(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/06 20220101AFI20240129BHJP
【FI】
H04L41/06
(21)【出願番号】P 2023540663
(86)(22)【出願日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2023024526
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2023033236
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良哉
(72)【発明者】
【氏名】森藤 福真
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0296029(US,A1)
【文献】特開2015-171010(JP,A)
【文献】特開平07-143123(JP,A)
【文献】特表2015-515832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0058284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ISP網、前記ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網を含むネットワーク上の前記ISP網から前記固定通信網を経由する経路上のノード、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答を基に障害の発生を監視
し、さらに前記固定通信網と前記移動体通信網の両方に接続されたCPEへのログインを試みることで障害の発生を監視する監視部と、
前記ネットワークに含まれる前記ISP網、前記固定通信網及び前記移動体通信網、及び前記閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの前記固定通信網及び前記移動体通信網への接続状況を可視化した画面を表示させ、前記監視部が前記固定通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答をそれぞれ前記画面に表示させ
、さらに前記監視部による前記CPEへのログインの結果を表示させる表示制御部と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記ユーザの複数の拠点からの前記固定通信網及び前記移動体通信網への接続状況を前記画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記ISP網に構築されたVPN接続の情報を前記画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記監視部による監視結果を基に、前記トポロジに含まれるノードであって、障害が発生したノードを示す情報を前記画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
ISP網、前記ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網を含むネットワーク上の前記ISP網から前記固定通信網を経由する経路上のノード、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答を基に障害の発生を監視
し、さらに前記固定通信網と前記移動体通信網の両方に接続されたCPEへのログインを試みることで障害の発生を監視する監視工程と、
前記ネットワークに含まれる前記ISP網、前記固定通信網及び前記移動体通信網、及び前記閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの前記固定通信網及び前記移動体通信網への接続状況を可視化した画面を表示させ、前記監視工程が前記固定通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答をそれぞれ前記画面に表示させ
、さらに前記監視工程による前記CPEへのログインの結果を表示させる表示制御工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項6】
ISP網、前記ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網を含むネットワーク上の前記ISP網から前記固定通信網を経由する経路上のノード、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答を基に障害の発生を監視
し、さらに前記固定通信網と前記移動体通信網の両方に接続されたCPEへのログインを試みることで障害の発生を監視する監視ステップと、
前記ネットワークに含まれる前記ISP網、前記固定通信網及び前記移動体通信網、及び前記閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの前記固定通信網及び前記移動体通信網への接続状況を可視化した画面を表示させ、前記監視ステップが前記固定通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答、及び前記移動体通信網を経由する経路上のノードに対して送出したPingに対する応答をそれぞれ前記画面に表示させ
、さらに前記監視ステップによる前記CPEへのログインの結果を表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークの構成をマップ上に可視化する技術が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】ネットワーク可視化/自動化&マップベースマネジメント NetworkBrain、[online]、[2023年2月24日検索]、インターネット(https://www.ntt-at.co.jp/product/networkbrain/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ネットワーク上の限られた情報しか可視化できないという問題がある。例えば、ユーザがネットワークに接続された複数の拠点を有している場合、非特許文献1に記載の技術では、各拠点のネットワーク構成を可視化することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、情報提供装置は、ネットワーク上の障害の発生を監視する監視部と、前記ネットワークに含まれるISP(Internet Service Provider)網、前記ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの前記固定通信網及び前記移動体通信網への接続状況と、前記監視部による監視結果と、を可視化した画面を表示させる表示制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ネットワーク構成に関する多くの情報を可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、ネットワーク全体の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、ネットワーク構成画面の例を示す図である。
