(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】帯電装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20240130BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G03G15/02 101
G03G15/00 303
G03G15/02 102
(21)【出願番号】P 2019169515
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】飯田 紘史
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-289688(JP,A)
【文献】特開2017-062441(JP,A)
【文献】特開平07-110616(JP,A)
【文献】特開2001-290341(JP,A)
【文献】特開2012-037648(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0287443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電手段に接触し、第1の帯電電位に前記被帯電手段を帯電させる第1の帯電手段と、
前記第1の帯電手段より前記被帯電手段の移動方向の上流側で前記被帯電手段に接触し、第2の帯電電位が前記第1の帯電電位と同極性で前記第1の帯電電位より絶対値が大きい電位となるよう前記被帯電手段を帯電させる第2の帯電手段と、
前記第1及び第2の帯電手段に共通して電圧を印加する電圧印加手段と、
を備える帯電装置。
【請求項2】
前記第2の帯電手段は、前記第1の帯電手段
より高抵抗に形成される
請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記第2の帯電手段は、前記被帯電手段に接触する接触荷重が前記第1の帯電手段より低い
請求項1に記載の帯電装置。
【請求項4】
画像を保持する像保持手段と、
前記像保持手段を帯電する帯電手段と、
を備え、
前記帯電手段として
請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置を用いた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、帯電装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電装置に関する技術としては、例えば、複数の帯電部材を備えたものが既に提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1は、被帯電体を目標電位に帯電させる第1帯電部材と、前記被帯電体を目標電位とは逆極性に事前帯電する第2帯電部材と、前記第1帯電部材による帯電時に、前記第1帯電部材の流す直流電流が所定値以上となるように、前記第2帯電部材で逆極性に帯電させる帯電電位を制御する制御手段と、を有するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、第1の帯電手段より被帯電手段の移動方向の上流側で被帯電手段に接触する第2の帯電手段の第2の帯電電位が、第1の帯電電位より高い場合に比べ、被帯電体の帯電電位のバラツキを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、被帯電手段に接触し、第1の帯電電位に前記被帯電手段を帯電させる第1の帯電手段と、
前記第1の帯電手段より前記被帯電手段の移動方向の上流側で前記被帯電手段に接触し、第2の帯電電位が前記第1の帯電電位と同極性で前記第1の帯電電位より絶対値が大きい電位となるよう前記被帯電手段を帯電させる第2の帯電手段と、
前記第1及び第2の帯電手段に共通して電圧を印加する電圧印加手段と、
を備える帯電装置である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、前記第2の帯電手段は、前記第1の帯電手段より高抵抗に形成される請求項1に記載の帯電装置である。
【0009】
請求項3に記載された発明は、前記第2の帯電手段は、前記被帯電手段に接触する接触荷重が前記第1の帯電手段より低い請求項1に記載の帯電装置である。
【0012】
請求項4に記載された発明は、画像を保持する像保持手段と、
前記像保持手段を帯電する帯電手段と、
を備え、
前記帯電手段として請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置を用いた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、第1の帯電手段より被帯電手段の移動方向の上流側で被帯電手段に接触する第2の帯電手段の第2の帯電電位が、第1の帯電電位と同極性で第1の帯電電位より絶対値が小さい場合に比べ、被帯電体の帯電電位のバラツキを抑制することができる。
【0014】
また、請求項1に記載された発明によれば、第1及び第2の帯電手段にそれぞれ個別に電圧印加手段を設けた場合に比べ、電圧印加手段が1つで済む。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、第2の帯電手段は、第1の帯電手段より高抵抗に形成されない場合に比べ、部材を追加せずに帯電電位を変更することができる。
【0016】
