(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】SiC体積形状物およびブール(BOULE)の形成方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/36 20060101AFI20240130BHJP
C30B 23/06 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C30B29/36 A
C30B23/06
(21)【出願番号】P 2020502521
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(86)【国際出願番号】 US2018024978
(87)【国際公開番号】W WO2018183585
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519350764
【氏名又は名称】パリデュス インク
【氏名又は名称原語表記】PALLIDUS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】デュークス, ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】サンドグレン, グレン
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス, アンドリュー, アール.
(72)【発明者】
【氏名】バーリンガム, イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ランド, マーク, エス.
【合議体】
【審判長】宮澤 尚之
【審判官】河本 充雄
【審判官】立木 林
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/049344(WO,A2)
【文献】特開2010-095420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B29/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物は開口部を画定する外形を有し;
e. 該体積形状物がその内部に多数の空隙を有し、それによって多孔質とされ、該体積形状物が3.0g/cc未満の見掛け密度を有する、ソース材料。
【請求項2】
該SiC顆粒が、約0.1μmから約20.0μmの一次粒子D
50サイズを有する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項3】
該SiC顆粒が、約0.5μmから約10.0μmの一次粒子D
50サイズを有する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項4】
該開口部が、該体積形状物の上部に位置する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項5】
該開口部が、該体積形状物の底部に位置する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項6】
該開口部が、該体積形状物の上部および底部に位置する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項7】
該開口部が、該体積形状物を通って延びる円筒形チャネルを画定する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項8】
該体積形状物がパック(puck)である、請求項1に記載のソース材料。
【請求項9】
該SiC顆粒が、0.5:2のSi:Cのモル比を有する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項10】
該SiC顆粒が、2:0.5のSi:Cのモル比を有する、請求項1に記載のソース材料。
【請求項11】
該SiC顆粒の重量が約2000gから約9000gである、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項12】
該SiC顆粒の重量が約2500gから約8000gである、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項13】
該SiC顆粒が約1μmから約5μmの一次粒子D
50サイズを有する、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項14】
該SiC顆粒が約0.5μmから約3μmの一次粒子D
50サイズを有する、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項15】
該開口部は、該体積形状物の上部にチャネルを画定する、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項16】
該チャネルが角度の付いた環状チャネルである、請求項
15に記載のソース材料。
【請求項17】
該体積形状物が、平坦な上部、平坦な底部、および傾斜した側面を有する、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項18】
該見掛け密度が2.5g/cc未満である、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項19】
該見掛け密度は約1.5g/ccから2.8g/ccである、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項20】
該SiC顆粒がポリマー由来SiCであり、少なくとも99.9999%の純度を有する、請求項
1に記載のソース材料。
【請求項21】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと;
を有し;
d. 該体積形状物が開口部を画定する外形を有する、ソース材料。
【請求項22】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μm~約100μmの粒径を有するSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと;
を備え、
d. 該体積形状物は開口部を画定する外形を有し;
e. 該体積形状物はその内部に空隙を有し、それによって多孔質とされ、該体積形状物が3.1g/cc未満の見掛け密度を有し、
f. 該体積形状物は、該蒸着装置内でのブールの成長サイクル中に所定のフラックスを提供することができる、ソース材料。
【請求項23】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μm~約100μmの粒径を有するSiC顆粒であって、
b. 構造的一体性を有するSiCの体積形状物を画定するSiC顆粒
と、;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物は開口部を画定する外形を有し;
e. 該体積形状物はその内部に多数の空隙を有し、それによって多孔質とされ、該体積形状物が3.1g/cc未満の見掛け密度を有し;
f. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に所定のフラックスを提供することができる、ソース材料。
【請求項24】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μm~約100μmの粒径を有するSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと;
を備え、
d. 該体積形状物は、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に所定のフラックスを提供することができる、ソース材料。
【請求項25】
該所定のフラックスが、均一で一貫したフラックスである、請求項
22乃至24のいずれか一項に記載のソース材料。
【請求項26】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒
と、
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え、
d. 該体積形状物は多孔質で、2.9g/cc未満の見掛け密度を有し、
e. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されているときに、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に一貫した速度のフラックス形成を提供することができる、ソース材料。
【請求項27】
SiCの体積形状物を画定し、SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒
と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物は開口部を画定する外形を有し;
e. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されているときに、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に一貫した速度のフラックス形成を提供することができる、ソース材料。
【請求項28】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合
して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されているときに、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に所定の流量のフラックス形成を提供することができる、ソース材料。
【請求項29】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合
して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物はその内部に多数の空隙を有し、それによって多孔質とされ、該体積形状物が2.9g/cc未満の見掛け密度を有し;
e. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されたときに、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に均一なフラックス形成を提供することができる、ソース材料。
【請求項30】
SiCブールを成長させるための蒸着プロセスにおいて出発材料として使用するためのソース材料であって、
a. 約0.1μmから約100μmの粒径を有する約100gから約12,000gのSiC顆粒であって、
b. SiCの体積形状物を画定するSiC顆粒と;
c. 該SiC顆粒を結合して、該体積形状物が、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されているときに、該体積形状物の構造的一体性を維持することができるようにするバインダーと、を備え;
d. 該体積形状物は開口部を画定する外形を有し;
e. 該体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されたときに、該蒸着装置内でブールの成長サイクル中に均一なフラックス形成を提供することができる、ソース材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願:(I)35 U.S.C.§119(E)に基づき(1)2017年3月29日に提出された米国仮出願番号62/478,383の利益を主張し、(II)35 U.S.C.§119(E)に基づき(1)2017年8月14日に提出された米国仮出願番号62/545,367の利益を主張し、これらのそれぞれの開示全体を参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、炭化ケイ素(SiC)およびSiC配合物、構造、構成要素、材料、およびこれらを製造するための装置ならびに炭化ケイ素(SiC)およびSiOC配合物、構造、コンポーネント、材料、およびこれらを製造するための製造方法に関し、特に、SiC体積形状物(volumetric shape)、これらの体積形状物を使用して蒸着プロセスでブール(boule)を形成すること、およびそれに関連する方法に関する。
【0003】
ポリシロカルブ材料およびそれらの材料を作製する方法は、米国特許第9,815,952号および第9,815,943号ならびに米国特許公開第2015/0175750号に開示および教示されており、それぞれの開示全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0004】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「蒸着」(VD)、「蒸着技術」、蒸着プロセスおよび同様の用語は、その最も広い意味で用いられ、例えば、固体または液体の出発材料は気体または蒸気状態に変換され、その後、気体または蒸気が堆積されて、固体材料を形成(たとえば成長)するプロセスを含む。本明細書で使用されるように、蒸着技術はエピタキシーによる成長を含み、層(layer)は蒸気相またはガス相から提供される。その他のタイプの蒸着技術には化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、プラズマ強化CVD、物理蒸気輸送(PVT)などが含まれる。蒸着装置の例には、ホットウォール反応器、マルチウエハー反応器、煙突反応器、RF炉、およびブール成長炉が含まれる。
【0005】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「気化温度」は、その最も広い可能な意味を与えられるべきであり、材料が液体から気体状態に移行する温度、固体から気体状態に移行する温度、またはその両方(例えば、固体から液体そして気体への転移)が起こる非常に小さな温度範囲、例えば、約20°C未満、約10℃未満、および約5℃未満の範囲を含む。特に明記しない限り、気化温度は、特定の圧力、たとえば、そのような遷移が発生する1気圧、0.5気圧に対応する。特定の用途、方法、またはPVTデバイスなどの特定のデバイスで使用される材料の気化温度を議論する場合、気化温度は、特に明記しない限り、その用途、方法、またはデバイスで使用される、または通常使用される圧力においてのものとする。
【0006】
炭化ケイ素は一般に液相を有さず、代わりに、真空下で約1,700℃を超える温度で昇華する。
図17には、SiCの分圧曲線のチャートが示されている。通常、産業および商業用途では、昇華が約2,500℃以上の温度で起こるように条件が確立されている。炭化ケイ素が昇華すると、通常、さまざまな種類のケイ素と炭素、例えば、Si、C、SiC、Si2C、SiC
2からなる蒸気が形成される。一般に、温度が炭化ケイ素蒸気中のこれらの異なる成分の比率を決定すると考えられていた。しかし、本発明は、とりわけ、温度によらず、または温度とともに、これらの成分の比率を事前選択および制御する機能を提供する。
【0007】
本明細書で使用する場合、特に指定しない限り、見掛け密度(apparent density)とも呼ばれる比重という用語には、可能な限り最も広い意味で、一般に、例えば材料の体積形状物などの構造の単位体積当たりの重量を意味すべきである。これには、粒子の内部気孔率が体積の一部として含まれる。他の手法の中でも特に、粒子表面を濡らす低粘度の流体で測定できる。
【0008】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、真密度(true density)とも呼ぶことができる実密度(actual density)という用語には、最も広い意味でつかわれ、材料に空隙が存在しない場合の材料の単位体積あたりの一般的な平均重量を意味する。この測定および性質は、材料から内部の多孔性を本質的に排除する、たとえば、空隙は含まれないものとする。
【0009】
したがって、多孔質フォームボール(NERF(登録商標)ボールなど)のコレクションを使用して、3つの密度特性間の関係を示すことができる。容器を満たすボールの重量は、ボールのかさ密度(bulk density)になる。
かさ密度=(ボールの重量)/(容器の体積)
【0010】
ボールの球体積あたりの単一のボールの重量は、見かけの密度(apparent density)になる。
見掛け密度=(1つのボールの重量)/(そのボールの体積)
【0011】
ボールの骨格すなわちすべての空隙体積が除去されたボールを構成する材料の体積当たりの重量は、実際の密度(actual density)になる。
実際の密度=(材料の重量)/(空隙のない材料の体積)
【0012】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、室温は25℃とする。また、標準の周囲温度と圧力は25℃、1気圧とする。特に明記されていない限り、すべてのテスト、テスト結果、物理的特性、および温度依存の値、圧力依存の値、またはその両方の値、は標準の周囲温度と圧力(粘度が含まれえる)でのものとされる。
【0013】
概要として、本明細書で使用される用語「約」および記号「~」は、特に明記しない限り、±10%の変動または範囲、規定値の取得に関連する実験または機器の誤差、および好ましくはこれらの大きい方を包含することを意味する。
【0014】
本明細書で使用する場合、特に指定しない限り、%、重量%、および質量%は互換的に使用され、第1成分の重量は、例えば配合物(formulation)、混合物(mixture)、プリフォーム、材料、構造、または生成物などのパーセントと称される。X/YまたはXYは、特に明記しない限り、配合物中のXの重量%およびYの重量%を示す。X/Y/ZまたはXYZは、特に明記しない限り、配合物中のXの重量%、Yの重量%およびZの重量%を示す。
【0015】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「体積%」および「%体積」ならびに同様のそのような用語は、第1の成分の体積を、例えば配合物、混合物、プリフォーム、材料、構造または生成物などの体積の割合をさす。
【0016】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「ソース材料」および「出発材料」は同義であり、ブール成長、蒸着装置、エピタキシー、および結晶成長および堆積プロセスの文脈で使用されるように可能な限り最も広い定義を与える必要があり、成長チャンバー、または結晶成長、ブール成長、エピタキシー、またはSiC堆積のための装置に配置され、フラックスを作る材料、体積形状物、およびその両方を参照する必要がある。
【0017】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「既存の材料」、「前の材料」、「現在の材料」、「現在入手可能な材料」、「既存の蒸着装置」、「現在の蒸着装置」、および同様の用語は、本発明以前に存在していた、または存在していたソース資料および装置を指す。この用語の使用は、先行技術を認めるものではない。現在の技術水準をベースラインまたは基準点として説明するだけであり、それにより、本発明の実施形態の重要かつ画期的な改善を評価、対比、および測定することができる。
【0018】
発明の背景のセクションは、本発明の実施形態に関連し得る技術の様々な態様を紹介することを意図している。したがって、このセクションの上述の議論は、本発明をよりよく理解するための枠組みを提供するものであり、先行技術の承認として見なされるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
デバイス、装置、および機器用のSiC電子部品の製造に使用するための高品質の単結晶SiCブールを提供するために、費用効果の高い方法でSiCブールを製造する方法が長年望まれてきた。本発明は、とりわけ、本明細書で教示、開示および請求される配合物(depositions)、材料、製造品、デバイスおよびプロセスを提供することによりこのニーズを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、バインダーを使用して、ポリマー由来SiCを含むSiCの体積形状物(volumetric shape)を作製する方法が提供される。この場合、ポリマー由来SiC粒子(Polymer derivedSiC)は、バインダー材料と混合され、バインダーおよびSiC粒子は、好ましくはあらかじめ決められた形状とサイズ(したがって体積)を有する体積造に成形され硬化される。次いで、体積形状物およびバインダーを、例えば、蒸着プロセスで使用して、ブールなどの材料、層および構造を形成することができる。本発明を使用できる装置およびプロセスの例は、米国特許出願公開2017/0204532に開示および教示されている。
【0021】
このように、SiCの体積形状物が提供され、この体積形状物は、約0.1um~約100umの粒径を有する約100g~約12,000gのSiC顆粒を有する。SiC顆粒は構造的一体性を有する体積形状を有し、SiC顆粒を結合するバインダーは、ブールの成長サイクル中に体積形状物が蒸着装置に配置されたときにその構造的一体性を維持することができる。この場合の体積形状物は空隙(void)を有し、多孔性であり、は3.0g/cc未満の見掛け密度を有する。
【0022】
更に、本発明は、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの方法、体積形状物、ウエハーおよびブールを提供する。すなわち、SiC顆粒の重量が約1000gから約9000g;SiC顆粒の重量が約2500gから約8000g;SiC顆粒の重量が約5000gから約11000g;SiC顆粒が約0.1umから約20.0umの一次粒子D50サイズ;SIC顆粒が約0.5umから約10.0umの一次粒子D50サイズ;SiC顆粒が約0.5umから約2.0umの一次粒子D50サイズ;SIC顆粒が約1umから約5umの一次粒子D50サイズ;SiC顆粒が約0.5umから約3umの一次粒子D50サイズ;空隙が体積形状物の上部にチャネルを画定;空隙が体積形状物の上部に角度の付いた環状チャネルを画定;空隙が体積形状物の上部に位置;空隙が体積形状物の底部に位置;空隙が体積形状物の上部および底部に位置する空隙;空隙が体積形状物を通って延びる円筒形チャネルを画定;体積形状物がパック(puck)で、平坦な上部、平坦な底部、および先細の側面を有する;見掛け密度が2.5g/cc未満;見掛が密度は2.5g/cc未満;見掛け密度が2.5g/cc未満;見掛け密度が2.5g/cc未満;見掛け密度は約1.5g/cc~2.8g/cc;約1.5g/cc~2.8g/cc;SiC顆粒はポリマー由来のSiCで、少なくとも99.999%の純度を有する;SiC顆粒はポリマー由来のSiCであり、少なくとも99.9999%の純度を有する;Si:Cのモル比が0.5:2;Si:Cのモル比が2:0.5;Si:Cのモル比が約1:1から約0.5:2の範囲;Si:Cのモル比が約1:1から約2:0.5の範囲;Si:Cのモル比が約0.5:2から約2:0.5の範囲。
【0023】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒径を有するSiC顆粒を約100g~約12,000gで;このSiC顆粒は構造的一体性を有し、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに構造的一体性を維持することができる体積形状物を提供する。この体積形状物は1つの空隙を有し多孔性で、3.0g/cc未満の見掛け密度を有する。
【0024】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒径を有するSiC顆粒を約100g~約12,000gとバインダーとを含む構造的一体性を有する体積形状物を提供する。バインダーはSiC顆粒を結合し、それにより、体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに構造的一体性を維持する。この場合の体積形状物は1つの空隙を有する。
【0025】
さらに本発明は、SiC顆粒からなる体積形状物であって、約0.1um~約100umの粒径を有し当該体積形状物の構造的一体性を作るSiC顆粒とSiC顆粒を結合するバインダーを有し、それにより、体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに構造的一体性を維持することができる。該体積形状物は1つの空隙を有し、多孔性をなし3.1g/cc未満の見掛け密度を有する。この体積形状物は、ブールの成長サイクル中に所定のフラックス(FLUX)を提供する。
【0026】
さらに本発明は、以下の特徴の1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハー、およびブールを提供する。すなわち、所定のフラックスは均一で一貫したフラックスであること;成長サイクルの最後の20%の間にブールの成長面の外側領域付近で増加したフラックス密度を有するものであること;成長サイクルの最後の30%の間にブールの成長面の外側領域付近で増加したフラックス密度を有するものであること;成長サイクルの最後の40%の間にブールの成長面の外側領域付近で増加したフラックス密度を有するものである。
【0027】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒子サイズを有し、当該体積形状物の構造的一体性を形成するSiC顆粒からなる体積形状物を提供する。この体積形状物は1つの空隙を有し、多孔性をなし、体積形状物は3.1g/cc未満の見掛け密度を有する。この体積形状物は、成長サイクル中に所定のフラックスを提供することができる。
【0028】
さらに本発明は、約0.1umから約100umの粒径を有し、当該体積形状物の構造的一体性を形成するSiC顆粒とSiC顆粒を結合するバインダーとを有し、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに構造的一体性を維持することができるようにした体積形状物を提供する。この体積形状物は1つの空隙を有し、また所定のフラックスを提供することができる。
【0029】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒径を有し、当該体積形状物を形成する約100g~約12,000gのSiC顆粒を有する体積形状物を提供する。体積形状物は多孔性で、体積形状物は2.9g/cc未満の見掛け密度を有する。この体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されたときに、成長サイクル中に一貫した速度のフラックス形成を提供することができる。
【0030】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒径を有し、約100g~約12,000gのSiC顆粒から成形された体積形状物を提供する。この体積形状物は1つの空隙を有する。この体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されたときに、成長サイクル中に一貫した速度のフラックス形成を提供することができる。
【0031】
さらに本発明は、約0.1um~約100umの粒径を有するSiC顆粒を約100g~約12,000gと、SiC顆粒を結合するバインダーとを有する体積形状物を提供する。この体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに、成長サイクル中に所定の流量のフラックス形成を提供することができる。
【0032】
さらに本発明は、約0.1umから約100umの粒径を有し、SiC顆粒を約100gから約12,000gと、SiC顆粒を結合するバインダーとを有する体積形状物を提供する。この体積形状物は多孔性を有し、2.9g/cc未満の見掛け密度を有し、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されると、成長サイクル中に均一なフラックス形成を提供することができる。
【0033】
さらに、約0.1um~約100umの粒径を有するSIC顆粒を約100g~約12,000gの有する体積形状物を提供する。この体積形状物は、1つの空隙を有し、ブールの成長サイクル中に蒸着装置内に配置されると、成長サイクル中に均一なフラックス形成を提供することができる。
【0034】
さらに、約0.1um~約100umの粒径のSiC顆粒を約100g~約5,000gとSiC顆粒を結合するバインダーとを有する体積形状物を提供する。この体積形状物は、ブールの成長サイクル中に蒸着装置に配置されたときに、成長サイクル中に均一なフラックス形成を提供することができる。
【0035】
さらに本発明はSiCブールを成長させる方法を提供する。この方法は、SiCを有する出発材料を蒸着装置内に配置し、SiCが昇華してブールの成長面に直接隣接する領域を流れるSiおよびCのフラックスを形成する温度まで出発材料を加熱する。ここで、領域の面積はブールの成長面と同じであり、一致している。フラックスは、領域全体にわたって事前に決定されており、ブールの成長面にフラックスを堆積させて、ブールの長さを成長させる。
【0036】
さらに本発明は、以下の特徴の1つ以上を有するこれらの方法、体積形状物、ウエハー、およびブールを提供する。すなわち、フラックスがブール成長中の領域全体にわたって均一;フラックスがブールの成長中においてブールの長さの少なくとも半分が成長したときに、ブール面の外側領域付近でより大きい;ブールの成長面は種結晶;ブールの成長面はブールの面;成長したブールは単結晶;成長したブールは単一のポリタイプ;それにより、成長したブールは、直径約3インチから約6インチ、長さ約2インチから約8インチ、ブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの2倍;成長したブールは、約3インチから約6インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、およびブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの5倍;成長したブールは、約3インチから約6インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、ブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの10倍;成長したブールは、直径約3インチから約6インチ、長さ約2インチから約8インチ、成長面の曲率半径が無限;成長したブールは、直径約3インチから約6インチ、長さ約2インチから約8インチ、成長面の曲率半径が少なくとも約50インチ;成長したブールは、約6インチから約8インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、ブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの2倍;成長したブールは、約6インチから約8インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、およびブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの5倍;成長したブールは、約6インチから約8インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、ブールの成長面の曲率半径が少なくとも長さの10倍;成長したブールは、約6インチから約8インチの直径、約2インチから約8インチの長さ、および無限の成長面の曲率半径;成長したブールは、直径約6インチから約8インチ、長さ約2インチから約8インチ、成長面の曲率半径が少なくとも約50インチ;成長したブールは約2インチから約8インチの長さを特徴とし、ブールの成長面の曲率半径は少なくとも長さの2倍;成長したブールは約2インチから約8インチの長さ、ブールの成長面の曲率半径は少なくとも長さの5倍;成長したブールは約2インチから約8インチの長さで、ブールの成長面の曲率半径は長さの少なくとも10倍;成長したブールは、約2インチから約8インチの長さと、無限の成長面の曲率半径;成長したブールは、約2インチから約8インチの長さ、および成長面の曲率半径が少なくとも約50インチ;フラックスは一定の速度に維持;という特徴を有する。
