(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】人工関節摘出システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/46 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A61F2/46
(21)【出願番号】P 2021518494
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2019076812
(87)【国際公開番号】W WO2020070244
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-04-25
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アトキン・ジェイミー
(72)【発明者】
【氏名】ダットン・グレイム
(72)【発明者】
【氏名】ムーア・ギャリー
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特表平04-501223(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0018815(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0172039(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0044226(US,A1)
【文献】米国特許第06347564(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、前記雄型連結部分から延在するステムと、前記人工関節構成要素又は前記外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、かつ前記第2構成要素の前記ステムが前記第1構成要素の前記雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で前記保持具によって前記雌型連結部分内に保持されるように構成され、前記第2構成要素の前記雄型連結部分及び前記第1構成要素の前記保持具は、前記雄型連結部分が前記雌型連結部分内に保持されながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成
する前記第1構成要素及び前記第2構成要素は、使用者が、
前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことができるように、前記外科的摘出器具を患者の前記人工関節構成要素に接続することを可能に
し、手術部位から外部に存在する前記外科的摘出器具の一部分を
駆動して前記外科用装置を関節運動させ
ることを可能にし、摘出力を伝達する
ことを可能にし、
前記雌型連結部分がソケットであり、前記雄型連結部分が、前記ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり、前記ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、前記第1構成要素の前記保持具が、前記ソケットの前記閉鎖端部と前記開放端部との間に配設され、かつ前記ソケットの前記閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、前記ボール部分が、前記第2構成要素の前記ステムが前記首部分を通って前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在する状態で、前記ソケット内に配設されるように構成され、前記ボール部分は、前記首部分の前記幅より大きい幅を有して、前記ボール部分が、前記ソケットの前記閉鎖端部内に保持され、かつ前記ボール部分及び前記ソケットの相対的な関節運動を可能にしながら前記ソケットの前記首部分及び前記開放端部を通過することが防止され、かように前記ボール部分及び前記ソケットは、ボールソケット継手を形成し、
前記ソケットが、その側壁に開口部を備え、前記開口部は、前記ボール部分が前記ソケットと連結及び連結解除されることを可能にする、前記ボール部分と相補的な形状を有し、
前記ソケットの前記側壁の前記開口部が、使用時に前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を加えると、前記ボール部分が前記側壁の前記開口部から外に横向きに摺動することができないように配置されている、外科用装置。
【請求項2】
手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、前記雄型連結部分から延在するステムと、前記人工関節構成要素又は前記外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、かつ前記第2構成要素の前記ステムが前記第1構成要素の前記雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で前記保持具によって前記雌型連結部分内に保持されるように構成され、前記第2構成要素の前記雄型連結部分及び前記第1構成要素の前記保持具は、前記雄型連結部分が前記雌型連結部分内に保持されながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成する前記第1構成要素及び前記第2構成要素は、使用者が、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことができるように、前記外科的摘出器具を患者の前記人工関節構成要素に接続することを可能にし、手術部位から外部に存在する前記外科的摘出器具の一部分を駆動して前記外科用装置を関節運動させることを可能にし、摘出力を伝達することを可能にし、
前記雌型連結部分がソケットであり、前記雄型連結部分が、前記ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり、前記ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、前記第1構成要素の前記保持具が、前記ソケットの前記閉鎖端部と前記開放端部との間に配設され、かつ前記ソケットの前記閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、前記ボール部分が、前記第2構成要素の前記ステムが前記首部分を通って前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在する状態で、前記ソケット内に配設されるように構成され、前記ボール部分は、前記首部分の前記幅より大きい幅を有して、前記ボール部分が、前記ソケットの前記閉鎖端部内に保持され、かつ前記ボール部分及び前記ソケットの相対的な関節運動を可能にしながら前記ソケットの前記首部分及び前記開放端部を通過することが防止され、かように前記ボール部分及び前記ソケットは、ボールソケット継手を形成し、
前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの少なくとも一方が、前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの当該少なくとも一方の前記人工関節構成要素への取り付けを駆動するためのドライバ構成要素を更に備え、
前記ドライバ構成要素が、前記ステムと前記第2端部との間の前記第2構成要素上に配設された駆動コネクタを含み、前記駆動コネクタが、前記第2構成要素を把持し回転させるための表面を画定して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け及び前記人工関節構成要素から解放し、
前記第1構成要素は、前記第1構成要素の前記首部分と前記開放端部との間の側壁の内表面上に配設された駆動コネクタを含み、前記第1構成要素の前記駆動コネクタは、前記第2構成要素上の前記駆動コネクタと相補的である表面を有し、前記ソケットが、前記第2構成要素上を摺動して前記駆動コネクタと係合して、前記第2構成要素を駆動して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け構成で接続することを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者からの前記人工関節構成要素の取り外しを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記駆動コネクタを係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素の上を摺動して戻るように構成されている、外科用装置。
【請求項3】
手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、前記雄型連結部分から延在するステムと、前記人工関節構成要素又は前記外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、かつ前記第2構成要素の前記ステムが前記第1構成要素の前記雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で前記保持具によって前記雌型連結部分内に保持されるように構成され、前記第2構成要素の前記雄型連結部分及び前記第1構成要素の前記保持具は、前記雄型連結部分が前記雌型連結部分内に保持されながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成する前記第1構成要素及び前記第2構成要素は、使用者が、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことができるように、前記外科的摘出器具を患者の前記人工関節構成要素に接続することを可能にし、手術部位から外部に存在する前記外科的摘出器具の一部分を駆動して前記外科用装置を関節運動させることを可能にし、摘出力を伝達することを可能にし、
