(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】倉庫管理システム及び貯蔵容器の輸送制御方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022082720
(22)【出願日】2022-05-20
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517008917
【氏名又は名称】全家便利商店股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】金稟寰
(72)【発明者】
【氏名】ランユーチェン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-514203(JP,A)
【文献】米国特許第09864911(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗空間の上方に設けられ、複数の貯蔵容器を保管するための貯蔵棚と、
前記貯蔵棚に接続され、初期位置と前記貯蔵棚との間で前記貯蔵容器のうちの1つを輸送するための昇降台を含む昇降装置と、
前記昇降装置内に設けられ、前記貯蔵容器のうちの1つの内部空間を撮影して画像データを生成するための撮影装置と、
前記昇降台及び前記撮影装置に通信可能に接続され、プロセッサ及びメモリ装置を含むサーバと、
を備え、
前記撮影装置は、前記画像データを前記サーバに伝送し、前記プロセッサは、前記画像データに基づいて前記内部空間の残容量を判定するとともに、前記残容量に基づいて前記貯蔵容器の前記残容量を記録する容量データを作成して前記メモリ装置に記憶し、前記撮影装置は、複数の前記貯蔵容器の各々の内部空間を一つずつ撮影して、
前記プロセッサは、前記貯蔵容器の各々の残容量を記録する容量データを作成する倉庫管理システム。
【請求項2】
前記昇降台に接続されて前記サーバに通信可能に接続され、前記昇降台に載置される前記貯蔵容器のうちの1つの重量を測定するための秤量装置を更に含み、
前記秤量装置は、前記重量を前記サーバに伝送し、前記プロセッサは、前記重量に基づいて前記貯蔵容器の前記重量を記録する重量データを作成して前記メモリ装置に記憶し、前記秤量装置は、複数の前記貯蔵容器の各々の重量を一つずつ測定して、
前記プロセッサは、前記貯蔵容器の各々の前記重量を記録する重量データを作成する請求項1に記載の倉庫管理システム。
【請求項3】
前記サーバに通信可能に接続され、貨物にあるバーコード又は画像を走査して消費者のパーソナルデータを含む貨物データを生成するための走査装置を更に備え、
前記走査装置は、前記貨物データを前記サーバに伝送し、前記プロセッサは、前記貨物データに基づいて前記メモリ装置における、前記消費者と前記貨物を貯蔵する前記貯蔵容器のうちの1つとの間の対応関係を記録するバインディングデータを作成する請求項2に記載の倉庫管理システム。
【請求項4】
前記サーバに通信可能に接続され、前記貯蔵棚で移動して前記貯蔵容器を搬送するための搬送装置を更に含み、
前記昇降装置は、前記サーバに通信可能に接続される制御インタフェースを更に含み、前記制御インタフェースは、バスケット交換コマンドを受信した場合、バスケット交換信号を前記サーバに伝送し、前記サーバは、前記昇降台が前記貯蔵容器のうちの第1の貯蔵容器を前記初期位置から前記貯蔵棚に持ち上げるように、上昇信号を前記昇降台に伝送し、且つ前記搬送装置が前記第1の貯蔵容器を前記第1の貯蔵容器に対応する第1の貯蔵コンパートメントに搬送するように、更に保管信号を前記搬送装置に伝送する請求項3に記載の倉庫管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、更に、前記搬送装置が第2の貯蔵コンパートメントに保管された第2の貯蔵容器を前記昇降装置に搬送するように、バスケット取り信号を前記搬送装置に伝送するために用いられ、且つ前記昇降台が前記第2の貯蔵容器を下へ前記初期位置に輸送するように、更に下降信号を前記昇降台に伝送し、
前記バスケット取り信号は、前記サーバの前記プロセッサが前記メモリ装置における前記容量データ、前記重量データ及び/又は前記バインディングデータに基づいて生成されたものである請求項4に記載の倉庫管理システム。
【請求項6】
複数の貯蔵容器の各々の内部空間を一つずつ撮影して、前記内部空間の残容量を判定するとともに、前記残容量に基づいて前記貯蔵容器の各々の前記残容量を記録する容量データを作成するステップと、前記貯蔵容器の各々の重量を一つずつ測定するとともに、前記重量に基づいて前記貯蔵容器の各々の前記重量を記録する重量データを作成するステップと、を含むメンテナンスステップと、
前記貯蔵容器のうちの第1の貯蔵容器を貯蔵棚から初期位置に輸送するステップと、
第1の貨物にあるバーコード又は画像を走査して第1の消費者のパーソナルデータを含む第1の貨物データを生成するとともに、前記第1の貨物データに基づいて前記第1の消費者と前記初期位置に輸送された前記第1の貯蔵容器との間の対応関係を記録するバインディングデータを作成するステップと、
前記第1の貯蔵容器を前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送した後、前記第1の貨物が貯蔵されている前記第1の貯蔵容器の内部空間を撮影して、前記第1の貯蔵容器の残容量を記録する容量データを作成するステップと、
前記第1の貯蔵容器を前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送した後、前記第1の貨物が貯蔵されている前記第1の貯蔵容器の重量を測定して、前記第1の貯蔵容器の前記重量を記録する重量データを作成するステップと、
前記第1の貯蔵容器の前記内部空間を撮影して前記第1の貯蔵容器の前記重量を測定した後、前記第1の貯蔵容器を前記初期位置から前記貯蔵棚に輸送するステップと、
を備える貯蔵容器の輸送制御方法。
【請求項7】
第2の貨物にあるバーコード又は画像を走査して第2の消費者のパーソナルデータを含む第2の貨物データを生成するステップと、
前記貯蔵容器から第2の貯蔵容器を選択するステップと、
前記貯蔵容器から前記第2の貯蔵容器を選択した後、前記第2の貯蔵容器を前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送するステップと、を更に備え、
