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特許7427719広告決定装置、広告決定方法、広告決定プログラム及び広告配信システム
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  • 特許-広告決定装置、広告決定方法、広告決定プログラム及び広告配信システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】広告決定装置、広告決定方法、広告決定プログラム及び広告配信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240129BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240129BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06Q30/0251
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022105812
(22)【出願日】2022-06-30
(65)【公開番号】P2024005576
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100174528
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 晋朗
(74)【代理人】
【識別番号】100213643
【弁理士】
【氏名又は名称】新開 健一
(72)【発明者】
【氏名】辻本 裕也
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6986176(JP,B1)
【文献】特開2022-028555(JP,A)
【文献】特開2020-144706(JP,A)
【文献】特開2018-097594(JP,A)
【文献】国際公開第2020/262172(WO,A1)
【文献】特開2009-003840(JP,A)
【文献】特開2002-259821(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024476(WO,A1)
【文献】特開2019-191779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗を特定するための情報に基づいて、当該店舗における商品の在庫の情報を取得する取得部と、
個人を特定するための情報に基づいて特定される個人の購買履歴に特定の広告主の第1の商品が含まれる場合に、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある前記特定の広告主の第2の商品の広告を選択する制御部と、を有する広告決定装置。
【請求項2】
前記第1の商品は、前記第2の商品と同じである請求項1に記載の広告決定装置。
【請求項3】
前記第2の商品の広告は、選択対象の条件を満たす広告のうち、最も在庫が多い前記特定の広告主の商品の広告である請求項1に記載の広告決定装置。
【請求項4】
前記特定の広告主は、広告の出稿を希望する広告主のうち、目標インプレッション数との乖離が最も大きい広告を有する広告主である請求項1に記載の広告決定装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記個人が主に利用する又は利用すると想定されるメイン店舗を決定し、前記メイン店舗に在庫がある前記第2の商品の広告を選択する請求項1に記載の広告決定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記個人の購買履歴に基づいて、一定期間において主に買い物をしていると判断される店舗を、前記メイン店舗として決定する請求項に記載の広告決定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記個人のデバイスから送信されるメイン店舗に関する情報によって示される店舗を、前記メイン店舗として決定する請求項に記載の広告決定装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記個人の位置情報履歴に基づいて、一定期間において最も多く入店したと考えられる店舗を、前記メイン店舗として決定する請求項に記載の広告決定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記個人の店舗検索履歴に基づいて、前記メイン店舗を決定する請求項に記載の広告決定装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記個人の宅配利用履歴に基づいて、前記メイン店舗を決定する請求項に記載の広告決定装置。
【請求項11】
前記制御部は、商品ごと又は商品のジャンルごとに、前記メイン店舗を決定する請求項5に記載の広告決定装置。
【請求項12】
店舗を特定するための情報に基づいて、当該店舗における商品の在庫の情報を取得するステップと、
個人を特定するための情報に基づいて特定される個人の購買履歴に特定の広告主の第1の商品が含まれる場合に、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある前記特定の広告主の第2の商品の広告を選択するステップと、を有する広告決定装置の広告決定方法。
【請求項13】
店舗を特定するための情報に基づいて、当該店舗における商品の在庫の情報を取得するステップと、
個人を特定するための情報に基づいて特定される個人の購買履歴に特定の広告主の第1の商品が含まれる場合に、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある前記特定の広告主の第2の商品の広告を選択するステップと、をコンピュータに実行させる広告決定プログラム。