前記雌型連結部分がソケットであり、前記雄型連結部分が、前記ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり、前記ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、前記第1構成要素の前記保持具が、前記ソケットの前記閉鎖端部と前記開放端部との間に配設され、かつ前記ソケットの前記閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、前記ボール部分が、前記第2構成要素の前記ステムが前記首部分を通って前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在する状態で、前記ソケット内に配設されるように構成され、前記ボール部分は、前記首部分の前記幅より大きい幅を有して、前記ボール部分が、前記ソケットの前記閉鎖端部内に保持され、かつ前記ボール部分及び前記ソケットの相対的な関節運動を可能にしながら前記ソケットの前記首部分及び前記開放端部を通過することが防止され、かように前記ボール部分及び前記ソケットは、ボールソケット継手を形成し、
前記第2構成要素の前記ボール部分が、前記人工関節構成要素への前記第2構成要素の取り付けを駆動するための駆動構成要素を更に備え、
前記駆動構成要素が六角ドライブである、外科用装置。
【請求項4】
手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、前記雄型連結部分から延在するステムと、前記人工関節構成要素又は前記外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、かつ前記第2構成要素の前記ステムが前記第1構成要素の前記雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で前記保持具によって前記雌型連結部分内に保持されるように構成され、前記第2構成要素の前記雄型連結部分及び前記第1構成要素の前記保持具は、前記雄型連結部分が前記雌型連結部分内に保持されながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成する前記第1構成要素及び前記第2構成要素は、使用者が、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことができるように、前記外科的摘出器具を患者の前記人工関節構成要素に接続することを可能にし、手術部位から外部に存在する前記外科的摘出器具の一部分を駆動して前記外科用装置を関節運動させることを可能にし、摘出力を伝達することを可能にし、
前記雌型連結部分がソケットであり、前記雄型連結部分が、前記ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり、前記ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、前記第1構成要素の前記保持具が、前記ソケットの前記閉鎖端部と前記開放端部との間に配設され、かつ前記ソケットの前記閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、前記ボール部分が、前記第2構成要素の前記ステムが前記首部分を通って前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在する状態で、前記ソケット内に配設されるように構成され、前記ボール部分は、前記首部分の前記幅より大きい幅を有して、前記ボール部分が、前記ソケットの前記閉鎖端部内に保持され、かつ前記ボール部分及び前記ソケットの相対的な関節運動を可能にしながら前記ソケットの前記首部分及び前記開放端部を通過することが防止され、かように前記ボール部分及び前記ソケットは、ボールソケット継手を形成し、
前記ボール部分が空洞を含み、前記ソケットが相補的突起を備え、前記第1構成要素が、前記第2構成要素上を摺動して前記突起を前記空洞と係合させて、前記第1構成要素及び前記第2構成要素が、取り付け構成で前記第1構成要素及び前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記突起及び前記空洞を係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素上を摺動して戻るよう構成されている、外科用装置。
【請求項5】
前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの少なくとも一方が、前記
第1構成要素
及び前記第2構成要素のうちの当該少なくとも一方の前記人工関節構成要素への取り付けを駆動するためのドライバ構成要素を更に備える、請求項1
、3及び4のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項6】
前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの一方が、前記外科的摘出器具に恒久的に取り付けられている、請求項
1~5のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項7】
前記第1構成要素が、前記外科的摘出器具に取り付けられるように構成され、前記第2構成要素が、前記人工関節構成要素に取り付けられるように構成されている、請求項1~
6のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項8】
前記ソケットが、その側壁に開口部を備え、前記開口部は、前記ボール部分が前記ソケットと連結及び連結解除されることを可能にする、前記ボール部分と相補的な形状を有する、請求項
2~7のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項9】
前記ソケットの前記側壁の前記開口部が、使用時に前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を加えると、前記ボール部分が前記側壁の前記開口部から外に横向きに摺動することができないように配置されている、請求項
8に記載の外科用装置。
【請求項10】
前記ドライバ構成要素が、前記ステムと前記第2端部との間の前記第2構成要素上に配設された駆動コネクタを含み、前記駆動コネクタが、前記第2構成要素を把持し回転させるための表面を画定して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け及び前記人工関節構成要素から解放する、請求項
2又は5に記載の外科用装置。
【請求項11】
前記第1構成要素
は、前記第1構成要素の前記首部分と前記開放端部との間
の側壁の内表面上に配設された駆動コネクタを含み、前記第1構成要素の前記駆動コネクタは、前記第2構成要素上の前記駆動コネクタと相補的である表面を有し、前記ソケットが、前記第2構成要素上を摺動して前記駆動コネクタと係合して、前記第2構成要素を駆動して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け構成で接続することを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者からの前記人工関節構成要素の取り外しを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記駆動コネクタを係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素の上を摺動して戻るように構成されている、請求項
10に記載の外科用装置。
【請求項12】
前記第1構成要素及び前記第2構成要素上の前記駆動コネクタが相補的スプラインを含む、請求項
2又は11に記載の外科用装置。
【請求項13】
前記第2構成要素上の前記駆動コネクタが、六角コネクタである、請求項
2及び10~12のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項14】
前記第2構成要素の前記ボール部分が、前記人工関節構成要素への前記第2構成要素の取り付けを駆動するための駆動構成要素を更に備える、請求項
1、2及び4~13のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項15】
前記駆動構成要素が六角ドライブである、請求項
3又は14に記載の外科用装置。
【請求項16】
前記ボール部分が空洞を含み、前記ソケットが相補的突起を備え、前記第1構成要素が、前記第2構成要素上を摺動して前記突起を前記空洞と係合させて、前記
第1構成要素
及び前記第2構成要素が、取り付け構成で前記
第1構成要素
及び前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記突起及び前記空洞を係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素上を摺動して戻るよう構成されている、請求項
1及び8~10のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項17】
前記突起がロッドの形態であり、前記空洞が前記ボール部分の溝の形態である、請求項
16に記載の外科用装置。
【請求項18】
前記第2構成要素の前記第2端部上の端部コネクタが、ねじ山を切られていない端部を有するねじ付きコネクタを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の外科用装置。
【請求項19】
外科システムであって、
請求項1~18のいずれか一項に記載の外科用装置と、
前記第1構成要素又は前記第2構成要素のうちの一方に連結するように構成された外科的摘出器具と、を備える、外科システム。
【請求項20】
前記外科的摘出器具が摺動ハンマーである、請求項19に記載の外科システム。
【請求項21】
前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備える、請求項19又は20に記載の外科システム。
【請求項22】
前記人工関節構成要素が大腿骨ステムである、請求項21に記載の外科システム。
