(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】通信制御方法および通信制御システム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/04 20090101AFI20240129BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20240129BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20240129BHJP
H04W 8/06 20090101ALI20240129BHJP
【FI】
H04W16/04
H04W88/18
H04W28/16
H04W8/06
(21)【出願番号】P 2023113520
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397036309
【氏名又は名称】株式会社インターネットイニシアティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】柿島 純
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-022858(JP,A)
【文献】特開2022-127162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御方法であって、
複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信するステップと、
前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めるステップ
と、
無線リソースブロックが割り当てられた前記通信端末の各々からの位置登録要求信号に基づいて、前記通信端末の位置登録処理を行うステップ
とを備え、前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、
前記無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が前記基地局に割り当てられるスロット数のとき、
前記割り当てられるスロット数は、前記識別子に対応付けられる前記基地局からの無線リソース割り当て要求の総数と、1スロットあたりの無線リソースブロック数とに基づいて求められる、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が各基地局に割り当てられるスロット数のとき、前記割り当てられるスロット数は、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられた予め定められたスロット数である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が、各基地局に割り当てる無線リソースブロック数のとき、前記基地局の各々に割り当てられる無線リソースブロック数は、
前記受信した無線リソース要求に関する情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行うことによって求められる、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記無線リソース割り当て要求を受信する前記基地局の各々に対して、前記基地局の各々で均等な無線リソースブロック数の目標に一致するように前記機械学習モデルを学習するステップと、
前記学習によって構築された学習済みの機械学習モデルを記憶するステップと
をさらに備える、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、前記機械学習モデルは、入力層、隠れ層、及び出力層を有するニューラルネットワークである、方法。
【請求項7】
通信制御装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を記憶したメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されたときに、前記通信制御装置に
複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信することと、
前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めることと
、
無線リソースブロックが割り当てられた前記通信端末の各々からの位置登録要求信号に基づいて、前記通信端末の位置登録処理を行うことと
を実行させる命令を記憶したメモリと、
を備え、
前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、
前記無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる、通信制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御方法および通信制御システムに関し、特に通信端末に対して無線リソースの割り当てを行う通信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末が通信を開始する際やデータの送受信を開始する際において、通信端末に対する無線リソースの割り当てする技術が知られている(特許文献1)。従来、第4世代(4G)や第5世代(5G)の無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。