【0037】
本発明は更に、SiCブールを成長させる方法であって、SiCを有する出発材料を蒸着装置に配置し、出発材料を加熱してフラックスを生成し、成長サイクルを開始し、成長サイクル中、ブールの成長面に直接隣接する領域にフラックスを流し、フラックス流を成長サイクル中に所定の速度に維持し、ブールの成長面にフラックスを堆積させてブールの長さを成長させる方法を提供する。
【0038】
さらに、本発明はSiCブールを成長させる方法であって、SiCを有する出発材料の体積形状物を蒸着装置内に配置し、体積形状物を加熱して、ブールの成長サイクル中に指向性フラックスを生じ、ブールの成長面に指向性フラックスを堆積させて、ブールの長さを成長させる方法を提供する。
【0039】
さらに、本発明は以下の特徴の1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハーおよびブールを提供する。すなわち、指向性フラックスにおいて、成長面の外側領域に増大したフラックス密度を提供し、それによりブールは平面を有するようになり;ブールには欠陥がない。
【0040】
さらに、本発明は以下の特徴の1つ以上を有するこれらの方法、体積形状物、ウエハーおよびブールを提供する。ブールは、本明細書に開示される方法によって成長する;電子部品の製造方法は、本明細書に開示された方法により製造されたウエハーを得ることを含む;本明細書に開示された方法により作成されたウエハー上にプリント回路を提供する;本明細書の方法により得られた電子部品を有するシステムを作成する;本明細書に開示された方法によって作られたウエハーに基づいた、またはウエハーを含む電子部品をシステムに組み立てる。
【0041】
更にブールの単一成長サイクルから多数のデバイスを提供する方法がさらに提供される。この方法は、以下を含む。蒸着装置内にSiCを有する出発材料の体積形状物を配置し、該体積形状物を加熱して、ブールの成長サイクル中に指向性フラックスを提供し、ブールの成長面に指向性フラックスを堆積させて、ブールの長さを成長させる。このブールは、非常に多数のウエハー、電子回路、およびシステムを提供することができる。
【0042】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハーおよびブールが提供される。すなわち、ブールの長さの約80%をそれを切断して欠陥のないウエハーを提供することができるようなものとする;ブールの長さの約90%をを切断して欠陥のないウエハーを提供できるようなものとする;ブールの長さの約95%を切断して欠陥のないウエハーを提供できるようなものとする;ブールの長さの約99%をそれを切断して欠陥のないウエハーを提供できるようなものとするものであり、当該ウエハーがMPD(≦0.1cm-2)、TSD(≦300cm-2)、およびBPD(≦500cm-2);20℃で約10,000ΩM-cmを超える抵抗率;20℃で約10,000Ω-cm以上の抵抗率を有する。
【0043】
さらに、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純粋炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供する。この体積形状物は少なくとも99.999%純度の炭化ケイ素粒子;炭化ケイ素粒子を結合し、それによって体積形状物を規定するバインダーであって炭素およびケイ素からなる架橋ポリマー材料を有するバインダー;を有する。このバインダーは約300℃から700℃の間の揮発温度を有し、SiCブールの成長を妨げず、SiCブールの品質に悪影響を与えることがないようにすることができる。
【0044】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハーおよびブールが提供される。約1g/ccから約3g/ccの密度;バインダーが体積形状物の重量の5%未満;バインダーが体積形状物の重量の10%未満;バインダーが体積形状物の重量の20%未満;バインダーが体積形状物の重量の35%未満;バインダーが体積形状物の重量の5%未満;バインダーが体積形状物の重量の10%未満;バインダーが体積形状物の重量の20%未満;バインダーが体積形状物の重量の35%未満;密度が約3.1g/cc未満;密度が約3g /cc未満;密度が約2.5g/cc未満;密度が約2g/cc未満。
【0045】
加えて、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供される。この体積形状物は、非酸化物形成表面を有する少なくとも99.9999%の純度のポリマー由来の炭化ケイ素粒子;炭化ケイ素粒子を一緒に結合し、それによって体積形状物を規定するバインダーであって、ポリマー由来の炭化ケイ素粒子の揮発温度より低い揮発温度を有し、SiCブールの成長を妨げず、SiCブールの品質に悪影響を与えることはできないバインダー;を有する。
【0046】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハーおよびブールが提供される。約10%から約30%の空隙量(void volume)の多孔性;約5%から約40%の空隙量の多孔性;約10%から約30%の空隙量の多孔性;約5%から約40%の空隙率の多孔性;約1g/cc~約3g/ccの密度を有する。バインダーは、体積形状物の重量の5%未満である。バインダーは、体積形状物の重量の10%未満。バインダーが、体積形状物の重量の20%未満;体積形状物の重量の35%未満。
【0047】
さらに、以下の特徴の1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハー、およびブールが提供される。バインダーの揮発温度が、炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも500℃低い;炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも550℃低い;炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも600℃低い;バインダーの揮発温度が、炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも650℃低い;バインダーの揮発温度が、炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも700℃低い;炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも800℃低い;バインダーの揮発温度が、炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも900℃低い;炭化ケイ素粒子の揮発温度より少なくとも1,000℃低い。
【0048】
さらに、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純粋な炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供される。この体積形状物は、炭化ケイ素粒子であって少なくとも粒子が約0.1mm~約20.0mmのD50粒径、99.999%の純度を有する炭化ケイ素粒子;炭化ケイ素粒子を結合し、それによって体積形状物を規定するバインダーであって、炭素およびケイ素を有する架橋ポリマー材料を有し、約300℃から900℃の間の揮発温度を有し、ブールの成長を妨げることができず、ブールの品質に悪影響を与えることができないバインダー;を有する。
【0049】
さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を有する方法、体積形状物、ウエハーおよびブールが提供される。約10GPaから約300GPaの弾性モジュール;約300Kg/mm2から約2,000Kg/mm2の硬度;約50MPaから約3,000MPaの圧縮強度;約300Kg/mm2~約2,000Kg/mm2の硬度;約50MPa~約3,000MPaの圧縮強度;粒子が約0.5mmから約10mmのD50粒径;粒子が約1mmから約15mmのD50粒径粒子が約1mmのD50粒径;粒子は約3mmのD50粒子サイズ。
【0050】
さらに、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供される。この体積形状物は、少なくとも99.999の純度で平均粒径が5mm以下であり、粒子の10%以下が10mmよりも大きい炭化ケイ素粒子;炭化ケイ素粒子を結合し、それによって体積形状物を規定するバインダーであって、炭素およびケイ素を有する架橋ポリマー材料を有し、約300℃から900℃の間の揮発温度を有しておりブールの成長を妨げることができず、ブールの品質に悪影響を与えることができないようにしたバインダー;を有する。
【0051】
さらに、蒸着装置内でブールを成長させる方法が提供される。この方法は、本発明の体積形状物を蒸着装置内に配置し、最初にバインダーを蒸発させ、次に炭化ケイ素粒子を蒸発させ、そして、気化した炭化ケイ素粒子から、気化してバインダーのないブールを形成する。
【0052】
さらに、蒸着装置内でブールを成長させる方法が提供される。この方法は、極めて純度の高い炭化ケイ素粒子とバインダーとの複合材料の体積形状物であって、炭化ケイ素は非酸化物形成表面を有するポリマー由来の炭化ケイ素粒子で少なくとも99.9999%の純度を有し、バインダーは炭化ケイ素粒子を結合し、それによって体積形状物を規定するものであり、シリコン、炭素、およびブールに機能性を提供するための添加剤を含み、ポリマー由来の炭化ケイ素粒子の揮発温度以下の揮発温度を有し、添加剤は、ポリマー由来のセラミック粒子のほぼ揮発温度の揮発温度を有する体積形状物を蒸着装置内に配置し、該体積形状物を蒸発させて蒸気を形成し、基板上に蒸気を堆積させてブールを形成する。バインダーはブールに所定の機能性を提供することができず、添加剤が一部機能性を提供することができる。
【0053】
さらに、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純粋炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供される。この体積形状物は少なくとも99.999%の純度の炭化ケイ素粒子;炭化ケイ素粒子を結合し、それによって体積形状物を規定するバインダー;を有する。バインダーは、酸素を含まず、炭素およびケイ素を有する架橋ポリマー材料を有し、約300℃から800℃の間の揮発温度を有し、これにより、バインダーはSiCブールの成長を妨げず、SiCブールの品質に悪影響を与えることはできないようになっている。
【0054】
さらに、炭化ケイ素ブールの蒸着成長に使用するための超純炭化ケイ素粒子とバインダーの複合材料の体積形状物が提供される。この体積形状物は少なくとも 99.999%純度の炭化ケイ素;炭化ケイ素粒子を結合して当該体積形状物を規定するバインダー;を有する。バインダーは、酸素もシリコンも含まず、炭素を含む架橋ポリマー材料を有する。そして、バインダーは、約300℃から800℃の間の揮発温度を有し、これにより、バインダーはSiCブールの成長を妨げず、SiCブールの品質に悪影響を与えることはできない。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1A】本発明の体積形状物の一実施形態の斜視図である(直径6インチ、平坦な上部および底部)。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【
図2A】本発明による体積形状物の実施形態の上面斜視図である(直径41/2インチ、部分的な中央の円筒状開口上部)。
【0061】
【0062】
【0063】
【
図2D】
図2Aから2Cに示される一般的なタイプの実施形態の概略断面図である。
【0064】
【
図3A】本発明による体積形状物の実施形態の斜視図である。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【
図3F】
図3Aおよび3Eに示される一般的なタイプの実施形態の概略断面図である。
【0070】
【
図4A】本発明による体積形状物の実施形態の斜視図である(上部に角度の付いた環状チャネルを備えたテーパー付きシリンダー)。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【
図4F】
図4A~4Eに示される一般的なタイプの実施形態の概略断面図である。
【0076】
【
図5A】本発明による体積形状物の実施形態の上面図である(上部および底部が切り取られたテーパ付きシリンダー)。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【
図5F】
図5A~5Cに示される一般的なタイプの実施形態の概略断面図である。
【0082】
【
図6A】本発明による体積形状物の一実施形態の底面斜視図である(テーパーシリンダー底部切欠き)。
【0083】
【0084】
【0085】
【
図6D】
図56~6Cに示される一般的なタイプの実施形態の概略断面図である。
【0086】
【
図7】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0087】
【
図8】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0088】
【
図9】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0089】
【
図10】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0090】
【
図11】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0091】
【
図12】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0092】
【
図13】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0093】
【
図14】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0094】
【
図15】本発明による体積形状物の一実施形態の概略断面図である。
【0095】
【
図16】本発明によるシステムおよび方法の実施形態のプロセスフロー図である。
【0096】
【
図17】SiC、Si
2C、およびSiC
2の分圧曲線である。
【0097】
【
図18】本発明による蒸着装置およびプロセスの概略断面図である。
【0098】
【
図19】本発明によるブール成長速度の実施形態を示すチャートである。
【0099】
【
図20A】本発明による体積形状物の上面斜視図である(テーパーシリンダー、切り欠きなし、平坦な底部および上部)。
【0100】
【0101】
【0102】
【
図21】ブール面の曲率半径の決定を示すブールの実施形態の概略図である。
【0103】
定規が図に示される範囲で、その図の実施形態およびその実施形態の特徴の尺度を提供する。定規は、説明の目的で使用されており、実施形態を他のサイズ、形状、および比率にするのを制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0104】
概括的には、本発明は、炭化ケイ素(SiC)粒子の体積形状物及びこれらの体積形状物から構造を成長させることに関する。実施形態において、粒子、ならびに体積形状物は、良好な純度、高純度、および超高純度を有する。本発明はさらに、蒸着技術においてこれらのSIC粒子の体積形状物を使用してSICブールを形成するための装置および方法に関し、このブールは、例えば、電子機器用途のウエハーおよびデバイスを作製するために使用される。
【0105】
本明細書はSiC蒸着技術に焦点を合わせているが、本発明はそのように限定されず、他のSiC結晶成長プロセス、接合プロセス、および他の用途に適用性を見出すことができることを理解されたい。
【0106】
実施形態は、概ね、ポリマー由来セラミック(「PDC」)、PDCを使用し、PDCに基づき、またはPDCを構成する生成物および用途を含むことができる。
【0107】
本発明の実施形態は、好ましくは、「ポリシロカルブ」材料、例えば、シリコン(Si)、酸素(O)および炭素(C)を含む材料であるPDCや、それら材料が硬化されたもの、熱分解されたもの、およびSiCに変換されたものを使用し、またはそれらに基づき、またはそれらを構成する。ポリシロカルブ材料は、高純度、極めて高い純度のものであるでありえる。ポリシロカルブ材料は、他の元素を含むことができる。ポリシロカルブ材料は、1つ以上のポリシロカルブ前駆体配合物または前駆体配合物から作られる。ポリシロカルブ前駆体配合物は、1つ以上の官能化シリコンポリマー、またはモノマー、非シリコンベースの架橋剤、および潜在的に他の成分、例えば、阻害剤、触媒、フィラー、ドーパント、改質剤、開始剤、強化剤、繊維、粒子、着色剤、顔料、ダイ、同じまたは他のPDC、セラミック、金属、金属錯体、およびこれらおよび他の材料と添加物の組み合わせとバリエーションを含む。シリコンオキシカーバイド材料、SiOC配合物、および同様の用語は、特に明記しない限り、ポリシロカルブ材料を指し、液体材料、固体未硬化材料、硬化材料、セラミック材料、およびこれらの組み合わせとバリエーションを含む。
【0108】
本明細書の教示を使用して改善され、適用され、使用され得るPDC、PDC配合物、潜在的な前駆体、出発材料、およびこれらの材料を製造するための装置および方法の例は、例えば、米国特許公開2014/0274658、2014/0323364、2015/0175750、2016/0207782、2016/ 0280607、2017/0050337、2008/0095942、2008/0093185、2007/0292690、2006/0069176、2006/0004169、および2005/0276961、ならびに米国特許第9,499,677、9,481,781、8,742,008、8,119,057、7,714,092、7,087,656、5,153,295、および4,657,991に見られる、それぞれの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
様々なポリシロカルブの配合物、プロセス、製造方法、および配合物は、米国特許第9,499,677、第9,481,781および米国特許公開第2014/0274658、2014/0323364、2015/0175750、2016/0207782、2016/0280607、2017/0050337、およびそれぞれの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
典型的は、そして好ましくは、ポリシロカルブ前駆体配合物は最初は液体である。液体前駆体は、固体または半固体のSiOCに硬化する。次に、固体または半固体のSiOCは熱分解されてセラミックSiOCになり、それがSiCに変換される。
【0111】
炭化ケイ素は一般に液相を有さず、代わりに、真空下、約1,700~1,800℃の温度で昇華する。
図17には、SiCの分圧曲線のチャートが示されている。通常、産業および商業用途では、昇華が約2,500℃以上の温度で起こるように条件が確立されている。炭化ケイ素が昇華すると、通常、シリコンと炭素のいくつかの異なる種からなる蒸気が形成される。一般に、温度がシリコン炭素蒸気中のこれらの異なる成分の比率を決定すると考えられていた。
【0112】
しかし、本発明は、とりわけ、シリコン炭素蒸気に存在する異なる種、例えば、SIC、SIC、SI2C、およびSIC2の比を事前選択および制御する能力を提供する。したがって、温度に加えて、本発明は、出発物質(例えば、SiCのパック(puck))、および(シリコン炭素蒸気が堆積され例えばブールに成長する例えば結晶などの固体となる)表面内およびその間の蒸気中のシリコン炭素種の制御を可能にする。蒸着プロセスにおけるこのシリコン炭素蒸気は、「フラックス」と呼ぶことができる。
【0113】
ブールの好ましい実施形態は単結晶であり、単一のポリタイプのみを有する。本明細書では、複数のポリタイプ、複数の結晶、およびその両方を有するブールの実施形態も想定される。
【0114】
例えば、ポリシロカルブ誘導SiC、または出発材料として使用される体積形状物に存在するシリコンの量に対して存在する炭素の量を制御することにより、フラックスに存在するSiおよびCの量を事前に決定して制御できる。さらに、例えば、ポリシロカルブ由来のSiCの空隙率、体積形状物およびその両方の空隙率を制御された方法で変化させることにより、フラックス量、フラックス形成速度、およびフラックス中に存在するシリコンと炭素の種を事前に決められ、管理することができる。
【0115】
例えば、出発材料または出発パックにおい、存在する炭素の量を過剰(化学量論的量すなわち、シリコン対炭素を1対1とするよりも多い)、欠乏(化学量論的量よりも少ない炭素)とすることができる。このようにして出発材料または例えばパックとしての体積形状物の炭素の量を設定または確立できる。この量は、たとえば、(I)異なるバインダーを使用して体積形状物を形成することによって、(II)SiC材料の中に異なる量の炭素が存在する層を持つことにより;(III)SiCの体積形状物の中に所定の量の異なる炭素が存在するゾーンを持つことにより;(IV)これらの組み合わせとバリエーション、および出発材料に存在する炭素の量を所定の方法で制御することにより設定できる。さらに、出発材料中のシリコンに対する炭素の比率を制御および事前に決定することにより、フラックス内においてこれらの比率を制御および事前に決定することができる。
【0116】
本発明は、ブールの成長のための方法およびプロセスの実施形態、例えばSiCの蒸着によりSiCの単結晶ブールを形成し、ブールの面が非常に平坦な、例えば限られた量の曲率または弧を有するようにする方法およびプロセスの実施形態を提供する。ブールの非常に平坦なプロファイルは、主に蒸着装置内に配置されるSiCパックの事前に選択された形状を使用することによって実現される。事前に選択された形状は、蒸着プロセス中、フラックスの領域とその領域内の流れがブール成長プロセス全体にわたって一定のままになるように構成するようにされる。このようにして、ブールが成長する際にブールの表面に堆積するSiCの速度と量は、ブールの成長プロセスの間一貫して均一とされる。したがって、たとえば、直径6インチのブールを成長させる場合、フラックスの流れの面積は28.27インチ平方で、その面積を流れるSiCの流速と量は、3インチや4インチの長さのブールの成長中にその面積全体で均一とされる。昇華に使用できるSiCの量と位置がパック内で変化する場合でも、パックの形状がプロセス中にフラックス(たとえば「指向性フラックス」)を、ブールの面に直接隣接する領域全体にわたってフラックスの流れが均一に保たれるようにする。指向性フラックスを提供する形状の例は
図4A-4Fおよび5A-5Fに示されている。
【0117】
1つの実施形態では、フラックスは成長プロセス全体にわたって一定に維持されない。したがって、この実施形態では、ブールまたは成長面の領域の所定の成長を提供するために、成長面にわたるフラックスの速度、分布が管理、例えば、所定の方法で制御される。例えば、成長の後半の段階では、ブールの成長で発生した不均一性を補償するために、フラックスを所定の方法で方向付ける。この例では、成長の初期段階でフラックスが大きかった領域では、成長の後期段階でフラックスが小さくなるようにする。同様に、成長の初期段階でフラックスが少なかった地域では、成長の後期でフラックスが大きくなるようにする。このようにして、最終的なブール成長面は、ブール面の曲率を最小化、または曲率半径を最大化する。
【0118】
1つの実施形態では、制御されたフラックス、より好ましくは方向フラックスの使用により、曲率半径が、少なくとも約6インチ、少なくとも約6インチ、8インチ、少なくとも約20インチ、少なくとも約60インチ、無限に近い(つまり平面)、およびこれらの値の範囲内のすべての値の曲率半径(すなわち、曲率の逆数)を有する4インチのブールを提供することができる。1つの実施形態では、曲率半径が6インチのブールの曲率半径(すなわち、曲率の逆数)、約10インチ、少なくとも約15インチ、少なくとも約25インチ、少なくとも約60インチ、無限(平面)、およびこれらの値の範囲内のすべての値の曲率半径を有する6インチのブールを提供することができる。1つの実施形態では、ブール面の曲率半径は、ブールの長さの少なくとも2倍、ブールの長さの少なくとも5倍、ブールの長さの少なくとも10倍、およびブールの長さの少なくとも25倍、又は無限(平面)、およびこれらの値の範囲内のすべての値の曲率半径を有する。
図21にはブール2100が示されている。このブール2100は矢印2102で示される長さと、矢印2103で示される幅または直径とを有する。ブール2100は、ブール2100の曲率半径となる曲面2101Aを有する面(例えば成長面)2101を有する。その曲面2101Aの曲率半径は、破線2104によって示される。
【0119】
1つの実施形態では、温度だけでなく圧力によってフラックスを操作することができる。特定の成長温度では、チャンバーの圧力を上げることで成長を遅くすることができる。最も速い速度は、通常、(たとえば、真空ポンプがオンで、チャンバーの圧力を可能な限り低く維持した)「完全な」真空下におけるものである。例として、ブールを400μm/hrで成長させるには、成長を完全真空のP1で温度T1にするか、数mBarから数10 mBarまでのアルゴンの分圧(P2>P1)で温度T2>T1にすることできる。このようにして、フラックスと成長率を「調整」できる。
【0120】
1つの実施形態では、ポリマー由来のSiCは、経時的なより一貫したフラックス組成により、ブール内により良好なポリタイプ安定性を付与する。この実施形態、つまり制御されたポリタイプの安定性はブール製造業者にとって価値があり重要である。ポリタイプシフト中期成長はブールの一部のみが通常はチップのデバイス性能に影響を及ぼす電子特性に悪影響を及ぼす元のポリタイプであることを意味する。
【0121】
本発明は、フラックスを「調整」する能力を、ポリマー由来のSiCおよび所定のパック形状の使用を通じて提供し、効率の低い蒸着装置が実質的に改善された品質、数量、生産率、これらの組み合わせとバリエーションでブールを生成できるようにする。このようにして、低品質の蒸着装置の性能を大幅に改善することができ、より高品質の蒸着装置に匹敵するそれを超える点まで改善することができる。このようにして、例えば、現在の形状とフラックスを調整する能力は、機械的な修正なしで既存の蒸着装置に、欠陥が10%減少、欠陥が20%減少、欠陥が50%減少、欠陥が100%減少で、生産速度が2倍、3倍、4倍以上で、より平坦な面、すなわち、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍の平坦、ならびにこれらの値の範囲内のすべてを有するブールを生成する能力、これらの改善の組み合わせとバリエーション、つまり、欠陥の減少、率の向上、平坦性の向上を与える。フラックスを調整することにより、機械的修正なしに、蒸着装置に、本明細書に記載の1つ以上の改善された品質特徴を備え、ブール生成能力を且つ1.5倍、2倍、3倍以上にする。
【0122】
図18には、SiC結晶、結晶構造およびブールを成長させるための装置の概略断面図が示されている。蒸着装置1800は、側壁1808、底部または底部壁1809、および頂部または頂部壁1810を有する容器である。壁1808、1809、1810は、デバイス1800の内外へのガスの流れを制御または許可する開口部、ノズルであり得るポート1806、1807、1805を有する。デバイス1800には、加熱要素1804が関連付けられている。加熱要素は、装置1800の内部に単一の温度ゾーンまたは複数の温度を提供するように構成し操作できる。装置1800の内部には、体積形状物に形成されたSiC粒子でできているパック1801がある。
【0123】
パック1801は、所定の多孔性および密度を有することができる。SiC粒子は、所定の多孔性および密度を有することができる。SiC粒子は、好ましくはバインダーによって一緒に保持される。パック1801は、炭素が豊富、炭素が不足、または化学量論的であり得る。パック1801は、炭素リッチ、炭素欠乏、または正規組成のゾーンまたは層を有することができる。好ましくは、SiC粒子は、SiOCポリマー由来のSiCである。非ポリマー由来のSiOも、パックの一部またはすべてとして使用できる。パック1801は、矢印1826によって示される高さおよび1820によって示される直径または断面を有する。パック1801は、頂面又は上面1823および底面1824を有する。この実施形態では、パック1801は、平坦な上部および下部のシリンダーとして示されているが、いずれの形状の体積形状物をデバイス1800で使用できることを理解されたい。
【0124】
デバイス1800の上部1810には、表面1802aを有する種結晶1802がある。種結晶1802は、断面または直径1822および高さ1823を有する。いくつかの実施形態では、種結晶は、可動プラットフォーム1803に取り付けられて、表面1802aと表面1823との間の距離を調整することができる。
【0125】
パック1801の直径1820は、種結晶1802の直径1822より大きくても、小さくても、または同じでもよい。
【0126】
