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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】解体作業監視サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20240130BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240130BHJP
【FI】
G06Q10/30
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020051926
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021149888
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 玲央奈
(72)【発明者】
【氏名】田中 精一
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-073902(JP,A)
【文献】特開2019-175096(JP,A)
【文献】特開2009-210403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解体装置による解体対象物に対する解体作業を監視するシステムであって、
前記解体作業の進捗に関する進捗情報を取得する解体進捗情報取得部と、
前記解体対象物に付された識別子が保持する前記解体対象物を識別するために用いられる識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記進捗情報と、前記識別情報と、を関連付けた関連付情報として記憶する関連付情報記憶部と、を有することを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の解体作業監視システムであって
前記進捗情報に基づいて前記解体作業が適切に進行したか否かの判定を行う判定部を有することを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の解体作業監視システムであって、
前記進捗情報は、前記解体作業の間の前記解体装置の稼働状態に関する稼働状態情報を含み、
前記判定部は、前記稼働状態に基づいて判定を行うことを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載の解体作業監視システムであって、
前記稼働状態情報は、前記解体作業の間の前記解体装置の所定の部位の累積動作量に関する情報を含み、前記判定部は、前記累積動作量に基づいて判定を行うことを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の解体作業監視システムであって、
前記稼働状態情報は、前記解体作業の間に行われた前記解体装置の特定の動作に関する特定動作情報を含み、前記判定部は、前記特定動作情報に基づいて判定を行うことを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1つに記載の解体作業監視システムであって、
前記判定部は、前記進捗情報と、前記解体作業時の解体作業に関する正規の解体手順を含む情報である正規作業情報とを照らし合わせることで、前記解体対象物が正規の解体手順で解体されているかに基づいて判定を行うことを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1つに記載の解体作業監視システムであって、
前記進捗情報は前記解体作業の間の前記解体装置の稼働状態と当該稼働状態に対応する時刻とを含んでいることを特徴とする解体監視システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の解体作業監視システムであって、
前記識別情報取得部は、解体作業の様子を撮像した撮像画像を含む画像データに基づいて前記識別情報を取得することを特徴とする解体作業監視システム。
【請求項9】
解体装置による解体対象物に対する解体作業を監視するサーバであって、
前記解体作業の進捗に関する進捗情報を取得する解体進捗情報取得部と、
前記解体対象物に付された識別子が保持する前記解体対象物を識別するために用いられる識別情報を取得する識別情報取得部と、
記進捗情報と、前記識別情報と、を関連付けた関連付情報として記憶する関連付情報記憶部と、を有することを特徴とする解体作業監視サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄自動車の解体状況を監視する廃棄自動車監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用済み自動車のリサイクルを管理する使用済み自動車リサイクル管理システムであって、記憶手段を有する自動車リサイクル管理手段と、上記自動車リサイクル管理手段と接続された処理事業者端末と、を有する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-328574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、使用済み自動車のリサイクルを管理する使用済み自動車リサイクル管理システムが、開示されている。
