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特許7427793タウリンを効率的に調製するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】タウリンを効率的に調製するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 303/22 20060101AFI20240129BHJP
   C07C 309/14 20060101ALI20240129BHJP
   B01J 49/53 20170101ALI20240129BHJP
【FI】
C07C303/22
C07C309/14
B01J49/53
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022541646
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2021107399
(87)【国際公開番号】W WO2022198855
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】202110322108.2
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522268052
【氏名又は名称】フーベイ グランド ライフ サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】スン、ファジュン
(72)【発明者】
【氏名】タン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シャオジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ルーヨン
(72)【発明者】
【氏名】ペン、ホンボー
(72)【発明者】
【氏名】タン、ジアレ
(72)【発明者】
【氏名】グオ、チェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シンシン
(72)【発明者】
【氏名】チエン、ジーチャン
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001772(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110452136(CN,A)
【文献】特開2021-038216(JP,A)
【文献】米国特許第02693488(US,A)
【文献】特開2003-221370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
B01J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タウリンを調製するシステムであって、
エチレンオキシド法によって調製されるタウリンアルカリ金属塩を含む溶液を貯蔵するための液体貯蔵ユニットと、
少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムを含み、単一のイオン交換樹脂カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して活性化処理するイオン交換ユニットであって、前記第1の活性化方法は亜硫酸で活性化され、前記第2の活性化方法は硫酸で活性化されるイオン交換ユニットと、
前記液体貯蔵ユニット及び前記イオン交換ユニットにそれぞれ接続され、タウリンアルカリ金属塩を含む溶液の一部を前記第1の活性化方法によって処理された前記少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムに分配して、酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、タウリンアルカリ金属塩を含有する溶液の他の部分を前記第2の活性化方法によって処理された前記少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムに分配して、アルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得するために配置される分配ユニットと、を備えることを特徴とするタウリンを調製するシステム。
【請求項2】
活性化液変換ユニットを更に備え、前記活性化液変換ユニットは、前記イオン交換樹脂カラムに接続され、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を、前記第1の活性化方法から前記第2の活性化方法に、または前記第2の活性化方法から前記第1の活性化方法に調整するために、前記イオン交換樹脂カラムに使用する活性化液を変換するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
アルカリ金属イオン濃度検出モジュールを更に備え、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの入口と出口に接続され、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールが前記少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムが活性化される前に、前記少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムの流入液中のアルカリ金属イオン濃度および前記少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムの流出液中のアルカリ金属イオン濃度を独立して検出するように配置されており、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩が含まれ、且つ前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールが前記活性化液変換ユニットに接続され、前記活性化液変換ユニットは前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールの検出結果に基づいて前記イオン交換樹脂カラムによって行われる活性化処理方法を前記第1の活性化方法から前記第2の活性化方法に、または前記第2の活性化方法から前記第1の活性化方法に調整するようにする、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記分配ユニットによりそれぞれ前記液体貯蔵ユニットから前記イオン交換樹脂カラムに送られる溶液の量を独立して調整し、前記第1の活性化方法によって前記イオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は前記液体貯蔵ユニットにおける全溶液の60wt%~95wt%であり、前記第2の活性化方法によって前記イオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は前記液体貯蔵ユニットにおける全溶液の5wt%~40wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムと前記第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムの溶液流入量の比率は(3:2)-(19:1)である、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記活性化液変換ユニットは、前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムの流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記イオン交換樹脂カラムの流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%より高い場合、前記イオン交換樹脂カラムの次の活性化処理方法前記第2の活性化方法を採用し、前記第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムの流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記イオン交換樹脂カラムの流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%より低い場合、前記イオン交換樹脂カラムの次の活性化処理方法前記第1の活性化方法を採用するように配置される、ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
溶液配置モジュールを更に備え、前記溶液配置モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの底部に接続され、前記イオン交換樹脂カラムが前記第1の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールは下から上に前記イオン交換樹脂カラムに酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を送り、前記イオン交換樹脂カラムが前記第2の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールが下から上に前記イオン交換樹脂カラムにアルカリ金属硫酸塩溶液を送る、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の活性化方法は、濃度が25wt%以下の硫酸で第2の活性化処理を行う、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の活性化方法は濃度が23wt%以下の硫酸で第2の活性化処理を行う、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の活性化方法における亜硫酸は、二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解することによって得られ、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液の濃度は25wt%~50wt%である、ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記液体貯蔵ユニットに接続され、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するための反応ユニットと、
前記イオン交換ユニットと前記反応ユニットにそれぞれ接続され、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに戻すための酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプラインと、を更に備える、ことを特徴とする請求項1または3に記載のシステム。
【請求項12】
タウリンを調製する方法であって、
反応ユニットでは、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するステップと、
イオン交換ユニットにおける少なくとも1つのイオン交換樹脂カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して処理するステップと、
タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の一部を前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに送るステップと、
タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の他の部分を前記第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、アルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得するステップと、を含むことを特徴とするタウリンを調製する方法。
