNH2、置換または非置換のC1-C5アルキル、あるいは置換または非置換の2~5員のヘテロアルキルと、アルキレン部分またはアリーレンリンカー上で(例えば、炭素2、3、4、または6において)置換され得る(例えば、置換基によって)。実施形態において、アルキルアリーレンは置換されない。
【0068】
上述の用語(例えば「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、および「ヘテロアリール」)の各々は、示されるラジカルの置換および非置換形態の両方を含む。各タイプのラジカルに好ましい置換基は以下で提供される。
【0069】
アルキルおよびヘテロアルキルのラジカル(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル(heteroalkenyl)、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ならびにヘテロシクロアルケニル(heterocycloalkenyl)と呼ばれるそれらの群をしばしば含む)のための置換基は、限定されないが、-OR’、=O、=NR’、=N-OR’、-NR’R’’、-SR’、-ハロゲン、-SiR’R’’R’’’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NR’’C(O)2R’、-NR-C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、-NR-C(NR’R’’)=NR’’’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R’’、-NRSO2R’、-NR’NR’’R’’’、-ONR’R’’、-NR’C(O)NR’’NR’’’R’’’’、-CN、-NO2、-NR’SO2R’’、-NR’C(O)R’’、-NR’C(O)-OR’’、-NR’OR’’から選択される様々な基の1つ以上であり得、ここで、m’はそのようなラジカルにおける炭素原子の総数である。R、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール(例えば、1-3のハロゲンで置換されるアリール)、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルキル、アルコキシ、またはチオアルコキシ基、あるいはアリールアルキル基を指すことが好ましい。本明細書に記載される化合物が1より多くのR基を含む場合、例えば、R基の各々は独立して、1より多くのこれら基が存在する場合に、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’の基としてそれぞれ選択される。R’とR’’が同じ窒素原子に結合されると、それらは窒素原子と組み合わされて、4員、5員、6員、または7員の環を形成することができる。例えば、-NR’R’’としては、限定されないが、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルが挙げられる。置換基に関する上述の議論から、当業者は、用語「アルキル」が、ハロアルキル(例えば、-CF3ならびに-CH2CF3)およびアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、-C(O)CH2OCH3など)などの水素基以外の基に結合する炭素原子を含む基を含むよう意図されることを理解する。
【0070】
アルキルラジカルについて記載される置換基と同様に、アリールおよびヘテロアリールの基のための置換基は変更され、例えば、芳香環系上でゼロから開いた原子価(open valences)の総数の範囲の数で、-OR’、-NR’R’’、-SR’、-ハロゲン、-SiR’R’’R’’’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NR’’C(O)2R’、-NR-C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、-NR-C(NR’R’’)=NR’’’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R’’、-NRSO2R’、-NR’NR’’R’’’、-ONR’R’’、-NR’C(O)NR’’NR’’’R’’’’、-CN、-NO2、-R’、-N3、-CH(Ph)2、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、およびフルオロ(C1-C4)アルキル、-NR’SO2R’’、-NR’C(O)R’’、-NR’C(O)-OR’’、-NR’OR’’から選択され;および、ここで、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’は独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールから選択されることが好ましい。本明細書に記載される化合物が1より多くのR基を含む場合、例えば、R基の各々は独立して、これら基の1より多くが存在する場合に、各R’、R’’、R’’’、およびR’’’’の基として選択される。
【0071】
環(例えば、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレン)のための置換基は、環の特定の原子の上ではなく、環上の置換基として表され得る(共通して浮遊置換基(floating substituent)と呼ばれる)。そのような場合、置換基は(化学給合価の規則に従い)環原子のいずれかに結合され、および、縮合環またはスピロ環の場合、縮合環またはスピロ環の一員に関連するとして表される置換基(1つの環上の浮遊置換基)は、縮合環またはスピロ環のいずれかの上の置換基(複数の環の上の浮遊置換基)であり得る。置換基が特定の原子(浮遊置換基)ではなく環に結合され、かつ置換基のための添字が1より大きな整数である場合、複数の置換基は、同じ原子、同じ環、異なる原子、異なる縮合環、異なるスピロ環上にあり、各置換基は随意に異なるものでもよい。分子の残部への環の結合場所が、1つの原子(浮遊置換基)に限定されない場合、その結合場所は、その環の任意の原子であり、縮合環またはスピロ環の場合では、縮合環またはスピロ環のいずれかの任意の原子であり得るが、化学給合価の規則に従うものとする。環、縮合環、またはスピロ環が1以上の環ヘテロ原子を含み、かつ、その環、縮合環、またはスピロ環が、1以上の浮遊置換基(限定されないが、分子の残部への結合場所を含む)と共に示される場合、上記浮遊置換基はヘテロ原子に結合され得る。環ヘテロ原子が、浮遊置換基を有する構造または式において1以上の水素(例えば、環原子への2つの結合および水素への3番目の結合を有する窒素原子)に結合されると示される場合、ヘテロ原子が浮遊置換基に結合されると、置換基は水素を置き換えると理解されるが、化学給合価の規則に従うものとする。
【0072】
2以上の置換基は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルの基を形成するために随意に結合され得る。そのような、いわゆる環形成置換基は、典型的に、必ずではないが、環状基部構造に結合されると見出される。1つの実施形態において、環形成置換基は、基部構造の隣接する員に結合される。例えば、環状基部構造の隣接する員に結合する2つの環形成置換基が、縮合環構造を作る。別の実施形態において、環形成置換基は、基部構造の1つの員に結合される。例えば、環状基部構造の1つの員に結合する2つの環形成置換基が、スピロ環構造を作る。また別の実施形態において、環形成置換基は、基部構造の隣接していない員に結合される。
【0073】
アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうち2つは、随意に、式-T-C(O)-(CRR’)q-U-の環を形成し、ここで、TとUは独立して、-NR-、-O-、-CRR’-、または単結合であり、qは0~3の整数である。代替的に、アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうち2つは、随意に、式-A-(CH2)r-B-の置換基と置き換えられ得、ここで、AとBは独立して、-CRR’-、-O-、-NR-、-S-、-SS(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR’-、または単結合であり、rは1~4の整数である。そのように形成された新たな環の単結合のうち1つは随意に、二重結合と置き換えられ得る。代替的に、アリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうち2つは随意に、式-(CRR’)s-X’-(C’’R’’R’’’)d-の置換基と置き換えられ得、ここで、sとdは独立して0~3の整数であり、X’は-O-、-NR’-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、または-S(O)2NR’-である。置換基R、R’、R’’、およびR’’’は独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールから選択されることが好ましい。
【0074】
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、およびケイ素(Si)を含むように意図される。
【0075】
「置換基」は、本明細書で使用されるように、以下の部分から選択される基を意味する:
(A)オキソ、ハロゲン、-CF3、-CN、-OH、-NH2、-COOH、-CONH2、-NO2、-SH、-SO3H、-SO4H、-SO2NH2、-NHNH2、-ONH2、-NHC=(O)NHNH2、-NHC=(O)NH2、-NHSO2H、-NHC=(O)H、-NHC(O)-OH、-NHOH、-OCF3、-OCHF2、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、および
(B)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換された、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール:
(i)オキソ、ハロゲン、-CF3、-CN、-OH、-NH2、-COOH、-CONH2、-NO2、-SH、-SO3H、-SO4H、-SO2NH2、-NHNH2、-ONH2、-NHC=(O)NHNH2、-NHC=(O)NH2、-NHSO2H、-NHC=(O)H、-NHC(O)-OH、-NHOH、-OCF3、-OCHF2、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、ならびに
(ii)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換された、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール:
(a)オキソ、ハロゲン、-CF3、-CN、-OH、-NH2、-COOH、-CONH2、-NO2、-SH、-SO3H、-SO4H、-SO2NH2、-NHNH2、-ONH2、-NHC=(O)NHNH2、-NHC=(O)NH2、-NHSO2H、-NHC=(O)H、-NHC(O)-OH、NHOH、OCF3、OCHF2、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、ならびに
(b)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールである:オキソ、ハロゲン、-CF3、-CN、-OH、-NH2、-COOH、-CONH2、-NO2、-SH、-SO3H、-SO4H、-SO2NH2、-NHNH2、-ONH2、-NHC=(O)NHNH2、-NHC=(O)NH2、-NHSO2H、-NHC=(O)H、-NHC(O)-OH、-NHOH、-OCF3、-OCHF2、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール。
【0076】
「サイズ限定置換基(size-limited substituent)」あるいは、「サイズ限定置換基(size-limited substituent group)」は、本明細書で使用されるように、「置換基」のための上述の置換基のすべてから選択される基を意味し、ここで、各置換または非置換のアルキルは、各々置換または非置換のC1-C20アルキルであり、各置換または非置換のヘテロアルキルは、置換または非置換の2~20員のヘテロアルキルであり、置換または非置換のシクロアルキルは、置換または非置換のC3-C8シクロアルキルであり、各置換または非置換のヘテロシクロアルキルは、置換または非置換の3~8員のヘテロシクロアルキルであり、各置換または非置換のアリールは置換または非置換のC6-C10アリールであり、各置換または非置換のヘテロアリールは、置換または非置換の5~10員のヘテロアリールである。
【0077】
「低級置換基(lower substituent)」または「低級置換基(lower substituent group)」は、本明細書で使用されるように、「置換基」のために上述の置換基のすべてから選択される基を意味し、ここで、置換または非置換のアルキルはそれぞれ置換または非置換のC1-C8アルキルであり、置換または非置換のヘテロアルキルはそれぞれ置換または非置換の2~8員のヘテロアルキルであり、置換または非置換のシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換のC3-C7シクロアルキルであり、置換または非置換のヘテロシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換の3~7員のヘテロシクロアルキルであり、置換または非置換のアリールはそれぞれ置換または非置換のC6-C10アリールであり、および、置換または非置換のヘテロアリールはそれぞれ置換または非置換の5~9員のヘテロアリールである。
【0078】
いくつかの実施形態において、本明細書中の化合物において記載される各置換基は、少なくとも1つの置換基で置換される。より具体的に、いくつかの実施形態において、本明細書中の化合物において記載される、置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および/または置換ヘテロアリーレンはそれぞれ、少なくとも1つの置換基で置換される。他の実施形態において、このような基の少なくとも1つまたは全てが、少なくとも1つのサイズ限定置換基で置換される。他の実施形態において、このような基の少なくとも1つまたは全てが、少なくとも1つの低級置換基で置換される。
【0079】
本明細書中の化合物の他の実施形態において、置換または非置換のアルキルはそれぞれ置換または非置換のC1-C20アルキルであり、置換または非置換のヘテロアルキルはそれぞれ置換または非置換の2~20員のヘテロアルキルであり、置換または非置換のシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換のC3-C8シクロアルキルであり、置換または非置換のヘテロシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換の3~8員のヘテロシクロアルキルであり、置換または非置換のアリールはそれぞれ置換または非置換のC6-C10アリールであり、および/または置換または非置換のヘテロアリールはそれぞれ置換または非置換の5~10員のヘテロアリールである。本明細書中の化合物のいくつかの実施形態において、置換または非置換のアルキレンはそれぞれ置換または非置換のC1-C20アルキレンであり、置換または非置換のヘテロアルキレンはそれぞれ置換または非置換の2~20員のヘテロアルキレンであり、置換または非置換のシクロアルキレンはそれぞれ置換または非置換のC3-C8シクロアルキレンであり、置換または非置換のヘテロシクロアルキレンはそれぞれ置換または非置換の3~8員のヘテロシクロアルキレンであり、置換または非置換のアリーレンはそれぞれ置換または非置換のC6-C10アリーレンであり、および/または置換または非置換のヘテロアリーレンはそれぞれ置換または非置換の5~10員のヘテロアリーレンである。
【0080】
いくつかの実施形態において、置換または非置換のアルキルはそれぞれ置換または非置換のC1-C8アルキルであり、置換または非置換のヘテロアルキルはそれぞれ置換または非置換の2~8員のヘテロアルキルであり、置換または非置換のシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換のC3-C7シクロアルキルであり、置換または非置換のヘテロシクロアルキルはそれぞれ置換または非置換の3~7員のヘテロシクロアルキルであり、置換または非置換のアリールはそれぞれ置換または非置換のC6-C10アリールであり、および/または置換または非置換のヘテロアリールはそれぞれ置換または非置換の5~9員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、置換または非置換のアルキレンはそれぞれ置換または非置換のC1-C8アルキレンであり、置換または非置換のヘテロアルキレンはそれぞれ置換または非置換の2~8員のヘテロアルキレンであり、置換または非置換のシクロアルキレンはそれぞれ置換または非置換のC3-C7シクロアルキレンであり、置換または非置換のヘテロシクロアルキレンはそれぞれ置換または非置換の3~7員のヘテロシクロアルキレンであり、置換または非置換のアリーレンはそれぞれ置換または非置換のC6-C10アリーレンであり、および/または置換または非置換のヘテロアリーレンはそれぞれ置換または非置換の5~9員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、化合物は、以下の実施例のセクション、図、または表に明記される化学種である。
【0081】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心またはキラル中心)あるいは二重結合を有し;エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、立体異性体の形態は、絶対立体化学に関して、アミノ酸のための(R)-または(S)-、あるいは(D)-または(L)-として定義され得、個々の異性体は本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、当該技術分野においてあまりに不安定なため合成および/分離ができないと知られるものを含まない。本発明は、ラセミ形態および光学的に純粋な形態で化合物を含むことが意図される。光学活性の(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-の異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製され、あるいは従来の技術を使用して分離され得る。本明細書に記載される化合物がオレフィンの結合または幾何学的な不斉の他の中心を含む場合、および別段の定めが無い限り、化合物がEおよびZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0082】
本明細書で使用されるように、用語「異性体」は、同数および同種の原子、したがって同じ分子量を有するが、原子の構造配列または構成に関しては異なる化合物を指す。
【0083】
用語「互変異性体」は、本明細書で使用されるように、平衡状態で存在し、1つの異性体から別のものへと容易に変換される、2以上の構造の異性体の1つを指す。
【0084】
本発明の特定の化合物が互変異性形態で存在し、上記化合物のそのような互変異性形態の全ては本発明の範囲内にあることは、当業者に明白である。
【0085】
特に明記されない限り、本明細書に記載される構造はまた、その構造の立体化学形のすべて:つまり、各不斉中心のRとSの構成を含むことを意味する。したがって、本発明の化合物のエナンチオマーおよびジアステレオマーの形態と同様に、単一の立体化学異性体も、本発明の範囲内にある。
【0086】
特に明記されない限り、本明細書に記載される構造はまた、1以上の同位体富化原子(isotopically enriched atoms)の存在のみが異なる化合物を含むことが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換、あるいは13Cまたは14C富化炭素(enriched carbon)による炭素の置換を除いて、本発明の構造を有している化合物は本発明の範囲内にある。
【0087】
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子の1以上にて不自然な比率の原子の同位体を含み得る。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)、または炭素14(14C)などの放射性同位体で放射標識され得る。本発明の化合物の同位体の変異体はすべて、放射性であってもなくても、本発明の範囲内に包含される。
【0088】
本出願の全体にわたり、マーカッシュグループ、例えば1より多くの可能なアミノ酸を含有する各アミノ酸位置において代案が書かれることに、注意されたい。マーカッシュグループの各メンバーが別々に考慮され、それにより、別の実施形態を含み、かつマーカッシュグループは単一のユニットとして理解されるものではないことが、具体的に考慮される。
【0089】
「アナログ」または「類似体」は、化学および生物学内のその単純な通常の意味に従って使用され、ならびに、別の化合物(すなわち、いわゆる「基準」化合物)に構造上類似するが、組成、例えば、異なる要素の原子による1つの原子の置換において、または特定の官能基の存在下で、あるいは別の官能基による1つの官能基の置換、または基準化合物の1以上のキラル中心の絶対立体化学において異なる、化学化合物を指す。したがって、アナログは、構造または起源ではなく、機能および外観において基準化合物に類似または匹敵する化合物である。
【0090】
用語「a」または「an」は、本明細書で使用されるように、1以上を意味する。加えて、句「1つの(a[n])~で置換される」は、本明細書で使用されるように、特定の基が、指定された置換基のいずれかの1以上または全てにより置換され得ることを意味する。例えば、アルキルまたはヘテロアリールなどの基が、非置換のC1-C20アルキル、または非置換の2~20員のヘテロアルキルで置換される場合、その基は、1以上の非置換のC1-C20アルキル、および/または1以上の非置換の2~20員のヘテロアルキルを含み得る。
【0091】
さらに、部分がR置換基で置換される場合、基は「R置換される」と言及され得る。部分がR置換される場合、上記部分は少なくとも1つのR置換基で置換され、R置換基はそれぞれ随意に異なる。特定のR基が化学的な類(式(I)など)の記載に存在する場合、ローマ字記号がその特定のR基の出現をそれぞれ区別するために使用されてもよい。例えば、複数のR13置換基が存在する場合、各R13置換基は、R13A、R13B、R13C、R13Dなどとして区別され得、ここで、R13A、R13B、R13C、R13Dなどの各々は、R13の定義の範囲内で、および随意に異なって定義される。
【0092】
本明細書で使用されるように「検出可能な部分」は、化合物、あるいは、例えば、当技術分野において既知の技術を使用して検出することができる生体分子に、共有結合的にまたは非共有結合的に結合することができる部分を指す。実施形態では、検知可能な部分は共有結合的に結合される。検知可能な部分は、結合された化合物または生体分子の画像化を提供し得る。検知可能な部分は、2つの化合物間の接触を示し得る。例示的な検知可能な部分は、フルオロフォア、抗体、 反応染料、放射標識された部分、磁性造影剤、および量子ドットである。例示的なフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、GFP、クマリン、FITC、Alexa fluor、Cy3、Cy5、BODIPY、およびシアニン染料を含む。例示的な放射性核種は、フッ素-18、ガリウム-68、および銅-64を含む。例示的な磁性造影剤は、ガドリニウム、酸化鉄と鉄プラチナ( iron platinum)、およびマンガンを含む。
【0093】
本発明の化合物の説明は、当業者に既知の化学結合の原理により限定される。したがって、基が多くの置換基の1以上により置換され得る場合、そのような置換は、化学結合の原理に従うように、かつ、本質的に不安定でない、および/または水性、中性、および様々な既知の生理的条件などの周囲条件下で、おそらく不安定なものとして当業者に知られている化合物をもたらすように選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に既知の化学結合の原理に従って環ヘテロ原子を介して分子の残部に結合され、それにより、本質的に不安定な化合物を回避する。
【0094】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書に記載される化合物上に見出される特定の置換基に依存して、比較的無毒な酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を含む場合、塩基付加塩が、きちんとした(neat)または適切な不活性溶媒において、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の塩基に接触させることにより、得ることができる。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、またはマグネシウム塩、あるいは同様の塩を含む。本発明の化合物が比較的塩基性の官能性を含む場合、酸付加塩が、きちんとした(neat)または適切な不活性溶媒において、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の酸に接触させることにより、得ることができる。薬学的に許容可能な酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸に由来するもの、同様に、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、コルク酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などの比較的無毒な有機酸に由来する塩を含む。また、アルギニン酸等などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる同種のもの(例えば、Berge et al., “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照)。本発明のある特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする、塩基性および酸性の両方の官能性を含んでいる。
【0095】
したがって、本発明の化合物は、薬学的に許容可能な酸などと共に、塩として存在し得る。本発明はそのような塩を含む。そのような塩の限定されない例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)-酒石酸塩、(-)-酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むそれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、および、グルタミン酸などのアミノ酸を有する塩、および第四級アンモニウム塩(例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)を含む。このような塩は、当業者に既知の方法により調製され得る。
【0096】
化合物の中性形態は、塩を塩基または酸に接触させ、従来の方法で親化合物を単離することにより、再生成されることが好ましい。化合物の親の形態は、極性溶媒における可溶性などの特定の物理的性質において、様々な塩の形態とは異なり得る。本発明の特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする、塩基性および酸性の両方の官能性を含んでいる。化合物の中性形態は、塩を塩基または酸に接触させ、従来の方法で親化合物を単離することにより、再生成され得る。化合物の親の形態は、極性溶媒における可溶性などの特定の物理的性質において、様々な塩の形態とは異なるが、特に明記されない限り、本明細書に開示される塩は、本発明の目的のための化合物の親の形態と同等である。
【0097】
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本発明の化合物を提供するために、生理学条件下で容易に化学変化を受ける化合物である。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、投与後にインビボで変換され得る。加えて、プロドラッグは、例えば、適切な酵素または化学試薬と接触される場合など、エキソビボの環境において、化学的または生化学的な方法により本発明の化合物に変換され得る。
【0098】
本発明の特定の化合物は、溶媒和形態および非溶媒和形態で存在することができ、これらは水和形態を含む。通常、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の化合物は、複数の結晶または非晶質形態で存在し得る。通常、物理的形状は全て、本発明により企図される用途にあてはまり、本発明の範囲内にあるように意図される。
【0099】