請求項3に記載された発明によれば、第2の帯電手段は、被帯電手段に接触する接触荷重が第1の帯電手段と等しい場合に比べ、部材を追加せずに帯電電位を変更することができる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、帯電手段として請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置を用いない場合に比べ、像保持手段の帯電電位のバラツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る帯電装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の作像装置を示す概略構成図である。
【
図3】この発明の実施の形態1に係る帯電装置を示す構成図である。
【
図4】帯電装置の帯電状態を示す断面構成図である。
【
図5】帯電ロールの印加電圧と感光体ドラムの帯電電位の関係を示すグラフである。
【
図6】第2の帯電ロールによる帯電電位と第1の帯電ロールによる帯電電位との関係を示すグラフである。
【
図7】比較例における第2の帯電ロールによる帯電電位と第1の帯電ロールによる帯電電位との関係を示すグラフである。
【
図8】比較例における帯電ロールの軸方向の位置と帯電特性との関係を示すグラフである。
【
図9】この発明の実施の形態2に係る帯電装置を示す断面構成図である。
【
図10】この発明の実施の形態3に係る帯電装置を適用した画像形成装置の要部を示す構成図である。
【
図11】帯電ロールの印加電圧と感光体ドラムの帯電電位の関係を示すグラフである。
【
図12】この発明の実施の形態3に係る帯電装置の変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
[実施の形態1]
図1及び
図2は、実施の形態1に係る帯電装置を適用した画像形成装置を示すものである。
図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、
図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
【0023】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばモノクロプリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、
図1に示されるように、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する画像形成手段の一例としての作像装置10と、作像装置10の転写位置に供給すべき記録媒体の一例としての記録用紙5を収容して供給する給紙装置20と、給紙装置20から供給された記録用紙5を搬送経路に沿って搬送する搬送装置30と、作像装置10で転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
【0024】
作像装置10は、像保持手段(被帯電手段)の一例としての回転する感光体ドラム11を備えている。感光体ドラム11の周囲には、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる本実施の形態に係る帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像をブラック色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像装置14と、そのトナー像を記録用紙5に転写する転写装置15と、転写後における感光体ドラム11の像保持面を除電する除電装置17と、除電後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
【0025】
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。この実施の形態1では、感光体ドラム11の回転速度(周速)が400mm/sec程度と比較的高速に設定されている。
【0026】
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12は、第1の帯電手段の一例としての第1の帯電ロール121と、第1の帯電ロール121より感光体ドラム11の回転方向Aに沿った上流側に配置された第2の帯電手段の一例としての第2の帯電ロール122とを備えている。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12については、後に詳述する。
【0027】
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
【0028】
現像装置14は、
図2に示されるように、開口部140aと現像剤の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像剤保持手段の一例としての現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する図示しない層厚規制部材と、現像ロール141の外周面から回収された現像剤を攪拌搬送部材143へと供給する供給ロール144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143、供給ロール144は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、現像剤としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
【0029】
転写装置15は、
