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特許7427749特徴を追跡する短距離無線を有するフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】特徴を追跡する短距離無線を有するフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/42 20060101AFI20240129BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20240129BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20240129BHJP
   H04B 5/48 20240101ALI20240129BHJP
【FI】
B01D46/42 Z
B01D46/24 Z
B01D29/10 510C
H04B5/02
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022173602
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2020506320の分割
【原出願日】2018-08-16
(65)【公開番号】P2023017858
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】62/546,246
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/102,277
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ダニー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】アダメク, ダニエル イー.
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-013254(JP,A)
【文献】特開2008-027241(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053755(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-43/00
B01D 46/00-46/90
H04B 5/02
C02F 1/00- 1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口及び流体出口を含むと共に内容積を画定する筐体と;
前記筐体内に着脱可能に取り付けられるように構成された第1のフィルタエレメントと;
前記第1のフィルタエレメント上に又はその中に配置される短距離無線通信タグと;
前記筐体上に又はその中に配置される短距離無線通信リーダであって、前記短距離無線通信リーダと前記短距離無線通信タグとが最大通信距離以下である距離に在る場合にデータを前記短距離無線通信タグへ無線で送信すると共にデータを前記短距離無線通信タグから受信するように構成された短距離無線通信リーダと、を含み、
前記筐体からの前記第1のフィルタエレメントの除去は、前記短距離無線通信タグと前記短距離無線通信リーダとの間の前記距離が前記最大通信距離を越えるようにさせる量だけ前記短距離無線通信リーダから離れる前記短距離無線通信タグの移動を引き起こし、
さらに、前記短距離無線通信リーダから電気信号を受信するように構成されたシステムコントローラを含み、
前記システムコントローラは、前記短距離無線通信リーダから受信される前記電気信号内のオン・オフパターンを識別し、記録するように構成され、前記オン・オフパターンのオフ段階は前記短距離無線通信タグと前記短距離無線通信リーダとの間の通信の無い期間に対応し、前記オン・オフパターンのオン段階は前記短距離無線通信タグと前記短距離無線通信リーダとの間の通信の期間に対応する、濾過システム。
【請求項2】
前記内容積は円柱状外形を含む第1のフィルタエレメントを受け入れるよう構成された、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記流体入口及び前記流体出口は前記筐体の第1の端に隣接して配置され、前記筐体は前記筐体の第2の端部へ接続される着脱可能カバーを画定し、前記第2の端部は前記筐体の前記第1の端の反対側に在り、前記着脱可能カバーの除去は前記第1のフィルタエレメントが通過するのに十分に大きい前記筐体上の開口へのアクセスを可能にし、前記濾過システムは、カバー除去事象を検出するために前記着脱可能カバー上に配置された、または前記着脱可能カバー内に配置された短距離無線通信タグをさらに含む、請求項1および2のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記短距離無線通信タグは近接場通信(NFC)タグである、
及び/又は
前記短距離無線通信リーダは近接場通信(NFC)リーダである、請求項1から3のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記濾過システムは、検出されたカバー除去事象又は再設置事象の計数をインクリメント及び格納するように構成され、検出されたフィルタエレメント除去又は再設置事象の前記計数は、前記第1のフィルタエレメント上に又はその中に配置される前記短距離無線通信タグの一部分である記憶回路内に格納されるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記流体入口は前記筐体の第1の端に隣接して配置され、前記流体出口は前記筐体の第2の端に隣接して配置され、前記第1の端は前記筐体の前記第2の端とは反対側に配置される、請求項1および2のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記最大通信距離は20センチメートル以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記オフ段階は0.5秒を越える期間を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記濾過システムは、掛け金作動センサをさらに含み、掛け金作動事象の計数をインクリメントし格納するように構成された、請求項1から8のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記筐体は側壁及び端壁を含み、前記側壁の長さは前記最大通信距離を越える、請求項1から9のいずれか一項に記載の濾過システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、すべての国の指定のための出願人である米国の国内企業DONALDSON COMPANY,INC.並びにすべての国の指定のための発明者である米国市民Danny William Miller及び米国市民Daniel E.Adamekの名のもとに2018年8月16日にPCT国際特許出願として出願されており、参照のためその全体を本明細書に援用する2018年8月13日出願の米国特許出願第16/102,277号明細書及び2017年8月16日出願の米国仮特許出願第62/546,246号明細書の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本明細書における実施形態は特徴を追跡する短距離無線を含むフィルタシステムに関する。さらに具体的には、本明細書における実施形態は、フィルタシステムからのフィルタエレメントのカバー除去、掛け金作動、挿入及び/又は除去などのフィルタシステムに関する作用を検出し得る短距離無線追跡特徴を含むフィルタシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
流体流はしばしばその中に粒子材料を運ぶ。多くの場合、流体流から粒子材料の一部又はすべてを除去することが望ましい。例えば、電動車両又は動力生成装置のエンジンへの吸気流、ガスタービンへ向けられたガス流、及び様々な燃焼炉への気流はしばしば粒子材料をその中に含む。粒子材料は、関与する様々な機構の内部仕組みに到達すれば、それに対し相当な損傷を引き起こし得る。従って、このようなシステムはエンジン、タービン、燃焼炉又は他の関与する機器の上流の流体流から粒子材料を除去することが好ましい。多様な空気フィルタ又はガスフィルタ配置が粒子除去のために開発されてきた。粒子除去を越えて、フィルタシステムはまた、気相又は液相汚染物質除去システムとして使用され得る。
