(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】移動する鋼ストリップの連続洗浄方法および装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/12 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
B08B3/12 D
B08B3/12 B
(21)【出願番号】P 2022525002
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 IB2019059489
(87)【国際公開番号】W WO2021090045
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リシェ,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】スポネム,フロラン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0063145(KR,A)
【文献】特開2000-256886(JP,A)
【文献】特表2014-525998(JP,A)
【文献】特表2013-517441(JP,A)
【文献】国際公開第2008/136537(WO,A1)
【文献】特表2008-511754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する鋼ストリップ(S)を連続的に洗浄するための装置(1)であって、
水溶液(3)を収容するタンク(2)と、
前記ストリップを前記タンク(2)内に導くための少なくとも1つのロール(4)と、
複数の圧電トランスデューサを備える駆動ヘッド(13)を一方または両方の端部に有する共振器ロッド(12)を備える少なくとも1つのトランスデューサであって、前記共振器ロッドは、駆動ヘッドのおかげで振動することができ、水溶液中に浸漬された少なくとも1つのトランスデューサ(5)と、
を備える装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのトランスデューサは、20kHz~60kHzの周波数で動作することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのトランスデューサは、500~3000kWの出力で動作することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トランスデューサ(15)は、ストリップ幅に平行な長さを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記トランスデューサ(15)およびストリップ(S)は、40mm~250mmに含まれる距離だけ離間している、請求項3または4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ストリップSの各表面は、少なくとも1つのトランスデューサに面している、請求項1~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記水溶液の単位体積当たりで、リットル当たり5ワット~リットル当たり25ワットの出力能力を有する、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
水溶液(3)を収容するタンク(2)と、
鋼ストリップを前記タンク(2)内に導くための少なくとも1つのロール(4)と、
複数の圧電トランスデューサを備える駆動ヘッド(13)を一方または両方の端部に有する共振器ロッド(12)を備える少なくとも1つのトランスデューサであって、前記共振器ロッドは、駆動ヘッドのおかげで振動することができ、水溶液中に浸漬された少なくとも1つのトランスデューサと、を備える洗浄設備において、移動する前記ストリップを洗浄するための方法であって、
前記移動するストリップを前記水溶液(3)に浸漬するステップと、
水溶液中に浸漬された前記少なくとも1つのトランスデューサによって、前記水溶液中に超音波を放射するステップと、
を備える方法。
【請求項9】
前記水溶液は、リットル当たり10グラム~リットル当たり40グラムのアルカリ生成物を含有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記水溶液は、30℃~80℃の温度に保たれる、請求項
8または
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップを連続的に洗浄するための少なくとも1つのトランスデューサを含む洗浄タンクに関する。このような発明は、洗浄プロセスの洗浄効率を改善する。
【背景技術】
【0002】
冶金分野では、高い表面品質を有するストリップを製造することが非常に重要である。圧延工程中に、鉄、金属粒子、汚れおよびグリースが金属ストリップに付着する。かかる付着は、コーティングの下に閉じ込められ、したがって表面が滑らかではなくなるため、コーティング後のストリップ表面品質の劣化を引き起こす。かかる欠点を回避するために、ストリップは、コーティング工程の前に洗浄される。一般に、これは圧延操作の後および焼鈍またはコーティングの前に起こる。そうするために、ほとんどの洗浄ラインは、それらの洗浄動作の中で電解プロセスを使用する。しかしながら、そのような技術は、H2蓄積による高い安全リスクを呈し、火災などの安全上の危険をもたらす。その結果、電解プロセスに取って代わるために、超音波を使用する洗浄ラインが開発されてきた。