前記貯蔵容器から前記第2の貯蔵容器を選択するステップは、
前記バインディングデータ及び前記第2の貨物データに基づいて前記第2の消費者の貨物が貯蔵されている前記貯蔵容器を前記第2の貯蔵容器として選択するステップ、又は、
前記容量データに基づいて前記貯蔵容器のうち最も大きな残容量を有する前記貯蔵容器を前記第2の貯蔵容器として選択するステップ、又は、
前記重量データに基づいて前記貯蔵容器のうち最も小さな重量を有する前記貯蔵容器を前記第2の貯蔵容器として選択するステップという3つのステップのうちの1つを含む請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
受取人のパーソナルデータを含む受取人データ及び前記バインディングデータに基づいて、前記貯蔵容器のうち受取人の貨物が保管されている前記貯蔵容器を認識するステップと、
前記貯蔵容器のうち前記受取人の貨物が保管されている前記貯蔵容器を認識した後、前記受取人の貨物が保管されている前記貯蔵容器を前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送するステップと、
を更に備える請求項6に記載の制御方法。
【請求項9】
2つ以上の前記貯蔵容器に前記受取人の貨物が保管されていると認識した場合、前記受取人の貨物が保管されている前記貯蔵容器を順に前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送するステップを更に含む請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記第1の貨物データは、入荷日を更に含み、前記制御方法は、
前記入荷日から現在の日付までの日数を判定するとともに、前記日数と返品可能日数の閾値とを比較するステップと、
前記日数と前記返品可能日数の閾値とを比較した後、比較結果として前記日数が前記返品可能日数の閾値以上である場合、前記第1の貨物が貯蔵されている前記第1の貯蔵容器を前記貯蔵棚から前記初期位置に輸送するステップと、を更に含む請求項6、7、8又は9に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、倉庫管理システムに関し、特に貯蔵容器を輸送するための倉庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の飛躍的な発展に伴って、消費者は、オンラインショッピングが一般的になっており、このように貨物の一時貯蔵を担当する店舗に倉庫管理上の問題をもたらしている。多くの店舗では、オンラインショッピングによる貨物は、フロアや棚に積み重ねられることが見られ、消費者が店舗に行って貨物を受け取る時、店員は、消費者の貨物を探し出すために多くの時間を費やす必要もあり、店舗と消費者の両方にとっても便利ではない。
【発明の概要】
【0003】
本願の一実施例は、店舗空間の上方に設けられ、複数の貯蔵容器を保管するための貯蔵棚と、貯蔵棚に接続され、初期位置と貯蔵棚との間で貯蔵容器を輸送するための昇降台を含む昇降装置と、昇降装置内に設けられ、貯蔵容器の内部空間を撮影して画像データを生成するための撮影装置と、昇降台及び撮影装置に通信可能に接続され、プロセッサ及びメモリ装置を含むサーバと、を備え、撮影装置は、画像データをサーバに伝送し、プロセッサは、画像データに基づいて内部空間の残容量を判定するとともに、残容量に基づいて貯蔵容器の残容量を記録する容量データを作成してメモリ装置に記憶する倉庫管理システムを提供する。
【0004】
本願の別の実施例は、複数の貯蔵容器の各々の内部空間を一つずつ撮影して、内部空間の残容量を判定するとともに、残容量に基づいて貯蔵容器の各々の残容量を記録する容量データを作成するステップと、貯蔵容器の各々の重量を一つずつ測定するとともに、重量に基づいて貯蔵容器の各々の重量を記録する重量データを作成するステップと、を含むメンテナンスステップと、貯蔵容器のうちの第1の貯蔵容器を貯蔵棚から初期位置に輸送するステップと、第1の貨物にあるバーコード又は画像を走査して第1の消費者のパーソナルデータを含む第1の貨物データを生成するとともに、第1の貨物データに基づいて第1の消費者と初期位置に輸送された第1の貯蔵容器との間の対応関係を記録するバインディングデータを作成するステップと、第1の貯蔵容器を貯蔵棚から初期位置に輸送した後、第1の貨物が貯蔵されている第1の貯蔵容器の内部空間を撮影して、第1の貯蔵容器の残容量を記録する容量データを作成するステップと、第1の貯蔵容器を貯蔵棚から初期位置に輸送した後、第1の貨物が貯蔵されている第1の貯蔵容器の重量を測定して、第1の貯蔵容器の重量を記録する重量データを作成するステップと、第1の貯蔵容器の内部空間を撮影して第1の貯蔵容器の重量を測定した後、第1の貯蔵容器を初期位置から貯蔵棚に輸送するステップと、を備える貯蔵容器の輸送制御方法を提供する。
【0005】
倉庫管理システム及び貯蔵容器の輸送制御方法は、昇降装置によって貨物を貯蔵棚に貯蔵するとともに、撮影装置、秤量装置及び走査装置によって貨物の貯蔵をより良く管理し、更に貯蔵容器の容量を適切に利用し、貯蔵容器の重量が大き過ぎることを回避し、消費者が後で貨物を受け取る時の効率を向上させ、消費者が貨物を受け取る時と店員が返品する時の効率も改善される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の上記と他の目的、特徴、メリット及び実施例をより明らかで分かりやすくするために添付される図面についての説明は、以下の通りである。
【
図1】本願のいくつかの実施例による倉庫管理システムの概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例による倉庫管理システムの概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例による倉庫管理システムの局所的概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例による倉庫管理システムの各素子間で信号を伝送する概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法のフローチャートである。
【
図6】本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法のフローチャートである。