【0004】
多くのフィルタシステムは、適切な動作を保証するために時々交換及び/又はサービスされなければならないフィルタエレメントを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、フィルタシステムからのフィルタエレメントの挿入及び/又は除去を検出し得る短距離無線追跡特徴を含むフィルタシステムを含む。一実施形態では、筐体を有する濾過システムが含まれる。筐体は流体入口及び流体出口を含み得る。筐体は内容積を画定し得る。第1のフィルタエレメントは筐体内に着脱可能に配置されるように構成され得る。短距離無線タグが第1のフィルタエレメントに関連付けられ得る。筐体に関連付けられた又はその外の短距離無線リーダは、短距離無線リーダと短距離無線タグとが最大通信距離以下である距離に在る場合にデータを短距離無線タグへ無線で送信すると共にデータを短距離無線タグから受信するように構成される。筐体からの第1のフィルタエレメントの除去は、短距離無線タグと短距離無線リーダとの間の距離が最大通信距離を越えるようにさせる量だけ短距離無線リーダから離れる短距離無線タグの移動を引き起こし得る。
【0006】
一実施形態では、筐体を有する濾過システムが含まれる。筐体は流体入口及び流体出口を含み得る。筐体は内容積を画定し得る。第1のフィルタエレメントは筐体内に着脱可能に配置されるように構成され得る。短距離無線通信タグは第1のフィルタエレメントに関連付けられ得る。短距離無線通信リーダは筐体に又はその外に関連付けら得る。上記リーダは、上記リーダと上記タグとが最大通信距離以下である距離に在る場合にデータを上記タグへ無線で送信すると共にデータを上記タグから受信するように構成され得る。筐体からの第1のフィルタエレメントの除去は、上記タグと上記リーダとの間の距離が最大通信距離を越えるようにさせる量だけ上記リーダから離れる短距離無線タグの移動を引き起こし得る。
【0007】
一実施形態では、濾過システム内のフィルタエレメント除去事象を検出する方法が含まれる。本方法は、電力をフィルタ筐体に又はその外に関連付けられた短距離無線通信リーダから短距離無線通信タグへ誘導的に送信する工程を含み得る。フィルタ筐体は流体入口及び流体出口を含み得る。フィルタ筐体は内容積を画定し得る。短距離無線通信タグは第1のフィルタエレメントに関連付けられ得る。第1のフィルタエレメントは筐体内に着脱可能に配置されるように構成され得る。本方法は上記タグにより生成された無線信号を上記リーダにより受信する工程を含み得る。本方法はまた、上記リーダと上記タグとの間の無通信の発生を検出する工程を含み得る、前の段階の通信に続く無通信の発生はフィルタエレメント除去事象を示す。
【0008】
一実施形態では、濾過システムが含まれる。濾過システムは、スピンオンキャニスタフィルタ、スピンオンキャニスタフィルタに関連付けられた短距離無線通信タグ、スピンオンキャニスタフィルタを収容するように構成されたフィルタヘッド、及びフィルタヘッドに関連付けられた短距離無線通信リーダを含み得る。短距離無線通信リーダは、短距離無線通信リーダと短距離無線通信タグとが最大通信距離以下である距離に在る場合にデータを短距離無線通信タグへ無線で送信すると共にデータを短距離無線通信タグから受信するように構成され得る。フィルタヘッドからのスピンオンキャニスタフィルタの除去は短距離無線通信タグと短距離無線通信リーダとの間の距離が最大通信距離を越えるようにさせる量だけ短距離無線通信リーダから離れる短距離無線通信タグの移動を引き起こし得る。
【0009】
この概要は、本出願の教示のうちのいくつかの教示の概観であり、本主題の排他的又は網羅的処理となるようには意図されていない。さらなる詳細は詳細説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細説明を読み、理解し、そしてその一部を形成する添付図面(それぞれは限定的な意味で採用されるべきでない)を見ると、当業者にとって明らかになる。本明細書における範囲は添付の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物により定義される。
【0010】
態様は以下の添付図面に関連してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】フィルタシステムデータ通信環境100の概略図である。
図2】本開示によるフィルタシステムが使用されるシステムの実施形態の概略図である。
図3】本明細書における様々な実施形態に従ってその中に設置された一次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図である。
図4】本明細書における様々な実施形態による一次フィルタエレメントが除去されたフィルタシステムの概略断面図である。
図5】本明細書における様々な実施形態に従ってその中に設置された一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図である。
図6】本明細書における様々な実施形態に従ってその中に設置された一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図が示される。
図7】本開示の原理に従って構築された筐体及びフィルタエレメントを含むフィルタシステムの分解斜視図が示される。
図8】本明細書における様々な実施形態に従って組み立てられた配向における図7のフィルタシステムの端正面図を示す。
図9】本明細書における様々な実施形態に従って組み立てられた配向における図7のフィルタシステムの端正面図。
図10】本明細書における様々な実施形態に従って組み立てられた配向における図7のフィルタシステムの部分的断面図である。
図11】本明細書における様々な実施形態によるその中にフィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略分解透視図である。
図12】第1の筐体部及び第2の筐体部を有する筐体を含むフィルタシステムの概略図である。
図13】本明細書における様々な実施形態によるフィルタヘッド及びスピンオンキャニスタフィルタを含むフィルタアセンブリの分解斜視図である。
図14】本明細書における様々な実施形態による一次フィルタエレメントが除去されたフィルタシステムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態は様々な修正及び代替形式に服するが、その各論は、添付図面に一例として示されており、詳細に説明されることになる。しかし、本明細書の範囲は説明される特定実施形態へ限定されるものではないということを理解すべきである。逆に、本発明は本明細書の精神及び範囲に入る修正、等価及び代替実施形態をカバーする。
【0013】
本明細書における実施形態は、フィルタエレメント上とこれらが嵌る筐体上とへ置かれたタグ及びリーダなどの短距離無線通信部品の使用を含み得る。タグ及びリーダは、フィルタエレメントの除去がタグと関連リーダとをこれらの動作無線通信距離を越える距離だけ分離させるように、配置され得る。従って、これらが嵌る筐体からのフィルタエレメントの除去は、無線タグと関連無線リーダとの間の通信の欠落を感知することに基づき判断され得る。
【0014】
次に図1を参照すると、フィルタシステムデータ通信環境100の概略図が示される。車両などの機械102はエンジン制御ユニット(ECU:engine control unit)104及びフィルタシステム106を含み得る。フィルタシステム106は、限定しないが、入ってくる空気、燃料、潤滑油又は排気ガスなどの流体を濾過することを含む様々な目的のためのものであり得る。いくつかの実施形態では、機械102は複数のフィルタシステムを含む。例示的フィルタシステムが以下にさらに詳細に説明される。
【0015】
いくつかの実施形態では、フィルタシステム106はECU104と有線的やり方又は無線的やり方のいずれかで電子的通信状態にあり得る。いくつかの実施形態では、フィルタシステム106は、ECU104をバイパスすることにより、又はECU104と交換される有線又は無線信号と並列に、のいずれかにより無線信号を機械102又は車両の外に在る部品へ又はそれから発射及び/又は受信し得る。
【0016】