【請求項13】
前記第1の活性化方法は、
酸性亜硫酸アルカリ金属塩を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、
二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解して、亜硫酸溶液を取得するステップと、
前記亜硫酸溶液を上から下に前記イオン交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第1の活性化方法処理を行うステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の活性化方法は、
アルカリ金属硫酸塩溶液を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、
濃度が25wt%以下の硫酸溶液を上から下に前記イオン交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第2の活性化方法処理を行うようにするステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
タウリンアルカリ金属塩を含む60wt%~95wt%の蒸発液を前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、タウリンアルカリ金属塩を含む5wt%~40wt%の蒸発液を前記第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配するステップと、を更に含、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムと前記第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配される前記蒸発液の比率は(3:2)~(19:1)である、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
活性化処理を行う前に、それぞれ前記イオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオンの濃度を独立して決定し、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩イオンが含まれ、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を決定するようにする、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムにおける前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%以上である場合、前記第2の活性化方法によって処理する指示であり、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%以下である場合、前記第1の活性化方法によって処理する指示である、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は30wt%~40wt%である、ことを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項20】
前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は35wt%である、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は2wt%~15wt%である、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は5wt%~10wt%である、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本願は、2021年03月25日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が202110322108.2の特許出願の優先権及び権益を主張し、且つ参照によりその全部がここに引用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は化学工学の分野に関し、具体的に、本発明はタウリンを効率的に調製するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
タウリンは、硫黄を含む特殊なアミノ酸であり、薬物として抗炎、解熱、鎮痛、抗けいれん及び降圧等の作用があり、健康製品として乳幼児の脳の発達、神経伝導、視覚機能の改善及びカルシウム吸収に良好な促進作用がある。
【0004】
中国は世界最大のタウリン生産拠点として、毎年約5トンのタウリン原料をエチレンオキシド法で調製する。エチレンオキシド法によるタウリンの調製は、3つのステップを含む。
【0005】
(1)付加反応
【化1】
エチレンオキシドと酸性亜硫酸アルカリ金属塩との反応によってイセチオン酸アルカリ金属塩を調製する。
【0006】
(2)アンモニア分解反応
【化2】
イセチオン酸アルカリ金属塩は、アルカリ性条件下でアンモニアと反応してタウリンアルカリ金属塩を調製し、反応の過程でアンモニアが過剰である必要があるため、反応が終了した後、フラッシングと蒸発のステップで過剰なアンモニアを除去する必要があり、蒸発後の溶液は蒸発液である。
【0007】
(3)中和反応
【化3】
タウリンアルカリ金属塩は酸性条件下で、アルカリ金属イオンが水素に置き換えられ、これにより、タウリンを調製する。
【0008】
しかしながら、現在、タウリンを生産するプロセスが複雑であり、効率が低く、特に連続生産では、中間製品が大量に生産されたり、水資源が大量に消費されたりし、資源の浪費につながるため、タウリンの新しい調製方法とプロセスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
タウリンアルカリ金属塩を酸性化するために一般的に使用される方法は、硫酸塩を生成する硫酸中和法、硫酸塩を生成しない電解法及びイオン交換法等である。従来技術は、硫酸塩を生成しないイオン交換法を提供していたが、発明者らは、イオン交換のプロセスでは、イオン交換カラムに入る前にイオン交換カラムを水洗浄し、材料を初めて希釈する必要がある等の数多くの面倒な手順を必要とするため、この方法は大量の水資源と他の資源を浪費することを見出した。それだけでなく、そのイオン交換過程に生成された副生成物の酸性亜硫酸アルカリ金属塩は二次利用のためにヒドロキシル化ポストにリサイクルされるが、連続生産の過程では、中間材料が分離されず、イオン交換システムに直接入る。そのため、タウリンアルカリ金属塩中のアルカリ金属イオンがイオン樹脂によって酸性亜硫酸アルカリ金属塩に交換されることに加えて、アンモニア分解反応ではアルカリ性環境を提供するアルカリに含まれたアルカリ金属イオンも酸性亜硫酸アルカリ金属塩に変換される。しかしながら、一分子のエチレンオキシドは一分子の酸性亜硫酸アルカリ金属塩のみを消耗するだけでよいため、システム全体のアルカリ金属イオンは不均衡である。アルカリ金属イオンの均衡の問題を解決するために、理論的に酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液の一部を収集して販売することができるが、イオン交換システムから出てくる酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に不純物が存在するため、販売品質には達することができない。そのため、以上の問題を解決するために、本発明はタウリンを効率的に調製するシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、本発明はタウリンを効率的に調製するシステムを提供する。本発明の実施例によれば、前記システムは、エチレンオキシド法によって調製されるタウリンアルカリ金属塩を含む溶液を貯蔵するための液体貯蔵ユニットと、複数のイオン交換樹脂カラムを含み、単一のイオン交換カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して活性化処理するイオン交換ユニットであって、前記第1の活性化方法は亜硫酸で活性化されて酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記第2の活性化方法は硫酸で活性化されてアルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得するイオン交換ユニットと、前記液体貯蔵ユニット、前記イオン交換ユニットにそれぞれ接続され、前記液体貯蔵ユニットから前記イオン交換ユニット内の複数の前記イオン交換樹脂カラムに送られる溶液の量を調整するために使用されるように配置される分配ユニットと、を備える。本発明の実施例によるシステムはタウリンの連続生産の過程では制御システムにおけるアルカリ金属イオンの均衡を実現することができ、エチレンオキシド、酸性亜硫酸アルカリ金属塩等の反応材料を反応させてタウリンアルカリ金属塩を生成し、得られたタウリンアルカリ金属塩はイオン交換ユニットで酸性化してタウリンにすることができ、イオン交換ユニットにおけるイオン交換樹脂カラムが複数の活性化方法によって活性化されることができ、第1の活性化方法は亜硫酸で活性化されて酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、第2の活性化方法は硫酸で活性化されてアルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得する。なお、活性化試薬の亜硫酸溶液の酸性を改善するために、亜硫酸溶液にまた酸性亜硫酸アルカリ金属塩が存在する。化学式によれば、酸性亜硫酸アルカリ金属塩は最終的に生成されたタウリンに1:1に対応し、そして、中和反応ステップでは、生成されたタウリンと生成されたアルカリ金属イオンも1:1に対応する。第1の活性化方法を使用してイオン交換ユニットを活性化する場合、第1の活性化試薬に酸性亜硫酸アルカリ金属塩が含まれ、且つタウリンアルカリ金属塩中のアルカリ金属イオンは、活性化時に酸性亜硫酸アルカリ金属塩に変換される。また、アンモニア分解反応がアルカリ性条件下で行う必要があるため、アンモニア分解反応の終了後にシステム内の残留アルカリ金属イオンも酸性亜硫酸アルカリ金属塩に変換される。このため、過剰な酸性亜硫酸アルカリ金属塩を生成する。第2の活性化方法を導入することによって、その活性化試薬が硫酸であるため、第1の活性化方法による過剰なアルカリ金属イオンを消耗することができる。その結果、アルカリ金属イオンは最終的にアルカリ金属硫酸塩の形式で濃縮して収集され、アルカリ金属イオンの均衡の目的を達成する。本発明の実施例によるシステムは設計が巧妙であり、連続的な大規模生産におけるアルカリ金属イオンの均衡の問題を解決するのに適し、過剰なアルカリの問題を解決するために追加の生産ラインを開く必要はなく、タウリンの生産過程中にアルカリ金属イオンの均衡を取ることができるため、コストを節約すると同時に、タウリンの製造効率を向上させる。
【0011】
本発明の実施例によれば、上記システムは以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0012】
本発明の実施例によれば、前記システムは活性化液変換ユニットを更に備え、前記活性化液変換ユニットは前記イオン交換樹脂カラムに接続され、前記活性化液変換ユニットは、前記イオン交換樹脂カラムによって行われた活性化処理方法を調整するのに適するように配置される。発明者らは、タウリンの連続生産の過程で、イオン交換樹脂カラムは、二酸化硫黄を溶解した酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液で活性化されると、イオン交換樹脂カラムに損傷を与え、その寿命を短縮させ、硫酸を断続的に使用してイオン交換樹脂カラムを活性化すると、イオン交換樹脂カラムの使用寿命を延長させ、生産効率を向上させることができることを見出した。活性化液変換ユニットはイオン交換樹脂カラムの活性化方法を変換するユニットであり、該ユニットの作用下で、イオン交換樹脂カラムは、亜硫酸による活性化から硫酸による活性化に変換されてもよいし、硫酸による活性化から亜硫酸による活性化に変換されてもよい。