【0005】
ところで、マニフェスト制度が整備されていない発展途上国においては、廃棄自動車に関して、いつ、どこで、何が、誰に、処理されたか、どのように処理されたかを監視することが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、廃棄自動車について、解体処理が適切に行なわれたかを容易に監視することができるようにする監視サーバ及び監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解体作業監視システムは、解体装置による解体対象物に対する解体作業を監視するシステムに用いられる解体作業監視サーバであって、前記解体作業の進捗に関する進捗情報を取得する解体進捗情報取得部と、前記解体対象物に付された識別子が保持する前記解体対象物を識別するために用いられる識別情報を取得する識別情報取得部と、前記解体進捗情報と、前記識別情報と、を関連付けた関連付情報として記憶する関連付情報記憶部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の解体作業監視システムによれば、廃棄自動車等の解体対象物の解体の進捗の情報と当該解体対象物を特定するための識別情報を紐付けた関連付け情報が生成されるため、当該関連付け情報を用いて解体対象物及び当該解体対象物の解体作業の管理を容易にすることが可能となる。また、これにより、解体対象物及び解体作業の監視を効率化することが可能となる。また、本発明によれば、解体対象物に対するトレーサビリティを保証することができる。
【0009】
また、本発明の解体作業監視システムは、前記進捗情報に基づいて前記解体作業が適切に進行したか否かの判定を行う判定部を有する。
本発明によれば、識別情報と関連付いている進捗情報に基づいて、解体作業が適切に進行したか否かを判定できるので、特定の解体対象物が適切に解体処理されたか否かを容易に把握可能となる。
【0010】
また、本発明の解体作業監視システムにおいて、前記進捗情報は、前記解体作業の間の前記解体装置の稼働状態に関する稼働状態情報を含み、前記判定部は、前記稼働状態に基づいて判定を行う。
【0011】
また、本発明の解体作業監視システムにおいて、前記稼働状態情報は、前記解体作業の間の前記解体装置の累積動作量に関する情報を含み、前記判定部は、前記累積動作量に基づいて判定を行う。
【0012】
また、本発明の解体作業監視システムにおいて、前記稼働状態情報は、前記解体作業の間に行われた前記解体装置の特定の動作に関する特定動作情報を含み、前記判定部は、前記特定動作情報に基づいて判定を行う。
【0013】
また、本発明の解体作業監視システムにおいて、前記判定部は、前記進捗情報と、前記解体作業時の解体作業に関する正規の解体手順を含む情報である正規作業情報とを照らし合わせることで、前記解体作業対象物が正規の解体手順で解体されているかについて判定を行う。
【0014】
また、本発明の解体作業監視システムにおいて、前記識別情報取得部は、解体作業の様子を撮像した撮像画像を含む画像データに基づいて前記識別情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の監視部を含む解体作業監視システムの概略図。
図2】解体機及び撮像装置を示す図。
図3】本発明の監視部のブロック図。
図4】累積移動距離グラフの一例を示す図。
図5】本発明の監視部の処理ルーチンの一例を示すフロー図。
図6】本発明の監視部の処理ルーチンの一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、実施形態に係る解体作業監視システム100について説明する。以下の説明においては、一例として、解体機を用いて廃棄自動車を解体する作業を監視する場合について説明している。しかし、監視対象となる作業において解体される解体対象物は、廃棄自動車に限られない。解体対象物は、例えば、リサイクル(解体対象物を構成する部品の回収、解体対象物を構成する素材の回収)に資する廃棄自動車以外のものであってもよい。
【0017】
また、以下の説明においては、解体対象物が当該解体対象物を特定可能な識別情報を保有している場合を例にして説明する。具体的には、解体対象物の表面に一次元コードや二次元コード等、視認可能な識別標識が付されている場合について説明する。
【0018】
また、以下の説明における、種々のデバイスが所定の機能を行うように「構成されている」との表現は、当該種々のデバイスに含まれるCPU等のプロセッサ(演算処理装置)が、ROM、RAM等のメモリ又は記録媒体から必要な情報に加えてソフトウェアを読み出し、当該情報に対して当該ソフトウェアにしたがって演算処理を実行して、上記所定の機能を実現可能なように「プログラムされている」又は「デザイン(設計)されている」ことを含む意味である。
【0019】
また、また、以下の説明における、機能ブロックが所定の機能を行うように「構成されている」との表現は、当該機能ブロックの機能に関する処理を行うCPU等の演算処理装置が、ROM、RAM等のメモリ又は記録媒体から必要な情報に加えてソフトウェアを読み出し、当該情報に対して当該ソフトウェアにしたがって演算処理を実行して、上記所定の機能を実現可能なように「プログラムされている」又は「デザイン(設計)されている」ことを含む意味である。
【0020】
なお、複数の機能ブロックの機能が共通のプロセッサによって実現されてもよく、機能ブロックの各々の機能が相互通信可能な複数のプロセッサが協働することにより実現されてもよい。