機械102は作業環境116内に存在し得る。作業環境116は、機械102が主として働く地理的エリアを表し得る。機械102の性質に依存して、作業環境116は極めて大きい(1平方マイル当たり10~1000)又は比較的小さい(1平方マイル当たり10未満又はさらには1に満たない)可能性がある。作業環境116は例えば採鉱施設、建設現場、出荷又は配送センター、生産施設などであり得る。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器ユニット110が作業環境116内に配置され得る。ゲートウェイ又は中継器ユニット110は、いくつかの実施形態では、機械102及び/又はフィルタシステム106及び/又はECU104などのその部品と無線で通信する。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器ユニット110はインターネット又は様々な私設ネットワークなどの外部データネットワーク122と接続され得る。いくつかの実施形態では、データネットワーク122はパケット交換網であり得る。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器110はまたデータネットワークルータ機能を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、サーバ112もまた作業環境116内に配置され得る。サーバ112はゲートウェイ又は中継器ユニット110からデータを受信し得る。しかし、多くの実施形態ではサーバ112は作業環境116内に無くてもよいということが理解されるようになる。
【0018】
いくつかの実施形態では、機械102、ECU104、フィルタシステム106、ゲートウェイ又は中継器ユニット110などの部品のうちの1つ又は複数からの無線信号が、セルラ塔又は他の無線通信塔である可能性がある無線通信塔120(又はアンテナアレイ)と交換され得る。無線通信塔120は、インターネット又は別のタイプの公設又は私設データネットワークなどのデータネットワーク122へ接続され得る(パケット交換又は別の方法で)。
【0019】
データネットワークは作業環境116の外に在る他の部品との一方向又は双方向通信を提供し得る。例えば、サーバ124又は他の処理デバイスが、機械102、ECU104、フィルタシステム106、ゲートウェイ又は中継器ユニット110などの1つ又は複数の部品からデータを含む電子的信号を受信し得る。サーバ124はデータを格納するためにデータベース126とインターフェースし得る。いくつかの実施形態では、サーバ124(又はサーバシステムの一部分である特定デバイス)は、データベース126内に格納されたデータをユーザが照会することを可能にし得るユーザデバイス128とインターフェースし得る。
【0020】
フィルタシステム106により生成されるデータは様々なタイプのものであり得る。いくつかの実施形態では、フィルタシステム106により生成されるデータは、圧力降下、経時的な圧力降下変化に関するデータ、一次フィルタ除去事象及び/又はその数、二次フィルタ除去事象及び/又はその数、一次フィルタ使用時間、二次フィルタ使用時間、一次フィルタ設置日時及び/又は設置事象の数、二次フィルタ設置日時及び/又は設置事象の数などを含み得る。
【0021】
ここで図2を参照すると、本開示によるフィルタシステムが使用されるシステムの実施形態の概略図が示される。図2では、規程定格気流需要(例えば少なくとも1,400リットル/分(50立方フート/分)~最大51,000リットル/分(1800立方フート/分)を有するエンジン233を有する機器232(車両など)が概略的に示される。機器232は、バス、高速道路トラック、オフロード車両、トラクタ、軽量又は中量トラック又はモータボートなどの海洋アプリケーションであり得る。エンジン233は空気/燃料混合物の使用を通じて動力を機器232に供給する。図2では、吸気領域235においてエンジン233内に引き込まれる気流が示される。任意選択的ターボ236が、エンジン233中への吸気を任意選択的に増強するものとして仮想線で示される。フィルタ構築物242を有するフィルタシステム240がエンジン233及びターボ236の上流に在る。一般的に、動作中、空気は、矢印244で示すように、フィルタシステム240中へ引き込まれそしてフィルタ構築物242を通る。そこでは、粒子及び汚染物質が空気から除去される。浄化された空気は矢印246で示すように下流へ流れ吸気領域235内に入る。そこから、空気はエンジン233内へ流れて機器232の動力を供給する。
【0022】
ここで図3を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント320を有するフィルタシステム300の概略断面図が示される。フィルタシステム300は、流体入口310及び流体出口312を含むと共に内容積314を画定する筐体302を含み得る。一次フィルタエレメント320は、筐体302の内容積314内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。図3に示す図では、一次フィルタエレメント320は、一次フィルタエレメント320が内容積314の遠端部328に近い又はそれに接触する位置にあるように筐体302内へ十分挿入される。内容積314の反対側には、内容積314の近端部330が在る。内容積314の近端部330は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部330と隣接して嵌合する着脱可能カバー304と係合するように構成される。着脱可能カバー304は、近端部330と係合し得、ねじ、摩擦嵌合機構、掛け金、バックル、スナップ式機構などを含む様々なデバイス又は構造を介しそれへ取り付けられた状態のままであり得る。
【0023】
近接場通信(NFC:near-field communication)タグ322などの短距離無線通信タグが一次フィルタエレメント320に関連付けられ(例えば、一次フィルタエレメント320上に又はその中に配置され)得る。近接場通信(NFC)リーダ324などの短距離無線通信リーダが筐体302内に又はその上に配置され得る。NFCリーダ324は、NFCリーダ324及びNFCタグ322がNFCリーダ324とNFCタグ322との最大通信距離346以下の距離326に在る場合にデータをNFCタグ322へ無線で送信する及びデータをそれから受信するように構成され得る。
【0024】
本明細書における様々な実施形態では、筐体からの一次フィルタエレメントの除去は、タグとリーダとの間の距離が最大通信距離を越えるようにさせる量だけリーダから離れるタグの移動を引き起こす。ここで図4を参照すると、本明細書における様々な実施形態による一次フィルタエレメント320が除去されたフィルタシステム300の概略断面図が示される。この図では、カバー304が内容積314の近端部330から除去された。さらに、一次フィルタエレメント320が内容積314の遠端部328から離された。従って、今や、NFCリーダ324及びNFCタグ322はNFCリーダ324とNFCタグ322との最大通信距離346以上である距離326に配置された。
【0025】
本明細書におけるフィルタシステムの実施形態は2つ以上のフィルタエレメントを含み得るということが理解されることになる。例えば、本明細書におけるいくつかの実施形態では、フィルタシステムは一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを含むように構成され得る。一次フィルタエレメントは、濾過活動のほとんど又はすべてを通常動作中に行い得る。しかし、一次フィルタが故障すれば、二次フィルタエレメント(又はバックアップフィルタエレメント)が、流体を一定期間の間濾過することにより、フィルタシステムが配置される機械を保護し得る。いくつかの実施形態では、一次及び二次フィルタは同じ頻度で取り替えられる。しかし、他の実施形態では、一次フィルタは二次フィルタを変更する頻度より高い頻度で取り替えられる。
【0026】
ここで図5を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント320及び二次フィルタエレメント321を有するフィルタシステム300の概略断面図が示される。フィルタシステム300は、流体入口310及び流体出口312を含むと共に内容積314を画定する筐体302を含み得る。一次フィルタエレメント320は、筐体302の内容積314内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。二次フィルタエレメント321は、筐体302の内容積314内に配置され得、又、一次フィルタエレメント320を同時に除去するしないにかかわらずその中に着脱可能に配置されるように構成され得る。
