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特許7428086ロープ巻取ドラム、およびロープ巻取装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ロープ巻取ドラム、およびロープ巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/30 20060101AFI20240130BHJP
   B66D 1/74 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B66D1/30 A
B66D1/30 C
B66D1/74 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020101805
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021195205
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】小泉 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】江藤 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】小川 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岩下 秀和
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-012294(JP,A)
【文献】特開2019-142657(JP,A)
【文献】実開昭57-135552(JP,U)
【文献】実開昭54-050182(JP,U)
【文献】特開昭61-002675(JP,A)
【文献】特開平09-255287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/00-5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープが巻かれる巻胴部と、
前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出する第1フランジと、
前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出し、前記第1フランジとの間に巻胴部軸方向に間隔をあけて配置され、前記巻胴部に着脱可能に取り付けられる第2フランジと、
前記第2フランジの面のうち前記第1フランジに対向する面とは反対側の面に固定され、前記巻胴部の外周面に沿うように設けられる第2フランジ側部材と、
前記巻胴部の内周面に沿うように設けられる巻胴部側部材と、
前記第2フランジ側部材と前記巻胴部側部材とを締結する締結部材と、
を備え、
前記第2フランジは、巻胴部軸方向の所定範囲内で前記巻胴部に対して移動可能な状態と、前記所定範囲内の任意の位置で前記巻胴部に固定される状態と、になることが可能に構成され、
前記巻胴部は、巻胴部軸方向に延びるように設けられるとともに前記締結部材が通される切欠き部を備える、
ロープ巻取ドラム。
【請求項2】
ロープが巻かれる巻胴部と、
前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出する第1フランジと、
前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出し、前記第1フランジとの間に巻胴部軸方向に間隔をあけて配置され、前記巻胴部に着脱可能に取り付けられる第2フランジと、
前記巻胴部の外周面よりも巻胴部径方向外側に配置され、前記第1フランジと前記第2フランジとをつなぐように配置され、前記第1フランジおよび前記第2フランジに着脱可能に取り付けられる隙間形成部材と、
を備える、
ロープ巻取ドラム。
【請求項3】
請求項に記載のロープ巻取ドラムであって、
前記隙間形成部材は、前記第1フランジと前記第2フランジとの間の位置で巻胴部軸方向の一方側に向かって先細りになるテーパ部を備える、
ロープ巻取ドラム。
【請求項4】
請求項またはに記載のロープ巻取ドラムであって、
前記第1フランジおよび前記第2フランジの少なくともいずれかは、前記隙間形成部材が取り付けられる部分に設けられる雌ねじ部を備え、
前記隙間形成部材は、前記雌ねじ部にねじ結合される雄ねじ部を備える、
ロープ巻取ドラム。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載のロープ巻取ドラムであって、
前記第2フランジは、巻胴部軸方向の所定範囲内で前記巻胴部に対して移動可能な状態と、前記所定範囲内の任意の位置で前記巻胴部に固定される状態と、になることが可能に構成される、
ロープ巻取ドラム。
【請求項6】
請求項に記載のロープ巻取ドラムであって、
前記第2フランジを前記巻胴部に固定するための締結部材を備え、
前記第2フランジは、巻胴部周方向に連結可能な複数の第2フランジ分割部材を備え、
前記締結部材は、複数の前記第2フランジ分割部材どうしを締結することで前記第2フランジを前記巻胴部に固定する、
ロープ巻取ドラム。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載のロープ巻取ドラムと、
モータと、
前記モータに回転させられる駆動軸と、
を備え、
前記ロープ巻取ドラムは、前記駆動軸と一体的に回転可能に前記駆動軸に取り付けられる、
ロープ巻取装置。
【請求項8】
請求項に記載のロープ巻取装置であって、
前記ロープ巻取ドラムは、前記駆動軸に着脱可能に取り付けられる、
ロープ巻取装置。
【請求項9】
請求項に記載のロープ巻取装置であって、
前記駆動軸の任意の位置に固定可能であり、前記駆動軸に対する前記巻胴部の巻胴部軸方向への移動を規制する規制具を備える、
ロープ巻取装置。
【請求項10】
請求項のいずれか1項に記載のロープ巻取装置であって、
前記第2フランジは、前記第1フランジに対して前記モータが設けられる側とは反対側に配置される、
ロープ巻取装置。
【請求項11】
請求項10のいずれか1項に記載のロープ巻取装置であって、
前記ロープ巻取ドラムに対して前記モータが設けられる側とは反対側に配置される反モータ側駆動軸支持部を備え、
前記反モータ側駆動軸支持部は、前記駆動軸を支持する状態と、前記駆動軸から離れて前記駆動軸の支持を解除する状態と、になることが可能に構成される、
ロープ巻取装置。
【請求項12】
請求項11のいずれか1項に記載のロープ巻取装置であって、
前記ロープ巻取ドラムから繰り出された前記ロープを巻き取るウインチと前記ロープ巻取ドラムとの間であって前記ロープの経路における間に配置され、前記ロープに張力を付与する張力付与部を備える、
ロープ巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープを巻き取るロープ巻取ドラム、およびロープ巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、ロープを巻き取るロープ巻取ドラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実登第3203908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ウインチなどで使用されていたロープが、交換時期を迎え、廃棄される場合がある。このような場合には、ロープ巻取ドラムの巻胴部にロープが一旦巻き取られ、巻胴部からロープが取り外される。その際、ロープが巻胴部から繰り出される必要がある。このような、巻胴部からロープを取り外す作業は、手間と労力の掛かる作業となっている。
【0005】
そこで、本発明は、巻胴部からロープを取り外す作業を容易に行うことができる、ロープ巻取ドラム、およびロープ巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ロープ巻取ドラムは、巻胴部と、第1フランジと、第2フランジと、を備える。前記巻胴部には、ロープが巻かれる。前記第1フランジは、前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出する。前記第2フランジは、前記巻胴部から巻胴部径方向外側に突出し、前記第1フランジとの間に巻胴部軸方向に間隔をあけて配置され、前記巻胴部に着脱可能に取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、巻胴部からロープを取り外す作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】クレーン1および第1実施形態のロープ巻取装置20を横から見た図である。