【
図7】本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法のフローチャートである。
【
図8】本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施例を挙げて図面に合わせて詳細に説明するが、提供される実施例は、本開示の網羅する範囲を制限するためのものではなく、構造動作についての記述は、その実行順序を制限するためのものではなく、素子を改めて組み合わせた構造や、均等な効果を有する装置のいずれも、本開示の網羅する範囲にある。なお、図面は、単に説明のためのものであり、原寸通りに描かれていない。理解しやすくするために、後述する説明において、同じ又は類似する素子に対して同一の符号を付けて説明する。
【0008】
明細書全体及び特許請求の範囲に用いられる用語(terms)は、特に明記されていない限り、通常、各用語がこの分野、ここで開示されている内容で使用される一般的な意味を有する。
【0009】
本文に使用される「包含する」、「含む」、「有する」及び類似する用語は、記載された特徴、領域、整数、ステップ、操作、素子及び/又はコンポーネントを示すために用いられるが、記載された又は追加の1つ又は複数の特徴、領域、整数、ステップ、操作、素子、コンポーネント及び/又はそれらの組み合わせを排除するものではない。また、本文において、以下で使用される「及び/又は」という用語は、列挙された関連項目の1つ又は複数の任意の組み合わせを含む。
【0010】
本文において、1つの素子が別の素子に「接続される」又は「電気的に接続される」と記述された場合、当該1つの素子は、当該別の素子に直接接続されるか又は直接電気的に接続されてもよく、当該2つの素子の間に追加の素子が存在し、当該1つの素子が別の素子に間接接続されるか又は電気的に間接接続されてもよい。本文に使用される「第1の」、「第2の」…などの用語は、異なる素子を記述するが、この用語は、単に同じ技術用語で記述される素子又は操作を区別するためのものに過ぎない。
【0011】
本願の一実施例は、倉庫管理システムを提供する。
図1を参照されたく、
図1は、本願のいくつかの実施例による倉庫管理システム100の概略図である。
図1に示すように、倉庫管理システム100は、フロアFLR、天井CEL及び店舗空間STOを含む店舗に配置されている。店舗空間STOは、フロアFLRと天井CELとの間にあり、店舗における店員及び消費者の主要な活動エリアである。店舗空間STOにカウンタCOUが設けられており、カウンタCOUは、店員が店舗で消費者にサービスを提供するエリアであり、いくつかの実施例において、販売時点情報管理装置110及び走査装置112は、カウンタCOUに設けられる。いくつかの実施例において、販売時点情報管理装置110は、販売時点情報管理システム(point of sales,POS)又はキャッシュレジスタとして用いられるコンピュータホストであり、走査装置112は、例えば受取人の名前及び連絡先電話番号の下3桁、入荷日などの貨物関連情報を把握するように、貨物(例えば、
図1における貨物A1、A2)にあるバーコード又は画像を走査するために用いられる。いくつかの実施例において、走査装置112は、販売時点情報管理装置110に接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、倉庫管理システム100は、主に昇降装置120と、昇降装置120に接続される貯蔵棚130と、を含む。昇降装置120は、店舗空間STOに設けられ、フロアFLRから上へ延伸して貯蔵棚130に接続される。貯蔵棚130は、店舗空間STOの上方に設けられ、天井CELに近い。いくつかの実施例において、
図1に示すように、貯蔵棚130は、フロアFLRに垂直な柱PILによって支持されるため、大きな重量に耐えることができる。
図1の柱PILの数は、例示的なものに過ぎず、本願の実施例を制限することを意図するものではなく、異なる実施例において、倉庫管理システム100は、2本以上の柱PILによって貯蔵棚130を支持する。異なる実施例において、貯蔵棚130は、柱PILによって支持されず、天井CELに直接接続されることで、店舗空間STOの上方に固定される。倉庫管理システム100は、貨物が店舗空間STOに積み重ねられることを回避するために、昇降装置120によって貨物を上へ輸送し、更に貨物を貯蔵棚130に貯蔵する。
【0013】
いくつかの実施例において、貯蔵棚130は、店舗空間STOの上方に設けられ、貯蔵棚130には、複数の貯蔵コンパートメント132が設けられている。貯蔵コンパートメント132は、貯蔵容器140を保管するために用いられ、貯蔵コンパートメント132と貯蔵容器140との間は対応関係を有する。いくつかの実施例において、1つの貯蔵コンパートメント132は、1つの貯蔵容器140に対応して1つの貯蔵容器140のみを保管するために用いられる。異なる実施例において、1つの貯蔵コンパートメント132は、複数の貯蔵容器140に対応して複数の貯蔵容器140を保管するために用いられる。
【0014】
いくつかの実施例において、昇降装置120は、貯蔵容器140を載置するとともに、初期位置と貯蔵棚130との間で貯蔵容器140を搬送するための昇降台122を含む。貯蔵容器140は、貨物(例えば、貨物A1、A2)を貯蔵するために用いられる。いくつかの実施例において、貯蔵容器140は、蓋を含み、店員が複数の貨物を貯蔵容器140に入れた後、貯蔵容器140が後で貯蔵棚130の貯蔵コンパートメント132に保管可能であることを確保するために、蓋を閉めることができるか否かを確認することができる。
図1及び
図2を合わせて参照されたく、
図2は、本願のいくつかの実施例による倉庫管理システム100の概略図である。
図1は、昇降台122がまだ動作し始めていない場合を図示し、
図2は、昇降台122が動作した後に貯蔵容器140を貯蔵棚130に持ち上げる場合を図示する。
図1において、昇降台122は、より低い初期位置にあり、店員が貨物を貯蔵容器140に入れやすい。
図2において、昇降台122は、より高い位置にあり、貯蔵棚130の高さと揃えられており、後で貯蔵容器140を貯蔵コンパートメント132に保管しやすくなる。
【0015】
