(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ゲーム装置、アシスト部材
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2023143695
(22)【出願日】2023-09-05
(62)【分割の表示】P 2022062479の分割
【原出願日】2022-04-04
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 武史
(72)【発明者】
【氏名】横山 順一
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-039989(JP,A)
【文献】特開2001-157773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/00-9/20
9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム筐体内に収容された物体を、前記物体が個別に入れられる
目標穴と前記目標穴の周辺に配置された穴を含む複数の穴が形成されたステージ上で落下させる物体搬送機構と、
前記物体搬送機構によって前記ステージ上で落下された前記物体を前記ステージの上方で受け止め、前記
目標穴に誘導するアシスト部材であって、前記物体が通過可能に
筒状に形成され
た第1部材と、落下された前記物体を受け止め
る面状に形成された第2部材とを組合わせて構成され、
前記ステージに前記第1部材が前記目標穴の上方に略垂直な状態となるように装着された状態において、前記第2部材の面が前記複数の穴の上方に向き、前記第2部材の面に落下された前記物体が前記第2部材の傾斜によって前記第1部材
の上端側から入るよう、前記第1部材と前記第2部材とが一体化されたアシスト部材と
を有するゲーム装置。
【請求項2】
前記アシスト部材を前記ステージに対して着脱自在に形成した請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1部材は、前記ステージに装着された状態において、下端部が前記目標穴を覆い、前記目標穴の周辺の穴に入った前記物体と接触しないサイズで形成される、請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ステージの周囲に設けられた容器部材と係合される係合部を前記第2部材に形成し、
前記ステージの前記目標穴に合わせて前記第1部材を載置し、前記第2部材の前記係合部を前記容器部材と係合させることで、前記ステージ上で前記アシスト部材を自立させる、請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
ゲーム筐体内に収容された物体を、前記物体が個別に入れられる
目標穴と前記目標穴の周辺に配置された穴を含む複数の穴が形成されたステージ上で落下させるゲーム装置で使用されるアシスト部材であって、
前記物体が通過可能に
筒状に形成され
た第1部材と、落下された前記物体を受け止め
る面状に形成された第2部材とを組合わせて構成され、
前記ステージに前記第1部材が前記目標穴の上方に略垂直な状態となるように装着された状態において、前記第2部材の面が前記複数の穴の上方に向き、前記第2部材の面に落下された前記物体が前記第2部材の傾斜によって前記第1部材
の上端側から入るよう、前記第1部材と前記第2部材とが一体化されたアシスト部材。
【請求項6】
前記第1部材は、前記ステージに装着された状態において、下端部が前記目標穴を覆い、前記目標穴の周辺の穴に入った前記物体と接触しないサイズで形成される、請求項5記載のアシスト部材。
【請求項7】
前記ステージの周囲に設けられた容器部材と係合される係合部を前記第2部材に形成し、
前記ステージの前記目標穴に合わせて前記第1部材を載置し、前記第2部材の前記係合部を前記容器部材と係合させることで、前記ステージ上で自立される、請求項5記載のアシスト部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、アシスト部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンアームで景品を運んで落とし口に落とすことで景品獲得となるクレーンゲーム装置が知られている。クレーンゲーム装置には、多数のピンポン玉が収容された収納器からクレーンアームでピンポン玉を運んで、複数の穴が設けられたステージの上に落として、当たりとする1つの穴に入ったら景品獲得となる種類のゲーム装置も知られている。この種のゲーム装置は、穴がたくさん開いたステージの形状が「たこ焼き」を作る台に似ていることから「たこ焼き台」と称されることがある。クレーンからステージ上で落下されたピンポン玉は、落下位置によってランダムに跳ねる。
【0003】
従って、「たこ焼き台」のゲーム装置は、プレーヤのスキルに関係なく、運が良ければ少ないプレイ回数でピンポン玉が穴に入り、景品を獲得できるチャンスがあるため、ビギナーやライトユーザーであっても容易に利用することができる。
【0004】
一方、運が悪いと相当数プレイしても景品を獲得できない場合が発生する。一般的なクレーンゲーム装置では、相当数プレイしても景品を獲得できない場合、例えば「アシストサービス」というスタッフを呼び出して景品を獲得しやすい位置に置き直すサービスを行うことで、プレーヤが景品を取得しやすくするサポートが実施されている。
【0005】
しかしながら、「たこ焼き台」のゲーム装置は、景品の置き直しという概念がなく、アシストサービスを実施することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、「たこ焼き台」のゲーム装置においても、景品の置き直しに代わるアシストサービスを実施できるようにすることが望まれていた。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、穴に物体を入れるゲームにおいてアシストサービスを実施可能なゲーム装置、アシスト部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のゲーム装置は、ゲーム筐体内に収容された物体を、前記物体が個別に入れられる目標穴と前記目標穴の周辺に配置された穴を含む複数の穴が形成されたステージ上で落下させる物体搬送機構と、前記物体搬送機構によって前記ステージ上で落下された前記物体を前記ステージの上方で受け止め、前記目標穴に誘導するアシスト部材であって、前記物体が通過可能に筒状に形成された第1部材と、落下された前記物体を受け止める面状に形成された第2部材とを組合わせて構成され、前記ステージに前記第1部材が前記目標穴の上方に略垂直な状態となるように装着された状態において、前記第2部材の面が前記複数の穴の上方に向き、前記第2部材の面に落下された前記物体が前記第2部材の傾斜によって前記第1部材の上端側から入るよう、前記第1部材と前記第2部材とが一体化されたアシスト部材とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、穴に物体を入れるゲームにおいてアシストサービスを実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】本実施形態におけるゲームサーバの機能構成の一例を示すブロック図。
【
図3】本実施形態におけるゲーム装置(クレーンゲーム装置)の外観構成を示す図。
【
図4】本実施形態におけるゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【
図6】本実施形態における第1形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図7】本実施形態における第1形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図9】アシストパーツの装着時の切り込みの周辺を示す図。
【
図10】アシストパーツを装着した時の穴誘導部材の下端部の周辺を示す図。
【
図11】ステージにアシストパーツが装着された後に実施されるゲームの状況を示す図。
【
図12】本実施形態における第2形状(すり鉢型)のアシストパーツの一例を示す図。
【
図13】本実施形態における第3形状(ワイヤー型)のアシストパーツの一例を示す図。
【
図14】本実施形態における第4形状(パイプ型)のアシストパーツの一例を示す図。
【
図15】本実施形態における第5形状(パイプ型)のアシストパーツの一例を示す図。
【
図16】本実施形態における第6形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図17】本実施形態における第7形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図18】本実施形態における第8形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図19】本実施形態における第9形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図20】本実施形態における第9形状のアシストパーツの一例を示す図。
【
図21】本実施形態における縦回転方法の動作について説明するための図。
【
図22】本実施形態における水平回転方法の動作について説明するための図。
【
図23】本実施形態における前後移動方法の動作について説明するための図。
【
図24】本実施形態における第3形態について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態におけるゲームシステム5の構成を示すブロック図である。