図2図1に示すロープ巻取装置20を上から見た図である。
図3図2に示すロープ巻取部40を上から見た図である。
図4図3に示すロープ巻取部40を前後方向Xから見た図である。
図5図4に示すロープ巻取部40を軸方向第2側Y2から見た図である。
図6図4のF6-F6矢視図である。
図7図4のF7-F7矢視図である。
図8】第2実施形態のロープ巻取装置220を示す図4相当図である。
図9図8のF9-F9矢視断面図である。
図10】第3実施形態のロープ巻取装置320を示す図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1図7を参照して、第1実施形態のロープ巻取装置20、およびロープ巻取装置20が用いられるクレーン1について説明する。
【0010】
クレーン1は、ウインチ19を備える建設機械である。クレーン1は、下部走行体11と、上部旋回体12と、下部ブーム13と、マスト14と、ウインチ19と、を備える。
【0011】
下部走行体11は、クレーン1を走行させる部分である。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。上部旋回体12は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体12は、キャブ12aと、カウンタウエイト12bと、を備える。キャブ12aは、クレーン1のオペレータが乗ることが可能な運転室である。キャブ12aは、上部旋回体12の例えば前側X1端部に配置される。「前側X1」などの方向については後述する。カウンタウエイト12bは、クレーン1の前後方向Xのバランスを調整するための錘である。カウンタウエイト12bは、上部旋回体12の後側X2端部に配置される。
【0012】
下部ブーム13は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられる。下部ブーム13は、ラチス構造を有するブーム(ラチスブーム)の構成要素である。なお、上部旋回体12に取り付けられるブームは、ラチスブームでなくてもよく、箱型構造を有する伸縮ブームでもよい。
【0013】
(前後方向Xについて)
下部走行体11に対する上部旋回体12の回転軸が延びる方向を上下方向とし、上部旋回体12に対する下部ブーム13の回転軸が延びる方向を横方向としたとき、上下方向と横方向とのそれぞれに直交する方向を、前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、カウンタウエイト12bから、上部旋回体12への下部ブーム13の取付部(ブームフット)に向かう側を、前側X1とする。前後方向Xにおける前側X1とは逆側を、後側X2とする。
【0014】
マスト14は、上部旋回体12に対して、下部ブーム13を含むブームを起伏させるための部材(ブーム起伏用部材)である。マスト14は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられる。図示しないガイラインが、マスト14の先端部とブームの先端部とに接続される。マスト14が上部旋回体12に対して起伏することで、上部旋回体12に対してブームが起伏する。なお、ブームを起伏させるための部材は、マスト14でなくてもよく、ガントリでもよい。
【0015】
ウインチ19は、ロープ21の巻き取りおよび繰り出しを行う装置である。ウインチ19は、下部ブーム13に設けられてもよく、上部旋回体12に設けられてもよい。ウインチ19は、ブームから吊り下げられる吊荷の巻き上げおよび巻き下げを行うもの(主巻用ウインチ、補巻用ウインチなど)でもよい。ウインチ19は、クレーンの起伏部材を起伏させるものでもよい。上記「クレーンの起伏部材」は、マスト14でもよく、ブームでもよく、ブームの先端部に起伏可能に取り付けられるジブ(図示なし)でもよい。なお、ウインチ19は、クレーン1に設けられなくてもよい。
【0016】
ロープ巻取装置20は、ウインチ19から繰り出されたロープ21を巻き取る装置である。ロープ巻取装置20は、ウインチ19に巻かれるロープ21を繰り出す機能を有してもよい。ロープ巻取装置20は、例えば地面Gに置かれる。ロープ巻取装置20は、車両などに置かれてもよい。具体的には例えば、ロープ巻取装置20は、ロープ巻取装置20を輸送する車両(例えばトラック)の荷台上に置かれた状態で使用されてもよい。ロープ巻取装置20は、例えばクレーン1に前後方向Xに対向するように配置され、例えば下部ブーム13に前後方向Xに対向するように配置される。下部ブーム13の先端側(上部旋回体12とは反対側)に、中間ブームや上部ブームなどが設けられる場合、ロープ巻取装置20は、中間ブームや上部ブームに前後方向Xに対向するように配置されてもよい。ロープ巻取装置20は、例えば、下部ブーム13(または中間ブームや上部ブーム)の先端部の近傍などに配置される。ロープ巻取装置20は、例えばクレーン1よりも前側X1に配置され、例えば下部ブーム13よりも前側X1に配置される。ロープ21は、例えばワイヤロープであり、繊維ロープでもよい。ロープ巻取装置20は、台座23と、アンカー25と、張力付与部30と、ロープ巻取部40と、を備える。
【0017】
台座23は、張力付与部30およびロープ巻取部40を支持する。台座23は、例えば地面Gに置かれる。台座23は、板状でもよく、ブロック状でもよく、枠のような形状でもよい。
【0018】
アンカー25は、地面Gに対してロープ巻取装置20が移動することを抑制するためのものである。アンカー25は、ウインチ19やロープ巻取ドラム60によりロープ21が巻き取られる際に、ロープ21が巻き取られる力によってロープ巻取装置20が移動することを抑制するためのものである。アンカー25は、地面Gに置かれる錘でもよく、地面Gに埋め込まれてもよい。アンカー25は、台座23に取り付けられる。台座23が車両(例えばトラックの荷台など)に置かれ、台座23が車両に取り付けられることで、車両がアンカー25として用いられてもよい。
【0019】
張力付与部30(張力付与機構、ブレーキドラム部)は、ロープ巻取装置20からウインチ19に繰り出されるロープ21に張力を付与する。張力付与部30は、ウインチ19でのロープ21の乱巻きを抑制するためのものである。張力付与部30は、ロープ21の経路における、ウインチ19とロープ巻取ドラム60(後述、図2参照)との間に配置される。張力付与部30は、台座23に取り付けられ、例えば台座23の後側X2部分などに取り付けられる。図2に示すように、張力付与部30は、ブレーキドラム支持部31と、ブレーキドラム33と、ブレーキ装置35と、を備える。
【0020】
ブレーキドラム支持部31は、台座23に固定される。ブレーキドラム支持部31は、ブレーキドラム中心軸33aを中心に回転可能にブレーキドラム33を支持する。ブレーキドラム中心軸33aが延びる方向(ブレーキドラム33の軸方向)は、巻胴部61の軸方向Y(巻胴部軸方向)と一致してもよく、巻胴部61の軸方向Yと一致しなくてもよい。以下では、ブレーキドラム33の軸方向が、軸方向Yである場合について説明する。ブレーキドラム支持部31は、例えばブレーキドラム33の軸方向Y外側の両側に配置される。ブレーキドラム支持部31は、ブレーキドラム33の軸方向Y外側の片側にのみ配置されてもよい。
【0021】
ブレーキドラム33は、ロープ21が巻かれ、ロープ21に張力を付与するためのドラム(張力付与ドラム)である。ブレーキドラム33は、ブレーキドラム中心軸33aを中心とする略円柱状または略円筒状である。ブレーキドラム33は、ブレーキドラム外周面33oを備える。ブレーキドラム外周面33oは、ロープ21が巻かれる部分である。ブレーキドラム外周面33oは、傾斜面33o1を備える。傾斜面33o1は、ブレーキドラム33の軸方向Y中央部から軸方向Y外側の両側に向かって、ブレーキドラム中心軸33aから遠ざかるように、軸方向Yに対して傾斜する。傾斜面33o1の(ブレーキドラム外周面33oの)外径は、ブレーキドラム33の軸方向Y中央部から軸方向Y外側の両側に向かって、連続的に拡大する。
【0022】