図1を再び参照されたく、いくつかの実施例において、倉庫管理システム100は、昇降台122に接続され、貨物が貯蔵容器140に入れられた時に貯蔵容器140の重量を一つずつ測定するための秤量装置124を含む。いくつかの実施例において、倉庫管理システム100は、撮影装置126を含み、
図1に示すように、撮影装置126は、昇降装置120に設けられ、貨物が貯蔵容器140に入れられた時に貯蔵容器140の内部空間を一つずつ撮影するために用いられる。いくつかの実施例において、倉庫管理システム100は、貯蔵容器140を貯蔵棚130に持ち上げて保管するように店員により昇降台122を制御するための制御インタフェース128を含む。以下、貯蔵棚130及び昇降装置120の各素子及びその動作を詳細に説明する。
【0016】
いくつかの実施例において、倉庫管理システム100は、貯蔵棚130で移動して貯蔵容器140を搬送するための搬送装置134を含み、昇降台122が貯蔵容器140を貯蔵棚130に持ち上げた場合(即ち、
図2に示す場合)、搬送装置134によって貯蔵容器140を特定の貯蔵コンパートメント132に搬送して保管する。いくつかの実施例において、搬送装置134は、更に、昇降台122が貯蔵容器140を下へ輸送しやすくするために、貯蔵コンパートメント132に保管された貯蔵容器140を貯蔵コンパートメント132から昇降台122に搬送するために用いられる。いくつかの実施例において、
図1及び
図2に示すように、搬送装置134は、フレーム136に設けられてフレーム136で移動することができる。いくつかの実施例において、フレーム136は、貯蔵棚130に接続されて設けられ、搬送装置134が貯蔵棚130の上方で移動するために用いられる。いくつかの実施例において、フレーム136は、搬送装置134が昇降台122の上方及び異なる貯蔵コンパートメント132間で移動するレールとして用いられる。いくつかの実施例において、フレーム136は、貯蔵棚130に接続されずに、天井CELに直接固定される。
【0017】
図3を参照されたく、
図3は、本願のいくつかの実施例による倉庫管理システム100の局所的概略図である。
図1及び
図2の貯蔵コンパートメント132が如何に貯蔵棚130に設けられるかを説明し、且つ搬送装置134が如何に
図1及び
図2における貯蔵容器140を搬送するかを説明するために、
図3は、主に貯蔵棚130にある素子を図示する。図面を明瞭にするために、
図3は、倉庫管理システム100における複数の素子を省略し、例えば、搬送装置134の移動レールであるフレーム136を省略する。いくつかの実施例において、フレーム136は、長方形レールを有し、昇降台122の上方及び各貯蔵コンパートメント132の前方を通過し、例えば、長方形レールの隅部は、昇降台122の上方に位置し、長方形レールの一方の長辺は、
図3における貯蔵コンパートメント132a、132b、132cに対応し、長方形レールの他方の長辺は、
図3の貯蔵コンパートメント132d、132e、132fに対応する。以上の実施例は、本願のフレーム136を制限することを意図するものではなく、異なる実施例におけるフレーム136は、搬送装置134が昇降台122と貯蔵コンパートメント132との間で貯蔵容器140を搬送できるように異なる構造を有してよい。
【0018】
図3において、貯蔵コンパートメント132a、132b、132c、132d、132e、132fは、
図1及び
図2における貯蔵コンパートメント132と同じ貯蔵コンパートメントであり、貯蔵容器140a、140b、140c、140d、140e、140fは、
図1及び
図2における貯蔵容器140と同じ貯蔵容器である。昇降台122が
図2に示すように貯蔵容器140を貯蔵棚130に持ち上げた後、搬送装置134は、貯蔵容器140を対応する貯蔵コンパートメント132に挟み取って保管する。
図3において、搬送装置134は、昇降台122によって貯蔵棚130に持ち上げられた貯蔵容器140aを挟み取り、貯蔵容器140aを対応する貯蔵コンパートメント132aに搬送する準備をする。更に、
図3に示す実施例において、貯蔵容器140aは、貯蔵コンパートメント132aに対応し、貯蔵容器140bは、貯蔵コンパートメント132bに対応し、貯蔵容器140cは、貯蔵コンパートメント132cに対応し、貯蔵容器140dは、貯蔵コンパートメント132dに対応し、貯蔵容器140eは、貯蔵コンパートメント132eに対応し、貯蔵容器140fは、貯蔵コンパートメント132fに対応する。換言すれば、貯蔵容器140aは、必ず貯蔵コンパートメント132aに保管され、貯蔵容器140b、140c、140d、140e、140fは、同様にそれぞれ対応する貯蔵コンパートメント132のみに保管される。
【0019】
図4を参照されたく、
図4は、本願のいくつかの実施例による倉庫管理システム100の各素子間で信号を伝送する概略図である。倉庫管理システム100は、サーバ150を含み、サーバ150によって複数の素子からデータ又は信号を受信し、更に昇降台122及び搬送装置134を制御して貯蔵容器140を輸送する。サーバ150は、プロセッサ152及びメモリ装置154を含む。いくつかの実施例において、サーバ150は、コンピュータホストであり、店舗を運営する会社によって管理されるため、
図1及び
図2に示す店舗空間STOに設けられない。サーバ150は、走査装置112、撮影装置126、秤量装置124、制御インタフェース128、販売時点情報管理装置110、昇降台122及び搬送装置134に通信可能に接続される。異なるプロセス(例えば、店舗が貨物を倉庫に保管するプロセス、消費者が店舗に行って貨物を受け取るプロセス、店舗が消費者に受け取られていない貨物を返品するプロセスなど)における倉庫管理システム100の各素子間の信号伝送について、以下の段落に詳細に説明する。
【0020】
以下、店舗が貨物を倉庫に保管(即ち、入荷)するプロセスにおける倉庫管理システム100の各素子の動作及び信号伝送について説明する。
図1を参照されたい。貨物輸送業者(例えば、物流会社)が消費者の貨物を店舗に輸送した場合、店舗の店員は、まず、走査装置112によって貨物にあるバーコード又は画像を走査してこの貨物に対応する消費者の名前、消費者の電話番号及び/又は入荷日などの貨物関連データを把握する。いくつかの実施例において、走査装置112は、貨物にある画像を走査して消費者の名前及び/又は消費者の電話番号などのデータを直接取得する。いくつかの実施例において、走査装置112は、貨物にあるバーコードを走査するとともに、このバーコードをサーバ150に伝送して復号し、貨物の消費者の名前及び/又は消費者の電話番号などのデータを取得する。店員は、貨物を走査した後、貨物を貯蔵容器140に入れる。例えば、