操作中は、加熱素子1804は、パック1801の温度をSiCが昇華する点まで上昇させる。この昇華により、シリコンと炭素のさまざまな種を含むガスが形成される。このガス、すなわちフラックスは、表面1802aと1823の間の領域1850に存在する。多孔性または他の要因に応じて、フラックスはパック1801内にも存在し得る。フラックスは領域1850を通って装置1800内で上昇し、表面1802aにSiCが堆積する。表面1802aは、SiC結晶を形成するガス状シリコン炭素種を表面に堆積させるのに十分な低い温度に維持する必要がある。このようにして、種結晶1802は、その表面にポリタイプが一致した配向で成長したSiCを連続的に加えることによりブールに成長する。したがって、(完全に引き込まれた位置で示される)デバイス1803によって調整されない限り、ブールの成長中、表面1803は底部1809に向かって成長し、したがって、表面1802aと底部1809との間の距離を減少させる。フラックスの形を使用して、蒸着プロセス中にパック内に所定の温度差を作り出すことができる。この所定の温度差は、プロセス中にパックに種が蓄積してSiC蒸気の形成を低減または阻止する不動態化の有害な影響に対処し、低減し、排除することがでる。
【0127】
昇華および堆積のプロセスが、原材料自体の体積形状物の内側で行われ、自然に生じる原材料の熱勾配に従うか、またはどの熱勾配がパックの形状によって決定され得るかが理論化される。一実施形態では、バインダーは、好ましくは存在したままであり、昇華温度中にパックの形状および一体性を維持し、したがって、SiCの昇華温度以下で昇華しない。この温度勾配は通常、外部から内部に向かって上向きとなる。材料は連続的に昇華し、隣接する粒子に再堆積し、このようにしてSiC種の還流(reflexing)または固体の「分別蒸留(fractional distrilation)」または「分別昇華(fractional sublimation)」を受けると理論付けられている。
【0128】
理論的には、一実施形態において、体積形状物およびその所定の勾配により、パック内で成長チャンバーの底部の背部にいくらかのより重い不純物を閉じ込めることができ、一方、より軽い要素はSi―C蒸気とともに昇華されて種子に運ばれるようにすることができる。これにより、理論的には、プロセスの所定の時間にドーパントまたはその他の添加剤を放出させることができ、不純物の潜在的な悪影響を軽減する。好ましくは、パックで超純粋な材料が使用されることが理解されるべきである。
【0129】
実施形態では、パックは、所与の温度に対してより一貫したフラックス形成速度を提供する。形状は、形状全体でより均一な温度を提供するように調整することができるとともに、形状のより高い体積分率が一度に昇華することを可能にし、粉末の標準的堆積物すなわち円筒形としたものよりも特定の温度でシード/蒸気界面でのより高い流量を駆動するようにすることを可能とすることができる。したがって、より低い温度の成長プロセスを必要とするポリタイプの成長は、結果としてより遅い成長速度に限定されない。
【0130】
昇華速度は、グラム/時間で測定される。フラックスは、グラム/cm2-hr(つまり、エリアを通過する材料の割合)で与えられる。したがって、重要な領域は、ブール成長表面の瞬間的な表面積、たとえばSiCが堆積されているブールの面に対応するフラックス領域である。通常、フラックス面積とブール面の面積はほぼ同じであり、これらの面積は通常、蒸着装置の成長チャンバーの断面積よりわずかに小さい。
【0131】
計算およびこの分析のために成長チャンバーの断面積は、フラックスの面積およびブール面の面積と同じであるとして計算を容易にする。このように、ブールの成長速度(mm/hr)は、ブールの面積(cm2)全体での蒸気の流量と同等とすることができる(mm/hr≧g/hr:なお完全に密なSiCの密度は3.21g/cc)。その場測定(in-situ measurements)は、X線イメージングまたはX線コンピューター断層撮影(CT)を介して行うことができる。それ以外の場合、成長の前後にブールを計量することにより、平均成長率を決定できる。
【0132】
典型的な商業的成長速度は、200~500mm/hrの範囲にある。本プロセスおよび体積形状物の実施形態は、これらの既存のものをはるかに上回り、同時に、同等かつ優れた品質のブールを提供する。例えば、本発明の実施形態は、高温および低圧で、約550から約1,1000mm/hr、約800から約1,000mm/hr、約900から約1,100mm/hr、約700、約800mm/hr、900mm/hr、1,000mm/hr、1,100mm/hrの成長速度を有することができる。これらの範囲内のすべての速度と同様に、より高い速度が考慮され、またより遅い速度も使用され得る。
【0133】
一般に、成長速度は、1)温度および2)供給ガス圧力(AR、N
2など)によって駆動される。ガス圧が高くなると、シードおよびブールの表面でのシリコンカーボン種の蒸気圧が希釈され、特定の温度での成長速度が遅くなる。したがって、成長率を「操作(dial-in)」するために圧力を使用できる。
図19のチャートは、本ポリシロカルブ誘導SiC(1.4~1.45g/ccの充填密度を有するパック)の実施形態の成長速度を示す。
【0134】
図19を参照すると、本発明の実施形態は不動態化(表面不活性化)を示さないことが分かる。それら実施形態は自己制限的ではなく、不動態化されていない。これらの実施形態は、気相成長プロセスにおける既存のSiC出発材料の供給源を超える大幅な改善および利点を提供する。これらの既存のSiC源には自己制限効果があり、出発材料の表面効果が昇華を制限または阻害するため、フラックスの生成速度が時間とともに減少する。この自己制限効果は一般に不動態化として知られているが、ソースの枯渇、黒鉛化、または炭化とも呼ばれる。
【0135】
したがって、一定の温度が与えられた体積形状物(例えばパック)の実施形態では、約4インチから約10インチの直径、約6インチから約8インチの直径、約4インチの直径、約6インチの直径、約8インチの直径およびそれ以上およびそれ以下、ならびにこれらの値の範囲内のすべての直径のブールを含むブール成長の動作全体にわたって、一定のフラックス生成の一定の速度を維持することができる。ブール成長プロセス全体に一定の温度が与えられる体積形状物の実施形態では、ブールの成長中、フラックス生成の速度を維持でき、したがって、一定の速度でブールの成長速度、すなわち速度変化率が約0.001%未満、0.01%未満、約1%未満、約5%未満、約20%未満、約0.001%から約15%、約0.01%から約5%、およびこれらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの値の範囲での一定の成長速度を維持することができる。実施形態において、一定の温度で、フラックス形成の速度は以下にとどまる:その最大速度の約99.999%から約60%。最大速度の約99%から約95%。最大速度の約99.99%から約80%。最大速度の約99%から約70%。最大速度の約95%から約70%。最大速度の約99%から約95%、およびブールの成長中のこれらの組み合わせとバリエーション、およびこれらのパーセンテージの範囲内のすべての値。
【0136】
実施形態は、固有のかさ密度(bulk density)を有する。一実施形態では、体積形状物、例えばパックはモールディングプロセスで作られ、したがって、粉末は、最大2.0g/cc(2.0/3.21=充填率62%または多孔率38%)まで非常に高いかさ密度に圧縮することができる。結果として得られる形状は、出発材料粒子と同じ高表面積を維持し、成長チャンバーの底部を占める材料の重量を増やすことができる。このようにして、より高いブールをより高密度のソース材料から成長させることができる。また、成長プロセス全体を通じてアクティブなままである原料が多いと、成長時間が長くなり、ブールが長くなり、幅が広くなる。これらの利点は、成長インターフェースの最終的な形状に関係なくある。これはまた、成長サイクルを延長して、より大きなブールをさらに成長させることができる。
【0137】
このようにして、蒸着プロセスのサイクルの成長部分の容量利用を最大化することができる。したがって、本発明の実施形態は、既存の蒸着装置の成長サイクルの能力利用を大幅に増加させる能力を提供する。通常、既存の蒸着装置では、~10-30時間の加熱(ヒートアップ)時間(これは成長サイクルの一部ではない)と~30-50時間の冷却(クールダウン)時間(これは成長の一部ではない)が必要とされる。これらの非成長サイクル時間は、ブールサイズが大きいほど増加する(チャンバーとブールに熱衝撃を加えることができないか、破損する可能性がある)。成長サイクル(すなわち、ブールを成長させるための昇華と堆積が発生している加熱サイクル中の時間)が10-20時間延長されると、ブール成長が400μm/hr増加可能である。これにより、ブール成長サイクルあたりのウエハーの生産量が大幅に増加し、消耗品のコスト、最終的にはウエハーあたりの製造コストが削減される。したがって、本発明の実施形態は、炉の成長期間の容量利用を増加させることができる。
【0138】
したがって、実施形態では、同じ直径のブールに対する蒸着装置の成長サイクルは、現在利用可能なSiCソース材料を使用する場合と比較して、本ポリマー由来のSiCおよび体積形状物の実施形態を使用することにより、約10%~約100%、約10%~約60%、約20%~約60%、約33%~約70%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%さらに、これらのパーセンテージの範囲内のすべての値増加させることができる。実施形態では、本発明のポリマー由来のSiCおよび体積形状物を使用して、単一の成長サイクルから最終的に得られる(ブールを成長させてから同じ厚さを有するウエハーに切断する)同じ厚さおよび直径を有するウエハーの数を増やすことができるが、これは現在入手可能なSiC原材料を使用した場合と比較して約10%から約500%、約100%から約300%、約10%から約70%、約30%から約70%少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも2枚のウエハー、少なくとも10枚のウエハー、少なくとも20枚のウエハー、少なくとも100枚のウエハー、少なくとも1,000ウエハー、約2から100ウエハー、約10から100ウエハー、約50から200ウエハー、約100から500ウエハーなど、およびこれらの値の範囲内のすべての値の増加となる。本ブールの実施形態は、従来のSiCソース材料から成長したブールよりも欠陥が実質的に少ないためという理由によっても、単一の成長サイクルからより多くのウエハーを取得する能力も得られる。このウエハーの生産の増加、ブール成長の効率の向上、およびブールの品質の向上は、単一の成長サイクルからのデバイスの生産増加の効果をさらに持つことがでる。したがって、デバイスの数は、少なくとも約100個、少なくとも約200個、少なくとも約1,000個、少なくとも約10,000個、少なくとも約100,000個以上、約100~約10,000個、約1,000から約30,000、約500から約20,000、および約20,000から約50,000、およびこれらの値の範囲内のすべての値だけ増やすことができる。
【0139】
実施形態は、所定の形状で形状制御を行う能力を提供し、その形状の多くは知られていないと考えられており、大部分は既存の出発材料を使用して得られない。ブール成長のソース材料として蒸着装置に配置される体積形状物、例えばパックの形状は、成長プロセスの多くのパラメータを駆動または積極的に影響し、従来の原料と比較して、より大きなブール、より高品質のブール、より高品質のウエハー、より多くのウエハーを得ることができる。これらの改善された成長パラメータには、次のものが含まれる。ソースの放射状の温度勾配;ソースの軸方向の温度勾配を増加;昇華面積増加;フラックスの制限を低減;ソース材料全体でのより均一な昇華を提供するための内部ソース温度の高温化;ソース材料を通る高速フラックスおよびガイドされたフラックス経路(蒸気を所望の位置(中心または端、またはその両方、特に平坦なブール成長面を提供する)。成長の後期段階でフラックスをブールのエッジに向けることができるため、ソースはエッジ近くでより完全に消費されるが、エッジは中心と同じ速さで成長できる。したがって、最終的な形状は、現在のソース材料を使用することによって得られる、ウエハーを製造するために使用でずにブール材料を無駄にしてしまう典型的な凸状ブールではなく、平坦な面を有するブールを提供し、したがって、ウエハーを作るために使用できるブールの量を大幅に増加させる。
【0140】
上記に加えて、出発材料の所定の形状を有する能力から得られる追加の利点には、以下が含まれる:るつぼ底部への視線を通して成長面の中心の放射加熱を可能にし、種結晶の半径方向の温度勾配を低減し、さらに大きなブール(8インチ、10インチ以上)の成長を可能にし、また、冷却サイクルを減少して結晶の応力を低減し割れの防止する;同じ蒸着装置で既存の出発材料を使用する場合と比較して、より均一なブール温度とその結果としてのブールへの熱応力の低減により、ポリタイプの安定性を改善し、線欠陥/転位を削減する。プロセスの終了までに完全に昇華することのない開始材料がないことを事前選択または決定できるため、ソース材料をより完全に利用できる。大量の原材料を昇華させてブールを形成することにより、廃棄物の原材料を削減し、原材料からブールへの収率とコスト効率を改善する。
【0141】
成長最前部のブールの中心は、典型的には、エッジよりも冷たく、材料堆積のための「シンク(sink)」(蒸気フラックスをシンクするソース)をより多くする。したがって、理論的には、ソース材料を通して下から上に視線(穴)が開いている場合、るつぼの底からの放射はブール面の中心に到達し、少し暖め(摂氏数十度の問題)、中心を「シンク」より小さくし、シード全体の温度をより均一にし、結晶に沿ったすべての位置でより均一なフラックスを作成し、より平坦なブールを可能にする。さらに、この開いた視線形状の実施形態は、ソース材料の中心にある材料をより効果的に昇華させてブールにすることができると理論付けられている。この中心は、最も温度が低い部分であるため、通常、昇華する最後の場所であり、原材料が枯渇する前に成長が終わる。開いた視線形状のパックの実施形態の例は、
図9および
図10に示されている。
【0142】
実施形態は、蒸着装置内の出発材料として使用される体積形状物全体にわたる原料材料の密度の分布を提供する。この所定の密度分布は既存のソース材料に対するいくつかの利点と改善を提供するものであり、例えば、特定の部分への熱伝導の改善や、ソースが全体的に均一に消費されるような熱伝導の制限などの形状の特定の部分または領域への所定の制御された熱伝導や、成長サイクルの期間中の制御された、好ましくは均一に維持された熱伝導などである。昇華組成(すなわち、フラックス組成などの出発材料の昇華から形成される蒸気の組成)も、サイクル全体を通じてより持続的すなわち均一な組成としたり、または成長の始まりにおいてより増幅された組成を有したりして、とりわけ、安定した組成によるより良いポリタイプの安定性を提供する。
【0143】
実施形態は、形状の全体にわたって、粉末の異なる化学量論の分布、例えば、異なるタイプの粉末出発材料、異なるバインダー、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションを有する層、ゾーン、領域を提供する。異なる化学量論のこの所定の分布は、以下を含むいくつかの利点、例えば、原材料が外部から消費される際の成長サイクルの開始から終了まで組成の変化が少なくなる昇華組成のカスタマイズを提供する。異なる化学量論のこの所定の分布は、蒸気の一貫した組成のために、ポリタイプの安定性を高めることもでる。
【0144】
実施形態は、原料すなわち出発原料粉末の調整された化学量論、すなわち、体積形状物バインダーの調整された化学量論、体積形状物への添加剤、出発材料粉末への添加剤、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションを提供する。たとえば、最大20%の液相バインダーと粒子を使用すると、化学量論をたとえば1.5:1の SiCから1:1.5 のSiC及びこれらの比率の範囲内の値にシフトできる。より大きなシフトとより小さなシフトが考えられる。化学量論は、PDC前駆体と、水、または蒸発溶媒、または非SIまたは非C化合物(たとえば、ホウ酸、アルミナ、窒化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、リン酸ナトリウム)を使用して維持される。化学量論は、LDPE、カーボンブラック、グラファイトパウダー、炭化ホウ素、PAN、ワックス、ポリ乳酸、セルロース、ショ糖/糖、重炭酸ナトリウム、デンプンなどを使用してCリッチにシフトする。Si粉末、開始SIリッチSiC、シリカ、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、窒化ケイ素を使用して化学量論はSiリッチにシフトする。
【0145】
シリコンまたは炭素に富む化学量論種は、成長開始時の蒸気流においてそれぞれより高いシリコンまたは炭素含有量を有し、成長のポリタイプ安定性に影響を与える可能性がある。したがって、例えば、炭素リッチの気相を提供する原料の化学量論を有することは、4Hポリタイプの安定性を高めることがでる。体積ドーピング、ガスフロー、またはその両方の窒素ドーピングにより、同様に4Hポリタイプの安定性を高めることができる。同様に、成長温度が2,100~2,500℃の場合、4Hポリタイプの安定性を高めることができる。
【0146】
粉末の化学量論を調整するこの能力は、シリコンリッチ相の幾何学的位置を調整する能力と組み合わせることができる。このようにして、シリコンリッチ相の位置は、枯渇したSiCの「黒鉛化」現象をその場で反応させて昇華用の追加のSiCを形成できるようにすることができる。あるいは、Siリッチ領域は、成長の後期段階で気相のSi含有量の減少を相殺することができる。これにより、特に成長の後期段階で、成長期間全体を通してより一貫したシリコン炭素種のフラックスが可能になる。
【0147】
一般に、SiCを得るためのプロセスでは、液体前駆体配合物から硬化材料にされ、硬化された材料が熱分解されたSiOC材料になり、それからSiC材料(アルファ、ベータ、または両方)に変換される。これらのプロセス(硬化、熱分解、変換)中に、さまざまな構成要素の一部、通常はCとOが失われる。Siも失われる可能性があるが、プロセスと前駆体はSiの損失が最小限に抑えられるようなものであることが望ましい。たとえば、前駆体に組み込まれた過剰なCや、たとえばオーブン内の外部ソースから生成されたCは、SiOを越えるCOの生成を促進し、Siの損失が少なくする。硬化した材料で起こる架橋の程度が大きいほど、熱分解および変換中のSi損失が低くなり、SiCの収率が高くなる。
【0148】
高純度および超高純度のSiCおよびSiOCを製造するためのプロセス、配合物、およびシステムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開2016/0207782号に開示および教示されている。
【0149】
実施形態では、硬化SiOCは、中間処理ステップを必要とせず、粉砕を最小限に抑えて、砕けやすいSiCの塊に直接変換される体積形状物、例えば、パック、ピル、ペレット、プレート、ビーズまたはディスクとすることができる。一実施形態では、硬化SiOCは、粒状SiOCに粉砕され、次いで、粒状SiCに変換され、次いで、バインダーを使用して体積形状物に形成される。一実施形態では、(硬化または熱分解された)SiOCはSiC粒子に形成され、次いで、例えば圧縮されて、体積形状物すなわちSiCの塊に形成される。好ましくは、SiC粒子のサイズおよびサイズ分布は事前に決定されており、さらなる粉砕は不要である。ある実施形態では、必要であれば、これらの粒子をより小さく、より均一な、または両方の顆粒に粉砕することができる。次いで、顆粒を、例えばプレスして、体積形状物すなわちSICの塊に形成することができる。これらにおいてまた他の実施形態では、高純度および超高純度のSiCを製造するには、システムのすべてのコンポーネントに、SiCのその後の使用またはプロセスで不純物と見なされる物質を含まないことが好ましい。または、プロセスへの不純物の混入を防ぐために、これらのコンポーネントをシールド、包装、またはその他の緩和ステップを行うことが好ましい。
【0150】
図16には、SiOCから誘導されたSiCの体積形状物を作成し、好ましくは高純度(例えば、3、4、5ナイン(NINES)及びそれ以上)の体積形状物を作成するためのシステムおよび方法の実施形態の概略斜視フロー図が示されている。前駆体およびその他の材料を含むシステムのライン、バルブ、および内部表面は、SiOC、誘導SiCおよびSiCの体積形状物を汚染しない材料で作られているか、またはそれらでコーティングされている。貯蔵タンク150a、150bは、液体ポリシロカーボ前駆物質を保持する。この実施形態では、液体前駆体から不純物を除去するために、前駆体の一方または両方を蒸留装置151aおよび蒸留装置151bを通して取り出すことができる。次いで、液体前駆体は混合容器152に移され、そこで混合されて前駆体バッチを形成し、触媒される。クリーンルーム環境157aでは、前駆体バッチは、炉154に配置するために容器153にパッケージされる。炉154は、掃引ガス入口161およびオフガス取出しライン162を有する。その後、パッケージされ硬化された材料はクリーンルーム条件下で移送される、いくつかの熱分解炉155a、155b、155cに送られ、そこでSiOCからSiCに移行する。炉はそれぞれ掃引ガス入口ライン158a、158b、158cを有し、2つのオフガス除去ライン159aおよび160a、159bおよび160b、159cおよび160cをそれぞれ有する。オフガスは、システム内のさまざまなユニットからオフガスを収集する入口ライン164を有するオフガス処理アセンブリ163で処理、洗浄、および出発材料を回収することができる。
【0151】
次に、得られたSiCは、好ましくはクリーンルーム条件下にある体積形状物形成領域190に移される。領域190において、SiCは、混合装置173(例えば、ブレード、パドル、攪拌機など)を有する混合容器172に提供される。バインダータンク170からのバインダーは、ライン171を介して容器172に添加される。混合容器172において、SiCはバインダーと混合されてスラリーすなわちブレンドを形成する。スラリーの粘稠度は、後のペレット化操作を促進するようなものでなければならない。次いで、SiC-バインダースラリーは形成装置175に移され、そこでスラリーは体積形状物、例えばペレット、ディスク、ブロックなどに形成され、オーブン177に供給され、そこでバインダーが硬化して体積に所望の強度を与える。次に、硬化した体積形状物は、包装装置180に移され、そこで包装される。好ましくは、これらの操作はクリーンルーム条件下で実行され、より好ましくは、操作は別個のクリーンルーム、またはクリーンルームの領域190a、190b、190cで行われる。
【0152】
好ましくは、SiCおよびSiCの製造に使用するための材料を製造する際に、好ましい実施形態では、ポリシロカーブ前駆体は、清浄空気中で約1気圧で混合される。
【0153】
好ましくは、SiCの製造において、およびSiCの製造において使用するための材料において、硬化は、約20℃から約150℃、約75℃から約125℃、そして約80℃~90℃の範囲の温度、これらの温度の組み合わせ、およびこれらの温度の範囲内のすべての値で行われる。硬化は、好ましくは硬い硬化材料をもたらす期間にわたって実施される。硬化は、空気または不活性雰囲気で行うことができ、好ましくは、周囲圧力のアルゴン雰囲気で硬化を行う。最も好ましくは、高純度材料の場合、炉、容器、ハンドリング機器、および硬化装置の他のコンポーネントは清潔であり、硬化される材料への不純物または汚染物質から本質的にフリーなものとされる。
【0154】
好ましくは、SiCおよびSiCの製造に使用する材料の製造において、熱分解は、約800℃~約1300℃、約900℃~約1200℃、約950℃~1150℃の範囲の温度およびこれらの温度範囲内のすべての値で行われる。熱分解は、好ましくはプリフォームの完全な熱分解をもたらす期間にわたって実施される。好ましくは、熱分解は、不活性ガス、例えばアルゴン中で、より好ましくはアルゴンガスを大気圧または大気圧でのアルゴンガスの流れの中で行われる。ガスは、約1,200cc/minから約200cc/min、約800cc/minから約400cc/min、約500cc/minで流れ、これらの流量の範囲内のすべての値で流れるようにすることができる。好ましくは、処理炉の初期真空排気は、少なくとも1E―3トル未満の減圧まで完了し、不活性ガス、例えばアルゴンで100トル以上に再加圧される。より好ましくは、真空排気は、不活性ガスで再加圧する前に1E-5トル未満の圧力まで行われる。真空排気プロセスは、0回から4回以上のどこでも完了できる。最も好ましくは、高純度材料の場合、炉、容器、ハンドリング機器、および硬化装置の他のコンポーネントは清潔であり、不純物または汚染物質とみなされる要素または材料を本質的に含まず、また、それを生じることがないものとされる。
【0155】
熱分解は、要求温度および環境制御を維持する任意の加熱装置で実施することができる。したがって、例えば、熱分解は、圧力炉、箱型炉、管状炉、結晶成長炉、グラファイト箱型炉、アーク溶解炉、誘導炉、キルン、MOSI2発熱体炉、炭素炉、真空炉、ガス燃焼炉、、電気炉、直接加熱、間接加熱、流動層、RF炉、キルン、トンネルキルン、ボックスキルン、シャトルキルン、コークス式装置、レーザー、マイクロ波、その他の電磁放射、およびこれらおよびその他の加熱装置の組み合わせとバリエーションで行うことができる。
【0156】
低いNおよびOレベルが必要とされる実施形態では、真空、好ましくはターボポンプを使用して10E-6トルを達成し、不活性ガスで埋め戻すことが好ましい。低レベルを達成するために、このパージプロセスを1回または複数回行うことができる。一定の流量の「掃引」ガスは、揮発物の生成中に炉をパージするのに役立つ。
【0157】
好ましくは、SiCの製造において、セラミックSiOCは、後続のまたは継続する熱分解または変換ステップでSiCに変換される。 SiOCからの変換ステップは、SiOCプリフォームの熱分解の一部、例えば連続であってもよく、または時間、場所、およびその両方において完全に別個のステップであってもよい。必要なSiCのタイプに応じて、約1,200℃~約2,550℃、約1,300℃~1,700℃、およびこれらの温度範囲内のすべての値で従来の手順を実行できる。一般的に、約1,600°Cから1900°Cの温度では、時間の経過とともにベータ型の形成が促進される。1900°Cを超える温度では、時間の経過とともにアルファ型の形成が促進される。好ましくは、変換は、不活性ガス、例えばアルゴン中で、より好ましくは、大気圧またはほぼ大気圧でのアルゴンガスの流れの中で行われる。ガスは、約600cc/分から約10 cc/分、約300cc/分から約50cc/分、および約80cc/分から約40cc/分で流れ及びこれらのフローの範囲内の値のものとすることができる。最も好ましくは、高純度材料の場合、炉、容器、ハンドリング機器、および硬化装置の他のコンポーネントは清潔であり、SiCに不純物または汚染物質と考えられる要素または材料を本質的に含まずまた、それを生じることがないものとされる。
【0158】
SiOC由来SiCのその後の収率は、大体約10%から50%、典型的には30%から40%であるが、より高い範囲およびより低い範囲、ならびにこれらのパーセンテージの範囲内のすべての値となる。
【0159】
最も好ましくは、高純度SiCを製造する場合、材料の製造、硬化、熱分解、および変換に関連する活動は、クリーンルーム条件下、例えば、少なくともISO5、少なくともISO4、少なくともISO3、少なくともISO2、および少なくともISO1のISO14644―1クリーンルーム標準で実施される。一実施形態では、マテリアルハンドリングステップは、少なくともISO5のクリーンルームで行われ、一方、よりクリーンでないエリア(ISO>5)は、熱分解および変換ステップに使用される。
【0160】
SiCまたはSiOCおよび超純粋SiCまたはSiOCの体積形状物は、例えば、球体、パック、ペレット、リング、レンズ、ディスク、パネル、コーン、円錐台形状、正方形長方形、トラス、アングル、チャンネル、中空密閉チャンバー、中空球、ブロック、シート、コーティング、フィルム、スキン、微粒子、ビーム、ロッド、アングル、スラブ、コラム、ファイバー、ステープルファイバー、チューブ、カップ、パイプ、および組み合わせそして、これらのさまざまな形状やその他の複雑な形状を含む任意の所定の体積形状物であり得る。
【0161】
体積形状物を作製する際、SiCに添加されるバインダーの量は、SiC粒子の軽いコーティングからスラリーのようなペーストを形成するのに十分な量まで変化し得る。したがって、成形装置の要件、体積形状物の強度要件、およびバインダー自体によって、約0.1%から約65%、約0.1%から約45%、約0.5%から約40%、約20%~約40%、約1%~約15%、および約2%~約7%、約1%以上、約2%以上、および約3%以上およびこれらの割合の範囲内のすべての量のバインダーがSiCに添加されてスラリーまたはブレンドを形成する。硬化中に失われるバインダーの量に応じて、約0.05%から約25%、約0.75%から約12%、1%から約5%、約1%以上、約2 %以上、約4%以上、約6%以上およびこれらの割合の範囲内のすべての量の硬化バインダーを含む体積形状物となる。
【0162】
体積形状物を形成するためにバインダーと混合されるSiC顆粒のサイズは、約0.1μm(ミクロン)から約100μm、約0.5μmから約50μm、約0.3μmから約20μm、約0.3 umから約10 um、およびより大きいサイズとより小さいサイズ、異なるサイズの組み合わせ、およびこれらのサイズの範囲内のすべての値であり得る。したがって、顆粒は、約0.1μmから約20.0μm、約0.5μmから約10.0μm、約0.5μmから約2.0μm、約0.5μmから約1.0μm、約1μmから約5μm、約1μm、約2μm、約3μm、およびそれ以上およびそれ以下およびこれらのサイズの範囲内のすべての値の一次粒子D50サイズを有することができる。
【0163】
バインダーは、処理、硬化および体積形状物のその後の使用中にSiCを所定の形状に保持するために使用される任意のバインダーであり得る。バインダーの実施形態は、好ましくは無酸素であり得る。バインダーの実施形態は、好ましくは、炭素と水素のみを有する材料で構成することができる。バインダーの実施形態は、酸素を有する材料から作製することができる。バインダーの実施形態は、SiCの焼結に使用される任意の焼結助剤であり得る。バインダーの実施形態は、溶融シリカであり得る。バインダーの実施形態は、本明細書に記載されている液体前駆体のすべてを含むポリシロカルブ前駆体材料であり得る。これらおよび他の材料の組み合わせおよびバリエーションもバインダーとして使用されてもよい。
【0164】
バインダーは、ポリシロキサン前駆体の硬化に使用される条件下で、または体積形状物を維持するのに十分な硬い(例えば、強靭な)材料にバインダーを変換するのに必要な条件下で、必要な程度まで硬化することができる。したがって、場合によっては、硬化(curing)、硬化(hardening)、形成(forming)、またはセットアップは、バインダーの特性に基づいて行う必要がある。不純物または他の望ましくない物質を体積形状物に導入するためにバインダーの硬化または硬化またはセットアップを防ぐことを考慮する必要がある。
