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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】全方向ちりとり
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/52 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A47L13/52 101
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023044755
(22)【出願日】2023-03-03
【審査請求日】2023-03-03
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523099574
【氏名又は名称】立花 昂己
(73)【特許権者】
【識別番号】523099585
【氏名又は名称】千葉 奏大
(73)【特許権者】
【識別番号】523099596
【氏名又は名称】菅原 椿
(73)【特許権者】
【識別番号】523099600
【氏名又は名称】八重樫 健成
(72)【発明者】
【氏名】立花 昂己
(72)【発明者】
【氏名】千葉 奏大
(72)【発明者】
【氏名】菅原 椿
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 健成
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0133723(KR,A)
【文献】実公昭50-040416(JP,Y1)
【文献】特開2001-275910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全方向からゴミを収集可能なちりとりであって、
円または多角形状の中心部から放射状に複数に分割され、前記円または多角形状の中心部から周辺部の間の頂上部から中心部に向かって窪むとともに、前記頂上部から外方に向かって傾斜するちりとり本体部と、
一方を前記ちりとり本体部の分割された前記頂上部の各中央部を回動自在に支持すると共に、他方が前記本体部の中心部上方に向けて形成された支持脚と、
前記支持脚の前記本体部の中心部上方に向けて形成された支持脚の他方と接続され、上方に伸びる支柱と、
前記支柱に沿って摺動する摺動部材と、
一方が前記複数に分割された前記ちりとり本体部の各外周部に回動自在に支持され、他方が前記摺動部材の下端に回動自在に支持される可動脚とを備え、
ちりとりとしての使用時には前記摺動部材を下方に移動させ前記複数に分割された本体部を閉鎖し、排出時には前記摺動部材を上方に移動させ前記複数に分割された本体部は開放し、ごみを収集・排出可能としたことを特徴とするちりとり。
【請求項2】
前記支柱の上部には手当たり部が設けられており、
また、前記摺動部材の上端にはハンドル部が設けられており、
前記手当たり部に手のひらを乗せ、前記ハンドル部を握り上げると、
前記摺動部材が前記支柱に対して摺動することを特徴とする請求項1記載のちりとり。
【請求項3】
前記ちりとり本体部は、3または4に分割されていることを特徴とする請求項1記載のちりとり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全方向からゴミを収集可能なちりとりに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存のちりとりは一方向からしかゴミを収集できず、受け皿からはみ出ることがある。また、複数人で掃除をしている場合、1人ずつゴミを入れなければならない。
【0003】
現在ちりとりは、下記特許文献に示されるように一方向からゴミを収集し、それをゴミ箱へ入れるというものが多い。また、ほこりが舞わぬように上部にカバーがついているものもあるが、逆にゴミを入れにくい一因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-183030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のちりとりでは、集めようとするゴミに対して、ちりとりの向きを変える必要があった。また、ゴミを捨てる際にほこりが舞いやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明によるちりとりは、以下の構成を具備するものである。
【0007】