【請求項14】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の広告決定装置を含む広告配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告決定装置、広告決定方法、広告決定プログラム及び広告配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食・流通・小売などの業界では、スマートフォン向けのアプリケーションを導入する事例が増大している。このようなアプリケーションは、例えば、顧客(ユーザ)へのクーポン提供、ポイント機能の提供、おすすめ商品・サービスの広告などのために用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1においては、スーパーマーケットが提供している販売促進アプリ(店舗アプリ)が携帯端末装置で実行されているときに、必要に応じて適宜のタイミングで携帯端末装置の画面上にユーザに適した広告を表示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-159357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、広告対象の商品が店舗内に本当に存在するかについては考慮されておらず、広告が表示されたユーザが商品売り場に行ってみるとその商品がない、ということが生じ得る。また、特許文献1の上記発明は、店舗内でアプリが実行されている携帯端末装置にのみ広告を表示させるものであって、店舗外のユーザに対して広告を表示して購買を促すものではない。
【0006】
そこで本開示は、計算量の増大を抑制しつつ特定の店舗の在庫を考慮した効率的な広告配信を実現できる広告決定装置、広告決定方法、広告決定プログラム及び広告配信システムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る広告決定装置は、店舗を特定するための情報に基づいて、当該店舗における商品の在庫の情報を取得する取得部と、個人を特定するための情報に基づいて特定される個人の購買履歴に特定の広告主の第1の商品が含まれる場合に、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある前記特定の広告主の第2の商品の広告を選択する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、計算量の増大を抑制しつつ特定の店舗の在庫を考慮した効率的な広告配信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る広告配信システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る広告配信方法のフローチャートの一例を示す図である。
図3図3A及び3Bは、購買データから導出されるメイン店舗の一例を示す図である。
図4図4は、在庫データの一例を示す図である。
図5図5は、決定方法3によって決定される入店推定店舗の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の一実施形態の変形例に係る広告配信方法のフローチャートの一例を示す図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る広告決定サーバの機能構成の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の一実施形態に係る広告決定サーバなどのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
本開示の一実施形態に係る広告配信方法では、実際の店舗の商品の在庫を判定した上で、自社アプリで配信する広告をリアルタイムで選定し、生活者にとって自分の行きつけのお店で売っているものに絞った広告配信を行うことができる。
【0012】
(広告配信システム)
図1は、本開示の一実施形態に係る広告配信システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示す広告配信システム1は、デバイス10と、広告配信サーバ(アドサーバと呼ばれてもよい)20と、広告決定サーバ30と、店舗40と、サイネージ50と、購買データ/在庫データ管理サーバ60と、を含む。
【0013】
デバイス10は、ユーザの操作などに基づいて、事前に所定のアプリケーション(アプリ、ソフトウェア)をインストールされている。このアプリは、例えば、販売促進アプリ、店舗アプリなどと呼ばれてもよく、配信される広告を表示可能である。以下の説明における「アプリ」は、このアプリのことを意味してもよい。
【0014】
デバイス10は、ユーザの操作によりアプリを実行する装置である。デバイス10は、アプリの動作に伴い、アドサーバ20から広告を受信してもよい。なお、本開示の広告は、店舗40のレジにおいてクーポンとして使われてもよい。
【0015】
デバイス10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよい。デバイス10は、有線及び/又は無線(例えば、Long Term Evolution(LTE)、5th Generation New Radio(5G NR)、Wi-Fi(登録商標)など)を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
【0016】
アドサーバ20は、デバイス10に対して、広告を配信する機能を有する装置であってもよい。広告は、例えば、テキスト、画像(静止画像、動画像)、音声、その他のメディア又はこれらの組み合わせにより構成されてもよい。なお、アドサーバ20は、広告以外のコンテンツをデバイス10に送信することができてもよい。
【0017】
アドサーバ20は、配信対象のデバイス10を、デバイス識別子(Identifier(ID))に基づいて判断してもよい。デバイスIDは、広告ID、所定のサービスに利用する識別子(例えば、アプリのログインIDなど)などの少なくとも1つであってもよい。
【0018】
ここで、広告IDは、例えば、ユーザによってオプトアウト可能な、匿名かつ一意な広告配信用の識別子(広告に関する識別子)であってもよい。広告IDは、デバイス10のブラウザに保存される小さなファイル(クッキー(Cookie))に関する固有のクッキーID(Cookie ID)であってもよい。なお、クッキーIDは、ブラウザごとにそれぞれ異なるIDであってもよい。広告IDは、クッキー情報などと呼ばれてもよい。
【0019】
また、広告IDは、デバイス10にインストールされるアプリケーションから取得される(アプリ経由で取得できる)識別子であってもよく、例えば、IDFA(Identification(Identifier) For Advertisers)、ADID(Advertising ID)、その他の広告識別子などであってもよい。なお、IDFA、ADIDなどの携帯端末で主に用いられるIDは、モバイル広告ID、モバイルIDなどと呼ばれてもよい。
【0020】