【0003】
超音波洗浄は、水溶液圧力の局所的な変動を引き起こす水溶液を通る超音波(またはより一般的には音響波)の伝播によって機能する。負圧が十分に低い(水溶液蒸気圧よりも低い)場合、水溶液凝集力が崩壊し、気泡(キャビテーション気泡とも呼ばれる)が形成される。次いで、これらの気泡は圧力変動(音波の伝播による)を受け、これにより、気泡は崩壊するまで連続的に膨張および収縮する。超音波は、熱的効果だけでなく、キャビテーションによる機械的効果も誘発する。実際、キャビテーション気泡が破裂すると、次の2つの現象が発生する。
気泡内に存在するガスの激しい圧縮による衝撃波、
マイクロジェット:固体表面の近くで、気泡の破裂が非対称になり、生じた衝撃波が固体表面に向かう水溶液マイクロジェットを生成する。固体表面へのマイクロジェットの影響はエネルギーが豊富であり、この機械的効果は、冷間圧延後のストリップ表面の洗浄のための亜鉛めっきに使用することができる。
【0004】
韓国公開特許第2005-0063155号公報は、鋼板を洗浄する装置を開示している。前記鋼板は、アルカリ溶液で満たされたタンクを通過し、超音波放出ボックスまたはクレートが通過シートの両側に配置される。これらの超音波放出ボックスは、クレート側面に貼り付けられた圧電トランスデューサなどの超音波放出手段を備える。圧電トランスデューサが振動すると、振動はクレート側に伝達され、次いで溶液に伝達される。その結果、超音波が洗浄槽内およびストリップ上を伝播する。それによって、洗浄効率が向上する。
【0005】
しかしながら、上記の方法およびその装置を使用することによっては、洗浄効率が最適ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2005-0063155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の問題を解決する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の装置を提供することによって達成される。本方法はまた、請求項2~7のいずれかの特徴を備えることができる。この目的は、請求項8~10に記載の方法を提供することによっても達成される。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0010】
本発明を説明するために、特に以下の図を参照して、非限定的な例の様々な実施形態および試行を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】トランスデューサを備えたタンクの一実施形態の側面図である。
【
図1B】トランスデューサを備えたタンクの一実施形態の正面図である。
【
図2A】トランスデューサを備えたタンクの第2の実施形態の側面図である。
【
図2B】トランスデューサを備えたタンクの第2の実施形態の上面図である。
【
図3A】トランスデューサの一実施形態を示す図である。
【
図3B】トランスデューサの別の実施形態を示す図である。
【
図4A】トランスデューサを支持する手段の一実施形態を示す図である。
【
図4B】トランスデューサを支持する手段の別の実施形態を示す図である。
【
図5】トランスデューサおよび関連する波の好ましい配置を示す図である。
【
図6】洗浄効率に対する超音波放出手段のタイプの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、移動する鋼ストリップSを連続的に洗浄するための装置1に関し、装置1は、
水溶液3を収容するタンク2と、
前記ストリップを前記タンク2内に導くための少なくとも1つのロール4と、
水溶液3中に浸漬された、少なくとも1つのトランスデューサ5と、
を備える。
【0013】
図1Aは連続洗浄設備の側面図であり、
図1Bは連続洗浄設備の正面図である。
図1Aおよび
図1Bに示すように、移動ストリップSの連続洗浄設備1は、タンク2と、前記タンク内の水溶液3と、を備える。これはまた、前記水溶液3に浸漬された少なくとも1つのロール4と、少なくとも1つのトランスデューサ5と、を備える。水溶液は、洗浄効率を向上させるために、アルカリ生成物あるいは酸性溶液または中性溶液を含むことができる。溶液の選択は、基質および汚染物質に依存する。
【0014】
タンクはまた、タンク内に水溶液を供給するための手段6、およびタンクを空にするための手段7を備えることができる。
【0015】
図1Aに示すように、供給手段6は、好ましくはタンクの上側部分またはタンクの頂部に位置し、タンクのより良好な充填を可能にし、そのため、洗浄時間および水溶液を通るストリップが通過する距離が増加する。排出手段7は、タンクを可能な限り空にするために、タンクの下側部分に、好ましくはその底部に配置され、そのような手段は、ダンプ、リサイクルまたは再生プロセスに接続された管および弁とすることができる。
【0016】