【0027】
図5に示す図では、一次フィルタエレメント320及び二次フィルタエレメント321は、一次及び二次フィルタエレメント320、321が内容積314の遠端部328に近い又はそれに接触する位置に在るように筐体302内へ十分挿入される。内容積314の反対側には、内容積314の近端部330が在る。内容積314の近端部330は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部330と隣接して嵌合するカバー304と係合するように構成される。
【0028】
第1のNFCタグ322が一次フィルタエレメント320に関連付けられ(例えば、一次フィルタエレメント320上に又はその中に配置され)得、第2のNFCタグ323は二次フィルタエレメント321に関連付けられ(例えば、二次フィルタエレメント321上に又はその中に配置され)得る。NFCリーダ324が筐体302内に又はその上に配置され得る。NFCリーダ324は、NFCリーダ324及びNFCタグ322、323がNFCリーダ324とNFCタグ322、323との最大通信距離以下の距離に在る場合にデータを第1のNFCタグ322及び第2のNFCタグ323へ無線で送信する及びデータをそれらから受信するように構成され得る。
【0029】
本明細書におけるフィルタシステムは多くの異なる形状及び構成を採り得るということが理解されることになる。ここで図6を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント620及び二次フィルタエレメント621を有するフィルタシステム600の概略断面図が示される。フィルタシステム600は流体入口610及び流体出口612を含む筐体602を含み得る。筐体は内容積614を画定し得る。一次フィルタエレメント620は、筐体602の内容積614内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。二次フィルタエレメント621は、筐体602の内容積614内に配置され得、また、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。この実施形態では、一次フィルタエレメント620は二次フィルタエレメント621を除去するしないにかかわらず除去され得る。
【0030】
図6に示す図では、一次フィルタエレメント620と二次フィルタエレメント621とは両方とも、筐体602内に十分挿入されるが、筐体602の設計に基づき、内容積614の遠端部628に等しく近くにはない。内容積614の反対側に、内容積614の近端部630が在る。内容積614の近端部630は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部630と隣接して嵌合する着脱可能カバー604と係合するように構成される。
【0031】
第1の近距離無線通信タグ622は一次フィルタエレメント620に関連付けられ(例えば、一次フィルタエレメント620上に又はその中に配置され)得、第2の近距離無線通信タグ623は二次フィルタエレメント621に関連付けられ(例えば、二次フィルタエレメント621上に又はその中に配置され)得る。第1の短距離無線通信リーダ624及び第2の短距離無線通信リーダ626は筐体602内に又はその上に配置され得る。リーダ624、626は、リーダ624、626及びタグ622、623がリーダ624、626とタグ622、623との最大通信距離以下の距離に在る場合にデータを第1のタグ622及び第2のタグ623へ無線で送信する及びデータをそれらから受信するように構成され得る。
【0032】
上記を参照すると、フィルタシステムの多くの異なる形状及び構成が本明細書では企図される。ここで図7を参照すると、本開示の原理に従って構築された筐体及びフィルタエレメントを含むフィルタシステム710の分解斜視図が示される。描写されたフィルタシステム710は筐体712と着脱可能且つ交換可能な一次フィルタエレメント714とを含む。示されたものでは、筐体712は筐体本体716と着脱可能サービス用カバー718とを含む。カバー718は、サービスのための筐体本体716の内部へのサービスアクセスを提供する。図7に描写する一般型のフィルタシステム710に関して、サービスは通常、改装又は交換のいずれかのために少なくとも1つのフィルタエレメント(描写されたフィルタエレメント714など)を筐体712から取り外し除去することに関わる。
【0033】
描写された筐体712は、端721、空気入口722、及び空気出口724を有する外壁720を含む。描写された実施形態に関し、入口722及び出口724は両方とも筐体本体716内にある。他の実施形態では、入口722又は出口724の少なくとも一方はカバー718の一部分であり得る。典型的使用では、周囲又は未濾過空気が入口722を通ってフィルタシステム710に入る。フィルタシステム710内では、この空気は所望レベルの粒子除去を得るためにフィルタエレメント714を通過される。次に、この濾過された空気は、出口724を通ってフィルタシステム710から外方向に通過し、適切な導管作業又は導管により関連エンジン又はコンプレッサ又は他のシステムの吸気の入口へ向けられる。
【0034】
図7は粒子除去のためのフィルタエレメントを説明するが、本明細書における実施形態がまた気相及び/又は液相汚染物質の除去のためのフィルタシステム及び/又はフィルタエレメントを含むということが理解されることになる。
【0035】
描写された特定フィルタシステム710は樽形状又は概して円筒状構成を画定する外壁720を有する。この特定構成では、出口724は通常、フィルタエレメント714により規定された長手方向中心軸の方向に延びそれを囲むので軸方向出口として説明され得る。サービス用カバー718は通常、筐体本体716の開放端726にぴったり嵌る。示された特定配置では、カバー718は、掛け金728により端726の上に適所に固定される。
【0036】
図7はまた、フィルタエレメント714の第1のエンドキャップ754上に配置されたタグ762を示す。リーダ764は筐体712の端721上に又はその中に取り付けられ得る。フィルタエレメント714が筐体712内に十分挿入されると、タグ762は無線通信を交換するためにリーダ764と十分に接近し得る。いくつかの実施形態では、リーダ764はシステムコントローラ765と電気的通信状態にあり得る。システムコントローラ765は、データのテレメトリ、格納及び/又は処理、電力貯蔵及び/又は変調などのための様々な回路系(RAM/ROMを及び/又はデータレジスタを含む)を含み得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ765はマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。しかし、いくつかの実施形態では、システムコントローラ765に関し上に説明した要素はリーダ764内へ組み込まれ得る。
【0037】
ここで図8を参照すると、組み立てられた配向における図7のフィルタシステムの端正面図が示される。上記を参照すると、タグはフィルタエレメントの第1のエンドキャップに関連付けられ(例えばこの上に又はその中に配置され)得る。リーダ764は筐体の端721上に又はその中に取り付けられ得る。フィルタエレメントが筐体内に十分挿入されると、フィルタエレメント上のタグは無線通信を交換するためにリーダ764と十分に接近し得る。いくつかの実施形態では、リーダ764はシステムコントローラ765と電気的通信状態にあり得る。
【0038】
リーダ及び/又はタグの多くの異なる物理的構成が本明細書において企図される。様々な実施形態では、リーダ及び/又はタグはアンテナとして働き得る導体により形成されるループを含み得る。いくつかの実施形態では、リーダ及び/又はタグの形状は、卵形状、円状、多角形状、不規則状などであり得る。いくつかの実施形態では、リーダ及び/又はタグは中央開口を有するループを画定し得る。いくつかの実施形態では、リーダ及び/又はタグは、所望最大通信距離に依存して複数のアンテナのうちの1つを選択的に使用するために切り替えデバイスと共に様々なサイズの複数のアンテナを含み得る。しかし、他の実施形態では、リーダ又はタグはいかなる開口も画定しない。