図1に示すゲームシステム5は、インターネット等を含むネットワーク4を介して接続される電子機器2(2-1,…,2-m)を通じて、ゲーム装置10を利用するゲームサービスを提供するためのシステムである。電子機器2は、ゲームサービスを利用するプレーヤが使用する、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、テレビなどである。ゲームシステム5は、ゲームサーバ6、及び少なくとも1台のゲーム装置10(10-1,10-2,…,10-n)を含む。
【0014】
ゲームサーバ6は、ネットワーク4と接続され、電子機器2との間でデータの送受信を行う。また、ゲームサーバ6は、施設内に設置された少なくとも1台のゲーム装置10(10-1,10-2,…,10-n)と、LAN(Local Area Network)等のネットワーク8を通じて接続され、ゲーム装置10の動作制御、データの送受信等を実行する。
【0015】
ゲームサーバ6は、ネットワーク4を通じて接続された電子機器2に対して、ネットワーク4を通じてゲーム装置10をプレイすることができるゲームサービスを提供する。ゲームサーバ6は、電子機器2からゲームの実行要求を受信すると、このゲームの実行要求に応じて、複数のゲーム装置10から選択された特定のゲーム装置10によるゲームを実行可能にする。
【0016】
ゲームサーバ6は、電子機器2から受信される操作データをゲーム装置10に出力し、操作データに応じて動作させる。電子機器2を操作するプレーヤは、ゲームサーバ6から受信される映像によってゲーム装置10の動作状態を確認しながら、ゲーム装置10を制御するための入力操作をすることができる。
【0017】
ゲーム装置10は、ゲームサーバ6の制御のもとで、ゲームを実行する。ゲーム装置10は、ゲームサーバ6を通じて、電子機器2におけるプレーヤの入力操作に応じて出力される操作データを受信し、操作データに応じた制御を実行する。
【0018】
本実施形態のゲームシステム5において、ゲーム装置10は、例えばクレーンゲーム装置として実現される。本実施形態におけるクレーンゲーム装置は、例えば、「たこ焼き台」と称されるゲーム装置である。すなわち、ゲーム装置10は、多数の物体(以下、例えばピンポン玉とする)が収容された収納器からクレーンアーム(後述する)でピンポン玉を運んで、複数の穴が設けられたステージの上に落として、当たりとする1つの目標穴(当たり穴)に入ったら景品獲得となるゲーム装置である。
【0019】
図2は、本実施形態におけるゲームサーバ6の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲームサーバ6は、コンピュータを構成する例えばCPU6a、RAM6b、記憶装置6c、入力装置6d、表示装置6e、通信装置6fを有する。
【0020】
CPU6aは、RAM6bに記憶されているプログラムやデータに基づいて、ゲームサーバ6の全体の制御、記憶装置6cに記憶されるデータの管理、ネットワークゲームサービスを提供するための処理、ゲーム装置10の制御/管理等の各種処理を実行する制御部である。
【0021】
RAM6bは、CPU6aにより実行される各種プログラムや、各種処理により実行されるデータなどが記憶される。RAM6bに記憶されるプログラムには、基本プログラム(OS(Operating System))の他、複数のゲーム装置10を制御/管理するための管理プログラム、電子機器2からのアシストサービスの要求を受信するアシストサービス要求受信プログラム等が含まれる。本実施形態におけるゲーム装置10に対するアシストサービスでは、例えば、クレーンアームによりステージ上で落下されたピンポン玉を目標穴まで誘導するアシストパーツ(アシスト部材)がステージに装着される。アシストパーツの装着は、ゲーム装置10を管理するスタッフによる作業、またはアシストパーツ装着用の駆動ユニットによる動作によって実行される。あるいは、アシストサービスでは、例えば、クレーンアームによってピンポン玉を運ぶことなく、駆動ユニットによる動作によって強制的にピンポン玉を目標穴に入れるアシストパーツ(アシスト部材)を用いることができる(
図24)。アシストパーツの詳細については後述する。
【0022】
記憶装置6cは、各種プログラムやデータ等を記憶する。記憶装置6cに記憶された各種プログラムやデータ等は、CPU6aにロードされてCPU6aにより処理される。記憶装置6cには、電子機器2から入力される映像データを記憶しておくことができる。
【0023】
表示装置6eは、CPU6aによる処理に応じた画面をLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイに表示させる。
【0024】
入力装置6dは、CPU6aによる各種処理に応じたデータや指示を、キーボードやマウスなどの入力デバイスを通じて入力する。
通信装置6fは、CPU6aの制御のもとで、ネットワーク4を介した電子機器2との通信、ネットワーク8を介したゲーム装置10との通信を制御する。
【0025】
なお、電子機器2は、
図2に示すゲームサーバ6と同様にして、コンピュータを構成するCPU、RAM、記憶装置、入力装置、表示装置、通信装置等を有する。電子機器2のCPUは、RAMに記憶されているプログラムやデータに基づいて、電子機器2の全体の制御、記憶装置に記憶されるデータの管理、ネットワークゲームサービスを利用するための処理等の各種処理を実行する。
【0026】
図3は、本実施形態におけるゲーム装置10(クレーンゲーム装置)の外観構成を示す図である。
【0027】
図3に示すゲーム装置10は、1つの筐体に搭載された2つのゲームユニット(左側ユニット、右側ユニット)の一方(
図3では左側ユニット)によって実現されているものとする。なお、1つの筐体に1つのゲームユニットが搭載されたゲーム装置10であっても良い。
【0028】
ゲーム装置10は、上部筐体と下部筐体とから構成される。上部筐体は、筐体外周面の前面と側面が透明板により覆われており、透明板を通じて筐体内部が視認できるようになっている。なお、ゲーム装置10は、プレーヤによって直接操作されないため、透明板により覆われていなくても良い。
【0029】
上部筐体内(ゲーム空間)の上部には、ゲームサーバ6から入力される操作データに応じて動作が制御される搬送機構が設けられている。搬送機構は、上部筐体の上部に設けられたクレーンアーム10Aと、クレーンアーム10Aを例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)を含む。クレーン機構部は、例えば、横移動(左右)、縦移動(前後)、降下(キャッチ)のそれぞれを示す操作データに応じて駆動される。クレーンアーム10Aの先端部には、物品(ピンポン玉)を保持するためのアーム(保持爪)が設けられており、ピンポン玉を保持するために閉じるように制御され、閉じた状態の左右の保持爪上に載置されたピンポン玉をステージ上で落下させるために開くように制御される。
【0030】
保持爪は、基本的には1個のピンポン玉が載置されるように形成されているが、1回の保持動作(アーム閉じ)で複数のピンポン玉が載置させるように形成されていても良い。また、保持動作(アーム閉じ)がされてもピンポン玉が保持されない場合もあり得る。
【0031】
ゲーム装置10の正面には、カメラスタンド12Bにより支持された正面カメラ12Aが設置され、側面にはカメラスタンド14Bにより支持された側面カメラ14Aが設置される。正面カメラ12Aと側面カメラ14Aは、少なくとも上部筐体を撮影範囲として、上部筐体内のクレーンアーム10Aと、ステージ10B、収容器10C、ピンポン玉を含む映像を撮影する。
【0032】
また、
図3には図示していないが、ゲーム装置10の上部筐体内部を上部から撮影する上部カメラ13A(
図4に示す)が設けられる。上部カメラ13Aは、例えば上部筐体内の天井部、上部筐体の側面上部、あるいはクレーンアーム10A(本体部)に設けられる。
【0033】
ゲーム装置10の上部筐体内には、ピンポン玉の搬送先とするステージ10Bと、複数のピンポン玉が予め積載される収容器10Cが設けられる。ステージ10Bは、例えば、プラスチック製の透明な容器の底面(ほぼ円形状)に複数の穴が形成されており、複数の穴のうちの少なくとも1つが目標穴に設定される。収容器10Cは、例えば、プラスチック製の透明な容器である。
【0034】
ゲーム実行時、クレーンアーム10Aは、玉搬送シーケンスにより制御される。玉搬送シーケンスでは、クレーンアーム10Aは、収容器10Cの上方に移動された後、下方に移動され、収容器10Cに積載されたピンポン玉に到達する位置でアーム(保持爪)を閉じるように制御され、その後、上方に移動され、ステージ10Bの上方に移動された後にアームを開くように制御される。これにより、収容器10Cに収容されたピンポン玉がステージ10Bの上方から落下される。ステージ10Bに落下されたピンポン玉は、ステージ10Bの容器内で跳ねて、ステージ10Bに設けられた何れかの穴に入るか、既に落下済みのピンポン玉の上に乗る。
【0035】
なお、
図3に示す例では、正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aの2台のカメラが設けられた例を示しているが、4台以上のカメラを設けて、それぞれ異なる方向からゲーム装置10を撮影して映像を出力するようにしても良い。
【0036】
本実施形態におけるゲームシステム5では、ゲーム装置10の正面カメラ12A及び側面カメラ14Aによって撮影される映像を、ゲームの実行要求をした電子機器2に対して、ゲームサーバ6を通じて配信する。
【0037】
図4は、本実施形態におけるゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ゲーム装置10の筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)68が設けられている。制御PCB68に実装されたユニットには、CPU70、RAM71、記憶装置72、入出力処理ユニット73、カメラ制御部74、アシスト駆動部75、モータ駆動部76、アーム駆動部77、及び通信制御部78、玉センサ79、アクチュエータ80を含む。アシスト駆動部75及びアクチュエータ80は、アシストパーツ装着用の駆動ユニットに含まれる。
