(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】印刷データの補正方法、プログラム及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B41J2/01 203
B41J2/01 207
B41J2/01 401
B41J2/01 451
(21)【出願番号】P 2022023410
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修一
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178043(JP,A)
【文献】特開2013-240991(JP,A)
【文献】特開2017-136689(JP,A)
【文献】特開2014-159171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を行う印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷し、
印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定し、
前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷し、
印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定し、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正
し、
前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、
1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、
ことを特徴とする印刷データの補正方法。
【請求項2】
前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、前記第1印刷と前記第2印刷とにより互いに補完し合う図柄を印刷することで形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷データの補正方法。
【請求項3】
前記印刷手段は、前記第1の補正値の値に応じた単位ブロックを前記第2の補正用チャートの中心に印刷する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データの補正方法。
【請求項4】
前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、1つの補正値取得用媒体又は複数の補正値取得用媒体にそれぞれ印刷される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
【請求項5】
前記第2の補正用チャートは、前記第1の補正用チャートよりも高解像度の印刷パターンで形成される補正用チャートである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
【請求項6】
前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記印刷手段により印刷された前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートのうち、濃度又は鮮鋭度の高い箇所に基づいて取得される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法
。
【請求項7】
前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記印刷手段により印刷された補正用チャートを撮影した画像に基づいて補正値を取得する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
【請求項8】
少なくとも補正値取得用媒体に印刷を行う印刷手段を備える装置を制御するコンピュータに、
前記印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷させる第1補正用印刷機能と、
印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定機能と、
前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷させる第2補正用印刷機能と、
印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定機能と、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正する補正機能と、
を実現させ、
前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、
1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段により印刷され第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定
手段と、
設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャート
が前記印刷手段により印刷されると、印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定
手段と、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正するデータ補正
手段と、
を備え、
前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、
1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、
ことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データの補正方法、プログラム及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指の爪等にデザインの印刷を施す印刷装置(ネイルプリント装置)が知られている。このような印刷装置では、例えばインクジェット方式の印刷ヘッドを用いて印刷処理が行われる。
印刷ヘッドは、印刷装置の正面に対する左右方向(主走査方向)に対して直交する方向へ移動可能な状態が正常な設置状態であるが、設計の際や組み付ける際の誤差、外部からの衝撃等により、この正常な設置状態から傾いてしまうことがある。
【0003】
印刷ヘッドが傾いた状態で印刷を行うと、インクの着弾位置が本来予定された位置からずれてしまい、高品位の印刷結果を得ることができない。
特に、複数回のパスによって1つの領域を印刷するマルチパス方式で印刷を行う場合には、各パスにおいてそれぞれ印刷された画像に位置ずれを生じてしまうため、印刷品位の低下が顕著となる。
【0004】
この点、例えば特許文献1には、印刷ヘッド(特許文献1において、記録ヘッド)のノズル群の傾き量を検出するためのテストパターンを記録(印刷)させ、検出された傾き量に対応するマスクパターンを選択して、傾き量の大きなノズルから吐出されるインクによって形成されるドットの数を少なくすることで、印刷品位の低下を抑える記録(印刷)方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、印刷装置がネイルプリント装置のように比較的小さいものを印刷対象とする場合、普通紙等を印刷対象とするような一般のプリンタと比較して小型の筐体が想定されるため、印刷ヘッドが移動できる移動可能範囲及び印刷対象の範囲、つまり印刷可能範囲が一般的に狭いことが想定される。
【0007】
印刷ヘッドの傾き量に対応した補正を行うためには複数のテストパターン(テスト印刷領域)で形成される補正用チャートを印刷して補正値を取得する手法が考えられ、高い補正精度を実現するためには高分解能(高解像度)の補正用チャートを印刷する必要がある。しかし、印刷可能範囲が狭い場合、印刷できる補正用チャートの幅には限界があり、僅かな数のテストパターンによる補正用チャートしか得られない。このため、小さなずれ量(傾き量)の場合しか高い補正精度を得ることができず、ずれ量が大きい場合には高精度の補正を行うことが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、印刷可能範囲が狭い場合でも印刷ヘッドの傾きに基づくずれの補正を容易とする印刷データの補正方法、プログラム及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る印刷データの補正方法は、印刷を行う印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷し、印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定し、前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷し、印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定し、前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正し、前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、少なくとも補正値取得用媒体に印刷を行う印刷手段を備える装置を制御するコンピュータに、前記印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷させる第1補正用印刷機能と、印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定機能と、前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷させる第2補正用印刷機能と、印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定機能と、前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正する補正機能と、を実現させ、前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、ことを特徴とする。