【0021】
図1は、解体作業監視システム100の全体図である。図1に示すように、解体作業監視システム100は、解体作業に関する情報を取得して、それに基づいて解体作業を監視する解体作業監視サーバとしての監視部10を有している。
【0022】
また、解体作業監視システム100は、解体機20、解体機20による解体作業を撮像可能な撮像装置30、解体機20及び撮像装置30と情報通信可能に接続され、解体機20及び撮像装置30から監視部10の解体作業の監視に資する情報を収集する情報収集部40を含む現場システム50を有している。情報収集部40は、当該解体作業の監視に資する情報を監視部10に送信可能に構成されている。
【0023】
また、解体作業監視システム100は、監視部10が情報収集部40からの情報に基づいて解体作業の監視を行う際に必要なデータが記憶されており、監視部10と情報通信可能に構成されている監視用情報データベース60を有している。例えば、監視用情報データベース60には、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進行している場合の解体機20の動作または当該動作によって行われる作業に関する正規動作情報が記憶されている。
【0024】
正規動作情報には、例えば、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進んでいる場合の解体機20の各部の動作量の情報が含まれている。また、例えば、正規動作情報には、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進んでいる場合の解体機20の特定の動作または当該動作によって行われる作業に関する情報またはその特定の動作または作業の順序に関する情報が含まれている。
【0025】
例えば、解体作業監視システム100においては、監視部10が情報収集部40から作業現場において収集されるデータと監視用情報データベース60に記憶されているデータを用いて、解体作業が適切に行われているかまたは適切に進行しているかを監視可能である。具体的には、例えば、監視部10は、情報収集部40から収集される、解体作業の状態または進捗に関するデータと監視用情報データベース60に記憶されているデータとを比較して、解体作業が適切に行われているかを監視可能である。
【0026】
図2は、解体機20及び解体機20によって解体されている廃棄自動車SCを示す図である。以下の説明における前後及び上下の方向は、図面における双方向矢印に示す方向である。また、左右方向は、紙面手前に向かう方向を右、紙面奥に向かう方向を左とする。以下の説明においては、廃棄自動車SCが解体機20の前方に配されている場合を説明する。
【0027】
また、以下の説明においては、廃棄自動車SCを特定するための識別情報を含む識別子としての識別コードが廃棄自動車SCの表面に表示されている場合を例に説明する。具体的には、以下の説明においては、廃棄自動車SCの表面にQRコード(登録商標)等の二次元コードCDが描かれているとして説明する。廃棄自動車SCに表示される識別コードは、廃棄自動車SCの表面に直接描画されていてもよい。また、廃棄自動車の表面に識別コードが描かれたシートが廃棄自動車SCの表面に貼付されていてもよい。
【0028】
図2に示されているように、解体機20は、基部21と基部21上に基部21と相対的に回転可能な旋回体23を有している。基部21は、基部21を移動させることが可能な履帯装置21A及び基部21から前方に伸張し、廃棄自動車SCを固定可能なクランプ装置21Bを有している。旋回体23は、解体機20の動作を操作するためのレバー等の操作装置が配されており、当該操作装置を操作するオペレータが搭乗する操作室23Aを有している。解体機20は、基部21に含まれる履帯装置21Aによって、基部21と旋回体23が一体となって自走可能である。
【0029】
また、旋回体23には、解体機20の動作を制御する解体機制御部23Bが搭載されている。解体機制御部23Bは、操作室23Aに配されている操作装置の入力に基づいて、解体機20の動作を制御する。また、解体機制御部23Bは、情報収集部40と通信可能となっており、解体機20の稼働状態に関する情報である稼働情報の1つであり得る解体機の動作制御の情報を情報収集部40に送信可能である。
【0030】
ブーム25は、一端において左右方向に延びる回転軸周りに旋回体23に対して回動自在に旋回体23に取り付けられているアーム部材である。すなわち、ブーム25は、旋回体23に対して起伏動作可能に構成されている。アーム26は、左右方向に延びる回転軸周りにブーム25に対して回動自在に、ブーム25の先端、すなわち他端に取り付けられているアーム部材である。先端アタッチメント27は、アーム26の先端にアーム26の長手方向に沿った軸周りに回動可能にかつアームに対して揺動可能に設けられている。
【0031】
ブーム25、アーム26及び先端アタッチメント27は、それぞれ油圧制御によって動作する。本実施例においては、先端アタッチメント27が破砕装置であり、油圧で作動する一対の掴み部27A、27Bを有している。解体機20は、掴み部27A及び27Bによって、解体対象物の一部を掴んで当該掴んだ部分を動かしたり引きちぎったりすることができる。なお、先端アタッチメント27は、破砕装置以外のもの、例えば、バケットでもよいし、グラップラーでもよいし、リフティングマグネットでもよい。