【0013】
本発明の実施例によれば、前記システムはアルカリ金属イオン濃度検出モジュールを更に備え、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの入口と出口に接続され、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは、複数のイオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオン濃度を独立して検出するのに適し、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩が含まれ、且つ前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは前記活性化液変換ユニットに接続され、前記活性化液変換ユニットは前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールの検出結果に基づいて前記イオン交換樹脂カラムによって行われる活性化処理方法を調整するようにする。本発明の実施例によれば、アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは各イオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオンの濃度を正確に決定し、両者の比較結果に応じてイオン交換樹脂カラムの使用状態を判断することができ、さらに、活性化液変換ユニットを利用して活性化方法を変換することができ、亜硫酸による活性化から硫酸による活性化に変換するか、または硫酸による活性化から亜硫酸による活性化に変換する。
【0014】
本発明の実施例によれば、前記分配ユニットによりそれぞれ液体貯蔵ユニットからイオン交換樹脂カラムに送られる溶液の量を独立して調整し、前記第1の活性化方法によってイオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は液体貯蔵ユニットにおける全溶液の60wt%~95wt%であり、前記第2の活性化方法によってイオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は液体貯蔵ユニットにおける全溶液の5wt%~40wt%である。本発明の実施例によれば、第2の活性化方法によってイオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は液体貯蔵ユニットにおける全溶液の5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%である。発明者は、大量の研究によって、本発明のシステムを使用してタウリンを生産する場合、反応システムのpHを調整するために強アルカリをアンモニア分解反応に追加し、pHを調整するための少量の強アルカリは、イオン交換過程中に樹脂中の活性基の一部を消耗し、イオン交換樹脂カラムは亜硫酸で活性化されると、1つの亜硫酸で1つの金属イオンが置き換えられ、アルカリ金属塩を形成し、1つのアルカリ金属塩が対応的に一分子のタウリンを生産することができ、これにより、酸性亜硫酸アルカリ金属塩を使用して二酸化硫黄を溶解することで亜硫酸活性化イオン交換樹脂カラムを生成するときに導入された酸性亜硫酸アルカリ金属塩は、生産システムに過剰な状態になり、酸性亜硫酸アルカリ金属塩の一部は完全にリサイクルできず、アルカリ金属イオンは生産システムで過剰になり、このような問題を解決するために、余分な酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を追加で処理する必要があり、直接下水処理するとコストが高く、効率が低く、蒸発濃縮プロセスを使用すると、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等などが不安定になり、得られた塩は不純物の含有量が高く販売できず、材料の無駄になることを見出した。発明者らは大量の研究と実験設計を経て、第1の活性化方法と第2の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムに対して蒸発液を同時に使用してタウリンを生産し、イオン交換樹脂カラムは硫酸で活性化され、アルカリ金属イオンの一部がアルカリ金属硫酸塩に変換されることができ、アルカリ金属硫酸塩は強アルカリ塩に属し、直接蒸発及び濃縮して純粋な製品を取得し、販売処理または利用することができ、処理方法は簡単であり、コストと資源を節約する。
【0015】
本発明の実施例によれば、第1の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムと第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムの溶液流入量の比率は(3:2)-(19:1)である。
【0016】
本発明の実施例によれば、前記活性化液変換ユニットは、前記第1の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムの流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%より高い場合、イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を前記第2の活性化方法に調整し、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%より低い場合、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を前記第1の活性化方法に調整するように配置される。本発明の実施例によれば、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%以上である場合、イオン交換樹脂カラムの使用状態が悪く、イオン交換樹脂カラム中のアルカリ金属イオンが多すぎて、タウリンアルカリ金属塩に高効率のイオン交換を行うことができなく、イオン交換樹脂カラムの活性化方法を変更して、硫酸を使用してイオン交換樹脂カラムを活性化する必要があることを示し、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%以下である場合、イオン交換樹脂カラムの状態が回復し、亜硫酸(二酸化硫黄を溶解した酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液)を引き続き使用して活性化することができることを示し、亜硫酸による活性化の効率がより高く、連続生産中に、タウリンを効率よく調製することに役に立つ。
【0017】
本発明の実施例によれば、前記システムは、溶液配置モジュールを更に備え、前記溶液配置モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの底部に接続され、前記イオン交換樹脂カラムが前記第1の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールは下から上に前記イオン交換樹脂に酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を送り、前記イオン交換樹脂が前記第2の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールは下から上に前記イオン交換樹脂にアルカリ金属硫酸塩溶液を送る。発明者らは、大量の研究によって、強酸溶液を利用してイオン交換樹脂カラムを活性化する前に、アルカリ金属塩溶液を利用して下から上にイオン交換樹脂カラムを処理することによって、後続でイオン交換樹脂カラムの活性化効率を向上させ、活性化時間を短縮することができることを見出した。
【0018】
本発明の実施例によれば、前記第1の活性化方法における亜硫酸は、二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解することによって得られ、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液の濃度は25wt%~50wt%である。本発明の実施例によれば、第1の活性化方法の活性化試薬は第2の活性化方法の活性化試薬と異なり、第1の活性化方法は主に亜硫酸で活性化され、二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に送ることによって、二酸化硫黄の溶解度を増加し、亜硫酸を生成し、さらに前記第1の活性化方法によって活性化する。発明者らは、酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液の濃度が25wt%~50wt%である場合、得られた溶液は、イオン交換樹脂カラムに対して良好な活性化効果があり、活性化時間が短く、効率が高いことを見出した。
【0019】
本発明の実施例によれば、第2の活性化方法は、濃度が25wt%以下の硫酸でイオン交換樹脂カラムを活性化処理し、好ましくは、第2の活性化方法は濃度が23wt%以下の硫酸でイオン交換樹脂カラムを活性化処理する。本発明の実施例によれば、濃度が25wt%以下の硫酸で活性化処理する場合、イオン交換樹脂の効率よい活性化を実現することができる。発明者らは、研究によって、タウリンの連続生産過程中に、二酸化硫黄を溶解した酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を連続的に使用してイオン交換樹脂カラムを活性化すると、イオン交換樹脂カラムに損傷を与え、イオン交換樹脂カラムの交換効率が低下し、使用寿命が短くなり、生産コストが増加する等の問題に繋がり、硫酸を単純に使用して活性化する場合と比較して、亜硫酸によるイオン交換樹脂カラムの活性化のコストがより低く、これにより、タウリンの連続生産過程中に、イオン交換樹脂カラムが亜硫酸を主に使用して活性化されることができ、イオン交換樹脂カラムの状態に応じて硫酸に変更して活性化することによって、交換効率を効果的に向上させ、イオン交換樹脂カラムの使用寿命を延長させ、生産効率を向上させ、生産コストを削減させることができることを見出した。
【0020】
本発明の実施例によれば、前記システムは、前記液体貯蔵ユニットに接続され、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するための反応ユニットと、それぞれ前記イオン交換ユニットと前記反応ユニットに接続され、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに戻すための酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプラインと、を更に備える。活性化試薬中の酸性亜硫酸アルカリ金属塩と活性化後に生成された酸性亜硫酸アルカリ金属塩は、酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプラインを介して反応ユニットに還流され、エチレンオキシドと付加反応してイセチオン酸アルカリ金属塩を生成することができる。
【0021】
