(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】圧縮層ポケット機構を有する湾曲した先端部外科用ステープラバットレス組立体アプリケータ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2021537803
(86)(22)【出願日】2019-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2019061240
(87)【国際公開番号】W WO2020136540
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-11-22
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】リッジリー・パメラ・エム
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525133(JP,A)
【文献】特表2018-528817(JP,A)
【文献】特表2015-507965(JP,A)
【文献】特表2001-502575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068-17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、前記エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されており、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーが、アンビルを備え、前記エンドエフェクタの前記第2のジョーが、ステープルカートリッジを備え、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(b)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(c)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記プラットフォームが前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所の遠位に位置し、前記ポケットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている、ポケットと、を備え
、
前記ポケットが、スリットを含み、
前記スリットが、低減された硬さを備える前記プラットフォームの領域を提供し、これによって、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記プラットフォームの前記領域が前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向する、バットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項2】
1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、前記エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されており、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーが、アンビルを備え、前記エンドエフェクタの前記第2のジョーが、ステープルカートリッジを備え、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(b)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(c)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記プラットフォームが前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所の遠位に位置し、前記ポケットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている、ポケットと、を備え、
前記ポケットが、スリットを含み、
前記スリットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されているフラップを画定する、バットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項3】
前記スリットが、穿孔スリット
である、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項4】
前記スリットが、U字型スリット
である、請求項
2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項5】
前記スリットが、T字型スリット
である、請求項
2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項6】
前記フラップが、一対の三角形状のフラップ
である、請求項
5に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項7】
前記ポケットが、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体が前記プラットフォームによって支持可能である場所の間に、前記プラットフォームに沿って横断方向に位置付けられている、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項8】
前記ポケットが、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体が前記プラットフォームによって支持可能である場所に対して、長手方向遠位に位置付けられている、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項9】
前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部が、切開先端部である、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項10】
移動可能なスレッドを更に備え、前記
移動可能なスレッドは、各々が、前記エンドエフェクタにより接触されて、前記移動可能なスレッドを前記プラットフォームに対して横方向に駆動して、前記エンドエフェクタに適用するために前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を解放するように構成されている、一対のアームを備える、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項11】
前記移動可能なスレッドが、前記プラットフォームの上方に位置付けられた第1の移動可能なスレッドの組を含み、前記移動可能なスレッドが、前記プラットフォームの下方に位置付けられた第2の移動可能なスレッドの組を含み、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記第1の移動可能なスレッドの組の横方向移動が、前記第2の移動可能なスレッドの組の横方向移動とは異なる、請求項
10に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項12】
前記プラットフォームが、中心軸を画定する長手方向に延びる中心領域を含み、前記プラットフォームが、前記中心軸に沿ってより小さい厚さを備える、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項13】
前記プラットフォームが、一対の長手方向に延びる外側領域を更に含み、前記一対の外側領域のうちの1つが、前記中心領域の各側に位置し、前記プラットフォームの前記厚さが、前記プラットフォームが前記中心領域から前記外側領域まで横方向に延びるにつれて漸進的に増加する、請求項
12に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項14】
前記プラットフォームが圧縮可能である、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項15】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されるように構成されているバットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)各々がバットレス及び接着剤を備える一対のバットレス組立体であって、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記一対のバットレス組立体の第1のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第1のジョーに選択的に接着されるように構成されており、前記一対のバットレス組立体の第2のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第2のジョーに選択的に接着されるように構成されている、一対のバットレス組立体と、
(b)前記
一対のバットレス組立体を前記エンドエフェクタに適用するために前記
一対のバットレス組立体を選択的に保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(ii)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記一対のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(iii)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記一対のバットレス組立体の遠位に位置し、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプして、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を収容するときに、前記ポケットが前記湾曲した先端を受け入れるように構成されており、これによって、前記エンドエフェクタが、前記プラットフォーム上にクランプして、前記一対のバットレス組立体を受け入れる、ポケットと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジと、を備え
、
前記ポケットが、スリットを含み、
前記スリットが、低減された硬さを備える前記プラットフォームの領域を提供し、これによって、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記プラットフォームの前記領域が前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向する、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項16】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されるように構成されているバットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)各々がバットレス及び接着剤を備える一対のバットレス組立体であって、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記一対のバットレス組立体の第1のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第1のジョーに選択的に接着されるように構成されており、前記一対のバットレス組立体の第2のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第2のジョーに選択的に接着されるように構成されている、一対のバットレス組立体と、
(b)前記
一対のバットレス組立体を前記エンドエフェクタに適用するために前記
一対のバットレス組立体を選択的に保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(ii)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記一対のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(iii)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記一対のバットレス組立体の遠位に位置し、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプして、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を収容するときに、前記ポケットが前記湾曲した先端を受け入れるように構成されており、これによって、前記エンドエフェクタが、前記プラットフォーム上にクランプして、前記一対のバットレス組立体を受け入れる、ポケットと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジと、を備え
、
前記ポケットが、スリットを含み、
前記スリットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されているフラップを画定する、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、切開創をより小さくすることで、術後の回復時間及び合併症を低減させ得ることから、従来の開腹外科用デバイスよりも内視鏡外科用器具が好ましい場合がある。このため、内視鏡外科用器具の中には、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適したものがある。これらの遠位エンドエフェクタは、様々な形で組織と係合して診断又は治療効果を得ることができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達デバイスなど)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸を中心とした回転を可能にし、それにより患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にし得る。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ又は2つ以上の関節ジョイント又は機構を含めることによって更に容易に行うことができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラが挙げられる。このようなステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を互いに実質的にシールするように動作可能である。単なる例示の外科用ステープラが、1989年2月21日発行の「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題する米国特許第4,805,823号、1995年5月16日発行の「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題する米国特許第5,415,334号、1995年11月14日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,465,895号、1997年1月28日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,597,107号、1997年5月27日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,632,432号、1997年10月7日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,673,840号、1998年1月6日発行の「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,704,534号、1998年9月29日発行の「Surgical Clamping Mechanism」と題する米国特許第5,814,055号、2005年12月27日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第6,978,921号、2006年2月21日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題する米国特許第7,000,818号、2006年12月5日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題する米国特許第7,143,923号、2007年12月4日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi-Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題する米国特許第7,303,108号、2008年5月6日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題する米国特許第7,367,485号、2008年6月3日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題する米国特許第7,380,695号、2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第7,380,696号、2008年7月29日発行の「Surgical Stapling and Cutting Device」と題する米国特許第7,404,508号、2008年10月14日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題する米国特許第7,434,715号、2010年5月25日発行の「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題する米国特許第7,721,930号、2013年4月2日発行の「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許第8,408,439号、及び2013年6月4日発行の「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許第8,453,914号に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開のそれぞれの開示内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0003】
上述した外科用ステープラは、内視鏡処置において使用されるものとして記載されているが、このような外科用ステープラは、開口処置及び/又は他の非内視鏡処置でも使用することができることを理解されたい。単に一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部の外科的処置では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ又は2つ以上の臓器に到達させることもできる。このような処置では、肺につながる血管を切断及び閉鎖するためにステープラが使用される場合もある。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖することができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の状況及び処置において使用され得る。
【0004】
開胸術を通した使用に特に好適となり得る外科用ステープラの例が、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、2018年1月16日発行の「Surgical Instrument with Articulation Lock having a Detenting Binary Spring」と題する米国特許第9,867,615号、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、2018年10月9日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許第10,092,292号、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、及び2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号に開示されている。上に引用した米国特許出願公開の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
更なる手術用ステープリング器具が、2014年8月12日発行の「Surgical Circular Stapler with Tissue Retention Arrangements」と題する米国特許第8,801,735号、2012年3月27日発行の「Surgical Stapler Comprising a Staple Pocket」と題する米国特許第8,141,762号、2013年2月12日発行の「Surgical End Effector Having Buttress Retention Features」と題する米国特許第8,371,491号、2017年3月21日発行の「Method and Apparatus for Sealing End-to-End Anastomosis」と題する米国特許第9,597,082号、2016年7月26日発行の「Rotary Powered Surgical Instruments with Multiple Degrees of Freedom」と題する米国特許第9,398,911号、2013年8月15日公開の「Linear Stapler」と題する米国特許出願公開第2013/0206813号、2008年7月17日公開の「Buttress Material for Use with a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2008/0169328号、2017年12月26日発行の「Woven and Fibrous Materials for Reinforcing a Staple Line」と題する米国特許出願第9,848,871号、2018年4月10日発行の「Devices and Methods for Sealing Staples in Tissue」と題する米国特許出願第9,936,954号、2016年3月31日公開の「Radically Expandable Staple Line」と題する米国特許出願公開第2016/0089146号に開示されている。上に引用した米国特許、米国特許出願公開、及び、米国特許出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
いくつかの例では、ステープルでもたらされる組織の機械的締結を補強するため、手術用ステープリング器具にバットレス材料を備えることが望ましい場合がある。かかるバットレスは、適用後のステープルが組織から抜けるのを防止でき、それでなくてもステープルの適用部位又はその付近の組織が裂けるリスクを低減することができる。
【0007】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれているとともにその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】関節動作をする例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図である。
【
図3】
図1の器具の開放されたエンドエフェクタの斜視図である。
【
図4A】発射ビームが近位位置にある、
図3の線4-4に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図4B】発射ビームが遠位位置にある、
図3の線4-4に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図5】
図3の線5-5に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの端面断面図である。
【
図6】
図3のエンドエフェクタの分解斜視図である。
【
図7】組織に位置付けられ、かつ組織内で1回作動された後の、
図3のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図8】角度付けられたアンビル及び角度付けられたカートリッジを有する、代替の変形例のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図9】
図8のエンドエフェクタの拡大側面図である。
【
図10】
図8のエンドエフェクタの拡大上面図である。
【
図11】屈曲又は角度付けされた弾性変形可能な先端部分を有するエンドエフェクタを有する例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図である。
【
図12B】
図11のエンドエフェクタに類似する代替のエンドエフェクタの遠位部分の拡大側面図である。
【
図13】角度付きアンビル及び角度付きカートリッジを有する、代替的な変形例のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図14】角度付きアンビル及び角度付きカートリッジを有する、代替的な変形例のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図15】エンドエフェクタがバットレス組立体アプリケータに接近している、外科用ステープラの例示的なエンドエフェクタ及び例示的なバットレス組立体アプリケータの斜視図である。
【
図16】バットレス組立体アプリケータがエンドエフェクタ内に位置付けられた、
図15のエンドエフェクタ及びバットレス組立体アプリケータの斜視図である。
【
図17A】
図15のバットレス組立体がエンドエフェクタに取り付けられ、組織がエンドエフェクタのバットレス間に配置され、アンビルが開放位置にある、
図15のエンドエフェクタの一部分の横断面図である。
【
図17B】組織がエンドエフェクタのバットレス間に配置され、アンビルが閉鎖位置にある、組み合わされた
図17Aのエンドエフェクタとバットレス組立体の横断面図である。
【
図17C】
図15のエンドエフェクタによって組織に固定されている、
図17Aのステープル及びバットレス組立体の断面図である。
【
図18】
図15のエンドエフェクタによって組織に固定されている、
図17Aのステープル及びバットレス組立体の斜視図である。
【
図19】上側ジョー用のバットレス組立体の一例と下側ジョー用の別のバットレス組立体の一例とを担持するバットレス組立体アプリケータの一例を含む例示的なバットレス組立体アプリケータの斜視図である。
【
図20】一対のバットレス組立体に加えてシャーシ及びプラットフォームを含む
図19のバットレス組立体アプリケータの分解斜視図である。
【
図25】
図20のバットレス組立体アプリケータの左アクチュエータスレッドの頂面斜視図である。
【
