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特許7427838ダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/02 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
F04B43/02 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023123097
(22)【出願日】2023-07-28
【審査請求日】2023-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀明
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-228890(JP,A)
【文献】特開平11-132149(JP,A)
【文献】中国実用新案第212583924(CN,U)
【文献】中国実用新案第201486824(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第101644249(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/00-43/14、
45/00-45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのダイアフラムシートが密着されることにより形成されるダイアフラムの往復動により、取扱液を吸込み、吐出する往復動ポンプに取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出するダイアフラム破損検出装置であって、
前記往復動ポンプは、
前記ダイアフラムと、
2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部の間に配置される円環状の周縁リングと、
前記ダイアフラムの一方の面が面して、前記ダイアフラムの往復動により、前記取扱液が吸込まれて、吐出されるポンプ室と、
を備えて、
前記ダイアフラムは、前記ポンプ室内に吸込まれた前記取扱液に含まれる気体が透過可能な気体透過性を有して、
前記ダイアフラム破損検出装置は、
前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔に連通可能な流体経路と、
前記流体経路内の圧力を検出する圧力検出器と、
前記流体経路よりも上方に配置されて、前記流体経路に接続されるガス排出弁と、
前記ガス排出弁に接続される排出経路と、
前記流体経路に取り付けられて、前記貫通孔側から前記ガス排出弁側へのみ流体を通す一方向弁と、
を有してなり、
前記ガス排出弁は、
弁体と、
前記流体経路に連通して、前記弁体を収容する弁室と、
前記弁体よりも上方に、前記弁体に対向して配置される弁座面と、
を備えて、
前記排出経路は、前記弁座面に開口して、
前記弁体は、
前記弁体が前記弁座面に当接して前記排出経路を覆う閉弁位置と、前記弁体が前記弁座面から離れて前記排出経路を覆わない開弁位置と、の間で移動可能であり、
前記ダイアフラムが破損していないとき、前記開弁位置に位置して、
前記弁室は、前記弁体が前記閉弁位置に位置していないとき、前記流体経路と前記排出経路とに連通する、
ダイアフラム破損検出装置。
【請求項2】
前記弁体の比重は、前記取扱液の比重よりも小さい、
請求項1に記載のダイアフラム破損検出装置。
【請求項3】
前記弁体の比重は、前記取扱液の比重よりも大きく、
前記弁室と前記弁体とは、前記ダイアフラムを通過した前記取扱液が前記弁室に流入したとき、前記弁室内における前記取扱液の流速が、前記取扱液に対する前記弁体の終末速度よりも大きくなるように形成される、
請求項1に記載のダイアフラム破損検出装置。
【請求項4】
前記弁体の移動方向は、鉛直方向および水平方向に対して傾斜する、
請求項3に記載のダイアフラム破損検出装置。
【請求項5】
前記弁体の形状は、球状であり、
前記弁座面は、前記排出経路に向けて円錐状に凹む逆円錐面である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイアフラム破損検出装置。
【請求項6】
2つのダイアフラムシートが密着されることにより形成されるダイアフラムと、
2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部の間に配置される円環状の周縁リングと、
前記ダイアフラムの一方の面が面して、前記ダイアフラムの往復動により、取扱液が吸込まれて、吐出されるポンプ室と、
前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔に、接続される接続管と、
を備える往復動ポンプと、
前記往復動ポンプに取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出する請求項1に記載のダイアフラム破損検出装置と、
を有してな
前記ダイアフラムは、前記ポンプ室内に吸込まれた前記取扱液に含まれる気体が透過可能な気体透過性を有する、
往復動ポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
往復動ポンプは、膜状のダイアフラムを往復動させることにより、取扱液を吸込み・吐出する。ダイアフラムは、往復動ポンプの筐体に収容されていて、筐体内の空間(ダイアフラム室)を、流体圧室とポンプ室とに区画している。流体圧室は作動流体(例えば、油)に満たされていて、流体圧室内に対して往復動するプランジャがダイアフラムに対向するように配置されている。プランジャが往復動することにより、ダイアフラムが往復動する。その結果、ポンプ室の容積が変化して、ポンプ室内に取扱液が吸い込まれて、ポンプ室から取扱液が吐出される。このように構成されている往復動ポンプでは、ダイアフラムが破損すると、往復動ポンプの性能が低下するだけでなく、作動流体が取扱液に混入し得る。そのため、往復動ポンプの中には、ダイアフラムの破損を検出するダイアフラム破損検出装置(以下単に「検出装置」という。)が取り付けられている往復動ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された往復動ポンプでは、2つのダイアフラムシートが密着されることによりダイアフラムが形成されている。2つのダイアフラムシートそれぞれの外縁部の間には、リング板状の周縁リングが取り付けられている。周縁リングは、周縁リングの径方向において周縁リングを貫通する貫通孔を備える。貫通孔には、圧力計に接続された配管が接続されている。この構成では、往復動ポンプの動作中に2つのダイアフラムシートの一方が何らかの要因で破損すると、作動流体または取扱液が2つのダイアフラムシートの間に流入して、貫通孔および配管に流入する。その結果、流体圧室またはポンプ室内の圧力が流入した液体を介して圧力計に伝達されて、圧力計の指示値の上昇によりダイアフラムの破損が検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-132149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、ダイアフラムは、例えば、ゴムやフッ素樹脂などの合成樹脂製である。これらの合成樹脂は、薄膜化させると、液体は透過しないが気体は透過し得る程度に微細な孔(隙間)を有している。すなわち、薄膜化された合成樹脂製のダイアフラムは、ある程度の気体透過性を有している。そのため、ポンプ室内における取扱液の圧力の増減により気泡が発生し易い取扱液(例えば、多量の溶存ガスを含む取扱液、気化し易い取扱液など)が送液される場合、ポンプ室内に発生した気泡がダイアフラムを透過し得る。その結果、同気泡を構成するガス成分が検出装置内に留まることにより、ダイアフラムが破損していないにも関わらず、圧力計の指示値が上昇する誤作動が生じる。