「薬学的に許容可能な賦形剤」および「薬学的に許容可能な担体」は、被験体への化合物の投与および被験体による吸収を補助するとともに、患者に対し著しく有害な毒物学的効果を引き起こすことなく本発明の組成物に含まれ得る、物質を指す。薬学的に許容可能な賦形剤の限定されない例は、水、NaCl、生理食塩液、乳酸リンゲル液、標準のスクロース、標準のグルコース、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、着香料、食塩水(リンガー溶液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、またはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidine)、および着色料などを含む。そのような調製物は滅菌され、必要な場合には、本発明の化合物と有害に反応しない、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤、着色料、および/または芳香剤などの助剤と混合され得る。当業者は、他の医薬賦形剤が本発明に有用であることを認識する。
【0100】
用語「調製」は、他の担体を含む、または含まない活性成分が担体により囲まれ、したがって担体と共同する、カプセル剤を提供する担体として封入材料を有する、活性化合物の製剤を含むように意図される。同様に、ロゼンジ剤とトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジ剤は、経口投与に適した固形剤形として使用され得る。
【0101】
「CRF1阻害剤」は、対照と比較してCRF1の活性を減少させる化合物(例えば、本明細書に記載される化合物)を指し、上記対照は、例えば、上記化合物または既知の不活性を有する化合物が存在しないものである。
【0102】
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すように交換可能に本明細書で使用され、ここで、上記ポリマーは、アミノ酸で構成されない部分に任意に結合し得る。上記用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、自然発生のアミノ酸および非自然発生のアミノ酸ポリマーと同様に、対応する自然発生のアミノ酸の人工の化学的模倣体である、アミノ酸重合体ポリマーに適用される。実施形態では、本明細書で交換可能に使用される用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指し、これは、遺伝学的にコードされた、ならびに非遺伝学的にコードされたアミノ酸、化学的にもしくは生化学的に修飾あるいは誘導体化されたアミノ酸、および修飾されたポリペプチド骨格を有するポリペプチドを含み得る。上記用語は、限定されないが、異種のアミノ酸配列を有する融合タンパク質と;N末端メチオニン残基を有するか、あるいはN末端メチオニン残基のない異種および同族のリーダー配列を有する、融合タンパク質と;免疫学的に標識化されたタンパク質;などを含む、融合タンパク質を含む。
【0103】
ポリペプチド、または細胞は、それが人工的であるか、あるいは操作されている場合、または人工もしくは操作されたタンパク質あるいは核酸(例えば、非天然あるいは野生型)に由来するか、もしくは含む場合、「組換え体」である。例えば、ベクターあるいは任意の他の異種の位置、例えば、組換えの生物のゲノムに挿入されるポリヌクレオチドは、自然界に見られるようなポリヌクレオチドに通常隣接するヌクレオチド配列と関連しないように、組換えポリヌクレオチドである。組換えポリヌクレオチドからインビトロあるいはインビボで発現されたタンパク質は、組換えのポリペプチドの例である。同様に、自然界、例えば、自然発生の遺伝子の変異体に現れないポリヌクレオチド配列は、組み換え体である。
【0104】
「接触させる」は、その単純な通常の意味に従って使用されるものであり、少なくとも2つの別種(例えば、生体分子または細胞を含む化学化合物)が、反応、相互作用、または物理的接触を行うのに十分に隣接することを可能にするプロセスを指す。しかし、結果として生じる反応生成物は、追加の試薬間の反応から、または、反応混合物中に生成され得る追加の試薬の1以上からの中間体から、直接生成され得ることを理解されたい。
【0105】
用語「接触させる」は、2つの種が反応、相互作用、または物理的接触を行うことを可能にすることを含み、ここで、上記2つの種は、本明細書に記載されるような化合物、およびタンパク質または酵素であり得る。いくつかの実施形態において、接触させることは、本明細書に記載される化合物が、シグナル経路(MAPキナーゼ経路)に関与するタンパク質または酵素と相互作用することを可能にすることを含む。
【0106】
本明細書に定義されるように、タンパク質に関して、用語「活性化」、「活性化する」、「活性化すること」などは、タンパク質の、初期の不活性または不活性化状態から生物学的に活性な誘導体への変換を指す。これらの用語は、シグナル伝達、酵素完成、または疾患におけるタンパク質減少の量の、活性化、または活性化すること、感作させること、または上方調節することを指している。
【0107】
用語「アゴニスト」、「アクチベーター」、「アップレギュレーター(upregulator)」などは、所与の遺伝子あるいはタンパク質の発現または活性を検出できるほどに増大させることができる物質を指す。アゴニストは、アゴニストがない状態での対照と比較して、発現または活性を10% 20% 30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上増大させることができるある例では、発現または活性は、アゴニストがない状態での発現または活性よりも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、あるいはそれ以上である。実施形態では、アゴニストは、標的の活性化の増大を引き起こすか、または促進するために、標的と相互作用する分子である。実施形態では、アクチベーターは、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、あるいは細胞を、増大させるか、活性化するか、促進するか、活性化増強するか、感作させるか、またはアップレギュレートする分子である。
【0108】
本明細書に定義されるように、タンパク質阻害剤の相互作用に関して、用語「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などは、阻害剤がない状態でのタンパク質の活性または機能に比べて、タンパク質の活性または機能に負に影響を及ぼす(例えば、減少させる)ことを意味する。実施形態において、阻害は、阻害剤がない状態でのタンパク質の濃度またはレベルに比べて、タンパク質の濃度またはレベルに負に影響を及ぼす(例えば、減少させる)ことを意味する。実施形態において、阻害は、疾患または疾患の症状の低減を指す。実施形態において、阻害は、特定のタンパク質標的の活性の減少を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、部分的に、または完全に、刺激を遮断し、活性化を減らし、防ぎ、または遅延させ、あるいは、シグナル伝達、酵素活性、またはタンパク質の量を不活性化し、脱感作し、または下方調節することを含む。実施形態において、阻害は、直接相互作用(例えば、阻害剤が標的タンパク質に結合する)に起因する標的タンパク質の活性の減少を指す。実施形態において、阻害は、間接的相互作用(例えば、阻害剤が標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合し、それにより標的タンパク質の活性化を妨げる)からの標的タンパク質の活性の減少を指す。
【0109】
用語「阻害剤」、「抑制因子」あるいは「アンタゴニスト」または「ダウンレギュレーター(downregulator)」は、所与の遺伝子もしくはタンパク質の発現または活性を検出できるほどに減少させることができる物質を、交換可能に指す。アンタゴニストは、アンタゴニストがない対照と比較して、発現または活性を10% 20% 30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少させることができる。ある例では、発現または活性は、アンタゴニストがない発現または活性より1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれよりも低い。アンタゴニストは、アゴニストの活性を防ぐか、減少させるか、阻害するか、あるいは中和し、および、アンタゴニストは、同定されたアゴニストがない場合でさえ、標的、例えば、標的受容体の恒常的活性を防ぐか、阻害するか、減少させることもできる。実施形態では、阻害剤は、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、あるいは細胞を減少させるか、遮断するか、防ぐか、活性化を遅らせるか、不活性化するか、脱感作するか、またはダウンレギュレートする分子である。阻害剤も、恒常的活性を減少させるか、遮断するか、不活性化する分子としても定義されることがある。「アンタゴニスト」は、アゴニストの作用に対抗する分子である。
【0110】
用語「副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型」、「CRF1」、「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン受容体1」、および「CHHR1」は、タンパク質(ホモログ、アイソフォーム、ならびにその機能的断片を含む)を指し、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンのための受容体である。上記用語は、CRF1活性(例えば、野生型CRF1と比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%以内の活性)を維持する、任意の組換え体あるいはそのCRF1変異体の自然発生の形態を含む。上記用語は、CRF1活性(例えば、野生型CRF1と比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%以内の活性)を維持する、CRF1変異体(例えば、フレームシフト突然変異)の任意の突然変体の形態も含む。実施形態では、CRHR1遺伝子によってコードされたCRF1タンパク質は、Entrez 1233、UniProt P34998に記載される、またはそれに対応するアミノ酸配列を有する。
【0111】
用語「発現」は、限定されないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を含む、ポリペプチドの産生に関与する任意の工程を含む。発現は、タンパク質を検出するための従来の技術(例えば、ELISA、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光検査法、免疫組織化学的検査など)を使用して検出され得る。
【0112】
用語「疾患」または「疾病」は、本明細書で提供される化合物または方法による処置が可能な患者または被験体の状態、または健康状態を指す。その病気は、悪性腫瘍または良性腫瘍(例えば、精巣副腎残存腫瘍(TART)あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART))であり得る。疾患は癌であり得る。いくつかのさらなる例では、「癌」は、ヒト癌と細胞腫、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病などを指し、それらは、固形癌およびリンパ性癌、腎臓、乳房、肺、膀胱、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、副腎、胃、脳、頭頸部、皮膚、子宮、精巣、神経膠腫、食道、ならびに肝細胞癌を含む肝臓の癌、Bリンパ芽球性リンパ腫を含むリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、Burkitt’s, Small Cell, and Large Cell lymphomas)、ホジキンリンパ腫、白血病(MDS、AML、ALL、ATLL、ならびにCMLを含む)、または多発性骨髄腫を含む。
【0113】
本明細書で使用されるように、用語「癌」は、白血病、癌腫および肉腫を含む、哺乳動物(例えば、ヒト)で見られる癌、新生物、または悪性腫瘍の全ての本明細書で提供される化合物または方法により処置され得る例示的な癌は、副腎癌および腫瘍(例えば、精巣副腎残存腫瘍(TART)あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART))脳癌、神経膠腫、膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、大腸癌、膵臓癌、子宮頚癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、ならびに頭部癌を含む。本明細書で提供される化合物または方法により処置され得る例示的な癌は、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頚、結腸、頭頸部、肝臓、腎臓、肺、非小細胞肺、黒色腫、中皮腫、卵巣、肉腫、胃、子宮、髄芽細胞腫の癌、大腸癌、膵臓癌を含む。さらなる例は、甲状腺癌、肝内胆管癌、膵臓腺癌、皮膚皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血、初代脳腫瘍、癌、悪性膵臓インスリノーマ(malignant pancreatic insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖路癌(genitourinary tract cancer)、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、内分泌腺あるいは外分泌膵の腫瘍、甲状腺髄様癌(medullary thyroid cancer)、甲状腺髄様癌(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、肝細胞癌、または前立腺癌を含む。
【0114】
用語「先天性副腎過形成」あるいは「CAH」は、副腎(ステロイド合成)によるコレステロールからのミネラルコルチコイド、グルココルチコイド、あるいは性ステロイドの産生の生化学的工程を媒介する酵素の遺伝子の突然変異に起因する、いくつかの常染色体劣性疾患のいずれかである。これらの疾病は、性ステロイドの過剰な、または不十分な産生に関与し、一部の影響を受けた幼児、小児、あるいは成人における一次性徴または二次性徴の発達を変える可能性がある。
【0115】
「副腎残存腫瘍」は、副腎の組織からなる精巣(または卵巣)の腫瘍を指す。それは副腎の過形成の二次的なものであり得る。
【0116】
「精巣副腎残存腫瘍」あるいは「TART」および/または卵巣副腎残存腫瘍は、先天性副腎過形成(CAH)の合併症であり、それは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌過多によって刺激された精巣内副腎組織の異所性残存物から発症する可能性がある。TART病変は、典型的に精巣網内にあり、両側性、同期性、結節性、および複数性である。TARTは、精巣の構造損傷、精子形成障害、不妊症、および腫瘤形成の病変につながる可能性がある。
【0117】
用語「白血病」は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く表し、通常は白血球の歪んだ増殖および発達と、血液および骨髄におけるそれらの前駆体によって特徴付けられる。白血病は通常、(1)急性または慢性疾患の持続時間および特徴;(2)関与する細胞のタイプ、すなわち脊髄性(骨髄性)、リンパ性(リンパ向性)、または単球性;および(3)白血病性、無白血性(亜白血病性)の血液における異常細胞の数の増加または非増加に基づいて、臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物または方法により処置され得る例示的な白血病は例えば、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球溶血性(leukocythemic)白血病、好塩基性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、幹細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血母細胞性(hemoblastic)白血病、血球芽細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞白血病、骨髄巨核性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、脊髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血症、または未分化細胞性白血病を含む。
【0118】
用語「肉腫」は通常、胎児結合組織のような物質から構成され、かつ、原線維性または均質な物質に埋め込まれた、緊密に詰まった細胞で通常は構成される、腫瘍を指す。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る肉腫は、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abemethy肉腫、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部肉種、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルム腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性の複数色素性出血性肉腫(idiopathic multiple pigmented hemorrhagic sarcoma)、B細胞の免疫芽球肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー星細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨肉腫、細網肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または末梢血管拡張性肉腫を含む。
【0119】
用語「黒色腫」は、皮膚と他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味するととらえられる。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る黒色腫は、例えば、末端性黒子性黒色腫、無色性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング-パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下(subungal)黒色腫、または表在拡大型黒色腫を含む。
【0120】
用語「癌腫」は、周囲の組織に浸透し、かつ転移を生じさせる傾向がある上皮細胞から構成された悪性新生物を指す。本明細書で提供される化合物または方法により処置され得る例示的な細胞腫は、例えば、甲状腺癌、肝内胆管癌、膵臓腺癌、皮膚皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、細葉細胞癌、小葉癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺腫様癌腫(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の細胞腫、細気管支肺胞上皮癌、肺胞上皮癌、基底細胞癌、基底細胞癌、類基底細胞癌、基底扁平細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原生癌、脳状癌腫(cerebriform carcinoma)、胆管細胞癌、絨毛癌、膠様癌、コメド癌、子宮体部癌、篩状癌、鎧状癌腫(carcinoma en cuirasse)、皮膚癌、円柱上皮癌(cylindrical carcinoma)、円柱細胞癌、腺管癌、硬性癌、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌腫(epiermoid carcinoma)、腺上皮癌、外向発育癌、潰瘍癌、線維癌、ゼラチン状癌腫(gelatiniforni carcinoma)、膠様癌、巨細胞癌、巨細胞癌、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母癌、血様癌、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、硝子状癌、副腎様癌(hypernephroid carcinoma)、乳児胎児性癌(infantile embryonal carcinoma)、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌腫、ロンペッカー癌腫(Krompecher’s carcinoma)、クルチツキー細胞癌(Kulchitzky-cell carcinoma)、大細胞癌、レンズ状癌、レンズ状癌、脂肪腫様癌、リンパ上皮癌、髄様癌、髄様癌、黒色癌、軟性癌、粘液性癌腫、粘液分泌癌、粘液細胞癌、粘液性類表皮癌、粘液癌、粘液性癌、粘液腫状癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、類骨癌(osteoid carcinoma)、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌 、軟性癌、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌腫(schneiderian carcinoma)、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純型分裂病、小細胞癌、バレイショ状癌、回転楕円面細胞癌腫、紡錘体細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮癌、ストリング癌腫、血管拡張癌、毛細血管拡張性癌腫(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節癌、結節癌、いぼ状癌、あるいは絨毛癌を含む。
【0121】
用語「処置すること(treating)」あるいは「処置(treatment)」は、どんな目的も含んで、損傷、疾患、病態、あるいは疾病の治療または寛解における成功の任意の徴候を指し、客観的または主観的なパラメータ、例えば、緩和;寛解;症状を減少させるか、または損傷、病態、あるいは疾病を患者にとってより許容できるものにすること;変性または衰退の速度を遅くすること;変性の最終ポイントをそれほど衰弱させなくすること;患者の肉体的または精神的な健康を改善することを含む。症状の処置または寛解は、身体診察、神経精神医学的検査、および/または精神鑑定の結果を含む客観的または主観的なパラメータに基づき得る。用語「処置すること」およびその活用形は、損傷、病状、疾病、または疾患の予防を含み得る。実施形態では、処置することは防ぐことである。実施形態では、処置することは防ぐことを含まない。
【0122】
「処置すること」または「処置」は、本明細書で使用されるように(および、当技術分野においてよく理解されるように)、臨床結果を含む、被験体の状態における有益な結果あるいは所望の結果を得るための、任意のアプローチも広く含む。有益または所望の臨床結果は、限定されないが、部分的または全体的にかかわらず、および、検出可能または検出不可能なものにかかわらず、1以上の症状または状態の緩和または寛解、疾患の範囲の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない)、病気の伝染または蔓延の予防、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または軽減、および寛解を含む。言いかえれば、「処置」は、本明細書で使用されるように、疾病の任意の治療、寛解、または予防を含む。処置は、疾患が生じることを予防し;疾患の蔓延を阻害し;疾患の症状(例えば、眼痛、光のまわりに光ぼけを見ること(seeing halos around lights)、赤目、非常に高い眼内圧)を軽減するか、またはその病気の根本的な原因を十分に、あるいは部分的に除去するか、病気の持続時間を短くするか、あるいはこれらのものの組み合わせをなし得る。
【0123】
「処置する」および「処置」は、明細書において使用されるように、予防処置を含むこともある。処置方法は、被験体に治療上有効な量の本明細書に記載される化合物を投与する工程を含む。上記の投与する工程は、一回投与からなってもよいし、一連の投与を含んでいてもよい。処置期間の長さは、疾病の重症度、患者の年齢、化合物の濃度、処置で使用される組成物の活性、またはそれらの組み合わせなどの、様々な因子に依存する。処置または予防のために使用される薬剤の有効量は、特定の処置または予防の計画の間に増加または減少されることもあることも理解されるだろう。投与量の変化は、当該技術分野で既知の標準的な診断アッセイにより結果として生じ、かつ明白となり得る。いくつかの例において、長期投与が必要とされる場合もある。例えば、組成物は、患者を処置するのに十分な量および期間で被験体に投与される。
【0124】
用語「防ぐ(prevent)」は、患者の症状の発生の減少を指す。上に示されるように、処置がない場合に発生する可能性のある症状よりも、少ない症状が観察されるように、予防は完全である(検出可能な症状がない)か、または部分的であり得る。実施形態では、「防ぐ」は、疾患、障害、あるいは症状の進行を遅くするか、またはその有害な、またはそうでなければ望ましくない状態への進行を阻害することを指す。
【0125】
「患者」または「必要とする被験体」は、本明細書で提供されるような医薬組成物の投与により処置され得る疾患または疾病を患っているか、あるいはそれらにかかりやすい生体を指す。非限定的な例は、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、カウ、シカ、および他の非哺乳動物を含む。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
【0126】
「有効な量」とは、化合物が無い状態に比べて、化合物が明示された目的を達成するのに十分な量である(例えば、化合物が投与される効果を達成し、疾患を処置し、酵素活性を低下し、酵素活性を高め、シグナル経路を減少させ、疾患または疾病の1以上の症状を減少させる)。「有効な量」の一例は、疾患の症状の処置、予防、または減少に寄与するのに十分な量であり、「治療上有効な量」と呼ばれることもある。症状の「低減」(およびこの句の文法上の同等物)は、症状の重症度または頻度の低下、または症状の排除を意味する。薬物の「予防的に有効な量」は、それが被験体に投与された時に、例えば、損傷、疾患、病状、または疾病の発症(または、再発)の予防または遅延、あるいは、損傷、疾患、病状、または疾病、またはそれらの症状の発症(または、再発)の可能性の減少といった、意図した予防効果を有する薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1つの用量の投与によって生じず、一連の用量の投与の後にのみ生じることがある。したがって、予防的に有効な量は、1以上の投与で投与され得る。「活性を低下させる量」は、本明細書で使用されるように、アンタゴニストの無い状態と比べて、酵素の活性を低下させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。「機能を妨害する量」は、本明細書で使用されるように、アンタゴニストの無い状態と比べて、酵素またはタンパク質の機能を妨害するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、処置の目的に依存し、既知の技術を用いて当業者によって解明可能となる(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999);およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照)。治療上有効な量は、関連する生理的効果の測定により確認することができ、被験体の疾病の投与計画および診断解析などに関連して調節することができる。例として、投与後の特定の時間におけるCRF1阻害剤(あるいは、例えばその代謝産物)の血中濃度の測定は、治療上有効な量が投与されたか否かを示すことができる。
【0127】
本明細書に記載される任意の化合物の場合、治療上有効な量は、細胞培養アッセイから最初に決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載されるか、または当該技術分野で既知の方法を用いて測定されるように、本明細書に記載される方法を達成することが出来る活性化合物の濃度である。
【0128】
ヒトにおける使用のための治療上有効な量は、動物モデルからも決定され得る。例えば、ヒトのための用量は、動物に有効であると見出された濃度を達成するように処方され得る。ヒトにおける投与量は、上述のように、化合物の効果をモニタリングして、投与量を上方または下方に調整することによって、調製され得る。上述の方法および他の方法に基づいて、ヒトにおける最大限の効果を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。上述の方法および他の方法に基づいて、ヒトにおける治療濃度域の効果または毒性を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0129】
上に記載されたように、用語「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、疾患を寛解させるのに十分な治療剤の量を指す。例えば、所与のパラメータの場合、治療上有効な量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、あるいは少なくとも100%の増加または減少を示す。治療薬の有効性もまた「~倍」増加または減少すると表現され得る。例えば、治療上有効な量は、対照に対して、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上の効果を有し得る。
【0130】