全方向からゴミを収集可能とするために、複数に分割され、円または多角形状の頂上部から中心部に向かって窪むとともに、前記頂上部から外方に向かって傾斜するちりとり本体部と、前記ちりとり本体部の分割された前記頂上部の各中央部を回動自在に支持する支持脚と、前記支持脚の中心部から上方に伸びる支柱と、前記支柱に沿って摺動する摺動部材と、一方が前記複数に分割された前記ちりとり本体部の各外周部に回動自在に支持され、他方が前記摺動部材の下端に回動自在に支持される可動脚とを備え、ちりとりとしての使用時には前記摺動部材を下方に移動させ、排出時には前記摺動部材を上方に移動させゴミを収集・排出可能としたことを特徴とする。
【0008】
また、前記支柱の上部には手当たり部が設けられており、また、前記摺動部材の上端にはハンドル部が設けられており、前記手当たり部に手のひらを乗せ、前記ハンドル部を握り上げると、前記摺動部材が前記支柱に対して摺動することを特徴とする。
【0009】
また、前記ちりとり本体部は、3または4に分割されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、円または多角形状の頂上部から中心部に向かって窪むとともに、前記頂上部から外方に向かって傾斜するちりとり本体部にゴミを集めることにより、一方向のみではなく、全方向からゴミを集めることを可能にしている。これにより、大人数での掃除などに、ゴミを一箇所に集める必要がなく、各方向からゴミを収集することができる。また、ちりとり本体部の中央部分を開閉可能な機構にすることで、上部のハンドル部を握るだけで、集めたゴミを捨てることができる。また、ちりとり本体部を開閉させるための支柱と支柱に沿って摺動する摺動部材を、ゴミを収集するちりとりとして使用する通常時は、ちりとり本体部が閉状態となってゴミを収集できるように、支柱と支柱に沿って摺動する摺動部材の間に、通常時はちりとり本体部がゴミを収集する閉状態となるように張力を与えるバネ等の弾性体を配設することで、ちりとり本体部が不用意にゴミ排出状態となることを制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1-A】全方向ちりとりの閉じた状態の全体斜視図
図1-B】全方向ちりとりの閉じた状態で角度変えて見た全体斜視図
図2】ちりとり本体部が開いた状態の全体斜視図
図3-A】ちりとり本体部が閉じた状態の斜視図
図3-B】ちりとり本体部が開いた状態の斜視図
図3-C】ちりとり本体部が閉じた状態の断面斜視図
図4】手当たり部・ハンドル部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0013】
本発明の実施形態に係るちりとりは、円または多角形状の中心部から放射状に複数に分割され、円または多角形状の中心部から周辺部の間の頂上部から中心部に向かって窪むとともに、頂上部から外方に向かって傾斜するちりとり本体部1と、一方をちりとり本体部1の分割された頂上部の各中央部を回動自在に支持すると共に、他方が本体部1の中心部上方で繋がっている支持脚5と、支持脚5の本体部1の中心部上方に向けて形成された支持脚5の他方と接続され、上方に伸びる支柱4と、支柱4に沿って摺動する摺動部材2と、一方が複数に分割された前記ちりとり本体部1の各外周部に回動自在に支持され、他方が摺動部材2の下端に回動自在に支持される可動脚3とを備えている。
【0014】
詳細には、図1-A、図1-Bに示したように、本発明の実施形態に係るちりとりの、ちりとり本体部1は、複数に分割され、円または多角形状の頂上部1cから中心部に向かって窪むゴミ集積斜面1bと、頂上部1cから外方に向かって傾斜するゴミ収集斜面1aを備えている(詳細は、図3-Aから図3-C参照)。ちりとり本体部1の外円周上には可動脚3を回動自在にするための可動脚支持部材3a、ちりとり本体部1の頂上部1cには、分割されたちりとり本体部1を支持脚5に対して回動自在にするための支持脚支持部材5aが設けられている。
図3-B,図3-Cでは、ちりとり本体部1に設けられる可動脚支持部材3a、支持脚支持部材5aを省略して図示している。
【0015】
この分割されたちりとり本体部1の頂上部1cの各中央部には、支持脚5に対して、ちりとり本体部1を回動自在に支持する支持脚支持部材5aが設けられている。この支持脚支持部材5aと支持脚5が回動自在に固定されることにより、後に述べる可動脚3を上部に移動させたときに各分割されたちりとり本体部1は、ゴミを排出するときに回動して、ちりとり本体部1の中央部分が開放し、ゴミをちりとり本体部1から排出することが出来る。
【0016】
ちりとり本体部1を開閉させるための構成について説明する。分割されたちりとり本体部1を回動自在に支持するために、支持脚支持部材5aには支持脚5が接続されている。この支持脚5は、その中心部において、支柱4に固定されている。この支柱4に摺動するように摺動部材2が設けられている。