本発明の第2の態様では、本発明は、タウリンの調製方法を提供する。本発明の実施例によれば、前記方法は、反応ユニットでは、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するステップと、イオン交換ユニットにおける複数のイオン交換樹脂カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して処理するステップと、タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の一部を第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに送るステップと、タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の他の部分を第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配し、硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得するステップと、を含む。本発明の実施例による方法は、エチレンオキシド法を利用してタウリンを調製し、2種のイオン交換樹脂カラム活性化システムを利用することによってタウリンの連続的な大規模生産過程におけるアルカリ金属イオンの均衡を取って、亜硫酸(二酸化硫黄を溶解した酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液)によるイオン交換カラムの活性化に生成された余分なアルカリ金属イオンを処理しにくいという問題を回避し、連続生産過程ではアルカリ金属イオンの均衡を取る目的を達成する。
【0022】
本発明の実施例によれば、上記方法は以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0023】
本発明の実施例によれば、前記第1の活性化方法は、酸性亜硫酸アルカリ金属塩を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解して、亜硫酸溶液を取得するステップと、前記亜硫酸溶液を上から下に前記交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第1の活性化方法処理を行うステップと、を更に含む。本発明の実施例によれば、イオン交換樹脂カラムを亜硫酸の環境に長期間置くと、活性化効率が低下し、酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液で二酸化硫黄を溶解すると、イオン交換樹脂カラムの活性化効率を向上させ、活性化時間を短縮することができるが、余分なアルカリ金属イオンを導入するため、アルカリ金属イオンの均衡をさらに取る必要がある。
【0024】
本発明の実施例によれば、前記第2の活性化方法は、アルカリ金属硫酸塩溶液を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、濃度が25wt%以下の硫酸溶液を上から下に前記イオン交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第2の活性化方法処理を行うようにするステップと、を含む。本発明の実施例によれば、濃度が25wt%以下の硫酸を利用してイオン交換樹脂カラムを活性化することによって、良好的な活性化効果を達成し、活性化効率を向上させることができるとともに、タウリンの生産過程中にアルカリ金属イオンの均衡を取ることができ、最終的にアルカリ金属硫酸塩を生成する。
【0025】
発明者らは、大量の研究によって、酸溶液を利用してイオン交換樹脂カラムを活性化する前に、アルカリ金属塩溶液を利用してイオン交換樹脂カラムを下から上に前処理することによって、高活性化効率及び生産効率を向上させることができることを見出した。アルカリ金属塩溶液の密度は水の密度より大きく、下から上に処理する過程ではアルカリ金属塩溶液が水と十分に混合しにくく、アルカリ金属塩溶液は樹脂に残っている水溶液を押し出すのに役に立ち、この部分の押出液は直接元の蒸発液システムに入ることができ、この部分のアルカリ金属塩溶液は酸活性化の前のバッチのpH>5部分の受容溶液である可能性があり、この部分に少量の水素イオンが含まれ、イオン交換カラムに入るときに、アルカリ金属塩に変換されることができ、この部分は完全にアルカリ金属塩に変換されることができ、アルカリ金属塩の濃度を向上させ、生産効率を向上させる。
【0026】
本発明の実施例によれば、前記方法は、タウリンアルカリ金属塩を含む60wt%~95wt%の蒸発液を第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、タウリンアルカリ金属塩を含む5wt%~40wt%の蒸発液を第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配するステップを更に含む。本発明の実施例によれば、第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配された蒸発液は5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%であり、第1の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配された蒸発液は60wt%、65wt%、70wt%、75wt%、80wt%、85wt%、90wt%、95wt%である。発明者らは、大量の研究によって、本発明のシステムを使用してタウリンを生産する場合、反応システムのpHを調整するために強アルカリをアンモニア分解反応に追加し、pHを調整するための少量の強アルカリは、イオン交換過程中に樹脂中の活性基の一部を消耗し、イオン交換樹脂カラムは亜硫酸で活性化されると、1つの亜硫酸で1つの金属イオンが置き換えられ、アルカリ金属塩を形成し、1つのアルカリ金属塩が対応的に一分子のタウリンを生産し、これにより、酸性亜硫酸アルカリ金属塩を使用して二酸化硫黄を溶解することで亜硫酸活性化イオン交換樹脂カラムを生成するときに導入された酸性亜硫酸アルカリ金属塩は、生産システムに過剰な状態になり、酸性亜硫酸アルカリ金属塩の一部は完全にリサイクルできず、アルカリ金属イオンは生産システムで過剰になり、このような問題を解決するために、余分な酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を追加で処理する必要があり、直接下水処理するとコストが高く、効率が低く、蒸発濃縮プロセスを使用すると、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等などが不安定になり、得られた塩は不純物の含有量が高く販売できず、材料の無駄になることを見出した。発明者らは大量の研究と実験設計を経て、第1の活性化方法と第2の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムに対して蒸発液を同時に使用してタウリンを生産し、イオン交換樹脂カラムは硫酸で活性化され、アルカリ金属イオンの一部がアルカリ金属硫酸塩に変換されることができ、アルカリ金属硫酸塩は強アルカリ塩に属し、直接蒸発及び濃縮して純粋な製品を取得し、販売処理または利用することができ、処理方法は簡単であり、コストと資源を節約する。
【0027】
本発明の実施例によれば、第1の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムと第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配される前記蒸発液の比率は(3:2)~(19:1)である。
【0028】
本発明の実施例によれば、活性化処理を行う前に、それぞれ前記イオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオンの濃度を独立して決定し、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩イオンが含まれ、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を決定するようにする。
【0029】
本発明の実施例によれば、前記第1の活性化方法によって処理されたイオン交換カラムにおける流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%以上である場合、前記第2の活性化方法によって処理する指示であり、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%以下である場合、前記第1の活性化方法によって処理する指示である。本発明の実施例によれば、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%以上である場合、イオン交換樹脂カラムの使用状態が悪く、イオン交換樹脂カラム中のアルカリ金属イオンが多すぎて、タウリンアルカリ金属塩に高効率のイオン交換を行うことができなく、イオン交換樹脂カラムの活性化方法を変更して、硫酸を使用してイオン交換樹脂カラムを活性化することを示し、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%以下である場合、イオン交換樹脂カラムの状態が回復し、亜硫酸(二酸化硫黄を溶解した酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液)を引き続き使用して活性化することができることを示し、亜硫酸による活性化の効率がより高く、連続生産中に、タウリンを効率よく調製することに役に立つ。
【0030】
本発明の実施例によれば、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は30wt%~40wt%であり、好ましくは、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は35wt%である。本発明の実施例によれば、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は30wt%、31wt%、32wt%、33wt%、34wt%、35wt%、36wt%、37wt%、38wt%、39wt%、40wt%である。
【0031】
本発明の実施例によれば、前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は2wt%~15wt%であり、好ましくは、前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は5wt%~10wt%である。本発明の実施例によれば、前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は2wt%、3wt%、4wt%、5wt%、6wt%、7wt%、8wt%、9wt%、10wt%、11wt%、12wt%、13wt%、14wt%、15wt%である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面と組み合わせた実施例の説明から明らかになり、容易に理解されやすくなる。
【0033】
図1】本発明の実施例によるタウリンの調製システムの模式図。
図2】本発明の実施例によるタウリンの調製方法のフローチャート。
図3】本発明の実施例による硫酸の活性化フロー。
図4】本発明の実施例による温度による硫酸ナトリウムの変化曲線。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例が図面に示される。以下、図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を解釈することを意図しているが、本発明を制限するものとして理解されるべきではない。
【0035】
用語解釈
特別な説明がない限り、本文で使用される「第1」、「第2」、「第3」等の類似する用語は、説明の便宜上で区別するためのものがあり、目的を問わず、相互に順序や重要性などの差別が存在するのを暗黙的または明示的に示すことがなく、同時に、「第1」、「第2」、「第3」等の類似する用語で限定される内容は1つの成分により構成することを意味しない。
【0036】
本発明において、特に明確に指定及び制限されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」等の用語は広い意味で理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体接続であってもよいし、機械的接続、電気的接続または相互通信であってもよいし、直接接続、または中間媒体を介した間接接続であってもよいし、2つの素子内部の連通または2つの素子相互作用関係であってもよい。特に明確な指定がない限りである。当業者にとって、具体的な場合によって本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0037】