用語「QD」、「qd」、および「q.d.」は1日1回を指し、つまり、薬物または治療剤が、治療レジメンの期間中に1日1回投与されることを指す。
【0131】
用語「BD」、「bd」、および「b.i.d.」は、1日2回を指し、つまり、薬物または治療剤が、治療レジメンの期間中に1日2回投与されることを指す。
【0132】
用語「QID」、「qid」、および「q.i.d.」は、1日3回を指し、つまり、薬物または治療剤が、治療レジメンの期間中に1日3回投与されることを指す。
【0133】
投与量は、患者および利用される化合物の要件に応じて変わり得る。患者に投与される用量は、本発明との関連で、経時的に患者における有益な治療応答を達成するのに十分でなければならない。用量の大きさも、任意の副作用の存在、性質、および範囲により決定される。特定の状況に適切な投与量の決定は従事者の技能内である。一般に処置は、化合物の適量未満である、より少ない投与量で開始される。その後、状況下での最適な効果に到達するまで、投与量はわずかな増加量で増大される。投与の量および間隔は、処置されている特定の臨床的指標に有効な、投与された化合物のレベルをもたらすよう個々に調整され得る。これにより、個体の病状の重症度と相応した治療レジメンがもたらされる。
【0134】
本明細書で使用されるように、用語「投与すること」は、被験体への、経口投与、坐剤としての投与、局所的な接触、静脈内、非経口的、腹腔内、筋肉内、病巣内、脊髄腔内、頭蓋内、鼻腔内または皮下の投与、あるいは除放性の装置(例えば、ミニ浸透圧ポンプ)の移植を意味する。投与は、非経口的および経粘膜的を含む、任意の経路(例えば、頬側、舌下腺、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)によるものである。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、小動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内を含む。他の送達方法としては、限定されないが、リポソーム製剤、静脈注射、経皮パッチなどの使用が挙げられる。「同時投与」は、本明細書に記載される組成物が、1つ以上の追加の治療剤(例えば、抗癌剤、化学療法剤、あるいは神経変性疾患のための処置剤)の投与と同時に、投与直前に、投与直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、患者に、単独で投与されてもよいし、同時投与されてもよい。同時投与は、化合物の、個々にまたは組み合わせて(1より多くの化合物あるいは薬剤)の同時のまたは連続的な投与を含むように意図される。したがって、調製物は、必要に応じて、(例えば、代謝性の分解を減らすために)他の作用物質と組み合わせることが出来る。本発明の組成物は、局所経路により経皮的に送達され、アプリケータースティック(applicator sticks)、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、顔料、粉末剤、およびエアロゾル剤として製剤化され得る。経口用製剤は、患者による摂取に適した錠剤、丸剤、粉体、ドラジェ、カプセル剤、液体、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁液などを含む。固形形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性粒状体を含む。液体形態の製剤は、溶液、懸濁液、およびエマルジョン、例えば、水、水/プロピレングリコール溶液を含む。本発明の組成物は、徐放性および/または快適さをもたらすための成分をさらに含んでいてもよい。そのような成分は、高分子量のアニオン性ムコ擬高分子物質(anionic mucomimetic polymers)、ゲル化多糖(gelling polysaccharides)、および微粉化された薬物運搬物質を含む。これらの成分は、米国特許第4,911,920号;第5,403,841号;第5,212,162号;および第4,861,760号でより詳しく説明されている。これらの特許の内容全体は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明の組成物は、身体内での持続放出のためのマイクロスフェアとして送達されてもよい。例えば、マイクロスフェアは、薬物含有マイクロスフェアの皮内注射によって投与することができ、それは、皮下にゆっくりと放出され(Rao, J. Biomater Sci. Polym. Ed. 7:623-645, 1995を参照);生物分解性および注入可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm. Res. 12:857-863, 1995を参照);あるいは、経口投与用マイクロスフェアとして(例えば、Eyles, J. Pharm. Pharmacol. 49:669-674, 1997を参照)投与される。別の実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞の表面膜タンパク質受容体に結合して、形質膜陥入を引き起こす細胞膜と縮合されるか、あるいは形質膜陥入されるリポソームの使用によって(つまり、リポソームに結合した受容体リガンドを使用することによって)送達することができる。リポソームの使用により、特に、リポソーム表面が、標的細胞に特異的な受容体リガンドを運ぶか、あるいはそうでなければ特定の臓器に優先的に向けられる場合、本発明の組成物の送達をインビボの標的細胞へと集中させることができる。(例えば、Al-Muhammed, J. Microencapsul. 13:293-306, 1996; Chonn, Curr. Opin. Biotechnol. 6:698-708, 1995; Ostro, Am. J. Hosp. Pharm. 46:1576-1587, 1989を参照)。本発明の組成物は、ナノ粒子として送達することもできる。
【0135】
本明細書で使用されるように、「同時投与する」は、本明細書に記載される組成物が、1つ以上の追加の治療薬の投与と同時に、投与の直前に、または投与直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、患者に、単独で投与されてもよいし、または同時投与されてもよい。同時投与は、化合物の、個々にまたは組み合わせて(1より多くの化合物)の同時のまたは連続的な投与を含むように意図される。本発明の組成物は、局所経路により経皮的に送達され、または、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、顔料、粉末剤、およびエアロゾル剤として製剤化され得る。
【0136】
本明細書に記載される任意の化合物の場合、治療上有効な量は、細胞培養アッセイから最初に決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載されるか、または当該技術分野で既知の方法を用いて測定されるように、本明細書に記載される方法を達成することが出来る活性化合物の濃度である。
【0137】
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさないが、特定の患者によって示される臨床症状を処置するのに有効である、有効な予防剤または治療レジメンを計画することができる。この計画は、化合物の効力、相対的なバイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の存在と重症度、投与の好ましいモード、および選択された薬剤の毒性プロファイルなどの要因を考慮することによって、活性化合物の慎重な選択を含む。
【0138】
本明細書に記載される化合物は、癌(例えば、大腸癌)、循環器疾患、代謝疾患、免疫または炎症性の疾患あるいは疾病の処置に有用であると既知の他の活性薬剤とともに、互いに組み合わせて使用することができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、同時投与は、1つの活性薬剤を、別の活性薬剤の投与の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、24時間、2日、4日、1週間、あるいは1ヶ月以内に投与することを含む。同時投与は、2つの活性薬剤を同時に、ほぼ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20、あるいは30数分内に)、または任意の順序で順次に投与することを含む。いくつかの実施形態では、同時投与は合剤、つまり、両方の活性薬剤を含む単一の医薬組成物を調製することによって遂行することができる。他の実施形態では、活性薬剤は個別に製剤化され得る。別の実施形態では、活性薬剤および/または補助薬剤は、互いに連結されるか、あるいは結合され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、癌(例えば、大腸癌)、循環器疾患、代謝疾患、免疫性または炎症性の疾患あるいは疾病の処置剤と組み合わされ得る。
【0140】
本明細書に記載される化合物は、妊孕性の疾患または疾病、および/または癌を治療するために投与され得る。この点では、本明細書に開示される化合物は、そのような疾患または疾病を処置するために単独で投与され得るか、あるいは、そのような疾患または疾病を処置するために別の治療剤とともに同時投与され得る。
【0141】
本明細書に開示される化合物は、CRF1機能のアゴニストまたはアンタゴニストと共に同時投与され得る。本明細書に記載される化合物は、従来の抗癌剤/化学療法剤とともに同時投与され得る。
【0142】
「抗癌剤」は、その単純な通常の意味に従って使用されるものであり、抗腫瘍性特性あるいは細胞の成長または増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)を指す。いくつかの実施形態では、抗癌剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、癌を処置する方法において有用性を有する本明細書で特定された薬剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、癌を処置するための、米国以外の国のFDAまたは同様の規制当局によって承認された薬剤である。抗癌剤の例としては、限定されないが、MEK(例えば、MEK1、MEK2、あるいはMEK1およびMEK2)阻害剤(例えば、XL518、CI-1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC-0973、ARRY-162、ARRY-300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK-733、PD318088、AS703026、BAY 869766)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブチル)、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン(uramustine)、チオテパ、ニトロソ尿素、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロロエタミン(mechloroethamine)、シクロホスファミド、クロラムブチル、メルファラン)、エチレンイミン、ならびにメチルメラミン(methylmelamines)(例えば、キサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン(ダカルバジン)、代謝拮抗薬(例えば、5-アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸アナログ(例えば、メトトレキセート)、またはピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)など)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセル、など)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、エトポシドリン酸塩、テニポシドなど)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、プラチナベースの化合物(例えば、シスプラチン、オキザロプラチン(oxaloplatin)、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換された尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤(例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ワートマニン、あるいはLY294002、Syk阻害剤、mTOR阻害剤)、抗体(例えば、リツキサン)、ゴシポール、ゲナセンス(genasense)、ポリフェノールE、クロロフシン(Chlorofusin)、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5-アザ-2’-デオキシシチジン、オールトランスレチン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec.RTM.)、ゲルダナマイシン、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY 11-7082、PKC412、PD184352、20-エピ-1、25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アキルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバマスティン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォライド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;細胞死レギュレーター;アプリン酸;コンゴウインコCDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリマスティン;アクシナスタティン1;アクシナスタティン2;アクシナスタティン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾチロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジンイルスペルミン;ビアンサフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来の阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis‐ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クラムベシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトファイシン8;クリプトファイシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタンチラキノーズ;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞傷害性因子;シトスタティン;ダクリズマブ;デシタビン;デヒドロジデミンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキフォスダミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデミンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロマスティン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスティン;エデルフォスティン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレツッエラスティン;フラステロン(fluasterone);フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;フォルフェニメックス;ホルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテクサピリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ハプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロニック酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントーネ;イルモフォシン;イルモスタット;イミダゾアクリドーネ;イミキモド;免疫賦活剤ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラライドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖のポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメテレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロクソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテクサピリン;リソフィリン;細胞溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メタレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナファイド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体(ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン);モノホスホリル脂質A+ミオバクテリア細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子ベース療法;マスタード抗癌剤;ミカペロキサイドB;ミコバクテリウムの細胞壁抽出物;ミラポロン;n-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスティップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフターピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ニーリドロニック酸;中性エンドペプチターゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアミン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイニンインデューサ;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オグサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロニック酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプティン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリサルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;ウィザフェリンA;プラセティンB;プラスミノゲンアクチベータインヒビター;白金複合体;白金化合物;白金トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;チロシンホスファターゼタンパク質阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポロキシエチルエリエ接合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レティプティン;レニウムRe 186 エチドロ
ネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ラビジノンB1;ラボキシル;サフィンガル;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1ミメティック;セムスチン;セネスセンス由来の阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン(sizofuran);ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;サルバロル;ソマトメジン結合タンパク質;ソナーミン;スパルフォシック酸;スピカマイシンD;スピロマスティン;スプレノペンティン;スポンジスタチン1;スクワラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スティピアミド;ストロメリシン阻害剤;サルフィノジン;超活性な血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;サラディスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスティン;タモキシフェンメチオジド;タウロマスティン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスティン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチンミメティック;チマルファジン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプロプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンティン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシビリン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;テュロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来の成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、赤血球遺伝子治療;ベラレゾール;ベラミン;アメリカツリスガラ;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンザルティン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラティン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、acivicin;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;アメタントロンアセタート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテーパ;アズトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン(bisantrene)塩酸塩;ビアンサフィド(bisnafide)ジメシレート;ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナーナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベティマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼルシン;セデフィンガル;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デクソロマプラティン;デザグアミン;デザグアミンメシレート;ジアジコン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;プロピオン酸ドロモスタノロン;ドゥアゾマイシン;エダトレキセート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラティン;エンプロメイト;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン(fluorocitabine);フォスクィダン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモフォスティン;インターロイキンI1(組換えインターロイキンII、またはrlL.sub.2を含む)、インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-n1;インターフェロンアルファ-N3;インターフェロン・ベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;イプロプラティン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチドアセタート;レトロゾール;レウプロリドアセタート;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロールアセテート;メレンゲスロロールアセテート;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;マイトジリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトザントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾイ;ノガラマイシン;オルマプラチン;オクシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタマスティン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロクサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニマスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンガル;サフィンガル塩酸塩;セムスチン;シムトラゼーネ;スパルフォスエートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロマスティン;スピロプラティン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェナール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸トレクサトロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシビリン;トリメトレキサート;トリメトレキサートグルクロン酸塩;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンレウロジン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾキジン;ボロゾール;ゼニプラティン;ジノスタチンzinostatin;ドキソルビシン塩酸塩、G2-Mフェーズで細胞を停止させる、および/または微小管の形成または安定性を調節する薬剤(例えば、タキソール .(商標)(つまり、パクリタキセル)、ドセタキセル.(商標)、化合物、含むこと、タキサン骨格、エルブロゾール(Erbulozole)(つまり、R-55104)、ドラスチン10(つまり、DLS-10およびNSC-376128)、イセチオン酸ミボブリン(つまり、CI-980としての)、ビンクリスチン、NSC-639829、ディスコデルモライド(つまり、NVP-XX-A-296としての)、ABT-751(Abbott、つまり、E-7010)、アルトリルチン(Altorhyrtins)(例えば、アルトリルチン(Altorhyrtin)Aおよびアルトリルチン(Altorhyrtin)C)、スポンギスタチン(Spongistatins)、(例えば、スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8とスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(Cemadotin hydrochloride)(つまり、LU-103793およびNSC-D-669356)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(つまり、デスオキシエポチロン(desoxyepothilone)AあるいはdEpoA)、エポチロンD(つまり、KOS-862、dEpoB、およびデスオキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロン(aminoepothilone)B(つまり、BMS-310705)、21-ヒドロキシエポチロン(hydroxyepothilone)D(つまり、デスオキシエポチロンFおよびdEpoF)、26-フルオロエポチロン(fluoroepothilone)、オーリスタチン(Auristatin)PE(つまり、NSC-654663)、ソブリドチン(つまり、TZT-1027)、LS-4559-P(Pharmacia、つまり、LS-4577)、LS-4578(Pharmacia、つまり、LS-477-P)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、つまりWS-9885B)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、つまりILX-651、LU-223651)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン 52(つまり、LY-355703)、AC-7739(Ajinomoto、つまりAVE-8063A、CS-39.HCl)、AC-7700(Ajinomoto、つまり、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCl、ならびにRPR-258062A)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、チューブリシン(Tubulysin)A、カナデンソール(Canadensol)、センタウレイジン(Centaureidin)(つまり、NSC-106969)、T-138067(Tularik、つまりT-67、TL-138067、TI-138067)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、つまり、DDE-261およびWHI-261)、H10 (Kansas State University)、H16 (Kansas State University)、オンコシジン(Oncocidin)A1(つまり、BTO-956およびDIME)、DDE-313 (Parker Hughes Institute)、フィジアノリド(Fijianolide)B、ラウリマリド(Laulimalide)、SPA-2 (Parker Hughes Institute)、SPA-1 (Parker Hughes Institute、つまり、SPIKET-P)、3-IAABU (Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、つまり、MF-569)、ナルコシン(Narcosine) (NSC-5366としても知られる)、ナスカピン(Nascapine)、D-24851 (Asta Medica)、A-105972 (Abbott)、ヘミアステリン、3-BAABU (Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、つまり、MF-191)、TMPN(Arizona State University)、バナドセン アセチルアセトネート、T-138026(Tularik)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(lnanocine)(つまり、NSC-698666)、3-IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School