【0006】
本発明は、ポンプ室内のガス成分がダイアフラムを透過しても誤作動を生じないダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様におけるダイアフラム破損検出装置は、2つのダイアフラムシートが密着されることにより形成されるダイアフラムの往復動により、取扱液を吸込み、吐出する往復動ポンプに取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出するダイアフラム破損検出装置であって、前記往復動ポンプは、前記ダイアフラムと、2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部の間に配置される円環状の周縁リングと、前記ダイアフラムの一方の面が面して、前記ダイアフラムの往復動により、前記取扱液が吸込まれて、吐出されるポンプ室と、を備えて、前記ダイアフラムは、前記ポンプ室内に吸込まれた前記取扱液に含まれる気体が透過可能な気体透過性を有して、前記ダイアフラム破損検出装置は、前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔に連通可能な流体経路と、前記流体経路内の圧力を検出する圧力検出器と、前記流体経路よりも上方に配置されて、前記流体経路に接続されるガス排出弁と、前記ガス排出弁に接続される排出経路と、前記流体経路に取り付けられて、前記貫通孔側から前記ガス排出弁側へのみ流体を通す一方向弁と、を有してなり、前記ガス排出弁は、弁体と、前記流体経路に連通して、前記弁体を収容する弁室と、前記弁体よりも上方に、前記弁体に対向して配置される弁座面と、を備えて、前記排出経路は、前記弁座面に開口して、前記弁体は、前記弁体が前記弁座面に当接して前記排出経路を覆う閉弁位置と、前記弁体が前記弁座面から離れて前記排出経路を覆わない開弁位置と、の間で移動可能であり、前記ダイアフラムが破損していないとき、前記開弁位置に位置して、前記弁室は、前記弁体が前記閉弁位置に位置していないとき、前記流体経路と前記排出経路とに連通する。
【0008】
本発明の一実施態様における往復動ポンプ装置は、2つのダイアフラムシートが密着されることにより形成される可撓性を有するダイアフラムと、2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部の間に配置される円環状の周縁リングと、前記ダイアフラムの一方の面が面して、前記ダイアフラムの往復動により、取扱液が吸込まれて、吐出されるポンプ室と、前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔に、接続される接続管と、を備える往復動ポンプと、前記往復動ポンプに取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出する前述の実施態様に記載のダイアフラム破損検出装置と、を有してなり、前記ダイアフラムは、前記ポンプ室内に吸込まれた前記取扱液に含まれる気体が透過可能な気体透過性を有する
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポンプ室内のガス成分がダイアフラムを透過しても誤作動を生じないダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る往復動ポンプ装置の実施の形態を示す模式図である。
図2図1の往復動ポンプ装置が備える周縁リングおよびダイアフラムの部分拡大模式断面図である。
図3図1の往復動ポンプ装置が備えるダイアフラム破損検出装置の模式図である。
図4図3のダイアフラム破損検出装置が備える筐体の部分拡大模式断面図である。
図5図3のダイアフラム破損検出装置が備えるガス排出弁の部分拡大模式断面図である。
図6図2のダイアフラムが破損していないときの図3のダイアフラム破損検出装置の動作を示す模式図である。
図7図2のダイアフラムが破損しているときの図3のダイアフラム破損検出装置の動作を示す模式図である。
図8図5のガス排出弁が閉弁した後の図3のダイアフラム破損検出装置の動作を示す模式図である。
図9】(a)は変形例に係る図3のダイアフラム破損検出装置の図1の往復動ポンプ装置における配置を示す模式図であり、(b)はダイアフラム破損検出装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るダイアフラム破損検出装置(以下「本検出装置」という。)、および往復動ポンプ装置(以下「本ポンプ装置」という。)の実施の形態が、以下に説明される。以下の説明において、各図面は、適宜参照される。各図面において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に示されている比率に限定されない。
【0012】
●往復動ポンプ装置●
●往復動ポンプ装置の構成
図1は、本ポンプ装置の実施の形態を示す模式図である。
【0013】
本ポンプ装置1は、取扱液L1を吸込み、吐出する。本ポンプ装置1は、往復動ポンプ2および本検出装置3を備える。
【0014】
「取扱液L1」は、本ポンプ装置1により送液される液体である。本実施の形態では、取扱液L1は、例えば、水である。
【0015】
なお、本発明において、取扱液L1は、水に限定されない。すなわち、例えば、取扱液L1は、比重が「1」を超える液体(例えば、硫酸など)、比重が「1」未満の液体(例えば、燃料油など)、気化し易い液体(例えば、液化ガスなど)、または、多量の溶存ガスを含む液体(例えば、ガスにより加圧された液体など)でもよい。
【0016】
往復動ポンプ2の構成は、ダイアフラムの往復動により取扱液を吸込み、吐出する公知の往復動ポンプ(ダイアフラムポンプ)の構成と共通する。そのため、以下の説明では、往復動ポンプ2の構成の概略のみが説明されて、詳細な説明は省略される。往復動ポンプ2は、筐体21、吸込管22、吐出管23、周縁リング24、ダイアフラム25、プランジャ26、駆動装置27、および接続管28を備える。
【0017】