図26】
図25の左アクチュエータスレッドの底面斜視図である。
【
図27】
図20のバットレス組立体アプリケータの右アクチュエータスレッドの頂面斜視図である。
【
図28】
図27の右アクチュエータスレッドの底面斜視図である。
【
図30】
図29の線30-30に沿った、
図29のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの横断面図である。
【
図31】拘束位置にある
図29のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図である。
【
図32】
図31と同様のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図であるが、アクチュエータスレッドが拘束位置から解放位置に向けられていることを示す図である。
【
図33】
図32と同様のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図であるが、アクチュエータスレッドが解放位置にあることを示す図である。
【
図34】閉鎖位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた
図19のバットレス組立体アプリケータを示す、外科用器具の例示的なエンドエフェクタの上面図である。
【
図35】閉鎖位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた
図19のバットレス組立体アプリケータを示す、
図34のエンドエフェクタの底面図である。
【
図36】閉鎖位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた
図19のバットレス組立体アプリケータを示す、外科用器具の例示的なエンドエフェクタの上面図である。
【
図37】
図19のバットレス組立体アプリケータを横断面で示し、かつ閉鎖位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた、
図36のエンドエフェクタの側面図である。
【
図38】外科用器具のエンドエフェクタと共に使用される別の例示的なバットレス組立体アプリケータの上面図である。
【
図39】開放位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた、
図38のバットレス組立体アプリケータを断面で示す、湾曲した先端部を有する例示的なエンドエフェクタの側面図である。
【
図40】閉鎖位置にあるエンドエフェクタの上側ジョーと下側ジョーとの間に位置付けられた、
図38のバットレス組立体アプリケータを断面で示す、
図39のエンドエフェクタの側面図である。
【
図41】遠位穿穴スリットを有するプラットフォームを示す、別の例示的なバットレス組立体アプリケータの部分上面図である。
【
図42】遠位T字型スリットを有するプラットフォームを示す、別の例示的なバットレス組立体アプリケータの部分上面図である。
【
図43】
図38の線43-43に沿った、バットレス組立体なしで示された、
図38のバットレス組立体アプリケータの断面図である。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、機構、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0012】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。加えて、用語「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、「頂部」は、以下に提供される図の説明に更なる明瞭性を提供するための相対的な用語である。用語「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、「頂部」は、したがって、本明細書に記載される発明を不必要に限定することを意図していない。
【0013】
加えて、用語「第1の」及び「第2の」は、本明細書では、外科用器具の1つ又は2つ以上の部分を区別するために使用される。例えば、第1の組立体及び第2の組立体は、代替的に、かつそれぞれが、第2の組立体及び第1の組立体として記載されてもよい。用語「第1の」及び「第2の」、並びに他の数字表記は、そのような用語の単なる例示であり、本明細書に記載される発明を不必要に限定することを意図していない。
【0014】
I.例示的な外科用ステープラ
図1~
図7は、外科的処置を行うために、
図1に描写されるような非関節動作状態で、トロカールカニューレを通して患者内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示の外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示している。単に一例として、患者の腹部内に、患者の2本の肋骨の間に、又は他の部位に、このようなトロカールを挿入してもよい。一部の状況では、器具(10)は、トロカールなしで使用される。例えば、開胸又は他の種類の切開によって、器具(10)を直接挿入してもよい。本実施例の器具(10)は、シャフト(22)に接続されたハンドル部分(20)を含む。シャフト(22)は、関節動作ジョイント(11)内で遠位方向に終端し、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)と更に連結されている。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位にあるハンドル部分(20)に対して遠位にある。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」、「水平」、「上側」及び「下側」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0015】
いくつかの変形例では、シャフト(22)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成される。シャフト(22)の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0016】
関節動作ジョイント(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通して一旦挿入されると、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸(LA)から所望の角度(α)に偏向させることができるように、
図1に仮想線で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔的に関節動作させられてもよい。それにより、エンドエフェクタ(12)は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達するか又は組織に近付くことができる。いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)は、単一の平面に沿ってエンドエフェクタ(12)を偏向させることができる。いくつかの他の変形例では、関節動作ジョイント(11)は、2つ以上の平面に沿ってエンドエフェクタを偏向させることができる。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)は、本明細書で引用される多数の引用文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよい。あるいは、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、任意の他の好適な構成を有していてもよい。単に一例示として、関節動作制御部(13)は、代わりに、シャフト(22)の長手方向軸(LA)に直交する軸を中心に回転するノブとして構成されてもよい。
【0017】
いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号の教示のうちの少なくとも一部に従って構築され動作可能である。関節動作ジョイント(11)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくとも一部に従って構築され動作可能であり得る。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0018】
本実施例のエンドエフェクタ(12)は、下側ジョー(16)及び枢動可能なアンビル(18)を含む。本実施例では、アンビル(18)はまた、上側ジョーと見なすことができる。更に、本実施例のようないくつかの変形例では、上側ジョー又はアンビル(18)は、静止している下側ジョー(16)に対して枢動し、しかしながら、いくつかの他の変形例では、上側ジョー又はアンビル(18)は、下側ジョー(16)が枢動する間は静止している。一部の変形例では、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示の少なくとも一部に従って、下側ジョー(16)が構築されている。アンビル(18)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号の教示の少なくとも一部に従って、及び/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年10月9日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許第10,092,292号の教示の少なくとも一部に従って、構成され得る。下側ジョー(16)及びアンビル(18)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0019】
ハンドル部分(20)は、ピストルグリップ(24)及び閉鎖トリガ(26)を含む。閉鎖トリガ(26)は、ピストルグリップ(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。アンビル(18)のこのような閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介してもたらされ、その両方とも、ピストルグリップ(24)に対する閉鎖トリガ(26)の枢動に応答して、ハンドル部分(20)に対して長手方向に並進する。閉鎖管(32)はシャフト(22)の長さに沿って延びており、閉鎖用リング(33)は関節動作ジョイント(11)の遠位に位置付けられる。関節動作ジョイント(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)まで長手方向の移動を伝達/伝動するように動作可能である。
【0020】
ハンドル部分(20)はまた、発射トリガ(28)を含む。細長部材(図示せず)は、シャフト(22)を通って長手方向に延び、発射トリガ(28)の作動に応答してハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射運動を伝達する。以下で更に詳細に説明されるように、発射ビーム(14)のこの遠位並進により、エンドエフェクタ(12)内でクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。その後、トリガ(26、28)を解放し、エンドエフェクタ(12)から組織を解放することができる。
【0021】
図3~
図6は、数多くの機能を実行するためにEビーム形態の発射ビーム(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を示す。Eビーム形態は、単なる例示としての一例であることを理解されたい。発射ビーム(14)は、非Eビーム形態が挙げられるがこれに限定されない、任意の他の好適な形態を取ってもよい。
図4A~
図4Bに最も分かりやすく示されるように、発射ビーム(14)は、横断方向に配向された上部ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に提示された切断縁部(48)と、を含む。上側ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に位置付けられ、長手方向アンビルスロット(42)内を並進可能である。発射ビームキャップ(44)は、下側ジョー(16)を通して形成された下側ジョースロット(45)(
図4Bに示す)を通って延びる発射ビーム(14)を有することによって、下側ジョー(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下側ジョー(16)の上面に摺動可能に係合する。これにより、発射ビーム(14)は、発射中に、エンドエフェクタ(12)の間隔を確信的に取る。
【0022】
一部の非Eビーム形態の発射ビーム(14)は、上部ピン(38)、中間ピン(46)、及び/又は発射ビームキャップ(44)がなくてもよい。器具(10)のいくつかのこうした変形例は、閉鎖用リング(33)、又はアンビル(18)を閉鎖位置まで枢動させ、発射ビーム(14)が遠位位置へと前進する間はアンビル(18)を閉鎖位置に保持する、何らかの他の機構に単に依存してもよい。あくまで一例として、発射ビーム(14)及び/又は関連するロックアウト特徴部は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号の教示の少なくとも一部に従って構築され動作可能であり得る。発射ビーム(14)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0023】
図3は、近位に付けられている本実施例の発射ビーム(14)と、開放位置まで枢動されて、未使用のステープルカートリッジ(37)を下側ジョー(16)のチャネル内に着脱可能に装着できるようにするアンビル(18)と、を示す。
図5~
図6に最も分かりやすく示されるように、この実施例のステープルカートリッジ(37)は、上側デッキ(72)を提示し、下側カートリッジトレイ(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。
図3に最も分かりやすく示されるように、垂直スロット(49)が、ステープルカートリッジ(37)の一部を貫いて形成されている。これも
図3に最も分かりやすく示されるように、3列のステープル開口部(51)が、垂直スロット(49)の一方の側の上部デッキ(72)を貫いて形成され、別の3列のステープル開口部(51)の組が、垂直スロット(49)の他方の側の上部デッキ(72)を貫いて形成されている。当然のことながら、任意の他の好適なステープルの列数(例えば、2列、4列、その他の列数)が提供されてもよい。再び
図4A~
図6を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)がカートリッジ本体(70)とトレイ(74)との間に捕捉され、ステープルドライバ(43)の近位に楔形スレッド(41)が位置している。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内で長手方向に移動可能であり、一方でステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)もまた、カートリッジ本体(70)内部で、対応するステープルドライバ(43)の上方に位置付けられている。具体的には、ステープル(47)を関連するステープル開口部(51)から外へ押し出すように、各ステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内部で垂直方向に押される。
図4A~
図4B、及び
図6に最も分かりやすく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動されるとステープルドライバ(43)を上方に付勢する、傾斜したカム面を提示する。
【0024】
一部の変形例では、ステープルカートリッジ(37)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号の教示の少なくとも一部に従って構築され動作可能である。追加的にあるいは代替的に、ステープルカートリッジ(37)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示の少なくとも一部に従って構築され動作可能であり得る。ステープルカートリッジ(37)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0025】
図4A~
図4Bに示されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖された状態では、続いて発射ビーム(14)は、上部ピン(38)を長手方向アンビルスロット(42)に入れることによって、アンビル(18)と係合して前進する。プッシャブロック(80)(
図5に示す)は、発射ビーム(14)の遠位端に位置し、発射トリガー(28)が作動されたとき、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進すると、楔形スレッド(41)がプッシャブロック(80)によって遠位方向に押されるように、楔形スレッド(41)と係合するように構成されている。かかる発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。
図4A~
図4Bに示すように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)を駆動してステープルドライバ(43)と上向きでカム接触させると、ステープル(47)がステープル開口部(51)から外に押し出されて、アンビル(18)内面上のステープル成形ポケット(53)(
図3に示す)と成形接触する。
図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後で、遠位方向に完全に並進した発射ビーム(14)を示す。ステープル成形ポケット(53)は、
図4A~
図4Bの図から意図的に省略されているが、ステープル成形ポケット(53)は
図3に示されていることを理解されたい。また、アンビル(18)は、
図5の図から意図的に省略されていることも理解されたい。
【0026】
図7は、組織(90)を通過する1回のストロークによって作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。図示されるように、切断縁部(48)(
図7では隠されている)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)が作り出した切断線の各側で、3つの交互になる列のステープル(47)を組織(90)を通して打ち込んでいる。この実施例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は、任意の好適な配向で位置付けられ得る点を理解されたい。本実施例では、第1のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換してから、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達させて更なる切断及びステープル留めを行う。所望の数の切断及びステープル(47)が与えられるまで、このプロセスを繰り返してもよい。トロカールを通した挿入及び抜脱を容易にするにはアンビル(18)を閉鎖する必要があり得、ステープルカートリッジ(37)の交換を容易にするためにはアンビル(18)を開放する必要があり得る。
【0027】
各作動ストロークの間に、ステープル(47)が組織を通して打ち込まれるのとほぼ同時に、切断縁部(48)が組織を切断することができる点を理解されたい。本実施例では、切断縁部(48)は、ステープル(47)の打ち込みよりもごくわずかに遅れて進むため、ステープル(47)は、切断縁部(48)が組織の同じ領域を通過する直前に組織を通して打ち込まれるが、この順序を逆にしてもよい点、又は切断縁部(48)が、隣接するステープルと直接的に同期してもよい点を理解されたい。
図7は、2層(92、94)の組織(90)内で作動されるエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)は、単一層の組織(90)、又は2層(92、94)よりも多い組織を通して作動されてもよい点を理解されたい。また、切断縁部(48)によって形成される切断線に隣接するステープル(47)の成形及び位置付けにより、切断線において組織を実質的にシールすることができ、これにより、切断線における出血及び/又は他の体液の漏出を低減又は防止することができる点も理解されたい。更にまた、
図7は、2つの概ね平坦で並置した組織の平面層(92、94)において作動されているエンドエフェクタ(12)を示すが、エンドエフェクタ(12)はまた、環状構造、例えば血管、消化管のセクションなどにわたって作動され得ることを理解されたい。
図7は、したがって、エンドエフェクタ(12)についての意図された使用におけるなんらかの制限を示すものとして見られるべきではない。器具(10)を使用することができる様々な適当な状況及び処置は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0028】
一変形例では、器具(10)は、発射ビーム(14)の電動制御を提供する。発射ビーム(14)の電動制御を提供するために使用され得る例示的な構成要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号に示され、説明されている。上記に加えて、又はその代わりに、電動制御の少なくとも一部が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年7月3日発行の「Motor-Driven Surgical Instrument」と題する米国特許第8,210,411号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。上記に加えて又は上記の代わりに、発射ビーム(14)を駆動させるように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,453,914号の教示のうちの少なくとも一部に従って、及び/又はその開示もまた参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,453,914号の教示の少なくとも一部に従って構成され得る。発射ビーム(14)の電動化を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。いくつかの他の変形例では、モータが省略され得るように発射ビーム(14)の手動駆動が提供されてもよいことも理解されたい。単に一例として、発射ビーム(14)は、本明細書で引用される任意の他の特許/特許公報の引用文献の教示のうちの少なくとも一部に従って作動されてもよい。
【0029】
器具(10)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号に示され、説明されるように、ロックアウトスイッチ及びロックアウトインジケータを含み得る。更に、ロックアウトスイッチ及び/又はロックアウト指示(lockout indication)、並びに付随する構成要素/機能性は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年1月12日発行の「Electronic Lockouts and Surgical Instrument Including Same」と題する米国特許第7,644,848号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。
【0030】
また、器具(10)は、「緊急救済(bailout)」機構としての機能を果たし、操作者が、発射ストローク中に、発射ビーム(14)の近位方向への後退を即座に開始することを可能にするように構成された、手動戻りスイッチ(116)を含む。つまり、手動戻りスイッチ(116)は、発射ビーム(14)が部分的にのみ遠位方向に前進した場合、手動で作動できる。手動戻りスイッチ(116)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号の教示のうちの少なくとも一部に従って更なる機能性を提供し得る。
【0031】
器具(10)の動作を説明する際、「枢動する」という用語(及び「枢動する」を基体とした類義語)の使用は、必ずしも固定軸を中心とした枢動移動を必要とするものと解釈されるべきではない。いくつかの変形例では、アンビル(18)は、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって移動すると、細長スロット又はチャネルに沿って摺動するピン(又は同様の機構)によって画定される軸を中心として枢動する。かかる変形例では、枢動軸がスロット又はチャネルによって画定された経路に沿って並進し、一方で、アンビル(18)も同時にその軸を中心に枢動する。追加的にあるいは代替的に、まず枢動軸がスロット/チャネルに沿って摺動し、次いで枢動軸がスロット/チャネルに沿ってある一定の距離を摺動した後に、アンビル(18)が枢動軸を中心に枢動してもよい。そのような摺動/並進枢動移動は、「枢動」、「枢動する」、「枢動の」、「枢動可能な」、「枢動している」などの用語内に包含されることを理解されたい。当然のことながら、いくつかの変形例は、固定された状態を維持して、スロット又はチャネルなどの内部を並進しない軸を中心としたアンビル(18)の枢動移動を提供してもよい。
【0032】
器具(10)は、米国特許第4,805,823号、米国特許第5,415,334号、米国特許第5,465,895号、米国特許第5,597,107号、米国特許第5,632,432号、米国特許第5,673,840号、米国特許第5,704,534号、米国特許第5,814,055号、米国特許第6,978,921号、米国特許第7,000,818号、米国特許第7,143,923号、米国特許第7,303,108号、米国特許第7,367,485号、米国特許第7,380,695号、米国特許第7,380,696号、米国特許第7,404,508号、米国特許第7,434,715号、米国特許第7,721,930号、米国特許第8,408,439号、及び/又は米国特許第8,453,914号の教示のいずれかに従って構成され、動作可能であり得る。上述のように、それらの特許及び公報のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。器具(10)に提供され得る更なる例示的な改変を、以下でより詳細に述べる。以下の教示を器具(10)に組み込むことができる様々な好適な方法が、当業者には明らかになるであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用される特許/公報の様々な教示と組み合わせることができる種々な好適な方法が、当業者には明らかであろう。また、以下の教示は、本明細書で引用される特許で教示される器具(10)又はデバイスに限定されない点も理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラとして分類されない器具を含む他の様々な種類の器具にも容易に応用可能である。以下の教示を適用することができる他の様々な好適なデバイス及び状況は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0033】