【請求項23】
前記外科的摘出器具が、前記第1構成要素に連結するように構成され、前記人工関節構成要素が、前記第2構成要素に連結するように構成されている、請求項19~22のいずれか一項に記載の外科システム。
【請求項24】
外科システムであって、
請求項1~
18のいずれか一項に記載の外科用装置と、
前記第1構成要素又は前記第2構成要素のうちの一方に連結するように構成された外科用埋め込み器具と、を備える、外科システム。
【請求項25】
前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備える、請求項
24に記載の外科システム。
【請求項26】
前記人工関節構成要素が大腿骨ステムである、請求項
25に記載の外科システム。
【請求項27】
前記外科用埋め込み器具が、前記第1構成要素に連結するように構成され、前記人工関節構成要素が、前記第2構成要素に連結するように構成されている、請求項
24~
26のいずれか一項に記載の外科システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための装置に関する。特定の構成は、手術中に患者の大腿骨から人工股関節の大腿骨ステムを取り外すための大腿骨ステム人工関節摘出構成要素に関する。手術中に患者から人工関節を摘出するための装置構成要素のシステムも記載される。加えて、本開示はまた、手術中に患者から大腿骨ステム人工関節などの人工関節構成要素を摘出する方法及び埋め込む方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
人工股関節などの人工関節用インプラントは、当該技術分野において周知である。典型的には、人工関節用インプラントの少なくとも1つの構成要素は、患者の骨に固定されている。例えば、人工股関節の場合、大腿骨ステム構成要素が患者の大腿骨に挿入され固定される。大腿骨頭部が取り付けられた大腿骨ステムから、首部分が延在する。大腿骨頭部は、人工股関節を形成するために寛骨臼カップ構成要素と連結するように構成されている。
【0003】
手術中、患者の大腿骨は、人工股関節の大腿骨ステム構成要素を受容するように準備される。大腿骨ステムは、寛骨臼カップ構成要素と整列するように正確に位置付けられなければならない。角度の向きと長さは、両方とも重要である。したがって、大腿骨管の初期作製後に、大腿骨ステム構成要素を患者の大腿骨の中に挿入し、次いで大腿骨ステムを摘出して、大腿骨ステムを再挿入する前に追加の大腿骨管の作製を行うことが、外科医は必要となり得る。この処置は、大腿骨ステムの満足のいく位置決めが達成されるまで繰り返される必要があり得る。
【0004】
このように術中大腿骨ステムを取り外す間、大腿骨内のステムの正の固定により、ステムを回収するために器具を使用することが、一般に必要である。大腿骨からステムを引っ張るために、摘出器具が大腿骨ステムに連結される必要がある。しかしながら、そのような器具を使用してステムを取り外すことは、特にステムが追加の大腿骨管の作製後に再挿入される場合に望ましくないステムへの損傷を引き起こす可能性がある。大腿骨ステムを取り外すための処置は、ステムへのアクセスが制限される前方手術において特に困難である。交差ねじ切り、全体的な損傷、又は器具の不具合などの問題が生じる可能性がある。そのような問題は、一次手術の術中に加えて、修正手術の最中に大腿骨ステムを取り外すときにも当てはまり得る。また、同様の問題は、他の種類の人工関節構成要素を摘出する際に当てはまり得る。更に、そのような摘出処置中に人工関節構成要素に引き起こされる損傷に加えて、骨及び周囲の組織への不当な損傷も回避されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の問題に対処することが本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される本開示の一態様によれば、外科手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置が提供され、この外科用装置は、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、雄型連結部分から延在するステムと、人工関節構成要素又は外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
第2構成要素の雄型連結部分は、第1構成要素の雌型連結部分内に配設され、かつ第2構成要素のステムが第1構成要素の雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で保持具によって雌型連結部分内に保持されるように構成され、第2構成要素の雄型連結部分及び第1構成要素の保持具は、雄型連結部分が雌型連結部分内に保持されながら、第2構成要素に対する第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成し、使用者が、外科的摘出器具を患者の人工関節構成要素に接続することを可能にする第1構成要素及び第2構成要素は、手術部位から外部に存在する外科的摘出器具の一部分を関節運動させ、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にする摘出力を伝達する。
【0007】
いくつかの実施例では、第1構成要素及び第2構成要素のうちの少なくとも一方が、当該構成要素の人工関節構成要素への取り付けを駆動するためのドライバ構成要素を更に備える。
【0008】
特定の実施例では、装置は、ボールソケット継手を含む。例えば、手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置を提供することができ、それにおいては、外科用装置の雌型連結部分がソケットであり、雄型連結部分が、ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり得、ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、第1構成要素の保持具が、ソケットの閉鎖端部と開放端部との間に配設され、かつソケットの閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、ボール部分が、第2構成要素のステムが首部分を通ってソケットの開放端部を通って外に延在する状態で、ソケット内に配設されるように構成され、ボール部分は、首部分の幅より大きい幅を有して、ボール部分が、ソケットの閉鎖端部内に保持され、かつボール部分及びソケットの相対的な関節運動を可能にしながらソケットの首部分及び開放端部を通過することが防止され、かようにボール部分及びソケットは、ボールソケット継手を形成する。ボールソケット継手は、使用者が、外科的摘出器具を患者の人工関節構成要素に接続して、手術部位から外部に存在する外科的摘出器具の一部分を関節運動させ、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にする摘出力を伝達する。
【0009】
前述の構成により、外科的摘出器具(例えば、摺動ハンマー)が人工関節構成要素に対して関節運動しながら、患者から人工関節構成要素を取り外すのを可能にする摘出力を伝達することが可能になる。関節運動機能により、あらゆる手法及び切開のサイズで使用することが可能になる。更に、関節運動及び摘出力の伝達を可能にすることによって、交差ねじ切り、全体的な損傷、又は器具の不具合などの問題が緩和される。更に、そのような摘出処置中に人工関節構成要素に引き起こされる損傷の緩和に加えて、骨及び周囲の組織への不当な損傷も緩和される。
【0010】
ソケット及びボール部分のうちの一方は、摘出器具に恒久的に取り付けられてもよく、あるいは摘出器具に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0011】
詳細な説明で説明される実施形態は、摘出器具に取り外し可能に取り付けられる。しかしながら、ボールソケット装置は、摘出器具の端部に恒久的に一体化され得ることも想定される。
【0012】
ソケットは、外科的摘出器具に取り付けられるように構成することができ、ボール部分は、人工関節構成要素に取り付けられるように構成され得る。この構成を有する実施形態は、詳細な説明に記載される。しかしながら、原則として、構成要素の順序は、ボール部分が外科的摘出器具に取り付けられるように構成され、ソケットが人工関節構成要素に取り付けられるように構成されるように、逆転させることができることも想定される。
【0013】
ソケットは、その側壁に開口部を備え、開口部は、ボール部分がソケットと連結及び連結解除されることを可能にする、ボール部分と相補的な形状を有することができる。有利にも、ソケットの側壁の開口部は、使用時に患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を加えると、ボール部分が側壁の開口部から外に横向きに摺動することができないように配置されている。すなわち、ソケットの側壁の開口部を通ってボール部分を横方向に移動させることによってボール部分がソケットに連結した後、ソケットは、ボール部分がソケットの側壁の開口部から外に横方向に移動することができない位置まで、ボール部分上を軸方向に摺動することができる。
【0014】
ドライバ構成要素は、ステムと第2端部との間の第2構成要素上に配設された駆動コネクタを含むことができ、駆動コネクタが、第2構成要素を把持し回転させるための表面を画定して、第2構成要素を人工関節構成要素に取り付け及び人工関節構成要素から解放する。
【0015】
第1構成要素はまた、首部分と第1構成要素の開放端部との間の側壁の内表面上に配設された駆動コネクタを含むことができ、第1構成要素の駆動コネクタは、第2構成要素上の駆動コネクタと相補的な表面を有する。ソケットは、第2構成要素上を摺動して駆動コネクタと係合させて、第2構成要素が、取り付け構成で第2構成要素を人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成されることができ、第1構成要素は、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において駆動コネクタを係合解除するために、反対方向に第2構成要素の上を摺動して戻るように構成されている。第1構成要素及び第2構成要素上の駆動コネクタは、相補的スプラインを備えることができる。摘出構成において駆動コネクタを分離することにより、これは、人工関節摘出処置中に摘出力を伝達しながら、駆動構成要素(例えばスプライン)への損傷を防止する。