図1において、貨物A1は、既に貯蔵容器140に入れられており、貨物A2は、走査装置112によって走査された後に店員より貯蔵容器140に入れられる。
【0021】
詳しくは、
図4に示すように、走査装置112は、貨物にあるバーコード又は画像を走査する時、貨物データD1(即ち、消費者の名前、消費者の電話番号及び/又は入荷日など)を生成するとともに、貨物データD1をサーバ150に伝送し、サーバ150のプロセッサ152は、貨物データD1に基づいてバインディングデータD2を作成するとともに、バインディングデータD2をメモリ装置154に記憶する。バインディングデータD2は、消費者と貨物を貯蔵する貯蔵容器140との間の対応関係を記録し、例えば、
図1における貨物A1に対応する消費者は、貨物A1を貯蔵する貯蔵容器140とバインディングされ、
図2における貨物A2も貯蔵容器140に入れられるため、貨物A2に対応する消費者も、貨物A2を貯蔵する貯蔵容器140とバインディングされる。換言すれば、バインディングデータD2は、特定の消費者が購入する貨物がどの貯蔵容器140に貯蔵されるかを記録する。後続のプロセスにおいて、バインディングデータD2は、消費者が貨物を受け取る時にこの消費者の1つ又は複数の貨物がどの貯蔵容器140に貯蔵されているかを速やかに認識するために用いられてもよく、入荷時に新着した貨物に対応する消費者の他の貨物がある貯蔵容器140に保管されている場合、同一の消費者の貨物が同一の貯蔵容器140に集中でき、消費者が後で貨物を受け取る時の効率を高めるように、倉庫管理システム100は、当該特定の貯蔵容器140を選択して新着した貨物を保管してもよい。いくつかの実施例において、バインディングデータD2は、貨物データD1に基づいて貯蔵容器140に貯蔵されている全ての貨物の入荷日をも記録する。
【0022】
図1を再び参照されたく、店員が貨物を貯蔵容器140に入れた場合、撮影装置126は、貯蔵容器140の内部空間を撮影する。詳しくは、
図4に示すように、撮影装置126は、貯蔵容器140の内部空間を撮影した後に画像データD3(例えば、貯蔵容器140の内部画像のデジタルデータ)を生成するとともに、画像データD3をサーバ150に伝送し、サーバ150のプロセッサ152は、画像データD3に基づいて貯蔵容器140の内部空間の残容量を判定する。詳しくは、いくつかの実施例において、プロセッサ152は、関連する画像解析アプリケーションプログラムによって画像データD3に基づいて
図1に示す貯蔵容器140における貨物A1の長さ、幅及び高さを認識するとともに、貨物A1の体積(即ち、貨物A1の長さ、幅と高さの三者の積に等しい)を算出する。いくつかの実施例において、メモリ装置154に貯蔵容器140の容積データが含まれるため、貯蔵容器140の容積から貨物A1の体積を差し引けば、貯蔵容器140の残容量を知ることができる。続いて、プロセッサ152は、残容量に基づいて容量データD4を作成し、更に容量データD4をメモリ装置154に記憶する。容量データD4は、貯蔵容器140の残容量を記録する。
【0023】
図1を再び参照されたく、店員が貨物を貯蔵容器140に入れた場合、秤量装置124は、貯蔵容器140の重量Wを測定する。詳しくは、
図4に示すように、秤量装置124は、貯蔵容器140の重量Wを測定した後、重量Wをサーバ150に伝送し、サーバ150のプロセッサ152は、重量Wに基づいて重量データD5を作成するとともに、重量データD5をメモリ装置154に記憶する。重量データD5は、各貯蔵容器140の重量Wを記録する。
【0024】
換言すれば、倉庫管理システム100は、撮影装置126及び秤量装置124によって、貨物を貯蔵容器140に入れた場合、貯蔵容器140の残容量及び重量Wを記録する。撮影装置126によって貯蔵容器140の内部空間を撮影するプロセスと、秤量装置124によって貯蔵容器140の重量Wを測定するプロセスとの両者の順序を自由に調整することができ、本願は、その順序を制限しないことに留意されたい。なお、例えば
図1における貨物A2も店員より貯蔵容器140に入れられた場合、撮影装置126は、再度、貯蔵容器140の内部空間を撮影し、秤量装置124は、再度、貯蔵容器140の重量Wを測定し、且つ関連するデータをサーバ150に伝送して、サーバ150における容量データD4及び重量データD5を更新する。
【0025】
撮影装置126が貯蔵容器140の内部空間を撮影し、秤量装置124が貯蔵容器140の重量Wを測定した後、店員は、貯蔵容器140にはより多くの貨物を入れる空間がないと発見した場合、昇降装置120の制御インタフェース128にバスケット交換コマンドを入力し、昇降台122及び搬送装置134が満たされた貯蔵容器140を貯蔵棚130に搬送して保管し、更に後続の貨物を保管するために貯蔵棚130から別の貯蔵容器140を取るように制御してよい。いくつかの実施例において、制御インタフェース128は、タッチパネル、又はキーボード又はボタンなどの入力インタフェースを有するディスプレイ装置であるため、店員より与えられたバスケット交換コマンドを受信するために用いることができる。詳しくは、
図4に示すように、制御インタフェース128は、バスケット交換コマンド(図示されていない)を受信した場合、バスケット交換信号S1をサーバ150に伝送し、サーバ150は、昇降台122が貯蔵容器140を初期位置から貯蔵棚130に持ち上げるように、上昇信号S2を昇降台122に伝送する。続いて、貯蔵容器140が貯蔵棚130に持ち上げられた場合、サーバ150は、また、搬送装置134が貯蔵容器140を対応する貯蔵コンパートメント132に搬送するように、保管信号S3を搬送装置134に伝送する。倉庫管理システム100は、以上の信号伝送及び素子の動作により、初期位置にある貯蔵容器140を貯蔵棚130に持ち上げ、更に、
図3の実施例に示すように、搬送装置134によって貯蔵容器140aを貯蔵コンパートメント132aに搬送して保管することができる。
【0026】
貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を貯蔵コンパートメント132に保管した後、