アドサーバ20は、Data Management Platform(DMP)を含んで構成されてもよく、DMPを用いて配信する広告を決定(選択)してもよい。また、アドサーバ20は、Demand Side Platform(DSP)を利用する配信サーバであってもよいし、DSP以外の広告配信サーバ(アドサーバ)又はアドサーバを利用する配信サーバであってもよい。
【0021】
アドサーバは、特定の企業(例えば、Twitter(登録商標)社、Facebook(登録商標)社など)が提供するAPI(Application Programming Interface)(Ads-API)を利用する配信サーバであってもよい。また、アドサーバは、オンライン動画広告を配信する動画広告配信サーバであってもよい。また、アドサーバ20は、DSP、API、動画広告配信などについて、アドサーバとの連携を、DMP(例えば、パブリックDMP)を介して行ってもよい。
【0022】
アドサーバ20は、広告決定サーバ30と連携し、ユーザ(デバイス10)に対して、生活者にとって自分の行きつけのお店で売っているものに関する広告を配信してもよい。
【0023】
広告決定サーバ30は、デバイス10、購買データ/在庫データ管理サーバ60などから収集された情報に基づいて、当該デバイス10に対して配信する広告を決定してもよい。
【0024】
店舗40は、デジタル上ではない実際の店舗であり、上述のアプリに関連する店舗(例えば、アプリの提供者/管理者に関連する店舗、アプリのポイント/個人IDが利用される店舗)である。以下、本開示において、簡単のため、店舗40は単に店舗とも記載する。
【0025】
サイネージ50は、店舗40内に配置され、アドサーバ20から配信される広告を表示するデジタルサイネージである。
【0026】
購買データ/在庫データ管理サーバ60は、店舗40内に配置され、店舗40における購買データ/在庫データを収集/管理する。店舗ごとの購買データ/在庫データの情報は、広告決定サーバ30に送信され、集約されてもよい。
【0027】
デバイス10など、各装置の機能構成及びハードウェア構成の一例については、後述する。
【0028】
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、図1ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。また、広告配信システム1は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、所定の装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。
【0029】
また、複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、アドサーバ20及び広告決定サーバ30は、1つのサーバ上で実装されてもよい。
【0030】
(広告配信方法)
本開示の一実施形態に係る広告配信方法(広告決定方法)について、以下で説明する。各広告配信方法は、上述の広告配信システムに適用されてもよい。
【0031】
なお、本開示において、商品は、商品/サービスと互いに読み替えられてもよい。本開示において、個人、顧客、生活者、ユーザなどは、互いに読み替えられてもよい。
【0032】
図2は、本開示の一実施形態に係る広告配信方法のフローチャートの一例を示す図である。
【0033】
ステップS101において、デバイス10は、ユーザの操作によってアプリ画面が表示された(又はアクティブになった、最前面に出た、ユーザから視認可能な状態に遷移したなど)ことを検出する。
【0034】
ステップS102において、デバイス10は、アプリ画面で表示されるページに含まれる広告枠に関して、広告枠リクエスト(広告取得のリクエスト)をアドサーバ20に対して送信する。デバイス10は、広告枠リクエストとともに、ユーザの個人IDをアドサーバ20に送信する。
【0035】
ステップS103において、アドサーバ20は、上記広告枠リクエストに対して返す広告を特定するために、広告決定サーバ30に対して、上記個人IDを送信する。なお、アドサーバ20は、上記広告枠に出稿(掲載)する広告主を決定し、広告決定サーバ30に対して、当該広告主の情報を送信してもよい。
【0036】
例えば、アドサーバ20は、アプリに対して広告の出稿を希望する広告主のリクエスト(広告決定サーバ30が受信し、アドサーバ20に転送されてもよいし、アドサーバ20が受信してもよい)があった広告主のうち、特定の条件を満たす広告主を、上記広告に出稿する広告主として決定してもよい。当該特定の条件は、例えば、目標インプレッション数との乖離が最も大きい広告を有する広告主であること、であってもよい。このようにすれば、以降のステップにおいて出稿対象として選択される広告を特定の広告主の広告に限定して、高速に決定することができる。この場合、以降における「商品」は、当該特定の広告主の商品で読み替えられてもよい。
【0037】
ステップS104において、広告決定サーバ30は、上記個人IDに基づいて、個人IDに対応するユーザのメイン店舗を判断する。なお、本開示において、メイン店舗は、ユーザが主に利用する(又は利用すると想定される)店舗に該当してもよい。
【0038】
メイン店舗は、例えば、上記個人ID及び購買データに基づいて導出されてもよい。メイン店舗の導出方法については後述する。上記購買データは、当該アプリに関連する店舗のうちの全部又は少なくとも一部に関する購買データに該当してもよい。また、上記購買データは、全ユーザについての個人単位の購買に関するデータを含んでもよく、Identifier-Point of Sales(ID-POS)データと呼ばれてもよい。
【0039】
図3A及び3Bは、購買データから導出されるメイン店舗の一例を示す図である。図3Aは、購買データの一例を示す。図示されるように、購買データは、個人ID、商品、店舗ID及びタイムスタンプ(例えば、商品が購入された日時)の組み合わせの情報を含んでもよい。例えば、図3Aには、個人ID=111のユーザ(以下、単にユーザ111とも呼ぶ)が、商品Xを店舗ID=Aaaの店舗(以下、単に店舗Aaaとも呼ぶ)において3/22 15:00に購入したことが示されている。
【0040】
図3Bは、図3Aの購買データから導出されるメイン店舗の一例を示す。本例では、図3Aの購買データにおいて、各ユーザが商品を購入した回数が最も多い店舗が、メイン店舗として決定されている。
【0041】
ステップS104におけるメイン店舗の判断処理の具体的な実施例については、後述する。
【0042】