図1に示されるように、画像形成時に感光体ドラム11の周囲に記録用紙5を介して接触し回転するとともに転写用電圧が供給される転写ロール151と、記録用紙5を搬送する転写ベルト152を備えた接触型の転写装置である。転写ベルト152は、駆動ロール153と従動ロール154との間に張架されている。転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
【0030】
除電装置17は、転写後における感光体ドラム11の像保持面に帯電装置12の帯電極性と逆極性の電荷を付与して除電するコロトロン等からなる。
【0031】
ドラム清掃装置16は、
図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するよう配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、同じく感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するよう配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃ブラシ162と、清掃板161及び清掃ブラシ162で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収容器に送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材163等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
【0032】
定着装置40は、
図1に示されるように、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された装置ハウジング43の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される加熱用回転体(定着手段)の一例としての加熱ロール41と、この加熱ロール41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転する加圧用回転体の一例としての加圧ロール42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱ロール41と加圧ロール42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着ニップ部となる。
【0033】
給紙装置20は、装置本体1aの下部に存在するよう配置される。この給紙装置20は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載板21上に積載した状態で収容する複数(又は単数)の用紙収容体22と、用紙収容体22から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置23とで主に構成される。給紙装置20は、用紙収容体22に設けられた図示しない把持部を手で把持して引き出すことにより画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱可能となっている。
【0034】
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
【0035】
給紙装置20と転写装置15との間には、
図1に示されるように、給紙装置20から送り出される記録用紙5を転写位置まで搬送する複数(又は単数)の用紙搬送ロール対31a~31fや搬送ガイド32で構成される給紙搬送路33が、装置本体1aの鉛直方向に沿った上方に向かい、途中から装置本体1aの内部へ向けて湾曲した形状に設けられている。給紙搬送路33において転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対31fは、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、転写装置15から定着装置40までは、転写装置15の転写ベルト152により転写後の記録用紙5が定着装置40へと搬送される。
【0036】
また、定着装置40の排出口の上方には、複数組の搬送ロール対34a~34d及び搬送ガイド35を介して用紙排出部36へと搬送して排出する排出搬送路37が設けられている。用紙排出部36は、装置本体1aの上端面に設けられている。
【0037】
さらに、定着装置40の排出口の下方には、複数組の搬送ロール対38a~38e及び搬送ガイド38fを介して給紙搬送路33へと記録用紙5を搬送する両面搬送路39が設けられている。
【0038】
定着装置40から排出される記録用紙5は、図示しない切替ゲートによって排出搬送路37へと一旦搬送された後、搬送ロール対34a,34bを逆方向に回転させることにより表裏が反転されて両面搬送路39へと搬送される。
【0039】
また、
図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。また、符号201,202は、画像形成装置1の装置本体1aの上部に配置された画像読取装置及び原稿搬送装置をそれぞれ示している。
【0040】
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
【0041】
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、装置本体1aに装着された図示しない操作パネル、あるいは図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からモノクロの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、作像装置10、給紙装置20、搬送装置30及び定着装置40等が始動する。