【
図4】
図4は、監視処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、情報提供プログラムを実行するコンピュータの構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、SD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)のネットワークの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
まず、
図1を用いて、情報提供装置を含むネットワーク全体の構成を説明する。
図1は、ネットワーク全体の構成を示す図である。
【0010】
図1に示すように、ネットワークは、ISP(Internet Service Provider)網N1、固定通信網N2及び移動体通信網N3を含む。固定通信網N2及び移動体通信網N3は、ISP網N1と接続される。
【0011】
ISP網N1は、ISPによって提供されるネットワークである。例えば、ISPは、ISP網N1を使って接続サービスを提供する。接続サービスによれば、ユーザの端末は、クラウド等の外部のネットワークへアクセスすることができる。
【0012】
固定通信網N2は、回線事業者によって提供されるネットワークである。固定通信網N2は、光ファイバケーブル等を用いた有線通信ネットワークである。回線事業者は、固定通信網N2を使って光回線を提供することができる。
【0013】
移動体通信網N3は、回線事業者によって提供されるネットワークである。移動体通信網N3は、電波を用いた無線通信ネットワークである。回線事業者は、移動体通信網N3を使って5G、4G、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信回線を提供することができる。
【0014】
また、ユーザの各拠点には、CPE(Customer Premises Equipment)が配置される。CPEには、1つ以上の端末が接続される。各拠点では、CPEによってユーザネットワークが構成される。
【0015】
図1の例では、拠点AにはCPE10aが配置される。CPE10aには、端末21a、端末22a、及び端末23aが接続される。また、拠点BにはCPE10bが配置される。CPE10bには、端末21b、端末22b、及び端末23bが接続される。
【0016】
以下の説明では、CPE10a及びCPE10bを区別せずにCPE10と呼ぶ場合がある。CPE10は、固定通信網N2と移動体通信網N3の両方に接続される。なお、ネットワークに含まれるCPEの数、及びCPEに接続される端末の数は図示のものに限られない。
【0017】
CPE10に接続される端末は、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末及びスマートフォン等である。CPE10に接続される端末は、複合機、ウェアラブル端末及びセンサ等のIoT機器であってもよい。CPE10と端末は、有線又は無線で接続される。
【0018】
また、情報提供装置30は、ネットワーク全体の情報を収集し、収集した情報をユーザに提供する。情報提供装置30は、ISP網N1内に配置される。情報提供装置30が配置される位置は、図示のものに限られず、ネットワークの各ノードの情報を収集可能な位置であればよい。なお、ノードは、ネットワークを構成する端末、サーバ、ネットワーク機器等である。
【0019】
図2は、情報提供装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を有する。
【0020】
通信部31は、他の装置と通信を行う。通信部31は、例えばNIC(Network Interface Card)である。
【0021】
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0022】
記憶部32は、情報提供装置30で実行されるOS(Operating System)及び各種プログラムを記憶する。記憶部32は、トポロジ情報321及び障害情報322を記憶する。
【0023】
トポロジ情報321は、ネットワークのトポロジである。トポロジ情報321はネットワークの各ノードと、ノード間の接続を表すエッジを含むグラフ形式のデータである。ノードは、物理的な装置だけでなく、サービス等の仮想的又は論理的な要素を含む。また、エッジは、有線接続及び無線接続に加え、サービスの利用状況を表す。
【0024】
障害情報322は、ネットワークの障害に関する情報である。障害情報322は、トポロジ情報321に含まれるノード及びエッジのうち、障害が発生しているノード及びエッジを特定する情報を含む。また、障害情報322は、障害の内容を含む。
【0025】
制御部33は、情報提供装置30全体を制御する。制御部33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0026】
また、制御部33は、各種の処理手順を規定したプログラム及び制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部33は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0027】
例えば、監視部331及び表示制御部332を有する。
【0028】
監視部331は、ネットワーク上の障害の発生を監視する。監視部331は、ISP網及びユーザの拠点の端末又はCPE10を含む通信経路上のノードに対して接続テストを実行し、接続テストの結果を基に当該ノードに障害が発生しているか否かを判定する。
【0029】
監視部331は、障害が発生しているノード及び障害の内容を、障害情報322に追加する。
【0030】
例えば、監視部331は、ネットワーク上の特定のノードにPingを送信した結果を基に当該ノードに障害が発生しているか否かを判定する。また、監視部331は、ネットワーク上の特定のノードにおいて提供される管理ポータルへのログインを試みることで、当該ノードに障害が発生しているか否かを判定する。