【0039】
ここで図9を参照すると、組み立てられた配向における図7のフィルタシステムであるが異なる物理的構成を有するリーダを含む、フィルタシステムの端正面図が示される。上記を参照すると、タグはフィルタエレメントの第1のエンドキャップに関連付けられ(例えばこの上に又はその中に配置され)得る。リーダ764は筐体の端721上に又はその中に取り付けられ得る。フィルタエレメントが筐体内に十分挿入されると、フィルタエレメント上のタグは無線通信を交換するためにリーダ764と十分に接近し得る。いくつかの実施形態では、リーダ764はシステムコントローラ765と電気的通信状態にあり得る。
【0040】
しかし、図8に示すリーダ764とは異なり、図9のリーダ764は、筐体の端721の外周囲に隣接して配置されるループを形成する。この構成では、リーダ764により囲まれる断面積は筐体の端721の全断面積と比較して比較的大きい。
【0041】
次に図10を参照すると、フィルタシステム710の部分的断面図が描写される。図10を参照すると、本体716がフィルタシステム710の内部730を画定するということがわかる。描写された特定フィルタシステム710の内部730には、使用中に空気が導かれるフィルタエレメント714が配置される。この実施形態では、任意選択的な二次又は安全フィルタエレメント732も描写される。
【0042】
本明細書では、用語「フィルタエレメント」又は「エレメント」は、空気が入口722から内部730を通って出口724へ導かれると濾過される空気が通過するフィルタ媒体を含む着脱可能且つ交換可能な部品を指す。フィルタエレメント714は空気濾過(又は除塵)機能を行う。別途明記しない限り、用語「エレメント」、「フィルタエレメント」、及び「フィルタ」はフィルタシステム710内の着脱可能且つ交換可能な部品を指すように意図される。好適には、フィルタエレメントは、適切なサービス間隔で手動で除去及び交換され得るように構成される。
【0043】
本明細書では、用語「一次エレメント」又は「一次フィルタエレメント」は通常、塵負荷の大部分がフィルタシステム使用中に発生するフィルタエレメントを指す。2つのエレメントを有する典型的システムでは、一次エレメントは、典型的組み立て中は安全エレメントの上流側に位置する。この文脈における「上流」により意味するのは「使用中のフィルタエレメント位置、フィルタシステム構成、及びシールの位置に起因して、空気又は別の流体が通常、空気又は他の流体が入口722から出口724へ移動する際に空気が安全エレメントを通過する前に一次エレメントを通過しなければならない」ということである。
【0044】
本明細書では、用語「二次エレメント」又は「安全エレメント」は一次エレメントの下流側エレメントを指す。通常、極僅かの塵負荷が安全エレメントに対し発生する。極僅かの塵負荷は通常、一次エレメントの一部分の故障又はシールの故障、又は一次エレメントのサービス中の不慮の塵移動、又はいくつかの他の災難のいずれかの結果としてだけ発生する。
【0045】
図10に描写される安全エレメント732は、開放フィルタ内部736を画定するフィルタ媒体734の円柱状拡張部分を含む。フィルタ媒体734は開放エンドキャップ738と閉鎖型エンドキャップ740との間に延びる。安全エレメント732内で使用されるフィルタ媒体734は、ひだ状媒体、深層媒体、フェルト、又はフィルタシステム710の設計者により適切と判断される任意のタイプの媒体であり得る。
【0046】
安全エレメント732は、密閉され、時折除去され、そして新しい安全エレメント732と交換されることを許容されるように筐体712内に動作可能に設置される。シール742が安全エレメント732と筐体712との間に描写される。多くの異なるタイプのシールが使用される可能性があるが、示された実施形態では、描写されたシール742は放射状シール744:具体的には、開放エンドキャップ738と本体716の内壁746との間に外方向に向けられた放射状シールである。
【0047】
示された実施形態では、安全エレメント732の閉鎖型エンドキャップ740は通常、平坦ディスク748である。いくつかの実施形態では、閉鎖型エンドキャップ740は一次エレメント714の一部分と係合する突起を含み得る。安全エレメント732と一次エレメント714との間の係合の例は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,652,614号明細書に示される。
【0048】
フィルタ媒体の管状拡張部分が第1のエンドキャップ54と第2のエンドキャップ56との間に延び得る。示された実施形態では、フィルタ媒体の管状拡張部分は、円筒形状であり他の実施形態では例えば円錐状又は楕円状である可能性がある。フィルタ媒体の管状拡張部分は開放フィルタ内部を画定する。図10に示す実施形態では、開放フィルタ内部は安全エレメントを収容する。多くの異なるタイプのフィルタ媒体が使用され得る。いくつかの実施形態では、フィルタ媒体はひだ状媒体であり得る。ひだ状媒体はひだ状紙又は繊維であり得る。
【0049】
図10に示す実施形態では、また、第1のエンドキャップ54と第2のエンドキャップ56との間の拡張部分は内側媒体支持体又は内側ライナーであり得る。内側ライナーは、動作圧力及び他の条件により媒体を支持するのを助ける。内側ライナーは非金属であってもよいし、エキスパンドメタルなどの金属であってもよい。
【0050】
フィルタエレメント714はシール768において筐体712へ解放可能に密閉される。フィルタエレメント714を筐体712へ解放可能に密閉するための多様な技術が存在する。示された実施形態では、放射状シール770がエレメント714と筐体712との間に形成される。具体的には、内方向に向けられた放射状シール770が第1のエンドキャップ754と筐体本体716の内壁746との間に形成される。
【0051】
第2の部分792はフィルタシステム710の前洗浄器の一部分である。具体的には、次に図10を参照すると、フィルタシステム710は、筐体712の一部分として(特にカバー718の一部分として)塵排出器794を有する。濾過されるべき空気は入口722を通って筐体712に入り、前洗浄器796は、大きな塵粒子を析出するのを助け、これらの大きな塵粒子が一次エレメント714へ到達する前にこれらを塵排出器794を介し排出する。具体的には、第2の部分792は吸気が第2の部分792を中心に円周方向に回転及び旋回することを可能にする。第2の部分792を中心とする空気のこの回転は塵粒子を筐体712の底798へ落下させる遠心力を生成する。筐体712の底798では、これらの塵粒子はカバー718内の排出器出口703を貫流し次に排気弁702を貫流する。
【0052】
示された実施形態では、カバー718は、放射状シール770により筐体712内の動作可能位置にフィルタエレメント714を横方向に適所に支持するのを助けるために第2のエンドキャップ756と嵌合する構造を含む。図7に示す実施形態では、カバー718は、第2のエンドキャップ756の閉鎖型凹部708内へ突出する突起776を含む。好適には、カバー718はまた、第2のエンドキャップ756の突起を収容するように配向された凹部778を画定する。図10に見られるように、突起が閉鎖型凹部708内に収容されると、そして突起が凹部778により収容されると、これは、放射状シール770により壁746上の適所に取り付けられたフィルタエレメント714を適所に維持するのを助けるだろう。
【0053】
本明細書においてこれまで示されたフィルタエレメント及び筐体の多くは、円筒形状フィルタエレメントとこれらを嵌め込むように構成された筐体とを描写するが、多くの異なる形状を有するフィルタエレメントが本明細書におけて企図されるということが理解されることになる。加えて、二次又は安全フィルタエレメントを含む上に参照された実施形態は一次フィルタエレメント内にちょうど収まるこのような二次又は安全フィルタエレメントを示すが、一次及び二次フィルタエレメントを含む他の多くの構成のフィルタシステムが本明細書において企図される。「第1のフィルタエレメント」への参照は、本明細書で述べた一次フィルタエレメント又は二次フィルタエレメントのいずれかを文脈に依存して指し得る。同様に、「第2のフィルタエレメント」への参照は、本明細書で述べた一次フィルタエレメント又は二次フィルタエレメントのいずれかを文脈に依存して指し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、係止センサ788が掛け金728に関連付けられ得る。係止センサ788は掛け金728が作動されたということを検出し得る(例えばカバー718を除去する過程で)。係止センサ788は有線的やり方又は無線的やり方のいずれかでシステムの他の部品と通信し得る。いくつかの実施形態では、係止センサ788はコントローラ765と電子的通信状態であり得る。限定しないが圧電センサ、切り替えセンサ、容量性センサなどを含む様々な部品が係止センサ788を形成するために使用され得る。