【0042】
そして、作像装置10においては、
図1に示されるように、まず感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される静電潜像を形成する。
【0043】
続いて、現像装置14が、感光体ドラム11に形成された静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電されたブラック色のトナーを現像ロール141から供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、感光体ドラム11に形成された静電潜像は、ブラック色のトナーで現像されたトナー像として顕像化される。
【0044】
続いて、感光体ドラム11上に形成されたトナー像が転写位置まで搬送されると、転写装置15が、そのトナー像を記録用紙5に対して転写させる。
【0045】
また、転写が終了した作像装置10では、除電装置17によって感光体ドラム11表面の残留電荷が除去された後、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、作像装置10は、次の作像動作が可能な状態にされる。
【0046】
給紙装置20は、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路33に送り出す。給紙搬送路33では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対31fが記録用紙5を転写時期に合わせて転写位置に送り出して供給する。
【0047】
続いて、トナー像が転写された記録用紙5は、転写ベルト152によって定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱ロール41と加圧ロール42との間の定着ニップ部に転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を施して未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、排出搬送路37に沿って排出ロール対34dにより装置本体1aの上端部に設けられた用紙排出部36へ排出される。
【0048】
また、記録用紙5の両面に画像を形成する場合は、片面に画像が形成された記録用紙5を図示しない切替ゲートによって搬送ロール対34a,34bへと搬送し、搬送ロール対34a,34bにより記録用紙5が一旦排出方向に搬送される。その後、搬送ロール対34a,34bが記録用紙5の後端を挟持したままの状態で当該搬送ロール対34a,34bの回転方向を逆転させ、記録用紙5の表裏を反転させた後に搬送ロール対38a~38eにより両面搬送路39を介して再度転写装置15へと搬送し、記録用紙5の裏面にトナー像を転写する。裏面にトナー像が転写された記録用紙5は、転写装置15の転写ベルト152を介して定着装置40へ搬送され、定着装置40により定着処理(加熱及び加圧)を施され、搬送ロール対34a~34dにより用紙排出部36へと排出される。
【0049】
以上の動作により、モノクロ画像が片面又は両面に形成された記録用紙5が出力される。
【0050】
<帯電装置の構成>
図2はこの実施の形態1に係る帯電装置を示す構成図である。
【0051】
この実施の形態1に係る帯電装置12は、
図2に示されるように、被帯電手段の一例としての感光体ドラム11に接触した状態で配置され、印加電圧と放電開始電圧で決まる第1の帯電電位に感光体ドラム11を帯電させる第1の帯電ロール121と、感光体ドラム11の回転方向Aに沿った第1の帯電ロール121より上流側に感光体ドラム11に接触した状態で配置され、印加電圧と放電開始電圧で決まる第2の帯電電位が第1の帯電電位より低くなるよう感光体ドラム11を帯電させる第2の帯電ロール122とを備えている。
【0052】
第1及び第2の帯電ロール121、122は、基本的に同様に構成されている。第1及び第2の帯電ロール121、122は、
図3に示されるように、ステンレスや鉄等の金属からなる円柱形状の芯金123,124と、芯金123,124の外周に所要の厚さに被覆されて導電性が付与された半導電性の弾性体層125,126と、弾性体層125,126の表面に薄く被覆された表面層127,128とを有する円柱形状に形成されている。芯金123,124は、第1及び第2の帯電ロール121,122の軸方向に沿った両端部に突出するよう設けられた回転軸を兼ねている。なお、第1及び第2の帯電ロール121,122は、図示しないコイルスプリング等の付勢手段により芯金123,124を介して感光体ドラム11の外周面に押圧されており、弾性体層125,126及び表面層127,128が所要のニップ幅となるよう弾性変形した状態で感光体ドラム11の回転に伴って従動回転する。
【0053】
第1及び第2の帯電ロール121,122の芯金123,124は、
図2に示されるように、図示しない軸受部材を介して高圧電源装置129(電圧印加手段の一例)が接続されている。制御装置200は、高圧電源装置129によって帯電ロール121,122に印加する高電圧の値及び電圧の印加タイミングを制御する。高圧電源装置129は、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性である負極性の予め定められた直流の高電圧又は高電流を供給する。
【0054】