筐体21は、プランジャ26および駆動装置27を収容する。筐体21の一部は、周縁リング24を挟持して、後述されるダイアフラム25の中央部252(往復動部)を収容するダイアフラム室R1を区画しているダイアフラムヘッド21aを形成している。
【0018】
吸込管22は、ダイアフラムヘッド21aに接続されていて、ダイアフラム室R1(後述されるポンプ室R3)内に吸込まれる取扱液L1の経路として機能している。
【0019】
吐出管23は、ダイアフラムヘッド21aに接続されていて、ダイアフラム室R1(後述されるポンプ室R3)から吐出される取扱液L1の経路として機能している。
【0020】
周縁リング24は、ダイアフラム25を保持する。周縁リング24の形状は、リング板状(すなわち、円環状)である。周縁リング24は、少なくとも1つの貫通孔24aを備える。周縁リング24の径方向において、貫通孔24aは、周縁リング24の内周面から外周面まで貫通する孔である。
【0021】
図2は、周縁リング24およびダイアフラム25の部分拡大模式断面図である。
以下の説明において、図1は、適宜参照される。
【0022】
ダイアフラム25は、往復動することにより、後述されるポンプ室R3内に取扱液L1を吸込み、ポンプ室R3内から取扱液L1を吐出する。ダイアフラム25の外縁部251は、ダイアフラム25の中央部252が所定の張力を有した状態で周縁リング24に取り付けられている。具体的には、ダイアフラム25は、2つの円形膜状のダイアフラムシート25a,25bが重ね合されて密着されることにより、形成されている。ダイアフラムシート25a,25bは、例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene)などの合成樹脂製である。ダイアフラムシート25aの外縁部25cは、ダイアフラムシート25bの外縁部25dから離間していて、外縁部25c,25d同士の間には、周縁リング24が配置されている。外縁部25cはダイアフラムシート25aの中央部25eが所定の張力を有した状態で周縁リング24に取り付けられていて、外縁部25dはダイアフラムシート25bの中央部25fが所定の張力を有した状態で周縁リング24に取り付けられている。ダイアフラムシート25aの中央部25eはダイアフラムシート25bの中央部25fに密着している。外縁部25c,25dは外縁部251を構成していて、中央部25e,25fは中央部252を構成している。
【0023】
前述のとおり、周縁リング24はダイアフラムヘッド21aに挟持されている。ダイアフラム25の中央部252は、ダイアフラム室R1に配置されていて、ダイアフラム室R1を流体圧室R2(ダイアフラムシート25bが面する空間)とポンプ室R3(ダイアフラムシート25aが面する空間)とに区画している。流体圧室R2内は、作動流体(例えば、油)L2に満たされている。ポンプ室R3内は、本ポンプ装置1が動作中、取扱液L1に満たされている。以下の説明において、「前方向」はダイアフラム25に対してポンプ室R3が位置する方向であり、「後方向」はダイアフラム25に対して流体圧室R2が位置する方向である。
【0024】
以下の説明では、図1が主に参照される。
プランジャ26は、往復動することにより、作動流体L2を介してダイアフラム25の中央部252を往復動させる。プランジャ26は、流体圧室R2に対して往復動するように、ダイアフラム25の中央部252に対向するようにダイアフラム25の後方に配置されている。
【0025】
駆動装置27は、プランジャ26を往復動させる。駆動装置27は、例えば、モータ(不図示)およびモータの動力をプランジャ26に伝達する伝達機構(不図示)を備える。
【0026】
接続管28は、周縁リング24の貫通孔24aと、後述される流体経路FPと、を連通させる、管体である。接続管28の一端は、貫通孔24aに接続されている。
【0027】
なお、本発明において、接続管28は、貫通孔24aと流体経路FPとを連通させるように構成されていればよく、管体に限定されない。すなわち、例えば、接続管28は、管状の継手でもよい。
【0028】
本検出装置3は、ダイアフラム25の破損を検出する。本検出装置3は、往復動ポンプ2のダイアフラムヘッド21aに取り付けられている。本検出装置3の具体的な構成は、後述される。
【0029】
●ダイアフラム破損検出装置●
●ダイアフラム破損検出装置の構成
図3は、本検出装置3の模式図である。
同図は、説明の便宜上、往復動ポンプ2の一部の構成も模式的に示している。以下の本検出装置3の説明において、図3は、適宜参照される。
【0030】
本検出装置3は、筐体4、接続部5、内部経路6、一方向弁7、圧力検出器8、弁体9、およびドレン弁10を備える。本検出装置3の主な構成は、本検出装置3が後述されるガス排出弁GVを備えている点を除き、従来のダイアフラム破損検出装置(以下「従来検出装置」という。)の構成と共通している。
【0031】
図4は、筐体4の部分拡大模式断面図である。
同図は、ガス排出弁GVの近傍を拡大して示している。同図は、弁体9を非断面にて示している。
【0032】
筐体4は、内部経路6を内包すると共に、ガス排出弁GVの筐体としても機能する。筐体4は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。筐体4は、後述される第2経路62、貫通孔43c、および第5経路65(これらの軸心方向)が上下方向に沿って延在するように、例えば、ダイアフラムヘッド21aに取り付けられている。前後方向において、筐体4は、例えば、貫通孔24aよりも後方に配置されている。筐体4は、第1筐体41、第2筐体42、および第3筐体43を備える。
【0033】
第1筐体41は、後述される第1経路61、第2経路62、第3経路63、および第4経路64を内包している。第1筐体41の形状は、例えば、円柱状である。
【0034】
第2筐体42は、後述される第5経路65を内包している。第2筐体42の形状は、例えば、円柱状である。第2筐体42の下面42aの中央部は、上方に向けて円錐状に凹んでいる円錐面(すなわち、逆円錐面)であり、後述される弁座面42bとして機能している。第2筐体42は、第1筐体41の上方に配置されていて、ボルト(不図示)により第1筐体41に取り付けられている。
【0035】
第3筐体43は、後述される第2経路62および弁室Rvを内包している。第3筐体43の形状は、例えば、上下方向に扁平な円柱状である。第3筐体43には、第3筐体43の上面43aおよび下面43bの中央部に開口する貫通孔43cが配置されている。貫通孔43cは、大径部43d、小径部43e、段部43f、および複数の溝部43gを備える。大径部43dの形状は円柱状であり、小径部43eの形状は略円柱状である。大径部43dの内径は、小径部43eの内径よりも大きい。大径部43dは、小径部43eの上方に、小径部43eに隣接して配置されている。段部43fは、大径部43dのリング状の底部により形成されている。小径部43eの周面の一部は、小径部43eの上端から下端に亘り、小径部43eの径方向の外方に向けて凹んでいて、溝部43gを形成している。小径部43eおよび溝部43gは、後述される流体経路FPの一部として機能している。