【0165】
酸素を含まないバインダーの実施形態の例には、ポリエチレン、シリコン金属、炭化水素ワックス、ポリスチレン、およびポリプロピレン、ならびにこれらの組み合わせおよびバリエーションが含まれる。
【0166】
炭素および水素のみを含むバインダーの実施形態の例には、ポリエチレン、炭化水素ワックス、炭素またはグラファイト粉末、カーボンブラック、HDPE、LDPE、UHDPE、およびPP、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションが含まれる。
【0167】
酸素を含むバインダーの実施形態の例には、ホウ酸、酸化ホウ素、二酸化ケイ素、多価アルコール、ポリ乳酸、セルロース材料、糖および糖類、ポリエステル、エポキシ、シロキサン、ケイ酸塩、シラン、シルセスキオキサン、酢酸エチルビニルアセテート(EVA)などの酢酸塩、PMMAなどのポリアクリレート、ポリマー由来のセラミック前駆体、およびこれらの組み合わせとバリエーションが含まれる。。
【0168】
焼結助剤であるバインダーの実施形態の例には、ケイ素、酸化ホウ素、ホウ酸、炭化ホウ素、ケイ素および炭素粉末、シリカ、ケイ酸塩およびポリマー由来のセラミック前駆体、ならびにこれらの組み合わせおよび変形が含まれる。
【0169】
ブールの成長などの用途で使用するための、およびウエハーを製造するための純粋および超純粋SiC材料に対して、バインダー材料は、汚染物質と考えられるすべての材料を含まないことが好ましい。したがって、実施形態において、バインダー材料は、少なくとも5ナイン、少なくとも6ナイン、少なくとも7ナイン、および少なくとも8ナインで純粋であり、例えば、汚染物質と考えられる材料を含まない。
【0170】
好ましくは、バインダーの使用は、SiCまたはSiOCに検出可能な量の汚染物質を全く加えない。一実施形態では、バインダーはまた、処理後にケイ素原子と炭素原子の比をほぼ1:1に維持するためにSiCの適切な化学量論を維持する。一実施形態では、バインダーは、所定のSiC比を有する体積形状物を提供するために、炭素リッチ、炭素欠乏、または化学量論的である所定のSiC比を有する。
【0171】
純粋および超純粋SiC用途および材料の場合、バインダーは、好ましくは、化粧品グレード、電子機器グレード、および外科手術グレードの材料であり得る。
【0172】
バインダーの実施形態は、米国特許第9,499,677号、第9,481,781号および米国特許公開第2014/0274658号、2014/0323364、2015/0175750、2016年/0207782、2016/0280607、2017/0050337に開示および教示されている触媒および非触媒の両方の前駆体配合物を含み、これらのそれぞれの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。これらのバインダーを硬化させる方法は、これらの特許および公開された出願に開示および教示されており、それらのそれぞれの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0173】
好ましい実施形態では、SiC体積形状物は、ポリマー由来の、好ましくはポリシロカルブポリマー由来のSiC(例えば、参照により本明細書に組み込まれる教示および開示された米国公開第2016/0207782号)およびポリシロカルブバインダーを使用して作製される。一実施形態では、SiCは従来のソースからのものである。この実施形態は、従来のSiCが異なる構造、例えば形態および表面特性を有し、蒸着などの用途においてポリマー由来のSiCよりも性能が劣ると考えられるため、あまり好ましくない。実施形態では、体積形状物は、ポリマー由来のSiCと従来のSiCの混合物である。
【0174】
一実施形態において、バインダーは、錠剤、ビーズまたは体積形状物に導電性を提供するために使用される。したがって、バインダーは炭素、シリコンとすることができ、またはその場で炭素などの導電性種に分解することができる。例としては、多糖類、PE、炭化水素油、ワックスなど、または炭素過剰が多いポリシロカルブ配合物などがある。SiCの化学量論比を達成し、代わりにその場でC-SiC複合体を形成するか、炭素とケイ素を追加することができる。このようにして体積形状物、例えばディスク、パック、ペレット、ビーズ、タブレット、ピルなどは、20℃で10,000オーム-cm未満、20℃で8,000オーム(オーム)-cm未満、20℃で5,000オーム未満-cm、20℃で2,000オーム-cm未満、およびこれらの抵抗率の範囲内のすべての値の抵抗率をもつ。
【0175】
概括的には、一実施形態では、バインダー材料は、700℃未満で完全に揮発し、600℃未満で完全に揮発し、500℃未満で完全に揮発し、これらの温度の範囲内のすべての値で完全に揮発する。異なる種類のPDCをバインダー材料として使用する場合、揮発範囲は変化する可能性があるため、バインダーの揮発温度範囲は約900℃~約300℃、およびこれらの温度範囲内のすべての値であり得る。また、バインダーの揮発成分は、SiCから構造を作るために使用されている装置の内部成分、例えば蒸着装置上に堆積しないか、さもなければ汚損または汚染しないことが好ましい。
【0176】
20℃で8,000オーム―cm未満の抵抗率を有する少なくとも約5ナインの(体積形状物の)純度を有する例えばタブレット、ディスク、パック、ピル、ペレット、ビーズなどの体積形状物を形成するための超純SiCとともに使用するためのバインダー材料の好ましい実施形態は、シリコン金属、カーボンパウダー、炭化水素ワックス、純粋なポリエチレン、および主にシリコンと炭素と水素を含む蒸留可能な化合物、ポリマー由来のセラミック前駆体、およびこれらの組み合わせとバリエーションである。
【0177】
体積形状物を形成するための装置およびプロセスには、例えば、コールドプレス、コールドアイソスタティックプレス、ホットプレス、ホットアイソスタティックプレス、押出機、ダイカスト、および成形プロセス、ならびにこれらの組み合わせおよび変形が含まれる。
【0178】
方向性フラックス、還流、分別蒸留または分別昇華を利用する実施形態、および成長サイクルのほとんど、好ましくは全体の間に所定の形状が構造的一体性を保持する他の実施形態では、バインダーは昇華せず、または、体積形状物の構造的一体性を維持する能力を失わないものである必要がある。これらのタイプのバインダーの例には、バインダーとしてのPDC前駆体が含まれる。例えば還流構造(reflux structure)として機能するために、体積形状物の構造的一体性を維持するための好ましい実施形態は、10%~15%重量の純粋なPDC前駆体材料であろう。
【0179】
SiCを作るのに必要な基本的にすべてのビルディングブロック、たとえばSiおよびCを有する液体材料、たとえば前駆体バッチで開始する能力は、不純物、汚染を制御し、高純度SiCに変換したり、単一の組み合わせプロセスまたはステップで直接作成できる高純度のSiOCを作るのに顕著な利点を与える。従って。また、蒸着装置および成長ブールにおける本ポリマー由来のSiCの性能に一部基づいて、ポリマー由来のSiCは非ポリマー由来のSiCとは著しく異なると理論付けられる。したがって、ブールの成長と純度、ウエハーの歩留まり、デバイスの歩留まりにおける相乗効果は、バルク密度、粒子サイズ、SiC相(ベータ対アルファ)、化学量論、酸素含有量(非常に低いから無し、酸化物層の欠如)、高純度および超高純度などの本発明における個々の利点から生じる。
【0180】
したがって、本発明の実施形態は、少なくとも約99.9%(3―ナイン)、少なくとも約99.99%(4―ナイン)、少なくとも約99.999%(5-ナイン)および少なくとも約99.9999%(6-ナイン)および少なくとも約99.99999%(7-ナイン)またはそれ以上の純度、およびこれらの純度の範囲内のすべての値の純度のSiOCおよびSiOC体積形状物の使用を提供する。同様に、本発明の実施形態は、少なくとも約99.9%(3―ナイン)、少なくとも約99.99%(4―ナイン)、少なくとも約99.999%(5―ナイン)および少なくとも約99.9999%(6-ナイン)および少なくとも約99.99999%(7-ナイン)以上の純度、およびこれらの純度の範囲内のすべての値であるSiCおよびSiC体積形状物の使用を提供する。これらの純度値は、場合によっては、SiOCまたはSiC生成物の特定のサンプルに存在または含まれるすべての材料に対して、SiOCまたはSiCの量に基づく。本明細書で使用されるSiOCまたはSiC生成物は、粉末SiOCまたはSiC、ならびにこれらの材料の体積形状物を指す。適切なバインダーを選択したSiCおよびSiOCの体積形状物の実施形態は、同じ純度レベルを持つ。
【0181】
また、意図する製造プロセスまたは最終用途でのSiCおよびSiOCの使用に悪影響を及ぼさない場合、また、SiCおよびSiOC出発原料から製造される最終生成物に悪影響を与えで汚染物質が作用する(または除去される)場合、体積形状物のより低い純度レベルでも許容できる。したがって、たとえば、SiCの純度が7-ナインで、ブール形成蒸気堆積プロセスで700℃に達する前に、ディスクの全体的な純度を低下させるバインダーが除去された4-ナインSiCの純粋なディスクが許容される場合がある。さらに、重すぎる(AMUが高い)不純物はパック内に閉じ込められる可能性があるため軽減される。
【0182】
本発明の実施形態では、高純度SiC体積形状物は、たとえば、ブール、ウエハー、電子部品、光学部品、およびその他のSiCベースの中間生成物や最終生成物などのアイテムの後の処理および製造において、最終生成物の重大な問題を引き起こす、または不純物と見なされるものの量は、検出限界の非常に低い、および低い検出量とされる。
【0183】
したがって、ポリマー由来の高純度SiC、および特にポリシロカルブ由来の高純度SiOC、ならびにSiOCが変換される高純度SiCは、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、少なくとも約99.9999%、少なくとも約99.99999%以上の純度を有する。さらに、本発明の実施形態は、99.0%、95%、90%以下などの低レベルの純度を含む、任意の純度レベルのポリマー由来SiCおよびSiOCを含むことに留意されたい。これらのより低い、例えば、非高純度の実施形態は、実質的な用途および用途を有しており、また見出すであろうと考えられている。同様に、高純度SiCの実施形態は用途、用途を見出し、本発明以前はSiまたはSiC以外の材料に限定されていた用途に新しい驚くべき利益をもたらすと考えられている。適切なバインダーを選択したSiCの体積形状物の実施形態は、同じ純度レベルを持っている。
【0184】
本発明の実施形態は、電子機器および半導体用途での用途のためのウエハーを作製する際の高純度SiCの使用を含む。蒸着装置と、後で使用するブールとウエハーを作成するプロセスの両方で、高純度のSiCが必要とされる。特に、表1に示すように、高純度SiCの実施形態は、特定の蒸着装置、電子機器用途、および半導体用途で不純物と考えられる表1のすべての要素の低レベルを有することが好ましい場合がある。したがって、SiC粒子および体積形状物の実施形態は、不純物を含まず、実質的に不純物を含まず、表1に示される量および量の組み合わせを超えない量を含むことができる。
【0185】
【0186】
一実施形態では、Prは、いくつかの用途では不純物と見なされる場合があり、そう考慮される場合、表1の制限および量はPrに適用可能であり得る。
【0187】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるように、純度レベル、高純度、%純度、%不純物、および同様の用語に言及する場合、過剰な炭素、すなわち化学量論的SiCを超えたものは含まれず、参照され、考慮されない、または材料の計算または特性評価で使用されない。一部の用途では、過剰な炭素は用途または生成物にほとんどまたはまったく影響を与えない可能性があるため、不純物とはみなされない。他の用途では、過剰な炭素が有益な場合がある。たとえば、炭素は焼結助剤として機能する。過剰な炭素は、蒸着装置およびプロセスの不規則性に対処し、補償するために使用でき、蒸着プロセスを制御または実行するために使用できる。
【0188】
窒素が汚染物と見なされる用途では、ポリシロカルブ由来のSiCおよびSiOCの実施形態は、約10,000ppm未満、1000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、約1ppm未満、そして、約0.1ppm未満の窒素、およびそれ以下、および約1000ppmから約0.01ppmの窒素、約100ppmから約0.001ppmの窒素を有し得る。SiCの体積形状物の実施形態は、同じ純度レベルを有する。
【0189】
ポリシロカルブ由来のSiCの一実施形態では、SiまたはCに結合した、または酸化物層としてのいずれかの形態で、酸素が存在せず、本質的に存在しない。したがって、ポリシロカルブ由来のSiCおよびSiCの体積形状物の実施形態は、約10,000ppm未満、1000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、約1ppm未満、および約0.1ppm未満およびそれ以下の酸素、および約1000ppmから約0.01ppmの酸素、約100ppmから約0.001ppmの酸素を有し得る。ポリシロカルブ由来のSiCは、標準の温度と圧力下で空気にさらされても酸化物層を形成しない抵抗力を有する。大気条件下で保管された場合に酸化層がない、すなわち酸化物層を含まないSiCは、酸化物層が不純物と見なされる後の製造プロセス、または酸化物層が製造プロセスに悪影響を与えると見なされる後の製造プロセスで利点をもたらす。SiCの体積形状物の実施形態は、同じ純度レベルを有する。
【0190】
本ポリシロカルブSiC、およびポリシロカルブ由来SiCから作られたSiCブール、ウエハーおよび他の構造の実施形態は、多型、および一般に多型と呼ばれる一次元多型を示す。したがって、ポリシロカルブ由来のSiCは、多くの理論的に無限の異なるポリタイプに存在する可能性がある。本明細書で使用されるように、特に明記しない限り、ポリタイプ、ポリタイプ、および類似の用語には、可能な限り広い意味を与える必要があり、炭化ケイ素四面体(SiC4)を構成するさまざまな異なるフレーム、構造、または配置が含まれる。通常、これらのポリタイプは、アルファ(α)とベータ(β)の2つのカテゴリに分類される。
【0191】
ポリシロカルブ由来のSiCのアルファカテゴリーの実施形態は、典型的には、六角形(H)、菱面体晶(R)、三方晶(T)構造を含み、これらの組み合わせを含み得る。通常、ベータカテゴリには立方晶(C)または閃亜鉛鉱型構造が含まれる。したがって、たとえば、ポリシロカルブ由来の炭化ケイ素のポリタイプには、ABCABC…のスタッキングシーケンスを持つ3C-SiC(βーSiCまたはβ3C-SiC)、ABAB…のスタッキングシーケンスを持つ2H-SiC、ABCBABCB…のスタッキングシーケンスを持つ4H-SiC、ABCACBABCACB…のスタッキングシーケンスを持つ-SiC(αシリコンカーバイドの一般的な形、α6H-SiC)が含まれる。アルファ炭化ケイ素の他の形態の例には、8H、10H、16H、18H、19H、15R、21R、24H、33R、39R、27R、48H、および51Rが含まれる。
【0192】
ポリシロカルブ由来のSiCの実施形態は、多結晶または単(single:mono-)結晶であり得る。一般に、多結晶材料には、2つの粒子、または材料の微結晶間の界面として結晶粒界が存在する。これらの粒界は、異なる配向を有する同じポリタイプ間、または同じまたは異なる配向を有する異なるポリタイプ間、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションであり得る。単結晶構造は単一のポリタイプで構成され、本質的に粒界はない。
【0193】
本方法の実施形態は、ブール、好ましいSiCの単結晶ブールをもたらす。これらのブールは、約1/2インチから約5インチ、約1/2インチから約3インチ、約1インチから約2インチ、約1/2インチを超える長さ、約1インチを超える長さ、約2インチを超える長さを有することができる。大きいサイズと小さいサイズ、およびこれらのサイズの範囲内のすべての値が考えられる。ブールは、例えば、直径が約1/2インチから約9インチ、約2インチから約8インチ、約1インチから約6インチ、約1インチより大きい、約2インチより大きい、約4インチより大きい、約4インチ、約6インチ、約8インチ、約12インチ、約18インチの断面積を有することができる。他のサイズ、およびこれらのサイズの範囲内のすべての値が考えられる。
【0194】
一般に、SiCブールから電子部品を製造するプロセスは、SiC単結晶ブールを薄いウエハーに切断することを含む。ウエハーはブールの直径を有し、通常、約100μm~約500μmの厚さを有する。次に、ウエハーの片面または両面を研磨する。次に、研磨されたウエハーは、マイクロエレクトロニクス半導体デバイスの製造用の基板として使用される。したがって、ウエハーは、ウエハー内に組み込まれている、ウエハー上に組み込まれている、またはその両方のマイクロ電子デバイスの基板として機能する。これらの超小型電子デバイスの製造には、いくつか例を挙げると、エピタキシャル成長、ドーピングまたはイオン注入、エッチング、さまざまな材料の堆積、およびフォトリソグラフィのパターニングなどの微細加工処理ステップが含まれる。ウエハーから製造されると、ウエハー、ひいては個々のマイクロ回路は、ダイシングとして知られるプロセスで、個々の半導体デバイスに分離される。次いで、これらのデバイスは、さまざまなより大きな半導体デバイスおよび電子デバイスの製造に使用され、例えば組み込まれる。
【0195】
本方法および結果として得られるSiCウエハーの実施形態は、とりわけ、約2インチ直径のウエハーおよびより小さい、約3インチ直径のウエハー、約4インチ直径のウエハー、約5インチ直径のウエハー、約6インチ直径のウエハー、直径約7インチのウエハー、直径約12インチのウエハー、場合によってはそれ以上の直径、直径約2インチから約8インチのウエハー、直径約4インチから約6インチのウエハー、正方形、円形、および他の形状、約1平方インチ、約4平方インチ、約8平方インチ、約10平方インチ、約12平方インチ、約30平方インチ、約50平方インチ、およびそれ以上およびそれ以下の表面積、約100μmの厚さ、約200μmの厚さ、約300μmの厚さ、約500μmの厚さ、約700μmの厚さ、約50μmから約800μmの厚さ、約100μmから約700μmの厚さ、約100μmから約400μmまでの厚さ、約100μmから約300μmまでの厚さ、約100μmから約200μmまでの厚さ、およびそれよりも大きいおよび小さい厚さ、ならびにこれらの組み合わせおよびバリエーション、ならびにこれらの範囲内のすべての値のウエハーを含む。
【0196】
本方法および結果として得られる切断および研磨されたウエハーの実施形態は、ブールの成長を開始するために(すなわち、「シード」として)使用され、そこから成長ブールの残りが構造と一致するものも含み得る。ウエハー、またはシードは、とりわけ、直径約2インチおよびより小さいウエハー、直径約3インチのウエハー、直径約4インチのウエハー、直径約5インチのウエハー、直径約6インチのウエハー、約直径7インチのウエハー、直径約12インチのウエハー、場合によってはそれ以上の直径、直径約2インチから約8インチのウエハー、直径約4インチから約6インチのウエハー、正方形、円形、その他の形状、約4平方インチ、約8平方インチ、約12平方インチ、約30平方インチ、約50平方インチ、およびそれ以上およびそれ以下の表面積、厚さ約100μm、厚さ約200μm、約300μmの厚さ、約500μmの厚さ、約1500μmの厚さ、約2500μmの厚さ、約50μmから約2000μmの厚さ、約500μmから約1800μmの厚さ、約800μmから約1500μmの厚さ、約500μmから約1500μmの厚さ1200μm、約200μmから約2000μmの厚さ、約50μmから約2500μmの厚さ、より大きな厚さおよびより小さな厚さ、およびこれらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの寸法の範囲内のすべての値のウエハーを含む。
【0197】
本発明のSiCブール、SiCウエハー、およびそれらのウエハーから製造されたマイクロエレクトロニクスの実施形態は、とりわけ、ダイオード、広帯域増幅器、軍事通信、レーダー、通信、データリンクおよび戦術データリンク、satcomおよびポイントツーポイント無線パワーエレクトロニクス、LED、レーザー、照明、センサーにおける用途および利用が可能である。加えて、これらの実施形態は、HEMTベースのモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を含む高電子移動度トランジスタ(HEMT)などのトランジスタにおける用途および用途を見出すことができる。これらのトランジスタは、分散(進行波)アンプ設計アプローチを採用でき、SiCのバンドギャップが大きいため、小さなフットプリントで非常に広い帯域幅を実現できる。したがって、本発明の実施形態は、本発明の方法、蒸着技術、およびポリマー由来のSiC、SiCブール、SiCウエハー、およびこれらのウエハーから製造されたマイクロエレクトロニクスから製造される、またはそれらに基づくこれらのデバイスおよび物品を含む。
【0198】
ポリシロカルブ由来のSiC、特に高純度SiCの実施形態は、とりわけ、エレクトロニクス、ソーラー、および送電産業および用途での使用に有利かつ望ましいものにする多くの独特の特性を有する。これらは非常に安定した半導体材料として機能し、高出力、高周波、高温、腐食性の環境および用途を含むいくつかの要求の厳しい用途に適している。ポリマー由来のSiCは、ヤング率が424GPaの非常に硬い材料である。それは本質的に化学的に不活性であり、室温でいかなる材料とも反応しない。
【0199】
本発明の実施形態は、高純度SiOCおよびSiC、例えばパック、練炭、レンガ、ブロック、錠剤、丸薬、プレート、ディスク、正方形、ボール、ロッド、ランダムな形状などの体積構造の形態の高純度SiOCおよびSiCを提供する能力を有している。これらの体積形状物には、大体、1/32in3(インチ3)以上、1/16in3以上、1/8in3以上、1/4in3以上、約1/16in3から約1ft3、より大きな体積およびより小さな体積、ならびにこれらの寸法の範囲内のすべての値の幅広いサイズを有し得る。容積構造の実施形態は、硬く、構造的に堅固であるか、または柔らかく、砕けやすいものであり得る。ディスク、プレート、ピル、および他のよりほぼ平らな体積構造の場合、最大表面の面積(つまり、厚さではなく幅)は約1/32in2以上、または約1/16in2以上、約1/8in2以上、約1/4in2以上、約1/2in2以上、約1in2以上、および以上または約2in2、および約1/4in2から約3in2、約1/2in2から約4in2および約1/8in2から約3/4in2に等しいかそれいじょうとすることができる。これらの平面型体積形状物は、1/64インチ未満、1/32未満、1/2インチ未満、約1/16インチから約3/4インチ、約1/8インチから約1/2インチ、1/8インチ以上、1/4インチ以上、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの寸法の範囲内のすべての値の厚さを有することができる。。
【0200】
好ましい実施形態では、体積形状物は、使用に適した強度、例えば取り扱いに耐える能力を有し、構造的に無傷のままであるため、輸送、開梱、およびブール成長蒸着装置に装填することができる。使用するバインダー、または他の接合プロセスに応じて、これらの体積形状物もかなり大きな強度を持つことができる。
【0201】
SiC体積構造の実施形態は、約100kPaから約100MPa、約500kPaから約500Mpa、約100kPaから約1GPa、約50kPaから約300GPa、およびより大きい値およびより小さい値、および組み合わせ、これらのバリエーション、およびこれらのプロパティの範囲内のすべての値の弾性モジュールを有することができる。
【0202】
SiC体積構造の実施形態は、約10Kg/mm2から約2,500Kg/mm2、約10Kg/mm2から約1,500Kg/mm2、約100Kg/mm2から約2,000Kg/mm2、約150Kg/mm2から約1,000Kg/mm2、約300Kg/mm2から約1,750Kg/mm2、より大きな値とより小さな値、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらのプロパティの範囲内のすべての値の硬度を有することができる。
【0203】
SiC体積構造の実施形態は、約5kPaから約15MPa、約10kPaから約10MPa、約100kPaから約1MPa、および約10kPa以上、約100kPa以上、約1MPa以上、およびより大きい値と小さい値、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの特性の範囲内のすべての値の剛性を有することができる。
【0204】
SiC体積構造の実施形態は、約1MPaから約3.5GPa、約10MPaから約2.5GPa、約50MPaから約1GPa、約50MPaから約750MPa、約100MPaから約2 GPa、約200 MPaから約800 MPa、より大きな値とより小さな値、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの特性の範囲内のすべての値の圧縮強度を有することができる。
【0205】
より高い強度の実施形態とみなすことができるこれらの構造の実施形態では、これらのSiC体積構造は、約200MPa未満、約150MPa未満、約75MPa未満、および約10MPa以下、未満の弾性率、及び約1,400Kg/mm2未満、約800Kg/mm2未満、約400Kg/mm2未満、約100Kg/mm2以下、未満の硬度、そして、約1,850MPa未満、約1,000MPa未満、約750MPa未満、約200MPa未満、約50MPa未満、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションの圧縮強度、これらの範囲内のすべての値のプロパティを有することができる。
【0206】
これらのSiC体積構造は、以下を有することができる:約100MPa以上、約200MPa以上、および300MPa以上の弾性率;約700Kg/mm2以上、約1,000Kg/mm2以上、約2,000Kg/mm2以上の硬度;約50MPa以上、約200MPa以上、および約500MPa以上の圧縮強度;これらの組み合わせおよびバリエーション、ならびにこれらの範囲のすべての値のプロパティ。
【0207】
より低い強度を有すると見なすことができるこれらの容積構造の実施形態では、これらの実施形態は、より低いまたはより低い剛性値を有することができる。たとえば、10MPa以下の剛性。この低強度構造の実施形態では、例えば炭化水素ワックスを使用することができ、例えばセラミックバインダーよりも剛性がかなり低い。
【0208】
いくつかの実施形態では、概括的には、これらのSiC体積形状物は、その構造を構成するSiC材料よりも弱く、約410GPaの弾性率、約2,800Kg/mm2の硬度、および約3,900MPaの圧縮強度、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの特性の範囲内のすべての値が報告されている。ヘリウムピクノメトリーによって測定されたSiCの実際の密度は、約3.0~3.5g/cc、または約3.1~3.4g/cc、または約3.2~3.3g/cc、およびこれらの組み合わせとバリエーション、および、これらのプロパティの範囲内のすべての値を有している。ペレット、ピルなどのSiCの体積形状物の実施形態の見掛け密度、または比重は、大幅に低くなる場合がある。
【0209】
一実施形態では、SiCの体積形状物の質量は、好ましくは、そして典型的には、そのSiC実際の密度よりも低い見掛け密度を有し、例えば、SiC顆粒の実際の密度は約3.1g/ccから3.3g/ccとなる。体積形状物(例えば、パック、ペレット、キューブ、ボール、ビーズ、ディスクまたはプレート)の見かけの密度は、約3g/cc未満、約2g/cc未満、約1g/cc以下であり得るものであり、約0.5g/ccから約1.8g/cc、約0.4g/ccから約2g/ccであり得る。SiCの粒子の嵩密度は、約3.0g/cc未満、約2.0g/cc未満、約1g/cc未満、および約0.1g/ccから約2g/cc、0.5g/ccから約1.5g/ccであり得る。見掛け密度(apparent density)と嵩密度(bulk density)を大きくしたり低くしたりすることも考えられる。さらに、ポリマー由来SiCの体積形状物の特定の、すなわち所定の正確な見掛け密度を提供して、後の製造プロセスに対して適合し、好ましくは強化し、より好ましくは最適化することができる。たとえば、PVTウエハー製造では、SiC顆粒の体積形状物は、特定のPVT装置に適合するように特別に設計および調整された見掛け密度を持つことができる。このようにして、施設内の各PVT装置は、カスタムフィードストックを持つことができ、これにより、体積、重量、充填率、かさ密度、タップ密度、見掛け密度などの所定の正確な特性を持つフィードストック(SiCの体積形状物など)を使用して各装置のパフォーマンスを最適化できる。
【0210】
実施形態では、SiCの体積形状物は多孔性を有することができ、これは、好ましくはバインダーによって、またはバインダーとともに提供される。この多孔性は、好ましくは、開孔または実質的な開孔の多孔度である。このように、体積形状物は、通常、粒状のSiCよりも実質的に大きな利用可能な表面積を提供する。これは、形状の構造に、たとえば顆粒が互いに詰まっているSiC粒子のゆるい山には存在しない細孔表面が含まれるためである。したがって、たとえば、SiCのディスクを蒸着プロセスで使用してSiCブール(その後のSiCウエハーへの変換用)を作成する場合、これらのSiCディスクは、SiC蒸気を生成するためのSiC蒸気が生じる表面積及びSiC蒸気の移動の経路が大幅に大きくなる。SiC蒸気の移動については、このようなプロセスで粒状SiCを使用することで通常得られるものよりも多くなる。表面積の増加と経路の増加により、SiCブールの成長速度、SiCブール(したがって後続のウエハー)の品質、およびこれらの両方を向上させることができると理論付けられている。SiCの体積形状物、たとえばSiCディスクは、粒状のSiC材料よりも取り扱い、測定、使用が簡単となる。
【0211】
実施形態では、体積形状物は、熱分解炉から出されたSiCの砕けやすい塊をばらばらにすることにより得られたSiCの顆粒から作製することができる。これは体積形状物の作成に使用される顆粒のサイズを制御できる。これはまた、いくつかの実施形態において、バインダーの添加および混合プロセスのより大きな制御を提供する。
【0212】
一実施形態では、SiCの砕けやすい塊は、好ましくは、そして典型的には、その実際の密度よりもかなり低い見掛け密度を有し、例えば、実際の密度は約3.2g/ccになる。一般に、もろい塊を粉砕することにより得られる粒状SiCは、本質的に例えば約3.1~3.3g/ccを有する同一の見掛けおよび実際の密度を有する。