【0038】
CPU70は、RAM71あるいは記憶装置72に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、ゲーム装置10全体を制御する。CPU70は、通信制御部78を通じて入力されるゲームサーバ6からの操作データに応じて、モータ駆動部76及びアーム駆動部77を制御してクレーンアーム10Aを動作させる。また、CPU70は、正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aにより撮影される映像に対する映像処理、及び正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aにより撮影された映像の出力等を制御する。CPU70は、正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aにより撮影された複数の映像を入力して、ゲーム装置10においてゲーム実行中に表示されるゲーム映像を生成する。ゲーム映像では、複数の映像の何れか1つの映像だけでなく、複数の映像を1画面中に表示する映像を含むようにすることができる。
【0039】
また、CPU70は、玉センサ79によってステージ10Bの目標穴にピンポン玉が入ったことが検出された場合に、通信制御部78を通じてゲームサーバ6に通知する。この場合、ゲームサーバ6は、ゲーム装置10からの通知に応じて、当たりが発生したゲーム装置10の情報を表示装置6eに表示させる。
【0040】
また、CPU70は、アシストサービスのために、ゲームサーバ6からアシストパーツ装着用の駆動ユニットの動作通知が受信された場合に、アシスト駆動部75を通じてアクチュエータ80を動作させる。
【0041】
RAM71は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU70により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM71に記録されるデータには、例えばクレーンアーム10Aの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ、正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aにより撮影された映像をもとに生成されるゲーム映像のデータ等が含まれる。
【0042】
記憶装置72は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
【0043】
入出力処理ユニット73は、制御PCB68の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。入出力処理ユニット73には、例えば景品センサ84が接続される。景品センサ84は、ステージ10Bに落下した景品を検知して、検知信号を入出力処理ユニット73に出力する。
【0044】
カメラ制御部74は、CPU70からの指示に応じて、正面カメラ12A、上部カメラ13A及び側面カメラ14Aによる撮影を制御する。
【0045】
アシスト駆動部75は、CPU70の制御に応じて、アクチュエータ80に対してアシスト信号を送信して動作させる。アクチュエータ80は、アシスト信号に応じて動作して、アシストパーツをステージ10Bに装着させる。
【0046】
モータ駆動部76は、機構部69に設けられたモータ82の駆動を制御する(X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の移動制御)。アーム駆動部77は、クレーンアーム10Aに設けられたアームを開閉させるためのアームモータ83の駆動を制御する。
【0047】
モータ82は、モータ駆動部76により駆動されるもので、クレーンアーム10AをX軸方向(横方向)に移動させるX軸モータ、Y軸方向(縦方向)に移動させるY軸モータ、Z軸方向(上下方向)に移動させるZ軸モータを含む。アームモータ83は、アーム駆動部77により駆動されるもので、クレーンアーム10Aを開閉させる。
【0048】
クレーンアーム10Aに対して玉搬送シーケンスを実行させる操作データがゲームサーバ6から受信された場合、モータ駆動部76及びアーム駆動部77は、玉搬送シーケンスを実行させるため、モータ82によりクレーンアーム10Aの先端部が収容器10Cに積載されたピンポン玉に到達する位置まで下降させ、アームモータ83によりアームにピンポン玉を掴む動作をさせた後、クレーンアーム10Aを上昇させ、ステージ10Bの上部にまで移動させてからアームを開く動作をさせる。
【0049】
通信制御部78は、CPU70の制御のもとで、ゲームサーバ6との通信を制御する。
【0050】
玉センサ79は、ステージ10Bの目標穴にピンポン玉が入ったことを検出するためのセンサである。玉センサ79は、例えばステージ10Bに設けられた目標穴の下部に配置され、光学的に目標穴にピンポン玉が入ったことを検出してCPU70に通知する。
【0051】
次に、本実施形態におけるゲームシステム5の動作について説明する。
【0052】
まず、ユーザは、電子機器2を操作して、ネットワーク4を介してネットワークゲームサービスを提供するためのサイト(以下、ゲームサイトと称する)にアクセスし、例えばメニュー画面から利用しようとするゲーム装置10を選択する。
【0053】
ゲームサーバ6(CPU6a)は、電子機器2においてメニュー画面から何れかのゲーム装置10が選択されると、この選択されたゲーム装置10に対してゲーム実行要求を送信する。CPU6aは、ゲーム実行要求を送信したゲーム装置10から出力されるゲーム用映像を入力し、このゲーム用映像を含む画面を表示させるための映像データを電子機器2に対して出力する。ゲーム用映像は、例えば、ゲーム装置10の正面カメラ12Aと側面カメラ14Aによって、ゲーム装置10を異なる方向からそれぞれ撮影した複数の映像を1画面中に表示するために合成された映像である。
【0054】
電子機器2は、ゲームサーバ6から入力された映像データをもとに、表示装置にゲーム用画面を表示させる。ゲーム用画面では、例えばゲーム装置10において正面カメラ12Aと側面カメラ14Aによって撮影されたゲーム用映像が同時に1画面中に表示される。また、ゲーム用画面には、ゲーム装置10にクレーンアーム10Aを動作させるための実行ボタン、アシストサービスを要求するアシスト要求ボタンなどが設けられている。電子機器2は、ゲーム用画面のボタンに対する入力操作を検出すると、操作データをゲームシステム5(ゲームサーバ6)に送信する。
【0055】
ゲームサーバ6は、電子機器2から受信される実行ボタンに応じた操作データをゲーム装置10に出力し、操作データに応じて動作させる。すなわち、ゲーム装置10は、クレーンアーム10Aに対して、容器10Cに積載されたピンポン玉を取り出し、ステージ10Bの上方に移動させて落下させる一連の玉搬送シーケンスを実行させる。
【0056】
詳細には、ゲーム装置10は、クレーンアーム10Aを、収容器10Cの上方に移動させた後、下方に移動させ、収容器10Cに積載されたピンポン玉に到達する位置でアーム(保持爪)を閉じさせ、その後、上方に移動させ、ステージ10Bの上方に移動させた後にアームを開くように制御する。
【0057】
ステージ10Bに落下されたピンポン玉は、ステージ10Bの容器内で跳ねて、ステージ10Bに設けられた何れかの穴に入るか、既に落下済みのピンポン玉の上に乗る。
【0058】
なお、1プレーヤがゲーム装置10においてゲームを実施する場合、常に、ステージ10Bにピンポン玉が存在しない状態から開始するのではなく、自分が前回までに実施したゲーム、あるいは他のプレーヤが実施したゲームによって落下されたピンポン玉がステージ10Bにある(目標穴10B2を除く)状態から開始することができる。
【0059】
本実施形態のゲーム装置10では、例えば1回のゲームプレイ(1回分の課金)によって1回の玉搬送シーケンスを実行させる。ステージ10Bに落下されたピンポン玉は、落下位置に応じて不規則に跳ねるため、運が良ければ例えば1回のゲームプレイでピンポン玉が目標穴に入るが、運が悪いと相当数のゲームプレイでもピンポン玉が目標穴に入らないことがある。
【0060】
図5(A)(B)は、ゲーム中のステージ10Bの状況の一例を示している。
【0061】
図5(A)に示すように、ステージ10Bは、透明な容器10B3の底面10B1に複数の穴が設けられ、そのうち1つが目標穴10B2に設定される。容器10B3の底面10B1は、略円形状に形成され、目標穴10B2が略円形の中心から外れた位置に設けられている。
図5(A)に示す例では、1回のゲームプレイによって、目標穴10B2にピンポン玉Bが入った状態を示している。
【0062】
図5(B)では、複数回のゲームプレイによっても目標穴10B2にピンポン玉Bが入っていない状態を示している。例えば、目標穴10B2の周囲の穴に先にピンポン玉が入ってしまい、その結果、目標穴10B2の周囲のピンポン玉によってブロックされて目標穴10B2に入り難くなる可能性がある。こうした場合、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積み上がってしまう。
【0063】
図5(B)に示すように、相当数のゲームプレイをしても目標穴10B2にピンポン玉を入れることができない場合、本実施形態におけるゲームシステム5では、目標穴10B2にピンポン玉を入れやすくして(あるいは実質、ピンポン玉が入れられた状態にして)、プレーヤが景品を獲得できるようにするアシストサービスを提供する。
【0064】