【0055】
ここで図11を参照すると、フィルタエレメント1000を有するフィルタシステム1060の概略分解透視図が描写される。フィルタシステム1060は筐体部1062、1063を有する筐体1061を含み得る。筐体部1062、1063間には、設置中に、軸方向筐体シール装置1002が配置され、締めつけられるだろう。筐体部の一方1063は通常、フィルタエレメント収容器となり、収容溝1065をその中に含むことになる。設置中に、シール装置1002は収容溝1065へ嵌められる。第2の筐体部1063は通常、設置中に表面1014へ圧力を印加するように配向された圧力フランジ1064を含むだろう。圧力フランジ1064は、密閉のためにシール部材1012を溝1065の棚面部分又はシール面部分に対して適切に締めつけるためにシール面1015が加圧されるということを保証するのを助ける。ボルト又はオーバセンタ(over center)掛け金などの様々な保持機構が力を印加し保持するために使用され得る。
【0056】
図11を依然として参照すると、筐体部1063は、設置中にシール装置1002を取り囲み、それから任意選択的ハンドル部材1030、1031と同じ方向に突出し得るシール領域外周リム1070を含む。フィルタエレメント1000はリム1070内に凹設され得る。
【0057】
図11を依然として参照すると、筐体部1063はまた、リム1070により取り囲まれたシール領域内周リム1071であってシール係合面を含む溝1072によりリム1070から離間されたシール領域内周リム1071を含む。リム1071は任意選択的であるが、リム1071は好ましい。リム1071は通常、フィルタエレメント1000が適切に設置されると、シール装置又は部材1012の一部分がリム1071とリム1070との間に位置するように配置されることになる。
【0058】
タグ1092がフィルタエレメント1000に関連付けられ(例えば、フィルタエレメント1000上に又はその中に配置され)得る。特に、タグ1092は、フィルタエレメント1000の側壁1003上に若しくはその中に又はフィルタエレメント1000の別の部品上に若しくはその中に配置され得る。リーダ1094が筐体1061に関連付けられ得る(例えばその上に又はその中に取り付けられ得る)。フィルタエレメント1000が筐体1061内に十分挿入されると、フィルタエレメント1000上のタグ1092は無線通信を交換するためにリーダ1094と十分に接近し得る。いくつかの実施形態では、リーダ1094は、電気的コンタクト1096を含むコンタクトパッド1095と電気的通信状態であり得る。コンタクトパッド1095はリーダ1094と他の機器とを接続することを容易にし得る。いくつかの実施形態では、コンタクトパッドに加えて又はその代わりに、リーダ1094はリーダ1094と他の機器とを接続することを容易にするために電気的プラグと電気的通信状態にあり得る。
【0059】
図11の筐体1062は概略であるということに注意すべきである。筐体はまた、その設置、気流入口、気流出口などに関係する追加特徴を有し得る。また、タグ1092は、多くの異なる特定位置に(例えば、フィルタエレメント1000の内部上、又はフィルタエレメント1000若しくはフィルタシステムの他の部品内若しくはそれらの間に)在り得る。
【0060】
図12には、第1の筐体部1062及び第2の筐体部1063を有する筐体1061を含むフィルタシステム1060の別の実施形態が概略的に示される。筐体1061は気流入口1069及び気流出口1059を含む。ボルト1067は、筐体部1062、1063を一緒に固定し、締めつけ力をシール装置1002へ与えることになる。
【0061】
図12の描写では入口1069は部分1062内に在り出口1059は部分1063内に在るということに注意すべきである。いくつかの実施形態では、入口1069と出口1059との両方は単一筐体部(例えば部分1063)内に位置し得、他の部分1062は、分離可能アクセスカバーとして働き、そして密閉圧力を与えるように輪郭形成される。
【0062】
上記を参照すると、リーダ1094は筐体1061上に又はその中に取り付けられ得る。フィルタエレメントが筐体内に十分挿入されると、フィルタエレメント上のタグは無線通信を交換するためにリーダ1094と十分に接近し得る。いくつかの実施形態では、リーダ1094は電気的コンタクト1096を含むコンタクトパッド1095と電気的通信状態であり得る。
【0063】
ここで図13を参照すると、フィルタヘッド1344及びスピンオンキャニスタフィルタ1346を含むフィルタアセンブリ1340の分解斜視図が示される。フィルタヘッド1344はスピンオンキャニスタフィルタ1346とボウルカートリッジフィルタ(図示せず)との両方を動作可能に収容することができる。「動作可能に収容する」により意味するのは「フィルタヘッド1344は、浄化されるべき流体が適切なチャネルを介し導かれて目的どおり流体を浄化するようにスピンオンキャニスタフィルタ1346と係合するのに適切な構造を含む」ということである。図13を参照すると、スピンオンキャニスタフィルタ1346は使い捨て筐体1350及びバッフル板1352を含む。筐体1350は交換不能カートリッジフィルタ(フィルタエレメント)を恒久的に保持するフィルタ内部を画定する。いくつかの実施形態では、フィルタヘッド1344は端面1345を含む。
【0064】
バッフル板1352は、フィルタヘッド1344からスピンオンキャニスタフィルタ1346の内容積内への流体流れを許容するための複数の開口1342を含む。
【0065】
フィルタヘッド1344は、内容積を取り囲む外側管を形成する連続的外壁部材1360を含むブロック1358を含む。フィルタヘッドブロック1358は、前方流システムでは入口である第1のポート、前方流システムでは出口ポートである第2のポート、及び内容積内に在り外側管により囲まれる内部又は中心管を画定し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、外面1372は第1の機械的接続構造1374を有し得る。第1の機械的接続構造1374は多くのタイプの配置を含む。それらの可能な配置のうちの中でも、一例は、ねじ、バイオネット接続、ビード及び溝接続などを含む。示された特定の実施形態では、第1の接続構造1374は第1の複数のネジ山1376を含む。この特定の実施形態では、第1の複数のネジ山1376は壁部材1360の外面1372上に配置される。しかし、他の実施形態では、第1の複数のねじ山は壁部材1360の内面に沿って配置され得る。
【0067】
スピンオンキャニスタフィルタ1346は第2の機械的接続構造1325(この場合、ネジ山1326として描写される)を含み得る。ネジ山1326はネジ山1374と係合する。
【0068】
短距離無線通信タグ1322はスピンオンキャニスタフィルタ1346に関連付けられ(例えばこの上に又はその中に配置され)得る。短距離無線通信リーダ1324はフィルタヘッド1344又はその壁部材1360などの部品に関連付けられ(例えばこれらの上に又はその中に配置され)得る。リーダ1324は、リーダ1324及びタグ1322がリーダ1324とタグ1322との最大通信距離以下の距離に在る場合にデータをタグ1322へ無線で送信する及びデータをそれから受信するように構成され得る。
【0069】