【0032】
上述のように、解体機制御部23Bは、解体機20の動作制御の情報を情報収集部40(図1参照)に送信可能に構成されている。動作制御の情報とは、例えば、解体機20のブーム25、アーム26または先端アタッチメント27を駆動するための油圧信号またはポンプ圧に関する動作制御パラメータである。
また、動作制御の情報とは、例えば、解体機20の履帯装置21Aを駆動するための動作制御パラメータであってもよい。解体機制御部23Bは、これらの動作制御の情報を逐次取得可能である。情報収集部40は、解体機制御部23Bから送信された動作制御の情報を、解体機20の稼働状態を示す稼働情報として監視部10に送信するように構成されている。
稼働情報は、解体機20の時刻毎の稼働状態を含む情報であってもよい。すなわち、稼働情報は、解体装置の稼働状態と当該稼働状態に対応する時刻とを含んでいていてもよい。例えば、稼働情報は、解体作業中の複数の時刻における解体機の動作等を含む稼働状態を示す情報が含まれていてもよい。具体的には、複数の時刻の各々と、当該時刻において解体機が行っていた動作の情報が紐付けられている情報が含まれていてもよい。
また、例えば、稼働状態情報には、解体作業において事故、または不適切な作業が行われた等の異常が発生したことと、その異常の発生時刻とが紐付けられた情報が含まれていてもよい。
【0033】
撮像装置30は、例えば、解体機20の後方から、解体機20及び廃棄自動車SCを撮像可能なカメラである。具体的には、例えば、撮像装置30は、解体機20の動作及び解体機20による廃棄自動車SCの解体作業の様子を撮像可能である。また、撮像装置30は、廃棄自動車SCに表示されている二次元コードCDを撮像可能に構成されている。
【0034】
撮像装置30は、静止画または動画(以下、単に画像とも称する)を撮影し、当該撮像した静止画または動画を含む撮像データを情報収集部40に送信可能である。なお、撮像装置30は、間欠的に静止画を撮像可能であっても良いし、動画を撮像可能であってもよい。撮像装置30によって撮像された静止画または動画を含む撮像データには撮影時の時間、すなわち撮影時刻の情報が含まれていても良い。情報収集部40は、撮像装置30から送信された撮像データを監視部10に送信するように構成されている。
【0035】
図3は、監視部10のブロック図である。受信部11は、外部からの情報を受信する機能部分である。具体的には、受信部11は、情報収集部40及び監視用情報データベース60から情報を受信可能に構成されている。以下、特に説明がない場合には、外部からのデータの受信または取得は、受信部11を介して行われている。
【0036】
記憶部12は、記憶装置を有しており、監視部10が受信した外部の情報または監視部10の内部で生成された種々のデータを記憶可能に構成されている。記憶部12が有する記憶装置としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュドライブ等の半導体記憶装置、及び光ディスク等の光学記憶装置等が挙げられる。なお、記憶部12が有する記憶装置及びデータを記憶させるための記憶媒体は固定式でも良いし取り外し可能であってもよい。
【0037】
進捗情報取得部13は、受信部11を介して、情報収集部40から送信された稼働情報及び/または撮像データを含む情報を解体作業の進捗に関する進捗情報として受信する。上述のように、撮像データには、撮像装置30が撮像した画像ともに当該画像を撮像した時刻の情報が含まれ得る。進捗情報取得部は、稼働情報及び/または撮像データを、逐次受信してもよいし、一時にまとめて受信してもよい。
【0038】
撮像データに含まれる時刻は、絶対的な時刻でも良いし、解体作業の開始時点からの経過時間でもよい。解体作業の開始時点とは、例えば、廃棄自動車が解体作業現場に搬入された時点である。また、解体作業の終了時点とは、例えば、解体作業を終えた廃棄自動車がプレス機に入れられる時点である。
【0039】
なお、進捗情報取得部13は、進捗情報として、当該進捗情報に対応する解体作業において1台の廃棄自動車SCを解体するのに実際に要した時間に関する情報、1台の廃棄自動車を解体するのに実際に要した解体機20の走行距離に関する情報、1台の廃棄自動車を解体するのに実際に要した解体機20の燃料の消費量、1台の廃棄自動車を解体するのに実際に要した解体機20の電力の消費量等に関する情報を取得してもよい。この情報は、上述の撮像データ及び稼働情報に基づいて取得されてもよい。
【0040】
また、進捗情報には、当該進捗情報に対応する解体作業が行われている場所が特定できる情報が含まれていてもよい。例えば、進捗情報には、解体作業が行われている国名等で示される解体作業場の所在地、解体作業場の名称等が含まれていてもよい。
【0041】
また、進捗情報取得部13は、進捗情報として、当該進捗情報に対応する解体作業における解体機20の動作態様を取得してもよい。例えば、進捗情報取得部13は、解体機20の先端アタッチメント27の動作軌跡またはそれに関するパラメータを含む動作軌跡情報を有する進捗情報を取得してもよい。この動作軌跡情報は、時刻情報を含み得る。すなわち、動作軌跡情報には、時刻の経過に沿った動作軌跡またはそれに関するパラメータの変化が含まれ得る。
【0042】
この動作軌跡情報は、上記した稼働情報に含まれる動作制御情報に基づいて取得されてもよい。また、動作軌跡情報は、撮像装置30によって撮像された画像に基づいて、先端アタッチメント27の時刻毎の位置座標を算出することで取得されてもよい。