図6に示すとおり、4Gにおいては、各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向にそれぞれ複数個の無線リソースブロック(RB)16を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各無線リソースブロック16は、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。通信端末に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。基地局は、1スロット(0.5ms)×2個の1サブフレーム単位で通信端末(UE)に無線リソースブロック(RB)を割り当てている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基地局は1サブフレーム単位で通信端末に無線リソースブロックを割り当てるため、通信端末に割り当てる無線リソースブロック数には上限がある。上限である1サブフレーム単位を超える通信端末から無線リソースブロックの割り当て要求がされると、基地局と、通信端末間の接続が切れてしまう問題があった。また、基地局ごとに割り当てられる無線リソースブロック数に偏りがあることがあった。
【0005】
本開示の目的の一つは、無線リソースブロック割り当て要求に応じて、基地局に割り当てる無線リソースの量を求めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示の一態様は、通信制御方法であって、複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信するステップと、前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めるステップとを備え、前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる、方法にある。
【0007】
また、上述した課題を解決するために、本開示の一態様は、通信制御装置であって、少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶したメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されたときに、前記通信制御装置に、複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信することと、前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めることとを実行させる命令を記憶したメモリと、を備え、前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる、通信制御装置にある。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、無線リソースブロック割り当て要求数に応じて、各基地局に割り当てる無線リソース量を求めることができる。これにより、例えば、1サブフレーム単位を超える通信端末からの無線リソースブロック割り当て要求が来ても、全ての通信端末に無線リソースブロックを割り当てすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態による通信制御システムの概要を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による通信制御システムにおける処理のフローを示す。
【
図3】本開示の一実施形態によるスロットと、1スロット当たりの無線リソースブロックとの関係を示す。
【
図4】本開示の一実施形態による統合データ管理装置の機能ブロックを例示する。
【
図5】本開示の一実施形態による、統合データ管理装置が学習を行う機械学習モデルの一例として採用する、ニューラルネットワーク構造を示す。
【
図6】従来の技術による、スロットと、1スロット辺りの無線リソースブロックを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一実施形態は、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
本開示に係る方法の特徴構成は、通信制御方法であって、
複数の通信端末(150)の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局(112)の識別子とを受信するステップと(S204)、
前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めるステップと(S204)を備え、
前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる(S208)、方法にある。
【0012】
[項目2]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が前記基地局に割り当てられるスロット数のとき、
前記割り当てられるスロット数は、前記識別子に対応付けられる前記基地局からの無線リソース割り当て要求の総数と、1スロットあたりの無線リソースブロック数とに基づいて求められる、方法にある。
【0013】