アシストサービスの実施条件は、例えば、1プレーヤが同一のゲーム装置10に対して、予め設定された回数以上のゲームプレイをしても目標穴10B2にピンポン玉を入れられなかった場合、あるいは、予め設定された回数以上のゲームプレイをしても目標穴10B2にピンポン玉を入れられなかったプレーヤからアシスト要求があった場合とする。
【0065】
プレーヤのゲームプレイの回数は、例えばゲームサーバ6において管理する。ゲームサーバ6は、ゲームプレイの回数が予め設定された回数以上となったプレーヤがいる場合に、該当するゲーム装置10とプレーヤの情報を表示装置6eに表示させる。また、電子機器2において表示されているゲーム用画面のアシスト要求ボタンに対する入力操作に応じて、アシスト要求を示す操作データが受信された場合に、該当するゲーム装置10とプレーヤの情報を表示装置6eに表示させる。
【0066】
なお、アシストサービスの実施条件については、前述した場合に限るものではなく、ゲームシステム5の運営者が任意に決定することができる。
【0067】
例えば、ゲームプレイの時間の短縮を目的として、前述した実施条件とは関係無く、例えば、プレーヤによるアシスト要求ボタンの操作によるアシスト要求、プレーヤによる課金などに応じてアシストサービスを提供しても良い。さらに、プレーヤからの要求によらず、ゲームレベル(難易度)の調整をするため、すなわち目標穴10B2にピンポン玉を容易に入れられるようにするために、例えばゲーム装置10の実施状況やスタッフの判断、プレーヤによる課金などに応じて、ゲーム開始前あるいはゲーム実行途中でアシストサービスを提供するようにしても良い。
【0068】
アシストサービスの提供方法としては、(1)ゲーム装置10を管理するスタッフがゲームサーバ6の表示装置6eに表示されたアシスト対象とするゲーム装置10を確認して、該当するゲーム装置10のステージ10Bに対して、スタッフによる作業によってアシストパーツを装着する第1形態、(2)ゲームサーバ6のCPU6aによる制御により、アシストパーツ装着用の駆動ユニット(アシスト駆動部75、アクチュエータ80)を動作させて、アシストパーツをゲーム装置10のステージ10Bに装着する第2形態、(3)ゲームサーバ6のCPU6aによる制御により、アシストパーツ装着用の駆動ユニット(アシスト駆動部75、アクチュエータ80)を動作させて、目標穴10B2にピンポン玉が入った状態をつくる第3形態がある。
【0069】
なお、ゲームサーバ6を通じてゲーム装置10の状況を確認しているが、例えばスタッフが直接、ゲーム装置10を確認してアシストサービスを提供しても良い。この場合、個々のゲーム装置10において、アシストサービスの提供が必要な状況を判定して、アシストサービスの提供要求を表示や音声などによって出力して、スタッフに通知するなどしても良い。
【0070】
また、第2形態と第3形態において、ゲームサーバ6(CPU6a)による制御により駆動ユニットを動作させるとしているが、例えばゲームサーバ6とオフラインの状態において、ゲーム装置10が独自に駆動ユニットを動作させるようにしても良い。この場合、前述と同様にして、個々のゲーム装置10において、アシストサービスの提供が必要な状況を判定して、駆動ユニットを動作させることも可能である。
【0071】
はじめに、(1)第1形態によりアシストパーツを装着する場合について説明する。
【0072】
まず、本実施形態におけるアシストサービスにおいて使用されるアシストパーツ(アシスト部材)について説明する。ここでは、第1形状~第6形状のアシストパーツ20A,20B,20C,20D,20E,20Fについて説明する。
【0073】
図6及び
図7は、本実施形態における第1形状のアシストパーツ20Aの一例を示す図である。
図6は、アシストパーツ20Aの外観を示し、
図9は、アシストパーツ20Aを構成する部材を個別に示す図である。
【0074】
図6及び
図7に示すように、アシストパーツ20Aは、3つの部材を組合わせて構成される。すなわち、側面部材20A1、受け部材20A2、穴誘導部材20A3によって構成される。各部材は、例えば透明のプラスチックによって構成される。側面部材20A1と受け部材20A2は、薄型の平面形状により構成され可撓性を有している。穴誘導20A3は、剛性を有しており、ピンポン玉を通過可能な筒(パイプ)状に形成される。穴誘導部材20A3は、一端(上端)側から入ったピンポン玉を目標穴に入る位置まで誘導して他端(下端)側から出す第1部材として用いられる。
【0075】
穴誘導部材20A3は、例えば円柱状をしている。円柱の外径は、ステージ10Bに設けられた目標穴の位置に合わせて穴誘導部材20A3を設置した場合に、目標穴の周辺の穴に入ったピンポン玉と接触しないサイズで形成される。なお、目標穴の周辺の穴に入ったピンポン玉と接触しないサイズであれば、穴誘導部材20A3の外形は円柱状でなくても良く、例えば水平断面が多角形状とする筒(パイプ)状に形成されていても良い。
【0076】
図7に示すように、側面部材20A1には、下辺部に沿って左側に3つの切り込み部A11,A12,A13が設けられ、右側に3つの切り込み部A14,A15,A16が設けられている。また、側面部材20A1には、両方の端部近傍の下辺に切り込みA18,A19が形成される。
【0077】
受け部材20A2は、略台形状に形成され、台形の脚部の辺に、切り込み部A11~A13,A14~A16の切り込みサイズに合わせた差し込み部材A21,A22,A23,A24,A25,A26が形成される。
【0078】
側面部材20A1を中央にて湾曲させて、切り込み部A11,A12,A13に、それぞれに対応する差し込み部材A21,A22,A23を差し込み、同様にして切り込み部A14,A15,A16、それぞれに対応する差し込み部材A24,A25,A26を差し込む。こうして、側面部材20A1と受け部材20A2とを組合わせることで、第2部材が構成される。
【0079】
側面部材20A1を中央にて湾曲させることで、側面部材20A1の中央下部に形成された矩形部A17が湾曲し、穴誘導部材20A3の内径あるいは外径と近い曲面を形成する。これにより、湾曲した矩形部A17と穴誘導部材20A3とを一体化させやすくなる。矩形部A17と穴誘導部材20A3とを、例えば粘着テープ、接着材、ゴムなどによって一体化させることで、側面部材20A1(第2部材)と穴誘導部材20A3(第1部材)とを組合わせた、アシストパーツ20Aを形成することができる。
【0080】
アシストパーツ20Aを構成する各部材は、
図7に示すように、安価な材質で単純な形状となっているため、製造コストを安くすることができる。また、破損しても容易に修理が可能である。
【0081】
こうして、第1部材(穴誘導部材20A3)と第2部材(側面部材20A1,受け部材20A2)とを組合わせることで、クレーンアーム10Aにより落下されたピンポン玉を受け部材20A2において受け止め、側面部材20A1によって受け部材20A2の上から落下しないようにし、受け部材20A2の傾斜によって穴誘導部材20A3の上端側から入るように誘導し、穴誘導部材20A3の上端側から下方に移動(落下)させて下端側から出す、アシストパーツ20Aを構成することができる。
【0082】
図8(A)(B)は、アシストパーツ20Aの装着例を示している。
【0083】
図8(A)は、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載され、目標穴10B2にピンポン玉を入れることが困難な状態を示している。
【0084】
図8(B)は、
図8(A)に示す状態のステージ10Bにアシストパーツ20Aを装着した状態を示している。
図8(A)に示すように、アシストパーツ20Aは、側面部材20A1の端部近傍の下辺に形成された切り込みA18,A19をステージ10Bの容器10B3の上辺に掛ける。切り込みA18,A19の幅は、ステージ10Bの容器10B3の厚さよりも僅かに広く形成される。
【0085】
図9は、アシストパーツ20A(側面部材20A1)の装着時の切り込みA18,A19の周辺を示す図である。
図9に示すように、切り込みA18,A19が側面部材20A1の下辺に形成されているため、容器10B3の上方から載置するだけで、容器10B3の上辺と切り込みA18,A19とを係合させることができる。
図10は、アシストパーツ20Aを装着した時の穴誘導部材20A3の下端部の周辺を示す図である。アシストパーツ20Aは、切り込みA18,A19を容器10B3の上辺に掛けることで、
図10に示すように、穴誘導部材20A3の下端部が目標穴10B2を覆う位置となるサイズで形成される。穴誘導部材20A3は、剛性を有しているため、目標穴10B2の位置でステージ10Bに載置されることで、アシストパーツ20Aを自立させることができる。
【0086】
また、アシストパーツ20Aの装着時、穴誘導部材20A3は、略垂直の状態でステージ10Bに載置される。すなわち、アシストパーツ20Aの装着時、目標穴10B2の周囲に積み上がったピンポン玉に穴誘導部材20A3が触れるおそれがない。また、穴誘導部材20A3は、略垂直な状態で載置されるため、上端から入ったピンポン玉をスムーズに通過させて、確実に目標穴10B2に入れることができる。
【0087】
また、目標穴10B2は、略円形状の容器10B3の底面10B1の中心からずれた位置に配置される。従って、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の位置に合わせた時、2箇所の切り込みA18,A19が容器10B3に同時に係合可能な位置が1箇所に特定される。これにより、不慣れなスタッフであっても、ステージ10Bへのアシストパーツ20Aの装着を、正しく、簡単に、素早く実施することができる。
【0088】
図11は、ステージ10Bにアシストパーツ20Aが装着された後に実施されるゲームの状況を示す図である。
図11(A)は、ゲーム装置10の正面方向からステージ10Bを見た図、