ブレーキ装置35(ブレーキドラム回転機)は、ブレーキドラム中心軸33aを中心とするブレーキドラム33の回転を制動する。例えば、ブレーキ装置35とブレーキドラム33とで軸方向Y片側のブレーキドラム支持部31を挟むように、ブレーキ装置35が配置される。ブレーキ装置35は、例えばディスクブレーキを備えてもよく、ドラムブレーキを備えてもよい。
【0023】
ロープ巻取部40は、ウインチ19(図1参照、以下のウインチ19について同様)から繰り出されたロープ21を巻き取る。ロープ巻取部40は、ウインチ19に巻かれるロープ21を繰り出してもよい。例えば、ウインチ19を本巻きウインチとすれば、ロープ巻取部40は、仮巻きウインチ(仮巻きドラム部)である。ロープ巻取部40は、台座23に取り付けられ、台座23の例えば前側X1部分などに取り付けられる。図3に示すように、ロープ巻取部40は、モータ41と、カップリング42と、駆動軸支持部44と、駆動軸51と、周方向移動規制部53と、軸方向移動規制部55と、ロープ巻取ドラム60と、を備える。
【0024】
(軸方向Yおよび径方向R)
ロープ巻取ドラム60の中心軸、さらに詳しくは、後述する巻胴部61の筒状部61cの中心軸を、中心軸60aとする。中心軸60aは、台座23に対するロープ巻取ドラム60の回転軸である。中心軸60aが延びる方向を、軸方向Y(巻胴部軸方向)とする。軸方向Yは、水平方向と一致または略一致する。軸方向Yにおいて、後述する第2フランジ72から第1フランジ71に向かう側を軸方向第1側Y1とし、その逆側を軸方向第2側Y2とする。中心軸60aに直交し中心軸60aを中心とする仮想円の直径方向を、径方向Rとする。径方向Rにおいて、中心軸60aに近づく側を径方向内側R1とし、中心軸60aから遠ざかる側を径方向外側R2とする。上記仮想円の円周に沿う方向を周方向Cとする(図5参照)。
【0025】
モータ41は、中心軸60aを回転軸として、駆動軸51およびロープ巻取ドラム60を回転させる。モータ41は、電動モータでもよく、流体圧モータ(油圧モータ、空圧モータなど)でもよい。モータ41の出力軸41a(モータ回転軸)の中心軸は、中心軸60aと一致してもよく、中心軸60aと一致しなくてもよい。
【0026】
カップリング42(軸カップリング)は、モータ41の出力軸41aと駆動軸51とを連結する。カップリング42は、出力軸41aと駆動軸51とを、例えば同軸に連結し、例えば直結する。なお、出力軸41aと駆動軸51とは同軸でなくてもよい。出力軸41aの力は、ギヤやベルトなどを介して駆動軸51に伝えられてもよい。
【0027】
駆動軸支持部44(ドラム支持部、軸受部、軸受スタンド)は、図4に示すように、中心軸60aを中心に駆動軸51が回転可能となるように、駆動軸51を支持する。駆動軸支持部44は、駆動軸51を介してロープ巻取ドラム60を支持する。駆動軸支持部44は、ロープ巻取ドラム60を軸方向Y外側の両側から支持する(両持ち支持する)。駆動軸支持部44は、ロープ巻取ドラム60の軸方向Y外側の片側のみから支持してもよい(片持ち支持してもよい)。駆動軸支持部44は、複数か所(例えば図4では3か所、図10では2か所)で駆動軸51を支持してもよく、1か所のみで駆動軸51を支持してもよい。駆動軸支持部44は、例えば、台座23から上に延びるように(立つように)配置される。駆動軸支持部44は、モータ側駆動軸支持部45と、反モータ側駆動軸支持部47と、を備える。
【0028】
モータ側駆動軸支持部45は、ロープ巻取ドラム60よりも軸方向第1側Y1(モータ41側)で、駆動軸51を支持する。モータ側駆動軸支持部45は、カップリング42よりも軸方向第2側Y2に配置される。モータ側駆動軸支持部45は、出力軸41aを支持してもよい。モータ側駆動軸支持部45は、複数設けられてもよく、1つのみ設けられてもよい(図10のモータ側駆動軸支持部345を参照)。
【0029】
反モータ側駆動軸支持部47は、ロープ巻取ドラム60よりも軸方向第2側Y2(ロープ巻取ドラム60に対してモータ41が設けられる側とは反対側)に配置される。反モータ側駆動軸支持部47は、「支持状態」と、「支持解除状態」と、になることが可能に構成される。「支持状態」は、反モータ側駆動軸支持部47が駆動軸51を支持する状態である。反モータ側駆動軸支持部47が支持状態のとき、例えば後述する支柱部47bが、台座23から上に立てられた状態である。「支持解除状態」は、反モータ側駆動軸支持部47が駆動軸51から離れて、反モータ側駆動軸支持部47が駆動軸51の支持を解除する状態である(図4において二点鎖線で示す)。反モータ側駆動軸支持部47が支持解除状態のとき、支柱部47bが倒された状態(例えば軸方向第2側Y2に倒された状態)である。反モータ側駆動軸支持部47は、台座固定部47aと、支柱部47bと、回動支持ピン47cと、駆動軸受け部47dと、駆動軸着脱ピン47eと、回動固定ピン47fと、を備える。
【0030】
台座固定部47aは、台座23に固定される部分である。支柱部47bは、台座固定部47aに回転可能に取り付けられ、さらに詳しくは回動支持ピン47cを中心に回転可能に台座固定部47aに取り付けられる。台座23に対する支柱部47bの回転の方向は、軸方向Yである。台座23に対する支柱部47bの回転軸が延びる方向は、前後方向Xである。駆動軸受け部47dは、駆動軸51を支持する部分である。駆動軸受け部47dは、支柱部47bの先端部に設けられる(さらに詳しくは固定される)。図5に示すように、駆動軸受け部47dは、駆動軸51を受け入れることが可能な形状を有する。反モータ側駆動軸支持部47が支持状態のときに軸方向Yから見たとき、駆動軸受け部47dは、例えばU字状の凹部を有する形状である。駆動軸着脱ピン47eは、駆動軸受け部47dに支持された駆動軸51が、駆動軸受け部47dから外れることを防ぐ部材である。図4に示すように、回動固定ピン47fは、台座23に対する支柱部47bの回転を規制する。回動固定ピン47fは、支柱部47bが立てられた状態で、台座固定部47aに対して支柱部47bを固定することで、反モータ側駆動軸支持部47を支持状態で固定するピンである。
【0031】
駆動軸51は、モータ41に回転させられることで、ロープ巻取ドラム60を回転させる。駆動軸51は、棒状である。駆動軸51の長手方向に延びる駆動軸51の中心軸は、ロープ巻取ドラム60の中心軸60aと一致(または略一致)する。
【0032】
周方向移動規制部53は、駆動軸51に対するロープ巻取ドラム60の周方向Cへの移動を規制する。周方向移動規制部53は、駆動軸51とロープ巻取ドラム60とを中心軸60aを中心に一体的に回転させるための部分である。周方向移動規制部53は、駆動軸側部材53aと、駆動軸側係合部53bと、ドラム側係合部53cと、を備える。
【0033】
駆動軸側部材53a(ドラム回転連結板)は、駆動軸51と駆動軸側係合部53bとをつなぐ部材である。駆動軸側部材53aは、駆動軸51から径方向外側R2に延びるように設けられる。駆動軸側部材53aは、駆動軸51に固定される。駆動軸側部材53aは、例えば板状である。
【0034】
駆動軸側係合部53bは、駆動軸51に設けられ、さらに詳しくは駆動軸側部材53aに固定(例えば固着)される。駆動軸側係合部53bは、例えば突起部であり、駆動軸側部材53aから軸方向第2側Y2に突出する。駆動軸側係合部53bは、例えば軸方向Yから見て円形でもよく(図7参照)、多角形などでもよい。
【0035】
ドラム側係合部53cは、駆動軸側係合部53bと係合可能である。ドラム側係合部53cは、ロープ巻取ドラム60に設けられ、例えば後述するモータ側側面61aに設けられる。ドラム側係合部53cは、例えば突起部である駆動軸側係合部53bを差し込み可能な孔(切欠き孔)である。ドラム側係合部53cは、モータ側側面61aを貫通する孔でもよく、モータ側側面61aを貫通しない凹部でもよい。なお、ドラム側係合部53cが突起部、駆動軸側係合部53bが孔や凹部でもよい。また、駆動軸側係合部53bおよびドラム側係合部53cは、図4に示す例では1組のみ設けられるが、複数組設けられてもよい。
【0036】
軸方向移動規制部55は、駆動軸51に対するロープ巻取ドラム60の(さらに詳しくは巻胴部61の)軸方向Yへの移動を規制する。軸方向移動規制部55は、モータ側規制部55aと、反モータ側規制部55b(規制具)と、を備える。
【0037】