[項目3]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が各基地局に割り当てられるスロット数のとき、前記割り当てられるスロット数は、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられた予め定められたスロット数である、方法にある。
【0014】
[項目4]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目1に記載の方法であって、
前記求められた前記無線リソース量が、各基地局に割り当てる無線リソースブロック数のとき、前記基地局の各々に割り当てられる無線リソースブロック数は、
前記受信した無線リソース要求に関する情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、前記学習済みの機械学習モデルの演算を行うことによって求められる、方法にある。
【0015】
[項目5]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目4に記載の方法であって、前記無線リソース割り当て要求を受信する前記基地局の各々に対して、前記基地局の各々で均等な無線リソースブロック数の目標に一致するように前記機械学習モデルを学習するステップと、
前記学習によって構築された学習済みの機械学習モデルを記憶するステップと
をさらに備える、方法にある。
【0016】
[項目6]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目4に記載の方法であって、前記機械学習モデルは、入力層、隠れ層、及び出力層を有するニューラルネットワークである、方法にある。
【0017】
[項目7]
本開示に係る方法の別の特徴構成は、項目1から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記無線リソースブロックが割り当てられた前記通信端末の各々からの位置登録要求信号に基づいて、前記通信端末の位置登録処理を行うステップ(S212)をさらに備える、方法にある。
【0018】
[項目8]
本開示に係る装置の特徴構成は、通信制御装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を記憶したメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されたときに、前記通信制御装置に
複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、前記通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信することと、
前記無線リソース割り当て要求に応じて、前記識別子に対応付けられる前記基地局に割り当てられる無線リソース量を求めることと
を実行させる命令を記憶したメモリと、
を備え、
前記基地局により、求められた前記無線リソース量に基づいて、無線リソースブロックが前記通信端末の各々へ割り当てられる、通信制御装置にある。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくまでも一例を示すものであって、本願発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。しかし、本開示の実施形態は、必ずしもこのような態様に限定されない。本開示の実施形態が、特許請求の範囲において規定される範囲に含まれる様々な態様を取り得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0020】
図1は、本開示の一実施形態による通信制御システム10の概要を示す図である。
図1に示すように、通信制御システムは、複数のNF120、複数の通信端末150a、150b、・・・、150l・・・、150z、複数の基地局112a、112b、・・・112kを備える。複数のNF120はコアネットワーク160側に配置される。複数の通信端末150のうち150a、150b、・・・、150lは基地局112aの配下に在圏するものとする。なお、以下において、通信端末150a、150b、・・・、150l・・・、150zを区別しない場合には、通信端末150と総称する場合がある。同様に基地局112a、112b、・・・112kを区別しない場合には、基地局112と総称する場合がある。
【0021】
通信制御システム10は、通信端末150a、150b、・・・、150l・・・、150zからの無線リソース割り当て要求に応じて、基地局112に割り当てる無線リソース量を算出する。通信制御システム10は、算出された無線リソース量を各基地局112に割り当てることにより、モビリティ管理装置122の配下にある通信端末150a、150b、・・・、150l・・・、150zの全て又は一部に対し、無線リソースブロックを割り当てすることができる。
【0022】
本実施形態において、通信制御システム10は、第5世代(5th Generation, 5G)の規格に準拠したシステムであるが、この例に限定されない。通信制御システム10は、第4世代(4th Generation,4G)などの他の通信規格に準拠することができる。以下、通信制御システム10が5Gの規格に準拠するものとして説明する。
【0023】
5GC(5Gのコアネットワーク)では、ネットワークの様々な機能を役割ごとにNF(Network Function)として規定している。
図1において、機能エンティティである複数のNF120(Network Function)が示される。
【0024】