本発明において、特に明確に指定および制限されていない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」に位置するのは、第1及び第2の特徴の直接接触であってもよいし、第1及び第2の特徴の中間媒体による間接接触であってもよい。また、第1の特徴は第2の特徴「の上」、「上方」及び「上面」に位置するのは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上に位置することであってもよいか、または第1の特徴の水平高さは第2の特徴より高いことのみを示す。第1の特徴は第2の特徴「の下」、「下方」及び「下面」は第1の特徴が第2の特徴の真下または斜め下に位置することであってもよいか、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことのみを示す。
【0038】
注意する必要があることとして、本文で記載の「アルカリ金属塩」「アルカリ金属」等は、すべて「ナトリウム塩、カリウム塩及び/又はリチウム塩」、「ナトリウム、カリウム及び/又はリチウム」を含むことを意味し、例えば、酸性硫酸アルカリ金属塩とは、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムまたは亜硫酸水素リチウムを指す。
【0039】
注意する必要があることとして、本文で、前記アルカリ金属塩はナトリウム塩が好ましい。
【0040】
注意する必要があることとして、本文で、前記元の蒸発液とは、アンモニア分解反応後に蒸発またはフラッシュ蒸発処理された蒸発液を指し、該蒸発液はいずれの希釈液で処理されてなく、いずれの他の試薬(例えば酸性溶液等)とも反応しない蒸発液である。
【0041】
注意する必要があることとして、本文で、前記蒸発液は元の蒸発液及び/又は処理された蒸発液を含み、前記処理は水または他の溶液による希釈、酸性溶液(例えばイセチオン酸)による中和等を含むが、これらに制限されない。
【0042】
注意する必要があることとして、本文で、前記樹脂カラム、イオン交換樹脂カラム、イオン交換カラム等の説明は弱酸性陽イオン樹脂カラムを指し、その酸性はタウリンの酸性よりわずかに高い。
【0043】
本発明の実施例によれば、図1を参照し、前記システムは、エチレンオキシド法によって調製されるタウリンアルカリ金属塩を含む溶液を貯蔵するための液体貯蔵ユニット100と、前記液体貯蔵ユニット100に接続され、複数のイオン交換樹脂カラムを含み、単一のイオン交換カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して活性化処理し、第1の活性化方法は亜硫酸で活性化されて酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、第2の活性化方法は硫酸で活性化されてアルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得するイオン交換ユニット200と、それぞれ前記液体貯蔵ユニット100及びイオン交換ユニット200に接続され、液体貯蔵ユニット100からイオン交換ユニット200における複数のイオン交換樹脂カラムに送る溶液の量を調整するために使用されるように配置される分配ユニット300と、を備える。本発明の実施例によれば、該システムは高効率、省エネ、及びリソース節約の利点を有する。
【0044】
本発明の実施例によれば、前記システムは、前記液体貯蔵ユニット100に接続され、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するための反応ユニット400と、それぞれ前記イオン交換ユニット200と前記反応ユニット400に接続され、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニット400に戻すための酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプライン500と、を更に備える。活性化試薬中の酸性亜硫酸アルカリ金属塩と活性化後に生成された酸性亜硫酸アルカリ金属塩は酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプライン500を介して反応ユニット400に還流されて、エチレンオキシドと付加反応してイセチオン酸アルカリ金属塩を生成する。
【0045】
本発明の実施例によれば、イオン交換ユニットでは、イオン交換樹脂カラムの数は特に制限されず、1つ、2つまたは複数であってもよく、同じ時間内で、第1の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムと第2の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムの数の比率は1:1、2:1、3:1等であってもよく、好ましくは1:1または2:1である。
【0046】
本発明の第2の態様では、本発明はタウリンの調製方法を提供する。本発明の実施例によれば、前記方法は、反応ユニットでは、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するステップと、イオン交換ユニットにおける複数のイオン交換樹脂カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して処理するステップと、タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の一部を第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに送るステップと、タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の他の部分を第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配し、硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得するステップと、を含む。
【0047】
本発明の具体的な実施例によれば、図2を参照し、具体的なステップは以下の通りである。
【0048】
1、エチレンオキシドは酸性亜硫酸アルカリ金属塩と反応してイセチオン酸アルカリ金属塩を調製し、イセチオン酸アルカリ金属塩はアルカリ性条件下でアンモニアと反応してタウリンアルカリ金属塩を調製し、アンモニア分解した後の溶液をフラッシュ蒸発又は/及び蒸発し、余分なアンモニアを除去し、蒸発液を取得する。
【0049】
2、蒸発液を比率で分配してイオン交換ユニットにおける樹脂カラムに注ぎ、60wt%~95wt%の蒸発液の注入には第1の活性化方法における樹脂カラムを使用し、5wt%~40wt%の蒸発液の注入には第2の活性化方法における樹脂カラムを使用する。
【0050】
3、蒸発液をイオン交換する前に、イオン交換樹脂カラムに対して、水洗浄、酸洗浄、アルカリ洗浄、活性化再水洗浄の処理を行う。水洗浄は、イオン樹脂をカラムに入れる前に樹脂中の通常の不純物を水洗浄で除去する必要があり、洗浄液が無色になり、気泡が発生しなくなるまで水洗浄するように求める。酸洗浄、アルカリ洗浄は樹脂中に残っている小分子の不純物を洗浄することであり、酸洗浄は一般的に[H]が1mol/Lの強酸を選択し、酸の体積は樹脂体積の2~3倍であり、樹脂中の酸液を除去することを目的として、酸洗浄後に水洗浄を必要とし、樹脂をpH=2~4まで洗浄し、アルカリ洗浄し、アルカリ洗浄は、一般的に[OH]が1mol/Lの強アルカリを選択し、その体積は樹脂体積の2~3倍であればよく、アルカリ洗浄してから水洗浄し、水洗浄の終点がpH=9~10にすればよく、樹脂をきれいに洗浄してから活性化し、強酸性溶液で樹脂を活性化し、[H]濃度が1mol/Lの強酸であり、体積が樹脂体積の2~4倍であり、活性化してから水洗浄し、pH<9まで水洗浄すればよく、最後の活性化の後、次の樹脂の活性化の使用のために、洗浄液を酸の調製に直接再利用することができる。
【0051】
4、蒸発液を上から下に第1の活性化方法によるイオン交換カラムに注いた後、樹脂の流出液のpHが3未満である場合、流出液は、元の蒸発液を希釈して中和するために使用され、樹脂流出液のpHが3-8である場合、タウリンを含む流出液を収集し、pHが8を超える場合、蒸発液の注入を停止する。該ステップの流出液中のアルカリ金属イオンの濃度を検出する。
【0052】
5、精製水で上から下にイオン交換カラムを介して使用済み樹脂を洗浄し、洗浄過程に生成された樹脂流出液は蒸発液を希釈するために使用され、流出液にタウリンが流出しなくなることと検出するまで、この時、pH値が9.5~10.5である。該ステップは水資源の使用を減らして、水を節約することができる。
【0053】
6、洗浄された第1の活性化方法によって処理されたイオン交換カラムに、下から上に低濃度の亜硫酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、樹脂カラムに残っている水を押し出して、押し出された残留水の一部が元の蒸発液に入って希釈の役割を果たし、水の浪費を避け、一部は外部に排出されて別途に収集して処理され、亜硫酸水素ナトリウムが蒸発液中に混入するのを避ける。
【0054】
7、水を除去した後の第1の活性化方法によって処理されたイオン交換カラムを、上から下に、二酸化硫黄、亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸を含む混合物で活性化し、流出液のpH値が3-4である場合、活性化試薬の添加を停止し、流出液を貯蔵して、亜硫酸水素ナトリウムの調製に使用される。
【0055】
8、活性化後の第1の活性化方法によって処理されたイオン交換カラムに、樹脂流出液が、基本的に酸性陰イオンが流出しなくなるまで、上から下に精製水を注いて洗浄し、このときpH値が約4であり、精製水を注ぐことを停止し、流出液は亜硫酸水素ナトリウムを調製するために使用される。本発明の実施例によれば、該ステップは水の使用量を減らし、水資源を節約し、生産コストを制御することができる。
【0056】
9、亜硫酸アルカリ金属塩を含む適量な溶液で、下から上に第1の活性化方法によって活性化されたイオン交換カラム樹脂の隙間の間の水を押し出し、ここでの流出液水は2段階で処理され、pH>3の流出液は元の蒸発液に戻され、pH<3の流出液は完成品液に直接入る。流出液の体積は樹脂液体に入る体積に達する場合、亜硫酸アルカリ金属塩を含む溶液を注ぐのを停止し、希釈された蒸発液を注ぐ。本発明の実施例によれば、タウリンによるイオン交換樹脂カラムの前処理は樹脂カラムに酸性亜硫酸アルカリ金属塩を含む環境を予め提供することができ、強アルカリ性蒸発液による樹脂カラムへの損傷を低減すると同時に、樹脂カラム中の活性基を最大限に活用し、活性化効率を向上させ、同時に樹脂カラムを保護し、樹脂カラムの使用寿命を延長させる。
【0057】
10、樹脂の洗浄、樹脂の活性化、樹脂の洗浄、蒸発液の注入というステップを繰り返して、タウリンを効率的かつ連続的に生産する。しかし、亜硫酸システムによってイオン交換樹脂を活性化する場合、樹脂の活性化が不完全である等に起因して、サイクル数が増加した後、システムが崩壊し、サイクルを継続することができなくなるため、第1の活性化方法によってイオン交換カラムを処理した後、流出液中のアルカリ金属イオン濃度は送られた蒸発液中のアルカリ金属イオン濃度の60%より高い場合、イオン交換樹脂カラムの第1の活性化方法を第2の活性化方法である硫酸による活性化に調整し、サイクル過程中では、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%より低い場合、活性化処理方法を亜硫酸による活性化システムに調整する。
【0058】
11、第2の活性化方法によってイオン交換樹脂を処理する場合、イオン交換樹脂カラムの活性化と活性化前の処理ステップ以外、他のステップは第1の活性化方法とほぼ同じである。
【0059】