モータ側規制部55aは、駆動軸51に対する巻胴部61の軸方向第1側Y1への移動を規制する。モータ側規制部55aは、駆動軸51に固定(例えば固着)される。モータ側規制部55aは、巻胴部61よりも軸方向第1側Y1に配置され、巻胴部61のモータ側側面61aに接触可能である。モータ側規制部55aは、周方向移動規制部53(さらに詳しくは駆動軸側部材53a)と兼用されてもよく、周方向移動規制部53とは別に設けられてもよい。
【0038】
反モータ側規制部55b(規制具)は、駆動軸51に対する巻胴部61の軸方向第2側Y2への移動を規制する。モータ側規制部55aおよび反モータ側規制部55bは、巻胴部61を軸方向Yに挟むように配置される。図6に示すように、反モータ側規制部55bは、例えばリング状であり、駆動軸51が通される。反モータ側規制部55bは、駆動軸51の軸方向Yの任意の位置に固定可能である。反モータ側規制部55bは、例えば締付部材55cにより駆動軸51に固定される。締付部材55cは、例えばボルトおよびナットなどである。締付部材55cは、例えば反モータ側規制部55bの複数か所(図6では4か所)に設けられ、例えば等間隔に配置される。締付部材55cは、1か所にのみ設けられてもよい。
【0039】
ロープ巻取ドラム60(仮巻きドラム)は、図2に示すように、ロープ21を巻き取るドラムである。図4に示すように、ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51に取り付けられる。ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51に着脱可能に取り付けられる(着脱の詳細は後述)。なお、ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51に対して着脱可能でなくてもよい。以下では、ロープ巻取ドラム60が、駆動軸51に対して着脱可能である場合について説明する。ロープ巻取ドラム60は、巻胴部61と、第1フランジ71と、第2フランジ72と、第2フランジ固定部73と、隙間形成部材80と、を備える。なお、図4では、中心軸60aよりも上では、後側X2から見たロープ巻取ドラム60の断面であって中心軸60aを通る断面を示し、中心軸60aよりも下では、ロープ巻取ドラム60よりも前側X1から見たロープ巻取ドラム60を示す(図10も同様)。
【0040】
巻胴部61(ドラム胴部)は、ロープ21(図2参照)が巻かれる部分である。巻胴部61は、略円柱状であり、例えば中空であり、中空でなくてもよい。巻胴部61は、駆動軸51に固定可能であり、さらに詳しくは、周方向移動規制部53および軸方向移動規制部55により駆動軸51に固定可能である。巻胴部61は、中心軸60aを中心に回転可能であり、駆動軸51と一体的に回転可能である。巻胴部61は、中心軸60aを中心に回転することで、ロープ21(図2参照)を巻き取りおよび繰り出しする。ロープ21は、軸方向Yに順に(1本分ずつ軸方向Yにずれながら)巻胴部61に巻かれる、および繰り出される。ロープ21は、軸方向Yに往復するように巻かれる、および繰り出される。巻胴部61は、モータ側側面61aと、反モータ側側面61bと、筒状部61cと、を備える。
【0041】
モータ側側面61aは、巻胴部61の軸方向第1側Y1(モータ41側)の面である。モータ側側面61aは、径方向Rに延びるように設けられる。モータ側側面61aは、モータ側規制部55aに接触可能である。
【0042】
反モータ側側面61bは、巻胴部61の軸方向第2側Y2(モータ41側とは反対側)の面である。反モータ側側面61bは、径方向Rに延びるように設けられる。反モータ側側面61bは、反モータ側規制部55bに接触可能である。
【0043】
筒状部61cは、モータ側側面61aと反モータ側側面61bとをつなぐように設けられる。筒状部61cは、中心軸60aを中心とする円筒状である。筒状部61cは、巻胴部内周面61c1と、巻胴部外周面61c2と、を備える。巻胴部内周面61c1は、筒状部61cの径方向内側R1の面である。巻胴部外周面61c2は、筒状部61cの径方向外側R2の面である。巻胴部外周面61c2は、ロープ21(図2参照)が巻かれる面である。
【0044】
第1フランジ71および第2フランジ72は、巻胴部61へのロープ21の巻取範囲(軸方向Yの範囲)を制限する。第1フランジ71および第2フランジ72のそれぞれは、巻胴部61から径方向外側R2に突出する。
【0045】
第1フランジ71は、2つのフランジ(第1フランジ71および第2フランジ72)のうち、軸方向第1側Y1に配置される。第1フランジ71は、巻胴部61の軸方向第1側Y1部分(例えば端部)に配置される。第1フランジ71は、巻胴部61に対して固定され、巻胴部61に対して常に固定される。例えば、第1フランジ71は、巻胴部61(さらに詳しくはモータ側側面61a)と一体的に構成される。第1フランジ71は、巻胴部61と別体でもよい。なお、第1フランジ71は、巻胴部61に着脱可能に固定されてもよい(巻胴部61への着脱については第2フランジ72の説明を参照)。第1フランジ71は、第1フランジ本体部71aと、第1取付部71bと、を備える。
【0046】
第1フランジ本体部71aは、中心軸60aを中心とするリング状である。第1フランジ本体部71aは、径方向Rに延びるように設けられ、例えば板状である。第1フランジ本体部71aの内径は、巻胴部外周面61c2と同径である。第1フランジ本体部71aの外径は、巻胴部外周面61c2よりも大径である。
【0047】
第1取付部71bは、隙間形成部材80が取り付けられる部分である。第1取付部71bは、隙間形成部材80を通すことが可能に構成される。具体的には例えば、第1取付部71bは、第1フランジ本体部71aに設けられた孔(切欠き孔)であり、第1フランジ本体部71aを軸方向Yに貫通する。なお、第1取付部71bは、雌ねじ部を備えてもよい(第2フランジ72の雌ねじ部72b1を参照)。また、第1取付部71bは、隙間形成部材80を取り付け可能であればよく、貫通孔でなくてもよい。
【0048】
第2フランジ72は、第1フランジ71よりも軸方向第2側Y2に配置される。第2フランジ72は、第1フランジ71に対して、モータ41が設けられる側とは反対側に配置される。第2フランジ72は、第1フランジ71との間に軸方向Yに間隔をあけて配置される。第2フランジ72は、巻胴部61の軸方向第2側Y2の部分(例えば軸方向第2側Y2端部の近傍など)に配置される。
【0049】
この第2フランジ72(着脱可能フランジ)は、巻胴部61に着脱可能である。巻胴部61に対する第2フランジ72の軸方向Yにおける位置は、調整可能である。さらに詳しくは、第2フランジ72は、移動可能状態と、固定状態と、になることが可能に構成される。上記「移動可能状態」は、軸方向Yの所定範囲内で、巻胴部61に対して移動可能な第2フランジ72の状態である。図4に示す例では、第2フランジ72は、巻胴部61に対して軸方向Yの任意の位置に移動可能である。なお、図8に示す例のように、第2フランジ72は、巻胴部61に対して軸方向Yの特定の範囲内でのみ移動可能でもよい(詳細は後述)。上記「固定状態」は、図4に示すように、軸方向Yの上記所定範囲内の任意の位置で、巻胴部61に第2フランジ72が固定される状態である。なお、巻胴部61に対する第2フランジ72の軸方向Yにおける位置は、調整不可能でもよい。第2フランジ72は、第2フランジ本体部72aと、第2取付部72bと、を備える。
【0050】
第2フランジ本体部72aは、中心軸60aを中心とするリング状である。第2フランジ本体部72aは、径方向Rに延びるように設けられ、例えば板状である。第2フランジ本体部72aの内径は、巻胴部外周面61c2と同径である。第2フランジ本体部72aの外径は、巻胴部外周面61c2よりも大径である。図5に示すように、第2フランジ本体部72aは、複数の第2フランジ分割部材72a1に分割可能である。第2フランジ本体部72aは、中心軸60aを中心に等分(または略等分)に分割可能である。複数の第2フランジ分割部材72a1は、周方向Cに連結可能である。第2フランジ分割部材72a1の数は、2でもよく、3以上でもよい。すなわち、第2フランジ本体部72aは、2分割(例えば中心軸60aを中心に180度ずつに分割)されてもよく、3以上に分割されてもよい。
【0051】
第2取付部72bは、図4に示すように、隙間形成部材80が取り付けられる部分である。第2取付部72bは、隙間形成部材80を通すことが可能に構成される。具体的には例えば、第2取付部72bは、第2フランジ本体部72aに設けられた孔(切欠き孔)であり、第2フランジ本体部72aを軸方向Yに貫通する。第2取付部72bは、雌ねじ部72b1を備えてもよい。雌ねじ部72b1は、第2取付部72bの内周面に設けられた雌ねじである。