第1及び第2の帯電ロール121,122の弾性体層125,126は、例えば、内部や表面に空洞や凹凸部を有する多孔質の発泡体からなる。弾性体層125,126は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミン、ポリプロピレン等の発泡性の樹脂材料、又は、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム)、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム等の発泡性のゴム材料に、カーボンブラックやイオン性導電剤等の抵抗調整剤などを分散させて所要の抵抗値を有するように構成される。弾性体層125,126の体積抵抗率は、例えば、104~108Ωcmの範囲に設定される。なお、弾性体層125,126は、発泡していないソリッドタイプのゴムであってもよい。
【0055】
また、第1及び第2の帯電ロール121,122の表面層127,128は、例えば、弾性体層125,126の外周面に粒状のフィラーが分散された塗装を施すことにより設けられる。さらに、帯電ロール121,122の表面層127,128は、例えば、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等に導電材料を分散させたチューブとして構成し、弾性体層125,126の外周面に被覆することにより設けても良い。
【0056】
なお、第1及び第2の帯電ロール121,122としては、弾性体層125,126以外に表面層127,128を有しないものであっても良い。
【0057】
ところで、この実施の形態1に係る帯電装置12では、印加電圧と放電開始電圧で決まる第2の帯電ロール122による感光体ドラム11の帯電電位(第2の帯電電位)が第1の帯電ロール121による感光体ドラム11の帯電電位(第1の帯電電位)より低くなるよう構成されている。
【0058】
別言すれば、この実施の形態1に係る帯電装置12では、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に位置する第1の帯電ロール121は、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する第2の帯電ロール122より、印加電圧と放電開始電圧で決まる感光体ドラム11の帯電電位が高くなるよう構成されている。
【0059】
第1及び第2の帯電ロール121,122は、
図4に示されるように、芯金123,124を介して図示しないコイルスプリング等の付勢手段により感光体ドラム11の外周面に押圧されることで、弾性体層125,126及び表面層127,128が所要のニップ幅となるよう弾性変形する。そして、第1及び第2の帯電ロール121,122は、芯金123,124に高圧電源装置129によって予め定められた負極性の直流の高電圧を印加することにより、第1及び第2の帯電ロール121,122と感光体ドラム11の外周面との間に形成される放電領域Dで微小間隙放電を発生させ、当該微小間隙放電により発生する荷電粒子で感光体ドラム11の外周面を所要の負極性の帯電電位に帯電させるものである。
図4中、符号111は感光体ドラム11の導電性基体を、112は感光体ドラム11の感光体層をそれぞれ示している。感光体ドラム11の導電性基体111は、接地されている。
【0060】
第1及び第2の帯電ロール121,122は、第1及び第2の帯電ロール121,122の芯金123,124に印加する直流の高電圧と、感光体ドラム11の外周面の帯電電位との間に次のような関係を有している。
【0061】
第1及び第2の帯電ロール121,122による感光体ドラム11の帯電電位は、印加電圧と放電開始電圧によって決まる。放電開始電圧は、パッシェンの法則に従うことが知られている。いま、第1の帯電ロール121による感光体ドラム11の帯電電位をVh1、第2の帯電ロール122による感光体ドラム11の帯電電位をVh2、第1の帯電ロール121の印加電圧をVdc1、第2の帯電ロール122の印加電圧をVdc2、第1の帯電ロール121の放電開始電圧をVα1、第2の帯電ロール122の放電開始電圧をVα2とする。
【0062】
すると、第1及び第2の帯電ロール121,122による感光体ドラム11の第1及び第2の帯電電位Vh1,Vh2は、
図5に示されるように、印加電圧Vdc1,Vdc2から放電開始電圧Vα1,Vα2を減算した値であり、次の式で表すことができる。なお、直線の勾配は1である。
Vh1=Vdc1-Vα1
Vh2=Vdc2-Vα2
【0063】
この実施の形態1では、第2の帯電ロール122における弾性体層126の体積抵抗率が第1の帯電ロール121における弾性体層125の体積抵抗率より大きく設定されている。すなわち、第2の帯電ロール122の弾性体層126は、当該弾性体層126に分散されるカーボンブラックやイオン性導電剤等の抵抗調整剤の量が第1の帯電ロール121の弾性体層125より少なく設定されており、体積抵抗率が第1の帯電ロール121の弾性体層125より大きい。そのため、第2の帯電ロール122は、第1の帯電ロール121と等しい印加電圧Vdc2(=Vdc1)を印加した場合であっても、放電を開始して感光体ドラム11の第2の帯電電位Vh2が上昇し始める放電開始電圧Vα2が第1の帯電ロール121の放電開始電圧Vα1より高い値(Vα2>Vα1)となっている。
【0064】