【0016】
ボールソケット継手の人工関節への接続を駆動するためのスプライン構成要素を使用する代替として、第2構成要素での駆動コネクタは、代替的に、六角コネクタであってよい。更に、第2構成要素上の駆動コネクタは、第1構成要素の相補的なコネクタによって駆動されてもよく、あるいは、六角ドライブツールなどの別個のツールによって駆動されてもよい。更に、ステムと第2構成要素の端部との間の駆動コネクタに加えて、又はそれに代えて、ボール部分は、第2構成要素の人工関節構成要素への取り付けを駆動するための駆動構成要素を更に備えてもよい。例えば、ボール部分は六角ドライブを含んでもよい。特定の実施例では、ボール部分上の駆動コネクタ及び第2構成要素のステム上の駆動コネクタの両方は、使用中の過度の丸みなどに起因して、駆動コネクタのうちの一方に不具合が生じた場合に、駆動コネクタの他方を使用して、人工関節に第2構成要素を取り付ける又は人工関節から第2構成要素を取り外すことができるように設けられている。
【0017】
第2構成要素の第2端部の端部コネクタは、第2構成要素を人工関節構成要素内の相補的なねじ付きコネクタに取り付けるためのねじ付きコネクタを備えてもよい。取り付け中の交差ねじ切りの可能性を制限するために、第2構成要素の第2端部は、ねじ係合前に構成要素の良好な整列をもたらすために、ねじ山を切られていないリード部分を含んでもよい。
【0018】
関節運動式継手構成要素の人工関節への取り付けを連結及び駆動するための他の構成も想定される。例えば、ボール部分は空洞を含み得、ソケットが相補的突起を備えてよく、ソケットは、第2構成要素上を摺動して突起を空洞と係合させて、構成要素が、取り付け構成で関節運動式継手構成要素を人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成され、第1構成要素は、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において突起及び空洞を係合解除するために、反対方向に第2構成要素の上を摺動して戻るよう構成されている。1つの構成では、突起はロッドの形態であり、空洞はボール部分の溝の形態である。
【0019】
あるいは、第1構成要素の雌型連結部分は、第1構成要素の第2端部から延在する2つのアームによって画定され、かつ開放端部を有する、ソケットの形態であってよく、第2構成要素の雄型連結部分は、リングの形態であってよい。この構成では、リングは、第2構成要素のステムがリングから延在し、ソケットの開放端部を通って外に延在するように、ソケット内に配設可能である。第1構成要素の保持具は、第2構成要素のリングを通って延在して、第1構成要素及び第2構成要素を一緒に連結しながら、第2構成要素に対する第1構成要素の関節運動を可能にするように構成された、ロッドの形態であり得る。
【0020】
更に別の可能性は、自在継手構成である。そのような構成では、第2構成要素の雄型連結部分は、第1ロッドに取り付けられた回転可能部材の形態であり、回転可能部材が第1軸の周りを回転可能であり、回転可能部材は、第1構成要素の雌型連結部分内に配設され、第1構成要素の保持具は、回転可能部材が第1軸に垂直な第2軸の周りを回転可能であるように配向された第2ロッドの形態であり、したがって、第1構成要素及び第2構成要素は自在継手を形成する。
【0021】
本明細書に記載される本開示の別の態様によれば、外科システムであって、
前に定義された外科用装置と、
第1構成要素(例えば、ソケット)又は第2構成要素(例えば、ボール)のうちの一方に連結するように構成された外科的摘出器具(例えば、摺動ハンマー)と、を備える、外科システムが提供される。
【0022】
システムは、第1構成要素(例えば、ソケット)及び第2構成要素(例えば、ボール)のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備えてもよい。例えば、これは、関節運動式継手構成要素及び外科的摘出器具に連結するための、端部に好適なコネクタを有する大腿骨ステムの形態であってよい。
【0023】
また、本明細書で記載されているのは、上に定義した外科システムを使用して、手術中に患者から人工関節構成要素を摘出する方法であって、
外科用装置、外科的摘出器具、及び人工関節構成要素を一緒に連結することと、
外科的摘出器具に摘出力を加えることによって、人工関節構成要素を摘出することと、を含む、方法である。
【0024】
上記の方法の別の例では、第1構成要素及び第2構成要素は、摘出器具に取り付けられる前に予め組み立てられてもよい。
【0025】
更なる実施例では、第1構成要素及び第2構成要素のうちの一方が、患者の体内で人工関節に取り付けられてよく、次いで、第1構成要素又は第2構成要素のうちの他方が、人工関節構成要素の摘出前に、人工関節に取り付けられた第1構成要素又は第2構成要素の他方に連結され得る。
【0026】
本明細書に記載される本開示の別の態様によれば、外科システムであって、
前に定義された外科用装置と、
第1構成要素(例えば、ソケット)又は第2構成要素(例えば、ボール)のうちの一方に連結するように構成された外科用埋め込み器具と、を備える、外科システムが提供される。例えば、これは、関節運動式継手構成要素及び外科用埋め込み器具に連結するための、端部に好適なコネクタを有する大腿骨ステムの形態であってよい。
【0027】
また、本明細書で記載されているのは、上に定義した外科システムを使用して、手術中に患者に人工関節構成要素を埋め込む方法であって、
外科用装置、外科用埋め込み器具、及び人工関節構成要素を一緒に連結することと、
埋め込み力を外科用埋め込み器具に加えることによって、人工関節構成要素を埋め込むことと、を含む。
【0028】
上記の方法の別の実施例では、第1構成要素及び第2構成要素は、埋め込み器具に取り付ける前に予め組み立てられてもよい。
【0029】
別の実施例では、人工関節構成要素は、既に取り付けられた第1継手構成要素及び第2継手構成要素のうちの一方を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の実施形態を、例示のみを目的として以下の添付図面を参照しながら説明する。
【
図1】患者から人工関節構成要素を摘出するための装置を示しており、装置は、摺動ハンマーに接続され、人工関節摘出のために人工関節構成要素(図示せず)に接続可能である。
【
図2】人工関節構成要素に接続されているプロセスにおける
図1の装置の別の図を示しており、矢印は、装置の人工関節構成要素への取り付けを駆動するように装置に係合するように押す方向を示す(取り付け構成)。
【
図3】人工関節構成要素への接続後の
図1及び
図2の装置の別の図を示しており、矢印は、人工関節構成要素を摘出するための引張り方向を示す(摘出構成)。
【
図4】摘出構成の装置の断面図を示しており、第2構成要素のボール部分が、第1構成要素の首部分と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出している。
【
図5】第2構成要素のボール部分が第1構成要素のソケットの首部分と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出しながら、構成要素の相対的な関節運動を可能にすることを示す、
図4の拡大部分を示す。
【
図6】人工関節構成要素及び摘出器具の分離時の、
図1~5の装置の側面図を示しており、構成要素は、取り付け構成と摘出構成との間の中立的な構成にあり、第2構成要素は、側壁切り欠き部又は開口部を介して第1構成要素から係合解除され得る。
【
図7】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、
図1~6に示されているものと構成及び機能が類似しているが、構成要素の人工関節への取り付けを駆動するための異なる連結構造を有する。
【
図8】
図7の装置の別の図を示しており、第2構成要素のボール部分内の一次的な六角ドライブ、及び一次的な六角ドライブに不具合を生じた場合に使用するための、第2構成要素のステムの二次的な六角ドライブの形態の、異なる連結構造を示す。
【
図10】第2構成要素のボール部分が第1構成要素のソケットの首部分と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出しながら、構成要素の相対的な関節運動を可能にすることを示す、
図9の拡大部分を示す。
【
図11】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、
図1~10に示されている装置と構成及び機能が類似しているが、構成要素の人工関節への取り付けを駆動するための異なる連結構造を有し、構成要素の順序は、第1構成要素が人工関節に取り付けられ、第2構成要素が摘出器具に取り付け可能であるように、逆になっている。
【
図12】第2構成要素のボール部分内の溝の形態での取り付けを駆動するための連結構造、及び第1構成要素のソケット内の相補的ロッドを示す、
図11の装置の別の図を示す。
【
図14】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、
図11~13の装置に類似の溝及びロッド連結を有するが、第2構成要素が人工関節に取り付けられ、第1構成要素が摘出器具に取り付け可能であるように、構成要素の順序が逆になっている。
【
図16】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、第2構成要素に対する第1構成要素の大きな角度関節運動を可能にするように構成されている。
【
図17】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、