【0052】
第2フランジ固定部73は、図5に示すように、第2フランジ72を巻胴部61に固定する部分である。第2フランジ固定部73は、第2フランジ分割部材72a1どうしを連結および固定する部分でもある。第2フランジ固定部73は、板部73aと、締結部材73bと、を備える。
【0053】
板部73aは、複数の第2フランジ分割部材72a1のそれぞれの、周方向Cの両端部に設けられる。周方向Cに隣り合う第2フランジ分割部材72a1の、隣り合う板部73a(板部73aA、板部73aBとする)は、互いに周方向Cに対向する。板部73aAと板部73aBとの間には、隙間があけられる。さらに詳しくは、第2フランジ分割部材72a1の径方向内側R1の面が巻胴部外周面61c2に接触し、締結部材73bによる締結が行われていない状態で、板部73aAと板部73aBとの間に、隙間があけられる。
【0054】
締結部材73bは、複数の第2フランジ分割部材72a1どうしを締結し、さらに詳しくは、板部73aAと板部73aBとを締結する(詳細は後述)。
【0055】
隙間形成部材80は、ロープ巻取ドラム60からロープ21を取り外しやすくするための部材である。隙間形成部材80は、ロープ21と巻胴部61との間に隙間を形成するための部材である。隙間形成部材80は、巻胴部外周面61c2よりも径方向外側R2に配置される。図4に示すように、隙間形成部材80は、第1フランジ71と第2フランジ72とをつなぐように配置され、さらに詳しくは、第1取付部71bと第2取付部72bとをつなぐように配置される。隙間形成部材80は、第1フランジ71および第2フランジ72に着脱可能に取り付けられ、さらに詳しくは、第1取付部71bおよび第2取付部72bに着脱可能に取り付けられる。隙間形成部材80は、軸方向Yに延びるように配置される。隙間形成部材80は、隙間形成部材本体部81と、把手部83と、を備える。
【0056】
隙間形成部材本体部81は、軸方向Yに延びる棒状部材である。軸方向Yから見た隙間形成部材本体部81の断面は、例えば、円形または略円形などである(図5参照)。具体的には例えば、隙間形成部材本体部81は、直径20mm程度の丸鋼などである。なお、隙間形成部材本体部81の直径は、様々に設定可能である。隙間形成部材本体部81は、雄ねじ部81aと、テーパ部81bと、を備える。
【0057】
雄ねじ部81aは、雌ねじ部72b1にねじ結合される。雄ねじ部81aは、隙間形成部材本体部81の外周面に設けられる。雄ねじ部81aと雌ねじ部72b1とのねじの作用により、隙間形成部材80が、第1フランジ71および第2フランジ72に対して軸方向Yに移動可能である。
【0058】
テーパ部81bは、第1フランジ71と第2フランジ72との間(軸方向Yにおける間)の位置、すなわちロープ21が巻かれる位置に設けられる。テーパ部81bは、第1フランジ71と第2フランジ72との間の領域の、全体または略全体に設けられることが好ましい。テーパ部81bは、軸方向Yの一方側(例えば軸方向第1側Y1とする)に向かって先細りになるように構成される。上記「軸方向Yの一方側」は、第1フランジ71および第2フランジ72から隙間形成部材本体部81を取り外す向き(例えば軸方向第2側Y2)とは逆向き(例えば軸方向第1側Y1)である。軸方向Yから見たテーパ部81bの断面積は、軸方向Yの一方側に向かって小さくなる。軸方向Yから見た隙間形成部材本体部81の断面が円形の場合は、テーパ部81bの直径は、軸方向Yの一方側に向かって小径になる。
【0059】
把手部83は、隙間形成部材本体部81を作業者が手で引きやすくするための部分である(図3参照)。把手部83は、隙間形成部材本体部81の軸方向第2側Y2部分(例えば端部)に取り付けられる。
【0060】
(ロープ巻取ドラム60の組み立て)
ロープ巻取ドラム60は、次のように組み立てられる。
【0061】
(第2フランジ72の巻胴部61への取り付け)
図5に示す第2フランジ72が、巻胴部61に、次のように取り付けられる。複数の第2フランジ分割部材72a1が、巻胴部外周面61c2の任意の位置に配置される。次に、第2フランジ固定部73により、第2フランジ分割部材72a1どうしが連結される。具体的には、締結部材73bが、板部73aAと板部73aBとを締結する。このとき、締結部材73bが、板部73aAと板部73aBとの隙間を小さくする向きに、板部73aAおよび板部73aBに力を作用させる。すると、複数の第2フランジ分割部材72a1が、巻胴部61を径方向内側R1に挟む。その結果、第2フランジ72が、巻胴部61に固定される。
【0062】
(巻胴部61の駆動軸51への取り付け)
図4に示す巻胴部61が、駆動軸51に、次のように取り付けられる。反モータ側駆動軸支持部47が、支持解除状態とされる。具体的には、支柱部47bが、軸方向第2側Y2に倒された状態(横転姿勢)とされる。この状態で、巻胴部61が、駆動軸51に取り付けられる。駆動軸51に対して巻胴部61が軸方向第1側Y1に移動すると、巻胴部61のモータ側側面61aが、モータ側規制部55aに接触する。すると、駆動軸51に対する軸方向第1側Y1への巻胴部61の移動が、規制される。巻胴部61の周方向Cにおける位置(すなわち中心軸60aを中心とする回転角度)が調整されることで、ドラム側係合部53cと駆動軸側係合部53bとが、係合させられる。すると、駆動軸51に対する巻胴部61の周方向Cへの移動が、規制される。次に、反モータ側規制部55bが、駆動軸51に取り付けられ、巻胴部61の反モータ側側面61bに接触する。この状態で、反モータ側規制部55bが、締付部材55c(図6参照)により、駆動軸51に固定される。すると、駆動軸51に対する軸方向Yへの巻胴部61の移動が、規制される。その結果、巻胴部61が、駆動軸51に対して固定され、駆動軸51と一体的に回転可能な状態になる。
【0063】
(隙間形成部材80の取り付けなど)
隙間形成部材80が、第1フランジ71および第2フランジ72に取り付けられる。具体的には例えば、隙間形成部材本体部81が、第1取付部71bおよび第2取付部72bに差し込まれる。そして、隙間形成部材本体部81の雄ねじ部81aが、第1取付部71bの雌ねじ部72b1に、ねじ込まれる。
【0064】
なお、ロープ巻取ドラム60の組み立ての順序は適宜変更可能である。例えば、第2フランジ72が巻胴部61に固定された後、巻胴部61が駆動軸51に固定されてもよく、巻胴部61が駆動軸51に固定された後、第2フランジ72が巻胴部61に固定されてもよい。また、ロープ巻取ドラム60の組み立てとは逆の手順により、ロープ巻取ドラム60の分解が可能である。
【0065】
(ロープ21の巻き取り)
図1に示すロープ巻取ドラム60が、ウインチ19に巻かれたロープ21を巻き取る。例えば、クレーン1の輸送時に、輸送する物の質量を調整するために、ロープ巻取ドラム60が、ウインチ19からロープ21を巻き取ってもよい。また、ウインチ19に巻かれたロープ21が交換時期を迎えた際に、ロープ巻取ドラム60が、ウインチ19からロープ21(使用済みの古ロープ)を巻き取ってもよい。
【0066】
図4に示すロープ巻取ドラム60が、ロープ21を、次のように巻き取る。モータ41が駆動すると、駆動軸51とロープ巻取ドラム60とが、一体的に中心軸60aを中心に回転する。これと同時に、図1に示すウインチ19が、ロープ21を繰り出す。すると、ロープ21が、ウインチ19からロープ巻取ドラム60に移動し、ロープ巻取ドラム60に巻き取られる。このとき、図5に示すように、ロープ21が、巻胴部61の上(径方向外側R2)かつ隙間形成部材80の上(さらに詳しくは隙間形成部材本体部81の径方向外側R2)に巻かれる。なお、図1に示すロープ巻取ドラム60がロープ21を巻き取る際、ロープ21は、図2に示す張力付与部30を経由してもよく(ブレーキドラム支持部31に巻かれてもよく)、張力付与部30を経由しなくてもよい。
【0067】
(ロープ21の取り外し)
図5に示すロープ巻取ドラム60に巻き取られたロープ21が、ロープ巻取ドラム60から取り外される場合がある。例えば、ロープ21が廃棄される場合などに、ロープ21が、ロープ巻取ドラム60から取り外される。ロープ巻取ドラム60からのロープ21の取り外しは、次のように行われる。第2フランジ72の巻胴部61への固定が、解除される。具体的には、締結部材73bが板部73aから取り外された状態で、第2フランジ分割部材72a1が巻胴部61から径方向外側R2に取り外されてもよい。また、締結部材73bによる板部73aAと板部73aBとの締結が緩められた状態で、図4に示す第2フランジ72が、巻胴部61に対して軸方向第2側Y2に移動させられ、巻胴部61から取り外されてもよい。また、反モータ側駆動軸支持部47が、支持解除状態とされ、駆動軸51から外れた状態とされる。