少なくとも1つのロール4は、好ましくはタンクの底部であるが排出手段7の上方にあり、そのような構成は、水溶液3を通ってストリップSが移動する距離および洗浄時間を増加させ、したがって洗浄を改善する。
【0017】
水溶液3は、好ましくは溶液が充填された別のタンク(図示せず)に接続された管および弁などの供給手段6によってタンクに導入される。
【0018】
図1Aに示すように、洗浄設備1は、好ましくは、前記タンク2の上方に配置された少なくとも2つの外部ロール8を備え、その少なくとも1つはタンクの両側にあり、例えば、一方は超音波洗浄設備の上流側9にあり、他方は下流側10にある。ロール8および4は、好ましくは同じ向きを有し、例えば、それらの回転軸は平行である。ロールの位置決めは、好ましくは、ストリップSがねじれることなく水溶液3を通過することを可能にすべきである。
【0019】
さらに、水溶液レベルを推定する手段11を備えることもできる。水溶液レベルを推定する手段11は、差圧キャプタ、振動レベルスイッチ、または静水圧法で使用される任意の手段とすることができる。
【0020】
少なくとも1つのトランスデューサ5は、前記タンク2の内部、好ましくは供給手段6の下、好ましくはロール4の上に配置される。
【0021】
図2Aおよび
図2Bは、連続洗浄設備の第2の好ましい実施形態の側面図および上面図を示し、連続洗浄設備は、ストリップSが主に垂直に通過する
図1Aおよび
図1Bと比較して、ストリップSが主に水溶液を通って水平に移動する。
【0022】
図3Aおよび
図3Bに示すように、トランスデューサ5は、プッシュプルピエゾトランスデューサなどの駆動ヘッド13を一方または両方の端部に有する共振器ロッド12で作られる。前記駆動ヘッド13は、一般に、いくつかの圧電トランスデューサ130を備える。共振器ロッド12は、少なくとも1つの駆動ヘッド13によって振動する。かかるシステムは、全方向超音波を放出する。トランスデューサが駆動ヘッドのみを備える場合、他の端部14は、
図3Bに示すように円形または尖っていることが好ましい。
【0023】
図4Aおよび
図4Bに示すように、トランスデューサ5は、好ましくは、タンク壁2またはタンク壁に固定された支持片15、150および151によって支持される。好ましくは、前記駆動ヘッド13に接続された電線16は、タンク壁2を通過し、水溶液に浸漬されず、水溶液に接触しない。
【0024】
トランスデューサは、20kHz~60kHzの周波数で動作することができる。好ましくは、トランスデューサは、少なくとも25kHzの周波数で動作する。好ましくは、トランスデューサは、最大40kHzの周波数で動作する。各トランスデューサは、好ましくは500~3000kWの出力で動作することができる。さらにより好ましくは、各トランスデューサは少なくとも2000kWの出力を有する。
【0025】
洗浄プロセス中、槽の水位は、トランスデューサがもはや浸漬されない点まで変化する可能性があり、その場合、過熱による損傷を回避するために非浸漬共振器をオフにすることが好ましい。メンテナンス作業中、タンクを空にすることができ、その場合、過熱による損傷を避けるために共振器をオフにすることが好ましい。全体として、共振器が水溶液表面から少なくとも3cm下に浸漬されない場合、過熱による損傷のリスクを下げるために、共振器をオフにすることが好ましい。
【0026】
少なくとも1つのトランスデューサを備える本発明による洗浄タンクは、同じ作動周波数を有する超音波放出手段を有する浸漬ボックスを備える、当該技術分野で知られている洗浄タンクと比較して洗浄効率を改善することを可能にする。
【0027】
浸漬ボックスを備えたものと比較して、プッシュプルトランスデューサなどのトランスデューサを備えた洗浄タンクの改善された効率を実証するために、いくつかの試験が行われている。これらの試験では、洗浄工程の前後にストリップ試料の清浄度を測定した。これらの実験では、ストリップは、65℃で、10gL-1のNaOHを有する洗浄槽と、2kWの出力を有する一組の2つのプッシュプル圧電トランスデューサまたは2kWの出力を有する水中ボックスと、を含むボックスに24秒間浸漬される。実験条件における24秒の浸漬時間は、約6秒の直接露出時間に対応すると仮定するが、これは、ストリップ部分が超音波放射手段に面するのは、水溶液を通るその変位のために実験時間の4分の1の間だけであるためである。
【0028】
洗浄効率は、以下の表に示すように、「洗浄工程前の推定清浄度」を「洗浄工程後の推定清浄度」で除算したものである。清浄度を推定するために、3M 595 Scoth(TM)接着剤をストリップ表面に押し付けて、鉄粉および油を接着剤に付着させる。次に、スコッチの反射率が反射率計によって測定される。この反射率は、1平方メートル当たりの鉄粉の密度に関連している。接着剤に付着した鉄粉が多いほど、その反射率は低くなる。その結果、接着剤反射率が高いほど、ストリップはより清浄になる。以下の表は、実験の主要なパラメータを含む。
図6では、洗浄効率は、様々なストリップ速度について、プッシュプルチューブおよび水面下ボックスの両方のタイプの超音波放出手段についてプロットされている。
【0029】
【0030】
好ましくは、機能するすべての共振器は、溶液表面の下に少なくとも3cm完全に浸漬される。これにより、共振器の過熱のリスクを低減することができる。
【0031】
好ましくは、