【0043】
なお、時刻と位置座標とを間欠的にのみ取得する場合には、取得された座標と時刻とに基づいて補間処理を行うこととしてもよい。具体的には、当該取得された時刻の間において先端アタッチメント27が存在した座標を推定し、当該推定された座標で実際に取得された座標間を補間することで、先端アタッチメント27が通った可能性が高い軌跡を求めることとしてもよい。
【0044】
また、進捗情報には、解体機20が行う動作のうち、1または複数種類の特定の動作が行われたか否か、または当該特定の動作が行われた順序を示す特定動作情報が含まれていてもよい。1または複数の特定動作には、例えば、先端アタッチメントで廃棄自動車SCのボンネットを把持する動作、ボンネットを引き剥がす動作、所定のハーネスを剥ぎ取る動作等が含まれ得る。なお、解体機20の稼働状態を示す稼働情報は、撮像画像を画像解析することで得られてもよい。
【0045】
識別情報取得部14は、受信部を介して、上記進捗情報取得部13が取得した進捗情報に対応する解体作業において解体されている廃棄自動車SCを特定する識別情報を取得するように構成されている。具体的には、例えば、識別情報取得部14は、進捗情報の撮像データに含まれる画像を取得し、当該画像に映っている二次元コードCDに基づいて解体作業の対象となっている廃棄自動車SCを特定する識別情報を取得する。識別情報とは、例えば、廃棄自動車SCの車台番号であってもよい。
【0046】
なお、識別情報取得部14は、識別情報を取得するために必ずしも画像を取得しなくともよい。具体的には、例えば、撮像装置30または情報収集部40は、二次元コードCDが映っている画像から識別情報を取得して監視部10に送信し、当該識別情報のみを識別情報取得部14が取得してもよい。また、例えば、監視部10を操作するオペレータから、所定の進捗情報に対応する解体作業において解体されている廃棄自動車SCの車台番号等の識別情報の入力を受け付けることで識別情報を取得してもよい。
【0047】
識別情報取得部14が識別情報を取得する他の例として、廃棄自動車SCのフロントガラスに車台番号が書かれており、識別情報取得部14が当該車台番号が映り込んだ画像から車台番号を取得する例が挙げられる。この場合、車台番号は、公知の技術(OCR等)を用いて読み取られる。
【0048】
正規作業情報取得部15は、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進んでいる場合の解体機20の動作に関する正規動作情報を、監視用情報データベース60から取得可能に構成されている。
【0049】
上述のように、正規動作情報には、例えば、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進んでいる場合の解体機20の各部の動作量の情報が含まれている。また、例えば、正規動作情報には、解体作業が適切にまたは正規の手順に則って進んでいる場合の解体機20の特定の動作に関する情報またはその特定の動作の順序に関する情報が含まれている。
が記憶されている。
【0050】
例えば、正規動作情報は、1台の廃棄自動車を解体するのに本来要する時間に関する情報を含んでいてもよい。また、正規動作情報は、1台の廃棄自動車SCを解体するのに本来要する解体機20の稼働時間に関する情報、1台の廃棄自動車SCを解体する際に本来要する先端アタッチメント27の累積移動距離に関する情報、1台の廃棄自動車を解体するのに本来要する解体機20の走行距離に関する情報、1台の廃棄自動車を解体するのに本来要する解体機20における燃料の消費量に関する情報、解体機において1台の廃棄自動車を解体するのに本来要する電力の消費量に関する情報等を含んでいてもよい。
【0051】
関連付情報生成部16は、1の解体作業の進捗に関する情報である進捗情報と、当該1の解体作業によって解体されている解体対象物の識別情報とを関連付けた関連付け情報を生成し、当該生成された関連付け情報を記憶部12に保存するように構成されている。当該関連付け情報を記憶する際、記憶部12は関連付け情報記憶部として機能する。
【0052】
例えば、関連付情報生成部16は、解体作業時の撮像データと、解体作業の対象の廃棄自動車SCの識別情報と、を関連付けて、これらを含む関連付け情報を生成する。また、例えば、関連付情報生成部16は、解体作業時の解体機20の稼働情報と、解体作業の対象の廃棄自動車SCの識別情報と、を関連付けて、これらを含む関連付け情報を生成する。
【0053】
言い換えれば、関連付情報生成部16は、解体作業時の撮像データ及び/又は稼働情報を含む進捗情報と、当該解体作業の解体対象物である廃棄自動車SCの識別情報と、を関連付けて、これらを含む関連付け情報を生成するように構成されている。なお、関連付け情報には、撮像データに含まれる画像の撮像時刻または稼働情報に対応する時刻が含まれていてもよい。
【0054】
具体的には、例えば、進捗情報には、動作制御パラメータが時系列に沿って並んだデータである動作制御パラメータデータが含まれていてもよい。また、例えば、進捗情報には、先端アタッチメント27の累積移動距離が時刻列に沿って並んだデータである累積移動距離データが含まれていてもよい。また、例えば、進捗情報には、上述した特定動作情報が含まれていてもよい。
【0055】
図4に、先端アタッチメント27の累積移動距離データの一例である累積移動距離グラフを示す。図4の累積移動距離グラフは、横軸を時間、縦軸を先端アタッチメント27の累積移動距離としている。