また、本発明に係る印刷装置は、印刷を行う印刷手段と、前記印刷手段により印刷され第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定手段と、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートが前記印刷手段により印刷されると、印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定手段と、前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正するデータ補正手段と、を備え、前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷可能範囲が狭い場合でも印刷ヘッドの傾きに基づくずれの補正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における印刷装置の要部外観構成を示す斜視図である。
【
図2】印刷装置に設けられる指配置部の一例を示す斜視図である。
【
図3】実施形態における補正用紙の一例を示す平面図である。
【
図4】実施形態における印刷装置及び印刷装置と連携する端末装置の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
【
図5】(a)は、印刷ヘッドの構成例を示す平面図であり、(b)は、マルチパス方式による印刷を説明する説明図である。
【
図6】印刷ヘッドが傾いた状態での印刷処理を説明する説明図である。
【
図7】実施形態における印刷データの補正処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】(a)は、補正用チャートを構成するパターンAの一例を示す図であり、(b)は、(a)に示すパターンAを繰り返してなるブロックAの一例を示す図である。
【
図9】(a)は、補正用チャートを構成するパターンBの一例を示す図であり、(b)は、(a)に示すパターンBを繰り返してなるブロックBの一例を示す図である。
【
図10】(a)は、パターンAとパターンBとがずれなく重なり合った場合の補正用チャートの一例を示す図であり、(b)は、パターンAとパターンBとがずれて重なった場合の補正用チャートの一例を示す図である。
【
図11】(a)は、補正用チャートと補正用チャートから得られる補正値との対応を説明する対応表であり、(b)は、補正用チャートに現れるずれを模式的に示す図である。
【
図12】(a)は、補正用チャートを構成するパターンCの一例を示す図であり、(b)は、(a)に示すパターンCを繰り返してなるブロックCの一例を示す図である。
【
図13】(a)は、補正用チャートを構成するパターンDの一例を示す図であり、(b)は、(a)に示すパターンDを繰り返してなるブロックDの一例を示す図である。
【
図14】(a)は、パターンCを繰り返してなるブロックCの一例及びパターンDを繰り返してなるブロックDの一例を示す図であり、(b)は、補正用チャートと補正用チャートから得られる補正値との対応を説明する図である。
【
図15】第1の補正値が「-4」であった場合の、第2の補正用チャートの印刷例を示す図であり、図中上段は第1印刷により印刷される第2の補正用チャートを構成するパターンCの一例であり、図中下段は第2印刷により印刷される第2の補正用チャートを構成するパターンDの一例である。
【
図16】補正用紙に第1の補正用チャートと第2の補正用チャートとを印刷した場合の印刷例を示す図である。
【
図17】実施形態の一変形例における第1補正値取得用領域及び第2補正値取得用領域が設けられた補正用紙の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から
図16を参照しつつ、本発明に係る印刷装置、印刷データの補正方法及びプログラムの一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
例えば以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を印刷対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを印刷対象としてもよい。
【0013】
図1は、本実施形態における印刷装置(ネイルプリント装置)の要部外観構成を示す斜視図である。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、
図1に示した向きをいうものとする。また、X方向は左右方向、Y方向は前後方向をいうものとする。
【0014】
図1に示すように、印刷装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体2を有している。
筐体2の上面(天板)には操作部21及び表示部22が設置されている。
なお、筐体2各部の形状や各部の配置等は、図示例に限定されず、適宜設定可能である。例えば、操作部21や表示部22は、筐体2の上面ではなく側面や背面等に設けられていてもよい。また、図示例では、操作部21が1つのボタンで構成されている場合を示しているが、操作部21は筐体2の上面等に設けられた複数のボタン等で構成されていてもよい。その他、筐体2にはインジケータ等が設けられていてもよい。
【0015】
操作部21は、ユーザが各種入力を行うものである。
操作部21は、例えば、印刷装置1の電源をON/OFFする操作ボタン(電源スイッチボタン)等である。
操作部21が操作されると操作に応じた操作信号が制御部11に出力され、制御部11が操作信号に従った制御を行い、印刷装置1の各部を動作させる。例えば操作部21が電源スイッチボタンである場合、ボタン操作に応じて印刷装置1の電源がON/OFFされる。
なお本実施形態では、印刷装置1が後述の端末装置8(
図4参照)等と連携しており、操作部21に代えて、後述する端末装置8の操作部83(
図4参照)等から入力された操作信号に従って印刷装置1の各部が動作してもよい。
【0016】
表示部22は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
なお、表示部22の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部21として機能する。
【0017】
表示部22には、ユーザが操作部21等から入力・選択したネイルデザインやユーザの爪Tを撮影した爪画像等が表示されてもよい。
また、本実施形態では後述するように、印刷ヘッド41(
図4参照)によって補正用紙Pに補正用チャートを印刷するようになっており、印刷された補正用チャートを撮影した画像が取得された場合には、表示部22に当該補正用チャートの画像を表示させてもよい。
さらに表示部22には、ユーザに対する各種の指示、案内、警告等を表示するメッセージ画面等が表示されてもよい。
【0018】
印刷装置1の筐体2の前面側(
図1においてY方向の手前側)であって装置の左右方向(
図1におけるX方向)のほぼ中央部には、印刷装置1による印刷時に指を挿入する開口部である指挿入口23が形成されている。
筐体2の内部には、指配置部3、印刷機構4、撮影部5(
図4参照)等を備えた図示しない装置本体が収容されている。
【0019】
指配置部3は、筐体2の内部であって指挿入口23に対応する位置に配置されている。
図2は、指配置部3を斜め後方から見た斜視図である。
図2に示すように、指配置部3の配置部本体31は、指挿入口23に対応する開口部32を有し、指挿入口23から挿入された指(印刷対象である爪に対応する指)を開口部32内に受け入れ、印刷に適した位置に保持する。
指配置部3の上面には開口部32から挿入された指の爪部分を露出させる窓部33が形成されている。本実施形態では、窓部33に対応する範囲が、後述する印刷ヘッド41(
図4参照)が印刷時に少なくとも移動することのできる移動可能範囲(印刷可能範囲)となっている。
【0020】
また本実施形態の指配置部3は、
図2に示すように、補正用紙P(
図3参照)を印刷対象とする場合にこれを所定の位置に配置する用紙配置部材35を着脱可能に備えている。
図2では、用紙配置部材35を指配置部3の配置部本体31に装着しようとする状態を示している。用紙配置部材35を指配置部3に取り付ける際は、
図2に示すように指配置部3の後方から窓部33を覆うように用紙配置部材35を装着する。
【0021】
補正用紙Pの具体的な材質等は特に限定されないが、表面に凹凸の無いものであることが好ましい。なお、補正用紙Pは用紙配置部材35にセットすることが可能な大きさの媒体であり、例えば印刷ヘッド41の移動可能範囲(印刷可能範囲)とほぼ同等の大きさ(例えば30mm×30mm程度の大きさ)の紙片である。
補正用紙Pをセットした状態の用紙配置部材35を指配置部3の配置部本体31に取り付けることで、補正用紙Pの表面(すなわち、補正用紙Pが印刷対象である場合における印刷対象面)が、爪の表面(すなわち、爪が印刷対象である場合における印刷対象面)が印刷に適した適正位置に配置された際の高さ位置とほぼ面一となる高さ位置に配置される。
【0022】
図3に示すように、本実施形態の補正用紙Pは、少なくとも第1補正値取得用領域(
図3のAr1)と第2補正値取得用領域(
図3のAr1)とを有する補正値取得用媒体である。第1補正値取得用領域Ar1内には、後述する印刷機構4の印刷ヘッド41によって、「第1の補正用チャート」が印刷され、第2補正値取得用領域Ar2内には、印刷ヘッド41によって、「第2の補正用チャート」が印刷される。
なお、補正用紙Pに印刷される補正用チャートについては、のちに詳述する。
【0023】
図4は、印刷装置及び印刷装置と連携する端末装置の概略の制御構成を示す制御ブロック図である。
図4に示すように、印刷機構4は、印刷ヘッド41、印刷ヘッド41を移動させるためのヘッド移動機構48(