of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik、つまり、T-900607)、RPR-115781(Aventis)、エリュテロビン(例えば、デスメチルエロイテロビン、スアセチルエロイテロビン(Desaetyleleutherobin)、イソロイテロビン(lsoeleutherobin)A、またZ-エリュテロビン)、カリバエオシド(Caribaeoside)、カリベオリン(Caribaeolin)、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミド(Diazonamide)A、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリド(Taccalonolide)A、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン(Diozostatin)(-)-フェニルアヒスチン(Phenylahistin)(つまり、NSCL-96F037)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリン(Myoseverin)B、D-43411(Zentaris、つまり、D-81862))、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(つまり、SPA-110、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)リン酸レスベラスタチンナトリウム(Resverastatin phosphate sodium)、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)、およびSSR-250411(Sanofi)、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害薬、ゴセレリンまたはリュープロリドなどのゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRH)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、免疫賦活剤(例えば、カルメット-ゲラン杆菌(BCG)、レバミソール、インターロイキン2、αインターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗-HLA-DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、抗毒素(例えば、抗CD33モノクローナル抗体-カリケアミシン抱合体、抗CD22モノクローナル抗体-シュードモナス外毒素抱合体など)、放射免疫治療(例えば、111In、90Y、あるいは131Iに結合した抗CD20モノクローナル抗体など)、トリプトリド(triptolide)、ホモハリングトニン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン(cerivastatin)、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5-nonyloxytryptamine、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)-標的療法、あるいは治療剤(例えば、ゲフィチニブ(イレッサ(商標))、エルロチニブ(タルセバ(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(タイケルブ (商標))、パニツムマブ(ベクティビックス (商標))、バンデタニブ(カプレルサ(商標))、アファチニブb/BIBW2992、CI-1033/カネルチニブ(canertinib)、ネラチニブ(neratinib)/HKI-272、CP-724714、TAK-285、AST-1306、ARRY334543、ARRY-380、AG-1478、コミチニブ(dacomitinib)/PF299804、OSI-420/デスメチルエルロチニブ(desmethyl erlotinib)、AZD8931、AEE788、ペリチニブ(pelitinib)/EKB-569、CUDC-101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG-490、XL647、PD153035、BMS-599626)、ソラフェニブ、イマチニブ、スニチニブ、ダサチニブなどが挙げられる。
【0143】
「化学療法の」または「化学療法剤」は、その単純な通常の意味に従って使用され、化学組成物、あるいは腫瘍性特性もしくは細胞の成長あるいは増殖を阻害する能力を有する化合物を指す。
【0144】
本明細書に開示される化合物は、医学的腫瘍内科学で使用されるように、抗増殖剤/抗悪性腫瘍薬あるいはそれらの組み合わせとともに同時投与されることがあり、それらは、例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブチル、ブスルファン、あるいはニトロソ尿素);代謝拮抗薬(例えば、抗葉酸剤、例えば、5-フルオロウラシルまたはテガフールのようなラルチトレキセド、メトトレキセート、サイトシンアラビノサイド、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、またはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、またはミトラマイシン);有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンあるいはビノレルビン、もしくはタキソイド、例えば、タキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、あるいはカンプトテシン);(ii)細胞静止薬、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、あるいはヨードキシフェン(iodoxyfene))、選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、あるいは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストもしくはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、あるいはブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール(vorazole)、あるいはエキセメスタン)、あるいは5.α.-レダクターゼの阻害剤、例えば、フィナステリド;(iii)癌細胞浸潤を阻害する薬剤(例えば、マリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤あるいはウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化酸素受容体機能の阻害剤);(iv)成長因子機能の阻害剤、例えば:成長因子抗体(例えば、抗erbb2の抗体トラスツズマブ、あるいは抗erbb1の抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤あるいはセリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、などのEGFRファミリー・チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリ-n-4-アミン(ゲフィチニブ、AZD 1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)、あるいは6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリ-n-4-アミン(CI 1033)、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、あるいは肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;(v)抗血管新生剤、例えば、血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596に開示される化合物、WO97/30035、WO97/32856、あるいはWO98/13354)、もしくは別のメカニズムによって機能する化合物(例えば、リノミド(linomide)、インテグリン.α.v.β.3機能の阻害剤、あるいは血液造成阻害剤);(vi)血管損傷剤(vascular damaging agent)、例えば、コンブレタスタチン A4、あるいはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、あるいはWO02/08213で開示される化合物;(vii)アンチセンス療法で使用される薬剤、例えば、上に表記された標的の1つに向けられるもの、例えば、ISIS 2503、抗rasアンチセンス;(viii)遺伝子治療アプローチで使用される薬剤、例えば、異常な遺伝子を置き換えるアプローチ、例えば、異常なp53あるいは異常なBRCA1またはBRCA2、GDEPT(遺伝子に向けられる酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼあるいは細菌ニトロレダクターゼ酵素、およびなどの化学療法もしくは放射線療法に対する患者の耐性を増大させるアプローチ、例えば、多剤耐性遺伝子治療;または、(ix)免疫療法のアプローチ、例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるエクスビボおよびインビボのアプローチ、例えば、サイトカインでのトランスフェクション、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、あるいは顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、トランスフェクトされた免疫細胞、例えば、サイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用するアプローチ、および抗イディオタイプの抗体を使用するアプローチで使用される薬剤である。
【0145】
実施形態では、本明細書に開示される化合物は、Bリンパ球(CD20(リツキシマブ)、MRA-aIL16RとTリンパ球、CTLA4-Ig、HuMax I1-15など)を標的とするモノクローナル抗体などの抗体、または、抗IgE(例えば、オマリズマブ)などのIg機能を調節する抗体と同時投与することができる。
【0146】
実施形態では、癌の処置は、有効な量の下記の少なくとも2つの投与を含む:CRF1阻害剤、PD-L1/PD-1経路の阻害剤、CTLA-4の阻害剤、CD137(4-1BB)のアゴニスト抗体。いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上の組み合わせの使用を含み得る。
【0147】
さらなる実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、腫瘍抗原に対して向けられた抗体に随意に結合され得る47Sc、64Cu、67Cu、89Sr、86Y、87Y、90Y、105Rh、111Ag、111In、117mSn、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、211At、および212Biなどを含む放射性核種を含む、従来の放射線治療剤と同時投与され得る。
【0148】
加えて、CRF1阻害剤は、時々、養子細胞移入と呼ばれる免疫細胞の治療用投与と組み合わせられ得る。これらの細胞は、患者、すなわち、遺伝学的に関連するドナーまたは関連しないドナーに由来する細胞であってもよく、その細胞は、遺伝子組換え細胞(例えば、CART細胞、NK細胞など)、細胞株、遺伝子組換えされた細胞株、および上記のものの生または死のバージョンであってもよい。CRF1阻害剤は、癌への免疫応答を刺激するために、任意の種類(例えば、タンパク質/ペプチド、ウイルス、細菌、細胞)のワクチンと組み合わせられ得る。
【0149】
本明細書に開示されるCRF1阻害剤/CRF1アンタゴニストは、任意の容認可能な経路、例えば、経口、脂肪内(intraadiposal)、動脈内、関節内、頭蓋内、皮内、病巣内(intralesional)、筋肉内(intramusculay)、鼻腔内、眼内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内(intraprostatical)、直腸内、鞘内、気管内、腫瘍内、臍下(intraumbilical)、膣内、静脈内(intravenousl)、小胞内(intravesicullar)、硝子体内(intravitreal)、リポソーム、局所的、粘膜、非経口、直腸、結膜下、皮下、舌下、局所的、経頬(transbuccal)、経皮的、膣、クレーム中(in cremes)、脂質組成中、カテーテルによる、洗浄による、持続注入による、注入による、吸入による、注射による、局所潅流による、局所送達による、標的細胞を直接浸すこと(bathing target cells directly)、直接に、あるいはその任意の組み合わせなどによって投与することができる。
【0150】
本明細書に開示されるCRF1阻害剤/CRF1アンタゴニストは、任意の容認可能な経路、例えば、経口、脂肪内(intraadiposal)、動脈内、関節内、頭蓋内、皮内、病巣内(intralesional)、筋肉内(intramusculay)、鼻腔内、眼内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内(intraprostatical)、直腸内、鞘内、気管内、腫瘍内、臍下(intraumbilical)、膣内、静脈内(intravenousl)、小胞内(intravesicullar)、硝子体内(intravitreal)、リポソーム、局所的、粘膜、非経口、直腸、結膜下、皮下、舌下、局所的、経頬(transbuccal)、経皮的、膣、クレーム中(in cremes)、脂質組成中、カテーテルによる、洗浄による、持続注入による、注入による、吸入による、注射による、局所潅流による、局所送達による、標的細胞を直接浸すこと(bathing target cells directly)、直接に、あるいはその任意の組み合わせなどによって投与することができる。
【0151】
本明細書に開示されるCRF1阻害剤/CRF1アンタゴニストは、試験がエンドポイントに達するまで、1日1回投与され得る。本明細書に開示されるCRF1阻害剤/CRF1アンタゴニストは、少なくとも3回投与されてもよく、しかし、いくつかの試験では、試験の長さおよび/または試験の設計に応じて4回以上投与されてもよい。
【0152】
本明細書に開示される方法は、追加の癌治療と組み合わせて使用されてもよい。いくつかの実施形態では、明確な癌治療は、手術、放射線療法、化学療法、毒素療法、免疫療法、寒冷療法、または遺伝子療法を含む。いくつかの実施形態では、癌は、化学療法抵抗性または放射線抵抗性の癌である。
【0153】
「細胞」は、本明細書に使用されるように、そのゲノムDNAを保存または複製するのに十分な代謝性または他の機能を行う細胞を指す。細胞は、当該技術分野で周知の方法により識別され得、その方法には、例えば、無傷の膜の存在、特定の色素による染色、後代を生成する能力、または配偶子の場合には生存可能な子孫を生成する第2の配偶子と結合する能力が含まれる。細胞は原核細胞および真核細胞を含み得る。原核細胞は細菌を含むがこれに限定されない。真核細胞は、酵母菌、および動植物由来の細胞、例えば、哺乳動物、昆虫(例えば、スポドプテラ属)、およびヒトの細胞を含むが、これらに限定されない。細胞は、自然に非癒着性であるか、または、例えばトリプシン処理により、表面に結合しないよう処置された場合に、有用であり得る。
【0154】
「対照」または「対照実験」は、その単純な通常の意味に従って使用され、実験の被験体または試薬が、実験の手順、試薬、または可変性の省略を除いた実験と並行して処理される実験を指す。いくつかの例において、対照は、実験効果を評価する際の比較の基準として使用される。いくつかの実施形態において、対照は、本明細書(実施形態および実施例を含む)に記載されるような化合物の無い状態でのタンパク質の活性の測定値である。
【0155】
用語「モジュレーター」は、標的分子のレベル、標的分子の機能、またはその分子の標的の物理的状態を増大させる、または減少させる組成物を指す。いくつかの実施形態では、CRF1関連疾患モジュレーターは、CRF1に関連する疾患(例えば、内分泌障害、限定さないが、TARTあるいはOARTを含む癌)の1つ以上の症状の重症度を低下させる化合物である。CRF1モジュレーターは、CRF1の機能レベルまたは活性レベルを増大させるか、あるいは減少させる化合物である。モジュレーターは単独で作用することができるか、または、補助因子、例えば、タンパク質、金属イオン、小分子を使用してもよい。モジュレーターの例は、小分子化合物、および他の生体有機分子を含む。小分子化合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)の多数のライブラリは市販で入手可能であり、かつモジュレーターの同定の出発点として役立つことができる。当業者は、ライブラリが望ましい特性を有する1つ以上化合物を同定するために、そのような化合物をスクリーニングすることができる、1つ以上のアッセイ(例えば、生化学物質あるいは細胞ベースのアッセイ)を開発することができ;その後、熟練した医薬品化学者は、例えば、アナログおよびその誘導体を合成し、評価することによって、そのような1つ以上の化合物を最適化することができる。合成および/または分子モデリング試験もまた、アクチベーターの同定に利用することができる。
【0156】
用語「調節する」は、その単純な通常の意味に従って使用され、1つ以上の特性を変化させるか、または変更する作用を指す。「調節」は、1つ以上の特性を変化させるか、または変更するプロセスを指す。例えば、標的タンパク質に対するモジュレーターの効果に適用されるように、調節することは、標的分子の特性あるいは機能、または標的分子の量を増大または低減することによって変化させることを意味する。実施形態では、用語「調節する」、「調節」などは、分子の非存在に対して、分子(例えば、アクチベーターまたは阻害剤)が、直接あるいは間接的に、CRF1の機能または活性を増大または減少させる能力を指す。
【0157】
用語「関連する(associated)」または「~に関連する(associated with)」は、疾患(例えば、タンパク質関連疾患、内分泌障害、CRF1活性に関連する疾患、CRF1関連疾患(例えば、精巣副腎残存腫瘍(TART)あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART))に関連する物質もしくは物質の活性あるいは機能の観点では、疾患(例えば、精巣副腎残存腫瘍(TART)あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART))が、上記物質もしくは物質の活性または機能によって、(全体的にまたは部分的に)引き起こされるか、または、その疾患の症状が、上記物質もしくは物質の活性または機能によって、(全体的に、または部分的に)引き起こされることを意味する。例えば、CRF1活性または機能に関連する内分泌障害は、異常なCRF1機能(例えば、酵素活性、タンパク質間相互作用、シグナル伝達経路)、あるいは内分泌障害に(全体的に、あるいは部分的に)起因する内分泌障害であり得、ここで、疾病の特定の症状は、異常なCRF1活性あるいは機能によって(全体的に、あるいは部分的に)引き起こされる。本明細書で使用されるように、疾患に関連すると記載されるものは、原因物質の場合に、疾患の処置の標的となり得る。例えば、CRF1活性または機能に関連する内分泌障害、またはCRF1関連疾患(例えば、限定されないが、TARTまたはOARTを含む内分泌障害)は、増大したCRF1活性または機能(例えば、シグナル伝達経路活性)がその病気(例えば、TARTまたはOARTなどの内分泌障害)を引き起こす場合、本明細書に記載される化合物(例えば、CRF1モジュレーター、CRF1阻害剤、あるいはCRF1アンタゴニスト)で処置され得る。例えば、CRF1活性または機能に関連する内分泌障害あるいはCRF1関連内分泌障害は、増大したCRF1活性あるいは機能(例えば、シグナル伝達経路活性)がその病気を引き起こす場合、CRF1モジュレーターまたはCRF1阻害剤で処置され得る。
【0158】
用語「異常な」は、本明細書で使用されるように、正常とは異なるものを指す。酵素活性またはタンパク質機能を説明するために使用される場合、異常とは、正常な対照、または正常な罹患していない対照サンプルの平均よりも大きいか、またはそれより小さい活性または機能を指す。異常な活性とは、結果として疾患をもたらす活性の量を指し、ここで、(例えば、化合物の投与、または本明細書に記載される方法の使用により)異常な活性を、正常または疾患に関連しない量に戻すことで、疾患または1以上の疾患症状の低減がもたらされる。
【0159】
用語「シグナル経路」は、本明細書で使用されるように、細胞成分と随意に過剰な細胞成分(例えば、タンパク質、核酸、小分子、イオン、脂質)との間の一連の相互作用を指し、これは、1つの要素における変化を1つ以上の他の要素に伝え、次に、それがさらなる要素に変化を伝え、他のシグナル経路の要素へと随意に伝えられる。例えば、本明細書に記載される化合物を有するCRF1の結合は、CRF1触媒反応の産物のレベルを低減させ得、または、その産物または結合の下流誘導体のレベルは、CRF1あるいは反応生成物と、下流エフェクターあるいはシグナル伝達経路(例えば、マップキナーゼ経路)の成分との間の相互作用を低減させ、結果として、細胞成長、増殖、あるいは生存を変化させ得る。
【0160】
本明細書で使用されるように、用語「副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型」、「CRF1」、「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン受容体1」、ならびに「CHHR1」および他の関連する技術分野で容認されたすべての用語(それらの多くが以下に記載される)は、インビトロのアッセイ、インビボのモデル、および/または治療効果を示す他の手段において、直接あるいは間接的に、CRF1受容体を調節することができる化合物を指す。上記用語は、ヒト被験体において、少なくともある治療効果を示す化合物を指す。
【0161】
句「変化をもたらすのに十分な量で」は、特定の治療を施す前(例えば、ベースラインレベル)および後に測定されたインジケータのレベル間に検出可能な差があることを意味する。インジケータは、任意の客観的パラメータ(例えば、血清中濃度)あるいは主観的パラメータ(例えば、被験体の幸福感)も含む。
【0162】
分子の「活性」は、リガンドまたは受容体への分子の結合;触媒活性;遺伝子発現あるいは細胞シグナル伝達、分化、もしくは成熟を刺激する能力;抗原活性;他の分子の活性の調節;などを述べるか、あるいは指し得る。用語「増殖活性」は、例えば、正常細胞分裂、ならびに、癌、腫瘍、異形成、細胞形質転換、転移、および血管新生を促進するか、それらに必要であるか、またはそれらに特異的に関連する活性を包含する。
【0163】
「実質的に純粋な」とは、成分が、組成物の総含有量の約50%を超え、および典型的に、総ポリペプチド含有量の約60%を超えることを示す。より典型的には、「実質的に純粋な」とは、全組成物の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、あるいはそれ以上が対象の成分である組成物を指す。場合によっては、ポリペプチドが、約90%を超えるか、または組成物の総含有量(重量ベース当たりの重量におけるパーセンテージ)の約95%を超える。
【0164】
用語「特異的に結合する」、「選択的に結合する」は、リガンド/受容体、抗体/抗原、あるいは他の結合対を指す場合、タンパク質および他の生物製剤の異種集団(heterogeneous population)中のタンパク質の存在の決定因である結合反応を示す。したがって、指定条件下では、指定されたリガンドは、特定の受容体に結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質に、有意な量で結合しない。企図された方法の抗体、または抗体の抗原結合部位に由来する結合組成物は、任意の他の抗体、またはそれに由来する結合組成物との親和性より、少なくとも2倍大きい、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも100倍大きい親和性で、その抗原、あるいはその変異体もしくは突然変異タンパク質に結合する。実施形態では、例えば、スキャチャード解析 (Munsen, et al. (1980) Analyt. Biochem. 107:220-239)によって決定されるように、抗体は、約109リットル/molより大きい親和性を有する。
【0165】
用語「DNA」、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」などは、任意の長さのヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドあるいはリボヌクレオチド、またはそのアナログのいずれか)のポリマー形態を指すように、本明細書で交換可能に使用される。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、線状および環状の核酸(inear and circular nucleic acids)、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補的DNA(cDNA)、組換え体ポリヌクレオチド、ベクター、プローブ、プライマーなどを含む。
【0166】
本明細書で使用されるように、用語「変異体」および「ホモログ」は、参照アミノ酸あるいは核酸配列に類似するアミノ酸あるいは核酸配列をそれぞれ指すように、交換可能に使用される。上記用語は、自然発生の変異体と非自然発生の変異体を包含する。自然発生の変異体は、ホモログ(ある種から別の種まで、アミノ酸またはヌクレオチド配列においてそれぞれ異なるポリペプチドおよび核酸)、および対立遺伝子(1つの種内のある個体から別の個体まで、アミノ酸またはヌクレオチド配列においてそれぞれ異なるポリペプチドおよび核酸)を含む。したがって、変異体およびホモログは、自然発生のアミノ酸とそれによってコードされる核酸配列、およびそれらのアイソフォーム、ならびにタンパク質または遺伝子のスプライス変異体を包含する。上記用語は、さらに自然発生の核酸配列からの1つ以上の塩基において変動するが、依然として、遺伝子コードの縮重による自然発生のタンパク質に対応するアミノ酸配列に翻訳する核酸配列も包含する。非自然発生の変異体およびホモログは、アミノ酸またはヌクレオチド配列における変化をそれぞれ含むポリペプチドおよび核酸を含み、配列におけるその変化は人為的に導入され(例えば、突然変異タンパク質);例えば、その変化は人間の介入(「人の手」)によって実験室で生成される。したがって、非自然発生の変異体およびホモログは、1つ以上の保存的置換および/または標識および/または抱合体により、自然発生の配列が異なるものを指し得る。
【0167】