II.可視化、引込、及び収集機構を備える例示的エンドエフェクタ
いくつかの例では、ユーザにエンドエフェクタ(12)のより良好な可視化を提供することが望ましい場合がある。具体的には、エンドエフェクタ(12)が手術部位に挿入される際、ユーザは、処置中に器具(10)のシャフト(22)を回転させる場合がある。その結果、エンドエフェクタ(12)もまた回転する。エンドエフェクタ(12)が回転する際、ユーザが手術部位に対する視覚的アクセスを有することが望ましい場合がある。例えば、ユーザは、組織(90)とエンドエフェクタ(12)との間の境界面又は接触面を見ることを望む場合がある。エンドエフェクタ(12)がハンドル部分(20)に対して長手方向軸(LA)を中心に回転できるため、ユーザは、アンビル(18)ではなくエンドエフェクタの下側ジョー(16)が可視となるように、手術部位を見ることができる。あるいは、ユーザがエンドエフェクタ(12)を見るときに、アンビル(18)がユーザに見えるように、エンドエフェクタ(12)が回転されてもよい。
図1の器具(10)で可能であるものを超えた手術部位の視認性をユーザに提供することが望ましい場合がある。例えば、流体を輸送している血管が横切されてステープル留めされる一部の外科的処置の場合、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が切開されるべき血管を完全に覆っており、その結果、1回の作動で血管を完全に切開してステープル留めできることを視覚的に確認できることが望ましい場合がある。つまり、ユーザは、血管の一部分のみを切断及びステープル留めすることを回避したいと希望し得る。したがって、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が血管を完全にクランプするように、エンドエフェクタ(12)が手術部位内に適切に位置付けられたことがユーザに分かるような、なんらかの視覚的な監視及び/又はフィードバック手段が望ましい場合がある。手術部位を監視する1つの考えられる方法として、下側ジョー(16)及びアンビル(18)の遠位先端部に隣接する区域の可視化を改善することが挙げられ得る。更に、エンドエフェクタ(12)の遠位端の可視化が望ましいだけでなく、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって閉鎖すると、アンビル(18)の遠位端がアンビル(18)と下側ジョー(16)との間の空間内へと近位方向に組織(例えば、大血管)を付勢するように構成されるように、エンドエフェクタ(12)を構築することが望ましい場合がある。
【0034】
図8は、アンビル(218)及び下側ジョー(216)を備える例示的エンドエフェクタ(212)を示す。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
【0035】
アンビル(218)は、下側ジョー(216)に対して枢動するように動作可能である。アンビル(218)及び下側ジョー(216)は、
図1に示すアンビル(18)及び下側ジョー(16)によって行われるクランプと同様に組織(90)をクランプすることができる。エンドエフェクタ(212)は、
図3に示すカートリッジ(37)と同様に、下側ジョー(216)内に定置されるように動作可能なカートリッジ(237)を更に備える。
【0036】
図8~
図10で見ることができるように、アンビル(218)は細長い形状を有し、アンビル(218)の遠位部分はカートリッジ(237)に向かって角度付けされている。アンビル(218)の遠位部分は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)がカートリッジ(237)よりも更に遠位長手方向に延びるように、カートリッジ(237)に向かって角度付けされている。しかし、いくつかの変形例では、遠位先端部(219)は、長手方向にカートリッジ(237)と等しい距離まで延びてもよく、又はカートリッジ(237)上の最遠位点に対して近位に延びてもよいことが理解されるであろう。更に、アンビル(218)は、緩斜面を通ってカートリッジ(237)に向かって角度をなしている。
図10で最も良く分かるように、アンビル(218)は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)に近づくにつれて先細になる側部(241)を含む。例として、アンビル(218)は、
図8では、反転したスキー先端部と同様に成形されている。アンビル(218)の角度付き形状により、エンドエフェクタ(212)を手術部位へより容易に挿入することができる。例えば、アンビル(218)の緩斜面又は反転スキー先端部形状は、アンビル(218)が組織に接触する際、若しくは組織を通って移動する際に非外傷性の組織偏向面を提供することができる。こうした非外傷性の組織偏向は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖する際に、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内へと組織(例えば大血管)を近位方向に付勢することを含み得る。一旦手術部位内に配置されると、アンビル(218)の角度付き形状は、エンドエフェクタ(212)のより良好な操縦性、及び手術部位における解剖学的構造と関連したエンドエフェクタ(212)の遠位端のより良好な視認性も提供し得る。アンビル(218)の他の好適な変形は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0037】
カートリッジ(237)は、
図4Aに示すステープル(47)と同様のステープルを、組織内への打ち込みのために保持するように動作可能である。
図9に示すように、カートリッジ(237)の遠位端は、三角形のプロファイルを有する。具体的には、カートリッジ(237)の遠位端は、先細上面(239)及び先細下面(238)を備える。加えて、カートリッジ(237)の遠位端は、各側に先細側面(243)を備える。本実施例では、カートリッジ(237)の各先細側面(243)は、アンビル(218)の側部(241)によって提示される先細形状と概ね整列している。したがって、
図10に示すように、カートリッジ(237)の側面(243)は、アンビル(218)の側面(241)を越えてエンドエフェクタ(212)の長手方向軸(LA)から外向きに延びない。先細上面(239)及び先細下面(238)は、カートリッジ(237)の最遠位端に至る。先細下面(238)は視線(240)を画定し、その結果、エンドエフェクタ(212)が手術部位に一旦挿入されると、ユーザは、視線(240)に沿って見ることができる。視線(240)は、先細下面(238)の縁部に沿って延びる。先細下面(238)の平面形状は、ユーザがアンビル(218)の遠位先端部(219)を可視化する、かつ/又はほぼ可視化するように作用可能であってもよいことが理解されよう。具体的には、視線(240)は、エンドエフェクタ(212)を通って長手方向に延びる長手方向軸(LA)と交差し、視野角(θ)を形成する。
【0038】
視野角(θ)は、ユーザが遠位先端部(219)に対して有する相対的視認性を確立することができる。具体的には、ユーザは、視野角(θ)の範囲内で、視線(240)と長手方向軸(LA)との交点を通過する任意の視線に沿って、遠位先端部(219)を正面から見ることができる。例えば、視野角(θ)が増加すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)のすぐ前方の領域の視認性が高まり、視野角(θ)が減少すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)前方の領域の視認性が低下する。一部の形態においては、視野角(θ)は、90度を超える角度を画定する。加えて、いくつかの変形例では、視野角(θ)は、135度を超える角度を画定する。視野角(θ)の他の好適な角度は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。図示された変形例では、ユーザは、一般に、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内のいくつかの他の視線に沿って見るため、ユーザは、視線、及び視野角(θ)内の任意の領域に沿った視認性を有する。遠位先端部(219)の下側は、長手方向軸(LA)と視線(240)との交点の視認性を補助するために更にわずかに丸みを帯びている。
【0039】
組織(90)が、閉鎖されたカートリッジ(237)とアンビル(218)との間にクランプされると、ユーザは、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内の他の位置から見て、例えば、アンビル(218)がどこで組織(90)をクランプしたかを正確に確認することができる。更に、ユーザは、組織がエンドエフェクタ(212)の端部を越えてはみ出さないように、組織がアンビル(218)とカートリッジ(237)との間で完全にクランプされているかどうかを判定することができるようになる。ユーザはまた、組織(90)に対するアンビル(218)とカートリッジ(237)との間のクランプの質も可視化することができる。いくつかの例では、組織(90)をクランプする前、その最中、又はその後に、エンドエフェクタ(212)を回転させてもよいことが理解されよう。その結果、アンビル(218)の先細形状はまた、遠位先端部(219)の、又は実質的に隣接する遠位先端部(219)の、より見やすい視界をもたらすことができる。カートリッジ(237)の先細下面(238)に沿ったアンビル(218)の先細りにより、エンドエフェクタ(212)を組織内へと更に容易に非外傷的な様式で挿入することができる。更に、エンドエフェクタ(212)の先細端部によって、トロカール、又はエンドエフェクタ(212)を手術部位に導入するように動作可能な他のデバイスを通してエンドエフェクタ(212)を嵌合させることがより容易となり得る。例えば、一旦遠位先端部(219)がトロカールに嵌合されると、先細下面(238)及びアンビル(218)の先細形状は、引込部を提供し、エンドエフェクタ(212)の残りの部分をトロカール内に誘導することができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、アンビル(218)の両側部(241)及びカートリッジ(237)の各側部(243)の先細設計によって視認性及び操縦性を向上させ得ることを更に理解するであろう。
【0040】
上記に加えて、エンドエフェクタ(212)及びエンドエフェクタ(212)を組み込んだ器具(10)の変形例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、20018年10月9日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許第10,092,292号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成され動作可能であり得る。エンドエフェクタ(212)に組み込まれ得る更なる修正について、下記でより詳細に説明する。
【0041】
III.屈曲又は角度付けされた弾性変形可能なアンビル先端部を有する例示的なエンドエフェクタ
いくつかの手順では、組織に沿って、又は組織を通して切断することが必要であり得、その場合、処置を完了するには2つ以上の切断シーケンス、換言すると、連続経路に沿って連続的な切断を行うことが必要である。このような処置では、この連続的な切断技術は、「マーチング」として定義することができる。マーチングを伴う処置の場合、器具(10)が手術部位に配置され、作動されて切断及びステープル留めを行い、続いて新しいカートリッジ(37)を装着するために手術部位から除去され、続いて前回の切断及びステープル留めサイクルが発生した同じ経路に沿った次回の切断及びステープル留めのために再び手術部位に戻されてもよい。このプロセスは、切断及びステープル留め処置が完了するまで繰り返される。
図4A~
図4B、及び
図7に見られるように、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成は、アンビル(18)の遠位端とカートリッジ(37)の遠位端との間に間隙を提供する。この間隙は、各マーチング工程の開始時に組織がエンドエフェクタ(12)の遠位端に侵入するための非外傷性空間を提供することによってマーチングを促進することができる。
【0042】
上述したように、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成とは異なり、エンドエフェクタ(212)の異なる構成は、異なる潜在的利点を提供する。具体的には、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、改善された操縦性、及びエンドエフェクタ(212)の遠位端と、隣接する解剖学的構造との間の関係の改善された視認性を提供することができる。加えて、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されると、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内に組織を近位方向へ付勢することによって組織収集効果を提供することができる。しかしながら、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されているとき、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間に収集されない組織に対して遠位先端部(219)が外傷を与える場合があるため、アンビル(218)の遠位先端部(219)の屈曲構成はマーチング動作にあまり適さない場合がある。したがって、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、エンドエフェクタ(212)は、切断及びステープル留め動作(例えば、血管横切開)に最も適していることがあり、ここでは切断及びステープル留めされる組織の全てが遠位先端部(219)の近位に収集される。
【0043】
上記の内容を考慮すると、別の場合ではエンドエフェクタ(212)の完全に剛性の変形例に付随する場合のある外傷のリスクを増大させることなく、エンドエフェクタ(12)のマーチング能力、エンドエフェクタ(212)に関連する改善された視認性、及びエンドエフェクタ(212)の組織収集能力を提供するエンドエフェクタ(12、212)の変形例を提供することが望ましい場合がある。以下では、エンドエフェクタ(12、212)のこうした変形例のいくつかの単なる例示の実施例を説明する。以下の実施例では、アンビルは、遠位先端部(219)のような屈曲又は角度付けされた構成を取るように弾性的に付勢された遠位先端部を有し、更に、弾性的に付勢された遠位先端部は、遠位先端部上の十分な荷重に応答して下側ジョーから離れて偏向可能である。弾性変形可能な角度付き遠位先端部分を有するアンビルを提供することは、組織を通して手術部位までナビゲートすることに関して、更なるレベルの操縦性の利益を提供することができることが、本明細書の教示を鑑みれば理解されるであろう。このようにして、変形可能な遠位先端部分は、特にマーチング動作中に、組織を通るエンドエフェクタの滑らかで非外傷的な移動を促進するために、偏向又は変形してもよい。加えて、負荷状態にないとき、又は周辺組織と接触していないときの角度付けされた位置への付勢を有するアンビルは、直線状又は角度付けされていないアンビルを有するエンドエフェクタを使用することと比較して、組織捕捉及び切断中の強化された可視化を達成することができる。更に、角度付けされた位置に付勢された遠位先端部を有するアンビルは、比較的小さい組織構造をアンビルと下側ジョーとの間に単に寄せ集めることに関連するのではなく、マーチングに関連することになる負荷点に達するまで、ある程度の組織収集効果を提供することができる。
【0044】
図11は、外科用ステープラとして構成された別の例示的な器具(310)を示す。器具(310)は、ハンドル部分(320)とシャフト(322)とを備える。器具(310)は、シャフト(322)がハンドル部分(320)から選択的に取り外し可能であり、かつそのハンドル部分に対して取り付け可能であるように、モジュール式構成を有する。器具(310)は器具(10)と同様に構成されており、器具(310)の操作性及び使用法は、モジュール式構成である器具(310)の追加的特徴を除いて器具(10)について上述したものと同じである。そのモジュール式構成により、器具(310)は、エンドエフェクタを変更する方法を提供する。エンドエフェクタにおけるこうした変更は、別の方法で装着されたエンドエフェクタを交換するように、又は処置若しくはユーザの好みに基づいて異なるエンドエフェクタ構成を提供するように作られてもよい。上記のものに加えて又はその代わりに、器具(310)のモジュール式構成を提供するように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月30日公開の「Surgical Stapling Instrument with Shaft Release,Powered Firing,and Powered Articulation」と題する米国特許出願公開第2017/0086823号の教示の少なくとも一部に従って構成され動作可能であり得る。モジュール式構成を備える器具(310)を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。更に、器具(10)が、器具(310)又は参照により本明細書に組み込まれるその他の器具に関して示され、説明されたモジュール式構成を組み込むように修正されてもよいことが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には理解されるであろう。
【0045】
図11の例示的な実施例では、器具(310)は、角度付き遠位先端部(319)を有するアンビル(318)を有するエンドエフェクタ(312)を備える。更に、アンビル(318)の遠位先端部(319)は弾性変形可能である。このようにして、
図12A及び
図12Bに最もよく示されるように、角度付き遠位先端部(319)は、第1の角度付けされた位置から第2の位置へと弾性的に変形するように動作可能である。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、いくつかの変形例では実質的に真っ直ぐであってもよいが、他の変形例では、ある程度角度付けされてもよい(例えば、長手方向軸(A1)のわずかに上方又はわずかに下方に)。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に捕捉されている組織の特性(例えば、厚さ、密度など)によって画定され得ることを理解されたい。本実施例では、エンドエフェクタ(312)は、ハンドル部分(320)から取り外し可能なシャフト(322)上に提供される。単に一例として、シャフト(322)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月13日発行の「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」と題する米国特許第9,913,642号の教示のうちの少なくとも一部に従ってハンドル部分(320)から取り外し可能であってもよい。いくつかの他の変形例では、シャフト(322)はハンドル部分(320)から取り外し可能ではない。
【0046】
エンドエフェクタ(312)は、
図1に示すエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、シャフト(22)と一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成され、その後、組み合わされてもよい。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、ロボットシステムで使用するために提供されてもよい。このようなロボットシステムでは、エンドエフェクタ(312)を有するモジュール式シャフト(322)は、ハンドル部分(320)がロボットシステムの構成要素によって交換されるような使用のためにロボットシステムの一部に取り付け可能であり得る。更に他の実施例では、エンドエフェクタ(312)は、モジュール式シャフト(322)全体を必ずしも接続することなく、エンドエフェクタ(312)がロボットシステムと接続する様式で、ロボットシステムと共に使用するように適合されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、角度付けされた弾性変形可能なアンビル先端部を有するエンドエフェクタを、ユーザ操作又はロボット操作式器具に組み込むためのその他の方法が当業者には明らかになるであろう。
【0047】
図12Aは、エンドエフェクタ(312)の遠位端の拡大側面図を示す。エンドエフェクタ(312)は、器具(10)に関して上述したように、アンビル(318)と、カートリッジ(37)を受け入れる下側ジョー(16)と、を備える。アンビル(318)は、器具(10)に関して上述したようなアンビル(18)と同様に、下側ジョー(16)に向かって枢動可能に回転する。この構成において、エンドエフェクタ(312)は、エンドエフェクタ(12)に類似しているが、アンビル(318)は、弾性的に変形可能である角度付き遠位先端部(319)を備える。
図12Aに示されるように、先端部(319)は、
図11に示され、
図12Aに仮想線で示される角度付けされた位置への付勢が付与される。
図11に示されるように、エンドエフェクタ(312)が組織をクランプしておらず、かつ開放しているとき、又は
図12Aに仮想線で示されるように、組織をクランプすることなく閉鎖されるとき、先端部(319)はこの角度付けされた位置をとる。エンドエフェクタ(312)が、この角度を付けた状態又は位置にある場合、負荷がかかっていないか、又は非負荷状態若しくは位置にあるエンドエフェクタ(312)を考慮することができる。逆に、エンドエフェクタ(312)が組織をクランプしているとき、負荷がかかっているか、又は負荷状態若しくは位置にあるエンドエフェクタ(312)を考慮することができる。
【0048】
閉鎖され、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に組織をクランプしないとき、先端部(319)はカートリッジ(37)と接触する。この位置では、先端部(319)の下面(324)は、シャフト(322)によって画定された長手方向軸(A1)と交差して角度(θ1)を形成する平面を画定する。閉鎖され、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に組織(90)をクランプするとき、先端部(319)の下面(324)は組織(90)と接触する。この位置では、先端部(319)の下面(324)は、長手方向軸(A1)と交差して角度(θ2)を形成する平面を画定する。
図12Aの例示された実施例では、角度(θ1、θ2)は、長手方向軸(A1)に対して相対的であり、角度(θ1、θ2)の和は、運動遠位先端部(319)の運動する範囲を表す。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの例では、角度(θ1)は、長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きに、約20~約70度、又はより具体的には約30度~約50度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの例では、角度(θ2)は、カートリッジ(37)から離れる長手方向軸(A1)から上向き方向に約0~約90度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、先端部(319)が運動する範囲は、約20度~約110度である。角度(θ1、θ2)について記載される角度は、単なる例示であり、限定するものではない。本明細書の教示を考慮することで、他の好適な角度が、当業者に明らかになるであろう。
【0049】
加えて、いくつかの例では、長手方向軸(A1)は、ゼロ度基準を表し、それに対する角度は正又は負であり得る。例えば、角度が長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きの方向にある場合、角度は負の角度として特徴付けられ得る。同様に、角度が長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)から離れる上向きの方向にある場合、角度は正の角度として特徴付けられ得る。これらの慣例を使用するとき、変形による遠位先端部(319)の運動の範囲は、遠位先端部(319)がカートリッジ(37)と接触する位置にあるときの角度と、遠位先端部(319)が組織をクランプするときの変形状態にあるときの角度との絶対値の合計として理解することができる。
【0050】
図12Bは、
図12Aのエンドエフェクタ(312)と同様の代替のエンドエフェクタ(412)の別の側面図を示す。エンドエフェクタ(312)では、アンビル(318)がその角度付きかつ非変形状態にあるとき(
図12Aの図で想像線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端と同じ又は近位の点まで延びる。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端のすぐ遠位の点まで延びる。
図12Bに示されるように、エンドエフェクタ(412)では、アンビル(318)がその角度付きかつ非変形状態にあるとき(
図12Bの図で想像線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端と同じ又は近位の点まで延びる。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、アンビル(318)の遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端と同じ又は近位の点まで延びる。このようにして、アンビル(318)がその角度付き状態かつ非変形状態又はその変形状態にあるかにかかわらず、アンビル(318)がカートリッジ(37)の最遠位端を越えて延びないように、アンビル(318)がその角度付き状態又は変形状態にあるとき、エンドエフェクタ(412)のアンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端と共に又は最遠位端の近位にあるままである。いくつかの例では、これは、アンビルの遠位先端部(319)が長さにおいて短くなるように、アンビル(318)を変更することによって達成することができる。他の例では、器具(10、310)は、クランプ時にアンビル(318)のわずかな近位後退を提供するように変更され得る。本明細書の教示を考慮すれば、アンビル(318)位置の制御に関するようなエンドエフェクタ(412)を変更するための他の方法が、当業者には明らかになるであろう。
【0051】
IV.外科用ステープラのための追加の例示的なエンドエフェクタ
図13は、本明細書に記載される外科用ステープル留め器具と共に使用されるように構成されている別の例示的なエンドエフェクタ(512)を示す。エンドエフェクタ(512)は、アンビル(518)及び下側ジョー(516)を備える。エンドエフェクタ(512)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(512)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