その結果、この実施の形態1に係る帯電装置12では、第1及び第2の帯電ロール121,122に同一の高圧電源装置129から等しい印加電圧(Vdc1=Vdc2)を印加したとき、印加電圧と放電開始電圧で決まる第2の帯電ロール122による感光体ドラム11の第2の帯電電位Vh2は、第1の帯電ロール121による第1の帯電電位Vh1より低い値(Vh1>Vh2)となる。つまり、印加電圧と放電開始電圧で決まる第2の帯電ロール122による第2の帯電電位Vh2は、帯電装置12による感光体ドラム11の目標とする帯電電位Vβである第1の帯電電位Vh1より低い値に設定されている。
【0065】
<帯電装置の動作>
この実施の形態1に係る帯電装置を適用した画像形成装置では、
図2に示されるように、画像形成動作の開始時に、感光体ドラム11の外周面が帯電装置12により予め定められた帯電電位に帯電される。
【0066】
帯電装置12では、
図2に示されるように、まず、感光体ドラム11の外周面が第2の帯電ロール122により帯電される。このとき、第2の帯電ロール122には、高圧電源装置129によって印加電圧Vdc2が印加される。第2の帯電ロール122は、
図5に示されるように、印加電圧Vdc2と放電開始電圧Vα2で決まる第2の帯電電位Vh2となるよう感光体ドラム11の外周面を帯電させる。
【0067】
その後、帯電装置12では、感光体ドラム11の外周面が第1の帯電ロール121により帯電される。このとき、第1の帯電ロール121には、高圧電源装置129によって第2の帯電ロール122と等しい印加電圧Vdc1が印加される。第1の帯電ロール121は、
図5に示されるように、印加電圧Vdc1と放電開始電圧Vα1で決まる第1の帯電電位Vh1となるよう感光体ドラム11の外周面を帯電させる。
【0068】
そのため、上記実施の形態1に係る帯電装置12では、
図6に示されるように、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する第2の帯電ロール122の帯電電位である第2の帯電電位Vh2が、帯電装置12による感光体ドラム11の目標とする帯電電位Vβより低い値に設定されている。
【0069】
したがって、この実施の形態1に係る帯電装置12では、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する第2の帯電ロール122によって感光体ドラム11の表面を第2の帯電電位Vh2に帯電した後に、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に位置する第1の帯電ロール121によって感光体ドラム11の表面を目標とする帯電電位Vβに等しい第1の帯電電位Vh1に帯電することで、第1の帯電ロール121と感光体ドラム11の表面との間において、微小間隙放電を生成させて第1の帯電電位Vh1に帯電することが可能となる。
【0070】
その際、感光体ドラム11の表面電位は、目標とする帯電電位Vβより低い第2の帯電電位Vh2となっているため、第1の帯電ロール121によって帯電する際に第1の帯電ロール121から感光体ドラム11の表面に直接的に電荷が移動する所謂電荷注入が発生することが抑制される。
【0071】
このように、実施の形態1に係る帯電装置12では、第1及び第2の帯電ロール121,122において印加電圧と放電開始電圧で決まる帯電電位の関係を考慮しない場合に比べ、感光体ドラム11の帯電電位のバラツキが抑制される。
【0072】
また、帯電装置12は、第1及び第2の帯電ロール121,122からなる複数の帯電手段を備えているため、単一の帯電手段によって感光体ドラム11を帯電する場合に比較して帯電能力を向上させることができる。そのため、感光体ドラム11の回転速度を400mm/secと大幅に高速に設定し、単位時間当たりに画像の形成が可能な記録用紙5の枚数を増加させた場合においても、当該感光体ドラム11の外周面を所要の電位にむらなく帯電させることができ、帯電ゴーストの発生も抑制される。
【0073】
比較例
一方、本発明者らは、比較例として、第1及び第2の帯電ロール121,122として印加電圧と放電開始電圧が等しい同一の帯電ロールを用い、第1及び第2の帯電ロール121,122によって感光体ドラム11の表面を目標とする帯電電位Vβに帯電させる比較実験を行った。このとき、第1の帯電ロール121として、同一構成のバッチが異なる3種類の帯電ロールI~IIIを用いた。
【0074】
図7は上記比較例の結果を示すグラフである。このグラフは、横軸に第2の帯電ロール122による感光体ドラム11の帯電電位をとり、縦軸に第1の帯電ロール121による感光体ドラム11の帯電電位をとったものである。
【0075】
図7から明らかなように、第1及び第2の帯電ロール121,122として印加電圧と放電開始電圧が等しい同一の帯電ロールを用い、第1及び第2の帯電ロール121,122によって感光体ドラム11の表面を目標とする帯電電位に帯電させた場合には、第1の帯電ロール121の特性I~III(バッチの相違)によって当該第1の帯電ロール121による帯電後の感光体ドラム11の帯電電位が大きくばらつくことが判る。
【0076】
その理由は、本発明者の考察によれば、
図8に示されるように、第1及び第2の帯電ロール121,122として印加電圧と放電開始電圧が等しい同一の帯電ロールを用い、第1及び第2の帯電ロール121,122によって感光体ドラム11の表面を目標とする帯電電位に帯電させると、第1の帯電ロール121の軸方向に沿った端部で電荷の注入現象が発生し、それ以前の第2の帯電ロール122による軸方向に沿った帯電電位のばらつきが拡大するためと考えられる。
【0077】
更に説明すると、第1及び第2の帯電ロール121,122として印加電圧と放電開始電圧が等しい同一の帯電ロールを用い、第1及び第2の帯電ロール121,122によって感光体ドラム11の表面を目標とする帯電電位に帯電させた場合には、