用語「突然変異タンパク質」は、本明細書で使用されるように、変異した組換えタンパク質を広く指す。これらのタンパク質は通常、単一あるいは複数のアミノ酸置換を有し、および、部位特異的またはランダムな突然変異誘発を受けたクローン遺伝子に由来するか、もしくは完全合成遺伝子(completely synthetic genes)に頻繁に由来する。
【0168】
II.化合物
一態様において、式(I)の化合物:
【0169】
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で提供される。R
1とR
2は独立してエチルあるいはn-プロピルである。R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、あるいはメトキシである。R
4は、水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0170】
【化16】
である。R
aとR
bは独立して水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、あるいはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。実施形態では、阻害剤は、アミノ酸残基を有する不可逆的な結合を形成する。実施形態では、結合は共有結合である。
【0171】
ある実施形態では、R3は、Cl、Br、メチル、あるいはトリフルオロメチルである。
【0172】
ある実施形態では、R3は、Cl、Br、あるいはメチルである。
【0173】
ある実施形態では、R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または、
【0174】
【0175】
ある実施形態では、R4は、モルホリン-4-イル、または、
【0176】
【0177】
ある実施形態では、R4は、水素、Br、RaRbN-であり、およびRaとRbは独立してC1-C3アルキルである。
【0178】
ある実施形態では、化合物は、
【0179】
【化19】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0180】
ある実施形態では、化合物は、
【0181】
【化20】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0182】
ある実施形態では、化合物は、
【0183】
【化21】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0184】
本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはその薬学的に許容可能な塩あるいは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体を処置する方法がある。アストレシンは通常、ACTHおよびコルチゾールの合成を減少させる、選択的でない副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンアンタゴニストを指す。
【0185】
本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体の先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法がある。本明細書に記載される一態様では、被験体の先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法があり、上記方法は:(i)それを必要とする被験体のホルモンレベルを測定する工程と;(ii)アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程と;および、ホルモンレベルがあらかじめ決定された範囲に到達するまで、工程(i)および(ii)を繰り返し、その後、前記アストレシンの毎日投与の維持療法を行う工程と、を含む。
【0186】
本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体におけるアンドロゲン過剰の症状(hyperandrogenic symptoms)を改善する方法がある。本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体における月経不順、排卵機能不全、または不妊症を処置する方法がある。本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体の代謝性症状を改善する方法がある。
【0187】
本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体の生活の質を改善する方法がある。
【0188】
III.医薬組成物
一態様では、実施形態を含む本明細書に記載される化合物、または、構造式(I)、あるいはその薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0189】
本開示の化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)は、被験体への投与に適した組成物の形態を取り得る。一般的に、そのような組成物は、化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)および1つ以上の薬学的に許容可能な、あるいは生理学的に許容可能な希釈剤、担体あるいは賦形剤を含む「医薬組成物」である。ある実施形態では、化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)は、治療的に許容される量で存在する。医薬組成物は本開示の方法で使用されてもよく;したがって、例えば、本明細書に記載される治療的および予防的な方法および使用を実施するために、医薬組成物はエクスビボまたはインビボで被験体に投与され得てもよい。
【0190】
本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を含む、カプセル剤の形態の医薬組成物がある。本明細書に記載される一態様では、アストレシンまたはそれに対して少なくとも約70%の同一性を有する変異体、あるいはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を含む、錠剤の形態の医薬組成物がある。
【0191】
本開示の医薬組成物は、意図した方法または投与経路と適合するように製剤化することができ;例示的な投与経路が本明細書に記載される。
【0192】
有効成分(例えば、CRF1機能の阻害剤)を含有する医薬組成物は、経口の使用に適した形態で、例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性あるいは油性の懸濁液、分散性粉末もしくは粒状体、エマルジョン、硬いまたは柔らかいカプセル剤、あるいはシロップ剤、溶液、マイクロビーズ、またはエリキシル剤としての形態であってもよい。経口の使用を意図した医薬組成物は、医薬組成物の製造のために調製されてもよく、および、薬学的に洗練された(pharmaceutically elegant)で口当たりがよい調製物をもたらすために、そのような組成物は1つ以上の薬剤、例えば、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤を含有し得る。錠剤は、カプセル剤などは、それらの製造に適した無毒で薬学的に許容可能な賦形剤と混合された活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの、賦形剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、あるいはアルギン酸;結合剤、例えば、スターチ、ゼラチン、またはアラビアゴム、および、平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクであり得る。
【0193】
経口投与に適した錠剤、カプセル剤などは、胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせて、それにより、持続作用をもたらすために、コーティングされていなくても、コーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンあるいはグリセリルジステアラートなどの時間遅延物質(time-delay material)が使用され得る。さらに、それらは、制御放出のための透圧治療用錠剤を形成するために、コーティングされてもよい。追加の薬剤は、投与された組成物の送達を制御するために、生物分解性または生体適合性の粒子あるいは高分子物質、例えば、ポリエステル、ポリアミン酸、ヒドロゲル、ポリビニルピロリドン、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、エチレン-酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミン、あるいはラクチド/グリコリドのコポリマー、ポリラクチド/グリコリドのコポリマー、もしくはエチレン酢酸ビニルコポリマーを含む。例えば、経口剤は、コアセルベーション技術(coacervation techniques)によって、あるいは界面重合によって、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン-マイクロカプセル、あるいはポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルをそれぞれ使用することによって、またはコロイド薬物送達システムにおいて調製されたマイクロカプセル中に封入することができる。コロイド分散系は、高分子複合体(macromolecule complexes)、ナノ-カプセル剤、マイクロスフェア、マイクロビーズ、水中油型エマルジョンを含む脂質ベースの系、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む。前述の製剤の調製のための方法は、当業者に明白となる。
【0194】
経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンまたは結晶セルロースと混合される、硬ゼラチンカプセルとして提示されてもよく、または、活性成分が水または油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン、またはオリーブオイルと混合される、軟ゼラチンカプセル剤として提示されてもよい。
【0195】
水性懸濁液は、その製造に適した賦形剤と混合された活性物質を含有する。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムであり;分散剤または湿潤剤、例えば、自然発生のリン脂質(例えば、レシチン)、あるいは脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合物(例えば、ポリオキシ-エチレンステアリン酸)、長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxycetanol)、あるいは脂肪酸およびヘキシトールに由来した部分エステルとのエチレンオキシドの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、あるいは、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルを有するエチレンオキシドの縮合物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液はさらに1つ以上の防腐剤を含有していてもよい。
【0196】
油性懸濁液は、植物油、例えば、落花生油、オリーブオイル、胡麻油またはやし油、または流動パラフィンなどの鉱油において活性成分を懸濁することによって、製剤され得る。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、みつろう、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含み得る。上述されるものなどの甘味剤、および香味剤は、口当たりの良い経口調製物を提供するために加えられ得る。
【0197】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性の粉末剤および果粒剤は、分散剤または湿潤剤、および随意に、1以上の懸濁化剤、および/または防腐剤と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤が本明細書に例証される。
【0198】
本開示の医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態であり得る。油性相は、植物油、例えば、オリーブオイルあるいは落花生油、または鉱油、例えば、流動パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、自然発生のゴム、例えば、アラビアガム、トラガカントゴム;自然発生のリン脂質、例えば、ダイズ、レシチン、エステル、あるいは脂肪酸に由来した部分エステル;ヘキシトール無水物、例えば、ソルビタンモノオレエート;エチレンオキシドとの部分エステルの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。
【0199】
医薬組成物は典型的には、本開示によって企図された治療上有効な量のCRF1阻害剤/アンタゴニストと、1つ以上の薬学的におよび生理学的に容認可能な製剤とを含む。適切な薬学的に許容可能または生理学的に容認可能な希釈剤、担体、あるいは賦形剤としては、限定されないが、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸と硫酸水素ナトリウム)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルあるいはn-プロピル、p-オキシ安息香酸エステル)、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、溶剤、充填剤、充填剤、界面活性剤、緩衝液、ビヒクル、希釈剤、および/またはアジュバントが挙げられる。例えば、適切なビヒクルは、非経口適用のための医薬組成物において一般的な他の材料で場合によっては補足された、生理食塩液あるいはクエン酸緩衝生理食塩水(citrate-buffered saline)であってもよい。血清アルブミンと混合された中性の緩衝生理食塩水あるいは生理食塩水も、例示的なビヒクルである。当業者は、本明細書で企図される医薬組成物および剤形で使用することができる、様々な緩衝液を容易に認識する。典型的な緩衝液としては、限定されないが、それについて薬学的に許容可能な弱酸、弱塩基、あるいはそれらの混合物を含む。一例として、緩衝液成分は、などの水溶性の物質であってもよく、例えば、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびそれらの塩であってもよい。許容可能な緩衝薬は、例えば、トリス緩衝液;N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸(HEPES);2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES);2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES);3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS);および、N-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)を含む。
【0200】
医薬組成物は、製剤化された後、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体、あるいは脱水されたか、または凍結乾燥された粉体として、無菌のバイアル中に保存され得る。そのような製剤は、使用する準備ができている形態、使用前の再構成を必要とする凍結乾燥された形態、使用前に希釈を必要とする液体の形態、あるいは他の許容可能な形態のいずれかで保存され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、使い捨て容器(例えば、使い捨てのバイアル、アンプル、シリンジ、あるいはオートインジェクター(例えば、EpiPen(登録商標)に類似する)中に提供されるが、他の実施形態では、複数回使用の容器(例えば、複数回使用のバイアル(multi-use vial))が提供される。
【0201】
製剤は、リポソーム、ヒドロゲル、プロドラッグ、およびマイクロカプセル化送達システムを含む、制御放出製剤など、身体からの急速な分解あるいは排除から組成物を保護するための担体を含み得る。例えば、時間遅延物質、例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはステアリン酸グリセリルは、単独で、あるいはワックスと組み合わせて使用され得る。植込剤(例えば、埋込ポンプ)およびカテーテルシステム、低速のインジェクションポンプおよび装置を含む、CRF1阻害剤/アンタゴニストを送達するための任意の薬物輸送装置が使用されてもよく、それらのすべてが当業者に周知である。
【0202】
デポー注射(通常、皮下にあるいは筋肉内に投与される)もまた、定義された期間にわたって本明細書に開示される化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)を放出するために利用され得る。デポー注射は、通常、固体ベースまたは油ベースであり、通常、本明細書に記載される製剤成分の少なくとも1つを含む。当業者は、可能性のある製剤およびデポー注射の使用に精通している。
【0203】
医薬組成物は、無菌注射可能な水性または油性の懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、本明細書で言及されるこれらの適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。無菌注射可能な調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の水溶液として、無毒で非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能な水溶液または懸濁液であり得る。使用され得る許容可能な希釈液、溶剤、および分散媒は、水、リンゲル液、生理食塩液、Cremophor(登録商標) EL(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体のポリエチレングリコール)、ならびにそれらの適切な混合物を含み得る。加えて、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として慣例通りに使用され;この目的のために、任意の無刺激の不揮発性油は、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含んで利用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能薬物の調製でも用いられる。特定の注入可能な製剤の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチン)を含めることにより達成することができる。
【0204】
本開示は、直腸投与用の坐剤の形態の化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)の投与を企図する。坐剤は、薬物を、常温で固体であるが直腸温で液体である適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができ、それゆえ、直腸内で溶けて薬物を放出する。そのような物質としては、限定されないが、ココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0205】
本開示によって企図される化合物(例えば、CRF1阻害剤/アンタゴニスト)は、現在知られているか、あるいは今後開発される他の適切な医薬組成物(例えば、鼻または吸入用の噴霧剤)の形態であってもよい。
【0206】
IV.方法
特定の実施形態では、疾患を処置あるいは予防するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、有効な量の式(I)の化合物、または、その同位体変異体(isotopic variant)、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、あるいはプロドラッグを投与する工程を含む。
【0207】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、腫瘍を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、良性腫瘍を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、悪性腫瘍を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、副腎腫瘍を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、副腎遺残腫瘍を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。
【0208】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、不妊症を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、男性不妊症を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、精子数を改善するか、または増加させるための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、精子運動能を改善するか、または増加させるための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、精子形態を改善するか、または増加させるための方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、女性不妊症を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。
【0209】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、増殖性または過剰増殖性の疾患または障害を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供される。特定の実施形態では、増殖性疾患は癌である。特定の実施形態では、増殖性疾患は、乳癌、皮膚癌、前立腺癌、頚部癌、子宮癌、卵巣癌、精巣癌、膀胱癌、肺癌、肝臓癌、喉頭癌、口腔癌、結腸と胃腸管(例えば、食道、胃、膵臓)の癌、脳癌、甲状腺癌、血液の癌、およびリンパ系癌である。
【0210】
ある実施形態では、本明細書で提供される方法を用いて治療可能な癌は、限定されないが、以下を含む:(1)限定されないが、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、例えば、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球、単球の白血病、赤白血病(erythroleukemia leukemias)および骨髄異形成症候群、あるいはその症状(貧血症、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症、または汎血球減少症など)、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球(RARS)を有するRA、芽球増加を伴うRA(RAEB)、形質転換におけるRAEB(RAEB-T)、前白血病、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む白血病、(2)限定されないが、慢性骨髄性白血病(顆粒白血球)白血病、慢性リンパ性白血病、ならびにヘアリー細胞白血病を含む慢性白血病;(3)真性赤血球増加症;(4)限定されないが、ホジキン病および非ホジキン病を含む、リンパ腫;(5)限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、および髄外形質細胞腫を含む、多発性骨髄腫;(6)ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;(7)意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症;(8)良性単クローン性ガンマグロブリン血症;(9)重鎖病;(10)限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫、および滑膜肉腫を含む、骨と結合組織の肉腫;(11)限定されないが、神経膠腫、星細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫、非グリア腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、ピネオサイトーマ、松果体芽腫、および原発性脳リンパ腫を含む、脳腫瘍;(12)限定されないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、分泌管内癌、髄質性乳癌、粘液性乳癌、管状乳癌、乳頭状乳癌、原発性癌、パジェット病、および炎症性乳癌を含む、乳癌;(13)限定されないが、褐色細胞腫と副腎皮質細胞腫を含む、副腎癌;(14)限定されないが、乳頭癌または濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、および組織非形成性甲状腺癌を含む、甲状腺癌;(15)限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチンを分泌する腫瘍、およびカルチノイドあるいは島細胞腫を含む、膵臓癌;(16)限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症、および尿崩症を含む、下垂体癌;(17)限定されないが、虹彩黒色腫と毛様体黒色腫、および、網膜芽細胞腫などの眼の黒色腫を含む、眼癌;(18)限定されないが、有棘細胞癌、腺癌、および黒色腫を含む、膣癌;(19)限定されないが、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、およびパジェット病を含む、外陰癌;(20)限定されないが、扁平上皮癌および腺癌を含む、子宮頚癌;(21)限定されないが、子宮内膜癌と子宮肉腫を含む、子宮癌;(22)限定されないが、卵巣上皮癌、境界型腫瘍、胚細胞性腫瘍、および間質性腫瘍を含む、卵巣癌;(23)限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、いぼ状癌、および燕麦細胞(小細胞)細胞腫を含む、食道癌;(24)限定されないが、腺癌、肉芽腫性(ポリープ状)、潰瘍性、表在拡大型、散在性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫を含む、胃癌;(25)結腸癌;(26)直腸癌;(27)限定されないが、肝細胞癌と肝芽腫を含む、肝臓癌;(28)限定されないが、腺癌を含む、胆嚢癌;(29)限定されないが、乳頭状、結節性、および、拡散性を含む、胆管細胞癌;(30)限定されないが、非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、および小細胞肺癌を含む、肺癌;(31)限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化の、古典的(典型的)、精子細胞、非セミノーマ、胎児性癌、奇形腫細胞腫、および絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)を含む、精巣癌;(32)限定されないが、腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫を含む、前立腺癌;(33)陰茎癌(penal cancer);(34)限定されないが、扁平上皮癌を含む、口腔癌;(35)基底癌;(36)限定されないが、腺癌、粘液性類表皮癌、および腺様嚢胞癌を含む、唾液腺癌;(37)限定されないが、扁平上皮癌およびいぼ状癌を含む、咽頭癌;(38)限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮癌、および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、黒子悪性黒色腫、および末端性黒子性黒色腫を含む、皮膚癌;(39)限定されないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、および移行細胞癌(腎盂および/または腎尿管)を含む、腎癌;(40)ウィルムス腫瘍;(41)限定されないが、移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、および癌肉腫を含む、膀胱癌;ならびに、他の癌、限定されないが、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原生癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、および、乳頭状腺癌(Fishman et al., 1985, Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphia、およびMurphy et al., 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照).