摺動部材2の上端にはハンドル部6が設けられ、さらに、その上方まで伸びた支柱4の上端には手当たり部7が設けられている。
摺動部材2の下端には、支持脚支持部材5aに対応して、分割されたちりとり本体部1の外周部と連結される可動脚3が設けられている。この可動脚3の両端、すなわち摺動部材2の下端と、ちりとり本体部1の外周に配置されている可動脚支持部材3aとは、それぞれ回動自在に支持されている。
【0017】
このように構成された本発明の実施形態に係るちりとりでは、ゴミを収集する際には、手当たり部7とハンドル部6が離間しており、ちりとり本体部1の中心部は図1-A、図1-B、図3-Aに示すように閉鎖状態にある。そのため、ちりとり本体部1の円状の頂上部1cを超えてちりとり本体部1の中心側にゴミを収集することが出来る。
一方、ごみを収集し、ちりとり本体部1からゴミを排出する際には、手当たり部7に手のひらを乗せ、ハンドル部6を握り上げると、手当たり部7に対してハンドル部6が引き寄せられることにより、摺動部材2が支柱4に対して上方に移動する。この時、支持脚5に対して可動脚3が上方に移動する。そのため、ちりとり本体部1の中心部は図2図3-Bに示すように開放し、収集したゴミをちりとり本体部1から排出することが出来る。
収集したゴミの排出後、手当たり部7に対してハンドル部6を離間させると、摺動部材2が支柱4に対して下方に移動して、再び、ちりとりとして使用する状態になる。
【0018】
手当たり部7とハンドル部6は、ちりとりとして使用しているときには、離間していなければならない、そのため、ちりとり本体部1の支持脚5が配置される位置を中心として、ゴミ収集斜面1a側とゴミ集積斜面1b側の重量バランスをゴミ収集斜面側が重くなるようにして、ゴミ収集を行う際には、ちりとり本体部1の中心側が閉じるようにしても良いが、ちりとりが傾いた場合などに、より確実に、ちりとり本体部1の中心部が開くことがないように、手当たり部7とハンドル部6を離間させるように弾性部材を配置してもよい。この弾性部材は、手当たり部7とハンドル部6の間、図4に示す支柱4が貫通する摺動部材2の内部、摺動部材2と支持脚5の間など何れの箇所に設けてもよい。
【0019】
なお、ちりとり本体部1は、図3-Cに示すように断面が、ゴミ収集斜面1aと、ゴミ集積斜面1bを有する上面側から底面側まで材料を充填した構造としているが、ゴミ収集斜面1aと、ゴミ集積斜面1bを備えていればよく平板状の部材で形成してもよい。
【0020】
図1-A、図1-Bに示す摺動部材2及び支柱4をアルミや鉄・カーボンにすることで軽量化が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
工場等の作業スペースでの使用を想定した場合、作業によって生じたゴミを簡単に集めることができる。特に作業員が全方向にいる場合、中心に向かってゴミを収集できるため、作業効率のアップが見込まれる。このちりとりは常時設置することも視野に入れているため、常に廃棄したい物がある現場や、ほうきなどを使って収集している場所では作業スペースの確保も可能である。皿状部分から手当たり部まで高さがあるので、深くかがむことなくゴミを収集することができる。これにより、一度に広範囲のゴミを収集することができる。また、高さがあることで目線も高くなり、複数人での作業に適している。ちりとり本体部の中央が開閉可能なため、狙った場所にゴミを捨てることができ、ゴミをこぼすリスクが少なくなる。また、ワンタッチでゴミを捨てることができる。さらに、円状である場合には、ほうきやゴミ箱の形状を選ばずに使用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 ちりとり本体部
1a ゴミ収集斜面
1b ゴミ集積斜面
1c 頂上部
2 摺動部材
3 可動脚
3a 可動脚支持部材
4 支柱
5 支持脚
5a 支持脚支持部材
6 ハンドル部
7 手当たり部
【要約】
【課題】全方向からゴミを収集可能とし、ゴミを集めやすくすると共に、ゴミを捨てやすいちりとりを提供する。
【解決手段】複数に分割され、円または多角形状の頂上部から中心部に向かって窪むとともに、頂上部から外方に向かって傾斜するちりとり本体部1と、ちりとり本体部の分割された頂上部の各中央部を回動自在に支持する支持脚5と、支持脚5の中心部から上方に伸びる支柱4と、支柱4に沿って摺動する摺動部材2と、一方が複数に分割されたちりとり本体部1の各外周部に回動自在に支持され、他方が摺動部材2の下端に回動自在に支持される可動脚3とを備えている。
【選択図】図1-A
図1-A】
図1-B】
図2
図3-A】
図3-B】
図3-C】
図4