【0068】
図5に示す第2フランジ72が巻胴部61から取り外されるのと同時に、隙間形成部材80が、ロープ21から抜き取られてもよい。また、第2フランジ72が巻胴部61に取り付けられた状態で、隙間形成部材80が、ロープ21から抜き取られてもよい。巻胴部61および隙間形成部材80にロープ21が強固に巻かれている場合(強い力で巻かれている場合や、多層に巻かれている場合など)は、ロープ21から隙間形成部材80を抜き取ることが難しい場合がある。この場合でも、図4に示す雄ねじ部81aおよび雌ねじ部72b1の作用により、隙間形成部材80の中心軸を中心に隙間形成部材80が回転させられることで、隙間形成部材80が軸方向Yに容易に移動する。よって、隙間形成部材80が、ロープ21から容易に抜き取られる。また、テーパ部81bにより、隙間形成部材80が、ロープ21から軸方向第2側Y2に容易に抜き取られる。
【0069】
図5に示すロープ21から隙間形成部材80が抜き取られると、ロープ21と巻胴部61との間に隙間が形成され、ロープ21がゆるんだ状態になる。この状態で、ロープ21が、軸方向第2側Y2に移動させられ、巻胴部61から取り外される。
【0070】
(ロープ21の繰り出し)
図1に示すロープ巻取ドラム60に巻き取られたロープ21が、ウインチ19に、次のように繰り出される。ウインチ19が、ロープ21を巻き取る向きに駆動する。すると、ロープ21が、ロープ巻取ドラム60から繰り出され、張力付与部30を介して、ウインチ19に向かって移動する。なお、ロープ巻取ドラム60からウインチ19までのロープ21の経路に、ロープ21の方向を変えるシーブS1が設けられてもよい。シーブS1は、クレーン1に設けられてもよく、ロープ巻取装置20に設けられてもよく、クレーン1とロープ巻取装置20との間に設けられてもよい。例えば、ロープ巻取ドラム60へのロープ21の巻き取り位置を制御するためのシーブS1などが設けられてもよい。
【0071】
ロープ巻取ドラム60が、ウインチ19でのロープ21の巻取量(すなわち張力付与部30でのロープ21の繰り出し量)に応じて回転し、ロープ21を繰り出す。ロープ巻取ドラム60におけるロープ21の繰り出し位置は、軸方向Yに往復移動する。このとき、図2に示すモータ41による駆動力が無くても、ロープ巻取ドラム60が、ロープ21の張力により回転する。
【0072】
このとき、ロープ巻取ドラム60が、回転慣性力によって必要以上に回転する場合がある。そこで、モータ41が、ロープ巻取ドラム60の回転を制動してもよい。さらに詳しくは、ロープ巻取ドラム60からのロープ21の繰り出し速度が、ウインチ19(図1参照)でのロープ21の巻き取り速度(すなわち張力付与部30でのロープ21の繰り出し速度)以下になるように、モータ41の駆動が制御されてもよい。ロープ巻取ドラム60が制動されることで、ロープ巻取ドラム60とブレーキドラム33との間のロープ21に張力が付与される。なお、モータ41以外のブレーキが、ロープ巻取ドラム60を制動してもよい。
【0073】
ロープ巻取ドラム60から繰り出されたロープ21が、ブレーキドラム33に巻かれる。ブレーキドラム33に巻かれたロープ21が、傾斜面33o1に接触しながら、ブレーキドラム33の特定位置(例えばブレーキドラム33の軸方向Y中央位置)に移動する。そして、ロープ21が、ブレーキドラム33の特定位置からウインチ19(図1参照)に繰り出される。
【0074】
このとき、張力付与部30が、ロープ21に張力を付与する。さらに詳しくは、ロープ21は、ブレーキドラム33に巻かれており、ブレーキドラム33が、ブレーキドラム中心軸33aを中心に回転する。このブレーキドラム33の回転を、ブレーキ装置35が制動する。よって、ブレーキドラム33とウインチ19(図1参照)との間のロープ21に、張力が付与される。この張力が適切な大きさになるように、ブレーキ装置35による制動力が調整される。その結果、ウインチ19でのロープ21の乱巻が抑制される。
【0075】
ロープ巻取ドラム60に代えて、ロープ巻取ドラム60以外のドラムが、駆動軸51に取り付けられてもよい。具体的には例えば、ウインチ19(図1参照)に巻かれていたロープ21が廃棄され、新しいロープ21がウインチ19に巻かれる場合がある。この場合、新しいロープ21が巻かれたドラム(例えば図示しない木製ドラムなど)が駆動軸51に取り付けられ、このドラムから繰り出されたロープ21が、張力付与部30を介して、ウインチ19(図1参照)に巻き取られてもよい。
【0076】
(第1の発明の効果)
図4に示すロープ巻取ドラム60による効果は次の通りである。ロープ巻取ドラム60は、ロープ21が巻かれる巻胴部61と、第1フランジ71と、第2フランジ72と、を備える。第1フランジ71は、巻胴部61から径方向外側R2(巻胴部径方向外側)に突出する。第2フランジ72は、巻胴部61から径方向外側R2に突出し、第1フランジ71との間に軸方向Y(巻胴部軸方向)に間隔をあけて配置される。
【0077】
[構成1]第2フランジ72は、巻胴部61に着脱可能に取り付けられる。
【0078】
上記[構成1]により、巻胴部61から第2フランジ72を取り外した場合、巻胴部61に巻かれたロープ21を、ロープ巻取ドラム60から繰り出さなくても、巻胴部61から取り外すことができる。よって、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を容易に行うことができる。さらに詳しくは、巻胴部61からロープ21を取り外す作業の手間と労力を抑制することができる。
【0079】
(第2の発明の効果)
[構成2]第2フランジ72は、軸方向Yの所定範囲内で巻胴部61に対して移動可能な状態(移動可能状態)と、上記の所定範囲内の任意の位置で巻胴部61に固定される状態(固定状態)と、になることが可能に構成される。
【0080】
上記[構成2]により、巻胴部61に対する第2フランジ72の軸方向Yの位置を調整および固定することで、第1フランジ71と第2フランジ72との間の寸法(ロープ21の巻き取り幅)を調整することができる。その結果、例えば、第1フランジ71と第2フランジ72との間の寸法を、ウインチ19(図1参照)(相手方ドラム)のフランジ間寸法に合わせることなどができる。
【0081】
(第3の発明の効果)
図5に示すように、ロープ巻取ドラム60は、第2フランジ72を巻胴部61に固定するための締結部材73bを備える。
【0082】
[構成3-1]第2フランジ72は、周方向C(巻胴部周方向)に連結可能な複数の第2フランジ分割部材72a1を備える。
【0083】
[構成3-2]締結部材73bは、複数の第2フランジ分割部材72a1どうしを締結することで第2フランジ72を巻胴部61に固定する。
【0084】
上記[構成3-1]により、巻胴部61に対して径方向Rに第2フランジ分割部材72a1を着脱することができる。よって、第2フランジ72が分割不可能である場合に比べ、巻胴部61に対して第2フランジ72を容易に着脱することができる。
【0085】
上記[構成3-2]により、第2フランジ分割部材72a1を締結部材73bで締結すれば、第2フランジ72が、巻胴部61に固定される。よって、第2フランジ分割部材72a1どうしの締結のための部材と、第2フランジ72を巻胴部61に固定するための部材と、を兼用することができる。
【0086】
(第5の発明の効果)
[構成5]ロープ巻取ドラム60は、隙間形成部材80を備える。隙間形成部材80は、巻胴部外周面61c2よりも径方向外側R2に配置される。図4に示すように、隙間形成部材80は、第1フランジ71と第2フランジ72とをつなぐように配置され、第1フランジ71および第2フランジ72に着脱可能に取り付けられる。
【0087】
上記[構成5]により、図5に示すように、巻胴部61および隙間形成部材80の径方向外側R2にロープ21が巻かれた後、第1フランジ71および第2フランジ72から隙間形成部材80が取り外されると、ロープ21と巻胴部61との間に隙間が形成される。よって、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を、より容易に行うことができる。