【0211】
処置される障害、疾患、あるいは疾病、および、被験体の状態に依存して、本明細書で提供される化合物あるいは医薬組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内の注射あるいは注入、皮下注射、または移植)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下、あるいは局所(例えば、経皮あるいは局所)の投与経路で投与可能であり、および、本明細書の他の場所で記載されるような各投与経路に適切な薬学的に許容可能な賦形剤、担体、アジュバント、およびビヒクルを用いて適切な投与ユニット(dosage unit)で、単独であるいは一緒に、製剤化可能である。
【0212】
特定の有効成分に利用される特定の投与経路の適合性は、有効成分自体(例えば、血流に入る前に分解することなく経口投与可能であるか否か)、および処置される疾患に依存する。第2の活性な薬剤に推奨される投与経路は、当業者に知られている。例えば、Physicians’Desk Reference, 1755-1760 (56th ed., 2002)を参照。
【0213】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、被験体の精巣副腎残存腫瘍(TART)を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供され、ここで、上記被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有する。
【0214】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを投与する工程を含む、被験体の卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、または予防するための方法が、本明細書で提供され、ここで、上記被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有する。
【0215】
一態様では、被験体に副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストあるいはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、精巣副腎残存腫瘍(TART)を処置するか、または防ぐ方法が本明細書で提供される。
【0216】
一態様では、被験体に副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストあるいはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、または防ぐ方法が本明細書で提供される。
【0217】
一態様では、精巣副腎残存腫瘍(TART)を処置するか、または防ぐ方法が本明細書で提供され、上記方法は、それを必要とする被験体に構造式(I)の化合物:
【0218】
【化22】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。R
1とR
2は独立してエチルあるいはn-プロピルである。R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、あるいはメトキシである。R
4は、水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0219】
【化23】
である。R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、あるいはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。
【0220】
一態様では、卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、または防ぐ方法が本明細書で提供され、上記方法は、それを必要とする被験体に構造式(I)の化合物:
【0221】
【化24】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。
【0222】
一態様では、被験体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルを低下させるか、または減少させる方法が本明細書で提供され、上記方法は、被験体に構造式(I)の化合物:
【0223】
【化25】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与し、ACTHと接触させる工程を含む。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。ある実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、ACTHの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、ACTHの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約70%は、ACTHの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約80%は、ACTHの減少を示す。実施形態では、被験体の少なくとも約10%は、処置後にACTHの標準範囲または正常範囲にあった。
【0224】
実施形態では、被験体の少なくとも約20%は、処置後にACTHの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約30%は、処置後にACTHの標準範囲または正常範囲にあった。ある実施形態では、ACTHレベルは、投与後約30分以内に低下するか、または減少する。ある実施形態では、ACTHレベルは、投与後約1時間以内に低下するか、または減少する。ある実施形態では、ACTHレベルは、投与後約90分以内に低下するか、または減少する。ある実施形態では、ACTHレベルは、投与後約2時間以内に低下するか、または減少する。
【0225】
一態様では、被験体の17α-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)レベルを低下させるか、または減少させる方法が本明細書で提供され、上記方法は、被験体に構造式(I)の化合物:
【0226】
【化26】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。ある実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、17-OHPの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、17-OHPの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約70%は、17-OHPの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約80%は、17-OHPの減少を示す。実施形態では、被験体の少なくとも約30%は、処置後に1200ng/dLの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約40%は、処置後に1200ng/dLの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、処置後に1200ng/dLの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、処置後に1200ng/dLの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約30%は、処置後に17-OHPの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約40%は、処置後に17-OHPの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、処置後に17-OHPの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、処置後に17-OHPの少なくとも約25%の減少を示した。
【0227】
一態様では、被験体のアンドロステンジオンレベルを低下させるか、または減少させる方法が本明細書で提供され、上記方法は、被験体に構造式(I)の化合物:
【0228】
【化27】
またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載された通りである。ある実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、アンドロステンジオンの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、アンドロステンジオンの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約70%は、アンドロステンジオンの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約80%は、アンドロステンジオンの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約90%は、アンドロステンジオンの減少を示す。ある実施形態では、被験体の少なくとも約100%は、アンドロステンジオンの減少を示す。実施形態では、被験体の少なくとも約30%は、処置後にアンドロステンジオンの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約40%は、処置後にアンドロステンジオンの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、処置後にアンドロステンジオンの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約60%は、処置後にアンドロステンジオンの少なくとも約25%の減少を示した。実施形態では、被験体の少なくとも約30%は、処置後にアンドロステンジオンの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約40%は、処置後にアンドロステンジオンの標準範囲または正常範囲にあった。実施形態では、被験体の少なくとも約50%は、処置後にアンドロステンジオンの標準範囲または正常範囲にあった。
【0229】
ある実施形態では、R3は、Cl、Br、メチル、あるいはトリフルオロメチルである。
【0230】
ある実施形態では、R3は、Cl、Br、あるいはメチルである。
【0231】
ある実施形態では、R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または、
【0232】
【0233】
ある実施形態では、R4は、モルホリン-4-イル、または、
【0234】
【0235】
ある実施形態では、R4は、水素、Br、RaRbN-であり、およびRaとRbは独立してC1-C3アルキルである。
【0236】
ある実施形態では、化合物は、
【0237】
【化30】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0238】
ある実施形態では、化合物は、
【0239】
【化31】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0240】
ある実施形態では、化合物は、
【0241】
【化32】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0242】
特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、患者に周期的に投与される。上述されるように、サイクリング療法は、ある期間にわたる有効成分または有効成分の組み合わせの投与、その後のある期間にわたる休止、およびこの連続投与の繰り返しを含む。いくつかの実施形態において、サイクリング療法は、治療薬の1つ以上に対する耐性の発達を低減し、治療薬の1つの副作用を回避するか、または減らし、および/または処置の効果を改善することができる。
【0243】
ある実施形態では、本明細書に記載される障害、疾患、あるいは疾病の1つ以上の症状の処置、予防、または寛解(例えば、精巣副腎残存腫瘍(TART)の処置または予防、あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART)の処置または予防)において、適切な投与量レベルの式(I)の化合物またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、通常、1mg~3000mg、約1mg~2000mg、約1mg~1000mg、約約1mg~約500mg、約5mg~約500mg、約5mg~約400mg、約5mg~約300mg、約5mgから約250mg、約5mg~約200mg、約50mg~約200mg、約10mg~約400mg、約5mg~約25mg、約10mg~約25mg、あるいは約25~約200mgであり、これは、単回投与量または複数回投与量で投与することができる。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約800mg、または約1000mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約800mg、または約1000mg/日の量で投与される。
【0244】
特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約5mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約10mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約15mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約20mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約25mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約50mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約100mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約150mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約200mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約210mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、あるいはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約220mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約230mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約240mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約250mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約260mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約270mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約280mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約290mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約300mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約310mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約320mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約330mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約340mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約350mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約360mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約370mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約380mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約390mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約400mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約450mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約500mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約600mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約700mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約800mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約900mgの量で投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約1000mgの量で投与される。
【0245】
特定の実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、または約1000mgの量で投与される。
【0246】
経口投与の場合、本明細書で提供される医薬組成物は、約1.0mg~約1,000mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを含有する、錠剤またはカプセル剤の形態で製剤化することができる。ある実施形態では、経口投与の場合、本明細書で提供される医薬組成物は、処置される患者への投与量の対症調整(symptomatic adjustment)のために、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mg、約700mg、約705mg、約710mg、約715mg、約720mg、約725mg、約730mg、約735mg、約740mg、約745mg、約750mg、約755mg、約760mg、約765mg、約770mg、約775mg、約780mg、約785mg、約790mg、約795mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、約860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、約960mg、約970mg、約990mg、約990mg、あるいは約1000mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを含有する、錠剤またはカプセル剤の形態で製剤化することができる。ある実施形態において、経口投与の場合、本明細書で提供される医薬組成物は、約50mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを含有する錠剤またはカプセル剤の形態で製剤化され得る。ある実施形態において、経口投与の場合、本明細書で提供される医薬組成物は、約200mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを含有する錠剤またはカプセル剤の形態で製剤化され得る。医薬組成物は、1日1回、2回、3回、および4回を含む、1日あたり1~4回のレジメンで投与することができる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、あるいはその同位体変異体;または、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、あるいはプロドラッグは、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mg、約700mg、約705mg、約710mg、約715mg、約720mg、約725mg、約730mg、約735mg、約740mg、約745mg、約750mg、約755mg、約760mg、約765mg、約770mg、約775mg、約780mg、約785mg、約790mg、約795mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、約860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、約960mg、約970mg、約990mg、約990mg、あるいは約1000mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mg、約700mg、約705mg、約710mg、約715mg、約720mg、約725mg、約730mg、約735mg、約740mg、約745mg、約750mg、約755mg、約760mg、約765mg、約770mg、約775mg、約780mg、約785mg、約790mg、約795mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、あるいは約1000mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mg、約700mg、約705mg、約710mg、約715mg、約720mg、約725mg、約730mg、約735mg、約740mg、約745mg、約750mg、約755mg、約760mg、約765mg、約770mg、約775mg、約780mg、約785mg、約790mg、約795mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、あるいは約1000mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、1日3回投与される。
【0247】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、1日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、2日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、3日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、4日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、5日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、6日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、7日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、8日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、9日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、10日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、11日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、12日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、13日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、14日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、15日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、16日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、17日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、18日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、19日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、20日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、21日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、22日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、23日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、24日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、25日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、26日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、27日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、28日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、29日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、30日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、31日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、32日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、33日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、34日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、35日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、36日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、37日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、38日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、39日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、40日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、41日間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、42日以上の期間にわたって投与される。
【0248】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約25mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約50mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、あるいはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約100mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約150mgの量で1日1回投与される。
【0249】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約50mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約100mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約150mgの量で1日1回投与される。特定の実施形態において、式(I)の化合物、あるいはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約200mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約210mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約220mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約230mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約240mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約250mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約260mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約270mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約140mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約290mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約300mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約310mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約320mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約330mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約340mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約350mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約360mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約370mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約380mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約390mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約400mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約450mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約500mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約600mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約700mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約800mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約900mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日1回投与される。
【0250】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約5mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約10mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約15mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約20mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約25mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約50mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約100mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約150mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約200mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約210mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約220mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約230mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約240mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約250mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約260mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約270mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約140mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約290mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約300mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約310mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約320mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約330mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約340mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約350mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約360mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約370mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約380mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約390mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約400mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約450mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約500mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約600mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約700mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約800mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約900mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約14日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日2回投与される。
【0251】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約5mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約10mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約15mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約20mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約25mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約50mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約100mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約150mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約200mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約210mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約220mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約230mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約240mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約250mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約260mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約270mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約280mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約290mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約300mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約310mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約320mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約330mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約340mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約350mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約360mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約370mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約380mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約390mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約400mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約450mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約500mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約600mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約700mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約800mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約900mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日1回投与される。
【0252】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約5mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約10mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約15mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約20mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約25mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約50mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約100mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約150mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約200mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約210mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約220mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約230mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約240mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約250mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約260mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約270mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約280mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約290mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約300mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約310mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約320mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約330mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約340mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約350mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約360mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約370mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約380mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約390mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約400mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約450mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約500mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約600mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約700mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約800mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約900mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約28日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日2回投与される。
【0253】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約255mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約10mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約15mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約20mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約25mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約50mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約100mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約150mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約200mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約210mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約220mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約230mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約240mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約250mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約260mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約270mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約420mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約290mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約300mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約310mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約320mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約330mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約340mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約350mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約360mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約370mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約380mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約390mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約400mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約450mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約500mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約600mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約700mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約800mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約900mgの量で1日1回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日1回投与される。