判定部17は、進捗情報に基づいて解体作業が適切に実行されているか、または実行されたか否かの判定である作業正否判定を行うことが構成されている。判定部17は、例えば、稼働情報を含む進捗情報を取得して、当該稼働情報に基づいて作業正否判定を行うことが可能であってもよい。具体的には、例えば、判定部17は、稼働情報基づいて取得可能な解体機20の動作が、解体作業時の動作として適切かどうかによって作業正否判定を行い得る。
【0056】
この作業正否判定は、逐次取得される進捗情報に基づいて逐次行われてもよい。すなわち、作業現場での作業の進捗と同時に作業正否判定が行われて解体作業が適切に行われているか否かが判定されてもよい。また、この作業正否判定は、まとめて取得された一定期間の進捗情報、例えば一日分の進捗情報に基づいて行われても良い。例えば、一日のうちに複数の解体作業が行われる場合には、当該一日分の進捗情報の中から各解体作業の進捗情報を抽出し、当該抽出された進捗情報に基づいて、各解体作業が適切に行われたか否かを判定してもよい。
【0057】
例えば、判定部17は、特定動作情報を取得して、解体作業中に解体に必要な特定の動作が行われているか、または解体作業に必要な特定の動作が適切な順序で行われているか否かを判定することで作業正否判定を行い得る。また、例えば、判定部17は、累積移動距離情報を取得して、当該累積移動距離情報に基づいて取得される先端アタッチメント27の累積移動距離が、解体作業に必要とされる累積移動距離として適切かどうかによって作業正否判定を行い得る。
例えば、正規動作情報に、解体作業を適切に行った際の先端アタッチメント27の図4に示したのと同様の累積移動距離グラフが正規累積移動距離グラフとして保存されており、監視対象の解体作業において得られた累積移動距離グラフと正規累積移動距離グラフとを比較することで、解体作業が適正に行われているか否かが判定されてもよい。
【0058】
また、判定部17は、撮像データを含む進捗情報を取得し、当該撮像データに基づいて作業正否判定を行い得る。具体的には、例えば、撮像データに含まれる画像の内容から解体作業現場の状況を経時的に認識し、当該認識された状況に基づいて作業正否判定が行われ得る。
【0059】
例えば、判定部17は、異なる時刻の解体作業現場の画像を比較することで、1の廃棄自動車SCが特定の期間に解体作業が行われていたであろうことを判定する。具体的には、例えば、判定部17は、2019年10月10日午前10時に撮像された廃棄自動車SCが含まれる解体作業現場の画像と、2019年10月10日午前10時1分に撮像された廃棄自動車SCが含まれる解体作業現場の画像と、対比し、その廃棄自動車の色、形状、またはボディタイプ(セダン、バン、クーペ等)がおおよそ一致するか否かを判定する。
【0060】
廃棄自動車SCの色並びに形状またはが、2つの画像の間でおおよそ一致している場合、その廃棄自動車SCに対して、少なくとも2019年10月10日午前10時の時点から2019年10月10日午前10時1分まで、その白いセダン型の廃棄自動車は、その解体作業現場で解体作業が実行された可能性が高いと判定する。
【0061】
また、例えば、判定部17は、2019年10月10日午前10時に読み取った前記白いセダン型の廃棄自動車に付されたQRコード(登録商標)が保持している前記白いセダン型の廃棄自動車の車台番号と、2019年10月10日午前10時1分に読み取ったその廃棄自動車に付されたQRコード(登録商標)が保持している前記白いセダン型の廃棄自動車の車台番号と、対比し、その車台番号が完全に一致するか否かを判定する。
【0062】
ここで、その車台番号が、一致している場合、前記白いセダン型の廃棄自動車に対して、少なくとも2019年10月10日午前10時の時点から2019年10月10日午前10時1分まで、その車台番号が付された、前記白いセダン型の廃棄自動車は、その解体作業現場で解体作業が実行された可能性が高いと判定する。
【0063】
判定部17は、この解体作業が実行されている期間の解体作業の様子を、上記した進捗情報または撮像データに基づいて認識し、当該期間において解体作業が適切に実行されていたか否かの作業正否判定を行ってもよい。
【0064】
例えば、画像に基づいて廃棄自動車に対する解体作業の各工程が実行された時刻が特定可能であってもよい。例えば、どのパーツを外す工程がどの時刻に行われたかを特定可能であってもよい。例えば、解体作業において、最初に取り外す部品である廃棄自動車のルーフが取り外された瞬間における画像の撮像時刻に基づいて、廃棄自動車からルーフが取り外され、解体作業が開始された時点を特定することができる。
【0065】
また、例えば、その廃棄自動車に対する解体作業における最後の工程である廃棄自動車がプレスされた瞬間における画像の撮像時刻に基づいて、その廃棄自動車の解体が終了した時点を特定することができる。特定された各工程が実行された時刻に基づいて、作業正否判定が行われてもよい。特定された解体作業の開始時点及び終了時点は、上記した複数の解体作業の情報を含む進捗情報から各解体作業の進捗情報を抽出する際にも用いられ得る。
【0066】
また、上記作業正否判定は、進捗情報及び/または撮像データのみを用いて行われてもよい。また、上記作業正否判定は、進捗情報及び/または撮像データを正規作業情報と対比することで行われてもよい。すなわち、上記作業正否判定は、情報収集部40を介して取得された進捗情報及び/または撮像データから得られる解体作業に関する情報と、正規作業情報と、を比較し、解体作業に関する情報と正規動作情報とが一致するか、または近しいか否かに基づいて作業正否判定を行ってもよい。