【0052】
アンビル(518)は、下側ジョー(516)に対して枢動するように動作可能である。アンビル(518)及び下側ジョー(516)は、
図1に示すアンビル(18)及び下側ジョー(16)によって行われるクランプと同様に組織(90)をクランプすることができる。エンドエフェクタ(512)は、
図3に示すカートリッジ(37)と同様に、下側ジョー(516)内に定置されるように動作可能なカートリッジ(537)を更に備える。
【0053】
アンビル(518)は細長い形状を有し、アンビル(518)の遠位部分はカートリッジ(537)に向かって角度付けされており、これによって、アンビル(518)は湾曲した先端部を備える。アンビル(518)の遠位部分は、アンビル(518)の最遠位先端部(519)がカートリッジ(537)よりも更に遠位長手方向に延びるように、カートリッジ(537)に向かって角度付けされている。しかし、いくつかの変形例では、遠位先端部(519)は、長手方向にカートリッジ(537)と等しい距離まで延びてもよく、又はカートリッジ(537)上の最遠位点に対して近位に延びてもよいことが理解されるであろう。更に、アンビル(518)の遠位部分は、アンビル(518)の最遠位先端部(519)に近づくにつれて先細になる側部(541)を含む。アンビル(518)のこの形状により、エンドエフェクタ(512)を手術部位へより容易に挿入することができる。例えば、アンビル(518)の形状は、アンビル(518)が組織に接触する際、若しくは組織を通って移動する際に非外傷性の組織偏向面を提供することができる。こうした非外傷性の組織偏向は、アンビル(518)が下側ジョー(516)に向かって閉鎖する際に、アンビル(518)と下側ジョー(516)との間の空間内へと組織(例えば大血管)を近位方向に付勢することを含み得る。一旦手術部位内に配置されると、アンビル(518)の形状は、エンドエフェクタ(512)のより良好な操縦性、及び手術部位における解剖学的構造と関連したエンドエフェクタ(512)の遠位端のより良好な視認性も提供し得る。アンビル(518)の他の好適な変形は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0054】
カートリッジ(537)は、
図4Aに示すステープル(47)と同様のステープルを、組織内への打ち込みのために保持するように動作可能である。カートリッジ(537)の遠位端は傾斜プロファイルを有する。具体的には、カートリッジ(537)の遠位端は、カートリッジ(537)の最遠位端につながる先細上面(539)を備える。
【0055】
組織(90)が、閉鎖カートリッジ(537)とアンビル(518)との間にクランプされると、ユーザは、アンビル(518)がどこで組織(90)をクランプしたかを見て確認することができる。更に、ユーザは、組織がエンドエフェクタ(512)の端部を越えてはみ出さないように、組織がアンビル(518)とカートリッジ(537)との間で完全にクランプされているかどうかを判定することができる。ユーザはまた、組織(90)に対するアンビル(518)とカートリッジ(537)との間のクランプの質も可視化することができる。いくつかの例では、組織(90)をクランプする前、その最中、又はその後に、エンドエフェクタ(512)を回転させてもよいことが理解されよう。その結果、アンビル(518)の形状はまた、遠位先端部(519)の、より見やすい視界をもたらすことができる。アンビル(518)及びカートリッジ(537)の形状は、非外傷的な様式で組織へのエンドエフェクタ(512)の容易な挿入を更に促進し得る。更に、エンドエフェクタ(512)の先細端部によって、トロカール、又はエンドエフェクタ(512)を手術部位に導入するように動作可能な他のデバイスを通してエンドエフェクタ(512)を嵌合させることがより容易となり得る。例えば、一旦遠位先端部(519)がトロカールに嵌合されると、アンビル(518)の形状は、引込部を提供し、エンドエフェクタ(512)の残りの部分をトロカール内に誘導することができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、アンビル(518)の遠位部分の両側部(541)の先細設計によって視認性及び操縦性を向上させ得ることを更に理解するであろう。
【0056】
更に
図13を参照すると、あくまで例としてであり、限定するものではないが、エンドエフェクタ(512)の一実施例では、アンビル(518)の湾曲した先端部は、組織を分離するための切開先端部として構成され得る。いくつかのそのような変形例では、組織のこのような切開は、アンビル(518)の湾曲した先端部を使用して達成され得る。そのような例において、アンビル(518)の湾曲した先端部は、鋭利な切断ブレード又は表面を有しない剛性構造であり、切開は、十分な力で接触する組織を分離及び/又は切開する剛性湾曲した先端部によって生じる。アンビル(518)の湾曲した先端部が切開先端部として構成されているいくつかの変形例では、切開先端部の先端部は、組織接触表面及び底面によって画定された平面の間で終端する。また、切開先端部の先端部は、エンドエフェクタが閉鎖位置にあるとき、カートリッジの遠位端から離間している。このようにして、湾曲した先端部は、カートリッジの遠位端とのアンビル先端部の係合又は連動を必要とせずに組織を分離及び/又は切開することができる切開先端部として構成されている。また、このようにして、湾曲した先端部は、ユーザが特定の組織の後ろで先端部を摺動させて、十分な力が加えられたときに接触する組織を分離及び/又は切開することができるような形状を有する切開先端部として構成されている。当然のことながら、切開先端部として構成されているアンビル(518)の湾曲した先端部は、アンビル(518)の全ての変形例において必要とされず、したがって、他の変形例では、アンビル(518)の湾曲した先端部は、上述のように組織を切断するように構成されていない非外傷性先端又は配置先端部とすることができる。
【0057】
図14は、本明細書に記載される外科用ステープル留め器具と共に使用されるように構成されている別の例示的なエンドエフェクタ(612)を示す。エンドエフェクタ(612)は、アンビル(618)及び下側ジョー(616)を備える。エンドエフェクタ(612)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(612)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
【0058】
アンビル(618)は、下側ジョー(616)に対して枢動するように動作可能である。アンビル(618)及び下側ジョー(616)は、
図1に示すアンビル(18)及び下側ジョー(16)によって行われるクランプと同様に組織(90)をクランプすることができる。エンドエフェクタ(612)は、
図3に示すカートリッジ(37)と同様に、下側ジョー(616)内に定置されるように動作可能なカートリッジ(637)を更に備える。
【0059】
アンビル(618)は細長い形状を有し、アンビル(618)の遠位部分はカートリッジ(637)に向かって角度付けされている。アンビル(618)の遠位部分は、アンビル(618)の最遠位先端部(619)がカートリッジ(637)よりも更に遠位長手方向に延びるように、カートリッジ(637)に向かって角度付けされている。しかし、いくつかの変形例では、遠位先端部(619)は、長手方向にカートリッジ(637)と等しい距離まで延びてもよく、又はカートリッジ(637)上の最遠位点に対して近位に延びてもよいことが理解されるであろう。更に、アンビル(618)の遠位部分は、アンビル(618)の最遠位先端部(619)に近づくにつれて内側に湾曲する側部(641)を含む。アンビル(618)のこの形状により、エンドエフェクタ(612)を手術部位へより容易に挿入することができる。例えば、アンビル(618)の形状は、アンビル(618)が組織に接触する際、若しくは組織を通って移動する際に非外傷性の組織偏向面を提供することができる。こうした非外傷性の組織偏向は、アンビル(618)が下側ジョー(616)に向かって閉鎖する際に、アンビル(618)と下側ジョー(616)との間の空間内へと組織(例えば大血管)を近位方向に付勢することを含み得る。一旦手術部位内に配置されると、アンビル(618)の角度付き形状は、エンドエフェクタ(612)のより良好な操縦性、及び手術部位における解剖学的構造と関連したエンドエフェクタ(612)の遠位端のより良好な視認性も提供し得る。アンビル(618)の他の好適な変形は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0060】
カートリッジ(637)は、
図4Aに示すステープル(47)と同様のステープルを、組織内への打ち込みのために保持するように動作可能である。カートリッジ(637)の遠位端は傾斜プロファイルを有する。具体的には、カートリッジ(637)の遠位端は、カートリッジ(637)の最遠位端につながる先細上面(639)を備える。
【0061】
組織(90)が、閉鎖カートリッジ(637)とアンビル(618)との間にクランプされると、ユーザは、アンビル(618)がどこで組織(90)をクランプしたかを見て確認することができる。更に、ユーザは、組織がエンドエフェクタ(612)の端部を越えてはみ出さないように、組織がアンビル(618)とカートリッジ(637)との間で完全にクランプされているかどうかを判定することができる。ユーザはまた、組織(90)に対するアンビル(618)とカートリッジ(637)との間のクランプの質も可視化することができる。いくつかの例では、組織(90)をクランプする前、その最中、又はその後に、エンドエフェクタ(612)を回転させてもよいことが理解されよう。その結果、アンビル(618)の形状はまた、遠位先端部(619)の、より見やすい視界をもたらすことができる。アンビル(618)及びカートリッジ(637)の形状は、非外傷的な様式で組織へのエンドエフェクタ(612)の容易な挿入を更に促進し得る。更に、エンドエフェクタ(612)の先細端部によって、トロカール、又はエンドエフェクタ(612)を手術部位に導入するように動作可能な他のデバイスを通してエンドエフェクタ(612)を嵌合させることがより容易となり得る。例えば、一旦遠位先端部(619)がトロカールに嵌合されると、アンビル(618)の形状は、引込部を提供し、エンドエフェクタ(612)の残りの部分をトロカール内に誘導することができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、アンビル(618)の遠位部分の両側部(641)の湾曲した設計によって視認性及び操縦性を向上させ得ることを更に理解するであろう。
【0062】
上記に加えて、エンドエフェクタ(512、612)及びエンドエフェクタ(512、612)を組み込んだ器具(10)の変形例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、20018年10月9日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願公開第10,092,292号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成され動作可能であり得る。エンドエフェクタ(212)に組み込まれ得る更なる修正について、下記でより詳細に説明する。
【0063】
V.例示的なバットレス搭載及び用途
図15及び
図16は、切断及びステープル留め動作が行われる組織部位にバットレスを適用するように構成されている例示的なエンドエフェクタ(40)を示す。エンドエフェクタ(40)は、遠位端(141)を含み、シャフト組立体(30)と接続されている。エンドエフェクタ(40)は、アンビル(60)、下側ジョー(50)、及び下側ジョー(50)によって受け入れられるステープルカートリッジ(170)を備える。エンドエフェクタ(40)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(40)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
【0064】
図15及び
図16はまた、例示的なバットレスアプリケータ(200)を示す。バットレスアプリケータ(200)は、バットレス組立体(100、110)を選択的に保持するように構成されている。本実施例では、バットレス組立体(100)は、アプリケータ(200)の頂面上に選択的に保持され、バットレス組立体(110)は、アプリケータ(200)の底面上に選択的に保持される。いくつかの他の変形例では、アプリケータ(200)は、1つのバットレス組立体(100、110)のみがバットレスアプリケータ(200)によって選択的に保持されるように構成され得る。
【0065】
バットレスアプリケータ(200)を使用して、バットレス組立体(100、110)でエンドエフェクタ(40)を搭載するために、操作者はまず、
図1に示されるようにエンドエフェクタ(40)がアプリケータ(200)の開放端部(202)と整列するように、アプリケータ(200)及びエンドエフェクタ(40)を位置付ける。操作者は次いで、
図2に示されるように、エンドエフェクタ(40)を遠位方向に前進させて(かつ/又はアプリケータ(200)を近位側に後退させて)、バットレス組立体(100、110)をアンビル(60)とステープルカートリッジ(170)との間に配置する。バットレス組立体(100、110)をエンドエフェクタ(40)に搭載するために、操作者は、アンビル(60)をステープルカートリッジ(170)に向かって枢動させることによって、エンドエフェクタ(40)を簡単に閉鎖し得る。エンドエフェクタ(40)の閉鎖は、バットレス組立体(100、110)をバットレスアプリケータ(200)と共に選択的に保持するように構成されているバットレスアプリケータ(200)の保持機構(204)と当接するアンビル(60)及びステープル(170)の遠位端をもたらす。この接触は、バットレスアプリケータ(200)のそのような保持機構(204)を偏向させ、それによって、バットレスアプリケータ(200)の一方の側でのアンビル(60)及びバットレス組立体(100)の表面と、バットレスアプリケータ(200)のもう一方の側でのステープルカートリッジ(170)及びバットレス組立体(110)の表面との間の接触を可能にする。エンドエフェクタ(40)がバットレス組立体(100、110)の両方にクランプされた状態で、バットレス組立体(100、110)が、アンビル(60)の下面及びステープルカートリッジ(170)のデッキ表面にそれぞれ接着されるように、バットレス組立体(100、110)は、それぞれの表面に接着剤を含む。エンドエフェクタ(40)は次いで再び開放されてもよい(すなわち、アンビル(60)を枢動させてステープルカートリッジ(170)から離し、バットレスアプリケータ(200)から引き離す)。アプリケータ(200)の保持機構(204)がバットレス組立体(100、110)から係合解除された状態で、エンドエフェクタ(40)がバットレスアプリケータ(200)から引き離されるときに、エンドエフェクタ(40)はバットレス組立体(100、110)をバットレスアプリケータ(200)から自在に引き離し得る。バットレス組立体(100、110)がエンドエフェクタ(40)に搭載されている状態で、エンドエフェクタ(40)は次いで、
図17A~
図18を参照して更に下記で説明するように使用され得る。
【0066】
図17A~
図17Cは、バットレス組立体(100、110)が搭載されているエンドエフェクタ(40)が作動されて、2つの並列する組織層(T
1、T
2)を通してステープル(190)を打ち込み、バットレス組立体(100、110)がステープル(190)によって同じ組織層(T
1、T
2)に固定されるシーケンスを示す。具体的に言えば、
図3Aは、アンビル(60)とステープルカートリッジ(170)との間に配置された組織層(T
1、T
2)を示し、アンビル(60)は開放位置にある。図示のように、アンビル(60)は、ステープル形成ポケット(64)を備える。バットレス組立体(100)は、接着剤によりアンビル(60)の下面(65)に接着される一方で、バットレス組立体(110)は、接着剤によりステープル(170)のデッキ(73)に接着される。したがって、組織層(T
1、T
2)は、バットレス組立体(100、110)の間に置かれている。次に、エンドエフェクタ(40)が閉鎖され、
図17Bに示されるようにアンビル(60)を閉鎖位置に駆動する。この段階において、バットレス組立体(100、110)が、組織層(T
1、T
2)の対向する表面を係合して、組織層(T
1、T
2)がアンビル(60)とステープルカートリッジ(170)との間で圧迫される。次いで、上述のようにエンドエフェクタ(40)が作動され、それによって、ステープルドライバ(75)は、バットレス組立体(100、110)及び組織(T
1、T
2)を通してステープル(190)を打ち込む。
図17Cに示されるように、打ち込まれたステープル(190)のクラウン部(92)は、組織層(T
2)に対してバットレス組立体(110)を捕捉し、かつ保持する。ステープル(190)の変形した脚部(94)が、組織層(T
1)に対してバットレス組立体(100)を捕捉し、かつ保持する。
【0067】
一連のステープル(190)が組織(T
1、T
2)の層に対してバットレス組立体(100、110)を同様に捕捉及び保持し、それによって、
図18に示されるように、バットレス組立体(100、110)が組織(T
1、T
2)に固定されることを理解されたい。ステープル(190)及びバットレス組立体(100、110)が配備された後に、エンドエフェクタ(40)が組織(90)から引き離されるとき、バットレス組立体(100、110)はエンドエフェクタから係合解除され、そのため、バットレス組立体(100、110)は依然としてステープル(190)によって組織(T
1、T
2)に固定されるようになる。したがって、バットレス組立体(100、110)が、ステープル(190)のラインに構造的な補強をもたらす。更に
図18から分かるように、ナイフ部材(図示せず)は、エンドエフェクタ(40)を通過し、そうすることによって、また、バットレス組立体(100、110)の中心線に沿って切断し、各バットレス組立体(100、110)を対応する一対の部分に分離し、そのため、各部分は依然として組織(T
1、T
2)のそれぞれの切断領域に固定されるようになる。
【0068】
前述の例では、バットレス組立体(100)は、エンドエフェクタ(40)の作動中にナイフ部材(図示せず)がバットレス組立体(100)を切断するように、アンビル(60)の下面(65)の全幅にわたって広がるようにサイズ決めされる。いくつかの他の例では、バットレス組立体(100)は、2つの別々の横方向に離間した部分として提供され、一方の部分は、アンビル(60)の一方の側のアンビル(60)の下面(65)に配設され、もう一方の部分は、アンビル(60)のもう一方の側のアンビル(60)の下面(65)に配設される。そのような変形例では、ナイフ部材(図示せず)は、エンドエフェクタ(40)の作動中にバットレス組立体(100)を切断しない。
【0069】
同様に、バットレス組立体(110)は、エンドエフェクタ(40)の作動中にナイフ部材(図示せず)がバットレス組立体(110)を切断するように、デッキ(73)の全幅にわたって広がるようにサイズ決めされてもよい。あるいは、バットレス組立体(110)は、2つの別個の横方向に離間した部分として提供されてもよく、一方の部分は、一方の側のデッキ(73)上に配設され、他方の部分は、他方の側のデッキ(73)上に配設される。そのような変形例では、ナイフ部材(図示せず)は、エンドエフェクタ(40)の作動中にバットレス組立体(110)を切断しない。
【0070】
上記に加えて、本明細書で説明した様々なバットレス組立体のいずれもが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号の教示の少なくとも一部に従って、更に構築され動作可能であり得ることを理解されたい。
【0071】
VI.例示的なバットレスアプライヤカートリッジ組立体
いくつかの例では、
図19に示すような例示的なバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)を使用して、バットレス(714)を用いて組織内にステープルを形成するためのバットレス組立体(712)に外科用器具を備えることが望ましい場合がある。いくつかの例では、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、バットレス組立体アプリケータ(710)と称され得る。本明細書で使用されるこれらの用語は、交換可能であると理解されるべきである。バットレス(714)は、形成されたステープルが組織から抜けるのを抑制し、それによって、形成されたステープルの部位又はその付近の組織が裂けるリスクを低減することができる。ステープルのラインに構造的支持及び一体性を提供することに加えて又はそれに代えて、バットレス(714)は、空隙若しくは間隙の充填、治療薬の投与、及び/又は別の効果などの、様々な他の種類の効果を提供し得る。外科用器具と共に使用する前に、1つ又は2つ以上のバットレス組立体(712)は、バットレスアプライヤカートリッジ(716)上に解放可能に保持され、バットレスアプライヤカートリッジ(716)は、以下に考察するように、1つ又は2つ以上のバットレス組立体(712)を外科用器具のエンドエフェクタ上に付着させるように構成されている。
【0072】
図19は、使用前にバットレス組立体(712)を支持及び保護し、かつ外科用器具(10)(
図1参照)上にバットレス組立体(712)を搭載するのを更に補助する、バットレスアプライヤカートリッジ(716)上に解放可能に保持された一対のバットレス組立体(712)を含む、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)を示す。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(716)は、開口端部(718)と閉鎖端部(720)とを有する。開放端部(718)は、エンドエフェクタ(12、212、312、412、512、612)を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載されるエンドエフェクタのいずれかなどのエンドエフェクタを受け入れるように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジ(716)は、各々が全体として「U」字形状を画定して開放端部(718)を呈する上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)を有するハウジング組立体(724)を更に含む。様々な構成要素が、上側ハウジング(726)と下側ハウジング(728)との間に介在する。具体的には、これらの構成要素は、圧縮層(730)とも称されるプラットフォーム(730)を支持するシャーシ(736)を含む。
【0073】
本実施例のプラットフォーム又は圧縮層(730)は、プラットフォーム(730)の一方の側で上側バットレス組立体(712)を支持し、プラットフォーム(730)の他方の側で下側バットレス組立体(712)を支持する。プラットフォーム(730)は、上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部において露出される。したがって、上側ハウジング(726)は、プラットフォーム(730)の上面に沿って開放端部(718)まで延びる上側間隙(737)を有し、下側ハウジング(728)は同様に、プラットフォーム(730)の下面に沿って開放端部(718)まで延びる下側間隙(738)を有する。そのような凹部におけるプラットフォーム(730)とバットレス組立体(712)の配置により、バットレス組立体(712)と手術室内の他のデバイスとの間の偶発的な接触が防止され得る。換言すれば、上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)は、バットレス組立体がプラットフォーム(730)上に保持されている間、バットレス組立体(712)をある程度まで物理的に遮蔽し得る。
【0074】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)の以下の実施例に適用可能な場合は、追加の機構を組み合わせ得る。このような機構としては、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8634USNP.0663974]、名称「Adhesive Distribution on Buttress for Surgical Stapler」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8635USNP.0663976]、名称「Configuration of Buttress for Surgical Stapler」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8636USNP.0663978]、名称「Surgical Stapler Buttress with Tissue In-Growth Promotion」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8638USNP.0663983]、名称「Packaging for Surgical Stapler Buttress」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9073USNP1.0714572]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Proximal Alignment Features」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9071USNP1.0714576]、名称「Method of Applying Buttresses to Surgically Cut and Stapled Sites」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8639USDP.0663985]、名称「Applicator for Surgical Stapler Buttress」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8640USDP.0663994]、名称「Buttress for Surgical Stapler」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8641USDP.0663996]、名称「Tray for Surgical Stapler Buttress Applicator」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9080USDP1.0714568]、名称「Applicator for a Surgical Stapler Buttress」、及び本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9081USDP1.0714566]、名称「Buttress Assembly for a Surgical Stapler」に記載されている。