図5に見られるように、前記トランスデューサ5は、ストリップ幅17に平行なその長さを有する。言い換えれば、共振器ロッド12は、ストリップ幅17に平行なその長さを有する。さらにより好ましくは、トランスデューサは、ストリップ幅全体を覆うようにストリップ幅17に平行に配置される。そのような構成は、洗浄効率およびストリップ幅に沿った洗浄均一性を改善すべきである。
【0032】
タンクが、ストリップ幅よりも小さい共振器ロッド長を有する少なくとも2つのトランスデューサを備える場合、共振器ロッドは、ストリップ幅全体を覆うためにシフトされる。
【0033】
好ましくは、
図1Aおよび
図2Aに示すように、タンクは少なくとも2つのトランスデューサ5を備える。さらにより好ましくは、タンクは、5個、10個または15個のトランスデューサを備える。
【0034】
ストリップの同じ側に2つのトランスデューサがある場合、それらは好ましくは、プッシュプルトランスデューサによって生成される波長の(0.5)倍に対応する距離だけ互いにシフトされる。超音波放射手段の数がmに等しい場合、それらの各々は、その近傍に向かって波長の(1/m)倍の同様の距離だけさらにシフトすることができる。例えば、25kHzの周波数で動作する6つのトランスデューサが水に匹敵する環境で使用される場合には、多くの要因(例えば、温度および圧力)に依存する波速度は約1500ms-1である。波長は、波の速度を波の周波数で割ったものに等しいので、この場合、1500/25000=0.06であり、波長は約6cmである。超音波放出手段が6cmの波長を有する超音波を生成する場合、それらは互いに(1/6)×6=1cmの横方向にシフトされるべきである。
【0035】
図5に見られるように、そのような配置は、ストリップ移動方向に整列した2つのノード18を有することを防止する。そのようなシフトは、ストリップのすべての点が少なくとも1つの超音波に曝されることを確実にするので、洗浄均一性を改善することを可能にする。
【0036】
好ましくは、トランスデューサ5およびストリップSは、40mm~250mmに含まれる距離だけ離間される。このような間隔は、超音波放射手段を効率的に使用することを可能にする。間隔が40mm未満である場合には、超音波放射手段が、例えばストリップの曲げまたはストリップの平坦度の不規則性のために最終的にストリップSによって破壊されるので、このような間隔距離は設備1を改善する。しかし、間隔が200mmより大きい場合、超音波放射平均洗浄力の効率は大幅に低下するように思われる。
【0037】
好ましくは、前記ストリップSの各表面は、少なくとも1つのトランスデューサに面している。ストリップの片側に配置された超音波放射手段が両方の表面を洗浄するが、各表面に面する超音波放射手段を有することにより、洗浄品質が向上する。言い換えれば、
図1Aおよび
図1Bに示すものと同様の設備では、少なくとも1つのトランスデューサ5がタンク壁とストリップSとの間に配置され、少なくとも1つのトランスデューサは、下方に向かうストリップの一部と上方に向かうストリップの一部との間に配置される。同様に、
図2Aおよび
図2Bに示すものと同様の設備では、少なくとも1つのトランスデューサがストリップの上方に配置され、少なくとも1つの他のトランスデューサがストリップの下方に配置される。
【0038】
好ましくは、前記装置は、前記水溶液の単位体積当たりリットル当たり5ワット~リットル当たり25ワットの出力密度を有する。さらにより優先的には、リットル当たりの出力は、リットル当たり10~20ワットである。この範囲の電力密度を使用することは、洗浄効率とエネルギー節約との間の最良の妥協点であると思われ、ストリップの良好かつ十分な洗浄を可能にし、エネルギーの浪費を回避する。
【0039】
本発明はまた、水溶液3を収容するタンク2と、前記ストリップを前記タンク2内に導くための少なくとも1つのロール4と、水溶液中に注入された少なくとも1つのトランスデューサ5と、を備える洗浄設備において、移動するストリップを洗浄するための方法に関し、本方法は、
前記移動するストリップを前記水溶液3に浸漬するステップと、
水溶液中に浸漬された前記少なくとも1つのトランスデューサにより、前記水溶液中に超音波を放射するステップと、
を備える。
【0040】
好ましくは、前記水溶液は、リットル当たり10グラム~リットル当たり40グラムのアルカリ生成物を含有する。明らかに、この範囲のアルカリ生成物濃度は、洗浄を改善し、アルカリ生成物を効率的に使用する。
【0041】
好ましくは、前記水溶液は、30℃~80℃の温度に保たれる。明らかに、洗浄液温度が高いほど、プロセスの洗浄効率は良好であるが、トランスデューサの寿命はより短くなる。この範囲は、洗浄効率と超音波放射平均寿命との間の最良の妥協点であると思われる。
【0042】
以上、本発明を、現時点で実用的であると共に好ましいと考えられる実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、明細書に開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨または趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を加えた熱延鋼板の製造方法および熱延鋼板の製造装置も本発明の技術的範囲に包含されることを理解されたい。