コアネットワーク160は、5GのSA(Stand Alone)方式、およびNSA(Non Stand Alone)方式のコアネットワークで構成される。コアネットワーク160は、通信端末150a、150b、・・・、150l・・・、150zが基地局112a、112b、・・・112kを介して送信する位置登録信号やデータ信号などの発信信号を処理する。
【0025】
NF120の例として、
図1に示すAMF(Access and Mobility Management Function)122、UDM(Unified Data Management)124、UDR(Unified Data Repository)126が挙げられる。NF120の他の例として、UPF(User Plane Function)、PCF(Policy Control Function)、SMF(Session Management Function)を備えてもよい。これらのNF120は、論理通信バスに接続される。本開示において、これらのNF120を、コアネットワーク160内の各種装置と称することがある。
【0026】
また、NF120は、それぞれ1以上の情報処理装置で実装されてもよい。別の例において、NF120は、それぞれ仮想化技術によって汎用的なサーバ上でソフトウェアとして実装されてもよい。
【0027】
UDR126は、統合データ管理装置と称することがある。統合データ管理装置126は、通信事業者によって管理され、通信端末150の加入者情報や在圏情報など、アプリケーションやシステムの設定情報を管理記録する統合データリポジトリである。統合データ管理装置126は、配下にある全ての基地局112に接続する全ての通信端末150からの位置登録要求信号を受信する。
【0028】
統合データ管理装置126は、制御部、記憶部、送受信部などのハードウェア資源を有することができる。制御部、記憶部、送受信部はバスを介して接続されている。統合データ管理装置126の制御部は、統合データ管理装置126全体の動作・機能を制御する機能部である。制御部は、必要に応じて記憶部に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、統合データ管理装置126における各種処理を実現する。送受信部は、統合データ管理装置126が、他のNF120等と通信するための機能部である。記憶部は、加入者プロファイルや、機械学習モデルを記憶することができる。
【0029】
以下、AMF122,UDM124,UPF、PCF,SMFは、統合データ管理装置126と同様のハードウェア構成を有しており、ハードウェア構成についての重複する説明は省略する。
【0030】
AMF122はモビリティ管理装置と称することがある。モビリティ管理装置122は、登録管理(Registration management)機能、接続管理(Connection management)機能、及び、通信端末150の移動性管理(Mobility management)機能等を有する。
【0031】
UDM124は、ユーザデータ管理装置と称することがある。ユーザデータ管理装置124は、通信事業者が加入者に発行したSIMカードの情報を管理するデータベースである。
【0032】
UPFは、外部のインターネットに接続し、ユーザデータのパケット転送を行うユーザープレーン機能に係る装置である。
【0033】
PCFは、ポリシー制御を行う装置である。
【0034】
SMFは、セッション管理をおこなう装置である。例えば、SMFはUPFからRANノード間のトンネル管理を含むセッションの確立、変更、開放をおこなう。
【0035】
モビリティ管理装置122、およびユーザデータ管理装置124は、C-Planeの処理機能を提供し、UPFは、U-Planeの処理機能を提供する。
【0036】
図1に示すように、モビリティ管理装置122配下には複数の基地局112a、112b、・・・112kで構成されるRAN110が存在する。RAN110は、アンテナや基地局112(5Gでは「gNB」)などで構成される無線アクセスネットワークである。
【0037】
基地局112は、在圏する通信端末150とコアネットワーク160との間の通信を中継する。基地局112は、複数の通信端末150の各々に対して無線リソース量に基づいて、無線リソースの割り当て単位である無線リソースブロック16を割り当て、通信端末150とのデータ通信を行う。周波数と時間との両方で分割した無線リソースブロック16と呼ばれる単位毎に宛先が指定され、データが通信端末150へ送信される。
【0038】
通信端末150は、SIM(Subscriber Identity Module)を搭載しており、例えば、スマートフォンなどの携帯端末、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ(いわゆる、ノートパソコン)などとして実現される。以下においてはl台の通信端末150の各々が、任意の時刻でC-Planeで処理される位置登録信号を一斉にコアネットワーク160に発信する。
【0039】
通信端末150は、制御部、記憶部、送受信部、アンテナ、およびSIMなどのハードウェア資源を有する。制御部、記憶部、送受信部、およびSIMはバスを介して接続される。制御部は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などである。記憶部の具体例は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等である。通信端末150の制御部は、通信端末150全体の動作・機能を制御する機能部である。制御部は、必要に応じて記憶部に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、通信端末150における各種処理を実現する。送受信部は、アンテナを介して、アクセスネットワーク110内の基地局112と無線通信するための機能部である。