【0067】
例えば、判定部17は、監視用情報データベース60から、廃棄自動車SCを解体するために本来要する解体機20の稼働時間に関する情報、廃棄自動車SCを解体するために本来要する先端アタッチメント27の累積移動距離に関する情報、廃棄自動車SCを解体するために本来要する解体機20の走行距離に関する情報、廃棄自動車SCを解体するために本来要する解体機20における燃料の消費量及び廃棄自動車SCを解体するために本来要する解体機20における電力の消費量に関する情報のうちいずれか1以上の情報を正規動作情報として取得する。
【0068】
判定部17は、上記した正規動作情報のうちの1または複数に対応する動作情報である実動作情報を、進捗情報及び/または撮像データに基づいて取得し、一致するか否かを判定する。ここで、一致とは、完全に一致している場合だけではなく、おおよそ一致していることを含む概念である。判定部17は、正規動作情報と実動作情報とが一致する場合、廃棄自動車SCに対する解体作業が適切に実行されたかまたは適切に実行された可能性が高いと判定する。
【0069】
反対に、また、判定部17は、正規動作情報と、実動作情報とが一致しない場合、解体作業が適切に実行されていないかまたは適切に実行されていない可能性が高いと判定する。なお、判定部17は、解体作業が適切に実行されているか否かを判定するだけではなく、適切に実行されている可能性を数値評価または段階評価することとしてもよい。例えば、判定部17は、正規動作情報と実動作情報との乖離度合いに応じて、解体作業が適切に実行されている可能性を数値評価または段階評価することとしてもよい。
【0070】
表示制御部18は、監視部10内で生成された情報を視認可能な画像として出力するように構成されている。表示制御部18は、例えば、上記した進捗情報、識別情報、及び/または作業正否判定の結果を外部に出力するように構成されている。
【0071】
表示部19は、表示制御部18と情報通信可能に接続されており、表示制御部18から出力された画像を表示可能に構成されている。表示部19は、例えば、液晶ディスプレイ用の表示装置であり得る。
【0072】
上記説明においては、識別情報がQRコード(登録商標)等の二次元コードまたは作業員等によって車体に書かれた記号に基づいて取得される例を説明した。作業員等によって車体に書かれた番号または記号に基づいて取得される場合、当該番号又は記号に色の区別があり、当該の番号又は記号及び色を含めた情報に基づいて識別情報が取得されてもよい。
【0073】
また、上述のように、解体対象物SCは、リサイクル(解体対象物を構成する部品の回収、解体対象物を構成する素材の回収)に資する資源であれば、何でもよい。
【0074】
また、上述した廃棄自動車とは、自動車のうち、その使用を一時的に又は永久的に終了した自動車であって、登録を一時的に又は永久的に抹消する自動車であり、完全に廃車処理する自動車、その自動車から有用な部品を分離可能な自動車、及び中古車として再使用可能な自動車を含む概念である。
【0075】
また、解体対象物の他の例としては、エンジン、キャブレター、オイルフィルター、、オイルクーラー、マフラー、カー用品、バイク、バイク用品、自転車、電動自転車、自転車用品、一輪車、三輪車、パソコン、パソコン用品、スマートフォン、家電製品、カメラ、スポーツ用品、アウトドア用品、健康器具、家屋、ビル、アパート、マンション、インテリア、家具、ファッション用品、時計、アクセサリー、靴、衣服、キッチン用品、厨房機器、工具、建設用機械、産業用機械、家具、チャイルドシート、ベビーカー、ゲーム機、遊技機、玩具、遊具等がある。
【0076】
また、例えば、上記した識別情報は、車台番号に限られず、製品番号、製造番号、メーカー名、販売者名、製品名、製造年月日、出荷日等でもよい。
【0077】
また、識別情報を保持する情報保持体の他の例として、RFID(radio―frequency―identifier)等の電子タグ、カラーコード、文字、数字、図形、記号またはこれら2以上の組み合わせが挙げられる。
【0078】
また、表示部19は、正規解体判定部の判定結果を表示する機能を有する表示装置であれば何でもよい。表示部19は、例えば、スクリーンに画像を投影するプロジェクター等でもよい。
【0079】
勿論、表示部19と共にまたはこれに代わり、スピーカーが備えられており、判定結果を音声により読み上げられてもよい。
【0080】
上述の監視部10及びこれを含む解体作業監視システムによれば、廃棄自動車SC等の解体対象物の解体の進捗の情報と当該解体対象物を特定するための識別情報を紐付けた関連付け情報が生成されるため、当該関連付け情報を用いて解体対象物及び当該解体対象物の解体作業の管理を容易にすることが可能となる。また、これにより、解体対象物及び解体作業の監視を効率化することが可能となる。
【0081】
[監視部の関連付け情報の保存処理の例]
図5は、監視部10の関連付け情報を保存する場合の処理ルーチンの一例である情報保存ルーチンR1を示す図である。例えば、監視部10は、電源が投入されると情報保存ルーチンR1を開始して関連付け情報を保存するための制御を実行する。
【0082】