図2参照)等を備えている。
本実施形態では、印刷機構4は印刷手段である印刷ヘッド41によって、本印刷の対象である指の爪等と、補正用印刷の対象である補正用紙P(補正値取得用媒体)とに印刷を施す。
【0024】
本実施形態の印刷ヘッド41は、印刷対象面(爪表面や補正用紙Pの表面)に対向する面が、インクを吐出させる複数のノズル口を備えたインク吐出面(いずれも図示せず)となっており、インクを微滴化し、インク吐出面から印刷対象(爪や補正用紙P)の被印刷面に対して直接にインクを吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のインクジェットヘッドである。印刷ヘッド41の構成は特に限定されないが、例えばインク吐出面等の吐出機構部とインクを貯留するインクカートリッジ(いずれも図示せず)とが一体となったカートリッジ一体型のヘッドである。
印刷ヘッド41は、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の色インクを吐出可能となっている。なお、印刷ヘッド41は、下地を形成する塗料として白色等の下地用インクも吐出可能となっていてもよい。なお、印刷ヘッド41に備えられるインクの種類はこれに限定されない。
【0025】
ヘッド移動機構48は、印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させるための図示しないX方向移動機構及び印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させるための図示しないY方向移動機構からなる。
X方向移動機構は、X方向移動モータ45(
図4参照)を含んでおり、X方向移動モータ45が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させる。また、Y方向移動機構は、Y方向移動モータ47(
図4参照)を含んでおり、Y方向移動モータ47が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させる。X方向移動モータ45、Y方向移動モータ47は、例えばステッピングモータである。
なお本実施形態では、装置の左右方向(X方向)を「主走査方向」とし、この「主走査方向」に直交する方向(すなわち、装置の前後方向(Y方向))を「副走査方向」とする。
【0026】
ここで、印刷機構4の印刷ヘッド41の構成について詳説する。
図5(a)は、本実施形態における印刷ヘッドの一例を模式的に示したものであり、
図5(b)は、
図5(a)に示した印刷ヘッドを副走査方向に移動させながら印刷することで1つの印刷ブロックを完成させる様子を模式的に示した説明図である。
【0027】
図示は省略するが、印刷ヘッド41には、長手方向に沿って複数のノズルが列状に配置されており、正常な状態では、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、ノズル列の配列方向(印刷ヘッド41の長手方向)が、主走査方向Xに直交する副走査方向Yに対して平行となっている。
本実施形態の印刷機構4は、複数回(n回)のパス(すなわち、主走査方向Xへのスキャン)によって1つの領域(印刷ブロック)PArを印刷するマルチパス方式で印刷を行うものである。
この場合、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷は、それぞれ第1ノズル(ノズル群n1)から第nノズル(ノズル群nn)が担当する。
【0028】
図5(a)は、印刷ヘッド41を模式的に示した図であり、印刷ヘッド41の左横の数字は、ノズル数(ノズル番号)を示している。
図5(a)では、印刷ヘッド41が長手方向に沿って320個のノズルを備える場合を例示しており、このノズルを4つのノズル群(n1~n4)に分けて1つの領域PArについて4回のパス(PASS)で印刷を行う場合を図示している。
すなわち、
図5(a)に示す例では、1~80のノズルによってノズル群n1が構成され、81~160のノズルによってノズル群n2が構成され、161~240のノズルによってノズル群n3が構成され、241~320のノズルによってノズル群n4が構成されている。
【0029】
本実施形態では、
図5(b)に示すように、1回パスを行うごとに、1つのノズル群(n1~n4)の長さ分(本実施形態では印刷ヘッド41の有する全ノズルの長さの1/4)ずつ、副走査方向Y(図中、順方向Ya)に印刷ヘッド41をずらしながら印刷を繰り返し、4回のパスによって1つの領域(印刷ブロック)PArを印刷する場合を例示する。
すなわち、
図5(b)に示す例では、1つの領域PArに着目した場合、領域PArについての1パス目となるノズル群n1による印刷、2パス目となるノズル群n2による印刷、3パス目となるノズル群n3による印刷、4パス目となるノズル群n4による印刷によって領域PArの印刷が完了する。なお、
図5(b)では、ある1つの領域PArに着目した場合に、使用されるノズルの組(担当ノズルの組)を、破線で囲んで示している(例として2つの領域PArについてそれぞれ担当ノズルの組を示している。)。
【0030】
これに対して
図6は、印刷ヘッドが副走査方向に対して主走査方向側に傾いている場合を模式的に示したものである。
図6に示す例では、副走査方向Yに対して平行な状態から印刷ヘッド41の先端側(
図6において、ノズル群n1の設けられている側)が右(
図6におけるX方向の右側)に傾いている例を示している。
この場合、
図5(b)の場合と同様に、1回パスを行うごとに、1つのノズル群(n1~n4)の長さ分(印刷ヘッド41の1/4)ずつ、副走査方向Y(図中、順方向Ya)に印刷ヘッド41をずらしながら印刷を繰り返し、1つの領域(印刷ブロック)PAr(
図6中の破線領域)を4回のパスによって印刷すると、印刷ヘッド41の傾きが原因で各パスにおける印刷にそれぞれずれを生じてしまう。
【0031】
図6に示すように、印刷ヘッド41が副走査方向Yに対して傾いている場合、特にノズル群n1による1パス目の印刷とノズル群nn(図示例ではノズル群n4)によるnパス目(図示例では4パス目)の印刷とが大きくずれを生じる。このため、後述するように、補正値を得るための印刷では、ある領域(印刷ブロック)PArに着目した場合における、ノズル群n1による1パス目の印刷とノズル群nn(図示例ではノズル群n4)によるnパス目(図示例では4パス目)の印刷とのずれ量を取得する。
具体的には、1パス目のノズル群n1による印刷を行った後、2パス目のノズル群n2による印刷、及び3パス目のノズル群n3による印刷については行わず、4パス目のノズル群n4による印刷を行う。このように1つの領域PArについて最もずれ量の大きい最初の印刷パターンと最後の印刷パターンとを補正のための比較に用いることで、より精度の高い補正値を取得することが可能となる。
なお、補正用チャートの詳細及び補正用チャートに基づく補正値の取得方法については、のちに詳述する。
【0032】
また、筐体2の上面(天板)の内側であって、指配置部3の窓部33(指配置部3に用紙配置部材35が装着された際には補正用紙P)の上方位置には、窓部33から露出する爪(爪を含む指)や、用紙配置部材35にセットされた補正用紙Pを撮影して画像を取得することのできる撮影部5が設けられている。
撮影部5は、例えば200万画素以上の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラ等であるカメラ51と、撮影対象を照明する白色LED等で構成された光源52とを備えている(
図4参照)。
なお、撮影部5は、指配置部3に載置された指の爪や用紙配置部材35にセットされた補正用紙Pを撮影可能な位置に設けられていればよく、具体的な配置は特に限定されない。例えば、撮影部5は、印刷ヘッド41を移動させるヘッド移動機構48によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
【0033】
また
図4に示すように、印刷装置1は、上述した印刷機構4及び撮影部5のほかに、通信部25と、制御装置10等を備えている。
【0034】
通信部25は、印刷装置1と連携して動作する後述の端末装置8との間で情報の送受信が可能に構成されたものである。
印刷装置1と端末装置8との間での通信は、例えば無線LAN等により行われる。なお、印刷装置1と端末装置8との間での通信はこれに限定されず、いかなる方式によるものでもよい。例えば、インターネット等のネットワーク回線を使うものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信を行うものであってもよい。また、この通信は無線に限定されず、有線接続により両者間で各種データの送受信が可能な構成としてもよい。通信部25は端末装置8の通信方式に対応するアンテナチップ等を備えている。
【0035】
印刷装置1に搭載される制御装置10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する制御部11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)を有する記憶部12とを備えるコンピュータである。
【0036】
記憶部12には、印刷装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部12のROM等には、例えば印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムを制御部11がRAMの作業領域に展開して実行することによって、印刷装置1の各部が統括制御される。
【0037】
制御部11は、印刷機構4の動作を制御する印刷制御手段、撮影部5の動作を制御する撮影制御手段、表示部22の表示を制御する表示制御手段、通信部25を制御する通信制御制御手段として機能する他、第1補正値設定手段、チャート印刷位置設定手段、第2補正値設定手段、データ補正手段等として機能する。これらの各機能は、制御部11のCPUと記憶部12のROM121に記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
【0038】