図8に示されるように、第1の帯電ロール121の中央部で放電現象が生じ、当該放電現象によって感光体ドラム11の帯電電位が上昇するものの、ニップ圧が中央部に比較して上昇する傾向がある第1の帯電ロール121の軸方向に沿った両端部側では、第2の帯電ロール122によって感光体ドラム11の帯電電位が目標電位である負極性の高い電位に既に上昇しているため、第1の帯電ロール121による電荷の注入現象が誘起されると考えられる。
【0078】
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2に係る帯電装置を示すものである。この実施の形態2に係る帯電装置12では、第2の帯電手段は、被帯電体に接触する接触荷重が第1の帯電手段より低く設定されている。
【0079】
すなわち、この実施の形態2に係る帯電装置12では、
図9に示されるように、第2の帯電ロール122は、感光体ドラム11に接触する接触荷重が第1の帯電ロール121より低く設定されている。具体的には、第2の帯電ロール122を感光体ドラム11の外周面に押圧する図示しないコイルスプリング等の付勢手段のバネ定数を小さく設定するか、図示しないコイルスプリング等の付勢手段の変形量を小さく構成している。
【0080】
このように、第2の帯電ロール122は、感光体ドラム11に接触する接触荷重が低く設定されることで、第2の帯電ロール122と感光体ドラム11との電極間距離が増加したことに相当し、
図5に示される場合と同様、パッシェンの法則から理解されるように放電開始電圧Vα2が第1の帯電ロール121より高くなる。
【0081】
そのため、第2の帯電ロール122は、印加電圧と放電開始電圧から決まる感光体ドラム11の帯電電位が第1の帯電ロール121より低くなるよう構成されている。
【0082】
この実施の形態2に係る帯電装置12では、第1及び第2の帯電ロール121,122として同一のものを使用することができ、コストアップを招くことが回避される。
【0083】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0084】
[実施の形態3]
図10は、実施の形態3に係る帯電装置を示すものである。この実施の形態3に係る帯電装置12では、第1及び第2の帯電ロール121,122が電圧印加手段をそれぞれ個別に有するよう構成されている。
【0085】
また、この実施の形態3では、第2の帯電ロール122に電圧を印加する第2の電圧印加手段は、第1の帯電ロールに電圧を印加する第1の電圧印加手段より印加電圧が低く設定されている。なお、この実施の形態3では、第1及び第2の帯電ロール121,122として同一の帯電ロールを用いている。
【0086】
すなわち、この実施の形態3に係る帯電装置12は、
図10に示されるように、第1の帯電ロール121に電圧を印加する第1の電圧印加手段としての第1高圧電源装置129aと、第2の帯電ロール122に電圧を印加する第2の電圧印加手段としての第2高圧電源装置129bとを備えている。第2高圧電源装置129bは、第1高圧電源装置129aより印加電圧が低く(Vdc1>Vdc2)設定されている。
【0087】
この実施の形態3に係る帯電装置12では、
Vh1=Vdc1-Vα1
Vh2=Vdc2-Vα2
において、Vdc1>Vdc2となる関係を満たすように第1及び第2高圧電源装置129a,129bの印加電圧がそれぞれ設定されている。
【0088】
そのため、この実施の形態3に係る帯電装置12では、
図11に示されるように、第2の帯電ロール122による感光体ドラム11の帯電電位Vh2が第1の帯電ロール121による感光体ドラム11の帯電電位Vh1より低い値となっている。
【0089】
この実施の形態3に係る帯電装置12では、第1及び第2の帯電ロール121,122として同一の帯電ロールを用いることができ、第1及び第2の帯電ロール121,122として異なる帯電ロールを用いた場合に比較して、コストダウンが可能となる。
【0090】
なお、上記実施の形態3では、第1及び第2高圧電源装置129a,129bを個別に設けた場合について説明したが、
図12に示されるように、第1及び第2高圧電源装置129a,129bを高圧電源装置129として共通化し、第2の帯電ロール122には、共通の高圧電源装置129から抵抗Rを介して高電圧を印加するように構成しても良い。
【0091】
このように構成することにより、高圧電源装置129を共通化させた状態で、第2の帯電ロール122に印加する印加電圧を第1の帯電ロール121より低い値に設定することができる。
【0092】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0093】
なお、前記実施の形態では、画像形成装置としてモノクロの画像形成装置について説明したが、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を有するフルカラーの画像形成装置についても同様に適用することができることは勿論である。
【0094】
また、前記実施の形態では、帯電部材が第1及び第2の帯電ロールから構成される2つの場合について説明したが、帯電部材を3つ以上備えるように構成しても良い。この場合には、被帯電手段の移動方向に沿った上流側に配置される帯電手段は、下流側に配置される帯電手段より被帯電手段の帯電電位が低くなるよう設定される。
【符号の説明】
【0095】
1…画像形成装置
12…帯電装置
121…第1の帯電ロール
122…第2の帯電ロール
123,124…芯金
125,126…弾性体層
127,128…表面層
129…高圧電源装置