図11(B)は、ゲーム装置10の斜め方向からステージ10Bを見た図である。
【0089】
アシストサービスとしてアシストパーツ20Aが装着された後に、アシストパーツ20Aが装着されたゲーム装置10において、アシストサービスを要求したユーザによるゲームプレイが実施される。ゲームプレイでは、通常時と同じようにして、
図11(A)(B)に示すように、クレーンアーム10Aの動作によって収容器10Cに収容されたピンポン玉が、ステージ10Bの上方まで移動される。
【0090】
クレーンアーム10Aによるステージ10Bの上方の移動先は、毎回、略同じ位置となるように制御される。従って、アシストパーツ20Aの装着位置が、クレーンアーム10Aからピンポン玉が落下される位置に合わせて形成されているので、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉が、アシストパーツ20Aの受け部材20A2に落下する。受け部材20A2は、可撓性を有する薄型のプラスチックにより構成されているため、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉が衝突した時の衝撃を吸収して、跳ねて外部に落下することを防ぐことができる。
【0091】
前述したように受け部材20A2に落下したピンポン玉は、穴誘導部材20A3の上端まで誘導され、穴誘導部材20A3を通って目標穴10B2に確実に入る。目標穴10B2にピンポン玉が入ったことは玉センサ79により検出され、ゲームサーバ6に通知される。これにより、ゲームサーバ6は、ゲーム装置10のゲームプレイで当たりが発生したことを検出することができる。すなわち、アシストサービスを受けたプレーヤは、確実に景品を獲得することができる。
【0092】
このように、本実施形態におけるゲームシステム5では、(1)第1形態によりアシストパーツ20Aをステージ10Bに装着することで、ユーザに対してアシストサービスを実施することができる。
【0093】
次に、アシストパーツ20Aの変形例について、
図12~
図16を参照して説明する。
【0094】
図12は、本実施形態における第2形状(すり鉢型)のアシストパーツ20Bの一例を示す図である。
【0095】
第2形状のアシストパーツ20Bは、ステージ10Bの容器10B3の開口部全体を覆う、すり鉢状のカバー形状に形成される。アシストパーツ20Bのステージ10Bへの装着は、容器10B3に被せるだけで良い。なお、アシストパーツ20Bを正しい位置で被せるため、容器10B3とアシストパーツ20Bとを位置合わせするマークなどを付加することが望ましい。
【0096】
アシストパーツ20Bには、正しい位置で装着された状態の底面10B1に設けられた目標穴10B2の直上に当たる位置に、ピンポン玉Bが通過可能な穴20B1が設けられている。アシストパーツ20Bは、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉を傾斜によって穴20B1に誘導する。穴20B1に誘導されたピンポン玉は、穴20B1から落下して目標穴10B2に入る。
【0097】
このように、第2形状のアシストパーツ20Bを用いることで、アシストパーツ20Aと同様にアシストサービスを実施することができる。アシストパーツ20Bは、容器10B3に被せるだけで良いため装着作業が簡単である。また、アシストパーツ20Bでは、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3のような部材がなくても装着可能であるので簡単な構造にすることができる。なお、穴20B1に誘導されたピンポン玉を確実に目標穴10B2に誘導するため、穴20B1から下方に伸びる穴誘導部材(パイプ)を設けても良い。この場合、穴誘導部材(パイプ)は、アシストパーツ20Bを支える必要がないので、目標穴10B2に到達しない長さでも良い。
【0098】
図13は、本実施形態における第3形状(ワイヤー型)のアシストパーツ20Cの一例を示す図である。
【0099】
第3形状のアシストパーツ20Cは、ワイヤにより粗いメッシュ状で形成された受け部材20C1(第2部材)と穴誘導部材20C2(第1部材)によって構成される。穴誘導部材20C2は、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3と同様の部材を用いることができる。受け部材20C1は、ワイヤの一端が穴誘導部材20C2の上端に係止され、他端がステージ10Bの容器10B3の上辺に掛けられる。
【0100】
受け部材20C1を形成するメッシュは、扇状に形成することで、クレーンアーム10Aから落下されるピンポン玉を広い範囲で受け止めることができる。穴誘導部材20C2の上端の高さは、容器10B3の上端より低いため、受け部材20C1が穴誘導部材20C2の方向に傾斜する。従って、受け部材20C1によって受け止められたピンポン玉は、穴誘導部材20C2に誘導され、穴誘導部材20C2を通って目標穴10B2に入れられる。
【0101】
なお、受け部材20C1と穴誘導部材20C2とを固定して構成しても良いし、両者を分離した構成にして、穴誘導部材20C2を先に装着した後、穴誘導部材20C2と容器10B3との間に受け部材20C1を装着できるようにしても良い。また、アシストパーツ20Aの側面部材20A1と同様に、受け部材20C1に受け止められたピンポン玉が落下しないようにする、ワイヤにより粗いメッシュ状で形成された側面部材を設けても良い。
【0102】
図14は、本実施形態における第4形状(パイプ型)のアシストパーツ20Dの一例を示す図である。
【0103】
第4形状のアシストパーツ20Dは、円筒状のパイプを長さ方向に切断した受け部材20D1(第2部材)と穴誘導部材20D2(第1部材)によって構成される。穴誘導部材20D2は、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3(あるいは穴誘導部材20C2)と同様の部材を用いることができる。受け部材20D1は、パイプの径方向の断面が半円形あるいは弓形となるように形成され、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉を受け止めることができるようにする。
【0104】
受け部材20D1は、一端側の下部には、穴誘導部材20D2の上端と連通される穴が設けられ、穴の位置で穴誘導部材20D2と接合される。受け部材20D1の一端側端部には、受け部材20D1により穴の方向に誘導されるピンポン玉を止めて、穴誘導部材20D2に誘導するためのピンポン玉止め板20D3が設けられている。
【0105】
受け部材20D1の他端側は、ステージ10Bの容器10B3の上端に載置(あるいは固定部材を設けて固定)される。穴誘導部材20D2の上端の高さは、容器10B3の上端より低いため、受け部材20D1が穴誘導部材20D2の方向に傾斜する。従って、受け部材20D1によって受け止められたピンポン玉は、穴誘導部材20D2に誘導され、穴誘導部材20Cを通って目標穴10B2に入れられる。
【0106】
図15は、本実施形態における第5形状(パイプ型)のアシストパーツ20Eの一例を示す図である。
【0107】
第5形状のアシストパーツ20Eは、円筒状のパイプの一部を長さ方向に切断した受け部材20E1(第2部材)と穴誘導部材20E2(第1部材)によって構成される。穴誘導部材20E2は、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3(あるいは穴誘導部材20C2)と同様の部材を用いることができる。
【0108】
第4形状のアシストパーツ20Dは、円筒状のパイプ全体を長さ方向に切断して受け部材20D1を形成しているが、第5形状のアシストパーツ20Eは、円筒状のパイプの一部を長さ方向に切断して開放し、受け部材20E1を形成する。
【0109】
パイプの受け部材20E1と反対側の端部下部には、穴誘導部材20E2の上端と連通される穴が設けられ、穴の位置で穴誘導部材20E2と接合される。パイプの受け部材20E1と反対側の端部は、受け部材20E1により穴の方向に誘導されるピンポン玉を止めて、穴誘導部材20E2に誘導するためのピンポン玉止め板20E3によって閉じられている。
【0110】
図16は、本実施形態における第6形状のアシストパーツ20Fの一例を示す図である。
【0111】
図16に示すように、アシストパーツ20Fは、板状の部材を組合わせて構成される。すなわち、受け部材20F1、穴誘導部材20F2、側面部材20F3によって構成される。各部材は、例えば透明のプラスチックによって構成される。穴誘導部材20F2は、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3(あるいは穴誘導部材20C2)と同様の部材を用いることができる。
【0112】
受け部材20F1の一端側下部には、穴誘導部材20F2の上端と連通される穴が設けられ、穴の位置で穴誘導部材20F2と接合される。受け部材20F1の一端側の3面が側面部材20F3により覆われ、受け部材20F1により穴の方向に誘導されるピンポン玉を止めて、穴誘導部材20F2に誘導する。
【0113】
第6形状のアシストパーツ20Fは、長方形状の受け部材20F1を幅方向に中央で屈曲させている。これにより、受け部材20F1により受け止められたピンポン玉が受け部材20F1から落下しないように、受け部材20F1の中央付近に誘導させながら穴誘導部材20F2の方向に誘導させることができる。
【0114】
図17は、本実施形態における第6形状のアシストパーツ20Gの一例を示す図である。
【0115】
図17に示すように、アシストパーツ20Gは、受け部材20G1と穴誘導部材20G2によって構成される。各部材は、例えば透明のプラスチックによって構成される。受け部材20G1は、上端側が広く下端側ほど狭くなった漏斗状に形成され、下端部に穴誘導部材20G2の上端と連通される穴が設けられ、穴の位置で穴誘導部材20G2と接合される。穴誘導部材20G2は、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3(あるいは穴誘導部材20C2)と同様の部材を用いることができる。