【0213】
高純度ポリシロカブルSiCの特徴は、SiC塊、構造、物または体積形状物を成長または作成する他の技術の中でも、例えば、SiおよびC源または出発材料、蒸着プロセス、システムおよび装置として使用するためのいくつかの利点および利益を提供する。例えば、高純度レベル、高純度レベル、粒子サイズ分布(形状、サイズ、および両方)を制御する能力;所定の粒度分布;体積形状物を持つ機能;所定の体積形状物(例:パック、ピル、ディスクなど);多孔性を有し、多孔性を制御する能力;所定の多孔性;炭素の量を制御する能力;所定の炭素量(過剰すなわち化学量論量より多い、化学量論量未満すなわち欠乏状態、および化学量論量に等しい);これらのプロパティと他のプロパティの組み合わせとバリエーション。本発明のさらなる利点が見られるが、蒸着プロセスにおけるこれらの利点には、ブールまたは他の構造を成長させる時間の短縮、洗浄前のより長い実行時間、装置を最適化する能力、より大きな直径のブールまたは他の構造を成長させる能力、品質を高める能力、ブールまたは他の構造からの問題のある領域、問題のある領域または問題のある発生(例えば、パイプ、閉塞、欠陥)を減らす能力、コストの削減、制御の向上プロセス全体、およびこれらの組み合わせとバリエーションが含まれる。
【0214】
一実施形態では、ドーパントを材料に添加する必要がある場合、前駆体を介して添加することができ、したがって、ブールまたは他の構造への成長のための制御された方法および量で添加することができる。前駆体配合物の実施形態は、ドーパント、またはドーパントをセラミックにおよびその次に、変換されたSiCに運んで結合する複合体を有することができ、それにより蒸着プロセスでドーパントが利用可能かつ使用可能な形態となる。
【0215】
さらに、ドーパントまたは他の添加剤はポリマー由来のSiCの実施形態から作られたウエハー、層および構造にカスタムまたは所定の特性を提供する。これらの実施形態では、そのような特性向上添加剤は、最終生成物に含まれる必要があるため、不純物とは見なされない。特性向上添加剤は、液体前駆体材料に組み込むことができる。特性強化添加剤の性質に応じて、それは前駆体の骨格の一部であるか、液体の前駆体に組み込むために複合体化されるか、複合体の一部であるか、または他の形態として(例えば、最終的な素材で意図したとおりに機能するような形式に)することを可能とする。特性向上添加剤は、コーティングとしてSiCまたはSiOC粉末材料に添加することも、処理中に蒸気またはガスとして添加することも、粉末状にしてポリマー由来のSiCまたはSiOC粒子と混合することもできる。一実施形態では、特性向上添加剤は、体積形状物のためのバインダーを含むか、その一部である。一実施形態では、特性向上添加剤は、体積形状物上のコーティングであり得る。さらに、特性向上添加剤が存在する形態および様式は、好ましくは、最終生成物の加工条件、加工時間、および品質に悪影響を最小限に抑え、より好ましくは悪影響を与えないようなものでなければならない。したがって、ポリシロカルブ由来のSiC、または5ナイン純度以上、6ナイン純度以上、7ナイン純度以上のSiC体積形状物は、ある量の特性向上添加剤を有することができる。これらの量は、約0.01%から約50%、約0.1%から約5%、約1%から約10%、25%未満、20%未満、10%未満および1%未満そして、添加剤およびそれが与えることを意図した所定の特性に応じて、より多い量およびより少ない量であり得る。
【0216】
超純粋ポリマー由来SiCの使用、SiCの現在の体積形状物の使用、および本蒸着技術の使用は、他のSiC源、つまり非ポリマー由来のセラミックベースのSiCから作られたブールおよびウエハーと比較すると、これらの超純粋なポリマー由来の材料から作られている個々におよび集合的に優れた品質を提供し、ブール、ウエハーおよび半導体の欠陥を低減する。本理論に拘束されるものではないが、例えばポリシロカルブ前駆体の液体SiOC出発材料から超純粋なSiCを得るために使用されるポリマー由来のセラミックプロセスは、他のSiCの供給源とは異なる特徴と形態を有する出発原料SiCを提供すると考えられている。。この違いにより、ポリマー由来のセラミック材料は、SiCのその他の供給源よりも気相成長法でかなり良好にプリフォームでき、さらに、本体積形状物および蒸着技術は、超純ポリマー由来のSiCの利点からさらに恩恵を受け、相乗的に構築される能力を提供すると考えられている。さらに、ポリマー由来のセラミックSiCを種結晶として使用すると、他のSiC種結晶よりもブールおよびウエハーの品質と製造効率のさらなる向上を達成できると考えられている。
【0217】
したがって、超高純度ポリマー由来のSiCの使用、SiCの本発明に係る体積形状物の使用、本発明に係る蒸着技術の使用は、それらの個々的にも集合的にも、(従来のSiC出発材料を使用した蒸着プロセスに存在していた)以下のプロパティと機能の少なくとも1つ以上、好ましくはすべての強化と改善、および以下の有害なプロパティまたは効果の少なくとも1つ以上、好ましくはすべての減少を可能とすることが考えられ、理論化される。
【0218】
曲がり(Bow):存在する可能性のある厚さの変動とは無関係に、ウエハーの中央表面の凹状または凸状の変形。曲がりは、直径が公称ウエハー直径より6.35mm小さい円上に等間隔に配置された3点によって決定される基準面に対して、ウエハーの中心点で決定される。曲がりは、露出した表面の特性ではなく、ウエハーのバルク特性である。通常、曲がりは、自由な、クランプされていない位置にあるウエハーで決定される。(ワープと混同しないように。)
【0219】
直径:平坦部または他の周辺基準領域を含まない円形シリコンウエハーのウエハーの中心を含む直線距離。
【0220】
エッジ輪郭:研削またはエッチングによって成形されたウエハーエッジの断面輪郭。エッジは丸みを帯びているか、面取りされている。
【0221】
平坦度:ウエハー表面について、真空により理想的に清浄なフラットチャックに引き下げられた場合のように、ウエハーの背面が理想的に平坦である場合の、特定の基準面に対するTIRまたは最大FPDで表される前面の偏差。ウエハーの平坦度は、次のように説明できる:全体としての平坦度;すべてのサイトで測定されたサイトの平坦度の最大値;指定された値以下のサイトフラットネスを持つサイトの割合。
【0222】
平坦度品質領域:指定された平坦度値が適用されるウエハーの表面の部分。平坦度品質領域は、エッジ除外領域、通常は幅3mmの周辺環で最も頻繁に定義される。
【0223】
焦点面:イメージングシステムの焦点を含むイメージングシステムの光軸に垂直な平面。
【0224】
焦点面偏差(FPD):ウエハー表面上の点から焦点面までの光軸に平行な距離。全体的平坦度:指定された基準面に対する平坦度品質領域内のTIRまたは最大FPD。
【0225】
最大FPD:焦点面偏差の絶対値の最大値。
【0226】
一次平面:特定の結晶面に対して方向付けられている最も長い長さの平面。メジャーフラットとも呼ばれる。
【0227】
基準面:次のいずれかによって指定される面―ウエハーの前面の指定された位置にある3点;平面度品質領域内のすべてのポイントを使用して、前面に適合する最小二乗;サイト内のすべてのポイントを使用してウエハーの前面に適合する最小二乗;または理想的な裏面(ウエハーに接触する理想的に平坦なチャック表面に相当)。
【0228】
二次平坦部:一次平坦部に対する角度位置がウエハーの導電率タイプおよび向きを特定する一次平坦部の長さよりも短い長さの平坦部。マイナーフラットとも呼ばれる。
【0229】
サイト:ウエハーの前面上の長方形の領域で、その側面は主平面と平行であり、垂直であり、中心は平面品質領域内にある。
【0230】
サイトの平坦度:平坦度の品質領域内にあるサイトの一部のTIRまたは最大FPD。
【0231】
厚さ:前面と背面の対応するポイント間のウエハーを通る距離。
【0232】
総計指示値(TIR):ウエハーの前面の指定された平坦度品質エリアまたはサイト内のすべてのポイントを囲む、両方が基準面に平行な2つの平面間の最小垂直距離。
【0233】
総厚さ変動(TTV):スキャンパターンまたはウエハー上の一連のポイント測定中に遭遇する最大および最小厚さ値の差。
【0234】
ワープ:スキャンパターン中に遭遇する基準面からのウエハーの中央表面の最大距離と最小距離の差。ワープはウエハーのバルク特性であり、露出表面の特性ではない。正中面は、上向きまたは下向きの曲率、またはその両方の領域を含む場合がある。一般に、ワープは、クランプされていない自由な位置にあるウエハーで決定される。(曲がり(bow)と混同しない。)
【0235】
ユートドーピング:気相に意図的に添加されたドーパント以外のソースからのドーパントであり、成長中にエピタキシャル層に組み込まれる。
【0236】
自動ドーピングバリア:エピタキシャル堆積中に基板の裏面からエピ層への不純物原子の輸送を妨げる膜または層。バックシールとも呼ばれる。
【0237】
伝導率タイプ:シリコン中のキャリアの大部分の性質を定義する。電子が多数キャリアであるn型材料は、ドナードーパント不純物がシリコンに追加されると形成される。アクセプタードーパント不純物がシリコンに追加されると、正孔が多数キャリアであるp型材料が形成される。
【0238】
結晶方位:シリコン結晶が成長する結晶軸。
【0239】
転位:結晶のスリップ領域と非スリップ領域の境界を形成する結晶の線欠陥(line imperfection)。
【0240】
転位密度-露出したウエハー表面上の単位面積あたりの転位エッチピットの数。
【0241】
転位エッチピット:優先エッチングに起因する、応力がかかった結晶格子または欠陥のある結晶格子の直近の領域に鋭く定義されたくぼみ。
【0242】
ドーパント:周期表の第3列(ホウ素など)または第5列(リンやアンチモンなど)からの化学元素。シリコン結晶に意図的にトランス量で組み込まれ、導電型と抵抗率を確立する。 PタイプBor0,001―50Ωcm。N型リン0.1―40Ωcm、アンチモン0.005―0,25Ω、ヒ素<0,005Ωcm。
【0243】
外因性ゲッタリング:機械的手段またはシリコンウエハーの裏面へのポリシリコンまたは他の膜の堆積によって意図的に導入された結晶格子構造への制御された損傷または応力。
【0244】
平面方位(一次):理想的には一次平面の表面と一致する結晶面。一次平面は通常<110>面である。
【0245】
ミラー指数:それぞれ、x軸、y軸、およびz軸を有する結晶面の切片の逆数。たとえば、x軸に垂直な立方体面は<100>平面である。平面のファミリーは、波括弧で示される:たとえば、すべての立方体面は<100>平面である。方向は、角かっこ内のミラーインデックスで示される。たとえば、x軸は<100>方向で、立方体の対角線は<111>方向である。方向のファミリーは角括弧で示される。たとえば、すべての立方軸は<100>方向である。負の方向は、インデックス上のマイナス記号で示される。たとえば、負のx軸は<-100>方向である。
【0246】
多結晶シリコン(ポリシリコン、ポリ):ランダムに配向した微結晶で構成され、大角粒界、双晶境界、またはその両方を含むシリコン。
【0247】
放射状酸素変動:シリコンウエハー上に対称的に配置された1つ以上の点の平均酸素濃度とウエハー中心の酸素濃度の差。中心の濃度のパーセントで表される。特に指定がない限り、半径方向の酸素変動は、ウエハーの端から10 mmの2点での酸素濃度の平均を使用して決定される。放射状酸素の変動は、ウエハーの中心とエッジの中間のいくつかの対称点での酸素濃度の平均を使用して決定される場合がある。酸素勾配とも呼ばれる。
【0248】
半径方向の抵抗率変動:シリコンウエハー上に対称的に配置された1つまたは複数の点の平均抵抗率とウエハー中心の抵抗率との差。中心部の抵抗率のパーセントとして表される。半径方向の抵抗率の変化は、2つの垂直な直径でウエハーのエッジから6 mmの4点の平均抵抗率を使用して決定できる。半径方向の抵抗率の変動は、同じ直径のウエハーの中心とエッジの中間の4点での抵抗率の平均を使用して決定されることがある。抵抗率勾配とも呼ばれる。
【0249】
抵抗率(オーム・cm):電流密度に対する電流と平行な電位勾配(電界)の比。シリコンでは、ドーパント不純物を加えることにより抵抗率が制御される。ドーパントを追加すると、抵抗率が低くなる。
【0250】
スリップ:結晶の一部が、シリコンの結晶化度を保持する方法で、別の部分に対してせん断変位を受ける塑性変形のプロセス。優先的なエッチングの後、スリップは、必ずしも相互に必要ではない1ミリメートルあたり10以上の転位エッチピットの1つ以上の平行な直線のパターンによって証明される。<111>表面では、線のグループは互いに60度傾いている。<100>表面では、それらは互いに90°傾斜している。
【0251】
積層欠陥:結晶中の原子の通常の積層シーケンスからの逸脱に起因する二次元欠陥。バルク結晶内に存在し、(通常、基板表面の汚染または構造的に不完全な結果)エピタキシャル堆積中に成長する可能性がある。または酸化中に発生する。<111>表面では、選択的エッチングによって閉じたまたは部分的な正三角形として積層欠陥が明らかになる。<100>表面では、積層欠陥は閉じた正方形または部分的な正方形として現れる。
【0252】
ストリエーション:不純物濃度の局所的変動に関連するシリコンウハーの表面上のらせん状の形態。このような変動は、結晶成長中に回転する固液界面で発生するドーパント取り込みの周期的な違いによるもので、縞模様は、選択的なエッチング後に肉眼で見ることができ、100倍の倍率で連続しているように見える。
【0253】
表面下の損傷:研磨されたシリコン表面の優先エッチング後にのみ明らかな残留結晶学的欠陥。このような損傷は通常、ウハーの機械的処理によって引き起こされると考えられている。
【0254】
双晶:双晶面または双晶境界として知られるコヒーレントな平面界面を横切る鏡像として向きが互いに関係する2つの部分からなる結晶。シリコンでは、この面は<111>面である。ツインとも呼ばれる。
【0255】
ウエハー方向:ミラー指数に関して記述される結晶面であり、ウエハーの表面は理想的に一致する。一般に、ウハーの表面は、成長軸に垂直な低屈折率面と数度以内に対応する。そのような場合、方位は、研磨されたウハー表面からの低屈折率結晶面の角度偏差αの観点から説明することができる。
【0256】
チップ:ウエハーの表面またはエッジから材料が除去された領域。チップのサイズは、試料の輪郭の正射影投影で測定される最大半径方向深さと周辺弦長によって定義される。クラムシェル、コンコイド破壊、エッジチップ、フレーク、ニック、周辺チップ、周辺インデント、および表面チップとしても知られている。
【0257】
汚染:ウエハー表面の肉眼で見える異物の広いカテゴリ。ほとんどの場合、ガスの吹き飛ばし、洗剤洗浄、または化学作用により除去可能である。微粒子汚染、汚れも参照。
【0258】
亀裂:ウエハーの表面まで伸び、ウエハーの厚さ全体を通過してもしなくてもよい裂開。亀裂とも呼ばれる。フラクチャー(fracture)も参照。
【0259】
クレータリング:滑らかな中央領域を持つ不規則な閉じた尾根の表面テクスチャ。カラスの足(crow′s-foot): <111>表面の「カラスの足」(Y)と<100>表面の十字(+)に似たパターンの交差する亀裂。
【0260】
くぼみ(dimple):ウエハー表面上の直径3mmより大きい滑らかな表面くぼみ。
【0261】
フラクチャー:点から放射状に伸びる単一または複数の線状亀裂。
【0262】
溝:縁が丸い浅いスクラッチ。通常、研磨中に完全に除去されないスクラッチの残り。
【0263】
ヘイズ:ピット、マウンド、小さな隆起またはスクラッチ、粒子などの微細な表面不規則性の集中による光散乱に起因する曇りまたはかすんだ外観。
【0264】
埋め込まれた砥粒:シリコンウハーの表面に機械的に押し込まれた砥粒。このタイプの汚染は、スライス、ラッピング、または研磨中に発生する可能性がある。
【0265】
インデント:シリコンウハーの前面から背面まで広がるエッジ欠陥。
【0266】
光点欠陥(LPD):ウエハーがウエハー表面に対して垂直に保持された狭ビーム光源によって照明されるときに見られる反射光の個々の微細な点。
【0267】
マウンド:1つ以上のファセットを備えた不規則な形状の突起。マウンドは、バルク材料の拡張またはさまざまな形態の汚染、あるいはその両方。高密度のマウンドもヘイズとして表示される場合がある。
【0268】
オレンジピール:オレンジ色の皮膚に似た大きな特徴の粗い表面。蛍光灯下では肉眼で見えるが、通常は狭ビーム照明下では見えない。
【0269】
微粒子汚染:塵、糸くず、またはウエハーの表面に残り、表面から突出する他の材料などの粒子を含む汚染の形態。通常、清潔で乾燥した窒素で表面から吹き飛ばされることがある。
【0270】
ピット:窪みの傾斜した側面が明確な態様でウエハー表面に出会う表面の窪み(ディンプルの丸い側面とは対照的に)。
【0271】
鋸刃の欠陥:鋸刃の移動に特徴的なパターンで研磨した後に見える粗い領域。化学研磨の前に識別できる場合がある。ソーマークとも呼ばれる。
【0272】
スクラッチ:確立された表面の平面の下にある浅い溝または切り込みで、長さと幅の比が5:1より大きい。マクロスクラッチの深さは=0.12umであり、白熱灯(狭ビーム)と蛍光灯の両方で肉眼で見ることができる。マイクロスクラッチの深さは<0.12umで、蛍光灯照明下では肉眼では見えない。
【0273】
スパイク:エピタキシャル層の表面のくぼみの中心にしばしば生じる、高くて薄い樹枝状結晶または結晶フィラメント。
【0274】
染色:有機物または塩などの外来化学化合物を含む縞、汚れ、または斑点などの汚染の形態。
【0275】
スレッディングエッジ転位(TED)。
【0276】
ねじ切りスクリュー転位(TSD)。
【0277】
基本計画転位(BPD)。
【0278】
マイクロパイプ。
【0279】
ブール内のマクロ欠陥。
【0280】
炭素含有物
【0281】
シリコン液滴
【0282】
空隙
【0283】
以下の特徴を有するウエハーは、ポリマー由来の超純粋なSiC材料を用いて作製することができる。
【0284】
SSP=片面研磨、DSP=両面研磨、E=エッチング、C=AsCut、L=ラップ、Und=非ドープ(本質的)
【0285】
SiC粉末を体積形状物にするための追加の実施形態があり得ることが理論化される:成長チャンバー内の挿入物としてグラファイト部品またはグラファイト発泡体を使用して、粉末を特定の幾何学的形状(例えば、スペーサ)に押し込む;水または他の高純度の揮発性液体を使用して「湿った砂」を作り、「砂の城」型を使用して成長チャンバー内の形状を作成する;次に、ブールを成長させる前に揮発性液体を穏やかに蒸発させる;多孔質カーボンまたは多孔質SiCで作られた透過性の犠牲型(例:互換性のある材料で作られたK-CUP)。
例(Examples)
【0286】
以下の実施例は、本発明のシステム、プロセス、配合物、用途および材料の様々な実施形態を例示するために提供される。これらの例は、例示を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではない。実施例で使用されるパーセンテージは、特に明記しない限り、全体の重量パーセント、例えば、配合物、混合物、生成物、または構造である。使用法X/YまたはXYは、特に明記されていない限り、配合物中のXの%およびYの%を示す。使用法X/Y/ZまたはXYZは、特に明記されていない限り、配合物中のXの%、Yの%、およびZの%を示す。
【0287】
例1
【0288】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。この配合物は、室温で、41%MHFと59%TVを混合することによって作成される。この前駆体配合物は、水素化物0.68モル、ビニル0.68モル、およびメチル1.37モルを有する。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0289】
計算されるように、この配合物から誘導されたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された1.37モルのCを有し、0%過剰のCを有する。この材料は、次いで、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換され、パックにされる。
【0290】
例2
【0291】
混合型方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。この配合物は室温で90%メチル末端フェニルエチルポリシロキサンを一緒に混合することにより作成される。この前駆体配合物は、1.05モルの水素化物、0.38モルのビニル、0.26モルのフェニル、および1.17モルのメチルを含む。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0292】
計算されるように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された2.31モルのCを有し、98%過剰のCを有する。この材料は、セラミックに熱分解され、さらに過剰なCを持つSiC粒子に変換され、パックに形成される。
【0293】
出発材料および出発体積形状物中の過剰な炭素、はいくつかの実施形態により得ることができる。たとえば、過剰な炭素は、PDC経路を通し残留Cが過剰な配合物から得ることができる。たとえば、過剰なCを備える配合物(たとえば、DCPDタイプの配合物)を使用すると、>1600°への完全な熱分解の後、平衡相としてSiCおよびCが生成される。別の実施形態では、硬化および熱分解の前に液体PDC配合物にC粉末またはC含有種を添加することにより、過剰なCを得ることができる。別の実施形態では、過剰な遊離Cを有するSiOC顔料を体積形状物に追加することができる。さらに、パック形成でCに分解するバインダーを使用することができる。また、配合物により多くのCを組み込むためにバインダーに組み合わせたC含有粉末を用いることができる。
【0294】
例3
【0295】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で70%のメチル末端フェニルエチルポリシロキサン(14%のXを含む)と30%のTVを混合することによって作成される。この前駆体配合物は、0.93モルの水素化物、0.48モルのビニル、0.13モルのフェニル、および1.28モルのメチルを含む。この前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0296】
計算されるように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された1.77モルのCを有し、38%過剰のCを有する。この材料は、次いで、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換される。SiC粒子は過剰なCを持ち、パックにされる。これらの非化学量論的配合物(すなわち、Si:Cモル比は1:1ではない)の一部では、過剰な炭素を含むため、出発物質の実際の密度は<3.21g/ccになる。
【0297】
例4
【0298】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で50%メチル末端フェニルエチルポリシロキサン(20%Xを含む)と50%TVを一緒に混合することによって作成される。この前駆体配合物は、0.67モルの水素化物、0.68モルのビニル、0.10モルのフェニル、および1.25モルのメチルを有する。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0299】
計算されたように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された1.93モルのCを有し、55%過剰のCを有する。この材料は、その後、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換され、過剰なCを持ち、パックにされる。
【0300】
例5
【0301】
混合型方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で65%のメチル末端フェニルエチルポリシロキサン(40%のXを含む)と35%のTVを一緒に混合することによって作成される。この前駆体配合物は、0.65モルの水素化物、0.66モルのビニル、0.25モルのフェニル、および1.06モルのメチルを含む。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0302】
計算されるように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算されたCの2.81モルを有し、166%過剰のCを有する。この材料は、次いで、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換され、過剰なCを持ち、パックにされる。
【0303】
例6
【0304】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で65%MHFと35%ジシクロペンタジエン(DCPD)を混合することで作成される。この前駆体配合物は、1.08モルの水素化物、0.53モルのビニル、0.0モルのフェニル、および1.08モルのメチルを含む。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0305】
計算されたように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された2.65モルのCを有し、144%過剰のCを有する。この材料は、次いで、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換され、過剰なCを持ち、パックにされる。
【0306】
例7
【0307】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。この配合物は、室温で82%MHFと18%ジシクロペンタジエン(DCPD)を混合することで作成される。この前駆体配合物は、1.37モルの水素化物、0.27モルのビニル、0.0モルのフェニル、および1.37モルのメチルを含む。前駆体配合物物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0308】
計算されるように、この配合物から得られたSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された1.37モルのCを有し、0%過剰のCを有する。この材料は、次いで、セラミックに熱分解され、さらにSiC粒子に変換され、化学量論的なものでありパックにされる。
【0309】
例8
【0310】
混合タイプの方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で46%MHF、34%TV、20%VTを混合することにより作成される。この前駆体配合物は、0.77モルの水素化物、0.40モルのビニル、0.0モルのフェニル、および1.43モルのメチルを含む。前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0311】
計算されるように、この配合物に由来するSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された0.53モルのCを有し、63%のC欠乏を有する。次に、この材料は熱分解されてセラミックになり、さらにCが不足したSiC粒子に変換され、パックにされる。
【0312】
Siに富む配合物は、例えば、存在する酸素および存在するシリコンに関して、C欠乏の出発材料または出発パック(例えば、その前駆体材料としてMHFのみから誘導されるSiOCセラミック)を有することにより得ることができる。蒸着プロセス中のどちらが制限試薬であるかによって、残りはSi-CとCで、SiO2+Cは反応してSiC+Cを形成し、または、SiO2+Cが不完全に反応して(装置から出る)Si-OとSiおよびSiCを形成する。別の実施形態では、出発材料または出発パックは、形状を作るためにSiC+Si粉末+バインダーとして処方される。これにより、Siリッチな出発材料が得られる。
【0313】
例9
【0314】
混合型の方法を使用するポリシロカルブ配合物が処方される。配合物は、室温で70%MHF、20%TV、10%VTを混合することで作成される。この前駆体配合物は、1.17モルの水素化物、0.23モルのビニル、0.0モルのフェニル、および1.53モルのメチルを含む。この前駆体配合物は、配合物100gに基づいて、以下のモル量のSi、CおよびOを有する。
【0315】
計算されるように、この配合物に由来するSiOCは、すべてのCOが除去された後、計算された0.33モルのCを有し、78%のC欠乏を有する。次に、この材料は熱分解されてセラミックになり、さらにCが不足したSiC粒子に変換され、パックにされる。
【0316】
例10
【0317】
約100グラムのポリシロカルブ配合物が作られる。配合物を室温で15分間ブレンドし、次いで1%触媒を加え、混合物をさらに10分間撹拌する。この触媒は、短鎖ビニル末端ポリシロキサン中に10ppmのPtを有する。
【0318】
配合物は、テフロン(登録商標)(PTFE、ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされたアルミニウム箔パンに注がれ、アルゴンまたは空気中で90℃で2.5時間硬化される。
【0319】
硬化したポリマーは、セラミックボート(例えば、長さ3.5インチ×幅2.5インチ×深さ5/8インチのるつぼ)に適合するサイズに機械的に破壊され、セラミックボートに入れられる。硬化ポリマーを含むセラミックボートは、次のように、500cc/minで流れるアルゴンガスで満たされたステンレス鋼レトルト内で加熱される。
・82.2°C/hrの加熱速度で室温から82.2°Cまで、82.2°Cで1時間保持。
・48.9°C/hrの加熱速度で82.2°Cから182°C、182°Cで1時間保持。
・48.9°C/hrの加熱速度で182°Cから210°C、210°Cで2時間保持。
・加熱速度115.6°C/hrで210℃から1,100℃、1,100℃で2時間保持。そして、
・開く前に炉を204.4°Cに冷却。
【0320】
熱分解された材料は、粉末状または塊状でグラファイトボートに置かれる。グラファイトボートを、断熱材とキャップの2つのエンドブロックを備えたアルミナチューブ炉に入れて、ガスの流入と消耗ガスの流出を可能にする。50cc/minの流量のアルゴンガスが管状炉を通して流す。次に、材料を10時間かけて1,650℃に加熱し(約3℃/ minの加熱速度)、この温度でさらに10時間保持する。次に、炉を5時間かけて700℃までゆっくりと冷却し、さらに炉をさらに冷却し、温度が少なくとも300℃を下回った段階で、エンドキャップを取り外す。
【0321】
得られたポリシロカルブ由来のSiCを炉から取り出す。
【0322】
