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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】乗物用内装材
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240130BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B60R7/04 T
B60R13/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020173306
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064591
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三戸 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 和樹
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06196606(US,B1)
【文献】特開2004-255996(JP,A)
【文献】特開2012-106693(JP,A)
【文献】特開2011-084189(JP,A)
【文献】特開平11-255034(JP,A)
【文献】特開2007-269228(JP,A)
【文献】特開平11-189103(JP,A)
【文献】特開2013-252834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
B60R 7/00,13/01-13/04,13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物室内側を向く意匠面を有するとともに、乗物室内外に貫通する開口を有する第1部材と、
前記開口を前記意匠面の反対側から覆う形で配される第2部材と、を備え、
前記開口は、互いに離隔して配された第1開口および第2開口を含み、
前記第2部材は、前記第1開口を覆う第1被覆部と、前記第2開口を覆う第2被覆部と、前記第1被覆部と前記第2被覆部とを一体に連結する連結部と、を備えており、
前記連結部は、前記第1被覆部および前記第2被覆部の並び方向に伸縮可能とされている乗物用内装材。
【請求項2】
前記連結部は、前記第1被覆部および前記第2被覆部の並び方向に伸縮可能な状態で前記並び方向と交差する方向に屈曲された屈曲部を有する、請求項1に記載の乗物用内装材。
【請求項3】
一の前記屈曲部は互いに異なる方向に延びる第1部分および第2部分を備えている請求項2に記載の乗物用内装材。
【請求項4】
前記屈曲部は前記第1被覆部および前記第2被覆部の並び方向において複数本設けられており、複数本の前記屈曲部は、互いに異なる方向に延びている請求項2または請求項3に記載の乗物用内装材。
【請求項5】
前記複数の屈曲部は、前記連結部の板面から互いに異なる方向に突出するように屈曲された一対の前記屈曲部を含む、請求項4に記載の乗物用内装材。
【請求項6】
前記屈曲部は、前記連結部のうち前記第1被覆部に沿った縁部である第1縁部および前記第2被覆部に沿った縁部である第2縁部の少なくとも一方に設けられている請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の乗物用内装材。
【請求項7】
前記第2部材は前記連結部において前記第1部材に対して締結部により締結されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の乗物用内装材。
【請求項8】
前記第1部材と前記第2部材との間には、前記第1被覆部の前記第1部材に対する取り付け位置の基準となる第1基準と、前記第2被覆部の前記第1部材に対する取り付け位置の基準となる第2基準と、が設けられている請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の乗物用内装材。
【請求項9】
当該乗物用内装材は車両用のドアトリムであり、
前記第1被覆部および前記第2被覆部は、前記第1部材の前記意匠面から車室外側かつ下方に向けて凹状に窪んでドアポケットを構成している請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の乗物用内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の乗物用のドアのドアトリム(内装材)において、ドアトリムを構成するトリムボードに、ドアポケットや加飾部材を設ける等の目的で、開口を形成する場合がある。例えばドアポケットは、特許文献1に示されるように、トリムボードを貫通する形で設けられた開口を収納口としつつ、その収納口をトリムボードの裏面(車室外面)側から覆う形でポケットボードをトリムボードに取り付けることで、形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-255996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなドアポケットとしては、車両用ドアの下方部分において前後方向にわたって設けられた、地図やパンフレット等が収容可能な大型タイプのものが多いが、さらに、例えば小物等が収容可能で、乗員が内部を見易い比較的に小型タイプのドアポケットの要望がある。