【0116】
アシストパーツ20Gは、目標穴10B2の位置に穴誘導部材20G2の下端部を合わせて自立させることで、ステージ10Bに装着される。穴誘導部材20G2の下端部のステージ10B(底面10B1)との接触面に接着性をもたせることで、アシストパーツ20Gが安定して自立するようにしても良い。アシストパーツ20Gは、ステージ10Bの容器10B3との係合が不要のため装着を容易にすることができる。
【0117】
第6形状のアシストパーツ20Gは、受け部材20G1の上面側面積、すなわちクレーンアーム10Aから落下されるピンポン玉を受け止める面積を、前述したアシストパーツ20A~20Eよりも狭くしている。これにより、アシストサービスによってアシストパーツ20Gが装着されたとしても、確実にピンポン玉を目標穴10B2に入れられることができず、ゲーム性を残しつつ、ゲームのアシストをすることが可能となる。
【0118】
また、アシストパーツ20Gは、略垂直な方向で目標穴10B2に対して設置可能であるので、
図17では図示していないが、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載された状態であっても容易に装着することができる。
【0119】
図18は、本実施形態における第6形状のアシストパーツ20Hの一例を示す図である。
【0120】
図18に示すように、アシストパーツ20Hは、ピンポン玉が通過可能な筒状に構成される。アシストパーツ20Hは、例えば透明のプラスチックによって、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3(あるいは穴誘導部材20C2)と同様の部材を用いることができる。
【0121】
アシストパーツ20Hは、ステージ10Bに設けられた複数の穴のうち、例えば目標穴10B2を除く全ての穴の位置に下端部を合わせて自立させることで、ステージ10Bに装着される。アシストパーツ20Hの下端部のステージ10B(底面10B1)との接触面に接着性をもたせることで、アシストパーツ20Hが安定して自立するようにしても良い。アシストパーツ20Hは、ステージ10Bの容器10B3との係合が不要のため装着を容易にすることができる。
【0122】
図18に示すように、目標穴10B2を除く全ての穴の位置にアシストパーツ20Hを装着することで、目標穴10B2の上方のみが開放された状態となる。すなわち、目標穴10B2の周囲に装着された複数のアシストパーツ20Hによって、目標穴10B2へのピンポン玉の誘導路が構成され、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉が目標穴10B2に入りやすくなる。
【0123】
また、クレーンアーム10Aから落下されたピンポン玉が目標穴10B2へ入らなかった場合、アシストパーツ20Hの筒内に蓄積されていくか、あるいはアシストパーツ20Hと容器10B3との間に蓄積される。これにより、複数のアシストパーツ20Hによって形成された目標穴10B2への誘導路が塞がれることはなく、目標穴10B2へピンポン玉が入らず複数のピンポン玉を落下されたとしてもアシストを継続することができる。
【0124】
また、アシストパーツ20Hの最上部までピンポン玉が蓄積された状態になると、クレーンアーム10Aからアシストパーツ20Hの上に落下したピンポン玉は、アシストパーツ20Hに入らず、上方が開放された状態にある目標穴10B2に誘導されやすくなる。
【0125】
また、
図18に示す例では、複数のアシストパーツ20Hを同じ高さ(長さ)としているが、目標穴10B2に近い位置に設置されるほどアシストパーツ20Hの高さを低くしても良い。これにより、周囲(容器10B3に近い側)に配置されたアシストパーツ20Hから目標穴10B2に近い位置に配置されたアシストパーツ20Hの方向に傾斜が形成され、アシストパーツ20Hに落下したピンポン玉が目標穴10B2の方向に誘導されやすくなる。
【0126】
さらに、前述した説明では、目標穴10B2のみにアシストパーツ20Hを装着しないとしているが、目標穴10B2と目標穴10B2に隣接する穴に対してアシストパーツ20Hを装着しないようにしても良い。これにより、複数のアシストパーツ20Hによって囲まれた、目標穴10B2のみにアシストパーツ20Hを装着しない場合よりも広い(太い)誘導路が形成され、目標穴10B2と目標穴10B2に隣接する穴にピンポン玉が入りやすくすることができる。この場合、目標穴10B2と隣接する穴にピンポン玉が先に入っても、その後、目標穴10B2に入りやすくすることができる。
【0127】
なお、ステージ10Bに装着する複数のアシストパーツ20Hを連結して一体に構成して、ステージ10Bへの装着を容易にすることもできる。
【0128】
図19及び
図20は、本実施形態における第9形状のアシストパーツ20Kの一例を示す図である。
図19は、アシストパーツ20Kがステージ10Bに装着された状態を示し、
図20は、アシストパーツ20Kを裏面側から見た外観図である。
【0129】
図19及び
図20に示すように、アシストパーツ20Kは、基本的にアシストパーツ20Aと同様の構成を有し、側面部材20K1、受け部材20K2、及び穴誘導部材20K3によって構成される。アシストパーツ20Kは、アシストパーツ20Aと穴誘導部材20K3の構成が異なる。
【0130】
穴誘導部材20K3は、例えば3本の棒状部材により形成される。穴誘導部材20K3の3本の棒状部材は、剛性を有しており、ピンポン玉を通過可能な間隔を設けて配置される。3本の棒状部材は、剛性を有しているため、
図19に示すように、アシストパーツ20Aと同様にしてアシストパーツ20Kを自立させることができる。
【0131】
3本の棒状部材は、ステージ10Bに設けられた目標穴の位置に合わせて、穴誘導部材20K3を設置した場合に、目標穴10B2の周辺の穴に入ったピンポン玉と接触しないサイズで形成される。
【0132】
こうして、アシストパーツ20Kのように穴誘導部材20K3を筒状の部材と異なる形状によって構成することができる。なお、
図19及び
図20に示す例では、穴誘導部材20K3を3本の棒状部材によって構成されているが、3本以外の棒状部材によって構成しても良いし、棒状ではなく細い板状の部材であっても良い。また、側面部材20K1に形成された切り込みK18,K19をステージ10Bの容器10B3に係合させることで、少なくとも1本の剛性を有する棒状部材が設けられていれば、アシストパーツ20Kを自立させることができる。この場合、受け部材20K2から落下するピンポン玉を目標穴10B2に誘導するための部材は、棒状部材(あるいは板状の部材)でなくても良く、例えば柔軟性を有する部材(プラスチック、ビニール、布、紙、網など)を用いることもできる。
【0133】
また、前述したアシストパーツ20A,20C~20Hにおいても、それぞれの穴誘導部材をアシストパーツ20Kの穴誘導部材20K3と同様に構成することも可能である。
【0134】
このように、第2形状~第9形状のアシストパーツ20B~20H,20Kによっても、アシストパーツ20Aと同様に使用して、アシストサービスを実施することができる。
【0135】
なお、前述したアシストパーツ20A,20C~20H,20Kは、複数の部材を組合わせて構成されているが、前述と同等の形状が一体成形によって構成されたものでも良い。
【0136】
次に、(2)第2形態によりアシストパーツを装着する場合について説明する。第2形態では、アシストパーツ装着用の駆動ユニットを動作させて、アシストパーツをゲーム装置10のステージ10Bに装着する。
【0137】
アシストパーツを装着させる方法としては、例えば(A)縦回転方法、(B)水平回転方法、(C)前後移動方法がある。以下、それぞれの方法について説明する。
【0138】
(A)縦回転方法の動作について
図21を参照しながら説明する。
【0139】
図21(A)(B)に示すように、第2形態(縦回転方法)によりアシストパーツを装着する場合には、ゲーム装置10の上部筐体内に、ステージ10Bと隣接させて装着ユニット16Aが設置される。装着ユニット16Aは、例えば正面カメラ12Aによるステージ10Bの撮影の邪魔とならないように、ステージ10Bよりも筐体背面側に配置される。
【0140】
装着ユニット16Aには、アクチュエータ80が収容される。縦回転方法の場合、
図21(A)に示すように、ゲーム装置10の正面からの横幅方向と平行に回転軸16A2が設けられ、回転軸16A2にアシストパーツ20Aを支持するための支持部材16A1が回動可能に取り付けられる。
【0141】
支持部材16A1は、略L字型をしており、
図21(A)に示す待機状態(アシストパーツ20Aを装着しない状態)では、アシストパーツ20Aがクレーンアーム10Aの動作の障害とならないように、ステージ10Bの後方位置において、穴誘導部材20A3をステージ10Bの方向に向けて、受け部材20A2が縦向きとなるようにアシストパーツ20Aを保持する。
【0142】
支持部材16A1は、アシストパーツ20Aの装着動作時に、ステージ10Bの容器10B3の上辺を越えて、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の方向に移動可能とし、
図21(B)に示すように、穴誘導部材20A3を目標穴10B2に到達させると共に切り込みA18,A19が容器10B3の上辺に係合するように、略L字型の各辺の長さが設けられる。
【0143】
アシストパーツ20Aの装着動作時には、