ステップS105において、広告決定サーバ30は、上記個人ID、購買データ及びメイン店舗の在庫データに基づいて、個人IDに対応するユーザに対して配信する広告を判断する。広告決定サーバ30は、例えば、ユーザに対して、当該広告の商品の在庫が当該ユーザのメイン店舗に存在する場合に、当該広告(言い換えると当該広告を配信すること)を決定してもよい。
【0043】
図4は、在庫データの一例を示す図である。本例では、図3Aで示した店舗Aaa及びBbbの在庫データが示されているが、実際の在庫データは店舗ごとに別々に分けて存在してもよい(店舗単位で参照されてもよい)。在庫データは商品の在庫の変動(例えば、商品が購入される、入荷されるなど)に基づいて逐次更新されてもよく、タイムスタンプは商品の在庫が最後に変動した時刻(又は在庫データが参照される時刻)を示してもよい。
【0044】
在庫データは、Stock Keeping Unit(SKU)単位のデータであってもよいし、アイテム単位のデータであってもよい。なお、本開示において、広告決定サーバ30は、(少なくとも一定の地域における)複数の店舗(例えば、全店舗)に関する在庫データを利用(参照)できる。
【0045】
購買データ/在庫データは、店舗ごとに収集/管理されてもよい。また、各店舗から送信される購買データ/在庫データに関する情報に基づいて、これらを全て包含した全国の購買データ/在庫データが収集/管理されてもよい。購買データ/在庫データの収集/管理は、広告決定サーバ30において行われてもよいし、他の装置において行われ、広告決定サーバ30には購買データ/在庫データの情報だけが提供されてもよい。
【0046】
なお、配信する広告は、外部からの入力/情報の受信によって(広告主のリクエストに基づいて)設定された広告から選択されてもよい。設定された広告は、配信可能な期間(例えば、日、月)、配信可能な店舗、配信対象のユーザ(個人IDに対応するユーザ)の購買履歴に特定の商品が含まれるか、などの配信可能な条件を設定されてもよく、当該条件を満たさない場合には選択対象から除外されてもよい。また、条件を満たす広告が複数ある場合には、その中から1つが配信される広告として選択されてもよい(例えば、最も在庫が多い商品の広告が選択されるなど)。
【0047】
ここで、上記特定の商品は、設定された広告の商品(広告対象の商品)と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0048】
条件を満たさない場合(例えば、条件を満たさないユーザに対しては)、配信する広告がないと判断し、ステップS104におけるメイン店舗の判断処理、ステップS105における広告の判断処理などは省略されてもよい。
【0049】
ステップS105における広告の判断処理については、第1の実施例、第2の実施例などで後述する。
【0050】
ステップS106において、広告決定サーバ30は、個人IDに対応するユーザに対して配信する広告を特定するための情報(広告情報と呼ばれてもよい)をアドサーバ20に対して送信する。ステップS107において、アドサーバ20は、上記広告情報に基づいて、デバイス10に対して広告を配信する。
【0051】
なお、ステップS105において配信する広告がないと判断された場合、ステップS106では広告情報として(又は広告情報の代わりに)広告がないことを示す情報が通知されてもよく、S107における広告の配信は省略されてもよい。
【0052】
<第1の実施例>
第1の実施例について説明する。本例では、設定された広告が、商品Xであると想定する。また、当該広告の配信可能な期間は3月31日であり、3月に商品Xを購入したユーザに対して当該広告を配信するという条件が設定されている。例えば当該広告は、商品Xのリニューアルを知らせる広告であってもよい。
【0053】
ユーザ111が、ステップS101において、アプリ画面を3月31日に表示した場合を考える。ステップS102、S103を経て、広告決定サーバ30に対して、個人ID=111が送信される。
【0054】
本例では、ステップS104において、図3Aの購買データに基づいて図3Bのメイン店舗が決定された場合を想定する。
【0055】
ステップS105では、広告決定サーバ30は、上記購買データに基づいて、ユーザ111の購買履歴を参照し、ユーザ111が商品Xを3月に購入した(つまり、当該ユーザが上記広告の配信対象である)ことを確認する。
【0056】
次に、広告決定サーバ30は、ユーザ111のメイン店舗である店舗Aaaの在庫データ(図4と想定する)において商品Xが存在することを確認する。つまり、ユーザ111のメイン店舗に商品Xの在庫があるため、広告決定サーバ30は、ユーザ111に対して配信する広告として、商品Xの広告を選択する。
【0057】
ステップS106において、広告決定サーバ30は、商品Xの広告情報をアドサーバ20に対して送信する。ステップS107において、アドサーバ20は、上記広告情報に基づいて、ユーザ111のデバイス10に対して商品Xの広告を配信する。
【0058】
<第2の実施例>
第2の実施例について説明する。本例では、設定された広告が、商品Wであると想定する。また、当該広告の配信可能な期間は3月31日であり、3月に商品Wを購入したユーザに対して当該広告を配信するという条件が設定されている。
【0059】
ユーザ111が、ステップS101において、アプリ画面を3月31日に表示した場合を考える。ステップS102、S103を経て、広告決定サーバ30に対して、個人ID=111が送信される。
【0060】
本例では、ステップS104において、図3Aの購買データに基づいて図3Bのメイン店舗が決定された場合を想定する。
【0061】
ステップS105では、広告決定サーバ30は、上記購買データに基づいて、ユーザ111の購買履歴を参照し、ユーザ111が商品Wを3月に購入した(つまり、当該ユーザが上記広告の配信対象である)ことを確認する。
【0062】
次に、広告決定サーバ30は、ユーザ111のメイン店舗である店舗Aaaの在庫データ(図4と想定する)において商品Wが存在しないことを確認する。つまり、ユーザ111のメイン店舗に商品Wの在庫があるため、広告決定サーバ30は、ユーザ111に対して配信する広告はないと決定する。
【0063】
ステップS106において、広告決定サーバ30は、広告がないことを示す情報をアドサーバ20に対して送信する。ステップS107において、アドサーバ20は、上記情報に基づいて、ユーザ111のデバイス10に対しては(商品Wの)広告を配信しない。
【0064】
<メイン店舗の決定>