図4に示すように、サーバ150は、更に、搬送装置134が1つの貯蔵容器140を昇降装置120の昇降台122に搬送するように、バスケット取り信号S4を搬送装置134に伝送する。続いて、サーバ150は、昇降台122が貯蔵容器140を下へ初期位置に輸送するように、更に下降信号S5を昇降台122に伝送する。
図3を参照されたく、例えば、一実施例において、搬送装置134は、貯蔵容器140aを貯蔵コンパートメント132aに保管した後、サーバ150から伝送されたバスケット取り信号S4に基づいて貯蔵コンパートメント132bに移動して貯蔵容器140bを搬送し、搬送装置134が貯蔵容器140bを昇降台122に搬送した後、店員が貨物を貯蔵容器140bに詰め込みやすくするために、昇降台122は、サーバ150から伝送された下降信号S5に基づいて貯蔵容器140bを下へ初期位置に輸送する。
【0027】
前記実施例において、倉庫管理システム100が貯蔵容器140aを保管した後に貯蔵容器140bを次の貨物貯蔵用の容器として選択することは、例示的なものに過ぎないことに留意されたい。異なる実施例において、倉庫管理システム100は、サーバ150のメモリ装置154に記憶されたバインディングデータD2、容量データD4及び/又は重量データD5に基づいてバスケット取り信号S4を生成し、次の貨物貯蔵用の容器を選択する。以下、サーバ150が次の貯蔵容器140を選択する異なる形態について説明する。
【0028】
いくつかの実施例において、倉庫管理システム100が貯蔵容器140aを貯蔵コンパートメント132aに保管した後、サーバ150は、容量データD4に基づいてバスケット取り信号S4を生成し、貯蔵容器140のうち最も大きな残容量を有するものを次の貨物貯蔵用の貯蔵容器140として選択する。詳しくは、容量データD4が各貯蔵容器140の残容量を記録しているため、サーバ150は、容量データD4に基づいて最も大きな残容量を有する貯蔵容器140を認識し、更に前記信号伝送に基づいて最も大きな残容量を有する貯蔵容器140を初期位置に搬送することができる。いくつかの実施例において、サーバ150が容量データD4に基づいて複数の貯蔵容器140が同じ残容量を有すると認識し、この残容量が他の貯蔵容器140の残容量よりも大きいとすれば、サーバ150は、複数の貯蔵容器140の何れか1つを次の貨物貯蔵用の貯蔵容器140として選択してよい。
【0029】
いくつかの実施例において、倉庫管理システム100が貯蔵容器140aを貯蔵コンパートメント132aに保管した後、サーバ150は、重量データD5に基づいてバスケット取り信号S4を生成し、貯蔵容器140のうち最も小さな重量Wを有するものを次の貨物貯蔵用の貯蔵容器140として選択する。詳しくは、重量データD5が各貯蔵容器140の重量Wを記録しているため、サーバ150は、重量データD5に基づいて最も小さな重量Wを有する貯蔵容器140(即ち、最も軽い貯蔵容器140)を認識し、更に前記信号伝送に基づいて最も軽い貯蔵容器140を初期位置に搬送することができる。いくつかの実施例において、サーバ150が重量データD5に基づいて複数の貯蔵容器140が同じ重量Wを有すると認識し、この重量Wが他の貯蔵容器140の重量Wよりも小さいとすれば、サーバ150は、複数の貯蔵容器140の何れか1つを次の貨物貯蔵用の貯蔵容器140として選択してよい。
【0030】
図4を参照されたく、いくつかの実施例において、倉庫管理システム100が貯蔵容器140を貯蔵コンパートメント132に保管した後、店員が再び走査装置112によって新たに入荷した貨物のバーコード又は画像を走査した場合、走査装置112は、再度、新たな貨物に対応する貨物データD1を生成するとともに、この貨物データD1をサーバ150に伝送し、サーバ150は、既存のバインディングデータD2及び新たな貨物データD1に基づいてバスケット取り信号S4を生成する。新たな貨物データD1には消費者のパーソナルデータが含まれ、貯蔵棚130にある何れか1つの貯蔵容器140にこの消費者の貨物が貯蔵されている場合、サーバ150は、バインディングデータD2と新たな貨物データD1の比較によってこの消費者の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を認識することができる。続いて、サーバ150は、搬送装置134及び昇降台122がこの消費者の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を初期位置に搬送するように駆動するために、バスケット取り信号S4を生成する。従って、この実施例において、新たな貨物と貯蔵容器140に貯蔵されている貨物が同じ消費者に対応する場合、新たな貨物と既存の貨物を同じ貯蔵容器140に貯蔵してよく、消費者が後で店舗に行って貨物を受け取る時、倉庫管理システム100が少数の貯蔵容器140を搬送するだけでよく、同一の消費者の貨物が異なる複数の貯蔵容器140に分散して貯蔵されることで消費者が貨物を受け取る時の効率が低いことを回避することができる。
【0031】
以上の実施例において、サーバ150は、それぞれ容量データD4、重量データD5、バインディングデータD2を用いて如何に新たな貯蔵容器140を選択して貨物を保管するかを決定するが、いくつかの実施例において、サーバ150は、容量データD4、重量データD5、バインディングデータD2を同時に用いて如何に新たな貯蔵容器140を選択するかを決定してもよい。例えば、サーバ150は、まず、容量データD4に基づいて複数の貨物を貯蔵容器140に貯蔵してよく、全ての貯蔵容器140の残容量がいずれもある数値よりも小さい場合、サーバ150は、代わりに重量データD5に基づいて最も軽い貯蔵容器140を選択して後続の貨物を貯蔵してよい。更に例えば、店員が走査装置112によって新たに入荷した貨物を走査した後、サーバ150によりバインディングデータD2に基づいて同一の消費者の貨物が貯蔵されている特定の貯蔵容器140を認識したが、サーバ150により容量データD4又は重量データD5に基づいて特定の貯蔵容器140の残容量が小さ過ぎるか又は重量Wが大き過ぎることを発見した場合、サーバ150は、特定の貯蔵容器140以外の貯蔵容器140を選択して新たに入荷した貨物を貯蔵してよい。以上の実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を制限することを意図するものではなく、当業者は、実際の倉庫の要求及び状況に応じて上記実施例を調整したり、組み合わせたり、変更したりすることができるが、これも本願の実施例の範囲に含まれると見なされるべきである。