図1~6に示される装置と構成及び機能が類似しており、第1構成要素のソケットを第2構成要素のボール部分の上に押し下げることにより、第2構成要素を人工関節に取り付けるための駆動機構と係合することを可能にする。
【
図18】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、リング及びロッド構成の形態の異なる連結構造を有する。
【
図20】患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、自在継手構成の形態の異なる連結構造を有する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に記載される装置は、一次手術中に大腿骨ステムを取り外すために使用することができ、修正手術にも使用することができる。本明細書に記載される構成は、使用者が、手術部位から外部に存在する摘出装置の一部分を関節運動させることによって、全ての手法及び切開のサイズに対して同じ装置を動作させることを可能にし、これはまた、取り出しを可能にするための摘出力の伝達を可能にする領域である。
【0032】
図1は、患者から人工関節構成要素を摘出するための装置2を示しており、装置2は、摺動ハンマー4に接続され、人工関節摘出のために人工関節構成要素(図示せず)に接続可能である。装置は主に、組織上の衝突から離れた概ね長軸であるものの枢動を可能にするボールソケット継手である。第2構成要素は、例えばねじ山によって大腿骨インプラントに取り付けられるが、原理的には、手法及び変形に応じて多くの方法で取り付けることができる。第1構成要素は、切り取り部又は開口部によってボールから分離可能なソケットを有する。第1構成要素は、装置システムの力伝達部分に恒久的に組み合わされているか、又は取り外し可能に接続されている。力伝達装置は、
図1に示されるような摺動ハンマー又はスラップハンマーであり得、ハンマーブローよりも多くの摘出力を制御し得るが、ハンマーストライクプレートを使用することもできる。第1構成要素は、ソケット開口部をボール部分と同心に整列させすることによって第2構成要素に取り付けることができ、次いで、ソケットを、取り付け又は摘出に備えてボールを捕捉するねじと同じ軸の中に回転させることができる。
【0033】
図2は、人工関節構成要素6に接続されるプロセスにおける装置2の別の図を示す。矢印は、装置に係合して装置2の人工関節構成要素6への取り付けを駆動するための、押す方向を示す。装置2は、第1構成要素8及び第2構成要素10を含む。第2構成要素10は、人工関節構成要素6に接続するためのボール部分、ステム、スプライン部分、及びコネクタねじ又はねじ山を含む。矢印の方向に押されると、第1構成要素8は、第2構成要素10の上を摺動して、第2構成要素10のスプラインに係合する。この点に関して、第1構成要素8は、その内面に相補的スプラインを備え、これは、
図2に示される構成に押し込まれたときに、第2構成要素10のスプラインと係合する。次いで、装置は、装置を大腿骨ステム構成要素6上にねじ留めするために、摺動ハンマー又は他の外科用器具を介して回転させることができる。つまり、スプラインが係合されると、装置全体が、使用者に対して、ねじをステム内に締め付ける/緩めることを可能にする。
【0034】
図2では、第1構成要素8の開口部12も表示されている。この「取り付け構成」では、ボール部分は、第2構成要素10が取り付け処置の最中に第1構成要素8から分離することを防止するように、開口部に隣接するのではなく、ソケットの上部閉鎖端部に向かうように位置付けられる。
【0035】
図3は、人工関節構成要素6への接続後の
図1及び2の装置2の別の図を示す。矢印は、人工関節構成要素6を摘出するために引張る方向を示す。このように引張ったとき、第1構成要素8の内面のスプラインは、第2構成要素10のスプラインから係合解除される。第1構成要素8は、第2構成要素10のボール部分と係合する内側首部を有し、それによって第1構成要素8及び第2構成要素10を連結させる。したがって、人工関節構成要素6、第2構成要素10、及び第1構成要素8の全てが一緒に連結され、全てが
図3に示される矢印の方向に引張られる。すなわち、第2構成要素のねじ山が大腿骨ステム6内にロックされると、第1構成要素8は、
図3に示されるように、軸方向に引き離され、スプラインを係合解除し、ボール部分の下側を摘出位置に係合させることができる。更に、ボールとソケットが係合された状態で、装置2は、装置システム全体の自由な関節運動及び回転を可能にして(大腿骨ステム6に取り付けられた第2構成要素のねじ山を除く)、軟組織を逃し、次いで、例えばスラップハンマーの重量を利用して、ステム摘出プロセスを開始する。
【0036】
図3では、第1構成要素8の開口部12も表示されている。この「摘出構成」では、ボール部分は、第2構成要素10が、摘出処置中に開口部12を通じて第1構成要素8から分離することを防止するように、開口部に隣接するというよりも第1構成要素8の内側首部に当接している第1構成要素8のソケットの下部開放端部に向かうように位置付けられている。
【0037】
図4は、摘出構成の装置2の断面図を示しており、第2構成要素10のボール部分14が、第1構成要素8の首部分16と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出している。第1構成要素は、
図1に示される摺動ハンマー4などの摘出器具に第1構成要素8を取り付けるための取り付け部品18を備える。第1構成要素はまた、第1構成要素8及び第2構成要素10が一緒に結合されたときにボール部分14を収容するように構成されたソケット20を有する。第1構成要素の首部分16は、第1構成要素8のソケットの閉鎖端部と開放端部22との間にある。第1構成要素8の開放端部22の内壁上には、前述したようにスプラインが備えられている。これらのスプラインは、
図2に示される構成で示されるように、第2構成要素上のスプライン24と係合するように押され得る。
【0038】
また、
図4には、第2構成要素のねじ付きコネクタ(例えば、ねじ又はボルト)26も表示されており、これは摘出される人工関節構成要素の相補的なコネクタにねじ込まれる。図示される構成では、ねじ付きコネクタ26は、ねじ山を切られていない延長されたリード部分28を有する。これは、摘出前に装置を人工関節構成要素に連結する間の交差ねじ切りの防止を補助する。
【0039】
図5は、第2構成要素10のボール部分14が第1構成要素8の首部分16と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出しながら、構成要素の相対的な関節運動を可能にすることを示す、
図4の拡大部分を示す。また、第2構成要素10のステム30も表示されている。ステム30は、第1構成要素内の首部分16の幅と比較して、幅が幾分狭いことにより、摘出処置中に固定された角度構成で一緒にロックされることなく、構成要素が自由に関節運動され得ることを確実にする。
【0040】
図6は、人工関節構成要素及び摘出器具が分離した状態における、
図1~5の装置2の側面図を示す。装置2は、先行する図の取り付け構成と摘出構成との間の中立的構成で示されている。この中立的な位置において、第2構成要素10は、第2構成要素10と第1構成要素8とを係合及び係合解除するために、第1構成要素8の側壁内の開口部12を通って横方向に移動することができる。したがって、開口部12は、ボール部分14及びステム30がこの中立的な位置で横方向に移動するときに開口部12を通過できるように、第2構成要素10のボール部分14及びステム30の形に相補的な形状を有するべきである。
【0041】
また、第2構成要素10のスプライン部分24及びねじ部分26も
図6に表示されている。しかしながら、他の変形が想定されることに留意されたい。例えば、
図6に示されるスプライン24及びねじ26の代わりに、他の形態のコネクタが使用されてもよい。
【0042】
図7は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置102を示す。装置102は、
図1~6に示される装置2と構成及び機能において類似しているが、装置の人工関節構成要素への取り付けを駆動するための異なる連結構造を有する。装置102は、第1構成要素108及び第2構成要素110を含む。第1構成要素108は、
図1のスラップハンマー4などの摘出器具に接続可能な雌型連結部分118を含む。第1構成要素108はまた、第1構成要素108と第2構成要素110とを係合及び係合解除するために使用することができる開口部112を有する。第1構成要素108は、ボール部分、この場合は第2構成要素110の半球状のボール部分114が配設される、ソケット120を画定する。
【0043】
第2構成要素110は、ボール部分114と、ステム130と、六角124と、ねじ山を切られていないリード部分128を有するねじ付き端部コネクタ126と、を含む。この構造は、先の第2構成要素の構造と類似しているが、先の構成のスプライン24の代わりに六角ボルト構造124が備えられている点で異なる。また、前述の構成で提供された完全ボール部分14ではなく、半球状のボール部分114が備えられている。
【0044】
図8は、第2構成要素110の半球状のボール部分114の平坦な上面における六角ドライブ132の形態の異なる連結構造を示す
図7の装置の別の図を示す。六角ドライブ132は、第2構成要素110を、摘出される人工関節構成要素に取り付けるために、好適なねじ回し、六角キー、又は六角棒スパナによって係合され得る。六角ドライブ132が、使用中に過度の丸みなどのいずれかの理由のために機能しなかった場合、六角124が、人工関節構成要素に第2構成要素110を取り付ける又は人工関節構成要素から取り外すべく、代わりに使用され得る。これは、別個のツールを使用して達成することができる。あるいは、特定の構成では、第1構成要素108の第1端部は、六角124に相補的な内面を有するように構成されてもよい。そのような代替的な構成では、第1構成要素108を押して、第2構成要素110の上を摺動させて、六角124に係合し、
図2に関連して記載されている先の構成の相補的スプラインと同様の方法で、人工関節構成要素に第2構成要素110を取り付ける又は人工関節構成要素から取り外すために回転させることができる。