【0254】
ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約5mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約10mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約15mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約20mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約25mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約50mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約100mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約150mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約200mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約210mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約220mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約230mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約240mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約250mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約260mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約270mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約420mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約290mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約300mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約310mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約320mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約330mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約340mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約350mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約360mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約370mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約380mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約390mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約400mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約450mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約500mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約600mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約700mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約800mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約900mgの量で1日2回投与される。ある実施形態において、式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも約42日までの期間にわたって、約1000mgの量で1日2回投与される。
【0255】
いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、あるいは約400mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、1日2回に投与される。いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、あるいは約800mgの式(I)の化合物、またはその同位体変異体;あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグは、少なくとも1日に1回投与される。
【0256】
ある実施形態では、約5mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、約25mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、約5mg~約25mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、約10mg~約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、約100mg~約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。
【0257】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。
【0258】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、カプセル剤あるいは錠剤として製剤化される。
【0259】
ある実施形態では、約25mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。
【0260】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約5mg/日~約1000mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg/日~約1000mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約5mg/日~約25mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg/日~約400mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、約100mg/日~約600mg/日の用量で被験体に投与される。
【0261】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、摂食状態で投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、絶食状態で投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、少なくとも1日1回投与される。
【0262】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約6時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約5時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約4時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約3時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約2時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約1時間未満前に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、就寝の約30分未満前に投与される。
【0263】
ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、夜に投与される。ある実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、夜の午後10時頃に投与される。
【0264】
他の態様では、精巣副腎残存腫瘍(TART)あるいは卵巣副腎残存腫瘍(OART)を処置するか、または防ぐ方法が提供され、上記方法は、構造式(I)の化合物:および実施形態を含む本明細書に記載されるような化合物を有する薬学的に許容可能な賦形剤、あるいは構造式(I)ならびに薬学的に許容可能な賦形剤:
【0265】
【化33】
またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与する工程を含む。R
1、R
2、R
3、およびR
4は、実施形態を含む本明細書に記載される通りである。
【0266】
ある実施形態では、医薬組成物は、約25mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、約25mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約25mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、約10mg~約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、約100mg~約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0267】
ある実施形態では、医薬組成物は、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約500mg、あるいは約600mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0268】
ある実施形態では、医薬組成物は経口投与される。
【0269】
ある実施形態では、医薬組成物はカプセル剤または錠剤として製剤化される。ある実施形態では、カプセル剤または錠剤は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、あるいは約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、カプセル剤または錠剤は、約50mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。ある実施形態では、カプセル剤または錠剤は、約200mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0270】
ある実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約25mg~約1000mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約25mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約10mg~約400mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が被験体に投与される。
【0271】
ある実施形態では、医薬組成物は、約5mg/日~約1000mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約25mg/日~約1000mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約5mg/日~約25mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約10mg/日~約400mg/日の用量で被験体に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は、約100mg/日~約600mg/日の用量で被験体に投与される。
【0272】
ある実施形態では、医薬組成物は摂食状態で投与される。ある実施形態では、医薬組成物は絶食状態で投与される。ある実施形態では、医薬組成物は少なくとも1日1回投与される。
【0273】
ある実施形態では、医薬組成物は就寝前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約6時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約5時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約4時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約3時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約2時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約1時間未満前に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は就寝の約30分未満前に投与される。
【0274】
ある実施形態において、医薬組成物は夜に投与される。ある実施形態では、医薬組成物は夜の午後10時頃に投与される。
【0275】
ある実施形態では、被験体は先天性副腎過形成(CAH)を有する。
【0276】
ある実施形態では、腫瘍のサイズおよび/または数は、縮小するか、あるいは減少する。ある実施形態では、腫瘍のサイズは縮小するか、あるいは減少する。ある実施形態では、腫瘍のサイズは縮小するか、あるいは減少する。
【0277】
本明細書に開示される方法の特定の実施形態では、上記方法は、追加の化学療法剤を被験体に投与する工程をさらに含む。
【0278】
ある実施形態では、追加の化学療法剤は、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、ACAT1阻害剤、または抗アンドロゲンである。ある実施形態では、グルココルチコイドは、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、またはトリアムシノロンである。ある実施形態では、ミネラルコルチコイドはフルドロコルチゾンである。ある実施形態では、追加の化学療法剤は、他のCRF1アンタゴニストである。ある実施形態では、CRF1アンタゴニストは:
【0279】
【化34】
またはその薬学的に許容可能な塩である。ある実施形態において、CRF
1アンタゴニストは、
【0280】
【化35】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0281】
本明細書に開示される方法の特定の実施形態では、上記方法は、腫瘍の外科的切除と放射線治療、またはそれらの組み合わせから選択される追加の処置をさらに含む。ある実施形態では、追加の処置は外科的切除であり、上記外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物、もしくはそれらの任意の組み合わせの投与前、投与後、および/または投与と同時に行われる。ある実施形態では、外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与前に行われる。外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与後に行われる。ある実施形態では、外科的切除は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与と同時に行われる。
【0282】
ある実施形態では、追加の処置は放射線治療であり、上記放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物、もしくはそれらの任意の組み合わせの投与前、投与後、および/または投与と同時に行われる。ある実施形態では、放射線治療は、構造式(I)のCRF1アンタゴニスト、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与前に行われる。ある実施形態では、放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与後に行われる。ある実施形態では、放射線治療は、構造式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩あるいは医薬組成物の投与と同時に行われる。
【0283】
一実施形態において、医薬組成物は、経口投与のための剤形で提供され、これには、本明細書に提供される化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体が含まれている。経口投与のために製剤化される本明細書で提供される医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末、あるいは液体の形態であってもよい。いくつかの実施形態において、錠剤は固体担体あるいはアジュバントを含む。液体の医薬組成物は通常、水、石油、動物油あるいは植物油、鉱油、または合成石油などの液体担体を含む。生理食塩液、デキストロース、または他のサッカライド溶液、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなどのグリコールが含まれることもある。いくつかの実施形態において、カプセルはゼラチンなどの固体担体を含む。
【0284】
別の実施形態において、医薬組成物は、非経口投与の剤形で提供され、これには、本明細書で提供される化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体が含まれている。医薬組成物が静脈内、皮膚、あるいは皮下注射のために製剤化され得る場合、有効成分は、発熱物質を含まずに、適切なpH、等張性、および安定性を有する、非経口的に許容可能な水溶液の形態であってもよい。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、あるいは乳酸加リンガー注射液などの等張のビヒクルを使用して、適切な溶液を十分に調製することができる。いくつかの実施形態において、防腐剤、安定剤(stabilisers)、緩衝液、抗酸化剤、および/または他の添加剤は、必要に応じて含まれる。
【0285】
さらに別の実施形態において、医薬組成物は、局所投与のための剤形で提供され、これには、本明細書で提供される化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体が含まれる。
【0286】
医薬組成物は、遅延放出、拡張放出、持続放出、徐放、パルス放出、制御放出、促進放出、即時放出、標的放出、およびプログラム放出を含む、放出調節剤形、ならびに胃貯留の剤形としても製剤され得る。これらの剤形は、当業者に知られている従来の方法および技術に従って調製可能である(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, supra; Modified-Release Drug Delivery Technology, 2nd Edition, Rathbone et al., Eds., Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2008を参照)。
【0287】
本明細書で提供される医薬組成物は、単位剤形または複数回用の剤形で提供され得る。本明細書で使用されるように、単位剤形は、ヒトと動物の被験体への投与に適した物理的に別個の単位を指し、当該技術分野で知られているように個別に包装される。それぞれの単位用量は、必要な医薬担体または賦形剤に伴って、所望の治療効果を生み出すのに十分な、あらかじめ決められた量の活性成分を包含する。単位剤形の例は、アンプル、シリンジ、および個々にパッケージ化された錠剤とカプセル剤を含む。単位剤形は分割して、またはその倍数単位で投与されてもよい。複数回量剤形は、分離した単位剤形で投与される単一の容器に入れられた複数の同一の単位剤形である。複数回量剤形の例は、バイアル、錠剤あるいはカプセルの瓶、またはパイントあるいはガロンの瓶を含む。
【0288】
本明細書に提供される医薬組成物は、1回投与、または間隔をおいて複数回投与することができる。正確な投与量および処置の期間は、処置を受けている患者の年齢、体重、および状態によって変動し得、および、試験プロトコルを用いて、または、インビボあるいはインビトロの試験、もしくは診断上のデータからの推定によって、経験的に決定され得ることを理解されたい。任意の特定の個体のために、個人の必要性、および製剤の投与を行うか、あるいは監督する人の職業的な判断に従って、特定の投与レジメンが経時的に調節されなければならないことも理解されよう。
【0289】
ある実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で定義されるような1つ以上の化学療法剤もさらに含む。
【0290】
経口投与
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、または液体の剤形で提供することができる。本明細書で使用されるように、経口投与は、頬側、舌側、および舌下の投与をさらに含む。適切な経口剤形としては、限定されないが、錠剤、急速溶解剤、咀嚼錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、混合散剤、発泡性または非発泡性の粉末または果粒剤、経口ミスト、溶液、エマルジョン、懸濁液、ウェーハ、スプリンクル、エリキシル剤、およびシロップが挙げられる。有効成分に加えて、医薬組成物は、限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、滑剤、着色剤、色素移動阻害剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤および分散剤、防腐剤、溶媒、非水性の液体、有機酸、ならびに二酸化炭素源を含む、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含有することができる。
【0291】
結合剤または造粒機(granulators)は、錠剤に粘着性を与え、圧縮後に残りの錠剤を傷つけないようにする。適切な結合剤または造粒機の例としては、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトースなどの砂糖;アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュ・モスの抽出液、パンワールガム(Panwar gum)、ガティガム(ghatti gum)、イサゴール殻(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum(登録商標)、カラマツのアラビノガラクタン(larch arabogalactan)、トラガント粉末、およびグアーガムなどの天然の合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp., Marcus Hook, PA)などの微結晶性セルロース;およびそれらの混合物が挙げられる。適切な充填剤としては、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書で提供される医薬組成物中の結合剤または充填剤の量は、製剤のタイプによって変動し、かつ当業者には容易に識別可能である。結合剤または充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物の約50重量%~約99重量%で存在し得る。
【0292】
適切な希釈剤としては、限定されないが、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥したデンプンおよび粉糖が挙げられる。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなどの特定の希釈剤は、十分な量で存在する場合、咀嚼により口の中での崩壊を可能にする特性を一部の圧縮錠剤に与えることができる。そのような圧縮錠剤は咀嚼錠として使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤のタイプによって変動し、かつ当業者には容易に識別可能である。
【0293】
適切な崩壊剤としては、限定されないが、寒天;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース、木製品;天然のスポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびVeegumHVなどのゴム;柑橘類の果肉;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;ナトリウム・デンプン・グリコレートなどの微結晶性セルロース;ポラクリリン(polacrilin)カリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アルギン(aligns);およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプによって変動し、かつ当業者には容易に識別可能である。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプによって変動し、かつ当業者には容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.5~約15重量%、または約1~約5重量%の崩壊剤を含み得る。
【0294】
適切な潤滑剤としては、限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、およびダイズ油を含む水素化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl laureate);寒天;デンプン;ヒカゲノカズラ;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)およびCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)などのシリカまたはシリカゲル;およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.1~約5重量%の潤滑剤を含み得る。
【0295】
適切な滑剤としては、限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、およびアスベストを含まないタルクが挙げられる。適切な着色剤は、限定されないが、承認され、認証された不溶性のFD&C色素、アルミナ水和物上で懸濁される水不溶性FD&C色素、染色レーキ(color lake)、およびそれらの混合物の何れかを含む。染色レーキは、重金属の水和酸化物への水溶性の色素の吸着による組み合わせであり、結果として色素の不溶性の形態をもたらす。適切な香味剤としては、限定されないが、果物などの植物から抽出した天然香味剤、および、ペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの好ましい味覚を作り出す化合物の合成ブレンドが挙げられる。適切な甘味剤としては、限定されないが、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および、サッカリンとアスパルテームなどの人工甘味剤が挙げられる。適切な乳化剤としては、限定されないが、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、およびトリエタノールアミンオレアートなどのゼラチン、アカシア、トラガント、ベントナイト、および界面活性剤が挙げられる。適切な懸濁化剤および分散剤としては、限定されないが、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ペクチン、トラガント、Veegum、アカシア、ナトリウムカルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。適切な防腐剤としては、限定されないが、グリセリン、メチルとプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、およびアルコールが挙げられる。適切な湿潤剤としては、限定されないが、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。適切な溶媒としては、限定されないが、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。エマルジョンに利用される適切な非水性の液体としては、限定されないが、鉱油および綿実油が挙げられる。適切な有機酸としては、限定されないが、クエン酸および酒石酸が挙げられる。適切な二酸化炭素源としては、限定されないが、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0296】
多くの担体および賦形剤が、同じ製剤内でも様々な機能を果たし得ることを理解されたい。
【0297】
経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、擦り込み錠剤、咀嚼可能なロゼンジ剤、速溶錠剤、有核錠、または腸溶コーティング錠剤、糖コーティング錠剤、あるいはフィルムコーティング錠剤として提供され得る。腸溶錠は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解または崩壊する物質でコーティングされた圧縮錠剤であり、これにより、胃の酸性環境から有効成分を保護する。腸溶コーティングとしては、限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖衣錠は、糖衣で囲まれた圧縮錠剤であり、好ましくない味または香味を隠し、かつ酸化から錠剤を保護することにおいて有益であり得る。フィルムコーティング錠剤は、水溶性の物質の薄層またはフィルムで覆われている圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは糖衣と同じ一般的特色を与える。有核錠(multiple compressed tablets)は、層状の錠剤、および圧縮成形錠剤または乾燥成形錠剤を含む、1より多くの圧縮サイクルによって作られた圧縮錠剤である。
【0298】
錠剤の剤形は、粉末の形態、結晶の形態、または粒状の形態の活性成分から単独で調製されるか、あるいは、結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、および/または着色剤を含む、本明細書に記載される1つ以上の担体もしくは賦形剤と組み合わせて調製され得る。香料ならびに甘味剤は、咀嚼錠剤および咀嚼可能なロゼンジ剤の形成に特に役立つ。
【0299】
経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから製造可能な、ソフトカプセルあるいはハードカプセルとして提供され得る。乾燥充填カプセル(DFC)としても知られているハードカプセルは2つの部分から成り、一方の部分が他方の部分上をスリップしており、したがって、有効成分が完全に封入されている。ソフトカプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または同様のポリオールの添加によって可塑化される、ゼラチンシェルなどの柔らかい球状のシェルである。柔らかいゼラチンシェルは、微生物の増殖を防ぐため防腐剤を含み得る。適切な防腐剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含む、本明細書に記載されるようなものである。本明細書で提供される液体、半固体、および固体の剤形は、カプセル中に封入されてもよい。適切な液体および半固体の剤形は、炭酸プロピレン、植物油、またはトリグリセリド中に溶液ならびに懸濁液を含む。そのような溶液を含有しているカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;および第4,410,545号に説明されるように調製することができる。カプセルは、有効成分の溶解を変更あるいは維持するために、当業者に知られているようにコーティングされてもよい。
【0300】
着色剤および香味剤は、上記剤形の全てに使用することができる。
【0301】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延放出、除放、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム化放出の形態を含む、即時放出剤形または放出調節剤形として製剤化され得る。
【0302】
非経口投与
本明細書で提供される医薬組成物は、局所または全身投与のために、注射、注入、あるいは移植によって非経口的投与され得る。本明細書で使用されているように、非経口投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液内、膀胱内、および皮下の投与を含む。
【0303】
非経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、溶液、懸濁剤、エマルジョン、ミセル、リポソーム、小球体、ナノ系、および注射前の液体の溶液または懸濁液に適切な固形形態を含む、非経口投与に適した任意の剤形に製剤化され得る。そのような剤形は、製薬の科学の当業者に既知の従来の方法によって調製され得る(上記のRemington: The Science and Practice of Pharmacyを参照)。
【0304】
非経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体ならびに賦形剤を含むことができ、これには、限定されないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤または防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張化剤、緩衝化剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤ならびに分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、凍結保護物質、溶解保護剤、増粘剤、pH調整剤、および不活性ガスが含まれる。
【0305】
適切な水性ビヒクルとしては、限定されないが、水、生理食塩水、生食水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射、リンガー注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロースおよび乳酸リンガー注射液が挙げられる。適切な非水性のビヒクルとしては、限定されないが、植物由来の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハッカ油、ベニバナ油、胡麻油、ダイズ油、水素と化合した植物油、水素と化合したダイズ油、およびココナッツ油の中鎖トリグリセリド、ならびにパーム核油が挙げられる。適切な水混和性のビヒクルとしては、限定されないが、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300とポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0306】
適切な抗菌剤または防腐剤としては、限定されないが、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルとプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-パラベンとプロピル-パラベン、ならびにソルビン酸が挙げられる。適切な等張剤としては、限定されないが、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが挙げられる。追加の緩衝化剤としては、限定されないが、リン酸塩およびシトラートが挙げられる。適切な抗酸化剤は、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されるようなものである。適切な局所麻酔薬としては、限定されないが、塩酸プロカインが挙げられる。適切な懸濁剤と分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されるようなものである。適切な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、およびトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されるものである。適切な金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、限定されないが、EDTAが挙げられる。適切なpH調整剤としては、限定されないが、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が挙げられる。適切な錯化剤としては、限定されないが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル 7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa、KS)を含むシクロデキストリンが挙げられる。
【0307】
本明細書で提供される医薬組成物が複数回投与のために製剤化される場合、複数回投与の非経口製剤は、細菌または真菌の静止濃度で抗菌剤を含まなければならない。当該技術分野において周知かつ実施されているように、非経口製剤はすべて無菌でなければならない。
【0308】
一実施形態において、非経口投与のための医薬組成物は、使用する準備ができている滅菌溶液として提供される。他の実施形態において、医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、凍結乾燥粉末および注射用錠剤を含む滅菌乾燥可溶性生成物として提供される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、使用する準備ができている無菌の懸濁液として提供される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、無菌の乾燥した不溶性の生成物として提供される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、使用する準備ができている無菌のエマルジョンとして提供される。
【0309】
非経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、除放、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム化放出の形態を含む、即時放出剤形または放出調節剤形として製剤化され得る。
【0310】
非経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、埋め込みデポ(implanted depot)としての投与のために、懸濁液、固体、半個体、またはチキソトロピーの液体として製剤化することができる。一実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物は、固形の内部マトリックスにおいて分散され、該マトリックスは、体液中では不溶性であるが医薬組成物中での有効成分の分散を可能にする、外部高分子膜により囲まれている。
【0311】
適切な内部マトリックスとしては、限定されないが、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル-メタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、および架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルを含む。
【0312】
適切な外部高分子膜としては、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルを有する塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、イオノマー・ポリエチレン・テレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三量体、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられる。
【0313】
V.実施形態
本開示の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないということが、当業者に明らかであろう。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される実施形態の様々な代替案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法ならびに構造は、それにより包含されることが意図されている。実施例1.精巣副腎残存腫瘍を有する被験体における、化合物1の第2相の有効性および安全性を評価する非盲検試験
【0314】
精巣副腎残存腫瘍(TART)は、精巣内の異常な副腎細胞の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)由来の過度の刺激によって引き起こされる、先天性副腎過形成(CAH)の一般的な合併症であり、障害された精子形成および不妊症を結果としてもたらす。TARTSは、精巣のあらゆる場所で見つけることができるが、典型的な(非常に一般的な)場所は縦隔内である。これは特に問題のある場所である。TARTの中心場所が縦隔であるため、近くの精細管の圧縮は一般的であり、かつオスの閉塞性無精子症、周辺組織への不可逆的損傷、および永続的な不妊症につながる可能性がある。
【0315】
TARTのための現在の処置は、慢性高用量グルココルチコイド、重大な副作用を伴う問題のある治療、および狭い治療濃度域からなる。TARTの深刻な性質と、慢性ステロイド治療の制限およびリスクを考慮すると、TARTを有する患者には新規な治療法が必要である。化合物1(副腎皮質刺激ホルモン放出因子1型(CRF1)受容体の高親和性および選択的な小分子アンタゴニスト)は、ACTH合成を阻止するのに効果的であり得、それによって、TARTにおける精巣病変のサイズを減少させ、ならびにグルココルチコイドの慢性の超生理学的用量の必要性を減少させる。この作用機序は、同様の小分子CRF1受容体アンタゴニストを使用して以前の概念実証試験で確認され、CAHを患う被験体のACTHおよび17-ヒドロキシプロゲステロン(17 OHP)の用量依存的減少をもたらした。化合物1は、健康なボランティアにおける非臨床の毒性試験と2つの完全な第1相臨床試験で、許容可能な安全性および耐容性のプロファイルを有することが示された。これらの有望な結果は、代替グルココルチコイドおよびミネラルコルチコイドと組み合わせた、TARTの処置における化合物1の使用を調査するための論理的根拠を提供する。
【0316】
化合物1の構造は以下の通りである:
【0317】
【0318】
健康なボランティアにおける化合物1の2つの完了した第1相試験と、CAHを患う被験体における化合物1の進行中の第2相概念実証試験を踏まえて、この第2相は、特にTARTを有する男性のCAH被験体において、初めて化合物1を試験する。このまれな疾病用の実行可能な被験体募集目標を維持しながら、TARTを有する被験体における有効性および安全性の事前評価に十分なデータを提供するために、約12人の被験体のサンプル数を選択した。その病気の希少性、およびしたがって、募集できる小さいサンプルサイズを考慮すると、この試験は非盲検になり、登録された被験体はすべて活性治験薬を受ける。被験体は、12週間の治験薬投与後の評価項目が、ベースライン尺度と比較されるという点で、それらの同一対照として機能する。
【0319】
試験訪問のスケジュール(第4週目までは2週間毎、その後、試験の残りの期間にわたって4週間毎)は、被験体の負荷を最小限にすることと、被験体の安全性および治療に対する応答を緊密にモニタリングすることとの間の適切なバランスを提供する。処置後の4週間のウォッシュアウト期間は、適切な安全性経過観察と、治験薬の最後の投与後の任意のHPA軸のリバウンド(rebound)の分析とを可能にする。
【0320】
午後10時の、およびスナックの摂取後の治験薬投与の指定は、健康なボランティアにおける第1相試験の情報に基づく。第1相試験の化合物1のための血漿Cmax(最大濃度)が、投与の約5時間後に生じた。したがって、化合物1は、最も多くの副腎アンドロゲンが産生される時刻に、ピーク血漿治験薬濃度を達成するために、この試験では午後10時に毎日投与される。第1相試験により、被験体が絶食状態で投薬された場合に最小の治験薬吸収度が示されたので、被験体は、治験薬の投与前に標準化されたスナックを食べる。被験体安全性を確実にするために、特定の用量減少基準、厳密な個別の処置中止基準、および適切な実験的評価と医学的評価を確立した。(
図1A-1B)
【0321】
【0322】
試験集団
TARTを有する約12の男性の被験体が、米国、イギリス、および場合によっては他の国々において約6つの調査場所で登録される。特定の安全性、PD、または有効性の所見をさらに評価するために、最大12人のさらなる被験体が追加されてもよい。
適格基準
包含基準
・18から30歳までの成人男性の被験体
・記録された遺伝子突然変異に基づくCAHであるとの過去の診断、または17-OHPの上昇に関する過去の記録
・スクリーニング時点で、精巣超音波検査および/または磁気共鳴撮像(MRI)によりTARTであるとの診断されており、≧1の病変が直径≧2cmである。
・ベースライン前の≧30日間、GC補充の安定したレジメンを受けていること
・避妊ガイドラインに従い、処置期間にわたって、および治験薬の最後の投与後から90日間にわたって、精子の提供を控えることに合意する。
・被験体は、試験手順および関連するリスクをすべて理解することができ、プロトコルのすべての側面を遵守する意思を示す書面のインフォームドコンセントを提供する。
除外基準
・限定されないが以下を含む、スクリーニングの30日以内の任意の臨床的に重大な不安定な病状、医学的に重大な病気、あるいは慢性疾患:
○悪性病変、または処置に成功した局所的な皮膚癌以外の任意の悪性病変の<3年間の寛解病歴
○<60mL/分/1.73m2の推定された糸球体濾過率(eGFR)によって証明される、臨床的に重大な腎臓病の存在
○肝疾患あるいは既知の肝臓または胆汁の異常(ジルベール症候群または無症状結石を除く)の現在もしくは慢性の病歴
○活性なB型肝炎、C型肝炎、あるいはヒト免疫不全ウイルス(HIV)についてのスクリーニングで確認された陽性の検査
・前6ヶ月以内の任意の今回の抑うつエピソード、双極性障害、統合失調症、分裂情動性障害、精神病の特徴を伴う大鬱病性障害、あるいは他の精神病障害も含む、任意の臨床的に重大な精神疾患
・うつ病または不安のいずれかでの>12のHADSスコア。
・調査者の判断、またはスクリーニングおよびベースラインで実施されたコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)の結果(例えば、前6ヶ月の間のCの-SSRSタイプ3、4、あるいは5の念慮あるいは過去12ヶ月以内のいかなる自殺行動)に基づいて、自殺の増加したリスクにある
・この試験用適格性を決定するために、メディカルモニターと臨床的に重大および異常な臨床評価または実験的評価について話し合わなければならない。適格性決定するために検討されなければならない異常な評価は、限定されないが:
○調査者の意見では、臨床的に重大な、異常なECGの結果
○Fridericia法で補正したQT間隔(QTcF)>450ミリセカンド
○アラニンアミノトランスフェラーゼ>(ALT)2x正常上限(ULN)
○ビリルビン>1.5xULN(ビリルビンが分画され、直接ビリルビンが<35%である場合、単離されたビリルビン>1.5xULNは許容可能である)
・両側性副腎摘出あるいは下垂体機能低下症を含む病歴
・最初のスクリーニング前の、30日あるいは5半減期(いずれか長い方)以内の他の治験薬の使用
・治験薬の初回投与から30日あるいは5半減期(いずれか長い方)以内に、CYP3A4(グルココルチコイド、ヒドロコルチゾン、ならびにデキサメタゾンを除く)の強力な阻害剤および/または誘導物質を含む、禁止された併用薬の使用を必要とする。敏感な基質あるいは狭い治療域を有する基板(CYP3A4、2C8、2C9、あるいは2C19によって新陳代謝させられた)である薬物療法は、その薬物療法を中止するべきか、あるいは注意して継続するべきかを決定するために、メディカルモニターとケースバイケースで話し合わなければならない。ウォッシュアウトが実行可能である場合、薬物療法を、治験薬の初回投与の少なくとも30日あるいは5半減期(いずれか長い方)前に中止する必要がある。
・験薬の初回投与前60日以内の献血、または治験薬の初回投与前15日以内の血小板、白血球、あるいは血漿の提供。
【0323】
試験期間
各被験体の試験参加の予期された期間は、最長で約20週間である。これは、≦4週間のスクリーニング期間、12週間の処置期間、および4週間の安全性経過観察期間を含む。
【0324】
研究設計
これは、第2相のTARTの処置のための化合物1の非盲検の有効性および安全性の試験である。被験体はみな、12週間にわたって化合物1の毎日の経口投与を受ける。クリニック内の試験訪問は、スクリーニングのために、1日目(ベースライン)および2、4、8、12週目(処置の終了)、および16週目(経過観察)に行われる。
【0325】
投与、経路、レジメン
被験体はみな、12週間にわたって化合物1の毎日の経口投与を受ける。被験体は、最初の2週間は600mg/日を受け、処置期間の残りの10週間は1000mg/日を受ける。治験薬は、標準化されたスナックの摂取の5~15分後である午後10時(または就寝時刻のいずれか早い方)に、毎日に投与される。
【0326】
実験的評価のための午前8時の採血を伴う試験訪問の午前に、被験体は、採血後に、午前のグルココルチコイド補充(morning glucocorticoid replacement)を行わなければならない。試験中の他のすべての日については、被験体は、通常時間(通常、午前6時~午前8時の間)に、午前のグルココルチコイド補充を行ってもよい。
【0327】
被験体が、少なくとも治験薬に関する可能性があると考えられるグレード3以上のTEAEを経験する場合、調査者は、被験体の化合物1の1日量を200mgの単位で減らすことができる。治験薬は、臨床的に重大な肝臓化学反応(liver chemistry)、QTcF、または他の個別の処置中止基準を経験する被験体において中止される。
【0328】
治験薬
化合物1は、小分子CRF1受容体アンタゴニストであり、200mg、サイズ1、白色、硬ゼラチンカプセルとして供給される。
【0329】
実施例2.