【0005】
しかし、ドアトリムに複数のドアポケットを設ける場合、トリムボードに個々の開口に対応する複数のポケットボードが必要となるため、取り付け作業が煩雑になる上、隣接する取付部同士が重ならないようする必要がある等、設計上の制約が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、乗物用内装材に複数の開口が設けられる場合であっても、部品点数が少なく、組み立て作業性に優れる乗物用内装材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明は、 乗物室内側を向く意匠面を有するとともに、乗物室内外に貫通する開口を有する第1部材と、前記開口を前記意匠面の反対側から覆う形で配される第2部材と、を備え、前記開口は、互いに離隔して配された第1開口および第2開口を含み、前記第2部材は、前記第1開口を覆う第1被覆部と、前記第2開口を覆う第2被覆部と、前記第1被覆部と前記第2被覆部とを一体に連結する連結部と、を備えている乗物用内装材である。
【0008】
上記構成によれば、第1部材に設けられた複数の開口をそれぞれ個別の部材で覆う構成と比較して、部品点数を減らすことができる。また、部品点数が少ないから、第2部材を第1部材に取り付ける際の作業性が向上する。
【0009】
また、第1部材に複数の開口を設けた場合には、第1部材の剛性が低下することが懸念されるが、複数の開口が第2部材の被覆部で覆われるだけでなく、脆弱になり易い第1開口と第2開口との間の部分に第2部材の連結部が配されるから、乗物用内装材全体として剛性の低下が抑制される。
【0010】
前記連結部は、前記第1被覆部および前記第2被覆部の並び方向に伸縮可能な状態で前記並び方向と交差する方向に屈曲された屈曲部を有していてもよい。
【0011】
このような構成によれば、第2部材の第1被覆部および第2被覆部が、それぞれ、第1部材の第1開口および第2開口の周縁を基準として取り付けられる際に、第1被覆部および第2被覆部の間(連結部)に、第1開口および第2開口の間の距離や角度に対する公差があった場合でも、それらの公差を屈曲部の伸縮により吸収することができる。
【0012】
一の前記屈曲部は互いに異なる方向に延びる第1部分および第2部分を備えていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第1開口(第1被覆部)と第2開口(第2被覆部)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、一の屈曲部の互いに異なる方向に延びる第1部分および第2部分により、複数の方向において公差による歪みを吸収し易く、第2部材にかかる応力を低減することができる。
【0014】
また、前記屈曲部は前記第1被覆部および前記第2被覆部の並び方向において複数本設けられており、複数本の前記屈曲部は、互いに異なる方向に延びていてもよい。
【0015】
このような構成によっても、第1開口(第1被覆部)と第2開口(第2被覆部)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、異なる方向に延びる複数の屈曲部により、複数の方向において公差による歪みを吸収し易く、第2部材にかかる応力を低減することができる。
【0016】
前記複数の屈曲部は、前記連結部の板面から互いに異なる方向に突出するように屈曲された一対の前記屈曲部を含んでいてもよい。
【0017】
このような構成によれば、複数の屈曲部が連結部の板面から同方向に突出するように屈曲されている構成と比較して、公差による歪みをさらに吸収し易くなり、第2部材にかかる応力を低減することができる。
【0018】
前記屈曲部は、前記連結部のうち前記第1被覆部に沿った縁部である第1縁部および前記第2被覆部に沿った縁部である第2縁部の少なくとも一方に設けられていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、第1開口(第1縁部)と第2開口(第2縁部)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、屈曲部が連結部の縁部以外の位置に設けられる構成と比較して、第2部材にかかる応力をより低減することができる。
【0020】
前記第2部材は前記連結部において前記第1部材に対して締結部により締結されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、第1被覆部および第2被覆部を個別の部材として設ける構成と比較して、締結部を共通化することが可能となり、少ない締結部(締結箇所)により第2部材を第1部材に対して取り付けることができる。すなわち、取り付け時の作業性に優れる。また、第1部材と第2部材とを、連結部が配される部分で互いに締結することにより、両者がより位置ずれし難くなるとともに、内装材全体としての剛性も向上する。