【0045】
図9は、
図7及び
図8の装置102の横断図を示す。見て分かるように、第1構成要素108は、
図1のスラップハンマー4などの摘出器具に接続可能な雌型連結部分118を備える。第1構成要素108はまた、第1構成要素108と第2構成要素110とを係合及び係合解除するために使用することができる開口部112を有する。第1構成要素108は、第2構成要素110のボール部分、又はこの場合は半球状の部分114が配設されるソケット120を画定する。第1構成要素の第1開放端部において、内側首部分116は、引張り動作によって人工関節を摘出するときにボール部分114と係合するように設けられている。第2構成要素110は、ボール部分114と、ステム130と、六角124と、ねじ山を切られていないリード部分128を有するねじ付きコネクタ126と、を含む。
【0046】
図10は、第2構成要素110のボール部分114が第1構成要素108の首部分116と係合して、引張り動作の間に、2つの構成要素を一緒に連結して、人工関節構成要素を摘出しながら、構成要素の相対的な関節運動を可能にすることを示す、
図9の拡大部分を示す。この場合もやはり、第2構成要素のステム130は、第1構成要素内の首部分116の幅と比較して、幅が幾分狭いことにより、摘出処置中に固定された角度構成で一緒にロックされることなく、構成要素が自由に関節運動され得ることを確実にする。
【0047】
図7~10に示される変形は、
図1~6に示される変形と比較してはるかに小さいが、同じ摘出の原理を使用する。顕著な違いは、六角接続を有する補助的なねじ回しによって駆動されるねじ取り付けである。これは、例えば、シェルねじ回しなどのフレックス駆動部であることが想定され、ねじの挿入中アクセスの懸念に関して助力する。
【0048】
更に、
図7~10に示される変形は、第2部分内の六角ドライブ132及び第2構成要素のステムに沿った六角124の両方を有するが、これらの2つの特徴のうちの1つのみが提供され得ることも想定される。どちらもねじ止め運動によって人工関節に第2構成要素を取り付けるか又は人工関節から取り外すために使用することができる。両方を提供する利点は、冗長性が、例えば、使用中の過度の丸みに起因して、機構のうちの1つの不具合の場合に組み込まれることである。
【0049】
本開示は、特定の実施形態に関して上述したが、様々な代替実施形態が提供され得ることが理解されるであろう。例えば、図示される実施形態の両方において、ソケット構成要素は摘出ツールに取り付けられ、ボール構成要素は、摘出される人工関節に取り付けられている。しかしながら、別の構成では、構成要素は、第2構成要素が摘出ツールに取り付けられ、第1構成要素が、摘出される人工関節に取り付けられるように、構成要素を逆にすることができる。更に、図示される実施形態の両方が、ボールソケット装置を摘出ツール及び人工関節に取り付けるためのねじ接続を設けているが、原則として、他の既知の接続を利用してもよい。
図11~20は、以下で簡潔に説明されるいくつかの代替的な構成を示す。
【0050】
図11~13は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置のいくつかの図を示す。前述の構成と比較して、ボール構成要素及びソケット構成要素の順序は、第1構成要素が人工関節に取り付けられ、第2構成要素が外科的摘出器具に取り付け可能であるように、逆にされる。加えて、装置は、構成要素の人工関節への取り付けを駆動するための異なる連結構造を有する。連結構造は、第2構成要素のボール部分における溝140と、第1構成要素内のソケットを横切って延在するロッド142と、を含む。第2構成要素を下方に押すことによって、第2構成要素は、溝がソケット内のロッドと係合するように、第1構成要素のソケット内を摺動する。次いで、構成要素は、互いにロックされ、その結果、例えば、外科的摘出器具を介する第2構成要素の回転が、第1構成要素の回転を引き起こして、第1構成要素を人工関節に取り付けるようにする。人工関節に接続した後、次いで、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するとき、第2構成要素を上方に引っ張って、摘出構成の溝及びロッドを係合解除することができる。他の点では、第1構成要素及び第2構成要素は、前述の構成と類似している。具体的には、第1構成要素は、構成要素を関節運動させることを可能にしながら、摘出中に第1構成要素のソケット内にボール部分を保持するためのソケット及び首部分を有する。
【0051】
図14及び15は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示す。装置は、
図11~13の装置のものと連結する同様の溝140及びロッド142を有する。主な違いは、第2構成要素が人工関節に取り付けられ、第1構成要素が摘出器具に取り付け可能であるように、構成要素の順序が逆であることである。第2構成要素はまた、溝及びロッド連結部に加えて、第2構成要素を操作するために使用することができる指型ねじ144を有する。
【0052】
図16は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示す。図示される装置は、
図14及び15の装置と同様の第2構成要素上に指型ねじ144を備える。第1構成要素及び第2構成要素は、
図16に示すように、第2構成要素に対する第1構成要素の大きな角度の関節運動を可能にするように構成されている。
【0053】
図17は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は、
図1~6に示される装置と構成及び機能が類似しており、第1構成要素を第2構成要素の上に押し下げることにより、第2構成要素を人工関節に取り付けるために駆動機構と係合することを可能にする。この場合、トルクス型の駆動部は、第2構成要素上に相補的な表面146a、146b及び第1構成要素の内側表面を備える。この場合もやはり、人工関節への取り付け後、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成にて、第1構成要素を、第2構成要素の上を反対方向に摺動させて、駆動コネクタを係合解除するよう、上方に引っ張ることができる。
【0054】
図18及び19は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示す。装置は、前の実施形態のように、第1構成要素8及び第2構成要素10を備える。第1構成要素8は、第2構成要素10の一部が配設されるソケットの形態の雌型連結部分を有する。ソケットは、ソケットが開放端部を有するように、第1構成要素の第2端部から延在する2つのアームによって画定される。第2構成要素10は、前の構成と同様に、雄型連結部分、ステム、及び端部コネクタ26を有する。装置は、リング148及びロッド150の構成の形態の異なる連結構造を有するという点で、前述の構成とは異なる。ロッド150は、第1構成要素8のソケットを横切って延在する。第2構成要素10の雄型連結構成要素は、ボールではなくリング148を備え、これは、第1構成要素8のソケット内に配設され、ロッド150がリング148を通って延在して、第2構成要素10を第1構成要素8内に保持する。第1構成要素及び第2構成要素が一緒に連結されると、第2構成要素のステムは、リングからソケットの開放端部を通って外に延在する。
【0055】
図20は、患者から人工関節構成要素を摘出するための別の装置を示しており、装置は異なる連結構造を有する。第2構成要素10の雄型連結部分は、第1軸を中心として回転するために、第1ロッド162上の第2構成要素10に取り付けられた回転可能部材160の形態である。回転可能部材160は、第1構成要素8のソケット内に配設され、第1構成要素8の保持具は、回転可能部材160が第1軸に垂直な第2軸の周りを回転可能であるように配向された第2ロッド164の形態であり、したがって、第1構成要素8及び第2構成要素10は自在継手を形成する。
【0056】
本明細書に記載される人工関節摘出システムを構築及び使用することができるいくつかの方法がある。例えば、関節運動式継手の第1構成要素及び第2構成要素(例えば、ボール構成要素及びソケット構成要素)は、摘出器具に取り付けられる前に予め組み立てられ、摘出のために患者の体内の人工関節構成要素に接続され得る。あるいは、第1構成要素及び第2構成要素のうちの一方(例えば、ボール構成要素)を患者の体内の人工関節に取り付けることができ、次いで、第1構成要素及び第2構成要素の他方(例えば、ソケットの構成要素)は、人工関節構成要素を摘出する前に、手術部位内の第2構成要素に(例えば、第1構成要素の開口部を介して)連結され得る。あるいは、人工関節構成要素は、既に取り付けられた第1構成要素及び第2構成要素のうちの一方を備えることができる。例えば、本明細書に記載されるようなボール及びソケットの構成の場合、継手の第2構成要素は、人工関節に予め組み立てられてもよい(ただし、これは他の構成においては第1構成要素であり得る)。その場合、人工関節構成要素に取り付けられた第2構成要素は、人工関節構成要素を挿入するために挿入器とインターフェース接続するために使用され得、人工関節構成要素を摘出するための摘出装置とのインターフェースとして機能することもできる。
【0057】
本開示はまた、以下の番号付けされた条項において指定された特徴を有する外科用装置を提供する。
条項1:手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1構成要素内の空洞を画定する側壁と、開放端部を画定する第1端部と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に取り付けられるように構成されたコネクタを備える第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
連結部分を画定する第1端部と、連結部分から延在するステムと、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの他方に取り付けられるように構成された端部コネクタを備える第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