【0031】
表示制御部332は、ネットワークに含まれるISP網、ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの固定通信網及び移動体通信網への接続状況と、監視部331による監視結果と、を可視化した画面を表示させる。
【0032】
表示制御部332は、トポロジ情報321からトポロジを取得する。また、表示制御部332は、障害情報322から障害が発生しているノード及び障害の内容を取得する。
【0033】
なお、表示制御部332は、拠点の端末に画面を表示させることができる。ユーザは、端末を介して表示制御部332によって表示される画面を見ることができる。
【0034】
表示制御部332は、
図3に示すネットワーク構成画面500を表示させる。
図3は、ネットワーク構成画面の例を示す図である。
【0035】
図3に示すように、ネットワーク構成画面500の領域501には、ネットワークのトポロジが表示される。CPE、CPEに接続された端末、固定通信網、移動体通信網、ISP網、VPN(Virtual Private Network)接続、接続サービス、クラウドがノードに相当する。また、ノード間の接続は線(エッジ)によって表される。点線は、ノード間が無線で接続されることを意味する。また、接続サービスのノードは、閉域網を示している。
【0036】
図3に示すように、表示制御部332は、ユーザの複数の拠点(拠点A及び拠点B)からの固定通信網及び移動体通信網への接続状況を表示させる。また、表示制御部332は、ISP網に構築されたVPN接続の情報を表示させる。
【0037】
端末、CPEは物理的な装置を表すノードである。VPN接続、接続サービスは、仮想的(又は論理的)な要素を表すノードである。固定通信網、移動体通信網、ISP網は、クラウドは、多数の物理的な装置、及び仮想的な要素を内包するノードである。
【0038】
表示制御部332は、監視部331による監視結果を基に、トポロジに含まれるノードであって、障害が発生したノードを示す情報を表示させる。例えば、表示制御部332は、領域501において、障害が発生したノードを特定の色で塗りつぶしてもよいし、障害が発生したノード又は当該ノードと接続するエッジに、特定のオブジェクト(例えば、×印)を重畳表示させてもよい。
【0039】
また、表示制御部332は、領域502及び領域503に、障害の内容を表示させる。例えば、領域502には、拠点AのCPEに発生している障害の内容が示されている。また、領域503には、接続テストの結果が示されている。
【0040】
図4を用いて、監視部331によって実行される監視処理について説明する。
図4は、監視処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図4に示すように、まず、監視部331は、通信経路上のノードに対して接続テストを実行する(ステップS101)。例えば、接続テストはPingの送出である。例えば、通信経路は、
図1の拠点Aの端末21a、端末22a及び端末23aから、固定通信網N2又は移動体通信網N3、及びISP網N1を経由してクラウドに至る経路である。
【0042】
監視部331は、接続に成功した場合(例えば、Pingに応答があった場合)(ステップS102、Yes)、ステップS101に戻り、別のノードに対して接続テストを実行する。
【0043】
監視部331は、接続に成功しなかった場合(例えば、Pingに応答がなかった場合)(ステップS102、No)、障害が発生しているノードを特定し、特定したノードを障害の内容とともに障害情報322に記録する(ステップS103)。
【0044】
図5を用いて、表示制御部332によって実行される表示制御処理について説明する。
図5は、表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、まず、表示制御部332は、障害が発生しているノードをトポロジ上に表示させる(ステップS201)。また、表示制御部332は、障害の内容を表示させる(ステップS202)。例えば、表示制御部332は、障害情報322から取得した情報を、ネットワーク構成画面500に表示させる。
【0046】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、情報提供装置30は、監視部331及び表示制御部332を有する。監視部331は、ネットワーク上の障害の発生を監視する。表示制御部332は、ネットワークに含まれるISP網、ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの固定通信網及び移動体通信網への接続状況と、監視部331による監視結果と、を可視化した画面を表示させる。このように、情報提供装置30は、障害に関する情報を含む、ネットワーク構成に関する多くの情報を可視化することができる。
【0047】
表示制御部332は、ユーザの複数の拠点からの固定通信網及び移動体通信網への接続状況を画面に表示させる。これにより、ユーザは複数の拠点の接続状況を直感的に把握することができる。
【0048】
表示制御部332は、ISP網に構築されたVPN接続の情報を画面に表示させる。これにより、ユーザは、物理的なネットワークのトポロジだけでなく、仮想的なネットワークの状況を知ることができる。
【0049】
表示制御部332は、監視部331による監視結果を基に、トポロジに含まれるノードであって、障害が発生したノードを示す情報を画面に表示させる。これにより、ユーザは障害が発生した箇所を直感的に把握することができる。
【0050】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
【0051】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0052】
[プログラム]
一実施形態として、情報提供装置30は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の情報処理を実行する情報提供プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の情報提供プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を情報提供装置30として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置には、タブレット型端末、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0053】