【0022】
前記第1部材と前記第2部材との間には、前記第1被覆部の前記第1部材に対する取り付け位置の基準となる第1基準と、前記第2被覆部の前記第1部材に対する取り付け位置の基準となる第2基準と、が設けられていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、第2部材の第1被覆部および第2被覆部が、第1部材に対して、それぞれ、第1基準および第2基準を取り付け位置の基準として取り付けられる際に、第1部材および第2部材の間に、各基準の間の距離や角度に対する公差があった場合でも、それらの公差を連結部に設けられた屈曲部の伸縮により吸収することができる。
【0024】
また、当該乗物用内装材は車両用のドアトリムであり、前記第1被覆部および前記第2被覆部は、前記第1部材の前記意匠面から車室外側かつ下方に向けて凹状に窪んでドアポケットを構成していてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、乗物用内装材に複数の開口が設けられる場合であっても、部品点数が少なく、組み立て作業性に優れる乗物用内装材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態のドアトリムを車室内側から視た斜視図
図2】ドアトリムの分解斜視図
図3】ポケットボードの斜視図
図4】ポケットボードの正面図
図5】ポケットボードの連結部の拡大正面図
図6図5のA-A断面図
図7図5のB-B断面図
図8】ポケットボードの後方側面図
図9図8のC-C断面図
図10】トリムボードのトリムボード側連結部を車室外側から視た拡大斜視図
図11】トリムボードに配置したポケットボードの連結部を車室外側から視た拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
一実施形態を、図1から図11を参照しつつ説明する。本実施形態では、自動車等の車両用のドアトリム10(乗物用内装材の一例)について例示する。なお、各図において、FR及びRRの矢印は車両前方及び車両後方をそれぞれ示し、UP及びDWの矢印は車両上方及び車両下方をそれぞれ示し、IN及びOUTの矢印は車室内(乗物室内)側及び車室外(乗物室外)側をそれぞれ示す。また、ドアトリム10における車室内側の面(意匠面)を正面とし、その反対側の面を裏面として説明する。
【0028】
図1は、ドアトリム10を車室内側から視た斜視図、図2は、ドアトリム10の分解斜視図である。ドアトリム10は、車両用ドアの車室内側部分を構成するものであって、ドアインナパネル(図示せず)に対して、車室内側から取り付けられる。ドアトリム10は、トリムボード11を主体として構成されており、複数の部品が互いに組み付けられたものからなる。本実施形態のトリムボード11には、スピーカグリル12、インサイドハンドル収容部13、ドアポケット14などが設けられている。
【0029】
上述したスピーカグリル12は、トリムボード11のうち、車両前側の下端部分に設けられており、その上方には、車両内側に張り出す第1張出部15が形成されている。また、スピーカグリル12の後方であって、第1張出部15の斜め下方にも、車両内側に張り出す第2張出部16が形成されており、第1張出部15の後端と、第2張出部16の前端とは、車両内側に張り出すトリムボード側連結部20により連結されている。
【0030】
第1張出部15は前後方向に延びており、図2に示すように、その上部(上面)には、上下方向に貫通する第1開口17が形成されている。第1開口17は、前後方向に長い長孔状とされている。第1開口17の開口縁部のうち、車室内側に位置する第1内縁部17Aは、その反対側(車室外側)に位置する第1外縁部17Bよりもやや下方に位置している。
【0031】
また、第2張出部16も前後方向に延びており、その上部(上面)には、上下方向に貫通する第2開口18が形成されている。第2開口18も、前後方向に長い長孔状とされている。第2開口18の開口縁部のうち、車室内側に位置する第2内縁部18Aは、正面視において扁平なU字形状をなしており、その反対側(車室外側)に位置する第2外縁部18Bよりも下方に位置している。第2外縁部18Bは、第1開口17の第1外縁部17Bよりも下方に位置している。つまり、第2開口18は第1開口17の車両後方かつ斜め下方に配されている(図2参照)。
【0032】
このように、本実施形態のトリムボード11において、第1開口17と第2開口18とは個別に形成されており、互いに離隔した状態とされている。なお、第1開口17は、着座した状態の乗員の肘の高さに設けられており、第2開口18は、着座した状態の乗員の脚の高さに設けられている。
【0033】
上述したトリムボード側連結部20は、第1張出部15および第2張出部16を連続的に連結するものである。詳細には、トリムボード側連結部20は、図2に示すように、第1開口17の車両前後方向における後縁部と第2開口18の前縁部とを連結する上連結部20Aと、第1張出部15の正面(車両幅方向における中央側の面)と第2張出部16の正面とを連結する正面連結部20Bと、第1張出部15の下面と第2張出部16の下面とを連結する下連結部(図示せず)とを備えている。つまり、第1張出部15および第2張出部16は、トリムボード側連結部20により、トリムボード11の車室内側の平坦な板面から車室内側に向けて一体的に張り出した形態とされている。