上昇したACTHはTART成長のための重要なドライバー(driver)であるため、化合物1(CRF1受容体の小分子アンタゴニスト)を使用したACTH合成の阻止は、ACTHレベルを減少させるのに効果的であり、それゆえ、TARTにおける精巣病変のサイズを縮小し、GCの慢性の超生理学的用量の必要性を減らすことができる。CAHでは、この作用機序は、同様の小分子CRF1受容体アンタゴニストを使用して以前の概念実証試験で確認され、CAHを患う被験体のACTHおよび17-OHPの用量依存的減少をもたらした。非臨床の毒性試験、および健康なボランティアにおける2つの完了した第1相臨床試験での、化合物1の安全性プロファイルを確立した。CAHを有する被験体の第2相試験は現在進行中である。
【0330】
化合物1の非臨床毒性学
化合物1の非臨床の安全性プロファイルは、臨床的に適切な経路(経口)および投与スケジュール(1日1回)を使用して、ラットおよびイヌにおいて、最大91日の持続時間の反復用量範囲設定試験および正確な毒性試験で評価した。最大2000mg/kg/日の用量で、91日間連続して、1日1回、化合物1を経口投与されたラットおよびビーグル犬において、毒性学的所見はすべて軽症であり、オスの生殖管に限定され、および、すべての化合物に関連する所見は、6週間の処置がない回復期間の後に可逆的であった。
【0331】
さらに、ラットにおいて繁殖性毒性試験(fertility toxicology study)を行った。この試験では、オスのラットに、化合物1を、85~87日間(交配の70日前、交配中、および交配と検死の間の≦4日)、0、5、20、または1000mg/kgで、1日1回、経口投与した。オスの生殖能力(平均交配日数、交配率および受精率、受胎率)は、化合物1での処置によって影響を受けなかった。化合物1で処置されたオスと交配された未処置のメスは、卵巣および子宮への影響がなかった。
【0332】
加えて、インビトロの細菌を用いた復帰突然変異試験および染色体異常アッセイ、ならびにインビボの(ラット)骨髄小核アッセイからなる完全な一連の標準的な遺伝毒性試験を行った。ウサギにおける探索的および決定的な胚-胎児発生試験、およびウシの角膜混濁と透過性アッセイも行った。
【0333】
化合物1を用いた臨床経験
現在まで、合計53の被験体(21-65歳のすべて健康な成体)を、2つの第1相試験において、化合物1の少なくとも1回投与により処置した。化合物1のヒト初回投与試験(研究I3C-FW-BLAA)により、2mg~800mgの一回の漸増用量投与を評価した。この試験では、少数の被験体は、軽症または中程度の重症度の下痢および頭痛を経験した。後の試験(試験I3C-FW-BLAB)により、14日間連続で、1日1回、50mg、100mg、または200mgの化合物1の反復投与を評価した。反復投与試験における少数の被験体は、呼吸困難、鼻漏、動悸、および頭痛を経験した。第1相試験は、安全性検査値、バイタルサイン、または心電図(ECG)において、臨床的に有意な変化を示さなかった。化合物1は、SAE、中止につながるAE、または用量制限毒性(DLT)なしで、健康なヒト被験体において十分に許容された。ヒトでは最大耐量は到達されなかった。
【0334】
進行中の第2相の非盲検の試験(試験化合物2)は、現在、古典的CAHを有する成人において6週間、1日1回投与された化合物1の安全性および有効性を評価している。この試験の初期のコホートAでは、被験体はすべて、200mg/日で開始して14日間投与され、各被験体ごとに、600mg/日に増大させて14日間投与し、その後、被験体が前の投与レベルでDLTを経験しない場合、1000mg/日に増大させて14日間投与した。(
図2-3)。
【0335】
既知の潜在的リスク
高用量の化合物1(2,000mg/kg/日)により処置されたラットおよびイヌで観察された可逆的な精巣の効果(変性/萎縮)が、恐らくオンターゲット(on-target)(メカニズム駆動)効果に関連するため、これらの効果はヒトリスクに関連する可能性がある。しかし、げっ歯類での生殖試験では、試験した最高用量(1,000mg/kg/日)で生殖能力の低下は見られなかった。さらに、化合物1を1日当たり最大200mgの用量で、健康なオスのボランティアに14日間連続して投与した場合、精巣機能(LHとFSH)の臨床検査マーカーに影響はなかった。精巣の損傷リスクをモニタリングするために、精巣機能(LH、FSH、インヒビンB、およびSHBG)の臨床検査測定値を、この試験全体を通して評価する。精巣超音波検査および精液検査も、スクリーニング/ベースラインおよび処置期間の終わりに実施する。
【0336】
肝臓機能検査(LFT)での検査異常は、非臨床試験で有意に高い用量で観察された。しかし、これらの事象は第1相臨床試験では観察されなかった。肝臓化学反応の臨床検査測定を、この研究全体を通して評価し、肝臓化学反応所見のための厳密な個別の処置中止基準を実施する。
【0337】
甲状腺に対する化合物1誘発性の影響は、91日間の高用量(2,000mg/kg/日)処置後にイヌにおいて認められたが、他の非臨床試験では認められなかった。甲状腺機能(例えば、T4、T3、甲状腺刺激ホルモン[TSH])の臨床病理学パラメータは、第1相試験では評価しなかったが、この試験全体を通してモニタリングする。
【0338】
既知の潜在的利益
初期の臨床研究では、化合物1がCRF1受容体アンタゴニスト(TARTの処置のための化合物1の臨床試験を支持する作用機序)として有効であることが示唆される。CAHでは、この作用機序は、同様の小分子CRF1受容体アンタゴニストを使用して以前の概念実証試験で確認され、CAHを患う被験体のACTHおよび17-OHPの用量依存的減少をもたらした。
【0339】
潜在的リスクと利点の評価
非臨床試験におけるオスの生殖管に対する化合物1の軽度で可逆的な毒物学的影響は、ベースラインホルモン機能が上昇している動物ではなく、正常である動物の状況で起こった。CRF1受容体アンタゴニストとして、化合物1は、異常に高いACTHレベル(TARTにおいて、精巣内の異常な副腎細胞の過剰刺激を引き起こす)を下げるように意図される。ベースラインホルモンレベルが正常範囲内にある非臨床モデルでは、臨床的利益は期待されておらず、実際、正常範囲外のアンドロゲン減少の結果として毒性が予想される可能性がある。TARTにおいて、ベースラインACTHおよびアンドロゲンレベルが病理学的に上昇する場合、アンドロゲンの減少は正の治療効果と考えられる。
【0340】
TARTの深刻な性質と、慢性ステロイド治療の制限(およびリスク)を考慮すると、TARTを有する患者には新規な治療法が必要である。第1相のプログラムの健康なボランティアにおける化合物1の許容可能な安全性および耐容性のプロファイル、健康な被験体における有意なPDマーカーの変化を示す可能性の低さ、および、より多くの健康な被験体に治験薬を投与することへの明確な利点の欠如を考慮すると、治験依頼者は、このベネフィットリスクプロファイル(benefit-to-risk profile)が、TARTを有する被験体における化合物1の第2相への移行を支持すると考える。
【0341】
実施例3.先天性副腎過形成(CAH)
CAHは、21-ヒドロキシラーゼ酵素の遺伝子異常に起因する。したがって、CAH患者はコルチゾールを産生することができない。ネガティブフィードバックをもたらすコルチゾールなしでは、患者はACTHを過剰産生する。高いACTHは、強力なアンドロゲン(男性ホルモン)の過剰生産を促進する。理論によって制限されることを望まずに、化合物1は、視床下部-下垂体-副腎系上の下垂体および関連する駆動によるACTH放出を防ぐために、CRF1受容体を遮断する。しかし、コルチゾールを生理学的レベルに置き換えると、コルチゾール欠損症は治るが、ACTHは低下させず、結果として、副腎の過形成および副腎アンドロゲンの関連する過剰生産を引き起こす。
【0342】
図4および5A-5Bに示されるように、ACTHの減衰は、標的結合(target engagement)および機能性CRF
1受容体アンタゴニズムを示す。被験体の80%は、ACTHの減少を示した。被験体の70%は、ACTHの>25%の減少を示した。被験体の30%は、CRF
1受容体アンタゴニストによる処置後に正常範囲(
*)にあった。
【0343】
図6および7A-7Bは、標準ガイドラインに基づいた疾患の「制御」を示し、これにより、ステロイドの減量が可能になる。被験体の80%は、17-OHPの減少を示した。被験体の50%は、ACTHの>25%の減少を示した。被験体の50%は、CRF
1受容体アンタゴニストによる処置後にガイドライン範囲内(
*;1200ng/dL)にあった。
【0344】
図8および9A-9Bは、CRF
1アンタゴニストによる処置時にA4における午前の上昇の減衰を示し、過剰なアンドロゲン産生および関連する症状を制御する能力を示す。被験体の100%は、アンドロステンジオン(様々な用量での)の減少を示す。被験体の60%は、アンドロステンジオンの>25%の減少を示した。被験体の50%は、CRF
1受容体アンタゴニストによる処置後に正常な基準範囲内にあった。
【0345】
図10A-10Bは、CRF
1受容体アンタゴニストによる6週間の処置後の古典的先天性副腎過形成を有する25歳の男性において、TARTの約25%の収縮を示す。
【0346】
図11A-11Bは、化合物1が、強力で、選択的で、機能性のCRF
1受容体アンタゴニストであることを示す。インビトロおよびエクスビボの試験では、化合物1は、高い親和性を有し、hCRF
1受容体に選択的である、強力で選択的なCRF
1受容体アンタゴニストであると決定された。化合物1は、アデニレートシクラーゼ活性(CRF
1の受容体媒介性下流カスケード)を阻害する機能的能力を有することが分かり、CRF
1受容体アンタゴニストとしてのインビトロでの有効性を示した。化合物1は、CRFの脳室内投与に応答して、CRF誘導性自発運動を有意に阻害することが分かった(
図11B)。
【0347】
図12A-12Bは、CRF
1受容体アンタゴニストの単一の丸剤が、CAH患者におけるACTHおよび17-OHPを改善することを示す。
【0348】
図13は、CRF
1受容体アンタゴニストの投与による被験体レベルのホルモン変化(ACTH、17-OHP、およびアンドロステンジオン)を示す。
【0349】
実施例4.過剰なACTHおよび副腎ステロイド産生の減少の評価
試験の目的は以下の通りである:化合物1が安定したグルココルチコイドレジメンで、古典的CAHを有する参加者における過剰なACTHおよび副腎ステロイド産生を減少させる能力を評価すること;古典的CAHを有する参加者におけるtildacerfontの安全性および耐容性を評価すること;ならびに、tildacerfontの薬物動態学(PK)を評価すること。
【0350】
適格基準
包含基準:
・18歳以上の成人男性および成人女性
・21-ヒドロキシラーゼ欠損症による古典的CAHであるとの診断
・任意の午前のGC投与を受ける前の、午前の17OHP、800ng/dL
・登録前の≧30日間、グルココルチコイド補充の安定したレジメンを受けている。
【0351】
除外基準:
・スクリーニングの30日以内の臨床的に重大な不安定な病状、病気、あるいは慢性疾患
・臨床的に重大な精神疾患
・両側性副腎摘出あるいは下垂体機能低下症の病歴
【0352】
研究設計
図14は、コホートAについての概念実証および午後10時での増大するQD投与と、コホートBについての単回投与レベルおよび午前10時ならびに午後10時でのBID投与を示す。
【0353】
ベースライン特性
表1は、コホートAおよびコホートBによって表示されたベースライン特性の説明を提供する。コホートAでは、10人の参加者が登録され、化合物1の少なくとも1回の投与を受けた。1人の参加者は、職業に関連してスケジュールの調整がつかないために、早期に投薬を中止した。コホートBでは、9人の参加者が登録され、化合物1の少なくとも1回の投与を受けた。1人の参加者は、ベースラインの主要なプロトコル違反の発見により投薬を中止し、ベースライン後の有効性/PKデータがなかった。したがって、ベースライン特性は、コホートBにおいてn=8人について計算された。コホートBの1人の参加者はHCおよびプレドニゾンの両方を受けていた。
【0354】
【0355】
安全性
両方のコホートにわたって、化合物1は一般に十分に許容された。最も一般的なタイプの有害事象(AE)は胃腸障害であった。投薬の中止につながる重篤なAEおよびAEはなかった。
【0356】
薬物動態
広範囲の用量(200~1000mgのQD)にわたって、化合物は予測可能で用量依存的なPKプロファイルを示した。
【0357】
有効性
図15A-15Dは、両方のコホートにわたるアンドロステンジオン(A4)のレベルの変化を示す。コホートAの10人の参加者のうち10人と、コホートのBの8人の参加者のうち6人で、A4のレベルが≧1用量レベルで改善された。過剰なA4はCAHの臨床的続発症に関連する。A4の減衰は、副腎アンドロゲンの制御を実証している。
【0358】
図16A-16Dは、両方のコホートにわたる、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)のレベルの変化を示す。コホートAの10人の参加者のうち8人と、コホートBの7人の参加者のうち6人で、17OHPのレベルが≧1用量レベルで改善された。17OHPは、CAH診断および管理において重要なホルモンである。17OHPの減衰は、副腎ステロイド産生の制御を実証する。
【0359】
図17A-17Dは、両方のコホートにわたる、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のレベルの変化を示す。コホートAの10人の参加者のうち8人と、コホートBの7人の参加者のうち5人で、ACTHのレベルが≧1用量レベルで改善された。ACTHの減衰は、標的結合および機能性CRF
1受容体アンタゴニズムを実証する。
【0360】
【0361】
結論
化合物1(強力で選択的なCRF1受容体アンタゴニスト)は、CAHのための新しい非ステロイド性の経口の処置アプローチを提供する。化合物1は十分に許容され、古典的CAHを有する患者において、過剰なACTH、17OHP、およびアンドロステンジオンを減少させるのに効果的であった。化合物1は、目標母集団に適した予測可能で用量依存的なPKプロファイルを示した。
【0362】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。本発明が、明細書内で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを目的としていない。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法ならびに構造は、それにより包含されることが意図されている。