リーダ1324とタグ1322との間の最大通信距離は、スピンオンキャニスタフィルタ1346がフィルタヘッド1344から除去されたときに最大距離が越えられ、リーダ1324とタグ1322との間の通信が停止するようにされ得る。いくつかの実施形態では、タグ1322はスピンオンキャ二スターの回転中心から離れて配置され得る。このような実施形態では、タグ1322とリーダ1324との間の距離は、スピンオンキャニスタフィルタ1346がキャ二スター除去過程中に離されるだけでなく距離もまたスピンオンキャ二スターの各回転と共に周期的に増加及び低下し得るので、増加し得る。このような実施形態では、フィルタヘッド1344に対するスピンオンキャニスタフィルタ1346の回転位置がタグ1322とリーダ1324との間の距離に影響し、従ってタグ1322とリーダ1324との間の通信、又はその欠如が、フィルタヘッド1344に対するスピンオンキャニスタフィルタ1346の回転位置を評価するために使用され得る。いくつかの実施形態では、スピンオンキャニスタフィルタ1346がフィルタヘッド1344上へ十分にネジ止めされなければ、タグ1322とリーダ1324との間の距離はこれら2つの間の最大通信距離を越える。いくつかの実施形態では、タグ1322及びリーダ1324は、通信がタグ1322とスピンオンキャニスタフィルタ1346との間で発生するために、スピンオンキャニスタフィルタ1346がフィルタヘッド1344上への全回転の30度、25度、20度、15度、10度、5度、3度、2度又は1度以内になければならないように配置される。スピンオンキャニスタフィルタの別の態様は、その内容が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2004/0079693号明細書に説明される。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の短距離無線通信タグ及びリーダは、本明細書における濾過システムの筐体からのカバーの除去及び/又は再設置の検出を可能にするように配置され得る。ここで図14を参照すると、本明細書における様々な実施形態による一次フィルタエレメント320が除去されたフィルタシステム1400の概略断面図が示される。フィルタシステム1400は、流体入口310及び流体出口312を含むと共に内容積314を画定する筐体302を含み得る。一次フィルタエレメント320は筐体302の内容積314内に配置されるように構成され得る。内容積314の近端部330は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部330と隣接して嵌合する着脱可能カバー304と係合するように構成される。着脱可能カバー304は、近端部330と係合し得、ねじ、摩擦嵌合機構、掛け金、バックル、スナップ式機構などを含む様々なデバイス又は構造を介しそれへ取り付けられた状態のままであり得る。
【0071】
短距離無線通信タグ1492はカバー304に関連付けられ(例えばこの上に又はその中に配置され)得る。短距離無線通信リーダ1494は筐体302内に又はその上に(例えば筐体302の近端部330上に、その中に、又はその近くに)配置され得る。リーダ1494は、リーダ1494及びタグ1492がリーダ1494とタグ1492との最大通信距離以下の距離に在る場合にデータをタグ1492へ無線で送信する及びデータをそれから受信するように構成され得る。筐体からのカバー304の除去は、リーダ1494とタグ1492との間の距離が最大通信距離を越えるようにさせ得、リーダとタグとの間の通信を中止させる。従って、タグ1492とリーダ1494との間の通信又はその欠如は、カバー304が筐体302上へ嵌め込まれたか又は筐体302から除去されたかを評価するために使用され得る。カバー除去及び/又は再設置などの事象は本システムにより検出及び記録され得る。
【0072】
短距離無線通信
上記を参照すると、本明細書における実施形態は、フィルタエレメント上に(上へ)そしてこれらが嵌る筐体上に(上へ)置かれたタグ及びリーダなどの短距離無線通信部品の使用を含み得る。タグ及びリーダは、それからのフィルタエレメントの除去がタグと関連リーダとをこれらの動作無線通信距離を越える距離だけ分離させるように、配置され得る。従って、これらが嵌る筐体からのフィルタエレメントの除去は、無線タグと関連無線リーダとの間の通信の欠落を感知することに基づき判断され得る。
【0073】
短距離無線通信部品は様々な通信標準規格/プロトコル及び様々な特定部品構成を使用し得る。しかし、本明細書における様々な実施形態では、電力はタグへ無線で供給される。無線送電技術は時変電気、磁気又は電磁場を使用する。無線送電技術は、主として2つのカテゴリ(非放射性及び放射性)に分類される。近接場技術又は非放射性技術では、電力はワイヤのコイル間の誘導結合を使用して磁場により又は金属電極間の容量結合を使用して電界により転送される。本明細書における様々な実施形態では、誘導結合は電力をタグへ無線で送るために使用される。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書における短距離無線通信部品は具体的には近接場通信(NFC)部品である。近接場無線通信は、NFC可能デバイス又は部品同士が情報を交換する場合は2つのループアンテナ間の電磁誘導を採用する。一般的に、NFCデバイスは、106~424Kbit/sの範囲の速度でISO/IEC18000-3無線インターフェースの13.56MHzの地球規模利用可能免許不要高周波(globally available unlicensed radio frequency)ISM帯内で動作する。
【0075】
NFCデバイスは、NFCカードエミュレーション、NFCリーダ/ライタ及びNFCピア・ツー・ピアを含む様々なモードで動作し得る。様々な実施形態では、本明細書におけるNFCデバイスはリーダ/ライタモードで動作する。NFC可能デバイスはフィルタエレメント上に埋め込まれた又は配置されたNFCタグ上に格納された情報を読み出す。
【0076】
本明細書における様々な実施形態によると、タグは、リーダデバイスなどのデバイスにより読み出されいくつかの状況下では書き込まれ得る受動データ記憶装置であり得る。タグは通常、データ(いくつかのケースでは96~8,192バイト)を含む。いくつかの実施形態ではタグは読み出し専用であるが、いくつかの実施形態では書き換え可能であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書における実施形態によるタグは、ワイヤのコイルからなるアンテナとデータ格納のためのメモリ回路を含み得る集積回路(IC)とを含み得る。様々な実施形態では、タグはまたキャパシタを含み得る。リーダは通常、短距離無線通信周波数場を連続的又は断続的に送信し得るそれ自身のアンテナを有する。
【0077】
タグがリーダの範囲内に置かれると、同調回路を形成するアンテナコイル及びキャパシタが、この場からエネルギーを吸収して蓄積し、音叉の電気的バージョンのように共振する。このエネルギーは集積回路を給電する直流へ整流され得る。集積回路はそのデータをアンテナコイルへ送信し得、アンテナコイルはこれを高周波信号によりリーダユニットへ送信する。しかし、タグからリーダへの光信号(限定しないが赤外線光を含む)、高周波信号以外の電磁気信号などの戻り信号がまた様々な他のやり方で戻る可能性があるということが理解されることになる。いくつかの実施形態では、リーダは、受信された情報(ID番号など)が正しいかどうかを照査し得、次に様々な機能を行い得る。いくつかの実施形態では、リーダはデータがタグのメモリへ書き込まれるようにし得る。タグを給電するためのすべてのエネルギーはリーダユニットから来るので、タグは機能するためにはリーダに近くなければならない。従って、タグとリーダとの間の通信は制限された範囲だけを有する。
【0078】
本明細書における実施形態における短距離無線通信の距離は変化し得る。いくつかの実施形態では、限定しないがアンテナコイルのサイズを変更する工程、高周波場の発射に伴う電力を制限する工程などを含む工程が短距離無線通信の範囲を意図的に制限するために採用され得る。いくつかの実施形態では、最大短距離無線通信距離は12、10、8、7、6、5、4、3又は2インチ(30、25、20、18、16、14、12、10、6センチメートル)未満である。いくつかの実施形態では、最大短距離無線通信距離は、前述の任意のものが範囲の上側又は下側制約として働き得る範囲内である。いくつかの実施形態では、最大短距離無線通信距離は30、25、20、18、16、14、12、10、8又は6センチメートル未満である
【0079】
無線通信近接性感知