【0034】
次に、ドアポケット14の構成について説明する。本実施形態のドアポケット14は、トリムボード11の裏面(車室外側の面、意匠面11Aと反対側の面)において、トリムボード11における前後方向のほぼ全体にわたって延びるポケットボード30が取り付けられることにより形成されている。以下、図1に示すように、車両前方に配されるドアポケット14を第1ドアポケット14A、車両後方に配されるドアポケット14を第2ドアポケット14Bとし、両方を含む場合をドアポケット14として説明する。
【0035】
ポケットボード30は、例えば、合成樹脂材料をプレス成形することによって形成され、図2に示すように、トリムボード11の第1開口17を覆う第1被覆部31と、第2開口18を覆う第2被覆部41と、第1被覆部31および第2被覆部41を連結する連結部50と、を一体的に備えて構成されている。すなわち、第1被覆部31と第2被覆部41と連結部50とは、一体で同一の樹脂製成形部品として構成されている。
【0036】
図3に示すように、第1被覆部31は、第1ドアポケット14Aの底部を構成する第1底壁部32と、第1底壁部32の車両前後方向における前端縁から上方に立ち上がる第1前壁部33と、第1底壁部32の車室外側の側端縁から上方に立ち上がってトリムボード11の第1張出部15の裏面(意匠面11Aと反対側の面)と対向配置される第1対向壁部34と、第1底壁部32の後端縁から上方に立ち上がる第1後壁部35(図4参照)と、を備えている。
【0037】
また、第1被覆部31は、第1前壁部33と第1後壁部35との間において、第1底壁部32から上方に立ち上がって第1底壁部32を前後方向に仕切る仕切壁部36を備えている。仕切壁部36は、第1対向壁部34よりも高さ寸法が低く設定されているとともに、その車室外側の端縁部が第1対向壁部34と連結されている。また、仕切壁部36よりも後方側において第1底壁部32は下方に向けて凹状に窪んだ凹部32Aとされており、この凹部32Aには、ペットボトルやコップ等を載置することが可能となっている。
【0038】
さらに第1後壁部35は、上方に向かうにつれてその板面が車両後方側に傾斜する(図4参照)とともに、車室内側に向かうにつれてその上端面が下方側に傾斜する(図3および図8参照)形状をなしている。
【0039】
図3に示すように、第2被覆部41は、第2ドアポケット14Bの底部を構成する第2底壁部42と、第2底壁部42の車両前後方向における前端縁から上方に立ち上がる第2前壁部43と、第2底壁部42の車室外側の側端縁から上方に立ち上がってトリムボード11の第2張出部16の裏面(意匠面11Aと反対側の面)と対向配置される第2対向壁部44と、第2底壁部42の後端縁から上方に立ち上がる第2後壁部45と、を備えている。
【0040】
また、第2被覆部41は、第2前壁部43と第2対向壁部44と間の角部の上端を架け渡す上壁部46を備えている。上壁部46は、ポケットボード30がトリムボード11に取り付けられた際に、トリムボード11との間に形成される隙間を覆う形で設けられている(図1参照)。
【0041】
正面視におけるポケットボード30の外周縁には、図4に示すように、外側に向かって延びるフランジ部60が形成されている。このフランジ部60には、トリムボード11の裏面(車室外側の面、意匠面11Aの反対側の面)に突設された取付ボス23(図10参照)が挿通される複数の挿通孔61と、トリムボード11の裏面に突設された係止爪24(図10参照)を係止するための複数の係止孔62とが設けられている。挿通孔61に挿通された取付ボス23は、例えば、熱カシメなどの固定手段でフランジ部60と固定される構成となっている。
【0042】
以下、フランジ部60のうち、第1被覆部31の外周縁から延びる部分を第1フランジ部60Aとし、第2被覆部41の外周縁から延びる部分を第2フランジ部60Bとし、両者を区別しない場合をフランジ部60として説明する。また、複数の挿通孔61のうち、第1フランジ部60Aに設けられたものを第1挿通孔61Aとし、第2フランジ部60Bに設けられたものを第2挿通孔61Bとし、両者を区別しない場合を挿通孔61として説明する。係止孔62についても同様に、第1係止孔62A,第2係止孔62Bとする。さらに、複数の取付ボス23のうち、第1挿通孔61Aに挿通されるものを第1取付ボス23Aとし、第2挿通孔61Bに挿通されるものを第2取付ボス(図示せず)とする。係止爪24についても同様に、第1係止爪24A、第2係止爪24Bとする(図10参照)。
【0043】
第1被覆部31が第1開口17の周縁部に取り付けられた状態において、第1底壁部32、第1前壁部33、第1対向壁部34、第1後壁部35は、トリムボード11の第1張出部15との間で収容空間S1を構成し、上方に開口する第1ドアポケット14Aを形成するようになっている。なお、第1ドアポケット14Aの後方部分(仕切壁部36の後方部分)は、カップホルダーとして使用可能である(図1参照)。