【0036】
第3筐体43は、第1筐体41の上面41aと第2筐体42の下面42aとの間に配置されていて、第1筐体41と第2筐体42とに挟持されている。このとき、弁座面42bは大径部43dの上方に配置されていて、大径部43dを上方から覆っている。その結果、弁座面42bおよび大径部43dは、筐体4の内部に略円筒状の空間(以下「弁室Rv」という。)を区画している。また、第1~第3筐体41~43は、ボルトを取り外すだけで、容易に分解可能である。第1筐体41と第3筐体43との間、および、第2筐体42と第3筐体43との間には、例えば、O-リングやガスケットなどの封止部材(不図示)が適宜配置されている。
【0037】
接続部5は、接続管28が接続される、例えば、公知の管状の継手である。接続部5は、内部経路6(後述される第1経路61)に連通するように筐体4(第1筐体41)に取り付けられている。接続部5には接続管28の他端部が接続されていて、接続管28は接続部5を介して内部経路6に連通している。
【0038】
内部経路6は、筐体4(第1筐体41)の内部に配置(形成)されていて、ダイアフラム25から貫通孔24aに流入した(浸入した)流体(以下「流入流体」という。)が流れる経路である。すなわち、筐体4は、内部経路6を内包している。内部経路6は、第1経路61、第2経路62、第3経路63、第4経路64、および第5経路65を備える。
【0039】
「流入流体」は、ダイアフラム25を通過または透過して、貫通孔24aに浸入して、接続管28および接続部5を介して内部経路6に流入する(浸入する)流体である。ダイアフラム25を通過する流体(以下「通過流体」という。)は、例えば、ダイアフラムシート25a,25b(ダイアフラム25)が破損したときに破損個所X(図7参照。以下同じ。)からダイアフラムシート25a,25bを通過して、ダイアフラムシート25a,25b間に流入する(浸入する)取扱液L1および/または作動流体L2である。ダイアフラム25を透過した流体(以下「透過流体」という。)は、例えば、取扱液L1に溶け込んでいるガス成分(溶存ガス)に基づいて生じる気泡、取扱液L1に含まれる気泡、および/または、取扱液L1が気化することにより生じる気泡である。前述のとおり、ダイアフラムシート25a,25b(ダイアフラム25)は合成樹脂製であるため、液体(取扱液L1、作動流体L2)はダイアフラム25を透過しないが、一部の気体(溶存ガスなど)はダイアフラム25を透過し得る。以下の説明において、「上流側」は流入流体の内部経路6内の流れにおける上流側であり、「下流側」は流入流体の内部経路6内の流れにおける下流側である。
【0040】
第1経路61および第2経路62は、接続部5とガス排出弁GVとの間において、流入流体が流れる経路である。第1経路61は、第2経路62に対して直列(例えば、垂直方向(水平方向))に延在するように、第1筐体41の内部に配置されている。第1経路61の上流端61aは接続部5に接続されていて、第1経路61の下流端61bは一方向弁7に接続されている。すなわち、第1経路61は、接続部5を介して接続管28に連通していて、一方向弁7を介して第2経路62に連通可能である。第2経路62は、上下方向に沿うように、第1筐体41の内部に配置されている。第2経路62の上流端62aは、一方向弁7に接続されている。第2経路62の下流端62bは、第1筐体41の上面41aの中央部に開口していて、同下流端62bの上方に配置されている第3筐体43の小径部43eおよび溝部43gに連通している。したがって、第2経路62の下流端62bは第2経路62の上流端62aよりも上方に配置されていて、小径部43eおよび溝部43gは下流端62bよりも上方に配置されている。第1経路61、第2経路62、小径部43eおよび溝部43gは、接続管28からの流入流体をガス排出弁GVへ流す流体経路FPを構成している。
【0041】
第3経路63は、第2経路62に流入した流体(主に、通過流体)が筐体4の外部に排出されるときに用いられるドレン用の経路である。第3経路63は、第1筐体41の内部に配置されている。第3経路63の上流端63aは第2経路62に接続されていて、第3経路63の下流端63bは筐体4(第1筐体41)の外面に開口している。
【0042】
第4経路64は、圧力検出器8が第2経路62内の流体の圧力を検出するために第2経路62と圧力検出器8との間に接続されている圧力ポートである。第4経路64は、第1筐体41の内部に配置されている。
【0043】
第5経路65は、流体経路FPに流入した透過流体が筐体4の外部に排出されるときに通過する経路である。第5経路65は、上下方向に沿うように、第2筐体42の内部に配置されている。第5経路65の上流端65aは弁座面42bの中央に開口していて、第5経路65の下流端65bは筐体4(第2筐体42)の外面に開口している。第5経路65は、本発明における排出経路の一例である。
【0044】
一方向弁7は、第1経路61と第2経路62との間に配置されていて、第1経路61から第2経路62へのみ流体を通すように構成されている公知の逆止弁である。換言すれば、一方向弁7は、流体経路FPに取り付けられていて、貫通孔24a側からガス排出弁GV側へのみ流体を通すように構成されている。
【0045】
圧力検出器8は、第2経路62内の(流体の)圧力を検出する。圧力検出器8は、例えば、公知の圧力計である。
【0046】
なお、本発明において、圧力検出器8は、第2経路62内の圧力を検出可能であればよく、圧力計に限定されない。すなわち、例えば、圧力検出器8は、公知の圧力スイッチや圧力センサでもよい。
【0047】
弁体9は、ガス排出弁GVの弁体として機能していて、通過流体の流れに基づいて、後述される開弁位置P1と閉弁位置P2との間を移動する。後述のとおり、弁体9の材質は、取扱液L1との間の比重差および/または取扱液L1(作動流体L2)に対する終末速度(終末沈降速度、終端速度ともいう。)に基づいて決定されていて、本実施の形態では、ポリプロピレン(PP:polypropylene)製である。弁体9の形状は、弁体9に対する弁座面42bの形状に対応して決定されていて、本実施の形態では、球状である。弁体9は、弁室Rvに収容されている。弁体9の直径は、第3筐体43の大径部43dの内径よりも小さく、小径部43eの内径よりも大きい。すなわち、水平方向において、弁体9と大径部43dとの間には、隙間Sが形成されている。
【0048】
ドレン弁10は、第2経路62内に流入した流体(主に通過流体)を筐体4の外部に排出するときに用いられるドレン用の弁である。ドレン弁10は、第3経路63内に取り付けられている。
【0049】
●ガス排出弁の構成
図5は、ガス排出弁GVの部分拡大模式断面図である。
同図は、弁体9を非断面で示している。同図は、説明の便宜上、閉弁位置P2に位置しているときの弁体9、および第2経路62を二点鎖線で示している。同図は、説明の便宜上、開弁位置P1および閉弁位置P2を弁体9の中心位置で示している。