【0075】
A.例示的なバットレス組立体
図19に関して、上側及び下側バットレス組立体(712)は、構造的に同一であるが、バットレスアプライヤカートリッジ(716)上に保持された上側及び下側バットレス組立体(712)の相対位置については、構造的に同一である。したがって、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、外科用器具(10)及びそれと組み合わされ得るそのそれぞれのエンドエフェクタと共に、2つ以上の配向で使用され得る。上側バットレス組立体(712)の以下の説明は同様に、下側バットレス組立体(712)に適用されるが、それぞれの配向に関して適用されることが理解されるであろう。
【0076】
上側バットレス組立体(712)は、バットレス(714)及び上側接着剤層(742)を含む。本実施例のバットレス(714)は、より具体的には、ステープルの線を支持するために集合的に強力であるがなお可撓性であるための2つの外層の間に挟まれたコア層を含む3層ポリマー構造を有する。本実施例では、コア層はポリグラクチン910材料であり、これは、VICRYLとしてEthicon,Inc.(Somerville,New Jersey)により製造及び販売されているが、各外層はポリジオキサノン(PDO)フィルム材料である。本実施例のバットレス(714)は、所定の圧力下で、所定の温度で、及び所定の時間、外層間にコア層を積層することによって形成される。バットレス(714)は、更に機械的に切断されてサイズ決めされ、それによって、繊細な組織を損傷し得るバリ及び/又は層間剥離などの研磨縁部を抑制する。レーザ切断又はホットナイフ切断などのバットレス(714)を切断する代替的な方法が同様に使用され得ることが理解されるであろう。
【0077】
単に更なる例として、各バットレス(714)は、NEOVEIL吸収性PGAフェルト(Gunze Limited(京都、日本))、SEAMGUARDポリグリコール酸:トリメチレンカーボネート(PGA:TMC)補強材(W.L.Gore&Associates,Inc.(Flagstaff,Arizona))、PERI-STRIPS DRY with VERITAS Collagen Matrix(PSDV)補強材(Baxter Healthcare Corporation(Deerfield,Illinois)による)、BIODESIGN生物学的移植片材料(Cook Medical(Bloomington,Indiana))、及び/又は、SURGICEL NU-KNIT止血材料(Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey))のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。各バットレス(714)を形成するために使用され得る更に他の適切な材料が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなろう。
【0078】
追加的にあるいは代替的に、各バットレス(714)は、例えば、血液の凝固を支援し、かつ組織に沿って切断及び/又はステープル留めされた手術部位における出血を低減するために、フィブリンなどの止血剤を含む材料を含み得る。別の単なる例示の実施例として、各バットレス(714)が、血液を凝固させ、かつ手術部位における出血量を低減させることを支援し得るように、それぞれのバットレス(714)は、他の添加剤を含んでもよく、又はトロンビンなどの止血剤を含んでもよい。各バットレス(714)に組み入れられ得る他の添加剤又は試薬として、薬液又はマトリックス成分を更に挙げることができるが、これらに限定されない。各バットレス(714)を形成するために使用され得る材料、並びに各バットレス(714)の中に別様に組み入れられ得る材料の単なる説明のための例が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号に開示されている。あるいは、任意の他の好適な材料が使用されてもよい。
【0079】
あくまで更なる例として、各バットレス(714)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月13日発行の「Tissue Thickness Compensator Comprising Controlled Release and Expansion」と題する米国特許第10,123,798号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月21日公開の「Surgical Instrument and Buttress Material」と題する米国特許出願公開第2013/0068816号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月19日発行の「Surgical Instrument with Fluid Fillable Buttress」と題する米国特許第9,999,408号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月26日発行の「Fibrin Pad Matrix with Suspended Heat Activated Beads of Adhesive」と題する米国特許第8,814,025号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年12月2日発行の「Attachment of Surgical Staple Buttress to Cartridge」と題する米国特許第8,899,464号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年11月15日発行の「Device for Applying Adjunct in Endoscopic Procedure」と題する米国特許第9,492,170号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年4月7日発行の「Resistive Heated Surgical Staple Cartridge with Phase Change Sealant」と題する米国特許第8,998,060号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年7月19日発行の「Surgical Staple Assembly with Hemostatic Feature」と題する米国特許第9,393,018号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月11日発行の「Surgical Staple Cartridge with Self-Dispensing Staple Buttress」と題する米国特許第9,101,359号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月1日発行の「Anvil Cartridge for Surgical Fastening Device」と題する米国特許第9,198,644号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月28日公開の「Adjunct Therapy for Applying Hemostatic Agent」と題する米国特許出願公開第2013/0075447号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月15日発行の「Tissue Thickness Compensator Comprising a Plurality of Medicaments」と題する米国特許第9,211,120号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月10日公開の「Adjunct Materials and Methods of Using Same in Surgical Methods for Tissue Sealing」と題する米国特許出願公開第2015/0351758号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月23日公開の「Implantable Layers for a Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2017/0049444号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月2日公開の「Drug Eluting Adjuncts and Methods of Using Drug Eluting Adjuncts」と題する米国特許出願公開第2017/0055986号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月30日公開の「Compressible Adjunct with Crossing Spacer Fibers」と題する米国特許出願公開第2017/0086837号、及び/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月30日公開の「Method for Applying an Implantable Layer to a Fastener Cartridge」と題する米国特許出願公開第2017/0086842号の教示の少なくとも一部に従って構成され得る。
【0080】
更に、バットレス(714)は、バットレス(714)の近位部分から、バットレス(714)の中間部分に沿ってナイフ(図示せず)によって切断されるように、更にバットレス(714)の遠位部分を通って切断されるように構成されており、これによって、内側縁部は、切断細胞に隣接している。バットレス(714)は、ナイフ(図示せず)を受け入れ、かつ内側縁部がそれに沿って形成される際にバットレス(714)の横方向部分を分離することを補助するように構成されている長手方向に延びる予め切り込まれたスリット(744)を更に含む。
【0081】
上側接着剤層(742)は、バットレス(714)を本明細書に記載されるエンドエフェクタ内に接着するために、バットレス(714)の外側層上に設けられる。バットレス(714)の接着は、感圧接着剤を含むがこれらに限定されない様々な機構を介して生じ得る。感圧接着の場合、接着は、少なくとも所定の最小力の適用時に生じる。いくつかの変形例では、各接着層(742)が感圧性接着剤材料を含む。接着層(742)を形成するために使用され得る様々な適切な材料の例が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号に開示されている。あるいは、任意の他の好適な材料が使用されてもよい。本実施例に示されるように、接着剤層(742)は、一旦エンドエフェクタに適用されると寿命を向上させるために連続的な外側シールを形成するように、適用される。
【0082】
本明細書で用いられる「接着剤」という用語は、粘着性の材料、更には、柔軟又は蝋様であり、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状にも接着する材料を包含し得る(ただし、それらに限定はされない)。いくつかの適切な接着剤は、不可避的に高度な初期粘着性を与えることなく、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状にも接着するように、そのような柔軟性を与え得る。いくつかの事例では、粘着性の低い接着剤は、表面からよりきれいに除去され得る。本明細書の教示を考慮することで、接着層(742)を形成するために使用され得る様々な適切な材料が当業者には明らかとなろう。
【0083】
B.例示的なバットレスアプライヤカートリッジ
図20に示されるように、バットレスアプライヤカートリッジ(716)は、プラットフォーム(730)を支持するシャーシ(736)、並びに一緒に接続して内部空間(750)を画定するように構成されているハウジング組立体(724)の上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)を含む。左上アクチュエータスレッド(752)及び右上アクチュエータスレッド(754)は、内部空間(750)内の上面シャーシ(736)に移動可能に接続される一方、左下アクチュエータスレッド(752)及び右下のアクチュエータスレッド(754)は、内部空間(750)内のシャーシ(736)の下面に移動可能に接続されている。右上及び左上アクチュエータスレッド(752、754)は、上側バットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)上に拘束位置に保持するが、本明細書に記載されるエンドエフェクタのいずれかなどのエンドエフェクタ上に上側バットレス組立体(712)を付着させるために、拘束位置から解放位置へと移動するように構成されている。同様に、右下及び左下アクチュエータスレッド(752、754)は、下側バットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)上に拘束位置に保持するが、本明細書に記載されるエンドエフェクタのいずれかなどのエンドエフェクタ上に下側バットレス組立体(712)を付着させるために、拘束位置から解放位置へと移動するように構成されている。本実施例では、左アクチュエータスレッド(752)は、以下でより詳細に説明される理由で、右アクチュエータスレッド(754)とは異なる。また、右上及び右下アクチュエータスレッド(752)は、互いに構造的に同一であり、左上及び左下アクチュエータスレッド(754)は、互いに構造的に同一である。したがって、上側及び下側アクチュエータスレッド(752、754)は、この点で交換可能であり、一対の上側アクチュエータスレッド(752、754)に対する、本明細書に含まれる任意の考察は、一対の下側アクチュエータスレッド(752、754)に同様に適用可能である。
【0084】
各アクチュエータスレッド(752、754)は、バットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)に選択的かつ解放可能に固定するために横方向内側に延びる一対のアーム(755a、755b)を含む。アーム(755a、755b)はまた、
図15及び
図16中のアプリケータ(200)に関して上述した保持機構(204)と同様の保持機構又は保持部材とも称され得る。具体的には、
図20は、バットレス組立体(712)がアーム(755a、755b)の自由端部とプラットフォーム(730)との間に介在するように位置付けられたアーム(755a、755b)を示す。アーム(755a、755b)は、外側へと横方向に移動可能であり、そのため、アーム(755a、755b)がバットレス組立体(712)を係合解除し、それによってバットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)から取り外すことが可能となっている。本実施例では、アーム(755a、755b)は、バットレス組立体(712)を拘束位置に当接し、それによってバットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)に対して挟持するように構成されている。アーム(755a,755b)がバットレス組立体(712)と係合し得る他の適切な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0085】
シャーシ(736)は、上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)と協働して、バットレスアプライヤカートリッジ(716)の構成要素を移動させるための機械的土台をなし、バットレスアプライヤカートリッジ(716)の構成要素を構造的に支持するように構成される。シャーシ(736)は、ハウジング組立体(724)の両側に露出している一体型把持機構(756)を更に含む。把持機構(756)は、バットレスアプライヤカートリッジ(716)の使用中に操作者がバットレスアプライヤカートリッジ(716)を把持することを促進するように構成されている幾何学的表面形状を有している。把持機構(756)に対して用いられ得る様々な適切な構成が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなろう。同様に、把持機構(756)に適用され得る様々な表面処理(例えば、エラストマー材料など)が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなろう。
【0086】
図21に関して、プラットフォーム(730)は、シャーシ(736)に接続され、シャーシ(736)によって支持されて、プラットフォーム(730)を上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)に対して固定する。本実施例では、プラットフォーム(730)は一体的に形成さており、フレーム(760)を含み、かつ成形型固定のための材料の重なりを提供するように構成されている複数の穴(762、764、766)を画定する剛性ウェブ部分(758)に成形される。穴(762、764、766)は、より具体的には、フレーム(760)を通って延びる上側スロット(762)及び中心スロット(764)と、並びにスロット(762、764)の周りに横方向に離間された複数の貫通穴(766)と、を含む。フレーム(760)はまた、ブリッジ部分(768)において中心スロット(764)を横切って横方向に延びて、以下でより詳細に考察されるように、弾性変形のために十分なクリアランスを備えたプラットフォーム(730)を提供しながら、追加の構造的剛性をシャーシ(736)に提供する。これにより、スロット(762、764)及び貫通穴(766)は、弾性エラストマー材料を受け入れて、材料をプラットフォーム(730)として形成し、シャーシ(736)に固定する。プラットフォーム(730)はシャーシ(736)に成形されているが、プラットフォーム(730)が、代替的にシャーシ(736)に固定されてもよく、したがって、プラットフォーム(730)のシャーシ(736)への取り付けが、本明細書に考察される特定の剛性ウェブ部分(758)及び成形に限定されることを意図するものではないことが理解されるであろう。プラットフォーム(730)を形成するために使用され得る種々の好適な材料及び構造的構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0087】
シャーシ(736)は、シャーシ(736)の互いに反対側の側面上の、一対の列に配置された複数のスレッドクリアランス穴(770)を更に含む。左右のアクチュエータスレッド(752、754)は、そのようなスレッドクリアランス穴(770)を介してシャーシ(736)の両側で一緒に接続して、接続された対で一緒に内側に摺動する。左右のアクチュエータスレッド(752、754)の接続及び作動に関する追加の詳細について、以下でより詳細に考察する。しかしながら、左右のアクチュエータスレッド(752、754)の締結クリアランスを提供する、シャーシ(736)を通る任意のそのような穴が使用されてもよく、本発明が、本明細書で考察されるスレッドクリアランス穴(70)に不必要に限定されることを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0088】
i.バットレス組立体を支持するための例示的な変動硬さプラットフォーム
図22~
図24は、パッド(772)及びそこから横方向に延びる周辺領域(774)を含む追加の詳細のプラットフォーム(730)の一例を示す。周辺領域(774)は、フレーム(760)内に位置付けられ、パッド(772)をシャーシ(736)に固定するために、貫通穴(766)内に延びる。一部の変形例においては、プラットフォーム(730)は、高い摩擦係数をもたらす材料から形成され、それにより、そうでない場合にバットレス組立体(712)がプラットフォーム(730)の対応する表面に沿ってスライドする傾向があれば、低減される。例えば、プラットフォーム(730)は、固定(774)及びパッド(772)として形成されるように成形される、シリコーンなどの弾性エラストマー材料を含み得る。1つの例示的なシリコーン材料は、30デュロメータ、ショアAシリコーンである。この目的のために、パッド(772)は、その長手方向長さに沿って変動する硬さで形成されて、接着のための少なくとも所定の最小力の十分な反作用力を同時に提供する一方で、以下でより詳細に考察されるようなエンドエフェクタの平行キャンバ配向、オーバーキャンバ、及びアンダーキャンバ配向を収容する。本明細書で使用するとき、「平行キャンバ配向」という用語は、互いに機能的に平行であるエンドエフェクタの上側ジョー及び下側ジョーを指す。「オーバーキャンバ配向」という用語は、エンドエフェクタの下側ジョーに対してエンドエフェクタの上側ジョーが回転され過ぎていることを指す。「アンダーキャンバ配向」という用語は、エンドエフェクタの下側ジョーに対して上側ジョーが回転不足であることを指す。
【0089】
図22及び
図23に関して、パッド(772)の弾性近位端(778)は、近位端硬さ及び近位横断方向深さを有する一方で、パッド(772)の弾性遠位端(780)は、遠位端硬さ及び遠位横断方向深さを有する。本実施例では、近位端の硬さは、一般的に、遠位端(780)の初期圧縮が近位端(778)の圧縮よりも少ない圧縮力を必要とするように、遠位端硬さよりも大きい。当然ながら、近位端(778)に対する遠位端(780)の更なる圧縮は、遠位端(780)のより小さい硬さがエンドエフェクタのオーバーキャンバ配向を収容するために内部に含まれる限り、遠位端の硬さが近位端の硬さまで増加するか、又は更には近位端の硬さを超えることをもたらし得る。
【0090】
加えて、遠位横断方向深さは、近位横断方向深さよりも大きい。これにより、より大きな遠位横断方向深さは、アンダーキャンバ配向でエンドエフェクタとの改善された係合のためにバットレス組立体(712)を効果的に引き上げるが、低減されした遠位端硬さは、オーバーキャンバ配向でエンドエフェクタを収容するためにより大きな圧縮を可能にする。本実施例のパッド(772)は、平行キャンバ、オーバーキャンバ、及びアンダーキャンバ配向をパッド(772)の長手方向全長に沿って収容するために、遠位端(780)から近位端(778)まで連続的に先細になる互いに反対側の傾斜面(782)を有する楔形である。いくつかの実施例では、パッド(772)に沿った深さ及び硬さは、エンドエフェクタの決定された製造公差に基づいて、オーバーキャンバからアンダーキャンバまでの配向の全範囲を受け入れるように構成されている。
【0091】
図22~
図24に示すパッド(772)は、全体にわたって一貫した硬さを有する弾性材料で一体的に形成される。したがって、上で考察した長手方向に変動する硬さは、少なくとも遠位端(780)において、チャネル(784)などの複数のレリーフを形成して、近位端硬さに対して遠位端硬さを低減することによって生成される。本実施例では、5つのチャネル(784)などのチャネル(784)は、互いに横方向に等しく離間され、遠位端(780)から近位端(778)まで長手方向に延びる。チャネル(784)は、パッド(772)に沿って長手方向に、変動するチャネル深さを更に画定する。より具体的には、上側チャネル(784)は、上側傾斜面(782)から上側基部表面(786)まで横断方向下方に延びる一方で、下側チャネル(784)は、下側傾斜面(782)から下側ベース表面(786)まで横断方向に上向きに延びる。次に、複数のリブ(788)がチャネル(784)の間に画定され、同様に、バットレス組立体(712)を支持するために傾斜面(782)から基部表面(786)まで延び、パッド(772)の両側の近位端(778)から遠位端(780)までの変動する硬さを有する。
【0092】
ii.変動硬さプラットフォーム上にバットレス組立体を保持するための例示的な拘束機構
図20及び
図25~
図28は、バットレス組立体(712)をプラットフォーム(730)に拘束位置で解放可能に固定するために、上で簡潔に考察される、左右のアクチュエータスレッド(752、754)などの拘束機構を示す。左右のアクチュエータスレッド(752、754)の各々は、パッド(772)の長手方向長さに沿って変動する横断方向の深さに適応するように構成されているアーム(755a、755b)を有する。より具体的には、アーム(755a、755b)は、互いから長手方向に離間し、プラットフォーム(730)に向かって横方向内側に延びる遠位アーム(755a)及び近位アーム(755b)を含む。左右のアクチュエータスレッド(752、754)の各遠位アーム(755a)及び近位アーム(755b)は、プラットフォーム(730)に向かって横断方向に延び、これによって、遠位アーム(755a)及び近位アーム(755b)の各々は、横断方向に他のアーム(755a、755b)からオフセットされる。これにより、遠位アーム(755a)及び近位アーム(755b)は、傾斜面(782)から横断方向に離間して、傾斜面(782)に追従する。
【0093】
図25及び
図26に関して、左上アクチュエータスレッド(752)は、長手方向に延びる左上スレッド本体(790)を有し、遠位及び近位アーム(755a、755b)は、右に向かって内側に横方向に延びる。左アクチュエータスレッド(752)の各アーム(755a、755b)は、左アクチュエータスレッド(752)を解放位置に向かって付勢するようにエンドエフェクタを受け入れるように構成されているカム表面(791)を有する。加えて、ダボ穴(792)は下方に開放し、それぞれ左上スレッド本体(790)の一部分上に位置付けられる。ダボ(794)は、左スレッド本体(790)から下方に延び、外側ダボ穴(792)と長手方向に整列している。拘束位置及び解放位置における左上アクチュエータスレッド(752)の移動を停止するために、遠位片持ちキャッチ(796)は、左上スレッド本体(790)の遠位部分から左に横方向に延び、近位片持ちキャッチ(798)は、左上スレッド本体(790)の近位部分から左に横方向に延びる。遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)はそれぞれ、以下でより詳細に考察される遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)のそれぞれの部分である。
【0094】
図27及び
図28に関して、右上アクチュエータスレッド(754)は、長手方向に延びる右上スレッド本体(804)を有し、遠位及び近位アーム(755a、755b)は、左に向かって内側に横方向に延びる。右アクチュエータスレッド(754)の各アーム(755a、755b)は、左アクチュエータスレッド(752)を解放位置に向かって付勢するようにエンドエフェクタを受け入れるように構成されているカム表面(805)を有する。加えて、ダボ穴(806)は下方に開放し、右上スレッド本体(804)上に位置付けられる。ダボ(808)は、右スレッド本体(804)から下方に延び、内側ダボ穴(806)と長手方向に整列して位置付けられる。右上アクチュエータスレッド(754)の拘束位置及び解放位置への移動を停止するために、別の遠位片持ちキャッチ(796)は、右上スレッド本体(804)の遠位部分から右に横方向に延び、別の近位片持ちキャッチ(796)は、右上スレッド本体(804)の近位部分から右に横方向に延びる。ここでも、遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)はそれぞれ、以下でより詳細に考察される遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)のそれぞれの部分である。