12、第2の活性化方法によってイオン交換樹脂を処理する場合、活性化前の処理(アルカリ金属塩によって水を押し出す)は、水洗浄された樹脂カラムを、下から上にアルカリ金属塩で樹脂中に残っている水分を押し出し、押出液に硫酸イオンがない溶液が元の蒸発液に入って蒸発液を希釈し、硫酸イオンを含む部分の水は直接に希酸貯蔵タンクに入り、活性化試薬を配置するために使用される。
【0060】
13、第2の活性化方法による活性化において、上から下に、希硫酸で活性化し、流出液のpH値が5より大きい場合、流出液が硫酸ナトリウム貯蔵タンクに入り、pH値が5より小さい場合、流出液が希酸貯蔵タンクに入り、pHが3より小さい場合、希硫酸の注入を停止する。活性化フローを図3に示す。活性化効率を向上させるために、希硫酸の濃度は23%wtより小さい。発明者らは大量の実験によって、蒸発液を樹脂カラムに通した後、樹脂カラムを水洗浄し、その水洗浄後、樹脂カラム中に残った水の押出にはpHが5~5.5の流出液を使用し、一部の酸と一部の硫酸ナトリウムが含まれる、流出液のpH5未満の部分を次のバッチ活性化試薬として使用することを見出した。硫酸の濃度を上げると、活性化用硫酸の体積使用量を少量減らすことができ、完全な酸の活性化は、酸の濃度とはほとんど関係ないが、後続の硫酸ナトリウム精製のステップに影響を及ぼし、硫酸ナトリウムの飽和質量分率は31.6%であり、このとき対応する硫酸濃度は23%を超えてはいけなく、硫酸の濃度が高すぎると、硫酸ナトリウムが沈殿して固形物が詰まり、硫酸の濃度が低いと、樹脂への損傷は最も小さいが、生産中に濃度が低すぎると、後続の硫酸ナトリウムの精製が困難になり、水量が多くなり、コストもそれに応じて高くなる。
【0061】
以上の順序は、タウリンの調製方法における決定された順序ではなく、本発明を理解するための便宜のために本文に設定された順序にすぎない。実際の生産過程では、実際の生産能力に応じてイオン交換ユニットにおけるイオン交換樹脂カラムの数、及び活性化方法を調整することができる。即ち第1の活性化方法と第2の活性化方法は同じイオン交換樹脂カラムで交互に行うことができ、異なるイオン交換樹脂カラムで同時に行うこともでき、異なるイオン交換カラムで交互に行うこともできる。
【0062】
以下、具体的な実施例を参照して本発明を説明するが、これらの実施例は例示的なものだけであり、いかなる方法で本発明を限定することはない。
【0063】
実施例1
(1)樹脂の前処理:1L樹脂をクロマトグラフィーカラムに入れてしっかりと押し、樹脂の上部に3~5cmの水を保持し、樹脂を4%の硫酸溶液で樹脂体積の3倍で処理した。流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍である。終了後、水道水で出口pH>4になるまで樹脂を洗浄した。次に、4%のNaOH溶液1.5~2BVを使用して樹脂を変換した。流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍である。終了後、水道水で出口pH<9になるまで樹脂を洗浄した。樹脂を、樹脂体積の3倍の4%硫酸溶液で流量2.5~5BV/hで処理し、処理終了後、水道水で出口液がpH>4になるまで樹脂を洗浄し、後で使用する樹脂の活性化が完了した。
【0064】
(2)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取り、タウリンアルカリ金属塩の含有量が約20wt%になるまで希釈した。希釈された蒸発液を一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着した。異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後、イオン交換カラムを流出液のpHが8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで水洗浄した。
【0065】
(3)樹脂の再生:樹脂を第1活性化方法または第2の活性化方法に従って行った。
【0066】
(4)同じイオン交換カラムにステップ(2)と(3)をサイクルし、各サイクルで、100Lの蒸発液をカラムに通過し、このサイクルを10回繰り返した。
【0067】
ステップ(3)と(4)の活性化分配量を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
結果を下記表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
表2から分かるように、100L、20wt%(タウリンアルカリ金属塩)の蒸発液を使用して1本のイオン樹脂カラムを通過してから変換してタウリンを取得し、10つの100Lのものを使用して10回サイクルし、2サイクルごとに樹脂の活性化方法を変更し、表1に示されるように、1、2サイクルでは100Lの蒸発液のカラム通過に使用された活性化方法は第1の活性化方法であり、3~10サイクルではそれぞれ使用されたカラム通過量が95L、80L、60L、55Lであって第1の活性化方法によって活性化され、残された5L、20L、40L、45Lのものを第2の活性化方法によって活性化する。表2から分かるように、100Lの蒸発液のカラム通過には第1の活性化方法を使用する場合、生成された亜硫酸水素ナトリウムのモル量はシステムに入ったタウリンナトリウムのモル量より高く、本特許でタウリンを調製するために使用されるエチレンオキシド法では1molの亜硫酸アルカリ金属塩で1molのタウリンを対応的に生産し、100Lの蒸発液では、95Lの蒸発液のカラム通過は第1の活性化方法によって活性化され、5Lの蒸発液のカラム通過は第2の活性化方法によって活性化され、新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量は依然として生成されたタウリンよりも高く(サイクルシステムでは亜硫酸水素ナトリウムの押出水の部分から少量のナトリウムが排出されて下水として処理されるため、ここでシステムのナトリウムの均衡をかろうじて取る)、100Lの蒸発液では、80L、60L、55Lの蒸発液のカラム通過には第1の活性化方法を使用し、20L、40L、45Lの蒸発液カラム通過には第2の活性化方法を使用し、追加の亜硫酸水素ナトリウムのモル量はタウリンの総モル量より少なく、システムに処理する必要がある余分な亜硫酸水素ナトリウムがなく、そして、亜硫酸水素ナトリウムを追加で補充してタウリンを生産する必要があり、亜硫酸水素ナトリウムをシステムに過剰に補充すると、全体的な生産効率の向上に役に立たなく、統合的に考慮すると、第1の活性化方法によって処理された蒸発液の総量が60%~95%であり、第2の活性化方法によって処理された蒸発液の総量が5%~40%である。
【0072】
実施例2
比較例1
(1)樹脂の前処理:6Lの樹脂をクロマトグラフィーカラムに入れてしっかりと押し、樹脂の上部に3~5cmの水を保持し、樹脂を4%の硫酸溶液で樹脂体積の3倍で処理した。流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍であり、終了後、水道水で出口pH>4になるまで樹脂を洗浄した。次に、4%のNaOH溶液1.5~2BVを使用して樹脂を変換した。流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍であり、終了後、水道水で出口pH<9になるまで樹脂を洗浄した。樹脂を、樹脂体積の3倍の4%硫酸溶液で流量2.5~5BV/hで処理し、処理終了後、水道水で出口液がpH>4になるまで樹脂を洗浄し、後で使用する樹脂の活性化が完了した。
【0073】
(2)カラムへの樹脂の充填:活性化された6Lの樹脂をそれぞれ等量で2本のクロマトグラフィーカラムに入れてしっかりと押し、樹脂の上部に3~5cmの水を保持した。番号がA1、B1である。
【0074】
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取り、タウリンアルカリ金属塩の濃度が約20wt%になるまで希釈し、希釈された蒸発液を一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0075】
(4)樹脂の再生について、A1樹脂カラムは第1の活性化方法によって処理され、B1樹脂カラムは第2の活性化方法によって処理された。
【0076】
ステップ(3)と(4)をサイクルすることによって、100Lの蒸発液でイオン樹脂カラムA1を通過し、最終的に得られたタウリン総量を検出し、同時に新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量を検出した。
【0077】
比較例2
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取り、タウリンアルカリ金属塩の濃度が約20wt%になるまで希釈し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0078】
(4)樹脂の再生:A1樹脂カラムは第1の活性化方法によって処理され、B1樹脂カラムは第2の活性化方法によって処理された。
【0079】
ステップ(3)と(4)をサイクルすることによって、95Lの蒸発液でイオン樹脂カラムA1を通過し、5Lの蒸発液でイオン樹脂B2を通過し、最終的に得られたタウリン総量を検出し、同時に新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量を検出した。
【0080】
比較例3
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取って20wt%まで希釈し、一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0081】
(4)樹脂の再生:A1樹脂カラムは第1の活性化方法によって処理され、B1樹脂カラムは第2の活性化方法によって処理された。
【0082】
ステップ(3)、(4)をサイクルすることによって、80Lの蒸発液でイオン樹脂カラムA1を通過し、20Lの蒸発液でイオン樹脂B2を通過し、最終的に得られたタウリン総量を検出し、同時に新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量を検出した。
【0083】
比較例4
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取って20wt%まで希釈し、一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0084】
(4)樹脂の再生:A1樹脂カラムは第1の活性化方法によって処理され、B1樹脂カラムは第2の活性化方法によって処理された。
【0085】
ステップ(3)、(4)をサイクルすることによって、60Lの蒸発液でイオン樹脂カラムA1を通過し、40Lの蒸発液でイオン樹脂B2を通過し、最終的に得られたタウリン総量を検出し、同時に新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量を検出した。
【0086】
比較例5
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:元の蒸発液を取って20wt%まで希釈し、一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0087】
(4)樹脂の再生:A1樹脂カラムは第1の活性化方法によって処理され、B1樹脂カラムは第2の活性化方法によって処理された。
【0088】
ステップ(3)、(4)をサイクルすることによって、55Lの蒸発液でイオン樹脂カラムA1を通過し、45Lの蒸発液でイオン樹脂B2を通過し、最終的に得られたタウリン総量を検出し、同時に新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量を検出した。
【0089】
結果を下記表に示す。
【0090】
【表3】
【0091】