【0050】
ガス排出弁GVは、第2経路62に流入した透過流体を筐体4の外部に排出すると共に、第2経路62に流入した通過流体を筐体4の内部に留める弁である。すなわち、ガス排出弁GVは、第5経路65から気体を排出して、第5経路65から液体を排出しない弁として機能している。ガス排出弁GVは、少なくとも、弁座面42b、弁室Rv、および弁体9により構成されている。すなわち、ガス排出弁GVは、弁座面42b、弁室Rv、および弁体9を備えている。ガス排出弁GVは、流体経路FPよりも上方に配置されていて、流体経路FPおよび第5経路65に接続されている。前述のとおり、弁体9は、弁室Rvに収容されている。上下方向において、弁座面42bは、弁体9よりも上方に、弁体9と対向するように配置されている。弁室Rv内において、弁体9は、開弁位置P1と閉弁位置P2との間で移動可能である。弁体9は、弁室Rv(大径部43d)に沿って移動する。したがって、その移動方向は、大径部43dの軸心方向(上下方向)に沿っている。
【0051】
「開弁位置P1」は、弁体9が第5経路65を下方から覆わない(塞がない)位置である。本発明において、開弁位置P1は、弁室Rv内における弁体9の移動範囲のうち、最も低い位置である。換言すれば、開弁位置P1は、弁室Rv内において弁体9が弁座面42bから最も離れる位置である。弁体9が開弁位置P1に位置しているとき、弁体9は段部43fに当接していて、小径部43eの上方は弁体9に塞がれていて、溝部43gの上方は弁体9に塞がれていない。したがって、弁室Rvは、溝部43gを介して第2経路62に連通している。また、弁体9は弁座面42bに当接しておらず、第5経路65は弁体9に塞がれていない。したがって、弁室Rvは、第5経路65に連通している。ここで、弁体9が開弁位置P1に位置しているとき、上下方向における弁体9と弁座面42bとの間の最短距離(すなわち、弁体9の移動可能距離)は、例えば、弁体9の直径の10~20%程度の小さい長さに設定されている。
【0052】
「閉弁位置P2」は、弁体9が第5経路65を下方から覆う(塞ぐ)位置である。本発明において、閉弁位置P2は、弁体9が弁座面42bに当接していて、かつ、弁室Rv内における弁体9の移動範囲のうち、最も高い位置である。すなわち、上下方向において、閉弁位置P2は、開弁位置P1よりも上方(本実施の形態では、真上)に位置している。
【0053】
弁体9の比重が取扱液L1の比重よりも小さいとき、弁体9は取扱液L1に浮く。そのため、弁室Rv内に取扱液L1が流入したとき、弁体9は、取扱液L1と共に開弁位置P1から閉弁位置P2まで移動して、第5経路65を覆う(塞ぐ)。このとき、ガス排出弁GVは、閉弁している。本実施の形態では、取扱液L1は水であり、弁体9はPP製である。すなわち、弁体9の比重は取扱液L1の比重よりも小さく、弁体9は取扱液L1と共に弁室Rv内を移動する。
【0054】
一方、弁体9の比重が取扱液L1の比重よりも大きいとき、弁体9は取扱液L1に浮かない。この場合であっても、弁室Rv内、特に、弁体9と大径部43dとの間の隙間S内を流れる取扱液L1の流速が、取扱液L1に対する弁体9の終末速度よりも大きければ、弁体9は、取扱液L1の流れに押し上げられて、開弁位置P1から閉弁位置P2まで移動できる。ここで、流体(取扱液L1)に対する(流体中の)弁体9の終末速度「Vs」は、例えば、ストークスの式に代表される終末速度を表す式に基づいて算出される。
【0055】
また、横断面積「A」の管内を流量「Q」で流れる流体の流速「Vf」は、次式(1)で表される。
【0056】
Vf=Q/A (1)
【0057】
したがって、「Vf>Vs」(好ましくは「Vf>>Vs」)の関係を満たすように、大径部43dおよび弁体9の形状(隙間Sの横断面積「A」)が設計されることにより、弁体9は取扱液L1の流れにより閉弁位置P2まで移動する。
【0058】
ここで、通過流体が作動流体L2であるとき、大径部43dおよび弁体9の形状(隙間Sの横断面積「A」)は、取扱液L1と同様に、作動流体L2に対する終末速度に基づいて、設計できる。したがって、大径部43dおよび弁体9の形状(隙間Sの横断面積「A」)は、取扱液L1または作動流体L2のどちらが弁室Rvに流入しても弁体9が閉弁位置P2に移動できるように設計されている。前述のとおり、筐体4は第1~第3筐体41~43に分割可能である。そして、弁室Rvのうち、隙間Sの横断面積「A」を決定付ける大径部43dは、交換可能な第3筐体43に配置させている。そのため、第3筐体43を、貫通孔43c(大径部43d)の形状が異なる他の第3筐体43に交換するだけで、弁体9の形状および比重に対応した適切な隙間Sが形成可能である。すなわち、弁体9の動きを促す流速「Vf」は、終末速度「Vs」の変化により比較的容易に調整可能である。同様に、弁座面42bの形状も、第2筐体42を交換することにより、任意に選択可能である。
【0059】
なお、本発明において、流速は、隙間Sに代えて、弁室Rvまたは小径部43eの横断面積を用いて算出されていてもよい。この場合、弁室Rvまたは小径部43eの横断面積は、隙間Sの横断面積よりも大きい。そのため、弁室Rvまたは小径部43eにおける取扱液L1の流速は、隙間Sにおける流速よりも遅くなる。この条件でも「Vf>Vs」の関係が満たされるのであれば、隙間Sにおいても「Vf>Vs」の関係は確実に満たされる。この構成では、弁体9の横断面積の考慮が不要となり、経路の横断面積のみで簡易的な流速の計算が可能となる。
【0060】
●往復動ポンプ装置の動作
次に、本ポンプ装置1の動作が、本検出装置3の動作を中心に、以下に説明される。以下の説明において、図1図5は、適宜参照される。
【0061】
本ポンプ装置1の稼働中、駆動装置27は、プランジャ26を往復動させて、作動流体L2を介してダイアフラム25(中央部252)を往復動させる。このとき、ダイアフラム25の往復動に応じて、取扱液L1が吸込管22からポンプ室R3に吸込まれて、ポンプ室R3内の取扱液L1が吐出管23へ吐出される。ここで、取扱液L1が吸込管22からポンプ室R3内に吸込まれるとき、ポンプ室R3内の取扱液L1に加えられる圧力は低下していて、ポンプ室R3内の取扱液L1の溶存ガスはポンプ室R3内において気泡として表出(気泡化)し得る。特に、吸込管22よりも取扱液L1の流れの上流側に接続されている取扱液L1の貯蔵タンク内がガス(例えば、NやHなど)で加圧されている場合、そのガス成分が取扱液L1に溶け込み、ポンプ室R3内において気泡化し易くなる。
【0062】
図6は、ダイアフラム25が破損していないときの本検出装置3の動作を示す模式図である。同図は、透過流体(ガス成分)の流れを白抜きの矢印で示している。同図は、説明の便宜上、開弁位置P1を弁体9の中心位置で示していている。
【0063】