次いで、SiCは、SiC粉末に溶融混合されたワックスバインダーの溶融温度よりも高い温度で円筒形ダイ内でプレスすることによりディスクに形成される。ダイは、PVT成長のために、プレスおよび焼結された粉末の単一のモノリスをるつぼに滑り込ませることができるようなサイズにすることができる。ダイは、るつぼに注ぐディスクの「チップ」を生成するサイズにすることもできる。
【0323】
例11
【0324】
ポリシロカルブ配合物は、特にAl、Fe、およびBを含むすべての潜在的不純物を本質的に除去するように洗浄されたガラス器具を使用してクリーンルーム環境で作られる。配合物は室温で約10~20時間ブレンドされる。次に、0.25%から2%の触媒溶液を加え、混合物をさらに10分間攪拌する。触媒溶液のPtは10 ppmであり、最終的な触媒された配合物のPtは10~50ppbとなる。
【0325】
クリーンルーム環境では、配合物をPFA(パーフルオロアルコキシポリマー)ボトルまたはジャーに入れ、アルゴンでパージし、蓋を閉める。配合物は、75℃~160℃で1.5時間~4時間硬化する。
【0326】
クリーンルーム環境では、硬化ポリマーはセラミックるつぼに入れられる。次に、充填したるつぼをセラミックキャップで覆い、500cc/minで流れるアルゴンガスを充填したセラミックレトルトに入れる。るつぼ、炉および関連するすべての装置および機器は清潔であり、本質的に汚染されていない。特に、AlまたはBの供給源を提供しないようなものとされる。るつぼは、次のように、約30°Cから約180°C/hrの速度で加熱される。
・180°C/hrの加熱速度で1,000°Cまでの室温、1,000°Cで2時間保持、そして
・開く前に炉を204.4°Cに冷却する。
【0327】
熱分解された材料は、グラファイトボートに置かれるが、この熱分解された材料は粉末状または塊状である。グラファイトボートを、断熱材とキャップの2つのエンドブロックを備えたアルミナチューブ炉に入れて、ガスの流入と廃ガスの流出を可能にする。(グラファイトボックス炉、RF炉、または他のタイプの適切な加熱装置を使用できる。)るつぼ、炉および関連するすべての装置および機器は清潔であり、本質的に汚染されていない。特に、Al、Fe、またはBの供給源を提供しないようなものとされる。アルゴンガスを50cc/minの速度で管状炉に流す。次に、材料を7~15時間にわたって(約3°C/minの加熱速度で)1,400~1,650℃に加熱し、この温度でさらに10時間保持する。次に、炉を5時間かけて700℃までゆっくりと冷却し、さらに炉をさらに冷却し、少なくとも300℃を下回る段階でエンドキャップを取り外す。
【0328】
得られたポリシロカルブ誘導SiCを炉から取り出す。
【0329】
例12a
【0330】
次に、実施例11のSiCは、10重量%の未使用のポリシロカルブ前駆体と混合し、この樹脂によって均一に濡れるまで混合することにより、実施例13~28の体積形状物に形成される。次に、コールドプレスとダイを使用して、このペーストを型に押し付ける。形状をダイから取り外し、カーボンるつぼに入れ、るつぼを黒鉛炉に入れ、少なくとも1時間加熱して1750℃にする。サンプルは、比重3.21g/ccの扱いやすい形状となる。
【0331】
例12b
【0332】
次に、実施例11のSiCは、14重量%のバージンポリシロカルブ前駆体と混合し、この樹脂で均一に濡れるまで混合することにより、実施例13~28の体積形状物に形成される。次に、コールドプレスとダイを使用して、このペーストを型に押し付ける。形状をダイから取り外し、カーボンるつぼに入れ、るつぼを黒鉛炉に入れ、少なくとも1時間加熱して1750℃に。サンプルは、比重3.21g/ccの扱いやすい形状となる。
【0333】
12C
【0334】
次に、実施例11のSiCは、20重量%のバージンポリシロカルブ前駆体と混合し、この樹脂で均一に濡れるまで混合することにより、実施例13~28の体積形状物に形成される。次に、コールドプレスとダイを使用して、このペーストを型に押し付ける。形状をダイから取り外し、カーボンるつぼに入れ、るつぼを黒鉛炉に入れ、少なくとも1時間加熱して1750℃に。サンプルは、比重3.21g/ccの扱いやすい形状となる。
【0335】
例12D
【0336】
次に、実施例11のSiCは、30重量%の未使用のポリシロカルブ前駆体と混合し、樹脂によって均一に濡れるまで混合することにより、実施例13~28の体積形状物に形成される。次に、コールドプレスとダイを使用して、このペーストを型に押し付ける。形状をダイから取り外し、カーボンるつぼに入れ、るつぼを黒鉛炉に入れ、1750℃に少なくとも1時間加熱する。サンプルは、比重3.21g/ccの扱いやすい形状となる。
【0337】
例13
【0338】
図1Aから1Dでは、平坦な上部2、側面3、および平坦な底部を有するシリンダー1の形態の体積形状物が示されている。この実施形態では、形状は約4インチの高さと約6インチの直径を有する。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径、そして高さ約1/2~7インチ、直径約1/2~約17インチを含む、この形状の他のサイズも考えられる。
【0339】
例14
【0340】
図2Aから
図2Dでは、平坦な底部203と頂部201に環状孔204とを有する円筒形の体積形状物200が設けられている。環状開口部204は底部を有し、体積形状物200を完全には貫通しない。体積形状物200は、側面202を有する。形状は、約3インチの高さおよび4インチの直径を有する。環状開口部の直径は約1.5インチ。
図2Dには、このタイプの形状の断面図が示されている。概略図が軸200の周りを回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径、そして約1/2~7インチの高さ、約1/2~約17インチの直径を含む、この形状の他のサイズも考えられる。
【0341】
例15
【0342】
図3A~3Fでは、上部301に形成された球形開口部303および底部304に形成された球形開口部305を有する円筒形の体積形状物が示されている。この形状は、側面302を有する。高さは4インチ、直径は約4 3/4インチ、開口部の直径は約3 3/4インチ。
図3Fでは、このタイプの形状の断面概略図が提供されている。概略図は軸300を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径、そして約1/2~7インチの高さ、約1/2~約17インチの直径を含む、この形状の他のサイズも考えられる。
【0343】
この実施形態(および他の実施形態)では、開口部は軸と同軸である。開口部は軸から外れていてもよく、例えば、体積形状物の軸と同じ軸上になくてもよいことが理解される。
【0344】
例16
【0345】
図4Aから4Fには、平坦な上部410および平坦な底部413を有する円錐形の体積形状物が示されている。上部410には、角度のある環状開口部414またはチャネルが形成されている。体積形状物は側面412を有する。上部の直径は約41/8インチであり、下部の直径は約43/8インチである。高さは約2.5インチ。環状チャネルは、約1/2インチの開口幅を有し、約1インチ下方に延びている。
図4Fには、このタイプの形状400の断面概略図が示されている。この概略図は、3次元形状を提供するために軸401を中心に回転されることが理解される。角度付き環状チャネルは、二重矢印410で示される長さ、二重矢印411で示される幅を有する。環状チャネル414の角度405は、線402(チャネルの断面の中心線)と軸401との間に形成される角度によって決まる。
図4Fのこの角度405は60°であり、実施形態では、約89°~約0°、好ましくは約80°~約40°の範囲であり、これらの組み合わせおよびバリエーション並びにすべてこの形状の他のサイズを含む。例えば、約1~6インチの高さおよび約2~12インチの直径、そして約1/2~7インチの高さおよび1/2から約17インチの直径、これらの組み合わせとバリエーション、およびこれらの次元の範囲内のすべての値を含むことが考えられる。
【0346】
例17
【0347】
図5Aから5Fでは、平坦な上部501および平坦な底部503を有する円錐形状が示され、上部501および底部503は開口部502、504を有する。形状は、例えば側壁または側面または外側側面などの側面505を有する。開口部は、(
図5Fに示す)球状、(
図5Aから5Eに示す)平坦な底部を有する円錐形または円錐形であり得る。上部の直径は約3.5インチで、下部の直径は約5インチ。側壁の長さは約27/8インチ。
図5Fには、このタイプの形状の断面概略図が示されている。概略図が軸500を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径そして高さは約1/2~7インチ、直径は約1/2~約17インチを含む、この形状の他のサイズも考えられる。
【0348】
例18
【0349】
図6Aから
図6Dでは、平坦な上部601および平坦な底部603を有する円錐形状が示されており、底部603は開口604を有する。形状は側面607を有する。開口604は円錐側壁604a、平坦な底面604bを有する。実施形態では、開口部は他の形状であり得る。下部の直径は約51/2インチで、上部は約3インチです。開口部の直径は約2 1/8インチです。高さは約23/8インチ。
図6Dには、このタイプの形状の断面概略図が示されている。概略図が軸600を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径、高さ約1/2~7インチ、直径約1/2~約17インチこれらの組み合わせとバリエーション、およびこれらのサイズの範囲内のすべての値を含む他のサイズが考えられる。
【0350】
例19
【0351】
図20A~20Cでは、平坦な上部2001と平坦な底部2003と、側壁2005とを有する円錐形状が示されている。形状は、上部、底部、または側面に表面開口部がない。上部の直径は約33/4mインチで、下部の直径は約41/4インチで高さは2 1/2インチである。例えば、約1から6インチの高さおよび約2から12インチの直径、そして約1/2~7インチの高さ、約1/2~約17の直径を含む他のサイズも考えられる。
【0352】
例20
【0353】
図7には、円筒形状の断面概略図が示されている。形状は、上部701、側面705、および底部703を有する。底部は開口部704を有する。概略図は、軸700を中心に回転して3D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0354】
例21
【0355】
図8には、上部開口部を備えた円錐形状の断面概略図が示されている。形状は、平坦な上部801、平坦な底部803、および側壁または外壁805を有する。形状の高さの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、および少なくとも80%下方に延びる開口部802が上部801にある。開口部802は、円筒状の側壁802aと、円形の底面802bとを有する。概略図は、軸800を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0356】
例22
【0357】
図9には、中央貫通開口部902を備えた円筒形状の断面概略図が示されている開口部902は、形状の上部から底部まで延びている。このように、形状は環状と見なすことができる。概略図が軸900を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0358】
例23
【0359】
図10には、中央貫通開口部を備えた円錐形状の断面概略図が示されている。形状は、平坦な上面1001、平坦な底面1003、および側壁1002を有する。形状は、上面1001および底面1003の表面を通って延びる中央開口部1005を有する。開口部1005aは、側壁1005aを有する。開口部1005には底部がない。概略図は軸1000を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0360】
例24
【0361】
図11には、上部開口部と下部開口部を備えた円筒形状の断面概略図が示されている。この形状は、円錐形の側壁1102aおよび円形の底面1102bを有する上部開口部1102を有する。形状は、円錐形の側壁1103aおよび底面1103bを有する底部開口部1103を有する。概略図は、軸1100の周りを回転して3-D形状を提供することが理解される。底面1103b、1102bは円形である。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0362】
例25
【0363】
図12には、上部1202および底部1203の開口部を備えた円錐形状の断面概略図が示されている。概略図は、軸1200を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0364】
例26
【0365】
図13には、球状の上部開口部1302を備えた円筒形状の断面概略図が示されている。開口部1302は、開口部の底壁と側壁の両方を形成する表面1302aとしてある。概略図は、軸1300を中心に回転して3-D形状を提供することを理解されたい。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0366】
例27
【0367】
図14には、球状の上部開口部1402を備えた円錐形状の断面概略図が示されている。形状は、上部1401、側面1405を有する。球状の上部開口部1402は、開口部1402の側壁および底部の両方を形成する表面1402aを有する。概略図が軸1400を中心に回転して3-D形状を提供することが理解される。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズも考えられる。
【0368】
例28
【0369】
図15には、上部環状開口部1505を備えた円筒形状の断面概略図が示されている。この形状は、側壁面1515と、上面または上面1510とを有する。概略図は、軸1500を中心に回転して3-D形状が提供される。環状チャネル1505の角度1502は、線1501(チャネル1505の断面の中心線)と軸1501との間に形成される角度によって決定される。この図の実施形態では60°であり、約89°から約0°、好ましくは約80°から約40°の範囲であり得る。例えば、高さ1/2~7インチおよび直径約1/2~約17インチを含む他のサイズ、ならびにこれらのサイズの範囲内のすべての値も考えられる。
【0370】
例29
【0371】
7―ナインの純度を有し、0.2μmの一次粒子D50サイズを有する粒状ポリマー由来SiCは、以下のように体積形状物にされる。
【0372】
例30
【0373】
ポリシロカルブ由来のSiCは、0.2μmに粉砕され、コールドプレスで、予備硬化強度(例えば、プレスから硬化操作を含む形状を処理する能力)に適したバインダーを有する形状に圧縮される。次に、サンプルを熱間静水圧プレスに入れ、アルゴン雰囲気、30000psiで2100℃に加熱し、最大5時間保持した後、ゆっくりと冷却する。
形状は、実施例13から28の形状のいずれかであり得る。
【0374】
例30
【0375】
7―ナインの純度を有し、1.0μmの一次粒子D50サイズを有する粒状ポリマー由来SiCは、実施例13~28の形状のいずれかにされる。
【0376】
例31
【0377】
7―ナインの純度を有し、1.5μmの一次粒子D50サイズを有する粒状ポリマー由来のSiCは、実施例13~28の形状のいずれかにされる。
【0378】
例32
【0379】
約0.4μmの平均直径を有するポリシロカルブ由来のSiC粒子は、それらの表面に酸化物層がないことが必須である。SiC粒子は、無酸素バインダーを使用して、実施例13~28の形状のいずれかに形成される。
【0380】
例33
【0381】
約0.6μmの平均直径を有するポリシロカルブ由来のSiC粒子は、それらの表面に酸化物層がないことが必須である。SiC粒子は、炭素と水素のみを含むバインダーを使用して、実施例13~28の形状のいずれかに形成される。
【0382】
例34
【0383】
約0.4~0.6μmの平均直径を有するポリシロカルブ由来のSiC粒子は、それらの表面に酸化物層がないことが必須である。SiC粒子は、水素および炭素を含有するが酸素を含まないバインダーを使用して、実施例13~28の形状のいずれかに形成される。
【0384】
例35
【0385】
SiC粒子は、ポリシロカルブバインダーを使用して、実施例13から28の形状のいずれかに形成される。形成された形状の弾性率は2MPaで、圧縮強度は7.47MPaを有する。
【0386】
より大きな強度が必要とされる場合、SiC体積形状物は、使用前に高温焼結(熱間プレスまたは熱間等方圧プレスなど)処理することができる。そのような操作は、より低い多孔度構造、例えば、20%未満の多孔度を提供する傾向がある。
【0387】
例36
【0388】
実施例13~28の形状のいずれかの体積形状物は、85%~95%のポリシロカルブ由来のSiC粉末および13%~5%の41/59MH/TVポリシロカルブ前駆体から作られる。
【0389】
例37
【0390】
99%から88%のポリシロカルブ由来のSiC粉末は、1%から12%の超高純度炭化水素ワックス(または、CまたはH原子のみを有するポリエチレンまたはポリマーまたはオイル)と混合される。この混合物は、ピル、実施例13~28の形状のいずれか、または他の体積形状物にプレスする前に、溶融および混合される。
【0391】
例38
【0392】
100%~95%のポリシロカルブ由来のSiC粉末を0%~5%の超高純度炭化水素バインダーと混合し、スパークプラズマ焼結を使用してプレスし、例13~28のいずれかの形状のSiC体積形状物を得る。部分的に焼結した場合は0~5%の過剰な炭素含有量を有する。
【0393】
例40
【0394】
例13~38の体積形状物は、単結晶SiCのブールを成長させるために蒸着装置で使用される。ブールは、3インチ、4インチ、6インチ、8インチ以上、およびこれらのサイズの範囲内のすべての値にすることができる。
【0395】
3インチブールの成長のための蒸着プロセスは、以下のように概説される:
1.グラファイト部品と絶縁材のクリーニング:
最低1000°Cで少なくとも3時間真空引き。
2.加熱:
るつぼの上部で2100-2250°C、500-700トルの圧力、
ガス流量:100sccmAr;
10時間で加熱;例えば、2130-2145°Cの温度に達する。
温度を2073°Cに下げる
3.成長サイクルを開始。
圧力を所望の成長圧力(0.1~50トル)に下げて昇華と成長を開始、
次に圧力を15トルに下げる。
4.成長サイクル:
2145°Cで成長(るつぼ上部の測定ポイント)
5.成長サイクルの終わり
500-700トルアルゴンによる反応室のバックフィル
6.クールダウン
40時間でほぼ周囲温度まで冷却
【0396】
成長サイクル時間は73時間、成長速度は平均360μm/hで、ブールの高さは26.8mmであった。原料の約67%が消費され、610gの出発原料から204gが残った。
【0397】
例40a
【0398】
例40のブールは、ダイアモンドワイヤソー、マルチワイヤダイアモンドソー、スラリーワイヤソー、ブレードダイアモンドカットオフソーなどのより大きな切り口損失を有する他の切断装置などのウエハー切断装置、または Disco Tech(KABRA技術、www.discousa.comを参照)によって報告されている光レーザースライシングなどのカーフ損失が小さい他の装置を使用してウエハーに切断される。ウエハーは米国でGTI TECHNOLODIESのブランドで販売されているタカトリ(Takatori)のマルチワイヤソーで切断することもできる。切断されたウエハーは、必要に応じてグラインダーを使用して研削できる。たとえば、適切なグラインダーはREVASUMによって提供されている。www.revasum.comを参照。
【0399】
例40b
【0400】
実施例40aのウエハーは、片側が研磨され、好ましくは両側が研磨される。たとえば、研磨装置には、化学機械研磨(CMP)、ラッピング、研削、スラリー研磨、および乾燥研磨が含まれる。例えば、適切なポリッシャーは、GigaMat Technologiesによって提供されている(例えば、www.gigamat.comを参照)。
【0401】
例40c
【0402】
例40bのウエハーは、電子部品、例えば、回路、回路、集積回路を形成するために、それらに(例えば、エピタキシーまたは半導体ウエハー処理により)印刷された回路を有する。6インチウエハーの場合、約300~5000個の個々のコンポーネントを形成できる。本方法および結果として得られるウエハーは、現在の出発材料およびプロセス(すなわち、本発明以前のウエハーおよびプロセス)から作られた現在のウエハーから形成できるものよりも、約3倍から4倍多くの使用可能なコンポーネント、すなわち使用可能なデバイスの数を提供する。例えば、現在のウエハーから作られたデバイスの約20%から60%、約20%から約50%、約20%以上は使用できない。本発明のウエハーから作られた本デバイスは、これらのデバイスの約80%~100%、これらのデバイスの約80%以上、約90%以上、約95%以上、約99%以上を作動させることができる。
【0403】
例40d
【0404】
例40cの電子部品は、電子モジュールに組み立てられる。モジュールには、数個、たとえば1~10個の電子部品から約100から約1000の電子部品を含めることができる。モジュールは、例えば、電力変圧器ユニット、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、およびバイポーラ接合トランジスタ(BJT)であり得る。
【0405】
例40e
【0406】
例40dのモジュールは、電力ブロックに組み立てられる。約1~100個のモジュールを電源ブロックで使用できる。
【0407】
例40f
【0408】
例40dのモジュールまたは例40eの電力ブロックは、例えば、ソーラーインバーター、風力コンバーター、ハイブリッドカー、データセンター、そしてMRIのような医療用画像装置などのシステムに組み立てられる。
【0409】
例40g
【0410】
例40のプロセスは、6~9ナインの純度の出発材料を有し、体積形状物の指向性フラックスチャネルを有し、成長サイクル中に出発材料の80%が消費される。
【0411】
例40h
【0412】
実施例40のプロセスは、純度6~9ナインの出発材料を有し、体積形状物の指向性フラックスチャネルを有し、成長サイクル中に出発材料の90%が消費される。
【0413】
例40i
【0414】
実施例40のプロセスは、6~9ナインの純度の出発材料を有し、体積形状物の指向性フラックスチャネルを有し、成長サイクル中に出発材料の95%が消費される。
【0415】
例41
【0416】
例40aのウエハーは、ダウコーニングプライムウルトラSiCウエハーの特徴を有する。100 mmウエハーは、MPD(≦0.1cm-2)、TSD(≦300cm-2)、およびBPD(≦500cm-2)を有する。150mmウエハーはMPD(<1cm-2)、TSD(≦200cm-2)およびBPD(≦3,000cm-2)を有する。
【0417】
例42
【0418】
例40aのウエハーは、以下の特徴を有する。150mmウエハーは、MPD(≦0.1cm―2)、TSD(≦300cm―2)およびBPD(≦500cm―2)を有する。
【0419】
例43
【0420】
例40aのウエハーは、20℃で約10,000オーム―cmより大きい抵抗率を有する。
【0421】
前述の例に対し、好ましい実施形態では、開口部は上部、下部または両方にあることが理解される。そして、これらの開口部は形状の軸と同軸であり、開口部はそれぞれ同じ一般的なタイプのものであり、例えば、上部と下部の両方が球形である。理解されるように、実施形態では、開口部は側壁にあってもよく、それらは上部、底部、または側壁と同じでも異なっていてもよい。開口部は、形状の軸に対して同軸でも、軸から外れていてもよい。
概要-ポリシロカルブの配合物、方法、および材料
【0422】
様々なポリシロカルブの配合物、プロセス、製造方法、および配合物は、米国特許第9,499,677号、第9,481,781号および米国特許公開第2014/0274658号、2014/0323364号、2015/0175750号、2016/0207782号、2016 / 0280607号、2017 / 0050337号に教示および開示される。それぞれの全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
ポリシロカルブ前駆体を得るための一般的なプロセス
【0423】
通常、ポリマー由来のセラミック前駆体配合物、特にポリシロカルブ前駆体配合物は、一般に3つのタイプのプロセスによって作成できるが、他のプロセス、およびこれらのプロセスの変形および組み合わせを利用してもよい。これらのプロセスは一般に、前駆体を組み合わせて前駆体配合物を形成することを含む。あるタイプのプロセスは、一般に、前駆体材料を好ましくは例えば「混合プロセス」のような化学反応が本質的に起こらない無溶媒プロセスで混合することを含む。他のタイプのプロセスは一般に化学反応、例えば「反応タイプ」を含み、例えば、モノマー、ダイマー、トリマーおよびポリマーであり得る特定の前駆体配合物を形成するためのプロセスを含む。第3のタイプのプロセスは、無溶媒環境での2つ以上の成分の化学反応、たとえば「反応混合タイプのプロセス」を有する。一般に、混合プロセスでは、硬化、熱分解中などのその後の処理の間に化学反応の本質的にすべて、および好ましくはすべてが行われる。
【0424】
これらの用語(反応型プロセス、反応混合型プロセス、および混合型プロセス)は、便宜上および簡略な参照として使用されることを理解されたい。これらの用語、つまりプロセスタイプは、制限ではなく、制限と見なされるべきでものではない。例えば、反応型プロセスを使用して前駆体材料を作成し、それを別の前駆体材料との混合型プロセスで使用することができる。
【0425】
これらのプロセスタイプは、本明細書において、それぞれの見出しの下に記載されている。1つの見出しの下での1つのプロセスの教示、および他の見出しの下での他のプロセスの教示は、互いに適用可能であり、このセクションの他のセクション、実施形態および教示にも適用可能であることを理解されたい。あるタイプのプロセスの出発物質または前駆物質は、他のタイプのプロセスで使用されてもよい。さらに、これらの見出しの下で説明されるプロセスは、さまざまな例および実施形態を含む本明細書の全体に関連して読まれるべきである。
【0426】
これらのプロセスの組み合わせおよび変形は、前駆体配合物に到達する際、および中間生成物、最終生成物、および最終生成物に到達する際に使用できることを理解されたい。生成物の特定のプロセスと望ましい特徴に応じて、1つのプロセスタイプの前駆体と出発原料を他のプロセスタイプで使用できる。混合型プロセスからの配合物は、反応型プロセス、または反応混合型プロセスの前駆体、または成分として使用することができる。同様に、反応型プロセスからの配合物は、混合型プロセスおよび反応混合プロセスで使用することができる。同様に、反応混合型プロセスからの配合物は、混合型プロセスおよび反応型プロセスで使用することができる。したがって、そして好ましくは、他のプロセスからの最適な性能と特徴を組み合わせて利用して、費用効果が高く効率的なプロセスと最終生成物を提供することができる。これらのプロセスは、中間生成物、最終生成物、および最終生成物のカスタム機能を作成するための優れた柔軟性を提供するため、これらのプロセスのいずれか、およびそれらの組み合わせにより、特定の所定の生成物を提供できる。どのタイプのプロセスが好ましいかを選択する際に、コスト、制御性、保存期間、スケールアップ、製造の容易さなどの要因を考慮することができる。
【0427】
前駆体配合物は、「ニート(neat)」材料を形成するために使用され得る(「ニート」材料とは、前駆体材料または充填されていない配合物から作られる構造のすべて、および本質的にすべてを意味する。したがって、例えば、フィラーや補強材はない)。前駆体配合物を使用して、例えば、前駆体に加えて添加剤または他の材料を有する充填材料を形成することができる。それらは、複合材料、例えば、強化材などの他の材料を含む構造またはコーティングを形成するために使用されてもよい。それらは、主に、本質的に、そして好ましくは前駆体材料のみから作られる材料である非強化材料、例えば、充填剤が強度を追加または増強することを意図しない最小充填材料、および非充填材料を形成するために使用され得る。それらは、一般に広義に関連する強度と見なされる、強度、耐摩耗性、耐久性、または他の特徴または特性を追加するための繊維または他の材料を有する材料などの強化材料を形成するために適している。
【0428】
一般に、充填材料のタイプには、例えば、硬化、熱分解または使用中にSiOCマトリックスと反応しない無機材料などの不活性充填剤;硬化、熱分解、使用、またはこれらの組み合わせの際にSiOCマトリックスと反応するジルコニウム、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物などの反応性フィラー;そして、最終生成物の使用中に放出されてその生成物に特定の機能を提供する材料などの活性充填剤、例えば潤滑剤が含まれる。フィラーは、これらのタイプの複数に分類される場合がある。
【0429】
フィラー材料は、硬化または熱分解された固体に形成された配合物と同じ材料から作られるか、または誘導されてもよく、または硬化した固体または半固体、または熱分解した固体にされた異なる前駆体配合物材料から作られてもよい。
【0430】
ポリシロカルブ配合物およびその配合物から誘導または製造された生成物は、金属および金属錯体を有し得る。したがって、酸化物、炭化物、またはケイ化物としての金属を前駆体配合物に、したがって制御された態様でシリカマトリックスに導入することができる。例えば、遷移金属の有機金属、金属ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)、金属アルコキシドおよび金属アミド化合物は、前駆体配合物に組み込むことにより、シリカマトリックスで共重合させることができる。
【0431】
充填材は、例えば、電気抵抗、磁気能力、バンドギャップ機能、pn接合機能、p型機能、n型機能、ドーパント、電気伝導率、半導体などの機能および特性、帯電防止、光学特性(反射率、屈折率、虹色など)、化学抵抗率、耐腐食性、耐摩耗性、耐摩耗性、断熱、UV安定性、UV保護、およびその他の望ましい、必要な特性、およびその両方を最終生成物または材料において付与、調節、または強化することができる。
【0432】
したがって、フィラー材料には、銅リード線、熱伝導性フィラー、導電性フィラー、鉛、光ファイバー、セラミック着色剤、顔料、酸化物、染料、粉末、セラミック微粉、ポリマー由来セラミック粒子、細孔形成剤、カルボシラン、シラン、シラザン、炭化ケイ素、カルボシラザン、シロキサン、金属粉末、セラミック粉末、金属、金属錯体、炭素、トウ(tow)、繊維、短繊維、ホウ素含有材料、粉砕繊維、ガラス、ガラス繊維、ガラス繊維、およびナノ構造(いくつかの例を挙げると、前述のナノ構造)を含む。例えば、粉砕されたポリマー由来のセラミック粒子、例えば微粉またはビーズをポリシロカルブ配合物に添加し、次いで硬化させて充填硬化プラスチック材料を形成することができ、これはコーティングとして、またはデバイスまたはデバイスのコンポーネントとして耐火性の顕著な特性を有する。