第1補正値設定手段として機能する制御部11は、印刷手段である印刷機構4の印刷ヘッド41により補正用紙Pの第1補正値取得用領域Ar1内に「第1の補正用チャート」が印刷されると、当該「第1の補正用チャート」に基づいて取得される補正値を「第1の補正値」として設定する。
本実施形態では、後述する
図16のように第1補正値取得用領域Ar1内に印刷された「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度の高い部分を読み取り、これに応じて補正値を取得する。
【0039】
なお、補正値を取得する手法は特に限定されない。
例えば「第1の補正用チャート」が印刷された第1補正値取得用領域Ar1を撮影部5のカメラ51によって撮影して画像を取得し、当該画像に画像処理を行う等により「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分を読み取って自動的に補正値を取得する。なお、カメラ51によって撮影して得た画像を表示部22等に表示させ、これをユーザが目視にて確認することで、「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分を読み取ってもよい。また、カメラ51による撮影を行わず、「第1の補正用チャート」が印刷された補正用紙Pを直接目視して「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分を確認してもよい。
【0040】
補正値が自動的に取得された場合には、取得された補正値を制御部11が「第1の補正値」として設定する。
また、「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分を、ユーザが補正用紙Pを直接目視して、又は表示部22に表示された画像から目視にて読み取った場合には、ユーザが読み取った部分に対応するずれ量を操作部21等から入力することで補正値が制御部11に取得され、第1補正値設定手段としての制御部11が、当該補正値を「第1の補正値」として設定する。
【0041】
チャート印刷位置設定手段として機能する制御部11は、取得(設定)した「第1の補正値」に応じて第2補正値取得用領域Ar2内に「第2の補正用チャート」の印刷位置を設定する。
本実施形態では、「第1の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分(最も濃度が高い単位ブロック)に対応するずれ量に基づいて「第1の補正値」が取得(設定)され、「第2の補正用チャート」を印刷する際には、「第2の補正用チャート」の中心(「第2の補正用チャート」が複数の単位ブロックで構成される場合には、そのうち中心の単位ブロック)が、「第1の補正値」が得られたずれ量の箇所となるように、「第2の補正用チャート」の印刷位置が設定される。
【0042】
第2補正値設定手段として機能する制御部11は、印刷ヘッド41により第2補正値取得用領域Ar2内の印刷位置に「第2の補正用チャート」が印刷されると、当該「第2の補正用チャート」に基づいて取得される補正値を「第2補正値」として設定する。
本実施形態では、「第2補正値」も「第1補正値」を設定する場合と同様に、第2補正値取得用領域Ar2内に印刷された「第2の補正用チャート」のうち、最も濃度の高い部分を読み取り、これに応じて補正値を取得する。補正値を取得する手法も「第1補正値」と同様にカメラ51により取得された画像から自動で取得されてもよいし、ユーザが目視により確認してもよい。
【0043】
補正値が自動的に取得された場合には、取得された補正値を制御部11が「第2の補正値」として設定する。
また、「第2の補正用チャート」のうち、最も濃度が高い部分を、ユーザが補正用紙Pを直接目視して、又は表示部22に表示された画像から目視にて読み取った場合には、ユーザが読み取った部分に対応するずれ量を操作部21等から入力することで補正値が制御部11に取得され、第2補正値設定手段としての制御部11が、当該補正値を「第2の補正値」として設定する。
【0044】
データ補正手段として機能する制御部11は、「第2補正値」に基づいて、印刷ヘッド41により印刷される印刷データを補正する。例えば、「第2の補正用チャート」によって、印刷される画像が1画素分ずれることが得られた場合、印刷データを1画素分補正する。
なお、データ補正手段としての制御部11は、「第2補正値」に基づく、印刷ヘッド41の傾きに応じた印刷データの補正の他に、印刷対象である爪の曲率に対応する曲面補正等、各種の補正を行ってもよい。
【0045】
また、本実施形態の印刷装置1は、前述のように端末装置8との間で通信可能に構成されており、端末装置8からの動作指令に基づいて印刷動作等を実行する。
【0046】
端末装置8は、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末である。ただし、端末装置8は、印刷装置1と通信可能なものであれば特に限定されず、例えばノート型又は定置型のパソコンや、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
図4に示すように、端末装置8は、操作部83、表示部84、通信部85、制御装置80等を備えている。
【0047】
操作部83は、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、操作部83が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御装置80に送信される。なお、本実施形態では表示部84の表面にタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によっても各種の入力・設定等の操作を行うことができるようになっている。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部83はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部83として設けられていてもよい。
本実施形態では、ユーザが操作部83を操作することで、爪に印刷するネイルデザイン
の選択等ができる。
【0048】
表示部84に構成されているタッチパネルは、後述する制御部81の制御にしたがって各種の表示画面を表示させる。
また表示部84には、ユーザが操作部83から入力・選択したネイルデザインや、印刷装置1から送信された画像等が表示可能となっている。
さらに本実施形態では、補正用紙Pに「第1の補正用チャート」や「第2の補正用チャート」が印刷され、その画像がカメラ51によって取得されたときには、当該画像が表示部84に表示されてもよい。
【0049】
通信部85は、印刷装置1に対して印刷データを送信することが可能となっている。また、通信部85は、印刷装置1から爪画像等のデータが送信されたときには、これを受信する。通信部85は、印刷装置1の通信部25との間で通信可能な無線通信モジュール等を備えている。
なお、通信部85は、印刷装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、印刷装置1の通信部25の通信規格と合致するものが適用される。
【0050】
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部81と、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
制御部81は、端末装置8の各部の動作を統合的に制御する。制御部81は、記憶部82に記憶されたプログラムとの協働により、各種機能を実現する。
【0051】
記憶部82には、端末装置8の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的に、本実施形態の記憶部82には、端末装置8の各部を統括制御するための動作プログラムの他、印刷装置1を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム(以下「ネイルプリントAP」という。)等の各種プログラム(いずれも図示せず)が格納されており、制御装置80がこれらのプログラムを例えば記憶部82の作業領域に展開して実行することによって、端末装置8が制御される。
また、本実施形態の記憶部82には、図示しない各種のデザインデータ(ネイルデザインのデータ)が格納されている。
【0052】
続いて、印刷データの補正方法及び印刷装置1の作用について
図7等を参照しつつ説明する。
図7は、印刷データの補正処理の流れを示すフローチャートである。
印刷装置1及びこれと連携する端末装置8の電源がONとなると、端末装置8のネイルプリントAPが起動する。
これにより、
図7に示すように、印刷装置1の表示部22や端末装置8の表示部84に、補正用紙Pをセットするようユーザに促すメッセージが表示される(ステップS1)。なお、印刷装置1や端末装置8がスピーカ等の音声出力手段を有する場合には、各種表示部への表示に替えて、又は表示部に表示するとともに、音声による案内等を行ってもよい。
ユーザは案内を受けて、補正用紙Pを用紙配置部材35にセットし、用紙配置部材35を指配置部3に装着する。
補正用紙Pがセットされると、制御部11は、印刷機構4を制御して、印刷ヘッド41により補正用チャートを印刷させる。本実施形態では、補正用チャートとして、「第1の補正用チャート」と「第2の補正用チャート」とを補正用紙Pに印刷させるようになっている。
【0053】
ここで、本実施形態における補正用チャートについて詳説する。
なお以下の実施形態において、印刷ヘッド41にずれ(傾き)のない状態(印刷ヘッド41が副走査方向Yに平行である状態、
図5(a)及び
図5(b)に示す状態)を「ずれ量無」(ずれ量「0」)とし、印刷ヘッド41における副走査方向Y(順方向Ya)の先端側が順方向Yaの後端側に対して左側にずれている(傾いている)場合を「+」方向へのずれとし、右側にずれている(傾いている)場合を「-」方向へのずれ量とする。
【0054】
「第1の補正用チャート」は、比較的狭い領域への印刷によって幅広いずれ量(例えば「+6」画素のずれから「-6」画素のずれ量)に対応することが可能であるが、補正用チャートから取得することのできる補正値の精度は低くなり、高品位の印刷に対応できない。