第1構成要素及び第2構成要素のうちの少なくとも一方が、当該構成要素の人工関節構成要素への取り付けを駆動するためのドライバ構成要素を更に備え、
第2構成要素の連結部分は、第1構成要素の空洞内に配設され、かつ第2構成要素のステムが第1構成要素の開放端部から延在する状態で保持具によって空洞内に保持されるように構成され、第2構成要素の連結部分及び第1構成要素の保持具は、連結部分が空洞内に保持されながら、第2構成要素に対する第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成し、使用者が、外科的摘出器具を患者の人工関節構成要素に接続することを可能にする第1構成要素及び第2構成要素は、手術部位から外部に存在する外科的摘出器具の一部分を関節運動させ、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にする摘出力を伝達する、外科用装置。
【0058】
条項2:
第1構成要素及び第2構成要素のうちの一方が、外科的摘出器具に恒久的に取り付けられ、又は外科的摘出器具に取り外し可能に取り付け可能である、条項1に記載の外科用装置。
【0059】
条項3:
第1構成要素が、外科的摘出器具に取り付けられるように構成され、第2構成要素が、人工関節構成要素に取り付けられるように構成されている、条項1又は条項2に記載の外科用装置。
【0060】
条項4:
第1構成要素が、ソケット構成要素であり、第2構成要素が、ボール部分であり、ボール構成要素の連結部分が、ソケット構成要素の空洞内に配設されているボール部分であり、ソケット構成要素の保持具が、ソケット構成要素の空洞と開放端部との間に配設され、かつ空洞の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、ボール部分が、ボール構成要素のステムが首部分を通ってソケット構成要素の開放端部を通って外に延在する状態で、ソケット構成要素の空洞内に配設されるように構成され、ボール部分は、首部分の幅より大きい幅を有して、ボール部分が、空洞内に保持され、かつボール構成要素及びソケット構成要素の相対的な関節運動を可能にしながらソケット構成要素の首部分及び開放端部を通過することが防止され、かようにボール及びソケット構成要素は、ボールソケット継手を形成する、条項1~3のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0061】
条項5:
ソケット構成要素は、その側壁に開口部を備え、開口部は、ボール構成要素がソケット構成要素と連結及び連結解除されることを可能にする、ボール構成要素と相補的な形状を有する、条項4に記載の外科用装置。
【0062】
条項6:
ソケット構成要素の側壁の開口部が、使用時に患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を加えると、ボール構成要素のボール部分が側壁の開口部から外に横向きに摺動することができないように配置されている、条項4又は5に記載の外科用装置。
【0063】
条項7:
ドライバ構成要素が、ステムと端部コネクタとの間のボール構成要素上に配設された駆動コネクタを含み、駆動コネクタが、ボール構成要素を把持し回転させるための表面を画定して、ボール構成要素を人工関節構成要素に取り付け及び人工関節構成要素から解放する、条項4~6のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0064】
条項8:
ソケット構成要素はまた、ソケット構成要素の首部分と開放端部との間の側壁の内表面上に配設された駆動コネクタを含み、ソケット構成要素の駆動コネクタは、ボール構成要素上の駆動コネクタと相補的である表面を有し、ソケット構成要素が、ボール構成要素上を摺動して駆動コネクタと係合して、ボール構成要素を駆動して、ボール構成要素を人工関節構成要素に取り付け構成で接続することを可能にするように構成され、ソケット構成要素は、患者からの人工関節構成要素の取り外しを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において駆動コネクタを係合解除するために、反対方向にボール構成要素の上を摺動して戻るように構成されている、条項7に記載の外科用装置。
【0065】
条項9:
ソケット構成要素及びボール構成要素上の駆動コネクタは、相補的スプラインを備える、条項8に記載の外科用装置。
【0066】
条項10:
ボール構成要素上の駆動コネクタが、六角コネクタである、条項4~8のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0067】
条項11:
ボール構成要素のボール部分が、人工関節構成要素へのボール構成要素の取り付けを駆動するための駆動構成要素を更に備える、条項4~10のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0068】
条項12:
当該駆動構成要素は、六角ドライブである、条項11に記載の外科用装置。
【0069】
条項13:
ボール構成要素の端部コネクタが、ねじ山を切られていない端部を有するねじ付きコネクタを含む、条項4~12のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0070】
条項14:
ボール部分が空洞を含み、ソケット構成要素が相補的突起を備え、ソケット構成要素が、ボール構成要素上を摺動して突起を空洞と係合させて、構成要素が、取り付け構成で構成要素を人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成され、ソケット構成要素は、患者から人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において突起及び空洞を係合解除するために、反対方向にボール構成要素上を摺動して戻るよう構成されている、条項4~7のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0071】
条項15:
突起はロッドの形態であり、空洞はボール部分の溝の形態である、条項14に記載の外科用装置。
【0072】
条項16:
第2構成要素の連結部分がリングの形態であり、第1構成要素の保持具が、第2構成要素のリングを通って延在して、第1構成要素及び第2構成要素を一緒に連結しながら、第2構成要素に対する第1構成要素の関節運動を可能にするロッドの形態である、条項1~3のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0073】
条項17:
第2構成要素の連結部分は、第1軸の周りを回転するように、ロッドの第2構成要素に取り付けられた回転可能部材の形態であり、回転可能部材が第1構成要素の空洞内に配設され、第1構成要素の保持具は、回転可能部材が第1軸に垂直な第2軸の周りを回転可能であるように配向された別のロッドの形態であり、したがって、第1構成要素及び第2構成要素は自在継手を形成する、条項1~3のいずれか一項に記載の外科用装置。
【0074】
条項18:外科システムであって、
条項1~条項17のいずれか一項に記載の外科用装置と、
第1構成要素又は第2構成要素のうちの一方に連結するように構成された外科的摘出器具と、を備える、外科システム。
【0075】
条項19:外科的摘出器具が摺動ハンマーである、条項18に記載の外科システム。
【0076】
条項20:
第1構成要素及び第2構成要素のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備える、条項18又は19に記載の外科システム。
【0077】
条項21:人工関節構成要素が大腿骨ステムである、条項20に記載の外科システム。
【0078】
条項22:外科的摘出器具が、第1構成要素に連結するように構成され、人工関節構成要素が、第2構成要素に連結するように構成されている、条項18~21のいずれか一項に記載の外科システム。
【0079】
条項23:条項18~22のいずれか一項に記載の外科システムを使用して、手術中に患者から人工関節構成要素を摘出する方法であって、
外科用装置、外科的摘出器具、及び人工関節構成要素を一緒に連結することと、
外科的摘出器具に摘出力を加えることによって、人工関節構成要素を摘出することと、を含む、方法。
【0080】
本開示は、特定の実施形態に関連して上に記載されてきたが、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な代替的な実施形態が提供され得ることが理解されよう。
【0081】
〔実施の態様〕
(1) 手術中に患者から人工関節構成要素を摘出するための外科用装置であって、
第1端部の雌型連結部分と、人工関節構成要素又は外科的摘出器具のうちの一方に接続されるように構成された第2端部と、を有する第1構成要素であって、保持具を更に含む、第1構成要素と、
雄型連結部分を画定する第1端部と、前記雄型連結部分から延在するステムと、前記人工関節構成要素又は前記外科的摘出器具の他方に接続されるように構成された第2端部と、を有する、第2構成要素と、を備え、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、かつ前記第2構成要素の前記ステムが前記第1構成要素の前記雌型連結部分から離れる方向に延在する状態で前記保持具によって前記雌型連結部分内に保持されるように構成され、前記第2構成要素の前記雄型連結部分及び前記第1構成要素の前記保持具は、前記雄型連結部分が前記雌型連結部分内に保持されながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成され、
関節運動式継手を形成し、使用者が、前記外科的摘出器具を患者の前記人工関節構成要素に接続することを可能にする前記第1構成要素及び前記第2構成要素は、前記手術部位から外部に存在する前記外科的摘出器具の一部分を関節運動させ、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にする摘出力を伝達する、外科用装置。