ダイアフラム25が破損していないとき、取扱液L1および作動流体L2は、ダイアフラム25を通過せず、貫通孔24a、接続管28、および内部経路6に流入しない。換言すれば、通過流体は、内部経路6には流入しない。一方、ポンプ室R3内に存在する気泡の一部は、ダイアフラム25を透過する。その結果、同気泡を構成しているガス成分は、ダイアフラムシート25a,25bの間から貫通孔24aおよび接続管28を介して透過流体として第1経路61に流入する。第1経路61に流入した透過流体の圧力が一方向弁7を開弁させる圧力以上となったとき、透過流体は、第2経路62および小径部43eへ流入して、溝部43gを介して弁室Rvへ流入する。ここで、弁室Rv(隙間S)における透過流体の流量は通過流体の流量と比較して極端に少なく、また、透過流体であるガス成分の比重は弁体9の比重と比較して極端に小さい。したがって、透過流体が隙間Sを通過しても、弁体9は開弁位置P1から移動しない。換言すれば、弁体9は、閉弁位置P2に位置していない。すなわち、ガス排出弁GVは、開弁している。このとき、弁室Rvは、溝部43gおよび小径部43eを介して第2経路62に連通していて、第5経路65に連通している。したがって、弁室Rvに流入した透過流体は、流体経路FPに留まることなく、第5経路65を介して筐体4の外部へ放出される。その結果、第2経路62内の圧力(透過流体の圧力)は大気圧と同程度となり、圧力検出器8の指示は変化しない。
【0064】
図7は、ダイアフラム25が破損しているときの本検出装置3の動作を示す模式図である。同図は、取扱液L1と接しているダイアフラムシート25aの一部が破損していて、ガス排出弁GVが閉弁したタイミングにおける本検出装置3の状態を示している。同図は、通過流体の流れをグレーの矢印で示している。同図は、説明の便宜上、閉弁位置P2を弁体9の中心位置で示していている。
【0065】
ダイアフラム25が破損しているとき(ダイアフラムシート25aが破損しているものとする)、取扱液L1は、破損個所Xからダイアフラムシート25aを通過して、ダイアフラムシート25a,25bの間に流入する。このとき、流入した取扱液L1には、最大で吐出圧と同等の圧力が加えられている。そのため、ダイアフラムシート25a,25bの間に流入した取扱液L1は、ダイアフラムシート25a,25bの密着を剥がして、貫通孔24aおよび接続管28を介して第1経路61に通過流体として流入する。第1経路61に流入した取扱液L1の圧力は、一方向弁7を開弁させる圧力よりも十分に大きい。そのため、取扱液L1は瞬時に一方向弁7を開弁させて、第2経路62および小径部43eへ流入して、溝部43gを介して弁室Rvへ流入する。前述のとおり、弁体9の比重は取扱液L1の比重よりも小さいため、弁体9は取扱液L1と共に閉弁位置P2へ移動する。このとき、弁体9は、円錐面である弁座面42bに案内されて、下方視において、第5経路65の周囲を同心円状に囲むように、弁座面42bに液密に当接している。その結果、弁体9は、弁室Rvの一部(上端部)および第5経路65を下方から覆っている。換言すれば、第5経路65は、弁体9により液密に塞がれている。このように、ガス排出弁GVは閉弁して、取扱液L1の第5経路65への移動を妨げる。前述のとおり、弁体9の移動可能距離は小さいため、開弁位置P1から閉弁位置P2への弁体9の移動は、極短時間で終了する。そのため、第5経路65への取扱液L1の漏れは生じない(仮に、第5経路65への漏れが生じても、その量は極微量である)。
【0066】
図8は、ガス排出弁GVが閉弁した後の本検出装置3の動作を示す模式図である。
【0067】
ガス排出弁GVが閉弁すると、弁体9は、取扱液L1の圧力により、弁座面42bに押し付けられていて、閉弁位置P2に固定されている。取扱液L1は、弁室Rv、溝部43g、小径部43e、および第2経路62内に留まり、一方向弁7を閉弁させる。このとき、第2経路62内の圧力は取扱液L1により大気圧よりも大きくなっており(例えば、吐出圧に近い圧力(数MPa))、圧力検出器8の指示値は上昇する。その結果、ダイアフラム25の破損が検出可能となる。
【0068】
このように、本検出装置3がガス排出弁GVを備えることにより、透過流体は筐体4の外部に排出される。そのため、本検出装置3では、ポンプ室R3内に発生した気泡に含まれるガス成分がダイアフラム25を透過しても圧力検出器8の誤作動は生じない。一方、仮に、ダイアフラム25の破損が生じた場合、ガス排出弁GVは速やかに閉弁して、圧力検出器8は第2経路62内に流入した通過流体による圧力の増加を検出する。そのため、本検出装置3は、遅滞なくダイアフラム25の破損を検出できる。
【0069】
●まとめ
以上説明された実施の形態によれば、本検出装置3は、流体経路FP(第1経路61、第2経路62、小径部43e、および溝部43g)、圧力検出器8、ガス排出弁GV、第5経路65、および一方向弁7を備える。第1経路61は、接続管28を介して貫通孔24aに連通可能である。圧力検出器8は、第2経路62内の流体の圧力を検出する。ガス排出弁GVは、弁体9、弁室Rv、および弁座面42bを備える。弁室Rvは、小径部43eおよび溝部43gよりも上方に配置されていて、小径部43eおよび溝部43gに連通していて、弁体9を収容している。弁座面42bは、弁体9よりも上方に、弁体9に対向して配置されている。第5経路65は、弁座面42bに開口している。一方向弁7は、流体経路FPに取り付けられていて、貫通孔24a側(第1経路61側)からガス排出弁GV側(第2経路62側)へのみ流体を通す。弁体9は、閉弁位置P2と開弁位置P1との間で移動可能である。ダイアフラム25が破損していないとき、弁体9は、開弁位置P1に位置している。弁体9が閉弁位置P2に位置していないとき、弁室Rvは、小径部43e、溝部43g、および第5経路65に連通している。この構成によれば、ダイアフラム25が破損していないとき、透過流体が流体経路FPに流入しても、透過流体は弁室Rvを介して第5経路65に流れて、筐体4の外部に排出される。したがって、本検出装置3では、ポンプ室R3内に発生した気泡に含まれるガス成分がダイアフラム25を透過しても圧力検出器8の誤作動は生じず、ダイアフラム25が破損していないにも関わらずダイアフラム25の破損を検出するという誤作動は生じない。
【0070】
また、以上説明された実施の形態によれば、弁体9の比重は、取扱液L1の比重よりも小さい。この構成によれば、取扱液L1が弁室Rvに流入したとき、弁体9は取扱液L1と共に閉弁位置P2へ移動して、ガス排出弁GVは閉弁する。その結果、圧力検出器8は第2経路62内の流体(取扱液L1)の圧力の上昇を検出して、本検出装置3はダイアフラム25の破損を適切に検出できる。
【0071】
さらに、以上説明された実施の形態によれば、本検出装置3は、第1経路61と第2経路62との間に配置されていて、第1経路61から第2経路62へのみ流体を通す一方向弁7を備える。この構成によれば、ガス排出弁GVが閉弁したとき、通過流体は、第2経路62から第1経路61に逆流することなく、第2経路62内に確実に留められる。その結果、第2経路62内の流体の圧力は大きく増減せず、一度上昇した圧力検出器8の指示値は大きく振れることなく安定する。したがって、本検出装置3は、より確実かつ安定的にダイアフラム25の破損を検出できる。