これに対して、「第2の補正用チャート」は、「+3」画素のずれから「-3」画素のずれ量に対応する補正値を取得することができる補正用チャートであり、高精度の補正値を取得することができるが、幅広いずれ量に対応するには、その分大きな補正値取得用領域に大きな補正用チャート(より多くの単位ブロック)を印刷する必要がある。
【0055】
高品位の印刷を行うのに十分な高精度の補正を行うためには高精度の補正値を取得することが必要であり、そのためには、高分解能の補正用チャート(本実施形態における第2の補正用チャート)を用いることが好ましいが、他方で幅広いずれ量にも対応したい要請がある。例えば、1画素単位などの高分解能(高解像度)の補正用チャートの印刷を行う場合、正確なずれ量がチャート内で補正可能な範囲に収まっていれば正確な補正が可能だが、ずれ量がチャート内で補正可能な範囲に収まっていないのであれば、補正用チャートから補正値を得ることができない。一方で、2画素単位などの低分解能(低解像度)の補正用チャートで印刷を行う場合、広範囲のずれ量が補正可能であり、ずれ量はチャート内で補正可能な範囲に収まりやすいが、1画素単位のずれ量の補正ができないため、補正の精度が低下する。つまり比較的印刷可能範囲の小さな印刷装置の場合、従前では高い精度で幅広いずれ量に対する補正を行うことが困難であった。
そこで本実施形態では、第1の補正用チャートと、第1の補正用チャートよりも高分解能の補正用チャートである第2の補正用チャートと、を補正用紙Pに印刷させて2段階で補正値を取得し、第2の補正用チャートから取得された、より高精度の補正値(「第2の補正値」)によって印刷データを補正するようになっている。
【0056】
まず、第1の補正用チャートと第2の補正用チャートとに共通する補正用チャートの形成手法について説明する。
前述のように、本実施形態の印刷手段である印刷ヘッド41は、ある1つの領域(例えば
図6において、領域PAr)を、1パス目からnパス目の複数回のパスによって印刷するマルチパス方式で印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける当該領域PArの印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の「第1印刷」と第nノズルを用いたnパス目の「第2印刷」とにより形成される。
【0057】
印刷ヘッド41が副走査方向Yに対して傾いている場合には、特にノズル群n1による1パス目の印刷(すなわち、ある1つの領域PArの印刷を見た場合における最初のパスを担当する印刷ヘッド41の先端のノズル群による印刷)とノズル群nn(図示例ではノズル群n4)によるnパス目(図示例では4パス目)の印刷(すなわち、ある1つの領域PArの印刷を見た場合における最後のパスを担当する印刷ヘッド41の後端のノズル群による印刷)とが特に大きくずれを生じる(
図6参照)。
このため、補正用チャートは、ある1つの領域PArにおけるノズル群n1による1パス目の印刷(「第1印刷」)とノズル群nn(図示例ではノズル群n4)によるnパス目(図示例では4パス目)の印刷(「第2印刷」)によって形成する。
【0058】
例えば印刷ヘッド41のヘッド長(ノズル長)の1/4ずつ副走査方向Y(順方向Ya)に印刷ヘッド41を移動させながら4回のパスで1つの領域PArを完成させる場合、
図6に示すように、領域PArについての1パス目となるノズル群n1による印刷(これを「第1印刷」という。)を行った後、ヘッド長(ノズル長)の1/4だけ副走査方向Y(順方向Ya)に印刷ヘッド41を移動させ、2パス目ではノズル群n2による印刷を行わず、さらにヘッド長(ノズル長)の1/4だけ副走査方向Y(順方向Ya)に印刷ヘッド41を移動させ、3パス目のノズル群n3による印刷も行わずに、さらにヘッド長(ノズル長)の1/4だけ副走査方向Y(順方向Ya)に印刷ヘッド41を移動させて、領域PArについての4パス目となるノズル群n4による印刷(これを「第2印刷」という。)を行う。
補正用チャートは、このような「第1印刷」と「第2印刷」とにより互いに補完し合う図柄を印刷することで形成される。
【0059】
例えば
図8(a)及び
図8(b)から
図11(a)及び
図11(b)は、より高分解能の補正用チャートである「第2の補正用チャート」について説明する図である。
まず「第2の補正用チャート」を形成する場合には、「第1印刷」として、例えば
図8(a)に示すような6画素塗布し3画素塗布しないというパターンAを、主走査方向Xに繰り返し印刷したブロックA(
図8(b))を印刷し、「第2印刷」として、
図9(a)に示す6画素塗布せず3画素塗布するというパターンBを、主走査方向Xに繰り返し印刷したブロックB(
図9(b))とを印刷する。なお、
図8及び
図9では、1マスを1画素とし、有色(網掛けあり)のマスが塗布される画素、無色(網掛けなし)のマスが塗布されない画素を表している。
【0060】
「第1印刷」及び「第2印刷」によってパターンAとパターンBとがずれなく印刷されると、
図10(a)に示すように、塗布された箇所と塗布されていない箇所とが重なり合う。なお、図面上、パターンAにおける塗布箇所とパターンBにおける塗布箇所とで色(図面上の濃度)が異なるのは、両者を区別しやすくするために便宜上したものであって、実際にはパターンAにおける塗布箇所とパターンBにおける塗布箇所は、同じ色で塗布(印刷)されて問題ない。なお、このことは他の図面においても同様である。
このようにパターンAとパターンBとが互いにずれなく重なり合っている箇所では、全体としての濃度が高くなる。
【0061】
これに対して、「第1印刷」及び「第2印刷」によってパターンAとパターンBとがずれて印刷されると、
図10(b)に示すように、塗布された箇所と塗布されていない箇所とがずれてしまい、ブロックAとブロックBとがきれいに重なり合わず、隙間が発生する。
このようにパターンAとパターンBとがずれて印刷された場合には、ずれた分だけ隙間を生じ、ずれ量が大きい箇所ほど全体としての濃度が低くなる。
【0062】
図8(b)ではパターンAを8回繰り返し印刷したブロックAを示し、
図9(b)ではパターンBを7回繰り返し印刷したブロックBを示している。
なお、
図8(b)及び
図9(b)では、パターンA及びパターンBをそれぞれ同じサイクルで印刷し、パターンAで塗布されていない箇所にパターンBで塗布された箇所がずれなく重なり合うように繰り返し印刷した場合を図示しているが、実際の印刷では、パターンBを繰り返し印刷する際には、パターンを1つ印刷するごとに、次のパターンにおける塗布開始位置を1画素ずつずらして(シフトして)印刷していく。
【0063】
すなわち、印刷ヘッド41の傾きによるずれ量が無いことを想定してパターンBを繰り返し印刷する場合に、本来6画素塗布せず7画素目から3画素塗布するところ、1つ目のパターンを印刷する際には、3画素塗布せず4画素目から3画素塗布し(すなわち、ずれ量は「-」方向に3画素)、2つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置を1画素右側にずらして、4画素塗布せず5画素目から3画素塗布し(すなわち、ずれ量は「-」方向に2画素)、3つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置をさらに1画素右側にずらして、5画素塗布せず6画素目から3画素塗布する(すなわち、ずれ量は「-」方向に1画素)。そして、4つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置をさらに1画素右側にずらし、本来通り6画素塗布せず7画素目から3画素塗布する(すなわち、ずれ量は「無」)。
【0064】
また、5つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置をさらに1画素右側にずらす。これにより、本来のパターンよりも塗布開始位置が左側に1画素ずれて、7画素塗布せず8画素目から3画素塗布(すなわち、ずれ量は「+」方向に1画素)することとなる。同様に6つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置をさらに1画素右側にずらして、8画素塗布せず9画素目から3画素塗布し(すなわち、ずれ量は「+」方向に2画素)、7つ目のパターンを印刷する際には、パターンにおける塗布開始位置をさらに1画素右側にずらして、9画素塗布せず10画素目から3画素塗布する(すなわち、ずれ量は「+」方向に3画素)。上記のように1画素単位で塗布位置をずらしてパターンを形成することにより、印刷ヘッド41の傾きが無い場合は後述する
図11(b)のように補正用チャートの中心の濃度が最も高くなる。一方、印刷ヘッド41に傾きが生じている場合、印刷ヘッド41の傾きに応じて塗布位置が主走査方向へとずれてしまう。換言すれば、印刷ヘッド41に傾きが発生している場合には、印刷ヘッド41に傾きが無い場合の補正用チャートとは異なる塗布結果(最も濃い単位ブロックの位置が主走査方向に対して異なる位置に来る)が得られるため、これを利用してずれ量に応じた補正値を取得することができる。
以上に対して、パターンAの印刷は、6画素塗布して3画素塗布しないというパターンを維持して繰り返し行われる。
なお、補正用チャートを形成する「互いに補完し合う図柄」の例は、図示例のようなパターンA(パターンAが連続したブロックA)とパターンB(パターンBが連続したブロックB)に限定されない。
【0065】
例えば、印刷解像度を600dpiとした場合、1画素は約0.0423mmであり、濃度差からずれ量を検出するためには、撮影手段の分解能などの関係によりパターンAとパターンBとが重なり合った単位ブロックとして各単位ブロックにつき3mm程度の幅(長さ)が必要となる。±3画素以内で1画素単位のずれ量を検出するためには7つの単位ブロックが必要であり、単位ブロック間の間隔を1mmとした場合、検出に必要な印刷長は約27mm(3mm×7単位ブロック+1mm×6個)となる。
【0066】
この点、前述のように、本実施形態における印刷装置1の印刷ヘッド41の印刷可能範囲は比較的狭いが、指一本分の爪を印刷するために30mm程度の印刷幅は確保されており、指配置部3にセットされる補正用紙Pは、印刷可能範囲と同程度の30mm×30mm程度となっている。