以下では、メイン店舗の決定方法について説明する。これらの説明にあたっては、広告決定サーバ30が、3月31日に広告を決定するケースを想定する。
【0065】
[決定方法1]
広告決定サーバ30は、購買データから取得されるユーザの購買履歴に基づいて、一定期間において主に買い物をしている(又は主に利用している)店舗を、メイン店舗として決定してもよい。図3Aに基づく図3Bのメイン店舗の決定は、この決定方法に該当する。
【0066】
当該一定期間は、配信可能な期間が含まれる期間(例えば、同じ月)であってもよいし、ステップS104の処理を実施するタイミングの直近の一定期間(例えば、Nか月(Nは、整数))であってもよい。Nは、外部からの入力/情報の受信によって設定されてもよい。
【0067】
あるユーザが一定期間において主に買い物をしている(又は主に利用している)店舗は、店舗ごとに以下の式1の値(店舗の利用率と呼ばれてもよい)を求めて、これらのうち最大値となる店舗であると決定されてもよい。
(式1)
一定期間にわたる店舗における当該ユーザの購買回数(又は来店回数)÷一定期間にわたる全店舗における当該ユーザの総購買回数(又は来店回数)
【0068】
図3Aにおいて、一定期間を3月の一か月間であるとすると、ユーザ111は店舗Aaaで2回、店舗Bbbで1回買い物をしているため、上記利用率は店舗Aaaの方が高く、ユーザ111のメイン店舗は店舗Aaaであると決定される。ユーザ222は、店舗Bbbでのみ買い物をしているため、ユーザ222のメイン店舗は店舗Bbbであると決定される。
【0069】
なお、あるユーザが一定期間において主に買い物をしている(又は主に利用している)店舗は、店舗ごとに当該店舗における当該ユーザの購買回数(又は来店回数)を求めて、これらのうち最大値となる店舗であると決定されてもよい。
【0070】
メイン店舗は、商品ごとに決定されてもよいし、商品のジャンル(例えば、飲料全体、特定の飲料(アルコール)、野菜全体、特定の野菜など)ごとに決定されてもよい。例えば、ステップS105において広告決定サーバ30が配信可否を決定する広告の商品についてのメイン店舗は、上述の式1の「購買」を「当該商品(又は当該商品のジャンルに属する商品)の購買」で読み替えた式を用いて決定されてもよい。このようにすれば、ユーザが、商品/ジャンルごとに異なる店舗で主に購買する場合に対応できる。
【0071】
[決定方法2]
広告決定サーバ30は、ユーザによるメイン店舗に関する設定情報に基づいて、メイン店舗を決定してもよい。ユーザは、デバイス10のアプリを介して、自身のメイン店舗に関する情報(例えば、店舗名)を入力してもよい。デバイス10は、個人IDと、入力されたメイン店舗に関する情報(店舗名、又は店舗名に対応する店舗ID)と、を広告決定サーバ30に送信してもよい。
【0072】
なお、本開示において、デバイス10から広告決定サーバ30への情報の送信は、アドサーバ20を介してもよいし、介さなくてもよい。また、本開示において、デバイス10から広告決定サーバ30への情報の送信の際に、特筆しない場合であっても個人IDが合わせて送信されてもよい。
【0073】
広告決定サーバ30は、デバイス10から送信された個人IDに対応するメイン店舗が、当該デバイス10から送信されたメイン店舗に関する情報によって示される店舗IDに関連すると決定してもよい。
【0074】
例えば、ユーザ111が、自身のメイン店舗がAaaであることをデバイス10のアプリにおいて設定した場合、広告決定サーバ30は、当該デバイス10から通知される情報に基づいて、ユーザ111のメイン店舗がAaaであると判断してもよい。
【0075】
[決定方法3]
広告決定サーバ30は、ユーザの位置情報履歴に基づいて、一定期間において最も多く入店したと考えられる店舗(以下、入店推定店舗とも呼ぶ)を、メイン店舗として決定してもよい。当該一定期間は、上記決定方法1で述べたのと同様であってもよい。
【0076】
例えば、あるユーザのメイン店舗は、一定期間において、各店舗のうち当該ユーザの入店推定店舗となった数が最大の店舗であると決定されてもよい。
【0077】
なお、本開示において、位置情報は、測位システム(例えば、衛星測位システム(Global Navigation Satellite System(GNSS)、Global Positioning System(GPS)など))を用いて得られる情報(例えば、緯度、経度、高度)を含んでもよい。
【0078】
デバイス10のアプリは、ユーザの位置情報を周期的に(又はアプリの起動時/操作時に)取得し、広告決定サーバ30に送信してもよい。広告決定サーバ30は、各ユーザから送信された位置情報を個人単位で管理/記憶し、ユーザの位置情報及び各店舗の位置情報(店舗の位置情報は、予め記憶しておいてもよい)を比較することによって、各ユーザの入店推定店舗を決定してもよい。例えば、ユーザの位置情報から判断される位置が、ある店舗の位置情報から判断される位置から一定範囲にある場合に、当該店舗が当該ユーザの入店推定店舗であると決定されてもよい。
【0079】
また、デバイス10のアプリは、ユーザの位置情報を周期的に(又はアプリの起動時/操作時に)取得し、当該位置情報及び各店舗の位置情報(店舗の位置情報は、アプリに予め記憶されていてもよい)を比較することによって、ユーザの入店推定店舗を決定してもよい。デバイス10のアプリは、ユーザの入店推定店舗が決定できた場合に、当該入店推定店舗に関する情報を、広告決定サーバ30に送信してもよい。この方法によれば、位置情報を直接送る場合に比べて、デバイス10の入店推定店舗決定のための情報にかかる通信オーバーヘッドは小さいことが期待される。
【0080】
なお、広告決定サーバ30は、ユーザの位置情報をデバイス10のアプリから受信する代わりに、別の装置から(例えば、連携するサービス提供者のサーバから)受信して、ユーザの入店推定店舗の決定に用いてもよい。
【0081】
広告決定サーバ30は、決定された又は各ユーザから送信された入店推定店舗を、個人単位で管理/記憶してもよい。広告決定サーバ30は、各ユーザの入店推定店舗の履歴を、タイムスタンプ(例えば、入店推定店舗が決定された日時)とともに記憶してもよい。
【0082】
図5は、決定方法3によって決定される入店推定店舗の一例を示す図である。本例では、3月におけるユーザ111の入店推定店舗の履歴が示されている。図示されるように、入店推定店舗の履歴は、個人ID、店舗ID及びタイムスタンプの組み合わせの情報を含んでもよい。
【0083】
図5において、上述の一定期間を3月の一か月間であるとすると、ユーザ111は店舗Aaaで2回、店舗Bbbで3回買い物をしているため、ユーザ111のメイン店舗は店舗Bbbであると決定される。