【0044】
また、第2被覆部41が第2開口18の周縁部に取り付けられた状態において、第2底壁部42、第2前壁部43、第2対向壁部44、第2後壁部45、上壁部46は、トリムボード11の第2張出部16との間で収容空間S2を構成し、上方に開口する第2ドアポケット14Bを形成するようになっている。収容空間S2は、第2ドアポケット14Bの前端上部において、上述した上壁部46により、第2開口18の縁部より奥まった位置まで形成されるようになっている(図1参照)。
【0045】
次に、連結部50について説明する。図5は連結部50の拡大正面図、図6図5におけるA-A断面図、図7図5におけるB-B断面図である。
【0046】
連結部50は、第1被覆部31の第1後壁部35と、第2被覆部41の上壁部46および第2前壁部43とを連結する板状とされている。以下、連結部50のうち、第1後壁部35と連なる縁部を第1縁部51、上壁部46および第2前壁部43と連なる縁部を第2縁部56として説明する。
【0047】
連結部50の第1縁部51は、第1後壁部35の上端縁部の全体と連なる第1上縁部51Aと、第1後壁部35の車室内側の内端縁部の全体と連なる第1内縁部51Bとを備える。第1上縁部51Aは、概ね車両幅方向に延び、かつ、車両幅方向の中央に向けて下方傾斜するように延びており、第1内縁部51Bは、概ね上下方向に延びている。すなわち、第1上縁部51Aと第1内縁部51Bとは、互いに交差する方向に延びている(図3図8参照)。
【0048】
正面視における第1内縁部51Bの上端には、ポケットボード30がトリムボード11に取り付けられる際にトリムボード11の裏面(意匠面11Aと反対側の面)と平行に対向配置される平坦面を有する取付部52(締結部の一例)が設けられており、この取付部52には、トリムボード側連結部20の裏面に突設された中央取付ボス25(締結部の一例)が挿通される挿通孔53(締結部の一例)が設けられている。
【0049】
トリムボード11の中央取付ボス25は、図10に示すように、円筒状をなす円筒部26と、円筒部26の基端部から放射状に延びる複数の補強リブ27とを備えており、取付部52は、その車室内側の面(トリムボード11と対向する面)が補強リブ27の車室外側の端面と当接する位置に形成されている。すなわち、取付部52は、第1内縁部51Bからやや車室外側に奥まった位置に設けられている(図3参照)。挿通孔53に挿通された中央取付ボス25(図11参照)は、例えば、熱カシメなどの固定手段で連結部50の取付部52と固定される構成となっている。なお、連結部50において、トリムボード11に対して固定される部分は、この取付部52のみとされている。
【0050】
図5に示すように、第1縁部51のうち、取付部52およびフランジ部60を除く部分には、全体にわたって第1伸縮部55(屈曲部の一例)が設けられている。第1伸縮部55は、図6および図7に示すように、第1縁部51から裏側(車室外側)に向けてクランク状に屈曲された屈曲部分である。なお、いくつかの図において、第1伸縮部55を分かり易くするために、網掛け模様を付している。第1伸縮部55は、ポケットボード30がトリムボード11に取り付けられる際にかかる応力によって変形可能となっており、その屈曲角度が変化することで、車両前後方向、車両幅方向、上下方向に複合的に変形するようになっている。
【0051】
図3および図8に示すように、第1伸縮部55のうち第1上縁部51Aに沿った部分である第1上伸縮部55A(第1部分の一例)は、概ね車両幅方向に延び、かつ、車両幅方向の中央に向けて下方傾斜するように延びている。また、第1内縁部51Bに沿った部分である第1内伸縮部55B(第2部分の一例)は、概ね上下方向に延びている。すなわち、第1上伸縮部55Aと第1内伸縮部55Bとは、互いに交差する方向に延びている。このように、第1上伸縮部55Aと第1内伸縮部55Bとが異なる方向に延びることにより、第1伸縮部55は、全体として、車両前後方向、車両幅方向、上下方向の異なる方向について、いずれの方向にも変形し易い構成とされている。
【0052】
一方、連結部50の第2縁部56は、第2被覆部41の上壁部46の車室内側の内端縁部から第2前壁部43の上端縁部に連なる第2上縁部56Aと、第2上縁部56Aから下方に向けてL字形状に湾曲して延びる第2内縁部56Bとを備える。第2上縁部56Aは、概ね車両幅方向に延びており、第2内縁部56Bは、概ね上下方向に延びている。すなわち、第2上縁部56Aと第2内縁部56Bとは、互いに交差する方向に延びている(図3図5図8参照)。
【0053】
なお、上述した第1上縁部51Aと第2上縁部56Aとは、双方とも概ね車両幅方向に延びているが、正確には、平行ではなく、若干ねじれた配置とされている。また、上述した第1内縁部51Bと第2内縁部56Bとは、双方とも概ね上下方向に延びているが、正確には、平行ではなく、若干ねじれた配置とされている。
【0054】