表3から見ると、100L、20wt%の蒸発液を使用してイオン樹脂カラムA1、B1を通過してから変換してタウリンを取得し、比較例1ではすべてA1カラムに入り(第1の活性化方法によって樹脂を活性化する)、最終的に生成された亜硫酸水素ナトリウムのモル量はシステムに入ったタウリンナトリウムのモル量より高く、本特許でタウリンを調製するために使用されるエチレンオキシド法では1molの亜硫酸アルカリ金属塩で1molのタウリンを対応的に生産し、比較例2において95LのものがA1カラムに入り、5LのものがB1カラム(B1カラムは第2の活性化方法によって処理される)に入り、新しく生成された亜硫酸水素ナトリウムの含有量は依然として生成されたタウリンよりも高く(サイクルシステムでは亜硫酸水素ナトリウムの押出水の部分から少量のナトリウムが排出されて下水として処理されるため、ここでシステムのナトリウムの均衡をかろうじて取る)、比較例3、4、5ではそれぞれ80L、60L、55LのものがA1カラムに入り、20L、40L、45LのものがB1カラムに入り、追加の亜硫酸水素ナトリウムのモル量はタウリンの総モル量より少なく、システムに処理する必要がある余分な亜硫酸水素ナトリウムがなく、そして、亜硫酸水素ナトリウムを追加で補充してタウリンを生産する必要があり、亜硫酸水素ナトリウムをシステムに過剰に補充すると、全体的な生産効率の向上に役に立たなく、統合的に考慮すると、第1の活性化処理を行うイオン樹脂交換カラムに入る蒸発液の総量が60%~95%であり、第2の活性化処理を行うイオン樹脂交換カラムに入る蒸発液の総量が5%~40%である。
【0092】
実施例3
(1)樹脂の前処理:6Lの樹脂をクロマトグラフィーカラムに入れてしっかりと押し、樹脂の上部に3~5cmの水を保持し、樹脂を4%の硫酸溶液で樹脂体積の3倍で処理し、流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍であり、終了後、水道水で出口pH>4になるまで樹脂を洗浄した。次に、4%のNaOH溶液1.5~2BVを使用して樹脂を変換し、流量は1時間あたりの樹脂体積の2~4倍であり、終了後、水道水で出口pH<9になるまで樹脂を洗浄した。樹脂を、樹脂体積の3倍の4%硫酸溶液で流量2.5~5BV/hで処理し、処理終了後、水道水で出口液PH>4になるまで樹脂を洗浄し、後で使用する樹脂の活性化が完了した。
【0093】
(2)カラムへの樹脂の充填:活性化された6Lの樹脂をそれぞれ等量で6本のクロマトグラフィーカラムに入れてしっかりと押し、樹脂の上部に3~5cmの水を保持し、番号がA、B、C、D、E、Fである。
【0094】
比較例6
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:6つの体積1.5L、20wt%の蒸発液を取って、一定の倍数で定容して一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0095】
(4)樹脂の再生:A、B、C組には亜硫酸で樹脂を活性化し、D、E、F組には硫酸で樹脂を活性化した。
【0096】
ステップ(3)、(4)を40回サイクルした。
【0097】
比較例7
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:6つの体積1.5L、20wt%の蒸発液を取って一定の倍数で定容して一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0098】
(4)樹脂の再生:D、E、F組には亜硫酸活性化システムによって樹脂を活性化し、A、B、C組には硫酸で樹脂を活性化した。
【0099】
ステップ(3)、(4)を40回サイクルした。
【0100】
比較例8
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:6つの体積1.5L、20wt%の蒸発液を取って一定の倍数で定容して一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0101】
(4)樹脂の再生:A、B、C、D組には亜硫酸活性化システムによって樹脂を活性化し、E、F組には硫酸で樹脂を活性化した。
【0102】
ステップ(3)、(4)を40回サイクルした。
【0103】
比較例9
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:6つの体積1.5L、20wt%の蒸発液を取って一定の倍数で定容して一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0104】
(4)樹脂の再生:C、D、E、F組には第1の活性化方法の活性化システムによって樹脂を活性化し、A、B組には第2の活性化方法によって樹脂を活性化した。
【0105】
ステップ(3)、(4)を40回サイクルした。
【0106】
比較例10
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:6つの体積1.5L、20wt%の蒸発液を取って一定の倍数で定容して一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定する。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0107】
(4)樹脂の再生:A、B、E、F組には第1の活性化方法の活性化システムによって樹脂を活性化し、C、D組には第2の活性化方法によって樹脂を活性化した。
【0108】
ステップ(3)、(4)を40回サイクルした。
【0109】
結果を表4、表5に示す。
【0110】
【表4】
【0111】
表4から分かるように、比較例6では第1の活性化方法によってA、B、C組の樹脂を活性化し、長期活性化状態では、樹脂の活性化効率が低く、回数の増加に伴い、その変換効率が低下する傾向がある。ここで、第2の活性化方法によってD、E、F組の樹脂を活性化し、長期活性化状態では、樹脂の活性化効率が変わらなく、蒸発液の変換率が安定した状態にある。比較例7では、比較例6における第1の活性化方法を第2の活性化方法に変更して樹脂カラムを活性化し、その結果は、A、B、C樹脂がその変換効率に回復し、D、E、F組の樹脂は第1の活性化方法によって処理され、活性化回数の増加に伴い、樹脂の活性化効率が低下し、樹脂変換率が低下する。
【0112】
【表5】
【0113】
表5結果から分かるように、比較例8では第1の活性化方法によって処理された組A、B、C、Dは、サイクル回数の増加に伴い、活性化効率が低下し、比較例9では第2の活性化方法に変更してA、B組の樹脂カラムを処理し、C、D組のものを第1の活性化方法によって処理し続け、その活性化効率が持続的に低下し、比較例10では第2の活性化システムに変更してC、D組のものを活性化し、その変換能力が高い状態に回復する。
【0114】
比較例6-10を組み合わせて分かるように、第1の活性化処理方法によるイオン交換樹脂カラムは、サイクル回数の増加に伴い、長時間で亜硫酸と亜硫酸水素ナトリウムで樹脂を活性化するため、樹脂の変換効率が低下し、第2の活性化方法に変更して処理した後、樹脂がその変換能力に回復する。実施例を組み合わせて分かるように、第1の活性化方法によって樹脂カラムを活性化する場合、樹脂流出液のアルカリ金属の濃度は樹脂カラムに入った蒸発液のアルカリ金属の濃度の約60%であると検出すると、活性化方法を変更する必要があり、第2の活性化方法に変更して樹脂を活性化し、第2の活性化方法によって樹脂を処理する場合、その流出液のアルカリ金属の濃度は樹脂カラムに入った蒸発液アルカリ金属の濃度の約5%であると、樹脂の活性化が完全であると考え、第1の活性化方法または第2の活性化方法によって処理し続けることができる。
【0115】
実施例4
比較例10におけるCまたはD組の樹脂カラムを使用して以下の実験を行い、活性化方法は第2の活性化方法である。
【0116】
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:蒸発液を一定の倍数で定容し、前処理された一定の量の樹脂をクロマトグラフィーカラムに移り、定容された蒸発液を一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0117】
(4)樹脂の再生:硫酸溶液を使用して一定の流量で順方向にカラムを通過して脱着し、溶出液にナトリウムイオンがないと測定する場合で樹脂が完全に活性化され、次に、pH>4まで水洗浄すると、水洗浄が完了した。
【0118】
実験のステップ(3)、(4)を繰り返して、ステップ(3)の条件が変わらなく、ステップ(4)における活性化試薬の含有量中の金属イオンの含有量を変え、条件を下記表6に示す。
【0119】
【表6】
【0120】
表6から結果から示すように、同じ流量の状態で、同じ硫酸の含有量条件下で、ナトリウムイオン塩の含有量が零である場合、樹脂を60min活性化する必要があり、ナトリウムイオン塩の含有量の増加に伴い、樹脂の活性化時間が短くなり、ナトリウムイオン塩が10wt%以上に増加した場合、活性化時間がほとんど変化しなく、同時にナトリウムイオン塩が樹脂から沈殿し、カラム詰まりの現象を引き起こすため、ナトリウムイオン塩の含有量が5wt%~10wt%であることが好ましい。カリウムイオンとナトリウムイオンの強化効果が相対的に一致し、マグネシウムイオン塩の強化効果とナトリウムイオン塩の効果は相対的に低いが、それでも強化効果があり、これは主にナトリウムイオンとカリウムイオンは構造的に類似した金属イオンのファミリーであり、且つイオン樹脂システムで主に置き換えられたイオンはナトリウムイオンであるため、強い強化効果を示し、金属イオン塩を活性化試薬に追加すると、活性化効率を向上させ、活性化時間を短縮することができ、その中で、生産に同じ種類の生産用金属イオン塩を増加すると、金属イオン塩の濃度を大幅に高め、蒸発コストを削減し、後続の金属イオン塩の回収と利用を強化し、生産コストを大幅に節約することができる。
【0121】
実施例5
硫酸ナトリウムの溶解度の変化曲線は以下の通りである。
【0122】
【表7】
【0123】
図4から分かるように、T<50℃の場合、硫酸ナトリウムの温度の上昇とともに硫酸ナトリウムの溶解度が増加し、T>50℃の場合、硫酸ナトリウムの溶解度は温度の上昇とともに徐々に減少する。生産システムの温度を約50℃に維持することで酸濃度を最大限に増加することができることを示し、この温度では、得られた硫酸ナトリウムの含有量が最も高く、後続の蒸発濃度がコスト削減に役に立つ。
【0124】
【表8】
【0125】
表8から分かるように、硫酸の含有量が30%に達する場合、対応的に生成された硫酸ナトリウムの含有量が42.7%であり、生産中にイオン樹脂プロセスの温度を約65℃に制御し、このとき硫酸ナトリウムの飽和質量分率は44.3~44.5%であり、硫酸で樹脂を活性化する場合、H+イオンとナトリウムイオンを置き換える過程では短い滞在があるため、活性化過程では硫酸ナトリウムの濃度が短期的に凝集することを考慮すると、硫酸ナトリウムが沈殿してパイプを詰まらせる可能性があるため、実験中に硫酸の含有量を15%~25%に調整するが、後続の実験の研究の結果、濃度が25%に達する場合、温度が不十分に制御される場合でも同様に硫酸ナトリウムを沈殿するため、硫酸の含有量は好ましくは約22%である。
【0126】
以上の分析結果によれば、比較例10におけるCまたはD組の樹脂カラムを使用して以下の実験を行う。
【0127】
(3)蒸発液サンプルのカラム通過:蒸発液を一定の倍数で定容し、前処理された一定の量の樹脂をクロマトグラフィーカラムに移し、定容された蒸発液を一定の流量で順方向にカラムを通過して吸着し、異なる時間帯の要求に応じて終点を決定し、様々な指標を測定した。蒸発液のサンプリングが完了した後のステップは水洗浄であり、流出液がpH=8~9になるまで、即ち溶出が完了するまで洗浄した。
【0128】
(4)樹脂の再生:硫酸溶液を使用して一定の流量で順方向にカラムを通過して脱着し、溶出液にナトリウムイオンがないと測定する場合で樹脂が完全に活性化され、次に、pH>4まで水洗浄すると、水洗浄が完了した。
【0129】
実験のステップ(3)、(4)を繰り返し、ステップ(3)の条件が変わらなく、ステップ(4)における活性化試薬の含有量を変え、条件は下記表9の通りである。
【0130】
【表9】
【0131】