【0040】
通信端末150に搭載されるSIMには、通信事業者と契約するユーザの契約プロファイルが格納されている。SIMの契約プロファイルには、ユーザの加入者情報が格納され、携帯電話の回線契約に割り当てられる加入者識別番号(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)、加入者であるユーザの電話番号(MSISDN:Mobile Subscriber International Subscriber Directory Number)、SIMカード番号(ICCID:Integrated Circuit Card Identifier)といった個別の識別子情報が含まれる。
【0041】
前述したように、従来例においては、基地局(例えば基地局112a)配下の全ての通信端末150(例えば、l台の通信端末150)に対して、1サブフレーム単位でリソースブロックを割り当てていたため、通信端末150に対して割り当てることのできる無線リソースブロック数に上限(例えばj)があった。上限以上の通信端末150が、無線リソース割り当て要求をしても、基地局112aは、l-j台よりも多い台数の通信端末150に対して無線リソースブロックを割り当てることはできない。また、従来、統合データ管理装置126は、処理可能な数を超える位置登録要求信号を受信しないように、モビリティ管理装置122に対して、統合データ管理装置126へ送信する位置登録要求信号の数を規制する指令を送っていた。このため、通信端末150からの位置登録要求がモビリティ管理装置122で拒否され、呼損が生ずる場合があった。
【0042】
本開示の通信制御システム10では、統合データ管理装置126が、各基地局112に割り当てる無線リソース量を決定することができる。
【0043】
図2は、本開示の一実施形態による通信制御システム10における処理のフローを示す。
【0044】
まず、ステップS202において、基地局112aは、配下にある通信端末150a、b・・・lからの無線リソース割り当て要求を受信する。基地局112bも同様に配下にある複数の通信端末150から無線リソース割り当て要求を受信する。基地局112kも同様に配下にある複数の通信端末150から無線リソース割り当て要求を受信する。
【0045】
次に、ステップS204において、基地局112は自身の識別子と、通信端末150からの無線リソース割り当て要求とを含む無線リソースに関する情報を、統合データ管理装置126へ送信する。従来、無線リソース割り当て要求を受信すると、基地局112は、統合データ管理装置126にアクセスすることなく、各通信端末150に無線リソースの割り当てをしていた。本開示によると、基地局112は、配下にある全ての通信端末150からの無線リソース割り当て要求を統合データ管理装置126へ送信する。
【0046】
次に、ステップS206において、統合データ管理装置126は、無線リソースに関する情報の受信に応じて、基地局112ごとに割り当てる無線リソース量を算出する。
【0047】
算出される無線リソース量は、各基地局に割り当てるスロット数、あるいは各基地局に割り当てる無線リソースブロック数である。モビリティ管理装置122配下には複数の基地局112a、112b、・・・112kが存在し、統合データ管理装置126は基地局112毎に割り当てる無線リソース量(スロット数あるいは無線リソースブロック数)を算出することができる。
【0048】
図3は、本開示の一実施形態による、スロットと、1スロット当たりの無線リソースブロック16との関係を示す。1つのスロットには、時間軸方向および周波数軸方向に連続する複数の無線リソースブロック16が存在する。図示例では、1つのスロットは、時間軸方向にn(nは整数)、周波数軸方向にm(mは整数)の、合計n×m個の無線リソースブロック16に対応付けられる。
【0049】
次に、無線リソース量の算出方法の概要を説明する。
【0050】
一例では、統合データ管理装置126は、配下の全ての通信端末150に対して無線リソースを割り当てることができるように、通信端末150からの無線リソース割り当て要求の総数に応じて、基地局112に割り当てられる無線リソース量を求めることができる(後述する<実施形態1>)。例えば、統合データ管理装置126は
図3の時間軸方向にスロット数を増加して、すなわち1サブフレーム2スロット単位ではなく、3以上のスロット単位(
図3の例ではN、Nは3以上の整数)の無線リソース量を、基地局112(例えば基地局112a)に割り当てることができる。これにより、1つの基地局112に送信される無線リソース割り当て要求数が、2スロット単位の無線リソースを超える場合であっても、全ての無線リソース割り当て要求に対し、無線リソースを割り当てることができ、通信端末150の呼損を無くすことができる。
【0051】
また、前述したように、従来例においては、基地局ごとに割り当てられる無線リソースブロック数に偏りがあることがあった。
【0052】
他の例では、基地局112ごとに予め定められたスロット数を超えないように、無線リソース割り当て要求をした通信端末150に無線リソースを割り当てる(後述する<実施形態1>)。これにより、統合データ管理装置126が各基地局から受信する位置登録要求信号数に上限を設けて、1つの基地局からのバースト的な位置登録要求信号の受信を回避することができる。