【0433】
ポリシロカルブ前駆体配合物を強化材料とともに使用して、複合層またはコーティングを形成することができる。したがって、例えば、配合物は、炭素繊維、ガラス繊維、織布、不織布、コップド繊維、繊維、ロープ、網膜構造、セラミック粉末、ガラス粉末、炭素粉末、グラファイト粉末、セラミック繊維、金属粉末、炭化物ペレットまたはコンポーネント、ステープルファイバー、トウ、上記のナノ構造、PDC、プロセスおよび最終生成物の温度要件を満たすその他の材料、およびこれらの組み合わせとバリエーションなどの薄い補強材料に流し込まれ、含浸され、吸収され、または他の方法で組み合わされてもよい。したがって、例えば、強化材料は、現在使用されているか、または既存のプラスチックおよびセラミック複合材料で使用できる耐高温強化材料のいずれでもよい。さらに、ポリシロカルブ前駆体配合物は、低温硬化(SATPなど)または硬化温度が約37.8°C(100°F)から約204.4°C(400°F)になるように配合できるため、補強材料は補強材ポリマー、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの有機ポリマー、およびNOMEXやKEVLARなどのアラミド繊維とすることができる。
【0434】
補強材料はまた、繊維に形成され、固体に硬化され、セラミックに熱分解された配合物と同じ材料から作られるか、またはそれに由来してもよく、または繊維に形成され、セラミックに熱分解された異なる前駆体配合物材料、これらの組み合わせとバリエーションから作られてもよい。強化材料として使用され得る前駆体組成材料に由来するセラミック繊維に加えて、前駆体組成材料に由来する他の多孔質、実質的に多孔質、および非多孔質のセラミック構造体が使用され得る。
【0435】
ポリシロカルブ材料(例えば、前駆体バッチ、前駆体、配合、バルク液体など)は、所定の条件下で硬化を阻害、調節、または促進する様々な阻害剤、触媒、および開始剤を存在させることができる。したがって、ポリシロカルブコーティング材料は、貯蔵中の材料に必要な貯蔵寿命を提供するために、十分な阻害剤が存在するか、触媒が存在しないことがある。
混合タイプのプロセス
【0436】
前駆体材料は、メチル水素(メチル末端ヒドリド置換ポリシロキサン)、メチル水素流体(ジメチル基をほとんどまたはまったく含まない、メチル末端ヒドリドメチル置換ポリシロキサン、)および置換および修飾メチル水素、シロキサン骨格材料、シロキサン骨格添加剤、反応性モノマー、シロキサン主鎖添加剤とシラン改質剤または有機改質剤との反応生成物、およびシラン系材料、シラザン系材料、カルボシラン系材料、非シリコン系有機架橋剤、フェノールなどの他の類似タイプの材料/ホルムアルデヒドベースの材料、およびこれらの組み合わせとバリエーションとすることができる。前駆体は、好ましくは室温で液体であるが、それらは溶融するか、または他の前駆体の1つに可溶な固体であってもよい。(ただし、この状況では、1つの前駆体が別の前駆体を溶解する場合でも「溶媒」とは見なされないことを理解されたい。その用語は非構成素溶媒、例えば最終生成物の構成要素の一部を形成せず、廃棄物として処理される溶媒を使用する従来技術のプロセスに関してその用語が使用されるためである。)
【0437】
前駆体は、容器内で、好ましくは室温で一緒に混合される。好ましくは、溶媒、例えば、水、有機溶媒、極性溶媒、非極性溶媒、ヘキサン、THF、トルエンは、前駆体材料のこの混合物にほとんど添加されず、より好ましくは添加されない。好ましくは、各前駆体材料は他のものと混和性があり、例えば、それらは任意の相対量または任意の割合で混合することができ、分離または沈殿しない。この点で、「前駆体混合物」または「ポリシロカルボ前駆体配合物」は完全なものである(単一の前駆体のみを使用する場合、材料は単に「ポリシロカルボ前駆体」または「ポリシロカルボ前駆体配合物」または「配合物」になるものではない)。完全ではあるが、充填剤と強化剤を配合に追加することができる。配合物の好ましい実施形態では、配合物が混合されるとき、または硬化する前の配合物が容器内に保持されるとき、配合物内で化学反応、例えば架橋または重合が本質的に起こらず、より好ましくは起こらない。
【0438】
前駆体は、例えば、空気、不活性ガス、N2、アルゴン、流動ガス、静的ガス、減圧、高圧、大気圧、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションなど、多くの種類の雰囲気および条件下で混合することができる。
【0439】
さらに、シクロヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(ALDRICHから入手可能)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(希釈剤とみることができる)、およびテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどの阻害剤を、例えば抑制されたポリシロカルブ前駆体配合物を形成するために、ポリシロカーボ前駆体配合物に添加することができる。テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンは、存在する量と温度に応じて、反応物と反応遅延剤(例えば、抑制剤)の両方として作用する可能性があることに注意すべきで、例えば、室温ではそれは遅延剤であり、高温ではそれは反応物となる。処理のこの時点で、SiC粉末、カーボンブラック、砂、ポリマー由来のセラミック粒子、顔料、粒子、本明細書で議論されているか、さもなければ当該技術分野で知られているナノチューブ、ウィスカー、または他の材料などの充填剤も、ポリシロカーボ前駆体配合物、たとえば充填されたポリシロカーボ前駆体配合物に加えることができる。さらに、抑制剤と充填剤の両方を含む配合物は、抑制され、充填されたポリシロカルブ前駆体配合物と考えられる。
【0440】
触媒または開始剤を使用することができ、硬化前に、前駆体配合物が形成または構造化される前、直前、または前のより速い時点で添加することができる。触媒作用は、前駆体配合物の硬化を促進し、助長して、硬化した材料または構造を形成する。
【0441】
触媒は、例えば、約0.01ppmPt~約250ppmPt、約0.03ppmPt、約0.1ppmPt、約0.2ppm Pt、約0.5ppm Pt、約0.02~0.5ppm Pt、約1ppm~200ppm Pt、好ましくは、いくつかの用途および実施形態では、約5ppm~50ppm Ptの範囲に希釈することができる任意の白金(Pt)ベースの触媒とすることができる。触媒は、例えば、0.1%から3%の過酸化物、および約0.5%から2%の過酸化物の濃度で90℃を超える10時間半減期を有する過酸化物ベースの触媒であり得る。それは、有機ベースの過酸化物であり得る。これは、Si-H結合、Si-OH結合、または不飽和炭素結合と反応することができる任意の有機金属触媒であり、これらの触媒には、ジブチルスズジラウレート、オクタン酸亜鉛、過酸化物、チタン、ジルコニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、コバルトまたはニッケルなどの有機金属化合物が含まれる。触媒は、他のロジウム、レニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、およびルテニウム型またはベースの触媒であってもよい。これらおよび他の触媒の組み合わせおよびバリエーションを使用してもよい。触媒は、商品名LUPEROXでARKEMAから入手できる(例:LUPEROX 231;ジョンソンマッセイからは、カーステッドの触媒(Karstedt′s catalyst)、アシュビーの触媒(Ashby′s catalyst)、シュパイアーの触媒(Speier′s catalyst)という商品名で販売されている。例えば、カーボンナノチューブなどの規則的および高度に秩序化された炭素構造の成長に使用される、Fe触媒、Ni触媒、およびCo触媒などの遷移金属触媒も使用できる。
【0442】
さらに、これらの触媒および他の触媒のカスタムおよび特定の組み合わせを使用して、特定の配合物に適合させ、このようにして特定の成分の反応を選択的かつ特異的に触媒することができる。さらに、プロセス条件と同様に、これらのタイプの適合触媒配合物システムの使用は、例えば、細孔構造、多孔質、密度、密度プロファイル、高純度、超高純度
硬化した構造または材料の他の形態または特徴、および場合によっては、硬化した構造または材料から形成されるセラミックなどの所定の生成物機能を提供するために使用できる。
【0443】
前駆体配合物を作製するためのこの混合型プロセスでは、好ましくは、化学反応または分子再配列は、原料開始材料の作製中、硬化プロセス中、および熱分解プロセス中にのみ起こる。好ましくは、これらの混合タイプの配合およびプロセスの実施形態において、重合、架橋または他の化学反応は、主に、好ましくは本質的に、より好ましくは硬化プロセス中にのみ起こる。
【0444】
前駆体は、以下に示す式を有する、本明細書ではメチル水素(MH)と呼ぶことができるメチル末端ヒドリド置換ポリシロキサンであってもよい。
【0445】
MHは、例えば、約400mw~約10,000mw、約600mw~約3,000mwの分子量(「mw」は原子質量単位amuでの重量平均分子量またはg/molとして測定できる)で、そして好ましくは約20cps~約60cpsの粘度を有し得る。メチルシロキサン単位の割合「X」は、1%~100%であってもよい。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体を使用して、架橋構造の骨格、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供することができる。この前駆体は、とりわけ、不飽和炭素化合物と反応して新しい、または追加の前駆体を生成することにより修飾されてもよい。通常、メチル水素流体(MHF)の最小量は「Y」であり、より好ましくは「Y」はすべての実用的な目的ではゼロとなる。
【0446】
前駆体は、以下の線状シロキサン骨格材料のいずれかであり得る。
【0447】
前駆体は、ビニル置換ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0448】
この前駆体は、例えば、約400mw~約10,000mwの分子量(mw)を有してもよく、好ましくは約50cps~約2,000cpsの粘度を有してもよい。メチルビニルシロキサン単位「X」の割合は、1%~100%であり得る。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。好ましくは、Xは約100%である。この前駆体を使用して、架橋密度を高め、靭性、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を改善することができる。
【0449】
前駆体は、ビニル置換およびビニル末端ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0450】
この前駆体は、例えば、約500mwから約15,000mwの分子量(mw)、好ましくは約500mwから1,000mwの分子量を有してもよく、好ましくは約10cpsから約200cpsの粘度を有してもよい。メチルビニルシロキサン単位「X」の割合は、1%~100%であり得る。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体を使用して、分岐を提供し、硬化温度を低下し、また硬化したプリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を低下させることができる。
【0451】
前駆体は、ビニル置換および水素末端ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式は以下に示されている。
【0452】
前駆体は、約300mw~約10,000mwの分子量(mw)、好ましくは約400mw~800mwの分子量を有してもよく、好ましくは約20cps~約300cpsの粘度を有してもよい。メチルビニルシロキサン単位「X」の割合は、1%~100%であり得る。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体を使用して、分岐を提供し、硬化温度を低下させ、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を低下させることができる。
【0453】
前駆体は、アリル末端ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0454】
この前駆体は、約400mw~約10,000mwの分子量(mw)で、好ましくは約40cps~約400cpsの粘度を有してもよい。繰り返し単位は同じである。この前駆体を使用して、UV硬化性を提供し、ポリマー鎖を延長することができ、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を延長することができる。
【0455】
前駆体は、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(VT)であってもよく、その式は以下に示されている。
【0456】
この前駆体は、約200mw~約5,000mwの分子量(mw)、好ましくは約400mw~1500mwの分子量を有してもよく、好ましくは約10cps~約400cpsの粘度を有してもよい。繰り返し単位は同じ。この前駆体を使用して、ポリマー鎖延長剤を提供し、靭性を改善し、例えば室温硬化まで硬化温度を下げ、ならびに硬化プリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を得ることができる。
【0457】
前駆体は、シラノール(ヒドロキシ)末端ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式は以下に示されている。
【0458】
この前駆体は、約400mw~約10,000mwの分子量(mw)、好ましくは約600mw~1,000mwの分子量を有してもよく、好ましくは約30cps~約400cpsの粘度を有してもよい。繰り返し単位は同じ。この前駆体は、ポリマー鎖延長剤、強化メカニズムを提供するために使用でき、ナノおよびマイクロスケールの多孔質を生成でき、室温での硬化を可能にし、硬化プリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を可能にする。
【0459】
前駆体は、シラノール(ヒドロキシ)末端ビニル置換ジメチルシロキサンであってもよく、その式は以下に示されている。
【0460】
この前駆体は、約400mw~約10,000mwの分子量(mw)、好ましくは約600mw~1,000mwの分子量を有してもよく、好ましくは約30cps~約400cpsの粘度を有してもよい。メチルビニルシロキサン単位「X」の割合は、1%~100%であり得る。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体は、特にデュアルキュアシステムで使用できる。このようにして、二重硬化により、単一の製剤で複数の硬化メカニズムを使用できる。例えば、縮合型硬化と付加型硬化の両方を利用できる。これにより、複雑な硬化プロファイルを得ることができ、たとえば、あるタイプの硬化による初期硬化と、別のタイプの硬化による最終硬化が可能になる。
【0461】
前駆体は、水素(水素化物)末端ポリジメチルシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0462】
この前駆体は、約200mw~約10,000mwの分子量(mw)、好ましくは約500mw~1500mwの分子量を有してもよく、好ましくは約20cps~約400cpsの粘度を有してもよい。繰り返し単位は同じ。この前駆体は、強化剤としてポリマー鎖延長剤を提供するために使用でき、低温などの硬化、硬化プリフォームおよびセラミック材料の他の特徴および特性を可能にする。
【0463】
前駆体は、ジフェニル末端シロキサン(フェニル末端とも呼ばれ得る)であり得、その式は以下に示される。
【0464】
ここで、Rは、ビニル、ヒドロキシ、または水素化物などの反応性基である。この前駆体は、約500mw~約2,000mwの分子量(mw)を有し、好ましくは約80cps~約300cpsの粘度を有してもよい。メチル-R-シロキサン単位「X」の割合は、1%~100%。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体を使用して、強化剤を提供し、ポリマーの屈折率を調整してさまざまなタイプのガラスの屈折率と一致させ、たとえば透明なガラス繊維、および硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供することができる。
【0465】
前駆体は、モノフェニル末端シロキサン(トリメチル末端、フェニル末端シロキサンとも呼ばれ得る)であり得、その式は以下に示される。
【0466】
ここで、Rは、ビニル、ヒドロキシ、または水素化物などの反応性基である。この前駆体は、約500mw~約2,000mwの分子量(mw)を有してもよく、好ましくは約80cps~約300cpsの粘度を有してもよい。メチル-R-シロキサン単位「X」の割合は、1%~100%、ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、0%~99%であり得る。この前駆体を使用して、強化剤を提供し、ポリマーの屈折率を調整してさまざまなタイプのガラスの屈折率と一致させ、例えば透明なガラス繊維、硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供する。
【0467】
前駆体は、ジフェニルジメチルポリシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0468】
この前駆体は、約500mw~約20,000mwの分子量(mw)を有してもよく、約800~約4,000の分子量を有してもよく、好ましくは約100cps~約800cpsの粘度を有してもよい。ジメチルシロキサン単位「X」の割合は、25%~95%であり得る。ジフェニルシロキサン単位「Y」の割合は、5%~75%であってもよい。この前駆体を使用して、モノフェニル末端シロキサンと同様の特性、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供することができる。
【0469】
前駆体は、ビニル末端ジフェニルジメチルポリシロキサンであってもよく、その式は以下に示されている。
【0470】
この前駆体は、約400mw~約20,000mwの分子量(mw)を有してもよく、約800~約2,000mwの分子量を有してもよく、好ましくは約80cps~約600cpsの粘度を有してもよい。ジメチルシロキサン単位「X」の割合は、25%~95%であり得る。ジフェニルシロキサン単位「Y」の割合は、5%~75%であってもよい。この前駆体を使用して、鎖延長、強化剤、屈折率の変更または変更、硬化材料の高温熱安定性の改善、および硬化プリフォームとセラミック材料の他の特徴と特性を提供できる。
【0471】
前駆体は、ヒドロキシ末端ジフェニルジメチルポリシロキサンであってもよく、その式を以下に示す。
【0472】
この前駆体は、約400mw~約20,000mwの分子量(mw)を有してもよく、約800~約2,000mwの分子量を有してもよく、好ましくは約80cps~約400cpsの粘度を有してもよい。ジメチルシロキサン単位「X」の割合は、25%~95%であり得る。ジフェニルシロキサン単位「Y」の割合は、5%~75%であってもよい。この前駆体は、鎖延長、強化剤、屈折率の変更または変更、硬化材料の高温熱安定性の改善に使用でき、ナノスケールおよびマイクロスケールの多孔性を生じ、ならびに硬化したプリフォームとセラミック材料にその他の機能および特性を生成できる。
【0473】
この前駆体は、メチル末端フェニルエチルポリシロキサン(スチレンビニルベンゼンジメチルポリシロキサンとも呼ばれ得る)であり得、その式は以下に示される。
【0474】
この前駆体は、分子量(mw)が約800mwから少なくとも約10,000mwから少なくとも約20,000mwであってもよく、粘度が好ましくは約50cpsから約350cpsであってもよい。スチレンビニルベンゼンシロキサンユニット「X」の割合は、1%~60%です。ジメチルシロキサン単位「Y」の割合は、40%~99%であり得る。この前駆体を使用して、靭性の向上、反応硬化発熱の低減、屈折率の変更、さまざまなタイプのガラスの屈折率に一致するようにポリマーの屈折率の調整を行うことができ、例えば透明ファイバーガラスを提供し、また、硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供する。
【0475】
前述の線状シロキサン骨格材料は一例であり、他の類似の線状シロキサン骨格材料も前駆体として使用できることが理解される。より複雑な直鎖および分岐シロキサン骨格材料を前駆体として使用してもよいが、好ましくない。
【0476】
様々なシクロシロキサンを前駆体として使用することができ、それらは配合物中の反応性分子である。それらは、次の命名システムまたは式で説明できる:DxD* y、「D」はジメチルシロキシユニットを表し、「D *」は置換メチルシロキシユニットを表し、「*」基はビニル、アリル、ヒドリド、ヒドロキシ、フェニル、スチリル、アルキル、シクロペンタジエニル、または他の有機基、xは0~8、yは>=1、x+yは3~8。さらに、この命名体系では、Dは-SiO2基、通常Me2SiO2を表し、QはSiO4を表し、Tは-SiO3基、通常MeSiO3を表し、Mは-SiO基、通常Me3SiOを表す。
【0477】
前駆体バッチはまた、(i)非シリコンベースの架橋剤などの非シリコンベースの前駆体を含んでもよく、(ii)非ケイ素系架橋剤とケイ素系前駆体の反応生成物とすることができ、(iii)これらの組み合わせとバリエーションとすることができる。非シリコンベースの架橋剤は、硬化中に架橋する能力を提供することを意図している。たとえば、非シリコンベースの架橋剤には、シクロペンタジエン(CP)、メチルシクロペンタジエン(MeCP)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、メチルジシクロペンタジエン(MeDCPD)、トリシクロペンタジエン(TCPD)、ピペリレン、ジビニルベンゼン、イソプレン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、イソプロペニルノルボルネン、メチルビニルノルボルネン、ビシクロノナジエン、メチルビシクロノナジエン、プロパジエン、4-ビニルシクロヘキセン、1,3-ヘプタジエン、シクロヘプタジエン、1,3-ブタジエン、シクロオクタジエンおよびそれらの異性体を含む。一般に、Si-Hと反応する2つ(またはそれ以上)のC=C結合、または前駆体中の他のSi結合を含む炭化水素は、架橋剤として使用できる。酸素、窒素、硫黄を含む一部の有機材料は、架橋剤としても機能する。
【0478】
シリコンベースの前駆体に対する非シリコンベースの架橋剤の量は、約10%から90%の非シリコンベースの架橋剤から10%から90%のシリコンベースの前駆体(好ましくはシリコン骨格)であり得る。(例:-Si-O-バックボーン、素材)。したがって、量の範囲は、例えば、10/90~90/10のDCPD/MHF、約40/60~60/40、約50/50、およびこれらの比率の組み合わせとバリエーション、ならびにその他比率。第3および第4の前駆体材料も使用され得る。したがって、非シリコン架橋剤/シリコン骨格前駆体/第3の前駆体の比率は、以下であり得る:約10%から約80%の非シリコン系架橋剤;約10%から80%のシリコンベースの前駆体:および約0.1%から40%の第3の前駆体とすることができる。DCPD/MHF/第3の前駆体の範囲および量は、例えば、約10/20/70~70/20/10、約10/20/70~10/70/20、約45/55/10~約55/45/10、約40/55/5~約55/40/5、およびこれらの比率ならびに他の比率の組み合わせおよびバリエーションとすることができる。
【0479】
前駆体は、反応性モノマーであってもよい。これらには、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(TV)などの分子が含まれ、その式を以下に示す。
【0480】
この前駆体を使用して、分岐剤、三次元架橋剤を提供し、ならびに硬化したプリフォームおよびセラミック材料に他の特徴および特性を提供することができる。(2%以上などの特定の配合物、および約室温から約60°Cなどの特定の温度では、この前駆体が架橋を阻害、例えば水素化物とビニル基の架橋を阻害する可能性があることにも留意すべきである。)
【0481】
前駆体は、例えばトリビニルシクロテトラシロキサンなどの反応性モノマーであってもよい。
【0482】
【0483】
【0484】
【0485】
およびヘキサメチルシクロテトラシロキサン、例えば、
【0486】
前駆体は、ビニルフェニルメチルシラン、ジフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、およびフェニルメチルシランなどのシラン改質剤であってもよい(その一部は、エンドキャッパーまたはエンドターミネーション基として使用されてもよい)。これらのシラン改質剤は、鎖延長剤と分岐剤を提供できる。それらはまた、とりわけ、硬化材料の強度を改善するだけでなく、硬化材料の靭性を改善し、屈折率を変更し、高温硬化安定性を改善する。ジフェニルメチルシランなどの前駆体は、エンドキャッピング剤として機能し、靭性を改善し、屈折率を変化させ、硬化材料の高温硬化安定性を改善し、硬化材料の強度を改善する。
【0487】
前駆体は、シラン変性剤とビニル末端シロキサン主鎖添加剤との反応生成物であってもよい。前駆体は、シラン改質剤とヒドロキシ末端シロキサン主鎖添加剤との反応生成物であってもよい。前駆体は、シラン改質剤と水素化物末端シロキサン主鎖添加剤との反応生成物であってもよい。前駆体は、シラン改質剤とTVの反応生成物であってもよい。前駆体は、シランの反応生成物であってもよい。前駆体は、立体障害を考慮して、シラン改質剤とシクロシロキサンとの反応生成物であってもよい。前駆体は、TES40またはSilbond40などの部分的に加水分解されたテトラエチルオルトシリケートであり得る。Momentive(以前は、コネチカット州ウィルトンのGeneral Electric Companyから)から入手可能なSR―350などのメチルセスキシロキサンであってもよい。前駆体は、Wacker Chemie AGの604などのフェニルメチルシロキサンであってもよい。前駆体は、Wacker ChemieAGのH62Cなどのメチルフェニルビニルシロキサンでもよい。
【0488】
前駆体はまた、以下から選択されてもよい:
SiSiB(登録商標)HF2020、トリメチルシリル末端メチル水素シリコーン液63148-57-2;SiSiB(登録商標)HF2050トリメチルシリル末端メチルヒドロキシシロキサンジメチルシロキサンコポリマー68037-59-2;SiSiB(登録商標)HF2060 水素化物末端メチルヒドロシロキサンジメチルシロキサン共重合体69013-23-6; SiSiB(登録商標)HF2038水素末端ポリジフェニルシロキサン; SiSiB(登録商標)HF2068 水素化物末端メチルヒドロシロキサンジメチルシロキサン共重合体115487-49-5;SiSiB(登録商標)HF2078水素末端ポリ(フェニルジメチルシロキサン)シロキサンシルシルスキオキサン、水素末端68952-30-7;SiSiB(登録商標)VF6060ビニルジメチル末端ビニルメチルジメチルポリシロキサンコポリマー68083-18-1;SiSiB(登録商標)VF6862ビニルジメチル末端ジメチルジフェニルポリシロキサンコポリマー68951-96-2; SiSiB(登録商標)VF6872ビニルジメチル末端ジメチル-メチル-ビニル-ジフェニルポリシロキサンコポリマー;SiSiB(登録商標)PC9401 1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジルシロキサン2627-95-4; SiSiB(登録商標)PF1070シラノール末端ポリジメチルシロキサン(OF1070)70131-67-8;SiSiB(登録商標)OF1070シラノール末端ポリジメチルシロキサン70131-67-8;OH末端ポリジメチルシロキサンヒドロキシ末端オリゴジメチルシロキサン73138-87-1;SiSiB(登録商標)VF6030ビニル末端ポリジメチルシロキサン68083-19-2;および、SiSiB(登録商標)HF2030水素末端ポリジメチルシロキサン流体70900-21-9。
【0489】
したがって、前述のタイプの前駆体に加えて、前駆体は以下の一般式の化合物であり得ると考えられる。
【0490】
エンドキャッパーE1およびE2は、トリメチルシリル(トリメチルシリコン)(-Si(CH3)3)、ジメチルシリルヒドロキシ(ジメチルシリコンヒドロキシ)(-Si(CH3)2OH)、ジメチルヒドリドシリル(ジメチルシリコンヒドリドなどの群から選択される)(-Si(CH3)2H)、ジメチルビニルシリル(ジメチルビニルシリコン)(-Si(CH3)2(CH = CH2))、ジメチルフェニルシリル(-Si(CH3)2(C6H5))およびジメチルアルコキシシリル(ジメチルアルコキシシリコン)( -Si(CH3)2(OR)。R基R1、R2、R3、およびR4はすべて異なる場合もあれば、1つ以上が同じ場合もある。たとえば、R2はR3と同じで、R3はR4と同じ、R1とR2は異なり、R3とR4は同じなどです。R基は、ヒドリド(-H)、メチル(Me)(-C)、エチル(-CC)、ビニルなどの基から選択される。 (-C = C)、アルキル(-R)(CnH2n + 1)、アリル(-CC = C)、アリル(`R)、フェニル(Ph)(-C6H5)、メトキシ(-OC)、エトキシ(-OCC)、シロキシ(-O-Si-R3)、アルコキシ(-OR)、ヒドロキシ(-OH)、フェニルエチル(-CC-C6H5)およびメチル、フェニルエチル(-CC(-C)(-C6H5)。
【0491】
一般に、ポリシロカルブ配合物の実施形態は、例えば、約0%~50%のMHF、約20%~約99%のMHF、約0%~約30%のシロキサン骨格材料、約20%約99%のシロキサン骨格材料、約0%から約70%の反応性モノマー、約0%から約95%のTV、約0%から約70%の非シリコン系架橋剤、および約0%から約90%シロキサン主鎖添加剤とシラン調整剤または有機調整剤の反応生成物との反応生成物を有する。
【0492】
配合物を混合する際には、前駆体を効果的に混合および分散させるのに十分な時間を使用すべきである。一般に、約15分から1時間の混合で十分です。典型的には、前駆体配合物は比較的、そして本質的に、せん断に敏感ではなく、したがって、ポンプまたは混合のタイプは重要ではない。さらに、粘度の高い製剤では、追加の混合時間が必要になる場合がある。混合中の配合物の温度は、好ましくは約45℃未満、好ましくは約10℃に維持されるべきである。(これらの混合条件は、事前に触媒された配合物用である。)