【0084】
[決定方法4]
広告決定サーバ30は、ユーザの店舗検索履歴に基づいて、メイン店舗を決定してもよい。
【0085】
例えば、あるユーザのメイン店舗は、一定期間において、各店舗のうち最も当該ユーザによって検索された数が多い店舗であると決定されてもよい。当該一定期間は、上記決定方法1で述べたのと同様であってもよい。
【0086】
また、あるユーザのメイン店舗は、時間的に一番直近に当該ユーザによって検索された店舗であると決定されてもよい。
【0087】
なお、決定方法4における検索は、図2のフローチャートにおけるアプリ上の検索を意味してもよいし、他のアプリ(例えば、ブラウザ)上の検索を意味してもよいし、両方を含んでもよい。
【0088】
デバイス10のアプリは、ユーザの店舗検索履歴の情報を周期的に(又はアプリの起動時/操作時に)取得し、広告決定サーバ30に送信してもよい。広告決定サーバ30は、各ユーザから送信された店舗検索履歴の情報を個人単位で管理/記憶し、各ユーザのメイン店舗を決定してもよい。
【0089】
店舗検索履歴の情報は、検索された店舗の店舗ID、タイムスタンプ(例えば、店舗が検索された日時)などを含んでもよい。
【0090】
なお、広告決定サーバ30は、ユーザの店舗検索履歴の情報をデバイス10のアプリから受信する代わりに、別の装置から(例えば、連携するサービス提供者のサーバから)受信して、ユーザのメイン店舗の決定に用いてもよい。
【0091】
上述の図5は、決定方法4における店舗検索履歴の情報の一例としても参照できる。図5において、上述の一定期間を3月の一か月間であるとすると、ユーザ111は店舗Aaaを2回、店舗Bbbを3回検索しているため、ユーザ111のメイン店舗は店舗Bbbであると決定されてもよい。また、図5において、時間的に一番直近にユーザ111によって検索された店舗は、3/28 15:00に検索された店舗Aaaであり、ユーザ111のメイン店舗は店舗Aaaであると決定されてもよい。
【0092】
[決定方法5]
広告決定サーバ30は、ユーザの宅配利用履歴に基づいて、メイン店舗を決定してもよい。
【0093】
宅配利用履歴は、例えば、デバイス10のアプリを介して発注された宅配の対象店舗(発注店舗と呼ばれてもよい)の履歴を含んでもよい。当該宅配は、いわゆるネットスーパー/ネットコンビニなどの宅配サービスに該当してもよく、アプリによって対象店舗を指定すると、当該対象店舗から任意の場所に商品を配送してくれる宅配であってもよい。
【0094】
宅配利用履歴は、例えば、任意の宅配会社の宅配便の受け取りのために、ユーザによって指定された対象店舗(受取店舗と呼ばれてもよい)の履歴を含んでもよい。
【0095】
例えば、あるユーザのメイン店舗は、一定期間において、各店舗のうち最も当該ユーザによって宅配(発注/受取)が利用された数が多い店舗であると決定されてもよい。当該一定期間は、上記決定方法1で述べたのと同様であってもよい。
【0096】
また、あるユーザのメイン店舗は、時間的に一番直近に当該ユーザによって宅配が利用された店舗であると決定されてもよい。
【0097】
なお、決定方法5における宅配は、図2のフローチャートにおけるアプリを介して発注/受取指定がされる宅配を意味してもよいし、他のアプリ(例えば、ブラウザ)を介して発注/受取指定がされる宅配を意味してもよいし、両方を含んでもよい。
【0098】
デバイス10のアプリは、ユーザの宅配利用履歴の情報を周期的に(又はアプリの起動時/操作時に)取得し、広告決定サーバ30に送信してもよい。広告決定サーバ30は、各ユーザから送信された宅配利用履歴の情報を個人単位で管理/記憶し、各ユーザのメイン店舗を決定してもよい。
【0099】
宅配利用履歴の情報は、発注/受取に利用された店舗の店舗ID、タイムスタンプ(例えば、発注/受取が指定された日時)などを含んでもよい。
【0100】
なお、広告決定サーバ30は、ユーザの宅配利用履歴の情報をデバイス10のアプリから受信する代わりに、別の装置から(例えば、連携するサービス提供者のサーバから)受信して、ユーザのメイン店舗の決定に用いてもよい。
【0101】
上述の図5は、決定方法5における宅配利用履歴の情報の一例としても参照できる。図5において、上述の一定期間を3月の一か月間であるとすると、ユーザ111は店舗Aaaを2回、店舗Bbbを3回、発注/受取に利用しているため、ユーザ111のメイン店舗は店舗Bbbであると決定されてもよい。また、図5において、時間的に一番直近にユーザ111によって発注/受取に利用された店舗は、3/28 15:00に検索された店舗Aaaであり、ユーザ111のメイン店舗は店舗Aaaであると決定されてもよい。
【0102】
なお、以上の決定方法3-5において、デバイス10のアプリは、ユーザの位置情報/店舗検索履歴/宅配利用履歴に基づいて自らメイン店舗を決定し、決定したメイン店舗の情報を広告決定サーバ30に送信してもよい。これによれば、広告決定サーバ30が各ユーザのメイン店舗を決定する負荷を、各ユーザのデバイス10に分散できる。
【0103】
以上説明した一実施形態によれば、ユーザのデバイス10に対して、行きつけの店舗(メイン店舗)について在庫がある商品の広告配信を好適に行うことができるため、「アプリで広告された商品がなかった」というユーザの失望を抑制できる。メイン店舗についての広告であるため、ユーザにとって利便性が高い。また、ユーザのメイン店舗を決定することによって、全店舗の在庫データを探索する必要がなく、広告決定サーバ30が低い処理負荷で在庫データを探索して広告を決定できる。
【0104】
<変形例>
上述の実施形態では、デバイス10のアプリに対して配信される広告の決定方法を説明したが、この方法を少し修正した方法に基づいて、店舗のサイネージ50に対して配信される広告が決定されてもよい。
【0105】
図6は、本開示の一実施形態の変形例に係る広告配信方法のフローチャートの一例を示す図である。図2のフローチャートと同様であってもよい内容については、繰り返し説明しない。
【0106】
ステップS202において、サイネージ50は、自身が表示する広告枠に関して、広告枠リクエストをアドサーバ20に対して送信する。サイネージ50は、広告枠リクエストとともに、店舗IDをアドサーバ20に送信する。なお、アドサーバ20において、広告枠リクエストを送信してきたサイネージ50がある店舗が特定できるのであれば、店舗IDは送信されなくてもよい。
【0107】