【0053】
さらなる他の例では、統合データ管理装置126は、全基地局からの無線リソースの総割り当て要求数に基づいて、全基地局で平準化するように各基地局112へ割り当てる無線リソース量を決定することができる(後述する<実施形態2>)。これにより、各基地局112に送信される無線リソース割り当て要求数に偏りがあっても、各基地局に割り当てられる無線リソースを平準化することができる。その結果、統合データ管理装置126は、1つの基地局からのバースト的な位置登録要求信号の受信を回避することができる。
【0054】
本開示によると、統合データ管理装置126は、通信端末150からの無線リソース割り当て要求に関する情報に基づいて、各基地局に割り当てる無線リソース量を決定することができる。各基地局に割り当てる無線リソース量の算出方法の詳細については後述する。
【0055】
次に、統合データ管理装置126は、無線リソース割り当て要求に応じて、複数の基地局112の各々に割り当てる無線リソース量を算出すると、基地局112の識別子に対応する無線リソース割り当て要求の送信元の基地局112へ、算出された無線リソース量を送信する(ステップS206)。
【0056】
次に、ステップS208において、基地局112は、割り当てられた無線リソース量に応じて、通信端末150に無線リソースブロック16を割り当てする。例えば、割り当てられた無線リソース量がスロット数のとき、「1スロットあたりの無線リソースブロック数(n×m)×スロット数」の無線リソースブロック16を、基地局112に在圏する通信端末150の各々に割り当てることができる。
【0057】
さらに、基地局112は、無線リソースブロック16を割り当てた通信端末150に対し、無線リソース割り当て完了通知を送信する。なお、算出された無線リソース量に対応する無線リソースブロック数が、ステップS202で無線リソース割り当て要求を送信した通信端末150の総数より少ない場合は、基地局112配下の全ての通信端末150に無線リソース割り当て完了通知は送信されない。算出された無線リソース量に対応する無線リソースブロック数を超えない数の通信端末150に無線リソース割り当て完了通知が送信される。
【0058】
次に、ステップS210において、無線リソース割り当て完了通知を受信した通信端末150は、位置登録要求信号を、基地局112を介して、モビリティ管理装置122へ送信する。通信端末150は、例えば、電源投入時や、所定間隔ごとの任意のタイミングで位置登録要求信号を送信する。無線リソースブロック16が割り当てられた通信端末150のみ、位置登録要求信号を送信することができる。位置登録要求信号は、通信端末150のSIM152から読み出された加入者識別番号を含む。その後、位置登録要求信号は、位置登録要求信号の送信先として予め定められているユーザデータ管理装置124を経由して、統合データ管理装置126へ送信される。
【0059】
ステップS212において、統合データ管理装置126は、位置登録要求信号を受信すると、位置登録要求信号に基づいて、通信端末150の位置登録処理をおこなう。具体的には統合データ管理装置126は通信端末150が在圏するモビリティ管理装置122のアドレスを、通信端末150の加入者識別番号と対応付けて、記憶部に格納する。
【0060】
統合データ管理装置126は、通信端末150の位置登録完了が通知した旨の通知を、ユーザデータ管理装置124を介して、モビリティ管理装置122に送信する。
【0061】
モビリティ管理装置122は、ユーザープレーン接続処理を行い、位置登録完了通知を、基地局112を介して、通信端末150へ送信する。
【0062】
以上、
図2に示す処理のフローでは、統合データ管理装置126が、通信端末150からの無線リソース割り当て要求を受信してから、無線リソースブロック16を割り当てするまでの処理(ステップS202からステップS208)と、統合データ管理装置126が、位置登録要求信号を受信してから、通信端末150がコアネットワーク160に位置登録を完了するまでの処理(ステップS210からステップS216)の概略を説明した。
【0063】
次に、
図2のステップS206における各基地局112に割り当てる無線リソース量(スロット数または無線リソースブロック数)の算出の詳細について説明する。割り当てる無線リソース量の算出処理は、統合データ管理装置126により行われる。
【0064】
図4は、本開示の一実施形態による統合データ管理装置126の機能ブロックを例示する。
【0065】
<統合データ管理装置の機能ブロック>
統合データ管理装置126の制御部はプロセッサによって実行される機能部である、収集部402、学習部404、および決定部406を備える。統合データ管理装置126の記憶部は機械学習(ML)モデル記憶部408を備える。
【0066】
収集部402は、各々の通信端末150からの無線リソース割り当て要求に関する情報を収集する。より具体的には、収集部402は、通信端末150からの無線リソース割り当て要求、および無線リソース割り当て要求を受信した基地局112の識別子を収集する。
【0067】
MLモデル記憶部408は、学習部404によって得られた、学習済みの機械学習モデルの学習済みのパラメータを記憶する。本実施の形態では、MLモデル記憶部408は、ニューラルネットワークの学習済み重み、および、入出力ノードの数等を記憶する。
【0068】
学習部404は、複数の基地局112の各々からの無線リソース割り当て要求数が、複数の基地局の各々で均等な目標数Nに一致するように、機械学習モデルを学習する。学習部404は、各基地局112に割り当てる無線リソースブロック数を、機械学習モデルの出力値とすることができる。