第2縁部56には、第2伸縮部57(屈曲部の一例)が設けられている。第2伸縮部57は、図6および図7に示すように、第2縁部56から車室内側に向けてクランク状に屈曲された屈曲部分である。なお、いくつかの図において、第2伸縮部57を分かり易くするために、網掛け模様を付している。第2伸縮部57は、ポケットボード30がトリムボード11に取り付けられる際にかかる応力によって変形可能となっており、その屈曲角度が変化することで、車両前後方向、車両幅方向、上下方向に複合的に変形するようになっている。
【0055】
図3図5、および図8に示すように、第2伸縮部57のうち第2上縁部56Aに沿った部分である第2上伸縮部57A(第1部分の一例)は、概ね車両幅方向に延びており、第2内縁部56Bに沿った部分である第2内伸縮部57B(第2部分の一例)は、概ね上下方向に延びている。すなわち、第2上伸縮部57Aと第2内伸縮部57Bとは、互いに交差する方向に延びている。このように、第2上伸縮部57Aと第2内伸縮部57Bとが異なる方向に延びることにより、第2伸縮部57は、全体として、車両前後方向、車幅方向、上下方向の異なる方向について、いずれの方向にも変形し易い構成とされている。
【0056】
上述した第1上伸縮部55Aと第2上伸縮部57Aとは、双方とも概ね車両幅方向に延びているが、正確には、平行ではなく、若干ねじれた配置とされている。また、上述した第1内伸縮部55Bと第2内伸縮部57Bとは、双方とも概ね上下方向に延びているが、正確には、平行ではなく、若干ねじれた配置とされている。
【0057】
つまり、上述した、第1伸縮部55の第1上伸縮部55A、第1内伸縮部55B、第2伸縮部57の第2上伸縮部57A、第2内伸縮部57Bは、いずれも、異なった方向に延びている。このような構成により、連結部50全体として、これらの伸縮部により、車両前後方向、車幅方向、上下方向の異なる方向について、いずれの方向にも変形し易い構成とされている。
【0058】
なお、連結部50のうち第1縁部51と第2縁部56との間には、上述した取付部52の面積を確保しつつ、第2ドアポケット14Bの車両幅方向の深さを確保するために、第1縁部51側から第2縁部56側に向けて略L字形状に折り曲げられた折曲部58が形成されている(図6および図7参照)。
【0059】
トリムボード11に対してポケットボード30を取り付ける際には、例えば、まずトリムボード11の第1開口17にポケットボード30の第1被覆部31を近づける。そして、第1開口17の周縁部に第1フランジ部60Aを重ねつつ、第1挿通孔61Aに第1取付ボス23Aを挿通するとともに、第1係止孔62Aに第1係止爪24Aを挿通、係止させることで、第1開口17に対する第1被覆部31の位置合わせを行う。すなわち、第1挿通孔61Aおよび第1取付ボス23Aと、第1係止孔62Aおよび第1係止爪24Aとは、第1開口17に対して第1被覆部31の位置合わせを行うための基準(第1基準とする)とされている。
【0060】
続いて、トリムボード11の第2開口18の周縁部に第2フランジ部60Bを重ねつつ、第2挿通孔61Bに第2取付ボス(図示せず)を挿通するとともに、第2係止孔62Bに第2係止爪24Bを挿通、係止させることで、第2開口18に対する第2被覆部41の位置合わせを行う。すなわち、第2挿通孔61Bおよび第2取付ボスと、第2係止孔62Bおよび第2係止爪24Bとは、第2開口18に対して第2被覆部41の位置合わせを行うための基準(第2基準とする)とされている。
【0061】
このように第1被覆部31が第1基準を基に第1開口17を覆い、第2被覆部41が第2基準を基に第2開口18を覆った状態においては、ポケットボード30の連結部50はトリムボード側連結部20に重ね合わされ、挿通孔53内に中央取付ボス25が挿通される。
【0062】
ところで、上述した取り付け作業の際、トリムボード11やポケットボード30の成形誤差等により、第1開口17と第2開口18との間の距離および角度と、第1被覆部31と第2被覆部41との間の距離および角度とが、公差を有する場合がある。そのような場合には、第1被覆部31を第1基準を基に第1開口17に対して位置合わせした後、第2被覆部41を第2基準を基に第2開口18に対して正規の位置に位置合わせすることが困難となり、無理に位置合わせすると、ドアポケット14に歪みや隙間が生じることとなる。
【0063】
このような問題に対し、本実施形態のポケットボード30には、第1被覆部31と第2被覆部41とを連結する連結部50に第1伸縮部55および第2伸縮部57が設けられている。このような構成によれば、第1被覆部31および第2被覆部41を第1開口17および第2開口18に対してそれぞれ個別の取り付け基準(第1基準および第2基準)により取り付ける際、トリムボード11とポケットボード30との間に公差があった場合でも、連結部50の伸縮部55,57が屈曲角度を変化させることで、車両前後方向、車両幅方向、上下方向に複合的に変形し、公差を吸収するようになっている。つまり、第2被覆部41の第1被覆部31に対する距離や角度を、比較的容易に調節することが可能であるから、ポケットボード30ひいてはトリムボード11の歪みを抑制し、ドアポケット14に歪みや隙間が生じることを抑制することができる。
【0064】