このため、補正用紙Pには±3画素のずれを検出するために必要な7つの単位ブロック分の補正用チャートを印刷することが可能である。
【0067】
図11(a)は、上記のようにして形成された第2の補正用チャートから読み取られる補正値(第2の補正値)を示す表であり、パターンA及びパターンBの一部分を用いて例示している。また、
図11(b)は、実際の印刷結果例を示した図である。なお、
図11(a)において黒太線で囲った部分が、パターンA(パターンAが連続したブロックA)とパターンB(パターンBが連続したブロックB)とがずれなく重なり合っている部分であり、最も濃度が高い箇所となる。
なお、
図11(a)及び
図11(b)では、ブロックA、ブロックBや、これらが重なり合った各単位ブロックの長さ等は、説明の都合上短くなっており、実際のサイズ感等とは異なっている。
【0068】
例えば、パターンB(パターンBが連続したブロックB)を本来の塗布開始位置からずらさずに印刷した場合(すなわち、6画素塗布せず7画素目から3画素塗布した場合)に、パターンB(パターンBが連続したブロックB)とパターンA(パターンAが連続したブロックA)とがずれなく重なり合う場合には、印刷ヘッド41に傾きがなく、印刷ヘッド41の傾きに由来する印刷ずれに関して補正の必要がない場合である。この場合には、補正値「0」の箇所で最も濃度が濃くなっており、補正値は「0」となる。
【0069】
これに対して、例えば、印刷ヘッド41の傾きが原因でパターンB(パターンBが連続したブロックB)が本来の塗布開始位置から左に3画素ずれて印刷された場合に、パターンB(パターンBが連続したブロックB)とパターンA(パターンAが連続したブロックA)とがずれなく重なり合う位置として、補正値が「+3画素」の箇所が最も濃度が濃くなっている。この場合、印刷データへ適用する補正値は「+3画素」となる。
また、例えば、印刷ヘッド41の傾きが原因でパターンB(パターンBが連続したブロックB)が本来の塗布開始位置から右に3画素ずれて印刷された場合に、パターンB(パターンBが連続したブロックB)とパターンA(パターンAが連続したブロックA)とがずれなく重なり合う位置として、補正値が「-3画素」の箇所が最も濃度が濃くなっている。この場合、印刷データへ適用する補正値は「-3画素」となる。
【0070】
このように、印刷された補正用チャートのうち、最も濃度が濃くなっている箇所がいずれの補正値に対応するかを読み取ることによって、印刷ヘッド41の傾きに由来する印刷ずれに関して、印刷データに適用すべき補正値を得ることができる。
なお前述のように、補正用チャートの印刷結果から最も濃度が濃くなっている箇所に対応する数値を読み取る手法は、特に限定されず、カメラ51撮影された画像から自動で読み取られてもよいし、カメラ51撮影された画像を表示部22等に表示させて、ユーザが目視にて読み取ってもよいし、印刷が行われた補正用紙Pを一旦装置外に取り出してユーザ等が確認してもよい。
なお、印刷結果の最高濃度を認識したり、又は2つのパターン(パターンA及びパターンB)が隙間なく重なり合っている箇所を認識したりすることができればここでは±3画素までのずれの方向や程度を正しく取得できるが、ユーザが目視で確認したり、相対濃度で認識したりする場合には、+3画素以上(-3画素以下)のずれ量となると判断(濃度差の認識)が難しい。この場合、正確に取得できるずれ量は、±2画素程度となる。
【0071】
以上に対して、例えば
図12(a)及び
図12(b)から
図14(a)及び
図14(b)は、「第2の補正用チャート」より分解能(解像度)の点で劣るが、より幅広いずれ量に対応することのできる「第1の補正用チャート」について説明する図である。
まず「第1補正用チャート」を形成する場合には、「第1印刷」として、例えば
図12(a)に示すような12画素塗布し6画素塗布しないというパターンCを、主走査方向Xに繰り返し印刷したブロックC(
図12(b))を印刷し、「第2印刷」として、例えば
図13(a)に示す12画素塗布せず6画素塗布するというパターンDを、主走査方向Xに繰り返し印刷したブロックD(
図13(b))を印刷する。なお、
図12及び
図13では、1マスを1画素とし、有色(網掛けあり)のマスが塗布された画素、無色(網掛けなし)のマスが塗布されていない画素を表している。
【0072】
「第1印刷」及び「第2印刷」によってパターンCとパターンDとがずれなく印刷されると、
図10(a)に示すのと同様に、塗布された箇所と塗布されていない箇所とが重なり合う。なお、パターンCにおける塗布箇所とパターンDにおける塗布箇所とで図面上、色(図面上の濃度)が異なるのは、両者を区別しやすくするために便宜上したものであって、実際にはパターンCにおける塗布箇所とパターンDにおける塗布箇所は、同じ色で塗布(印刷)されて問題ない。なお、このことは他の図面においても同様である。
このようにパターンCとパターンDとが互いにずれなく重なり合っている箇所では、全体としての濃度が高くなる。
【0073】
図12(b)ではパターンCを3回繰り返し印刷したブロックCを示し、
図13(b)ではパターンDを3回繰り返し印刷したブロックDを示している。
なお、
図12(b)及び
図13(b)では、パターンC及びパターンDをそれぞれ同じサイクルで印刷し、パターンCで塗布されていない箇所にパターンDで塗布された箇所がずれなく重なり合うように繰り返し印刷した場合を図示しているが、実際の印刷では、パターンDを繰り返し印刷する際には、パターンを1つ印刷するごとに、次のパターンにおける塗布開始位置を2画素ずつずらして(シフトして)印刷していく。
【0074】
「第2補正用チャート」を形成する場合には、塗布開始位置を1画素ずつずらしてパターンBを印刷するのに対して、「第1補正用チャート」を形成する場合には、塗布開始位置を2画素ずつずらしてパターンDを印刷することで、ずれ量の取得単位が2画素となる。このため、「第1補正用チャート」から得られる補正値の精度は、高分解能の補正用チャートである「第2補正用チャート」から得られる補正値の精度と比較して半分になる。
この一方で、±6画素までのずれ量を検出するために必要な印刷長は、0.0423mm×(12×4+6×3)×7単位ブロック+1mm×6・・であり、約26mmとなる。
このため、30mmの印刷可能範囲があれば、±6画素までのずれ量に対応する補正値を取得することができる。
【0075】
図7に戻り、補正用紙Pがセットされると、まず、制御部11は印刷機構4の印刷ヘッド41によって、第1補正値取得領域Ar1に「第1の補正用チャート」を印刷させる(ステップS2、第1補正用印刷工程)。そして、印刷された「第1の補正用チャート」をカメラ51で撮影し、その画像を表示部22等に表示させる(ステップS3)。
「第1の補正用チャート」自体、又は表示部22に表示された画像から、最も濃度の濃い箇所を読み取り、当該箇所に対応する補正値を取得する(ステップS4)。
【0076】
例えば、
図14(a)及び
図14(b)に示す例では、±6画素までのずれ量に対応する「第1の補正用チャート」を印刷した場合の補正値の例を示した図である。
図14(b)のパターン印刷とずれ量の関係に関しては、2画素単位の印刷である以外、
図11(a)と同様であるため、一部のパターン印刷を例示している。
例えば、4画素(
図14(b)では左に4画素)ずれている場合及び6画素(
図14(b)では左に6画素)ずれている場合には、それぞれ1箇所、濃度の濃い箇所がある。
すなわち、4画素ずれている場合に最も濃度の高い箇所に対応する補正値は「+4」画素であり、6画素ずれている場合に最も濃度の高い箇所に対応する補正値は「+6」画素というように、それぞれ補正値が1つ取得できる。
そして「第1の補正用チャート」に基づいて取得された補正値を「第1の補正値」として設定する(ステップS5、第1補正値設定工程)。
【0077】
さらに、この「第1の補正値」に基づいて補正用紙Pの第2補正値取得領域Ar2に「第2の補正用チャート」を印刷する印刷位置を設定する(ステップS6)。具体的には、「第2の補正用チャート」として、
図11(b)等に例示したような7つの単位ブロックで構成された補正用チャートを印刷する場合、この7つの単位ブロックのうち中心となるブロック(センターブロック、補正値「0」となるべき位置)が「第1の補正値」に相当するずれ量の箇所(すなわち、「第1の補正値」の値に応じた単位ブロック、「第1の補正用チャート」のうち最も高濃度である箇所)となるように、「第2の補正用チャート」の単位ブロックの印刷位置を調整する。
【0078】
図15は、「第1の補正値」として「-4」画素を取得した場合の「第2の補正用チャート」の印刷例を示す図である。なお、
図15では、「第2の補正用チャート」を構成する7つの単位ブロックのうち中心となるブロック(センターブロック)のみを図示している。
図15に示すように、「第1の補正値」が「-4」画素である場合には、「第2の補正用チャート」のセンターブロックとして、パターンAに対して、パターンBの位置が4画素ずれたときにパターンAとパターンBとがちょうど重なり合うように調整して「第2の補正用チャート」を印刷する。つまり、「第2の補正用チャート」のセンターブロックには「-4」画素分ずれ量を補正した単位ブロックが印刷される。
【0079】
なお、5画素(
図14(b)では左に5画素)ずれている場合には、同程度に濃度の濃い箇所が2箇所あり、これに対応する補正値として「+4」画素と「+6」画素の2つが取得できる。すなわち、
図14(b)に示すように、補正値が「+4」のところでは、パターンDの右側にわずかに隙間があり、補正値が「+6」のところでは、パターンDの左側にこれと同程度のわずかに隙間があって、この場合には補正値が「+4」であるのか、「+6」であるのか、又はその中間の「+5」等であるのか、が認識しづらい。
【0080】
この場合には、まずパターンAを印刷し、最も濃度の高い箇所を正確に特定できなかった補正値である「+4」画素と「+6」画素とのいずれか一方に対応する位置での印刷が「第2の補正用チャート」のセンターブロックの位置に対応するようにして「第2の補正用チャート」を印刷する。なお、「+4」画素と「+6」画素とのいずれかを第2の補正値とするかは、制御部11が自動的に決定しても良いし、操作部21等によってユーザに入力させても良い。