上記を参照すると、限定しないがアンテナコイルのサイズを変更する工程、高周波場又は他の電磁場の発射に伴う電力を制限する工程などを含む工程が、短距離無線通信の範囲を意図的に制限するために採用され得る。いくつかの実施形態では、通信が失われるまで短距離無線通信の最大距離を下方へ調整することによりリーダまでのタグの近接性が判断され得る。例えば、いくつかの実施形態では、リーダは、2つ以上のアンテナコイルを含み得、各アンテナコイルのコイルは互いに異なるサイズであり、従って異なる最大短距離無線交信距離を提供する。いくつかの実施形態では、リーダの様々なアンテナコイルが順次通電され得、次に、リーダとタグとの間の距離は、タグとの通信が失敗したアンテナコイルを判断することにより近似され得る。例えば、第1のアンテナコイルが最大10センチメートルまでの無線通信を提供するということが知られ、第2のアンテナコイルが最大8センチメートルまでの無線通信を提供するということが知られていれば、そして、第2のアンテナを使用する通信が失敗するが、第1のアンテナのコイルを使用する通信が成功すれば、タグとコイルを含むリーダとの間の距離は8~10センチメートルであると推定され得る。他の実施形態では、タグから来る無線信号の振幅が定量化され得、次に距離が、使用される特定タイプのフィルタ筐体及びフィルタエレメント(群)に関して経験的に判断され得る標準テーブルを使用して推定され得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のタグが同じエレメント上で使用され得る。タグは、どのタグ又はタグ群が能動状態でありどのタグ又はタグ群がそうでないかを見ることにより距離が近似され得るように様々な場所に配置され得る。
【0080】
通信パターン
本明細書における様々な実施形態では、システムは通信の特定パターンを検出することによりフィルタエレメント変更又は除去事象を識別し得る。例えば、短距離無線タグを含むフィルタエレメントがフィルタシステム内に正しく設置され、短距離無線タグがフィルタシステム筐体の上に又はその中に配置された対応短距離無線リーダの通信距離内に在るようされると、通信は2つの部品間で発生し得、成功した通信の存在がリーダにより記録され得る(いくつかの場合にはタイムスタンプと共に)。フィルタエレメントが交換及び/又はサービスのために筐体から除去されると、タグと対応リーダとの間の距離は最大通信距離を越え得、これによりタグに電力を失わせ、タグと対応リーダとの間の通信を終了させ得る。フィルタエレメントがフィルタ筐体内に再設置されると、タグと対応リーダとの間の距離は、タグの電源を再投入させタグと対応リーダとの間の通信が再開することを可能にするのに十分であり得る最大通信距離未満になり得る。
【0081】
従って、このフィルタ除去及び交換系列における通信のパターンは、第1段階の能動通信、それに続いて通信の無い段階、それに続いて第2段階の能動通信(例えば、「オン・オフ・オン」のパターン)により特徴付けられ得る。処理ユニット(システムコントローラ、リーダ、関連部品、外部サーバなどの一部分としての)が、このパターン(「オン・オフ・オン」)を識別するために通信を監視し得、そして検出されると、識別されたパターンに伴う日時スタンプを記録することと共にフィルタ除去/変更事象に対応するカウンターをインクリメントする。カウンターは、リーダ、タグ、システムコントローラ、又は濾過システムの一部分である若しくはそれとは別個である及び/又は離れている別の部品のメモリ内に存在し得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、通信中の雑音又はスプリアス短期間中断が実際のフィルタ除去に伴う無通信段階であるとは解釈されないということを保証するために、処理ユニットは無通信の期間が閾値より長いということを必要とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、無通信段階は長さで0.2、0.5、1、2、5又は10秒を越えなければならない。
【0083】
本明細書における様々な実施形態によると、上述の「オン・オフ・オン」パターン以外のパターンも識別され得るということが理解されることになる。
【0084】
いくつかの実施形態では、限定しないが「オン・オフ」、「オフ・オン」及び単純に「オフ」を含むパターンが検出され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、システムコントローラが短距離無線通信リーダから受信された電気信号内の「オフ・オン」パターンを識別した後、情報が短距離無線通信タグの一部分である記憶回路へ書き込まれ得る。ここで、パターンのオフ段階は短距離無線通信タグと短距離無線通信リーダとの間の通信の無い期間に対応し、パターンのオン段階は短距離無線通信タグと短距離無線通信リーダとの間の通信の期間に対応する。
【0086】
いくつかの実施形態では、カバー開放又は除去事象が検出されメモリ内に記録され得る、及び/又はこれに関するデータがデータネットワークを介し送信され、遠隔的に格納され得る。いくつかの実施形態では、掛け金作動事象が検出されメモリ内に記録され得る、及び/又はこれに関するデータがデータネットワークを介し送信され、遠隔的に格納され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、フィルタ除去及び/又は変更事象などの検出された事象に関するデータ又は本明細書で説明するパターンのうちの任意のパターンの検出に関するデータが、フィルタエレメントに付随するタグのメモリ内に書き込まれ得る。このようにして、フィルタエレメントは、いくつの事象(除去事象及び/又は設置事象など)を経験したかを判断するために、システムからの除去後に分析され得る。いくつかの実施形態では、パターンのデータを解析し、次にこれに基づき事象の発生を判断するなどの処理工程が、リーダ、システムコントローラ、又は濾過システムの一部である又はそれとは別個である及び/又は離れている別の部品のレベルで発生し得るが、フィルタエレメント除去及び/又は再設置事象の数の計数などのそれからの出力がタグのメモリ内に書き込まれ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、本システムの1つ又は複数の部品は、これらにより格納された情報を収集するために調べられ得る。例えば、上述のように、いくつかの実施形態では、上に述べた態様などのデータが、タグ、リーダ、コントローラなどのメモリ内に格納され得る。タグ、リーダ又はコントローラは、それからデータを取り出すために問い合わせられ得る。いくつかの実施形態では、その上に格納されたデータを有するタグが、それからデータを取り出すために専用読み取りデバイスにより問い合わせられ(そして通電され)得る。いくつかの実施形態では、本システムは、それから情報を取り出すために局所的又は遠隔的に照会され得る。しかし、いくつかの実施形態では、本システムは、最初に照会を受信すること無くデータネットワークを介し、上述の態様などのデータを押し出すように構成され得る。このようなデータはほぼ連続的に又は定期的に押し出され得る。
【0089】
態様は様々な特定且つ好ましい実施形態及び技術を参照して表現された。しかし、多くの変形及び修正が本明細書における精神及び範囲内に留まる一方でなされ得るということを理解すべきである。従って、本明細書で説明された実施形態は、網羅的であるように、又は本発明を以下の詳細説明に記載される正確な形式へ制限するように意図されていない。むしろ、実施形態は、当業者が本原理及び実施を認識及び理解し得るように選択され説明された。
【0090】
本明細書と添付特許請求の範囲において使用されるように、単数形式の冠詞と不定冠詞は、その内容が明記しない限り、複数の参照物を含むということに留意されたい。従って、例えば、「化合物」を含む組成への参照は2つ以上の化合物の混合物を含む。用語「又は」は通常、その内容が別途明確に規定しない限り「及び/又は」を含む意味で使用されるということにも留意すべきである。
【0091】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、語句「構成される」は、特定タスクを行う又は特定構成を採用するように構築又は構成されるシステム、装置又は他の構造を記述するということにも注意すべきである。語句「構成される」は、配置され構成された、構築され配置された、構築された、製造され配置されたなどの他の同様な語句と交換可能に使用され得る。
【0092】
本明細書内のすべての刊行物及び特許出願は本発明が関係する当業者のレベルを示す。すべての刊行物及び特許出願は、各刊行物又は特許出願が参照により具体的且つ個々に示されたと同程度に、参照により本明細書に援用される。
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