【0069】
決定部406は基地局の各々が受信した無線リソースの割り当て要求に対して、各基地局に割り当てる無線リソースの量(スロット数あるいは無線リソースブロック数)を算出する。
【0070】
次に、
図2のステップS206における各基地局に割り当てる無線リソース量の算出処理の詳細について説明する。
【0071】
スロット数の算出処理は、
1.基地局単位でスロット数を算出する方法と、
2.全ての基地局に対する位置登録要求信号数を平準化するための、無線リソースブロック数を算出する方法と
を含む。
【0072】
<実施形態1>
本実施形態では、統合データ管理装置126は、上述した「1.基地局単位でスロット数を算出する方法」について説明する。統合データ管理装置126は、1スロットあたりの無線リソースブロック数と、基地局112からの無線リソース割り当て要求の総数と基づいて、基地局112に割り当てるスロット数を算出する。
【0073】
収集部402は、各々の通信端末150からの無線リソース割り当て要求に関する情報を収集する(
図2のステップS204に対応)。
【0074】
次に、決定部406は、ある基地局112からの無線リソースの割り当て要求に対して、当該基地局112に割り当てるスロット数を決定する(
図2のステップS206に対応)。
【0075】
具体的には、決定部406は、ある基地局112(例えば基地局112a)からの無線リソース割り当て要求数の総数(Xa)を、1スロットあたりの無線リソースブロック数(n×m)で除算して得られた商になる値に基づいて、基地局に割り当てるスロット数を算出する。余りがないときは商をスロット数とし、余りがあるときは商を1つ繰り上げた値をスロット数とする。ある基地局112からの無線リソース割り当て要求数の総数(Xa)は、基地局112a配下にある通信端末150の総数(l)に該当する。
【0076】
例えば、ある基地局112aからの無線リソース割り当て要求の総数(Xa)を600、1スロットあたりの無線リソースブロック数(n×m)を84とすると、600÷84で得られた商7を1つ繰り上げた8スロットを、基地局112aに割り当てる。これにより、基地局112aにアクセスした通信端末150の全てに無線リソースブロック16を割り当てることができる。
【0077】
他の例では、決定部406は、ある基地局112からの無線リソース割り当て要求数の総数(Xa)によらず、予め定められたスロット数を決定された無線リソース量として、基地局112に割り当てる。これにより、基地局112aからの無線リソース割り当て要求の総数(Xa)が、1サブフレーム内のリソースブロック数の上限(j)を超えた場合であっても、その基地局112aに対し、予め決められたスロット数のリソースブロックしか割り当てないようにすることができる。その結果、統合データ管理装置126は、1つの基地局112からバースト的に多くの位置登録要求信号を受信することを回避することができる。
【0078】
例えば、ある基地局112aからの無線リソース割り当て要求数を600、1スロットあたりの無線リソースブロック数を84とすると、基地局112aに対し、あえて1スロット(つまり84無線リソースブロック)を割り当てる。その結果、統合データ管理装置126が受信する位置登録信号の総数を少なくすることができ、位置登録要求信号の統合データ管理装置126への集中により引き起こされる通信障害を回避することができる。
【0079】
<実施形態2>
本実施形態では、基地局112のそれぞれ割り当てる無線リソースブロック数を平準化するために
図5のようなニューラルネットワーク回路を統合データ管理装置126に配備する。
【0080】
図5は、本開示の一実施形態による、統合データ管理装置126が学習を行う機械学習モデルの一例として採用する、ニューラルネットワーク構造を示す。ニューラルネットワークは、入力層xl、隠れ層hl、および出力層ylを備える。
図5の例では入力ノードおよび出力ノードの数は同数であり、これらは、基地局#1、#2、・・・、#Kに対応する。本実施の形態では、入力ノードおよび出力ノードの数がモビリティ管理装置122の配下にある基地局112の総数Kに対応し、設定されたK個の入力ノードx
kおよび出力ノードy
kを有するニューラルネットワークモデルの学習を行う。
【0081】
統合データ管理装置126は、基地局あたりの無線リソース割り当て要求数をニューラルネットワークの入力層に与え、入力の重み付け総和に活性化関数を適用し、閾値処理により決定された出力を出力層に渡す。出力層の各出力ノードは、各基地局に対応し、各出力ノードの値が、各基地局112に割り当てられる無線リソースブロック数となる。得られた無線リソースブロック数は、各基地局が位置登録要求信号の受信を許容可能な通信端末の数とすることができる。
【0082】
隠れ層hlのレイヤ数、およびニューラルネットワークのノード間の結合の疎密を含む機械学習モデルのサイズや要素は、十分な推論精度が得られる設計であれば限定されず、例えば、ノード間の結合として全結合あるいはスパース化した構造であってもよい。
【0083】
図5に示すように、入力層の各入力ノードおよび出力ノードは、上から順に、基地局#1から基地局#Kに対応する。また、各入力ノードには、K個の基地局112の各々が要求する無線リソースブロック数が入力値xとして与えられる。また、各入力ノードの入力値には、基地局112の識別子が含まれる。また、各出力ノードからの出力値yは、固定値(目標数)Nとされる。学習部404は、次の式(1)に示す目的関数Eを導入することで、各基地局112配下の通信端末150からの無線リソース割り当て要求があった場合に、K個の基地局の各々で均等にNの無線リソースブロックが割り当てられるように、ニューラルネットワークのパラメータを学習する。