このようにして、制御部11は、補正用紙Pの第2補正値取得領域Ar2内に印刷位置を設定すると、設定通りの印刷位置で「第2の補正用チャート」を印刷させる(ステップS7、第2補正用印刷工程)。
上記のように2画素単位での印刷を行う「第1の補正用チャート」からでは取得される補正値の精度は高くないが、印刷可能範囲が狭い印刷装置であっても、ずれ量(補正値)がおよそどの程度かを把握することができる。そして、「第1の補正用チャート」の最も濃度の高い単位ブロックが、「第2の補正用チャート」のセンターブロックに対応するよう位置調整し、1画素単位といった高精度なチャートを印刷することで、「第1の補正用チャート」では判断が付かなかった真のずれ量(真の補正値)を取得することができる。
【0081】
図16は、第1補正値取得領域Ar1内に「第1の補正用チャート」を印刷し、第2補正値取得領域Ar2内に「第2の補正用チャート」を印刷した補正用紙Pの例を示す図である。
「第1の補正用チャート」を印刷することで、2画素単位の「第1の補正値」(「-6」「-4」「-2」「0」「+2」「+4」「+6」)が取得されるが、例えば、「第1の補正用チャート」において最も濃度の濃い箇所が「+4」を示す単位ブロックであった場合、「第1の補正値」は「+4」となる。
そして、補正値「+4」に対応するこの単位ブロックが「第2の補正用チャート」のセンターブロック位置に来るように位置を調整して、「第2の補正用チャート」を印刷する。
【0082】
「第2の補正用チャート」が印刷されると、この「第2の補正用チャート」をカメラ51で撮影し、その画像を表示部22等に表示させる(ステップS8)。
そして「第2の補正用チャート」自体、又は表示部22に表示された画像から、最も濃度の濃い箇所を、自動で又はユーザによる目視で読み取り、当該箇所に対応する補正値を取得する(ステップS9)。
上述のように、「第2の補正用チャート」を印刷することで、1画素単位の「第2の補正値」が取得される。例えば、「+4」の「第1の補正値」に対応する単位ブロックが「第2の補正用チャート」のセンターブロックに対応するよう位置調整して印刷した場合、「第2の補正用チャート」からは補正値「+4」周辺についてのより詳細なずれ量を取得することができる。例えば「第2の補正用チャート」から「+1」「+2」「+3」「+4」「+5」「+6」「+7」辺りのずれ量をより詳細に判断した結果、「第1の補正用チャート」からは「+4」と判断されたずれ量が実は「+5」であった場合、制御部11は、取得された補正値「+5」を「第2の補正値」として設定し(ステップS10、第2補正値設定工程)、この「第2の補正値」に基づいて、印刷データの補正を行う(ステップS11、補正工程)。
【0083】
このように、まず広範囲のずれ量に対応できる粗い「第1の補正用チャート」を印刷させてあたりをつけ、ずれの程度や方向を絞り込んだ上で、「第1の補正用チャート」において最も濃度の濃い箇所が「第2の補正用チャート」のセンターブロック位置に来るように印刷範囲を絞り込んで、より高分解能の「第2の補正用チャート」を印刷する。これにより、
図16に示すように、「第2の補正用チャート」(図中下の段)では、濃度が最も高い単位ブロックが「第1の補正用チャート」(図中上の段)よりも中央部近くに配置され、2画素単位では判断が付きにくかったずれ量の程度を正確に判断できるようになり、真のずれ量(真の補正値)を得ることができる。
これによって、印刷ヘッド41による印刷可能範囲が狭い場合にも、広範囲のずれに対応でき、かつ高精度の補正値を取得することができる。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、少なくとも補正値取得用媒体である補正用紙Pに印刷を行う印刷ヘッド41により、補正用紙Pの第1補正値取得用領域内に「第1の補正用チャート」を印刷する第1補正用印刷工程と、印刷された「第1の補正用チャート」に基づいて取得される補正値を「第1の補正値」として設定する第1補正値設定工程と、「第1の補正値」に応じて補正用紙Pの第2補正値取得用領域内に設定された印刷位置に、印刷ヘッド41により、「第2の補正用チャート」を印刷する第2補正用印刷工程と、印刷された「第2の補正用チャート」に基づいて取得される補正値を「第2の補正値」として設定する第2補正値設定工程と、「第2の補正値」に基づいて、印刷ヘッド41により印刷される印刷データを補正する補正工程と、を含む。
これにより、広範囲のずれ量に対応できる粗い「第1の補正用チャート」も、高分解能の「第2の補正用チャート」も、ネイルプリントを行う印刷装置1で印刷可能な30mm×30mmの範囲内の補正用紙Pに印刷することができる。
そして、まず「第1の補正用チャート」によって大まかにあたりをつけ、「第1の補正用チャート」から取得される「第1の補正値」に基づいて、より高精度の補正値の得られる「第2の補正用チャート」を印刷させることで印刷データを高精度に補正することのできる高精度の補正値を得る。
これによって、印刷ヘッド41による印刷可能範囲が狭い場合にも、広範囲のずれに対応でき、かつ印刷データの補正を行うのに十分な精度の補正値を取得することができる。
【0085】
また本実施形態では、第1補正値取得用領域Ar1及び第2補正値取得用領域Ar2が、1つの補正用紙P内に設けられる。
これにより、「第1の補正用チャート」を印刷後に補正用紙Pを取り換える必要がない。また「第1の補正用チャート」及び「第2の補正用チャート」の印刷が1枚の用紙で済むため、ユーザにとってのメンテナンスコストも抑えることができる。
【0086】
また本実施形態における「第2の補正用チャート」は、「第1の補正用チャート」よりも高分解能の補正用チャートである、
これにより、「第2の補正用チャート」に基づいて、高精度の補正値である「第2の補正値」を得ることができ、印刷データについて高精度の補正を行うことができる。
【0087】
また本実施形態の第1補正値設定工程及び第2補正値取得工程は、印刷手段である印刷ヘッド41により印刷された補正用チャートのうち、濃度の高い箇所に基づいて補正値を取得する。
これにより、補正用チャートを撮影した画像を解析することで制御部11が自動的に補正値を取得することができる他、補正用チャートが印刷された補正用紙Pやこれを撮影して得た画像を、ユーザ等が目視にて確認することで補正値を取得することができる。
【0088】
また本実施形態における印刷ヘッド41は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域を印刷するマルチパス方式で印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される。
このようにマルチパス方式を採用することで、仮に印刷ヘッド41の一部に不良なノズルがある場合でも、他のノズルによって補完することができ、高品位な印刷結果を得ることができる。
また、このようなマルチパス方式の印刷では、印刷ヘッド41が傾いている場合、ある領域についての1パス目の印刷と、最後のパスであるnパス目の印刷とで最も大きくずれを生じる。この点本実施形態のように、第1ノズルを用いた1パス目の「第1印刷」と第nノズルを用いたnパス目の「第2印刷」とによって補正用チャートを形成することにより、最もずれの大きな状態を適切にとらえることができ、正確な補正値を得ることができる。
【0089】
また本実施形態における補正用チャートは、「第1印刷」と「第2印刷」とにより互いに補完し合う図柄を印刷することで形成される。
これにより、「第1印刷」と「第2印刷」とで印刷位置がずれている場合に、分かりやすく、補正値の程度等を容易に判断することができる。
【0090】
第1補正値設定工程及び補正情報取得工程は、印刷手段ヘッド41により印刷された補正用チャートを撮影した画像に基づいて補正値を取得する。
これにより、補正用チャートを撮影した画像を画像処理することで、制御部11が自動的に最も色の濃い箇所等を検出し、補正値を取得することができる。
【0091】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0092】
例えば、本実施形態では、補正値取得用媒体である1つの補正用紙Pに、少なくとも第1補正値取得用領域(
図3のAr1)と第2補正値取得用領域(
図3のAr2)とが設けられている場合(
図3参照)を例示したが、補正値取得用媒体はこれに限定されない。
例えば、第1補正値取得用領域Ar1と第2補正値取得用領域Ar2とがそれぞれ別の補正用紙P(補正値取得用媒体)に設けられていてもよい。
この場合には、第1補正値取得用領域Ar1を有する補正用紙Pに「第1の補正用チャート」を印刷して、「第1の補正値」を取得した後、第2補正値取得用領域Ar2を有する補正用紙Pの「第1の補正値」に応じて設定された印刷位置に「第2の補正用チャート」を印刷する。
このように、第1補正値取得用領域Ar1と第2補正値取得用領域Ar2とをそれぞれ別の補正用紙P(補正値取得用媒体)に設けた場合には、さらに広い範囲を使って補正用チャートを印刷することも可能となる。
【0093】
また本実施形態では、補正用チャートのうち、最も濃度が高い箇所に基づいて補正値を取得する場合を例示したが、補正値を取得する手法はこれに限定されない。
例えば2つの補正用の印刷パターンの単位ブロックとしてそれぞれ、主走査方向の幅が1~2画素程度で副走査方向に延びる直線を所定の間隔で複数本印刷させ、そのうち、互いの印刷パターンの直線が重なることにより柄がくっきりと見える箇所、すなわち、最も鮮鋭度の高い箇所に基づいて補正値を取得してもよい。
印刷ヘッド41がずれて傾いている場合には画像の鮮鋭性が低下する。すなわち、本来輪郭等が明確に読み取れるような画像が、滲んだりぼやけたりして見える場合には、印刷がずれていると判断できる。この場合にも、補正用チャートを撮影した画像を解析することで制御部11が自動的に補正値を取得することができる他、補正用チャートが印刷された補正用紙Pやこれを撮影して得た画像を、ユーザ等が目視にて確認することで補正値を取得することができる。なお、補正用のパターンの単位ブロックは複数の直線のものでなくともよく、格子状の印刷パターンが重なり合った際に最も鮮鋭度の高い単位ブロックを補正値の取得に用いても良い。