表9では同じ条件で、酸の含有量の増加に伴い酸活性化の総量が増加し、活性化用体積が減少し、硫酸の含有量の制御分析と組み合わせると、現在のデータは、23wt%の硫酸の含有量で樹脂の活性化が比較的安定し、酸後の水洗浄使用量は、酸含有量の増加とともに、水洗浄使用量が増加し、後続の酸の含有量の増加とともに、水洗浄使用量が減少し、主に後続の酸の含有量が増加するが、使用量が減少し、pHを4~6まで水洗浄すると、より簡単に達成する。実験過程では含有量が25wt%と高い場合、温度が変動すると、樹脂カラムに少量の固形物が沈殿し、実験に影響を与えるため、実際の硫酸の含有量は好ましくは23wt%である。
【0132】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」という参照用語などの説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれる。本明細書において、上記の用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例又は例を指す必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で結合することができる。なお、矛盾がない場合、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0133】
本発明の実施例を以上で示して説明したが、理解できることとして、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、当業者は、本発明の範囲内で上記実施例に対して変化、修正、置換及び変形を行うことができる。
【0134】
(付記)
(付記1)
タウリンを調製するシステムであって、
エチレンオキシド法によって調製されるタウリンアルカリ金属塩を含む溶液を貯蔵するための液体貯蔵ユニットと、
複数のイオン交換樹脂カラムを含み、単一のイオン交換カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して活性化処理するイオン交換ユニットであって、前記第1の活性化方法は亜硫酸で活性化されて酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記第2の活性化方法は硫酸で活性化されてアルカリ金属硫酸塩とタウリンを取得するイオン交換ユニットと、
前記液体貯蔵ユニット及び前記イオン交換ユニットにそれぞれ接続され、前記液体貯蔵ユニットから前記イオン交換ユニット内の複数の前記イオン交換樹脂カラムに送られる溶液の量を調整するために使用されるように配置される分配ユニットと、を備えることを特徴とするタウリンを調製するシステム。
【0135】
(付記2)
活性化液変換ユニットを更に備え、前記活性化液変換ユニットは、前記イオン交換樹脂カラムに接続され、前記イオン交換樹脂カラムによって行われた活性化処理方法を調整するのに適するように配置される、ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
【0136】
(付記3)
アルカリ金属イオン濃度検出モジュールを更に備え、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの入口と出口に接続され、前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールが複数の前記イオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオン濃度を独立して検出するのに適し、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩が含まれ、且つ前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールが前記活性化液変換ユニットに接続され、前記活性化液変換ユニットは前記アルカリ金属イオン濃度検出モジュールの検出結果に基づいて前記イオン交換樹脂カラムによって行われる活性化処理方法を調整するようにする、ことを特徴とする付記2に記載のシステム。
【0137】
(付記4)
前記分配ユニットによりそれぞれ液体貯蔵ユニットからイオン交換樹脂カラムに送られる溶液の量を独立して調整し、前記第1の活性化方法によってイオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は液体貯蔵ユニットにおける全溶液の60wt%~95wt%であり、前記第2の活性化方法によってイオン交換樹脂カラムを処理する場合、溶液の流入量は液体貯蔵ユニットにおける全溶液の5wt%~40wt%であり、
選択的に、第1の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムと第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムの溶液流入量の比率は(3:2)-(19:1)である、ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
【0138】
(付記5)
前記活性化液変換ユニットは、前記第1の活性化方法によるイオン交換樹脂カラムの流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%より高い場合、イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を前記第2の活性化方法に調整し、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度が前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%より低い場合、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を前記第1の活性化方法に調整するように配置される、ことを特徴とする付記3に記載のシステム。
【0139】
(付記6)
溶液配置モジュールを更に備え、前記溶液配置モジュールは前記イオン交換樹脂カラムの底部に接続され、前記イオン交換樹脂カラムが前記第1の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールは下から上に前記イオン交換樹脂に酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液を送り、前記イオン交換樹脂が前記第2の活性化方法によって処理される前に、前記溶液配置モジュールが下から上に前記イオン交換樹脂にアルカリ金属硫酸塩溶液を送る、ことを特徴とする付記5に記載のシステム。
【0140】
(付記7)
前記第2の活性化方法は、濃度が25wt%以下の硫酸で第2の活性化処理を行うのに適し、
好ましくは、前記第2の活性化方法は濃度が23wt%以下の硫酸で第2の活性化処理を行うのに適する、ことを特徴とする付記5に記載のシステム。
【0141】
(付記8)
前記第1の活性化方法における亜硫酸は、二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解することによって得られ、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液の濃度は25wt%~50wt%である、ことを特徴とする付記5に記載のシステム。
【0142】
(付記9)
前記液体貯蔵ユニットに接続され、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するための反応ユニットと、
前記イオン交換ユニットと前記反応ユニットにそれぞれ接続され、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに戻すための酸性亜硫酸アルカリ金属塩パイプラインと、を更に備える、ことを特徴とする付記1または3に記載のシステム。
【0143】
(付記10)
タウリンを調製する方法であって、
反応ユニットでは、エチレンオキシド法によってタウリンアルカリ金属塩を含む蒸発液を調製するステップと、
イオン交換ユニットにおける複数のイオン交換樹脂カラムを第1の活性化方法または第2の活性化方法によって独立して処理するステップと、
タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の一部を第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、酸性亜硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得し、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩を前記反応ユニットに送るステップと、
タウリンアルカリ金属塩を含む前記蒸発液の他の部分を第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配し、硫酸アルカリ金属塩とタウリンを取得するステップと、を含むことを特徴とするタウリンを調製する方法。
【0144】
(付記11)
前記第1の活性化方法は、
酸性亜硫酸アルカリ金属塩を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、
二酸化硫黄を酸性亜硫酸アルカリ金属塩溶液に溶解して、亜硫酸溶液を取得するステップと、
前記亜硫酸溶液を上から下に前記交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第1の活性化方法処理を行うステップと、をさらに含む、ことを特徴とする付記10に記載の方法。
【0145】
(付記12)
前記第2の活性化方法は、
アルカリ金属硫酸塩溶液を下から上に送るように前記イオン交換樹脂カラムを通過するステップと、
濃度が25wt%以下の硫酸溶液を上から下に前記イオン交換樹脂カラムに送って、前記イオン交換樹脂カラムに第2の活性化方法処理を行うようにするステップと、を更に含む、ことを特徴とする付記10に記載の方法。
【0146】
(付記13)
タウリンアルカリ金属塩を含む60wt%~95wt%の蒸発液を第1の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配し、タウリンアルカリ金属塩を含む5wt%~40wt%の蒸発液を第2の活性化方法によって処理された前記イオン交換樹脂カラムに分配するステップと、を更に含み、
選択的に、第1の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムと第2の活性化方法によって処理されたイオン交換樹脂カラムに分配される前記蒸発液の比率は(3:2)~(19:1)である、ことを特徴とする付記10に記載の方法。
【0147】
(付記14)
活性化処理を行う前に、それぞれ前記イオン交換樹脂カラムの流入液と流出液中のアルカリ金属イオンの濃度を独立して決定し、前記流入液と前記流出液にタウリンアルカリ金属塩イオンが含まれ、前記イオン交換樹脂カラムの活性化処理方法を決定するようにする、ことを特徴とする付記13に記載の方法。
【0148】
(付記15)
前記第1の活性化方法によって処理されたイオン交換カラムにおける流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の60%以上である場合、前記第2の活性化方法によって処理する指示であり、前記流出液中のアルカリ金属イオン濃度は前記流入液中のアルカリ金属イオン濃度の5%以下である場合、前記第1の活性化方法によって処理する指示である、ことを特徴とする付記14に記載の方法。
【0149】
(付記16)
前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は30wt%~40wt%であり、
好ましくは、前記酸性亜硫酸アルカリ金属塩の濃度は35wt%であり、
選択的に、前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は2wt%~15wt%であり、
好ましくは、前記アルカリ金属硫酸塩の濃度は5wt%~10wt%である、ことを特徴とする付記10または11に記載の方法。
図1
図2
図3
図4