図21(A)の矢印に示すように、アシストパーツ20Aを移動させることで、穴誘導部材20A3の先端が、目標穴10B2の上方から目標穴10B2に向けて移動される。従って、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載された状態であっても、周囲のピンポン玉に穴誘導部材20A3が触れることなく、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の位置に設置することができる。
【0144】
周囲のピンポン玉に穴誘導部材20A3が触れにくいようにするため、穴誘導部材20A3を目標穴10B2に対して、できるだけ垂直に近い方向で移動させることが望ましい。すなわち、アシストパーツ20Aと回転軸16A2との距離を長くして、穴誘導部材20A3が回動する軌道の円弧がより直線に近くなるようにする。ただし、筐体サイズを拡大しないように、例えば回転軸16A2の位置を低くするなどして構成するものとする。
【0145】
アクチュエータ80は、アシストパーツ20Aの装着動作時に、アシスト駆動部75からのアシスト信号に応じて動作する。回転軸16A2(アシストパーツ20A)を回動させる動力としては、例えば回転軸16A2を回転させるモータを設けても良いし、
図21(A)に示す待機状態において、図中矢印方向に支持部材16A1を移動させるように付勢する弾性部材(バネ、ゴムなど)と支持部材16A1を待機状態の位置で保持するロック部材を設けて、アクチュエータ80の動作によってロック部材を外す構成としても良い。なお、他の動力を設けることも可能である。
【0146】
図21(A)(B)に示す装着ユニット16Aの構成であれば、装着ユニット16Aの設置位置、装着ユニット16Aにより支持されたアシストパーツ20Aの位置、ステージ10B(目標穴10B2、容器10B3)の位置を合わせて、それぞれを設置しておくことで、回転軸16A2においてアシストパーツ20Aを回動させれば、正確にアシストパーツ20Aをステージ10Bに対して装着することができる。従って、アシストパーツ20Aの自動装着を、低コスト、省スペースによって実現することができる。
【0147】
(B)水平回転方法の動作について
図22を参照しながら説明する。
【0148】
図22(A)(B)に示すように、第2形態(水平回転方法)によりアシストパーツを装着する場合には、ゲーム装置10の上部筐体内に、ステージ10Bと隣接させて装着ユニット16Bが設置される。装着ユニット16Bは、例えば正面カメラ12Aによるステージ10Bの撮影の邪魔とならないように、ステージ10Bよりも筐体背面側に配置される。
【0149】
装着ユニット16Bには、アクチュエータ80が収容される。水平回転方法の場合、
図22(A)に示すように、装着ユニット16Bから垂直に伸びる回転軸16B3と、回転軸16B3と共に回転するスライドレール16B2が設けられる。回転軸16B3とスライドレール16B2は、スライドレール支え16B4によって支持されている。アシストパーツ20Aは、アシストパーツ20Aの上端近傍から水平方向に伸びる支持部材16B1により支持される。回転軸16B3は、スライドレール支え16B4によって支持された状態で回転可能に取り付けられる。
【0150】
支持部材16B1とスライドレール16B2は、
図22(A)に示す待機状態(アシストパーツ20Aを装着しない状態)では、アシストパーツ20Aがクレーンアーム10Aの動作の障害とならないように、ステージ10Bの後方位置において、アシストパーツ20Aを水平状態で、支持部材16B1とスライドレール16B2が横向き(
図22(A)では左向き)となるようにアシストパーツ20Aを保持する。スライドレール支え16B4は、スライドレール16B2が横向きにある状態では、高さを維持するように、スライドレール16B2を下から支える。
【0151】
支持部材16B1及びスライドレール16B2は、アシストパーツ20Aの装着動作時に、ステージ10Bの容器10B3の上辺を越えて、
図22(A)に示す矢印のように、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の上方に回動可能な高さで保持する。
【0152】
支持部材16A1は、
図22(B)に示すように、アシストパーツ20Aの装着時に、穴誘導部材20A3を目標穴10B2に到達させると共に切り込みA18,A19が容器10B3の上辺に係合するように、スライドレール16B2からの長さが設けられる。
【0153】
アシストパーツ20Aの装着動作時には、
図22(A)の矢印に示すように、回転軸16B3を回転させることで、支持部材16B1及びスライドレール16B2を一体に回転させ、アシストパーツ20Aを水平に移動させる。これにより、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3の先端が、目標穴10B2の上方に位置するように移動させる。
【0154】
スライドレール16B2が正面向きとなるまで回転されると、スライドレール支え16B4によるスライドレール16B2に対する下からの支えが外れて、
図22(B)に示すように、スライドレール16B2が落下する。これにより、支持部材16B1によって支持されたアシストパーツ20Aがスライドレール16B2の落下と共に落下する。
【0155】
この時、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3の先端が、目標穴10B2の上方に位置するように移動されているので、穴誘導部材20A3が目標穴10B2に載置され、切り込みA18,A19が容器10B3の上辺に係合される。
【0156】
この時、穴誘導部材20A3が目標穴10B2に対して略垂直方向に移動されるので、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載された状態であっても、周囲のピンポン玉に穴誘導部材20A3が触れることなく、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の位置に設置することができる。
【0157】
アクチュエータ80は、アシストパーツ20Aの装着動作時に、アシスト駆動部75からのアシスト信号に応じて動作する。回転軸16B3(アシストパーツ20A)を回動させる動力としては、例えば回転軸16B3を回転させるモータを設けても良いし、
図22(A)に示す待機状態において、図中矢印方向に支持部材16A1を移動させるように付勢する弾性部材(バネ、ゴムなど)と支持部材16B1を待機状態の位置で保持するロック部材を設けて、アクチュエータ80の動作によってロック部材を外す構成としても良い。なお、他の動力を設けることも可能である。
【0158】
図22(A)(B)に示す装着ユニット16Aの構成であれば、アシストパーツ20Aの装着時に、穴誘導部材20A3を垂直方向に移動させて目標穴10B2に載置できるので、目標穴10B2の周囲に積載されたピンポン玉に接触するおそれがなく、ステージ10Bの現状に影響を与えることなく確実にアシストパーツ20Aを装着することができる。また、装着ユニット16Bの設置位置、装着ユニット16Bにより支持されたアシストパーツ20Aの位置、ステージ10B(目標穴10B2、容器10B3)の位置を合わせて、それぞれを設置しておくことで、回転軸16B3を回転させれば、アシストパーツ20Aの装着位置(正面向きの位置)において、スライドレール16B2が落下して、正確にアシストパーツ20Aをステージ10Bに対して装着することができる。従って、アシストパーツ20Aの自動装着を、低コスト、省スペースによって実現することができる。
【0159】
(C)前後移動方法の動作について
図23を参照しながら説明する。
【0160】
図23(A)(B)に示すように、第2形態(前後移動方法)によりアシストパーツを装着する場合には、ゲーム装置10の上部筐体内に、ステージ10Bと隣接させて装着ユニット16Cが設置される。装着ユニット16Cは、例えば正面カメラ12Aによるステージ10Bの撮影の邪魔とならないように、ステージ10Bよりも筐体背面側に配置される。
【0161】
装着ユニット16Cには、アクチュエータ80が収容される。前後移動方法の場合、
図23(A)に示すように、前後方向(筐体奥-手前方向)に移動する移動ユニット16C1(スライダ)と、移動ユニット16C1Cに取り付けられた垂直に伸びるスライドレール16C3と、スライドレール16C3の上端近傍から前方水平方向に伸びる支持部材16C1が設けられる。スライドレール16C3は、装着ユニット16Cの上面部において下から支えられており、装着ユニット16Cの上面部から外れた位置に移動されることで、下方向に落下する。アシストパーツ20Aは、スライドレール16C3と支持部材16C1により支持される。
【0162】
装着ユニット16Cの筐体高さは、ステージ10Bの容器10B3の上辺より高く構成される。また、移動ユニット16C1は、
図23(A)に示す待機状態では、後方(奥側)に位置し、
図23(B)に示す装着態では、前方(手前)に移動する。従って、待機状態(アシストパーツ20Aを装着しない状態)では、アシストパーツ20Aがクレーンアーム10Aの動作の障害とならないように、ステージ10Bの後方位置において水平状態で支持される。
【0163】
また、支持部材16C1及びスライドレール16C3により、アシストパーツ20Aの装着動作時に、
図23(A)に示す矢印のように、移動ユニット16C1が後方位置から前方に移動した際に、ステージ10Bの容器10B3の上辺を越える高さで支持される。
【0164】
支持部材16C1は、
図23(B)に示すように、アシストパーツ20Aの装着時に、穴誘導部材20A3を目標穴10B2に到達させると共に切り込みA18,A19が容器10B3の上辺に係合するように、スライドレール16C3からの長さが設けられる。
【0165】
アシストパーツ20Aの装着動作時には、