【0088】
(第6の発明の効果)
[構成6]図4に示すように、隙間形成部材80は、第1フランジ71と第2フランジ72との間の位置で軸方向Yの一方側(例えば軸方向第1側Y1)に向かって先細りになるテーパ部81bを備える。
【0089】
上記[構成6]により、次の効果が得られる。巻胴部61および隙間形成部材80の径方向外側R2にロープ21が巻かれた状態で、軸方向Yの一方側とは反対側(例えば軸方向第2側Y2)に隙間形成部材80が引かれる。すると、ロープ21から隙間形成部材80を容易に引き抜くことができる。その結果、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を、より容易に行うことができる。
【0090】
(第7の発明の効果)
[構成7]第1フランジ71および第2フランジ72の少なくともいずれかは、隙間形成部材80が取り付けられる部分に設けられる雌ねじ部72b1を備える。隙間形成部材80は、雌ねじ部72b1にねじ結合される雄ねじ部81aを備える。
【0091】
上記[構成7]により、第1フランジ71および第2フランジ72に隙間形成部材80を固定するための部材を、別途(第1フランジ71、第2フランジ72、および隙間形成部材80以外に)設ける必要はない。また、上記[構成7]により、第1フランジ71および第2フランジ72に対して隙間形成部材80が、ねじの作用により移動できる。よって、ロープ21から隙間形成部材80を容易に引き抜くことができる。その結果、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を、より容易に行うことができる。
【0092】
(第8の発明の効果)
ロープ巻取装置20による効果は、次の通りである。
【0093】
[構成8]ロープ巻取装置20は、ロープ巻取ドラム60と、モータ41と、モータ41に回転させられる駆動軸51と、を備える。ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51と一体的に回転可能に前記駆動軸に取り付けられる。
【0094】
上記[構成8]では、ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51を介してモータ41に駆動される。よって、ロープ巻取ドラム60をモータ41により駆動または制動することができる。
【0095】
上記[構成8]により、例えば次の効果が得られてもよい。ロープ巻取ドラム60がロープ21を巻き取りまたは繰り出しする際に、モータ41の回転数を調整した場合は、ロープ巻取ドラム60からのロープ21の巻き取りまたは繰り出しの速度を調整することができる。その結果、ロープ巻取ドラム60から繰り出されるロープ21に張力を付与することができてもよい。
【0096】
(第9の発明の効果)
[構成9]ロープ巻取ドラム60は、駆動軸51に着脱可能に取り付けられる。
【0097】
上記[構成9]により、ロープ巻取ドラム60が駆動軸51に着脱可能でない場合に比べ、利便性を向上させることができる。
【0098】
上記[構成9]により、例えば次の効果が得られてもよい。ロープ巻取ドラム60が駆動軸51から取り外された状態で、ロープ巻取ドラム60からロープ21を取り外す作業を行うことができる。また、ロープ巻取ドラム60を駆動軸51から取り外すことで、別のドラムを駆動軸51に取り付けることができる。上記「別のドラム」は、駆動軸51から取り外されたロープ巻取ドラム60とは別のロープ巻取ドラム60でもよく、巻胴部61に対して着脱可能なフランジを備えないドラム(ロープ巻取ドラム60ではないドラム)でもよい。
【0099】
(第10の発明の効果)
[構成10]ロープ巻取装置20は、反モータ側規制部55b(規制具)を備える。反モータ側規制部55bは、駆動軸51の任意の位置に固定可能であり、駆動軸51に対する巻胴部61の軸方向Yへの移動を規制する。
【0100】
上記[構成10]では、反モータ側規制部55bが、駆動軸51の任意の位置に固定可能である。よって、様々な幅(軸方向Yにおける幅)のロープ巻取ドラム60に対応することができる。さらに詳しくは、ロープ巻取ドラム60の軸方向Yにおける幅が変わっても、反モータ側規制部55bの軸方向Yの位置を変えることで、駆動軸51に対する巻胴部61の軸方向Yへの移動を規制することができる。
【0101】
(第11の発明の効果)
[構成11]第2フランジ72は、第1フランジ71に対してモータ41が設けられる側とは反対側(第1フランジ71に対して軸方向第2側Y2)に配置される。
【0102】
巻胴部61に対して着脱可能な第2フランジ72が、第1フランジ71よりもモータ41側(軸方向第1側Y1)に配置される場合について検討する。この場合に、駆動軸51にロープ巻取ドラム60が取り付けられた状態で、第2フランジ72が巻胴部61から取り外され、ロープ21が巻胴部61から取り外されるとする。そして、ロープ21が軸方向第1側Y1に移動させられると、ロープ21が、モータ41またはモータ41の周囲の物体に干渉する。一方、上記[構成11]では、ロープ巻取ドラム60が駆動軸51に取り付けられた状態で、第2フランジ72が巻胴部61から取り外され、ロープ21が軸方向第2側Y2に移動させられると、モータ41およびモータ41の周囲の物体にロープ21が干渉しない。よって、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を、より容易に行うことができる。
【0103】
(第12の発明の効果)
ロープ巻取装置20は、反モータ側駆動軸支持部47を備える。反モータ側駆動軸支持部47は、ロープ巻取ドラム60に対してモータ41が設けられる側とは反対側(ロープ巻取ドラム60に対して軸方向第2側Y2)に配置される。
【0104】
[構成12]反モータ側駆動軸支持部47は、駆動軸51を支持する状態(支持状態)と、駆動軸51から離れて駆動軸51の支持を解除する状態(支持解除状態)と、になることが可能に構成される。
【0105】
上記[構成12]では、反モータ側駆動軸支持部47を支持解除状態にすることで、次の効果が得られる。ロープ巻取ドラム60が駆動軸51に取り付けられた状態で、第2フランジ72が巻胴部61から取り外され、ロープ21が軸方向第2側Y2に移動させられたときに、ロープ21が反モータ側駆動軸支持部47と干渉することを抑制することができる。よって、巻胴部61からロープ21を取り外す作業を、より容易に行うことができる。また、駆動軸51からロープ巻取ドラム60を軸方向第2側Y2に抜き取る作業を容易に行うことができる。
【0106】
上記[構成12]では、反モータ側駆動軸支持部47を支持状態にすることで、ロープ巻取ドラム60よりも軸方向第2側Y2の位置で、駆動軸51を支持することができる。よって、ロープ巻取ドラム60よりも軸方向第2側Y2の位置で駆動軸51が支持されない場合に比べ、駆動軸51が確実に支持される。その結果、ロープ巻取ドラム60が確実に支持される。
【0107】
(第13の発明の効果)
[構成13]図1に示すように、ロープ巻取装置20は、張力付与部30を備える。張力付与部30は、ロープ巻取ドラム60から繰り出されたロープ21を巻き取るウインチ19と、ロープ巻取ドラム60と、の間であって、ロープ21の経路における間に配置される。張力付与部30は、ロープ21に張力を付与する。
【0108】
上記[構成13]により、張力付与部30とウインチ19との間のロープ21に張力を付与することができる。よって、ウインチ19に巻かれるロープ21の乱巻きを抑制することができる。
【0109】
(第2実施形態)
図8および図9を参照して、第2実施形態のロープ巻取装置220のロープ巻取ドラム260について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ロープ巻取ドラム260のうち、第1実施形態との共通点については、説明を省略する。共通点の説明を省略する点については、後述する第3実施形態の説明も同様である。第1実施形態では、図5に示すように、第2フランジ分割部材72a1が巻胴部61を径方向内側R1に挟むことで、第2フランジ72が巻胴部61に固定された。一方、本実施形態では、図9に示すように、第2フランジ272は、分割不可能である。また、図8に示すように、巻胴部61は、切欠き部263を備える。
【0110】