次に、本実施形態のドアトリム10の作用効果について説明する。本実施形態のドアトリム10は、車室内側を向く意匠面11Aを有するとともに、互いに離隔して配された車室内外に貫通する第1開口17および第2開口18を有するトリムボード11と、第1開口17および第2開口18を意匠面11Aの反対側から覆う形で配されるポケットボード30と、を備え、ポケットボード30は、第1開口17を覆う第1被覆部31と、第2開口18を覆う第2被覆部41と、第1被覆部31と第2被覆部41とを一体に連結する連結部50と、を備えている。
【0065】
このような構成によれば、トリムボード11に設けられた複数の開口(第1開口17、第2開口18)をそれぞれ個別の部材で覆う構成と比較して、部品点数を減らすことができる。また、部品点数が少ないから、ポケットボード30をトリムボード11に取り付ける際の作業性が向上する。
【0066】
また、トリムボード11に複数の開口(第1開口17、第2開口18)を設けた場合には、トリムボード11の剛性が低下することが懸念されるが、複数の開口がポケットボード30の被覆部(第1被覆部31、第2被覆部41)で覆われるだけでなく、脆弱になり易い第1開口17と第2開口18との間のトリムボード側連結部20にポケットボード30の連結部50が重ね合わされるから、ドアトリム10全体として剛性の低下が抑制される。
【0067】
連結部50は、第1被覆部31および第2被覆部41の並び方向に伸縮可能な状態で並び方向と交差する方向に屈曲された第1伸縮部55および第2伸縮部57を有している。
【0068】
このような構成によれば、ポケットボード30の第1被覆部31および第2被覆部41が、それぞれ、トリムボード11の第1開口17および第2開口18の周縁を基準として取り付けられる際に、第1被覆部31および第2被覆部41の間(連結部50)に、第1開口17および第2開口18の間の距離や角度に対する公差があった場合でも、それらの公差を第1伸縮部55および第2伸縮部57の伸縮(変形)により吸収することができる。
【0069】
また、第1伸縮部55は、互いに異なる方向に延びる第1上伸縮部55Aおよび第1内伸縮部55Bを備えており、第2伸縮部57は、互いに異なる方向に延びる第2上伸縮部57Aおよび第2内伸縮部57Bを備えている。さらに、第1上伸縮部55A、第1内伸縮部55B、第2上伸縮部57A、および第2内伸縮部57Bは、いずれも、異なる方向に延びている。
【0070】
このような構成によれば、第1開口17(第1被覆部31)と第2開口18(第2被覆部41)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、第1伸縮部55の互いに異なる方向に延びる第1上伸縮部55Aおよび第1内伸縮部55Bと、第2伸縮部57の互いに異なる方向に延びる第2上伸縮部57Aおよび第2内伸縮部57Bとにより、複数の方向において公差による歪みを吸収し易く、ポケットボード30にかかる応力を低減することができる。
【0071】
また、伸縮部は第1被覆部31および第2被覆部41の並び方向において一対設けられており、一対の伸縮部(第1伸縮部55および第2伸縮部57)は、互いに異なる方向に延びている。
【0072】
このような構成によれば、第1開口17(第1被覆部31)と第2開口18(第2被覆部41)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、異なる方向に延びる第1伸縮部55および第2伸縮部57により、複数の方向において公差による歪みを吸収し易く、ポケットボード30にかかる応力を低減することができる。
【0073】
また 第1伸縮部55および第2伸縮部57は、連結部50の板面から互いに異なる方向に突出するように屈曲されている。
【0074】
このような構成によれば、第1伸縮部55および第2伸縮部57が連結部50の板面から同方向に突出するように屈曲されている構成と比較して、公差による歪みをさらに吸収し易くなり、ポケットボード30にかかる応力を低減することができる。
【0075】
また、第1伸縮部55は連結部50のうち第1被覆部31に沿った縁部である第1縁部51に設けられており、第2伸縮部57は連結部50のうち第2被覆部41に沿った縁部である第2縁部56に設けられている。
【0076】
このような構成によれば、第1開口17(第1縁部51)と第2開口18(第2縁部56)とが空間においてねじれた配置とされている場合に、第1伸縮部55および第2伸縮部57が縁部以外の位置に設けられる構成と比較して、ポケットボード30にかかる応力をより低減することができる。
【0077】
また、ポケットボード30は、連結部50の取付部52においてトリムボード11に設けられた中央取付ボス25と締結されることにより、トリムボード11に対して取り付けられている。
【0078】
このような構成によれば、第1被覆部31および第2被覆部41を個別の部材として設ける構成と比較して、締結部を共通化することが可能となり、少ない締結部(締結箇所)によりポケットボード30をトリムボード11に対して取り付けることができる。すなわち、取付時の作業性に優れる。特に、本実施形態のように、単一の締結部により締結する構成とすることも可能であり、このような構成とした場合には、より作業性に優れる。また、トリムボード11とポケットボード30とを連結部50が配される部分で互いに締結することにより、両者がより位置ずれし難くなるとともに、ドアトリム10全体としての剛性も向上する。