図23(A)の矢印に示すように、移動ユニット16C2を後方位置から前方に移動させることで、支持部材16C1及びスライドレール16C3を一体に前方に移動させる。これにより、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3の先端が、目標穴10B2の上方に位置するように移動させる。
【0166】
移動ユニット16C2が装着ユニット16Cの前端まで移動されると、スライドレール16C3に対する装着ユニット16Cの上面部による下からの支えが外れて、
図23(B)に示すように、スライドレール16C3が落下する。これにより、支持部材16C1によって支持されたアシストパーツ20Aがスライドレール16C3の落下と共に落下する。
【0167】
この時、アシストパーツ20Aの穴誘導部材20A3の先端が、目標穴10B2の上方に位置するように移動されているので、穴誘導部材20A3が目標穴10B2に載置され、切り込みA18,A19が容器10B3の上辺に係合される。
【0168】
この時、穴誘導部材20A3が目標穴10B2に対して略垂直方向に移動されるので、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載された状態であっても、周囲のピンポン玉に穴誘導部材20A3が触れることなく、穴誘導部材20A3を目標穴10B2の位置に設置することができる。
【0169】
アクチュエータ80は、アシストパーツ20Aの装着動作時に、アシスト駆動部75からのアシスト信号に応じて動作する。移動ユニット16C1(アシストパーツ20A)を前方に移動させる動力としては、例えば移動ユニット16C1を水平移動させる機構を動かすモータを設けても良いし、
図23(A)に示す待機状態において、図中矢印方向に移動ユニット16C1を移動させるように付勢する弾性部材(バネ、ゴムなど)と移動ユニット16C1を待機状態の位置で保持するロック部材を設けて、アクチュエータ80の動作によってロック部材を外す構成としても良い。なお、他の動力を設けることも可能である。
【0170】
図23(A)(B)に示す装着ユニット16Cの構成であれば、アシストパーツ20Aの装着時に、穴誘導部材20A3を垂直方向に移動させて目標穴10B2に載置できるので、目標穴10B2の周囲に積載されたピンポン玉に接触するおそれがなく、ステージ10Bの現状に影響を与えることなく確実にアシストパーツ20Aを装着することができる。また、装着ユニット16Bの設置位置、装着ユニット16Bにより支持されたアシストパーツ20Aの位置、ステージ10B(目標穴10B2、容器10B3)の位置を合わせて、それぞれを設置しておくことで、移動ユニット16C1を前方向に移動させれば、アシストパーツ20Aの装着位置において、スライドレール16C3が落下して、正確にアシストパーツ20Aをステージ10Bに対して装着することができる。従って、アシストパーツ20Aの自動装着を、低コスト、省スペースによって実現することができる。
【0171】
なお、
図21~
図23ではアシストパーツ20Aを用いているが、前述した第3形状~第7形状、及び第9形状のアシストパーツ20C,20D,20E,20F,20G,20Kを用いることも可能である。ただし、第3形状のアシストパーツ20Cを用いる場合、受け部材20C1と穴誘導部材20C2とを固定して構成されているものとする。
【0172】
次に、(3)第3形態により目標穴10B2にピンポン玉に入った状態をつくる場合について説明する。第3形態では、前述した第1形態及び第2形態のように、アシストパーツ20Aをステージ10Bに装着して、プレーヤの操作によりピンポン玉を目標穴10B2に入れさせるのではなく、プレーヤに操作をさせることなく、目標穴10B2にピンポン玉に入った状態をつくる。
【0173】
図24(A)(B)に示すように、第3形態の場合には、ゲーム装置10の上部筐体内に、ステージ10Bと隣接させて装着ユニット16Dが設置される。装着ユニット16Dは、例えば正面カメラ12Aによるステージ10Bの撮影の邪魔とならないように、ステージ10Bよりも筐体背面側に配置される。
【0174】
装着ユニット16Dには、アクチュエータ80が収容される。装着ユニット16Dは、
図24(A)に示すように、ゲーム装置10の正面からの横幅方向と平行に回転軸16D3が設けられ、回転軸16D3に玉16D2を支持するための支持部材16D1が回動可能に取り付けられる。玉16D2は、例えばゲーム装置10で使用されるピンポン玉であっても良いし、ピンポン玉と同形状の他の物体でも良い。すなわち、玉16D2が目標穴10B2に設置された時に、玉センサ79によって検出されるものであれば良い。
【0175】
支持部材16D1は、略コ字型をしており、一端近傍において回転軸16D3と回動可能に取り付けられ、他端先端に玉16D2が取り付けられている。
図24(A)に示す待機状態では、支持部材16D1は、玉16D2がクレーンアーム10Aの動作の障害とならないように、ステージ10Bの後方位置において、玉16D2をステージ10Bの方向に向けて保持する。
【0176】
支持部材16D1は、玉16D2の設置時に、ステージ10Bの容器10B3の上辺を越えて、玉16D2を目標穴10B2の方向に移動可能とし、
図24(B)に示すように、玉16D2を目標穴10B2に到達させるように、略コ字型の各辺の長さが設けられる。なお、前述した略コ字型の支持部材16D1と同様の機能を有していれば、略コ字型以外の形状、例えば多角形状、円弧状などの形状であっても良い。
【0177】
玉16D2の設置時には、
図24(A)の矢印に示すように、玉16D2を移動させることで、玉16D2の先端が、目標穴10B2の上方から目標穴10B2に向けて移動される。従って、目標穴10B2の周囲にピンポン玉が積載された状態であっても、周囲のピンポン玉に玉16D2が触れることなく、玉16D2を目標穴10B2の位置に設置することができる。
【0178】
周囲のピンポン玉に玉16D2が触れにくいようにするため、玉16D2を目標穴10B2に対して、できるだけ垂直に近い方向で移動させることが望ましい。すなわち、玉16D2と回転軸16D3との距離を長くして、玉16D2が回動する軌道の円弧がより直線に近くなるようにする。ただし、筐体サイズを拡大しないように、例えば回転軸16D3の位置を低くするなどして構成するものとする。
【0179】
アクチュエータ80は、玉16D2の設置時に、アシスト駆動部75からのアシスト信号に応じて動作する。回転軸16D3(玉16D2)を回動させる動力としては、例えば回転軸16D3を回転させるモータを設けても良いし、
図24(A)に示す待機状態において、図中矢印方向に支持部材16D1を移動させるように付勢する弾性部材(バネ、ゴムなど)と支持部材16D1を待機状態の位置で保持するロック部材を設けて、アクチュエータ80の動作によってロック部材を外す構成としても良い。なお、他の動力を設けることも可能である。
【0180】
図24(A)(B)に示す装着ユニット16Dの構成であれば、装着ユニット16Dの設置位置、装着ユニット16D(支持部材16D1)により支持された玉16D2の位置、ステージ10B(目標穴10B2、容器10B3)の位置を合わせて、それぞれを設置しておくことで、回転軸16D3において玉16D2を回動させれば、正確に玉16D2を目標穴10B2に対して設置することができる。従って、玉16D2の自動装着を、低コスト、省スペースによって実現することができる。
【0181】
また、第3形態では、プレーヤからのアシストサービスの要求に対して、装着ユニット16Dを動作させることで、直ちに目標穴10B2にピンポン玉に入った状態にして、プレーヤが景品を獲得したものとすることができる。すなわち、装着ユニット16Dの動作後にプレーヤのクレーンアーム10Aを制御する操作を必要としないため、ゲームプレイ時間を短縮して、ゲーム装置10の稼働効率を向上させることができる。
【0182】
なお、前述した第3形態では、装着ユニット16Dを動作させることで、支持部材16D1により支持された玉16D2を目標穴10B2に入れるとしているが、装着ユニット16Dにステージ10Bの外部から物体を投げ入れる構成を設け、装着ユニット16Dを動作させることで目標穴10B2に設置するようにしても良い。この場合、装着ユニット16Dから物体を投げ入れる強さ、方向などを調整して設置することで、物体を目標穴10B2に設置することができる。
【0183】
目標穴10B2にピンポン玉に入った状態としては、玉センサ79によって物体が穴に入ったことが検出されれば良いので、必ずしもピンポン玉を目標穴10B2に入れる必要は無く、玉センサ79によって検出される物体を目標穴10B2の上に設置できれば良い。
【0184】
なお、第2形態及び第3形態では、装着ユニット16A~16Dをステージ10Bよりも筐体背面側に配置するとしているが、装着ユニット16A~16Dとステージ10B(目標穴10B2)の位置を合わせて、それぞれを設置することにより、筐体背面側以外の場所に配置することも可能である。
【0185】
また、前述した第2形態及び第3形態についての説明では、アシストパーツ20Aを装着する場合について説明しているが、アシストサービスを提供して、ゲームプレイが終了した後に、ステージ10Bに装着されたアシストパーツ20Aを装着ユニット16A~16Dによって初期位置に戻すようにしても良い。この場合、装着ユニット16A~16Dには、モータなどの動力を設け、アシストパーツ20Aを初期位置に戻すように、装着時と逆の動作を実行させる。
【0186】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0187】
2…電子機器、6…ゲームサーバ、6a…CPU、10…ゲーム装置、10A…クレーンアーム、10B…ステージ、10B1…底面10、10B2…目標穴、10B3…容器、10C…収容器、12A…正面カメラ、13A…上部カメラ、14A…側面カメラ、20A,20B,20C,20D,20E,20F…アシストパーツ、B…ピンポン玉、16A,16B,16C,16D…装着ユニット。