【0095】
図20及び
図29及び
図30は、上で詳述したように、右上及び左上アクチュエータスレッド(752、754)並びに右下及び左下アクチュエータスレッド(752、754)を示す。上で簡潔に考察したように、右上及び左上アクチュエータスレッド(752、754)の説明は同様に、同様の数を有するが、逆横断方向(例えば、下側、上向きなど)を有する右下及び左下アクチュエータスレッド(752、754)に同様に適用する。この目的のために、外側ダボ(808)が外側ダボ穴(792)にスナップ嵌めされ、内側ダボ(794)が内側ダボ穴(806)内にスナップ嵌めされ、シャーシ(736)がそれらの間に位置付けられるとき、左上アクチュエータスレッド(752)及び右下アクチュエータスレッド(754)は、一緒に接続する。同様に、外側ダボ(808)が外側ダボ穴(792)にスナップ嵌めされ、内側ダボ(794)が内側ダボ穴(806)内にスナップ嵌めされ、シャーシ(736)がそれらの間に位置付けられるとき、右上アクチュエータスレッド(754)及び左下アクチュエータスレッド(752)は、一緒に接続する。内側及び外側ダボ(794、808)の各々は、スレッドクリアランス穴(770)を通って延びて、左右のアクチュエータスレッド(752、754)をシャーシ(736)に摺動可能に接続する。
【0096】
図30は、一対の遠位アーム(755a)及び一対の近位アーム(755b)の一例を示しており、これらはそれぞれ、それらの間に位置付けられ、互いに反対側の傾斜面(782)に追従するプラットフォーム(730)を有する。バットレスアプライヤカートリッジ(716)の上側及び下側部分を、プラットフォーム(730)の中心コアを介して二分する中心面(810)が
図12に示される。遠位アーム(755a)は、中心平面(810)から比較的より長い距離だけ横断方向にオフセットされた遠位保持表面(812a)を有し、近位アーム(755b)は、中心平面(810)から比較的より短い距離だけ横断方向にオフセットされた近位保持表面(812b)を有する。これにより、遠位及び近位保持面(812a、812b)のより大きくかつより小さい距離が、パッド(772)の遠位端(780)からパッド(772)の近位端(778)まで先細になる傾斜面(782)に追従する。したがって、遠位及び近位保持表面(812a、812b)は、互いから、かつ中心面(810)から横断方向にオフセットされる。本実施例では、遠位アーム(755a)及び近位アーム(755b)の各々は、アーム(755a、755b)がパッド(772)の遠位端(780)からパッド(772)の近位端(778)まで先細になる傾斜面(782)に等しく追従するように、傾斜面(782)から等しい横断寸法だけ横断方向に離間する。
【0097】
図31~
図33に示されるように、左右のアクチュエータスレッド(752、754)は、それぞれ、本明細書で考察されるように、プラットフォーム(730)上のバットレス組立体(712)からアーム(755a、755b)を係合解除するために、拘束位置から、プラットフォームから離れた解放位置まで、外側に付勢される。より具体的には、遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)は、左右のアクチュエータスレッド(752、754)をシャーシ(736)に解放可能に接続して、拘束位置及び解放位置における左右のアクチュエータスレッド(752、754)の移動を停止させる。遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)は、上で簡単に考察したように、左右のアクチュエータスレッド(752、754)のそれぞれから延びる遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)を含む。加えて、遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)は、遠位及び近位の片持ちキャッチ(796、798)とそれぞれ係合する、シャーシ(736)から延びるそれぞれ遠位及び近位の接地カム(814、816)を更に含む。
【0098】
図31に示される拘束位置では、各遠位片持ちキャッチ(796)はそれぞれ、各遠位接地カム(814)と係合し、各近位片持ちキャッチ(798)はそれぞれ、各近位接地カム(816)と係合して、左右のアクチュエータスレッド(752、754)を拘束位置に向かって内側に付勢する。
図32に示されるように、拘束位置から開放位置に向かって外向きの左右のアクチュエータスレッド(752、754)は、遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)が遠位及び近位接地カム(814、816)に従うにつれて、遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)を弾性的に変形させる。遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)が遠位及び近位の接地カム(814、816)の周りを通過すると、遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)は、遠位及び近位片持ちキャッチ(796、798)が左右のアクチュエータスレッド(752、754)を
図33に示される解放位置へと付勢する先端点に到達する。解放位置では、各遠位片持ちキャッチ(796)はそれぞれ、各遠位接地カム(814)と係合し、各近位片持ちキャッチ(798)はそれぞれ、各近位接地カム(816)と係合して、左右のアクチュエータスレッド(752、754)を解放位置に向かって外側に付勢する。これにより、遠位及び近位戻り止め連結具(800、802)は、アーム(755a、755b)が誤って内側に戻り本明細書で考察されるようなエンドエフェクタの取り外し時にバットレス組立体(712)を捕捉するのを抑制するために、解放位置に左右のアクチュエータスレッド(752、754)を効果的に保持する。
【0099】
iii.外科用ステープラへのバットレスの例示的な接着、及び組織とバットレス組立体の切断
上述したように、上側及び下側バットレス組立体(712)は、それぞれのバットレス(714)をエンドエフェクタのステープルカートリッジのアンビル及びデッキの下面に接着するための上側及び下側接着層(742)(又は他の形態の接着剤材料)を含む。そのような接着剤は、エンドエフェクタの作動前及び作動中におけるバットレス(714)の適切な位置付けをもたらし、次いで、バットレス(714)のその後の適切な機能を損なうほどの実質的に十分な損傷をバットレス(714)に引き起こすことなく、エンドエフェクタが作動された後に、バットレス(714)をエンドエフェクタから分離させることを可能にし得る。バットレス組立体(712)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END8634USNP.0663974]、名称「Adhesive Distribution on Buttress for Surgical Stapler」の教示を更に組み込むことができる。
【0100】
あくまで例としてであり、限定するものではないが、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)を使用して、
図15~
図18に関して示され、説明されるように、エンドエフェクタ(40)を用いてバットレス組立体(712)を適用することができる。そのような例において、バットレス組立体(712)は、バットレス組立体(100、110)についての記述と同様に、エンドエフェクタ(40)に取り付けられる。その上、本明細書に記載される他のエンドエフェクタは、エンドエフェクタ(40)の代わりに使用することができ、これによって、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)を使用して、バットレス組立体(712)をそれらのエンドエフェクタのいずれかに適用することができる。上に示され、説明されたように、様々なエンドエフェクタは、真っ直ぐな構成、屈曲若しくは湾曲した先端部構成を有してもよく、ここでアンビルは、剛性の屈曲若しくは湾曲した先端部、又はアンビルが変形可能な屈曲若しくは湾曲した先端部を含む屈曲若しくは湾曲した先端部構成を有し得る。以下で更に説明するように、これらの異なる構成にもかかわらず、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、任意のそのような構成のエンドエフェクタと共に使用されるように構成されている。更に、上述したように、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、平行キャンバ、オーバーキャンバ、及びアンダーキャンバ配向を含む、エンドエフェクタの代替的キャンバ配向に適応するように構成されている。上述したように、エンドエフェクタがオーバーキャンバ配向、アンダーキャンバ配向、又は平行キャンバ配向で構成されているかどうかにかかわらず、バットレス(714)の接着層(742)がエンドエフェクタの関連部分にそれらの長手方向長さに沿って完全に又は少なくとも実質的に接触して、バットレス(712)をエンドエフェクタに接着するように、パッド(772)は、十分な圧縮を提供する。
【0101】
iv.湾曲した先端部エンドエフェクタ収容する例示的な開口部機構
図19~
図33に示されるバットレスアプライヤカートリッジ(716)を参照すると、バットレスアプライヤカートリッジ(716)の別の機構は、アンビルの一部又はカートリッジの一部でさえあり得る、屈曲又は湾曲した先端部を有するものを含む、様々なエンドエフェクタと共にバットレスアプライヤカートリッジ(716)が使用される能力に関する。この点において、バットレスアプライヤカートリッジ(716)は開口部(701)を備える。開口部(701)は、エンドエフェクタの一部分がバットレスアプライヤカートリッジ(716)を通って頂面又は上側から底側又は下側へと通過することができる空間又は空隙として構成されている。以下に更に記載されるように、湾曲した先端部を有するエンドエフェクタと共に使用されるとき、開口部(701)は、エンドエフェクタのジョーが、湾曲した先端部が開口部(701)を通過した状態で閉鎖されることを可能にし、そのため、エンドエフェクタの上側ジョー及び下側ジョーは、少なくとも、上側ジョー及び下側ジョーが、その長手方向全長に沿って、又は少なくとも実質的にその長手方向長さに沿って、バットレス組立体(712)に接触する点まで閉鎖することができる。同時に、開口部(701)は、真っ直ぐな先端部設計エンドエフェクタの使用を妨げる又は抑制することはない。
【0102】
ここで
図19及び
図29~
図33を参照すると、本実施例において、開口部(701)は、開口部(701)の遠位部分及び開口部(701)の側面に沿ってシャーシ(736)によって画定される。更に、開口部は、開口部(701)の近位部分に沿ってプラットフォーム(730)によって画定される。したがって、本実施例では、バットレスアプライヤカートリッジ(716)の複数の構造又は構成要素が組み合わされて開口部(701)を画定する。いくつかの他の変形例では、開口部(701)は、より少ない、追加の、又は他の構成要素によって画定され得る。また、本実施例では、開口部(701)は、開口部(701)がU字型開口部を含むように、シャーシ(736)及びプラットフォーム(730)によって画定される。本明細書の教示を考慮すれば、代替の開口部形状を提供するための開口部(701)を画定するための他の方法が、当業者には明らかとなるであろう。
【0103】
図34及び
図35を参照すると、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、エンドエフェクタ(912)と共に使用されて示されている。エンドエフェクタ(912)は、上述のエンドエフェクタ(12、40)と同様の真っ直ぐな先端部構成を備える。エンドエフェクタ(912)は、アンビル(918)と、ステープルカートリッジ(937)を保持するジョー(916)を備える。
図34に示されるように、エンドエフェクタ(912)がバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)内に位置付けられ、閉鎖されると、開口部(701)は、プラットフォーム(730)の他方の側のカートリッジ(937)の一部分を現す。これは、この実施例では、エンドエフェクタ(912)が閉鎖されたときにカートリッジ(937)がアンビル(918)と比較して更に遠位方向に延びるように、エンドエフェクタ(912)が構成されている場合である。
図35に示されるように、この構成における他方の側からの図は、開口部(701)がカートリッジ(937)の遠位部分によって視覚的に遮断されることを示す。それでもなお、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、とりわけ、本明細書に記載されるエンドエフェクタ(12、40、912)などの直線状の先端部エンドエフェクタと共に使用されるように構成されている。
【0104】
図36及び
図37を参照すると、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、エンドエフェクタ(1012)と共に使用されて示されている。エンドエフェクタ(1012)は、上述したエンドエフェクタ(212、312、412、512、612)と同様の屈曲又は湾曲した先端部構成を備える。エンドエフェクタ(1012)は、アンビル(1018)と、ステープルカートリッジ(1037)を保持するジョー(1016)を備える。
図36に示されるように、エンドエフェクタ(1012)がバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)内に位置付けられ、閉鎖されると、開口部(701)は、プラットフォーム(730)の他方の側のカートリッジ(1037)の一部分を現す。これは、この実施例では、エンドエフェクタ(912)が閉鎖され、プラットフォーム(730)に接触しているときにカートリッジ(1037)がアンビル(918)と比較して更に遠位方向に延びるように、エンドエフェクタ(1012)が構成されている場合である。エンドエフェクタ(1012)が閉鎖され、プラットフォーム(730)に接触している
図37に示されるように、アンビル(1018)の湾曲した先端部(1014)は、カートリッジ(1037)に向かって延びる開口部(701)を通過する。本実施例では、湾曲した先端部(1014)は、一部の変形例では剛性であり、他の変形例では変形可能である。湾曲した先端部(1014)のいずれかの構成において、開口部(701)を有するバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)は、バットレス組立体(712)をエンドエフェクタ(1012)に搭載するときに、湾曲した先端部(1014)が開口部(701)を通って延びるように、アンビル(1018)及び湾曲した先端部(1014)を収容する。
【0105】
VII.湾曲した先端部エンドエフェクタを収容するためのプラットフォームポケット機構を有する例示的な代替のバットレスアプライヤカートリッジ
上述の開口部(701)と同様の穴又は開口部の代わりに、バットレスアプライヤカートリッジの他の変形例では、ポケット機構は、湾曲した先端部を有するエンドエフェクタを収容するためにバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームに組み込むことができる。あくまで例としてであり、限定するものではないが、そのようなポケット機構のいくつかの変形例が、本明細書に示され、説明される。なお、本明細書の教示を考慮すると、そのようなポケット機構のための他の構成が当業者に明らかであろう。
【0106】
A.例示的な遠位側プラットフォームU字型スリット
図38~
図40を参照すると、上に示され、説明されたバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)と同様のバットレスアプライヤカートリッジ組立体(4110)が示されている。その範囲まで、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)に関する上記の教示は、以下に記載される以下の相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(4110)に等しく適用する。
【0107】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体(4110)は、上側ハウジング(726)及び下側ハウジング(728)を有する、ハウジング組立体(724)を有するバットレスアプライヤカートリッジ(4116)を備える。バットレスアプライヤカートリッジ(4116)は、シャーシ(736)及びプラットフォーム(4130)を更に備える。本実施例では、ハウジング組立体(724)は、
図39及び
図40に示されるようにエンドエフェクタ(1012)などのエンドエフェクタを収容するように構成されているチャネル(4103)を画定する。プラットフォーム(4130)は、バットレスアプライヤカートリッジ(716)に関して上述したのと同じ方法でバットレス組立体(712)を保持するように構成されている。本実施例では、プラットフォーム(4130)は、チャネル(4103)によって画定された空間又は領域がプラットフォーム(4130)によって包囲されるように、近位から遠位に延びる。
【0108】
バットレスアプライヤカートリッジ(4116)は、ポケット機構(4100)を更に含む。本実施例では、ポケット機構(4100)は、プラットフォーム(4130)がバットレス組立体(712)を支持する場所の遠位に位置する。
図39及び
図40に示されるように、ポケット機構(4100)はまた、バットレス組立体(712)がプラットフォーム(4130)上に支持される場所の間に、横断方向に位置付けられる。この位置付けにより、ポケット機構(4100)は、以下で更に説明するように、プラットフォーム(4130)上でエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている。
【0109】
本実施例では、ポケット機構(4100)は、プラットフォーム(4130)内に形成されたスリット(4101)を含む。スリット(4101)は、本実施例ではU字型である。上記の開口部(701)と同様に、スリット(4101)は、エンドエフェクタ(1012)又は別の同様のエンドエフェクタの湾曲した先端部(1014)がプラットフォーム(4130)及び/又はシャーシ(736)を通過することを可能にするように構成されている。このようにして、湾曲した先端部(1014)は、組み合わされたシャーシ(736)及びプラットフォーム(4130)の一方の側から他方の側まで横断方向に延びる。また、スリット(4101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)がポケット機構(4100)を通過するときに変形するように構成されている。
【0110】
スリット(4101)は、湾曲した先端部(1014)に対して大きいか、湾曲した先端部(1014)に対して小さいか、又は湾曲した先端部(1014)に対して大きさが等しいか若しくは実質的に等しいように構成することができる。いくつかの場合では、プラットフォーム(4130)は、例えば、湾曲した先端部(1014)がポケット機構(4100)を通って延び、スリット(4101)の側面を押圧するときに、プラットフォーム(4130)によって画定されたスリット(4101)が拡張可能であるように、弾性材料を含む。また、いくつか場合では、スリット(4101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状の輪郭に似た形状で構成され得る。このようにして、スリット(4101)及びエンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状は相補的である。追加として、ハウジング組立体(724)はまた、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)を補完して、それによって、湾曲した先端部(1014)をスリット(4101)に配置するか、又は案内する形状を有するチャネル(4103)の遠位部分(732)を備え得る。
【0111】
プラットフォーム(730)と同様に、プラットフォーム(4130)は、プラットフォーム(4130)の近位部分(4178)と比較して、スリット(4101)の近位にある遠位部分(4180)において圧縮可能かつより厚いように構成されている。このようにして、プラットフォーム(4130)は、遠位部分(4180)から近位部分(4178)への先細を構成する。プラットフォーム(4130)のこの厚さプロファイル又は構成は、プラットフォーム(4130)上にクランプしてバットレス組立体(712)を取り上げたときに、エンドエフェクタのジョー偏向があればそれを補償する。本実施例におけるプラットフォーム(4130)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9073USNP1.0714572]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Proximal Alignment Features」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されているものなどの1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を含み得る。加えて、プラットフォーム(4130)は、代わりに又は追加的に、バットレス組立体がプラットフォーム(4130)上に保持された状態でエンドエフェクタの早期クランプ及び/又は接触を防止するための1つ又は2つ以上の機構を含み得る。このような機構の例としては、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されている。
【0112】
ポケット機構(4100)がプラットフォーム(4130)内に形成された状態で、ポケット機構(4100)は、低減された硬さを含むプラットフォーム(4130)の領域(4102)を画定又は提供する。領域(4102)は、ポケット機構(4100)が位置付けられる、プラットフォーム(4130)上及びその周囲に位置する。領域(4102)の硬さの低減は、プラットフォーム(4130)上にエンドエフェクタ(1012)をクランプするとき、領域(4102)が、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)によって接触されると、プラットフォーム(4130)の偏向及び/又は変形を促進する。
【0113】
更に
図38~
図40を参照すると、U字型スリット(4101)は、プラットフォーム(4130)のフラップ(4104)を画定する。更に、本実施例では、エンドエフェクタ(1012)をプラットフォーム(4130)にクランプするときに、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)によって接触されると、フラップ(4104)がプラットフォーム(4130)の残りの部分から離れる方向に偏向するように構成されているように、スリット(4101)は連続的である。本実施例では、スリット(4101)の形状がU字型である場合、フラップ(4104)もU字型を有する。
【0114】
上述したように、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(4110)は、本明細書に記載される相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710)に関して上述した機構を含む。この範囲まで、バットレスカートリッジ(4116)は、
図20及び
図25~
図28に示されるように、アクチュエータスレッド(752、754)を備える。本実施例では、移動可能なスレッド(752、754)とも称され得るアクチュエータスレッド(752、754)は、アクチュエータスレッド(752、754)が上述のようにシャーシ(736)と接続するのと同じ方法で、シャーシ(736)と接続する。
図20に示されるように、アクチュエータスレッド(752、754)は、プラットフォーム(736)の上方に位置するか又は位置付けられる第1のアクチュエータスレッド(752、754)の組と、プラットフォーム(736)の下方に位置する又は位置付けられる第2のアクチュエータスレッド(752、754)の組と、を備える。アクチュエータスレッド(752、754)は各々、エンドエフェクタ(1012)により接触されるように構成されている一対のアーム(755a、755b)を備える。この接触は、アクチュエータスレッド(752、754)を横方向に駆動又は押すことにより、アーム(755a、755b)がバットレス組立体(712)と係合解除され、これによって、バットレス組立体(712)は、エンドエフェクタ(1012)のジョーに適用され得る。
【0115】
プラットフォーム(4130)のポケット機構(4100)を持つ、
図39及び
図40に示されるようなクランプシーケンスを参照すると、エンドエフェクタ(1012)が開放しているか、又はクランプされておらず、バットレスアプライヤカートリッジ(4116)のチャネル(4103)内に位置付けられているとき、エンドエフェクタ(1012)のジョー(1016)は、プラットフォーム(4130)に近くかつプラットフォーム(4130)に隣接して、かつプラットフォーム(4130)に対して実質的に平行な配向で位置付けられる。更に、ジョー(1016)の遠位端及びジョー(1016)の近位端の両方は、プラットフォーム(4130)から均等に又は実質的に均等に離間される。この配置を有する
図39に示されるように、ジョー(1016)は、ジョー(1016)に隣接して位置するアクチュエータスレッド(752、754)のアーム(755a、755b)と実質的に同時に接触するように位置付けられる。
【0116】
同時に、アンビル(1018)が位置する反対側では、位置付けられているが開放され、クランプされていない状態で、アンビル(1018)はプラットフォーム(4130)に対して角度を付けて位置付けられる。このようにして、アンビル(1018)の近位端は、プラットフォーム(4130)のより近くに位置付けられ、アンビル(1018)の遠位端は、プラットフォーム(4130)から遠くに位置付けられる。再び
図39に示されるように、この配置では、アンビル(1018)は、アンビル(1018)の近位端が、まず、アンビル(1018)に隣接して位置するアクチュエータスレッド(752、754)のアーム(755a、755b)と接触し、その後、アンビル(1018)の遠位端が、アンビル(1018)に隣接して位置するアクチュエータスレッド(752、754)のアーム(755a、755b)と接触するように位置付けられる。
【0117】
この構成では、
図39及び