ステップS203において、アドサーバ20は、上記広告枠リクエストに対して返す広告を特定するために、広告決定サーバ30に対して、上記店舗IDを送信する。なお、アドサーバ20は、図2に関して述べたのと同様に、上記広告枠に出稿(掲載)する広告主を決定し、広告決定サーバ30に対して、当該広告主の情報を送信してもよい。
【0108】
ステップS205において、広告決定サーバ30は、上記店舗IDに対応する店舗の在庫データに基づいて、サイネージ50に対して配信する広告を判断する。広告決定サーバ30は、例えば、サイネージ50がある店舗に当該広告の商品の在庫が存在する場合に、サイネージ50に対して当該広告を配信することを決定してもよい。
【0109】
ステップS206において、広告決定サーバ30は、サイネージ50に対して配信する広告を特定するための情報(広告情報と呼ばれてもよい)を、アドサーバ20に対して送信する。ステップS207において、アドサーバ20は、上記広告情報に基づいて、サイネージ50に対して広告を配信する。
【0110】
以上説明した変形例によれば、店舗に在庫がある商品の広告を、当該店舗のサイネージ50に表示できるため、当該広告を見たユーザの「サイネージで広告された商品がなかった」という失望を抑制できる。また、店舗IDに基づいて特定することによって、広告決定サーバ30が低い処理負荷で在庫データを探索できる。
【0111】
<補足>
本開示において、「…ID」は、「…を特定するための情報」、「…に関連付けられる情報」、「…の識別情報」などと互いに読み替えられてもよい。例えば、本開示の店舗IDは、店舗を特定するための1つ以上の情報を意味してもよい。
【0112】
(機器の構成)
図7は、本開示の一実施形態に係る広告決定サーバの機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、広告決定サーバ30は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、入力部340と、出力部350と、を有する。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、広告決定サーバ30は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0113】
制御部310は、広告決定サーバ30の制御を実施する。制御部310は、上述の広告決定方法に基づく処理を実施してもよい。制御部310は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0114】
記憶部320は、広告決定サーバ30において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部320は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0115】
通信部330は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部330は、受信した種々の情報を制御部310に出力してもよい。
【0116】
通信部330は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部330は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0117】
入力部340は、外部(例えば、人)からの操作により入力を受け付ける。また、入力部340は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部340は、入力結果を例えば制御部310に出力してもよい。
【0118】
入力部340は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部340は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0119】
出力部350は、外部に対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、出力部350は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0120】
表示部は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0121】
出力部350は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0122】
なお、通信部330、入力部340及び制御部310のいずれか又はこれらの組み合わせは、取得部と呼ばれてもよい。
【0123】
取得部は、店舗を特定するための情報(例えば、店舗ID)に基づいて、当該店舗における商品の在庫の情報(在庫データ)を取得してもよい。制御部310は、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある商品の広告を選択してもよい。通信部330は、選択された広告の情報を、アドサーバ20に対して送信してもよい。
【0124】
制御部310は、個人を特定するための情報(例えば、個人ID)に基づいて特定される個人の購買履歴(購買データ)に特定の商品(例えば、広告対象の商品)が含まれる場合に、前記在庫の情報に基づいて、在庫がある商品の広告を選択してもよい。
【0125】
制御部310は、個人を特定するための情報に基づいて特定される個人が主に利用する又は利用すると想定されるメイン店舗を決定し、前記メイン店舗に在庫がある商品の広告を選択してもよい。
【0126】
制御部310は、前記個人の購買履歴に基づいて、一定期間において主に買い物をしていると判断される店舗を、前記メイン店舗として決定してもよい。
【0127】
制御部310は、前記個人のメイン店舗に関する設定情報によって示される店舗を、前記メイン店舗として決定してもよい。
【0128】
制御部310は、前記個人の位置情報履歴に基づいて、一定期間において最も多く入店したと考えられる店舗を、前記メイン店舗として決定してもよい。
【0129】
制御部310は、前記個人の店舗検索履歴に基づいて、前記メイン店舗を決定してもよい。
【0130】
制御部310は、前記個人の宅配利用履歴に基づいて、前記メイン店舗を決定してもよい。
【0131】
デバイス10などその他の装置についても、図7と同様の構成を有してもよい。当業者であれば、図7の説明における広告決定サーバ30関連の記載を、適宜読み替えて理解できる。
【0132】