【0079】
トリムボード11とポケットボード30との間には、第1被覆部31のトリムボード11に対する取り付け位置の基準となる第1基準(第1挿通孔61Aおよび第1取付ボス23Aと、第1係止孔62Aおよび第1係止爪24A)と、第2被覆部41のトリムボード11に対する取り付け位置の基準となる第2基準(第2挿通孔61Bおよび第2取付ボス(図示せず)と、第2係止孔62Bおよび第2係止爪24B)と、が設けられている。
【0080】
このような構成によれば、ポケットボード30の第1被覆部31および第2被覆部41が、トリムボード11に対して、それぞれ個別に、第1基準および第2基準を取り付け位置の基準として取り付けられる際に、トリムボード11およびポケットボード30の間に、各基準の間の距離や角度に対する公差があった場合でも、それらの公差を連結部50に設けられた伸縮部55,57の伸縮により吸収することができる。
【0081】
また、本実施形態においては、第1被覆部31および第2被覆部41が、トリムボード11の意匠面11Aから車室外側かつ下方に向けて凹状に窪むことにより、ドアポケット14を構成している。
【0082】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
(1)上記実施形態では、連結部50が屈曲部(第1伸縮部55および第2伸縮部57)を有する形態を示したが、屈曲部は省略することもできる。
【0084】
(2)上記実施形態では、屈曲部(第1伸縮部55および第2伸縮部57)がクランク状に屈曲された形態を示したが、屈曲部はクランク状に限らず、伸縮可能な任意の形態とすることができる。例えば、断面がV形状やW形状となるように3回以上屈曲させた形態とすることができる。
【0085】
(3)上記実施形態では、一対の屈曲部(第1伸縮部55および第2伸縮部57)を設ける構成を示したが、屈曲部は1本だけ設けてもよく、3本以上設けることもできる。また、屈曲部を複数本設ける場合、複数本の屈曲部の屈曲形態はそれぞれ異なるものとすることもできる。
【0086】
(4)上記実施形態では、一の屈曲部が互いに異なる方向に延びる第1部分および第2部分を備える構成を示したが、一の屈曲部は直線状としてもよいし、さらに異なる方向に延びる部分(例えば第3部分)を備える構成とすることもできる。
【0087】
(5)屈曲部は、連結部の縁部以外の部分に設けてもよい。
【0088】
(6)上記実施形態では、連結部50において第1部材(ドアトリム10)と第2部材(ポケットボード30)とを単一の締結部(中央取付ボス25、挿通孔53)により締結する構成を示したが、連結部において締結部により締結しない構成や、複数の締結部により締結する構成も技術的範囲に含まれる。また、連結部において例えば接着等の締結部以外の方法により第1部材と第2部材とを組み付ける構成も技術的範囲に含まれる。
【0089】
(7)上記実施形態では、車両用のドアトリム10に設けられるドアポケット14について示したが、ドアトリムのポケット以外にも本発明の技術を適用することができる。
【0090】
(8)上記実施形態では、ポケットボード30をトリムボード11に取り付ける際に、まず、第1被覆部31を第1開口17に対して位置合わせし、次に、第2被覆部を第2開口に対して位置合わせし、その後、連結部50をトリムボード側連結部20に取り付ける手順としたが、ポケットボード30のトリムボード11に対する取り付け手順は、上記実施形態に限るものではない。例えば、第1被覆部31より先に第2被覆部41を取り付けるようにしてもよく、また、連結部50をトリムボード側連結部20に取り付けた後に、第1被覆部31および第2被覆部41を第1開口17および第2開口18の周縁部に取り付ける構成としてもよい。この場合も、第1伸縮部55および第2伸縮部57により、第1被覆部31および第2被覆部41の連結部50に対する距離や角度等を、容易に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
10:ドアトリム(車両用内装材)、11:トリムボード(第1部材)、11A:意匠面、14:ドアポケット、17:第1開口、18:第2開口、20:トリムボード側連結部、23A:第1取付ボス(第1基準)、24A:第1係止爪(第1基準)、24B:第2係止爪(第2基準)、25:中央取付ボス(締結部)、30:ポケットボード(第2部材)、31:第1被覆部、41:第2被覆部、50:連結部、51:第1縁部、52:取付部、55:第1伸縮部(屈曲部)、55A:第1上伸縮部(第1部分)、55B:第1内伸縮部(第2部分)、56:第2縁部、57:第2伸縮部、57A:第2上伸縮部(第1部分)、57B:第2内伸縮部(第2部分)、60A:第1フランジ部、60B:第2フランジ部、61A:第1挿通孔(第1基準)、61B:第2挿通孔(第2基準)、62A:第1係止孔(第1基準)、62B:第2係止孔(第2基準)
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11