【0072】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、弁体9の形状は球状であり、弁座面42bは第5経路65に向けて円錐状に凹む円錐面である。弁体9は、取扱液L1と共に上昇するため、揺れながら上昇する。そのため、弁体9が弁座面42bに当接したときに、下方視における弁体9の中心の位置は、弁座面42bの中心からずれ得る(閉弁位置P2からずれ得る)。しかしながら、この構成によれば、弁体9は、弁座面42bに案内されて、最終的に定位置(閉弁位置P2)に位置することができる。
【0073】
●変形例●
次に、本検出装置3の変形例が、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の変形例において、説明の便宜上、第1実施形態と同じ部材、および、共通する機能を有する部材には、第1実施形態と同じ符号が付されている。以下の変形例において、図1図8は、適宜参照される。
【0074】
図9(a)は変形例に係る本検出装置3Aの本ポンプ装置1における配置を示す模式図であり、(b)は本検出装置3Aの模式図である。
【0075】
変形例に係る本検出装置3Aでは、ダイアフラムヘッド21aに取り付けられている筐体4の角度、および弁体9の材質が、第1実施形態と異なる。具体的には、本検出装置3Aでは、筐体4は、第1実施形態の筐体4と比較して、角度「θ°(例えば、30°)」傾斜した状態で、ダイアフラムヘッド21aに取り付けられている。弁体9は、取扱液L1の比重よりも大きい比重を有する材質(例えば、SUS440C)製である。弁体9と大径部43dとの間の隙間S内を流れる取扱液L1の流速が、取扱液L1および作動流体L2に対する弁体9の終末速度よりも(十分に)大きくなるように、大径部43dおよび弁体9の形状(隙間Sの横断面積「A」)は設計されている。したがって、弁体9が取扱液L1の比重よりも大きい比重を有する材質製でも、ダイアフラムシート25a,25bが破損したとき、弁体9は、閉弁位置P2に移動して、第5経路65を塞ぐ。そのため、本検出装置3Aは、ダイアフラム25の破損を検出できる。
【0076】
第2経路62、貫通孔43c(大径部43dおよび小径部43e)、および第5経路65は、上下方向から「θ°」傾斜した方向に沿うように延在している。すなわち、弁室Rv内における弁体9の移動方向は、上下方向から略「θ°」傾斜していて、水平方向から略「90°-θ°」傾斜している。すなわち、弁室Rv(大径部43d)の内周面は、傾斜面である。弁座面42bは弁体9の斜め上方、すなわち、弁体9よりも上方に配置されている。この構成では、弁体9に作用する重力は傾斜面により分解されて、傾斜面に沿う重力の分力以上の力が弁体9に加えられると、弁体9は傾斜面を転がり上がる。したがって、弁体9を閉弁位置P2まで移動させるために必要な取扱液L1の流量は、弁室Rvが上下方向に沿って延在する場合(弁体9の移動方向が上下方向に沿う場合)の同流量よりも小さくなる(低減される)。すなわち、弁体9の比重が取扱液L1の比重よりも大きいとき、本変形例の弁室Rv内の弁体9は、第1実施形態の弁室Rv内の弁体9よりも移動し易い。
【0077】
なお、変形例において、ダイアフラム25が破損していないとき、弁体9が自重により開弁位置P1に位置していればよく、角度「θ°」は、「30°」に限定されない。角度「θ°」は、「1°~89°」まで設定し得るが、好ましくは、弁体9が開弁位置P1と閉弁位置P2との間をスムーズに移動可能な角度(例えば、30°~60°程度)であるとよい。
【0078】
また、変形例において、弁室Rv(貫通孔43c)のみが上下方向から傾斜して延在していてもよい。この場合、弁室Rvを除く筐体4の構成は、第1実施形態と同じである。
【0079】
さらに、変形例において、弁座面42bの向きおよび形状は、第1実施形態と同じでもよい。すなわち、弁座面42bは、斜め上方ではなく、上方に向けて円錐状に凹む円錐面でもよい。
【0080】
●その他の実施形態●
なお、本発明において、弁体9は、PP製に限定されない。すなわち、例えば、弁体9は、1未満の比重を有するPE(polyethylene)などの合成樹脂製でもよく、あるいは、1を超える比重を有するPTFEなどの合成樹脂製でもよい。また、例えば、弁体9が変形しやすい環境(例えば、取扱液L1の温度および/または吐出圧が高い環境など)では、弁体9は、合成樹脂よりも高強度および耐熱性を有する材料(例えば、金属)製でもよい。
【0081】
また、本発明において、弁体9の形状は、弁体9に対する弁座面42bの形状に対応していればよく、球状に限定されない。すなわち、例えば、弁体9の形状は、円錐状でもよい。また、弁座面42bの形状が平面状であるとき、弁体9の形状は、円板状でもよく、あるいは、第5経路65に挿通可能な軸部が円板の中央部から突出している形状(側方視において逆T字状)でもよい。
【0082】
さらに、本発明において、弁体9の移動に利用される原理は、比重差または終末速度に限定されない。すなわち、例えば、弁体9は、細管に流入する流体の抵抗(絞り抵抗)の差を利用して移動してもよい。具体的には、弁体9は、例えば、弁体9が開弁位置P1に位置しているときには弁室Rvに露出することにより弁室Rvと第5経路65とを連通させて、弁体9が閉弁位置P2に位置しているときには弁室Rvに露出しない、細孔(貫通孔)を備える。一般的に、液体の絞り抵抗は、気体の絞り抵抗よりも大きい。そのため、弁室Rvに透過流体が流入するとき、透過流体は比較的容易に貫通孔に流入して、弁体9は閉弁位置P2に移動しない。一方、弁室Rvに通過流体が流入するとき、貫通孔における絞り抵抗により容易に通過流体は貫通孔に流入できず、弁体9は弁室Rv内に満たされる通過流体により閉弁位置P2に押される。
【0083】
さらに、本発明において、弁体9の形状は、中空状でもよい。この場合、弁体9が取扱液L1の比重よりも大きい比重を有する材料製でも、弁体9の浮力は増加する。そのため、弁体9の見かけの比重は、取扱液L1の比重よりも小さくできる。
【0084】
さらにまた、本発明において、貫通孔43cの形状は、弁体9が開弁位置P1に位置しているとき、透過流体が弁室Rvおよび第5経路65へ流入可能であればよく、第1実施形態の形状に限定されない。すなわち、例えば、貫通孔43cは、小径部43eおよび溝部43gに代えて、大径部43dの底部に開口する複数の貫通孔を備えていてもよい。
【0085】
さらにまた、本発明において、筐体4の構成は、第1実施形態の構成に限定されない。すなわち、例えば、第3筐体43は、第1筐体41と一体に形成されていてもよい。また、例えば、ガス排出弁GVのみがユニット化されていて、同ユニットが筐体4の内部または外部に取り付けられていてもよい。さらに、第1筐体41の上面41a、および/または、第2筐体42の下面42aには、第3筐体43を収容して、かつ、挟持可能な凹部が形成されていてもよい。
【0086】