(2) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの少なくとも一方が、前記構成要素の前記人工関節構成要素への取り付けを駆動するためのドライバ構成要素を更に備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(3) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの一方が、前記外科的摘出器具に恒久的に取り付けられている、実施態様1又は2に記載の外科用装置。
(4) 前記第1構成要素が、前記外科的摘出器具に取り付けられるように構成され、前記第2構成要素が、前記人工関節構成要素に取り付けられるように構成されている、実施態様1~3のいずれかに記載の外科用装置。
(5) 前記雌型連結部分がソケットであり、前記雄型連結部分が、前記ソケット内に配設されるように構成されたボール部分であり、前記ソケットは、閉鎖端部及び開放端部を有し、前記第1構成要素の前記保持具が、前記ソケットの前記閉鎖端部と前記開放端部との間に配設され、かつ前記ソケットの前記閉鎖端部の幅と比較して狭い内部幅を画定する、首部分であり、前記ボール部分が、前記第2構成要素の前記ステムが前記首部分を通って前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在する状態で、前記ソケット内に配設されるように構成され、前記ボール部分は、前記首部分の前記幅より大きい幅を有して、前記ボール部分が、前記ソケットの前記閉鎖端部内に保持され、かつ前記ボール部分及び前記ソケットの相対的な関節運動を可能にしながら前記ソケットの前記首部分及び前記開放端部を通過することが防止され、かように前記ボール部分及び前記ソケットは、ボールソケット継手を形成する、実施態様1~4のいずれかに記載の外科用装置。
【0082】
(6) 前記ソケットが、その側壁に開口部を備え、前記開口部は、前記ボール部分が前記ソケットと連結及び連結解除されることを可能にする、前記ボール部分と相補的な形状を有する、実施態様5に記載の外科用装置。
(7) 前記ソケットの前記側壁の前記開口部が、使用時に前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を加えると、前記ボール部分が前記側壁の前記開口部から外に横向きに摺動することができないように配置されている、実施態様6に記載の外科用装置。
(8) 前記ドライバ構成要素が、前記ステムと前記第2端部との間の前記第2構成要素上に配設された駆動コネクタを含み、前記駆動コネクタが、前記第2構成要素を把持し回転させるための表面を画定して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け及び前記人工関節構成要素から解放する、実施態様2~7のいずれかに記載の外科用装置。
(9) 前記第1構成要素はまた、前記第1構成要素の前記首部分と前記開放端部との間の前記側壁の内表面上に配設された駆動コネクタを含み、前記第1構成要素の前記駆動コネクタは、前記第2構成要素上の前記駆動コネクタと相補的である表面を有し、前記ソケットが、前記第2構成要素上を摺動して前記駆動コネクタと係合して、前記第2構成要素を駆動して、前記第2構成要素を前記人工関節構成要素に取り付け構成で接続することを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者からの前記人工関節構成要素の取り外しを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記駆動コネクタを係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素の上を摺動して戻るように構成されている、実施態様8に記載の外科用装置。
(10) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素上の前記駆動コネクタが相補的スプラインを含む、実施態様9に記載の外科用装置。
【0083】
(11) 前記第2構成要素上の前記駆動コネクタが、六角コネクタである、実施態様2~9のいずれかに記載の外科用装置。
(12) 前記第2構成要素の前記ボール部分が、前記人工関節構成要素への前記第2構成要素の取り付けを駆動するための駆動構成要素を更に備える、実施態様5~11のいずれかに記載の外科用装置。
(13) 前記駆動構成要素が六角ドライブである、実施態様12に記載の外科用装置。
(14) 前記ボール部分が空洞を含み、前記ソケットが相補的突起を備え、前記第1構成要素が、前記第2構成要素上を摺動して前記突起を前記空洞と係合させて、前記構成要素が、取り付け構成で前記構成要素を前記人工関節構成要素に接続するよう駆動されることを可能にするように構成され、前記第1構成要素は、前記患者から前記人工関節構成要素を取り外すことを可能にするために摘出力を伝達するときに、摘出構成において前記突起及び前記空洞を係合解除するために、反対方向に前記第2構成要素上を摺動して戻るよう構成されている、実施態様5~8のいずれかに記載の外科用装置。
(15) 前記突起がロッドの形態であり、前記空洞が前記ボール部分の溝の形態である、実施態様14に記載の外科用装置。
【0084】
(16) 前記第1構成要素の前記雌型連結部分が、前記第1構成要素の前記第2端部から延在する2つのアームによって画定され、かつ開放端部を有する、ソケットの形態であり、
前記第2構成要素の前記雄型連結部分がリングの形態であり、
前記リングが、前記第2構成要素の前記ステムが前記リングから延在し、前記ソケットの前記開放端部を通って外に延在するように、前記ソケット内に配設可能であり、
前記第1構成要素の前記保持具が、前記第2構成要素の前記リングを通って延在して、前記第1構成要素及び前記第2構成要素を一緒に連結しながら、前記第2構成要素に対する前記第1構成要素の関節運動を可能にするように構成されたロッドの形態である、実施態様1~4のいずれかに記載の外科用装置。
(17) 前記第2構成要素の前記雄型連結部分は、第1ロッドに取り付けられた回転可能部材の形態であり、前記回転可能部材が第1軸の周りを回転可能であり、前記回転可能部材は、前記第1構成要素の前記雌型連結部分内に配設され、前記第1構成要素の前記保持具は、前記回転可能部材が前記第1軸に垂直な第2軸の周りを回転可能であるように配向された第2ロッドの形態であり、したがって、前記第1構成要素及び前記第2構成要素は自在継手を形成する、実施態様1~4のいずれかに記載の外科用装置。
(18) 前記第2構成要素の前記第2端部上の端部コネクタが、ねじ山を切られていない端部を有するねじ付きコネクタを含む、実施態様1~17のいずれかに記載の外科用装置。
(19) 外科システムであって、
実施態様1~18のいずれかに記載の外科用装置と、
前記第1構成要素又は前記第2構成要素のうちの一方に連結するように構成された外科的摘出器具と、を備える、外科システム。
(20) 前記外科的摘出器具が摺動ハンマーである、実施態様19に記載の外科システム。
【0085】
(21) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備える、実施態様19又は20に記載の外科システム。
(22) 前記人工関節構成要素が大腿骨ステムである、実施態様21に記載の外科システム。
(23) 前記外科的摘出器具が、前記第1構成要素に連結するように構成され、前記人工関節構成要素が、前記第2構成要素に連結するように構成されている、実施態様19~22のいずれかに記載の外科システム。
(24) 実施態様19~23のいずれかに記載の外科システムを使用して、手術中に患者から人工関節構成要素を摘出する方法であって、
前記外科用装置、前記外科的摘出器具、及び前記人工関節構成要素を一緒に連結することと、
前記外科的摘出器具に摘出力を加えることによって、前記人工関節構成要素を摘出することと、を含む、方法。
(25) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素が、前記摘出器具に取り付けられる前に予め組み立てられる、実施態様24に記載の方法。
【0086】
(26) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの一方が、患者の体内で前記人工関節に取り付けられ、次いで、前記第1構成要素又は前記第2構成要素のうちの他方が、前記人工関節構成要素の摘出前に、前記人工関節に取り付けられた前記第1構成要素又は前記第2構成要素の前記他方に連結される、実施態様24に記載の方法。
(27) 外科システムであって、
実施態様1~26のいずれかに記載の外科用装置と、
前記第1構成要素又は前記第2構成要素のうちの一方に連結するように構成された外科用埋め込み器具と、を備える、外科システム。
(28) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素のうちの他方に連結するように構成された人工関節構成要素を更に備える、実施態様27に記載の外科システム。
(29) 前記人工関節構成要素が大腿骨ステムである、実施態様28に記載の外科システム。
(30) 前記外科用埋め込み器具が、前記第1構成要素に連結するように構成され、前記人工関節構成要素が、前記第2構成要素に連結するように構成されている、実施態様27~29のいずれかに記載の外科システム。
【0087】
(31) 実施態様27~30のいずれかに記載の外科システムを使用して、手術中に人工関節構成要素を患者に挿入する方法であって、
前記外科用装置、前記外科用埋め込み器具、及び前記人工関節構成要素を一緒に連結することと、
埋め込み力を前記外科用埋め込み器具に加えることによって、前記人工関節構成要素を埋め込むことと、を含む、方法。
(32) 前記第1構成要素及び前記第2構成要素が、前記埋め込み器具に取り付ける前に予め組み立てられる、実施態様31に記載の方法。
(33) 前記人工関節構成要素が、既に取り付けられた前記第1継手構成要素及び前記第2継手構成要素のうちの一方を備える、実施態様31に記載の方法。