図40のクランプシーケンスから示され、理解されるように、プラットフォーム(4130)上でエンドエフェクタ(1012)を位置付け及びクランプする間、アンビル(1018)に隣接したプラットフォーム(4130)の側面に沿って位置する第1のアクチュエータスレッド(752、754)の組の横方向移動は、ジョー(1016)に隣接するプラットフォーム(4130)の側面に沿って位置する第2のアクチュエータスレッド(752、754)の組の横方向移動とは異なる。例えば、本実施例では、クランプするエンドエフェクタ(1012)は、最初に、ジョー(1016)に隣接する第2のアクチュエータスレッド(752、754)の組によって保持されているバットレス組立体(712)を完全に解放し、その後、アンビル(1018)に隣接する第1のアクチュエータスレッド(752、754)の組によって保持されているバットレス組立体(712)を完全に解放することになる。上記の実施例は、クランプ時のエンドエフェクタ(1012)に対するそれらの位置に応じてアクチュエータスレッド(752、754)に対する異なる横方向の移動を例示及び説明する一方で、他の変形例では、バットレスアプライヤカートリッジ(4116)は、エンドエフェクタ(1012)に適用するためのアクチュエータスレッド(752、754)の横方向の移動及びバットレス組立体(712)の解放タイミングが他の方式で異なり得るか、又は実質的に同じであり得る、別の方法で構成されることができる。
【0118】
B.例示的な遠位側プラットフォーム穿孔スリット
ここで
図41を参照すると、上に示され、説明されたバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)と同様のバットレスアプライヤカートリッジ組立体(5110)の遠位部分が示されている。その範囲まで、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)に関する上記の教示は、以下に記載される以下の相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(5110)に等しく適用する。
【0119】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体(5110)は、ハウジング組立体(724)、シャーシ(736)、及びプラットフォーム(5130)を有するバットレスアプライヤカートリッジ(5116)を備える。本実施例では、ハウジング組立体(724)は、
図39及び
図40に示されるようにエンドエフェクタ(1012)などのエンドエフェクタを収容するように構成されているチャネル(5103)を画定する。プラットフォーム(5130)は、バットレスアプライヤカートリッジ(716、4116)に関して上述したのと同じ方法でバットレス組立体(712)を保持するように構成されている。本実施例では、プラットフォーム(5130)は、チャネル(5103)によって画定された空間又は領域がプラットフォーム(5130)によって包囲されるように、近位から遠位に延びる。
【0120】
バットレスアプライヤカートリッジ(5116)は、ポケット機構(5100)を更に含む。本実施例では、ポケット機構(5100)は、プラットフォーム(5130)がバットレス組立体(712)を支持する場所の遠位に位置する。ポケット機構(5100)はまた、バットレス組立体(712)がプラットフォーム(5130)上に支持される場所の間に、横断方向に位置付けられる。この位置付けにより、ポケット機構(5100)は、以下で更に説明するように、プラットフォーム(5130)上でエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている。
【0121】
本実施例では、ポケット機構(5100)は、プラットフォーム(5130)内に形成された穿穴スリット(5101)を含む。スリット(5101)は、エンドエフェクタ(1012)にクランプ力が加えられると、エンドエフェクタ(1012)又は別の同様のエンドエフェクタの湾曲した先端部(1014)がプラットフォーム(5130)を偏向させることを可能にするように構成されている。また、スリット(5101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)がポケット機構(5100)に対して押圧されるときに変形するように構成されている。
【0122】
スリット(5101)は、湾曲した先端部(1014)に対して大きいか、湾曲した先端部(1014)に対して小さいか、又は湾曲した先端部(1014)に対して大きさが等しいか若しくは実質的に等しいように構成することができる。いくつかの場合では、プラットフォーム(5130)は、例えば、湾曲した先端部(1014)がポケット機構(5100)に接触して押圧するときに、プラットフォーム(5130)によって画定されたスリット(5101)が拡張可能であるように、弾性材料を含む。本実施例では、穿穴スリット(5101)は、バットレスアプライヤカートリッジ(5116)の中心軸に沿って長手方向に延びる。しかしながら、いくつかの場合では、穿穴スリット(5101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状の輪郭に似た形状で構成され得る。このようにして、スリット(5101)及びエンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状は相補的である。追加として、ハウジング組立体(724)はまた、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)を補完して、それによって、湾曲した先端部(1014)をスリット(5101)に配置するか、又は案内する形状を有するチャネル(5103)の遠位部分(732)を備え得る。
【0123】
プラットフォーム(730)と同様に、プラットフォーム(5130)は、その近位部分と比較して、スリット(5101)の近位にあるその遠位部分で圧縮可能かつより厚いように構成されている。このようにして、プラットフォーム(5130)は、その遠位部分からその近位部分への先細を構成する。プラットフォーム(5130)のこの厚さプロファイル又は構成は、プラットフォーム(5130)上にクランプしてバットレス組立体(712)を取り上げたときに、エンドエフェクタのジョー偏向があればそれを補償する。本実施例におけるプラットフォーム(5130)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9073USNP1.0714572]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Proximal Alignment Features」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されているものなどの1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を含み得る。加えて、プラットフォーム(5130)は、代わりに又は追加的に、バットレス組立体がプラットフォーム(4130)上に保持された状態でエンドエフェクタの早期クランプ及び/又は接触を防止するための1つ又は2つ以上の機構を含み得る。このような機構の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されている。
【0124】
ポケット機構(5100)がプラットフォーム(5130)内に形成された状態で、ポケット機構(5100)は、低減された硬さを含むプラットフォーム(5130)の領域(5102)を画定又は提供する。領域(5102)は、ポケット機構(5100)が位置付けられる、プラットフォーム(5130)上及びその周囲に位置する。領域(5102)の硬さの低減は、プラットフォーム(5130)上にエンドエフェクタ(1012)をクランプするとき、領域(5102)が、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)によって接触されると、プラットフォーム(5130)の偏向及び/又は変形を促進する。
【0125】
上述したように、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(5110)は、本明細書に記載される相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)に関して上述した機構を含む。この範囲まで、バットレスアプライヤカートリッジ(4116)に関連する上記のアクチュエータスレッド(752、754)の説明は、ここではバットレスアプライヤカートリッジ(5116)に等しく適用する。
【0126】
C.例示的な遠位側プラットフォームT字型スリット
図42を参照すると、上に示され、説明されたバットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)と同様のバットレスアプライヤカートリッジ組立体(6110)が示されている。その範囲まで、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)に関する上記の教示は、以下に記載される以下の相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(6110)に等しく適用する。
【0127】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体(6110)は、ハウジング組立体(724)、シャーシ(736)、及びプラットフォーム(6130)を有するバットレスアプライヤカートリッジ(6116)を備える。本実施例では、ハウジング組立体(724)は、
図39及び
図40に示されるようにエンドエフェクタ(1012)などのエンドエフェクタを収容するように構成されているチャネル(6103)を画定する。プラットフォーム(6130)は、バットレスアプライヤカートリッジ(716)に関して上述したのと同じ方法でバットレス組立体(712)を保持するように構成されている。本実施例では、プラットフォーム(6130)は、チャネル(6103)によって画定された空間又は領域がプラットフォーム(6130)によって包囲されるように、近位から遠位に延びる。
【0128】
バットレスアプライヤカートリッジ(6116)は、ポケット機構(6100)を更に含む。本実施例では、ポケット機構(6100)は、プラットフォーム(6130)がバットレス組立体(712)を支持する場所の遠位に位置する。ポケット機構(6100)はまた、バットレス組立体(712)がプラットフォーム(6130)上に支持される場所の間に、横断方向に位置付けられる。この位置付けにより、ポケット機構(6100)は、以下で更に説明するように、プラットフォーム(6130)上でエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている。
【0129】
本実施例では、ポケット機構(6100)は、プラットフォーム(6130)内に形成されたスリット(6101)を含む。スリット(6101)は、本実施例ではT字型である。上記の開口部(701)と同様に、スリット(6101)は、エンドエフェクタ(1012)又は別の同様のエンドエフェクタの湾曲した先端部(1014)がプラットフォーム(6130)及び/又はシャーシ(736)を通過することを可能にするように構成されている。このようにして、湾曲した先端部(1014)は、組み合わされたシャーシ(736)及びプラットフォーム(6130)の一方の側から他方の側まで横断方向に延びる。また、スリット(6101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)がポケット機構(6100)を通過するときに変形するように構成されている。
【0130】
スリット(6101)は、湾曲した先端部(1014)に対して大きいか、湾曲した先端部(1014)に対して小さいか、又は湾曲した先端部(1014)に対して大きさが等しいか若しくは実質的に等しいように構成することができる。いくつかの場合では、プラットフォーム(6130)は、例えば、湾曲した先端部(1014)がポケット機構(6100)を通って延び、スリット(6101)の側面を押圧するときに、プラットフォーム(6130)によって画定されたスリット(6101)が拡張可能であるように、弾性材料を含む。また、いくつか場合では、スリット(6101)は、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状の輪郭に似た形状で構成され得る。このようにして、スリット(6101)及びエンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)の形状は相補的である。追加として、ハウジング組立体(724)はまた、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)を補完して、それによって、湾曲した先端部(1014)をスリット(6101)に配置するか、又は案内する形状を有するチャネル(6103)の遠位部分(732)を備え得る。
【0131】
プラットフォーム(730)と同様に、プラットフォーム(6130)は、その近位部分と比較して、スリット(6101)の近位にあるその遠位部分で圧縮可能かつより厚いように構成されている。このようにして、プラットフォーム(6130)は、その遠位部分からその近位部分への先細を構成する。プラットフォーム(6130)のこの厚さプロファイル又は構成は、プラットフォーム(6130)上にクランプしてバットレス組立体(712)を取り上げたときに、エンドエフェクタのジョー偏向があればそれを補償する。本実施例におけるプラットフォーム(6130)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9073USNP1.0714572]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Proximal Alignment Features」、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されているものなどの1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を含み得る。加えて、プラットフォーム(6130)は、代わりに又は追加的に、バットレス組立体がプラットフォーム(4130)上に保持された状態でエンドエフェクタの早期クランプ及び/又は接触を防止するための1つ又は2つ以上の機構を含み得る。このような機構の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、名称「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator with Opening Feature for Curved Tip Alignment」に記載されている。
【0132】
ポケット機構(6100)がプラットフォーム(6130)内に形成された状態で、ポケット機構(6100)は、低減された硬さを含むプラットフォーム(6130)の領域(6102)を画定又は提供する。領域(6102)は、ポケット機構(6100)が位置付けられる、プラットフォーム(6130)上及びその周囲に位置する。領域(6102)の硬さの低減は、プラットフォーム(6130)上にエンドエフェクタ(1012)をクランプするとき、領域(6102)が、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)によって接触されると、プラットフォーム(6130)の偏向及び/又は変形を促進する。
【0133】
更に
図42を参照すると、T字型スリット(6101)は、プラットフォーム(6130)の一対のフラップ(6104、6105)を画定する。更に、本実施例では、エンドエフェクタ(1012)をプラットフォーム(6130)にクランプするときに、エンドエフェクタ(1012)の湾曲した先端部(1014)によって接触されると、フラップ(6104、6105)がプラットフォーム(6130)の残りの部分から離れる方向に偏向するように構成されているように、スリット(6101)は連続的である。本実施例では、スリット(6101)の形状がT字型である場合、フラップ(6104、6105)はそれぞれ三角形状を構成する。
【0134】
上述したように、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(6110)は、本明細書に記載される相違点を除いて、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(710、4110)に関して上述した機構を含む。この範囲まで、バットレスアプライヤカートリッジ(4116)に関連する上記のアクチュエータスレッド(752、754)の説明は、ここではバットレスアプライヤカートリッジ(6116)に等しく適用する。
【0135】
D.例示的なプラットフォームプロファイル
図43は、それぞれのバットレスアプライヤカートリッジ(4116、5116、6116)と共に使用されるプラットフォーム(4130、5130、6130)の例示的な変形例を示す。具体的には、
図43は、バットレス組立体(712)が取り除かれた断面図を示し、プラットフォーム(4130、5130、6130)の横方向プロファイルを示す。この実施例では、プラットフォーム(4130、5130、6130)は、長手方向に延びる中心領域(3500)を画定する。中心領域(3500)は、プラットフォーム(4130)を参照して
図38に示されるように、プラットフォーム(4130、5130、6130)の中心領域(3500)に沿って長手方向に延びる中心軸(central axis、CA)を画定する。
図43に示されるように、プラットフォーム(4130、5130、6130)は、中心領域(3500)に隣接するプラットフォーム(4130、5130、6130)の厚さと比較して、中心領域(3500)の中心軸(CA)に沿ってより小さい厚さを備える。
【0136】
中心領域(3500)に加えて、プラットフォーム(4130、5130、6130)は、一対の長手方向に延びる外側領域(3501)を更に備える。
図43に示されるように、外側領域(3501)のうちの1つは、中心領域(3500)の各側に位置する。この構成では、図示された変形例に示されるように、プラットフォーム(4130、5130、6130)の厚さは、プラットフォーム(4130、5130、6130)が中心領域(3500)から外側領域(3501)まで横方向に延びるにつれて増加する。更に、この厚さの増加は漸進的であり、中心領域(3500)プラットフォーム(4130、5130、6130)から更に外向きに徐々に増加する厚さの漸進的増加を示しており、チャネル(4103、5103、6103)を画定するハウジング組立体(724)に少なくとも達するまで延びる。
【0137】
プラットフォーム(4130、5130、6130)の上記の横方向プロファイルを有して、プラットフォーム(4130、5130、6130)は、並進可能なナイフ又は発射ビームなどの切断部材の一部分を含み得るエンドエフェクタを収容するように構成され、エンドエフェクタは、エンドエフェクタがプラットフォーム(4130、5130、6130)上にクランプされてバットレス組立体(712)を取り上げたときに、切断部材がプラットフォーム(4130、5130、6130)の一部の上方に位置付けられるように、少なくともいくらかの量だけ遠位方向に延びる。本明細書の教示を考慮すると、湾曲した先端部を含む様々な先端構成を有するか、又は突出切断部材若しくは低い高さのカートリッジなどの様々な内部構造を有する様々なエンドエフェクタを収容するようにプラットフォーム(4130、5130、6130)を構成する他の方法が、当業者には明らかであろう。
【0138】
本明細書に記載される様々なバットレスアプライヤカートリッジは、本明細書に記載されるエンドエフェクタのいずれかと共に使用され得る。例として、限定するものではないが、湾曲した先端部を有するエンドエフェクタと協働する及び/又はそれに適応するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジの機構は、バットレスアプライヤカートリッジを、湾曲した先端部のための様々なスタイル及び構成を有するエンドエフェクタと共に使用されるのに好適なものとする。例えば、湾曲した先端部のための機構を有する本明細書に記載されるバットレスアプライヤカートリッジは、湾曲した先端部が徐々に湾曲する可能性がある場合、又は湾曲した先端部が、緩やかな曲線ではなくより角度が付いた又は屈曲した構成を有するように、湾曲した先端部がアンビルの軸に対して非整列又は角度が付いている可能性がある場合に、エンドエフェクタと共に使用できる。また、本明細書に記載される湾曲した先端部を有するエンドエフェクタを収容するための機構を有するバットレスアプライヤカートリッジは、湾曲した先端部部分がカートリッジの遠位端から離間しているか、又はカートリッジの遠位端と同じ又は類似の点で終端するエンドエフェクタと共に使用されるか、又は使用されるように構成され得る。また、本明細書に記載される湾曲した先端部を有するエンドエフェクタを収容するための機構を有するバットレスアプライヤカートリッジは、非外傷性先端部、切開先端部、可視化先端部、配置先端部、偏向可能若しくは変形可能な先端部、及びこれらの組み合わせなどの異なる使用又は用途のために構成されている湾曲した先端部を有するエンドエフェクタと共に使用されることができるか、又はそれと共に使用されるように構成することができる。本明細書の教示を考慮すると、本明細書に記載されるエンドエフェクタと共に働くように本明細書に記載されるバットレスアプライヤカートリッジを構成する他の方法が、当業者には明らかとなるであろう。
【0139】
VIII.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の否定要素を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられる。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして見なされるべきではない。
【実施例1】
【0140】
バットレスアプライヤカートリッジは、1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジは、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されている。エンドエフェクタの第1のジョーは、アンビルを備え、エンドエフェクタの第2のジョーは、ステープルカートリッジを備える。このバットレスアプライヤカートリッジは、(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体を備える。ハウジング組立体は、長手方向に延び、かつエンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する。バットレスアプライヤカートリッジは、(b)ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームを更に備える。プラットフォームは、チャネルによって画定された領域内で長手方向に延びる。プラットフォームは、その上の1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジは、(c)プラットフォーム内に形成されたポケットを更に備える。ポケットは、プラットフォームが1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所の遠位に位置する。ポケットは、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている。
【実施例2】
【0141】
ポケットが、エンドエフェクタの湾曲した先端部がポケットを通過するときに変形するように構成されている、プラットフォーム内のスリットを含む、実施例1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例3】
【0142】
ポケットが、穿孔スリットを含む、実施例1~実施例2のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例4】
【0143】
穿孔スリットが、低減された硬さを備えるプラットフォームの領域を提供し、これによって、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするとき、領域がエンドエフェクタの湾曲した先端部によって接触されると偏向する、実施例3に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例5】
【0144】
ポケットが、U字型スリットを含む、実施例1~実施例2のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例6】
【0145】
U字型スリットが、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されているフラップを画定する、実施例5に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例7】
【0146】
ポケットが、T字型スリットを含む、実施例1~実施例2のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例8】
【0147】
T字型スリットが、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするとき、エンドエフェクタの湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されている一対の三角形状のフラップを画定する、実施例7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例9】
【0148】
ポケットが、1つ又は2つ以上のバットレス組立体がプラットフォームによって支持可能である場所の間に、プラットフォームに沿って横断方向に位置付けられている、実施例1~実施例8のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例10】
【0149】
ポケットが、1つ又は2つ以上のバットレス組立体がプラットフォームによって支持可能である場所に対して、長手方向遠位に位置付けられている、実施例1~実施例9のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例11】
【0150】
エンドエフェクタの湾曲した先端部が、切開先端部である、実施例1~実施例10のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例12】
【0151】
移動可能なスレッドを更に備え、スレッドは、各々が、エンドエフェクタにより接触されて、移動可能なスレッドをプラットフォームに対して横方向に駆動して、エンドエフェクタに適用するために1つ又は2つ以上のバットレス組立体を解放するように構成されている、一対のアームを備える、実施例1~実施例11のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例13】
【0152】
移動可能なスレッドが、プラットフォームの上方に位置付けられた第1の移動可能なスレッドの組を含み、移動可能なスレッドが、プラットフォームの下方に位置付けられた第2の移動可能なスレッドの組を含み、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするときに、第1の移動可能なスレッドの組の横方向移動が、第2の移動可能なスレッドの組の横方向移動とは異なる、実施例12に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例14】