【0032】
以下、消費者が店舗に行って貨物を取る(即ち、受取)プロセスにおける倉庫管理システム100の各素子の動作及び信号伝送について説明する。
図4を参照されたく、いくつかの実施例において、消費者が店舗へ行って店員に消費者の名前及び電話番号の下3桁を知らせた後、店員は、消費者の名前及び電話番号の下3桁を販売時点情報管理装置110に入力し、販売時点情報管理装置110は、消費者の名前及び電話番号の下3桁などのパーソナルデータを含む受取人データD6をサーバ150に伝送する。サーバ150は、受取人データD6及びバインディングデータD2に基づいて受取人の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を認識し、換言すれば、サーバ150は、受取人データD6における受取人の名前及び電話番号の下3桁の情報に基づいて、バインディングデータD2において適合する消費者を探し、更にバインディングデータD2に記録された消費者と貯蔵容器140との間の対応関係により、受取人の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を見つけ出す。続いて、サーバ150は、信号を搬送装置134に伝送することで、搬送装置134により受取人の貨物が保管されている貯蔵容器140を昇降装置120に搬送するように制御し、更に信号を昇降台122に伝送することで、昇降台122により受取人の貨物が保管されている貯蔵容器140を下へ初期位置に輸送するように制御する。
【0033】
いくつかの実施例において、サーバ150により受取人データD6及びバインディングデータD2に基づいて合計で2つ以上の貯蔵容器140に受取人の貨物が保管されていると認識した場合、消費者が貨物を受け取りやすくするために、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、順に受取人の貨物が保管されている全ての貯蔵容器140を初期位置に搬送する。
【0034】
以下、店舗が消費者に受け取られていない貨物を返却(即ち、返品)するプロセスにおける倉庫管理システム100の各素子の動作及び信号伝送について説明する。いくつかの実施例において、貨物が貯蔵容器140に貯蔵されてから一定の返品可能日数の閾値(例えば、7日間)に達したが、消費者がまだ店舗へ貨物を受け取りに来ていない場合、店員は、販売時点情報管理装置110を介して貨物を返却し、これらの貨物を販売者又は電子商取引者に返却する。
図4を参照されたく、店員が販売時点情報管理装置110に返品コマンドを入力した場合、販売時点情報管理装置110は、返品信号S6をサーバ150に伝送し、サーバ150は、バインディングデータD2を取り出して貯蔵容器140に貯蔵されている全ての貨物の入荷日を取得し、更に貯蔵容器140に貯蔵されている全ての貨物の入荷日から現在の日付までの日数を判定するとともに、日数と返品可能日数の閾値とを比較し、サーバ150による比較結果として日数が返品可能日数の閾値以上である場合、サーバ150は、信号を搬送装置134に伝送することで、搬送装置134により貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を昇降装置120に搬送し、更に信号を昇降台122に伝送することで、昇降台122により貯蔵容器140を下へ初期位置に輸送する。換言すれば、サーバ150は、バインディングデータD2に記録された全ての貨物の入荷日に基づいて、返品可能日数の閾値を超えた貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を見つけ出すとともに、店員が貨物を返却しやすくするために、搬送装置134及び昇降台122がこれらの貯蔵容器140を初期位置に搬送するように制御する。
【0035】
いくつかの実施例において、サーバ150によりバインディングデータD2に基づいて合計で2つ以上の貯蔵容器140に返品可能日数の閾値を超えた貨物が保管されていると認識した場合、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、順に返品可能日数の閾値を超えた全ての貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を初期位置に搬送する。
【0036】
以上を纏めると、倉庫管理システム100は、昇降装置120によって貨物を貯蔵棚130に貯蔵し、店舗の空間をより良く利用する。倉庫管理システム100は、また撮影装置126、秤量装置124及び走査装置112によって貨物の貯蔵をより良く管理し、貯蔵容器140の容量を適切に利用し、貯蔵容器140の重量が大き過ぎることを回避し、消費者が後で貨物を受け取る時の効率を向上させる。なお、以上の貯蔵方法とサーバ150により記憶されたデータを組み合わせることで、消費者が貨物を受け取る時と店員が貨物を返品する時の効率も改善される。
【0037】
本願の別の実施例には、貯蔵容器の輸送制御方法も開示されている。
図5を参照されたく、
図5は、本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法200のフローチャートである。制御方法200は、ステップS210、S220、S230、S240及びS250を含む。制御方法200について、前記
図1、
図2、
図3及び
図4の実施例によって説明することができる。ステップS210において、元々、貯蔵容器140が貯蔵棚130の貯蔵コンパートメント132に保管され、物流業者が貨物を店舗に送り、店員が貨物を貯蔵し始めようとする時、サーバ150は、搬送装置134及び昇降台122が1つの貯蔵容器140を貯蔵棚130から初期位置に輸送するように制御する。ステップS220において、店員は、走査装置112によって貨物(例えば、
図1における貨物A1又はA2)にあるバーコード又は画像を走査して貨物データD1を生成し、サーバ150は、貨物データD1を受信した後に貨物データD1に基づいてバインディングデータD2を作成する。ステップS230において、撮影装置126は、
図1における貨物A1が貯蔵されている貯蔵容器140の内部空間を撮影し、サーバ150に伝送することで、サーバ150が撮影された画像に基づいて貯蔵容器140の内部空間の残容量を判定するとともに、残容量に基づいて容量データD4を作成する。ステップS240において、秤量装置124は、