切欠き部263は、後述する締結部材273fが通される部分である(図9参照)。切欠き部263は、筒状部61cを径方向Rに貫通する孔(切欠き孔)である。切欠き部263は、軸方向Yに延びるように設けられる。切欠き部263の軸方向Yにおける長さに応じて、巻胴部61に対する第2フランジ272の軸方向Yへの移動可能範囲が決まる。
【0111】
第2フランジ固定部273は、次のように構成される。図5に示す例では、第2フランジ固定部73は、第2フランジ分割部材72a1どうしを連結する機能と、第2フランジ72を巻胴部61に固定する機能と、を有した。一方、図9に示す第2フランジ固定部273は、第2フランジ272を巻胴部61に固定する機能を有し、第2フランジ分割部材72a1(図5参照)どうしを連結する機能は有さない。第2フランジ固定部273は、第2フランジ側部材273dと、巻胴部側部材273eと、締結部材273fと、を備える。
【0112】
第2フランジ側部材273dは、図8に示すように、第2フランジ272に固定される。第2フランジ側部材273dは、第2フランジ272の面のうち、第1フランジ71に対向する面とは反対側の面(軸方向第2側Y2の面、すなわちロープ21と接触しない面)に固定される。第2フランジ側部材273dは、第2フランジ272の軸方向第2側Y2の面から軸方向第2側Y2に突出する。図9に示すように、第2フランジ側部材273dは、巻胴部外周面61c2に沿うように設けられる。第2フランジ側部材273dの径方向内側R1の面は、巻胴部外周面61c2に接触可能であり、例えば、巻胴部外周面61c2に沿うような円弧状である。第2フランジ側部材273dは、ブロック状でもよく、板状でもよい(巻胴部側部材273eも同様)。第2フランジ側部材273dは、締結部材273fを通すことが可能な孔(例えばボルト孔)を有する。
【0113】
巻胴部側部材273eは、巻胴部61の内部(さらに詳しくは筒状部61cの内部)に設けられる。巻胴部側部材273eは、巻胴部内周面61c1に沿うように設けられる。巻胴部側部材273eの径方向外側R2の面は、巻胴部内周面61c1に接触可能であり、例えば、巻胴部内周面61c1に沿うような円弧状である。巻胴部側部材273eは、締結部材273fを通すことが可能な孔を有する。この孔の内面は、雌ねじを有する。
【0114】
締結部材273fは、第2フランジ側部材273dと巻胴部側部材273eとを締結(さらに詳しくは径方向Rに締結)する。締結部材273fは、第2フランジ側部材273dの孔と、巻胴部側部材273eの孔と、切欠き部263と、に通される。締結部材273fは、例えばボルトである。締結部材273fは、巻胴部側部材273eの雌ねじにねじ結合する雄ねじを有する。
【0115】
第2フランジ側部材273dと巻胴部側部材273eとは、巻胴部61(さらに詳しくは筒状部61c)を挟むように配置される。締結部材273fが、第2フランジ側部材273dと巻胴部側部材273eとを締結する。これにより、第2フランジ272が、巻胴部61に固定される。締結部材273fによる締結がゆるんだ状態のとき、図8に示す切欠き部263に沿って締結部材273fが軸方向Yに移動可能である。その結果、第2フランジ272および第2フランジ固定部273が、巻胴部61に対して軸方向Yに移動可能である。なお、巻胴部61の内部に巻胴部側部材273e(図9参照)を配置するために、例えば反モータ側側面61bに孔が設けられてもよい。また、反モータ側側面61bは、筒状部61cに対して着脱可能でもよく、切欠き部263よりも軸方向第1側Y1に配置されてもよい。
【0116】
(第4の発明の効果)
図9に示すロープ巻取ドラム260による効果は、次の通りである。
【0117】
[構成4]ロープ巻取ドラム260は、第2フランジ側部材273dと、巻胴部側部材273eと、締結部材273fと、を備える。図8に示すように、第2フランジ側部材273dは、第2フランジ272の面のうち第1フランジ71に対向する面とは反対側の面(軸方向第2側Y2の面)に固定される。図9に示すように、第2フランジ側部材273dは、巻胴部外周面61c2に沿うように設けられる。巻胴部側部材273eは、巻胴部内周面61c1に沿うように設けられる。締結部材273fは、第2フランジ側部材273dと巻胴部側部材273eとを締結する。巻胴部61は、切欠き部263を備える。図8に示すように、切欠き部263は、軸方向Yに延びるように設けられるとともに締結部材273fが通される。
【0118】
上記[構成4]により、図9に示すように、第2フランジ側部材273dと巻胴部側部材273eとが、巻胴部61を挟む状態で締結部材273fにより締結されることで、第2フランジ272を巻胴部61に固定することができる。この構成では、第2フランジ272を分割可能に構成(図5参照)する必要はない。よって、第2フランジ272を簡易に構成でき、第2フランジ272の製作コストを抑制することができる。
【0119】
上記[構成4]では、図8に示すように、切欠き部263は、軸方向Yに延びるように巻胴部61に設けられる。よって、切欠き部263に通される締結部材273fが、巻胴部61に対して軸方向Yに移動可能である。その結果、第2フランジ272が、巻胴部61に対して軸方向Yに移動可能である。よって、上記[構成2]による効果を確実に得ることができる。
【0120】
(第3実施形態)
図10を参照して、第3実施形態のロープ巻取装置320について、第1実施形態との相違点を説明する。第1実施形態では、図4に示す駆動軸51が、駆動軸支持部44に(少なくともモータ側駆動軸支持部45に)常に支持された。そして、ロープ巻取ドラム60が、駆動軸51に対して着脱された。一方、本実施形態では、図10に示す駆動軸51およびロープ巻取ドラム60が、一体的に、駆動軸支持部44に対して着脱される。ロープ巻取装置320では、駆動軸支持部44は、モータ側駆動軸支持部345と、反モータ側駆動軸支持部347と、を備える。
【0121】
モータ側駆動軸支持部345の上部は、例えば、常に開いた状態(常に駆動軸51を着脱可能な状態)でもよい。モータ側駆動軸支持部345の一部は、開閉可能でもよい。例えば、モータ側駆動軸支持部345は、駆動軸受け部47dおよび駆動軸着脱ピン47eと同様の構造を備えてもよい。モータ側駆動軸支持部345は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。
【0122】
図4に示す例では、反モータ側駆動軸支持部47は、駆動軸51から離れた支持解除状態になることが可能であった。一方、本実施形態では、図10に示す反モータ側駆動軸支持部347は、支持解除状態になる必要はない。反モータ側駆動軸支持部347は、常に、駆動軸51を支持可能な支持状態(立てられた状態)でもよい。
【0123】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、互いに異なる実施形態の構成要素どうしが組み合わされてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
【0124】
具体的には例えば、図1に示すロープ21の経路は、前後方向Xに沿うような経路でもよく、前後方向Xに沿うような経路でなくてもよい。図2に示す張力付与部30は、設けられなくてもよい。例えば、ロープ巻取装置20が、ロープ21の巻き取りに用いられ、ロープ21の繰り出しには用いられない場合(具体的にはロープ21を巻き取って廃棄する場合など)には、張力付与部30は、設けられなくてもよい。図5に示す第2フランジ分割部材72a1どうしを固定する第2フランジ固定部73と、図9に示す第2フランジ272を巻胴部61に固定する第2フランジ固定部273と、が組み合わされてもよい。ロープ巻取ドラム60に巻かれるロープ21は、ウインチ19に巻かれなくてもよい。
【符号の説明】
【0125】
19 ウインチ
20、220、320 ロープ巻取装置
30 張力付与部
41 モータ
47 反モータ側駆動軸支持部
51 駆動軸
55b 反モータ側規制部(規制具)
60、260、360 ロープ巻取ドラム
61 巻胴部
71 第1フランジ
72、272 第2フランジ
72a1 第2フランジ分割部材
72b1 雌ねじ部
73b 締結部材
80 隙間形成部材
81a 雄ねじ部
81b テーパ部
263 切欠き部
273d 第2フランジ側部材
273e 巻胴部側部材
273f 締結部材
C 周方向(巻胴部周方向)
R2 径方向外側(巻胴部径方向外側)
Y 軸方向(巻胴部軸方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10