以下、いくつかの部について例示的に説明する。なお、図7の各機能ブロックに対応する各装置の符号は、各装置を示す符号の最初の一桁の数字(例えば、デバイス10であれば「30」の最初の一桁の「3」)を図7の最初の一桁の数字に適用して表す。
【0133】
デバイス10の通信部130は、広告枠リクエスト、個人IDの情報などを、アドサーバ20に対して送信してもよい。アドサーバ20の通信部230は、個人IDの情報を、広告決定サーバ30に対して送信してもよい。
【0134】
アドサーバ20の通信部230は、広告情報を、広告決定サーバ30から受信してもよい。アドサーバ20の制御部210は、上記広告情報に基づいて、デバイス10に対して配信する広告を特定し、通信部230によって当該広告を送信してもよい。デバイス10の出力部350は、デバイス10の通信部130が受信した広告を表示してもよい。
【0135】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0136】
例えば、本開示の一実施形態における装置(広告決定サーバ30など)は、本開示の広告配信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図8は、本開示の一実施形態に係る広告決定サーバなどのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の広告決定サーバ30、デバイス10などは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0137】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。広告決定サーバ30、デバイス10などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0138】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0139】
広告決定サーバ30、デバイス10などにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0140】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。なお、上述の制御部310などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0141】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部310は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0142】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0143】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部320は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0144】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部330は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0145】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部340及び出力部350は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0146】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0147】
また、広告決定サーバ30などは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0148】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0149】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0150】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0151】
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0152】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0153】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0154】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体及び信号波形の少なくとも1つを介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0155】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0156】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0157】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0158】
本開示において、「A/B」及び「A及びBの少なくとも一方」は、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、「A/B/C」は、「A、B及びCの少なくとも1つ」を意味してもよい。
【0159】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0160】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0161】
本開示において、「以下」、「未満」、「以上」、「より多い」、「と等しい」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0162】
本開示において、「の(of)」、「のための(for)」、「に関する(regarding)」、「に関係する(related to)」、「に関連付けられる(associated with)」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0163】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8