図1における貨物A1が貯蔵されている貯蔵容器140の重量Wを測定し、サーバ150に伝送することで、サーバ150が重量Wに基づいて重量データD5を作成する。ステップS250において、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、貯蔵容器140を初期位置から貯蔵棚130に輸送して保管する。ここで、貯蔵容器一つずつに対して行われるステップS230とステップS240をまとめて「メンテナンスステップ」と称することができる。
【0038】
いくつかの実施例において、制御方法200は、ステップS260、S270及びS280を更に含む。貯蔵容器140がステップS250で貯蔵棚130に保管された後、ステップS260において、店員は、再度、走査装置112によって別の貨物を走査して新たな貨物データD1を生成する。ステップS270において、サーバ150は、貯蔵容器140から改めて別の貨物を保管することに用いる第2の貯蔵容器140を選択する。ステップS280において、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、ステップS270で選択された第2の貯蔵容器140を貯蔵棚130から初期位置に輸送する。
【0039】
図6を参照されたく、
図6は、本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法200のフローチャートである。いくつかの実施例において、ステップS270は、S271、S272又はS273を更に含む。サーバ150は、ステップS270で改めて別の貨物を保管することに用いる第2の貯蔵容器140を選択する際に、異なる選択形態がある。いくつかの実施例において、サーバ150は、別の貨物の新たな貨物データD1に基づいてこの貨物の消費者を認識するとともに、バインディングデータD2に基づいてこの消費者の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140があるか否かを判定し、そうである場合、サーバ150は、この消費者の貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を選択して別の貨物を貯蔵する。いくつかの実施例において、サーバ150は、容量データD4に基づいて貯蔵容器140のうち最も大きな残容量を有する貯蔵容器140を選択して別の貨物を貯蔵する。いくつかの実施例において、サーバ150は、重量データD5に基づいて貯蔵容器140のうち最も小さな重量Wを有する貯蔵容器140を選択して別の貨物を貯蔵する。
【0040】
図7を参照されたく、
図7は、本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法200のフローチャートである。いくつかの実施例において、制御方法200は、ステップS310、S320及びS330を更に含む。ステップS310において、サーバ150は、受取人データD6及びバインディングデータD2に基づいて受取人の貨物が保管されている貯蔵容器140を認識する。ステップS320において、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、搬送装置134及び昇降台122により受取人の貨物が保管されている貯蔵容器140を貯蔵棚130から初期位置に輸送するように制御する。いくつかの実施例において、サーバ150により2つ以上の貯蔵容器140に受取人の貨物が保管されていると認識した場合、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、搬送装置134及び昇降台122により受取人の貨物が保管されている貯蔵容器140を順に貯蔵棚130から初期位置に輸送するように制御する。
【0041】
図8を参照されたく、
図8は、本願のいくつかの実施例による貯蔵容器の輸送制御方法200のフローチャートである。いくつかの実施例において、制御方法200は、ステップS410及びS420を更に含む。ステップS410において、サーバ150は、貨物の入荷日から現在の日付までの日数を判定するとともに、日数と返品可能日数の閾値とを比較する。ステップS420において、サーバ150による比較結果として日数が返品可能日数の閾値以上である場合、サーバ150は、信号を搬送装置134及び昇降台122に伝送することで、搬送装置134及び昇降台122により返品可能日数の閾値に達した貨物が貯蔵されている貯蔵容器140を貯蔵棚130から初期位置に輸送するように制御する。
【0042】
以上の制御方法200の実施例に関する細部は、前記
図1、
図2、
図3及び
図4の実施例の関連段落を参照することができる。当業者は、実際の要求及び状況に応じて以上の実施例に係る制御方法200の各ステップの順序を調整又は変更することができ、これも本願の実施例の範囲にあると見なされるべきであることに留意されたい。
【0043】
以上を纏めると、制御方法200は、特定の形態で貯蔵容器140を輸送して、更に店舗が貨物を貯蔵し、貨物を返品し、消費者が貨物を受け取る時の効率が改善される。
【0044】
本開示は、実施形態により前述の通りに開示されたが、それに限定されなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0045】
100 倉庫管理システム
110 販売時点情報管理装置
112 走査装置
120 昇降装置
122 昇降台
124 秤量装置
126 撮影装置
128 制御インタフェース
130 貯蔵棚
132、132a、132b、132c、132d、132e、132f 貯蔵コンパートメント
134 搬送装置
136 フレーム
140、140a、140b、140c、140d、140e、140f 貯蔵容器
A1、A2 貨物
CEL 天井
COU カウンタ
FLR フロア
PIL 柱
STO 店舗空間
150 サーバ
152 プロセッサ
154 メモリ装置
D1 貨物データ
D2 バインディングデータ
D3 画像データ
D4 容量データ
D5 重量データ
D6 受取人データ
S1 バスケット交換信号
S2 上昇信号
S3 保管信号
S4 バスケット取り信号
S5 下降信号
W 重量
200 制御方法
S210、S220、S230、S240、S250、S260、S270、S280、S271、S272、S273、S310、S320、S330、S410、S420 ステップ