まず、ステップS1において、監視部10は、1つの解体作業全体に関する進捗情報を取得する。この進捗情報の取得は、例えば、受信部11を介して受信された進捗情報から、上記した方法で1つの解体作業の開始時点及び終了時点を特定し、開始時点と終了時点の間の進捗情報を抽出することで行われる。ステップS1が終了すると処理はステップS2に進む。
【0083】
ステップS2において、監視部10は、廃棄自動車SCの識別情報を取得する。当該識別情報は、上述のように、廃棄自動車SCが写っている画像が進捗情報に含まれている場合には、当該写っている廃棄自動車SCに付されている識別コードに基づいて取得される。なお、廃棄自動車SCの識別コード又は識別情報は、別個外部から取得されもよい。また、上述のように、監視部10の扱うオペレータの入力によって廃棄自動車SCの車台番号等の識別情報が取得されてもよい。ステップS2が終了すると処理はステップS3に進む。
【0084】
ステップS3において、監視部10は、ステップS1おいて取得された進捗情報及びステップS2において取得された識別情報を関連付けて、これらを含む関連付け情報を生成し、これを記憶部12に保存する。ステップS3が終了すると、ルーチンは終了する。なお、監視部10は、識別情報を生成した際に、これを視認可能な態様で表示部19に出力してもよい。
【0085】
[監視部の作業正否判定処理の例]
図6は、監視部10の作業正否判定を実行する場合の処理ルーチンの一例である正否判定ルーチンR2を示す図である。例えば、監視部10は、電源が投入されると正否判定ルーチンR2を開始して作業正否判定を行うための制御を実行する。なお、正否判定ルーチンR2においては、上記情報保存ルーチンR1等の処理によって保存された関連付け情報に含まれる進捗情報を用いて判定を行う。
【0086】
ステップS1において、監視部10は、進捗情報及び識別情報を含む1の関連付け情報を取得する(ステップS1)
ステップS2において、監視部10は、監視用情報データベース60から正規動作情報を取得する(ステップS2)。
【0087】
ステップS3において、ステップS1で取得された1の関連付け情報に含まれる進捗情報とステップS2で取得された正規動作情報とを比較して、解体作業が適切に行われているか否かを判定する。この判定は、上述のように、進捗情報に含まれる解体作業における解体機20の実際の動作を示す情報と、正規動作情報に含まれる適切に解体作業が行われたとした際の解体機の動作を示す情報とを比較することで行われ得る。例えば、解体機20の実際の動作と適切に解体作業が行われたとした際の解体機の動作とを比較して、これらの類似度が高い場合に、解体作業が適切に行われたと判断してもよい。
【0088】
一例としては、例えば、上記した実際の解体処理における解体機20の先端アタッチメント27の累積移動距離グラフと、正規動作情報に含まれる適切に解体作業が行われたとした際の解体機の先端アタッチメントの累積移動距離を示す累積移動距離グラフとを比較して、これらの類似性に基づいて、解体作業が適切に行われたか否かが判定されてもよい。
【0089】
ステップS3において、解体作業が適切に行われたと判定された場合(ステップS3:YES)、監視部10は、解体作業が適切に行われている旨を示す情報を識別情報と共に記憶部12に保存し(ステップS4)、その後ルーチンが終了する。ステップS3において、解体作業が適切に行われていないと判定された場合(ステップS3:NO)、監視部10は、解体作業が適切に行われていない旨を示す情報を識別情報と共に保存し(S5)、その後ルーチンが終了する。
【0090】
なお、ステップS4及びステップS5の実行と共にまたはそれとは別に、ステップS3の判定結果を表示部19に視認可能な態様で表示することとしてもよい。また、ステップS3及びステップS4で保存される情報は、外部に送信されてもよい。
【0091】
なお、ステップS4及びステップS5の実行と共にまたはそれとは別に、ステップS3の判定結果を表示部19に視認可能な態様で表示することとしてもよい。また、ステップS及びステップSで保存される情報は、外部に送信されてもよい。
【0092】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか説明する。
【0093】
前記実施形態では、監視する廃棄自動車SCを1台の廃棄自動車としたが、複数台の一群の廃棄自動車をまとめて管理(ロット管理)して、監視することとしてもよい。
【0094】
例えば、10台の廃棄自動車を一群の廃棄自動車(ロット)として、監視する場合、判定部17は、1台の廃棄自動車を解体した場合と比較して、約10倍の作業時間がかかっていなければ、その解体作業現場において適切に解体作業が実行されていないと判定するように構成されていてもよい。
【0095】
また、この場合、判定部17は、1台の廃棄自動車を解体した場合と比較して、解体機の移動量が約10倍でなければ、その解体作業現場において適切に解体作業が実行されていないと判定するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
100…解体作業監視システム、10…監視部、11…受信部、12…記憶部、13…進捗情報取得部、14…識別情報取得部、15…正規作業情報取得部、16…関連付け情報取得部、17…判定部、18…表示制御部、19…表示部、20…解体機、30…撮像装置、40…情報収集部、50…現場システム、60…監視用情報データベース、廃棄自動車…SC、二次元コード…CD
図1
図2
図3
図4
図5
図6