【0084】
【0085】
上式(1)において、y1,y2,・・・,ykは各出力ノードの出力値、Nは正解ラベルであり、1基地局あたりに割り当てる無線リソースブロック数の正解値、およびkはデータの次元であり、本実施の形態では、設定された基地局112の数を示す。上式(1)の目的関数Eの値は、機械学習モデルの上記入力値x1,x2,・・・,xkである、K個の基地局112の各々にランダムに割り当てられた無線リソースブロック数に対する出力値y1,y2,・・・,ykが目標数Nに一致する場合に0となる。学習部404は、上記(1)に基づいて、正解ラベルNを1、2、3、・・・と変更して、目的関数Eが最小、つまり0となるように、ニューラルネットワークの重みパラメータW、および閾値θを調整する。
【0086】
まず、学習部404は、基地局の総数の初期値Kを設定して機械学習モデルを設定する。具体的には、学習部404は、機械学習モデルとしてニューラルネットワークを採用し、入力層、隠れ層、及び出力層の設定、ならびに重みパラメータおよび閾値その他のパラメータの初期値を設定する。
【0087】
次に、学習部404は、無線リソース割り当て要求を受信する基地局の各々に対して、基地局間で均等な無線リソース量(無線リソースブロック数)の目標数Nに一致するように、機械学習モデルを学習する。具体的には、学習部404は上記式(1)に基づいて、目的関数Eを最小とする重みパラメータを調整および更新することを繰り返し、目的関数Eが最小、つまり0となる重みパラメータの値を決定する。学習部404は、誤差逆伝搬法や確率的勾配降下法などを用いて、目的関数Eを勾配法で最適化することができる。
【0088】
次に、決定部406は、学習部404がニューラルネットワークのネットワーク構造を調整して学習を行った結果に基づいて、学習結果が最適となったニューラルネットワークモデルにより、各基地局112に割り当てられる無線リソースブロック数が最も平準化されている無線リソースブロック数Nを決定する。
【0089】
次に、MLモデル記憶部408は、学習処理により決定された学習済みの重みパラメータ、および決定された無線リソースブロック数Nを記憶する。
【0090】
次に、収集部402は、各々の通信端末150からの無線リソース割り当て要求に関する情報を収集する。
【0091】
次に、決定部406は、MLモデル記憶部408から、学習済みのニューラルネットワークを読み出して、基地局に各々が関連付けられている複数の通信端末150からの無線リソース割り当て要求数を未知の入力として学習済みのニューラルネットワークに与え、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、複数の基地局112の各々に割り当てる無線リソースブロック数を決定する。
【0092】
本実施形態によると、統合データ管理装置126(決定部406)は、複数の通信端末150の各々が任意時刻に発信する無線リソース割り当て要求に関する情報を未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、複数の通信端末の各々に割り当てるリソースブロック数を決定することができる。より具体的には、決定部406は、各基地局が受信した、複数の通信端末150からの無線リソース割り当て要求数を、未知の入力として学習済みの機械学習モデルに与え、学習済みの機械学習モデルの演算を行って、基地局112の各々に割り当てる無線リソースブロック数を決定する。
【0093】
本実施形態によると、基地局のそれぞれに割り当てる無線リソースブロック数を平準化するように決定することができる。その結果、通信端末150から基地局112へ送信される位置登録要求信号の数を平準化することができる。
【0094】
本開示によると、基地局112ではなく、統合データ管理装置126が、通信端末150からの無線リソース割り当て要求に応じて、各基地局112に割り当てる無線リソース量を決定する。基地局112は、その決定された無線リソース量に基づいて、配下の通信端末150の各々へリソースブロックを割り当てる。統合データ管理装置126が無線リソース量の割り当てを行うことで、統合データ管理装置126が受信する位置登録要求信号の数を調節できる。
【0095】
以上、本開示の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態及び変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0096】
10…通信制御システム
16…無線リソースブロック
110…アクセスネットワーク
112…基地局
122…モビリティ管理装置
124…ユーザデータ管理装置
126…統合データ管理装置
150…通信端末
160…コアネットワーク
402…収集部
404…学習部
406…決定部
408…モデル記憶部
【要約】
【課題】無線リソースブロック割り当て要求に応じて、基地局に割り当てる無線リソースの量を求めること
【解決手段】通信制御方法であって、複数の通信端末の各々から無線リソース割り当て要求と、通信端末が在圏する基地局の識別子とを受信するステップと、無線リソース割り当て要求に応じて、識別子に対応付けられる基地局に割り当てられる無線リソース量を求めるステップとを備え、基地局により、求められた無線リソース量に基づいて、無線リソースブロックが通信端末の各々へ割り当てられる、方法。
【選択図】
図2