【0153】
プラットフォームが、中心軸を画定する長手方向に延びる中心領域を含み、プラットフォームが、中心軸に沿ってより小さい厚さを備える、実施例1~実施例13のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例15】
【0154】
プラットフォームが、一対の長手方向に延びる外側領域を更に含み、一対の外側領域のうちの1つが、中心領域の各側に位置し、プラットフォームの厚さが、プラットフォームが中心領域から外側領域まで横方向に延びるにつれて漸進的に増加する、実施例14に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例16】
【0155】
プラットフォームが圧縮可能である、実施例1~実施例15のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例17】
【0156】
バットレスアプライヤカートリッジは、1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジは、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されている。エンドエフェクタの第1のジョーはアンビルを備え、エンドエフェクタの第2のジョーはステープルカートリッジを備える。バットレスアプライヤカートリッジは、(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体を備える。ハウジング組立体は、長手方向に延び、かつエンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する。バットレスアプライヤカートリッジは、(b)ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームを更に備える。プラットフォームは、チャネルによって画定された領域内で長手方向に延びる。プラットフォームは、その上の1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている。プラットフォームは、中心軸を画定する長手方向に延びる中心領域と、一対の長手方向に延びる外側領域と、を含み、一対の外側領域のうちの1つは、中心領域の各側に位置する。プラットフォームは、一対の外側領域に沿った厚さに対して、中心軸に沿ってより小さい厚さを備える。
【実施例18】
【0157】
プラットフォームの厚さが、プラットフォームが中心領域から外側領域まで横方向に延びるにつれて、漸進的に増加する、実施例17に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例19】
【0158】
プラットフォーム内に形成されたポケットを更に備え、ポケットが、プラットフォームが1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所に対して遠位に位置し、ポケットが、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプするときに、エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている、実施例17~実施例18のいずれか1つ又は2つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【実施例20】
【0159】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体は、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されるように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジ組立体は、(a)各々がバットレス及び接着剤を備える一対のバットレス組立体であって、バットレスアプライヤカートリッジ組立体にエンドエフェクタをクランプするとき、一対のバットレス組立体の第1のバットレス組立体が、エンドエフェクタの第1のジョーに選択的に接着されるように構成されており、一対のバットレス組立体の第2のバットレス組立体が、エンドエフェクタの第2のジョーに選択的に接着されるように構成されている、一対のバットレス組立体を備える。バットレスアプライヤカートリッジ組立体は、(b)バットレス組立体をエンドエフェクタに適用するためにバットレス組立体を選択的に保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジを更に備える。バットレスアプライヤカートリッジは、(i)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体を備える。ハウジング組立体は、長手方向に延び、かつエンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する。バットレスアプライヤカートリッジは、(ii)ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームを更に備える。プラットフォームは、チャネルによって画定された領域内で長手方向に延びる。プラットフォームは、その上の一対のバットレス組立体を支持するように構成されている。バットレスアプライヤカートリッジは、(iii)プラットフォーム内に形成されたポケットを更に備え、ポケットは、一対のバットレス組立体の遠位に位置する。ポケットは、プラットフォーム上にエンドエフェクタをクランプして、エンドエフェクタの湾曲した先端部を収容するときに、ポケットが湾曲した先端部を受け入れるように構成されており、これによって、エンドエフェクタが、プラットフォーム上にクランプして、一対のバットレス組立体を受け入れる。
【0160】
IX.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0161】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月18日発行の「Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第D836,198号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許第D836,198号の教示と組み合わされ得る種々の好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0162】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月6日発行の「Circular Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第D833,010号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許第D833,010号の教示と組み合わされ得る種々の好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0163】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日公開の「Surgical Stapler with Insertable Distal Anvil Tip」と題する米国特許出願公開第2018/0235610号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願公開第2018/0235610号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0164】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日公開の「Surgical Stapler with Cooperating Distal Tip Features on Anvil and Staple Cartridge」と題する米国特許出願公開第2018/0235611号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願公開第2018/0235611号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0165】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月18日発行の「Surgical Stapler with Bent Anvil Tip and Angled Staple Cartridge Tip」と題する米国特許出願第D836,199号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許第D836,199号の教示と組み合わされ得る種々の好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0166】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日公開の「Surgical Stapler with Bent Anvil Tip,Angled Staple Cartridge Tip,and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願公開第2018/0235619号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願公開第2018/0235619号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0167】
本明細書の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年7月16日出願の「Method of Surgical Stapling with End Effectors Having a Curved Tip」と題する米国特許出願第16/035,893号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることも理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第16/035,893号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法は、当業者には明らかであろう。
【0168】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0169】
上記のデバイスの変形例は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示が、以下のうちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わされ得ることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年10月6日発行の「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題する米国特許第5,817,084号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年3月2日発行の「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題する米国特許第5,878,193号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日発行の「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題する米国特許第6,231,565号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年4月2日発行の「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題する米国特許第6,364,888号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月28日発行の「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題する米国特許第7,524,320号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月6日発行の「Platform Link Wrist Mechanism」と題する米国特許第7,691,098号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年10月5日発行の「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題する米国特許第7,806,891号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月30日発行の「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題する米国特許第8,844,789号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月2日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Force-Feedback Capabilities」と題する米国特許第8,820,605号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月31日発行の「Shiftable Drive Interface for Robotically-Controlled Surgical Tool」と題する米国特許第8,616,431号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Surgical Stapling Instruments with Cam-Driven Staple Deployment Arrangements」と題する米国特許第8,573,461号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月10日発行の「Robotically-Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題する米国特許第8,602,288号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月5日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題する米国特許第9,301,759号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月22日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題する米国特許第8,783,541号、2013年7月9日発行の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する米国特許第8,479,969号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月12日発行の「Robotically Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題する米国特許第8,800,838号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する、米国特許第8,573,465号。
【0170】
上述のデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形例は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0171】
単に一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0172】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、説明したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0173】
〔実施の態様〕
(1) 1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、前記エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されており、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーが、アンビルを備え、前記エンドエフェクタの前記第2のジョーが、ステープルカートリッジを備え、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(b)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(c)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記プラットフォームが前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所の遠位に位置し、前記ポケットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている、ポケットと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
(2) 前記ポケットが、前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部が前記ポケットを通過するときに変形するように構成されている、前記プラットフォーム内のスリットを含む、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(3) 前記ポケットが、穿孔スリットを含む、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(4) 前記穿孔スリットが、低減された硬さを備える前記プラットフォームの領域を提供し、これによって、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記領域が前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向する、実施態様3に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(5) 前記ポケットが、U字型スリットを含む、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0174】
(6) 前記U字型スリットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されているフラップを画定する、実施態様5に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(7) 前記ポケットが、T字型スリットを含む、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(8) 前記T字型スリットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部によって接触されると偏向するように構成されている一対の三角形状のフラップを画定する、実施態様7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(9) 前記ポケットが、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体が前記プラットフォームによって支持可能である場所の間に、前記プラットフォームに沿って横断方向に位置付けられている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(10) 前記ポケットが、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体が前記プラットフォームによって支持可能である場所に対して、長手方向遠位に位置付けられている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0175】
(11) 前記エンドエフェクタの前記湾曲した先端部が、切開先端部である、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(12) 移動可能なスレッドを更に備え、前記スレッドは、各々が、前記エンドエフェクタにより接触されて、前記移動可能なスレッドを前記プラットフォームに対して横方向に駆動して、前記エンドエフェクタに適用するために前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を解放するように構成されている、一対のアームを備える、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(13) 前記移動可能なスレッドが、前記プラットフォームの上方に位置付けられた第1の移動可能なスレッドの組を含み、前記移動可能なスレッドが、前記プラットフォームの下方に位置付けられた第2の移動可能なスレッドの組を含み、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記第1の移動可能なスレッドの組の横方向移動が、前記第2の移動可能なスレッドの組の横方向移動とは異なる、実施態様12に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(14) 前記プラットフォームが、中心軸を画定する長手方向に延びる中心領域を含み、前記プラットフォームが、前記中心軸に沿ってより小さい厚さを備える、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(15) 前記プラットフォームが、一対の長手方向に延びる外側領域を更に含み、前記一対の外側領域のうちの1つが、前記中心領域の各側に位置し、前記プラットフォームの前記厚さが、前記プラットフォームが前記中心領域から前記外側領域まで横方向に延びるにつれて漸進的に増加する、実施態様14に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0176】
(16) 前記プラットフォームが圧縮可能である、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(17) 1つ又は2つ以上のバットレス組立体を保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されて、前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を、前記エンドエフェクタの第1のジョー及び第2のジョーのうちの選択された1つ又は2つ以上に適用するように更に構成されており、前記エンドエフェクタの前記第1のジョーが、アンビルを備え、前記エンドエフェクタの前記第2のジョーが、ステープルカートリッジを備え、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(b)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されており、前記プラットフォームが、中心軸を画定する長手方向に延びる中心領域と、一対の長手方向に延びる外側領域と、を含み、前記一対の外側領域のうちの1つが、前記中心領域の各側に位置し、前記プラットフォームが、前記一対の外側領域に沿った厚さに対して、前記中心軸に沿ってより小さい厚さを備える、プラットフォームと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
(18) 前記プラットフォームの前記厚さが、前記プラットフォームが前記中心領域から前記外側領域まで横方向に延びるにつれて、漸進的に増加する、実施態様17に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(19) 前記プラットフォーム内に形成されたポケットを更に備え、前記ポケットが、前記プラットフォームが前記1つ又は2つ以上のバットレス組立体を支持するように構成されている場所に対して遠位に位置し、前記ポケットが、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプするときに、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を受け入れるように構成されている、実施態様17に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(20) 外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用されるように構成されているバットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)各々がバットレス及び接着剤を備える一対のバットレス組立体であって、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体に前記エンドエフェクタをクランプするとき、前記一対のバットレス組立体の第1のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第1のジョーに選択的に接着されるように構成されており、前記一対のバットレス組立体の第2のバットレス組立体が、前記エンドエフェクタの第2のジョーに選択的に接着されるように構成されている、一対のバットレス組立体と、
(b)前記バットレス組立体を前記エンドエフェクタに適用するために前記バットレス組立体を選択的に保持するように構成されているバットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)近位端及び遠位端を有するハウジング組立体であって、長手方向に延び、かつ前記エンドエフェクタを受け入れるように構成されているチャネルを画定する、ハウジング組立体と、
(ii)前記ハウジング組立体と直接的又は間接的に接続可能なプラットフォームであって、前記チャネルによって画定された領域内で長手方向に延び、前記プラットフォームが、その上の前記一対のバットレス組立体を支持するように構成されている、プラットフォームと、
(iii)前記プラットフォーム内に形成されたポケットであって、前記一対のバットレス組立体の遠位に位置し、前記プラットフォーム上に前記エンドエフェクタをクランプして、前記エンドエフェクタの湾曲した先端部を収容するときに、前記ポケットが前記湾曲した先端を受け入れるように構成されており、これによって、前記エンドエフェクタが、前記プラットフォーム上にクランプして、前記一対のバットレス組立体を受け入れる、ポケットと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。