【0094】
また、本実施形態では、「第1の補正用チャート」を印刷して「第1の補正値」を取得した後、取得した補正値に基づき最もずれのない箇所が中心に来るようにして第2補正値取得用領域Ar2内に「第2の補正用チャート」を印刷することとしたが、このような「第2の補正用チャート」の印刷は「第1の補正値」の単位ブロックの、前後の補正値に当たる単位ブロックのみを印刷してもよい。つまり、「第1の補正値」を取得した後、第2補正値取得用領域Ar2内に、「第1の補正値」を適用した印刷、「第1の補正値」-1を適用した印刷、「第1の補正値」+1を適用した印刷によって形成してもよい。
この場合には、例えば
図17に示すような補正用紙Pの上段に第1補正値取得用領域Ar1を設け、下段に第1枠Ar2a、第2枠Ar2b、第3枠Ar2cを有する第2補正値取得用領域Ar2を設けて、第1補正値取得用領域Ar1に「第1の補正用チャート」を印刷し、第2補正値取得用領域Ar2の第1枠Ar2aには、印刷パターンを「第1の補正値」-1を適用して印刷し、第2枠Ar2bには、印刷パターンを「第1の補正値」を適用して印刷し、第3枠Ar2cには、印刷パターンを「第1の補正値」+1を適用して印刷する。そして、第1枠Ar2a、第2枠Ar2b、第3枠Ar2cに印刷された単位ブロックのうち、最も濃度の高い単位ブロックがどれであるかを判断し、最も濃度の高い単位ブロックに適用されていた補正値を「第2の補正値」として取得する。
【0095】
また、本実施形態では、「第1の補正用チャート」を印刷して、「第1の補正値」を取得した後、「第1の補正値」に応じて設定された印刷位置に「第2の補正用チャート」を印刷して「第2の補正値」を取得する、という2段階で真のずれ量(真の補正値)を取得する場合を例示したが、真のずれ量(真の補正値)を取得する工程は2段階に限定されない。
例えば3段階以上等、より複数段階で補正値を絞り込んで真のずれ量(真の補正値)を得るようにしてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、「第1の補正用チャート」において最も濃度の濃い箇所が「第2の補正用チャート」のセンターブロック位置に来るように印刷範囲を絞り込む手法について説明したが、印刷範囲を絞り込むための着目要素は「濃度」に限定されない。
例えば「明度」であってもよい。さらに、パターンAを黒色で印刷し、パターンBをCMY等いずれかの色でカラー印刷するような場合であれば「彩度」等に着目して補正値を判断してもよい。
【0097】
また、本実施形態では、「第1の補正用チャート」は粗い精度の補正値を得るチャートであり、「第2の補正用チャート」はより高精度の補正値を得るチャートであるものとしたが、「第1の補正用チャート」から大まかなずれ量の程度を把握して、徐々に精査する範囲を絞っていく手法をとれば、「第2の補正用チャート」は高精度の補正値を得るチャートに限定されない。
【0098】
また、本実施形態では、補正値取得用媒体である補正用紙Pに予め補正値取得用領域(第1補正値取得用領域Ar1、第2補正値取得用領域Ar2等)が設定されている場合を例示したが、補正値を取得するための印刷が、どの位置に印刷されたかを把握することができればよく、補正値取得用媒体に予め補正値取得用領域が設定されていることは必須ではない。
【0099】
また、「第1の補正用チャート」「第2の補正用チャート」等を印刷する補正値取得用媒体は、補正用紙Pに限定されない。例えば爪等を補正値取得用媒体として用いてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、印刷装置1が端末装置8と連携して印刷システムを構成し、ネイルデザインの選択等を端末装置8側で行った上で、印刷動作を印刷装置1側で実行する場合を例示したが、印刷装置1はここに示すようなものに限定されない。
例えば、ユーザが印刷装置1の操作部や表示部により各種操作等を行い、印刷装置1の制御装置がこれらの処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合には、端末装置8と連携することなく、印刷装置1が単体で印刷動作を完結できるように構成することもできる。また、印刷装置1と端末装置8との連携の度合い(処理の分担程度)を本実施形態のものから変更してもよく、例えば撮影や印刷以外の殆どの処理を端末装置8が担ってもよい。
【0101】
また、ネイルデザインや撮影された爪の画像、爪の形状情報等の各種データは、端末装置8の記憶部82に記憶されてもよいし、印刷装置1の記憶部12に記憶されていてもよい。
あるいは、ネットワーク回線等を介して接続可能なサーバ装置等に各種データを記憶させておき、端末装置8又は印刷装置1がサーバ装置等にアクセスしてこのデータを参照可能に構成してもよい。このようにすることで、より多くのネイルデザインの中から印刷するデザインを選択することなどが可能となる。
【0102】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷を行う印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷し、
印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定し、
前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷し、
印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定し、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正する、
ことを特徴とする印刷データの補正方法。
<請求項2>
前記印刷手段は、前記第1の補正値の値に応じた単位ブロックを前記第2の補正用チャートの中心に印刷する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷データの補正方法。
<請求項3>
前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、1つの補正値取得用媒体又は複数の補正値取得用媒体にそれぞれ印刷される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データの補正方法。
<請求項4>
前記第2の補正用チャートは、前記第1の補正用チャートよりも高解像度の印刷パターンで形成される補正用チャートである、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
<請求項5>
前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記印刷手段により印刷された前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートのうち、濃度又は鮮鋭度の高い箇所に基づいて取得される、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
<請求項6>
前記印刷手段は、1パス目からnパス目の複数回のパスによって1つの領域の印刷を行うものであり、1パス目からnパス目の各回のパスにおける印刷をそれぞれ第1ノズルから第nノズルが担当する場合に、
前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、第1ノズルを用いた1パス目の第1印刷と第nノズルを用いたnパス目の第2印刷とにより形成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
<請求項7>
前記第1の補正用チャート及び前記第2の補正用チャートは、前記第1印刷と前記第2印刷とにより互いに補完し合う図柄を印刷することで形成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の印刷データの補正方法。
<請求項8>
前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記印刷手段により印刷された補正用チャートを撮影した画像に基づいて補正値を取得する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷データの補正方法。
<請求項9>
少なくとも補正値取得用媒体に印刷を行う印刷手段を備える装置を制御するコンピュータに、
前記印刷手段により、第1の補正用チャートを印刷させる第1補正用印刷機能と、
印刷された前記第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定機能と、
前記印刷手段により、設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートを印刷させる第2補正用印刷機能と、
印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定機能と、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正する補正機能と、
を実現させる、ことを特徴とするプログラム。
<請求項10>
印刷を行う印刷手段と、
前記印刷手段により印刷され第1の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第1の補正値として設定する第1補正値設定手段と、
設定された前記第1の補正値に応じた第2の補正用チャートが前記印刷手段により印刷されると、印刷された前記第2の補正用チャートに基づいて取得される補正値を第2の補正値として設定する第2補正値設定手段と、
前記第2の補正値に基づいて、前記印刷手段により印刷される印刷データを補正するデータ補正手段と、
を備える、ことを特徴とする印刷装置。
【符号の説明】
【0103】
1 印刷装置
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
21 操作部
22 表示部
3 指配置部
33 窓部
35 用紙配置部材
4 印刷機構
41 印刷ヘッド(印刷手段)
5 撮影部
8 端末装置
P 補正用紙