反応タイプのプロセス
【0493】
反応タイプのプロセスでは、一般に、化学反応を使用して、典型的には溶媒の存在下で1つ、2つまたはそれ以上の前駆体を組み合わせて、本質的に単一のポリマーで構成される前駆体配合物を形成し、その後、触媒作用を受け、硬化し、熱分解される。このプロセスは、硬化すると独自の望ましい特性を有するプラスチックを提供できるカスタム前駆体配合物を構築する機能を提供する。硬化した材料を熱分解して、独特の特徴を有するセラミックを形成することもできる。この反応タイプのプロセスでは、前駆体配合物を構成するポリマーに組み込む官能基、たとえば、通常セラミックには使用されないがプラスチックに高温機能を提供する利点のあるフェニルや通常はプラスチックに高温機能を提供しないが、セラミックには利点を提供するスチレンなどの官能基を選択することにより、最終生成物のさまざまなタイプの機能の所定のバランスを取ることができる。
【0494】
一般に、前駆体配合物として使用するためのカスタムポリマーは、縮合反応で前駆体を反応させてポリマー前駆体配合物を形成することにより作製される。次いで、この前駆体配合物は、加水分解反応により、プリフォーム、すなわち、プラスチック、硬化した固体または半固体材料に硬化される。縮合反応により、以下に示すタイプのポリマーが形成される。
【0495】
ポリマー単位中のR1およびR2は、ヒドリド(-H)、メチル(Me)(-C)、エチル(-C-C)、ビニル(-C=C)、アルキル(-R)(CnH2n+1)、不飽和アルキル(-CnH2n-1)、環状アルキル(-CnH2n-1)、アリル(-CC=C)、ブテニル(-C4H7)、ペンテニル(-C5H9)、シクロペンテニル(-C5H7)、メチルシクロペンテニル(-C5H6(CH3))、ノルボルネニル(-CXHY、X=7-15およびY=9-18)、アリル(`R)、フェニル(Ph)(-C6H5)、シクロヘプテニル(-C7H11)、シクロオクテニル(-C8H13)、エトキシ(-O-C-C)、シロキシ(-O-Si-R3)、メトキシ(-OC)、アルコキシ、(-OR)、ヒドロキシ、(-OH)、フェニルエチル(-CC-C6H5)、メチル、フェニル-エチル(-CC(-C)(-C6H5))およびビニルフェニル-エチル(-C-C-C6H4(-C)=C)))とすることができる。R1とR2は同じでも異なっていてもよい。カスタム前駆体ポリマーは、A1、A2、Anなどのいくつかの異なるポリマーユニットを持つことができ、10、20以上のユニットを含むことができ、または、反応プロセスによって作成されるMHFなどの単一ユニットのみを含むことができる。
【0496】
実施形態は、とりわけ、トリエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルヒドリドシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、ジエトキシジヒドリドシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシヒドリドトリメチルシロキサン、ジエトキシメチルトリメチルシロキサン、トリメチルエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルエトキシヒドリドシロキサン、およびこれら前駆体及び本明細書に記載されている他の前駆体を含む他の前駆体の組み合わせとバリエーションを含む前駆体を含むことができる。
【0497】
エンドユニット、Siエンド1およびSiエンド2は、ジメチルエトキシビニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、およびトリメチルエトキシシランの前駆体に由来し得る。さらに、重合プロセスが適切に制御されている場合、ポリマーの繰り返し単位を提供するために使用される前駆体からヒドロキシ末端キャップを得ることができる。
【0498】
一般に、前駆体は、エタノール(または熱を吸収する、例えば熱質量を提供する他の材料)、過剰の水、および塩酸(または他のプロトン源)とともに容器に加えられる。この混合物は、活性化エネルギーに達するまで加熱され、その後、反応は通常発熱性となる。一般に、この反応では、水は前駆体モノマーのシランのエトキシ基と反応し、ヒドロキシを形成する(副産物としてエタノールを含む)。一旦形成されると、このヒドロキシは別の前駆体モノマーのシリコン上のエトキシ基と反応し、重合反応を引き起こす。この重合反応は、所望の鎖長が構築されるまで続けられる。
【0499】
とりわけ、鎖長を決定するための制御因子は次のとおりである:選択されたモノマー(一般に、モノマーが小さいほど、巻き付いてそれ自体に結合し始める前に追加することができる);エンドキャッパーが導入される反応の量とポイント;そして、水の量と特に添加速度。したがって、鎖の長さは、約180mw(粘度約5cps)から約65,000mw(粘度約10,000cps)、約1000mwを超え、約10,000 mwを超え、約50,000 mwを超える。さらに、重合前駆体配合物は、配合物、硬化物、およびセラミック製品の性能特性を提供するために事前に決定することができる、異なる分子量のポリマーを有してもよく、通常はそうである。
【0500】
重合反応が完了すると、材料は、例えば材料の質量の約1.2倍から約1.5倍の量の脱イオン水を有する分離装置、例えば分離漏斗に移される。この混合物を激しく1分未満、好ましくは約5~30秒間撹拌する。攪拌後、材料は沈降および分離するが、これには約1~2時間かかる。ポリマーはより高い密度の材料であり、容器から除去される。この除去されたポリマーは、浅いトレイに入れ約2時間90℃で加温することによって乾燥される。または、好ましくは、任意の残留水及びエタノールを除去するために、ワイプトフィルム蒸留装置に通される。代替的に、水層を約7~約4のpHまでバッファリングするのに十分な重炭酸ナトリウムを添加する。なお、材料を混合し、反応させ、ポリマーを分離する他の商業的な方法を使用できる。
【0501】
好ましくは、触媒が、反応型プロセスからのポリマー前駆体配合物物の硬化プロセスに使用される。混合型プロセスからの前駆体配合物の硬化に使用されるのと同じポリマーを使用することができる。一般に、混合タイプの処方とは異なり、反応タイプのポリマーを硬化させるために触媒は必ずしも必要ではない。阻害剤も使用できる。ただし、触媒を使用しない場合、反応時間と反応速度は遅くなる。反応プロセスからの硬化材料の硬化および熱分解は、混合プロセスおよび反応混合プロセスからの硬化材料の硬化および熱分解と本質的に同じである。
【0502】
反応型プロセスは、例えば、空気、不活性ガス、N2、アルゴン、流動ガス、静的ガス、減圧、周囲圧力、高圧、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションなど、多くのタイプの雰囲気および条件下で実施することができる。
反応混合型プロセス
【0503】
反応混合型プロセスにおいては、前駆体は溶媒の非存在下で反応し前駆体配合物を形成する。例えば、反応混合型プロセスの実施形態は、MHFとジシクロペンタジエン(DCPD)から調製される前駆体配合物を有する。反応混合プロセスを使用してMHF/DCPDポリマーが作成され、このポリマーは、前駆体配合物として使用される。それは単独で、硬化または熱分解生成物を形成し、または混合または反応プロセスにおける前駆体として使用される。
【0504】
したがって、例えば、既知の分子量および水素化物当量の約40から90%のMHF;約0.20wt%P01触媒;純度83%以上の約10~60%のDCPDを使用できる。
【0505】
P01は、0.1%のPt(0)錯体までテトラビニルシクロテトラシロキサンで20倍に希釈した、テトラビニルシクロテトラシロキサン中の2%Pt(0)テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体であり、。この方法では、バルクキャットの1%の負荷ごとに10ppmPtが供給される。
【0506】
プロセスの実施形態では、ミキサーを備えた密閉可能な反応容器を反応に使用することができる。反応は密閉容器内で空気中で行われるが他の種類の雰囲気も利用できる。好ましくは、反応は大気圧で実施されるが、より高い圧力およびより低い圧力を利用することができる。さらに、反応混合タイプのプロセスは、空気、不活性ガス、N2、アルゴン、流動ガス、静的ガス、減圧、大気圧、高圧、およびこれらの組み合わせやバリエーションなど、多くのタイプの雰囲気と条件下で実行できる。
【0507】
一実施形態では、850グラムのMHF(全ポリマー混合物の85%)を反応容器に加え、約50℃に加熱する。この温度に達すると、ヒーターの電源を切り、0.20%(MHFの重量)のP01白金触媒を反応容器内のMHFに加える。通常、触媒を追加すると、気泡が形成され、温度が最初に約2~20°C上昇する。
【0508】
温度が低下し始めたら、約150gのDCPD(全ポリマー混合物の15重量%)を反応容器に添加する。温度がさらに下がる場合がある(例:約5-7°C)。
【0509】
反応プロセスのこの時点で、反応容器の温度は、所定の温度プロファイルを経時的に維持し、発熱を伴う可能性のある温度上昇を管理するように制御される。好ましくは、反応容器の温度は、プロセス全体にわたって調整、監視、および制御される。
【0510】
反応プロセスのMHF/DCPDの実施形態では、温度プロファイルは以下の通りであり得る:温度が約80℃に達するようにする(存在する材料の量に応じて、約15~40分かかり得る);その後、温度が上昇し、~104°Cでピークに達し、温度が下がり始めるとすぐに、ヒーターの設定温度が100°Cに上昇し、反応混合物の温度を監視して、最小合計約2時間、最大合計約4時間の間、ポリマーの温度が80°Cを超えるようにする。80°Cを超えて2~4時間後、ヒーターをオフにし、ポリマーを周囲温度まで冷却する。大小のバッチ、連続、半連続、および他のタイプのプロセスでは、温度と時間のプロファイルが異なる場合がある。
【0511】
大規模および商業的操作では、これらのバッチ、連続、および組み合わせを使用することができる。工業工場の自動化および制御システムを利用して、反応中の反応、温度プロファイル、およびその他のプロセスを制御できる。
【0512】
表Aは、前駆体材料の様々な実施形態を示している。
【0513】
【0514】
上記の表において、「重合度」は、一緒に結合してポリマーを形成するモノマー単位または繰り返し単位の数である。「当量/mol」とは、モル当量を指す。「ビニルのグラム/モル」は、1モル当量のビニル官能性を提供するために必要な所定のポリマーの量を指す。「VMH」とは、TVの代わりに使用できる、エトキシプロセスの線状ビニル材料であるメチルビニル液を指す。VTの数字「0200」などは、その特定のVTのセンチポアズ単位の粘度(0200=200cpsなど)。
硬化と熱分解
【0515】
上記のタイプのプロセスおよび他のプロセスからのポリシロカルブ前駆体配合物を含む前駆体配合物を硬化させて、固体、半固体、またはプラスチック様材料を形成することができる。典型的には、前駆体配合物は、薄いフィルムおよび厚いフィルムを含む、任意の体積構造または形状を含むプリフォームに広げられるか、成形されるか、さもなければ形成される。硬化の際、ポリシロカルブ前駆体配合物を初期硬化で処理して、例えばプリフォーム、グリーン材料、またはグリーン硬化(材料の色については何も意味しない)とも呼ばれる部分的に硬化した材料を提供することができる。次いで、グリーン材料をさらに硬化させることができる。したがって、1つまたは複数の硬化ステップを使用することができる。材料は、「最終硬化」、すなわち、材料がその意図された目的に必要な物理的強度および他の特性を有する点まで硬化されるようにすることができる。硬化の量は、最終硬化(または「ハード硬化」)、すなわち、化学反応のすべて、または本質的にすべてが停止したポイント(これは、例えば中に反応性基が存在しないことにより測定、すなわちすべての反応が停止したか、時間の経過に伴う反応性基の減少の横ばい、すなわち、本質的にすべての反応が停止したことを測定することによって決まる)までであってもよい。したがって、材料は、その意図される用途と目的に応じて、さまざまな程度に硬化させることができる。たとえば、状況によっては、最終硬化とハード硬化が同じになる場合がありる。雰囲気や温度などの硬化条件は、硬化した材料の組成に影響する場合がある。
【0516】
多層または複合構造および形状では、ポリシロカルブ材料の層を様々な程度に硬化させることができ、例えば、多層実施形態では、層を生硬化させて層の接着を促進し、その後最終的に硬化させることができる。多層構造内の各層は、一つ、二つ、三つまたはそれ以上の硬化ステップ、およびこれらの組み合わせとバリエーションにより、同程度の硬化、異なる硬化度まで硬化できる。
【0517】
硬化は、標準の周囲温度および圧力(「SATP」、1気圧、25℃)、その温度より高いまたは低い温度、その圧力より高いまたは低い圧力、および様々な期間にわたって行うことができる。硬化は、さまざまな加熱、加熱速度、および温度プロファイル(たとえば、保持時間と温度、連続的な温度変化、周期的な温度変化、たとえば、加熱とそれに続く維持、冷却、再加熱など)で実施できる。硬化の時間は、数秒(例えば、約1秒未満、5秒未満)から、1分未満、数分、数時間、数日(または潜在的にそれ以上)までであり得る。硬化は、例えば、気体、液体、空気、水、液体を含む界面活性剤、不活性雰囲気、N2、アルゴン、流動気体(例えば、掃引気体)、静的気体、還元O2(たとえば、20%O2未満、15%O2未満、10%O2未満、5%O2未満など、大気圧よりも低いO2の量)、減圧(たとえば、大気圧未満)、高圧(例えば、大気よりも大きい)、富化されたO2(例えば大気よりも多いO2の量)、周囲圧力、制御された分圧、およびこれらおよび他の処理条件の組み合わせおよび変動を含む、あらゆる種類の周囲環境で実施することもできる。
【0518】
一実施形態では、硬化環境、例えば、炉、雰囲気、容器、およびこれらの組み合わせおよびバリエーションは、例えば、プリフォーム、硬化材料、セラミック、最終用途または製品における組成、触媒作用、化学量論、特徴、性能、およびこれらの組み合わせとバリエーションに寄与するまたは影響する材料を有することができる。
【0519】
高純度材料に対しては、炉、容器、ハンドリング機器、雰囲気、および硬化装置およびプロセスの他の構成要素はきれいであり、硬化した材料に不純物または汚染物質と考えられる要素または材料を本質的に含まず、寄与しない。
【0520】
好ましくは、硬化プロセスの実施形態では、硬化は、約5℃以上、約20℃から約250℃、約20℃から約150℃、約75℃~約125℃、および約80℃~90℃の範囲の温度で起こる。より高い温度およびより低い温度およびさまざまな加熱プロファイル(例えば、経時的な温度変化の速度(「ランプ速度」、例えばΔ度/時間)、保持時間、および温度)を利用することができる。
【0521】
硬化条件、例えば、温度、時間、傾斜速度は、応力亀裂、ガス放出、または硬化プロセスに関連する他の現象を防ぎために、例えば、プリフォームのサイズ、プリフォームの形状、またはプリフォームを保持する金型に一致する配合物に全体的または部分的に依存し、またいくつかの実施形態では、同配合物によって事前に決定することができる。さらに、硬化条件は、好ましくは制御された方法で、硬化プロセスに関連する問題として以前に認識されていたものを利用するようなものであり得る。したがって、例えば、排出ガスを使用して、開いた構造または閉じた構造のいずれかを有する発泡材料を作成することができる。同様に、硬化条件を使用して、材料の微細構造とナノ構造を作成または制御できる。一般に、硬化条件は、プロセスにおける反応速度論と熱力学に影響し、制御し、または修正するために使用できる。これは、形態、性能、特徴、機能などに影響を与える可能性がある。
【0522】
ポリシロカルブ前駆体配合物を硬化すると、いくつかの実施形態では、とりわけ、例えば、―R1―Si―C―C―Si―O―Si―C―C-Si-R2-を有する架橋構造を提供する架橋反応が起こる。ここで、R1とR2は、配合物に使用される前駆体に応じて異なり、それらに基づく。硬化材料の実施形態では、それらは、シリコン原子間で5個未満の原子によって隔てられている、別のシリコン原子に対して3配位のシリコン中心を有する架橋構造を有し得る。追加のその他の構造および硬化材料の種類も考えられる。したがって、例えば、Luperox231を使用すると、同じモノマーから-Si-C-C-C-Si-である構造が得られる。他の架橋剤、例えばDCPDおよびジビニルベンゼンが使用される場合、シリコン原子間の炭素原子の数は5原子より多くなる。架橋された、例えば硬化した材料のいくつかの実施形態の一般化された式は、-Si-R3-Si-であり、R3はエチル(例えばビニル前駆体から)、プロピル(例えばアリル前駆体から) )、ジシクロペンタン(例えばDCPD前駆体から)、ノルボルナン(例えばノルボルナジエン前駆体から)、ジエチルベンゼン(例えばジビニルベンゼン前駆体から)などである。
【0523】
硬化プロセス中、いくつかの配合物は、発熱、すなわち、硬化反応を支援または駆動するために少量の熱を生成できる自己発熱反応、またはストレス破壊などの問題を回避するために管理および削除するために必要とする可能性のある大量の熱を生成する可能性がある。硬化中に排出ガスが一般的に発生し、材料の損失、すなわち残っている材料の量、たとえば硬化収率によって定義される損失を生じる。本発明の実施形態の配合物、硬化条件、およびポリシロカルブ前駆体配合物の実施形態は、少なくとも約90%、約92%、約100%の硬化収率を有することができる。実際、空気硬化では、酸素が空気から吸収される結果として、材料は100%を超える、例えば約101~105%の硬化収率を有し得る。さらに、硬化中に材料は通常収縮するが、この収縮は、配合物、硬化条件、プリフォーム形状の性質、およびプリフォームが強化、充填、ニートまたは非強化のいずれであるかによって、約20% 20%未満、約15%未満、約5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、およびそれ未満となり得る。
【0524】
硬化は、必要なレベルの温度および環境制御を有する任意のタイプの加熱装置、または機構、技術、または形態によって達成することができる。硬化は、例えば、加熱された水浴、電気炉、マイクロ波、ガス炉、炉、強制加熱空気、塔、噴霧乾燥、流下膜反応器、流動床反応器、間接加熱要素、直接加熱(例えば、加熱表面、ドラム、およびプレート)、赤外線加熱、UV照射(光)、RF炉、高せん断混合による乳化中のその場、超音波処理による乳化中のその場、広域白色光、IR光、コヒーレント電磁放射(たとえば、可視、UV、IRを含むレーザー)、対流加熱などがある。
【0525】
一実施形態では、十分な量の触媒を有する実施形態では、大気条件下で硬化も起こり得る。
【0526】
一実施形態での熱分解が行われる場合、硬化材料は、例えば、約600℃から約2300℃、約650°Cから約1,200°C、約800°Cから約1300°C、約900°Cから約1,200°C、および約950°Cから1,150°Cに加熱することができる。これらの温度では、通常、すべての有機構造が除去されるか、無機成分と結合してセラミックを形成する。通常、約650℃~1,200℃の範囲の温度では、得られる材料はアモルファスガラスセラミックである。約1,200°Cを超える温度に加熱すると、材料は通常、SiC、Si3N4、SiCN、βSiCなどのナノ結晶構造または微結晶構造、および1,900°C以上でαSiC構造を形成する場合があり、2,200℃以上で通常αSiCが形成される。熱分解された、例えば、セラミック材料は、単結晶、多結晶、アモルファス、およびこれらおよび他のタイプの形態の組み合わせ、バリエーションおよびサブグループであり得る。
【0527】
熱分解は、多くの異なる加熱および環境条件の下で実施することができ、これには、とりわけ、熱制御、速度制御、およびこれらの組み合わせおよび変形が含まれることが好ましい。たとえば、熱分解には、さまざまな加熱ランプ速度、加熱サイクル、および環境条件がある。いくつかの実施形態では、既知の遷移(例えば、ガス発生、揮発、分子再配置など)を支援するために、温度を上げて所定の温度に保持し、次に次の既知の遷移に対応する次の保持温度まで上昇させることができる。熱分解は、還元性雰囲気、酸化性雰囲気、低O2、ガスリッチ(例、火炎内または炎に直接隣接)、不活性、N2、アルゴン、空気、減圧、周囲圧力、高圧、流動ガス(例えば、約15.0GHSV(ガス毎時空間速度)から約0.1 GHSV、約6.3 GHSVから約3.1GHSV、および約3.9GHSVの流量を有する掃引ガス、静的ガス、および組み合わせこれらのバリエーションの中で生じる。
【0528】
いくつかの実施形態では、熱分解の際、Si-O-Cセラミック中に、グラフェン、グラファイト、アモルファスカーボン構造、およびこれらの組み合わせおよび変形が存在する。SiO4、SiO3C、SiO2C2、SiOC3、およびSiC4をもたらすSiOxCy構造からなるシリコン種の分布は、前駆体の選択とその処理履歴からさまざまな比率で形成される。炭素は通常、隣接する炭素間および/またはシリコン原子に結合する。一般に、セラミック状態では、炭素はほとんど酸素原子に配位していないため、酸素はシリコンに大きく配位している。
【0529】
熱分解は、要求温度および環境制御を維持する任意の加熱装置で実施することができる。したがって、例えば、熱分解は、圧力炉、箱型炉、管状炉、結晶成長炉、グラファイト箱型炉、アーク溶解炉、誘導炉、キルン、MoSi2発熱体炉、炭素炉、真空炉、ガス炉、電気炉、直接加熱、間接加熱、流動層、RF炉、キルン、トンネルキルン、ボックスキルン、シャトルキルン、コークス式装置、レーザー、マイクロ波、その他の電磁放射、およびこれらおよびその他の加熱装置の組み合わせとバリエーションおよび熱分解の要求温度を取得できるシステムで実施することができる。
【0530】
ポリシロカルブ由来のセラミック材料の実施形態では、表Bに記載されている材料の総量に対してSi、O、Cのいずれかの量を有する。
【0531】
【0532】
一般に、熱分解されたセラミックポリシロキサン材料の実施形態は、約20%から約65%のSiを有することができ、約5%から約50%のOを有することができ、約3%から約55%の炭素重量パーセントを有することができる。より多いおよびより少ない量も考慮される。
【0533】
一般に、熱分解されたセラミックポリシロカルブ材料の実施形態は、Siについて約0.5~約2.5のモル比(全Si、O、およびCに基づく)を有することができ、Oについて約0.2~約2.5のモル比を有することができ、Cについて約0.1~約4.5のモル比を有することができる。より多い量およびより少ない量も企図される。
【0534】
一般に、熱分解セラミックポリシロカルブ材料の実施形態は、Siについて約13%~約68%のモル%(全Si、O、およびCの割合)を有することができ、Oについては約6%~約60%のモル%を有することができ、Cについては約4%~約75%のモル%を有することができる。より多い量およびより少ない量も企図される。
【0535】
ポリシロカルブ由来セラミック顔料の実施形態に存在する炭素の種類は、遊離炭素(例えば、ターボストラティック、アモルファス、グラフェン、グラファイト形態の炭素)およびシリコンに結合した炭素であり得る。遊離炭素およびケイ素結合炭素(Si-C)を有するセラミックポリシロカルブ材料の実施形態を表Cに記載する。遊離炭素およびケイ素結合炭素のより多いおよびより少ない量および異なる割合も考えられる。
【0536】
【0537】
一般に、ポリシロカルブ由来セラミック材料の実施形態は、約30%の遊離炭素から約70%の遊離炭素、約20%の遊離炭素から約80%の遊離炭素、および約10%の遊離炭素から約90%の遊離炭素、および約30%Si-C結合炭素から約70%Si-C結合炭素、約20%Si-C結合炭素から約80%Si-C結合炭素、および約10%Si-C結合炭素から約90%Si-C結合炭素を有することができる。より多いおよびより少ない量も考慮される。
金属および金属錯体
【0538】
一例として、充填材料として使用できる金属および金属錯体には、利用可能な遷移金属のシクロペンタジエニル化合物が含まれるであろう。遷移金属のシクロペンタジエニル化合物は、2つのクラスに分類できる:ビスシクロペンタジエニル錯体;およびモノシクロペンタジエニル錯体。シクロペンタジエニル錯体はC5H5、C5Me5、C5H4Me、CH5R5(ここでR=Me、Et、プロピル、i-プロピル、ブチル、イソブチル、Sec-ブチル)を含むことができる。これらのいずれの場合でも、Siはシクロペンタジエニルリガンドに直接結合するか、Si中心をアルキル鎖に結合し、アルキル鎖はシクロペンタジエニルリガンドに結合する。
【0539】
前駆体配合物とともに及び生成物内で利用可能なシクロペンタジエニル錯体は:第一列遷移金属(チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル)のビス-シクロペンタジエニル金属錯体;二列目の遷移金属(ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム);三列目の遷移金属(ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、オスミウム、プラチナ);ランタニド系列(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho);およびアクチニドシリーズ(Ac、Th、Pa、U、Np)を含むことができる。
【0540】
モノシクロペンタジエニル錯体は、また、前駆体配合物に金属機能性を提供するために利用することができ、第一列遷移金属(チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル);第二列目の遷移金属(ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム); 適切なリガンド(たとえば、塩化物またはカルボニル)で安定化されていることが好ましい場合、第三列遷移金属(ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、オスミウム、プラチナ)のモノシクロペンタジエニル錯体を利用することができる。
【0541】
金属のアルキル錯体を使用して、前駆体配合物および生成物に金属機能性を提供することもできる。これらのアルキル錯体では、Si中心がシグマ結合を介して直接遷移金属に結合できるアルキル基(エチル、プロピル、ブチル、ビニル、プロペニル、ブテニル)を有する。さらに、これは、Pd、Rh、Pt、Irなどの後の遷移金属ではより一般的である。
【0542】
金属の配位錯体を使用して、前駆体配合物および生成物に金属機能性を提供することもできる。これらの配位錯体では、Si中心にはCr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Niのカルボニル錯体またはエン錯体に結合できる不飽和アルキル基(ビニル、プロペニル、ブテニル、アセチレン、ブタジエニル)がある。Si中心はまた、フェニル、置換フェニルまたは他のアリル化合物(ピリジン、ピリミジン)に結合する場合があり、フェニルまたはアリル基は金属中心上のカルボニルを置換することができる。
【0543】
金属アルコキシドを使用して、前駆体配合物および生成物に金属機能性を提供することもできる。金属アルコキシド化合物をシリコン前駆体化合物と混合し、水酸化物で処理して、ポリマーが共重合すると同時に酸化物を形成することができる。これは、金属ハロゲン化物と金属アミドでも行うことができる。好ましくは、これは、初期遷移金属とアルミニウム、ガリウムおよびインジウム、後期遷移金属:Fe、Mn、Cu、およびアルカリ土類金属:Ca、Sr、Ba、Mgを使用して行うことができる。
【0544】
Siがハロゲン化物または有機基によって安定化された金属中心に直接結合している化合物も、前駆体配合物および生成物に金属機能性を提供するために利用することができる。
【0545】
さらに、金属および金属錯体は、熱分解またはその後の熱処理の後、連続相であり得ることを理解されたい。配合物は、選択された金属と反応して、金属炭化物、酸化物、および一般にサーメットとして知られている他の金属化合物(セラミック金属化合物など)をその場で(In situ)形成するように特別に設計できる。配合物を選択された金属と反応させて、ムライト、アルミノケイ酸塩などのin situ化合物を形成することができる。配合物または最終生成物中のシリカの量に対する金属の量は、約0.1モル%~99.9モル%、約1モル%以上、約10モル%以上、および約20モル%以上であり得る。本発明の前駆体式を有する金属の前述の使用は、所定の化学量論を制御および提供するために使用され得る。
見出しと実施形態
【0546】
本明細書における見出しの使用は、明確にする目的のためであり、決して限定するものではない。したがって、見出しの下に記載されているプロセスおよび開示は、さまざまな例を含む本明細書の全体に関連して読まれるべきである。本明細書における見出しの使用は、本発明を提供する保護の範囲を制限するものではない。
【0547】
本発明の実施形態の主題である、またはそれに関連する、新規で画期的なプロセス、材料、性能、または他の有益な特徴および特性の根底にある理論を提供またはそれに言及する必要がないことに留意されたい。それにもかかわらず、この分野の技術をさらに進歩させるために、本明細書ではさまざまな理論が提供されている。本明細書に記載されてているこれらの理論は、特に明記されていない限り、クレームされた発明に与えられる保護の範囲を決して制限、限定または狭めるものではない。これらの理論の多くは、本発明を利用するために必要とされるものでも遵守されるものでもない。さらに、本発明は、本発明の方法、物品、材料、デバイス、およびシステムの実施形態の機能特徴を説明するための新規かつこれまで未知の理論につながり得ることが理解される。そして、そのような後に開発された理論は、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0548】
本明細書に記載の配合物、配合物、物品、プラスチック、セラミック、材料、部品、ウエハー、ブール、体積構造、用途、用途、機器、方法、活動、および操作のさまざまな実施形態は、さまざまな用途に使用できる。他の分野および他のさまざまな活動、用途、実施形態。さらに、これらの実施形態は、例えば、既存のシステム、物品、配合物、材料、操作または活動で使用されてもよい。将来開発される可能性のあるシステム、記事、配合物、材料操作または活動で使用される可能性がある。また、このようなシステム、記事、配合物、材料、操作、またはアクティビティは、この仕様の教示に基づいて部分的に変更される場合がある。さらに、本明細書に記載される様々な実施形態および例は、全体または一部で、互いに、および様々な組み合わせで使用されてもよい。したがって、例えば、本明細書の様々な実施形態および例で提供される構成は、互いに使用されてもよい。そして、本発明に与えられる保護の範囲は、特定の実施形態、例、または特定の図の実施形態で説明される特定の実施形態、例、構成または配置に限定されるべきではない。