図6は、情報提供プログラムを実行するコンピュータの構成例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0054】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0055】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS(Operating System)1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、情報提供装置30の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、情報提供装置30における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0057】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0058】
[SD-WANとの対比]
従来、ネットワークをソフトウェアで制御するSDN(Software Defined Networking)をWAN(Wide Area Network)に適用するSD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)と呼ばれる技術が知られている。SD-WANによれば、拠点間接続及びクラウド接続等における柔軟なネットワーク構成及びトラフィックコントロールが実現される(参考文献:Software-Defined Network Service(https://www.ntt.com/business/services/network/vpn/sd-networks.html))。
【0059】
一方で、SD-WANでは、上記の実施形態を実現することは困難である。このことを、
図7を用いて説明する。
図7は、SD-WANのネットワークの構成を示す図である。
【0060】
図7に示すように、SD-WANが実施される場合、各拠点にはSDN機器が設置される。拠点Aには、SDN機器60aが設置される。また、拠点Bには、SDN機器60bが設置される。
【0061】
SDN機器60a及びSDN機器60bとサービス提供ネットワーク80との間は、VPN(Virtual Private Network)によって接続される。サービス提供ネットワーク80は、拠点間又は拠点とクラウドとの間を接続する接続サービスを提供するために、サービス提供者によって用いられるネットワークである。
【0062】
VPNトンネル70aは、固定通信網N2の上に構築される仮想的な回線であり、SDN機器60aとサービス提供ネットワーク80とを接続する。VPNトンネル70bは、固定通信網N2の上に構築される仮想的な回線であり、SDN機器60bとサービス提供ネットワーク80とを接続する。VPNトンネル70a及びVPNトンネル70bにより、VPNが実現される。
【0063】
また、SD-WANには、端末がサービス提供ネットワーク80を介さずにクラウド等に接続するブレイクアウト機能が含まれる場合がある。例えば、ブレイクアウト機能が使用される場合、SDN機器60aは、固定通信網N2及びISP網N1を介してクラウドに接続する。
【0064】
ここで、SDN機器60a及びSDN機器60bには、固定通信網N2と移動体通信網N3との両方にパケットを送信する機能を有していない。このため、SDN機器60a及びSDN機器60bは、固定通信網N2と移動体通信網N3のいずれかを選択して、選択した通信網を用いて端末に通信を実行させることはできない。
【0065】
例えば、SDN機器60a及びSDN機器60bは、収容する端末と固定通信網N2との間の通信を中継するものの、収容する端末と移動体通信網N3との間の通信を中継しない。
【0066】
そもそも、サービス提供ネットワーク80を用いるサービス提供者は、VPNを介した接続サービスを提供しているに過ぎない。このため、サービス提供ネットワーク80からは、ISP網N1、固定通信網N2及び移動体通信網N3の輻輳及び障害の発生状況を取得することはできない。
【0067】
また、上記の実施形態では、ISP網N1をSD(Software-Defined)化することで、SD-WANと同様の機能を包含した接続サービスの提供が可能になる。例えば、SD化されたISP網N1(以下、アンダーレイネットワークシステム)は、VPN及びブレイクアウト機能に加え、ソフトウェアによるネットワーク品質の制御、管理ポータルの提供、DPI(Deep Packet Inspection)等によるセキュリティ機能を提供することができる。ネットワーク品質の制御には、ギャランティ型とベストエフォート型との間での接続形態の切り替え、帯域変更等が含まれる。
【0068】
また、情報提供装置30は、アンダーレイネットワークシステムによって実現されてもよい。この場合、監視部331は、ISP網N1、固定通信網N2及び移動体通信網N3の輻輳及び障害の発生状況を監視することができる。前述の通り、監視部331は、ISP網及びユーザの拠点の端末又はCPE10を含む通信経路上のノードに対して接続テストを実行することができる。一方で、
図7に示すサービス提供ネットワーク80は、CPE10への通信経路上のノードに対して接続テストを実行することはできない。
【0069】
各拠点とアンダーレイネットワークシステムとの間ではVPNが用いられる必要がない。このため、通信制御部141は、端末から送信されたパケットを、トンネリングすることなく固定通信網N2又は移動体通信網N3に送信する。
【0070】
CPE10は、トンネリング等VPNに関する機能を一切備えていなくてもよい。この場合、CPE10は、端末から送信されたパケットを、常に(決して)トンネリングすることなく固定通信網N2又は移動体通信網N3に送信する。
【符号の説明】
【0071】
N1 ISP網
N2 固定通信網
N3 移動体通信網
10、10a、10b CPE
30 情報提供装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
321 トポロジ情報
322 障害情報
331 監視部
332 表示制御部
500 ネットワーク構成画面
501、502、503 領域
【要約】
情報提供装置(30)は、監視部(331)及び表示制御部(332)を有する。監視部(331)は、ネットワーク上の障害の発生を監視する。表示制御部(332)は、ネットワークに含まれるISP網、ISP網に接続する固定通信網及び移動体通信網、及び閉域網の接続関係を示すトポロジと、ユーザの拠点からの固定通信網及び移動体通信網への接続状況と、及び監視部(331)による監視結果と、を可視化した画面を表示させる。