さらにまた、本発明において、往復動ポンプ2は、管状の接続管28を備えていなくてもよい。この場合、例えば、本検出装置3の接続部5がダイアフラムヘッド21aに取り付けられていて、接続部5が貫通孔24aと連通していてもよい。この場合、接続部5は、本発明における接続管の一例である。
【0087】
さらにまた、本発明において、第5経路65には、ガス排出弁GVから排出されるガス成分を捕集または中和する機器が取り付けられていてもよい。
【0088】
●本発明の実施態様●
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様について、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載する。
【0089】
本発明の第1の実施態様は、2つのダイアフラムシート(例えば、ダイアフラムシート25a,25b)が密着されることにより形成されるダイアフラム(例えば、ダイアフラム25)の往復動により、取扱液(例えば、取扱液L1)を吸込み、吐出する往復動ポンプ(例えば、往復動ポンプ2)に取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出するダイアフラム破損検出装置(例えば、ダイアフラム破損検出装置3,3A)であって、前記往復動ポンプは、前記ダイアフラム(例えば、ダイアフラム25)と、2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部(例えば、外縁部25c,25d)の間に配置される円環状の周縁リング(例えば、周縁リング24)と、を備えて、前記ダイアフラム破損検出装置は、前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔(例えば、貫通孔24a)に連通可能な流体経路(例えば、流体経路FP)と、前記流体経路内の圧力を検出する圧力検出器(例えば、圧力検出器8)と、前記流体経路よりも上方に配置されて、前記流体経路に接続されるガス排出弁(例えば、ガス排出弁GV)と、前記ガス排出弁に接続される排出経路(例えば、第5経路65)と、前記流体経路に取り付けられて、前記貫通孔側から前記ガス排出弁側へのみ流体を通す一方向弁(例えば、一方向弁7)と、を有してなり、前記ガス排出弁は、弁体(例えば、弁体9)と、前記流体経路に連通して、前記弁体を収容する弁室(例えば、弁室Rv)と、前記弁体よりも上方に、前記弁体に対向して配置される弁座面(例えば、弁座面42b)と、を備えて、前記排出経路は、前記弁座面に開口して、前記弁体は、前記弁体が前記弁座面に当接して前記排出経路を覆う閉弁位置(例えば、閉弁位置P2)と、前記弁体が前記弁座面から離れて前記排出経路を覆わない開弁位置(例えば、開弁位置P1)と、の間で移動可能であり、前記ダイアフラムが破損していないとき、前記開弁位置に位置して、前記弁室は、前記弁体が前記閉弁位置に位置していないとき、前記流体経路と前記排出経路とに連通する、ダイアフラム破損検出装置である。
この構成によれば、ダイアフラムが破損していないにも関わらずダイアフラムの破損を検出するという誤作動は生じない。
【0090】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記弁体の比重は、前記取扱液の比重よりも小さい、ダイアフラム破損検出装置(例えば、ダイアフラム破損検出装置3)である。
この構成によれば、本検出装置はダイアフラムの破損を適切に検出できる。
【0091】
本発明の第3の実施態様は、第1の実施態様において、前記弁体の比重は、前記取扱液の比重よりも大きく、前記弁室と前記弁体とは、前記ダイアフラムを通過した前記取扱液が前記弁室に流入したとき、前記弁室内における前記取扱液の流速が、前記取扱液に対する前記弁体の終末速度よりも大きくなるように形成される、ダイアフラム破損検出装置(例えば、ダイアフラム破損検出装置3A)である。
この構成によれば、弁体は、高強度および耐熱性を有する材料で形成できる。
【0092】
本発明の第4の実施態様は、第3の実施態様において、前記弁体の移動方向は、鉛直方向および水平方向に対して傾斜する、ダイアフラム破損検出装置である。
この構成によれば、弁体を移動させるために必要な流量は、低減される。
【0093】
本発明の第5の実施態様は、第1乃至第4のいずれかの実施態様において、前記弁体の形状は、球状であり、前記弁座面は、前記排出経路に向けて円錐状に凹む逆円錐面である、ダイアフラム破損検出装置である。
この構成によれば、弁体は、弁座面に案内されて、最終的に定位置(閉弁位置)に位置することができる。
【0094】
本発明の第6の実施態様は、2つのダイアフラムシート(例えば、ダイアフラムシート25a,25b)が密着されることにより形成されるダイアフラム(例えば、ダイアフラム25)と、2つの前記ダイアフラムシートそれぞれの外縁部(例えば、外縁部25c,25d)の間に配置される円環状の周縁リング(例えば、周縁リング24)と、前記周縁リングの径方向において前記周縁リングを貫通する貫通孔(例えば、貫通孔24a)に、接続される接続管(例えば、接続管28)と、を備える往復動ポンプ(例えば、往復動ポンプ2)と、前記往復動ポンプに取り付けられて、前記ダイアフラムの破損を検出する第1の実施態様に記載のダイアフラム破損検出装置(例えば、ダイアフラム破損検出装置3,3A)と、を有してなる、往復動ポンプ装置(例えば、往復動ポンプ装置1)である。
この構成によれば、ダイアフラムが破損していないにも関わらずダイアフラムの破損を検出するという誤作動は生じない。
【符号の説明】
【0095】
1 往復動ポンプ装置
2 往復動ポンプ
3 ダイアフラム破損検出装置
42b 弁座面
43e 小径部(第2流体経路)
43g 溝部(第2流体経路)
61 第1流路(第1流体経路)
62 第2流路(第2流体経路)
65 第5流路(排出経路)
7 一方向弁
8 圧力検出器
9 弁体
FP 流体経路
GV ガス排出弁
P1 開弁位置
P2 閉弁位置
【要約】
【課題】ポンプ室内に発生した気泡に含まれるガス成分がダイアフラムを透過しても誤作動を生じないダイアフラム破損検出装置および往復動ポンプ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るダイアフラム破損検出装置3は、往復動ポンプ2のダイアフラム25の破損を検出する。ダイアフラム破損検出装置は、周縁リング24の貫通孔24aと連通可能な流体経路FPと、流体経路内の圧力を検出する圧力検出器8と、流体経路に接続されるガス排出弁GVと、ガス排出弁に接続される排出経路65と、を有してなる。ガス排出弁は、弁体9と、弁体を収容する弁室Rvと、弁体よりも上方に配置される弁座面42bと、を備える。排出経路は弁座面に開口する。弁体は、閉弁位置P2と開弁位置P1との間で移動可能であり、ダイアフラムが破損していないとき開弁位置に位置する。弁室は、弁体が閉弁位置に位置していないとき、流体経路と排出経路とに連通する。
【選択図】図1
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図9